(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】可変質量バランスバー
(51)【国際特許分類】
G01N 9/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G01N9/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506014
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 US2019044055
(87)【国際公開番号】W WO2021021116
(87)【国際公開日】2021-02-04
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット, ケヴィン エム.
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ, アンソニー ウィリアム
(57)【要約】
可変質量バランスバー(120~320、520~820)が提供される。可変質量バランスバー(120~320、520~820)は、バランス流体(124~324b、524~824)を含むバランス体(122~322b、522~822)を備え、バランス流体(124~324b、524~824)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)とバランスをとるように選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変質量バランスバー(120~320、520~820)であって、
バランス流体(124~324b、524~824)を含むバランス体(122~322b、522~822)を備え、前記バランス流体(124~324b、524~824)の質量が、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)とバランスをとるように選択される、可変質量バランスバー。
【請求項2】
前記バランス流体(124~324b、524~824)の前記質量が、前記バランス流体(124~324b、524~824)の密度を選択することによって選択される、請求項1に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項3】
前記バランス流体(124~324b、524~824)を含む前記バランス体(122~322b、522~822)の共振周波数が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110~310、510~810)の共振周波数に等しい、請求項1または2に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項4】
前記バランス体(122~322b、522~822)の前記質量が、前記測定導管(110~310、510~810)の質量と等しいかまたは等しくないかの一方であり、
前記バランス体の剛性が、前記測定導管(110~310、510~810)の剛性と等しいかまたは等しくないかの一方である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項5】
前記バランス体(122~322b、522~822)が、前記測定導管(110~310、510~810)に機械的に結合されるように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項6】
前記バランス流体(124~324b、524~824)が非プロセス物質である、請求項1から5のいずれか一項に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項7】
前記バランス体(122~322b、522~822)が、前記バランス流体(124~324b、524~824)を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、前記バランス流体(124~324b、524~824)を供給するように構成された少なくとも1つの出口とを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項8】
前記バランス流体(124~324b、524~824)の前記質量が、前記少なくとも1つの入口と前記少なくとも1つの出口との間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の可変質量バランスバー(120~320、520~820)。
【請求項9】
可変質量バランスバー(120~320、520~820)を有する振動メータ(100~300、500~800)であって、
測定導管(110~310、510~810)と、
前記測定導管(110~310、510~810)に機械的に結合された前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)と、を備え、
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量が、プロセス物質を含む前記測定導管(110~310、510~810)とバランスをとるように選択される、振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項10】
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の前記質量が、前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)のバランス流体(124~324b、524~824)の質量を選択することによって選択される、請求項9に記載の振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項11】
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の共振周波数が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110~310、510~810)の共振周波数に等しい、請求項9または10に記載の振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項12】
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の前記質量が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110~310、510~810)の質量と等しいかまたは等しくないかの一方であり、
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の剛性が、前記測定導管(110~310、510~810)の剛性と等しいかまたは等しくないかの一方である、
請求項9から11のいずれか一項に記載の振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項13】
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)が、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含み、前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の前記質量が前記入口と前記出口との間にある、請求項9から12のいずれか一項に記載の振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項14】
前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の前記質量が、前記可変質量バランスバー(120~320、520~820)の密度を選択することによって選択される、請求項9から13のいずれか一項に記載の振動メータ(100~300、500~800)。
【請求項15】
前記可変質量バランスバー(720、820)および前記振動メータ(700、800)の基準構造(760、860b)に機械的に結合された少なくとも1つのバランスセンサ(780、880)をさらに備える、請求項9から14のいずれか一項に記載の振動メータ(700、800)。
【請求項16】
前記少なくとも1つのバランスセンサ(780、880)に通信可能に結合されたメータ電子機器(750、850)をさらに備え、前記メータ電子機器(750、850)が、前記可変質量バランスバー(720、820)が前記プロセス物質を含む前記測定導管(710、810)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成される、請求項15に記載の振動メータ(700、800)。
【請求項17】
前記可変質量バランスバー(720、820)が前記プロセス物質を含む前記測定導管(710、810)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(750、850)が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(710、810)の共振周波数が前記可変質量バランスバー(720、820)の共振周波数に等しいかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(750、850)を備える、請求項16に記載の振動メータ(700、800)。
【請求項18】
可変質量バランスバー(120)を含む振動メータ(100’)を含むシステム(400、900)であって、
振動メータ(100、100’)であって、
測定導管(110)と、
前記測定導管(110)に機械的に結合された前記可変質量バランスバー(120)と、を備える、振動メータを備え、
前記可変質量バランスバー(120)の質量が、プロセス物質を含む前記測定導管(110)とバランスをとるように選択される、システム(400、900)。
【請求項19】
前記可変質量バランスバー(120)の前記質量が、前記可変質量バランスバー(120)のバランス流体(124)の質量を選択することによって選択される、請求項18に記載のシステム(400、900)。
【請求項20】
前記可変質量バランスバー(120)の共振周波数が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)の共振周波数に等しい、請求項18または19に記載のシステム(400、900)。
【請求項21】
前記可変質量バランスバー(120)の前記質量が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)の質量と等しいかまたは等しくないかの一方であり、
前記可変質量バランスバー(120)の剛性が、前記測定導管(110)の剛性と等しいかまたは等しくないかの一方である、
請求項18から20のいずれか一項に記載のシステム(400、900)。
【請求項22】
前記可変質量バランスバー(120)が、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含み、前記可変質量バランスバー(120)の前記質量が前記入口と前記出口との間にある、請求項18から21のいずれか一項に記載のシステム(400、900)。
【請求項23】
前記可変質量バランスバー(120)の前記質量が、前記可変質量バランスバー(120)の密度を選択することによって選択される、請求項18から22のいずれか一項に記載のシステム(400、900)。
【請求項24】
前記可変質量バランスバー(120)および基準構造(160、160a、160b)に機械的に結合された少なくとも1つのバランスセンサ(980)をさらに備える、請求項18から23のいずれか一項に記載のシステム(400、900)。
【請求項25】
