(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】密閉加熱式タバコ
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20220926BHJP
【FI】
A24D1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513908
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2020118760
(87)【国際公開番号】W WO2021073425
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】202010382903.6
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010382902.1
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010422761.1
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010422575.8
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010422579.6
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517283640
【氏名又は名称】雲南中煙工業有限責任公司
(71)【出願人】
【識別番号】522077432
【氏名又は名称】中国煙草総公司鄭州煙草研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】韓敬美
(72)【発明者】
【氏名】李斌
(72)【発明者】
【氏名】張柯
(72)【発明者】
【氏名】呉俊
(72)【発明者】
【氏名】王爽
(72)【発明者】
【氏名】▲りょ▼茜
(72)【発明者】
【氏名】王兵
(72)【発明者】
【氏名】雷▲ぴん▼
(72)【発明者】
【氏名】付麗麗
(72)【発明者】
【氏名】李志強
(72)【発明者】
【氏名】黄鋒
(72)【発明者】
【氏名】廖思尭
(72)【発明者】
【氏名】王楽
(72)【発明者】
【氏名】▲こん▼為民
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AA23
4B045AB00
(57)【要約】
上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部(1)、低吸引抵抗部(2)、及び機能・フィルター部(3)を備え、外部に外部被覆部材(4)が被覆され、低吸引抵抗部(2)が軸方向の中心空洞(2-1)及び周方向の側壁貫通孔(2-2)を有する管体であり、タバコ部(1)の上流端の封止方法は、タバコ部(1)の外周及び/又は上流端面が非通気性の又は通気度制御可能な紙製又は箔製の材料で被覆されて密閉構造を構成するか、又はタバコ部(1)の上流端に閉塞プラグ(5)が同軸に当接している密閉加熱式タバコである。密閉加熱式タバコ内の酸素含有量が加熱に伴って低下するため、温度を上昇させても燃焼することはない。したがって、タバコの加香成分が完全に放出され、煙量が増加するように、加熱温度を上昇させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部(1)、低吸引抵抗部(2)、及び機能・フィルター部(3)を備え、外部に外部被覆部材(4)が被覆され、
前記低吸引抵抗部(2)は、軸方向の中心空洞(2-1)及び周方向の側壁貫通孔(2-2)を有する管体であり、前記側壁貫通孔(2-2)の数が少なくとも1つであり、
前記タバコ部(1)の上流端の封止方法は、前記タバコ部(1)の外周及び/又は上流端面が非通気性の又は通気度制御可能な紙製又は箔製の材料で被覆されて密閉構造を構成するか、又は前記タバコ部(1)の上流端に閉塞プラグ(5)が同軸に当接している、ことを特徴とする、密閉加熱式タバコ。
【請求項2】
前記タバコ部(1)の上流端の封止方法は、前記タバコ部(1)の上流端に閉塞プラグ(5)が同軸に当接している場合に、前記タバコ部(1)の軸心部に軸方向の第1煙通路(1-1)を有し、所望により、前記タバコ部(1)の非軸心部に複数の軸方向の第2煙通路(1-2)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項3】
