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特表2022-542712地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-06
(54)【発明の名称】地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20220929BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220929BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220929BHJP
【FI】
G01C21/28
G08G1/09 D
G09B29/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506803
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2020130627
(87)【国際公開番号】W WO2021104180
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】201911207451.1
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521098397
【氏名又は名称】上海商▲湯▼▲臨▼港智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SENSETIME LINGANG INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】付 万▲増▼
(72)【発明者】
【氏名】王 哲
(72)【発明者】
【氏名】石 建萍
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC08
2C032HD16
2F129AA03
2F129BB15
2F129BB33
2F129BB49
2F129BB66
2F129EE70
2F129EE78
2F129EE94
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH24
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF07
5H181FF10
5H181FF27
5H181MC19
(57)【要約】
本発明の実施例は、地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供し、当該地図生成方法は、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得することと、少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成することと、当該道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得することと、
前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成することと、
前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することと、を含む、
地図生成方法。
【請求項2】
前記道路要素は、前記道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含み、
前記左/右境界線に対応するポイントセットは、前記左/右境界線における複数の位置ポイントで構成され、
前記走行可能な境界線に対応するポイントセットは、前記走行可能な境界線における複数の位置ポイントで構成され、
前記破線の車線境界線に対応するポイントセットは、前記破線の車線境界線における2つの端点で構成され、
前記開始線に対応するポイントセットは、前記開始線における2つの端点で構成され、
前記停止線に対応するポイントセットは、前記停止線における2つの端点で構成され、
前記横断歩道に対応するポイントセットは、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成され、
前記駐車スペースに対応するポイントセットは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成され、
前記障害物に対応するポイントセットは、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
曲線型の道路要素に対応するポイントセットにおける位置ポイントの密度は、その曲率によって決定され、
前記曲線型の道路要素は、前記左/右境界線又は前記走行可能な境界線を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記道路要素は前記左/右境界線を含み、前記方法は、さらに、
前記道路の前記左/右境界線の位置情報によって、前記道路の中心に位置する前記道路の参照線の位置情報を決定し、前記参照線の識別子を生成することと、
前記参照線から複数の位置ポイントを選択し、前記参照線に対応するポイントセットを構成することと、
前記参照線の識別子及びそれに対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記道路は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの車線を含み、前記道路要素は各車線の車線境界線を含み、前記方法は、さらに、
それぞれの車線に対して、
当該車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心に位置する当該車線の中心線の位置情報を決定し、
当該車線の中心線から複数の位置ポイントを選択し、当該車線の中心線に対応するポイントセットを構成することと、
前記道路における各車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、さらに、
各車線に対応する速度制限値を取得することと、
各車線に対応する速度制限値を各車線の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記地図は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの交差点をさらに含み、前記方法は、さらに、
それぞれの交差点に対して、
当該交差点に関連する複数の道路の情報を取得し、
前記複数の道路の情報によって前記複数の道路における接続関係がある2つずつの道路を決定し、前記接続関係は当該接続関係の開始道路と目標道路を含むことと、
前記接続関係を前記交差点の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、さらに、
前記接続関係と前記交差点の交通信号機の情報とをマッチングすることと、
前記交通信号機をそれにマッチングした接続関係に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されていることと、
前記車両により収集された画像を取得することと、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することと、を含む、
測位方法。
【請求項10】
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することは、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得し、前記第1道路要素は前記第1所定範囲内にあり、かつ投影後に前記画像に位置する道路要素であることと、
前記画像に対して画像検出を行い、前記画像における少なくとも1つの第2道路要素の第2位置を得ることと、
前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって、前記車両の位置を決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標はグローバル座標系での座標であり、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの第1道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得することは、
前記グローバル座標系と前記画像の画素座標系との間の変換行列である第1座標系変換行列に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を前記グローバル座標系から前記画像の画素座標系に変換し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を得ることを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの道路要素は複数のタイプを含み、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって、前記車両の位置を決定することは、
タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとして、前記少なくとも1つの第1道路要素と前記少なくとも1つの第2道路要素から少なくとも1つのマッチングペアを決定することと、
それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける前記第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と当該マッチングペアにおける前記第2道路要素の前記画像における第2位置との間の距離を当該マッチングペアの距離として算出することと、
各マッチングペアの距離を投影誤差として、最小化の投影誤差条件での車両の位置を前記車両の位置として算出することと、を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することは、
測位精度が所定閾値よりも低い第1測位方式によって測位し、前記車両の元の位置を得ることと、
前記元の位置に基づいて、前記地図から前記車両周囲の前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索することと、を含む、
ことを特徴とする請求項9~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの道路要素は道路線を含み、前記方法は、さらに、
