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特表2022-542620紋様画像取得回路、表示パネル及び紋様画像取得方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(54)【発明の名称】紋様画像取得回路、表示パネル及び紋様画像取得方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20220929BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220929BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220929BHJP
【FI】
G06V40/13
G09G3/20 691E
G09G3/20 621A
H04N5/369
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021504756
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(85)【翻訳文提出日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2019091318
(87)【国際公開番号】W WO2020248238
(87)【国際公開日】2020-12-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512116114
【氏名又は名称】北京京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.118 Jinghaiyilu,BDA,Beijing 100176,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 佳斌
(72)【発明者】
【氏名】丁 小梁
(72)【発明者】
【氏名】曹 学友
(72)【発明者】
【氏名】王 文娟
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 静
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 宜▲馳▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲海▼生
(72)【発明者】
【氏名】王 雷
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 英明
(72)【発明者】
【氏名】王 迎姿
【テーマコード(参考)】
5C024
5C080
【Fターム(参考)】
5C024GX02
5C024HX17
5C024HX35
5C024HX40
5C024HX50
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB05
5C080DD09
5C080EE25
5C080EE26
5C080FF11
5C080GG02
5C080GG07
5C080GG09
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK02
5C080KK04
5C080KK07
5C080KK08
5C080KK23
5C080KK43
(57)【要約】
紋様画像取得回路、表示パネル及び紋様画像取得方法である。当該紋様画像取得回路は、電荷中和回路及び第1採取回路を含み、前記電荷中和回路が前記第1採取回路に電気的に接続され、前記電荷中和回路は、前記第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、前記第1採取回路を流れる電流を第2電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、前記第2電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対であり、前記第1採取回路は、紋様からの光を受け、第1採取値を取得するように、前記紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される。当該紋様画像取得回路は、残留電荷による残像現象を改善又は回避することができ、それによって紋様認識の有効性及び精度を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷中和回路及び第1採取回路を含む紋様画像取得回路であって、
前記電荷中和回路は、前記第1採取回路に電気的に接続され、
前記電荷中和回路は、前記第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、前記第1採取回路を流れる電流を第2電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、前記第2電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対であり、
前記第1採取回路は、紋様からの光を受け、第1採取値を取得するように、前記紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される、
紋様画像取得回路。
【請求項2】
前記第1採取回路は、第1感光性素子、第1スイッチ回路及び第1積分演算回路を含み、
前記第1感光性素子の第2電極は、前記第1スイッチ回路に接続され、前記第1スイッチ回路は、前記第1積分演算回路にさらに接続され、
前記第1感光性素子は、前記紋様からの光を受け、前記紋様からの光の変換後に得られた前記第1信号量を蓄積するように構成され、
前記第1積分演算回路は、前記第1採取値を取得するように、前記第1信号量を受け取って、前記第1信号量に対して積分演算を行うように構成される、
請求項1に記載の紋様画像取得回路。
【請求項3】
前記第1感光性素子の第1電極は、前記電荷中和回路に接続されるように構成され、
前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、前記第1感光性素子の第1電極に第1電圧を提供するように構成され、かつ、前記第2制御信号を受信する場合、前記第1感光性素子の第1電極に第2電圧を提供するように構成される、
請求項2に記載の紋様画像取得回路。
【請求項4】
前記第1電圧は、前記第2電圧よりも大きい、
請求項3に記載の紋様画像取得回路。
【請求項5】
前記電荷中和回路は、第1制御トランジスタ及び第2制御トランジスタを含み、
前記第1制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1感光性素子の第1電極に接続され、
前記第2制御トランジスタは、ゲートが前記第2制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第1電極に接続され、第2電極が前記第2電圧を受信するように構成され、
前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、
前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、
前記第1オペアンプは、非反転入力端子が基準電圧を受信するように構成され、出力端が前記第1採取値を出力するように構成され、
前記第1コンデンサは、第1電極が前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される、
請求項3又は4に記載の紋様画像取得回路。
【請求項6】
前記第1感光性素子は、第1電極が第2電圧を受信するように構成され、第2電極が前記電荷中和回路にさらに電気的に接続され、
前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、前記第1感光性素子の第2電極に第3電圧を提供するように構成される、
請求項2に記載の紋様画像取得回路。
【請求項7】
前記第3電圧は、前記第2電圧よりも小さい、
請求項6に記載の紋様画像取得回路。
【請求項8】
前記電荷中和回路は、第3制御トランジスタを含み、
前記第3制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第3電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、
前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、
前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、
前記第1オペアンプは、非反転入力端子が基準電圧を受信するように構成され、出力端が前記第1採取値を出力するように構成され、
前記第1コンデンサは、第1電極が前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される、
請求項6又は7に記載の紋様画像取得回路。
【請求項9】
前記第1感光性素子の第1電極は、第2電圧を受信するように構成され、前記第1積分演算回路は、さらに、前記電荷中和回路に接続され、
前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、前記第1積分演算回路に第3電圧を提供するように構成され、かつ、前記第2制御信号を受信する場合、前記第1積分演算回路に基準電圧を提供するように構成される、
請求項2に記載の紋様画像取得回路。
【請求項10】
前記第3電圧が前記第2電圧よりも小さく、前記基準電圧が前記第2電圧よりも大きい、
請求項9に記載の紋様画像取得回路。
【請求項11】
前記電荷中和回路は、第4制御トランジスタ及び第5制御トランジスタを含み、前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、
前記第4制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第3電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、
前記第5制御トランジスタは、ゲートが前記第2制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記基準電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、
前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、
前記第1オペアンプの出力端は、前記第1採取値を出力するように構成され、
前記第1コンデンサは、第1電極が前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される、
請求項9又は10に記載の紋様画像取得回路。
【請求項12】
基準採取回路をさらに含み、
前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に電気的に接続され、かつ、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて第1基準値を取得するように構成される、
請求項2に記載の紋様画像取得回路。
【請求項13】
前記基準採取回路は、基準感光性素子、基準スイッチ回路及び基準積分演算回路を含み、
前記基準感光性素子の第2電極は、前記基準スイッチ回路に接続され、前記基準スイッチ回路がさらに前記基準積分演算回路に接続され、
前記基準感光性素子は、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、基準信号量を取得するように構成され、
前記基準積分演算回路は、前記基準信号量を受け取って、前記基準信号量に対して積分演算を行うことにより、前記第1基準値を取得するように構成される、
請求項12に記載の紋様画像取得回路。
【請求項14】
前記基準感光性素子と前記第1感光性素子は、同じタイプの感光性素子を使用している、
請求項13に記載の紋様画像取得回路。
【請求項15】
前記基準スイッチ回路は、基準スイッチトランジスタを含み、前記基準積分演算回路は、基準オペアンプ及び基準コンデンサを含み、
