(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-05
(54)【発明の名称】冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20220928BHJP
F25D 13/02 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
F25D17/08 306
F25D13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503784
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 CN2020103036
(87)【国際公開番号】W WO2021013128
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】201910661228.8
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522023440
【氏名又は名称】青島海尓特種制冷電器有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】程 学麗
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】李 春陽
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA06
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045MA02
3L045NA07
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA18
3L345BB03
3L345CC01
3L345DD04
3L345DD05
3L345DD08
3L345DD12
3L345DD18
3L345EE02
3L345EE33
3L345FF12
3L345FF45
3L345HH11
3L345KK04
(57)【要約】
冷蔵冷凍装置は、複数の第一空間に仕切られた収納室と、冷蔵冷凍装置の蒸発器を収納するように配置された冷却室と、複数の第一送風口、メイン風戻り口及びオンオフ制御装置を有するダクトシステムと、それぞれが第一空間に取り付けられており、入風口と風戻り口とを有し、各入風口が第一送風口に連通すると共に、各風戻り口がメイン風戻り口に連通する複数の引き出しと、を含み、オンオフ制御装置は、冷却室からの気体が複数の第一送風口のうちの一つ又は複数へ流れるように制御することにより、気体の全部又は一部が、対応する引き出しへ流れるように制御することで、対応する引き出し内の温度を制御するように構成される。冷蔵庫の冷蔵室においては、各引き出しのそれぞれについて、独立して温度を制御することを実現することにより、貯蔵の環境が異なる食料品にとって最適なものになり、ユーザーが食料品を最適な貯蔵空間に正しく置けるようになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵冷凍装置であって、
複数の第一空間に仕切られた収納室と、
前記冷蔵冷凍装置の蒸発器を収納するように配置された冷却室と、
複数の第一送風口、メイン風戻り口及びオンオフ制御装置を有するダクトシステムと、
それぞれが前記第一空間に取り付けられており、入風口と風戻り口とを有し、各前記入風口が前記第一送風口に連通すると共に、各前記風戻り口が前記メイン風戻り口に連通する複数の引き出しと、を含み、
前記オンオフ制御装置は、前記冷却室からの気体が、複数の前記第一送風口のうちの一つ又は複数へ流れるように制御することにより、前記気体の全部又は一部が、対応する前記引き出しへ流れるように制御することで、対応する前記引き出し内の温度を制御するように構成される、
ことを特徴とする冷蔵冷凍装置。
【請求項2】
前記収納室は、複数の前記第一送風口と前記メイン風戻り口が後部に設置されており、
各前記引き出しは、前記入風口が後部に設置されると共に前記風戻り口が前部に設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項3】
複数の段階命令セットを生成するように構成された段階生成装置をさらに含み、
各前記段階命令セットは、それぞれ対応する一つの前記引き出しを制御する複数の段階命令が含まれており、
