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特表2022-542592複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム
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  • 特表-複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム 図1
  • 特表-複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム 図2A
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  • 特表-複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム 図2C
  • 特表-複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム 図2D
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  • 特表-複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-05
(54)【発明の名称】複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20220928BHJP
【FI】
C03C27/12 R
C03C27/12 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505515
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2020069263
(87)【国際公開番号】W WO2021018534
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】1908551
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】マクシム バン ランドゲム
【テーマコード(参考)】
4G061
【Fターム(参考)】
4G061AA14
4G061BA01
4G061BA02
4G061CB03
4G061CB19
4G061CD02
4G061CD18
4G061DA02
(57)【要約】
この方法は、少なくとも1枚のガラスシート(FV)及びガラスシート以外の少なくとも1つの層(FI)を含む複合グレージング製品(VF)の切断計画を生成することを可能にする。この方法は:
- 前記少なくとも1枚のガラスシート(FV)の欠陥のマップ(CFV)を得るステップ(E20);
- 少なくとも1つの他の欠陥マップ(CFI、CDF)を得るステップ(E40)であって、前記少なくとも1つの他のマップの欠陥がガラスシートの欠陥ではなく;
前記マップ(CFV、CFI、CDF)の各々が、その欠陥の各々について、前記欠陥の位置、前記欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含んでいるステップ;
- 少なくとも前記マップ(CFV、CFI、CDF)を使用しかつ前記重大度レベルを考慮に入れた仕様(CDC)を使用して前記複合グレージング製品の切断計画(PDD)を生成するステップ(E110)であって、前記切断計画(PDD)は少なくとも1つの切断線を含み、かつ前記切断線のいずれも前記少なくとも1つのガラスシート(FV)の前記欠陥の除外ゾーンを通過しないようなものである、ステップ;
を含み、
前記切断線の少なくとも1つが前記他のマップ(CFI、CDF)の欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む、少なくとも1枚のガラスシート(FV)及びガラスシート以外の少なくとも1つの層(FI)を含む複合グレージング製品(VF)の切断計画を生成するための方法であって:
- 前記少なくとも1枚のガラスシート(FV)の欠陥のマップ(CFV)を得るステップ(E20);
- 少なくとも1つの他の欠陥マップ(CFI、CDF)を得るステップ(E40)であって、前記少なくとも1つの他のマップの前記欠陥がガラスシートの欠陥ではない、ステップ(E40);
ここで、前記マップ(CFV、CFI、CDF)の各々が、その欠陥の各々について、前記欠陥の位置、前記欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含んでいる;
- 少なくとも、前記マップ(CFV、CFI、CDF)を使用しかつ前記重大度レベルを考慮に入れた仕様(CDC)を使用して、前記複合グレージング製品の切断計画(PDD)を生成するステップ(E110)であって、前記切断計画(PDD)は、少なくとも1つの切断線を含み、かつ前記切断線のいずれもが前記少なくとも1つのガラスシート(FV)の前記欠陥の除外ゾーンを通過しないようなものである、ステップ;
