(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(54)【発明の名称】バッテリーを充電するための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20220929BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220929BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20220929BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20220929BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20220929BHJP
B60L 53/62 20190101ALI20220929BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20220929BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20220929BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20220929BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H02J7/04 A
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/62
B60L53/66
B60L53/67
B60L58/10
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022506746
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 TH2020000014
(87)【国際公開番号】W WO2021025629
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】201910711196.8
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522044308
【氏名又は名称】マイン モビリティー リサーチ シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】MINE MOBILITY RESEARCH CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】アーフナイ,ソムポート
(72)【発明者】
【氏名】パン,ウェン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ツェン,カオ カイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ガン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェン ホア
(72)【発明者】
【氏名】デン,シャオ メン
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ザオ フゥイ
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD05
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC05
5H125BC22
5H125BE02
5H125CC06
5H125DD02
5H125EE21
(57)【要約】
少なくとも1つの第2の充電デバイスと通信するように構成された第1の充電デバイスであって、第1の充電デバイス及び少なくとも1つの第2の充電デバイスは前記バッテリーを充電するように構成された、第1の充電デバイスを備え、更に、第1の充電デバイスを制御するように構成された第1のコントローラであって、前記第1のコントローラは第2のコントローラと通信することによって前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数を判定する、前記第1のコントローラを備えたことを特徴とする、バッテリーを充電する装置が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーを充電する装置において、
少なくとも1つの第2の充電デバイスと通信するように構成された第1の充電デバイスであって、前記第1の充電デバイス及び前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは前記バッテリーを充電するように構成された、前記第1の充電デバイスと、
第1の充電デバイスを制御するように構成された第1のコントローラであって、前記第1のコントローラは第2のコントローラと通信することによって前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数を判定する、前記第1のコントローラとを備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記第1のコントローラが、前記バッテリーを充電するための第1の電力データを含むデータを受信し、かつ、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数に基づいて第2の電力データを判定した場合、前記第2の電力データは、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの各々に使用されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記第1の充電デバイスは、複数のソケットとインターフェース接続するための充電部材を含み、
前記充電部材は、電動装置の少なくとも1つの対応するソケットに挿入されるように構成されたことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の装置において、
前記第2のデータは、前記第1の電力データを前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数で割ることによって導出又は計算されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の装置において、
前記第2の電力データが電力閾値を超える場合、前記第1のコントローラは、前記第2の電力データを前記電力閾値に設定することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項3に記載の装置において、
前記電動装置は、電気ボート、電気フェリー、電気自動車、又は電気トラックであることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項3又は請求項6に記載の装置において、
前記装置と前記電動装置との間の通信は、電力線通信(PLC)によって実行されることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の装置において、
前記第1の充電デバイスと前記少なくとも1つの第2の充電デバイスとの間の通信は、コントローラエリアネットワーク(CAN)通信によって実行されることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記装置と、
前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つと通信し、前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つから提供されたデータを保存するように構成されたサーバーとを備えたことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記装置と、
前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つと通信し、ユーザを認証するように構成されたデバイスとを備えたことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記装置を備え、
前記装置は、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスを更に備えたことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記装置と、
前記電動装置とを備えたことを特徴とするシステム。
【請求項13】
バッテリーを充電する方法において、
第1の充電デバイスによって少なくとも1つの第2の充電デバイスと通信するステップと、ここで、前記第1の充電デバイス及び前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは前記バッテリーを充電するように構成され、
第1のコントローラによって前記第1の充電デバイスを制御するステップと、
前記第1のコントローラによって、第2のコントローラと通信することで前記少なくとも1つの充電デバイスの数を判定するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
電気車両を充電するシステムにおいて、
複数の充電デバイスを備え、
