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特表2022-542590バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及びそのバッテリーパックを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-05
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及びそのバッテリーパックを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/653 20140101AFI20220928BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20220928BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220928BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20220928BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20220928BHJP
   H01M 50/211 20210101ALN20220928BHJP
【FI】
H01M10/653
H01M50/204 401D
H01M50/249
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/647
H01M10/6556
H01M10/6563
H01M10/6568
H01M50/204 401H
H01M10/633
H01M50/507
H01M50/211
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505491
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2020012262
(87)【国際公開番号】W WO2021066344
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0123391
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ジン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-ヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・チョン-フン・クウォン
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE04
5H031HH06
5H031KK01
5H031KK08
5H040AA03
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040DD03
5H040DD08
5H040DD26
5H040LL06
5H043AA09
5H043BA11
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA05
5H043CA09
5H043FA04
5H043KA22F
5H043KA39F
(57)【要約】
本発明の一実施例によるバッテリーモジュールは、相互に積層される複数個のバッテリーセルと、複数個のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、モジュールケース内で複数個のバッテリーセルの電極リード部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるサーマルレジンと、電極リード部分の温度を測定可能にモジュールケースに備えられる温度センサーと、温度センサーで測定された温度情報に基づいてサーマルレジンの充填を制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールであって、
相互に積層される複数個のバッテリーセルと、
前記複数個のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、
前記モジュールケース内で前記複数個のバッテリーセルの電極リード部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるサーマルレジンと、
前記サーマルレジンが前記電極リード部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるとき、前記電極リード部分の温度を測定可能に前記モジュールケースに備えられる温度センサーと、
前記温度センサーと電気的に接続し、前記温度センサーで測定された温度情報に基づいて前記サーマルレジンの充填を制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記バッテリーモジュールは、
前記モジュールケースの一側に形成され、前記サーマルレジンの充填のためにレジン注入装置からサーマルレジンが注入されるための少なくとも一つのレジン注入ホールを含み、
前記温度センサーは、
前記モジュールケースの他側に備えられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記制御ユニットは、
前記レジン注入装置と電気的に接続し、前記温度センサーで測定された温度が予め設定された温度以上であるとき、前記レジン注入装置からの前記サーマルレジンの注入を中断させることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも一つのレジン注入ホールは、
前記複数個のバッテリーセルの電極リードよりも高い位置に設けられ、
前記温度センサーは、
