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特表2022-542581検知された姿勢情報に基づいて植込み型医療デバイスを操作するためのシステムおよび方法
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  • 特表-検知された姿勢情報に基づいて植込み型医療デバイスを操作するためのシステムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-05
(54)【発明の名称】検知された姿勢情報に基づいて植込み型医療デバイスを操作するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20220928BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20220928BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20220928BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20220928BHJP
【FI】
A61N1/36
A61B5/107 300
A61B5/16 130
A61B5/113
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504644
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020043442
(87)【国際公開番号】W WO2021016536
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/878,531
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】510302135
【氏名又は名称】インスパイア・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Inspire Medical Systems,Inc.
【住所又は居所原語表記】5500 Wayzata Boulevard, Suite 1600 Golden Valley MN 55416 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】バーザル,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ディーケン,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ロンドニ,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C053
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038SV01
4C038VA04
4C053BB12
4C053BB35
4C053JJ18
(57)【要約】
検知された姿勢情報に応答して、植込み型医療デバイスの動作を制御するためのシステムおよび/または方法。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケアシステムであって、
患者の姿勢情報を検出するための第1の植込み型センサと、
前記患者に刺激療法を送達するための植込み型医療デバイス(IMD)と、を含み、
前記システムが、前記検出された姿勢情報に基づいて少なくとも1つの機能の実行に影響を与えるようにプログラムされている、ケアシステム。
【請求項2】
前記システムが、前記検出された姿勢情報から、前記患者が指定された姿勢をとったという判定に基づいて、少なくとも1つの機能の実行に影響を与えるようにプログラムされている、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項3】
前記システムが、前記検出された姿勢情報から、前記患者が指定された姿勢にないという判定に基づいて、少なくとも1つの機能の実行に影響を与えるようにプログラムされている、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項4】
前記ケアシステムが、睡眠呼吸障害(SDB)を有する患者にSDB刺激療法を送達することを含む、前記患者のケアを提供するように構成されている、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項5】
前記システムが、前記検出された姿勢情報および前記検出された姿勢情報の変化のうちの少なくとも1つに基づいて、植込み後の前記患者に対する前記IMDの動き、移動、または回転のうちの少なくとも1つを検出するようにプログラムされている、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項6】
前記IMDに無線接続可能な外部デバイスをさらに含み、さらに、前記システムが、植込み後の前記患者に対する前記IMDの移動を検出した際に、前記外部デバイスを介して警告を提供するようにプログラムされている、請求項5に記載のケアシステム。
【請求項7】
前記システムが、前記患者に対する前記IMDの前記検出された回転に基づいて、前記IMDに無線接続可能な外部デバイスを介して、ツイドラー症候群の発症の可能性の警告を提供するようにプログラムされている、請求項5に記載のケアシステム。
【請求項8】
前記検出された姿勢情報に基づいて前記患者の現在の姿勢を判定するようにプログラムされた姿勢モジュールをさらに含む、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項9】
前記システムが、前記判定された現在の姿勢に基づいて前記IMDの動作モードを選択するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項10】
前記システムが、前記患者の検出された睡眠傾向にさらに基づいて前記IMDの動作モードを選択するようにプログラムされている、請求項9に記載のケアシステム。
【請求項11】
前記システムが、
現在の時刻を、前記判定された現在の姿勢とともにデータペアとして記録することと、
睡眠状態にある前記患者と対応するように指定された1つ以上の過去に記録されたデータペアをレビューして、前記現在の時刻が、前記患者が睡眠状態に入る可能性が高いか、または睡眠状態から抜け出る可能性が高いことを示唆しているかどうかを判定することと、
前記現在の時刻が、前記患者が睡眠状態に入る可能性が高いことを示唆する場合に、療法の送達を自動的に開始することと、
前記現在の時刻が、前記患者が睡眠の状態から抜け出ている可能性が高いことを示唆する場合に、療法の送達を自動的に終了することと、を行うようにプログラムされている、請求項10に記載のケアシステム。
【請求項12】
前記システムが、
現在の曜日を、前記現在の時刻および前記判定された現在の姿勢とともにデータセットとして記録することと、
睡眠状態にある前記患者と対応するように指定された1つ以上の過去に記録されたデータセットをレビューして、前記現在の時刻および前記現在の曜日が、前記患者が睡眠状態に入る可能性が高いか、または睡眠状態から抜け出る可能性が高いことを示唆しているかどうかを判定することと、
前記現在の時刻および前記現在の曜日が、前記患者が睡眠状態に入る可能性が高いことを示唆する場合に、療法の送達を自動的に開始することと、
前記現在の時刻および前記現在の曜日が、前記患者が睡眠の状態から抜け出ている可能性が高いことを示唆する場合に、療法の送達を自動的に終了することと、を行うようにプログラムされている、請求項11に記載のケアシステム。
【請求項13】
前記システムが、少なくとも第1の動作モードおよび第2の動作モードを提供するようにプログラムされ、さらに、前記第1の動作モードの少なくとも1つの動作設定が、前記第2の動作モードとは異なっており、さらに、前記システムが、前記判定された現在の姿勢が前記患者の第1の睡眠体位である場合に前記第1の動作モードで動作し、前記判定された現在の姿勢が前記第1の睡眠体位とは異なる第2の睡眠体位である場合に前記第2の動作モードで動作するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項14】
前記システムが、前記第1および第2の動作モードを含む複数の動作モードを提供するようにプログラムされ、さらに、前記システムが、前記判定された現在の姿勢に基づいて前記複数の動作モードのそれぞれの動作モード間で切り換わるようにプログラムされている、請求項13に記載のケアシステム。
【請求項15】
前記第1および第2の動作モードが、刺激、検知、タイミング、および診断のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載のケアシステム。
【請求項16】
前記第1および第2の睡眠体位のうちの少なくとも1つが、臥床仰臥位、臥床伏臥位、臥床左側臥位、臥床右側臥位からなる群から選択される、請求項13に記載のケアシステム。
【請求項17】
前記システムが、
複数の判定された現在の姿勢を経時的に記憶することと、
前記複数の判定された現在の姿勢が、前記患者が浅い睡眠状態にあることを示す場合に、現在送達されている刺激療法を変更することと、を行うようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項18】
前記システムが、前記患者が浅い睡眠状態にあると判定した際に、現在送達されている刺激療法の強度をランプダウンさせるようにプログラムされている、請求項17に記載のケアシステム。
【請求項19】
前記システムが、前記患者が浅い睡眠状態にあると判定した際に、現在送達されている刺激療法の強度を、第1の期間にわたってランプダウンさせるようにプログラムされている、請求項17に記載のケアシステム。
【請求項20】
前記システムが、前記第1の期間の終わりに前記強度をランプアップさせるようにプログラムされている、請求項19に記載のケアシステム。
【請求項21】
前記システムが、前記患者が浅い睡眠状態にあると判定した際に、刺激療法の送達を一時的に休止するようにプログラムされている、請求項17に記載のケアシステム。
【請求項22】
前記システムが、前記複数の判定された現在の姿勢が前記患者が眠っていないことを示す場合に、刺激療法の前記送達を休止するようにプログラムされている、請求項17に記載のケアシステム。
【請求項23】
前記システムが、前記複数の判定された現在の姿勢が、15分未満で少なくとも3つの異なる臥床体位を含む場合に、前記患者が浅い睡眠状態にあることを指定するようにプログラムされている、請求項17に記載のケアシステム。
【請求項24】
前記システムが、
複数の判定された現在の姿勢を経時的に記憶することと、
前記複数の判定された現在の姿勢が、前記患者が睡眠状態に入ったことを示す場合に、刺激療法の送達を開始または再開することと、を行うようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項25】
前記システムが、前記患者が睡眠状態に入ったと判定した際に、現在送達されている刺激療法の強度を、一定期間にわたってランプアップさせるようにプログラムされている、請求項24に記載のケアシステム。
【請求項26】
前記システムが、
前記患者が睡眠状態にある場合に、前記患者に刺激療法を送達することと、
前記患者が前記検出された現在の姿勢に基づいて前記睡眠状態を一時的に終了したと判定した際に、前記刺激療法を変更することと、を行うようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項27】
前記システムが、前記刺激療法を休止すること、および前記刺激療法をランプダウンすることからなる群から選択されるアクションを実行することによって、前記患者が一時的に前記睡眠状態から抜け出たと判定した際に、前記刺激療法を変更するようにプログラムされている、請求項26に記載のケアシステム。
【請求項28】
前記姿勢モジュールが、仰臥睡眠体位と略仰臥寄掛体位とを区別するようにプログラムされ、前記仰臥睡眠体位の前記患者の頭部と胴体との間の絶対垂直距離が、前記略仰臥寄掛体位の前記絶対垂直距離よりも小さい、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項29】
前記姿勢モジュールが、前記患者の頸部の位置を推定するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項30】
前記第1の植込み型センサが、前記患者の胴体の位置を示す情報を検出するように構成され、前記システムが、前記患者の頭部および頸部のうちの少なくとも1つの位置を示す情報を検出するように構成された第2の植込み型センサをさらに含み、さらに、前記姿勢モジュールが、前記現在の姿勢を判定する際に、前記第1および第2の植込み型センサからの情報を考慮するようにプログラムされている、請求項29に記載のケアシステム。
【請求項31】
前記第1の植込み型センサが、前記患者の前記頸部に植込まれるように構成されたマイクロ刺激装置の一部として提供される、請求項29に記載のケアシステム。
【請求項32】
前記姿勢モジュールが、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項33】
前記姿勢モジュールが、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するための垂直基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項34】
前記第1の植込み型センサが、3つの直交軸のうちの少なくとも1つにおいてベクトル情報を提供するように構成され、さらに、前記姿勢モジュールが、前記垂直基線重力ベクトルを考慮して前記ベクトル情報を較正するようにプログラムされている、請求項33に記載のケアシステム。
【請求項35】
前記姿勢モジュールが、前記患者が直立していると指定される少なくとも1つの期間中に前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報に基づいて前記垂直基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項34に記載のケアシステム。
【請求項36】
前記姿勢モジュールが、前記患者が歩行するように指定された少なくとも1つの期間中に前記垂直基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項35に記載のケアシステム。
【請求項37】
前記姿勢モジュールが、前記患者が直立していると指定される複数の期間中の時間平均位置として前記垂直基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項35に記載のケアシステム。
【請求項38】
前記姿勢モジュールが、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するための水平基線重力平面を決定するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項39】