各前記段階命令は、対応する前記引き出しが目標温度又は目標温度範囲内になるように制御する制御情報を含むことにより、前記冷蔵冷凍装置が、各前記段階命令に基づいて前記オンオフ制御装置を制御して、対応する前記引き出し内の温度を制御するようにする、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項4】
前記段階生成装置は、各前記引き出しの前部に設置される複数の表示制御パネルを含み、
各前記表示制御パネルは、それぞれ、信号を受信すると共に前記段階命令セットの前記段階命令を生成するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項5】
前記第一空間の後部に設置される複数の電気接続ソケットをさらに含み、
各前記引き出しは、それぞれ、信号が送信、及び/又は、電力が供給されるように、対応する前記電気接続ソケットに挿入される電気接続プラグを後部に有し、
各前記表示制御パネルは、それぞれ対応する前記電気接続プラグに接続される、
ことを特徴とする請求項4に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項6】
各前記引き出しは、後壁、前壁、及び、前記前壁の前側に設置された前板を有し、
前記後壁には、前記第一送風口に挿入される前記入風口が設置され、
前記前板は、開口が下向きの風戻り通路を形成するように、上端が前記前壁の上端に接続され、
前記前壁には、前記風戻り口が設置され、
前記収納室は、複数の前記第一空間の下側に位置する少なくとも一つの第二空間を形成するように仕切られ、
一つの前記第二空間は、前記メイン風戻り口が後部に設置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項7】
複数の前記第一空間は、少なくとも二列に配置され、各列の前記第一空間は鉛直方向に沿って配置され、いずれかの二列の配置された各列における前記第一空間の数は、同じか又は異なり、
前記第二空間は、一つであり、青果物箱、及び、前記青果物箱の下側に位置する密封箱が内部に設置され、
前記ダクトシステムは、前記密封箱に連通する第二送風口をさらに有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項8】
各前記第一空間における底壁の前端にストッパ部が設置され、
各前記引き出しにおける底部の前端に、対応する前記ストッパ部と嵌合するストッパ溝又はストッパ面が設置されることにより、前記引き出しが対応する前記第一空間に位置する場合に、前記ストッパ部が前記引き出しの前方への移動を阻止するよう構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項9】
前記ダクトシステムは、前記収納室の後部に設置されると共に複数の前記第一送風口と複数の前記電気接続ソケットを有する送風アセンブリを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項10】
前記オンオフ制御装置は、
気体流入口を有すると共に複数の気体排出口を周壁に有するハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に設置されると共に、対称的に設置されて前記ハウジングの軸方向と平行に配置された二つの気体案内板を有する調節部を含み、
二つの前記気体案内板は、一方端に第一気体口が形成され、
前記調節部は、複数の所定位置に位置するよう回転可能に配置されると共に、各前記所定位置において、前記第一気体口が前記気体排出口に連通することにより、前記気体流入口を介して二つの前記気体案内板間に流れ込んだ気体が、対応する前記気体排出口に入るよう構成され、
各前記気体排出口は、前記第一送風口を介して前記引き出しに連通し、
前記気体流入口は、前記冷却室に連通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機器の技術分野に関し、特に冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫は、社会経済の発展と人々の生活レベルの向上に伴い、人々の日常生活に不可欠な家電製品となっている。既存の冷蔵庫は、冷蔵室の温度が均一に制御され、各層の温度が0~5℃と均一に設定される。しかしながら、あらゆる食料品は、その最適な保存温度が異なる。ユーザーが温度を0℃の低い段階に設定する場合には、冷蔵室全体の温度は0℃程度になる。