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▶ ルートヴィヒ エアハルト ゲーエムベーハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-04
(54)【発明の名称】ボアクランプ
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/24 20060101AFI20220927BHJP
   B23B 31/30 20060101ALI20220927BHJP
   B23B 31/28 20060101ALI20220927BHJP
   B23B 31/20 20060101ALI20220927BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20220927BHJP
   B23Q 3/06 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
B23B31/24
B23B31/30 A
B23B31/28
B23B31/20 H
B23Q17/00 A
B23Q3/06 304F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563293
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 EP2020069250
(87)【国際公開番号】W WO2021018532
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】102019120427.5
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516160522
【氏名又は名称】ルートヴィヒ エアハルト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】グラウリヒ、オリバー
【テーマコード(参考)】
3C016
3C029
3C032
【Fターム(参考)】
3C016CA01
3C016CA08
3C029EE00
3C032JJ04
3C032KK00
3C032KK11
3C032KK16
(57)【要約】
本発明は、工作物内に配置された工作物ボアを有する工作物をクランプするボアクランプに関し、該ボアクランプは、径方向に拡張可能なクランピングブッシュ(1)と、クランピング位置でクランピングブッシュ(1)を拡張させる変位可能なクランピングボルト(4)と、クランピングボルト(4)を軸線方向に変位させてクランピング位置にするためのクランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)とを備える。本発明によれば、クランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)は、横方向に変位可能なピストン(11)と、ピストン(11)の横方向の動きを、クランピング方向に、クランピングボルト(4)の対応する軸線方向の動きに変換するための、互いに摺動する楔面(10、13)を有する楔形ギヤ(10、13)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物(3)に配置された工作物ボア(2)を有する前記工作物(3)をクランプする、ボアクランプであって、
a)前記工作物ボア(2)に係合するクランピングブッシュ(1)であって、前記クランピングブッシュ(1)は、好ましくは前記クランピングブッシュ(1)の全周にわたって分散して配置されたいくつかの個別のクランピング部分で径方向に拡張可能になるクランピングブッシュ(1)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)を通って同軸に延在し、クランピング位置とアンクランピング位置との間で、クランピング方向へ軸線方向に変位可能なクランピングボルト(4)であって、
b1)前記クランピングボルト(4)は、前記工作物ボア(2)内で前記クランピングブッシュ(1)をクランプするために、前記クランピング位置において前記クランピングブッシュ(1)を径方向に拡張させ、
b2)一方で、前記クランピングボルト(4)は、前記クランピングブッシュ(1)が前記工作物ボア(2)に挿入され得る又は前記工作物ボア(2)から引き抜かれ得るように、前記アンクランピング位置では前記クランピングブッシュ(1)を径方向に拡張しない、
クランピングボルト(4)と、
c)前記クランピングボルト(4)を前記クランピング方向へ軸線方向に変位させて前記クランピング位置にするためのクランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)であって、前記クランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)は、
c1)前記クランピング方向に対して横方向に変位可能なピストン(11)、及び
c2)前記ピストン(11)の前記横方向の動きを、前記クランピング方向へ、前記クランピングボルト(4)の対応する軸線方向の動きに変換するための、互いに摺動する楔面(10、13)を有する楔形ギヤ(10、13)を備えるクランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)と、
を備えることを特徴とする、ボアクランプ。
【請求項2】
前記クランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)が、
a)電動式、
b)空気圧式、
c)液圧式、又は
d)ねじギヤによる機械式、
の駆動タイプのうちの1つによって、前記ピストンを駆動させることを特徴とする、請求項1に記載のボアクランプ。
【請求項3】
a)前記楔面(10、13)の少なくとも1つが、摩擦低減及び/又は摩耗低減被覆、具体的にはDLC被覆を施され、且つ/或いは、
b)前記楔面(10、13)がオイルバス内に配置される、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のボアクランプ。
【請求項4】
a)前記クランピングボルト(4)の自由端の上にカバーキャップ(37)が取り付けられ、前記カバーキャップ(37)が、好ましくは前記クランピングボルト(4)に着脱自在に取り付けられ、且つ、
b)前記カバーキャップ(37)が、前記工作物ボア(2)の断面を弾性的に塞ぎ、該塞ぐことによって、前記工作物ボア(2)が頂部で開いているときに、前記クランピング位置で拡張された前記クランピングブッシュ(1)の中に、前記工作物ボア(2)から異物が侵入するのを防止する、
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項5】
前記クランピングボルト駆動装置が、
a)シリンダ(6)内で、前記楔形ギヤ(10、13)によって、前記クランピング方向に変位される引張ボルト(5)、
b)前記クランピングボルト(4)を前記引張ボルト(5)内で解除可能に固定するためのバイオネットロック、及び/又は、
c)前記クランピングボルト(4)が動作中に前記引張ボルト(5)に対して回転するのを防止する回転防止装置(28、29)、
を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項6】