前記基準スイッチトランジスタは、ゲートが基準走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記基準感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記基準オペアンプの反転入力端子に接続され、
前記基準オペアンプの出力端は、前記第1基準値を出力するように構成され、
前記基準コンデンサは、第1電極が前記基準オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記基準オペアンプの前記出力端に接続される、
請求項13又は14に記載の紋様画像取得回路。
【請求項16】
第2採取回路をさらに含み、
前記電荷中和回路は、前記第2採取回路に電気的に接続され、
前記電荷中和回路は、前記第2採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、前記第2採取回路を流れる電流を第3電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、前記第3電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対であり、
前記第2採取回路は、紋様からの光を受け、前記紋様からの光の変換後に得られた第2信号量を蓄積することにより、第2採取値を取得するように構成される、
請求項1~15のいずれか一項に記載の紋様画像取得回路。
【請求項17】
表示領域を含む表示パネルであって、
前記表示領域は、紋様認識領域を含み、
前記表示領域には、アレイに配列される複数の画素ユニットが設けられており、前記紋様認識領域に位置する画素ユニットは、請求項1~11、16のいずれか一項に記載の紋様画像取得回路を含む、
表示パネル。
【請求項18】
処理回路をさらに含み、
前記処理回路は、前記第1採取回路に電気的に接続され、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値を処理するように構成される、
請求項17に記載の表示パネル。
【請求項19】
前記紋様画像取得回路は、基準採取回路をさらに含み、前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に接続され、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、第1基準値を取得するように構成され、
前記処理回路は、さらに前記基準採取回路に電気的に接続され、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値及び前記第1基準値に基づいて処理を行うように構成される、
請求項18に記載の表示パネル。
【請求項20】
請求項1~11のいずれか一項に記載の紋様画像取得回路に用いられる紋様画像取得方法であって、
電荷中和期間に、前記第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、前記電荷中和回路に第1制御信号を受信させるステップと、
採取期間に、前記第1採取回路を流れる電流を、第1電流の方向とは互いに反対である第2電流にするように、前記電荷中和回路に第2制御信号を受信させるステップと、
前記第1採取回路によって、紋様からの光を受け、第1採取値を取得するように、前記紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するステップと、を含む、
紋様画像取得方法。
【請求項21】
前記紋様画像取得回路は、基準採取回路をさらに含み、前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に接続され、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、第1基準値を取得するように構成され、
前記紋様画像取得方法は、
前記電荷中和期間に、前記基準採取回路を流れる電流を第1電流にするように、前記電荷中和回路に前記第1制御信号を受信させるステップと、
前記採取期間に、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値及び前記第1基準値を処理するステップと、をさらに含む、
請求項20に記載の紋様画像取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、紋様画像取得回路、表示パネル及び紋様画像取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル端末の人気が高まるにつれ、身元確認、電子支払などの操作にモバイル端末を使用するユーザーが増えている。指紋パターンや掌紋パターンなどの皮膚の紋様の独自性により、光学イメージングと組み合わせた指紋認識技術は、身元確認、電子支払などのために、モバイル電子デバイスに徐々に採用されている。紋様認識の精度を向上させる方法は、この分野で注目されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例は、紋様画像取得回路を提供し、電荷中和回路及び第1採取回路を含み、前記電荷中和回路は、前記第1採取回路に電気的に接続され、前記電荷中和回路は、前記第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、前記第1採取回路を流れる電流を第2電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、前記第2電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対であり、前記第1採取回路は、紋様からの光を受け、第1採取値を取得するように、前記紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される。
【0004】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第1採取回路は、第1感光性素子、第1スイッチ回路及び第1積分演算回路を含み、前記第1感光性素子の第2電極は、前記第1スイッチ回路に接続され、前記第1スイッチ回路がさらに前記第1積分演算回路に接続され、前記第1感光性素子は、前記紋様からの光を受け、前記紋様からの光の変換後に得られた前記第1信号量を蓄積するように構成され、前記第1積分演算回路は、前記第1採取値を取得するように、前記第1信号量を受け取って、前記第1信号量に対して積分演算を行うように構成される。
【0005】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第1感光性素子の第1電極は、前記電荷中和回路に接続されるように構成され、前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、第1電圧を前記第1感光性素子の第1電極に提供するように構成され、かつ、前記第2制御信号を受信する場合、第2電圧を前記第1感光性素子の第1電極に提供するように構成される。
【0006】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第1電圧は、前記第2電圧よりも大きい。
【0007】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記電荷中和回路は、第1制御トランジスタ及び第2制御トランジスタを含み、前記第1制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1感光性素子の第1電極に接続され、前記第2制御トランジスタは、ゲートが前記第2制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第1電極に接続され、第2電極が前記第2電圧を受信するように構成され、前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、前記第1オペアンプは、非反転入力端子が、基準電圧を受信するように構成され、出力端が、前記第1採取値を出力するように構成され、前記第1コンデンサは、第1電極が、前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される。
【0008】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第1感光性素子は、第1電極が第2電圧を受信するように構成され、第2電極が前記電荷中和回路にさらに電気的に接続され、前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、第3電圧を前記第1感光性素子の第2電極に提供するように構成される。
【0009】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第3電圧は、前記第2電圧よりも小さい。
【0010】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記電荷中和回路は、第3制御トランジスタを含み、前記第3制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第3電圧を受信するように構成され第2電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、前記第1オペアンプは、非反転入力端子が基準電圧を受信するように構成され、出力端が前記第1採取値を出力するように構成され、前記第1コンデンサは、第1電極が前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される。
【0011】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第1感光性素子の第1電極が第2電圧を受信するように構成され、前記第1積分演算回路は、前記電荷中和回路にさらに接続され、前記電荷中和回路は、前記第1制御信号を受信する場合、第3電圧を前記第1積分演算回路に提供するように構成され、かつ、前記第2制御信号を受信する場合、基準電圧を前記第1積分演算回路に提供するように構成される。
【0012】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記第3電圧は、前記第2電圧よりも小さく、前記基準電圧は、前記第2電圧よりも大きい。
【0013】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記電荷中和回路は、第4制御トランジスタ及び第5制御トランジスタを含み、前記第1スイッチ回路は、第1スイッチトランジスタを含み、前記第1積分演算回路は、第1オペアンプ及び第1コンデンサを含み、前記第4制御トランジスタは、ゲートが前記第1制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記第3電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、前記第5制御トランジスタは、ゲートが前記第2制御信号を受信するように構成され、第1電極が前記基準電圧を受信するように構成され、第2電極が前記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、前記第1スイッチトランジスタは、ゲートが第1走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記第1感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの反転入力端子に接続され、前記第1オペアンプの出力端が前記第1採取値を出力するように構成され、前記第1コンデンサは、第1電極が前記第1オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記第1オペアンプの前記出力端に接続される。
【0014】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路は、基準採取回路をさらに含み、前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に電気的に接続され、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて第1基準値を取得するように構成される。