最適保存温度が5℃よりも高い食料品をこの温度に保存する場合には、食料品の鮮度を保つ期間を大幅に短縮してしまい、食料品の変質と腐敗を加速してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題に鑑み、上記の問題又は少なくとも上記の問題の一部を解決するために、冷蔵庫の冷蔵室などの内部に、複数の引き出し仕切り領域を設置し、各引き出し仕切り領域に対して、それぞれ、温度を複数の段階で独立して調節し、ユーザーが自分のニーズや習慣に応じて冷蔵庫における各仕切り領域の温度を調節できるようにする。これにより、各仕切り領域が貯蔵環境が異なる食料品にとって最適なものになり、ユーザーが食料品を最適な貯蔵空間に正しく置けるようにすることができる冷蔵冷凍装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
具体的には、本発明が提供する冷蔵冷凍装置は、
複数の第一空間に仕切られた収納室と、
前記冷蔵冷凍装置の蒸発器を収納するように配置された冷却室と、
複数の第一送風口、メイン風戻り口及びオンオフ制御装置を有するダクトシステムと、
それぞれが前記第一空間に取り付けられており、入風口と風戻り口とを有し、各前記入風口が前記第一送風口に連通し、各前記風戻り口が前記メイン風戻り口に連通する複数の引き出しを含み、
前記オンオフ制御装置は、前記冷却室からの気体が、複数の前記第一送風口のうちの一つ又は複数へ流れるように制御することにより、前記気体の全部又は一部が、対応する前記引き出しへ流れるように制御することで、対応する前記引き出し内の温度を制御するように構成される。
【0005】
好ましくは、前記収納室は、複数の前記第一送風口と前記メイン風戻り口が後部に設置されており、
各前記引き出しは、それぞれ前記入風口が後部に設置されると共に、前記風戻り口が前部に設置される。
【0006】
好ましくは、複数の段階命令セットを生成するように構成された段階生成装置をさらに含み、各前記段階命令セットは、それぞれ対応する一つの前記引き出しを制御する複数の段階命令が含まれており、各前記段階命令は、対応する前記引き出しが目標温度又は目標温度範囲内になるようにする制御情報を含むことにより、前記冷蔵冷凍装置が、各前記段階命令に基づいて前記オンオフ制御装置を制御して、対応する前記引き出し内の温度を制御するようにする。
【0007】
好ましくは、前記段階生成装置は、各前記引き出しの前部に設置される複数の表示制御パネルを含み、各前記表示制御パネルは、それぞれ、信号を受信すると共に前記段階命令セットの前記段階命令を生成するように構成される。
【0008】
好ましくは、前記第一空間の後部に設置される複数の電気接続ソケットをさらに含み、各前記引き出しは、それぞれ、信号が送信され、及び/又は、電力が供給されるように、対応する前記電気接続ソケットに挿入される電気接続プラグを後部に有し、各前記表示制御パネルは、それぞれ対応する前記電気接続プラグに接続される。
【0009】
好ましくは、各前記引き出しは、後壁、前壁、及び、前記前壁の前側に設置された前板を有し、前記後壁には、前記第一送風口に挿入される前記入風口が設置され、前記前板は、開口が下向きの風戻り通路を形成するように、上端が前記前壁の上端に接続され、前記前壁には、前記風戻り口が設置され、前記収納室は、複数の前記第一空間の下側に位置する少なくとも一つの第二空間を形成するように仕切られ、一つの前記第二空間は、前記メイン風戻り口が後部に設置される。
【0010】
好ましくは、複数の前記第一空間は、少なくとも二列に配置され、各列の前記第一空間は鉛直方向に沿って配置され、いずれかの二列に配置された各列における前記第一空間の数は、同じか又は異なり、前記第二空間は、一つであり、青果物箱、及び、前記青果物箱の下側に位置する密封箱が内部に設置され、前記ダクトシステムは、前記密封箱に連通する第二送風口をさらに有する。
【0011】
好ましくは、前記収納室は物置き棚により複数の第一空間に仕切られ、各前記第一空間における底壁の前端にストッパ部が設置され、各前記引き出しにおける底部の前端に、対応する前記ストッパ部と嵌合するストッパ溝又はストッパ面が設置されることにより、前記引き出しが、対応する前記第一空間に位置する場合に、前記ストッパ部が前記引き出しの前方への移動を阻止する。
【0012】
好ましくは、前記ダクトシステムは、前記収納室の後部に設置されると共に複数の前記第一送風口と複数の前記電気接続ソケットを有する送風アセンブリを含む。
【0013】
好ましくは、前記オンオフ制御装置は、
