(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(54)【発明の名称】エンドレスベルトの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29D 29/00 20060101AFI20220929BHJP
B29C 70/06 20060101ALI20220929BHJP
F16G 1/08 20060101ALI20220929BHJP
F16G 1/20 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
B29D29/00
B29C70/06
F16G1/08 C
F16G1/08 D
F16G1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022503859
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 AT2020060284
(87)【国際公開番号】W WO2021016647
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521216430
【氏名又は名称】ベルンドルフ イノベーションズ ウント テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ハイドン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シュトゥックラー
(72)【発明者】
【氏名】ペリン シュアルプ
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト シゲティ
【テーマコード(参考)】
4F205
4F213
【Fターム(参考)】
4F205AC05
4F205AD03
4F205AD16
4F205AG16
4F205AH12
4F205HA14
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4F213AA40
4F213AB16
4F213AC05
4F213AD03
4F213AD16
4F213AG16
4F213AH12
4F213AR12
4F213AR15
4F213WA58
4F213WB01
(57)【要約】
本発明は、エンドレスベルト(1)を製造する方法、並びに第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備えたエンドレスベルト(1)に関し、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の完成状態でエンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)は完成状態でエンドレスベルト(1)の外側を形成し、ベルト本体(2)の第1主面(3)へのコーティング(7)として、強化要素(8a)が混入される少なくとも1種類の基材(8)が塗布される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備えたエンドレスベルト(1)の製造方法であって、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の完成状態でエンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)は完成状態でエンドレスベルト(1)の外側を形成するようにした方法において、ベルト本体(2)の第1主面(3)へのコーティング(7)として、強化要素(8a)が混入される少なくとも1つの基材(8)が塗布されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記強化要素として、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば、網、格子、又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば、綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基材(8)は、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれ、コーティング(6)が好ましくはベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されることを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されることを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記硬質粒子(9)として有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子を使用することを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
ベルト本体(2)が金属から製造されており、ベルト本体(2)はコーティング(7)を塗布する前に、特に溶接によってエンドレスリングに閉じられることを特徴とする、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
エンドレスリングに閉じられたベルト本体(2)は、コーティング(7)を塗布する前に、2つのプーリ(10、11)の間に環状に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基材(8)は、液体、特に粘稠液の状態、好ましくは10
2~10
5mPas、特に10
4~10
5mPasの動粘度を有する粘稠液の状態で、好ましくは強化要素(8a)及び硬質粒子(9)と一緒にベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布され、特にドクターブレード(12)を用いて、好ましくはストリップ状のドクターブレードを用いてベルト本体(2)の第1主面(3)上で均一に分布されることを特徴とする、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
基材(8)と強化要素(8a)と硬質粒子(9)は、閉じたリングに形成されたベルト本体(2)の上側走路に塗布され、特にドクターブレード(12)で上側走路に均一に分布され、ベルト本体(2)は基材(8)と硬質粒子(9)の分布中又は分布後も周回方向に動かされ続けることを特徴とする、請求項10及び11に記載の方法。
【請求項13】
硬質粒子(9)と強化要素(8a)は、ベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布される前に、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成する基材(8)に混入されることを特徴とする、請求項6から12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
基材(8)、特に強化要素(8a)を有する基材(8)と硬質粒子(9)は、第1主面(3)上にスプレー、刷毛、ローラー及び/又はへらで塗布されることを特徴とする、請求項6から13のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
硬質粒子(9)は、0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの粒径を有することを特徴とする、請求項6から14のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