前記少なくとも1つのバランスセンサ(980)に通信可能に結合されたメータ電子機器(150)をさらに備え、前記メータ電子機器(150)が、前記可変質量バランスバー(120)が前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)のバランスをとっているかどうかを判定することと、前記可変質量バランスバー(120)の質量を選択することとのうちの少なくとも一方を行うように構成される、請求項18から24のいずれか一項に記載のシステム(900)。
【請求項26】
前記可変質量バランスバー(120)が前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(150)が、前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)の共振周波数が前記可変質量バランスバー(120)の共振周波数に等しいかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(150)を備える、請求項25に記載のシステム(900)。
【請求項27】
前記可変質量バランスバー(120)の前記質量を選択するように構成された前記メータ電子機器(150)が、前記バランス流体(124)の密度を制御することと、前記可変質量バランスバー(120)の前記バランス流体(124)の容積を制御することとのうちの少なくとも一方によって前記可変質量バランスバー(120)の前記バランス流体(124)の前記質量を選択するように構成された前記メータ電子機器(150)を備える、請求項25または26のいずれか一項に記載のシステム(900)。
【請求項28】
前記基準構造(160、160a、160b)に結合され、前記メータ電子機器(150)に通信可能に結合された加速度計(990)をさらに備え、前記加速度計(990)が、前記基準構造(160、160a、160b)の振動を検知するように構成される、請求項25から27のいずれか一項に記載のシステム(900)。
【請求項29】
前記可変質量バランスバー(120)が前記測定導管(110)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(150)が、前記可変質量バランスバー(120)が前記プロセス物質を含む前記測定導管(110)とバランスをとっていないために前記振動メータ(100)の基準構造(160、160a、160b)が振動しているかどうかを判定するように構成された前記メータ電子機器(150)を備える、請求項25から28のいずれか一項に記載のシステム(900)。
【請求項30】
前記可変質量バランスバー(120)に流体結合されたミキサ(402、902)をさらに備え、前記ミキサ(402、902)が、複数のバランス流体成分を前記バランス流体(124)に混合し、前記バランス流体(124)を前記可変質量バランスバー(120)に供給するように構成される、請求項18から29のいずれか一項に記載のシステム(400、900)。
【請求項31】
測定導管と可変質量バランスバーとのバランスをとる方法であって、
プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択することと、
前記バランス流体をバランス体に供給することと
を含む、方法。
【請求項32】
前記プロセス物質を含む前記測定導管のバランスをとるように前記バランス流体の前記質量を選択することが、前記バランス流体の密度を選択することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記バランス流体を含む前記バランス体の共振周波数が、前記プロセス物質を含む前記測定導管の共振周波数に等しい、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記バランス体の前記質量が、前記測定導管の質量と等しいかまたは等しくないかの一方であり、
前記バランス体の剛性が、前記測定導管の剛性と等しいかまたは等しくないからの一方である、
請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記バランス体を前記測定導管に機械的に結合されるように構成することをさらに含む、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記バランス流体が非プロセス物質である、請求項31から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記バランス体に前記バランス流体を供給することが、前記バランス流体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口に前記バランス流体を供給することを含む、請求項31から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つのバランスセンサを前記可変質量バランスバーおよび振動メータの基準構造に結合することをさらに含む、請求項31から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記バランスセンサを使用して、前記可変質量バランスバーが前記プロセス物質を含む前記測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記バランスセンサを使用して、前記可変質量バランスバーが前記プロセス物質を含む前記測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することが、前記バランスセンサを使用して、前記測定導管の共振周波数が前記可変質量バランスバーの共振周波数に等しいかどうかを判定することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
加速度計を前記基準構造に結合することと、前記加速度計によって前記基準構造の振動を検知することとをさらに含む、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記基準構造が、前記可変質量バランスバーが前記プロセス物質を含む前記測定導管とバランスをとっていないために振動しているかどうかを判定することをさらに含む、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記バランス体に前記バランス流体を供給することが、複数のバランス流体成分を前記バランス流体に混合することと、前記バランス体に前記バランス流体を供給することとを含む、請求項31から42のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する実施形態は、バランスバーに関し、より詳細には、可変質量バランスバーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、振動密度計およびコリオリ振動メータなどの振動センサが一般に知られており、振動メータの測定導管を通って流れる物質の質量流量および他の情報を測定するために使用される。例示的なコリオリ振動メータは、全てJ.E.Smithらによる米国特許第4,109,524号明細書、米国特許第4,491,025号明細書、およびRe.31,450号明細書に開示されている。これらの振動メータは、直線または湾曲構成の1つ以上の測定導管を有する。例えば、コリオリ質量振動メータの各測定導管構成は、単純な曲げ、ねじり、または結合型からなることができる固有振動モードのセットを有する。各測定導管は、好ましいモードで振動するように駆動されることができる。
【0003】
物質は、振動メータの入口側の接続されたパイプラインから振動メータに流入し、測定導管を通って導かれ、振動メータの出口側を通って振動メータを出る。振動システムの固有振動モードは、測定導管と測定導管内を流れる物質との合成質量によって部分的に画定される。
【0004】
振動メータを通る流れがない場合、測定導管に加えられる駆動力は、測定導管に沿った全ての点を、同一の位相、または流れがゼロのときに測定される時間遅延である小さな「ゼロオフセット」で振動させる。物質が振動メータを通って流れ始めると、コリオリの力が、測定導管に沿った各点に異なる位相を有させる。例えば、振動メータの入口端における位相は、集中駆動位置における位相に遅れ、一方、出口における位相は、集中駆動位置における位相に先行する。測定導管上のピックオフは、測定導管の動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフから出力される信号は、ピックオフ間の時間遅延を判定するために処理される。2つ以上のピックオフ間の時間遅延は、測定導管を通って流れる物質の質量流量に比例する。
【0005】
駆動部に接続されたメータ電子機器は、駆動部を動作させ、ピックオフから受信した信号から物質の質量流量および他の特性を判定するための駆動信号を生成する。駆動部は、多くの周知の構成のうちの1つを備えてもよい。しかしながら、磁石および対向する駆動コイルは、振動メータ産業において大きな成功を収めている。交流電流が、所望の測定導管振幅および周波数で測定導管を振動させるために駆動コイルに流される。ピックオフを、駆動部構成と非常に類似した磁石およびコイル構成として提供することも当該技術分野で知られている。しかしながら、駆動部が運動を誘発する電流を受信する間、ピックオフは、駆動部によって提供される運動を使用して電圧を誘発することができる。
【0006】
図1は、端部4および測定導管101を有するバランスバー2を囲むケース6を有する従来技術の振動メータ1の断面を開示している。測定導管101の端部は、ケース6のケース端部7および8を越えてフランジ(図示せず)まで突出しており、これにより、振動メータ1がその物質の流れが測定されるパイプラインに接続されることを可能にする。測定されるプロセス物質の流れが矢印111、112によって示されている。メータ電子機器5は、導体22、23、および24によって振動メータ1に接続されて、その動作を制御し、ピックオフ(速度センサ)LPOおよびRPOからの出力信号を受信する。メータ電子機器は、受信した情報を処理し、導体26上の物質の流れを表す出力情報を図示しない利用回路に送信する。メータ電子機器5は、周知の方法で測定導管101およびバランスバー2を位相対向で振動させる駆動部D(対応する磁石Mを有する)に導体23を介して信号を印加する。物質の流れを伴う測定導管101の振動は、測定導管101におけるコリオリの応答を誘発する。コリオリ応答の振幅は、物質の流れを示し、ピックオフLPOおよびRPO(磁石Mを有する)によって検出される。ピックオフLPOおよびRPOは、2つのピックオフの出力信号間の位相差を判定するメータ電子機器5に導体22および24を介して出力信号を送信する。この位相差は、流量に比例する。
【0007】
しかしながら、従来技術の振動メータ1の測定導管101は、測定導管101内の物質の所与の密度についてバランスバー2によってバランスをとることができる。すなわち、従来技術の振動メータ1は、設計密度の範囲内の密度を有する物質の正確な測定値を提供するように設計されている。物質の密度が設計密度よりも実質的に大きいかまたは小さい場合、測定は不正確であり得る。例えば、物質の密度が設計密度の許容範囲外である場合、物質の密度の測定は不正確であり得る。設計密度および対応する許容範囲は、一定の質量を有するバランスバー2に起因することができる。したがって、可変質量バランスバーが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
可変質量バランスバーが提供される。実施形態によれば、可変質量バランスバーは、バランス流体を含むバランス体を備え、バランス流体の質量は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるように選択される。
【0009】
可変質量バランスバーを有する振動メータが提供される。実施形態によれば、振動メータは、測定導管と、測定導管に機械的に結合された可変質量バランスバーとを備える。可変質量バランスバーの質量は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるように選択される。
【0010】