前記複数の充電デバイスの各々は、前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して、前記電気車両との通信を確立し、前記電気車両の充電要件を受信する充電デバイスを前記複数の充電デバイスの中から識別し、前記電気車両の充電に利用可能な前記複数の充電デバイスの間で割り当てるように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記複数の充電デバイスの各々は、前記電気車両とハンドシェイク信号を交換することによって前記電気車両との通信を確立するように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記複数の充電デバイスは、
第1の充電デバイスと、
前記第1の充電デバイスとデータ通信する少なくとも1つの第2の充電デバイスとを含み、
前記第1の充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に成功し、前記電気車両の充電要求を受信するために識別された充電デバイスであり、
前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に失敗し、前記電気車両の充電に利用可能であることを示す充電デバイスであることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは、その充電デバイス識別子(ID)を含むメッセージを前記第1の充電デバイスに送信することによって前記電気車両の充電に利用可能であることを示し、
前記第1の充電デバイスは、受信した充電デバイスIDのレコードを維持することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項16又は請求項17に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記第1の充電デバイスは、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスに絶縁検出テストを実行するように指示することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項15乃至請求項20のいずれかに記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記第1の充電デバイスは更に、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定するように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定されることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定され、
いずれか1つの充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定することを特徴とするシステム。
【請求項24】
複数の充電デバイスを介して電気車両を充電する方法において、
前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して前記電気車両との通信を確立する複数の充電デバイスの各々と、
前記複数の充電デバイスの中から、前記電気車両の充電要件を受信するために前記電気車両との通信を正常に確立する第1の充電デバイスを識別することと、
前記第1の充電デバイスを介して前記電気車両の充電要件を受信することと、
充電に利用可能な充電デバイス間で前記充電要件を割り当てることと、
割り当てられたそれぞれの前記充電要件に基づいて、充電に利用可能な前記充電デバイスを介して前記電気車両を充電することとを含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の電気車両を充電する方法において、
通信を確立することは、ハンドシェイク信号を交換することを含むことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項24又は請求項25に記載の電気車両を充電する方法において、
前記電気車両との通信の確立に失敗した各充電デバイスは、それが前記電気車両の充電に利用可能であることを示すことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含むことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26又は請求項27に記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項24乃至請求項28のいずれかに記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な前記複数の充電デバイスの間で前記充電要件を割り当てることは、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29に記載の電気車両を充電する方法において、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定されることを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項30に記載の電気車両を充電する方法において、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定され、
前記方法は更に、いずれか1つの充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項32】
電気車両において、
バッテリーと、
前記バッテリーを充電するための複数の充電ポートであって、そのうちの少なくとも1つは、ハンドウェイ信号を充電デバイスと交換するための関連する通信モジュールを含まない、前記複数の充電ポートとを備えたことを特徴とする電気車両。
【請求項33】
請求項33に記載の電気車両において、
前記複数の充電ポートのうちの1つだけが、それに関連付けられた通信モジュールを有することを特徴とする電気車両。
【請求項34】
請求項33に記載の電気車両において、
前記電気車両は、前記バッテリーの充電要件を、それに関連付けられた通信モジュールを有する充電ポートを介して充電デバイスに送信するように構成されたことを特徴とする電気車両。
【請求項35】
請求項34に記載の電気車両において、
前記バッテリーは、前記充電要件の一部を受信する各充電ポートで充電可能に構成されたことを特徴とする電気車両。
【請求項36】
請求項32乃至請求項35のいずれかに記載の電気車両において、
前記通信モジュールは、電力線通信(PLC)通信モジュールであることを特徴とする電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリーを有する電気車両を充電するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の背景に関する以下の説明は、本開示の理解を容易にすることのみを目的としている。本説明は、言及された資料のいずれかが、本開示の優先日において、公開された、知られている、又は任意の管轄区域の当業者の一般的な知識の一部であるということを、確認又は承認するものではないことを理解されたい。
【0003】
電気車両のバッテリーを充電するための少なくとも1つの充電パイルを含む充電ステーションが提案されている。電気車両が駆動するために比較的高い電力を必要とする場合、電気車両は、複数の充電ソケット又はポートを含み得る。電気車両の各ソケットは、充電パイルとの電力線通信用の電力線通信(PLC;POWER Line Communication)モジュールに接続される。従って、複数の充電ソケットを備えた電気車両には、対応する数のPLCモジュールがある。このような構成は、電気車両の複数のソケットに接続された充電ステーションの充電ロジックと障害処理を複雑化する。その結果、充電ステーションの故障率は高くなり、充電ステーションの信頼性は低くなる。PLCモジュールの数が多いと、電気車両のコストも高くなる。前述した問題の少なくとも幾つかを軽減する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、バッテリーを充電するための装置、システム、及び方法を提供することによって、従来技術の問題の対処及び/又は改善を図る。
【0005】
本文書全体を通して、特に断りのない限り、「備える(comprising)」、「からなる(consisting of)」、「有する(having)」などの用語は、網羅的ではないこと、言い換えれば、「含む(including)が、これに限定されない」を意味するものと解釈されるべきである。
【0006】
更に、本文書全体を通して、文脈上別段の必要がない限り、「含む(include)」という単語や、「includes」又は「including」のような変形は、記載された完全体や完全体のグループを含むが、任意の他の完全体や完全体のグループを排除しないことを意味すると理解される。
【0007】
本開示の一態様によれば、少なくとも1つの第2の充電デバイスと通信するように構成された第1の充電デバイスであって、第1の充電デバイス及び少なくとも1つの第2の充電デバイスは前記バッテリーを充電するように構成された、第1の充電デバイスを備え、更に、第1の充電デバイスを制御するように構成された第1のコントローラであって、前記第1のコントローラは第2のコントローラと通信することによって前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数を判定する、前記第1のコントローラを備えたことを特徴とする、バッテリーを充電する装置である。
【0008】