気体流入口を有すると共に周壁に複数の気体排出口を有するハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に設置されると共に、対称的に設置されて前記ハウジングの軸方向と平行に配置された二つの気体案内板を有する調節部を含み、二つの前記気体案内板は、一方端に第一気体口が形成され、前記調節部は、複数の所定位置に位置するよう回転可能に配置されると共に、各前記所定位置において、前記第一気体口が前記気体排出口に連通することにより、前記気体流入口を介して二つの前記気体案内板間に流れ込んだ気体が、対応する前記気体排出口に入り、各前記気体排出口は、前記第一送風口を介して前記引き出しに連通し、前記気体流入口は、前記冷却室に連通する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る冷蔵冷凍装置は、収納室を、立体的に千鳥状に設置された複数の第一空間に仕切り、複数の第一空間内にそれぞれ引き出しを設置し、又は、一部の第一空間内に引き出しを設置することから、冷蔵庫の冷蔵室を独立して仕切ることが実現される。さらに、本発明に係る冷蔵冷凍装置は、オンオフ制御装置を有することから、冷蔵庫の冷蔵室における各引き出しの温度が異なるように実現でき、異なるタイプのものを保存することができる。自由に温度領域を組み合わせることにより、貯蔵環境が異なる食料品にとって最適なものになり、ユーザーのニーズに応じて独立して温度や湿度を制御することができる。ユーザーは、自己のニーズに応じて第一空間に取り付けられる引き出しの数を決めてもよい。
【0015】
さらに、冷蔵冷凍装置では、段階生成装置を有し、各引き出しに、温度を2℃、5℃、10℃(低、中、高)などの一つの段階や複数の段階で温度を独立して調節することができる。そして、ユーザーが自己のニーズや習慣に従って冷蔵庫における各引き出しの温度を調節し、温度と湿度をバランス良く制御することにより、貯蔵環境領域が、異なる食料品にとって最適なものになり、ユーザーが、食料品を最適貯蔵空間に正しく置くように案内できる。冷蔵冷凍装置は、貯蔵されている食料品のタイプと食料品のタイプに対応する温度情報に従って、対応する引き出しを制御でき、つまり、ユーザーの選んだ食料品のタイプに従って自動的に引き出しを対応する温度段階に調整できる。
【0016】
さらに、本発明に係る冷蔵冷凍装置では、ユーザーが自由に食料品を切り替えることが可能である。引き出しは、ユーザーが切り替えた食料品に従って、自動的に食料品に対応する温度空間をマッチングして自動的に記憶することにより、任意の位置に切り替えられても自動的に自己の温度空間を識別することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る冷蔵冷凍装置では、独創的なオンオフ制御装置の技術により、冷蔵室における各引き出しについて温度を独立して制御することができ、急速冷凍して、各引き出しの温度の変動を抑制して、鮮度を保ち、エネルギーを節約すると共に、各引き出しの温度を複数の段階で調節可能であり、食料品を最適な温度空間に保存し、食料品の鮮度期間を大幅に延ばし、ユーザーの使用をより簡便にすると共に、エネルギーを一層節約することができる。オンオフ制御装置の特殊な構成により、気体の分配が特に容易であり、オンオフ制御装置の構成が簡単であり、制御も便利であり、稼働安定性が高まり、調節の効果が良い。
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。当業者は、本発明の上記及び他の目的、利点や特徴をより明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の幾つかの具体的な実施例を例示的かつ非限定的に詳しく説明する。図面に同じ符号により、同じまたは類似の部品や部分を示す。当業者は、これらの図面が一定の縮尺で描かれたものではないと理解するべきである。
【
図1】本発明の実施例による冷蔵冷凍装置を模式的に示す構成図である。
【
図2】
図1に示す冷蔵冷凍装置の一部の構成を模式的に示す正面図である。
【
図3】
図1に示す冷蔵冷凍装置を模式的に示す背面図である。
【
図4】
図1に示す冷蔵冷凍装置を模式的に示す一部の構成図である。
【
図5】
図1に示す冷蔵冷凍装置を模式的に示す一部の構成図である。
【
図6】
図1に示す冷蔵冷凍装置の一部の構成を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図1に示す冷蔵冷凍装置の送風アセンブリを模式的に示す一部の構成図である。
【
図8】
図1に示す冷蔵冷凍装置のオンオフ制御装置を模式的に示す構成図である。
【
図9】
図8に示すオンオフ制御装置を模式的に示す他の構成図である。
【