エンドレスベルト、特に請求項6から15のいずれか一項に記載の方法により製造されたエンドレスベルト(1)であって、第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備え、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)がエンドレスベルト(1)の外側を形成しており、コーティング(7)は強化要素(8a)が混入された基材(8)を有することを特徴とするエンドレスベルト。
【請求項17】
前記強化要素(8a)は、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針として形成されていることを特徴とする、請求項16に記載のエンドレスベルト。
【請求項18】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば網、格子又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布していることを特徴とする、請求項16又は17に記載のエンドレスベルト。
【請求項19】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であることを特徴とする、請求項16から18のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項20】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであることを特徴とする、請求項16から19のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項21】
前記基材(8)はマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれており、コーティング(7)が好ましくはベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されていることを特徴とする、請求項16から20のいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項22】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されることを特徴とする、請求項16から21のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項23】
前記硬質粒子(9)は、有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子であることを特徴とする、請求項21又は22に記載のエンドレスベルト。
【請求項24】
前記硬質粒子(9)は、0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの粒径を有することを特徴とする、請求項21から23のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項25】
コーティング(7)の表面は、1cm
2あたり1~10,000個、好ましくは1~1000個、特に好ましくは10~1000個の硬質粒子を有することを特徴とする、請求項21から24のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項26】
コーティング(7)は、乾燥表面状態及び湿潤表面状態で、DIN-51130によるR13の滑り抵抗を有することを特徴とする、請求項16から25のいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項27】
ベルト本体(2)は、金属、特に鋼で作られていることを特徴とする、請求項16から26のうちいずれかに記載のエンドレスベルト。
【請求項28】
コーティング(7)は、0.1~5mm、特に0.5~1.5mmの層厚を有することを特徴とする、請求項16から27のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項29】
コーティング(7)は、100μmを超える、好ましくは300μmを超える、特に好ましくは500μmを超える平均表面粗さを有することを特徴とする、請求項16から28のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項30】
エンドレスベルト(1)は、周長が0.2m~30m、特に1m~25m、厚さが0.1mm~4mm、特に0.2mm~2.5mm、及び幅が0.1m~10m、特に0.2m~3.2mであることを特徴とする、請求項16から29のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項31】
コーティング(7)は継ぎ目がないことを特徴とする、請求項16から30のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1主面と第2主面とを有するベルト本体を備えたエンドレスベルトの製造方法であって、ベルト本体の第1主面と第2主面は側縁部を介して互いに接続されており、エンドレスベルトの完成状態でエンドレスベルトの内側とは反対側にあるベルト本体の第1主面にコーティングが塗布され、コーティングは完成状態でエンドレスベルトの外側を形成するようにした方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、第1主面と第2主面とを有するベルト本体を備え、ベルト本体の第1主面と第2主面は側縁部を介して互いに接続されており、エンドレスベルトの内側とは反対側にあるベルト本体の第1主面にコーティングが塗布されていて、コーティングがエンドレスベルトの外側を形成するエンドレスベルトに関する。
【背景技術】
【0003】
車両テストベンチや風洞及びこれに類するもののためのベルトは、しばしば表面被覆若しくはコーティングを有するが、これらは多くの場合に接着されたフィルムであるため、定荷重の下で亀裂が発生する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、公知の解決策の不利な点を克服し、機械的に非常に耐久性のある被覆を有し、定荷重の下でも破断したり、裂けたり、又はエンドレスベルトからはがれたりしない、特に車両のテストスタンドや風洞で使用するためのエンドレスベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、本発明により冒頭に記載した種類の方法により、ベルト本体の第1主面へのコーティングとして、強化要素が混入される少なくとも1種類の基材が塗布されることによって解決される。
【0006】
本発明による解決策により、エンドレスベルトの曲げ半径が非常に小さく、定荷重がかかっても、コーティングの裂け、破断、又は剥離を極めて確実に防ぐことができる。さらに被覆の強度、耐久性、及び長期性能が大幅に向上する。
【0007】
強化要素として、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維(種子繊維、靭皮繊維、硬質繊維、ココナッツ、イグサ、竹など)、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針を使用することが、特に有利であることが判明した。
【0008】
強化要素は、少なくとも1つの長範囲の秩序(Fernordnung)を、例えば網、格子、又は布、例えば補強布の形で、特に二軸ガラス織物の形で、又はガラス繊維束若しくは炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布させることができる。
【0009】
定荷重下における被覆の耐久性に関して、強化要素はそれぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であると、特に好都合であることが分かった。
【0010】
さらに、本発明の変形例に従い、強化要素の割合が、基材又はコーティングの10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであると、特に有利であることが分かった。