前記複数個のバッテリーセルの電極リードよりも低い位置に設けられることを特徴とする、請求項2または3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記モジュールケースの他側には、
前記温度センサーが挿入されるセンサー挿入溝が備えられることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記温度センサーは、サーミスタとして備えられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記バッテリーモジュールは、
前記複数個のバッテリーセルの電極リードと電気的に接続し、前記モジュールケースの両側をカバーするバスバーアセンブリーを含み、
前記制御ユニットは、
前記バスバーアセンブリーに備えられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記バッテリーモジュールは、
前記モジュールケースの一側に形成され、前記複数個のバッテリーセルの電極リード部分と同一線上に配置される少なくとも一つの充填確認ホールを含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載の少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及びそのバッテリーパックを含む自動車に関する。
【0002】
本出願は、2019年10月04日出願の韓国特許出願第10-2019-0123391号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギー使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0005】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような従来のバッテリーモジュールの場合、充放電による発熱による性能低下を解決することが重要である。このようなバッテリーモジュールの発熱は、バッテリーモジュールの充放電時において、単位面積が最も小さい部分の一つであるバッテリーセルの電極リード部分で抵抗が高いため、このような電極リード部分で発熱が最も多く、これはバッテリーセルのダメージにつながるという問題がある。
【0007】
そこで、バッテリーモジュールの冷却時、バッテリーモジュールにおいてバッテリーセルの電極リード部分の発熱を制御できるより効果的な方策が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、バッテリーセルの電極リード部分の発熱による温度上昇を効果的に抑制することができるバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及びそのバッテリーパックを含む自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、本発明は、バッテリーモジュールであって、相互に積層される複数個のバッテリーセルと、複数個のバッテリーセルを収容するモジュールケースと、モジュールケース内で複数個のバッテリーセルの電極リード部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるサーマルレジンと、サーマルレジンが電極リード部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるとき、電極リード部分の温度を測定可能にモジュールケースに備えられる温度センサーと、温度センサーと電気的に接続し、温度センサーで測定された温度情報に基づいてサーマルレジンの充填を制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュールを提供する。
【0010】
バッテリーモジュールは、モジュールケースの一側に形成され、サーマルレジンの充填のためにレジン注入装置からサーマルレジンが注入されるための少なくとも一つのレジン注入ホールを含み、温度センサーは、モジュールケースの他側に備えられ得る。
【0011】
制御ユニットは、レジン注入装置と電気的に接続し、温度センサーで測定された温度が予め設定された温度以上であるとき、レジン注入装置からのサーマルレジンの注入を中断させ得る。
【0012】
制御ユニットは、少なくとも一つのレジン注入ホールは、複数個のバッテリーセルの電極リードよりも高い位置に設けられ、温度センサーは、複数個のバッテリーセルの電極リードよりも低い位置に設けられ得る。
【0013】
モジュールケースの他側には、温度センサーが挿入されるセンサー挿入溝が備えられ得る。
【0014】
温度センサーは、サーミスタとして備えられ得る。
【0015】
バッテリーモジュールは、複数個のバッテリーセルの電極リードと電気的に接続し、モジュールケースの両側をカバーするバスバーアセンブリーを含み、制御ユニットは、バスバーアセンブリーに備えられ得る。
【0016】
バッテリーモジュールは、モジュールケースの一側に形成され、複数個のバッテリーセルの電極リード部分と同一線上に配置される少なくとも一つの充填確認ホールを含み得る。
【0017】
なお、本発明は、バッテリーパックであって、前述した実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパックを提供する。
【0018】
また、本発明は、自動車であって、前述した実施例による少なくとも一つのバッテリーパックを含む自動車を提供する。
【発明の効果】
【0019】
以上のような多様な実施例によって、バッテリーセルの電極リード部分の発熱による温度上昇を効果的に抑制可能なバッテリーモジュール、それを含むバッテリーパック及びそのバッテリーパックを含む自動車を提供することができる。
【0020】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