前記第1の植込み型センサが、3つの直交軸のうちの少なくとも1つにおいてベクトル情報を提供するように構成され、さらに、前記姿勢モジュールが、前記水平基線重力平面を考慮して前記ベクトル情報を較正するようにプログラムされている、請求項38に記載のケアシステム。
【請求項40】
前記姿勢モジュールが、前記患者が活動していないと指定される少なくとも1つの期間中に前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報に基づいて前記水平基線重力平面を決定するようにプログラムされている、請求項39に記載のケアシステム。
【請求項41】
前記姿勢モジュールが、前記患者が睡眠中として指定された少なくとも1つの期間中に前記水平基線重力平面を決定するようにプログラムされている、請求項40に記載のケアシステム。
【請求項42】
前記姿勢モジュールが、前記患者が活動していないと指定される複数の期間中の時間平均位置として前記水平基線重力平面を決定するようにプログラムされている、請求項40に記載のケアシステム。
【請求項43】
前記水平基線重力平面が、前記水平基線重力平面内に延在する水平基線重力ベクトルを示唆し、さらに、前記姿勢モジュールが、前記患者が活動していないと指定される前記少なくとも1つの期間中に、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された前記情報に含まれる水平ベクトルの外積をレビューすることによって、前記決定された水平基線重力平面を検証するようにプログラムされている、請求項40に記載のケアシステム。
【請求項44】
前記姿勢モジュールが、前記レビューされた外積が決定された垂直基線重力ベクトルに略等しい場合、前記決定された水平基線重力平面を検証するようにプログラムされている、請求項43に記載のケアシステム。
【請求項45】
前記姿勢モジュールが、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するための垂直基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項39に記載のケアシステム。
【請求項46】
前記姿勢モジュールが、前記決定された垂直基線重力ベクトルと、前記決定された水平基線重力平面の1つ以上の水平基線重力ベクトルとの内積をレビューすることによって、前記決定された水平基線重力平面と、前記決定された垂直基線重力ベクトルとを検証するようにプログラムされている、請求項45に記載のケアシステム。
【請求項47】
前記姿勢モジュールが、前記レビューされた内積が略ゼロに等しい場合、前記決定された垂直基線重力ベクトルおよび前記決定された水平基線重力平面を検証するようにプログラムされている、請求項46に記載のケアシステム。
【請求項48】
前記姿勢モジュールが、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するために、所定の垂直基線重力ベクトル、所定の水平仰臥位基線重力ベクトル、所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを受信するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項49】
前記姿勢モジュールが、
前記所定の垂直基線重力ベクトルと、前記所定の水平仰臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルのうちの少なくとも1つとの内積と、
前記所定の水平仰臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルのそれぞれのペアの外積と、のうちの少なくとも1つをレビューすることによって、前記所定の垂直基線重力ベクトル、前記所定の水平仰臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを検証するようにプログラムされている、請求項48に記載のケアシステム。
【請求項50】
前記姿勢モジュールが、前記レビューされた内積が略ゼロに等しい場合、前記所定の垂直基線重力ベクトルを検証するようにプログラムされている、請求項49に記載のケアシステム。
【請求項51】
前記姿勢モジュールが、前記レビューされた外積が前記所定の垂直基線重力ベクトルに略等しい場合、前記所定の水平仰臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを検証するようにプログラムされている、請求項49に記載のケアシステム。
【請求項52】
前記患者に垂直体位をとるように促し、前記患者が前記所定の垂直基線重力ベクトルを確立するために前記垂直体位にあることを示す指示を受信するようにプログラムされたアプリケーションを動作させる外部デバイスをさらに含む、請求項48に記載のケアシステム。
【請求項53】
前記患者に、水平仰臥位をとるように促し、前記患者が前記所定の水平仰臥位基線重力ベクトルを確立するために前記水平仰臥位にあることを示す指示を受信するようにプログラムされたアプリケーションを動作させる外部デバイスをさらに含む、請求項48に記載のケアシステム。
【請求項54】
前記姿勢モジュールが、前記確立された水平仰臥位基線重力ベクトルから前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを決定するようにプログラムされている、請求項53に記載のケアシステム。
【請求項55】
前記アプリケーションが、
前記患者に、水平伏臥位をとるように促し、前記患者が前記所定の水平伏臥位基線重力ベクトルを確立するために前記水平伏臥位にあることを示す指示を受信することと、
前記患者に、水平左側臥位をとるように促し、前記患者が前記所定の水平左側臥位基線重力ベクトルを確立するために前記水平左側臥位にあることを示す指示を受信することと、
前記患者に、水平右側臥位をとるように促し、前記患者が前記所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを確立するために前記水平右側臥位にあることを示す指示を受信することと、を行うようにさらにプログラムされている、請求項53に記載のケアシステム。
【請求項56】
前記姿勢モジュールが、前記患者の検知された呼吸情報、前記患者の検知された心臓波形の極性情報、および前記患者の検知された心臓波形の位相変化情報のうちの少なくとも1つをレビューして、前記第1の植込み型センサの地球に対する配向を推定して、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項57】
前記姿勢モジュールが、前記患者が睡眠の状態から覚醒して姿勢を変化させたことを判定した際に、較正ルーチンを実行して、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項58】
前記患者に異なる姿勢をとるように促し、前記患者が特定の姿勢をとったことを示す指示を受信して、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされたアプリケーションを動作させる外部デバイスをさらに含む、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項59】
前記姿勢モデルが、前記第1の植込み型センサの植込み後に臨床医から少なくとも1つの所定の体位指示値を受信し、前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項60】
前記姿勢モジュールが、経時的に前記検出された姿勢情報の平均に基づいて前記現在の姿勢を判定するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項61】
前記姿勢モジュールが、前記患者の予測体位に基づいて前記第1の植込み型センサによって信号伝達された情報を較正するようにプログラムされている、請求項32に記載のケアシステム。
【請求項62】
前記姿勢モジュールが、前記患者の予測体位を導出する際に内部クロックを参照するようにプログラムされている、請求項61に記載のケアシステム。
【請求項63】
前記姿勢モジュールが、前記患者が典型的に睡眠している時間中の前記患者の前記予測体位を指定するようにプログラムされている、請求項62に記載のケアシステム。
【請求項64】
前記システムが、前記判定された現在の姿勢が劣悪な睡眠の質を示唆していると指定された場合に、前記患者に体位を変更することを促すルーチンを実行するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項65】
前記システムが、劣悪な睡眠の質を示唆する仰臥位を指定するようにプログラムされている、請求項64に記載のケアシステム。
【請求項66】
前記ルーチンが、現在送達されている刺激療法の強度を一時的に増加させること、振動、および音声警告からなる群から選択された少なくとも1つのアクションを含む、請求項64に記載のケアシステム。
【請求項67】
前記IMDと無線接続可能な外部デバイスをさらに含み、さらに、前記姿勢モジュールが、姿勢関連情報を記憶し、記憶された姿勢関連情報を前記外部デバイスに通信するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項68】
前記IMDと無線接続可能な外部デバイスをさらに含み、さらに、前記システムが、前記外部デバイスを介して、前記患者による睡眠イベントの状態の間の1つ以上の睡眠体位における時間の割合を報告するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項69】
前記姿勢モジュールは、前記判定された現在の姿勢が、略垂直体位、または仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位を含む複数の臥床体位のうちの1つであることを指定するようにプログラムされ、さらに、前記システムが、前記患者による前記睡眠イベントの状態の過程で、前記仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位の各々で費やされた時間を、もしあれば、追跡するようにプログラムされている、請求項68に記載のケアシステム。
【請求項70】
前記IMDと無線接続可能な外部デバイスをさらに含み、さらに、前記システムが、前記外部デバイスを介して、前記患者による睡眠イベントの前記状態の経過にわたって送達された刺激療法の有効性を報告するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項71】
送達された刺激療法の前記有効性が、前記IMDおよび前記外部デバイスのうちの1つによって決定される、請求項70に記載のケアシステム。
【請求項72】
前記姿勢モジュールは、前記判定された現在の姿勢が、略垂直体位、または仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位を含む複数の臥床体位のうちの1つであることを指定するようにプログラムされ、さらに、前記システムが、前記患者による前記睡眠イベントの前記状態の過程で、前記仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位の各々で送達された刺激療法の有効性を、もしあれば、追跡するようにプログラムされている、請求項70に記載のケアシステム。
【請求項73】
前記IMDと無線接続可能な外部デバイスをさらに含み、さらに、前記システムが、前記外部デバイスを介して、前記患者による睡眠イベントの前記状態の経過にわたって送達された刺激療法の1つ以上の設定を報告するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項74】
前記姿勢モジュールは、前記判定された現在の姿勢が、略垂直体位、または仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位を含む複数の臥床体位のうちの1つであることを指定するようにプログラムされ、さらに、前記システムが、前記患者による前記睡眠イベントの前記状態の過程で、前記仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位の各々で送達された刺激療法の1つ以上の設定を、もしあれば、追跡するようにプログラムされている、請求項73に記載のケアシステム。
【請求項75】
前記システムが、前記判定された現在の姿勢に少なくとも部分的に基づいて、前記患者が覚醒している場合の前記患者のコンテキスト情報を判定するようにプログラムされている、請求項8に記載のケアシステム。
【請求項76】
前記コンテキスト情報が、活動レベルおよび骨盤底圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項75に記載のケアシステム。
【請求項77】
前記システムが、前記患者が眠っているとみなされた場合に、前記検出された姿勢情報から姿勢の全体的な変化が判定されるようにプログラムされている、請求項1に記載のケアシステム。
【請求項78】
前記システムが、前記患者が眠っているとみなされた場合に、前記患者の現在の姿勢が判定されないようにプログラムされている、請求項77に記載のケアシステム。
【請求項79】
ケアシステムであって、
患者に植込みし、重力ベクトルを示す情報を生成するように構成された植込み型センサと、
前記患者に刺激療法を送達するための植込み型医療デバイス(IMD)と、
経時的に前記重力ベクトルを監視するための監視モジュールと、を含む、ケアシステム。
【請求項80】
刺激療法を送達する際に前記IMDの操作を促すための治療モジュールをさらに含み、前記治療モジュールが、刺激療法が所定のレベルで前記患者に送達される少なくとも1つの治療レジメンを実行するようにプログラムされ、
前記システムは、前記少なくとも1つの療法レジメンの実行中、閾値の大きさを超える前記監視された重力ベクトルの変化を検出した際に、前記患者に送達される前記刺激療法が、前記所定のレベルからランプダウンレベルにランプダウンされるようにプログラムされている、請求項79に記載のケアシステム。
【請求項81】
前記ランプダウンレベルが、任意の刺激療法の送達の休止である、請求項80に記載のケアシステム。
【請求項82】
前記システムは、前記少なくとも1つの治療レジメンの実行中、前記監視された重力ベクトルが所定の範囲に戻ったことを検出した際に、前記患者に送達される前記刺激療法が、前記ランプダウンレベルから前記所定のレベルにランプアップされるようにさらにプログラムされている、請求項80に記載のケアシステム。
【請求項83】
刺激療法を送達する際に前記IMDの操作を促すための治療モジュールをさらに含み、前記治療モジュールが、刺激療法が所定のレベルで前記患者に送達される少なくとも1つの治療レジメンを実行するようにプログラムされ、
前記システムは、前記少なくとも1つの療法レジメンの実行中、閾値の大きさを超える前記監視された重力ベクトルの変化を検出した際に、前記患者に送達される前記刺激療法が、前記所定のレベルからランプアップされるようにプログラムされている、請求項79に記載のケアシステム。