【0011】
本発明の有利な変形例によれば、基材は、硬質粒子に対するマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子が埋め込まれ、コーティングが好ましくはベルト本体の第1主面に直接塗布されるようにすることができる。本発明のこの変形例において、一方では、平均的な路面舗装に対応する平均粗さ、特に平均谷深さ及び/又は平均表面性情及び/又は構造を有する被覆を達成することができ、或いは少なくとも視覚的に及び/又は滑り抵抗の観点で路面舗装に近似する被覆を実現することができ、他方では、被覆を直接ベルト本体の表面に塗布して、被覆とベルト本体との間で非常に良好な付着を達成することでき、その際に追加の付着媒介層は必要ない。さらに、塗布された被覆は、特に衝撃力、打撃力、せん断力、及び腐食に対するベルト本体の保護機能を果たす。
【0012】
ベルト本体の表面への最適な接着に関して、硬質粒子に対するマトリックスを形成する基材が、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されていると、特に有利であることが判明した。硬質粒子に対するマトリックスを形成する基材は溶媒をベースとすることができ、溶媒として例えば炭化水素混合物を使用できる。マトリックスがベルト材料と比較して十分な柔軟性を保証すると特に有利であり、このことは多くのプラスチック、特に熱可塑性プラスチックによって保証される。マトリックスは製造条件によっては他の物質も含むことができるが、溶媒が蒸発した後でマトリックスの大部分はポリマーからなる。
【0013】
硬質粒子として好ましくは有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のすべての可能な添加、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末の群から選択された無機粒子、及び無機凝集体を使用することができる。
【0014】
エンドレスベルトの高い機械的耐荷重能力を達成するために、ベルト本体は金属から製造することができ、ベルト本体はコーティングを塗布する前に、特に溶接によってエンドレスリングを形成するように閉じられる。この場合、エンドレスベルトのベルト本体は金属板で作ることができ、その前端部は互いに溶接されて閉じたリングが形成されている。しかしながら、ベルト本体は、例えば米国特許出願US3728066A号から知られているように、長手方向縁部がらせん状に配置されていて、らせん状の長手方向溶接シームを有する金属板からなるものであってもよい。ベルト本体を製造するために単一の金属板のみを使用する代わりに、互いに溶接された複数の金属板を使用することもできる。例えばベルト本体は、2つ以上の金属板から形成することができ、その長手方向縁部及び前縁部は互いに溶接されているため、例えばオーストリア特許出願AT514722B1号から知られるように、任意の幅と長さの閉じたリングを製造することができる。代替的に、エンドレスベルトはプラスチック又は炭素繊維などの繊維状材料からなるものであってもよい。
【0015】
エンドレスベルトへのコーティングの塗布は、エンドレスリングに閉じられたベルト本体が、コーティングを塗布する前に、2つのプーリの間に環状に配置されることによって容易になる。
【0016】
均一で継ぎ目のないコーティングは、乾燥状態で硬質粒子に対するマトリックスをなす基材が、液体、特に粘稠液の状態、好ましくは102~105mPas、特に104~105mPasの動粘度を有する粘稠液の状態で、好ましくは硬質粒子と一緒に、ベルト本体の第1主面に塗布され、特にドクターブレードを用いて、好ましくはストリップ状のドクターブレードを用いてベルト本体の第1主面に均一に分布されることによって達成される。本発明のこの変形例により、定荷重の下でコーティングの剥離、裂け、又は破断を招く可能性のある継ぎ目のない完全に均一なコーティングを達成することができる。
【0017】
基材は、好ましくは強化要素及び硬質粒子と一緒に、例えばスプレー、ローラー、へら、刷毛、及び同様の方法によってもベルト表面に塗布することができる。
【0018】
基材と強化要素と硬質粒子は、好ましくは閉じたリングに形成されたベルト本体の上側走路に塗布され、ドクターブレードで上側走路に均一に分布され、ベルト本体は基材と硬質粒子の分布中又は分布後も周回方向に動き続ける。エンドレスベルトの上側走路は、両反転プーリの間に位置するエンドレスベルトの上部セクションと、反転プーリ上にあるエンドレスベルトの上部セクションを包含する。上側走路とは反対側にあるエンドレスベルトの下部は、下側走路部分と呼ばれる。
【0019】
本発明の変形例に従い、ベルト本体の第1主面に塗布される前に、硬質粒子に対するマトリックスを形成する基材に硬質粒子が混入されるようにすると、コーティングの塗布の効率に関して特に有利であることが明らかになった。
【0020】
粒径が0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの硬質粒子が、本発明を実現するのに特に適していることが分かった。ここに掲げた値は、粒径の平均値を表している。
【0021】
上記の課題は、本発明に係る冒頭で述べた種類のエンドレスベルトにより、強化要素が混入された基材を有するコーティングによっても解決することができる。
【0022】
好都合には、強化要素は、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針として形成されている。
【0023】
強化要素が、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば網、格子、又は布、例えば補強布の形で、特に二軸ガラス織物の形で、又はガラス繊維束若しくは炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布されていると有利であることが判明した。
【0024】
本発明の特に好適な実施形態によれば、強化要素はそれぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であるようにすることができる。
【0025】
強化要素の割合は、好ましくは基材又はコーティングの10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントである。
【0026】
本発明の有利な変形例によれば、基材はマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子が埋め込まれており、コーティングが好ましくはベルト本体の第1主面に直接塗布されているようにすることができる。
【0027】
好適な実施形態では、基材は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されている。
【0028】
硬質粒子が、有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子である、変形例が特に有利である。
【0029】
硬質粒子は、好ましくは0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの粒径を有する。
【0030】
さらに、コーティングの表面が、1cm2あたり1~10,000個、好ましくは1~1000個、特に好ましくは10~1000個の硬質粒子を有すると、非常に有利であることが判明した。
【0031】
車両テストベンチ又は風洞及びこれに類するものにおいて使用するのに特に適している本発明の変形例は、コーティングが乾燥表面状態及び湿潤表面状態で、DIN-51130によるR13の滑り抵抗を有する。
【0032】
エンドレスベルトの高い機械的耐荷重能力は、ベルト本体が金属、特に鋼で作られていることによって達成できる。
【0033】
ベルト本体への接着及び道路状況の良好なシミュレーションの実現に関して、コーティングは0.1~5mm、特に0.5~1.5mmの層厚を有することが特に有利であることが明らかになった。