図10】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図11】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図12】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図13】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図14】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図15】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図16】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【
図17】
図8に示すオンオフ制御装置の調節部が所定位置に位置することを模式的に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の実施例による冷蔵冷凍装置を模式的に示す構成図である。
図1に示すように、併せて
図2乃至
図17を参照すると、本発明の実施例は冷蔵冷凍装置を提供する。冷蔵冷凍装置は、箱体20を含み、箱体20内に収納室が形成される。冷蔵冷凍装置は、収納室を開閉するためのドアを有する。ここで、収納室としては、冷蔵室が好ましい。冷蔵庫内には、冷凍室や温度可変室などをさらに含んでもよい。冷凍室内の温度範囲は、一般的に、-22℃~-14℃である。温度可変室は、-18℃~8°Cに任意に調整可能である。勿論、収納室は、例えば、冷凍室や温度可変室等の他のタイプの室であってもよい。
【0021】
低温システムは、収納室に冷気を提供するように配置される。幾つかの実施方式では、低温システムは、コンプレッサー、コンデンサー、絞り装置及び蒸発器などからなる低温循環システムである。蒸発器は、収納室内に冷気を直接又は間接的に供給するように配置される。冷蔵冷凍装置における低温システム自体は、当業者がよく知っているものであることから、ここでは重複して説明しない。また、箱体20内に、冷却室を設置してもよく、具体的には、冷凍室の後方側に設置してもよい。冷却室は、蒸発器を収納するためのものである。冷却室及び蒸発器は、それらの数が一つ又は複数であってもよい。蒸発器が一つである場合には、すべての室に冷気を提供してもよい。蒸発器が複数である場合に、各蒸発器が一つの室に冷気を提供してもよい。
【0022】
収納室は、少なくとも一つの物置き棚と縦方向仕切りホルダーを設置して、収納室を物置き棚と縦方向仕切りホルダーによって複数の第一空間21に仕切る。複数の第一空間21は、少なくとも二列に配置された第一空間21を含み、各列の第一空間21は、鉛直方向に順に配置され、任意の二列の第一空間21において、各列における第一空間21の数は同じか又は異なる。例えば、二列にそれぞれ第一空間21を設置し、そのうちの一列の第一空間21の数を三つ、他の列の第一空間21の数を二つ、としてもよい。或いは、各列の第一空間21は、その数を、共に三つとしてもよい。
【0023】
冷蔵冷凍装置は、複数の引き出し30とダクトシステムをさらに含む。各引き出し30は、それぞれ一つの第一空間21に取り付けられており、入風口31と風戻り口32を有する。ダクトシステムは、複数の第一送風口71、メイン風戻り口72及びオンオフ制御装置60を含み、各第一送風口71は冷却室と引き出し30の入風口31とに連通し、各引き出し30の風戻り口32はメイン風戻り口72に連通し、メイン風戻り口72は冷却室に連通する。オンオフ制御装置60は、冷却室からの気体が複数の第一送風口71のうちの一つ又は複数へ流れるように制御することにより、気体の全部又は一部が対応する引き出し30に流れるように制御し、ひいては、対応する引き出し30内の温度を制御するように構成される。具体的には、オンオフ制御装置60は、冷却室からの気体が一つの引き出し30へのみ流れるようにしてもよいし、気体が同時に二つ或いは複数の引き出し30に流れるようにしてもよい。このとき、各引き出し30への送風が調節される。
【0024】
本発明に係る幾つか実施例では、収納室は、複数の第一送風口71とメイン風戻り口72が後部に設置される。各引き出し30は、入風口31が後部に設置されると共に、風戻り口32が前部に設置される。例えば、ダクトシステムは、収納室の後部に設置され、複数の第一送風口71を有する送風アセンブリ70を含む。収納室は、さらに、複数の第一空間21の下側に位置する少なくとも一つの第二空間24が仕切られて形成されており、一つの第二空間24には、メイン風戻り口72が後部に設置される。