可変質量バランスバーを含む振動メータを含むシステムが提供される。実施形態によれば、システムは、測定導管を備える振動メータと、測定導管に機械的に結合された可変質量バランスバーとを備える。可変質量バランスバーの質量は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるように選択される。
【0011】
測定導管と可変質量バランスバーとバランスをとる方法が提供される。実施形態によれば、方法は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択することと、バランス流体をバランス体に提供することとを含む。
【0012】
[態様]
態様によれば、可変質量バランスバー(120~320、520~820)は、バランス流体(124~324b、524~824)を含むバランス体(122~322b、522~822)を備え、バランス流体(124~324b、524~824)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)とバランスをとるように選択される。
【0013】
好ましくは、バランス流体(124~324b、524~824)の質量は、バランス流体(124~324b、524~824)の密度を選択することによって選択される。
【0014】
好ましくは、バランス流体(124~324b、524~824)を含むバランス体(122~322b、522~822)の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)の共振周波数に等しい。
【0015】
好ましくは、バランス体(122~322b、522~822)の質量は、測定導管(110~310、510~810)の質量に等しいかまたは等しくないかの一方であり、バランス体の剛性は、測定導管(110~310、510~810)の剛性に等しいかまたは等しくないかの一方である。
【0016】
好ましくは、バランス体(122~322b、522~822)は、測定導管(110~310、510~810)に機械的に結合されるように構成される。
【0017】
好ましくは、バランス流体(124~324b、524~824)は、非プロセス物質である。
【0018】
好ましくは、バランス体(122~322b、522~822)は、バランス流体(124~324b、524~824)を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、バランス流体(124~324b、524~824)を提供するように構成された少なくとも1つの出口とを含む。
【0019】
好ましくは、バランス流体(124~324b、524~824)の質量は、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口との間にある。
【0020】
態様によれば、可変質量バランスバー(120~320、520~820)を備えた振動メータ(100~300、500~800)は、測定導管(110~310、510~810)と、測定導管(110~310、510~810)に機械的に結合された可変質量バランスバー(120~320、520~820)とを備える。可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)とバランスをとるように選択される。
【0021】
好ましくは、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量は、可変質量バランスバー(120~320、520~820)のバランス流体(124~324b、524~824)の質量を選択することによって選択される。
【0022】
好ましくは、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)の共振周波数に等しい。
【0023】
好ましくは、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110~310、510~810)の質量に等しいかまたは等しくないかの一方であり、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の剛性は、測定導管(110~310、510~810)の剛性に等しいかまたは等しくないかの一方である。
【0024】
好ましくは、可変質量バランスバー(120~320、520~820)は、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を含み、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量は、入口と出口との間にある。
【0025】
好ましくは、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の質量は、可変質量バランスバー(120~320、520~820)の密度を選択することによって選択される。
【0026】
好ましくは、振動メータ(700、800)は、可変質量バランスバー(720、820)および振動メータ(700、800)の基準構造(760、860b)に機械的に結合された少なくとも1つのバランスセンサ(780、880)をさらに備える。
【0027】
好ましくは、振動メータ(700、800)は、少なくとも1つのバランスセンサ(780、880)に通信可能に結合されたメータ電子機器(750、850)をさらに備え、メータ電子機器(750、850)は、可変質量バランスバー(720、820)がプロセス物質を含む測定導管(710、810)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成される。
【0028】
好ましくは、可変質量バランスバー(720、820)がプロセス物質を含む測定導管(710、810)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(750、850)は、プロセス物質を含む測定導管(710、810)の共振周波数が可変質量バランスバー(720、820)の共振周波数に等しいかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(750、850)を備える。
【0029】
態様によれば、可変質量バランスバー(120)を含む振動メータ(100’)を含むシステム(400、900)は、測定導管(110)を備える振動メータ(100、100’)と、測定導管(110)に機械的に結合された可変質量バランスバー(120)とを備え、可変質量バランスバー(120)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110)とバランスをとるように選択される。
【0030】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)の質量は、可変質量バランスバー(120)のバランス流体(124)の質量を選択することによって選択される。
【0031】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管(110)の共振周波数に等しい。
【0032】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)の質量は、プロセス物質を含む測定導管(110)の質量に等しいかまたは等しくないかの一方であり、可変質量バランスバー(120)の剛性は、測定導管(110)の剛性に等しいかまたは等しくないかの一方である。
【0033】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)は、少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを含み、可変質量バランスバー(120)の質量は、入口と出口との間にある。
【0034】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)の質量は、可変質量バランスバー(120)の密度を選択することによって選択される。
【0035】
好ましくは、システム(400、900)は、可変質量バランスバー(120)および基準構造(160、160a、160b)に機械的に結合された少なくとも1つのバランスセンサ(980)をさらに備える。
【0036】
好ましくは、システム(900)は、少なくとも1つのバランスセンサ(980)に通信可能に結合されたメータ電子機器(150)をさらに備え、メータ電子機器(150)は、可変質量バランスバー(120)がプロセス物質を含む測定導管(110)とバランスをとっているかどうかを判定することと、可変質量バランスバー(120)の質量を選択することとのうちの少なくとも一方を行うように構成される。
【0037】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)がプロセス物質を含む測定導管(110)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(150)は、プロセス物質を含む測定導管(110)の共振周波数が可変質量バランスバー(120)の共振周波数に等しいかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(150)を備える。
【0038】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)の質量を選択するように構成されたメータ電子機器(150)は、バランス流体(124)の密度を制御することと、可変質量バランスバー(120)のバランス流体(124)の容積を制御することとのうちの少なくとも一方によって可変質量バランスバー(120)のバランス流体(124)の質量を選択するように構成されたメータ電子機器(150)を備える。
【0039】
好ましくは、システム(900)は、基準構造(160、160a、160b)に結合され、メータ電子機器(150)に通信可能に結合された加速度計(990)をさらに備え、加速度計(990)は、基準構造(160、160a、160b)の振動を検知するように構成される。
【0040】
好ましくは、可変質量バランスバー(120)が測定導管(110)とバランスをとっているかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(150)は、可変質量バランスバー(120)がプロセス物質を含む測定導管(110)とバランスをとっていないために振動メータ(100)の基準構造(160、160a、160b)が振動しているかどうかを判定するように構成されたメータ電子機器(150)を備える。
【0041】
好ましくは、システム(400、900)は、可変質量バランスバー(120)に流体結合されたミキサ(402、902)をさらに備え、ミキサ(402、902)は、複数のバランス流体成分をバランス流体(124)に混合し、バランス流体(124)を可変質量バランスバー(120)に供給するように構成される。
【0042】
態様によれば、測定導管と可変質量バランスバーとのバランスをとる方法は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択することと、バランス流体をバランス体に提供することとを含む。
【0043】
好ましくは、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択することは、バランス流体の密度を選択することを含む。
【0044】
好ましくは、バランス流体を含むバランス体の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数に等しい。
【0045】
好ましくは、バランス体の質量は、測定導管の質量に等しいかまたは等しくないかの一方であり、バランス体の剛性は、測定導管の剛性に等しいかまたは等しくないかの一方である。
【0046】
好ましくは、方法は、バランス体を測定導管に機械的に結合されるように構成することをさらに含む。
【0047】
好ましくは、バランス流体は、非プロセス物質である。
【0048】
好ましくは、バランス体にバランス流体を供給することは、バランス流体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口にバランス流体を供給することを含む。