【請求項84】
前記システムが、少なくとも1つの動作モードにより、前記植込み型センサに対して少なくとも1つの重力ベクトル配向を割り当てるようにプログラムされている、請求項79に記載のケアシステム。
【請求項85】
前記システムが、前記患者による運動が検出されないか、または最小限の運動が検出され、前記監視された重力ベクトルが所定の範囲内にある場合に、定義された期間中の療法の送達を有効にするようにプログラムされている、請求項84に記載のケアシステム。
【請求項86】
前記システムが、前記患者の現在の姿勢を判定しないようにプログラムされている、請求項79に記載のケアシステム。
【請求項87】
患者内に植込まれた植込み型センサを介して前記患者の姿勢情報を検知することと、
前記検知された姿勢情報に基づいて植込み型医療デバイスシステムの動作を制御することと、を含み、前記植込み型医療デバイスシステムが、前記患者内に植込まれた植込み型医療デバイス(IMD)を含む、方法。
【請求項88】
睡眠呼吸障害を治療するために前記IMDを操作することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記検知された姿勢情報に基づいて、植込み後の前記患者に対する前記IMDの動き、移動、および回転のうちの少なくとも1つを検出することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記患者に対する前記IMDの前記検出された回転に基づいて、前記IMDに無線接続された外部デバイスを介して、ツイドラー症候群の発症の可能性の警告を提供することをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記検知された姿勢情報に基づいて前記患者の現在の姿勢を判定することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【請求項92】
前記判定された現在の姿勢に基づいて前記IMDの動作モードを選択することをさらに含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記判定された現在の姿勢に基づいて、前記IMDの現在の動作モードを変更することをさらに含む、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記変更するステップが、ランプダウン刺激療法および休止刺激療法のうちの1つを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記変更するステップが、送達刺激療法の振幅を調整することを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記植込み型センサによって信号伝達された情報を較正することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
植込み型医療デバイスによって提供される療法は、多くの患者にとって有益なものである。例えば、一部の人々は、種々の形態の睡眠呼吸障害(SDB)に悩まされている。患者によっては、外部呼吸療法装置および/または単なる外科的介入では、睡眠呼吸障害行動を治療することができない場合がある。これらおよび他の植込み型医療デバイス治療の用途では、検知された患者情報を参照して、かかるシステムの動作を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1】本開示の原理による患者ケアシステムを概略的に示すブロック図である。
図2図1のケアシステムに有用であり、部分的に組み付けられた状態にある植込み型医療デバイスを概略的に表すブロック図である。
図3】組み付けられた状態の図2の植込み型医療デバイスと、植込み型医療デバイスに組み付けられた本開示の原理による植込み型センサとを概略的に表すブロック図である。
図4】本開示の原理による、植込み型パルス発生器アセンブリのハウジング内に担持された植込み型センサを含む別の患者ケアシステムの部分のブロック図である。
図5図1の患者ケアシステムに有用な例示的なセンサリードを概略的に表すブロック図であり、刺激電極および植込み型センサを含む。
図6】本開示の原理による、植込み型パルス発生器アセンブリおよび別個の植込み型センサを含む例示的なシステムを概略的に表すブロック図である。
図7A】本開示の植込み型センサの1つの非限定的な例として有用な3軸加速度計の軸配向図を概略的に表す。
図7B】軸配向図に関連して体内に植込まれた植込み型センサを担持する例示的なIPGアセンブリの断面図を概略的に示すブロック図である。
図8】本開示の一部の実施形態による、臥床体位にある患者について取得された体位情報を概略的に表す。
図9A】例示的な制御部分を概略的に表すブロック図である。
図9B図9Aの制御部分の異なるモダリティの少なくとも一部の例を概略的に表す図である。
図9C】例示的なユーザインターフェースを概略的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本開示が実施され得る特定の例を例示として示す添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の例を利用することができ、構造的または論理的な変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。本明細書に記載される種々の例の特徴が、特に明記されない限り、部分的または全体的に、互いに組み合わされ得ることを理解されたい。
【0004】
本開示の少なくとも一部の例は、医療状態の診断、治療、および/または他のケアのためのシステムおよびデバイスを対象とする。少なくとも一部の例は、植込み型デバイスおよび/または植込み型デバイスの使用を含む方法を含み得る。
【0005】
本開示の少なくとも一部の例は、患者の検知された姿勢情報に基づいて、患者内に植込まれた植込み型医療デバイスを含む、植込み型医療デバイスシステムの少なくとも1つの機能または動作を制御するためのシステムおよび方法を対象とする。一部の実施形態では、患者に植込まれた1つ以上のセンサは、患者の姿勢情報を検知または検出するために利用される。一部の実施形態では、検知された姿勢情報に応答して制御される植込み型医療デバイスシステムの動作は、治療を患者に送達する際の植込み型医療デバイスの動作モードに関する。一部の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、患者が指定された姿勢にあるという判定、または患者が指定された姿勢にある確率が閾値を上回っているという判定に応答して行われるアクションをもたらす1つ以上のアルゴリズムを組み込む。他の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、患者が指定された姿勢にないという判定、または患者が指定された姿勢にない確率が閾値を上回っているという判定に応答して行われるアクションをもたらす1つ以上のアルゴリズムを組み込む。一部の実施形態では、検知された姿勢情報に応答して制御される植込み型医療デバイスシステムの動作は、患者の現在の姿勢を判定または指定することに関する。一部の実施形態では、検知された姿勢情報に応答して制御される植込み型医療デバイスシステムの動作は、患者の現在の姿勢が指定された姿勢または特定の姿勢ではないことを判定または指定することに関する。一部の実施形態では、検知された姿勢情報に応答して制御される植込み型医療デバイスシステムの動作は、1つ以上のセンサによって信号伝達される情報の較正に関する。一部の実施形態では、検知された姿勢情報に応答して制御される植込み型医療デバイスシステムの動作は、患者および/または介護者によるレビューのための情報またはデータの生成に関する。
【0006】
一部の例では、本開示のシステムおよび方法は、モニタリング、診断、および/または刺激療法を含み得る閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)療法などの睡眠呼吸障害(SDB)療法のために構成および使用される。しかしながら、他の例において、本システムは、他の種類の療法に使用されており、これには、他の種類の神経刺激または心臓療法を含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、かかる他の実装形態は、限定されないが、中枢性睡眠時無呼吸、複雑睡眠時無呼吸、心臓障害、疼痛管理、発作、深部脳刺激、および呼吸障害などの療法を含む。
【0007】
本開示の原理による患者治療システム20の一例が、図1に概略的に表される。患者治療システム20は、植込み型医療デバイス(IMD)30、1つ以上の植込み型センサ32、姿勢モジュールまたはハンドラ34、および任意の外部デバイス36を含む。種々の構成要素に関する詳細を以下に提供する。概して言えば、IMD30は、患者への植込みのために構成され、患者への治療の実行を提供および/または支援するように構成される。植込み型センサ32は、種々の形態をとることができ、概して、患者への植込み、および少なくとも患者の姿勢を示すパラメータを検知するように構成される。植込み型センサ32は、IMD30によって担持され得るか、IMD30に接続され得るか、またはIMD30に物理的に接続されないスタンドアロン構成要素であり得る。姿勢モジュール34は、植込み型センサ32から情報を受信し、少なくとも部分的に、植込み型センサ32からの情報に基づいて、患者の現在の姿勢を認識または識別または判定するようにプログラムされる(またはプログラムされた別個のモジュールに接続される)。一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、システム20の動作に関連する1つ以上の制御ルーチンなどに影響を与える(または影響を与えない)ようにプログラムされている(またはプログラムされた別個のモジュールに接続されている)。以下に説明されるように、姿勢モジュール34は、IMD30によって組み込まれてもよく(例えば、IMD30によって動作されるソフトウェアアプリケーションにインストールされてもよい)、またはシステム20の他の構成要素とともに部分的または全体的に存在してもよい。提供される場合、外部デバイス36は、IMD30と無線通信することができ、以下に記載されるように1つ以上の動作の実行を容易にするように動作可能である(例えば、外部デバイス36は、最初に、IMD30をプログラムするために使用することができ、次いでIMD30は、情報(例えば、姿勢情報)を処理し、外部デバイス36とは独立して療法を送達する)。他の実施形態では、外部デバイス36を省略することができる(例えば、IMD30、植込み型センサ32、および姿勢モジュール34は、外部デバイスを必要とせずに、以下に記載される動作のうちの1つ以上を実行する)。
【0008】
図2は、例えば図1のシステム20のIMD30として、本開示のシステムおよび方法に有用なIMD50の一例を概略的に表すブロック図である。IMD50は、植込み型パルス発生器(IPG)アセンブリ52および刺激リード54を含み得る。IPGアセンブリ52は、回路62および電源64(例えば、電池)を含むハウジング60と、ハウジング60によって担持または形成されるインターフェースブロックまたはヘッダコネクタ66とを含み得る。ハウジング60は、IPGアセンブリ52を人体への植込みに適したものにするように構成され、生体適合性材料および密封シール(複数可)を組み込むことができる。回路62は、例えば、刺激エンジンの形態で、所望の刺激信号を生成する(例えば、電源64によって提供されるエネルギーを所望の刺激信号に変換する)ために適切な当業者に明らかな回路構成要素および配線を含み得る。一部の実施形態では、回路62は、当技術分野で知られているように、外部デバイスと通信するためのテレメトリ構成要素を含み得る。例えば、回路62は、送信されたデータパケットに関連付けられた信号に電力を変換する送信機、信号を電力に変換する受信機、組み合わせた送信機/受信機(またはトランシーバ)、アンテナなどを含み得る。
【0009】
一部の実施形態では、刺激リード54は、遠位に位置する刺激電極82を有するリード本体80を含む。リード本体80の反対側の端部において、刺激リード54は、近位に位置するプラグインコネクタ84を含み、プラグインコネクタ84は、インターフェースブロック66に着脱可能に接続可能であるように構成される(例えば、インターフェースブロック66は、当技術分野で知られているように、プラグインコネクタ84を受容するようなサイズおよび形状の刺激ポートを任意選択的に含むか、または提供することができる)。
【0010】
概して言えば、刺激電極82は、任意選択的にカフ電極とすることができ、刺激電極82を標的神経の周りに解放可能に固定するように付勢された(または別様でそのように構成可能な)一部の非導電性構造を含み得る。他の形態も許容可能である。さらに、刺激電極82は、刺激信号を標的神経に送達するための電極体のアレイを含み得る。一部の非限定的な実施形態では、刺激電極82は、少なくとも2012年12月25日に発行された米国特許第8,340,785号および/もしくは2011年6月23日に発行された米国特許出願公開第2011/0147046号に記載されているものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくとも一部を含み得、それらの各々の教示全体は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0011】
一部の例では、リード本体80は、概して可撓性の細長い部材であり、気道特性関連神経(例えば、下舌神経、迷走神経など)などの神経に隣接する所望の位置に刺激電極82を配置するために、リード本体80を皮下に前進させ操作することを可能にするのに十分な弾力性を有する。一部の例では、閉塞性睡眠時無呼吸の場合などでは、神経は、気道開存を回復させるために舌および関連する筋肉の動きを引き起こす神経および関連する筋肉を含み得るが、これらに限定されない。一部の例では、神経は、舌下神経を含んでもよく(ただし、これらに限定されない)、筋肉は、舌下筋を含んでもよい(ただし、これらに限定されない)。一部の例では、リード本体80は、1つの本体位置(例えば、眼窩)に植込まれたIPGアセンブリ52から、標的刺激位置(例えば、頭部、頸部)まで延在するのに十分な長さを有し得る。回路62を介して生成されると、刺激信号は、刺激リード54を介してかかる神経に送達するためにインターフェースブロック68に選択的に送信される。
【0012】