前記クランピング位置における前記クランピングブッシュ(1)の前記径方向拡張を、前記アンクランピング位置における前記クランピングブッシュ(1)の径方向収縮位置に復帰させるための復帰装置(38~47)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項7】
前記復帰装置(38~47)が、
a)前記クランピングブッシュ(1)の下部にある周方向楔面(38)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)の下部にあり、上側に周方向楔面(39)を有する楔リング(40)であって、一方の前記楔リング(40)の前記楔面(39)が、他方の前記クランピングブッシュ(1)の前記楔面(38)と互いに摺動する楔リング(40)と、
c)少なくとも1つの軸線方向に延在するプランジャ(41)であって、一方では前記引張ボルト(5)に結合され、他方では前記楔リング(40)を押圧し、前記楔リング(40)が、前記アンクランピング位置で前記クランピングブッシュ(1)を径方向に圧縮するプランジャと、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項8】
前記復帰装置(38~47)が、少なくとも1つのばね(42)、特に、一定の復帰力で外側から前記クランピングブッシュ(1)をほぼ径方向に押圧する渦巻ばね(42)を有し、前記復帰力が、好ましくは調整ねじ(43)で調整可能になることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項9】
前記復帰装置(38~47)が、
a)前記クランピングボルト(4)の側面にある第1の溝(45)であって、前記第1の溝(45)が長手方向に延在し、それぞれがアンダーカットを有する第1の溝(45)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)の内面にある第2の溝(44)であって、前記第2の溝(44)が長手方向に延び、それぞれがアンダーカットを有する第2の溝(44)と、
c)一方では前記第1の溝(45)内で、他方では前記第2の溝(44)内で摺動する結合部品(46)であって、前記クランピングボルト(4)が前記クランピング位置から前記アンクランピング位置に移動すると、前記結合部品(46)が前記クランピングブッシュ(1)を強制的に径方向に収縮させる結合部品(46)と、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項10】
前記復帰装置(38~47)は、前記クランピングブッシュ(1)と前記クランピングボルト(4)との間にポジティブロック結合(47)、特にTスロットを有し、前記ポジティブロック結合(47)は、前記クランピングボルト(4)が前記クランピング位置から前記アンクランピング位置に移動されると、確実に誘導する方式で前記クランピングブッシュ(1)を径方向に収縮させることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項11】
前記クランピング位置及び前記アンクランピング位置を空気圧で検出するための空気圧式位置感知(30~36)を備え、且つ、
前記空気圧式位置感知(30~36)が、特に、前記引張ボルト(5)の、
a)前記クランピング位置、
b)前記アンクランピング位置、
c)クランピング工程を可能にする引張範囲内にある、前記引張ボルト(5)の位置、
d)前記引張ボルト(5)が引っ張られて、前記引張範囲外にある、クランプされた位置、
のうちの少なくとも1つを検出するために、好ましくは少なくとも2つ、3つ、又は4つの異なる位置を区別できることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項12】
前記空気圧式位置感知が、
a)前記引張ボルト(5)と、
b)前記引張ボルト(5)が前記クランピング方向に沿って変位可能な前記シリンダ(6)と、
c)前記工作物側から、第1の開口部(33)でほぼ軸線方向に前記シリンダ(6)の中に開いている第1の圧縮空気ライン(32)と、
を備え、
c1)前記第1の圧縮空気ライン(32)の前記第1の開口部(33)が、特に、前記引張ボルト(5)内の封止部品(34)によって、前記アンクランピング位置で前記引張ボルト(5)によって塞がれ、
c2)一方で、前記第1の圧縮空気ライン(32)の前記第1の開口部(33)が、前記クランピング位置で前記引張ボルト(5)によって開放される、
ことを特徴とする、請求項12に記載のボアクランプ。
【請求項13】
前記空気圧式位置感知が、
a)前記引張ボルト(5)と、
b)前記引張ボルト(5)が前記クランピング方向に沿って変位可能な前記シリンダ(6)と、
c)第2の開口部でほぼ径方向に前記シリンダ(6)の中に開いている第2の圧縮空気ライン(35)と、
d)前記引張ボルト(5)内の径方向ボア(36)と、
を備え、
d1)前記引張ボルト(5)の前記径方向ボア(36)は、前記アンクランピング位置で、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部と位置合わせされ、
d2)前記クランピングボルト(4)が、クランピング工程を可能にする引張範囲内で前記引張方向に沿って配置されると、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部が、前記引張ボルト(5)の側面によって塞がれ、且つ、
d3)前記クランピングボルト(4)が引っ張られて前記引張範囲の外に出ると、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部が、前記引張ボルト(5)から開放される、
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載のボアクランプ。
【請求項14】
前記引張ボルト(5)の前記位置を感知するため、特に、前記引張ボルト(5)の、
a)前記クランピング位置、
b)前記引張アンクランピング位置、
c)クランピング工程を可能にする引張範囲内にある、前記引張ボルト(5)の位置、
d)前記引張ボルト(5)が引っ張られて、前記引張範囲外にある、クランプされた位置、
のうちの少なくとも1つの位置を検出するための電気式位置感知装置(48、49)を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項15】
a)前記電気式位置感知が、前記クランピング方向に沿って、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を量的変数として判定し、且つ、
b)前記電気式位置感知が、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置から、前記クランピングブッシュ(1)の直径を計算する、
ことを特徴とする、請求項14に記載のボアクランプ。
【請求項16】
a)前記ボアクランプが、クランピング行程中に前記引張ボルト(5)に作用する引張力を測定する力センサを備え、
b)前記クランピングブッシュ(1)が、径方向拡張中に、前記工作物ボア(2)の内壁に当たったときに、前記引張ボルト(5)に作用する前記クランプ力が力の増加を示し、
c)前記ボアクランプが、前記力の増加時に前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を判定し、
d)前記ボアクランプが、前記クランピング位置における前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を判定し、且つ、
e)前記ボアクランプが、
e1)前記力の増加時における、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置、及び、