【0049】
好ましくは、方法は、少なくとも1つのバランスセンサを可変質量バランスバーおよび振動メータの基準構造に結合することをさらに含む。
【0050】
好ましくは、方法は、バランスセンサを使用して、可変質量バランスバーがプロセス物質を含む測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することをさらに含む。
【0051】
好ましくは、バランスセンサを使用して可変質量バランスバーがプロセス物質を含む測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することは、バランスセンサを使用して測定導管の共振周波数が可変質量バランスバーの共振周波数に等しいかどうかを判定することを含む。
【0052】
好ましくは、方法は、加速度計を基準構造に結合することと、加速度計によって基準構造の振動を検知することとをさらに含む。
【0053】
好ましくは、方法は、基準構造が、可変質量バランスバーがプロセス物質を含む測定導管とバランスをとっていないために振動しているかどうかを判定することをさらに含む。
【0054】
好ましくは、バランス体にバランス流体を供給することは、複数のバランス流体成分をバランス流体に混合することと、バランス体にバランス流体を供給することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0055】
同じ参照符号は、全ての図面において同じ要素を表す。図面は、必ずしも縮尺どおりにではないことを理解されたい。
【
図1】バランスバー2および測定導管101を囲むケース6を有する従来技術の振動メータ1の断面を開示している。
【
図2】可変質量バランスバー120を含む振動メータ100を示している。
【
図3A】明確にするためにメータ電子機器またはピックオフセンサを示していない振動メータにおける代替的な可変質量バランスバーを示している。
【
図3B】明確にするためにメータ電子機器またはピックオフセンサを示していない振動メータにおける代替的な可変質量バランスバーを示している。
【
図4】可変質量バランスバー120を含む振動メータ100を有するシステム400を示している。
【
図5】可変質量バランスバー520を含む振動メータ500を示している。
【
図6A】可変質量バランスバー620を有する振動メータ600を示している。
【
図6B】可変質量バランスバー620を有する振動メータ600を示している。
【
図7】可変質量バランスバーおよびバランスセンサを含む振動メータを示している。
【
図8】可変質量バランスバーおよびバランスセンサを含む振動メータを示している。
【
図9】可変質量バランスバー120を含む振動メータ100’を有するシステム900を示している。
【
図10】可変質量バランスバーを使用して測定導管とバランスをとる方法1000を示している。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1~
図10および以下の説明は、当業者に可変質量バランスバーの実施形態の最良の態様を製造および使用する方法を教示するための特定の例を示している。発明の原理を教示する目的で、いくつかの従来の態様は、単純化または省略されている。当業者は、本明細書の範囲内に含まれるこれらの例からの変形を理解するであろう。当業者は、以下に説明する特徴を様々な方法で組み合わせて、可変質量バランスバーの複数の変形を形成することができることを理解するであろう。結果として、以下に説明する実施形態は、以下に説明する特定の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
【0057】
[振動メータ]
図2は、可変質量バランスバー120を含む振動メータ100を示している。
図2に示すように、可変質量バランスバー120は、
図1に示す測定導管110とは異なるサイズを有するものとして示されている測定導管101に隣接している。
図2には示されていないが、測定導管110および可変質量バランスバー120の端部は、明確にするために図示されていない次にケースに結合されることができるカプラとともにしっかりと結合されることができる。
図2に示すように、測定導管110によって測定されるプロセス物質の流れが矢印111、112によって示されている。
【0058】
左ピックオフセンサ130a、右ピックオフセンサ130b、および駆動部140は、測定導管110と可変質量バランスバー120との間に配置され、それらに結合される。左ピックオフセンサ130a、右ピックオフセンサ130b、および駆動部140は、メータ電子機器150に通信可能に結合されているものとして示されている。以下により詳細に説明するように、メータ電子機器150は、駆動部140に駆動信号を供給し、左ピックオフセンサ130aおよび右ピックオフセンサ130bからセンサ信号を受信して、密度、質量流量などの測定導管110内の物質の特性を測定することができる。また、
図9を参照して以下により詳細に説明するように、メータ電子機器150は、他の装置に通信可能に結合されてもよい。
【0059】
図2に示すように、測定導管110は、直線円筒管であるが、任意の適切な形状が使用されてもよい。例えば、代替的な測定導管は、弓形、湾曲などであってもよい。測定導管110は、外径を有するものとして示されている。破線で示すように、測定導管110はまた、内径を有する。測定導管110は、例えば駆動部140によって供給される振動力を受けると振動するように構成される。振動は、共振周波数で振動し、可変質量バランスバー120によってバランスがとられる。
【0060】
可変質量バランスバー120は、測定導管110とバランスをとるように選択されることができる質量を有する。例えば、可変質量バランスバー120の密度が選択されて、測定導管110とバランスをとることができる。可変質量バランスバー120は、バランス体122を含む。
図2に示すように、バランス体122は、円筒内面によって画定される壁厚を有する直線円筒管の形状を有する。バランス体122は、物質から構成されてもよく、および/または測定導管110と同じ、類似、または異なる形状を有してもよい。
図2に示すように、バランス体122は、測定導管110とほぼ同じ長さを有し、測定導管110の外径よりも小さい外径を有する。バランス体122はまた、可変質量バランスバー120の長さに沿って延在する円筒内面の内径(破線で示す)を含む。
【0061】
可変質量バランスバー120はまた、バランス流体124を含む。バランス流体124は、可変質量バランスバー120に出入りする矢印で示されている。より具体的には、バランス流体124は、入口矢印に近接する入口でバランス体122に入り、バランス体122によって搬送され、出口矢印に近接する出口でバランス体122によって供給されるものとして示されている。したがって、バランス流体124は、バランス体122の円筒内面によって形成された空間を満たすことができる。バランス流体124は、可変質量バランスバー120が測定導管110とバランスをとることを確実にすることができる特性を有する。結果として、プロセス物質の密度が変化しても、測定導管110内のプロセス物質の特性の測定は正確であり得る。
【0062】
図2に示す可変質量バランスバー120は、測定導管110に隣接して配置された単一の直線円筒管であるが、代替の形状および/または構成が使用されてもよい。例えば、他の可変質量バランスバーは、測定管の周りに配置された2つ以上の可変質量バランスバー、測定管を部分的または完全に囲む1つ以上の可変質量バランスバーなどから構成されてもよい。追加的または代替的に、他の可変質量バランスバーは、楕円形、三角形、正方形などの円形ではない断面形状を有してもよい。他の可変質量バランスバーはまた、弓形、湾曲、U字形などの異なる幾何学的形状を有してもよい。いくつかの例示的な代替構成が、
図3Aおよび
図3Bを参照して以下に説明される。
【0063】
[可変質量バランスバー]
図3Aおよび
図3Bは、明確にするためにメータ電子機器またはピックオフセンサを示していない振動メータにおける代替的な可変質量バランスバーを示している。
図3Aは、円筒形可変質量バランスバー220内に配置され、円筒形可変質量バランスバーによって囲まれた測定導管210を備える第1の代替的な振動メータ200を示している。円筒形可変質量バランスバー220は、円筒形バランス体222と、円筒形バランス体222内に含まれたバランス流体224とから構成される。バランス流体224は、入口矢印に近接する入口で円筒形バランス体222に入り、円筒形バランス体222によって搬送され、出口矢印に近接する出口で円筒形バランス体222によって供給されるものとして示されている。
【0064】
図3Bは、二重可変質量バランスバー320内に配置された測定導管310を備える第2の代替的な振動メータ300を示している。二重可変質量バランスバー320は、第1の半可変質量バランスバー320aおよび第2の半可変質量バランスバー320bから構成される。第1の半可変質量バランスバー320aは、第1の半バランス体322aおよび第1の半バランス流体324aから構成される。第2の半可変質量バランスバー320bは、第2の半バランス体322bおよび第2の半バランス流体324bから構成される。したがって、バランス流体は、第1および第2の半バランス体322a、322b内にそれぞれ含まれた第1および第2の半バランス流体324a、324bから構成される。第1および第2の半バランス流体324a、324bは、入口矢印に近接する入口で第1および第2の半バランス体322a、322bにそれぞれ入り、第1および第2の半バランス体322a、322bによって搬送され、出口矢印に近接する出口で第1および第2の半バランス体322a、322bによって供給されるものとして示されている。
【0065】
[可変質量バランスバー]
上述した可変質量バランスバー120、220、320などの可変質量バランスバーは、入口および出口を含むことができる。例えば、上記の
図2~
図3Bでは、可変質量バランスバー120、220、320は、矢印111に近接する入口でそれぞれのバランス流体124、224、324a、324bを受け取る。受け取ったバランス流体124、224、324a、324bは、バランス体122、222、322a、322bによって矢印112に近接する出口に搬送される。バランス流体124、224、324a、324bは、バランス体122、222、322a、322bの各内面に含まれる。理解されることができるように、可変質量バランスバー120、220、320の入口および出口は、可変質量バランスバー120、220、320およびバランス体122、222、322a、322bの端部にある。
【0066】
可変質量バランスバーの端部は、測定導管の端部に結合されることができる。例えば、
図2~
図3Bを参照すると、可変質量バランスバー120、220、320の端部は、カプラを用いて測定導管110、210、310の端部に結合されることができる。カプラは、可変質量バランスバーおよび測定導管の振動ノ節を画定することができる。したがって、可変質量バランスバーおよび測定導管の端部は、振動節とすることができる。
【0067】
上述した可変質量バランスバー120、220、320などの可変質量バランスバーの質量は、可変質量バランスバーの端部間の可変質量バランスバーの部分とすることができる。質量は、例えば、可変質量バランスバーの端部に結合されたカプラによって画定されたノードと測定導管との間にあってもよい。例示的なカプラが、
図5を参照して以下に説明される。理解されることができるように、質量は、可変質量バランスバー120、220、320の端部間のバランス流体124~324bの質量によって判定される。
【0068】
[バランス流体]
上述したバランス流体124、224、324a、324bなどのバランス流体は、プロセス物質または非プロセス物質から構成されることができる。非プロセス物質は、例えば、プロセス物質が腐敗しやすい場合に有利であり得る。さらに、非プロセス物質は、プロセス物質と同じではない密度を有することができ、それによって、たとえ可変質量バランスバーのバランス体が測定導管と同じでなくても、可変質量バランスバーが導管とバランスをとることを可能にする。追加的または代替的に、非プロセス物質の密度は、プロセス物質の密度が変化しても、可変質量バランスバーが導管とプロセス物質とのバランスをとることを確実にするように変化させることができる。