【0034】
さらに、コーティングは100μmを超える、好ましくは300μmを超える、特に好ましくは500μmを超える平均表面粗さ(mittlere Rautiefe)を有することが特に有利であることが判明した。
【0035】
車両テストベンチ又は風洞及びこれに類するものにおいてホイール駆動ベルトとして使用するのに特に適している本発明の実施形態は、エンドレスベルトの周長が0.2m~30m、特に1m~25m、厚さが0.1mm~4mm、特に0.2mm~2.5mm、及び幅が0.1m~10m、特に0.2m~3.2mであるようになっている。
【0036】
コーティングに継ぎ目がないことによって、コーティングの耐定荷重能力を大幅に高めることができる。本発明のこの変形例では、コーティングは、例えばフィルムを使用する場合に該当するように、識別可能な始点と終点を有さず、それ自体において不連続箇所がなく移行している。
【0037】
本発明をよりよく理解するために、以下の図を参照してより詳細に説明する。
【0038】
図は、それぞれ著しく簡略化された模式的表現で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本発明によるエンドレスベルトの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明による製造方法の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
最初に確認しておくと、記載された種々の実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に準用できるものとする。説明中に選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明及び表示された図を基準としており、これらの説明内容は位置が変化した場合には新しい位置に準用されるものとする。
【0041】
本発明の説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
【0042】
さらに、実施形態は複数の図にまたがって説明されていることを指摘しておく。
【0043】
図1及び
図2によれば、本発明によるエンドレスベルト1は、第1主面3と第2主面4とを備えたベルト本体2を有する。ベルト本体2の第1主面3と第2主面4は、側縁部5、6を介して互いに接続されている。エンドレスベルト1の内側は、第2主面4によって形成することができる。エンドレスベルト1の内側とは反対側のベルト本体2の主面3にはコーティング7が塗布されている。
【0044】
コーティング7は、エンドレスベルト1の外側を形成し、強化要素8aが混入された基材8を有する。強化要素8aは、繊維、特に鉱物繊維、特にガラス繊維、炭素繊維及び/又はプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は針、特に金属針として形成することができる。繊維は、例えばホウ素繊維、及び/又はガラス繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)及び/又は綿、及び/又はサイザル、及び/又はジュート、及び/又は亜麻、及び/又は天然繊維(種子繊維、靭皮繊維、硬質繊維、ココナッツ、イグサ、竹など)、及び/又は木質繊維及び/又は羊毛及び/又は動物の毛及び/又は絹からも形成することができる。
【0045】
さらに、強化要素8aは、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば網、格子、例えばワイヤー格子、又は布、例えば補強布の形で、特に二軸ガラス織物の形で、又はガラス繊維束若しくは炭素繊維束の形で形成することができる。
【0046】
格子、布又は網の場合、これらはメッシュサイズが0.1mm×0.1mmから10mm×10mmであることが好ましく、形成されたメッシュは必ずしも長方形/正方形である必要はなく、メッシュは、原則的にすべての可能な形状、例えば菱形、偏菱形、平行四辺形等にすることができる。布の場合、縦方向若しくは横方向の繊維は、同じ材料か異なる材料からなり、同じ厚さ又は異なる厚さであることができる。
【0047】
さらに、強化要素8aは、基材8若しくはコーティング7中に、例えば綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片、繊維又は針の形で統計的に分布させることができる。
【0048】
網、布、例えば補強布、又は格子の場合は、個々の互いに接続された横方向若しくは縦方向の繊維、又は横方向又は縦方向のバーが強化要素8aをなしている。
【0049】
さらに、強化要素8aはそれぞれ長さと直径の比が、少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1にすることができる。
【0050】
強化要素8aの割合は、基材8又はコーティング7の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであることができる。
【0051】
基材8は、硬質粒子9が埋め込まれたマトリックスを形成することができる。硬質粒子9は、ビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、特に1400[HV]~10060[HV]の硬度を有することができる材料からできている。本文書に記載されているビッカース硬さ値は、試験荷重49.03N以上、特に49.03N以上のビッカース硬さ試験を基準としている。換言すれば、硬質粒子は、モース硬さが好ましくは5を超える、特に6~10である材料からできている。ここでモース硬さの表示値は、ビッカース硬さの表示値の代替をなしている。
【0052】
本発明の好適な変形例によれば、コーティング7は、ベルト本体2の第1主面3に直接塗布される。ベルト本体2は、有利には金属、特に鋼から作られている。
【0053】
コーティング7は、層厚が0.2~2mm、特に0.5~1.5mmで、平均表面粗さが100μmを超える、好ましくは300μmを超える、特に好ましくは500μmを超えることができる。さらに、コーティング7は継ぎ目がなく、ほぼ均質に形成できる。
【0054】
エンドレスベルト1は、周長が0.2m~30m、特に1m~25m、厚さが0.1mm~4mm、特に0.2mm~1.2mm、及び幅が0.1m~10m、特に0.2m~3.2mであることができる。
【0055】
基材8は、ポリマー又はポリマーの混合物から形成することができる。使用されるポリマー又はポリマー混合物は好ましくは、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸配向ポリプロピレン(MOPP)、2軸配向ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)の群から選択されている。基材8から形成されるマトリックスを実現するために、特に好ましくは、基材8は熱可塑性ポリマーから形成されるが、原則として熱硬化性ポリマー又はエラストマーポリマーを使用することもできる。
【0056】
硬質粒子9は、有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子である。
【0057】
硬質粒子9の平均粒径は、好ましくは0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmである。硬質粒子9は、個々の粒子として存在でき、又はより細かい粒径の場合によくあるように凝集体の形で存在することができる。個々の粒子は類似していて、規則的な幾何学的形状、例えば球形又は円筒形を有することができる。しかしまた個々の粒子は不規則な形状を有し、類似していないこともあり得る。ここでは、セラミック粒子でよく用いられる破砕と粉砕による粉末の製造を例として挙げる。この方法で製造された粉末は、統計的に分布した広い粒径分布を持ち、粒径の平均値としてd50パラメータが用いられる。そのような硬質粒子9の平均直径d50は、0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmである。コーティング7の表面は、例えば1cm2あたり1~10,000個、好ましくは1~1000個、特に好ましくは10~1000個の硬質粒子を有することができる。コーティング7は乾燥表面状態及び湿潤表面状態では、好ましくはDIN-51130によるR13の滑り抵抗を有する。