e2)前記クランピング位置における、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置、
から、前記工作物ボア(2)の前記内壁の中に前記クランピングブッシュ(1)が径方向に侵入する径方向侵入深さを判定することを特徴とする、請求項14~15のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項17】
前記電気式位置センサ(48、49)が、
a)特に、面取部又はテーパ面としての、前記引張ボルト(5)のベベル(49)と、
b)特に、誘導性距離センサ(48)である距離センサ(48)であって、前記引張ボルト(5)の隣に横方向に取り付けられて、前記引張ボルト(5)の前記勾配(49)までの横方向距離を測定し、前記距離センサ(48)と、前記引張ボルト(5)の前記勾配(49)との間の前記横方向距離が、前記引張方向に沿った前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置の測定値になる、距離センサ(48)と、
を備えることを特徴とする、請求項14~16のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物をクランプするためのボアクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなボアクランプは、例えば、欧州特許第3330041号明細書で知られている。クランピング工程中は、ボアクランプのクランピングブッシュが、クランプされる工作物内の対応する工作物ボアの中に挿入され、次に、径方向に拡張されることによって、クランピングブッシュが工作物ボア内で固定される。クランピングブッシュは変位可能なクランピングボルトによって拡張され、これはクランピングブッシュ内に同軸に配置され、自由端に向かって円錐形に広がる頭部を有している。クランピングボルトが格納されると、クランピングボルトはクランピングブッシュを径方向に拡張させ、クランピングブッシュが工作物ボア内で固定される。クランピングボルトが更に締め付けられると、工作物がボアクランプの工作物支持部に引き寄せられクランプされる。クランピングボルトは通常、ボアクランプ内でクランピング方向と平行に移動され得るピストンによって、液圧で駆動される。しかしながら、ボアクランプのこの知られている設計は、クランピングボルトの駆動に関してはまだ最適とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第3330041号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明は、改善したボアクランプを作製するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、主請求項に係るボアクランプによって達成される。
【0006】
本発明に係るボアクランプは、工作物内に配置された工作物ボアを有する工作物をクランプするのに適している。本発明に関して使用される「工作物」という用語は一般的なものと理解されるべきであり、後でフライス盤等で加工される工作物に限定されない。それどころか、本発明に関して使用される工作物という用語は他の種類の構成要素も含む。
【0007】
最初に述べた知られているボアクランプにならって、本発明に係るボアクランプもまた、クランプされる工作物の工作物ボア内でクランピングブッシュを固定するために、径方向に拡張され得るクランピングブッシュを備える。本発明の好ましい実施形態では、クランピングブッシュは、クランピングブッシュの全周にわたって分散して配置されたいくつかの個別のクランピング部分を有し、個別のクランピング部分同士の間にある個別のスロットによって、クランピング部分の径方向拡張が可能になる。
【0008】
また、本発明に係るボアクランプは、クランピングブッシュを通って同軸に延び、クランピング位置とアンクランピング位置との間を、クランピング方向へ軸線方向に変位可能なクランピングボルトを更に備える。クランピング位置では、クランピングボルトは、クランプされる工作物の工作物ボア内にクランピングブッシュを固定するために、クランピングブッシュを径方向に拡張させる。一方、アンクランピング位置では、クランピングブッシュは径方向に拡張されず、その結果、クランピングブッシュは、アンクランピング位置では工作物ボアに挿入される、或いは工作物ボアから引き抜かれ得る。
【0009】
また、本発明に係るボアクランプは、クランピングボルトをクランピング方向に移動させてクランピング位置にするためのクランピングボルト駆動装置を更に備える。
【0010】
本発明に係るボアクランプは、クランピングボルト駆動装置の特殊な設計を特徴とする。ゆえに、本発明に係るクランピングボルト駆動装置は、クランピング方向に対して横方向に変位され得るピストンを有する。本発明の好ましい実施形態では、このピストンは、クランピング方向に対して直角に変位されてもよいが、原理上は、一方のピストンの移動方向と、他方のクランピング方向との間を他の角度位置にすることも可能である。また、本発明に係るクランピングボルト駆動装置は、ピストンの横方向の動きを、クランピングボルトのクランピング方向への対応する軸線方向の動きに変換するために、互いに摺動する楔面を有する楔形ギヤを備える。したがって楔形ギヤは、横方向に変位可能なピストンの第1の楔面と、クランピングボルトに作用する第2の楔面とを有する。ピストンが横方向に変位されると、これら2つの楔面が互いに摺動し、これによってクランピングボルトに所望の動きを生じさせる。
【0011】
本発明の別の好ましい実施形態では、2つの楔面は、力と方向の効率的な変換を可能にするために、互いに平行平面になるように延びている。ここで、クランピング位置では楔面が互いに摺動する一方で、アンクランピング位置では楔面は、隙間を挟んで離れていてもよいことに留意されたい。
【0012】
また、楔面は、クランピング方向に対していくらかの楔角度を有するのが好ましく、この楔角度は、ほんの一例として、10°~80°、20°~70°、30°~65°、又は40°~55°の範囲が好ましいことに留意されたい。
【0013】
また、横方向に変位可能なピストンは、別の種類の駆動装置によって駆動されてもよいことに留意されたい。例えば、横方向に変位可能なピストンは、電動式、空気圧式、液圧式、又はねじギヤによる機械式で駆動されてもよい。
【0014】
また、少なくとも1つの楔面が、摩擦低減被覆及び/又は摩耗低減被覆を施されて提供されてもよいことに留意されたい。この目的のためには、例えば、いわゆるDLC被覆(DLC:diamond-like carbon、ダイヤモンド様炭素)が適している。
【0015】
また、本発明の範囲内で、楔形ギヤの楔面は、摩擦及び摩耗を低減するためにオイルバス内に配置されることが可能である。
【0016】