【0069】
したがって、バランス流体の特性は、振動メータで使用される前にプロセス物質を含む測定導管とバランスをとるために知られているかまたは選択されることができる。すなわち、バランス流体は、振動メータによって測定されるプロセス物質でなくてもよく、したがって、振動メータは、同じプロセス物質が2つの同様の寸法の導管の間で同じプロセス条件で分配されるため、本質的にバランスがとれていない。それにもかかわらず、例えば、バランス流体の密度は、可変質量バランスバーが測定導管とバランスをとることを確実にするように知られているかまたは制御されることができる。
【0070】
以下により詳細に説明するように、バランス流体は、測定導管によって含まれたプロセス物質の密度と同じか、それよりも大きいか、またはそれよりも小さい密度を有することができる。バランス流体は、振動メータの一部とみなされてもよく、一方、振動メータによって測定されるプロセス物質は、振動メータの一部とみなされなくてもよい。例えば、振動メータまたは可変質量バランスバーは、バランス流体が既に含まれている状態で顧客に販売されてもよい。あるいは、顧客は、バランス流体を選択して構成してもよい。したがって、この例では、バランス流体は、振動メータまたは可変質量バランスバーの一部でなくてもよい。
【0071】
バランス流体は、選択された密度を有することができる。例えば、バランス流体は、対応する既知の密度を有する既知の流体から構成されることができる。流体が選択され、それによって密度を選択することができる。あるいは、対応する成分密度を有するバランス流体成分が一緒に混合されて、バランス流体の密度を選択してもよい。バランス流体成分の1つ以上は、流体、固体などの非流体、気体などであってもよい。
【0072】
[バランスがとられた振動メータ]
可変質量バランスバーおよび上述した可変質量バランスバー120、220、320および測定導管110、210、310などのプロセス物質を含む測定導管は、それらのそれぞれの共振周波数が等しい場合にバランスがとられることができる。以下の式[3]の関係が満たされる場合、共振周波数は等しくすることができる。式[3]を説明するために、プロセス物質を含む測定導管が式[1]にしたがって挙動することができることに注目することから始める。
【数1】
式中、
f
processは、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数であり、
m
condは、測定導管の質量であり、
m
process materialは、測定導管によって含まれたプロセス物質の質量であり、
k
1は、プロセス物質を含む測定導管のばね定数である。
【0073】
同様に、バランス流体を含むバランス体を備える可変質量バランスバーは、以下の式[2]にしたがって動作することができる:
【数2】
式中、
f
balanceは、バランス流体を含むバランス体を備える可変質量バランスバーの共振周波数であり、
m
balanceは、バランス体の質量であり、
m
balfluidは、バランス体によって含まれたバランス流体の質量であり、
k
2は、バランス流体を含むバランス体のばね定数である。
【0074】
可変質量バランスバーが測定導管とバランスをとるために、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数f
processは、バランス体およびバランス流体を含む可変質量バランスバーの共振周波数f
balanceに等しくすることができる:f
process=f
balance。可変質量バランスバーがプロセス物質を含む測定導管とバランスをとるために、上記の式[1]および式[2]から、以下の式[3]が満たされることができることになる:
【数3】
【0075】
測定導管およびバランス体のばね定数および質量は、
図2~
図3Bを参照して上述した振動メータ100、200、300などの振動メータの設計によって判定および確立されることができる。例えば、測定導管およびバランス体の形状、寸法、および物質は、ばね定数が所望の値を有するように選択されることができる。一例では、測定導管およびバランス体は、測定導管およびバランス体の所望の質量およびばね定数を得るように選択された長さ、内径、外径、および物質を有する円筒形状を有することができる。
【0076】
式[3]から理解されることができるように、測定導管のばね定数がバランス流体を含むバランス体のばね定数に等しいかまたは等しくない場合、可変質量バランスバーは、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとることができる。例えば、測定導管のばね定数がバランス体のばね定数に等しくない場合、測定導管、バランス体、プロセス物質、および/またはバランス流体の質量は、式[3]が設計によって確実に満たされるように異なることができる。
【0077】
さらに式[3]を参照すると、測定導管およびバランス体のばね定数および質量は、振動メータの設計中に判定されることができる。さらに、プロセス物質の質量は、振動メータがもはやバランスをとらないように十分に変化することができる。すなわち、振動メータは、プロセス物質の質量の変動のために式[3]に適合しない場合がある。しかしながら、バランス流体の質量を変化させることにより、式[3]に適合することができる。例えば、プロセス物質の密度の増加によりプロセス物質の質量が著しく増加した場合、それに対応してバランス流体の密度を増加させることにより、振動メータが依然として式[3]に適合することを確実にすることができる。
【0078】
したがって、上述した可変質量バランスバー120、220、320などの可変質量バランスバーは、バランス流体を含むバランス体を備えることができ、バランス流体の質量は、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとるように選択される。バランス流体の質量は、バランス流体の密度を選択することによって選択されることができる。したがって、バランス流体を含むバランス体の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数に等しくすることができる。
【0079】
共振周波数は、バランス体およびバランス流体の様々な構成において等しくしてもよい。例えば、バランス体の質量は、測定導管の質量に等しいかまたは等しくなくてもよい。追加的または代替的に、バランス体の剛性は、測定導管の剛性と等しいかまたは等しくなくてもよい。バランス体は、測定導管に機械的に結合されるように構成されてもよい。また、バランス流体は、非プロセス物質であってもよい。バランス流体は、完全に含まれてもよいが(例えば、封止されたバランス体の端部)、バランス流体を流すことによって温度などのバランス流体の特性を制御することが好ましい場合がある。したがって、バランス体は、バランス流体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口と、バランス流体を供給するように構成された少なくとも1つの出口とを含むことができる。したがって、バランス流体の質量は、入口と出口との間のバランス流体の質量とすることができる。
【0080】
理解されることができるように、可変質量バランスバーの質量は、バランス流体の特性を制御することによって制御されることができる。例えば、上述したように、バランス流体の密度が選択されることができる。質量を制御するために、バランス流体の密度は、選択された後、例えば、バランス流体の組成、温度などのバランス流体の他の特性を制御することによって制御されることができる。バランス流体の特性を制御することは、選択された密度を有する適切な流体を単に選択するなど、手動であってもよい。しかしながら、バランス流体の質量は、自動的に制御されてもよい。バランス流体の密度を自動的に制御し、それによって可変質量バランスバーの質量を制御するための例示的なシステムが、
図4を参照して以下に説明される。
【0081】
[可変質量バランスバーの質量の制御]
図4は、可変質量バランスバー120を含む振動メータ100を有するシステム400を示している。
図2と同様に、
図4に示す振動メータ100は、可変質量バランスバー120を含む。
図4に示すように、測定導管110は、可変質量バランスバー120に隣接している。
図4には示されていないが、測定導管110および可変質量バランスバー120の端部は、明確にするために図示されていない次にケースに結合されることができるカプラとともにしっかりと結合されることができる。測定導管110によって測定されるプロセス物質の流れが矢印111、112によって示されている。
【0082】
左ピックオフセンサ130a、右ピックオフセンサ130b、および駆動部140は、測定導管110と可変質量バランスバー120との間に配置され、それらに結合される。左ピックオフセンサ130a、右ピックオフセンサ130b、および駆動部140は、メータ電子機器150に通信可能に結合されているものとして示されている。以下により詳細に説明するように、メータ電子機器150は、駆動部140に駆動信号を供給し、左ピックオフセンサ130aおよび右ピックオフセンサ130bからセンサ信号を受信して、密度、質量流量などの測定導管110内の物質の特性を測定することができる。
【0083】
図4に示すように、メータ電子機器150は、ミキサ402に通信可能に結合される。ミキサ402は、それぞれが対応する成分密度ρ
1、ρ
2、...ρ
nを有する複数のバランス流体成分を受け入れるものとして示されている。ミキサ402は、複数のバランス流体成分を受け取り、複数のバランス流体成分をバランス流体124に混合し、バランス流体124をバランス体122に供給することができる。ミキサ402はまた、バランス流体124を調整するように構成されることができる。例えば、ミキサ402は、バランス流体124を加熱および/または冷却することができる。ミキサ402は、単一の一体型装置として示されているが、別個のサブ装置から構成されてもよく、各サブ装置は、制御回路を有する。
図4に示すように、ミキサ402は、以下により詳細に説明するように、バランス流体124の密度を制御することによってバランス流体124の質量を制御することができる制御回路を含むことができる。
【0084】
ミキサ402は、複数の入口からなるものとして示されており、各入口は、対応するバランス流体成分に流体結合される。ミキサ402はまた、対応するバランス流体成分の流量を調整する流量弁などの弁を含むことができる。ミキサ402はまた、複数のバランス流体成分のうちの1つを選択するか、またはそのうちの2つ以上をバランス流体124に混合することができる。例えば、ミキサ402は、複数のバランス流体成分の成分密度ρ1、ρ2、...ρnを記憶するメモリを有する制御回路を含むことができる。制御回路は、測定導管110の容積、測定導管110内のプロセス物質の密度、バランス体120の容積などの他の値を記憶および/または受信することができる。
【0085】
したがって、ミキサは、例えば、測定導管110内のプロセス物質の密度が測定導管110の容積とともに知られている場合、メータ電子機器150からのフィードバックなしで動作することができる。次いで、測定導管110とバランスをとるための任意のバランス流体成分の投与は、実質的に等しい剛性を仮定して、以下のように近似されることができる:
【数4】
式中、
iは、バランス流体成分の指数であり、
nは、バランス流体成分の総数であり、
x
iは、バランス流体成分の1つの質量分率であり、
ρは、バランス流体成分の密度である。
【0086】
上記の式は、バランス流体124の組成および密度を変化させるバランス流体成分のいずれかの間に反応がないと仮定することができる。
【0087】
ミキサ402は、バランス体122に設けられたバランス流体成分および/またはバランス流体124の密度を測定する密度メータを含むことができる。測定された密度は、バランス体122に供給されるバランス流体124の密度を調整するために使用されることができる。例えば、上記の式[4]を参照すると、バランス流体124の密度は、