幾つかの実施形態では、前記第1のコントローラが、前記バッテリーを充電するための第1の電力データを含むデータを受信し、かつ、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数に基づいて第2の電力データを判定した場合、前記第2の電力データは、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの各々に使用される。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記第1の充電デバイスは、複数のソケットとインターフェース接続するための充電部材を含み、前記充電部材は、電動装置の少なくとも1つの対応するソケットに挿入されるように構成される。
【0010】
幾つかの実施形態では、前記第2のデータは、前記第1の電力データを前記少なくとも1つの第2の充電デバイスの数で割ることによって導出又は計算される。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記第2の電力データが電力閾値を超える場合、前記第1のコントローラは、前記第2の電力データを前記電力閾値に設定する。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記電動装置は、電気ボート、電気フェリー、電気自動車、又は電気トラックである。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記装置と前記電動装置との間の通信は、電力線通信(PLC)によって実行される。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記第1の充電デバイスと前記少なくとも1つの第2の充電デバイスとの間の通信は、コントローラエリアネットワーク(CAN;Controller Area Network)通信によって実行される。
【0015】
本開示の一態様によれば、装置と、前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つと通信し、前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つから提供されたデータを保存するように構成されたサーバーとを備えたことを特徴とする、システムである。
【0016】
本開示の一態様によれば、装置と、前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つと通信し、ユーザを認証するように構成されたデバイスとを備えたことを特徴とする、システムである。
【0017】
本開示の一態様によれば、装置を備え、前記装置は、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスを更に備えたことを特徴とする、システムである。
【0018】
本開示の一態様によれば、装置と、前記電動装置とを備えたことを特徴とする、システムである。
【0019】
本開示の一態様によれば、第1の充電デバイスによって少なくとも1つの第2の充電デバイスと通信するステップと、ここで、前記第1の充電デバイス及び前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは前記バッテリーを充電するように構成され、第1のコントローラによって前記第1の充電デバイスを制御するステップと、前記第1のコントローラによって、第2のコントローラと通信することで前記少なくとも1つの充電デバイスの数を判定するステップとを含むことを特徴とする、バッテリーを充電する方法である、
【0020】
本開示の一態様によれば、電気車両を充電するシステムが提供される。前記システムには、複数の充電デバイスが含まれる。前記複数の充電デバイスの各々は、前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して、前記電気車両との通信を確立し、前記電気車両の充電要件を受信する充電デバイスを前記複数の充電デバイスの中から識別し、前記電気車両の充電に利用可能な前記複数の充電デバイスの間で割り当てるように動作可能である。
【0021】
幾つかの実施形態では、各充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号を交換することによって前記電気車両との通信を確立するように動作可能である。
【0022】
幾つかの実施形態では、前記複数の充電デバイスは、第1の充電デバイスと、前記第1の充電デバイスとデータ通信する1つ又は複数の第2の充電デバイスとを含む。前記第1の充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に成功し、前記電気車両の充電要求を受信するために識別された充電デバイスである。前記第2の充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に失敗し、前記電気車両の充電に利用可能であることを示す充電デバイスである。
【0023】
幾つかの実施形態では、各第2の充電デバイスは、その充電デバイス識別子(ID)を含むメッセージを前記第1の充電デバイスに送信することによって前記電気車両の充電に利用可能であることを示し、前記第1の充電デバイスは、受信した充電デバイスIDのレコードを維持する。
【0024】
幾つかの実施形態では、充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含む。幾つかの実施形態では、前記第1の充電デバイスは、前記1つ又は複数の第2の充電デバイスに絶縁検出テストを実行するように指示する。
【0025】
幾つかの実施形態では、充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記第1の充電デバイスは更に、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定するように動作可能である。幾つかの実施形態では、前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定される。
【0027】
幾つかの実施形態では、前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定される。そして、これらの実施形態では、充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定する。
【0028】
本開示の一態様によれば、複数の充電デバイスを介して電気車両を充電する方法が提供される。本方法は、前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して前記電気車両との通信を確立する複数の充電デバイスの各々と、前記複数の充電デバイスの中から、前記電気車両の充電要件を受信するために前記電気車両との通信を正常に確立する第1の充電デバイスを識別することを含む。本方法は更に、前記第1の充電デバイスを介して前記電気車両の充電要件を受信することと、充電に利用可能な充電デバイス間で前記充電要件を割り当てることと、割り当てられたそれぞれの前記充電要件に基づいて、前記利用可能な充電デバイスを介して前記電気車両を充電することとを含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、通信を確立することは、ハンドシェイク信号を交換することを含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、前記電気車両との通信の確立に失敗した各充電デバイスは、それが前記電気車両の充電に利用可能であることを示す。
【0031】
幾つかの実施形態では、充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、充電に利用可能な前記充電デバイスの間で前記充電要件を割り当てることは、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定することを含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定される。
【0035】
幾つかの実施形態では、前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定される。これらの実施形態では、本方法は更に、いずれか1つの充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定することを含む。
【0036】
本開示の一態様によれば、バッテリーと、前記バッテリーを充電するための複数の充電ポートとを含む、電気車両が提供される。前記複数の充電ポートのうちの少なくとも1つは、ハンドウェイ信号を充電デバイスと交換するための関連する通信モジュールを含まない。
【0037】
幾つかの実施形態では、前記複数の充電ポートのうちの1つだけが、それに関連付けられた通信モジュールを有する。
【0038】
幾つかの実施形態では、前記電気車両は、前記バッテリーの充電要件を、それに関連付けられた通信モジュールを有する充電ポートを介して充電デバイスに送信するように構成される。
【0039】
幾つかの実施形態では、前記バッテリーは、前記充電要件の一部を受信する各充電ポートで充電可能に構成される。
【0040】
幾つかの実施形態では、前記通信モジュールは、電力線通信(PLC)通信モジュールである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
様々な実施形態が、一例として、添付の図面を参照して説明される。
図1は、本開示の幾つかの実施形態に関する、複数の充電パイルを有する充電ステーションを含むシステム1000を示している。