【0015】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記基準採取回路は、基準感光性素子、基準スイッチ回路及び基準積分演算回路を含み、前記基準感光性素子の第2電極は、前記基準スイッチ回路に接続され、前記基準スイッチ回路は、さらに前記基準積分演算回路に接続され、前記基準感光性素子が前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、基準信号量を取得するように構成され、前記基準積分演算回路は、前記基準信号量を受け取って、前記基準信号量に対して積分演算を行うことにより、前記第1基準値を取得するように構成される。
【0016】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記基準感光性素子と前記第1感光性素子は、同じタイプの感光性素子を使用する。
【0017】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路において、前記基準スイッチ回路は、基準スイッチトランジスタを含み、前記基準積分演算回路は、基準オペアンプ及び基準コンデンサを含み、前記基準スイッチトランジスタは、ゲートが基準走査信号を受信するように構成され、第1電極が前記基準感光性素子の第2電極に接続され、第2電極が前記基準オペアンプの反転入力端子に接続され、前記基準オペアンプの出力端は、前記第1基準値を出力するように構成され、前記基準コンデンサは、第1電極が前記基準オペアンプの前記反転入力端子に接続され、第2電極が前記基準オペアンプの前記出力端に接続される。
【0018】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得回路は、第2採取回路をさらに含み、前記電荷中和回路が前記第2採取回路に電気的に接続され、前記電荷中和回路は、前記第2採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、前記第2採取回路を流れる電流を第3電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、前記第3電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対であり、前記第2採取回路は、紋様からの光を受け、前記紋様からの光の変換後に得られた第2信号量を蓄積することにより、第2採取値を取得するように構成される。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示領域を含む表示パネルをさらに提供し、前記表示領域は、紋様認識領域を含み、前記表示領域にはアレイに配列される複数の画素ユニットが配置されており、前記紋様認識領域に位置する画素ユニットが本開示の実施例によって提供される任意の紋様画像取得回路を含む。
【0020】
例えば、本開示の一実施例によって提供される表示パネルは、処理回路をさらに含み、前記処理回路が前記第1採取回路に電気的に接続され、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値を処理するように構成される。
【0021】
例えば、本開示の一実施例によって提供される表示パネルにおいて、前記紋様画像取得回路は、基準採取回路をさらに含み、前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に接続され、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、第1基準値を取得するように構成され、前記処理回路は、さらに前記基準採取回路に電気的に接続され、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値及び前記第1基準値に基づいて、処理するように構成される。
【0022】
本開示の少なくとも1つの実施例は、紋様画像取得回路に用いられる紋様画像取得方法をさらに提供し、電荷中和期間に、前記第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、前記電荷中和回路に第1制御信号を受信させるステップと、採取期間に、前記第1採取回路を流れる電流を、第1電流の方向とは反対である第2電流にするように、前記電荷中和回路に第2制御信号を受信させ、前記第1採取回路によって、紋様からの光を受け、第1採取値を取得するように、前記紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するステップと、を含む。
【0023】
例えば、本開示の一実施例によって提供される紋様画像取得方法において、前記紋様画像取得回路は、基準採取回路をさらに含み、前記基準採取回路は、前記電荷中和回路に接続され、前記紋様からの光を受けなく、前記第1電流に基づいて、第1基準値を取得するように構成され、前記紋様画像取得方法は、前記電荷中和期間に、前記基準採取回路を流れる電流を第1電流にするように、前記電荷中和回路に前記第1制御信号を受信させるステップと、前記採取期間に、前記紋様の画像を取得するように、前記第1採取値及び前記第1基準値を処理するステップとをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の実施例による技術案をより明確に説明するために、実施例の図面を以下に簡単に紹介する。明らかなように、以下に説明される図面は、本開示を限定するのではなく、本開示のいくつかの実施例にのみ関する。
【0025】
図1A】紋様画像の取得原理図である。
図1B】点光源のイメージング範囲の概略図である。
図2A】紋様画像における残像の概略図の1つである。
図2B】紋様画像における残像の2番目の概略図である。
図3】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される紋様画像取得回路の概略図である。
図4】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される別の紋様画像取得回路の概略図である。
図5】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図6】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図7】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図8】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される紋様画像取得回路の回路図である。
図9】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される別の紋様画像取得回路の回路図である。
図10】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、図8に示す紋様画像取得回路に用いられる信号シーケンス図である。
図11】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、図9に示す紋様画像取得回路に用いられる信号シーケンス図である。
図12】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図13】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図14】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の回路図である。
図15】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の回路図である。
図16】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、図14に示す紋様画像取得回路に用いられる信号シーケンス図である。
図17】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、図15に示す紋様画像取得回路に用いられる信号シーケンス図である。
図18】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の概略図である。
図19】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるもう1つの紋様画像取得回路の概略図である。
図20】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるさらに別の紋様画像取得回路の回路図である。
図21】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供されるもう1つの紋様画像取得回路の回路図である。
図22】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示パネルの概略図である。
図23】本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される紋様画像取得方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をさらに明瞭にするために、以下、本開示の実施例による添付の図面を参照して、本開示の実施例による技術案について明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は、本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。説明された本開示の実施例に基づいて、創造的な労働なしに当業者によって得られた他のすべての実施例は、本開示の保護範囲内にある。
【0027】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。同様に、「1個」、「1つ」又は「当該」などの類似する語は、数量制限を意味するのではなく、少なくとも1つあることを意味する。「含む」や「含まれる」などの類似する語は、この語の前に出現した素子や物がこの語の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似する語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、当該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0028】
現在において、特に携帯電話などのポータブル表示装置では、狭いベゼルが表示装置の設計と製造の主流になりつつある。ベゼル幅を狭くするように実現する手段の1つは、紋様画像取得機能を備えた感光性素子(感光性回路)を表示パネルに集積化することであり、これにより、画面下の紋様認識を実現し、表示パネルの表示領域の面積を増やし、画面と本体の比率を増やす。
【0029】
例えば、感光素子の感光光源として、点光源、線光源、又は特定のパターンの光源を使用して、紋様画像を取得し、さらに紋様を認識することができる。
【0030】
以下では、紋様画像を取得する原理を紹介するために、感光性素子の感光性光源の一例として点光源を取り上げるが、これは本開示の実施例を限定するものではない。
【0031】
反射式光学紋様グラフィック取得装置において、紋様画像の取得プロセスでは、図1Aに示すように、点光源L1が発光すると、紋様押圧インターフェース(例えば、ガラススクリーンの外面)に異なる角度で光が照射し、紋様押圧インターフェースの全反射により、これらの光のうち、入射角が全反射の臨界角θ以上になる一部で全反射が発生し、光のこの部分が紋様押圧インターフェースから射出されなくなり、したがって、全反射領域が生じる。それに対応して、入射角が全反射の臨界角θよりも小さい光の一部は、紋様押圧インターフェースから射出される。したがって、全反射領域から反射した光によって紋様画像を採取することができ、例えば、紋様イメージングインターフェースのB1に鮮明な紋様画像が形成され、当該紋様画像は、F1にある紋様の部分に対応し、F1が全反射領域であり、B1がイメージング領域である。
【0032】