【数5】
の項に等しくすることができる。したがって、ミキサ402内の制御回路は、測定された密度が式[4]の要件を満たすバランス流体124をもたらすように、バランス流体成分のうちの1つ以上の質量分率x
iを調整(例えば、増加または減少)することができる。
【0088】
ミキサ402は、バランス流体124の容積を制御することなく、可変質量バランスバー120がプロセス物質を含む測定導管110とバランスをとるように、バランス流体124を供給するために使用されることができる。例えば、システム400は、バランス体122に供給されるバランス流体124の流量を制御することなく、測定導管110とバランスをとることができる。しかしながら、他のシステムは、バランス体内のバランス流体の容積を制御することができる。例示的なシステムへのバランス流体の流れを制御するために、
図5を参照して以下に説明するような弁が使用されることができる。
【0089】
[バランス流体の容積の制御]
図5は、可変質量バランスバー520を含む振動メータ500を示している。
図5に示すように、振動メータ500は、測定導管510を含む。可変質量バランスバー520は、
図1に示す測定導管510と同じであってもまたは異なっていてもよい測定導管510に隣接している。
図5に示すように、測定導管510および可変質量バランスバー520の端部は、例えば、第1のカプラ570aおよび第2のカプラ570bと結合されることができる。第1、第2のカプラ570a、570bもまた、ケース560に結合される。
【0090】
左ピックオフセンサ530a、右ピックオフセンサ530b、および駆動部540は、測定導管510と可変質量バランスバー520との間に配置され、それらに結合される。左ピックオフセンサ530a、右ピックオフセンサ530b、および駆動部540は、メータ電子機器550に通信可能に結合されているものとして示されている。以下により詳細に説明するように、メータ電子機器550は、駆動部540に駆動信号を供給し、左ピックオフセンサ530aおよび右ピックオフセンサ530bからセンサ信号を受信して、密度、質量流量などの測定導管510内のプロセス物質の特性を測定することができる。メータ電子機器550はまた、上述したミキサ402のようなミキサなどの他の装置に通信可能に結合されてもよい。
【0091】
図5に示すように、メータ電子機器550はまた、入口弁520aおよび出口弁520bにも通信可能に結合される。入口弁520aは、可変質量バランスバー520の入口に流体結合される。入口弁520aは、ミキサなどの供給源からバランス流体524を受け取り、バランス体522に供給されるバランス流体524の容積または質量流量などの流量を制御するように構成される。出口弁520bは、可変質量バランスバー520の出口に流体結合される。出口弁520bは、バランス体522からバランス流体524を受け取り、バランス体522を出るバランス流体524の流量を制御するように構成される。したがって、バランス体522内のバランス流体524の質量が制御されることができる。例えば、バランス体522に出入りするバランス流体524の流量を制御することによって、バランス流体524の温度および/または容積が制御されることができる。
【0092】
上記は、測定導管と直線管構成とのバランスをとるための可変質量バランスバーを開示している。さらに、振動メータ500は、入口弁520aおよび出口弁520bを含んでいた。代替的な測定導管の幾何学的形状およびより多くのまたはより少ないバランス流体弁を使用する他の構成が使用されてもよい。代替的な構成を有する例示的な振動メータが、
図6Aおよび
図6Bを参照して以下に説明される。
【0093】
図6Aおよび
図6Bは、可変質量バランスバー620を有する振動メータ600を示している。
図6Aおよび
図6Bに示すように、振動メータ600は、測定導管610を含む。
図6Bに示すように、測定導管610は、可変質量バランスバー620に隣接して配置される。可変質量バランスバー620は、バランス体622およびバランス流体624から構成される。振動メータ600は、測定導管610と可変質量バランスバー620との間に配置され、それらに結合されたピックオフセンサ630を含むものとして示されている。ピックオフセンサ630は、左ピックオフセンサ630aおよび右ピックオフセンサ630bから構成される。振動メータ600はまた、測定導管610と可変質量バランスバー620との間に配置され、それらに結合された駆動部640を含む。
【0094】
図6Aおよび
図6Bに示すように、振動メータ600は、入口弁620aを含む。振動メータ600は、出口弁を含んでいない。入口弁620aは、可変質量バランスバー620の入口に流体結合される。入口弁620aは、ミキサなどの供給源からバランス流体624を受け取り、バランス体622に供給されるバランス流体624の容積または質量流量などの流量を制御するように構成されることができる。したがって、バランス体622内のバランス流体624の質量が制御されることができる。例えば、バランス体622内へのバランス流体624の流量を制御することによって、バランス流体624の温度および/または容積が制御されることができる。
【0095】
また、
図6Aおよび
図6Bに示すように、振動メータ600は、ケース660を含む。ケース660は、ベース660aに機械的に結合される。測定導管610は、ベース660aを通ってケース660によって形成された空間内に延在する。ケース660およびベース660aは、実質的に剛性の構造とすることができる。したがって、ベース660aは、測定導管610および可変質量バランスバー620の振動節と一致することができる。さらに、ケース660およびベース660aは、基準構造または表面とすることができる。例えば、ケース660および/またはベース660a上の表面は、測定導管610および/または可変質量バランスバー620が振動するときに時間に対してゼロ変位を有すると仮定されることができる。したがって、測定導管610および/または可変質量バランスバー620の変位は、
図7および
図8を参照して説明するように、ケース660とすることができる基準面または基準構造に対して測定されることができる。
【0096】
図5、
図6A、
図6Bを参照して上述したように、測定導管510、610がバランスをとっているかどうかを判定することなく、可変質量バランスバー520、620がプロセス物質を含む測定導管510、610とバランスをとるように、ミキサが使用されてバランス流体524、624を供給することができる。しかしながら、振動メータまたは振動メータを使用するシステムはまた、バランス流体がプロセス物質を含む測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することができる。例示的なシステムおよび振動メータが、
図7および
図8を参照して以下に説明される。
【0097】
[バランス流体が測定導管とバランスをとっているかどうかの判定]
図7および
図8は、可変質量バランスバーおよびバランスセンサを含む振動メータを示している。
図7に示すように、振動メータ700は、測定導管710に隣接する可変質量バランスバー720を含む。可変質量バランスバー720は、バランス体722およびバランス流体724から構成される。
図7に示すように、振動メータ700は、測定導管710と、ベース760aに機械的に結合されたケース760との間に配置され、それらに結合されたピックオフセンサ730を含む。ピックオフセンサ730は、左ピックオフセンサ(視界のために図示せず)および右ピックオフセンサ730bから構成される。振動メータ700はまた、可変質量バランスバー720とケース760との間に配置され、それらに結合されたバランスセンサ780を含む。バランスセンサ780は、第1のバランスセンサ(視界のために図示せず)と第2のバランスセンサ780bとから構成される。振動メータ700はまた、測定導管710と可変質量バランスバー720との間に配置され、それらに結合された駆動部740を含む。
【0098】
図7に示すように、バランスセンサ780は、ケース760に機械的に結合される。第1のバランスセンサはまた、可変質量バランスバー720に機械的に結合される。第2のバランスセンサ780bはまた、測定導管710に機械的に結合される。バランスセンサ780は、ケース760に対する可変質量バランスバー720の変位を測定するように構成されることができる。バランスセンサ780はまた、バランスセンサ信号をメータ電子機器750に供給するように構成される。
【0099】
図8に示すように、振動メータ800は、プレート860bに隣接する可変質量バランスバー820を含む。プレート860bは、可変質量バランスバー820と測定導管810との間に配置される。プレート860bは、ケース860に機械的に結合されたベース860aに機械的に結合される。ピックオフセンサ830は、測定導管810と基準プレート860bとの間に配置され、それらに結合される。ピックオフセンサ830は、左ピックオフセンサ(視界のために図示せず)および右ピックオフセンサ830bを備える。駆動部840は、測定導管810と可変質量バランスバー820との間に配置され、それらに結合される。
【0100】
バランスセンサ880は、プレート860bと可変質量バランスバー820との間に配置され、それらに結合される。バランスセンサ880は、第1のバランスセンサ(視界のために図示せず)と第2のバランスセンサ880bとから構成される。バランスセンサ880は、ケース860に対する可変質量バランスバー820の変位を測定するように構成されることができる。バランスセンサ880はまた、バランスセンサ信号をメータ電子機器850に供給するように構成される。
【0101】
図7および
図8に示すように、振動メータ700、800は、入口弁720a、820aを含む。振動メータ700、800は、出口弁を含んでいない。入口弁720a、820aは、可変質量バランスバー720、820の入口に流体結合される。入口弁720a、820aは、ミキサなどのそれぞれの供給源からバランス流体724、824を受け取り、バランス体722、822に供給されるバランス流体724、824の容積または質量流量などの流量を制御するように構成される。したがって、バランス体722、822内のバランス流体724、824の質量が制御されることができる。例えば、バランス体722、822に出入りするバランス流体724、824の流量を制御することによって、バランス流体724、824の温度および/または容積が制御されることができる。
【0102】
また、
図7および
図8に示すように、振動メータ700、800は、ケース760、860を含む。ケース760、860は、
図8のプレート860bなどの基準構造に結合されることができるベース760a、860aに機械的に結合される。測定導管710、810は、ベース760a、860aを通ってケース760、860によって形成された空間に延在する。ケース760、860、ベース760a、860a、およびプレート860bは、実質的に剛性の構造とすることができる。したがって、ベース760a、860aは、測定導管710、810および可変質量バランスバー720、820の振動節と一致することができる。さらに、ケース760、860およびプレート860bは、基準構造または表面とすることができる。例えば、ケース760、860および/またはプレート860b上の表面は、測定導管710、810および/または可変質量バランスバー720、820が振動するときに時間に対してゼロ変位を有すると仮定されることができる。したがって、測定導管710、810および/または可変質量バランスバー720、820の変位は、ケース760、860および/またはプレート860bとすることができる基準面または基準構造に対して測定されることができる。
【0103】
ケース760、860およびプレート860bが基準構造または基準面であるため、測定導管710、810および可変質量バランスバー720、820の変位は、共通の基準構造または基準面に対して測定されることができる。これらの例では、ケース760、860およびプレート860bは振動しておらず、したがって、測定導管710、810および可変質量バランスバー720、820の任意の変位が測定され、互いに比較されることができると仮定される。