前記切断線の少なくとも1つが前記他のマップ(CFI、CDF)の欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にすることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの他のマップ(CFI、CDF)の前記欠陥が:
- 前記少なくとも1つの層の欠陥;又は
- 前記複合グレージング製品の製造中に出現した欠陥;
であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記切断計画が、前記複合グレージング製品のマップ(CVF)を用いて生成され(E110)、このマップは、前記少なくとも1つのガラスシートの欠陥の前記マップ(CFV)と前記他のマップ(CFI、CDF)とを組み合わせることによって得られ(E90)、前記マップ(CVF)は、各々の欠陥について、前記欠陥がガラスシートの欠陥であるか、前記少なくとも1つの層の欠陥であるか、又は組立て中に出現した欠陥であるかを標示する属性を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ネットワーク上でメモリ内に前記複合グレージング製品の前記マップ(CVF)を記憶するステップ(E100)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの層が薄層であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複合グレージング製品(VF)が、少なくとも2つのガラスシート(FV)を含むこと、及び前記少なくとも1つの層が、2つの前記ガラス層の間の中間層(CI)、例えばポリビニルブチラールなどのプラスチックで作られた中間層であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
- 前記中間層を得るためにロールを切断するステップ(E60);
を含み、前記中間層の前記欠陥の前記マップ(CFI)が、前記ロールの欠陥のマップ(CR)を用いて得られる(E40)ことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
- 前記ロールの一意的識別子(ID)を読取るステップ(E30);
- 前記識別子(CFI)によってインデックスされたデータベースから前記ロールの前記欠陥の前記マップ(CFI)をダウンロードするステップ(E40);
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
- 前記少なくとも1つのガラスシート(FV)の一意的識別子(IDFV)を読取るステップ(E10);
- 前記識別子(IDFV)によりインデックスされたデータベースから前記少なくとも1つのガラスシートの前記欠陥の前記マップ(CFV)をダウンロードするステップ(E20);
を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ロールが、前記ロールから巻き出される中間層の長さを決定できるようにすることが可能な位置特定手段(RC)を含むこと、及び
- 前記中間層(FI)を定義された長さに切断するべく、前記ロールを巻き出す目的で前記位置特定手段を読取るステップ(E50);
を含み、前記中間層の前記欠陥の前記マップ(CFI)が、前記ロールの前記欠陥の前記マップ(C)を使用しかつ前記位置特定手段(RC)を使用して得られる(E40)こと
を特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ロールが前記ロールの下降縁部に沿うマーキングを含むこと、及び:
- 前記マーキングを読取るステップ;
- 前記少なくとも1枚のガラスシートの前記欠陥の前記マップ及び前記少なくとも1つの層の前記欠陥の前記マップの座標系を、前記マーキングを用いて整列させるステップ;
を含むこと、
を特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
下記を含む、少なくとも1枚のガラスシート及びガラスシート以外の少なくとも1つの層を含む複合グレージング製品の切断計画を生成するためのシステム(SGPD)であって:
- 前記少なくとも1枚のガラスシートの欠陥のマップを得るためのモジュール;
- 少なくとも1つの他の欠陥マップを得るためのモジュールであって、前記少なくとも1つの他のマップの前記欠陥がガラスシートの欠陥ではない、モジュール;
ここで、前記マップの各々が、前記マップの欠陥の各々について、前記欠陥の位置、前記欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含んでいる;
- 少なくとも、前記マップを使用しかつ前記重大度レベルを考慮に入れた仕様を使用して、前記複合グレージング製品の切断計画を生成するためのモジュールであって、前記切断計画は少なくとも1つの切断線を含み、かつ前記切断線のいずれもが、前記少なくとも1つのガラスシートの前記欠陥の除外ゾーンを通過しないようなものである、モジュール;