具体的には、例えば、ユーザーが指の指紋を全反射領域F1に押し付けると、指紋の隆起が全反射領域F1の表面に接触するため、指紋の隆起に対応する位置の全反射条件が破壊され、したがって、光が当該対応する位置から射出され、これにより、元の反射経路が変更され、指紋の谷が全反射領域F1の表面に接触しなくなり、したがって、指紋の谷に対応する位置の全反射条件が破壊されず、当該対応する位置にある光がまだ完全に反射されているので、元の反射経路が変更されない。このように、全反射領域の光は、全反射条件に対する指紋の谷と隆起の異なる影響により、紋様イメージングインターフェースに入射する光によって、異なる位置で明るい紋様画像と暗い紋様画像を形成する。
【0033】
また、紋様押圧インターフェースから射出されかつ指紋により反射した光の干渉により、又は光源からの光が紋様押圧インターフェースに到達しないうちに、他の機能層によって紋様イメージングインターフェースまで反射されるため、紋様イメージングインターフェースのA1が検出無効な領域になり、当該領域には有効な紋様画像を形成できない。無効領域A1では、光源L1からの光のうち、紋様押圧インターフェースに到達しないうちに、他の機能層によって紋様イメージングインターフェースまで反射される部分、及び紋様押圧インターフェースによってほぼ垂直に反射される部分の輝度がより高く、基本的に無効領域A1の中央位置にあるため、ハイライト領域を形成し、当該ハイライト領域が、光の輝度がより高いため、感光性素子アレイの対応する部分でより大きな光電信号を生成し、残像領域とも呼ばれる残像を形成しやすい。
【0034】
例えば、図1Bは、点光源のイメージング範囲の概略図を示す。図1Bに示すように、点光源の感光範囲において、有効なイメージング範囲はリング状であり、即ち、図1Bでは、内側円61と外側円62との間のリング状領域が有効なイメージング範囲であり、全反射領域F1に対応する図1Aのイメージング領域B1に対応し、当該リング状の内側円61内の領域(以下、リングの中心60と呼ばれる)は、図1Aの無効な領域A1に対応する無効なイメージング領域であり、リングの中心60内の部分領域(影付き領域)63は、ハイライト領域(残像領域)であり、当該ハイライト領域により、イメージングプロセスでは感光性素子アレイに残像を生じやすい。
【0035】
紋様認識の過程では、1つの光源で形成される有効なイメージング範囲が制限されるため、複数の並列光源(例えば、アレイに配列される複数の光源)を同時に提供し、各光源の有効なイメージング範囲を組み合わせてより大きなものを形成できる。ただし、前述のように、各光源にはまだ無効な領域があるため、場合によっては、1つの光源アレイだけが紋様認識の要件を満たすことができないおそれがある。この点で、例えば、複数の光源又は複数の光源アレイを時間別に点灯して、複数の有効なイメージング範囲を形成することができ、1つの光源アレイの有効なイメージング範囲は、他の光源アレイの無効な領域をカバーし、それによってこれらの異なる光源アレイの有効なイメージング範囲を重ね合わせて接合し、より大きな紋様画像を取得することができる。ただし、複数の光源(又は光源アレイ)を時間別に点灯してより広い範囲の紋様画像を形成する場合、2つの隣接する光源の点灯間隔が短いため、1つの光源によって形成されるハイライト領域が感光性素子アレイの対応する部分に与える影響はすぐには消えないが、感光性素子アレイの当該対応する部分に部分的に残る。感光性素子アレイの当該対応する部分が、後で点灯する他の光源の有効なイメージング領域にある場合、上記の残った影響により、接合された紋様画像に残像が発生し、したがって、接合された紋様画像が不完全になり、その結果、紋様画像を認識できないか、紋様画像の認識が不正確になる。一方、隣接する2つの光源の点灯間隔を長くすると、紋様画像の採取時間が長くなり、ユーザーエクスペリエンスに影響を与える。
【0036】
なお、本開示の実施例では、隣接して点灯する光源アレイ間の時間間隔を1フレームと呼び、光源アレイを1回点灯させて得られる紋様画像を1つの画像フレームと呼ぶ。例えば、上記の紋様画像の接合方法では、隣接する2つのフレームに対応する光源アレイが、隣接している(例えば、それぞれ2つのアレイを構成する光源は、所定の方向(例えば、水平又は垂直)に所定の間隔で互いにずらされている)2つの異なる光源アレイである。当然ながら、紋様画像を取得する過程では、各フレームですべての光源アレイを同時に点灯させてもよく、取得した複数のグラフィックフレームを処理して最終的な紋様画像を取得することができる。
【0037】
上記の残像現象を別の観点から説明する。例えば、感光性素子は、通常、感光性材料を使用して、受け取った光を光電変換してキャリア電荷を生成し、電荷に対してアナログ-デジタル変換(アナログ-デジタル変換)を行い、紋様に対応する信号量を取得する。しかし、本発明者らは、感光性材料(例えば、アモルファスシリコン、ガリウム砒素などの半導体材料)の材料特性のため、光電変換後に生成された電荷が、感光性要素から短時間で完全に放出されないおそれがあることを発見し、紋様画像を取得する過程で、感光性素子の直前のフレームの残留電荷が現のフレームの電荷と重なって残像現象(lag)が発生し、その結果、取得された紋様画像が不鮮明になり、最終的に紋様認識の有効性と正確性に影響を与える。
【0038】
図2A及び図2Bはそれぞれ2つの残像現象の概略図を示す。例えば、図2Aは、直前のフレームの輝点によって生じた残像を示し、図2Bは、輝点が連続的に現れたときに生じた残像を示している。図2A図2Bの2つの状況で得られた紋様画像では、残像に対応する信号量が、紋様画像に対応する信号量よりも大きい場合があり、取得した紋様画像が不鮮明になるおそれがあり、ひどい場合には、紋様画像の特徴点抽出などの後続の画像処理操作に影響を与えることになる。
【0039】
本開示の少なくとも1つの実施例は、電荷中和回路及び第1採取回路を含む紋様画像取得回路を提供する。電荷中和回路が第1採取回路に電気的に接続され、電荷中和回路は、第1採取回路を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号を受信するように構成され、かつ、第1採取回路を流れる電流を第2電流にするように、第2制御信号を受信するように構成され、第2電流の方向と第1電流の方向とが互いに反対であり、第1採取回路は、第1採取値を取得するように、紋様からの光を受け、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される。本開示の実施例は、上記紋様画像取得回路に対応する表示パネル及び紋様画像取得方法をさらに提供する。
【0040】
本開示の実施例によって提供される紋様画像取得回路、表示パネル及び紋様画像取得方法は、逆電流(例えば、第1電流など)を使用して、直前のフレームの残留電荷を部分的又は完全に中和し、残留電荷による残像現象を改善又は回避して、紋様画像取得の有効性と精度を向上させることができる。
【0041】
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施例及びその例について詳細に説明する。
【0042】
本開示の少なくとも1つの実施例は、紋様画像取得回路10を提供し、図3に示すように、当該紋様画像取得回路10は、電荷中和回路600及び第1採取回路100を含む。
【0043】
例えば、図3に示すように、電荷中和回路600は、第1採取回路100に電気的に接続される。電荷中和回路600は、第1採取回路100を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号CS1を受信するように構成され、かつ、第1採取回路100を流れる電流を第2電流にするように、第2制御信号CS2を受信するように構成され、第2電流の方向と第1電流の方向とが互いに反対である。
【0044】
例えば、第1採取回路100は、第1採取値DT1を取得するように、紋様からの光(例えば、紋様によって反射された光)を受け取り、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される。
【0045】
例えば、第1採取回路100が直前のフレームの紋様画像の採取を完了した後、第1採取回路100の内部に残留電荷がある可能性があり、次のフレームの採取前に、第1採取回路100を流れる電流を第1電流にするように、電荷中和回路600に第1制御信号CS1を受信させ、例えば、当該第1電流の方向が、電荷中和回路600から第1採取回路100までであってもよい。電荷中和回路600を介して第1電流を第1採取回路100に印加した後、第1採取回路100の内部の残留電荷が少なくとも部分的又は完全に中和することができ、その結果、次のフレームの採取前に、第1採取回路100に残された電荷を部分的又は完全に除去される。
【0046】
次に、次のフレームの採取を開始し、このとき、第1採取回路100を流れる電流を第2電流にするように、電荷中和回路600に第2制御信号CS2を受信させ、例えば、当該第2電流の方向が、第1採取回路100から電荷中和回路600までであってもよい。例えば、第1採取回路100は、第2電流が印加されたときに、通常の採取動作を実行することができ、例えば、紋様からの光を受け、受け取った光に対して光電変換を実行して電荷を生成することができ、そして、例えば、電荷をアナログからデジタルに変換(アナログ-デジタル変換)し、紋様に対応する信号量を取得することができる。
【0047】
例えば、本開示の実施例において、第1採取回路100によって紋様からの光を変換して得られた信号量は、第1信号量と呼ばれる。例えば、第1採取回路100は、第1採取値DT1を取得するように、当該第1信号量を蓄積することもできる。例えば、当該第1採取値DT1は、更なるデータ処理のために処理回路に提供可能で、最終的に紋様に関する画像を取得する。
【0048】
本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される紋様画像取得回路10は、例えば、紋様画像の2つフレームの採取間隔において、第1取得回路100の残留電荷を部分的又は完全に中和することができ、それにより、残留電荷による残像現象を改善又は回避し、その結果、紋様画像取得の有効性及び精度を向上させ、最終的には当該紋様画像取得回路10を使用した表示パネル又は表示装置の紋様認識精度を向上させることができる。
【0049】
例えば、本開示のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10において、図4に示すように、第1採取回路100は、第1感光性素子110、第1スイッチ回路120及び第1積分演算回路130を含む。
【0050】
図4に示すように、第1感光性素子110の第2電極(例えば、カソード)は、第1スイッチ回路120に接続され、第1スイッチ回路120は、さらに第1積分演算回路130に接続される。
【0051】
例えば、第1感光性素子110は、紋様からの光(例えば、紋様により反射された光)を受け取り、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積するように構成される。第1積分演算回路130は、第1採取値DT1を取得するように、第1信号量を受け取って第1信号量に対して、積分演算を行うように構成される。
【0052】
例えば、本開示のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10において、図5に示すように、第1感光性素子110の第1電極(例えば、アノード)は、和電荷中和回路600に接続するように構成される。
【0053】
電荷中和回路600は、第1制御信号CS1を受信する場合、第1電圧V1を第1感光性素子110の第1電極に提供するように構成され、かつ、第2制御信号CS2を受信する場合、第2電圧V2を第1感光性素子110の第1電極に提供するように構成される。例えば、第1電圧V1は、第2電圧V2よりも大きい。例えば、第1電圧V1又は第2電圧V2の作用下で、第1採取回路100の回路の少なくとも一部は、異なるバイアス状態にあり、これらのバイアス状態は、順方向バイアス及び逆方向バイアスを含む。
【0054】
例えば、電荷中和回路600は、第1電圧V1及び第2電圧V2を受信するように構成され、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1を受信するように構成され、第1積分演算回路130は、基準電圧Vrefを受信するように構成される。