前記低吸引抵抗部(2)は、前記中心空洞(2-1)の周方向側壁に設けられて所定の通気度を有するバリア層(2-3)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項4】
前記低吸引抵抗部(2)は、前記中心空洞(2-1)内に設けられて軸方向通路を有する規制案内部材(2-4)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項5】
前記外部被覆部材(4)の前記側壁貫通孔(2-2)に対応する位置に同軸貫通孔(4-1)が設けられ、前記同軸貫通孔(4-1)の孔径が前記側壁貫通孔(2-2)の孔径以上である、ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のタバコ。
【請求項6】
前記低吸引抵抗部(2)が中空管である、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のタバコ。
【請求項7】
前記低吸引抵抗部(2)の管壁と前記バリア層(2-3)との間に中空管状の支持層を有し、前記側壁貫通孔(2-2)が前記支持層を貫通する、ことを特徴とする、請求項3に記載のタバコ。
【請求項8】
前記バリア層(2-3)は、前記中心空洞(2-1)の周方向側壁及び前記側壁貫通孔(2-2)を完全に覆う、ことを特徴とする、請求項3に記載のタバコ。
【請求項9】
前記規制案内部材(2-4)の内部に複数の軸方向通路を有し、外側軸方向通路の側壁の通気度が中心軸方向通路の通気度よりも小さい、ことを特徴とする、請求項4に記載のタバコ。
【請求項10】
前記規制案内部材(2-4)は、最も外層の中空柱状規制層と、内部の複数の中空柱状案内層とを備え、前記規制層の通気度が前記案内層の通気度よりも小さい、ことを特徴とする、請求項4に記載のタバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼加熱式タバコの分野に属し、特に密閉加熱式タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタバコは、数百年の歴史を持っており、すでに大多数の喫煙者の生活に根強く浸透している。近年、生活レベルの向上に伴い、喫煙と健康、受動喫煙による被害などの問題がますます注目され、従来のタバコ製品による健康被害が日増しに深刻化している。そして、WHOたばこ規制枠組み条約の施行に伴い、特に世界各国の公共場所での禁煙範囲が次第に拡大され、タバコ製品の発展環境に重大かつ深刻な変化が起こり、タバコ製品の構造が多様化及び無煙化の方向にますます進んでいる。新型タバコ製品は、従来のタバコ製品の売上の減少に対処するための、各大手タバコ企業の現実的な選択肢となっている。
【0003】
現在、ほとんどの非燃焼加熱式タバコは、空気を煙の担体として用い、タバコの非燃焼を確保するために、加熱温度が通常低く300℃以下であり、従来のタバコに比べて、新型非燃焼加熱式タバコの加香成分が完全に放出されず、煙量が不十分であるため、この種のタバコは従来のタバコ喫煙者に受け入れられにくい。また、空気の流通を確保するために、ほとんどの非燃焼加熱式タバコのタバコ部が開放式構造であり、即ち、タバコ刻み又は再構成タバコシートが直接外部に露出するか、又は所定の気流通路を介して外気と連通し、吸引終了後にカートリッジを取り出す際に、タバコの残渣が落下して喫煙具を汚染しやすいため、この種のタバコは、所定の時間使用した後、喫煙具を洗浄する手間が必要となる。
【0004】
上記の問題点を解消するために、本発明を提出する。
【発明の内容】
【0005】
本発明は、上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆され、
低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する管体であり、側壁貫通孔2-2の数が少なくとも1つであり、
タバコ部1の上流端の封止方法は、タバコ部1の外周及び/又は上流端面が非通気性の又は通気度制御可能な紙製又は箔製の材料で被覆されて密閉構造を構成するか、又はタバコ部1の上流端に閉塞プラグ5が同軸に当接し、閉塞プラグ5及び外部被覆部材4はアルミ箔などの非通気性の又は通気度制御可能な材料からなる密閉加熱式タバコを提供する。
【0006】
好ましくは、閉塞プラグ5は、形状が円柱状であり、優れた熱安定性を有し、温度上昇によって変形することはなく、例えば、高分子材料塊、金属塊である。
【0007】