前記生成モジュールは、前記切断線の少なくとも1つが前記他のマップの欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にすること
を特徴とする、システム。
【請求項13】
プログラムがコンピュータ(ORD)によって実行された時点で請求項1~11のいずれか一項に記載の切断計画を生成するための前記方法の前記ステップを実行するための命令を含む、コンピュータプログラム(PROG)。
【請求項14】
コンピュータ(ORD)によって読取り可能である記憶媒体(12)において、請求項1~11のいずれか一項に記載の切断計画を生成するための前記方法の前記ステップを実行するための命令を含むコンピュータプログラムが上に記憶されている記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレージング製品切断の技術分野に関する。本明細書においては、少なくとも1枚のガラスシートを含むあらゆる製品が、「グレージング製品」と呼ばれる。
【0002】
本発明は、より詳細には、ガラスシート中に存在する潜在的欠陥を考慮に入れたグレージング製品の切断計画を生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
当該出願人の国際公開第2014/083371号が、このような方法について記述している。要約すると、概してこの方法は、ガラスシートの切断計画を生成するための方法において、
- ガラスリボン内の欠陥の存在は、リボンがシートへと切断される前に検出され;
- 各ガラスシートが、例えばバーコードの形をした一意的識別子によって識別され;
- 各々の欠陥の重大度基準が決定され;
- 各ガラスシートについて、属性マップが生成され、ガラスシートの属性には、欠陥の位置及び重大度基準が含まれ;
- さまざまなガラスシートの属性マップがデータベース内に記憶されており;
- ユーザは、所与のガラスシートの属性マップの全て又は一部を見出すことができ;
- このガラスシートの最適化された切断計画が、このシートの属性マップの少なくとも一部を用いて生成される、
方法について記述している。
【0004】
この方法は非常に有利であるが、例えば合わせガラスなどの複合グレージング製品の切断計画を最適化することができない。
【0005】
詳細には、複合グレージング製品を切断するための現行の方法においては、切断計画を生成するために考慮に入れられる欠陥は、グレージング製品の組立て後に考慮され、ガラスシートから生じる欠陥と複合グレージング製品の他の構成要素から生じる欠陥の間でいかなる区別も行なわれない。したがって、全ての欠陥が、ガラスシートの欠陥と同様、同じ要領で処理される:いかなる切断線もこれらの欠陥あるいは実際にはそれらの除外ゾーンも通過できない。したがって、その結果として、切断中に不要な損失が生じる。
【0006】
ガラスシート内の欠陥の除外ゾーンとは、切断線が前記ゾーンを通過しようとした場合に、その切断が異常となるか又は問題のガラス部片の破断をひき起こすことになると思われるような欠陥の周りのゾーンであると言うことが喚起される。
【0007】
全ての欠陥を同じように処理することによって、先行技術の切断方法は暗黙のうちに、複合グレージング製品の他の構成要素の欠陥の周り、詳細には合わせガラスの場合には中間層シートの欠陥の周りに、除外ゾーンを画定してしまう。
【0008】
例えば、各ガラスシートの欠陥のマップ、及び合わせガラスの製造のためのポリビニルブチラール(PVB)製の中間層シートの欠陥のマップを所有していると仮定した場合、これらのマップの単なる重ね合わせによって得られる合わせガラスの欠陥のマップを入力として有する切断計画を生成するための方法は、多くの不要な損失を生み出すということを、出願人は認識した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、複合グレージング製品の改善された切断計画を生成するための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
より厳密には、本発明は、下記を含む、少なくとも1枚のガラスシート及びガラスシート以外の少なくとも1つの層を含む複合グレージング製品の切断計画を生成するための方法であって、
- 前記少なくとも1枚のガラスシートの欠陥のマップを得るステップ;
- 少なくとも1つの他の欠陥マップを得るステップであって、前記少なくとも1つの他のマップの欠陥がガラスシートの欠陥ではない、ステップ;
ここで、各マップが、その欠陥の各々について、欠陥の位置、前記欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含んでいる;
- 少なくとも、これらのマップを使用しかつ前記重大度レベルを考慮に入れた仕様を使用して、複合グレージング製品の切断計画を生成するステップであって、切断計画は、少なくとも1つの切断線を含み、かつ切断線のいずれもがガラスシートの欠陥の除外ゾーンを通過しないようなものである、ステップ;