【0055】
例えば、紋様画像の2つフレームの採取間隔(例えば、以下に説明する電荷中和期間P1)において、電荷中和回路600は、第1制御信号CS1の制御下で、第1電圧V1を第1感光性素子110の第1電極に伝送する。同時に、第1走査信号GS1の制御下で第1スイッチ回路120がターンオンされ、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧が、第1電圧V1及び基準電圧Vrefであり、例えば、基準電圧Vrefを、第1電圧V1よりも小さくすることができ、第1感光性素子110を流れる電流を第1電流にし、当該第1電流の方向が、第1感光性素子110の第1電極から第1感光性素子110の第2電極までである。第1感光性素子110に残っている電荷は、第1電流の作用下で部分的又は完全に中和される。
【0056】
次に、次のフレームの採取前に、電荷中和回路600は、第2制御信号CS2の制御により、第2電圧V2を第1感光性素子110の第1電極に伝送する。例えば、第2電圧V2は、基準電圧Vrefよりも小さい。同時に、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1の制御により、ターンオン状態にあり、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧を第2電圧V2及び基準電圧Vrefにし、第2電圧V2及び基準電圧Vrefの作用下で、第1感光性素子110を流れる電流を第2電流にし、第2電流の方向と第1電流の方向が互いに反対である。例えば、第1感光性素子110は、第1電流が印加されると、順方向バイアスの状態にあり、第1感光性素子110は、第2電流が印加されると逆方向バイアスの状態にある。例えば、第1感光性素子110が逆方向バイアスの状態にあるとき、通常の採取操作を実行することができ、例えば、紋様から光を受け、受け取った光に対して光電変換を実行して電荷を生成することができ、次に、例えば、電荷をアナログからデジタルに変換(アナログ-デジタル変換)することができ、紋様に対応する信号量を取得する。
【0057】
その後、次のフレームの採取期間(例えば、以下に説明する採取期間P2)に入り、このとき、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1の制御下でターンオフになり、第1感光性素子110が、紋様からの光を受け、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積する。そして、第1走査信号GS1の制御下で第1スイッチ回路120がターンオンされ、第1積分演算回路130が、第1採取値DT1を取得するように、第1信号量を受け取り、第1信号量に対して積分演算を行う。
【0058】
本開示の発明者は、研究を通じて、上記紋様画像取得回路10が動作しているとき、例えば、電荷中和回路600が第1電流を介して第1感光性素子110に残っている電荷を中和するとき、第1感光性素子110に当該第1電流の電荷が残される可能性があり、これは、当該紋様画像取得回路10にノイズを導入するおそれがあることを発見した。
【0059】
したがって、上記の第1電流によって引き起こされる可能性のあるノイズを低減するために、図6に示すように、本開示のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10は、基準採取回路400をさらに含む。
【0060】
図6に示すように、基準採取回路400は、電荷中和回路600に電気的に接続され、紋様からの光を受けなく、第1電流に基づいて第1基準値DTRを取得するように構成される。
【0061】
例えば、図6に示すように、いくつかの実施例において、基準採取回路400は、基準感光性素子410、基準スイッチ回路420及び基準積分演算回路430を含む。
【0062】
基準感光性素子410の第2電極(例えば、カソード)は、基準スイッチ回路420に接続され、基準スイッチ回路420は、さらに基準積分演算回路430に接続される。
【0063】
例えば、基準感光性素子410は、紋様からの光を受けなく、第1電流に基づいて、基準信号量を取得するように構成され、基準積分演算回路430は、第1基準値DTRを取得するように、基準信号量を受け取って基準信号量に対して、積分演算を行うように構成される。
【0064】
例えば、当該基準感光性素子410が表示パネルのアレイ基板上に製造される場合、当該アレイ基板に遮光構造を設けて、当該基準感光性素子410を遮光処理することができる。例えば、当該遮光構造は、光透過性の低い材料で形成することができる。当該基準感光性素子410が光を受け取らない限り、本開示の実施例は、当該遮光構造の具体的な形態及び材料を限定しない。
【0065】
例えば、いくつかの実施例において、基準感光性素子410及び第1感光性素子110は、同じタイプの感光性素子を使用する。例えば、当該基準感光性素子410及び第1感光性素子110は、同じ技術的パラメータを有する感光性素子を採用することができ、その結果、上記ノイズをよりよく低減又は回避することができる。
【0066】
例えば、電荷中和回路600が第1電流を第1感光性素子110に印加するとき、同時に第1電流を基準感光性素子410にも印加し、基準感光性素子410が光を受けることができないので、受け取った光を変換して得られる信号量がなく、当該基準感光性素子410が第1電流のみに基づいて基準信号量を取得し、基準積分演算回路430が第1基準値DTRを取得するように、当該基準信号量を受け取って当該基準信号量に対して積分演算を行うことができ、基準採取回路400によって得られる第1基準値DTRは、第1電流にのみ関係している。
【0067】
上記第1採取回路100及び基準採取回路400は、それぞれ第1採取値DT1及び第1基準値DTRを取得した後、例えば、第1採取値DT1と第1基準値DTRの演算(例えば、減算)を行い、第1電流によるノイズの上記の影響を軽減又は排除することができる。
【0068】
上記の実施例と同じ技術的アイデアに基づいて、図7に示すように、本開示のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10は、第2採取回路200をさらに含んでもよい。
【0069】
例えば、第2採取回路200は、電荷中和回路600に電気的に接続され、電荷中和回路600は、前記第2採取回路200を流れる電流を第1電流にするように、第1制御信号CS1を受信するように構成され、かつ、前記第2採取回路200を流れる電流を第3電流にするように、第2制御信号CS2を受信するように構成され、前記第3電流の方向と前記第1電流の方向とが互いに反対である。
【0070】
例えば、第2採取回路200は、紋様からの光を受け、第2採取値DT2を取得するように、紋様からの光の変換後に得られた第2信号量を蓄積するように構成されている。
【0071】
例えば、第1採取回路100と同様に、第2採取回路200は、第2感光性素子210、第2スイッチ回路220及び第2積分演算回路230を含む。第2スイッチ回路220は、第2走査信号GS2を受信するように構成され、第2積分演算回路230は、基準電圧Vrefを受信するように構成される。
【0072】
図7に示すように、本開示のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10は、第N採取回路300をさらに含んでもよく、図7のDTNは、第N採取回路300によって得られた第N採取値を表す。第N採取回路300は、第1採取回路100と同様の構造を採用することができ、ここでは説明を繰り返されない。なお、図7に示される採取回路の数は、単なる例示であり、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0073】
さらに、図7において、第1採取回路100は、第1積分演算回路130を含み、第2採取回路200は、第2積分演算回路230を含み、基準採取回路400は、基準積分演算回路430を含み、即ち、各採取回路が別個の積分演算回路を含み、本開示の実施例がこれを含むが、これに限定されないことに留意されたい。各採取回路の積分演算回路によって実現される機能が類似しているため、適切な駆動タイミングを採用すれば、複数の採取回路で同じ積分演算回路を共有することも可能であり、それによって、回路構造設計を簡素化でき、当該部分の内容は以下で詳細に説明され、ここでは繰り返されない。
【0074】
本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される紋様画像取得回路10は、複数の採取回路を配置することにより、より広い範囲の紋様画像を同時に取得することができ、それにより、紋様画像取得の効率を改善し、最終的に、当該紋様画像取得回路10を使用した表示パネル又は表示装置の紋様認識の時間を短縮させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。
【0075】
以下、図8を参照して、図7に示す紋様画像取得回路10の実現方式について説明する。
【0076】
図8に示すように、いくつかの実施例において、電荷中和回路600は、第1制御トランジスタCT1及び第2制御トランジスタCT2を含むように実現されてもよい。
【0077】
第1制御トランジスタCT1は、ゲートが第1制御信号CS1を受信するように構成され、第1電極が第1電圧V1を受信するように構成され、第2電極が第1感光性素子PIN1の第1電極に接続される。
【0078】
第2制御トランジスタCT2は、ゲートが第2制御信号CS2を受信するように構成され、第1電極が第1感光性素子PIN1の第1電極に接続され、第2電極が第2電圧V2を受信するように構成される。
【0079】
例えば、いくつかの実施例において、第1スイッチ回路120は、第1スイッチトランジスタST1として実現されてもよく、第1積分演算回路130は、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を含むように実現されてもよい。
【0080】
第1スイッチトランジスタST1は、ゲートが第1走査信号GS1を受信するように構成され、第1電極が第1感光性素子PIN1の第2電極に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続される。
【0081】
第1オペアンプOA1は、非反転入力端子が基準電圧Vrefを受信するように構成され出力端が第1採取値DT1を出力するように構成される。第1コンデンサC1は、第1電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の出力端に接続される。
【0082】
例えば、いくつかの実施例において、基準スイッチ回路420は、基準スイッチトランジスタSTRとして実現されてもよく、基準積分演算回路430は、基準オペアンプOAR及び基準コンデンサCRを含むように実現されてもよい。
【0083】
基準スイッチトランジスタSTRは、ゲートが基準走査信号GSRを受信するように構成され、第1電極が基準感光性素子PINRの第2電極に接続され、第2電極が基準オペアンプOARの反転入力端子に接続される。基準オペアンプOARの出力端は、第1基準値DTRを出力するように構成される。基準コンデンサCRは、第1電極が基準オペアンプOARの反転入力端子に接続され、第2電極が基準オペアンプOARの出力端に接続される。
【0084】
なお、第2採取回路200及び第N基準回路300の実現方式が第1採取回路100と同様であり、例えば、第2採取回路200は、第2感光性素子PIN2、第2スイッチトランジスタST2、第2オペアンプOA2及び第2コンデンサC2を含むように実現されてもよく、第2スイッチトランジスタST2が第2走査信号GS2を受信するように構成され、第2オペアンプOA2の出力端が第2採取値DT2を出力するように構成され、第N採取回路300は、第N感光性素子PINN、第NスイッチトランジスタSTN、第NオペアンプOAN及び第NコンデンサCNを含むように実現されてもよく、第NスイッチトランジスタSTNが第N走査信号GSNを受信するように構成され、第NオペアンプOANの出力端が第N採取値DTNを出力するように構成される。第2採取回路200と第N採取回路300との間の接続関係については、第1採取回路100の対応する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0085】