好ましくは、閉塞プラグ5は、所定の熱安定性を有し、温度が400℃以下では顕著に変形することはない。
【0008】
好ましくは、タバコ部1の上流端の封止方法は、タバコ部1の上流端に閉塞プラグ5が同軸に当接している場合に、タバコ部1の軸心部に軸方向の第1煙通路1-1を有する。
【0009】
より好ましくは、タバコ部1の非軸心部に複数の軸方向の第2煙通路1-2をさらに備える。第1煙通路1-1及び第2煙通路1-2がタバコ部1を軸方向に貫通し、即ち、タバコ部1は練炭状構造となっている。
【0010】
好ましくは、機能・フィルター部3は、降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。
【0011】
好ましくは、タバコ部1内にタバコ刻み、タバコシート、タバコペレット、タバコ成形体又はタバコ含有ゲルが含まれる。
【0012】
好ましくは、外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。好ましくは、低吸引抵抗部2が中空管である。好ましくは、低吸引抵抗部2は、中心空洞2-1の周方向側壁に設けられて所定の通気度を有するバリア層2-3をさらに備える。より好ましくは、低吸引抵抗部2の管壁とバリア層2-3との間に中空管状の支持層を有し、側壁貫通孔2-2が支持層を貫通する。
【0013】
より好ましくは、バリア層2-3は、中心空洞2-1の周方向側壁及び側壁貫通孔2-2を完全に覆う。より好ましくは、バリア層2-3は、所定の通気度/空隙率を有する紙製又はセルロースアセテートの成形体である。
【0014】
好ましくは、低吸引抵抗部2は、中心空洞2-1内に設けられて軸方向通路を有する規制案内部材2-4をさらに備える。低吸引抵抗部2は、吸引抵抗が制御可能であるため、吸引抵抗制御可能部と呼ばれてもよい。
【0015】
より好ましくは、低吸引抵抗部2の管壁と規制案内部材2-4との間に中空管状の支持層を有し、側壁貫通孔2-2が支持層を貫通する。
【0016】
より好ましくは、規制案内部材2-4は、柱状体であり、所定の通気度を有し、中心空洞2-1に完全に充填されるか又は部分的に充填される。
【0017】
より好ましくは、規制案内部材2-4の側壁が側壁貫通孔2-2を覆う。
【0018】
より好ましくは、規制案内部材2-4の内部に複数の軸方向通路を有し、外側軸方向通路の側壁の通気度が中心軸方向通路の通気度よりも小さい。複数の軸方向通路は、タバコの中心に設けられる中心軸方向通路と、中心軸方向通路の外側に設けられる外側軸方向通路とを備える。
【0019】
より好ましくは、規制案内部材2-4は、最も外層の中空柱状規制層と、内部の複数の中空柱状案内層とを備え、規制層の通気度が案内層の通気度よりも小さい。
【0020】
上記の技術的手段は、矛盾しないことを前提として自由に組み合わせてもよい。
【0021】
[発明の効果]
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
1、本発明は、加熱式喫煙具と合わせて使用される密閉加熱式タバコを初めて設計し、密閉加熱式タバコのタバコ部1のタバコ収容室に接触する一端が封止され、生成された新鮮な煙がタバコ内部の雰囲気を置換する役割を果たすため、タバコ内の酸素含有量が加熱に伴って低下し、このとき、加熱温度を上昇させても燃焼することはない。したがって、タバコの加香成分が完全に放出され、煙量が増加するように、加熱温度を上昇させることができる。
2、密閉加熱式タバコのタバコ部1のタバコ収容室に接触する一端が封止されるため、タバコの残渣が落下して喫煙具を汚染することはない。
3、本発明の密閉加熱式タバコは、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する低吸引抵抗部2を設けることにより、吸引の際に外気が側壁貫通孔2-2から入り、中心空洞内でタバコ部1の加熱による煙と混合して主流煙となって吸引される。そして、吸引の際に外気が側壁貫通孔2-2から入るので、低吸引抵抗部2は、空気流速が高く、圧力が低く、タバコ部1の煙を抽出する役割を果たす。また、外気は煙を降温する役割も果たす。
4、好ましい実施形態において、本発明のタバコは、閉塞プラグ5を用いてタバコ部1を封止するので、タバコの製造工程において、閉塞プラグ5をタバコ部1とともに巻装することができ、工業的生産を容易にする。封止膜等の部材を用いてタバコ部を独立して封止する場合、タバコの製造工程を変更する必要があり、既存の設備の変更が大きく、工業的生産に不利である。