クランピング工程中は、クランピングブッシュは、既に上述したように径方向に拡張される。この径方向に拡張した状態では、チップその他の不純物が、上方から拡張したクランピングブッシュの中へ軸線方向に侵入する危険があり、極端な場合は故障につながる。この問題は、クランピングブッシュが、クランプされる工作物の頂部で閉じている盲孔に挿入される場合は、それほど深刻ではない。しかしながら、工作物ボアが盲孔として設計されず、頂部で開いている貫通孔として設計される可能性もある。この場合、クランプされた状態で、チップや不純物が上方から貫通孔を通って、拡張したクランピングブッシュに入る特定の危険がある。この問題を解決するために、一実施形態では、クランピングボルトの自由端にカバーキャップが設けられ、カバーキャップは、好ましくはクランピングボルトに着脱自在に取り付けられる。カバーキャップは、クランピングブッシュの上方にある工作物ボアの断面を弾性的に塞ぎ、その結果、工作物ボアから、拡張したクランピングブッシュの中に余計な異物が侵入するのが防止される。例えば、カバーキャップは、ゴム、その他弾性的な樹脂材料で作られてもよく、平面の形状で工作物ボアの内壁にぴったり嵌合する。ここで、本発明に係るクランピングボルト上のカバーキャップの概念は、ボアクランプの他の特徴からは独立して保護される価値のある独自の重要性を有していることに留意されたい。したがって、本発明は、ボアクランプの他の特徴とは無関係な、カバーキャップが取り付けられたクランピングボルトを更に含む。
【0017】
既に上述したが、クランピング工程中は、楔形ギヤがクランピングボルトに作用し、これを押圧してアンクランピング位置からクランピング位置にする。しかしながら、楔形ギヤは好ましくは、クランピングボルトに直接作用するのではなく、ボアクランプのシリンダ内でクランピング方向に沿って変位可能な引張ボルトを介して間接的に作用し、これによってクランピングボルトは、引張ボルト内に取り付けられた状態で固定され、その結果、引張ボルトがアンクランピング位置からクランピング位置へ移動すると、これに対応してクランピングボルトがアンクランピング位置からクランピング位置へと、同じ方向へ移動する。
【0018】
クランピングボルトの引張ボルト内での固定は、例えば、分解が容易なバイオネットロックを使用して、着脱自在な方式で行われてもよい。
【0019】
また、本発明に係るボアクランプは、好ましくは、動作中にクランピングボルトが引張ボルトに対して回転するのを防止する、回転防止装置を有していることに留意されたい。例えば、回転防止装置は、2本の対向するバーが軸線方向に突出しているリングを備えてもよく、2本のバーは、クランピングボルトのハンマー型ヘッドが回転するのを防止する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、ボアクランプは、クランピング位置におけるクランピングブッシュの径方向拡張を、クランピングブッシュの径方向収縮位置に戻すための復帰装置を更に備える。この復帰装置もまた、ボアクランプの他の特徴とは無関係な、独立した保護対象となる重要性を有する。したがって本発明は、ボアクランプの他の特徴とは無関係な、特に、楔形ギヤを有さない、後述する機能を有する復帰装置を更に含む。
【0021】
本発明の1つの変形では、クランピングブッシュの、径方向に拡張したクランピング位置から、径方向に収縮したアンクランピング位置への復帰は、互いに同一の楔面によって行われる。このために、クランピングブッシュの下部の外側に、環状の楔面がある。この下方には移動可能な楔リングがあり、これもまた上部に環状の楔面を有する。この楔リングが軸線方向に変位すると、一方の楔リングの楔面と、他方のクランピングブッシュの楔面とが摺動することによって、クランピングブッシュが径方向に圧縮される。楔リングをクランピング方向に沿って変位させるために、ここに軸線方向に延びるプランジャが設けられてもよく、これらは引張ボルトによって変位される、或いは引張ボルト上に一体的に形成される場合もある。引張ボルトが、クランピング位置からアンクランピング位置へ軸線方向に移動すると、これらのプランジャが楔リングをボアクランプの中に押し上げ、これによってクランピングブッシュを径方向に圧縮する。
【0022】
その一方で、本発明の別の変形では、クランピングブッシュ用の復帰装置は、外側から一定の復帰力でクランピングブッシュを押圧する少なくとも1つのばね(例えば、渦巻ばね)を備える。好ましくは、ばねの引張方向は径方向に揃えられる。また、復帰力は、例えば調整ねじで調整されてもよいことに留意されたい。
【0023】
その一方で、本発明の更に別の変形では、復帰装置はクランピングボルトの側面に第1の溝を有し、第1の溝は長手方向に延び、それぞれがアンダーカットを有する。ここで、クランピングブッシュでは、第2の溝がクランピングブッシュの内面に延在し、第2の溝は長手方向に延在し、それぞれがアンダーカットを有する。また、本発明のこの変形では、復帰装置は、一端が第1の溝内で固定され、もう一方の端部が第2の溝内で固定されてその中で摺動する結合部品を備え、その結果、結合部品は、クランピングブッシュのクランピング部分の強制誘導を実施する。一方のクランピングボルトと、他方のクランピングブッシュとの間で軸線方向の相対移動があった場合、力の誘導によって、クランピングブッシュのクランピング部分が、これに対応して径方向に移動する。
【0024】
本発明の更に別の可能な変形では、復帰装置は、クランピングブッシュとクランピングボルトとの間に別のポジティブロック結合を有し、これもまた径方向への強制誘導を実施する。例えば、1つの構成部品内にTスロットが提供されてもよく、これに対応して適合されたばね部品が、強制誘導を実施するために、他の構成部品内で係合する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、ボアクランプは空気圧式位置感知手段を更に備え、空気圧式位置感知手段は、好ましくは、ボアクランプの少なくとも2つ、3つ、又は4つの異なる位置を検出し区別することができる。例えば、空気圧式位置感知は、以下の位置を区別することができる。
-クランプされるべき工作物がクランプされるクランピング位置。
-クランピングブッシュが工作物ボアに挿入され、且つ工作物ボアから引き抜かれ得るアンクランピング位置。
-クランピング工程が可能なクランピング範囲内にある引張ボルト又はクランピングボルトの位置。
-引張ボルトが完全に引っ張られて許容クランピング範囲外にある完全にクランプされた位置。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、空気圧式位置感知システムは、まず第一に、上記の引張ボルトを備え、これは引張方向に沿ってシリンダ内で変位可能である。また、空気圧式位置感知システムは、第1の開口部で工作物側から始まって、引張ボルトが変位可能なシリンダの中に基本的に軸線方向に開く、第1の圧縮空気ラインを備える。アンクランピング位置では、引張ボルトがこの第1の開口部を塞ぎ、これは空気圧で検出され得る。一方、クランピング位置では、引張ボルトが第1の開口部を開放し、これも空気圧で検出され得る。
【0027】
また、空気圧式位置感知は、第2の開口部位置においてほぼ径方向にシリンダの中に開き、この中で引張ボルトが引張方向に沿って変位され得る、第2の圧縮空気ラインを備えることができる。また、この設計における空気圧式位置センサは、引張ボルト内に径方向ボアを有し、引張ボルトの軸線方向位置に応じて、第2の圧縮空気ラインの第2の開口部に対してほぼ位置合わせされる。アンクランピング位置では、引張ボルトの径方向ボアは、第2の圧縮空気ラインの第2の開口部と正確に位置合わせされ、これは空気圧で検出され得る。一方、第2の圧縮空気ラインの第2の開口部は、クランピングボルトが、引張動作が可能な許容引張範囲内にあるときは、引張ボルトの側面によって塞がれる。これも空気圧で感知され得る。一方、第2の圧縮空気ラインの第2の開口部は、引張ボルトが完全に引っ張られて許容引張範囲外にあるときは、引張ボルトによって再度開放される。この状態も、空気圧で検出され得る。結果として、第2の圧縮空気ラインによって、3つの異なる動作状態、即ちアンクランピング位置と、許容クランピング範囲内の動作と、許容クランピング範囲外にある状態とが検出され区別され得る。