【0025】
本発明に係る幾つか実施例では、各引き出し30は、後壁、前壁及び前壁の前側に設置される前板を有し、一つの第一送風口71に挿入される入風口31が後壁に設置され、前板の上端を前壁の上端に連結して開口が下向きの風戻り通路33を形成する。また、前壁に風戻り口32が設置される。第二空間24は、一つであってもよく、その内部に、青果物箱22、及び、青果物箱22の下側に位置する密封箱23が設置される。ダクトシステムは、密封箱23に連通する第二送風口をさらに有する。青果物箱22は、第二空間24内に押し引き可能に設置される。密封箱23は、密封部と移動部を含み、移動部は、密封部又は箱体に押し引き可能に取り付けられる。例えば、密封部は、密封筒又は密封蓋であってもよし、移動部が引き出し箱であってもよい。引き出し30を低温にする場合に、風を、第一送風口71と入風口31を介して対応する引き出し30内に送り、引き出し30の風戻り口32を引き出し30の前面における隠された箇所に位置させることにより、風戻り通路33である対流通路を形成し、風が引き出し30から流れ出ると、引き続き、下層に位置する青果物箱に冷気を送り、最終的に、メイン風戻り口72から戻る。
【0026】
本発明に係る幾つか実施例では、冷蔵冷凍装置は、複数の段階命令セットを生成するように配置された段階生成装置50をさらに含み、各段階命令セットは、複数の段階命令を含み、対応する一つの引き出し30を制御する。各段階命令は、対応する引き出し30が目標温度又は目標温度範囲内となるようにする制御情報を含み、冷蔵冷凍装置は、各段階命令に従ってオンオフ制御装置60を制御して、対応する引き出し30内の温度を制御する。
【0027】
例えば、幾つかの実施例では、段階生成装置50は、各引き出し30の前部に設置される複数の表示制御パネルを含み、各表示制御パネルは、信号を受信すると共に段階命令セットの段階命令を生成するように配置される。また、各表示制御パネルは、さらに、対応する引き出し30内に貯蔵される物の推奨タイプを表示するように配置される。幾つかの実施例では、ユーザーは、制御パネルに表示される物の推奨タイプのアイコンをクリックして信号を生成し、対応する表示制御パネルに段階命令を生じさせる。さらに、各表示制御パネルは、スライドやクリックなどの形態によって情報を入力してもよい。表示制御パネルは、表示タッチスクリーンとも呼ばれ、野菜、果物、乾物、牛乳、調味料、トロピカルフルーツや乳児専用などの選択ボタンを表示し、ユーザーが対応する選択ボタンをクリックすると対応する段階命令を生成することができ、ユーザーが、あるものを貯蔵する必要があるとき、引き出し30をそれに対応する状態に切り替えるとよい。本発明における幾つかの代替的な実施例では、段階生成装置50が冷蔵冷凍装置のメインタッチスクリーンとされてもよい。
【0028】
他の幾つかの実施例では、段階生成装置50は、複数の調節ボタン及び各調節ボタンの各段階命令に対応して設置される指示アイコンを含む。各指示アイコンは、少なくとも、対応する引き出し30内に貯蔵される物の推奨タイプの情報を含む。各調節ボタンは、つまみなどの機械ボタンとして構成されてもよい。指示アイコンは、調節ボタンと隣接して冷蔵庫箱体の内側に設置されたアイコンとしてもよく、浮き彫り、スクリーン印刷や透かし彫りによる構成などで設置されてもよい。例えば、指示アイコンは、対応する引き出し30に貯蔵される物の推奨タイプのアイテムが示す代表物品のシンボルであってもよい。さらに、各指示アイコンは、少なくとも、対応する引き出し30内の目標温度又は目標温度範囲を含む。段階生成装置50には、複数の指示ランプが含まれている。各調節ボタンの各段階命令は、一つの指示ランプと関連付けられ、対応する段階命令を調節ボタンが指示すると、対応する指示ランプが点灯し、そして、ユーザーの観察を容易にするように、対応する指示アイコンがハイライト表示され、つまり、点灯する。代替的には、指示アイコンも、表示スクリーンにより表示されてもよく、機械ボタンと表示スクリーンとの組み合わせにより表示されてもよい。さらに、指示アイコンは、直接文字とされもよく、つまり、表示スクリーンは、対応する段階命令と関連付けられるあらゆる情報を表示してもよい。
【0029】