本開示のいくつかの実施例は、紋様画像取得回路10をさらに提供し、図9に示すように、当該紋様画像取得回路10と図8に示す紋様画像取得回路10との違いは、図9に示す紋様画像取得回路10における各採取回路が同じ積分演算回路を共有し、即ち、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を共有することであり、この場合、第1スイッチトランジスタST1、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTN及び基準スイッチトランジスタSTRが異なる期間でそれぞれターンオンにする必要があり、これにより、第1オペアンプOA1が、当該異なる期間に、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTN及び第1基準値DTRをそれぞれ出力することができる。
【0086】
例えば、本開示の実施例によって提供される紋様画像取得回路10における感光性素子(例えば、第1感光性素子110、第2感光性素子210など)は、PIN型ダイオードを使用してもよく、本開示の実施例は、これを含むが、これに限定されず、例えば、他のタイプの感光性ダイオード(例えば、PN型ダイオード又はOPD型ダイオード)などの様々な適切なタイプの感光性素子を使用してもよい。必要に応じて、当該感光性素子は、例えば、特定の波長の光(例えば、赤色光又は緑色光)のみを感知することができ、又はすべての可視光を感知することができる。
【0087】
例えば、本開示のいくつかの実施例において、基準電圧Vrefは1Vであり、第1電圧V1は、1.5V又は1.8Vであり、第2電圧V2は-2Vであり、また、例えば、基準電圧Vrefは1.25Vで、第1電圧V1は2Vで、第2電圧V2は-4Vである。本開示の実施例は、基準電圧Vref、第1電圧V1、及び第2電圧V2の具体的な値を限定しない。
【0088】
なお、本開示の実施例に使用されるトランジスタは、薄膜トランジスタや電界効果トランジスタや同じ特性のその他のスイッチデバイスであってもよい。ここで使用されるトランジスタは、ソース、ドレインが構造的に対称でもよいため、そのソース、ドレインが構造では区別されなくてもよい。本開示の実施例において、ゲート以外のトランジスタの2つの電極を区別するために、一つの電極を第1電極とし、もう一つの電極を第2電極として直接記載している。よって、本開示の実施例において、全部又は一部のトランジスタの第1電極と第2電極とは、必要に応じて交換してもよい。例えば、本開示の実施例に記載されるトランジスタは、その第1の電極が、ソースで、第2電極が、ドレインであってもよいか、又は、トランジスタの第1電極が、ドレインで、第2電極が、ソースであってもよい。
【0089】
また、トランジスタの特性によって、トランジスタは、N型トランジスタとP型トランジスタとに分けられる。トランジスタがP型トランジスタの場合、ターンオン電圧は、低レベル電圧(例:0V、-5V、-10V又はその他の適切な電圧)であり、ターンオフ電圧は、高レベル電圧(例:5V、10V又はその他の適切な電圧)であり、トランジスタがN型トランジスタの場合、ターンオン電圧は、高レベル電圧(例えば、5V、10V又はその他の適切な電圧)であり、ターンオフ電圧は、低レベル電圧(例えば、0V、-5V、-10V又はその他の適切な電圧)である。本開示の実施例におけるトランジスタは、例としてN型トランジスタを取り上げることによって説明される。本開示における当該実施形態についての説明及び教示に基づいて、当業者は、創造的な労働なしに、本開示の実施例がP型トランジスタも使用できることを容易に想像することができる。
【0090】
以下、図11に示す信号シーケンス図を参照して、図9に示す紋様画像取得回路10の動作原理について説明する。
【0091】
図9及び図11に示すように、電荷中和期間P1において、各スイッチトランジスタ(第1スイッチトランジスタST1、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTN、基準スイッチトランジスタSTR)を制御する走査信号(第1走査信号GS1、第2走査信号GS2、..、第N走査信号GSN、基準走査信号GSR)が高レベルになる前に、第2制御トランジスタCT2を制御する第2制御信号CS2を低レベルにし、その結果、第2制御トランジスタCT2がターンオフにされる。次に、各スイッチトランジスタを制御する走査信号を高レベルにし、これにより、当該各スイッチトランジスタがターンオンされ、同時に第1制御トランジスタCT1を制御する第1制御信号CS1が高レベルになり、そして第1制御トランジスタCT1がターンオンされ、第1電圧V1が、ターンオンされた第1制御トランジスタCT1を介して各感光性素子(第1感光性素子PIN1、第2感光性素子PIN2、…、第N感光性素子PINN、基準感光性素子PINR)の第1電極(例えば、アノード)に提供され、このとき、各感光性素子が順方向バイアスの状態にあり、それによって各感光性素子を流れる第1電流を形成する。第1電流の作用下で、各感光性素子(ここでは、基準感光性素子を含まない)に残っている電荷は、部分的又は完全に中和される。このとき、基準感光性素子PINRは、第1電流を蓄積して基準信号量を得ることができる。
【0092】
その後、第1制御信号CS1が低レベルになり、第1制御トランジスタCT1がターンオフにされる。そして第2制御信号CS2が高レベルになり、第2制御トランジスタCT2がターンオンされる。第2電圧V2が、ターンオンされた第2制御トランジスタCT2を介して各感光性素子の第1電極に提供され、各感光性素子を流れる第2電流を形成し、このとき、その後の光電変換のための準備をするように、各感光性素子が順方向バイアスの状態から逆方向バイアスの状態になる。次に、各スイッチトランジスタを制御する走査信号が高レベルから低レベルになり、各スイッチトランジスタがターンオフにされた。
【0093】
その後、採取期間P2に入る。
【0094】
採取期間P2に入った後、まず、第1スイッチトランジスタST1をターンオンにするように、第1走査信号GS1を低レベルから高レベルにし、このとき、第1感光性素子PIN1に残っている可能性のある電荷が、第1スイッチトランジスタST1及び第1オペアンプOA1を介して放出され、それにより、第1走査信号GS1が高レベルから低レベルになる。当該操作は、第1感光性素子PIN1をリセットすることと同じである。
【0095】
そして、上記と同様に、第2感光性素子PIN2、…、第N感光性素子PINNを順次にリセットする。
【0096】
その後、基準スイッチトランジスタSTRをターンオンさせるように、基準走査信号GSRを低レベルから高レベルにし、このとき、基準感光性素子PINRによって得られた基準信号量が、ターンオンされた基準スイッチトランジスタSTRを介して第1オペアンプOA1の反転入力端子に提供され、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1によって処理された後、第1基準値DTRを出力する。
【0097】
基準感光性素子PINRを除く他の感光素子は、リセットされた後、紋様から受け取った光に対して光電変換を開始させ、例えば、第1感光性素子PIN1を例として説明し、第1感光性素子PIN1は、紋様からの光に対して光電変換を行い、紋様からの光が変換された後に得られた第1信号量を蓄積する。
【0098】
そして、第1走査信号GS1が低レベルから高レベルになり、第1スイッチトランジスタST1がターンオンされ、第1感光性素子PIN1によって蓄積された第1信号量が、ターンオンされた第1スイッチトランジスタST1を介して第1オペアンプOA1の反転入力端子に提供され、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1によって処理された後、第1採取値DT2を出力する。
【0099】
上記と同様に、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTNが順次にターンオンされ、第1オペアンプOA1が第2採取値DT2、…、第N採取値DTNを順次に出力する。
【0100】
例えば、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTN及び第1基準値DTRが処理回路に提供されて、更なるデータ処理の後、紋様画像を得る。例えば、データ処理を行うとき、それぞれ第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTNから第1基準値DTRを差し引くことができ、これにより、第1電流によって引き起こされる可能性のあるノイズを部分的又は完全に排除することができる。
【0101】
図10は、図8に示す紋様画像取得回路10に用いられる信号シーケンス図を示し、図8及び図10に示すように、上記実施例との違いは、以下のとおりであり、図8に示す紋様画像取得回路10において、各採取回路いずれもオペアンプ及びコンデンサを含むため、採取期間P2に、各スイッチトランジスタが同時にターンオン可能であり、それにより、第1オペアンプOA1、第2オペアンプOA2、…、第NオペアンプOANがそれぞれ第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTNを出力することができる。その他の操作については、上記の実施例の対応する説明を参照することができ、ここでは説明を繰り返さない。
【0102】
本開示の他のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10において、図12に示すように、第1感光性素子110の第1電極は、第2電圧V2を受信するように構成され、第1感光性素子110の第2電極は、さらに、電荷中和回路600に電気的に接続される。
【0103】
例えば、電荷中和回路600は、第1制御信号CS1を受信する場合、第3電圧V3を第1感光性素子110の第2電極に提供するように構成される。例えば、第3電圧V3は、第2電圧V2よりも小さい。例えば、第3電圧V3は、-4.5V又は-5Vであってもよい。本開示の実施例は、第3電圧V3の具体的な値を限定しない。
【0104】
例えば、電荷中和回路600は、第3電圧V3を受信するように構成され、第1スイッチ回路120が第1走査信号GS1を受信するように構成され、第1積分演算回路130が基準電圧Vrefを受信するように構成される。
【0105】
例えば、紋様画像の2つフレームの採取間隔(例えば、上記の電荷中和期間P1)において、電荷中和回路600は、第1制御信号CS1の制御下で、第3電圧V3を第1感光性素子110の第2電極に伝送する。同時に、第1感光性素子110の第1電極が第2電圧V2をさらに受信するため、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧が、第2電圧V2及び第3電圧V3であり、第1感光性素子110を流れる電流を第1電流にし、当該第1電流の方向が、第1感光性素子110の第1電極から第1感光性素子110の第2電極までである。第1感光性素子110に残っている電荷は、第1電流の作用下で部分的又は完全に中和される。
【0106】
その後、次のフレームの採取前に、電荷中和回路600は、第1制御信号CS2の制御によってターンオフにされた。同時に、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1の制御により、ターンオン状態にあり、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧を第2電圧V2及び基準電圧Vrefにする。例えば、第2電圧V2は、基準電圧Vrefよりも小さい。第2電圧V2及び基準電圧Vrefの作用下で、第1感光性素子110を流れる電流を第2電流にし、第2電流の方向と第1電流の方向は、互いに反対である。例えば、第1感光性素子110は、第1電流が印加されると、順方向バイアスの状態にあり、第1感光性素子110は、第2電流が印加されると、逆方向バイアスの状態にある。例えば、第1感光性素子110が逆方向バイアスの状態にあるとき、通常の採取操作を実行することができ、例えば、紋様から光を受け、受け取った光に対して光電変換を実行して電荷を生成することができ、次に、例えば、電荷をアナログからデジタルに変換(アナログ-デジタル変換)することができ、紋様に対応する信号量を取得する。