図2図1のバッテリーモジュールの主要部の断面図である。
図3図1のバッテリーモジュールのサーマルレジンの注入を説明するための図である。
図4図1のバッテリーモジュールのサーマルレジンの注入を説明するための図である。
図5図1のバッテリーモジュールの冷却メカニズムを説明するための図である。
図6】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
図7】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
図8】本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
図9】本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
図10】本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。ここで説明される実施例は、発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明する実施例とは相違に多様に変形して実施できることを理解せねばならない。なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張されて示され得る。
【0023】
図1図4を参照すると、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル100、モジュールケース200、ヒートシンク300、バスバーアセンブリー400、サーマルレジン500、レジン注入ホール600、充填確認ホール700、温度センサー800及び制御ユニット900を含み得る。
【0024】
バッテリーセル100は、二次電池であって、パウチ型二次電池、角形二次電池または円筒型二次電池として設けられ得る。以下、本実施例では、バッテリーセル100がパウチ型二次電池であることに限定して説明する。
【0025】
このようなバッテリーセル100は、複数個が備えられ得る。複数個のバッテリーセル100は、相互電気的に接続可能に積層され得る。相互間の電気的な接続は、複数個のバッテリーセル100の電極リード150と後述するバスバーアセンブリー400との電気的接続によって具現できる。
【0026】
モジュールケース200は、複数個のバッテリーセル100を収容し得る。このために、モジュールケース200には、複数個のバッテリーセル100を収容するための収容空間が設けられ得る。この他にも、モジュールケース200内には、バッテリーモジュール10を構成する各種電装品などの構成部品も収容し得る。
【0027】
モジュールケース200の一側、具体的には、モジュールケース200の上側には、バッテリーモジュール10のバッテリーセル100を冷却するためのヒートシンク300が取り付けられ得る。
【0028】
また、モジュールケース200には、レジン充填流路250及びセンサー挿入溝270が備えられ得る。
【0029】
レジン充填流路250は、モジュールケース200内に設けられ、後述する少なくとも一つのレジン注入孔600と複数個のバッテリーセル100の電極リード150部分とを連結できる所定の空間を形成することができる。
【0030】
センサー挿入溝270は、モジュールケース200の他側に備えられ得る。具体的には、センサー挿入溝270は、モジュールケース200の高さ方向においてバッテリーセル100の電極リード150と同一線上に備えられ得る。このようなセンサー挿入溝270には、後述する温度センサー800が挿入して装着され得る。
【0031】
ヒートシンク300は、複数個のバッテリーセル100を冷却するためのものであって、モジュールケース200の上側に設けられ得る。このようなヒートシンク300は、モジュールケース200を介して後述するサーマルレジン500と対向して配置され得る。
【0032】
ヒートシンク300は、空冷式または水冷式構造で設けられ得る。以下、本実施例においては、ヒートシンク300が、冷却水が流動する水冷式構造で設けられることに限定して説明する。
【0033】
バスバーアセンブリー400は、バッテリーセル100の電極リード150と電気的に接続し得る。このようなバスバーアセンブリー400は、モジュールケース200の両側をカバーし得る。
【0034】
サーマルレジン500は、モジュールケース200の内側でヒートシンク300と対向して配置され、モジュールケース200内で複数個のバッテリーセル100の電極リード150を少なくとも部分的にカバーするように充填され得る。
【0035】
サーマルレジン500は、高い熱伝導度を有すると共に、絶縁特性を有する材質として設けられ得る。このようなサーマルレジン500は、バッテリーセル100の冷却をガイドすると共に、モジュールケース200内でバッテリーセル100の安定的な固定をガイドできる。
【0036】
レジン注入孔600は、モジュールケース200の一側、具体的には、モジュールケース200の上側に形成され、サーマルレジン500の充填のための所定の大きさを有する穴として設けられ得る。
【0037】
このようなレジン注入孔600は、複数個が備えられ得る。
【0038】
複数個のレジン注入孔600は、モジュールケース200の一側中央、具体的には、モジュールケース200の上側中央に相互所定の距離で離隔して配置され得る。
【0039】
ここで、複数個のレジン注入孔600は、複数個のバッテリーセル100の電極リード150よりも高い位置に設けられ得る。これによって、レジン注入装置Aを用いてサーマルレジン500を注入するとき、電極リード150側への注入が自重によって自然に行われ、注入効率が向上する。
【0040】
充填確認孔700は、モジュールケース200の一側、具体的には、モジュールケース200の上側に形成され、複数個のレジン注入孔600と離隔するモジュールケース200の上側縁部に設けられ得る。
【0041】