図1に戻ると、植込み型センサ32は、ヒト患者への植込みに適切な種々の形態をとることができ、概して、運動ベースのトランスデューサの形態またはそれに類似した形態のセンサ構成要素を含む。一部の実施形態では、植込み型センサ32の運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素は、当技術分野で知られているように、加速度計(例えば、単軸または多軸加速度計)、ジャイロスコープ、圧力センサなどであり得るか、またはそれを含み得る。植込み型センサ32は、単軸に沿って、または複数軸(例えば、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ(3回転軸)、6軸加速度計(3直線軸および3回転軸)、9軸加速度計(3直線軸、3回転軸および3磁気軸)など)に沿って情報を提供することができる。正確な形態にかかわらず、植込み型センサ32のセンサ構成要素は、とりわけ、患者の姿勢を示す情報を検知することができる。参考として、植込み型センサ32によって生成された情報は、以下に記載されるように、姿勢モジュール34に信号伝達され、姿勢モジュール34によって動作するが、植込み型センサ32からの情報は、他のモジュールもしくはエンジン(例えば、以下に記載されるように、IMD30によって患者に送達される治療を管理する療法マネージャモジュール)によって利用することができる。
【0013】
植込み型センサ32は、種々の方法でIMD30に接続され得る。例えば、図2のIMD50を追加的に参照すると、植込み型センサ32は、遠位端に運動ベースのトランスデューサセンサ要素を担持するリード本体と、近位端にプラグインコネクタとを含み得る。プラグインコネクタは、インターフェースブロック66に接続されてもよく(例えば、インターフェースブロック66は、植込み型センサ32のプラグインコネクタを受容するようなサイズおよび形状の検知ポートを含み、または提供してもよい)、リード本体は、IPGアセンブリ52から延在して、センサ要素を所望の解剖学的位置に位置決めする。したがって、運動ベースのトランスデューサ要素を介して検知された身体動作関連情報は、インターフェースブロック66を介して、回路62に送信される。
【0014】
あるいは、図3のブロック図によって反映されるように、植込み型センサ32は、インターフェースブロック66に物理的に結合され得、それにより、IPGアセンブリ52によって担持され得る(例えば、植込み型センサ32は、IMD50の構成要素とみなされ得る)。他の特徴の中でも、この任意選択の構成は、患者内に検知リードを配置することに通常関連するトンネリングおよび/または他の外科的ステップを排除することができ、また、IPGアセンブリ52を固定することと併せて発生するため、植込み型センサ32の長期安定性および容易な固定を促すことができる。一部の実施形態では、IPGアセンブリ52に対する植込み型センサ32の物理的結合は、それらの構成要素の植込みの前に実行される。
【0015】
一部の実施形態では、運動ベースのトランスデューサ型の植込み型センサ32がIPGアセンブリ52のハウジング60の上に(例えば、隣)嵌合するように、植込み型センサ32のハウジングは、運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素をIPGアセンブリ52に対して固定された配向に維持し得るようなサイズおよび形状を有する。この構成により、前後軸などの患者の身体の種々の軸に対する、運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素の複数の直交軸の適切な配向を達成し、維持することが容易となる。
【0016】
関連する実施形態では、図4のブロック図によって反映されるように、植込み型センサ32(特に、上述したような運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素)は、インターフェースブロック66の構造内またはハウジング60の構造内に組み込まれ得る。これらおよび同様の構成により、植込み型センサ32のセンサ構成要素は、ハウジング60またはIPGアセンブリ52の他の筐体内の回路62に電子的に接続される。
【0017】
さらに他の実施形態では、植込み型センサ32は、刺激リード54の構造に組み込むことができる。例えば、図5は、本開示の1つの例による、刺激電極102および(上述した植込み型センサ32に類似した)運動ベースのトランスデューサセンサ104を含む刺激リード100を概略的に表すブロック図である。一部の例では、刺激リード100は、運動ベースのトランスデューサセンサ104を追加的に含むことを除いて、図2のリード54と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくとも一部を含む。図5に示されるように、リード100は、IPGアセンブリのポート(例えば、図2のIPGアセンブリ52のインターフェースブロック68)に着脱可能に接続可能に構成された近位端108と、運動ベースのトランスデューサセンサ104および電極102が搭載された反対側の遠位端110とを有するリード本体106を含む。一部の例では、センサ104は、必ずしもリード本体106の遠位端110にある必要はなく、リード100の近位端104よりも遠位端106に近い位置に配置される。一部の任意の実施形態では、運動ベースのトランスデューサセンサ104が位置するリード100の一部は、運動ベースのトランスデューサセンサ104の選択的な回転を可能にする機構(例えば、回転可能なスリーブ)を含んでおり、これにより、次に、(例えば、運動ベースのトランスデューサセンサ104が多軸加速度計である場合に)運動ベースのトランスデューサセンサ104の異なる軸112の所望の配向を採用することを可能にする。
【0018】
さらに他の実施形態では、植込み型センサ32は、IMD30に無線で接続され得る。例えば、図6は、本開示の1つの例による、上述したIPGアセンブリ52および別個の植込み型センサ150を含むシステムを概略的に表すブロック図である。植込み型センサ150は、IPGアセンブリ52に対する植込み型センサ150の物理的結合の欠如を除いて、運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素を含む前述の植込み型センサと実質的に同一の特徴および属性の少なくとも一部を含んでおり、その代わりに、植込み型センサ150は、IPGアセンブリ52に対して無線で電気的かつ通信可能に結合されている。このことを考慮すると、インターフェースブロック66は、植込み型センサ150のための検知ポートを提供する必要はなく、または検知ポートを第2のセンサ(図示せず)に使用することができる。一部の実施形態では、IPGアセンブリ52の回路62と、植込み型センサ150の回路(図示せず)は、Bluetooth、NFC、MICS、802.11などの既知の無線プロトコルに従って、無線通信経路152を介して、無線通信経路152を実装するための対応する構成要素を含む回路62および植込み型センサ150の各々と通信する。一部の例では、同様の無線経路は、植込み型センサ150および/またはIPGアセンブリ52を少なくとも部分的に制御するために、患者の身体外のデバイスと通信するため、患者の身体内の他のデバイス(例えば、他のセンサ)と通信するため、または以下でより詳細に説明されるように、患者の身体外の他のセンサと通信するために実装される。
【0019】
植込み型センサ32がIPGアセンブリ52にどのように関連付けられているかにかかわらず、一部の実施形態では、植込み型センサ32は、3つの方向または軸に検知された力を示す情報を生成するように構成される。例えば、一部の実施形態では、植込み型センサ32は、3軸上の加速度の静的および/または動的な力を検知または測定し得る3軸加速度計である。静的な力には、一定の重力が含まれる。重力による静的加速度の量を測定することによって、加速度計センサからの情報に基づいて動作する論理またはプログラミング(例えば、ソフトウェア)は、センサが地球に対して傾斜している角度を把握することができる。動的加速度の量を感知することによって、加速度計センサからの情報に基づいて動作する論理またはプログラミングは、センサがどの方向に移動しているかを迅速に特定することができる。加速度計の単軸および多軸モデルは、ベクトル量として加速度の大きさおよび方向(または適切な加速度)を検出する。これらのおよび同様のタイプのセンサ構築物では、植込み型センサからの出力は、1、2、または3軸におけるベクトル量を含み得る。例えば、図7Aは、一部の非限定的な実施形態では、植込み型センサ32として有用な3軸加速度計の軸配向指標200を提供している。3軸加速度計の3つの軸および3つの出力は、従来よりX、Y、およびZとラベル付けされており、3つの軸X、Y、Zは互いに直交している。これらの構築物および関連する構築物を用いて、軸X、Y、Zが患者の平面または軸と略整列するように、患者の身体内に植込み型センサ32を植込むための試みがなされ得る。例えば、図7Bにおいて、患者の身体202は、前方部分208および反対側の後方部分210とともに、左側部204および反対側の右側部206を有するものとして見ることができる。患者の身体202の従来の座標系は、図7Bにおいて標識されるような前方-後方(A-P)軸および側方-内側(L-M)軸と、図7Bの図の平面内にある上方-下方(S-I)軸(垂直または頭部から趾部(head-to-toe))とを含む。植込み型センサ32がIPGアセンブリ52のハウジング60内に配置された3軸加速度計である図7Bの非限定的な実施形態では、植込み型センサ32は、ハウジング60に対して配置され、ハウジング60は、センサのX、Y、Z軸が患者の身体座標系と略整列するように、患者の体202に対して配置される。例えば、植込み型センサのZ軸をA-P軸と整列させ、X軸をL-M軸と整列させ、Y軸をS-I軸と整列させることができる。患者の姿勢(体位を含む)は、身体座標系を参照して指定することができ、その結果、センサ32からのX、Y、Z情報を用いて、センサ軸X、Y、Zが身体座標系軸と整列したときの姿勢を判定することができる。しかしながら、正確な整列は、達成することが困難であり得る。同様の懸念は、植込み型センサ32が、IPGアセンブリ52のハウジング60とは別の位置に植込みされる場合にも生じ得る。以下に説明するように、本開示の一部の方法は、植込み型センサ32からの情報に基づいて、身体座標系軸との間の位置ずれの可能性、または患者の姿勢を判定もしくは指定することに関する他の懸念に関して、植込み型センサ32から信号伝達された情報を較正することを含み得る。本開示の較正はまた、植込み後の患者の身体に対する配向を変更することにより、植込み型センサ32(または、植込み型センサ32がハウジング60内で担持される実施形態を有するIPGアセンブリ52)などの他の可能性のある懸念に対処することもできる。例えば、特定の患者および植込みの位置(例えば、高BMI患者、女性患者など)では、デバイスが植込みされるポケットは、起立姿勢と臥床姿勢との間で変化する可能性があるが、本開示の較正システムおよび方法は、これらの差異を考慮することができる。
【0020】
図1に戻ると、植込み型センサ32の形式に関係なく、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの情報に基づいて、以下に説明するような1つ以上の動作を実行するようにプログラムされる(例えば、植込み型センサ32の出力は、姿勢モジュール34への入力である)。概して言えば、一部の非限定的な例では、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32によって信号伝達される情報に少なくとも部分的に基づいて、患者の現在の姿勢(体位を含む)を検出、判定、または指定するようにプログラムされる。他の非限定的な例では、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32によって信号伝達される情報に少なくとも部分的に基づいて、患者が特定の姿勢にない(例えば、患者が仰臥位ではない)ことを検出、判定、または指定するようにプログラムされる。以下に説明されるように、本開示の一部の非限定的な実施形態は、現在の姿勢を判定または指定するための方法に関し、任意選択で、植込み型センサ32からの信号伝達された情報を較正することを含む。一部の非限定的な実施形態では、姿勢モジュール34は、システム20の制御に関連する1つ以上の動作またはルーチン(例えば、IMD30、植込み型センサ32、外部デバイス36の動作を制御することなど)を実行するようにさらにプログラムされる(またはプログラムされた別のモジュールもしくはエンジンに指定された現在の姿勢を示唆する情報を信号する)。以下に説明するように、本開示の一部の非限定的な実施形態は、判定された現在の姿勢に基づいて動作するための方法に関する。本開示の他の非限定的な例は、患者が特定の姿勢または指定された姿勢にないという判定に基づいて動作するための方法に関する。姿勢モジュール34は、さらに、判定された現在の姿勢を示唆する情報(または植込み型センサ32からの情報によって対象となり得る他の情報)を患者および/または介護者に提供するようにプログラムする(または指定された現在の姿勢を示唆する情報をプログラムされた別のモジュールもしくはエンジンに信号伝達する)ことができる。以下に説明されるように、本開示の一部の非限定的な実施形態は、患者および/または介護者に情報を生成および/または報告するための方法に関する。姿勢モジュール34(または以下に記載されるような姿勢モジュール34に類似した論理)は、特定のタスクを実行するようにプログラムされた別個のモジュールもしくはエンジンに組み込むことができる(例えば、以下に記載されるような姿勢モジュール34の論理は、療法制御エンジンの一部であり、患者に送達される刺激療法を制御するために利用され得る)。姿勢モジュール34(または以下に記載されるようなアルゴリズム)は、IMD30(例えば、回路62(図2))と部分的にまたは全体的に、外部デバイス36と部分的にまたは全体的に、または別個のデバイスまたは構成要素(例えば、クラウドなど)とともに存在することができる。
【0021】
姿勢判定
上記によって示唆されるように、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの情報に基づいて患者の現在の姿勢を検出、判定または指定するようにプログラムまたは設計(例えば、適切なアルゴリズム)される。少なくともこの文脈では、「姿勢」という用語は、患者が、仰臥位、伏臥位、左側体位(例えば、左側臥位)、右側体位(例えば、右側臥位)などのような、略垂直体位にあるか、または臥床体位にあるかを識別することを少なくとも指し得る。一部の事例では、「姿勢」という用語は、「体位」と称されることがある。
【0022】
一部の例では、姿勢モジュール34は、加速度計センサの複数の軸の各軸に対するローパスフィルタリングを介して、加速度計型の植込み型センサからの非姿勢成分を排除する。一部の例では、姿勢は、フィルタリングされた軸から重力ベクトルを検出することを介して少なくとも部分的に判定される。
【0023】
一部の例では、姿勢モジュール34によって実装される1つの潜在的な姿勢分類プロトコルは、患者が活動しているか静止しているかを判定することを含む。一部の例では、加速度型の植込み型センサを介して測定される加速度のベクトルの大きさが閾値を満たすか、または超える場合(任意選択で一定期間)、測定値は、非睡眠活動を示す非重力成分の存在を示し得る。一部の例では、閾値は、約1.15Gである。逆に、約1Gの加速度の測定(重力成分の存在のみに対応する)は、静止を示し得る。
【0024】