前記切断線の少なくとも1つが他のマップの欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にすることを特徴とする、方法に関する。
【0011】
相関して、本発明は、下記を含む、少なくとも1枚のガラスシート及びガラスシート以外の少なくとも1つの層を含む複合グレージング製品の切断計画を生成するためのシステムであって、
- 前記少なくとも1枚のガラスシートの欠陥のマップを得るためのモジュール;
- 少なくとも1つの他の欠陥マップを得るためのモジュールであって、前記少なくとも1つの他のマップの前記欠陥がガラスシートの欠陥ではない、モジュール;
ここで、これらのマップの各々が、その欠陥の各々について、前記欠陥の位置、前記欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含んでいる;
- 少なくとも前記マップを使用しかつ前記重大度レベルを考慮に入れた仕様を使用して前記複合グレージング製品の切断計画を生成するためのモジュールであって、前記切断計画は少なくとも1つの切断線を含み、かつ前記切断線のいずれも前記少なくとも1つのガラスシートの前記欠陥の除外ゾーンを通過しないようなものである、モジュール;
前記生成モジュールは、前記切断線の少なくとも1つが前記他のマップの欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にすることを特徴とする、システムに関する。
【0012】
したがって、概して本発明に係る切断計画を生成するための方法及びシステムは、ガラスシートの欠陥以外の欠陥の除外ゾーンを切断線が通過することを可能にすることによって、一定の切断上の制約を緩和することを提案する。
【0013】
したがって、本発明は、ガラスシートの欠陥以外の一部の欠陥が、切断線の位置付けにとって重要なものでない可能性がある、と考えることを提案している。1つの特定の実施形態において、本発明は、ガラスシートマップ以外のマップ中に挙げられた全ての欠陥を、それらの重要度レベルの如何に関わらず、切断線が通過し得るということを受け入れている。
【0014】
ガラスシート以外の層は、例えば、1つ以上の薄い層で形成されたコーティングであり得る。具体的には、公知の通り、特定の特性、特に特定の光学的特性(例えば所与の波長領域内の放射線の反射又は吸収に関するもの)、電気伝導に関する特定の特性、さらには清浄の容易さ又は基板の自浄能力に関する特定の特性を提供する1つ以上のコーティングをガラスシートに具備することが慣習的である。これらのコーティングは概して、無機化合物、詳細には金属、酸化物、窒化物又は炭化物に基づく薄層の積重ねである。本発明に関しては、薄層は、1μmより小さい厚み、概して数十nmから数百nmの間で変動する厚みを有する(ここから「薄」なる修飾語が付いている)層を意味するものとして理解される。
【0015】
したがって、本発明に係る切断計画の生成方法は、このような薄層内に検出された欠陥を切断線が通過することを可能にする。
【0016】
1つの特定の実施形態において、複合グレージング製品は少なくとも2つのガラスシート(FV)を含み、前記少なくとも1つの層は、2つの前記ガラス層の間の中間層、例えばポリビニルブチラール(PVB)などのプラスチックで作られた中間層である。
【0017】
したがって、本発明に係る切断計画を生成する方法は、切断線がこのような中間層の中で検出された欠陥を通過することを可能にする。
【0018】
1つの特定の実施形態において、他のマップの欠陥は、前記複合グレージング製品の製造中に出現した欠陥である。
【0019】
したがって、本発明に係る切断計画を生成する方法は、切断線が、複合グレージング製品の組立て中に検出された欠陥を通過することを可能にする。
【0020】
1つの特定の実施形態において、切断計画は、複合グレージング製品のマップを使用して生成され、このマップは前記少なくとも1枚のガラスシートの欠陥の前記マップと前記他のマップとを組合せることによって得られる。
【0021】
1つの特定の実施形態において、本発明に係る方法は、例えばクラウド内など、ネットワーク上のメモリ内に複合グレージング製品のマップを記憶するステップを含む。
【0022】
一実施形態において、層が中間層、例えばPVBなどのプラスチックでできた中間層である場合、該方法は、この中間層を得るためにロールを切断するステップを含み、この中間層の欠陥のマップは、ロールの欠陥のマップを用いて得られる。
【0023】
一実施形態において、該方法は、
- ロールの一意的識別子を読取るステップ;
- この識別子によってインデックスされたデータベースからロールの欠陥のマップをダウンロードするステップ;
を含む。
【0024】
一実施形態において、該方法は、
- 前記少なくとも1つのガラスシートの一意的識別子を読取るステップ;
- 前記識別子によりインデックスされたデータベースから前記少なくとも1つのガラスシートの欠陥の前記マップをダウンロードするステップ;
を含む。
【0025】
一実施形態において、ロールは、ロールから巻き出される中間層の長さを決定できるようにすることが可能な位置特定手段を含み、該方法は、