図2は、本開示の幾つかの実施形態に関する、マスター充電パイル及び少なくとも1つのスレーブ充電パイルを判定するための方法又はプロセスを示している。
図3は、本開示の幾つかの実施形態に関する、複数の充電器の並列充電のプリチャージロジックを示している。
図4は、本開示の幾つかの実施形態に関する、マスター充電パイル及び少なくとも1つのスレーブ充電パイルの動作ロジックを示している。
図5は、本開示の幾つかの実施形態に関する、並列に配置された充電器間に需要配分を割り当てる方法又はプロセスを示している。
図6は、本開示の幾つかの実施形態に関する、システム1000内の通信を示している。
図7は、本開示の一実施形態に関する、充電パイルがマスター充電パイルであるかスレーブ充電パイルであるかを判定するための、
図1の各充電パイルにおける一連のステップを示すフローチャートである。
図8は、本開示の一実施形態に関する、マスター充電パイル及びスレーブ充電パイルが充電に利用可能であるかどうかを判定するための、マスター充電パイルにおける一連のステップを示すフローチャートである。
図9は、本開示の一実施形態に関する、マスター充電パイル及びスレーブ充電パイルが充電に利用可能であることを判定するための、マスター充電パイルにおける更なるステップのシーケンスを示すフローチャートである。
図10は、本開示の一実施形態に関する、利用可能な各充電パイルの充電要件を判定するための、マスター充電パイルにおける一連のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示は、バッテリーを充電するための装置、システム、及び方法に適している可能性がある。
【0043】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される他の全ての技術用語及び科学用語は、本明細書の主題が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0044】
システム1000
【0045】
図1に示すように、電気車両10、13を充電するためのシステム1000は、サーバー300と、充電ステーション(又は充電装置)110と、装置200とを含む。充電ステーション110は、サーバー300とデータ通信している。装置200は、充電ステーション110とデータ通信している。充電ステーション110は、第1の充電パイル111と、第2の充電パイル112と、第3の充電パイル113とを含み、これらは全て、コントローラエリアネットワークに接続されている。充電パイル111、112、113は、充電デバイス111、112、113としても知られている。
図1に示される本システムは、電気ボート10などの第1の電気車両10と、電気自動車13などの第2の電気車両13とを充電するために、これらに接続されている。以下、電気ボート10及び電気自動車13は、それぞれ、電動装置100とも呼ばれる。
【0046】
電動装置100
【0047】
電気ボート10は、電気ボート10を並列充電するため、より具体的には、電気ボート10のバッテリー(図示せず)を並列充電するための、複数の充電ポート11a、11b、12a、12bを含む。各充電ポート11a、11b、12a、12bは、充電パイル111、112の対応する充電部材(図示せず)を受け入れることができる。各充電ポート11a、11b、12a、12bは、充電パイル111、112、113の充電部材(図示せず)をその中に挿入できるように形成及び寸法決めされる。電気ボート10は、電気ボート10の様々な機構及び動作を制御するための第2のコントローラ10Aを含む。各充電ポート11a、11b、12a、12bは、ソケットであり得る。電気自動車13は、第3の充電パイル113の充電部材を受け入れるための1つの充電ポート13aを含む。電気自動車13の充電ポート13aも、ソケットであり得る。以下、電動装置100の非限定的な例として、電気ボート10について説明する。電気ボート10の第1の充電ポート11aは、充電ステーション110、より具体的には、充電ステーション110の充電パイル111とのデータ通信のために、それに関連付けられたPLCモジュールを有する。言い換えれば、電気ボート10の第1の充電ポート11aは、電気ボート10と充電ステーション110との間の通信を容易にするために、それに接続されたPLCモジュールを有する。電気ボート10の第2のコントローラ10Aは、電気車両通信コントローラ(EVCC;Electric Vehicle Communication Controller)10Aであり得る。
【0048】
電気ボート10が有する充電ポート11a、11b、12a、12bの数は、
図1に示される4つの充電ポート11a、11b、12a、12bに限定されず、電気ボート10は、4つより多い又は少ない充電ポート11a、11b、12a、12bを含み得ることを理解されたい。充電パイル111、112の数は、
図1に示す3つの充電パイル111、112、113に限定されず、充電ステーション110は、任意の数の充電パイル111、112、113を含み得ることを理解されたい。電動装置100は、電気ボート10や電気自動車13に限定されず、電気フェリー(E-Ferry)や電気トラック(E-truck)などの他の電気車両を含み得るが、これらに限定されない。以下、充電ステーション110は、充電装置110とも称される。
【0049】
充電装置110
【0050】
図1に示されるように、充電パイル111、112、113の各々は、それぞれ、第1のコントローラ111A、112A、113Aと、第1の充電コネクタ111a、112a、113aと、第2の充電コネクタ111b、112b、113bとを含む。各充電コネクタ111a、111b、112a、112b、113a、113bには、PLCモジュールが接続されている。前述のように、充電パイル111、112、113は、コントローラエリアネットワーク(CAN)を介して、互いに接続されている。充電装置110は、電気車両充電設備(EVSE;Electric Vehicle Supply Equipment)又はEV充電器を含み得る。第1のコントローラ111Aは、EV充電設備の通信コントローラを含み得んでもよく、充電設備通信コントローラ(SECC;Supply Equipment Communication Controller)として一般に知られている。各SECC111A、112A、113Aは、それぞれのPLCモジュールを使用した電力線通信を介して、電気ボート10のEVCC10Aと通信することができる。
【0051】
各充電パイル111、112、113は、第1のコネクタ111a、112a、113a及び第2のコネクタ111b、112b、113bにそれぞれ結合された第1の充電部材及び第2の充電部材(両方とも図示せず)を更に含む。各充電部材は、電気ボート10の充電のために、電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入される。
【0052】
充電パイル111、112、113の充電部材が電気ボート10のポート11a、11b、12a、12bに挿入されると、充電パイル111、112、113は、電気ボート10との通信を確立することにより、充電部材を受け入れる電気ボート10の充電ポートにPLCモジュールが装備されているか否かを判断することができる。充電パイル111、112、113が電気ボート10との通信の確立に成功した場合、充電パイル111、112、113は、接続された充電ポート11a、11b、12a、12bが通信を可能にするために接続されたPLCモジュールを有することを知ることができる。一方、充電パイル111、112、113が電気ボート10との通信を確立できない場合、充電パイル111、112、113は、接続された充電ポート11a、11b、12a、12bにPLCモジュールは含まれていないと推定することができる。
【0053】
以下、電気ボート10のPLCモジュールを装備した充電ポート11a、11b、12a、12bに接続された充電パイル111、112、113を、マスター充電パイル又はホスト充電パイルと呼ぶ。また、PLCモジュールを装備していないポート11a、11b、12a、12bに接続された充電パイル111、112、113を、スレーブ充電パイルと呼ぶ。
【0054】
電気ボート10を充電するために、充電パイル111、112、113のうちの少なくとも1つは、電気ボート10のPLCモジュールを装備した充電ポート11a、11b、12a、12bに接続されなければならない。次に、
図3に示される一連のステップが開始されて、充電のために充電パイル111、112、113の準備ができていることをチェックする。
【0055】
第1のコントローラ111A、112A、113Aは、充電パイル111、112、113に配置されてもよいし、充電パイル111、112、113とは別に配置されてもよい。第1のコントローラ111A、112A、113Aは、
図3、4、5に示される少なくとも1つのプロセスを実行することができる。
【0056】
装置200
【0057】
装置200は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットなどを含んでもよく、モバイルアプリケーションなどのアプリケーション(アプリ)、無線ICタグ(RFID)、及び/又は、装置200を充電装置110の充電パイル111、112、113に接続するためのプラグを有するように構成され得る。ユーザは、装置200を介して、電動装置100及び/又は充電装置110の充電パイル111、112、113から情報を取得することができる。
【0058】
サーバー300
【0059】
図1に示すように、サーバー300(バックオフィスサーバー)は、充電装置110の充電パイル111、112、113から送信されたデータを保存するように構成され得る。充電パイル111、112、113とサーバー300との間の通信は、オープン充電ポイントプロトコル(OCPP;Open Charge Point Protocol)を使用することができる。OCPPは、通信のためのオープンで一般的なプロトコルであり得る。通信は、無線通信又は有線通信であり得る。