一部の例では、姿勢モジュール34によって実装される1つの潜在的な姿勢分類プロトコルは、患者の少なくとも上半身部分(例えば、胴体、頭部/頸部)が略垂直体位(例えば、直立の体位)にあるか臥床しているかを判定することを含む。一部の例では、略垂直体位は、起立していることまたは着座していることを含んでもよい。一部の例では、この判定により、Y軸と重力ベクトルとの間の加速度計ベースの植込み型センサの角度を観測してもよく、これは、y方向余弦と称されることがある。一部の例では、かかる角度が40度未満である場合、測定は、患者が略垂直体位にあり、したがって、眠っていない可能性が高いことを示唆している。
【0025】
一部の例では、測定された角度(例えば、y方向余弦)が40度を超える場合、測定された角度は、患者が臥床していることを示す。この場合、姿勢モジュール34によって実装される1つの例示的な姿勢分類プロトコルは、患者が仰臥位、伏臥位、または側臥位にあるかどうかなどのサブ姿勢を分類することを含む。一部の非限定的な例では、臥床している可能性の高い体位を確認した後、姿勢分類プロトコルは、患者が仰臥位または伏臥位にあるかどうかを判定する。一部の例では、仰臥位状態の判定は、z方向余弦の絶対値(Z軸(患者の身体のA-P軸を表すように較正された)と重力ベクトルとの間の加速度計型の植込み型センサの角度)が45度以下の場合に行われ、z方向余弦の絶対値が135度以上である場合に伏臥位状態の判定が行われる。これらの基準のどちらも満たされていない場合、患者は、左側または右側(例えば、側臥位)に臥床している可能性がある。したがって、一部の非限定的な例では、姿勢分類プロトコルは、ピッチ角度を介してさらなる分類を実行し、ピッチ角度がマイナス45度以下またはマイナス135度以上である場合、患者が右側に臥床していると指定され、ピッチ角度が45度以上またはピッチ角度が135度以下である場合、患者は左側に臥床していると指定される。一部の例では、同様の判定は、方向余弦を用いて行うことができる。
【0026】
上記の説明は、姿勢モジュール34によって実装される一部の姿勢判定または指定プロトコルの一部の非限定的な例を提供する。複数の他の姿勢判定または指定技術もまた、本開示において想定されており、植込み型センサ32の形式および/または1つ以上の追加のセンサによって提供される他の情報の機能であり得る。
【0027】
一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、仰臥睡眠体位と略仰臥寄掛体位とを区別するようにプログラムされる。参考として、略仰臥寄掛体位は、患者がリクライニングベッドの上にいる状態、調節可能なタイプのベッドの上にいる状態、ソファなどに臥床し、眠ろうとしない状態(例えば、テレビを見ている)およびベッドで眠っている状態であり得る。仰臥睡眠体位にある患者の頭部と胴体との間の絶対垂直距離は、略仰臥寄掛体位にある患者の頭部と胴体との間の絶対垂直距離よりも小さい。代替的に、または加えて、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、(例えば、臥床間の患者の回転体位の判定の一部として)患者の頸部および/もしくは頭部ならびに/または身体の位置を考慮するか、または特徴付けるようにプログラムされる。例えば、姿勢モジュール34は、身体の位置に基づいて患者の頸部の位置を推定するようにプログラムすることができる。患者の胴体がわずかにオフセットされているという判定は、頭部の位置が異なることを意味し得る。一部の非限定的な実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、患者の頸部に植込まれたマイクロ刺激装置を備えたセンサからの情報、または刺激リードに組み込まれたセンサと併せて、患者の頸部および/または頭部の位置を考慮するか、または特徴付けることができる。他の例では、それぞれが患者の身体の異なる領域(例えば、胴体、頭部、頸部)に植込まれ、患者の頸部および/もしくは頭部ならびに/または身体の位置を推定するのに十分な情報を姿勢モジュール34に提供する、2つ(またはそれ以上)の位置型センサ(例えば、加速度計)を提供することができる。
【0028】
上記に加えて、またはその代替として、一部の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、上記に記載される4つの「主要」な臥床体位(すなわち、仰臥位、伏臥位、左側臥位、および右側臥位)に加えて、臥床体位を判定または指定するようにプログラムされた姿勢モジュール34を含み得る。例えば、そして図8をさらに参照すると、臥床位は、仰臥位220、伏臥位222、左側臥位224、右側臥位226、左仰臥位228、左伏臥位230、右仰臥位232、および右伏臥位234を含むものとして分類または特徴付けることができる。姿勢モジュール34は、例えば、植込み型センサ32が3軸加速度計である場合に、種々の方法で図8の臥床体位を識別するように構成またはプログラムすることができ、姿勢モジュール34は、患者が臥床しているという判定が行われると、植込み型センサ32から受信した情報に15度の半径方向オフセットを実装するようにプログラムすることができる。複数の他の技術を用いることができ、姿勢モジュール34によって分類され得る臥床体位の数は、図8によって示される情報に決して限定されない。
【0029】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、時間分析または確率に基づくアプローチを利用して患者の現在の姿勢もしくは体位を判定または指定するようにプログラムされた姿勢モジュール34を含み得る。例えば、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの情報の時間平均に基づいて、現在の姿勢もしくは体位を指定するようにプログラムすることができ(例えば、時間平均アルゴリズム)、それにより、特に患者が眠っている場合に、例えば、腕の動き、脚の動き、痙動などによる、植込み型センサ32からの情報における小さなアーチファクトの影響を最小限に抑えることができる。例として、患者が臥床して仰臥位で眠っていることを判定または指定するための1つのアプローチには、植込み型センサ32からのベクトル情報(例えば、患者の頭部から趾部方向のベクトル情報)と、重力もしくは垂直基準ベクトルまたは頭部から趾部(以下により詳細に説明する)との内積をレビューすることが含まれ得る。患者が臥床して仰臥位で眠っている場合、この内積は略ゼロになる。患者の外肢が睡眠中にランダムに痙動した場合、重力または垂直基準ベクトルを有する植込み型センサ32からの対応するベクトル情報の内積は、患者はまだ臥床して仰臥位で眠っているにも関わらず、もはや略ゼロにならない場合がある。時間平均化または他の確率的アプローチを利用することにより、姿勢モジュール34は、患者が自身の外肢を痙動したときに植込み型センサ32によって生成された情報に応答して患者の「新しい」姿勢もしくは体位を指定することはなくなる。ただし、一部の実施形態では、時間的分析または確率的アプローチは、患者が睡眠中に小さな動きをすることと、患者が起床時にベッドから起き上がることとを区別することができる。関連する実施形態では、運動アーチファクトは、短時間にわたって植込み型センサ32からのベクトル情報の全体的な大きさを考慮することによってフィルタリングされ得る。例えば、患者が臥床して眠っている場合、植込み型センサ32からのベクトル情報の全体的な大きさは、略1gであり、患者が睡眠中に外肢を痙動する場合、この全体的な大きさは一時的に上昇する。これらのような運動アーチファクトは、所定の期間(例えば、数秒)未満の全体的な大きさの一時的なスパイクを無視することによってフィルタリングすることができる。他の実施形態では、ローパスフィルタを植込み型センサ信号に適用して、同様の結果を達成することができる。
【0030】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、他の確率に基づくアプローチを利用して患者の現在の姿勢もしくは体位を判定または指定するようにプログラムされた姿勢モジュール34を含み得る。例えば、システムおよび方法は、患者が特定の姿勢にある確率が特定の閾値を超えるときにアクションを実行するように、プログラムまたはアルゴリズムを操作することができる。検出によってトリガーされる機能に応じて、低い閾値または高い閾値が適切であり得る。同様に、本開示のシステムおよび方法は、任意選択で、患者が特定の姿勢にある確率が特定の閾値を下回るときにアクションをとることを含む。さらに他の例では、本開示のシステムおよび方法は、植込み型センサ32からの情報に基づいて、患者が特定の姿勢にない(例えば、システムは、植込み型センサ32からの情報が姿勢モジュール34によって患者が仰臥位ではないことを示唆するように指定されたときにアクションをとるようにプログラムされている)こと、または患者が特定の姿勢にない確率が閾値を超えていることを判定することを含む。非限定的な例として、本開示の確率に基づくアプローチまたは技術の一部は、患者が特定の姿勢にない可能性と患者が特定の姿勢にある可能性とを相関させることを含み得る。例えば、「特定の姿勢」が仰臥位である場合、患者が仰臥位でない確率(「not_probability_supine」)と患者が仰臥位である確率(「probability_supine」)との関係は、以下のように相関し得る。
not_probability_supine=1-probability_supine
実際には、「not_probability_supine」および「probability_supine」を求める際に異なる誤差源が存在し得る。例えば、異なるセンサまたはアルゴリズムがそれぞれの決定に使用される場合、上記の式は成り立たないため、これらの2つの確率は異なる。これは、各々が異なる誤差源を有する複数の姿勢指示の確率にまで及ぶ。例えば、アルゴリズムにバイアスを追加して、「not_probability_supine」における1つの誤差源に対する感度を低減することを対象とする場合、「1-probability_supine」のために利用される閾値とは異なってもよい。
【0031】
追加的または代替的に、本開示のシステムおよび方法には、患者の身体内の植込み型センサ32の位置(そこから姿勢判定を行うことができる位置)が不明である可能性および/または経時的に変化した可能性(例えば、上述したような姿勢の変化に伴う植込みポケットの変化に起因する移動、一時的な方向転換の可能性)を補償し、考慮し、または対処するように較正することが含まれ得る。一部の例では、姿勢モジュール34は、患者が歩行していると判定されたときなど、かかる較正を実行するようにプログラム(例えば、アルゴリズム)することができる。なぜなら、かかる挙動は、(例えば、任意選択で植込み型センサ32として使用される加速度計の)下向きを示す重力ベクトルと一致するからである。一部の例では、姿勢モジュール34は、例えば、植込み型センサ/加速度計32の配向の少なくとも2つの既知の患者の配向における重力ベクトルを測定することにより、較正を実行するようにプログラムされ得る。一部の実施形態では、植込み型センサ32の出力が、患者の身体座標系の観点から患者の姿勢を検出するために使用され、植込み型センサ32の配向が、植込み型センサ軸が身体軸と整列しないようになっている場合、この位置ずれを修正または考慮するために、植込み型センサ32によって提供される情報に較正を適用することができる。
【0032】
一部の実施形態では、姿勢モジュール34によって実行される較正は、垂直基線重力ベクトルを確立または作成することを含み得る。例えば、垂直基線重力ベクトルは、姿勢モジュール34によって、患者が直立している可能性が高いとみなされる時間中に決定され得(例えば、植込み型センサからの情報、他のセンサからの情報、時刻、患者の履歴などの種々の情報に基づいて、患者が直立している可能性および/または患者が直立している可能性が高い活動(例えば、歩行)に従事している可能性または確率が決定され得る)、かつより高い活動の期間中の時間平均値として決定され得る。確立されると、垂直基線重力ベクトルは、姿勢モジュール34によって利用されて、その後に植込み型センサ32から受信された情報を較正することができる。垂直基線重力ベクトルは、周期的に(例えば、所定の間隔で)決定/再設定することができる。
【0033】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、水平基線重力平面(代替的に、水平基線ベクトルまたは(患者の解剖学的構造に対する)「頭部から趾部までの」ベクトル)を確立または作成することを含み得る。参考として、「垂直重力ベクトル」は、地球に対する重力方向と真に整列したベクトルとみなすことができる。「水平重力平面」は、垂直重力ベクトルに真に直交する平面とみなすことができ、水平重力ベクトル(頭部から趾部までのベクトルなど)は、水平重力平面にのみ存在するベクトルとみなすことができる。このことを考慮すると、一部の実施形態では、水平基線重力平面は、姿勢モジュール34によって、患者が臥床している可能性が高いとみなされる時間中に決定され得(例えば、植込み型センサ32からの情報、他のセンサからの情報、時刻、患者の履歴などの種々の情報に基づいて、患者が臥床している可能性、および/または患者が臥床している可能性が高い低活動(例えば、睡眠中)に従事している可能性または確率が決定され得る)、かつより低い活動の期間中の時間平均値として決定され得る。確立されると、水平基線重力平面は、姿勢モジュール34によって利用されて、その後に植込み型センサ32から受信された情報を較正することができる。水平基線重力平面は、周期的に(例えば、所定の間隔で)決定/再設定することができる。一部の実施形態では、水平基線重力平面は、回転からのアーチファクト(例えば、患者が臥床しており、背中、腹部、側部などから体位を変える)を低減または排除するように、低活動期間中に得られた種々のベクトルの外積によって決定することができる。患者が臥床していると考えられるときに植込み型センサ32から得られる2つのベクトルの外積は、垂直基線重力ベクトルと略等しいはずである。これが真でない状況下では、考慮中のベクトルの一方または両方は、臥床体位にある患者を示さず、したがって、水平基線重力平面を決定または指定する際にあまり有用でない(または水平基線重力ベクトルとして使用される)と仮定することができる。
【0034】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正には、上記で説明されるような(かつ姿勢の特徴付けまたは判定プロセスの一部として植込み型センサ32からの情報を較正するために有用な)垂直基線重力ベクトルおよび水平基線重力平面(または別様に水平基線重力平面内の水平基線重力ベクトル)を確立または作成することと、そのように取得された較正値の有用度を確認することとが含まれ得る。例えば、指定された垂直基線重力ベクトルと、水平基線重力平面の指定されたベクトルとの内積が生成され、閾値と比較される。この比較から、指定された垂直基線重力ベクトルと指定された水平基線重力平面(または指定された水平基線重力ベクトル)の一方または両方の有用度が生成される。例えば、内積がゼロに近い場合、指定された垂直基線重力ベクトルおよび指定された水平基線重力ベクトル(または平面)の一方または両方が検証され、植込み型センサ32からの情報を較正するために使用され得る。