当該実施例では、ダクトシステムと段階生成装置50を有することから、冷蔵庫の冷蔵室について各引き出し30は、2℃、5℃、10℃(低、中、高)の温度などの複数の段階で温度を独立して調節することができる。そして、ユーザーは、自己のニーズや習慣に応じて冷蔵庫における各引き出し30の温度を調節することができる。温度や湿度をバランス良く制御することにより、貯蔵環境区域が異なる食料品にとって最適なものになり、ユーザーが、食料品を最適な貯蔵空間に正しく置くように案内して、浪費が削減される。以前は敢えて冷蔵庫に入れることのなかった食料品も、冷蔵庫に入れて保存期間を延ばすことも可能である。本願の出願前では、冷蔵庫の各層の温度は同じであるが、さまざまな食料品に最適な保存温度や湿度が異なることから、ユーザーは、低温ですぐに食べられるトロピカルフルーツなどの保存温度が低いものを敢えて冷凍冷蔵庫に入れることはない。温度が低すぎると直ぐには食べることができないため、ユーザーはそれを外部に置く以外にない。また、トロピカルフルーツは、8~10℃の空間に保存すれば保存期間が一番良いため、それらを冷蔵庫に入れることもできない。冷蔵庫に入れる食料品も、最適な温度の区間でないため、食料品は急速に腐敗し、浪費は深刻である。本発明の実施例によると、ユーザーのニーズに応じて冷蔵庫における各引き出し30を冷蔵する温度を自由に調節でき、食料品を最適な貯蔵空間に保存し、ユーザーが食料品を最適な貯蔵空間に正しく置くように案内し、食料品を最適な温度や湿度の環境に貯蔵し、鮮度を大幅に高めることができる。各引き出し30は、温度を複数の段階で変化させ、自由に切り替えることが可能である。さらに、各段階命令セットは、段階命令の数が多い場合に、例えば、引き出し30内の目標温度が摂氏1度変化する度に、一つの新たな段階としてもよい。これは、無段階調節とも呼ばれる。例えば、0℃から10℃までの間に11の段階を含んでもよい。そうすると、各引き出し30について、0℃から10℃までの間に温度を任意に調節することが可能である。勿論、0℃から10℃までの間にも、例えば、0℃の冷凍の領域、4℃の一番良い領域、10℃のトロピカルフルーツの領域という三段階しか設置されなくてもよい。本発明に係る幾つか実施例では、冷蔵冷凍装置は、記憶装置をさらに有する。記憶装置は、一つのメイン記憶装置とされてもよいし、個別に複数の引き出し30に設置された複数の記憶モジュールとされてもよい。使用中は、ユーザーが自由に食料品を切替えることができる。引き出し30は、ユーザーが切り替えた食料品に従って、食料品と対応する温度空間を自動的にマッチングすると共に、記憶装置によって自動記憶を行うことにより、当該引き出し30が任意の位置に切り替えられても、自己の温度空間を自動的に識別することができる。
【0030】
本発明に係る幾つか実施例では、冷蔵冷凍装置は、複数の電気接続ソケット41をさらに含む。各電気接続ソケット41は、一つの第一空間21の後部に設置される。各引き出し30は、信号が送信及び/又は電力が供給されるように、対応する電気接続ソケット41に挿入される電気接続プラグ42を後部に有する。各表示制御パネルは、対応する電気接続プラグ42に接続される。好ましくは、送風アセンブリ70に複数の電気接続ソケット41が設置される。さらに、各引き出し30内には、温度センサーを設置してもよい。温度センサーは、対応する引き出し30内の温度変化を検出して、当該引き出し30に送風が必要である場合にのみ送風を行い、食料品が過冷却されることを防ぎ、エネルギーを節約することができる。
【0031】
本発明に係る幾つか実施例では、ユーザーは、自己のニーズに応じて、引き出し30を設置する数を特定し、引き出し30を置かない第一空間21内に、そのままアイテムを置いてもよい。例えば、第一空間21と引き出し30は、それらの数が共に6個である場合、ユーザーがニーズに応じて4個の引き出し30を置いたり、2個の引き出し30置いたりすることができる。6個の引き出し30については、任意に切り替え位置などを設置してもよい。各引き出し30における入風口31と風戻り口32以外は、密封して構成されてもよい。この場合、引き出し30間の気体温度が臭気などに干渉することを防ぐことができる。さらに、各第一空間21には、それぞれストッパ部25が底壁の前端に設置され、各引き出し30は、対応するストッパ部25と嵌合するストッパ溝又はストッパ面が底部の前端に配置されることにより、各ストッパ部25は、対応する引き出し30が対応する第一空間21内に位置する場合に、引き出し30が前方へ移動しないように阻止する。ストッパ部25は、物置き棚の前端に設置される修飾部とされてもよい。電気接続ソケット41と電気接続プラグ42とは、結合によって引き出し30の落下を防ぐことができる。
【0032】
本発明に係る幾つか実施例では、
図8乃至