前記車両が走行する際、前記車両の次の走行ポイントの座標を取得し、前記次の走行ポイントは、前記車両の走行経路における現在位置の次の位置ポイントであることと、
前記次の走行ポイントの座標に基づいて、前記地図から前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントを頂点とし、前記次の走行ポイントに対応する多角形領域を決定することと、
前記多角形領域が走行可能な領域である場合は、前記車両を前記次の走行ポイントへ走行するように制御することと、
前記多角形領域が走行不可な領域である場合は、前記車両の次の走行ポイントが前記多角形領域の外に位置するように、前記車両の次の走行ポイントを再計画することと、を含む、
ことを特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記地図には、少なくとも1つの走行経路に対応する位置ポイントの座標がさらに記憶されており、それぞれの走行経路は1つのポイントセットに対応し、それぞれの走行経路に対応するポイントセットは、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成される、
ことを特徴とする請求項9~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、さらに、
前記地図から第1走行経路に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記第1走行経路に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記車両を前記第1走行経路に沿って走行するように制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの道路要素は少なくとも1つの交通信号機を含み、前記地図には、前記交通信号機に対応する道路通行方向情報がさらに記憶されている、
ことを特徴とする請求項9~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記交通信号機は少なくとも1つの信号機を含み、前記地図においてそれぞれの交通信号機は、当該交通信号機の属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセット、及び1組の道路通行方向情報に対応し、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報は、当該交通信号機におけるそれぞれの信号機の形状、色、位置及び指示された道路通行方向情報のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、さらに、
前記画像に第1交通信号機が含まれることを検出した場合、画像認識によって前記第1交通信号機の現在信号と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とを得ることと、
前記地図から前記車両周囲の第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することと、
前記地図から前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報を取得することと、
前記第1交通信号機の現在信号と前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報とに基づいて、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を決定することと、
前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて、前記車両を制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することは、
第2座標系変換行列と前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置を得ることと、
前記第1交通信号機の前記画像における第3位置及び前記少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置に基づいて、前記画像に投影された第4位置と前記第1交通信号機との位置が最も近い第2交通信号機を、前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機として決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの道路要素は、前記道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項9~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記左/右境界線、前記走行可能な境界線は、いずれも複数の位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、
前記破線の車線境界線、前記開始線、及び前記停止線は、いずれも2つの位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、
前記横断歩道は、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、
前記駐車スペースは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、
前記障害物は、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応する、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記車両の位置を決定した後、前記方法は、さらに、
前記車両の位置を表示することを含む、
ことを特徴とする請求項9~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得するための取得モジュールと、
前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成するための生成モジュールと、
前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成するための記憶モジュールと、を含む、
地図生成装置。
【請求項25】
前記道路要素は、前記道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含み、
前記左/右境界線に対応するポイントセットは、前記左/右境界線における複数の位置ポイントで構成され、
前記走行可能な境界線に対応するポイントセットは、前記走行可能な境界線における複数の位置ポイントで構成され、
前記破線の車線境界線に対応するポイントセットは、前記破線の車線境界線における2つの端点で構成され、
前記開始線に対応するポイントセットは、前記開始線における2つの端点で構成され、
前記停止線に対応するポイントセットは、前記停止線における2つの端点で構成され、
前記横断歩道に対応するポイントセットは、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成され、
前記駐車スペースに対応するポイントセットは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成され、
前記障害物に対応するポイントセットは、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される、
ことを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
曲線型の道路要素に対応するポイントセットにおける位置ポイントの密度は、その曲率によって決定され、前記曲線型の道路要素は、前記左/右境界線又は前記走行可能な境界線を含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記道路要素は前記左/右境界線を含み、前記記憶モジュールは、さらに、
前記道路の前記左/右境界線の位置情報によって、前記道路の中心に位置する前記道路の参照線の位置情報を決定し、前記参照線の識別子を生成することと、
前記参照線から複数の位置ポイントを選択し、前記参照線に対応するポイントセットを構成することと、
前記参照線の識別子及びそれに対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項24~26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記道路は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの車線を含み、前記道路要素は各車線の車線境界線を含み、前記記憶モジュールは、さらに、
それぞれの車線に対して、
当該車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心に位置する当該車線の中心線の位置情報を決定し、
当該車線の中心線から複数の位置ポイントを選択し、当該車線の中心線に対応するポイントセットを構成することと、
前記道路における各車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項24~27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記記憶モジュールは、さらに、
各車線に対応する速度制限値を取得することと、
各車線に対応する速度制限値を各車線の識別子に関連して前記地図に記憶することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記地図は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの交差点をさらに含み、前記記憶モジュールは、さらに、
それぞれの交差点に対して、
当該交差点に関連する複数の道路の情報を取得し、
前記複数の道路の情報によって前記複数の道路における接続関係がある2つずつの道路を決定し、前記接続関係は当該接続関係の開始道路と目標道路を含むことと、
前記接続関係及び前記交差点の識別子を関連づけて前記地図に記憶することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項24~29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記記憶モジュールは、さらに、
前記接続関係と前記交差点の交通信号機の情報とをマッチングすることと、