【0104】
上述したように、測定導管710、810は、プロセス物質を含む測定導管710、810の共振周波数が可変質量バランスバー720、820の共振周波数に等しいときにバランスをとることができる。したがって、ピックオフセンサ730、830を用いてプロセス物質を含む測定導管710、810の変位を測定し、バランスセンサ780、880を用いて可変質量バランスバー720、820の変位を測定することによって、測定導管710、810および可変質量バランスバー720、820の周波数を計算することができる。周波数は、ピックオフセンサ730、830およびバランスセンサ780、880によって供給されるセンサ信号に基づいてメータ電子機器750、850によって判定されることができる。プロセス物質を含む測定導管710、810の周波数がそれぞれ可変質量バランスバー720、820の周波数に等しいとき、測定導管710、810は、可変質量バランスバー720、820によってバランスがとられる。
【0105】
[測定導管とバランスをとるためのシステム]
図9は、可変質量バランスバー120を含む振動メータ100’を有するシステム900を示している。
図9に示すように、可変質量バランスバー120は、測定導管110に隣接している。測定導管110および可変質量バランスバー120の端部は、ケース160の第1のケース端部160aおよび第2のケース端部160bと堅固に結合される。
図9に示すように、測定導管110によって測定されるプロセス物質の流れが矢印111、112によって示されている。入口弁920aは、メータ電子機器150に通信可能に結合され、バランス体122に流体的且つ機械的に結合される。出入口弁920aは、バランス体122に供給されるバランス流体124の流れを制御するように構成される。
【0106】
左ピックオフセンサ130aおよび右ピックオフセンサ130bは、測定導管110とケース160との間に配置され、それらに機械的に結合される。左右のピックオフセンサ130a、130bは、ケース160に対する測定導管110の変位を測定するように構成される。駆動部140は、測定導管110と可変質量バランスバー120との間に配置され、それらに結合される。左ピックオフセンサ130a、右ピックオフセンサ130b、および駆動部140は、メータ電子機器150に通信可能に結合されているものとして示されている。メータ電子機器150は、駆動部140に駆動信号を供給し、左ピックオフセンサ130aおよび右ピックオフセンサ130bからセンサ信号を受信して、密度、質量流量などの測定導管110内の物質の特性を測定することができる。以下により詳細に説明するように、メータ電子機器150は、他の装置に通信可能に結合されてもよい。
【0107】
図9に示すように、測定導管110は、直線円筒管であるが、任意の適切な形状が使用されてもよい。測定導管110は、外径を有するものとして示されている。破線で示すように、測定導管110はまた、内径を有する。測定導管110は、例えば駆動部140によって供給される振動力を受けると振動するように構成される。振動は、共振周波数で振動することができる。測定導管110は、可変質量バランスバー120によってバランスがとられる。
【0108】
可変質量バランスバー120は、測定導管110とバランスをとるように選択されることができる質量を有する。例えば、可変質量バランスバー120の密度が選択されて、測定導管110とバランスをとることができる。可変質量バランスバー120は、バランス体122を含むものとして示されている。
図9に示すように、バランス体122は、壁厚を有する中空円筒管の形状を有する。バランス体122は、物質から構成されてもよく、および/または測定導管110と同じまたは類似の形状を有してもよい。
図9に示すように、バランス体122は、測定導管110とほぼ同じ長さを有するが、任意の適切な直径が使用されてもよい。バランス体122は、測定導管110の外径よりも小さい外径を有する。バランス体122はまた、可変質量バランスバー120の長さに沿って延在する円筒内面の内径(破線で示す)を含む。
【0109】
可変質量バランスバー120はまた、バランス流体124を含む。バランス流体124は、可変質量バランスバー120に出入りする矢印で示されている。より具体的には、バランス流体124は、入口矢印に近接する入口でバランス体122に入り、円筒形バランス体122によって搬送され、出口矢印に近接する出口で円筒形バランス体122によって供給されるものとして示されている。したがって、バランス流体124は、バランス体122の円筒内面によって形成された空間を満たすことができる。バランス流体124は、可変質量バランスバー120が測定導管110とバランスをとることを確実にすることができる特性を有する。結果として、プロセス物質の密度が変化しても、測定導管110内のプロセス物質の特性の測定は正確であり得る。
【0110】
図9に示すように、少なくとも1つのバランスセンサ980は、ケース160および可変質量バランスバー120に機械的に結合された第1のバランスセンサ980aおよび第2のバランスセンサ980bから構成される。単一のバランスセンサが他のシステムまたは振動メータに使用されてもよい。
図9に示すように、第1のバランスセンサ980aおよび第2のバランスセンサ980bは、メータ電子機器150に通信可能に結合される。第1のバランスセンサ980aおよび第2のバランスセンサ980bは、ケース160に対する可変質量バランスバー120の変位を測定するように構成される。第1および第2のバランスセンサ980a、980bはまた、バランスセンサ信号をメータ電子機器150に供給するように構成される。
【0111】
ケース160ならびに第1および第2のケース端部160a、160bは、基準構造または表面とすることができる。例えば、ケース160および/またはケース端部160a、160b上の表面は、測定導管110および/または可変質量バランスバー120が振動するときに時間に対してゼロ変位を有すると仮定されることができる。したがって、測定導管110および/または可変質量バランスバー120の変位は、ケース160とすることができる基準面または基準構造に対して測定されることができる。
【0112】
ケース160およびケース端部160a、160bが基準構造または基準面であるため、測定導管110および可変質量バランスバー120の変位は、共通の基準構造または基準面に対して測定されることができる。この例では、ケース160は、その表面の相対変位なしに振動していないかまたは振動しており、したがって、測定導管110および可変質量バランスバー120の任意の変位が測定および比較されることができると仮定される。
【0113】
システム900はまた、第2のケース端部160bに機械的に結合された加速度計990を含む。加速度計990は、メータ電子機器150に通信可能に結合される。加速度計990は、加速度を検出するように構成される。例えば、加速度計990が振動する場合、加速度計990は、ある位置における加速度に比例することができる加速度信号を生成する。したがって、加速度計990は、加速度信号をメータ電子機器150に供給することができる。
【0114】
システム900は、ミキサ902を含む。ミキサ902は、可変質量バランスバー120に流体結合され、メータ電子機器150に通信可能に結合される。ミキサ902は、それぞれが対応する成分密度ρ1、ρ2、ρ3...ρnを有する複数のバランス流体成分を受け入れるものとして示されている。ミキサ902は、複数のバランス流体成分を受け取り、複数のバランス流体成分をバランス流体124に混合し、バランス流体124をバランス体122に供給することができる。ミキサ902はまた、半閉ループシステムで振動メータ100’からバランス流体124を受け取るように構成される。
【0115】
ミキサ902はまた、バランス流体124を調整するように構成されることができる。例えば、ミキサ902は、バランス流体124を加熱および/または冷却することができる。ミキサ902は、単一の一体型装置として示されているが、別個のサブ装置から構成されてもよく、各サブ装置は、制御回路を有する。
図9に示すように、ミキサ902は、以下により詳細に説明するように、バランス流体124の密度を制御することによってバランス流体124の質量を制御することができる制御回路を含むことができる。
【0116】
ミキサ902は、複数の入口からなるものとして示されており、各入口は、対応するバランス流体成分に流体結合される。ミキサ902はまた、対応するバランス流体成分の流量を調整する流量弁などの弁を含むことができる。ミキサ902はまた、複数のバランス流体成分のうちの1つを選択するか、またはそのうちの2つ以上をバランス流体124に混合することができる。例えば、ミキサ402は、複数のバランス流体成分の成分密度ρ1、ρ2、ρ3、...ρnを記憶するメモリを有する制御回路を含むことができる。制御回路は、測定導管110の容積、測定導管110内のプロセス物質の密度、バランス体122の容積などの他の値を記憶および/または受信することができる。
【0117】
システム900はまた、ミキサ902と振動メータ100’との間に配置され、それらに流体結合された密度センサ904を含む。密度センサ904は、メータ電子機器150に通信可能に結合される。密度センサ904は、振動メータ100’に供給されるバランス流体124の密度を測定するように構成される。測定された密度は、測定された密度を使用して計算を実行することができるメータ電子機器150に供給されることができる。いくつかの計算は、可変質量バランスバー120の質量を計算することを含むことができる。可変質量バランスバー120の質量を計算し、ばね定数を知ることによって、メータ電子機器150は、可変質量バランスバー120が測定導管110とバランスをとっているかどうかを分析的に判定することができる。
【0118】
メータ電子機器150が、可変質量バランスバー120が測定導管110とバランスをとっていないと分析的に判定した場合、メータ電子機器150は、測定密度、バランス密度、またはバランス密度(例えば、分析的に、測定導管110とバランスをとる可変質量バランスバー120をもたらす密度値)と測定密度との差などを示す信号をミキサ902に供給することができる。ミキサ902は、これらの値を使用して、バランス流体124の密度がバランス密度と実質的に同じになるように、バランス流体成分のうちの1つ以上を選択、調整などすることができる。
【0119】
追加的または代替的に、メータ電子機器150は、加速度計990によって供給される加速度信号、少なくとも1つのバランスセンサ980によって供給されるバランスセンサ信号、ゼロオフセットの標準偏差、および/または駆動部140の駆動利得を使用することによって、測定導管110がバランスをとっているかどうかを判定することができる。例えば、可変質量バランスバー120がプロセス物質を含む測定導管110とバランスをとっている場合、加速度計990によって検出されるいかなる振動もバランスがとられていない振動メータ100’によるものではない。バランスがとられた振動メータ100’において検出される振動は、プロセス物質からの振動、振動メータ100’に接続された配管、環境ノイズ/振動などの他の原因によるものとすることができる。これらの他の供給源は、例えば、可変質量バランスバー120および/またはプロセス物質を含む測定導管110の共振周波数を中心とするバンドパスフィルタによってフィルタリングされることができる。
【0120】
少なくとも1つのバランスセンサ980はまた、可変質量バランスバー120がプロセス物質を含む測定導管110とバランスをとっているかどうかを判定するために使用されることができる。例えば、上述したように、可変質量バランスバー120は、可変質量バランスバー120の共振周波数が測定導管110の共振周波数に等しいときに、プロセス物質を含む測定導管110とバランスをとることができる。少なくとも1つのバランスセンサ980は、可変質量バランスバー120の変位(例えば、距離、速度、および/または加速度)を検出し、バランスバー変位信号をメータ電子機器150に供給することができる。メータ電子機器150は、可変質量バランスバー120の共振周波数がプロセス物質を含む測定導管110の共振周波数に等しいかどうかを判定することができる。