【0060】
システム1000によって実行されるステップの例示的なフローチャート
【0061】
図2は、本開示の幾つかの実施形態に関する、マスター充電パイル111及び少なくとも1つのスレーブ充電パイル112を判定するための方法を示している。
【0062】
図2に示されるように、S210において、第1のコントローラ111Aは、充電パイル111、112の充電部材が電気ボート10のソケット11a、11b、12a、12bに挿入されたかどうかを判定する。S210において適切に挿入された場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS220に進む。S210において適切に挿入されなかった場合(つまり、「No」)、S215において、第1のコントローラ111Aは、充電パイル111、112がコントローラエリアネットワーク(CAN)通信を終了するように、充電パイル111、112を制御する。ステップS215が完了すると、プロセスは、
図3に示されるステップS310に進む。
【0063】
S220において、第1のコントローラ111Aは、ハンドシェイク信号が電気ボート10から充電パイル111、112に送信されたかどうかを判定する。S220において適切に送信された場合(つまり、「Yes」)、S225において、充電パイル111、112はホスト充電パイルとして設定され、プロセスはその後、S210に進む。S220において適切に送信されなかった場合(つまり、「No」)、プロセスはS230に進む。ホスト充電パイルは、マスター充電パイルとも呼ばれ得る。
【0064】
S230において、第1のコントローラ111Aは、他のハンドシェイク信号が電気ボート10から充電パイル111、112に送信されたかどうかを判定する。他のハンドシェイク信号は、電気ボート10以外の装置100からの信号であり得る。S230において適切に送信された場合(つまり、「Yes」)、S240において、充電パイルはCAN通信を終了し、プロセスはS210に戻る。S230において適切に送信されなかった場合(つまり、「No」)、S235において、充電パイルはスレーブ充電パイルとして設定され、S236において、スレーブ充電パイル111、112の数をカウントするためのカウンタがインクリメントされ、プロセスはその後、S210に戻る。
【0065】
以降では、充電パイル111は、ホスト充電パイル111であり、充電パイル112は、スレーブ充電パイル112であると仮定する。以降では、ホスト充電パイル111を単にホスト111と呼ぶ場合があり、スレーブ充電パイル112を単にスレーブ112と呼ぶ場合がある。
【0066】
図3は、本開示の幾つかの実施形態に関する、ホスト111及びスレーブ112を使用する並列充電のためのプリチャージロジックを示している。詳細は、
図3のS310~S380を参照して説明する。
【0067】
S310において、ホストは、電気ボート10とハンドシェイクする。S320において、第1のコントローラ111Aは、ホスト111と電気ボート10の間のハンドシェイクが正常であるかどうかを判定する。S320においてホスト111と電気ボート10の間のハンドシェイクが正常である場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS330に進む。S320においてホスト111と電気ボート10の間のハンドシェイクが正常でない場合(つまり、「No」)、S325において、ホスト111は、スレーブ112にシャットダウンコマンドを送信する。
【0068】
S330において、第1のコントローラ111Aは、ホスト111がスレーブ112に絶縁検出コマンドを送信するように、ホスト111を制御する。S340において、第1のコントローラ111Aは、全てのスレーブ絶縁テストが正常であるかどうかを判定し得る。S340において全てのスレーブ絶縁テストが正常の場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS350に進み、そうでない場合、プロセスはS345に進む。S345において、絶縁検出テストに失敗したスレーブ112は、CAN通信を終了する。
【0069】
S350において、第1のコントローラ111Aは、ホスト絶縁検出が正常であるかどうかを判定する。S350においてホスト絶縁検出が正常である場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS360に移行し、それ以外の場合、システムはS355でシャットダウンされる。S360において、第1のコントローラ111Aは、
図2に示されるプロセスに基づいてスレーブ112の数を判定し、電気ボート10にグッド信号を送信する。グッド信号は、ホストが電気ボート10のバッテリーを充電する準備ができていることを示す信号であり得る。
【0070】
S370において、第1のコントローラ111Aは、充電パイルが充電する準備ができているかどうかを判定する。S370において充電パイル110が充電する準備ができている場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS380に移行し、そうでない場合、ステップS370が繰り返される。S380において、電気ボート10は、充電要件をホストに送信する。S380が完了すると、プロセスはS410又はS510に進む。
【0071】
図4は、本開示の幾つかの実施形態に関する、マスター充電パイル111及び少なくとも1つのスレーブ充電パイル112の動作ロジックを示している。
図4に示すように、システム1000は、プロセスS410~S450を実行する。S410において、第1のコントローラ111Aは、ホスト111がスレーブ112に信号を送信するように、ホスト111を制御する。
【0072】
S420で、第1のコントローラ111Aは、信号がスレーブ112によって受信されたかどうかを判定する。S420において適切に受信された場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS430に進む。S420において適切に受信されない場合(つまり、「No」)、S425において、第1のコントローラ111Aは、スレーブ112がCAN通信を終了するように、スレーブ112を制御する。
【0073】
S430において、第1のコントローラ111Aは、スレーブ112が充電する準備ができているかどうかを判定する。S430においてスレーブ112が充電する準備ができている場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS440に進む。S430においてスレーブ112が充電する準備ができていない場合(つまり、「No」)、S435において、第1のコントローラ111Aは、スレーブ112がCAN通信を終了するように、スレーブ112を制御する。
【0074】
S440において、第1のコントローラ111Aは、ホスト111が充電する準備ができているかどうかを判定する。S440においてホスト111が充電する準備ができている場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS450に進む。S440においてホスト111が充電する準備ができていない場合(つまり、「No」)、S445において、第1のコントローラ111Aは、全ての充電パイル111、112がCAN通信を終了してシャットダウンするように、ホスト111を制御する。
【0075】
S450において、スレーブ112の数が判定される。すなわち、第1のコントローラ111Aは、
図2に示すプロセスS210~S240及び
図4のプロセスS410~S440に基づいて、スレーブ112の数を判定する。S450が完了すると、プロセスはS510に進む。
【0076】
図5は、本開示の幾つかの実施形態に関する、電気ボート10を並列に充電するために充電パイル111、112間に需要を割り当てる方法又はプロセスを示している。需要の配分は、最適又は略最適であることが好ましい。このプロセスは、
図5のS510~S550を参照して説明されている。ステップS510は、
図2に示されるステップS215、
図3に示されるステップS380、又は
図4に示されるステップS450の後に実行され得る。
【0077】
S510において、ホスト111は、判定された需要Pを受信する。S520において、ホスト111は、S210~S240、S310~S380、及び/又はS410~S450で判定されたスレーブ112の数に基づいて、平均電力P1を計算する。例えば、第1のコントローラ111AがS210~S240のプロセスに従ってスレーブ112の数が3つであると判定し、かつ、S410~S450のプロセスに従って充電可能なスレーブの数が2つであると判定した場合、第1のコントローラ111Aは、需要Pを2で割ることによって、平均電力P1を決定する。
【0078】
S530において、第1のコントローラ111Aは、平均電力P1がスレーブ最大電力よりも大きいかどうかを判定する。S530において平均電力P1がスレーブ最大電力以下の場合(つまり、「No」)、プロセスはS540に進む。S530において平均電力P1がスレーブ最大電力よりも大きい場合(つまり、「Yes」)、S535において、スレーブの電力はスレーブ最大電力に制限され、プロセスはS550に進む。
【0079】