前記交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して前記地図に記憶することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することに用いられ、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている取得モジュールであって、
さらに、前記車両により収集された画像を取得するための取得モジュールと、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定するための測位モジュールと、を含む、
測位装置。
【請求項33】
前記測位モジュールは、具体的に、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得し、前記第1道路要素は前記第1所定範囲内にあり、かつ投影後に前記画像に位置する道路要素であることと、
前記画像に対して画像検出を行い、前記画像における少なくとも1つの第2道路要素の第2位置を得ることと、
前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって、前記車両の位置を決定することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標は、グローバル座標系での座標であり、前記測位モジュールは、具体的に、
前記グローバル座標系と前記画像の画素座標系との間の変換行列である第1座標系変換行列に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を前記グローバル座標系から前記画像の画素座標系に変換し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を得ることに用いられる、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記少なくとも1つの道路要素は複数のタイプを含み、前記測位モジュールは、具体的に、
タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとして、前記少なくとも1つの第1道路要素と前記少なくとも1つの第2道路要素から少なくとも1つのマッチングペアを決定することと、
それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける前記第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と当該マッチングペアにおける前記第2道路要素の前記画像における第2位置との間の距離を当該マッチングペアの距離として算出することと、
各マッチングペアの距離を投影誤差として、最小化の投影誤差条件での車両の位置を前記車両の位置として算出することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記取得モジュールは、具体的に、
測位精度が所定閾値よりも低い第1測位方式によって測位し、前記車両の元の位置を得ることと、
前記元の位置に基づいて、前記地図から前記車両周囲の前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項32~35のいずれか1項に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つの道路要素は道路線を含み、前記装置はナビゲーションモジュールをさらに含み、前記ナビゲーションモジュールは、
前記車両が走行する際、前記車両の次の走行ポイントの座標を取得し、前記次の走行ポイントは、前記車両の走行経路における現在位置の次の位置ポイントであることと、
前記次の走行ポイントの座標に基づいて、前記地図から前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントを頂点とし、前記次の走行ポイントに対応する多角形領域を決定することと、
前記多角形領域が走行可能な領域である場合は、前記車両を前記次の走行ポイントへ走行するように制御することと、
前記多角形領域が走行不可な領域である場合は、前記車両の次の走行ポイントが前記多角形領域の外に位置するように、前記車両の次の走行ポイントを再計画することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項32~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記地図には、少なくとも1つの走行経路に対応する位置ポイントの座標がさらに記憶されており、それぞれの走行経路は1つのポイントセットに対応し、それぞれの走行経路に対応するポイントセットは、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成される、
ことを特徴とする請求項32~37のいずれか1項に記載の装置。
【請求項39】
前記ナビゲーションモジュールは、さらに、
前記地図から第1走行経路に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記第1走行経路に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記車両を前記第1走行経路に沿って走行するように制御することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記少なくとも1つの道路要素は少なくとも1つの交通信号機を含み、前記地図には、前記交通信号機に対応する道路通行方向情報がさらに記憶されている、
ことを特徴とする請求項32~39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記交通信号機は少なくとも1つの信号機を含み、前記地図においてそれぞれの交通信号機は、当該交通信号機の属する矩形領域の4つの頂点で構成されるポイントセット、及び1組の道路通行方向情報に対応し、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報は、当該交通信号機におけるそれぞれの信号機の形状、色、位置及び指示された道路通行方向情報のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記装置は認識モジュールをさらに含み、前記認識モジュールは、
前記画像に第1交通信号機が含まれることを検出した場合、画像認識によって前記第1交通信号機の現在信号と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とを得ることと、
前記地図から前記車両周囲の第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することと、
前記地図から前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報を取得することと、
前記第1交通信号機の現在信号と前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報に基づいて、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を決定することと、
前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて、前記車両を制御することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記認識モジュールは、具体的に、
第2座標系変換行列と前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置を得ることと、
前記第1交通信号機の前記画像における第3位置及び前記少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置に基づいて、前記画像に投影された第4位置と前記第1交通信号機との位置が最も近い第2交通信号機を、前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機として決定することと、に用いられる、
ことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記少なくとも1つの道路要素は、前記道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項32~43のいずれか1項に記載の装置。
【請求項45】
前記左/右境界線、前記走行可能な境界線は、いずれも複数の位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、
前記破線の車線境界線、前記開始線、及び前記停止線は、いずれも2つの位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、
前記横断歩道は、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、
前記駐車スペースは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、
前記障害物は、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応する、
ことを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記装置は表示モジュールをさらに含み、前記表示モジュールは、
前記車両の位置を決定した後、前記車両の位置を表示することに用いられる、
ことを特徴とする請求項32~45のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含み、
前記メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項1~8のいずれか1項に記載の地図生成方法が実施されるように、前記メモリに記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行する、
地図生成機器。
【請求項48】
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含み、
前記メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項9~23のいずれか1項に記載の測位方法が実施されるように、前記メモリに記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行する、
