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特表2022-542348ピボットを中心に配置させる円錐部を備える単結晶型の鉱石、及びその製造方法
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  • 特表-ピボットを中心に配置させる円錐部を備える単結晶型の鉱石、及びその製造方法 図1
  • 特表-ピボットを中心に配置させる円錐部を備える単結晶型の鉱石、及びその製造方法 図2
  • 特表-ピボットを中心に配置させる円錐部を備える単結晶型の鉱石、及びその製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】ピボットを中心に配置させる円錐部を備える単結晶型の鉱石、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 31/06 20060101AFI20220926BHJP
   G04B 31/008 20060101ALI20220926BHJP
   B23K 26/361 20140101ALI20220926BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20220926BHJP
【FI】
G04B31/06
G04B31/008
B23K26/361
B23K26/382
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503929
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2020068148
(87)【国際公開番号】W WO2021018491
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】19188642.3
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ベスッティ,エム・ブリュノ
(72)【発明者】
【氏名】ルトルヴェ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴュイユ,エム・ピエリ
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD05
4E168AD12
4E168AD18
4E168DA03
4E168DA47
(57)【要約】
本発明は、単結晶型の鉱物体から、特に計時器のための石(10)を製造する方法に関し、石(10)は、孔(8)を備える。方法は、アブレーションステップを含み、鉱物体は、持続時間が100ピコ秒未満である超短パルスレーザ照射により鉱物体の少なくとも一面をスキャンすることによって材料のアブレーションを受け、超短パルスレーザ光線は、前記レーザの円錐合焦角度を少なくとも部分的にキャンセルするように構成した少なくとも3軸の歳差運動方式によって案内し、レーザアブレーションステップは、孔(8)への入口に円錐部(12)を掘ることを含む。
本発明は、特に計時器のための単結晶型の鉱石にも関し、前記石は、石(10)の本体内に形成した孔(8)を備える面(6)と、孔(10)への入口における機能要素とを含む。機能要素は、円錐形状(12)を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶型の鉱物体から、特に計時器のための石(10)を製造する方法(1)であって、前記石(10)は、孔(8)を備える、方法(1)において、前記方法(10)は、アブレーションステップ(3)を含み、前記鉱物体は、持続時間が100ピコ秒未満である超短パルスレーザ照射により前記鉱物体の少なくとも一面をスキャンすることによって材料のアブレーションを受け、前記超短パルスレーザ光線は、前記レーザの円錐形合焦角度を少なくとも部分的にキャンセルするように構成した少なくとも3軸の歳差運動方式によって案内し、前記アブレーションステップ(3)は、前記孔(8)への入口に円錐部(12)を掘ることを含み、前記アブレーション(3)は、層毎に実行し、各前記層は、1~10μm、好適には2~4μmに及ぶ区間内に含まれる厚さを有することを特徴とする、方法(1)。
【請求項2】
前記アブレーションステップ(3)の間に得た前記円錐部(12)は、30°~120°、好適には45°~90°に及ぶ区間内に含まれる角度を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パルスは、50~400フェムト秒に及ぶ区間、好適には250~300フェムト秒、又は80~100フェムト秒に及ぶ区間内に含まれる持続時間を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザは、400~600nm、好適には450~550nmの間、又は更には500nmに及ぶ区間内に含まれる波長を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記鉱物体は、ALを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、ベルヌイ式方法によって前記鉱物体を製造する予備ステップ(2)を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法(1)は、前記レーザステップの後、前記アブレーション領域上への更なる仕上げステップ(4)、例えば、前記鉱物体に対する、特にアブレーション領域上へのラップ仕上げ及び/又はブラシ仕上げ及び/又は磨き仕上げを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザアブレーションステップ(3)は、前記孔(8)を掘ることを含み、前記孔(8)は、好適には、前記石(10)の下面(6)と上面(5)との間の貫通孔であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