【0107】
次に、次のフレームの採取期間(例えば、上記の採取期間P2)に入り、このとき、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1の制御下でターンオフになり、第1感光性素子110が、紋様からの光を受け、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積する。そして、第1走査信号GS1の制御下で第1スイッチ回路120がターンオンされ、第1積分演算回路130が、第1採取値DT1を取得するように、第1信号量を受け取り、第1信号量に対して積分演算を行う。
【0108】
例えば、図13に示すように、図7と同様に、当該紋様画像取得回路10は、第2採取回路200、…、第N採取回路300及び基準採取回路400を含んでもよい。第2採取回路200、第N採取回路300及び基準採取回路400の詳細な説明については、上記の実施例における対応する説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0109】
以下、図14を参照して、図13に示す紋様画像取得回路10の実現方式について説明する。
【0110】
図14に示すように、いくつかの実施例において、電荷中和回路600は、第3制御トランジスタCT3として実現されてもよい。第3制御トランジスタCT3は、ゲートが第1制御信号CS1を受信するように構成され、第1電極が第3電圧V3を受信するように構成され、例えば、電荷中和回路600が調整抵抗器Rをさらに含んでもよく、それにより、第3制御トランジスタCT3の第1電極が調整抵抗器Rを介して第3電圧V3を受信する。例えば、調整抵抗器Rの抵抗値を制御することにより、第3制御トランジスタCT3の第1電極に印加される電圧値を調整することができる。第3制御トランジスタCT3の第2電極は、第1感光性素子PIN1の第2電極に接続される。
【0111】
例えば、第1スイッチ回路120は、第1スイッチトランジスタST1として実現されてもよく、第1積分演算回路130は、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を含むように実現されてもよい。第1スイッチトランジスタST1は、ゲートが第1走査信号GS1を受信するように構成され、第1電極が第1感光性素子PIN1の第2電極に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続される。第1オペアンプOA1は、非反転入力端子が基準電圧Vrefを受信するように構成され、出力端が第1採取値DT1を出力するように構成される。第1コンデンサC1は、第1電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の出力端に接続される。
【0112】
図14における他の各デバイスの接続関係については、上記の実施例における対応する説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0113】
本開示のいくつかの実施例は、紋様画像取得回路10をさらに提供し、図15に示すように、当該紋様画像取得回路10と図14に示す紋様画像取得回路10の違いは、図15に示す紋様画像取得回路10における各採取回路が同じ積分演算回路を共有し、即ち、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を共有することであり、この場合、第1スイッチトランジスタST1、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTN及び基準スイッチトランジスタSTRが異なる期間でそれぞれターンオンにする必要があり、これにより、第1オペアンプOA1が、当該異なる期間に、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTN及び第1基準値DTRをそれぞれ出力することができる。
【0114】
以下、図17に示す信号シーケンス図を参照して、図15に示す紋様画像取得回路10の動作原理について説明する。
【0115】
図15及び図17に示すように、電荷中和期間P1に、各スイッチトランジスタを制御する走査信号を高レベルにし、それにより、当該各个スイッチトランジスタがターンオンされ、同時に、第3制御トランジスタCT3を制御する第2制御信号CS1を高レベルにし、その結果、第3制御トランジスタCT2がターンオンされ、第3電圧V3が調整抵抗器R及びターンオンされた第3制御トランジスタCT3を通過した後、各感光性素子(第1感光性素子PIN1、第2感光性素子PIN2、…、第N感光性素子PINN、基準感光性素子PINR)の第2電極(例えば、カソード)に提供され、このとき、各感光性素子が順方向バイアスの状態にあり、それによって各感光性素子を流れる第1電流を形成する。第1電流の作用下で、各感光性素子(ここでは基準感光性素子を含まない)に残っている電荷は、部分的又は完全に中和される。このとき、基準感光性素子PINRは、第1電流を蓄積して基準信号量を得ることができる。
【0116】
その後、第1制御信号CS1が低レベルになり、第3制御トランジスタCT3がターンオフにされる。各スイッチトランジスタが、まだターンオン状態にあるので、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧を、第2の電圧V2及び基準電圧Vrefにし、第2電圧V2及び基準電圧Vrefの作用下で、第1感光性素子110を流れる電流を第2電流にし、第2電流の方向と第1電流の方向は、互いに反対である。このとき、その後の光電変換のための準備をするように、各感光性素子が順方向バイアスの状態から逆方向バイアスの状態になる。そして、各スイッチトランジスタを制御する走査信号が高レベルから低レベルになるため、各スイッチトランジスタがターンオフにされた。
【0117】
そして、採取期間P2に入る。採取期間P2に入った後の動作原理は、上記の実施例と同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0118】
図16は、図14に示す紋様画像取得回路10に用いられる信号シーケンス図を示し、図14及び図16に示すように、上記実施例との違いは、以下のとおりであり、図14に示す紋様画像取得回路10において、各採取回路はいずれもオペアンプとコンデンサを含むため、採取期間P2において、各スイッチトランジスタが同時にターンオンにすることができ、その結果、第1オペアンプOA1、第2オペアンプOA2、…、第NオペアンプOANは、それぞれ第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTNを出力することができる。他の操作については、上記の実施例における対応する説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0119】
本開示の他のいくつかの実施例によって提供される紋様画像取得回路10において、図18に示すように、第1感光性素子110の第1電極は、第2電圧V2を受信するように構成され、第1積分演算回路130は、さらに、電荷中和回路600に接続され、電荷中和回路600が、第1制御信号CS1を受信する場合、第3電圧V3を第1積分演算回路130に提供するように構成され、かつ、第2制御信号CS2を受信する場合、基準電圧Vrefを第1積分演算回路130に提供するように構成される。
【0120】
例えば、第3電圧V3は、第2電圧V2よりも小さく、基準電圧Vrefは、第2電圧V2よりも大きい。
【0121】
例えば、電荷中和回路600は、第3電圧V3及び基準電圧Vrefを受信するように構成され、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1を受信するように構成される。
【0122】
例えば、紋様画像の2つフレームの採取間隔(例えば、上記の電荷中和期間P1)において、電荷中和回路600は、第1制御信号CS1の制御下で、第3電圧V3を第1感光性素子130に伝送する。同時に、第1感光性素子110の第1電極が第2電圧V2をさらに受信するため、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧が、第2電圧V2及び第3電圧V3であり、第1感光性素子110を流れる電流を第1電流にし、当該第1電流の方向が、第1感光性素子110の第1電極から第1感光性素子110の第2電極までである。第1感光性素子110に残っている電荷は、第1電流の作用下で部分的又は完全に中和される。
【0123】
その後、次のフレームの採取前に、電荷中和回路600は、第2制御信号CS2の制御により、基準電圧Vrefを第1積分演算回路130に伝送する。同時に、第1スイッチ回路120は、第1走査信号GS1の制御により、ターンオン状態にあり、このとき、第1感光性素子110の2つの電極に印加される電圧を第2電圧V2及び基準電圧Vrefにし、第2電圧V2及び基準電圧Vrefの作用下で、第1感光性素子110を流れる電流を第2電流にし、第2電流の方向と第1電流の方向は、互いに反対である。例えば、第1感光性素子110は、第1電流が印加されると、順方向バイアスの状態にあり、第1感光性素子110は、第2電流が印加されると、逆方向バイアスの状態にある。例えば、第1感光性素子110が逆方向バイアスの状態にあるとき、通常の採取操作を実行することができ、例えば、紋様から光を受け、受け取った光に対して光電変換を実行して電荷を生成することができ、そして、例えば、電荷をアナログからデジタルに変換(アナログ-デジタル変換)することができ、紋様に対応する信号量を取得する。
【0124】
次に、次のフレームの採取期間(例えば、上記の採取期間P2)に入り、このとき、第1スイッチ回路120が、第1走査信号GS1の制御下でターンオフになり、第1感光性素子110が、紋様からの光を受け、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積する。そして、第1走査信号GS1の制御下で第1スイッチ回路120がターンオンされ、第1積分演算回路130が、第1採取値DT1を取得するように、第1信号量を受け取り、第1信号量に対して積分演算を行う。
【0125】
例えば、図19に示すように、図7と同様に、当該紋様画像取得回路10は、第2採取回路200、…、第N採取回路300及び基準採取回路400をさらに含んでもよい。第2採取回路200、第N採取回路300及び基準採取回路400の詳細の説明については、上記実施例の対応する説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0126】
以下、図20を参照して、図19に示す紋様画像取得回路10の実現方式について説明する。
【0127】
図20に示すように、いくつかの実施例において、電荷中和回路600は、第4制御トランジスタCT4及び第5制御トランジスタCT5を含むように実現されてもよく、第1スイッチ回路120は、第1スイッチトランジスタST1として実現されてもよく、第1積分演算回路130は、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を含むように実現されてもよい。
【0128】
第4制御トランジスタCT4は、ゲートが第1制御信号CS1を受信するように構成され、第1電極が第3電圧V3を受信するように構成され、第2電極が第1オペアンプOA1の非反転入力端子に接続される。
【0129】
第5制御トランジスタCT5は、ゲートが第2制御信号CS2を受信するように構成され、第1電極が基準電圧Vrefを受信するように構成され、第2電極が第1オペアンプOA1の非反転入力端子に接続される。
【0130】
第1スイッチトランジスタST1は、ゲートが第1走査信号GS1を受信するように構成され、第1電極が第1感光性素子PIN1の第2電極(例えば、カソード)に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続される。第1オペアンプOA1の出力端が第1採取値DT1を出力するように構成される。第1コンデンサC1は、第1電極が第1オペアンプOA1の反転入力端子に接続され、第2電極が第1オペアンプOA1の出力端に接続される。
【0131】
図20の他の様々なデバイスの接続関係については、前述の実施例における対応する説明を参照することができ、ここでは説明を繰り返さない。