【0058】
本発明によるエンドレスベルト1を製造するために、
図3に示されるように基材8はベルト本体2の第1主面3に直接塗布される。この場合、基材8は、液体、特に粘稠液の状態、好ましくは10
2~10
5mPas、特に10
4~10
5mPasの動粘度を有する粘稠液の状態で、ベルト本体2の第1主面3に塗布することができる。強化要素8aは、ベルト本体2の第1主面3に塗布される前に、基材8に混入することができる。例えば、特に繊維、又は特に針の形の小さな金属棒を、基材8に混ぜ合わせることができる。ここで、強化要素8aは、基材8又はコーティング7中に統計的に分布させることができる。代替として、基材8を塗布する前に(繊維状及び/又は棒状及び/又は針状の)強化要素8aをベルト本体2上に分布させ、その後から基材8でコーティングすることもできる。
【0059】
本発明の別の変形例によれば、強化要素8aは、長範囲の秩序を有することができ、これは例えば網、格子、又は布、例えば補強布などの布の形で存在できる。この場合、強化要素8aは、同様に基材8を塗布する前にベルト本体2の第1主面3に載せておき、それから基材8で被覆することもできる。したがって格子、網又は布を最初にベルトに塗布してから、基材をその上に塗布することもできる。上記のエンドレスベルト1への格子、網又は布の塗布は、例えば、エンドレスベルト1の周方向に「らせん状」(より正確には、渦巻状)に行うこともできる。したがって、格子、網又は布は、エンドレスベルト1の主面3上にらせん巻を形成する。後者は、格子、布、又は網が、エンドレスベルト1の横方向に継ぎ目を持たず、いわば「エンドレスに」塗布されるという利点を有する。この場合もちろん網、格子又は布の個々の織布の切片の間に(つまりエンドレスベルトの縦方向に)継ぎ目は存在するが、これらはエンドレスベルト1の横方向の継ぎ目の場合ほど荷重がかからない。今説明した実施形態では、格子布又は網の幅は、エンドレスベルト1の幅よりも小さい。
【0060】
最初に基材8の層を最初に塗布することもでき、次に強化要素8aを基材8に挿入し、それから基材8の別の層で完全に覆うことができる。また、格子又は網を形成する強化要素8aを使用する場合も、基材8と一緒に塗布することができる。したがって格子又は網を基材8に含侵させて、基材8と一緒にベルト表面2に塗布することができる。
【0061】
長範囲の秩序を形成しない強化要素8a、例えばガラス繊維片を使用する場合、強化要素8aは、好ましくは硬質粒子9と一緒に基材8に用いられ、若しくは基材8と混合され、次いで、強化要素8a及び硬質粒子9をその中に含む基材8は、例えばドクターブレードで均一に塗布されて、強化要素8aと硬質粒子9がコーティング内で統計的に分布する。
【0062】
対照的に、網/格子/布、即ち長範囲の秩序を有する強化要素8aを使用する場合、これらは好ましくは最初にエンドレスベルト1に載置/塗布/接着され、続いてマトリックスと硬質粒子9からなる基材8aを塗布し、特にドクターブレードで均一に塗布する。
【0063】
強化要素8aの混合される質量は、好ましくは基材8又はコーティング7の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントである。
【0064】
強化要素8aの構造は、完成したコーティング7において起伏によって識別できる。
【0065】
本発明の好ましい変形例によれば、基材8をベルト本体2に塗布する前に、硬質粒子9も基材8に混入される。しかし代替的に、強化要素8aの有無にかかわらず基材8を最初にベルト本体2に塗布し、次いで硬質粒子9を、既に塗布された基材8中に分散させることができる。したがって例えば硬質粒子9は、まだ湿っている基材8に散布することができる。硬質粒子9は、基材8から形成されたマトリックス中に統計的に分布させることができる。
【0066】
基材8、強化要素8a及び硬質粒子9は、ドクターブレード12によって、例えばストリップ状のドクターブレードによって、ベルト本体2の第1主面3上に均一に分布させることができる。
【0067】
ドクターブレードの使用に代えて又は使用に加えて、基材8及び/又は硬質粒子8aは、ベルト本体2の第1主面にローラー、へら、刷毛、押し出し又は吹き付けによって塗布して分布させることができる。カーテンコーティング法によってベルト本体2に基材8と硬質粒子9をコーディングすることも可能である。
【0068】
さらに、
図3から見て取れるように、コーティング7を塗布する前にベルト本体2をエンドレスリングに閉じることができる。ベルト本体2が金属製である場合、これを溶接によってリングに閉じることが好ましいが、原則としてリベットなど他の種類の接続も可能であろう。エンドレスリングに閉じられたベルト本体2は、コーティング7を塗布する前に2つのプーリ10、11の間に環状に配置することができる。
【0069】
基材8、強化要素8a及び硬質粒子9は、閉じたリングに形成されたベルト本体2の上側走路に塗布することができ、例えばドクターブレード12によって上側走路に均一に分布させることができる。ベルト本体2は、基材8並びに強化要素及び硬質粒子9の分布中又は分布後に周回方向に動き続けることができる。基材8が乾燥した後で、強化要素8a及び硬質粒子9は基材8内に固く埋め込まれており、乾燥した基材8と硬質粒子9から形成されたコーティング7は、エンドレスベルト1のベルト本体2の第1主面3から分離しないように結合されている。
【0070】
コーティング7は、閉じたベルト本体2に一条で塗布できるが、複数条で塗布することもできる。それぞれの条の間において、コーティングされていない隙間をあけることもできる。ベルトエッジセンサーでベルトの動きを制御可能にするために、ベルト本体2は縁部までコーティングされないことが好ましい。複数条の場合、各条はそれぞれ異なる幅を有することができる。各条はまた、マトリックス、強化要素8a及び硬質粒子9の組成に関して異なるコーティング7を有することもできる。
【0071】
必要に応じて、コーティング7の湿潤状態又は乾燥状態で後処理を、例えば研削、引っ掻き、平滑化、研磨、スキンパス、テクスチャリングによって行うことができる。特にマトリックスの基材8として熱可塑性プラスチックを使用する場合は、コーティング7が乾燥した後に表面を変化させるために事後的に熱処理を行うことができる。そのような熱処理は、コーティング特性を全体的に変化させるように、表面全体に対して行うことができる。例えばコーティング7のテクスチャー、均質性又は内部応力などを変化させることができる。必要に応じて、特に熱可塑性マトリックスにおいて局所的な構造化を取り入れるために局所的にのみ入熱することもできる。
【0072】
特にコーティング7を多層に塗布したり、局所的に補修塗りすることもできる。
【0073】
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、部材は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大及び/又は縮小して表現された。
【符号の説明】
【0074】
1 エンドレスベルト
2 ベルト本体
3 主面
4 主面
5 側縁部
6 側縁部
7 コーティング
8 基材
8a 強化要素
9 硬質粒子
10 プーリ
11 プーリ
12 ドクターブレード
【手続補正書】
【提出日】2021-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
冒頭に記載した種類の方法及びエンドレスベルトは、特許文献1、2により公知である。