【0035】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、植込み型センサ32からの情報を較正するために有用な、所定の垂直基線重力ベクトルおよび1つ以上の所定の水平基線重力ベクトル(例えば、伏臥位、仰臥位、左側臥位、右側臥位を示す)を受信することを含み得る。所定の基線重力ベクトルは、植込み処置中に入力することができ(例えば、手術室で外部デバイス36を使用して臨床医によって入力される)、プログラミング予約の一部として(例えば、植込み後、患者は各対象姿勢もしくは体位を模倣し、姿勢モジュール34は、(例えば、外部デバイス36を介して)植込み型センサ32からの対応するベクトル情報を所定の基線重力ベクトルとして示すように促される)入力することができ、患者によって実行される在宅較正手順の一部として(例えば、外部デバイス36は、ソフトウェアアプリケーションを操作するスマートフォンなどである)入力することができる。一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、そのように生成された所定の基線重力ベクトルの有用度を確認するようにプログラムされる。例えば、所定の基線重力ベクトルのそれぞれのペアの内積および/または外積を取得して、誤差チェックを行い、全ての所定の基線重力ベクトルが略垂直である(すなわち、真に垂直な関係の5%以内である)ことを確認することができる。任意の所定の基線重力ベクトル(複数可)が略垂直でないことが判明した場合、所定の基線重力ベクトル(複数可)は、較正係数としての有用度、または実行可能な所定の基線重力ベクトル(複数可)を得るために取られる他のステップの可能性についてさらにレビューすることができる。逆に、誤差チェックにより所定の基線重力ベクトルの実行可能性を確認する場合、次いで、所定の基線重力ベクトルを使用して、植込み型センサ32からの情報を較正することができる。さらに他の実施形態では、姿勢モジュール34は、ベクトルが基準ベクトルと比較され、差異があるように見える場合、所定の基線重力ベクトル入力手順を再実施するための通知を患者および/または臨床医に提供することができるようにプログラムすることができる。
【0036】
加えて、または代替として、姿勢モジュール34によって実行される較正には、植込み型センサ32および/もしくは患者に関連付けられた他の適切なセンサ構成要素によって提供されるか、またはそれに由来する呼吸波形および/もしくは心臓波形の極性情報に基づいて、患者の身体内の植込み型センサ32の配向を判定することが含まれ得る。一態様では、運動信号は、呼吸信号よりも有意に大きな振幅を有しているため、運動信号は、呼吸波形から抽出されるか、または別様で排除される。一部の例では、この抽出は、加速度計センサにおけるZ軸の信号電力よりも著しく大きい信号電力を有する加速度計センサのX軸またはY軸に関連付けられた運動の認識を介して実装されてもよく、例えば、加速度計センサは、一部の例では、そのZ軸が患者の身体の前後軸に概ね平行になるように植込まれる。患者の呼吸信号が特定の軸で最大である場合(X、Y、Zのいずれかと必ずしも整列していない場合)、呼吸が最大である軸と整列していない信号をフィルタリングすることによって、運動アーチファクトを排除することができる。一態様では、加速度計センサを介して検知される運動信号は、構成可能な閾値を超える高周波数成分に従って、加速度計を介して検知される呼吸信号から区別され得る。呼吸波形および/または心臓波形の極性情報をレビューして、例えば、患者が眠っている(したがって臥床している)可能性を判定し、かつ/または患者がより高い活動に従事している(したがって直立している)可能性を判定することができる。患者が現在臥床している可能性が高く、かつ/または直立している可能性が高いと判定されると、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの現在の情報をレビューするようにプログラムすることができ、現在の情報が判定された可能性の高い体位と整合していない(例えば、患者が臥床している可能性が高く、植込み型センサ32からの現在の情報(例えば、ベクトル情報)が、患者が臥床していることを直接的に示唆していないと判定される)場合、姿勢モジュール34は、現在の情報と予期される情報との間の差に基づいて、植込み型センサ32からの情報に適用されるように、較正係数を決定することができる。
【0037】
加えて、代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、覚醒時に植込み型センサ32からの情報の予期される変化を判定することを含み得る。植込み型センサ32および/または患者に関連付けられた1つ以上の追加のセンサからの情報(現在および/または追跡された/履歴情報)に基づいて、患者が眠っている(したがって臥床している)可能性が高い場合、および患者が睡眠から覚醒して直立姿勢に変化している可能性が高い場合(例えば、患者が夜間睡眠の後の朝にベッドから起きる)が判定され得る。患者が睡眠から覚醒したときに現在姿勢を変化させている可能性が高いと判定されると、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの現在の情報をレビューするようにプログラムすることができ、現在の情報が判定された可能性の高い体位と整列していない(例えば、患者が現在直立している可能性が高く、植込み型センサ32からの現在の情報(例えば、ベクトル情報)が患者が直立していることを直接的には示唆しないと判定される)場合、姿勢モジュール34は、現在の情報と予期される情報との間の差に基づいて、植込み型センサ32からの情報に適用されるように、較正係数を決定することができる。
【0038】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、患者が眠っている可能性が高い(したがって臥床している可能性が高い)場合に、植込み型センサ32からの現在の情報をレビューすることを含み得る。例えば、姿勢モジュール34は、内部クロックを組み込むか、または内部クロックから情報を受信することができる。内部クロックからの情報を参照すると、姿勢モジュール34は、患者が1日の特定の時間(例えば、午後9時~午前7時など)中に臥床している可能性が高いことを指定するようにプログラムすることができる。「臥床している可能性が高い」時間枠は、姿勢モジュール34に事前にプログラムされ得、かつ/または(追跡された/履歴情報に基づいて)経時的に学習され得る。患者が現在臥床している可能性が高いと判定されると、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの現在の情報をレビューするようにプログラムすることができ、現在の情報が判定された可能性の高い体位と整合していない(例えば、患者が現在臥床している可能性が高く、植込み型センサ32からの現在の情報(例えば、ベクトル情報)が、患者が臥床していることを直接的に示唆していないと判定される)場合、姿勢モジュール34は、現在の情報と予期される情報との間の差に基づいて、植込み型センサ32からの情報に適用されるように、較正係数を決定することができる。
【0039】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、植込み後の患者較正プログラムによって生成された情報を参照することを含み得る。患者較正プログラムは、外部デバイス36によって操作されるソフトウェアアプリケーションの一部として実装することができ(例えば、外部デバイス36は、患者較正を実現するようにプログラムされたソフトウェアアプリケーション、患者較正ルーチン、リモートコントロールなどを操作するカスタム外部プログラマを操作するスマートフォンなどであり得る)、患者が種々の対象姿勢もしくは体位をとるように患者に促される較正シーケンスを通して患者を歩行させ、患者が特定の姿勢もしくは体位にある間、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの現在の情報をその特定の姿勢もしくは体位に対応するものとして示すように促される。この較正シーケンスの結果を使用して、植込み型センサ32によって後に提供される情報を較正し、調整し、または修正し、かつ/または患者に対する植込み型センサ32の異なる配向の姿勢モジュール34を「教示する」ことができる。一部の実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、患者に垂直体位をとるように促し、患者が所定の垂直基線重力ベクトルを確立するために垂直体位にあることを示す指示を受信するようにプログラムされる。代替的に、または加えて、ソフトウェアアプリケーションは、患者に水平仰臥位をとるように促し、患者が所定の水平仰臥位基線重力ベクトルを確立するために水平仰臥位にあることを示す指示を受信するようにプログラムされる。他の基線ベクトルは、確立された所定の水平仰臥位基線重力ベクトル(例えば、所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、所定の水平右側臥位基線重力ベクトルなど)から決定することができる。さらに他の実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、特許に、垂直体位、水平伏臥位、水平左側臥位、および水平右側臥位のうちの1つ以上をとるように促すようにプログラムされ得、所定の垂直基線重力ベクトル、所定の水平伏臥位基線重力ベクトル、所定の水平左側臥位基線重力ベクトル、および所定の水平右側臥位基線重力ベクトルを確立するために、患者から対応する指示を受信する。
【0040】
加えて、または代替的に、姿勢モジュール34によって実行される較正は、臨床医が、患者が手術室にいる間(例えば、植込み手順の間)、少なくとも1つの患者の体位を姿勢モジュール34にプログラムすることを含み得る。例えば、臨床医は、患者が現在臥床している姿勢モジュール34をプログラムすることができる。患者が現在臥床している(または何らかの他の姿勢もしくは体位)という情報があると、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32からの現在の情報をレビューするようにプログラムすることができ、現在の情報が臥床体位と整合していない(例えば、植込み型センサ32からの現在の情報(例えば、ベクトル情報)は、患者が臥床していることを直接的に示唆していない)場合、姿勢モジュール34は、現在の情報と予期される情報との間の差に基づいて、植込み型センサ32からの情報に適用されるように、較正係数を決定することができる。
【0041】
動作の制御
上述したように、一部の非限定的な実施形態では、姿勢モジュール34は、判定された姿勢または指定された姿勢に基づいてシステム20の1つ以上の動作の特徴を制御するようにプログラムされる(または、姿勢モジュール34によって判定または指定された姿勢に基づいて動作の特徴を制御するようにプログラムされた別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。
【0042】
例えば、姿勢モジュール34は、判定された現在の姿勢に基づいて、IMD30の特定の動作モードを選択または実装するようにプログラムされ得る(またはプログラムされた別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。IMD30の「動作モード」は、刺激パラメータ、検知パラメータ、タイミングパラメータ、および診断パラメータのうちの1つ以上を含み得る。例えば、姿勢モジュール34(またはシステム20に設けられ、姿勢モジュール34から姿勢情報を受信する別のモジュールもしくはエンジン)は、患者の異なる睡眠体位に適した種々の所定の刺激治療設定またはモードでプログラムすることができる(例えば、1つの睡眠体位(仰臥位、伏臥位、左側臥位、右側臥位など)に対する刺激治療設定またはモードは、別の睡眠体位のものとは異なり得る)。姿勢モジュール34が、患者が特定の体位にあると判定した場合、IMD30は、対応する刺激療法の設定またはモードを実装するように操作される。これらおよび関連する実施形態では、姿勢モジュール34(またはシステム20とともに提供され、姿勢モジュール34から姿勢情報を受信する別のモジュールもしくはエンジン)は、判定された患者の姿勢の変化に応答して、刺激療法設定間でIMD30の動作を自動的に切り替えるようにプログラムすることができる。さらに他の任意の実施形態では、姿勢モジュール34は、IMD30から療法の送達を開始(または中断)するための閾値パラメータとして、植込み型センサ32によって提供されるベクトル情報から内積値を決定するようにプログラムされる。さらに他の任意の実施形態では、姿勢モジュール34が患者が特定の姿勢もしくは体位にないと判定した場合、IMD30は、指定されたモードまたは刺激療法設定を実装するように動作する。これらおよび関連する実施形態では、姿勢モジュール34(またはシステム20とともに提供され、姿勢モジュール34から姿勢情報を受信する別のモジュールもしくはエンジン)は、患者が特定の姿勢にないという判定に応答して、刺激療法設定間でIMD30の動作を自動的に切り替えるようにプログラムすることができる。さらに他の任意の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、特定の順序で種々の姿勢をとる患者を監視し、次いで、姿勢の順序が発生したことが判明したときに指定された機能をトリガーすることを含む。本開示に記載されている動作の制御のいずれかの例では、特定の制御特徴は、患者が特定の姿勢にあることを判定または推定した場合、または患者が特定の姿勢にないことを判定または推定した場合に実装され得る。
【0043】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、判定された姿勢および任意選択的に他の要因に基づいて、IMD30によって患者に送達される特定の治療への変更をもたらすようにプログラムされ得(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)、これは、自動滴定に類似している。これらおよび関連する実施形態では、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、例えば、患者が異なる段階の睡眠に入っていることを識別した際、例えば、特定の刺激療法モードの1つ以上のパラメータを自動的に増加または減少させることができる。一部の例では、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、姿勢ベースの自動振幅調整を実現するアルゴリズム(複数可)またはプログラミングを組み込んでおり、治療振幅と判定された姿勢との間に比較的一貫した相関関係を提供する。
【0044】
参考として、睡眠の段階は、典型的には、非急速眼球運動(非REM)および急速眼球運動(REM)に分けられる。非REM睡眠にはN1、N2、およびN3の3つの段階がある。N1は眠った直後に発生し、典型的には「浅い睡眠」として特徴付けられる。睡眠中、人は通常、非REM睡眠の3つの段階を経て、REM睡眠または段階に入る。閉塞性睡眠時無呼吸は、REMよりもN1において優勢でない場合がある。