測位機器。
【請求項49】
コンピュータ実行可能な命令を記憶しており、前記コンピュータ実行可能な命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~8のいずれか1項に記載の地図生成方法が実施され、又は、請求項9~23のいずれか1項に記載の測位方法が実施されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項50】
コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが機器で実行されると、前記機器におけるプロセッサは、請求項1~8のいずれか1項に記載の地図生成方法を実行させ、又は、請求項9~23のいずれか1項に記載の測位方法を実行させるようになるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【0002】
<関連出願の相互引用>
本願は、2019年11月29日に提出された、出願番号が201911207451.1である中国特許の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
地図、特に高精度地図(High Definition Map、HD Map)は、自動運転システムのコア技術である。ユーザに向けた静的電子地図に比べて、高精度地図はより高い位置精度を有するだけでなく、より豊富な道路と交通要素が含まれ、ひいてはリアルタイムの動的な交通と道路状況情報などが含まれる。例えば、高精度地図は自動運転車両の自動測位と走行が可能な前提条件の一つである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【0005】
第1態様において、本発明の実施例は、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得することと、前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成することと、前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することと、を含む地図生成方法を提供する。
【0006】
第2態様において、本発明の実施例は、地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、その中で、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されていることと、前記車両により収集された画像を取得することと、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することとを含む測位方法を提供する。
【0007】
第3態様において、本発明の実施例は、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得するための取得モジュールと、前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成するための生成モジュールと、前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成するための記憶モジュールと、を含む地図生成装置を提供する。
【0008】
第4態様において、本発明の実施例は、地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することに用いられ、その中で、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている取得モジュールであって、さらに、前記車両により収集された画像を取得するための取得モジュールと、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定するための測位モジュールとを含む測位装置を提供する。
【0009】
第5態様において、本発明の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含み、前記メモリは、コンピュータ実行命令を記憶するものであり、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサにより上記のような第1態様及び第1態様の様々な可能な実施形態に記載の地図生成方法が実行されるように、前記メモリに記憶されたコンピュータ実行命令を実行する測位機器を提供する。
【0010】
第6態様において、本発明の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含み、前記メモリは、コンピュータ実行命令を記憶するものであり、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサにより上記のような第2態様及び第2態様の様々な可能な実施形態に記載の測位方法が実行されるように、前記メモリに記憶されたコンピュータ実行命令を実行する測位機器を提供する。
【0011】
第7態様において、本発明の実施例は、コンピュータ実行命令を記憶しており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されると、上記第1態様及び第1態様の様々な可能な実施形態に記載の地図生成方法が実現され、又は、上記第2態様及び第2態様の様々な可能な実施形態に記載の測位方法が実現されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0012】
第8態様において、本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なコードを含み、前記コンピュータ読み取り可能なコードが機器で実行されると、前記機器におけるプロセッサは、上記のような第1態様及び第1態様の様々な可能な実施形態に記載の地図生成方法を実行し、又は、上記第2態様及び第2態様の様々な可能な実施形態に記載の測位方法を実行するようになるコンピュータプログラムを提供する。
【0013】
本実施例により提供される地図生成方法、測位方法、装置、機器、記憶媒体及びコンピュータプログラムは、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得し、少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成し、道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することにより、各道路要素に対応するポイントセットに基づいて、ポイントセットで道路要素を記憶して地図を生成し、地図において複雑な曲線方程式で道路要素を記憶することを回避することができるため、地図分析のデータ量が削減され、分析速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介するが、無論、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとっては、創造的労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面をさらに得ることができる。
図1】本発明の一実施例により提供される地図生成方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例により提供される地図における道路の参照線の模式図である。
図3】本発明の実施例により提供される地図における交差点の模式図である。
図4】本発明の実施例により提供される道路の接続関係の模式図である。
図5】本発明の一実施例により提供される測位方法のフローチャートである。
図6】本発明の別の実施例により提供される測位方法のフローチャートである。
図7】本発明の更なる実施例により提供される測位方法における車両ナビゲーションのフローチャートである。
図8】本発明のまた更なる実施例により提供される測位方法における交通信号機認識のフローチャートである。
図9】本発明の実施例により提供される交通信号機の模式図である。
図10】本発明の一実施例により提供される地図生成装置の構造模式図である。
図11】本発明の一実施例により提供される測位装置の構造模式図である。
図12】本発明の別の実施例により提供される測位装置の構造模式図である。
図13】本発明の一実施例により提供される地図生成機器のハードウェアの構造模式図である。
図14】本発明の一実施例により提供される測位機器のハードウェアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面と合わせて、本発明の実施例における技術的解決手段を明らかで完全に説明するが、無論、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに得た他の実施例の全ては、本発明の保護範囲に属する。
【0016】
高精度地図は通常、道路網を記述するオープンソースの形式仕様の一つであるOpenDrive形式が使用されている。OpenDrive形式の高精度地図にはベクトル地図が多く、その中に車線境界線などの道路要素が曲線方程式によって適合されて記憶される。自動運転車両は、測位時に高精度地図から曲線方程式を抽出して分析し、分析した道路データ及び収集された周囲環境の情報から自分の位置を特定する。
【0017】
ベクトル地図は、複雑な曲線方程式により車線境界線などの道路要素を格納するが、複雑な曲線方程式を分析するデータ計算量が大きくて、分析には時間が長くかかるため、自動運転車両の測位速度が遅く、即ち、測位が遅れることがあるので、自動運転車両のリアルタイム測位の需要に応えることが難しい。
【0018】
本発明の実施例において、各道路要素に対応するポイントセットに基づいて、ポイントセットで道路要素が記憶されて地図が生成され、地図において複雑な曲線方程式で道路要素を記憶することが回避されるので、地図分析のデータ量が削減され、分析速度が向上する。さらに、自動運転車両は測位又はナビゲーションする時、地図から道路要素のポイントセットを直接抽出し、画像に合わせて測位することで、道路要素の曲線方程式への分析プロセスを効果的に減少又は回避することができるので、必要な計算のデータ量が削減され、測位速度が向上する。
【0019】
図1は本発明の一実施例により提供される地図生成方法のフローチャートである。図1に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0020】
S101、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得する。