【0028】
これに加えて、又はこれに代えて、ボアクランプは、引張ボルトの位置を感知するために、電気式位置感知手段を備えてもよい。例えば、この目的のために誘導性センサが使用されてもよい。好ましい実施形態では、電気式位置センサは、クランピング位置、アンクランピング位置、許容クランピング範囲内の引張ボルトの位置、及び/又は引張ボルトのクランプされた位置の間を検出し区別することができる。
【0029】
クランピングブッシュの径方向拡張は、クランピングボルトの軸線方向位置及び引張ボルトの軸線方向位置によって判定されるので、引張ボルトの電気式位置感知によって、ボアクランプはクランピングブッシュの直径を更に計算することができる。
【0030】
また、電気式位置感知により、クランピングブッシュが工作物ボアの内壁に半径方向に侵入するときの侵入深さを判定することも可能になる。ここでクランプ力センサが使用されてもよく、これは引張ボルトに作用するクランプ力を測定する。このクランプ力は、クランピングブッシュが内側から径方向に拡張して工作物ボアの内壁に当たると急激に増加する。ボアクランプは、次に、クランプ力が突然増加したとき(即ちクランピングブッシュと工作物ボアの内壁とが接触したとき)の引張ボルトの軸線方向位置、及びクランピング位置における端部位置を更に判定する。したがってクランピングブッシュの径方向侵入深さは、これら2つの軸線方向位置間の距離から計算され得る。この計算は、ボアクランプに一体化され且つ電気式位置センサ及びクランプ力センサの入力側に結合され得る評価ユニットによって実施され得る。
【0031】
電気式位置センサの好ましい設計は、引張ボルトが、側面の勾配(例えば、面取部又はテーパ面)と、横方向に配置された距離センサとを有するものであり、該距離センサは、電気式位置センサは引張ボルトの隣に横方向に取り付けられて、引張ボルトの勾配(例えば、面取部又はテーパ面)までの横方向距離を測定する。一方の距離センサと、他方の引張ボルトの勾配との間のこの横方向距離は、したがって、クランピング方向に沿った、引張ボルトの軸線方向位置の測定値になる。
【0032】
あるいは、引張ボルトの軸線方向位置は、引張ボルトの軸線方向と平行に位置合わせされた距離センサを介して判定されてもよく、これは、引張ボルトの端面のうちの1つまでの軸線方向距離を測定する。
【0033】
本発明の他の好適な別の実施形態は従属クレームに示されており、或いは図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態の説明と共に以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係るボアクランプの断面図である。
図2図1のボアクランプの斜視図である。
図3図1及び図2によるボアクランプの上面図である。
図4A】空気圧式位置感知を示すための、本発明に係るボアクランプの部分断面図である。
図4B図4Aからの拡大詳細図である。
図5A】空気圧式位置感知を示すための、本発明に係るボアクランプの断面図である。
図5B】ある動作状態における、図5Aからのボアクランプの拡大詳細図である。
図5C】別の動作状態における、図5Aからのボアクランプの拡大詳細図である。
図5D】更に別の動作状態における、図5Aからのボアクランプの拡大詳細図である。
図5E】更に別の動作状態における、図5Aからのボアクランプの拡大詳細図である。
図6A】回転防止装置を示すための、本発明に係るボアクランプの部分切欠斜視図である。
図6B図6Aからの、ボアクランプの回転防止装置である。
図7A】本発明に係るボアクランプのクランピングボルト上のカバーキャップである。
図7B】本発明に係るボアクランプのクランピングボルト上のカバーキャップである。
図8A】クランピングブッシュを径方向に圧縮するための楔面を有する、本発明に係るボアクランプの動作状態である。
図8B】クランピングブッシュを径方向に圧縮するための楔面を有する、本発明に係るボアクランプの別の動作状態である。
図9】クランピングブッシュを径方向に圧縮するための、径方向に延在する渦巻ばねを有する、本発明に係るボアクランプの断面図である。
図10A】結合部品によって、クランピングブッシュを確実に誘導して復帰させている図である。
図10B】結合部品によって、クランピングブッシュを確実に誘導して復帰させている別の図である。
図11A】Tスロット結合によって、クランピングブッシュを確実に誘導して戻している図である。
図11B】Tスロット結合によって、クランピングブッシュを確実に誘導して戻している別の図である。
図12】位置感知のための誘導性距離センサを有する、本発明に係るボアクランプの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は本発明に係るボアクランプを示し、例えば欧州特許第3330041号明細書で説明されているような従来のボアクランプと部分的に一致している。
【0036】
したがって、本発明に係るボアクランプは、まず第一にクランピングブッシュ1を有し、クランピングブッシュ1は、クランピングブッシュ1の全周にわたって分配されたいくつかのクランピング部分からなり、それぞれがスロットによって互いに分離されている。これにより、詳しく後述されるように、クランピングブッシュ1を径方向に拡張させることが可能になる。
【0037】
クランピング工程中に、クランピングブッシュ1は、クランプされる工作物3の工作物ボア2(図7Bを参照)に挿入される。この工程中は、クランピングブッシュ1はアンクランピング位置にあり、クランピングブッシュ1が工作物ボア2に挿入されるように又は工作物ボア2から引き抜かれ得るように、個々のクランピング部分は径方向に収縮されている。
【0038】
また、図示されているボアクランプは、従来の方式で、クランピングブッシュ1内で同軸に延び且つ、詳細に後述されるように、クランピング方向に沿って両方向矢印の方向に変位可能であるクランピングボルト4を有する。クランピングボルト4はその自由端に、端部に向かって円錐形に広がる頭部を有する。クランピングボルト4が近位方向に、即ち図における下向きに移動されると、クランピングボルト4の円錐形に広がる頭部が、クランピングブッシュ1を径方向に広げる。その一方で、クランピングボルト4が反対方向の遠位方向へ、即ち図における上向きに移動されると、クランピングブッシュ1は再度径方向に収縮することができる。
【0039】
両方向矢印と平行な、クランピングボルト4のクランピング方向への移動は、ボアクランプのハウジング7にあるシリンダ6内でクランピング方向に沿って変位可能な、引張ボルト5によって行われる。ここでクランピングボルト4は、ハンマー型ヘッド8によって引張ボルト5内に固定され、クランピングボルト4は、バイオネットロックによって引張ボルト5から解放され得る。圧縮ばね9が、ハンマー型ヘッド8と引張ボルト5との間に配置される。
【0040】
引張ボルト5は、横方向に開いており、楔形ギヤによって引張ボルト5を駆動させ且つクランピングボルト4も駆動させるための傾斜した楔面10をこの領域に有する。
【0041】
また、楔形ギヤは、引張装置に対して直角に、シリンダ12内で横方向に変位可能なピストン11を更に備える。ピストン11もまた、図面ではその左側に、傾斜した楔面13を有し、2つの楔面10、13が互いに平行平面になるように位置合わせされ、互いに摺動する。
【0042】
ピストン11が、図面における右から左へ移動すると、楔形ギヤが引張ボルト5を下向きに移動させて、クランピングボルト4も下向きに移動させる。
【0043】