【0045】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、患者が植込み型センサ32の情報から導出されるように、浅い睡眠状態(例えば、N1)にある可能性が高い状況下で、IMD30によって患者に送達される特定の療法に変更をもたらすようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34は、患者が睡眠中であるか、または睡眠を試みている可能性が高い場合を識別し、患者が睡眠中であるか、または睡眠を試みているとみなされる間の患者の姿勢もしくは体位の変化を追跡するようにプログラムすることができる。システム20が、患者が眠っているときに療法を患者に送達するようにプログラムされている状況では、姿勢モジュール34(または、姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、患者が、睡眠中に体位を変更している可能性が高いと判定された場合に、現在送達されている療法を変更するようにさらにプログラムされ得る。例えば、患者が所定の期間(例えば、5分、15分、30分など)にわたって体位を変更したか、または体位を2回以上変更したと判定された場合、患者は、浅い睡眠状態にある可能性が高く、刺激療法が所定のレベルで引き続き送達された場合、この刺激により、患者がより深い睡眠状態に入ることがより困難になる可能性がある。これらおよび他の例では、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、IMD30に、患者に送達されている刺激療法を休止するように、かつ/または患者に送達されている刺激療法の強度をランプダウンさせるように促すようにプログラムすることができる。「休止」は、一部の実施形態では、刺激療法が送達されなくなるまでの急速なランプダウンとみなすことができる。休止またはランプダウンは、所定の期間または一部の他のパラメータ(例えば、呼吸サイクル、不変の睡眠姿勢の判定)に影響を及ぼし得、IMD30は、患者に送達される刺激療法を再開またはランプアップするように促される。
【0046】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32の情報から導出されるように、患者が一時的に睡眠状態から抜け出る可能性が高い状況下で、IMD30によって患者に送達される特定の療法に変更をもたらすようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34は、患者が睡眠中であるか、または睡眠を試みている可能性が高い場合を識別し、患者が睡眠中であるか、または睡眠を試みているとみなされる間の患者の姿勢もしくは体位の変化を追跡するようにプログラムすることができる。システム20が、患者が眠っているときに療法を患者に送達するようにプログラムされている状況では、姿勢モジュール34(または、姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、患者が、睡眠の状態を一時的に終了する可能性が高いと判定された場合に、現在送達されている療法を変更するようにさらにプログラムすることができる。例えば、患者が通常眠っている時間帯には、患者が覚醒し、トイレに移動したり、水を飲んだりする場合があり、睡眠からの一時的な離脱中に刺激療法が所定のレベルで送達され続けた場合、この刺激は患者にとって望ましくない可能性がある。したがって、患者が眠っていると予期される期間中に、患者が姿勢の実質的な変化を有すると判定される一部の実施形態では、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、IMD30に、患者に送達されている刺激療法を休止するように、かつ/または患者に送達されている刺激療法の強度をランプダウンさせるように促すようにプログラムすることができる。関連する実施形態では、休止またはランプダウンは、所定の期間にわたって行われてもよく、IMD30は、患者に送達された刺激療法を再開またはランプアップするように促されてもよく、代替的に、または加えて、刺激療法の送達は、患者が臥床体位に戻ったと判定すると、所定の期間の満了後、所定の期間の満了後自動的に、かつ患者が移動していないという判定(例えば、「自動延長」の休止)に続いて、再開またはランプアップされ得る。
【0047】
姿勢モジュール34が所定の期間にわたって送達された療法における自動休止またはランプダウンをもたらすように動作する上記の任意の実施形態では、姿勢モジュール34は、さらに、患者が睡眠姿勢にない、移動しているなどと判定される状況下で、所定の期間の終了時に休止またはランプダウン延長を組み込むか、または実装するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。他の任意の実施形態では、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、自動開始時間機能に結合された自動休止機能を提供するようにプログラムされる。例えば、システム20は、所定の時刻(例えば、午後10時30分)に療法の送達を開始するようにプログラムされ得るが、刺激療法が送達される所定の時刻の後に、この自動的な開始時間は、患者が眠っているか、または眠っている可能性が高いと推定または判定される(例えば、姿勢モジュール34を介した植込み型センサ32からの情報)まで、自動的に休止される。
【0048】
追加的に、または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、植込み型センサ32の情報から導出されるように、患者が睡眠の質が悪い(したがって睡眠呼吸障害を経験する可能性が高い)体位にある状況下で警告型の動作またはルーチンを実行するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34は、患者が睡眠中であるか、または睡眠を試みている可能性が高い場合、および患者が植込み型センサ32からの情報に基づいて特定の姿勢もしくは体位(例えば、仰臥位)にあると判定される場合を識別するようにプログラムされてもよく、姿勢モジュール34(または、システム20に提供され、姿勢モジュール34と通信する別のモジュールもしくはエンジン)は、患者に方向転換を引き起こすか、または促すように意図した、患者への不便な出力が送達されるようにプログラムされる。例えば、IMD30は、現在送達されている刺激療法のレベルを上げるように促されてもよく、急速なマルチパルス刺激を送達するように促されてもよい。代替的に、または加えて、IPGアセンブリ52は、振動するように促されてもよい。代替的に、または加えて、音声警告は、IPGアセンブリ52および外部デバイス36の一方または両方で生成され得る。
【0049】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、患者が睡眠の状態に入ったか、または入った可能性が高いと判定した際、送達刺激療法の開始、再開、またはランプアップ(例えば、強度の増加)のうちの1つ以上にプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34は、経時的に患者の複数の現在の姿勢を推定または判定することができる。記憶されたアルゴリズムまたは他の所定のパラメータに基づいて、複数の姿勢が患者が睡眠状態に入ったことを示唆した場合、姿勢モジュール34は、IPGアセンブリ52に刺激療法の送達を開始するように促す。姿勢モジュール34が、(例えば、患者が覚醒しているか、または浅い睡眠状態にあるという判定に応答して)送達された刺激療法における「自動休止」に影響を及ぼすようにプログラムされる関連する実施形態では、姿勢モジュール34は、患者が姿勢情報に少なくとも部分的に基づいて睡眠状態に入ったか、またはその可能性が高いと判定した際に、刺激療法の再開を促すようにプログラムされる。システム20が、(例えば、患者が覚醒しているか、または浅い睡眠状態にあるという判定に応答して)1つ以上の状況下で現在送達されている刺激療法をランプダウンするようにプログラムされている他の関連する実施形態では、姿勢モジュール34は、少なくとも部分的に、姿勢情報に基づいて、患者が深いまたはより深い睡眠状態に入ったと判定した際に、刺激療法のランプアップを促すようにプログラムされる。
【0050】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、少なくとも部分的には、植込み型センサ32の情報から導出されるように、時間の経過とともに患者の学習または検出された傾向(例えば、睡眠傾向)に基づいて、治療プロトコルもしくはモード、または他の治療パラメータに変更をもたらすようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34(または姿勢モジュール34と通信するシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、患者が眠っている可能性が高いとみなされる時間中に姿勢(または他の情報)を追跡または記録するようにプログラムすることができ、追跡された情報は、例えば、時刻、曜日などを含み得る。この情報から、姿勢モジュール34は、時間(例えば、1日以上、1週間以上、または1ヶ月以上)の経過とともに、患者の睡眠の傾向、例えば、患者が通常睡眠する期間を決定することができる。姿勢モジュール34によって決定される学習済みの睡眠傾向は、さらに、曜日または連続した曜日(例えば、週末の睡眠傾向および平日の睡眠傾向)によって分割され得る。姿勢モジュール34(またはシステム20の別のモジュールもしくはエンジン)は、IMD30の動作を促す(例えば、刺激療法などの療法の送達を開始または終了する)ために、学習された睡眠傾向情報を用いて、患者の現在の指定された姿勢とともに、現在の時刻、現在の曜日、または他の睡眠傾向パラメータをレビューするようにさらにプログラムすることができる。例えば、現在の時刻および判定された現在の姿勢をデータペアとして記録することができ、過去に記録された睡眠傾向情報と比較して、現在の時刻および現在の姿勢から、患者が睡眠の状態に入っているか、または睡眠の状態から抜け出ている可能性が高いことを示唆しているかどうかを判定することができる。この比較に基づいて、IMD30は、療法の送達を開始(患者が睡眠状態に入る可能性が高い場合)するか、または療法の送達を終了(患者が睡眠状態から抜け出る可能性が高い場合)するように促され得る。代替的に、または加えて、現在の曜日、現在の時刻、および現在の姿勢は、データセットとして記録することができ、過去に記録された睡眠傾向情報と比較して、現在の時刻、現在の曜日、および現在の姿勢から、患者が睡眠の状態に入っているか、または睡眠の状態から抜け出ている可能性が高いことを示唆しているどうかを判定する。この比較に基づいて、IMD30は、治療の送達を開始(患者が睡眠状態に入る可能性が高い場合)するか、または治療の送達を終了(患者が睡眠状態から抜け出る可能性が高い場合)するように促され得る。
【0051】
追加的または代替的に、一部の実施形態では、姿勢モジュール34は、少なくとも部分的には、植込み型センサ32の情報から導出されるように、患者が覚醒している期間中の患者のコンテキスト情報を決定するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、活動レベル、骨盤底圧力などのコンテキスト情報は、姿勢関連情報のみに基づいて、または追加の非姿勢情報と組み合わせて決定または推定することができる。
【0052】
診断データ
上述したように、一部の非限定的な実施形態では、姿勢モジュール34は、例えば外部デバイス36を介して、植込み型センサ32からの情報によって示唆される判定された現在の姿勢または他の情報に関連する情報を患者および/または介護者に提供するようにプログラムされる。参考として、IMD30は、種々の外部デバイスと(例えば、テレメトリを介して)インターフェースを有するように構成され得る。例えば、外部デバイス36には、患者リモート部、医師リモート部、臨床医ポータル部、携帯デバイス、携帯電話、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットパーソナルコンピュータなどを含み得るが、これらに限定されない。外部デバイス36は、IMD30が植込みされる患者によって保持および操作されるスマートフォンまたは他のタイプのハンドヘルド(またはウェアラブル)デバイスが含まれ得る。別の例では、外部デバイス36には、患者のための医療専門家によって操作されるパーソナルコンピュータなどが含まれ得る。外部デバイス36には、患者の自宅または介護者のオフィスに留まるように設計されたコンピューティングデバイスが含まれ得る。
【0053】
上記を考慮すると、姿勢モジュール34は、ツイドラー症候群の発生を示す情報を植込み型センサ32から識別するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。「ツイドラー症候群」とは、皮膚ポケット内のIPGアセンブリ52の患者の意図的または無意識の回転または他の操作を指しており、これは、IMD30の誤動作につながる可能性がある。例えば、姿勢モジュール34の論理(例えば、アルゴリズム)は、例えば、指定された時刻に、植込み型センサ32からの情報の実質的な変化を認識することができる。非限定的な例として、時刻は、患者が臥床体位または姿勢にある可能性が高いとき(例えば、午前1時)として指定することができ、ここで、植込み型センサ32からの情報が、指定された時刻の前日(または指定された時刻の連続する数日間にわたって)に特定のベクトル方向を有し、指定された時刻の現在の日に実質的に異なるベクトル方向(例えば、略反対のベクトル方向)を有していることが分かった場合、植込み型センサ32は、反転した可能性があるとみなされ得る。植込み型センサ32がIPGアセンブリ52のハウジング内に担持される場合、この同じ情報は、IPGアセンブリ52が反転した可能性を示唆しているとみなすことができる。これらおよび同様の状況下で、姿勢モジュール34は、ツイドラー症候群の可能性のある発生を(外部デバイス36を介して)臨床医に通知または警告するようにプログラムされ得る。
【0054】
代替的に、または加えて、姿勢モジュール34は、デバイス移動の発生を示す情報を植込み型センサ32から識別するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。参考として、一部の実施形態では、植込み型センサ32のセンサ構成要素は、IPGアセンブリ52とは別に患者に植込みされるが、他の実施形態では、植込み型センサ32は、次に、患者に植込みされるIPGアセンブリ52のハウジングに担持される。いずれにせよ、一般的な植込み技術には、対象のデバイス(例えば、センサ構成要素またはIPGアセンブリ52)を患者の解剖学的構造に固定する縫合糸または類似の取り付けデバイスを使用することが含まれ得る。時間の経過とともに、デバイスと対象の解剖学的構造との間の取り付けが低下または劣化し、その後、デバイスは正確な植込み場所および/または配向から離れて移動する可能性がある。このことを考慮すると、姿勢モジュール34の論理(例えば、アルゴリズム)は、例えば、指定された時刻に、植込み型センサ32からの情報の変化を、可能性のあるデバイスの移動を示唆するものとして認識することができる。非限定的な例として、時刻は、患者が臥床体位または姿勢にある可能性が高いとき(例えば、午前1時)として指定することができ、植込み型センサ32からの情報が、経時的に変化している特定のベクトル方向を有していることが分かった場合、植込み型センサ32は、第1の植込み位置から移動した可能性があるとみなされ得る。植込み型センサ32がIPGアセンブリ52のハウジング内に担持される場合、この同じ情報は、IPGアセンブリ52が移動した可能性を示唆しているとみなすことができる。これらおよび同様の状況下で、姿勢モジュール34は、デバイス移動の可能性のある発生を(外部デバイス36を介して)臨床医に通知または警告するようにプログラムされ得る。