S540で、第1のコントローラ111Aは、平均電力P1がスレーブ最小電力よりも低いかどうかを判定する。S540において平均電力P1がスレーブ最小電力よりも低い場合(つまり、「Yes」)、S545において、ホスト111はスレーブ通信を終了し、プロセスはS540に戻る。S540において平均電力P1がスレーブ最小電力より低くない場合(つまり、「No」)、S550において、ホストは、概して少なくとも1つの既存のスレーブに需要を送信する。少なくとも1つの既存のスレーブ112は、電気ボート10を充電する準備ができている少なくとも1つのスレーブ112であり得る。需要P及び平均電力P1は、特定の値に限定されないことを理解されたい。
【0080】
図6は、本開示の幾つかの実施形態に関する、システム1000内の通信を示している。
図6に示すように、S610において、第1のコントローラ111Aは、任意の充電パイル111、112の充電部材が、電気ボート10のソケット11a、11b、12a、12bに挿入されたかどうかを判定する。S610において適切に挿入された場合(つまり、「Yes」)、プロセスはS620に進む。S610において適切に挿入されていない場合(つまり、「No」)、充電部材が電気ボート10のソケット11a、11b、12a、12bに挿入されたと判定されるまで、プロセスはS610をループする。
【0081】
S620において、装置200は、モバイルアプリなどのアプリを操作して、充電パイル111が電気ボート10のバッテリーを充電し始めるように、第1のコントローラ111Aを制御することができる。例えば、アプリを使用することによって、 装置200は、装置200を使用するユーザが許可された人物であるかどうかを判定するために、ユーザを認証することができる。ユーザの認証が失敗した場合、充電パイル111、112は、許可された人物が装置200にログインするまで充電を保留することを理解されたい。
【0082】
S630において、第1のコントローラ111Aは、充電パイル111、112と電動装置100との間の通信を確立する。
【0083】
S640において、第1のコントローラ111Aは、通信を介して、電動装置100から電動装置100の車両IDを取得する。車両IDは、自動車メーカー及び/又はモデル情報を含みうるが、これらに限定されない。S650において、第1の充電パイル111は、車両IDをサーバー300に送信する。S660において、サーバー300は、車両IDを含むデータを充電パイル111から受信する。サーバー300は更に、車両IDに関連する充電情報、サービス、料金、必要な注意、好み、及び/又はサービス履歴を含むがこれらに限定されないデータを取得する。従って、サーバー300は、EV製造業者及び電気ボート10のモデルを認識し、この情報をユーザのアカウントに結び付ける。
【0084】
有利な効果
【0085】
本開示によれば、電気ボート10に必要なPLCモジュールは1つだけである。従って、多くの充電ソケット11a、11b、12a、12bが存在する場合、電気ボート10での充電に関連するコストを大幅に削減することができる。また、充電パイル111(ホスト)と電気ボート10の単一のPLCモジュールとの間の通信に限定されて、充電ロジック及び充電ステーション110の故障処理を単純化することができる。また、その結果として、充電ステーション110の故障率が低下し、充電ステーション110の信頼性が向上する可能性がある。
【0086】
更に、第1のコントローラ111Aは、単一のPLCモジュールを介して第2のコントローラ10Aと通信することによって、バッテリーを充電するように構成された少なくとも1つの充電パイル112(スレーブ)の数を判定することができる。
このような通信により、第1のコントローラ111Aは、バッテリーを充電するために必要な電気ボート10からの第1の電力を含むデータを受信し、少なくとも1つの第2の充電パイル112の数に基づいて第2の電力を決定することができる。第2の電力は、電気ボート10の充電中に少なくとも1つの第2の充電パイル112の各々が供給する電力を決定するために使用される。従って、第1のコントローラ111Aは、電気ボートの充電要件をスレーブ112の間で割り当てることができる。
【0087】
本開示によれば、電気ボート10と充電パイル111との間の通信は、PLCを使用して達成される。PLCを使用すると、通信を実行するために余分なピンは必要ない。
【0088】
第2の実施形態
【0089】
説明の目的で図面に示されているように、本発明は、既存の充電システムよりも複雑でなく、かつ、より信頼性の高い電気車両を充電するために、新規のシステムで具体化することができる。
図1を参照すると、本発明を具体化する電気車両を充電するためのシステムは、一般に、複数の充電デバイスを含む。これら充電デバイスの各々は、電気車両のそれぞれの充電ポートを介して、電気車両との通信を確立し、電気車両のそれぞれの充電ポートを介して、電気車両との通信を確立し、電気車両の充電要件を受信する充電デバイスを複数の充電デバイスの中から識別し、電気車両の充電に利用可能な複数の充電デバイスの間で割り当てるように動作可能である。
次に、システム1000で使用される方法700を、
図7~10に示されるフローチャートを用いて説明する。
図7は、本開示の一実施形態に関する、充電パイル111、112がマスター充電パイル111であるかスレーブ充電パイル112であるかを判定するための、
図1の各充電パイル111、112における一連のステップを示すフローチャートである。方法700は、ステップS710で開始し、システム1000が初期化される。次に、この方法は、ステップS720をループし、各充電パイル111、112は、それがユーザから充電コマンド(CHARGE COMMAND)を受信したかどうかを判定する。充電コマンドが受信されると、方法700は次にステップS730に進み、各チャージングパイル111、112は、その充電ガン(図示せず)が電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入されたかどうかを判定する。方法700は、充電パイル111、112が、その充電ガンがまだ充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入されていないと判定した場合、ステップS730をループする。ステップS730において、充電ガンが電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入されたと判定された場合、方法700はステップS740に進み、充電パイル111、112は、電気ボート10からハンドシェイク信号を受信したかどうかを判定する。言い換えれば、充電パイル111、112は、ハンドシェイク信号を交換することによって、電気ボート10との通信の確立を試みる。ハンドシェイクは、充電パイル111、112又は電気ボート10のいずれかによって開始され得る。より具体的には、ハンドシェイクは、充電パイル111、112のSECC111A、112A又は電気ボート10のEVCC10Aのいずれかによって開始され得る。充電ガンが電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入された後、充電パイル111、112によってハンドシェイク信号が受信されたと判定された場合、方法700はステップS750に進み、充電パイル111、112はマスター充電パイル111、又は単にマスター111として識別される。ハンドシェイク信号は、それに関連する充電ポート11a、11b、12a、12bがPLCモジュールを装備している場合にのみ、充電パイル111、112によって受信することができる。例えば、
図1のシステムでは、その充電ガンの1つがPLCモジュールを装備した充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入されているため、第1の充電パイル111のみが電気ボート10からハンドシェイク信号を受信することができ、マスター111として識別される。後述するように、マスター111は、電気ボート10を充電するために、電気ボート10から充電要件を受信する。次に、方法700はステップS760に進み、マスター111は、マスター111であることをCAN上の他の充電パイル112に通知する。しかしながら、ステップS740において、充電ガンが電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入された後、充電パイル111、112によってハンドシェイク信号が受信されないと判定された場合、方法700はS770に進み、充電パイル111、112はスレーブ充電パイル112、又は単にスレーブ112として識別される。
図1のシステムでは、第2の充電パイル112の充電ガンは、PLCモジュールが装備されていない電気ボート10の充電ポート11a、11b、12a、12bに挿入される。従って、第2の充電パイル112と電気ボート10との間でハンドシェイクは不可能である。従って、第2の充電パイル112は、スレーブ112として識別される。方法700はステップS770からステップS780に進み、スレーブ112は、充電パイル識別子(ID)、例えば、シリアル番号をマスター111へ送信し、電気ボート10を充電するために利用可能であることをマスター111に示す。マスター111は、受信したスレーブシリアル番号をリスト(図示せず)などのレコードに保存する。従って、リストには、充電に利用できるスレーブ112のシリアル番号が含まれる。次に、方法700はスレーブ112のステップS790で終了し、各スレーブ112は、マスター111からコマンドの受信を待機し、処理する。
【0090】
方法700はステップS760から