その一方で、ピストン11が、図面における左から右へ横に移動すると、引張ボルト5は再度上向きに移動することができ、その結果、引張ボルト5と、したがってクランピングボルト4とは、クランピング位置からアンクランピング位置に移動することができる。
【0044】
楔形ギヤは、したがって力の変換と方向変換との両方を可能にする。図面に示す異なる設計が可能になるように、ここでは楔形ギヤによる方向変換が好適である。
【0045】
クランプされた状態では、工作物3は、工作物支持ブッシング15の上側に配置された工作物支持部14に引き寄せられている。
【0046】
クランピングブッシュ1は、ここでは従来技術で知られている封止リング16で環状に囲まれている。
【0047】
ボアクランプの下部では、シリンダ6がブッシング17によって塞がれており、ブッシング17は、Oリング18によって封止され、スナップリング19によって固定される。
【0048】
ピストン11は、ピストンシール20を更に含む。また、ピストン11に対して横方向に位置合わせされたシリンダ12は、ねじ付きブッシング21によって塞がれており、ねじ付きブッシング21は、やはりOリング22及び支持リング23に囲まれていることに留意されたい。
【0049】
また、引張ボルト5もまた、Oリング24及び支持リング25に囲まれている。
【0050】
また、図1は、プルダウンワッシャ26、スラストリング27、及び回転防止装置28を示し、回転防止装置28は、図6A及び図6Bに示されている。したがって、特に図6Bで見られるように、回転防止装置28は基本的に、2本のバー29が軸線方向に突出しているリングからなり、バー29は、クランピングボルト4のハンマー型ヘッド8が回転するのを防止する。
【0051】
また、図1は、空気圧の状態をモニタリングする圧縮空気ライン30を示し、圧縮空気ライン30は、開口部31で工作物支持部14内に開いている。クランプされた状態では、クランプされる工作物3は、開口部31で工作物支持部14の上に載っており、これによって圧縮空気ライン30の開いている開口部を閉じ、空気圧式モニタリングが可能になる。
【0052】
また、空気圧式位置モニタは別の圧縮空気ライン32を備え、これは図4A及び図4Bに示されている。したがって、圧縮空気ライン32は、開口部33で、上方から軸線方向に開いて、引張ボルト5用のシリンダ6の中に入る。このとき、引張ボルト5の上部には封止部品34が配置される。図4Bに示すアンクランピング位置では、引張ボルト5は、封止部品34で圧縮空気ライン32の開口部33を塞いでおり、これは空気圧式モニタリングが可能になる。一方、下向きに引っ張られたクランピング位置では、引張ボルト5は、圧縮空気ライン32の開口部33を開放しており、これは空気圧式モニタリングが可能になる。
【0053】
図5A図5Eは、空気圧式位置モニタリング用の別の圧縮空気ライン35を示す。また、引張ボルト5内に、径方向に延在する貫通孔36が配置され、これは径方向に延在し、引張ボルト5の軸線方向位置に応じて、圧縮空気ライン35とほぼ位置合わせされている、或いは全く位置合わせされておらず、これは空気式位置モニタリングが可能である。
【0054】
ここで、図5Bは、上方のアンクランピング位置にある引張ボルト5を示す。このアンクランピング位置では、圧縮空気ライン35は、引張ボルト5の貫通孔36と位置合わせされる。
【0055】
一方、図5Cは、引張範囲の始まりにある引張ボルト5を示し、これによって引張ボルト5の貫通孔36は、圧縮空気ライン35とは位置が合わなくなる。この場合、圧縮空気ライン35は、引張ボルト5の側面によって塞がれる。
【0056】
一方、図5Dは、引張ボルト5が既にずっと下方に引き下げられているが、まだ側面で圧縮空気ライン35の開口部を塞いでいるときの、引張領域の終わりを示す。
【0057】
最後に図5Eは、引張ボルト5が底部にあるときの、引張ボルト5の引っ張られた状態を示す。この状態では、引張ボルト5は圧縮空気ライン35の開いている開口部を開放しており、空気圧式モニタリングが可能である。
【0058】
図7A及び図7Bは、クランピングボルト4の自由端に着脱自在に取り付けられた弾性カバーキャップ37を更に示す。カバーキャップ37は、弾性で板状であり、図7Bに示されている状態では、工作物ボア2の断面を塞いで、拡張したクランピングブッシュ1に上方から降下した異物が侵入するのを防止する。
【0059】
図8A及び図8Bは、上述した本発明に係るボアクランプの変形を示しているため、繰り返しを避けるために、上述の説明が参照され、対応する詳細に対しては同じ参照符号が使用される。
【0060】
この変形では、ボアクランプは、ボアクランプが再度アンクランピング位置にあるときに、クランピング位置へ径方向に拡張した後にクランピングブッシュ1を再度径方向に圧縮する復帰装置を有する。
【0061】
この目的のために、クランピングブッシュ1は、下部に環状の楔面38を有し、楔面38は、楔リング40の上側に配置された対応する楔面39を上方から押圧する。楔面38、39で互いに摺動することによって、楔リング40が上方に移動すると、クランピングブッシュ1は径方向に圧縮される。
【0062】
この目的のために、軸線方向に延在するプランジャ41が提供され、プランジャ41は、引張ボルト5がクランピング位置からアンクランピング位置へと上向きに移動すると、引張ボルト5によって上向きに押圧される。
【0063】
図9は、クランピングブッシュ1を径方向に圧縮するこのような復帰装置の別の可能な設計を示す。
【0064】
この目的のために、本実施形態の復帰装置は渦巻ばね42を有し、これはボアクランプのハウジング7の内側で支持され、クランピングブッシュ1を径方向内向きに押圧する。復帰力は、ここでは調整ねじ43によって調整され得る。
【0065】
図10A及び図10Bは、クランピングブッシュ1を径方向に圧縮する復帰装置の別の可能な設計を示す。
【0066】
この目的のために、クランピングブッシュ1は、軸線方向に延びる溝44を有し、これはクランピングボルト4の側面にある対応する溝45と位置が合うように延びている。ロッド形の結合部品46が溝44、45内で摺動し、これによって結合部品46は、溝44、45のアンダーカット内で固定されるので、溝44、45から外れて摺動することはない。このようにして、結合部品46は、クランピングボルト4に対する、クランピングブッシュ1の径方向への強制誘導を実施し、その結果、クランピングボルト4がクランピング位置からアンクランピング位置へ移動すると、クランピングブッシュ1が自動的に径方向に圧縮される。
【0067】
図11A及び図11Bは、弛緩位置においてクランピングブッシュ1を径方向に圧縮する復帰装置の別の可能な実施形態を示す。この目的のために、一方のクランピングブッシュ1のクランピング部分と、他方のクランピングボルト4との間にTスロット結合47が提供され、Tスロット結合47もまた強制誘導を実施する。
【0068】
最後に図12は、本発明に係るボアクランプの変更された実施形態の断面図を示し、該ボアクランプは、横方向に配置されて引張ボルト5の面取部49までの距離を測定する誘導性距離センサ48を有している。一方の誘導性距離センサ48と、他方の引張ボルト5の面取部49との間の横方向距離は、したがって、クランピング方向に沿った引張ボルト5の軸線方向位置の測定値になる。
【0069】
本発明は、前述した好ましい実施形態に限定されない。それどころか多くの変形及び修正が可能であり、それらもまた本発明の概念を利用しているために保護の範囲内に含まれる。特に、本発明は、主請求項の特徴とは無関係に、且つ参照される各請求項の他の特徴とも無関係に、主題及び従属クレームの特徴の保護を更に請求する。