充填確認孔700は、複数個のバッテリーセル100の電極リード150部分の充填有無の確認が容易となるようにモジュールケース200の高さ方向において複数個のバッテリーセル100の電極リード150部分と同一線上に配置され得る。
【0042】
充填確認孔700は、一対が備えられ得る。一対の充填確認孔700は、複数個のレジン注入孔600を間に置いて相互対向して配置され得る。
【0043】
充填確認孔700からサーマルレジン500を注入するとき、製造者などは、充填がまともに行われているか否かを、バッテリーセル100の電極リード150部分から確認することができる。
【0044】
具体的には、サーマルレジン500が注入されながら、バッテリーセル100の電極リード150を部分的にカバーできるようにサーマルレジン500が充填され得る。
【0045】
その後、サーマルレジン500の注入が続ければ、バッテリーセル100の電極リード150と同一線上に配置された充填確認孔700側へサーマルレジン500が流入し得る。
【0046】
製造者などは、このような充填確認孔700側へのサーマルレジン500の流入を確認することで、バッテリーセル100の電極リード150部分の充填を確認すると共に、モジュールケース200の内部でサーマルレジン500が充分充填されたことを確認することができる。
【0047】
もし、充填確認孔700の外へサーマルレジン500が溢れるほどになれば、製造者などはレジン注入装置Aによるサーマルレジン500の注入を中断し、サーマルレジン500の注入工程を完了し得る。サーマルレジン500の注入工程が完了すれば、その後、充填確認孔700及びレジン注入孔600が設けられたモジュールケース200の上側にはヒートシンク300が取り付けられ得る。
【0048】
温度センサー800は、サーマルレジン500が電極リード150部分を少なくとも部分的にカバーするように充填されるとき、電極リード150部分の温度を測定できるようにモジュールケース200に備えられ得る。
【0049】
このような温度センサー800は、サーミスタとして備えられ得る。
【0050】
温度センサー800は、モジュールケース200の他側に備えられ、センサー挿入溝270に挿入して取り付けられ得る。具体的には、温度センサー800は、モジュールケース200内で複数個のバッテリーセル100の電極リード150よりも低い位置に設けられ得る。また、温度センサー800は、電極リード150を挟んで充填確認ホール700と対向して配置され得る。
【0051】
制御ユニット900は、温度センサー800と電気的に接続し、温度センサー800で測定された温度情報に基づいてサーマルレジン500の充填を制御し得る。
【0052】
このような制御ユニット900は、バスバーアセンブリー400に備えられ得、温度センサー800との電気的接続のために、温度センサー800と有線または無線で接続し得る。また、制御ユニット900は、サーマルレジン500の充填制御のために、レジン注入装置Aとも有線または無線方式で電気的に接続し得る。
【0053】
具体的には、制御ユニット900は、レジン注入装置Aと電気的に接続し、温度センサー800で測定された温度が予め設定された温度以上であるとき、レジン注入装置Aからのサーマルレジンの注入を中断させ得る。予め設定された温度とは、サーマルレジン500の充填長さがモジュールケース200の高さ方向において電極リード150の下端と同一であるか、または電極リード150の下端から所定の長さで延びた長さと対応する所定の長さで予め測定された温度であり得る。
【0054】
このように、本実施例では、制御ユニット900と温度センサー800によっても、サーマルレジン500の適正な注入を制御することができる。本実施例の場合、製造者が充填確認ホール700を通じた目視確認に失敗するか、またはミスがあるなどの予期せぬ状況が発生しても、このような温度センサー800と制御ユニット900を通じた注入制御によってサーマルレジン500の充填不良の危険を根本的に遮断することができる。
【0055】
図5は、図1のバッテリーモジュールの冷却メカニズムを説明するための図である。
【0056】
図5を参照すれば、バッテリーモジュール10の発熱時、バッテリーセル100の電極リード150の部分で最も高い発熱Hが発生し得る。これは、バッテリーセル100の電極リード150部分の断面積が、他のバッテリーモジュール10の構成部品の断面積よりも相対的に小さいことから、充放電による電流の流れにおいて抵抗が最も高いためである。
【0057】
本実施例の場合、このようなバッテリーセル100の電極リード150の発熱部分Hにサーマルレジン500が充填されているため、電極リード150の発熱部分Hの熱をヒートシンク300側へ効果的に伝達できる。
【0058】
具体的には、電極リード150の発熱部分Hの熱は、サーマルレジン500を介してモジュールケース200の上側へ移動し、その後、直ちにモジュールケース200の上側に配置されているヒートシンク300に伝達されるため、バッテリーモジュール10のモジュールケース200の内部で最も高い熱が発生する電極リード150部分の熱による温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0059】
このように、本実施例では、バッテリーセル100の電極リード150部分を少なくとも部分的にカバーするサーマルレジン500を介してバッテリーセル100の温度上昇によるダメージを最小化してバッテリーセル100の寿命を延長することができ、バッテリーセル100の発熱による性能低下を効果的に防止することができる。
【0060】
また、本実施例では、このようなサーマルレジン500を注入して充填することでバッテリーセル100の電極リード150部分をカバーするので、電極リード150部分の冷却のために完成付属品のような形態の熱伝導部材などをモジュールケース200の内側にさらに追加しなくてもよいので、組立工程がより簡便になる。
【0061】