5、好ましい実施形態において、本発明のタバコは、タバコ部1内に複数の軸方向通路を初めて設計し、封止されるタバコ部1内における煙の拡散に有利である。
6、好ましい実施形態において、本発明のタバコは、低吸引抵抗部2には、中心空洞2-1の周方向側壁及び側壁貫通孔2-2を覆うバリア層2-3が設けられ、バリア層は、所定の通気度を有し、吸引時に、外気の流入に影響を与えず、非吸引時に、煙が側壁貫通孔2-2を介して逃げることはないため、煙の流失を効果的に低減することができる。
7、好ましい実施形態において、本発明のタバコは、低吸引抵抗部2に軸方向の煙拡散通路を有する規制案内部材2-4が設けられる。規制案内部材2-4は、所定の通気度を有し、軸方向の煙拡散抵抗が低く、径方向の煙拡散抵抗が高い。吸引時に、外気の流入に影響を与えず、非吸引時に、径方向の煙拡散抵抗が高く、煙が側壁貫通孔2-2を介して逃げることはないため、煙の流失を効果的に低減することができる。タバコの吸引抵抗は、周方向の側壁貫通孔2-2の孔径、数及び規制案内部材2-4の空隙率を変更することにより調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1の密閉加熱式タバコの縦断面図である。
【
図2】実施例2の密閉加熱式タバコの縦断面図である。
【
図3】実施例3の密閉加熱式タバコの縦断面図である。
【
図4】実施例4の密閉加熱式タバコの縦断面模式図である。
【
図5】実施例5の密閉加熱式タバコの縦断面模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、具体的な実施形態により本発明を詳細に説明する。
【0024】
実施例1
図1に示すように、密閉加熱式タバコは、上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆される。外部被覆部材4は、タバコ巻紙及びチップペーパーを備え、両者がタバコを一体的に被覆する。
低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する中空紙管であり、側壁貫通孔2-2の数が2つである。
タバコ部1の上流端の封止方法は、タバコ部1の外周及び上流端面が非通気性のアルミ箔で被覆されて密閉構造を構成する。
外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。
機能・フィルター部3は、上流から下流にかけて順次同軸に当接している降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。
タバコ部1内にタバコ刻みが含まれる。
この実施例1の密閉加熱式タバコは、加熱式喫煙具と合わせて使用され、生成された新鮮な煙がタバコ内部の雰囲気を置換する役割を果たすため、タバコ内の酸素含有量が加熱に伴って低下し、このとき、加熱温度を上昇させても燃焼することはない。したがって、タバコの加香成分が完全に放出され、煙量が増加するように、加熱温度を上昇させることができる。
この実施例1の密閉加熱式タバコは、タバコ部1の喫煙具のタバコ収容室に接触する上流端が封止されるため、タバコの残渣が落下して喫煙具を汚染することはない。
この実施例1の密閉加熱式タバコは、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する低吸引抵抗部2を設けることにより、吸引の際に外気が側壁貫通孔2-2から入り、中心空洞内でタバコ部1の加熱による煙と混合して主流煙となって吸引される。そして、吸引の際に外気が側壁貫通孔2-2から入るので、低吸引抵抗部2は、空気流速が高く、圧力が低く、タバコ部1の煙を抽出する役割を果たす。また、外気は煙を降温する役割も果たす。
【0025】
実施例2
図2に示すように、密閉加熱式タバコは、上流から下流にかけて順次同軸に当接している閉塞プラグ5、タバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆される。外部被覆部材4は、タバコ巻紙及びチップペーパーを備え、両者がタバコを一体的に被覆する。
低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する中空紙管であり、側壁貫通孔2-2の数が2つである。
外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。
機能・フィルター部3は、降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。
タバコ部1内にタバコペレットが含まれる。