【0021】
本実施例において、センサは画像センサ、レーザセンサなどであってもよいが、ここでは限定しない。道路要素は、道路の左/右境界線(left/right boundary line)、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線(start line)、停止線(stop line)、横断歩道(crosswalk)、駐車スペース(park)、障害物(obstacle)、交差点の境界、交通信号機(traffic light)、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含む。道路要素の位置情報は、道路要素に対応するポイントクラウドデータの位置座標であってもよい。
【0022】
例えば、画像センサ及びレーザセンサが取り付けられたデータ収集車両が指定された道路上を走行することによってもよい。画像センサによって道路上の道路要素を含む画像を収集し、レーザレーダなどのレーザセンサによって道路上の道路要素の3次元ポイントクラウドデータを走査する。さらに、地図生成機器は、データ収集車両により収集されたデータを取得するが、画像の目標認識によって道路上の道路要素を認識し、それぞれの道路要素に対して対応する識別子を生成することができる。そして、地図生成機器は、データ収集車両の走行中の測位情報、及び、画像センサやレーザセンサのデータ収集車両における取り付けパラメータなどと合わせて座標系変換を行い、道路上の道路要素の位置情報を決定する。
【0023】
S102、各道路要素の位置情報に基づいて、各道路要素に対応するポイントセット(PointSet)を生成し、その中で、1つの道路要素に対応するポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含む。
【0024】
本実施例において、地図生成機器は、それぞれの道路要素の位置情報に基づいて、その対応するポイントセットを生成することができる。道路要素とポイントセットとは一対一対応している。例えば、ある道路要素の位置情報は、当該道路要素に対応する3次元ポイントクラウドデータを含み、地図生成機器は、当該道路要素の3次元ポイントクラウドデータから当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを選択又は計算し、さらに当該道路要素に対応するポイントセットを生成することができる。
【0025】
本実施例において、1つの道路要素の存在する位置を特徴付ける位置ポイントは、当該道路要素の辺縁輪郭の位置ポイントであってもよく、当該道路要素の最小の外接多角形又は多面体におけるポイントであってもよいが、ここでは限定しない。
【0026】
例えば、前記左/右境界線に対応するポイントセットは、前記左/右境界線における複数の位置ポイントで構成される。
【0027】
例えば、前記走行可能な境界線に対応するポイントセットは、前記走行可能な境界線における複数の位置ポイントで構成される。
【0028】
例えば、前記破線の車線境界線に対応するポイントセットは、前記破線の車線境界線における2つの端点で構成される。
【0029】
例えば、前記開始線に対応するポイントセットは、前記開始線における2つの端点で構成される。
【0030】
例えば、前記停止線に対応するポイントセットは、前記停止線における2つの端点で構成される。
【0031】
例えば、前記横断歩道に対応するポイントセットは、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される。
【0032】
例えば、前記駐車スペースに対応するポイントセットは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される。
【0033】
例えば、前記障害物に対応するポイントセットは、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される。
【0034】
本実施例において、線形の道路要素は、道路要素における2つ以上のポイントを選択してポイントセットを構成することができるが、平面又は立体空間の道路要素は、道路要素の存在する平面領域又は空間領域のポイントを選択してポイントセットを構成することができ、上述したポイントセットの生成方式を除き、他のポイントセットの生成方式があってもよく、ここでは限定しない。
【0035】
本実施例において、破線の車線境界線、開始線及び停止線などの直線型の道路要素は、2つの端点を直接選択してポイントセットに追加することができる。
【0036】
本実施例において、左/右境界線、走行可能な境界線などの曲線型の道路要素は、その対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの密度がその曲率によって決定される。例えば、前記左/右境界線に対応するポイントセットにおいて、位置ポイントの密度は、前記左/右境界線の曲率によって決定される。その中で、ポイントセットにおいて位置ポイントの密度と曲率は、正の相関関係になっている。左/右境界線を例として、小さい曲率の左/右境界線は、大きい密度で当該境界線上の位置ポイントを選択してポイントセットに追加するが、大きい曲率の左/右境界線は、小さい密度で当該境界線上の位置ポイントを選択してポイントセットに追加する。このように、曲線型の道路要素の曲率によってそのポイントセットにおける位置ポイントの選択密度と数を決定することで、できる限り少ない位置ポイントを用いて様々な曲率の道路要素を正確に特徴付けることが可能になり、位置ポイントが少なすぎるため、道路要素の存在する位置を正確に特徴付けることができない問題が回避される。
【0037】
S103、道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成する。
【0038】
例えば、道路の識別子がAであり、当該道路には、識別子がそれぞれA1、A2、A3である3つの道路要素が含まれる場合、地図生成機器は、地図の生成中に、AをA1、A2、A3にそれぞれ関連して記憶し、そしてA1、A2、A3をそれぞれ対応するポイントセットに関連して記憶し、これにより、自動運転車両は地図によって測位される時に、道路要素の識別子に基づいて、地図から対応するポイントセットを速く検索することができる。
【0039】
本発明の実施例は、各道路要素に対応するポイントセットに基づいて、ポイントセットで道路要素を記憶して地図を生成し、地図において複雑な曲線方程式で道路要素を記憶することを回避することができるので、地図分析のデータ量が削減され、分析速度が向上する。
【0040】
選択的に、本実施例で生成された地図は、XML(eXtensible Markup Language;拡張可能マークアップ言語)形式で作成される。地図は、主にポイントセットを用いて様々な情報を記述するが、ポイントセットの表し方は隣接するポイントの間の連結線であってもよく、このように、大量のベクトル計算が回避される。
【0041】
選択的に、本実施例で生成される地図の構成部分は、ヘッダ部分Header、道路部分Road(s)、交差点部分Junction(s)を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0042】
その中で、Headerは、地図情報を記述することに用いられる。選択的に、Headerは、バージョン情報、地図の名称、地図のバージョン番号、生成日、座標系値の範囲、地図のメーカー情報及び座標系変換ツールのうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。また、Headerには、地図におけるデータに対して座標系変換を行うために、1つの原点座標(例えば、地図の中心)が記憶されてもよい。
【0043】
Road(s)は、道路情報を記述することに用いられる。その中で、主に様々な車線(lane)及び走行可能な軌跡の記述が含まれる。例えば、走行可能な軌跡の記述により、実用的な意味での交差点を簡単化し、複数の道路の集合を形成する。Road(s)は、さらに、停止線、横断歩道、交通信号機など、道路情報に依存する道路要素を記述することに用いられる。
【0044】
選択的に、地図におけるそれぞれの道路部分Roadは、1つの属性情報があり、属性情報は、名称(name_)、長さ(len_)、識別子(id_)、どの交差点に属するか(junction_)という情報のうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。その中で、id_は道路の唯一の識別子であり、name_とlen_は選択的である。選択的に、それぞれの道路部分Roadの属性情報は、当該道路が一方通行であるか双方向道路であるかを示す情報を含んでもよい。
【0045】
選択的に、地図におけるそれぞれの道路部分Roadは1つのリンク情報に対応し、1つの道路部分Roadのリンク情報は、当該道路が到達できる他の道路、及び当該道路に入ることができる他の道路を記録している。
【0046】
Junction(s)は、複数の道路が如何に接続されているかを記述し、車両の軌跡を案内するとともに、交差点全体の境界状況を記述することに用いられる。
【0047】
選択的に、1つの道路は、複数の道路区間(section)に分割することができる。1つの道路は変わらないものではなく、車線数の増減、車線境界線の属性の変化は、いずれも車線の複雑さを示している。従って、本実施例の地図においては、複雑な道路情報の記述が可能になるように、道路を区分する。また、区分により、走行可能な領域と道路の境界とも区別されるようになり、これにより、例えば車両走行領域と道路境界との間に特別な領域や通路などがあるような、いくつかの特別な状況をより良く記述することができる。選択的に、道路区間の分割根拠は、車線数の変化、車線の属性の変化、停止線、横断歩道及び交通信号機のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0048】
一つの可能な実施形態において、前記道路要素は、左/右境界線を含み、上記方法は、さらに、前記道路の当該左/右境界線の位置情報によって、前記道路の中心に位置する前記道路の参照線(reference line)の位置情報を決定し、前記参照線の識別子を生成することと、前記参照線から複数の位置ポイントを選択し、前記参照線に対応するポイントセットを構成することと、前記参照線の識別子及びその対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することとを含んでもよい。
【0049】