図8に示されるステップs810に進み、マスター111は、電気ボート10ともう一度ハンドシェイクする。次に、方法700はステップS820に進み、マスター111は、ハンドシェイクが正常に進行したかどうかを判定する。例えば、電気ボート10が確認した場合、ハンドシェイクは正常に進行したと判定される。ステップS820において、ハンドシェイクが期待通りに進行しなかったと判定された場合、マスター111は、マスター111によって維持されるリストにIDが保存されている全てのスレーブ112にシャットダウンコマンド(SHUTDOWN COMMAND)を送信する。マスター111からシャットダウンコマンドを受信すると、各スレーブ112はCAN通信を終了し、充電操作を終了する。しかしながら、ステップS820においてマスター111が正常にハンドシェイクを進行したと判定した場合、方法700はステップS830に進み、マスター111は、リスト内の各スレーブ112に絶縁検出コマンド(INSULATION DETECTION COMMAND)を送信して、当業者に知られている絶縁検出テストを実行するようにスレーブ112に指示する。次に、方法700はステップS850に進み、マスター111は、スレーブ112が絶縁検出テストを完了するのを待つ。マスター111から絶縁検出コマンドを受信すると、各スレーブ112は絶縁検出テストを実行し、テストの合否結果をマスター111に送信する。スレーブ112から失敗の結果を受信した場合、マスター111は、スレーブのシリアル番号をリストから削除する。それに応じて、充電に利用できるスレーブ112の数が減少する。それ以外の場合、マスター111は、スレーブのシリアル番号をリストに保持する。
【0091】
全てのスレーブ112がそれらのテスト結果をマスター111に報告すると、方法700はステップS860に進み、マスター111は、自身の絶縁検出テストを実行する。マスター111が絶縁検出ステップに失敗した場合、方法700はステップS830に進み、マスター111は、まだリストにある全てのスレーブ112にシャットダウンコマンドを送信する。しかしながら、ステップS860において、マスター111が絶縁検出テストに合格したと決定された場合、方法700は、ステップS870に進み、マスター111は、電気ボート10にグッド信号(GOOD SIGNAL)を送信して、マスター111が充電の準備ができていることを電気ボート10に知らせる。次に、方法700はステップS880に進み、マスター111は、ステップS880をループして、電気ボート10がその充電要求又は全体的な充電要件を送信するのを待つ。当業者は、充電要件が電圧及び/又は電流要件を含むことを認識するであろう。マスター111は、電気ボート10から全体的な充電要件を受信すると、ステップS880を終了する。次に、この方法はステップS890に進み、マスター111は、電気ボート10から受信した全体的な充電要件をそのメモリ(図示せず)に保存する。
【0092】
次に、方法700は
図9に示すようにS910ステップに進み、マスター111は、リストに残っている各スレーブ112にスレーブレディ?信号(SLAVE READY? SIGNAL)を送信する。次に、方法700はステップS920に進み、マスター111は、スレーブレディ?信号が送信されたスレーブ112の各々から確認信号(ACKNOWLEDGEMENT SIGNAL)を受信したかどうかを判定する。ステップS925において、確認信号が受信されない各スレーブ112について、マスター111は、スレーブのシリアル番号をリストから削除する。確認信号をマスター111に送信したスレーブ112は、それらのシリアル番号がリストに保持される。次に、方法700はステップS930に進み、マスター111は、リスト上にある各スレーブ112が電気ボート10を充電する準備ができているかどうかを判定する。ステップS930においてスレーブ112が充電の準備ができていないと判定された場合、ステップS935において、マスター111は、リストからスレーブ112のシリアル番号を削除する。従って、充電に利用可能なスレーブ112の数は、それに応じて更に減少する可能性がある。ステップS930において、スレーブ112が充電の準備ができていると判定された場合、マスター111は、スレーブのシリアル番号をリストに残す。次に、方法700はステップS940に進み、マスター111は、充電の準備ができているかどうかを判定する。ステップS940においてマスター111が充電の準備ができていないと判定された場合、方法700はステップS950に進み、マスターは、リストに残っているスレーブ112の各々にシャットダウンコマンドを送信して、スレーブ112に充電操作を中止するように指示する。次に、メソッド700は
図2に示すステップS720に戻る。
【0093】
ステップS940において、マスター111が充電の準備ができていると判定された場合、方法700は
図10に示されるステップ1010に進み、マスター111は、リストに残っているスレーブ112の数を判定する。この時点で、充電を停止したスレーブがない可能性がある。言い換えれば、マスター111によってリストからシリアル番号が削除されたスレーブはない。1つ又は複数のスレーブ112が充電を停止した可能性もある。次に、方法700はステップS1020に進み、マスター111は、マスター111とスレーブ112の両方を含む利用可能な各充電パイルの平均充電要件を計算する。マスター111は、以前に電気ボート10から受信した全体的な充電要件を、マスター111自体を説明するためにスレーブ112の数に1を加えた数で割ることによって、それを行う。次に、方法700はステップS1030に進み、マスター111は、平均充電要件がスレーブの最大充電容量を超えるかどうかを判定する。ステップS1030において平均充電要件がスレーブの最大充電容量を超えると判定された場合、ステップS1035において、スレーブ112に割り当てられた充電要件は、スレーブの最大充電容量に制限される。ステップS1030において平均充電要件がスレーブの最大充電容量以下であると判定された場合、方法はステップS1040に進み、マスター111は、平均充電要件がスレーブの最小充電容量よりも低いかどうかを判定する。ステップS1040において平均充電要件がスレーブの最小充電容量よりも低いと判定された場合、方法700はステップS1045に進み、マスター111は、リストのためにスレーブ112を削除する。次に、方法700はステップS1010に戻り、マスター111は、ステップS1010~S1040を繰り返して、以前とは異なる数のスレーブ112に基づいて、新しい平均充電要件を判定する。ステップS1040において平均充電要件がスレーブの最小充電容量以上であると判定された場合、方法700はステップS1050に進み、マスター111は、各スレーブ112にそれぞれの充電要件を送信する。マスター111からそれぞれの充電要件を受信すると、各スレーブ112は、電気ボート10の充電を開始する。次に、方法はステップS1060に進み、マスター111は、割り当てられた充電要件に基づいて電気ボート10の充電を開始する。方法700は、充電が完了すると、最終的にステップS1070で終了する。
【0094】
従って、本発明の一実施形態に係る電気ボート10は、バッテリー(図示せず)と、バッテリーを充電するための複数の充電ポート11a、11b、12a、12bとを含むことができる。これらの充電ポート11a、11b、12a、12bのうちの少なくとも1つは、ハンドシェイク信号を充電パイル111、112と交換するための関連するPLCモジュールを含まない。
図1に示される電気ボート10によれば、 充電ポート11a、11b、12a、12bのうちの1つだけが、それに関連するPLCモジュールを有する。電気ボート10は、バッテリーの全体的な充電要件を、それに関連付けられたPLCモジュールを有する充電ポート11aを介して、マスター充電パイル111に送信する。バッテリーは、充電ポート11a、11b、12a、12bの各々で充電され、上記のように全体的な充電要件の一部を受信する。
【0095】
可能な変形
【0096】
本発明は、上記の実施形態で実施されるように説明されているが、そのように限定されると解釈されるべきではない。例えば、充電パイル111、112と装置200との間の通信、及び充電パイル111、112とサーバー300との間の通信は、任意の通信プロトコルを使用することができることを理解されたい。無線通信プロトコル又は規格には、IEEE 802.11 a/b/g/n/ax/ba/EHTなどの無線フィデリティ(WiFi)、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、無線ICタグ(RFID)、又はセルラー通信(たとえば、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、第5世代(5G))が含まれ得ることを理解されたい。また、有線通信は、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、高品位マルチメディアインターフェイス(HDMI)、又は推奨規格232(RS-232)を使用して実装され得る。
【0097】
第1のコントローラ111A及び第2のコントローラ10Aは、ハードウェアで実装されているが、ハードウェアと協働するソフトウェアによって実装され得ることを理解されたい。
【0098】
更に、ハードウェアに使用される機能ブロック(図示せず)は、通常、集積回路であるLSIデバイスとして実装される。機能ブロックは、個々のチップとして形成することができ、又は、機能ブロックの一部又は全てを単一のチップに統合することができる。
【0099】
別の例として、実施形態では、充電デバイスは充電パイル111、112であることが記載されているが、充電デバイスは、充電パイル111、112のコネクタ111a、111b、112a、112bである可能性がある。更なる例として、当業者は、