図17に示すように、オンオフ制御装置60がハウジング61と調節部を含んでもよい。ハウジング61は、気体流入口62を有すると共に、周壁に複数の気体排出口63を有する。調節部は、ハウジング61に回転可能に設置されると共に、対称的に設置される二つの気体案内板64を有する。各気体案内板64は、それぞれ、ハウジング61の軸方向と平行である。二つの気体案内板64は、一方端に第一気体口65が形成される。また、調節部は、複数の所定位置まで回転可能に配置されると共に、各所定位置において、第一気体口65が一つの気体排出口63と連通することにより、気体流入口62を介して二つの気体案内板64に流れ込んだ気体が、対応する気体排出口63に入る。第一気体口65は、その大きさが各気体排出口63の大きさに相当しており、オンオフ制御装置60が稼働している場合に、一つの気体排出口63をオン状態にして、当該気体排出口63と連通する目標空間に気体を送る。
【0033】
さらに、二つの気体案内板64は、他方端に第二気体口66が形成される。ハウジング61は、気体流入口62が周壁に設置されると共に、第一気体口65と一つの気体排出口63が連通する場合に、第二気体口66が気体流入口62に連通する。第二気体口66は、第一気体口65よりも大きい。この場合、調節部は、さらに、第一気体口65と気体流入口62が連通し、第二気体口66と複数の気体排出口63全部とが連通する位置まで、回転可能である。好ましくは、調節部は、一つの気体案内板64により気体流入口62を遮る位置、又は、一つの気体案内板64により気体排出口63全体を遮る位置まで、回転可能である。
図10乃至
図17に示すように、気体排出口63は、その数が六つであり、二つの気体案内板64によってオンオフ制御装置60に8つの作動状態を有させることができる。8つの作動状態は、各気体排出口63が独立して開く状態、気体排出口63全体が開いた状態、気体流入口62が閉じた状態(つまり、気体排出口63全部が閉じた状態にある)を含む。
【0034】
本発明における幾つか好ましい実施例では、各気体案内板64は、互いに接続された第一板部と第二板部を含み、二つの第二板部における末端間の距離が二つの第一板部における末端間の距離よりも長く、第一板部の長さが第二板段の長さよりも短い。また、二つの第一板部における末端間は、第一気体口65である。第一板部と第二板部を用いることは、気体を円滑に流すだけではなく、生じる騒音が低く、さらに、要求を満たす第一気体口65と第二気体口66を形成し、オンオフ制御装置60を簡単に構成し、コストを削減することができる。
【0035】
オンオフ制御装置60は、調節部による自動制御を簡便にするために、調節部が回転するように連動するよう配置される駆動装置を有してもよい。また、駆動装置は、モーター、第一ギア及び第二ギアを含む。第一ギアは、ハウジング61に設置されると共に調節部に接続される。モーターは、ハウジング61における径方向の外側に設置されることから、オンオフ制御装置60の厚さを薄くすることができ、オンオフ制御装置60は冷蔵庫などの冷蔵冷凍装置に特に適している。第二ギアは、モーターの出力軸に取り付けられると共に、第一ギアに噛み合うことにより、モーターが回転している場合に、第二ギアと第一ギアにより調節部が回転するように連動し、つまり、制御モーターの回転を制御することにより、オンオフ制御装置60の作動状態を制御することができる。
【0036】
オンオフ制御装置60における各気体排出口63は、一つ又は複数の第一送風口71を介して一つの引き出し30に連通する。気体流入口62は、冷却室に連通する。調節部は、気体流入口62からの気体が複数の気体排出口63のうちの一つ或全部へ流れるように制御することにより、気体における全体又は一部が、対応する引き出し30へ流れるように制御するように配置される。つまり、各気体排出口63が一つの引き出し30に連通する。気体排出口63が閉じられる場合、対応する引き出し30への冷気の供給が止められる。気体排出口63が開く場合、対応する引き出し30に冷気を提供する。オンオフ制御装置60は、送風アセンブリ70内に設置されることが好ましい。送風アセンブリ70内には、複数の送風通路74を設置してもよい。各送風通路74が一つの気体排出口と第一送風口71に連通する。送風アセンブリ70には、気体流入口をさらに有し、気体流入口は、風吸入管路を介して冷却室に連通すると共に、冷却室の出口に気体の流れを促すための換気扇を設置してもよい。
【0037】
以上、本明細書において本発明の複数の例示的な実施例を詳しく挙げて説明したが、本発明に係る趣旨や範囲を逸脱しない限り、依然として本発明に開示されている内容に基づいて本発明の原理に合致する数多くの他の変形や補正を直接特定し又は導出することができることを当業者は理解するべきである。したがって、本発明の範囲は、これらの他の全ての変形や補正を含むと理解され、見なされるべきである。
【国際調査報告】