本実施例において、自動運転車両が地図から道路における自分の位置を正確に特定するために、地図を生成する時に、道路に対して1つの仮想の参照線が追加設定される。当該参照線は実際の道路シーンに存在しておらず、地図生成時に地図生成機器によって作成されるものであり、それぞれの道路は道路の中心に位置する1つの参照線に対応し、それぞれの参照線は1つのポイントセットに対応する。
【0050】
地図生成機器は、道路の左/右境界線の位置情報によって、道路の中心位置を参照線の位置情報として決定し、参照線の識別子を生成し、そして、参照線から複数の位置ポイントを選択して参照線に対応するポイントセットを構成し、参照線の識別子及びその対応するポイントセットを道路の識別子に関連して地図に記憶することができる。
【0051】
図2は、本発明の実施例により提供される参照線の模式図である。図2を参照すると、図中の一点鎖線は当該道路の参照線であり、参照線の前進方向を指定することができ、例えば図中のS方向のように、S方向に沿って当該参照線の左側の車線は順に1、2、3と番号を付けることができ、当該参照線の右側の車線は順に-1、-2、-3と番号を付けることができ、車線の番号は地図に記憶される。
【0052】
一つの可能な実施形態において、前記道路は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの車線を含み、前記道路要素は各車線の車線境界線を含み、上記方法は、それぞれの車線に対して、当該車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心に位置する当該車線の中心線(center line)の位置情報を決定することと、それぞれの車線に対して、当該車線の中心線から複数の位置ポイントを選択して、当該車線の中心線に対応するポイントセットを構成することと、道路における各車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、をさらに含んでもよい。
【0053】
本実施例において、道路は、1つ又は複数の車線を含んでもよい。車線は2つの車線境界線を含む。2つの車線境界線は、当該車線の境界とされ、2つの車線境界線の真ん中の領域は、当該車線における車両の走行領域である。本実施例において、自動運転車両が車線の中央を走行できるように、地図生成時に、それぞれの車線に対して1つの仮想の中心線が設定される。当該中心線は、実際の車線に存在しておらず、地図生成時に地図生成機器によって作成されるものであり、それぞれの車線は車線の中心に位置する1つの中心線に対応し、それぞれの中心線は1つのポイントセットに対応する。
【0054】
地図生成機器は、ある車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心位置を当該車線の中心線の位置情報として決定し、そして、中心線から複数の位置ポイントを選択してその対応するポイントセットを構成し、車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを道路の識別子に関連して地図に記憶することができる。これにより、自動運転車両は走行中に、地図から現在位置している車線の中心線に対応するポイントセットを取得してから、当該中心線に沿って車線内を走行することができ、車両は車線の中心を走行するままにして、事故の発生を避けることができる。
【0055】
選択的に、地図には、それぞれの車線に対して方向転換情報(turn type)が記憶されてもよく、方向転換情報は、現在の車線が左折、右折、Uターンできるかどうかなどの情報を示すことに用いることができる。
【0056】
一つの可能な実施形態において、前記方法は、さらに、各車線に対応する速度制限値を取得することと、各車線に対応する速度制限値を各車線の識別子に関連して前記地図に記憶することとを含む。
【0057】
本実施例において、一般的に、交通ルールはいくつかの車線の速度制限値を規定しているが、地図生成時に、それぞれの車線の速度制限値を当該車線の識別子に関連して地図に記憶することができる。車線に対応する速度制限値を地図に記憶することにより、自動運転車両は走行中に、地図から現在走行している車線の速度制限値又は指定された車線の速度制限値を取得し、さらに速度制限値に基づいて車速を調整することができる。
【0058】
一つの可能な実施形態において、前記地図は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの交差点をさらに含み、上記方法は、それぞれの交差点に対して、当該交差点に関連する複数の道路の情報を取得し、複数の道路の情報に基づいて、前記複数の道路における接続関係がある2つずつの道路を決定し、その中で、前記接続関係は当該接続関係の開始道路と目標道路を含むことと、前記接続関係を前記交差点の識別子に関連して前記地図に記憶することと、をさらに含んでもよい。
【0059】
本実施例において、ある交差点に関連する複数の道路は、いずれも当該交差点を介して他の道路に接続される。道路の情報は、道路の識別子、位置などであってもよい。地図生成機器は地図生成時に、複数の道路の情報に基づいて、接続関係がある2つずつの道路を決定することができる。その中で、2つの道路に接続関係があるというのは、車両が当該交差点においてこの2つの道路の一方から他方へ走行することができることである。地図生成機器は、当該交差点に対応する接続関係と交差点の識別子を関連づけて前記地図に記憶することができる。
【0060】
交差点Sを例として、交差点SはそれぞれA、B、C、Dの4つの道路に接続されている。その中で、車両は道路Aに沿って交差点Sに走行した時、右折すると道路Bへ進み、直行すると道路Cへ進み、左折すると道路Dへ進む。この場合、交差点Sの接続関係は、A->B、A->C、A->Dを含んでもよいが、これらに限定されず、具体的なデータ記憶形式はここで限定しない。
【0061】
交差点Sの接続関係を交差点Sに関連して地図に記憶してもよい。接続関係を交差点の識別子に関連して地図に記憶することにより、自動運転車両は走行中に、地図から交差点に対応する接続関係を取得し、そして走行経路及び対応する接続関係に基づいて車両の走行を制御することができる。
【0062】
選択的に、地図における交差点部分Junctionは、名称(name_)、識別子(id_)情報のうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。その中で、id_はJunctionの唯一の識別子であり、name_は選択的である。Junctionは、1つの道路が複数の道路に接続可能な時に使用されるが、典型的な使用シーンは、交差点での各道路間の接続情報(Connection)及び交差点の形状(Boundary、Hole)を記述することである。図3は、本発明の実施例により提供される地図における交差点の模式図である。その中で、Junction Boundaryは当該交差点の境界を示し、Junction Holeは当該交差点での花壇などの障害物を示す。選択的に、各道路間の接続関係はConnectionで示される。図4は、本発明の実施例により提供される道路の接続関係の模式図である。図3図4は、一部の道路要素の可視化効果を示しており、例えば、道路要素のポイントと隣接するポイントを接続して連続的な道路線を形成するように、可視化処理した後に示す。選択的に、地図における交差点の両端の道路は実際に存在する1つの道路区間により接続される場合(図4中のB->A、A->B、A->C)、Connectionは、当該接続関係の開始道路incomingRoadと、接続される道路connectingRoad、及びincomingRoadからconnectingRoadまでの道路レベルの接続を記憶する。さらに、Connectionは、目標道路outgoingRoadを記憶してもよく、ここで、outgoingRoadは明示的に記憶されてもよいが、connectingRoadの道路属性によって決定されてもよい。地図における2つの道路間に実際の道路接続が存在しない場合(図4のB-C、C->A、C->B)、Connectionは、incomingRoadとoutgoingRoad、及びincomingRoadとoutgoingRoadの間の道路レベルの接続を記憶するとともに、Connectionをvirtualとマークする。
【0063】
一つの可能な実施形態において、上記方法は、さらに、前記接続関係と前記交差点の交通信号機の情報とをマッチングすることと、前記交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して前記地図に記憶することとを含んでもよい。
【0064】
本実施例において、交通信号機が設置された交差点に対しては、地図生成時に、交差点の交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して地図に記憶してもよい。その中で、1つの交差点は、1つ又は複数の交通信号機を含んでもよく、それぞれの交通信号機は1つ又は複数の接続関係に対応してもよく、1つの接続関係は1つ又は複数の交通信号機に対応してもよいが、ここでは限定しない。地図生成機器は、交通ルール又は交通信号機の指示ルールに基づいて、接続関係と交差点の交通信号機情報をマッチングし、そして交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して地図に記憶することができる。
【0065】
交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して地図に記憶することにより、自動運転車両は、交差点に走行した時に、画像認識によって交差点の現在の交通信号機状態を決定し、そして対応する走行制御を行うことができる。
【0066】
選択的に、交通信号機は少なくとも1つの信号機を含む。地図において、信号機には、1つの信号機インデックスが対応して記憶されている。本実施例において、それぞれのConnectionは、道路から道路への一方向接続関係を記述するためのものであり、この接続関係では車両の走行を制御する信号機がある場合、Connectionには、当該道路通行方向をインデックス制御するための1つの信号機インデックスが拡張記憶される。選択的に、信号機インデックスはindex属性を含み、その内容は上記の記憶された唯一の交通信号機を指定する。
【0067】
選択的に、信号機インデックスはstraightLightForWaitingZone属性を含み、当該属性は左折待ち領域という特別なシーンに対応する。信号機の存在するConnectionが1つの左折待ち領域をインデックスしており、かつ交通ルールに従って、左折車両は直行信号灯と左折信号灯に同時に注意を払う必要がある場合、当該Connectionは、straightLightForWaitingZoneの値がfalseであるような、このConnectionの左折を制御する信号機インデックスを記憶する必要があるとともに、straightLightForWaitingZoneの値がtrueであるような、直行を制御する信号機インデックスを記憶する必要がある。