- 中間層を定義された長さに切断するべくロールを巻き出す目的で位置特定手段を読取るステップ;
を含み、中間層の欠陥のマップは、前記ロールの欠陥のマップを使用しかつ位置特定手段を使用して得られる。
【0026】
このような位置特定手段は、速度測定技術の当業者にとっては公知である。これらの手段は、帯状材料の長さ及び巻き出し速度又は走行速度を精確に決定できるようにする。光学速度計、例えばレーザ表面速度計が特に公知である。
【0027】
一実施形態において、これらの位置特定手段は、エンコーダホイールで構成されている。
【0028】
一実施形態において、ロールは、ロールの下降縁部に沿うマーキングを含み、該方法は、
- このマーキングを読取るステップ;
- 前記少なくとも1枚のガラスシートの欠陥のマップ及び中間層の欠陥のマップの座標系を、このマーキングを用いて整列させるステップ;
を含む。
【0029】
1つの特定の実施形態において、本発明に係る切断計画を生成する方法のさまざまなステップは、コンピュータプログラム命令によって定義される。
【0030】
したがって、本発明は同様に、本発明に係る切断計画を生成する方法のステップを実装するのに好適である命令を含む、データ媒体上のコンピュータプログラムにも関する。
【0031】
このプログラムは、任意のプログラミング言語を使用し、ソースコード、オブジェクトコード又はソースコードとオブジェクトコードの間の中間のコード、例えば部分的にコンパイルされた形態又は他の望ましい形態のコードの形をとることができる。
【0032】
本発明は同様に、コンピュータにより読取り可能であり、上述のようなコンピュータプログラムの命令を含む記憶媒体にも関する。
【0033】
データ媒体は、プログラムを記憶する能力をもつ任意のエンティティ又はシステムであり得る。例えば、媒体は、記憶手段、例えばROM、例えばCDROM又は超小型電子回路のROM、さらには磁気記憶手段、例えばハードディスクを含み得る。
【0034】
さらに、データ媒体は、電気ケーブル又は光ケーブルを介して、無線を介して又は他の手段を介してルーティングされ得る電気信号又は光信号などの伝送可能な媒体であり得る。本発明に係るプログラムは、詳細には、インタネット上でダウンロード可能である。
【0035】
代替的には、データ媒体は、プログラムが中に組込まれた集積回路であってよく、この回路は、当該方法を実行するため又はこの方法の実行において使用されるために好適である。
【0036】
本発明の他の特徴及び利点は、限定的な性質の全く無いその例示的実施形態を例証する添付図面を参照して、以下に提供されている説明から明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、複合グレージング製品を示す。
図2A-2D】図2A~2Dは、本発明の特定の実施形態の中で使用可能なマップを示す。
図3図3は、本発明の1つの特定の実施形態の中で使用可能なPVBプラスチックのロールを示す。
図4図4は、本発明の1つの特定の実施形態に係る切断計画を生成する方法の主要なステップを流れ図の形で示す。
図5図5は、本発明に係る切断計画を生成するためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明に関連して意図されている通りの複合グレージング製品を示す。図1の実施例において、この複合グレージング製品は、2枚のガラスシートFVi、FVj及びPVBプラスチック製の中間層FIを含む合わせガラスVFである。
【0039】
各々のガラスシートFViは、ガラスシート上にマーキングされた一意的識別子IDFViを含む。
【0040】
図2Aは、識別子IDFVのガラスシートの欠陥のマップCFVの一例を示す。このマップCFVは、ガラスシートの欠陥の各々について、このガラスシートに特異的な座標系内の欠陥の位置POS、欠陥のサイズTAILLE、そして前記欠陥の重大度レベルNCを含む。
【0041】
ここで説明される例示的実施形態において、これらのガラスシート欠陥マップは、ガラスシートの識別子によってインデックスされたデータベースBDCFV中に記憶されている。
【0042】
図3は、PVBプラスチックのロールRを示す。このロールは、一意的識別子ID及びエンコーダホイールRCを含む。
【0043】
図2Bは、識別子IDのロールの欠陥のマップCの一例を示す。このマップCは、ロールの欠陥の各々について、このロールに特異的な座標系内の欠陥の位置POS、欠陥のサイズTAILLE、そして前記欠陥の重大度レベルNCを含む。
【0044】
ここで説明される例示的実施形態において、これらのロール欠陥マップは、ロールの識別子によりインデックスされたデータベースBD中に記憶されている。
【0045】
図4は、流れ図の形で、複合グレージング製品VFの切断計画を生成するための方法の主要ステップを示す。
【0046】
この実施例において、該方法は、図1の合わせガラスVF用に最適化された切断計画の生成に関して説明されている。
【0047】