図7~10に記載されている全てのステップが必須であるとは限らず、幾つかのステップは任意であり得ることを理解されたい。例えば、スレーブ112が絶縁検出テストを実行すること、及び/又は各スレーブ112が充電の準備ができているかどうかを調べる必要がない場合がある。ステップは順次実行されると説明されているが、一部のステップは並行して実行される場合がある。例えば、スレーブ112が絶縁検出テストを実行するとき、マスター111も、スレーブ112からの試験の結果を待つ間に絶縁検出テストを並行して実行することができる。
【0100】
更に別の例として、電気ボート10から充電要件を受信するマスター111は、充電要件を判定し、スレーブ112に割り当てるものとして説明される。しかしながら、当業者は、充電要件の判定及び割り当てが、充電ステーション110の任意のスレーブ112、サーバー300、又は装置200によってさえも実行され得ることを容易に理解するであろう。
【0101】
更なる例として、本発明は、電動車両100を充電するという文脈で説明されているが、本発明は、バッテリーを含む任意の電気製品を充電するために使用され得る。
【0102】
更に別の例として、本発明は、単一のPLCモジュールのみを有する電気ボート10を用いて説明されているが、電気ボートは、充電ポート11a、11b、12a、12bの数より1つ少ない数のPLCモジュールを有し得る。言い換えれば、電気ボート10の少なくとも1つの充電ポート11a、11b、12a、12bは、PLCモジュールを備えていない。そのような実施形態では、電気ボート10との通信を確立するための第1の充電パイル111、112は、マスター111として指定される。
【0103】
代替品又は代用品ではない、上記の特徴の変形及び組み合わせは、本開示の意図された範囲内において、当業者が更に別の実施形態を形成するために組み合わせ得ることを理解されたい。
【0104】
当業者によって理解されるように、各実施形態は、別の実施形態又は幾つかの実施形態と組み合わせて使用することができる。
【符号の説明】
【0105】
10:電気ボート
10A:第2のコントローラ
11a、11b、12a、12b、13a:ソケット又はポート
13:電気自動車
100:電動装置
110:充電装置
111:第1の充電パイル(第1の充電デバイス)
112:第2の充電パイル(第2の充電デバイス)
113:第3の充電パイル(第3の充電デバイス)
111A:第1のコントローラ
111a、111b、112a、112b、113a:コネクタ
200:装置
300:サーバー
1000:システム
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車両を充電するシステムにおいて、
複数の充電デバイスを備え、
前記複数の充電デバイスの各々は、前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して、
ハンドシェイク信号の交換により前記電気車両との通信を確立し、前記電気車両の充電要件を受信する
第1の充電デバイスを前記複数の充電デバイスの中から識別し、前記電気車両の充電に利用可能な前記複数の充電デバイスの間で割り当てるように動作可能であり
、
前記第1の充電デバイスは、前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に成功した充電デバイスであり、
前記電気車両とハンドシェイク信号の交換に失敗した、前記複数の充電デバイスのうちの少なくとも1つの第2の充電デバイスは、前記電気車両の充電に利用可能であることを示すことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項
1に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記少なくとも1つの第2の充電デバイスは、その充電デバイス識別子(ID)を含むメッセージを前記第1の充電デバイスに送信することによって前記電気車両の充電に利用可能であることを示
すように動作可能であり、
前記第1の充電デバイスは、受信した充電デバイスIDのレコードを維持する
ように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項
1又は請求項
2に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項
3に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記第1の充電デバイスは、前記少なくとも1つの第2の充電デバイスに絶縁検出テストを実行するように指示する
ように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項
1乃至請求項
4のいずれかに記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項
1乃至請求項
5のいずれかに記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記第1の充電デバイスは更に、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定するように動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項
6に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項
7に記載の電気車両を充電するシステムにおいて、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定され、
いずれか1つの充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定することを特徴とするシステム。
【請求項9】
複数の充電デバイスを介して電気車両を充電する方法において、
前記電気車両のそれぞれの充電ポートを介して前記電気車両との通信を確立する複数の充電デバイスの各々と、
前記複数の充電デバイスが、前記複数の充電デバイスの中から、前記電気車両の充電要件を受信するために前記電気車両との通信を正常に確立する第1の充電デバイスを識別することと、
前記第1の充電デバイスを介して前記電気車両の充電要件を受信することと、
充電に利用可能な充電デバイス間で前記充電要件を割り当てることと、
割り当てられたそれぞれの前記充電要件に基づいて、充電に利用可能な前記充電デバイスを介して前記電気車両を充電することとを含
み、
前記電気車両との通信の確立に失敗した各充電デバイスは、それが前記電気車両の充電に利用可能であることを示すことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の電気車両を充電する方法において、
通信を確立することは、ハンドシェイク信号を交換することを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項
9に記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に絶縁検出テストをパスした充電デバイスを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項
9又は請求項
11に記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な充電デバイスは、更に充電の準備ができた充電デバイスを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項
9乃至請求項
12のいずれかに記載の電気車両を充電する方法において、
充電に利用可能な前記複数の充電デバイスの間で前記充電要件を割り当てることは、充電に利用可能な各充電デバイスの平均充電要件を判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項
13に記載の電気車両を充電する方法において、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最大充電容量を超える場合に、前記充電デバイスの充電要件は前記最大充電容量に設定されることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項
14に記載の電気車両を充電する方法において、
前記平均充電要件が充電デバイスに関連する最小充電容量より小さい場合に、前記充電デバイスは前記電気車両の充電に利用できなくなったと判定され、
前記方法は更に、いずれか1つの充電デバイスが充電に利用できなくなったと判定された場合に、まだ充電に利用できる充電デバイスの新しい充電要件を判定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
電気車両において、
バッテリーと、
前記バッテリーを充電するための複数の充電ポートであって、そのうちの少なくとも1つは、ハンドウェイ信号を充電デバイスと交換するための関連する通信モジュールを含まない、前記複数の充電ポートとを備えたことを特徴とする電気車両。
【請求項17】
請求項
16に記載の電気車両において、
前記複数の充電ポートのうちの1つだけが、それに関連付けられた通信モジュールを有することを特徴とする電気車両。
【請求項18】
請求項
17に記載の電気車両において、
前記電気車両は、前記バッテリーの充電要件を、それに関連付けられた通信モジュールを有する充電ポートを介して充電デバイスに送信するように構成されたことを特徴とする電気車両。
【請求項19】
請求項
18に記載の電気車両において、
前記バッテリーは、前記充電要件の一部を受信する各充電ポートで充電可能に構成されたことを特徴とする電気車両。
【請求項20】
請求項
16乃至請求項
19のいずれかに記載の電気車両において、
前記通信モジュールは、電力線通信(PLC)通信モジュールであることを特徴とする電気車両。
【国際調査報告】