【0070】
例えば、本発明は、本発明の他の態様とは無関係に、上述したカバーキャップ及びそのようなカバーキャップを有するクランピングボルトに対する独立した保護を更に請求する。
【0071】
また、本発明は、上述したクランピングボルト用の回転防止装置の本発明に係る概念に対して、本発明の他の態様とは無関係に、独立した保護を更に請求する。
【0072】
クランピングブッシュを径方向に圧縮する、上述した復帰装置の様々な変形もまた、本発明の他の態様とは無関係に独立した保護を享受する。
【0073】
また、楔形ギヤのオイルバス潤滑、及び楔面の摩擦低減被覆もまた、本発明の他の態様とは無関係に独立した保護を享受する。
【0074】
最後に、空気圧式位置感知及び電気式位置感知もまた、本発明の他の態様とは無関係に独立した保護を享受し得る。
【符号の説明】
【0075】
1 クランピングブッシュ
2 工作物ボア
3 工作物
4 クランピングボルト
5 引張ボルト
6 引張ボルト用のシリンダ
7 ボアクランプのハウジング
8 クランピングボルトのハンマー型ヘッド
9 圧縮ばね
10 引張ボルトの楔面
11 ピストン
12 ピストン11のシリンダ
13 ピストン11の楔面
14 工作物支持部
15 工作物支持ブッシング
16 封止リング
17 ブッシング
18 Oリング
19 スナップリング
20 ピストンシール
21 ねじ付きブッシング
22 Oリング
23 支持リング
24 Oリング
25 支持リング
26 プルダウンワッシャ
27 スラストリング
28 回転防止装置
29 回転防止装置のバー
30 空気圧式位置感知用の圧縮空気ライン
31 工作物支持部内にある圧縮空気ラインの開口部
32 空気圧式位置感知用の圧縮空気ライン
33 引張ボルトのシリンダ内にある圧縮空気ラインの開口部
34 引張ボルトの封止部品
35 空気圧式位置感知用の圧縮空気ライン
36 引張ボルトの径方向貫通孔
37 クランピングボルトの端部のカバーキャップ
38 引張ブッシングの下部の楔面
39 楔リングの楔面
40 楔リング
41 プランジャ
42 コイルばね
43 復帰力を調整する調整ねじ
44 クランピングブッシュの溝
45 クランピングボルトの溝
46 結合部品
47 Tスロット結合
48 誘導性距離センサ
49 引張ボルトの面取部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物(3)に配置された工作物ボア(2)を有する前記工作物(3)をクランプする、ボアクランプであって、
a)前記工作物ボア(2)に係合するクランピングブッシュ(1)であって、前記クランピングブッシュ(1)は、好ましくは前記クランピングブッシュ(1)の全周にわたって分散して配置されたいくつかの個別のクランピング部分で径方向に拡張可能になるクランピングブッシュ(1)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)を通って同軸に延在し、クランピング位置とアンクランピング位置との間で、クランピング方向へ軸線方向に変位可能なクランピングボルト(4)であって、
b1)前記クランピングボルト(4)は、前記工作物ボア(2)内で前記クランピングブッシュ(1)をクランプするために、前記クランピング位置において前記クランピングブッシュ(1)を径方向に拡張させ、
b2)一方で、前記クランピングボルト(4)は、前記クランピングブッシュ(1)が前記工作物ボア(2)に挿入され得る又は前記工作物ボア(2)から引き抜かれ得るように、前記アンクランピング位置では前記クランピングブッシュ(1)を径方向に拡張しない、
クランピングボルト(4)と、
c)前記クランピングボルト(4)を前記クランピング方向へ軸線方向に変位させて前記クランピング位置にするためのクランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)であって、前記クランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)は、
c1)前記クランピング方向に対して横方向に変位可能なピストン(11)、及び
c2)前記ピストン(11)の前記横方向の動きを、前記クランピング方向へ、前記クランピングボルト(4)の対応する軸線方向の動きに変換するための、互いに摺動する楔面(10、13)を有する楔形ギヤ(10、13)を備えるクランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)と、
を備えることを特徴とする、ボアクランプ。
【請求項2】
前記クランピングボルト駆動装置(5、6、10~13)が、
a)電動式、
b)空気圧式、
c)液圧式、又は
d)ねじギヤによる機械式、
の駆動タイプのうちの1つによって、前記ピストンを駆動させることを特徴とする、請求項1に記載のボアクランプ。
【請求項3】
a)前記楔面(10、13)の少なくとも1つが、摩擦低減及び/又は摩耗低減被覆、具体的にはDLC被覆を施され、且つ/或いは、
b)前記楔面(10、13)がオイルバス内に配置される、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のボアクランプ。
【請求項4】
a)前記クランピングボルト(4)の自由端の上にカバーキャップ(37)が取り付けられ、前記カバーキャップ(37)が、好ましくは前記クランピングボルト(4)に着脱自在に取り付けられ、且つ、
b)前記カバーキャップ(37)が、前記工作物ボア(2)の断面を弾性的に塞ぎ、該塞ぐことによって、前記工作物ボア(2)が頂部で開いているときに、前記クランピング位置で拡張された前記クランピングブッシュ(1)の中に、前記工作物ボア(2)から異物が侵入するのを防止する、
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項5】
前記クランピングボルト駆動装置が、
a)シリンダ(6)内で、前記楔形ギヤ(10、13)によって、前記クランピング方向に変位される引張ボルト(5)、
b)前記クランピングボルト(4)を前記引張ボルト(5)内で解除可能に固定するためのバイオネットロック、及び/又は、
c)前記クランピングボルト(4)が動作中に前記引張ボルト(5)に対して回転するのを防止する回転防止装置(28、29)、
を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項6】
前記クランピング位置における前記クランピングブッシュ(1)の前記径方向拡張を、前記アンクランピング位置における前記クランピングブッシュ(1)の径方向収縮位置に復帰させるための復帰装置(38~47)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項7】
前記復帰装置(38~47)が、
a)前記クランピングブッシュ(1)の下部にある周方向楔面(38)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)の下部にあり、上側に周方向楔面(39)を有する楔リング(40)であって、一方の前記楔リング(40)の前記楔面(39)が、他方の前記クランピングブッシュ(1)の前記楔面(38)と互いに摺動する楔リング(40)と、
c)少なくとも1つの軸線方向に延在するプランジャ(41)であって、一方では前記引張ボルト(5)に結合され、他方では前記楔リング(40)を押圧し、前記楔リング(40)が、前記アンクランピング位置で前記クランピングブッシュ(1)を径方向に圧縮するプランジャと、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項8】