閉塞プラグ5は、形状が円柱状であり、材料が厚さ約3mmのアルミ箔であり、優れた熱安定性を有し、温度上昇によって顕著に変形することはない。
タバコの上流から下流にかけて同軸に当接している閉塞プラグ5及びタバコ部1は、上流端が封止されるタバコ部を形成する。
実施例1に比べて、この実施例2のタバコは、閉塞プラグ5を用いてタバコ部を封止するので、タバコの製造工程において、閉塞プラグ5をタバコ部1とともに巻装することができ、工業的生産を容易にする。封止膜等の部材を用いてタバコ部を独立して封止する場合に、タバコの製造工程を変更する必要があり、既存の設備の変更が大きく、工業的生産に不利である。
【0026】
実施例3
図3に示すように、密閉加熱式タバコは、上流から下流にかけて順次同軸に当接している閉塞プラグ5、タバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆される。外部被覆部材4は、タバコ巻紙及びチップペーパーを備え、両者がタバコを一体的に被覆する。
低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する中空紙管であり、側壁貫通孔2-2の数が2つである。
タバコ部1の軸心部に軸方向の第1煙通路1-1を有する。タバコ部1の非軸心部に6本の軸方向の第2煙通路1-2をさらに備える。第1煙通路1-1及び第2煙通路1-2がタバコ部1を軸方向に貫通する。即ち、タバコ部1は練炭状構造となっている。
外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。
機能・フィルター部3は、降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。
タバコ部1内にタバコ成形体が含まれる。
閉塞プラグ5は、形状が円柱状であり、材料が厚さ約3mmのアルミ箔であり、優れた熱安定性を有し、温度上昇によって顕著に変形することはない。
この実施例3のタバコは、タバコ部1内に複数の軸方向通路を初めて設計し、封止されるタバコ部1内における煙の拡散に有利である。
【0027】
実施例4
図4に示すように、密閉加熱式タバコは、上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆される。外部被覆部材4は、タバコ巻紙及びチップペーパーを備え、両者がタバコを一体的に被覆する。
低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する管体であり、側壁貫通孔2-2の数が2つであり、中心空洞2-1の周方向側壁に設けられて所定の通気度を有するバリア層2-3をさらに備える。
バリア層2-3は、所定の通気度を有する紙製又はセルロースアセテートの成形体である。バリア層2-3は、中心空洞2-1の周方向側壁及び側壁貫通孔2-2を完全に覆う。
タバコ部1の上流端の封止方法は、タバコ部1の上流端に閉塞プラグ5が同軸に当接している。
外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。
低吸引抵抗部2の管壁とバリア層2-3との間に中空管状の支持層を有し、側壁貫通孔2-2が支持層を貫通する。
機能・フィルター部3は、降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。
タバコ部1内にタバコ含有ゲルが含まれる。
この実施例4のタバコは、低吸引抵抗部2には、中心空洞2-1の周方向側壁及び側壁貫通孔2-2を覆うバリア層2-3が設けられる。バリア層2-3は、所定の通気度を有し、吸引時に、外気の流入に影響を与えず、非吸引時に、煙が側壁貫通孔2-2を介して逃げることはないため、煙の流失を効果的に低減することができる。
【0028】
実施例5
図5に示すように、密閉加熱式タバコは、上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部1、低吸引抵抗部2、及び機能・フィルター部3を備え、外部に外部被覆部材4が被覆される。低吸引抵抗部2は、軸方向の中心空洞2-1及び周方向の側壁貫通孔2-2を有する管体であり、側壁貫通孔2-2の数が2つであり、孔径が1.5mmであり、中心空洞2-1内に設けられて複数の軸方向通路を有する規制案内部材2-4をさらに備え、規制案内部材2-4の空隙率が40%である。
規制案内部材2-4は、所定の通気度を有する紙製材料からなる。規制案内部材2-4は、中心空洞2-1の周方向側壁及び側壁貫通孔2-2を完全に覆うとともに、中心空洞2-1に完全に充填される。