【0132】
本開示のいくつかの実施例は、紋様画像取得回路10をさらに提供し、図21に示すように、当該紋様画像取得回路10と図20に示す紋様画像取得回路10との違いは、図21に示す紋様画像取得回路10における各採取回路が同じ積分演算回路を共有し、即ち、第1オペアンプOA1及び第1コンデンサC1を共有することであり、この場合、第1スイッチトランジスタST1、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTN及び基準スイッチトランジスタSTRが異なる期間でそれぞれターンオンにする必要があり、これにより、第1オペアンプOA1が、当該異なる期間に、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTN及び第1基準値DTRをそれぞれ出力することができる。
【0133】
以下、図11に示す信号シーケンス図を参照して、図21に示す紋様画像取得回路10の動作原理について説明する。
【0134】
図11及び図21に示すように、電荷中和期間P1において、各スイッチトランジスタ(第1スイッチトランジスタST1、第2スイッチトランジスタST2、…、第NスイッチトランジスタSTN、基準スイッチトランジスタSTR)を制御する走査信号(第1走査信号GS1、第2走査信号GS2、..、第N走査信号GSN、基準走査信号GSR)が高レベルになる前に、第2制御トランジスタCT2を制御する第2制御信号CS2を低レベルにし、その結果、第5制御トランジスタCT5がターンオフにされる。そして、各スイッチトランジスタを制御する走査信号を高レベルにし、これにより、当該各スイッチトランジスタがターンオンされ、同時に第4制御トランジスタCT4を制御する第1制御信号CS1を高レベルにし、そして第4制御トランジスタCT4がターンオンされ、第3電圧V3が、ターンオンされた第4制御トランジスタCT4を介して第1オペアンプOA1の非反転入力端子に提供され、このとき、各感光性素子が順方向バイアスの状態にあり、それによって各感光性素子を流れる第1電流を形成する。第1電流の作用下で、各感光性素子(ここでは基準感光性素子を含まない)に残っている電荷は、部分的又は完全に中和される。このとき、基準感光性素子PINRは、基準信号量を得るように、第1電流を蓄積することができる。
【0135】
その後、第1制御信号CS1が低レベルになり、第4制御トランジスタCT4がターンオフにされる。そして第2制御信号CS2が高レベルになり、第5制御トランジスタCT5がターンオンされる。基準電圧Vrefが、ターンオンされた第5制御トランジスタCT5を介して第1オペアンプOA1の非反転入力端子に提供され、各感光性素子を流れる第2電流を形成し、このとき、その後の光電変換のための準備をするように、各感光性素子が順方向バイアスの状態から逆方向バイアスの状態になる。次に、各スイッチトランジスタを制御する走査信号が高レベルから低レベルになり、したがって、各スイッチトランジスタがターンオフにされた。
【0136】
そして、採取期間P2に入る。採取期間P2に入った後の動作原理は、上記の実施例と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0137】
なお、図10に示す信号シーケンス図は、図20に示す紋様画像取得回路10に用いられてもよく、図10及び図20に示すように、上記の実施例との違いは、以下のとおりであり、図20に示す紋様画像取得回路10において、各取得回路はいずれもオペアンプとコンデンサを含むため、取得期間P2に各スイッチトランジスタが同時にターンオン可能で、それにより、第1オペアンプOA1、第2オペアンプOA2、…、第NオペアンプOANが、それぞれ、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTNを出力できることである。他の操作については、上記の実施例における対応する説明を参照することができるが、ここでは説明を繰り返さない。
【0138】
なお、本開示の実施例において、第1採取値DT1、第2採取値DT2、…、第N採取値DTN及び第1基準値DTRは、例えば、電圧値であってもよく、本開示の実施例は、これを含むが、これに限定されない。
【0139】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示パネル1をさらに提供し、図22に示すように、当該表示パネル1は表示領域810を含み、表示領域810が紋様認識領域811を含む。なお、本開示の実施例において、紋様認識領域811は、操作体が表示パネル1上で紋様認識を実行する領域である。図22に示される紋様認識領域811のサイズは、表示領域810のサイズに一致してもよく、即ち、操作体は、表示パネル1の表示領域810の任意の位置でも紋様認識を実行することができる。
【0140】
なお、本開示の実施例において、紋様のある操作体は、手であってもよく、この場合、紋様画像取得方法における紋様は、指紋、掌紋などの皮膚紋様であり、さらに、紋様のある操作体は、樹脂などの材料で作られた特定の紋様を有する物体などの非生物学的物体であってもよく、これは、本開示の実施例では、特に限定されない。
【0141】
例えば、図22に示すように、表示領域810には、アレイに配置された複数の画素ユニットアレイが設けられ、当該画素ユニットアレイは、複数の画素ユニットを含む。例えば、異なる画素ユニットを区別するために、紋様認識領域811にある画素ユニットをPU2とマークし、紋様認識領域811ではなく表示領域810にある画素ユニットを、紋様認識領域211にあるPU1とマークする。
【0142】
例えば、紋様認識領域811に位置する画素ユニットPU2は、本開示の実施例によって提供される任意の紋様画像取得回路10を含む。例えば、紋様画像取得回路10は、薄膜プロセスを使用して、表示パネル1の表示基板上に直接形成することができる。
【0143】
例えば、各画素ユニット(画素ユニットPU1及び画素ユニットPU2を含む)は、薄膜トランジスタ及び発光デバイスを含み、発光デバイスが、例えば、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の発光層を含む。例えば、表示パネル1の画素ユニットアレイは、光源アレイとして実装されるために使用され、複数の画素ユニットは、複数の光源を形成するように実装されている。つまり、表示パネル1の画素ユニットが感光性光源として多重化されているので、当該表示パネルのコンパクト特性さを向上させ、様々な機能性構造の配置難度を低下することができる。例えば、各感光性光源が1つ以上の画素ユニットを含むため、感光性光源は、1つ又は複数の画素ユニットの異なる配列によって、特定の形状を有する点光源、線形光源、Z字型光源又は回字型光源などに形成できる。
【0144】
例えば、表示パネル1の全表示領域810の画素ユニットは、感光性光源として多重化するように制御されてもよく、紋様画像取得回路10もそれに応じて各画素ユニットに配置されてもよく、それにより全画面紋様認識を実現する。
【0145】
例えば、図22に示すように、当該表示パネル1は、表示領域810を取り囲む周辺領域820をさらに含む。当該表示パネル1は、処理回路500をさらに含み、当該処理回路500は、例えば、周辺領域820に設けられている。例えば、処理回路500は、第1採取回路100に電気的に接続され、紋様の画像を取得するように、第1採取値DT1を処理するように構成される。例えば、処理回路500は、第1採取値DT1を受信するように、第1採取回路100における第1オペアンプOA1の出力端に接続されてもよい。
【0146】
例えば、紋様画像取得回路10が基準採取回路400を含む場合、処理回路500は、さらに基準採取回路400に電気的に接続され、紋様の画像を取得するように、第1採取値DT1及び第1基準値DTRに基づいて処理を行うように構成される。
【0147】
例えば、紋様画像取得回路10が第2採取回路200、…、第N採取回路300を含む場合、処理回路500は、複数の採取値を受信するように、さらに当該複数の採取回路に電気的に接続され、当該複数の採取値を処理して紋様の画像を取得する。
【0148】
当該処理回路500は、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現されてもよく、本開示の実施例を限定しない。
【0149】
上記実施例によって提供される表示パネル1において、紋様画像取得回路10は、表示パネル1の表示基板上に直接形成され、かつ画素ユニットPU2に集積化され、この場合、画素ユニットPU2は、紋様画像取得回路10の感光性光源として多重化されてもよい。本開示の実施例は、これを含むが、これに限定されず、例えば、紋様画像取得回路10を別途設けることもでき、例えば、紋様画像取得回路10を、表示パネル1の表示基板の裏面に取り付け、この場合、紋様画像取得回路10の感光光源としての発光素子を別途設ける必要がある。
【0150】
例えば、表示パネル1は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode,OLED)表示パネル又は量子ドット発光ダイオード(Quantum Dot Light Emitting Diodes,QLED)表示パネルなどであり、本開示の実施例は、これを具体的に限定しない。OLED表示パネルは、例えば、可撓性OLED表示パネルであってもよい。OLED表示パネルは、自発光特性を備え、その画素ユニットの発光も必要に応じて制御又は変調できるため、紋様画像の取得が容易になり、集積度を向上させた。
【0151】
本開示の実施例によって提供される表示パネル1は、感光性素子に残っている電荷を部分的又は完全に中和することにより、残留電荷による残像現象を改善又は回避し、それによって紋様画像取得の有効性及び精度を向上させ、最終的に当該表示パネルの紋様認識の精度を向上させることができる。
【0152】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示装置をさらに提供し、当該表示装置が本開示の実施例によって提供される任意の表示パネル1を含み、本実施例における表示装置は、液晶パネル、液晶テレビ、ディスプレイ、OLEDパネル、OLEDテレビ、電子紙、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなどの表示機能を有する任意の製品又は部材であってもよい。
【0153】
本開示の実施例によって提供される表示装置の技術的効果については、前述の実施例における紋様画像取得方法及び表示パネル1の対応する説明を参照することができるが、ここでは説明を繰り返さない。
【0154】
本開示の少なくとも1つの実施例は、紋様画像取得回路10に用いられる紋様画像取得方法をさらに提供し、図23に示すように、当該紋様画像取得方法は、以下の操作ステップを含む。
【0155】
ステップS100:電荷中和期間P1に、第1採取回路100を流れる電流を第1電流にし、基準採取回路400を流れる電流を第1電流にするように、電荷中和回路600に第1制御信号CS1を受信させる。
【0156】
ステップS200:採取期間P2に、第1採取回路100を流れる電流を、第1電流の方向とは互いに反対である第2電流にするように、電荷中和回路600に第2制御信号CS2を受信させ、第1採取回路によって、紋様からの光を受け、第1採取値DT1を取得するように、紋様からの光の変換後に得られた第1信号量を蓄積し、第1採取値DT1及び第1基準値DTRを処理して紋様の画像を得る。
【0157】
本開示の実施例によって提供される紋様画像取得方法の詳細な説明及び技術的効果については、上記の実施例における紋様画像取得回路10の対応する説明を参照することができるが、ここでは説明を繰り返さない。
【0158】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0159】
100 第1採取回路
110 第1感光性素子
120 第1スイッチ回路
130 第1積分演算回路
210 第2感光性素子
220 第2スイッチ回路
230 第2積分演算回路
300 第N採取回路
410 基準感光性素子
420 基準スイッチ回路
430 基準積分演算回路
500 処理回路
600 電荷中和回路
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】