特に計時器のための単結晶型の鉱石であって、前記石は、前記石(10)の本体内に形成した孔(8)を備える面(6)と、前記孔(8)への入口における機能要素とを含む、鉱石において、前記機能要素は、円錐形状(12)を有することを特徴とする、鉱石。
【請求項10】
前記鉱石は、上面(5)と、下面(6)とを備え、前記下面(6)は、前記円錐部(12)を含むことを特徴とする、請求項9に記載の鉱石。
【請求項11】
前記孔(8)は、前記円錐部(12)を前記石(10)の前記上面(5)に接続するように、貫通孔であることを特徴とする、請求項9又は10に記載の鉱石。
【請求項12】
前記石は、ALを含むことを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の石。
【請求項13】
特に制振軸受ブロックのための、請求項9から12のいずれか一項に記載の石(10)を備える計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に時計ムーブメントのための、ピボットを中心に配置させる円錐部を備える穿孔石に関する。
【0002】
本発明は、そのような穿孔石を製造する方法にも関する。
【0003】
本発明は、そのような穿孔石を備える時計ムーブメントにも関する。
【背景技術】
【0004】
時計製造の従来技術において、ルビー又はサファイアといった種類の石は、特に、軸受と呼ばれる、釣り合いピボット又は案内要素を形成するために使用される。こうした釣り合いピボット及び案内要素は、ピボットを最小の摩擦で回動移動可能にするようにピボットに接触することが意図される。したがって、釣り合いピボット及び案内要素は、例えば、回動するように組み付けられる軸に対する軸受ブロックの全部又は一部を形成する。
【0005】
原則的に、時計ムーブメントでは合成石が使用される。特に、ベルヌイ式方法は、単結晶型の石の製造で公知である。新たな石のグリーン体を得るため、加圧ツールから前駆体を加圧することによって作製される多結晶型の石もある。次に、石は、所望の寸法を有する完成形状を得るように機械加工される。
【0006】
ピボットのための回動案内要素として働く石は、概して、貫通孔を有し、貫通孔には、ピボットが挿入され、釣り合いピボット上に載置される。ピボットの挿入を容易にするため、ピボット挿入面には、実質的に半球状の凹部を孔の周囲に形成することが公知である。更に、この凹部により、ピボットが衝撃により外れた場合、ピボットを元の所定の位置に返すことが可能である。凹部は、例えば、ダイヤモンド形たがねで旋削することにより得られる。
【0007】
しかし、そのような方法により得られた凹部は、孔の縁部に突出するリムを有し、このため、ピボットは、例えば、衝撃の影響下、ピボットが孔から外れ、再度入った際に前記リムによって損傷を受ける場合があり、同様に、ピボットによってリムが損傷を受ける場合もある。
【0008】
このことを回避するため、円錐部を有する凹部に取り替えることが公知であり、円錐部の角度は、リムが余り突出しないように、より小さい。このことにより、特にピボットに対する摩耗を防止する。
【0009】
多結晶の石の案内要素に関し、加圧ツールは、例えば、円錐形状部と、入口に円錐部を備える孔の空洞の構成に関与するワイヤとを備える。
【0010】
単結晶型の石は、最初に、孔の空洞を得るためレーザで穿孔される。その後、孔の最終寸法は、ダイヤモンド形たがねを機械加工することによって得られる。しかし、円錐部を単結晶型の石内に作製する方法は、従来の機械加工がそのような形状を得ることを可能にしないため、公知ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、単結晶型の鉱物体から、特に計時器のための石を製造する方法を提案することによって上述の欠点の全て又は一部を緩和することであり、石は、孔を備える。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的で、方法は以下の点で注目に値する。方法は、アブレーションステップを含み、鉱物体は、持続時間が100ピコ秒未満である超短パルスレーザ照射により鉱物体の少なくとも一面をスキャンすることによって材料のアブレーションを受け、超短パルスレーザ光線は、前記レーザの円錐合焦角度を少なくとも部分的にキャンセルするように構成した少なくとも3軸の歳差運動方式によって案内され、レーザアブレーションステップは、貫通孔への入口に円錐部を掘ることを含む。
【0013】