タバコ部1の上流端の封止方法は、タバコ部1の上流端に閉塞プラグ5が同軸に当接している。閉塞プラグ5は、非通気性の材料からなり、所定の熱安定性を有し、400℃では顕著に変形することはなく、例えば、シリカゲル塊、金属塊である。
外部被覆部材4の側壁貫通孔2-2に対応する位置に同軸貫通孔4-1が設けられ、同軸貫通孔4-1の孔径が側壁貫通孔2-2の孔径以上である。低吸引抵抗部2の管壁と規制案内部材2-4との間に中空管状の支持層を有し、側壁貫通孔2-2が支持層を貫通する。規制案内部材2-4は、最も外層の中空柱状規制層と、内部の複数の中空柱状案内層とを備え、規制層の通気度が案内層の通気度よりも小さい。
機能・フィルター部3は、降温部3-1及びフィルター部3-2を備える。タバコ部1内にタバコ含有ゲルが含まれる。
この実施例5のタバコは、低吸引抵抗部2に軸方向の煙拡散通路を有する規制案内部材2-4が設けられる。規制案内部材2-4は、所定の通気度を有し、軸方向の煙拡散抵抗が低く、径方向の煙拡散抵抗が高い。吸引時に、外気の流入に影響を与えず、非吸引時に、径方向の煙拡散抵抗が高く、煙が側壁貫通孔2-2を介して逃げることはないため、煙の流失を効果的に低減することができる。タバコの吸引抵抗は、周方向の側壁貫通孔2-2の孔径、数及び規制案内部材2-4の空隙率を変更することにより調整することができる。
【0029】
以上は、本発明の具体的な実施形態のみであるが、本発明の保護範囲はこれらに限定されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術的範囲内で容易に想到できる任意の変更又は置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1:タバコ部
1-1:第1煙通路
1-2:第2煙通路
2:低吸引抵抗部
2-1:中心空洞
2-2:側壁貫通孔
2-3:バリア層
2-4:規制案内部材
3:機能・フィルター部
3-1:降温部
3-2:フィルター部
4:外部被覆部材
4-1:同軸貫通孔
5:閉塞プラグ
【手続補正書】
【提出日】2022-04-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から下流にかけて順次同軸に当接している、上流端が封止されるタバコ部(1)、低吸引抵抗部(2)、及び機能・フィルター部(3)を備え、外部に外部被覆部材(4)が被覆され、
前記低吸引抵抗部(2)は、軸方向の中心空洞(2-1)及び周方向の側壁貫通孔(2-2)を有する管体であり、前記側壁貫通孔(2-2)の数が少なくとも1つであり、
前記タバコ部(1)の上流端の封止方法は、前記タバコ部(1)の外周及び/又は上流端面が非通気性の又は通気度制御可能な紙製又は箔製の材料で被覆されて密閉構造を構成するか、又は前記タバコ部(1)の上流端に閉塞プラグ(5)が同軸に当接
し、
前記外部被覆部材(4)の前記側壁貫通孔(2-2)に対応する位置に同軸貫通孔(4-1)が設けられ、前記同軸貫通孔(4-1)の孔径が前記側壁貫通孔(2-2)の孔径以上であることを特徴とする、密閉加熱式タバコ。
【請求項2】
前記タバコ部(1)の上流端の封止方法は、前記タバコ部(1)の上流端に閉塞プラグ(5)が同軸に当接している場合に、前記タバコ部(1)の軸心部に軸方向の第1煙通路(1-1)を有し、所望により、前記タバコ部(1)の非軸心部に複数の軸方向の第2煙通路(1-2)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項3】
前記低吸引抵抗部(2)は、前記中心空洞(2-1)の周方向側壁に設けられて所定の通気度を有するバリア層(2-3)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項4】
前記低吸引抵抗部(2)は、前記中心空洞(2-1)内に設けられて軸方向通路を有する規制案内部材(2-4)をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のタバコ。
【請求項5】
前記規制案内部材(2-4)の内部に複数の軸方向通路を有し、外側軸方向通路の側壁の通気度が中心軸方向通路の通気度よりも小さい、ことを特徴とする、請求項4に記載のタバコ。
【請求項6】
前記規制案内部材(2-4)は、最も外層の中空柱状規制層と、内部の複数の中空柱状案内層とを備え、前記規制層の通気度が前記案内層の通気度よりも小さい、ことを特徴とする、請求項4に記載のタバコ。
【国際調査報告】