【0068】
図5は、本発明の一実施例により提供される測位方法のフローチャートである。当該測位方法は、図1の地図生成方法により生成された地図に基づいて測位する。図5に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0069】
S501、地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、その中で、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。
【0070】
本実施例において、車両は自動運転車両であってもよく、ユーザによって運転される車両であってもよいが、ここでは限定しない。地図は、自動運転車両又は他の車両の測位とナビゲーションのための高精度地図である。本発明の実施例により提供される地図においては、ポイントセットで道路要素が記憶され、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、地図には、道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。その中で、それぞれの位置ポイントの座標は、グローバル座標での当該位置ポイントの3次元座標である。
【0071】
選択的に、少なくとも1つの道路要素は、道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0072】
その中で、1つの道路要素に対して、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントは、当該道路要素自体の位置ポイントであってもよく、当該道路要素の存在する領域内の位置ポイントであってもよいが、ここでは限定しない。
【0073】
例えば、前記左/右境界線、前記走行可能な境界線は、いずれも複数の位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応する。
【0074】
例えば、前記破線の車線境界線、前記開始線、前記停止線は、いずれも2つの位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応する。
【0075】
例えば、前記横断歩道は、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応する。
【0076】
例えば、前記駐車スペースは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセットに対応する。
【0077】
例えば、前記障害物は、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応する。
【0078】
本実施例において、破線の車線境界線、開始線、停止線などの線分で構成される道路要素の場合は、線分の2つの端点を2つの位置ポイントとして、ポイントセットを構成することができる。横断歩道の場合は、横断歩道の存在する外接多角形領域の各頂点を各位置ポイントとして、ポイントセットを構成することができる。外接多角形は、横断歩道をその範囲内に含み、例えば、多角形は矩形、六角形などであってもよいが、ここでは限定しない。花壇、電柱、ガードレールなどの障害物の場合は、障害物の存在する外接多面体の各頂点を各位置ポイントとして、ポイントセットを構成することができる。外接多面体は、障害物をその範囲内に含む。例えば、障害物の存在する立体空間における最小外接長方体、八面体などであってもよく、ここでは限定しない。容易に想到できるように、1つの道路要素は、当該道路要素の位置、サイズ、形状などを特徴付けることができる位置ポイントを選択してポイントセットを構成してもよいが、ここでは限定しない。
【0079】
第1所定範囲は実際の必要に応じて設定することができ、ここでは限定しない。例えば、車両周囲の半径が20メートルの円形領域を第1所定範囲として選択してもよい。地図に記憶されているデータから車両周囲の第1所定範囲内の全て又は一部の道路要素に対応するポイントセットを取得することができ、即ち、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素は、第1所定範囲内の全て又は一部の道路要素を指す。
【0080】
選択的に、S501は、測位精度が所定閾値よりも低い第1測位方式によって測位し、前記車両の元の位置を得ることと、前記元の位置に基づいて、前記地図から前記車両周囲の前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索することとを含んでもよい。
【0081】
本実施例において、まず、低精度の測位方式によって車両の存在するおおよその範囲を特定し、そして本実施例により提供される測位方法によりさらに車両の正確な位置を特定することができる。その中で、第1測位方式は低精度の測位方式であり、例えば、第1測位方式は全地球測位システム(Global Positioning System;GPS)、通信基地局などに基づく測位方式であってもよく、ここでは限定しない。所定閾値は、実際の必要に応じて設定することができ、第1測位方式の測位精度が本実施例における地図と画像による測位の測位精度よりも低いことを特徴付けることに用いられる。第1測位方式によって車両の元の位置を特定し、そして元の位置に基づいて地図から車両の元の位置周囲の第1所定範囲内の全て又は一部の道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索する。
【0082】
S502、前記車両により収集された画像を取得する。
【0083】
本実施例において、画像センサにより車両周囲の画像を取得することができる。具体的には、車両の静止又は走行中に、車両に取り付けられた画像センサにより車両周囲の画像を収集することができる。
【0084】
S503、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定する。
【0085】
本実施例において、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標及び座標系変換行列に基づいて、上記道路要素を画像へそれぞれ投影し、画像に含まれる第2道路要素を検出し、画像に投影された第1道路要素と検出された画像における第2道路要素とをマッチングし、マッチング結果によって画像収集時の車両の位置を車両の位置として決定することができる。
【0086】
本発明の実施例において、地図を用いてポイントセットでそれぞれの道路要素を記憶することができ、そのなかで、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、車両により収集された画像を取得し、そして第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素と画像をマッチングし、マッチング結果によって車両の位置を決定することにより、地図から少なくとも1つの道路要素のポイントセットを直接抽出して画像に合わせて測位し、道路要素の曲線方程式への分析プロセスを回避することができるので、必要な計算のデータ量が削減され、測位速度が向上する。
【0087】
選択的に、S503の後、上記方法は、前記車両の位置を表示することをさらに含んでもよい。
【0088】
本実施例において、車両の位置が決定された後、ユーザが確認できるように、車両の車載端末に車両の位置を表示し、又は、ユーザによりユーザ端末で車両の位置が確認されるように、ユーザの携帯電話などのユーザ端末へ車両の位置を送信することができる。また、測位された車両位置を用いて車両のナビゲーションと経路計画を行い、車両を所定の走行軌跡に沿って走行するように制御することもできるが、ここでは限定しない。
【0089】
図6は、本発明の別の実施例により提供される測位方法のフローチャートである。本実施例は、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素と画像をマッチングする具体的な実現プロセスを詳しく説明する。図6に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0090】
S601、地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、その中で、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。
【0091】
本実施例において、S601は、図5の実施例のS501と同様であり、ここでは繰り返して説明しない。
【0092】
S602、前記車両により収集された画像を取得する。
【0093】
本実施例において、S602は、図5の実施例のS502と同様であり、ここでは繰り返して説明しない。
【0094】
S603、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得し、その中で、前記第1道路要素は前記第1所定範囲内にあり、かつ投影後に前記画像に位置する道路要素である。
【0095】
本実施例において、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素を画像へ投影する場合、一部の道路要素は投影後に画像に位置し、その他の道路要素は投影後に画像の外に位置する可能性があり、ここでは、第1所定範囲内にあり、かつ投影後に画像に位置する道路要素を第1道路要素と称する。第1道路要素は、1つ又は複数であってもよく、ここでは限定しない。その後、第1道路要素と画像をさらにマッチングする。
【0096】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標は、グローバル座標系での座標である。S603は、前記グローバル座標系と前記画像の画素座標系との間の変換行列である第1座標系変換行列に基づいて、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を前記グローバル座標系から前記画像の画素座標系へ変換し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を得ることを含んでもよい。
【0097】