【0055】
代替的に、または加えて、姿勢モジュール34は、患者の特定の活動中に姿勢関連情報を記録し、それを外部デバイス36を介して臨床医および/または患者に報告するようにプログラムされ得る(またはプログラムされたシステム20の別のモジュールもしくはエンジンと通信する)。例えば、姿勢モジュール34は、睡眠イベントの間に患者が各体位で過ごす時間の割合、睡眠イベントの間に各体位でIMD30によって送達される治療の有効性、睡眠イベントの間に各体位での自己滴定治療設定(例えば、振幅、電極構成、パルス特性など)などのうちの1つ以上を記録または決定することができる。関連する実施形態では、姿勢モジュール34は、睡眠段階を判定し得る睡眠段階判定エンジンを動作させる(またはそれと通信する)ことができる。一部の実施形態では、かかる判定は、治療期間を通じて(例えば、予期される睡眠時間の間に)呼吸速度の相対的安定性に従って行われる。一部の非限定的な例では、睡眠判定エンジンは、覚醒時間、就寝時間、姿勢、睡眠/覚醒サイクル、ならびに/またはREM期間の数および深さを判定および追跡する。一部の例では、姿勢モジュール34は、睡眠品質エンジンを操作(または通信)して、例えば、睡眠時間パラメータ、睡眠段階パラメータ、および重症度指数パラメータ(例えば、無呼吸-低呼吸指数測定)の組み合わせに従って、睡眠品質を判定することができる。一部の非限定的な実施形態では、睡眠段階は、活動情報、姿勢情報、呼吸器情報、呼吸率変動(RRV)情報、心拍数変動(HRV)情報、および心拍数情報のうちの少なくとも1つを介して決定され得る。姿勢モジュール34(またはシステム20の他のモジュールもしくはエンジン)によって追跡され、外部デバイス36を介して臨床医および/または患者に送達され得る他の情報には、無呼吸-低呼吸指数、呼吸数、睡眠呼吸障害、末梢毛細血管酸素飽和度(SpO2)、心拍数、いびきなどのうちの1つ以上が含まれ得る。さらに他の実施形態では、姿勢モジュール34は、刺激(または他の治療)がIMD30によって提供されている場合に、外部デバイス36で姿勢通知を生成するようにプログラムされ得る。
【0056】
代替的な動作モード
本開示の一部の非限定的な例では、姿勢モジュール34は、姿勢の変化を検出するようにプログラムされ、患者の現在の姿勢を(一部の状況下で、または全ての状況下で)必ずしも検出または指定する必要はない。例えば、姿勢モジュール34は、患者が眠っているとみなされるか、または眠っていることが知られている場合に、姿勢モジュール34が患者の現在の姿勢を検出または指定せず(システム20の他のモジュールまたはエンジンも検出または指定しない)、全体的な姿勢変化(例えば、左側臥位から仰臥位への移動、仰臥位から伏臥位への移動など)などの姿勢変化を検出するように、プログラムまたは構成(例えば、動作論理またはアルゴリズム)することができる。
【0057】
他の実施形態では、姿勢モジュール34は、姿勢を検出または判定しない(また、システム20の任意の他のモジュールもしくはエンジンも検出または判定しない)が、経時的に植込み型センサ32の重力ベクトルを追跡する。これらおよび関連する実施形態では、姿勢モジュール34は、ユーザ(例えば、患者、介護者など)が、異なる動作モードに関連付けられ得る植込み型センサ32に対して(または、植込み型センサ32がIPGアセンブリ52のハウジング内に担持される、IPGアセンブリ52に対して)、ある特定の重力ベクトル配向を定義することを可能にするようにプログラムまたは構成される。これらの定義されたベクトル/モードの任意の数は、影響範囲を変えながら確立され得る。非限定的な例として、姿勢モジュール34(またはシステム20の他のモジュールもしくはエンジン)は、患者による運動が検出されないか、または最小限の運動が検出され、監視された重力ベクトル(または姿勢に関連する他の監視された患者情報)が所定の範囲内にある場合に、定義された期間中に治療送達を有効にするようにプログラムまたは構成され得る。
【0058】
加えて、または代替的に、ある特定のまたは所定の大きさの監視された重力ベクトルの変化を使用して、療法ランプをリセットすることができる(例えば、療法は所定のレベルまたは強度で送達されており、監視された重力ベクトルの検出された変化が、送達された療法レベルのランプダウンを促すのに十分であり、ランプダウンまたはより低いレベルの療法の送達は、監視される重力ベクトルが所定の範囲に戻り(例えば、患者の状態における「変化」が完了したことを示唆する)、送達される療法が所定のレベルまたは強度までランプアップされるまで継続する)。他の実施形態では、経時的に重力ベクトルを監視する場合、システムは、現在のベクトル、ベクトルの変化(例えば、ベクトル、余弦計算)、またはベクトルの変化を繰り返すこと(例えば、歩行、呼吸などを示唆すること)のうちの少なくとも1つに基づいて療法の変更を行うようにプログラムされ得る。
【0059】
上記の説明に示唆されるように、IMD30および外部デバイス36の一方または両方は、指定されたアクションの実行を促すコントローラ、制御ユニット、または制御部分を含む。図9Aは、本開示の1つの例による制御部分300を概略的に表すブロック図である。一部の例では、制御部分300は、コントローラ302およびメモリ304を含む。一部の例では、制御部分300は、図1~8に関連して本開示全体を通して表されるように、デバイス、システム、アセンブリ、回路、マネージャ、エンジン、機能、パラメータ、センサ、電極、モジュール、および/または方法のうちのいずれか1つの一部を形成、実装、および/または管理する制御部分の一例の実装形態を提供する。
【0060】
概して、制御部分300のコントローラ302は、電子機器アセンブリ306(例えば、少なくとも1つのプロセッサ、マイクロプロセッサ、集積回路および論理など)ならびに関連付けられたメモリまたは記憶デバイスを含む。コントローラ302は、本開示を通して表されるように、メモリ304に電気的に結合可能であり、メモリ304と通信して、制御信号を生成して、少なくとも一部のデバイス、システム、アセンブリ、回路、マネージャ、モジュール、エンジン、機能、パラメータ、センサ、電極、および/または方法の動作を指示する(例えば、姿勢モジュール34(図1)は、記憶デバイスに記憶され、メモリ304にロードされ、電子機器アセンブリ306によって実行されるソフトウェアプログラムであり得る)。加えて、一部の例では、これらの生成された制御信号は、限定されないが、メモリ304に記憶された療法マネージャ308を用いて、患者に送達された療法、例えば、睡眠呼吸障害のための療法を少なくとも管理し、かつ/または本開示の少なくとも一部の例で説明された方法で指定された身体動作の検知を管理および操作することを含む。制御部分300(または別の制御部分)もまた、本開示全体を通して説明される種々の治療装置/システムの一般的な機能を動作させるために用いられ得ることもさらに理解されよう。
【0061】
ユーザインターフェース(例えば、図9Cのユーザインターフェース310)を介して、かつ/または機械可読命令を介して受信されたコマンドに応答して、またはそれに基づいて、コントローラ302は、本開示の前述の例の少なくとも一部に従って、治療の実装、治療モニタリング、治療管理、ならびに/または指定された身体動作の検知および制御の管理および操作を実装するための制御信号を生成する。一部の例では、コントローラ302は、汎用コンピューティングデバイスで具現化される一方で、一部の例では、コントローラ302は、本開示を通して説明される関連するデバイス、システム、アセンブリ、回路、センサ、電極、デバイスの構成要素および/またはマネージャ、エンジン、パラメータ、機能などのうちの少なくとも一部に組み込まれるか、または関連付けられる。
【0062】
本開示の目的のために、コントローラ302を参照すると、電子機器アセンブリ306が少なくとも1つのプロセッサを含む(comprise)か、または含む(include)実施形態では、「プロセッサ」という用語は、メモリに含まれる機械可読命令のシーケンスを実行する、現在開発されるか、または将来開発されるプロセッサ(または処理リソース)またはマイクロプロセッサを意味するものとする。一部の例では、制御部分300のメモリ304を介して提供される命令などの機械可読命令のシーケンスの実行は、本開示の少なくとも一部の例で概して説明されるように(またはそれと一致するように)、睡眠呼吸障害(SDS)療法および関連する管理および/または指定された身体動作の検知の管理および動作を実装するようにコントローラ302を操作するなどのアクションをプロセッサに実行させる。機械可読命令は、メモリ304によって表されるように、読み取り専用メモリ(ROM)、マスストレージデバイス、または一部の他の永続的ストレージ(例えば、非一時的有形媒体または不揮発性有形媒体)内のそれらの記憶位置からのプロセッサによる実行のために、ランダムアクセスメモリ(RAM)にロードされ得る。一部の例では、メモリ304は、コントローラ302のプロセスによって実行可能な機械可読命令の不揮発性ストレージを提供するコンピュータ可読有形媒体を含む。他の例において、説明される機能を実装するために、機械可読命令の代わりに、または機械可読命令と組み合わせて、ハード有線回路を使用することができる。例えば、電子機器アセンブリ306は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つの集積回路、マイクロプロセッサ、およびASICなどの一部として具現化され得る。少なくとも一部の例では、コントローラ302は、ハードウェア回路と機械可読命令の任意の特定の組み合わせに限定されず、コントローラ302によって実行される機械可読命令の任意の特定のソースにも限定されない。
【0063】
図9Bは、本開示の1つの例による、制御部分300が実装され得る少なくとも一部の方法を概略的に示す図320である。一部の例では、制御部分300は、少なくとも図2と関連付けて前述したように、IPGアセンブリ322内またはそれによって完全に実装され、IPGアセンブリ322は、IPGアセンブリ52と実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくとも一部を有する。一部の例では、制御部分300は、患者制御部332および/または医師制御部334などの、患者の身体の外部のリモートコントロール330(例えば、プログラマ)の中に、またはそれによって完全に実装される。一部の実施形態では、リモートコントロール330は、上述した外部デバイス36(図1)に類似している。一部の例では、制御部分300は、IPGアセンブリ322に部分的に実装され、リモートコントロール330(患者制御部332および医師制御部334のうちの少なくとも1つ)に部分的に実装される。一部の例では、制御部分300は、クラウドおよび/または他のネットワーク経路を介してアクセス可能なサーバを介して実装されてもよい。一部の例では、制御部分300は、サーバ、IMD、および/またはユーザインターフェースなどの複数のデバイスまたはリソース間で分散または割り当てられ得る。
【0064】
一部の例では、制御部分300に関連して、ユーザインターフェース(図9Cの310)は、リモートコントロール330に実装される。図9Cは、本開示の1つの例による、ユーザインターフェース310を概略的に表すブロック図である。一部の例では、ユーザインターフェース310は、患者の外部のデバイスの部分を形成し、かつ/またはそれを介してアクセス可能であり、それによって、治療システムを少なくとも部分的に制御および/または監視することができる。ユーザインターフェース310をホストする外部デバイスは、患者リモート部(例えば、図9Bの332、例えば、カスタムソフトウェアアプリケーションを動作させるスマートフォン)、医師リモート部(例えば、図9Bの334)および/または臨床医ポータル部であり得る。一部の例では、ユーザインターフェース310は、図1~8に関連して説明されるように、種々のシステム、アセンブリ、回路、エンジン、センサ、構成要素、モジュール、機能、パラメータの少なくとも一部の同時表示、有効化、および/または操作を提供するユーザインターフェースまたは他のディスプレイを含む。一部の例では、ユーザインターフェース310の少なくとも一部の部分または態様は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して提供され、ディスプレイおよび入力を含み得る。
【0065】
図1に戻ると、運動ベースのトランスデューサセンサ構成要素を含む、植込み型センサ32からの情報は、任意選択的に、患者に関連付けられた他のパラメータを検知または検出するために利用することができ、これには、非自発的な行動が含まれてもよく、または含まれなくてもよい。さらに、一部の実施形態では、IMD30は、植込み型センサ32によって検知されるように、患者による非自発的な行動に応答して動作するように制御され得る。本開示のシステムおよび方法によって実装される一部の可能な制御特徴の非限定的な例は、少なくとも、2018年10月9日に出願され、「ACCELEROMETER-BASED SENSING FOR SLEEP DISORDERED BREATHING(SDB)CARE」と題された、米国特許出願第16/092,384号に記載されているものと実質的に同じ特徴および属性のうちの少なくとも一部を含むことができ、その教示全体が参照により本明細書に組み込まれる。関連する実施形態では、本開示のシステムは、(植込み型センサ32に加えて)1つ以上の追加の植込み型センサを含み得る。1つ以上の追加の植込み型センサによって信号伝達された情報は、上述したように、任意選択で、患者の姿勢の発生の認識または識別の一部として(植込み型センサ32からの情報とともに)用いることができる。代替的に、または加えて、1つ以上の追加の植込み型センサによって信号伝達される情報は、例えば、米国特許出願第16/092,384号に記載されるように、患者を監視し、治療レジメンを製剤化することなどに用いることができる。
【0066】
特定の例が本明細書に例示および説明されてきたが、種々の代替的および/または同等の実装形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される特定の例に置換され得る。本出願は、本明細書で論じられる特定の例の任意の適合物または変形物を網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】