具体的に説明すれば、もし、電極リード150部分の冷却のために、事前に予め完成した所定の形状を有する熱伝導部材などをさらに追加する場合、組立工程時において、モジュールケース200内における他の電装品やバッテリーセル100との干渉などが発生し、このような構成部品やバッテリーセル100などの破損が発生する危険が大きくなり得、また、このような追加の熱伝導部材をモジュールケース内で組み立てるに際し、組立公差などによる誤組立の可能性も大きくなり得る。
【0062】
しかし、本実施例の場合、サーマルレジン500の充填工程によってバッテリーセル100の電極リード150部分をカバーするため、熱伝導部材などの追加的な組立構造とは異なり、モジュールケース200の内部のその他の電装品やバッテリーセル100の破損危険がなく、また、組立公差などによる誤組立の問題が根本的に防止される。
【0063】
図6図8は、本発明の他の実施例によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【0064】
本実施例によるバッテリーモジュール20は、前述した実施例のバッテリーモジュール10と類似であるので、前述した実施例と実質的に同一または類似の構成については重複する説明を省略し、以下、前述した実施例との相違点を中心にして説明する。
【0065】
図6図8を参照すると、バッテリーモジュール20は、バッテリーセル100、モジュールケース200、ヒートシンク300、バスバーアセンブリー400、サーマルレジン500、レジン注入ホール600、充填確認ホール700、温度センサー800及び制御ユニット900を含み得る。
【0066】
バッテリーセル100、モジュールケース200、ヒートシンク300、サーマルレジン500、レジン注入ホール600、充填確認ホール700、温度センサー800及び制御ユニット900は、前述した実施例と実質的に同一または類似であるので、以下、重複する説明を省略する。
【0067】
バスバーアセンブリー400には、透明ウィンドウ450が備えられ得る。
【0068】
透明ウィンドウ450は、複数個のバッテリーセル100の電極リード150と平行な水平方向に設けられ、電極リード150側に充填されるサーマルレジン500をバッテリーモジュール10の両側面の外側から目視で確認可能に備えられ得る。
【0069】
このような透明ウィンドウ450には、レベリングライン455が備えられ得る。レベリングライン455は、サーマルレジン500の充填高さを確認できるように透明ウィンドウ450の高さ方向に沿って形成され得る。
【0070】
このように、本実施例によるバッテリーモジュール20は、レベリングライン455を備えた透明ウィンドウ450を通じて、バッテリーモジュール10の両側面の外側からサーマルレジン500の電極リード150部分の充填程度をより容易に確認できるようにガイドすることができる。即ち、製造者などは、電極リード150の水平方向からサーマルレジン500の充填程度を目視で確認可能であるため、製造者などのユーザの目視確認の正確度が大幅向上する。
【0071】
図9は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図であり、図10は、本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【0072】
図9及び図10を参照すれば、バッテリーパック1は、前述した実施例による少なくとも一つのバッテリーモジュール10(20)及び少なくとも一つのバッテリーモジュール10をパッケージングするパックケース50を含み得る。
【0073】
少なくとも一つのバッテリーモジュール10(20)は、前述した実施例のバッテリーモジュールの少なくとも一つを備えてもよく、複数個を備えてもよい。バッテリーモジュール10(20)が複数個備えられる場合、前述した実施例のバッテリーモジュール10とバッテリーモジュール20との集合体として設けられることも可能である。
【0074】
このようなバッテリーパック1は、自動車Vの燃料源として自動車Vに備えられ得る。例えば、バッテリーパック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他のバッテリーパック1を燃料源として使用可能なその他の方式で自動車Vに備えられ得る。
【0075】
また、バッテリーパック1は、自動車Vの外にも二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)など、その他の装置や器具及び設備などにも備えられ得る。
【0076】
このように、本実施例によるバッテリーパック1と自動車Vのようなバッテリーパック1を備える装置や器具及び設備は、前述のバッテリーモジュール10、20を含むことから、前述のバッテリーモジュール10、20による長所を全て有するバッテリーパック1及びこれを備える自動車Vなどの装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0077】
以上のような多様な実施例において、バッテリーセル100の電極リード150部分の発熱による温度上昇を効果的に抑制することができるバッテリーモジュール10、20、これを含むバッテリーパック1及びこのバッテリーパック1を含む自動車Vを提供することができる。
【0078】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0079】
1 バッテリーパック
10 バッテリーモジュール
20 バッテリーモジュール
50 パックケース
100 バッテリーセル
150 電極リード
200 モジュールケース
250 レジン充填流路
270 センサー挿入溝
300 ヒートシンク
400 バスバーアセンブリー
450 透明ウィンドウ
455 レベリングライン
500 サーマルレジン
600 レジン注入孔
700 充填確認孔
800 温度センサー
900 制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】