車両テストベンチや風洞及びこれに類するもののためのベルトは、しばしば表面被覆若しくはコーティングを有するが、これらは多くの場合に接着されたフィルムであるため、定荷重の下で亀裂が発生する傾向がある。
[先行技術文献]
[特許文献]
【特許文献1】国際公開第2016/123645号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1164094号明細書
【手続補正書】
【提出日】2021-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、第1主面と第2主面とを有するベルト本体を備えたエンドレスベルトの製造方法であって、ベルト本体の第1主面と第2主面は側縁部を介して互いに接続されており、エンドレスベルトの完成状態でエンドレスベルトの内側とは反対側にあるベルト本体の第1主面にコーティングが塗布され、コーティングは完成状態でエンドレスベルトの外側を形成し、ベルト本体の第1主面へのコーティングとして、強化要素が混入される少なくとも1つの基材が塗布されるようにした方法に関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本発明はさらに、第1主面と第2主面とを有するベルト本体を備え、ベルト本体の第1主面と第2主面は側縁部を介して互いに接続されており、エンドレスベルトの内側とは反対側にあるベルト本体の第1主面にコーティングが塗布されていて、コーティングがエンドレスベルトの外側を形成し、コーティングは強化要素が混入された基材を有するエンドレスベルトに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記の課題は、本発明により冒頭に記載した種類の方法により、基材は、硬質粒子に対するマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれ、コーティングが好ましくはベルト本体の第1主面に直接塗布されることによって解決される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明による解決策により、エンドレスベルトの曲げ半径が非常に小さく、定荷重がかかっても、コーティングの裂け、破断、又は剥離を極めて確実に防ぐことができる。さらに被覆の強度、耐久性、及び長期性能が大幅に向上する。本発明において、一方では、平均的な路面舗装に対応する平均粗さ、特に平均谷深さ及び/又は平均表面性情及び/又は構造を有する被覆を達成することができ、或いは少なくとも視覚的に及び/又は滑り抵抗の観点で路面舗装に近似する被覆を実現することができ、他方では、被覆を直接ベルト本体の表面に塗布して、被覆とベルト本体との間で非常に良好な付着を達成することでき、その際に追加の付着媒介層は必要ない。さらに、塗布された被覆は、特に衝撃力、打撃力、せん断力、及び腐食に対するベルト本体の保護機能を果たす。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
上記の課題は、本発明に係る冒頭で述べた種類のエンドレスベルトにより、基材がマトリックスを形成し、このマトリックス中に、硬質粒子、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子が埋め込まれており、コーティングが好ましくはベルト本体の第1主面に直接塗布されていることによっても解決することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備えたエンドレスベルト(1)の製造方法であって、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の完成状態でエンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)は完成状態でエンドレスベルト(1)の外側を形成
し、ベルト本体(2)の第1主面(3)へのコーティング(7)として、強化要素(8a)が混入される少なくとも1つの基材(8)が塗布される
方法
において、
前記基材(8)は、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれ、コーティング(6)が好ましくはベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記強化要素として、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば、網、格子、又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば、綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されることを特徴とする、請求項1から
5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記硬質粒子(9)として有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子を使用することを特徴とする、請求項
1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ベルト本体(2)が金属から製造されており、ベルト本体(2)はコーティング(7)を塗布する前に、特に溶接によってエンドレスリングに閉じられることを特徴とする、請求項1から
7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
エンドレスリングに閉じられたベルト本体(2)は、コーティング(7)を塗布する前に、2つのプーリ(10、11)の間に環状に配置されることを特徴とする、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記基材(8)は、液体、特に粘稠液の状態、好ましくは10
2~10
5mPas、特に10
4~10
5mPasの動粘度を有する粘稠液の状態で、好ましくは強化要素(8a)及び硬質粒子(9)と一緒にベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布され、特にドクターブレード(12)を用いて、好ましくはストリップ状のドクターブレードを用いてベルト本体(2)の第1主面(3)上で均一に分布されることを特徴とする、請求項1から
9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
基材(8)と強化要素(8a)と硬質粒子(9)は、閉じたリングに形成されたベルト本体(2)の上側走路に塗布され、特にドクターブレード(12)で上側走路に均一に分布され、ベルト本体(2)は基材(8)と硬質粒子(9)の分布中又は分布後も周回方向に動かされ続けることを特徴とする、請求項
9及び
10に記載の方法。
【請求項12】
硬質粒子(9)と強化要素(8a)は、ベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布される前に、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成する基材(8)に混入されることを特徴とする、請求項
1から
11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
基材(8)、特に強化要素(8a)を有する基材(8)と硬質粒子(9)は、第1主面(3)上にスプレー、刷毛、ローラー及び/又はへらで塗布されることを特徴とする、請求項
1から
12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
硬質粒子(9)は、0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの粒径を有することを特徴とする、請求項
1から
13のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
エンドレスベルト、特に請求項
1から