ここで説明される実施形態において、この方法は、2枚のガラスシートFVi、FVjの各々の一意的識別子IDFVi、IDFVjを読取るステップE10、及びデータベースBDCFVからこれらのガラスシートの各欠陥のマップCFVi、CFVjをそれらの識別子を用いてダウンロードするステップE20を含む。
【0048】
ここで説明される実施形態において、本発明に係る方法は、ロールRの一意的識別子IDを読取るステップE30、及びデータベースBDCRからロールの欠陥のマップCをダウンロードするステップE40を含む。
【0049】
ここで説明される実施形態において、PVBプラスチック製の中間層をガラスシートFVi、FVjのサイズと実質的に等しいサイズに切断するために(ステップE60)、ロールRは巻き出されており、これにはエンコーダホイールRCを駆動する効果がある。
【0050】
ここで説明される実施形態においては、中間層の欠陥のマップCFIが、エンコーダホイールRCから読取られた情報(ステップE50)及びロールの欠陥のマップCを用いて、ステップE70において得られる。
【0051】
ガラスシート及び中間層はステップE75で組立てられて、合わせガラスVFを形成する。
【0052】
この組立てステップの終了時点で、合わせガラスは分析され、任意には製造中に出現した欠陥のマップCDFがステップE80において作成される。
【0053】
このマップCDFは、組立て中に出現した欠陥の各々について、合わせガラスVFに特異的な座標系内の欠陥の位置、欠陥のサイズ、及び前記欠陥の重大度レベルを含む。このようなマップの一例が、図2Cに示されている。このマップCDFは、組立て中に出現した欠陥の各々について、このガラスシートに特異的な座標系内の欠陥の位置POS、欠陥のサイズTAILLE、及び前記欠陥の重大度レベルNCを含む。
【0054】
ここで説明される実施形態において、本発明に係る方法は、各々のガラスシートの欠陥のマップCFVi、CFVj、PVB中間層の欠陥のマップCFI及び組立て中に出現した欠陥のマップCを組合せることによって、合わせガラスVFのマップCVFを生成するステップE90を含む。公知の通り、このステップは、各々のマップと結び付けられた座標系を整列させるオペレーションを必要とする。
【0055】
ここで説明される実施形態において、本発明に係る方法は、ネットワーク上のデータベースBFVF内のメモリ中に、複合グレージング製品(ここでは合わせガラスVF)のマップCVFを記憶するステップE100を含む。このようなマップの一例が、図2Dに示されている。このマップCVFは、グレージング製品の欠陥の各々について、このグレージング製品に特異的な座標系内の欠陥の位置POS、欠陥のサイズTAILLE、及び前記欠陥の重大度レベルNCを含む。それは、さらに各々の欠陥について、欠陥がガラスシートの欠陥であるか、PVB中間層の欠陥であるか又は組立て中に出現した欠陥であるかを標示する属性ATTを含むという点において、注目に値する。
【0056】
ここで説明される実施形態において、本発明に係る方法は、複合グレージング製品のマップCVFを使用しかつ仕様CDCを使用して、複合グレージング製品VFの切断計画PDDを生成するステップE110を含む。
【0057】
この仕様には、品質が低いことに起因する損失を最小限に抑えるべく合わせガラスの部片を切断する目的で各々の欠陥の重大度レベルが考慮に入れられている。
【0058】
本発明によると、この切断計画のいかなる切断線もガラスシートのシートの欠陥の除外ゾーンを通過しない。ここで説明される実施形態において、これらの除外ゾーンは、欠陥の周り半径1cmの円である。
【0059】
本発明に係る方法は、切断計画の少なくとも1つの切断線がPVB中間層の欠陥の除外ゾーン又は組立て中に出現した欠陥の除外ゾーンを通過することを可能にする、という点において注目に値する。
【0060】
図5は、本発明に係る切断計画を生成するためのシステムSGPDを示す。このシステムは、プロセッサ10、ランダムアクセスメモリ11、読取り専用メモリ12及びネットワークNET上で通信するための通信モジュールCOMを含むコンピュータORDを含む。
【0061】
読取り専用メモリ12は、本発明に係る媒体である。それは、本発明に係るコンピュータプログラムPGを記憶し、このコンピュータプログラムの命令は、プロセッサ10によって実行された時点で、図4を参照して以上で説明した切断計画を生成するための方法のステップを実装する。
【0062】
このコンピュータは、ガラスシート及びロールの識別子を読取るように構成されたスキャナSCに接続されている。これは同様に、複合グレージング製品の製造中に出現したあらゆる欠陥を検出するためカメラCAMにも接続されている。
【0063】
通信モジュールCOMは、このコンピュータがデータベースBDVF(ガラスシートの欠陥のマップ)及びBDR(ロールの欠陥のマップ)からさまざまな欠陥マップをダウンロードできるようにする。
【0064】
この通信モジュールCOMは同様に、複合グレージング製品のマップCVFをデータベースBDVF内のメモリの中に記憶できるようにする。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
【国際調査報告】