この方法により、石から材料をかなり正確に取り除き、したがって、従来技術で公知のレーザ方法で形成することが不可能である形状及び表面を得ることが可能である。そのようなデバイスにより、レーザ光線をかなりの精度で合焦可能にする一方で、レーザ光線によって形成され前記レーザの合焦に起因するものである円錐角度を少なくとも部分的にキャンセルする。実際、この合焦は、レーザを円錐形状で生成し、レーザ局所点で全高に亘って同一の光線直径にすることを可能にしないため、本発明の材料アブレーションを可能にしない。本発明の方式は、光線の少なくとも一方の側で円錐角度をキャンセル可能にし、特に、垂直な切込みを得ることを可能にする。こうした垂直な切込みは、従来の切断レーザでは得ることができない。
【0014】
したがって、単結晶型の鉱物体の孔への入口で円錐部を得ることが可能であり、このことは、他の方式では可能ではなかった。特に、そのような円錐部は、非磁性軸をもつ、即ち、より柔らかいピボットに有用である。実際、そのような軸と単結晶型の石との組合せは、衝撃の影響下、衝撃が軸によって吸収されるため、変形可能である。
【0015】
更に、超短レーザパルスにより、石の質に悪影響を与える、熱による石の加熱を防止する。
【0016】
更に、本発明による方法により得られた石の表面状態Raは約0.1であり、この場合、石を従来の研磨手段により研磨可能にする。したがって、この方法は、実装を大して複雑にせずに、著しい利点をもたらす。
【0017】
本発明の特定の実施形態によれば、アブレーションステップの間に得られる円錐部は、30°~120°、好適には45°~90°に及ぶ区間内に含まれる角度を有する。
【0018】
本発明の特定の実施形態によれば、アブレーションは、層毎に実行し、各層は、1~10μm、好適には2~4μmに及ぶ区間内に含まれる厚さを有する。
【0019】
本発明の特定の実施形態によれば、パルスは、50~400フェムト秒に及ぶ区間、好適には250~300フェムト秒、又は80~100フェムト秒に及ぶ区間内に含まれる持続時間を有する。
【0020】
本発明の特定の実施形態によれば、レーザは、400~600nm、好適には450~550nmの間、又は更には500nmに及ぶ区間内に含まれる波長を有する。
【0021】
本発明の特定の実施形態によれば、鉱物体はALを含む。
【0022】
本発明の特定の実施形態によれば、方法は、ベルヌイ式方法によって鉱物体を製造する予備ステップを含む。
【0023】
本発明の特定の実施形態によれば、方法は、レーザステップの後、更なる仕上げステップ、例えば、鉱物体に対する、特にアブレーション領域上へのラップ仕上げ及び/又はブラシ仕上げ及び/又は磨き仕上げを含む。
【0024】
本発明の特定の実施形態によれば、レーザアブレーションステップは、孔を掘ることを含み、孔は、好適には、石の下面と上面との間の貫通孔である。
【0025】
本発明は、特に計時器のための単結晶型の鉱石にも関し、前記石は、石の本体内に形成した孔を備える面と、孔への入口にある機能要素とを含む。石は、機能要素が円錐形状を有するという点で注目に値する。
【0026】
本発明の特定の実施形態によれば、石は、上面と下面とを備え、下面は、円錐部を含む。
【0027】
本発明の特定の実施形態によれば、孔は、前記円錐部を前記石の上面に接続するような貫通孔である。
【0028】
本発明の特定の実施形態によれば、前記石はALを含む。
【0029】
最後に、本発明は、特に制振軸受ブロックのための、そのような石を備える計時器にも関する。
【0030】
他の特徴及び利点は、図面を参照しながら以下で示唆的及び非限定的に示す説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の方法による、石を製造するブロック図である。
図2】本発明による方法を使用するレーザアブレーションステップの後に得られた石の概略図である。
図3図2の石と、ピボットを備える軸とを備える組立体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上記で説明したように、本発明は、計時器の案内要素を形成することができる石を製造する方法に関する。石は、例えば、ピボットを最小の摩擦で回動移動可能にするようにピボットに接触することを意図する。したがって、本発明は、特に、回動状態で組み付けられる軸に対する軸受ブロックの全て又は一部を形成し得る石を製造可能にすることを理解されたい。
【0033】
石は、単結晶型の鉱物体から形成される。鉱物体は、例えば、ALを含む。
【0034】
図1に示す方法1は、時計製造の分野では周知であるベルヌイ式方法によって結晶性鉱物体を製造する第1ステップ2を含む。材料は、酸水素トーチによって2000℃超で溶融した粉体から形成される。粉体は、冷却後、溶融点以下で結晶化する。粉体は、所望の寸法に近い寸法を得られるように、特に、今後の機械加工を容易にするように寸法決定される。このステップは、一体形の単結晶体をもたらす。
【0035】
本発明によれば、方法は、石の孔への入口に円錐部を形成するため、第2レーザアブレーションステップ3を含む。レーザアブレーションステップ3の間、結晶体は、持続時間が100ピコ秒未満である超短パルスレーザ照射により鉱物体の少なくとも1つの側上をスキャンすることによって材料のアブレーションを受け、超短パルスレーザ光線は、前記レーザの合焦に起因するレーザの円錐形角度をキャンセルするように構成した少なくとも3軸の歳差運動方式によって案内される。そのようなデバイスは、例えば、文献WO2017029210に記載されている。レーザの円錐角度を少なくとも部分的にキャンセルすることを可能にする様々な種類のデバイスがある。一部のデバイスは、5又は6軸の歳差運動方式を使用する。