14のいずれか一項に記載の方法により製造されたエンドレスベルト(1)であって、第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備え、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)がエンドレスベルト(1)の外側を形成しており、コーティング(7)は強化要素(8a)が混入された基材(8)を有
し、
前記基材(8)は、マトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度、好ましくは1400[HV]~10060[HV]の硬度を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれており、コーティング(7)が好ましくはベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されていることを特徴とするエンドレスベルト。
【請求項16】
前記強化要素(8a)は、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維(例えばポリアミド)などのプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針として形成されていることを特徴とする、請求項
15に記載のエンドレスベルト。
【請求項17】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、例えば網、格子又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、例えば綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布していることを特徴とする、請求項
15又は
16に記載のエンドレスベルト。
【請求項18】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1、特に少なくとも5:1、好ましくは少なくとも7:1、特に好ましくは少なくとも8:1であることを特徴とする、請求項
15から
17のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項19】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント、特に20~35重量パーセントであることを特徴とする、請求項
15から
18のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項20】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物、好ましくは熱可塑性ポリマーから製造されることを特徴とする、請求項
15から
19のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項21】
前記硬質粒子(9)は、有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子であることを特徴とする、請求項
15から20のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項22】
前記硬質粒子(9)は、0.01~3mm、好ましくは0.05~2mm、特に好ましくは0.1~1mmの粒径を有することを特徴とする、請求項
15から
21のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項23】
コーティング(7)の表面は、1cm
2あたり1~10,000個、好ましくは1~1000個、特に好ましくは10~1000個の硬質粒子を有することを特徴とする、請求項
15から24のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項24】
コーティング(7)は、乾燥表面状態及び湿潤表面状態で、DIN-51130によるR13の滑り抵抗を有することを特徴とする、請求項
15から
23のいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項25】
ベルト本体(2)は、金属、特に鋼で作られていることを特徴とする、請求項
15から
24のうちいずれかに記載のエンドレスベルト。
【請求項26】
コーティング(7)は、0.1~5mm、特に0.5~1.5mmの層厚を有することを特徴とする、請求項
15から
25のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項27】
コーティング(7)は、100μmを超える、好ましくは300μmを超える、特に好ましくは500μmを超える平均表面粗さを有することを特徴とする、請求項
15から
26のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項28】
エンドレスベルト(1)は、周長が0.2m~30m、特に1m~25m、厚さが0.1mm~4mm、特に0.2mm~2.5mm、及び幅が0.1m~10m、特に0.2m~3.2mであることを特徴とする、請求項
15から
27のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項29】
コーティング(7)は継ぎ目がないことを特徴とする、請求項
15から
28のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備えたエンドレスベルト(1)の製造方法であって、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の完成状態でエンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)は完成状態でエンドレスベルト(1)の外側を形成し、ベルト本体(2)の第1主面(3)へのコーティング(7)として、強化要素(8a)が混入される少なくとも1つの基材(8)が塗布される方法において、
前記基材(8)は、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度
を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれ、コーティング(
7)が
ベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記強化要素として、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維
のプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、
網、格子、又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、
綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1
であることを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント
であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物
から製造されることを特徴とする、請求項1から5のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記硬質粒子(9)として有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子を使用することを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ベルト本体(2)が金属から製造されており、ベルト本体(2)はコーティング(7)を塗布する前に、特に溶接によってエンドレスリングに閉じられることを特徴とする、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