前記復帰装置(38~47)が、少なくとも1つのばね(42)、特に、一定の復帰力で外側から前記クランピングブッシュ(1)をほぼ径方向に押圧する渦巻ばね(42)を有し、前記復帰力が、好ましくは調整ねじ(43)で調整可能になることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項9】
前記復帰装置(38~47)が、
a)前記クランピングボルト(4)の側面にある第1の溝(45)であって、前記第1の溝(45)が長手方向に延在し、それぞれがアンダーカットを有する第1の溝(45)と、
b)前記クランピングブッシュ(1)の内面にある第2の溝(44)であって、前記第2の溝(44)が長手方向に延び、それぞれがアンダーカットを有する第2の溝(44)と、
c)一方では前記第1の溝(45)内で、他方では前記第2の溝(44)内で摺動する結合部品(46)であって、前記クランピングボルト(4)が前記クランピング位置から前記アンクランピング位置に移動すると、前記結合部品(46)が前記クランピングブッシュ(1)を強制的に径方向に収縮させる結合部品(46)と、
を備えることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項10】
前記復帰装置(38~47)は、前記クランピングブッシュ(1)と前記クランピングボルト(4)との間にポジティブロック結合(47)、特にTスロットを有し、前記ポジティブロック結合(47)は、前記クランピングボルト(4)が前記クランピング位置から前記アンクランピング位置に移動されると、確実に誘導する方式で前記クランピングブッシュ(1)を径方向に収縮させることを特徴とする、請求項6に記載のボアクランプ。
【請求項11】
前記クランピング位置及び前記アンクランピング位置を空気圧で検出するための空気圧式位置感知(30~36)を備え、且つ、
前記空気圧式位置感知(30~36)が、特に、前記引張ボルト(5)の、
a)前記クランピング位置、
b)前記アンクランピング位置、
c)クランピング工程を可能にする引張範囲内にある、前記引張ボルト(5)の位置、
d)前記引張ボルト(5)が引っ張られて、前記引張範囲外にある、クランプされた位置、
のうちの少なくとも1つを検出するために、好ましくは少なくとも2つ、3つ、又は4つの異なる位置を区別できることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項12】
前記空気圧式位置感知が、
a)前記引張ボルト(5)と、
b)前記引張ボルト(5)が前記クランピング方向に沿って変位可能な前記シリンダ(6)と、
c)前記工作物側から、第1の開口部(33)でほぼ軸線方向に前記シリンダ(6)の中に開いている第1の圧縮空気ライン(32)と、
を備え、
c1)前記第1の圧縮空気ライン(32)の前記第1の開口部(33)が、特に、前記引張ボルト(5)内の封止部品(34)によって、前記アンクランピング位置で前記引張ボルト(5)によって塞がれ、
c2)一方で、前記第1の圧縮空気ライン(32)の前記第1の開口部(33)が、前記クランピング位置で前記引張ボルト(5)によって開放される、
ことを特徴とする、請求項11に記載のボアクランプ。
【請求項13】
前記空気圧式位置感知が、
a)前記引張ボルト(5)と、
b)前記引張ボルト(5)が前記クランピング方向に沿って変位可能な前記シリンダ(6)と、
c)第2の開口部でほぼ径方向に前記シリンダ(6)の中に開いている第2の圧縮空気ライン(35)と、
d)前記引張ボルト(5)内の径方向ボア(36)と、
を備え、
d1)前記引張ボルト(5)の前記径方向ボア(36)は、前記アンクランピング位置で、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部と位置合わせされ、
d2)前記クランピングボルト(4)が、クランピング工程を可能にする引張範囲内で前記引張方向に沿って配置されると、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部が、前記引張ボルト(5)の側面によって塞がれ、且つ、
d3)前記クランピングボルト(4)が引っ張られて前記引張範囲の外に出ると、前記第2の圧縮空気ライン(35)の前記第2の開口部が、前記引張ボルト(5)から開放される、
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載のボアクランプ。
【請求項14】
前記引張ボルト(5)の前記位置を感知するため、特に、前記引張ボルト(5)の、
a)前記クランピング位置、
b)前記引張アンクランピング位置、
c)クランピング工程を可能にする引張範囲内にある、前記引張ボルト(5)の位置、
d)前記引張ボルト(5)が引っ張られて、前記引張範囲外にある、クランプされた位置、
のうちの少なくとも1つの位置を検出するための電気式位置感知装置(48、49)を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項15】
a)前記電気式位置感知が、前記クランピング方向に沿って、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を量的変数として判定し、且つ、
b)前記電気式位置感知が、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置から、前記クランピングブッシュ(1)の直径を計算する、
ことを特徴とする、請求項14に記載のボアクランプ。
【請求項16】
a)前記ボアクランプが、クランピング行程中に前記引張ボルト(5)に作用する引張力を測定する力センサを備え、
b)前記クランピングブッシュ(1)が、径方向拡張中に、前記工作物ボア(2)の内壁に当たったときに、前記引張ボルト(5)に作用する前記クランプ力が力の増加を示し、
c)前記ボアクランプが、前記力の増加時に前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を判定し、
d)前記ボアクランプが、前記クランピング位置における前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置を判定し、且つ、
e)前記ボアクランプが、
e1)前記力の増加時における、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置、及び、
e2)前記クランピング位置における、前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置、
から、前記工作物ボア(2)の前記内壁の中に前記クランピングブッシュ(1)が径方向に侵入する径方向侵入深さを判定することを特徴とする、請求項14~15のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【請求項17】
前記電気式位置センサ(48、49)が、
a)特に、面取部又はテーパ面としての、前記引張ボルト(5)のベベル(49)と、
b)特に、誘導性距離センサ(48)である距離センサ(48)であって、前記引張ボルト(5)の隣に横方向に取り付けられて、前記引張ボルト(5)の前記勾配(49)までの横方向距離を測定し、前記距離センサ(48)と、前記引張ボルト(5)の前記勾配(49)との間の前記横方向距離が、前記引張方向に沿った前記引張ボルト(5)の前記軸線方向位置の測定値になる、距離センサ(48)と、
を備えることを特徴とする、請求項14~16のいずれか一項に記載のボアクランプ。
【国際調査報告】