【0036】
したがって、レーザ光線は、少なくとも1つの実質的に垂直な縁部を有し、このため、これらのデバイスは、石の表面を掘り、単結晶鉱物体の孔への入口に特定の円錐形状を与えることを可能にする。この円錐部により、ピボットが衝撃のために孔から外れた場合、ピボットは、孔の縁部のリムによって損傷を受けずに、孔に戻る。そのような円錐部は、ピボットを孔に挿入するのを容易にし、衝撃の際にピボットが摩耗する危険性を回避する。円錐部のリムは、余り突出していないため、摩耗の危険性は大幅に減少する。例えば、30°~120°の間、好適には45°~90°の間に含まれる角度が選択される。
【0037】
アブレーションは、層毎に行われ、レーザは、鉱物体の掘る領域をスキャンする。各層は、例えば、1~10μm、好適には、2~4μmに及ぶ区間内に含まれる厚さを有する。材料は、所望の形状が得られるまで層毎に除去される。
【0038】
レーザは、例えば、400~600nmの間、好適には450~550nmの間に含まれる波長、又は更に約500nmの波長を有する。パルスの持続時間は、ピコ秒未満、例えば、50~400フェムト秒に及ぶ区間、好適には250~300フェムト秒、又は80~100フェムト秒に及ぶ区間内に含まれる。そのような特徴は、石を形成する材料の特性に悪影響を与えずに鉱物体を掘ることを可能にする。
【0039】
孔を石内に掘ることも可能である。この方法ステップは、空洞を通過する必要なしに正確な寸法まで孔を直接穿孔することを可能にし、次に、機械加工ステップは、孔の全高に亘り孔が厳密で均質な寸法を有するようにする。
【0040】
最後に、第3仕上げステップ4は、石の使用に適合する表面状態を石に与えることを可能にする。例えば、表面状態Ra=0.05μmを得ることが求められる。したがって、そのような仕上げステップは、ラップ仕上げ及び/又はブラシ仕上げ及び/又は磨き仕上げを含み、最終寸法の調節及び/又はリムの除去及び/又は凹凸の局所的修正を可能にする。
【0041】
図2及び図3に示すように、本発明は、上記した方法によって得ることができる石10にも関し、石は、例えば、案内要素を形成し、計時器の制振軸受ブロック内に組み付けられることが意図される。しかし、そのような石は、時計製造分野に限定することはできず、軸受ブロックに対して移動可能に組み付けられるあらゆる要素に適用することができる。石10は、上記方法で説明した特徴を含む。特に、石は、例えば、ALOを含む単結晶鉱物材料から形成される。
【0042】
有利には、石10には孔8が横断し、孔8は、トラニオンとも呼ばれるピボット17を受け入れることが意図される。石は、上面5と下面6とを含み、これらの一方は、貫通孔8と連通する円錐部12を備える。言い換えれば、孔8は、上面5と連通し、下面6内に画定される実質的に円錐形の中空とも連通する。この場合、この中空は、穿孔石2の係合円錐部を形成する。円錐部12は、好適には円筒形である。円錐部12は、その基部に第1開口部19を有し、その上部に第2開口部21を有する。第1開口部19は、第2開口部21より大きく、石10の下面6内に形成される。円錐部12と孔8との接続は、リム15を形成する第2開口部21を通して行われる。
【0043】
したがって、円錐部12の広がりにより、特に衝撃の際、ピボット17を回動移動可能部品の軸16に容易に挿入することを可能にする。円錐部の角度は、円錐部の上部によって形成されるリム15及び孔8が、突出しすぎないように選択される。例えば、30°~120°の間、好適には、45°~90°の間に含まれる角度が選択される。
【0044】
孔8で画定されるこの石10の本体の内壁は、丸みを帯びた領域を含み、この領域は、ピボットとの接触を最小化するが、可能な潤滑を容易にすることを意図することにも留意されたい。ピボットとの接触を最小化することにより、特に、ピボットとの摩擦を低減可能にすることを留意されたい。
【0045】
石の上面5は、特に、軸受ブロックの場合、釣り合いピボットを側方に取り囲むフランジ7を備える。フランジ7は、好適には、外周部であり、即ち、石10の上面5の縁部の境界を定める。更に、フランジ7は、軸受面11と貫通孔8の出口とを含む上面5の内側領域9、及び軸受面11から孔8への同心凸状領域14を画定する。
【0046】
そのようなフランジ7を有する上面5は、例えば、石10の上面上に配置される要素が側方に動くのを妨げることを可能にする。石10が案内要素として働くてんぷ軸のための軸受ブロックの場合、釣り合いピボット石は、フランジ7の内側18によって側方に動くのを妨げられる一方で、軸受面11上に載置されるように配設することができる。釣り合いピボット石は、レーザアブレーションを受ける石の領域9に対応するように寸法決定される。したがって、石は、釣り合いピボットに対して軸方向及び径方向の支持を形成する。図示しない釣り合いピボットは、石10に嵌合し、石10を軸方向に支持し、石10を側方に保持することができる。
【0047】
更に、石10は、部分的に広がる外周面13を有し、外周面13は、より小さな面の下面6をより大きな面の上面5に接続する。
【0048】
当然、本発明は、例示する例に限定されず、当業者には明らかであろう多数の変形形態及び修正形態を受ける。特に、レーザアブレーションステップによって形成される他の種類の機能要素は、本発明により有利に考慮することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】