エンドレスリングに閉じられたベルト本体(2)は、コーティング(7)を塗布する前に、2つのプーリ(10、11)の間に環状に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基材(8)は、液体、特に粘稠液の状態、
10
2~10
5mPas
の動粘度を有する粘稠液の状態で、
強化要素(8a)及び硬質粒子(9)と一緒にベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布され、
ドクターブレード(12)を用いて、
ベルト本体(2)の第1主面(3)上で均一に分布されることを特徴とする、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
基材(8)と強化要素(8a)と硬質粒子(9)は、閉じたリングに形成されたベルト本体(2)の上側走路に塗布され、特にドクターブレード(12)で上側走路に均一に分布され、ベルト本体(2)は基材(8)と硬質粒子(9)の分布中又は分布後も周回方向に動かされ続けることを特徴とする、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
硬質粒子(9)と強化要素(8a)は、ベルト本体(2)の第1主面(3)に塗布される前に、硬質粒子(9)に対するマトリックスを形成する基材(8)に混入されることを特徴とする、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
基材(8)、特に強化要素(8a)を有する基材(8)と硬質粒子(9)は、第1主面(3)上にスプレー、刷毛、ローラー及び/又はへらで塗布されることを特徴とする、請求項1から12のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
硬質粒子(9)は、0.01~3mm
の粒径を有することを特徴とする、請求項1から13のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
エンドレスベルト、特に請求項1から14のいずれか一項に記載の方法により製造されたエンドレスベルト(1)であって、第1主面(3)と第2主面(4)とを有するベルト本体(2)を備え、ベルト本体の第1主面(3)と第2主面(4)は側縁部(5、6)を介して互いに接続されており、エンドレスベルト(1)の内側とは反対側にあるベルト本体(2)の第1主面(3)にコーティング(7)が塗布され、コーティング(7)がエンドレスベルト(1)の外側を形成しており、コーティング(7)は強化要素(8a)が混入された基材(8)を有し、
前記基材(8)は、マトリックスを形成し、このマトリックス中に、特にビッカース硬さで測定して500[HV]を超える硬度
を有する少なくとも1種類の材料からなる硬質粒子(9)が埋め込まれており、コーティング(7)が
ベルト本体(2)の第1主面(3)に直接塗布されていることを特徴とするエンドレスベルト。
【請求項16】
前記強化要素(8a)は、繊維、特に炭素繊維及び/又はホウ素繊維及び/又はガラス繊維などの鉱物繊維、及び/又はナイロン繊維
のプラスチック繊維、及び/又は金属繊維、及び/又はセルロース及び/又は麻及び/又は綿及び/又はサイザル及び/又はジュート及び/又は亜麻などの天然原料をベースとした繊維、及び/又は天然繊維、及び/又は木質繊維、及び/又は羊毛、及び/又は動物の毛、及び/又は絹、及び/又は針、特に金属針として形成されていることを特徴とする、請求項15に記載のエンドレスベルト。
【請求項17】
前記強化要素(8a)は、少なくとも1つの長範囲の秩序を、
網、格子又は布の形で、特に二軸ガラス織物、ガラス繊維束、炭素繊維束の形で形成するか、或いは基材中に、
綿くず、ガラス繊維片、炭素繊維片の形で統計的に分布していることを特徴とする、請求項15又は16に記載のエンドレスベルト。
【請求項18】
前記強化要素(8a)は、それぞれ長さと直径の比が少なくとも3:1
以上であることを特徴とする、請求項15から17のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項19】
前記強化要素(8a)の割合は、基材(8)又はコーティング(7)の10~45重量パーセント
であることを特徴とする、請求項15から18のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項20】
前記基材(8)は、特にポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、1軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、2軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリビニルカーボネート(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)及び/又はエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロポリマー(EFEP)の群から選択された少なくとも1種類のポリマー又はポリマーの混合物
から製造されることを特徴とする、請求項15から19のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項21】
前記硬質粒子(9)は、有機粒子、特に小麦セモリナ、クルミの殻の粒子、米又は砕いたサクランボの種の粒子、及び/又は無機粒子、特にコランダム(Al2O3)、ルビー、サファイア、石英(SiO2)、トパーズ(Al2[(F、OH)2|SiO4])、炭化ケイ素(SiC)、ダイヤモンド(C)、窒化ホウ素(BN)、ダイヤモンドナノロッド凝集体(ADNR)、ZrO2、ZrO2のドーピング、特に8YSZ及び3YSZ、砂、TiO2、金属粉末又はセラミック粉末、及び無機凝集体の群から選択された無機粒子であることを特徴とする、請求項15から20のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項22】
前記硬質粒子(9)は、0.01~3mm
の粒径を有することを特徴とする、請求項15から21のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項23】
コーティング(7)の表面は、1cm
2あたり1~10,000個
の硬質粒子を有することを特徴とする、請求項15から
22のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項24】
コーティング(7)は、乾燥表面状態及び湿潤表面状態で、DIN-51130によるR13の滑り抵抗を有することを特徴とする、請求項15から23のいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項25】
ベルト本体(2)は、金属、特に鋼で作られていることを特徴とする、請求項15から24のうちいずれかに記載のエンドレスベルト。
【請求項26】
コーティング(7)は、0.1~5mm
の層厚を有することを特徴とする、請求項15から25のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項27】
コーティング(7)は、100μmを超える
平均表面粗さを有することを特徴とする、請求項15から26のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項28】
エンドレスベルト(1)は、周長が0.2m~30m、
厚さが0.1mm~4mm、
及び幅が0.1m~10m
であることを特徴とする、請求項15から27のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【請求項29】
コーティング(7)は継ぎ目がないことを特徴とする、請求項15から28のうちいずれか一項に記載のエンドレスベルト。
【国際調査報告】