【0121】
可変質量バランスバー120の共振周波数は、バランス流体の密度/質量および/または駆動部140に供給される駆動信号の周波数を変化させることによって測定されることができる。例えば、ミキサ902は、バランス流体124の密度を増減することができる。メータ電子機器150は、バランス流体124の密度が掃引されてバランス密度値を判定している間に、加速度計990によって供給される加速度計信号の振幅を測定することができる。バランス密度値は、加速度計信号の振幅がバランス流体124の密度の掃引範囲にわたって最小であるときに対応することができる。
【0122】
追加的または代替的に、駆動部140に供給される駆動信号の1つ以上の周波数は、駆動利得、または駆動信号の振幅に対応する他の変数が最小化されることができるように変更されることができる。駆動信号の1つ以上の周波数は、駆動信号の成分周波数を含むことができる。換言すれば、駆動信号は、別個の正弦波周波数を有する1つ以上の成分から構成されることができる。例えば、駆動信号は、プロセス物質を含む測定導管110の共振周波数にあるまたはそれを追跡する成分と、可変質量バランスバー120の共振周波数にあるまたはそれを追跡する成分とから構成されることができる。したがって、可変質量バランスバー120の共振周波数に対応する成分の振幅が最小にされることができる。可変質量バランスバー120の共振周波数に対応する成分は、その成分の周波数を変化させながら駆動利得を最小化することによって追跡されることができる。
【0123】
メータ電子機器150は、可変質量バランスバー120が、上記に追加的または代替的な他の方法でプロセス物質を含む測定導管110とバランスをとっていることを判定することができる。例えば、メータ電子機器150は、駆動部140に供給される駆動信号の駆動利得を監視することができ、駆動利得が過度に高い場合、メータ電子機器150は、振動メータ100’がバランスをとっていないと判定することができる。追加的または代替的に、メータ電子機器150は、可変質量バランスバー120に対応する構成要素の周波数がプロセス物質を含む測定導管110に対応する構成要素の周波数に等しい(例えば、それらのそれぞれの駆動利得が最小化されるとき)場合、可変質量バランスバー120がプロセス物質を含む測定導管110とバランスをとっていると判定してもよい。
【0124】
駆動利得は、プロセス物質を含む測定導管110の振幅を維持するために必要な駆動信号電力の尺度とすることができる。例えば、駆動利得は、駆動信号振幅と、少なくとも1つのバランスセンサ980によって供給される信号および/または左右のピックオフセンサ130a、130bによって供給されるセンサ信号の1つ以上の信号振幅との比とすることができる。すなわち、駆動利得は、可変質量バランスバー120および/またはプロセス物質を含む測定導管110について判定され、それに対応することができる。
【0125】
メータ電子機器150はまた、振動メータ100’がゼロを監視することによってバランスがとられていると判定することができる。振動メータ100’がバランス状態にあるとき、ゼロはバランス状態ゼロに等しくなる。すなわち、プロセス物質が測定導管を通って流れていないとき、時間遅延または位相遅延は、振動メータ100’がバランス状態にあるときに測定される予め判定された時間遅延または位相遅延に等しくすることができる。バランス状態ゼロは、例えば、加速度計990、密度センサ904、少なくとも1つのバランスセンサ980、および/または他を使用することによって判定されることができる。例えば、振動メータ100’は、振動を最小限に抑えるために加速度計990を使用してバランスがとられ、次いで対応するゼロがバランス状態ゼロとして記憶されてもよい。バランス状態ゼロはまた、例えばプロセス物質、温度、密度読み取り値、圧力などのプロセス条件と相関させることができる。
【0126】
[振動メータのバランス化]
図10は、可変質量バランスバーを使用して測定導管とバランスをとる方法1000を示している。
図10に示すように、方法1000は、ステップ1010を含み、方法1000は、測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択する。バランス流体は、上述したバランス流体124~324b、524~824とすることができる。ステップ1020において、方法1000は、バランス体にバランス流体を供給する。バランス体は、上述したバランス体122~322b、522~822とすることができるが、任意の適切なバランス体が使用されてもよい。方法1000は、他のステップから構成されてもよい。例えば、測定導管とバランスをとるようにバランス流体の質量を選択することは、バランス流体の密度を選択することを含むことができる。密度は、特定の流体の選択、流体成分の混合などの任意の適切な方法で選択されることができる。流体または流体成分は、プロセス物質であってもなくてもよい。非プロセス物質は、測定されるプロセス物質によって判定されるのではなく、バランスの温度が制御されることができるため有利であり得る。方法1000はまた、バランス流体を受け入れるように構成された少なくとも1つの入口にバランス流体を供給することを含むことができる。バランス体にバランス流体を供給することはまた、複数のバランス流体成分をバランス流体に混合することと、バランス体にバランス流体を供給することとを含むことができる。したがって、可変質量バランスバーは、プロセス物質を含む測定導管とバランスをとることができる。
【0127】
バランス流体を含むバランス体の共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数に等しくすることができる。したがって、可変質量バランスバーの共振周波数は、プロセス物質を含む測定導管の共振周波数に等しくすることができる。周波数は、上記の式[1]~[3]にしたがって互いに等しくすることができる。一例では、バランス体の質量は、測定導管の質量に等しくすることができる。したがって、バランス体の剛性は、測定導管の剛性と同じとすることができる。あるいは、バランス体の質量は、測定導管の質量と等しくなくてもよい。したがって、測定導管の剛性は、測定導管の剛性と等しくなくてもよい。例えば、バランス体の質量が測定導管の質量よりも小さい場合、バランス体の剛性は、測定導管の剛性よりも大きくてもよい。しかしながら、上記は、上記の式[3]が示すように、プロセス物質の質量に依存する。
【0128】
方法1000は、バランス体を測定導管に機械的に結合されるように構成するなどの他のステップをさらに含むことができる。例えば、カプラまたはケース端部は、バランス体の端部および測定導管の端部に取り付けられることができる。しかしながら、任意の適切な機械的結合が使用されてもよい。追加的または代替的に、少なくとも1つのバランスセンサは、可変質量バランスバーおよび振動メータの基準構造に結合されてもよい。バランスセンサが使用されて、可変質量バランスバーが測定導管とバランスをとっているかどうかを判定することができる。例えば、バランスセンサは、上述したように、測定導管の共振周波数が可変質量バランスバーの共振周波数に等しいかどうかを判定するために使用されることができる。追加的または代替的に、加速度計は、例えば、加速度計を用いて基準構造の振動を検知するために、基準構造に結合されてもよい。加速度計および/またはバランスセンサが使用されて、可変質量バランスバーがプロセス物質を含む測定導管とバランスをとらないために基準構造が振動しているかどうかを判定することができる。
【0129】
上述した振動メータ100~300、500~800などの振動メータのバランス化は、1つ以上の変数を監視することを含むことができる。例えば、
図9を参照すると、ミキサ902がバランス体122に供給されるバランス流体124の密度を変化させながら、駆動部140に供給される駆動利得信号および加速度計990からの加速度信号が監視されることができる。可変質量バランスバー120に対応する駆動信号の成分の周波数と、プロセス物質を含む測定導管110に対応する駆動信号の成分の周波数とが実質的に等しく、加速度計990からの加速度信号が最小化される場合、メータ電子機器150は、振動メータ100’がバランスをとっていると判定することができる。
【0130】
理解されることができるように、各変数は、対応する閾値を有することができる。これらの閾値は、プロセス条件に応じて相関させることもできる。例えば、駆動信号の成分の周波数は、互いに閾値内にあってもよく、加速度の振幅は、メータ電子機器150が振動メータ100’がバランスをとっていると判定する前には閾値未満であってもよい。振動メータ100’がバランスをとっているという判定は、方法1000を終了すること、測定された質量流量が正確であり得るという指示など、様々な方法で使用されることができる。変数が定量化されて、測定された質量流量などの精度の測定値を供給することもできる。
【0131】
上記では、可変質量バランスバー120~320、520~820を含む振動メータ100~300、500~800、ならびに測定導管110~310、510~810とバランスをとるために使用されることができる可変質量バランスバー120を含む振動メータ100、100’を有するシステム400、900について説明した。固定質量バランスバーを使用するのではなく、振動メータ100~300、500~800のバランスをとることによって、振動メータ100~300、500~800は、プロセス物質の特性を正確に測定することができる。
【0132】
バランスがとられた振動メータ100~300、500~800はまた、プロセス物質の特性が変化しても振動しなくてもよい。したがって、例えば、単一の直線導管構成が、広範囲のプロセス物質にわたって使用されることができる。これは、より高い周波数動作モードなどの直線導管構成の利点を、より広い範囲のプロセス計測用途で実現することを可能にする。他の構成は、非常に低い周波数動作、所望の流量容量など、同様に実現されることができる特定の利点を有することができる。
【0133】
振動メータ100~300、500~800のバランス化はまた、測定導管110~310、510~810の変化を補償することができる。例えば、測定導管110~310、510~810の質量は、浸食、腐食、コーティング、修正(例えば、ピックオフセンサ130a、130bを修正すること)、測定導管110~310、510~810の一部または全体を置き換えるメンテナンスなどによって増減することができる。これは、振動メータ100~300、500~800の動作寿命を延ばすこと、組立レベルの修理が以前に必要とされていた可能性がある部分レベルの修理を可能にすることなどによって、ライフサイクルコストを削減することができる。
【0134】
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明が本説明の範囲内にあると想定される全ての実施形態の網羅的な説明ではない。実際に、当業者は、上述した実施形態の特定の要素が様々に組み合わせられてまたは排除されて、さらなる実施形態を形成することができ、そのようなさらなる実施形態は、本説明の範囲および教示の範囲内にあることを認識するであろう。上述した実施形態が全体的または部分的に組み合わせられて、本説明の範囲および教示の範囲内で追加の実施形態を形成することができることも当業者にとって明らかであろう。
【0135】
したがって、特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、関連技術分野の当業者が認識するように、本説明の範囲内で様々な同等の変更が可能である。本明細書で提供される教示は、他の可変質量バランスバー、可変質量バランスバーを含む振動メータ、または可変質量バランスバーを使用して測定導管とバランスをとるためのシステムおよび方法に適用されることができ、上記および添付の図面に示される実施形態のみに適用されることはできない。したがって、上述した実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から判定されるべきである。
【国際調査報告】