本実施例において、地図に記憶されている各道路要素に対応する位置ポイントの座標は、グローバル座標系での座標であり、画像における画素の座標は、画像座標系での座標である。第1座標系変換行列によって第1所定範囲内のそれぞれの道路要素に対応する位置ポイントの座標をグローバル座標系から画像の画素座標系へ変換し、当該道路要素の画像における位置を得ることができ、ここでは第1位置と称する。
【0098】
例えば、車両におけるカメラの内部パラメータと外部パラメータを予め設定し、第1座標系変換行列を得ることができる。第1座標系変換行列によれば、地図のグローバル座標系での位置ポイントの座標を車両測位慣性航法座標系、カメラ座標系、画像座標系へ順に変換し、最終的にそれぞれの道路要素をカメラにより収集された画像に投影することができる。
【0099】
S604、前記画像に対して画像検出を行い、前記画像における少なくとも1つの第2道路要素の第2位置を得る。
【0100】
本実施例において、画像検出モデル又は従来の画像処理方法によって画像を検出し、画像に含まれる各道路要素の位置を検出することができる。ここで、画像に含まれる各道路要素を第2道路要素と称し、第2道路要素の画像における位置を第2位置と称する。例えば、画像には2つの車線境界線と1つの交通信号機という合計3つの道路要素が検出されると、この3つの道路要素はいずれも第2道路要素であり、それぞれの第2道路要素は画像における1つの位置、即ち、第2位置に対応する。
【0101】
選択的に、画像を深層学習に基づく検出・セグメンテーションモデルに入力することができ、モデルによって画像における第2道路要素を検出し、第2道路要素の画像における位置を特定することができる。
【0102】
S605、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定する。
【0103】
本実施例において、少なくとも1つの第1道路要素の画像に投影した第1位置、及び検出された少なくとも1つの第2道路要素の画像における第2位置に基づいて、タイプが同じで位置が最も近い第1道路要素と第2道路要素をマッチングし、マッチング結果に基づいて車両の位置に対して最適計算を行い、最終的に車両の位置を決定することができる。
【0104】
選択的に、少なくとも1つの道路要素は、複数のタイプを含む。S605は、タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとして、1つ又は複数のマッチングペアを形成し得ることと、それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と第2道路要素の前記画像における第2位置との間の距離を当該マッチングペアの距離として算出することと、各マッチングペアの距離を投影誤差として、最小化の投影誤差条件での車両の位置を前記車両の位置として算出することとを含んでもよい。
【0105】
本実施例において、タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとすることができ、1つ又は複数のマッチングペアを形成することが可能である。それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と第2道路要素の前記画像における第2位置との間のユークリッド距離をそれぞれ算出し、当該距離を当該マッチングペアの距離とする。マッチングペアの距離を投影誤差とし、最小化の投影誤差を最適目標として、最小化の投影誤差時の車両の位置を測位された車両位置として算出する。これにより算出された車両位置は、地図における第1道路要素の情報及び画像における第2道路要素の情報を組み合わせたもので、測位精度が高い。
【0106】
本実施例は、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素を画像へ投影し、投影して得られた第1位置と検出された第2道路要素の画像における第2位置をマッチングすることにより、車両の位置を急速かつ正確に決定し、車両測位の速度と精度を向上させることができる。
【0107】
図7は、本発明の更なる実施例により提供される測位方法における車両ナビゲーションのフローチャートである。本実施例において、少なくとも1つの道路要素は道路線を含む。道路線に対応するポイントセットに基づいて、車両の次の走行ポイントを予測することができる。図7に示すように、当該方法はさらに以下のステップを含んでもよい。
【0108】
S701、前記車両が走行する際、前記車両の次の走行ポイントの座標を取得し、その中で、前記次の走行ポイントは、前記車両の走行経路における現在位置の次の位置ポイントである。
【0109】
本実施例において、自動運転車両は走行中に、事前に指定された又は自動的に計画された走行経路に沿って走行する。車両がある位置に走行した時、車両の次の走行ポイントの座標を取得する。次の走行ポイントと車両の現在位置との距離は、実際の必要に応じて設定することができるが、ここでは限定しない。例えば、走行経路における現在位置から5メートル離れた次の位置ポイントを次の走行ポイントとしてもよい。
【0110】
S702、前記次の走行ポイントの座標に基づいて、前記地図から前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得する。
【0111】
S703、前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントを頂点として、前記次の走行ポイントに対応する多角形領域を決定する。
【0112】
本実施例において、次の走行ポイントの存在する領域には道路線があり、地図から次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することができる。その中で、道路線は1つ又は複数であってもよい。これらの道路線に対応する位置ポイントを頂点として、多角形領域を形成してもよく、次の走行ポイントは当該多角形領域内にある。
【0113】
S704、前記多角形領域が走行可能な領域である場合は、前記車両を前記次の走行ポイントへ走行するように制御する。
【0114】
S705、前記多角形領域が走行不可な領域である場合は、前記車両の次の走行ポイントが前記多角形領域の外に位置するように、前記車両の次の走行ポイントを再計画する。
【0115】
本実施例において、走行可能な領域は車両が通行できる領域であり、走行不可な領域は車両が通行できない領域であり、車両は当該領域を走行すると、危険が発生したり、交通ルールに違反したりする可能性がある。地図に記憶されている各領域の情報又は道路線の関連情報に基づいて、多角形領域が走行可能な領域であるか、それとも走行不可な領域であるかを決定することができる。当該多角形領域が走行可能な領域である場合は、車両を次の走行ポイントへ走行するように制御する。当該多角形領域が走行不可な領域である場合は、車両の次の走行ポイントが多角形領域の外に位置するように、車両の次の走行ポイントを再計画する。
【0116】
本実施例は、地図から次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することで、これらの位置ポイントにより多角形領域が形成され、多角形領域が走行不可な領域である場合に、車両に対して次の走行ポイントを適時に再計画する。位置ポイントで構成される多角形領域により、次の走行ポイントが走行不可な領域に位置するか否かを急速に決定し、次の走行ポイントを再計画するために十分な時間を確保することができるので、車両が走行不可な領域に入ることを防止し、車両の安全性を向上させることができる。
【0117】
選択的に、前記地図には、少なくとも1つの走行経路に対応する位置ポイントの座標がさらに記憶されており、その中で、それぞれの走行経路は1つのポイントセットに対応し、それぞれの走行経路に対応するポイントセットは、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成される。
【0118】
本実施例において、走行経路は、当該車両又は他の車両の過去の走行データに基づいて得られた経験的経路であってもよく、現在の交通状態に従って計画された経路であってもよいが、ここでは限定しない。地図には、1つ又は複数の走行経路を記憶することができる。それぞれの走行経路は、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成されるポイントセットに対応することができる。例えば、走行経路で5メートル、10メートルなど毎に1つのポイントを位置ポイントとして取り、ポイントセットを構成してもよい。
【0119】
選択的に、上記方法は、前記地図から第1走行経路に対応する位置ポイントの座標を取得することと、前記第1走行経路に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記車両を前記第1走行経路に沿って走行するように制御することとをさらに含んでもよい。
【0120】
本実施例において、第1走行経路は、地図に記憶されている走行経路における車両の現在走行すべき経路である。地図から当該第1走行経路に対応する各位置ポイントの座標を取得し、そして車両を、当該第1走行経路に対応する各位置ポイントに基づいて走行するように制御することができる。
【0121】
地図においてポイントセットで走行経路を記憶することにより、車両ナビゲーションは記憶されたポイントセットを直接取得し、直接記憶されたポイントセットに基づいて車両を制御することができ、車両のナビゲーションを急速に実現することができる。
【0122】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素は、少なくとも1つの交通信号機を含み、前記地図には、前記交通信号機に対応する道路通行方向情報がさらに記憶されている。
【0123】
本実施例において、交通信号機は、交差点での車両の通行方向を指示することに用いられる。地図には、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報が記憶されている。
【0124】
その中で、前記交通信号機は少なくとも1つの信号機を含み、前記地図においてそれぞれの交通信号機は、当該交通信号機の属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセット、及び1組の道路通行方向情報に対応し、その中で、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報は、当該交通信号機におけるそれぞれの信号機の形状、色、位置及び指示された道路通行方向情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0125】
例えば、1つの交通信号機は、それぞれ赤信号、黄信号及び緑信号である3つの信号灯を含んでもよい。道路通行方向情報は、直行、左折、停止などの情報を含んでもよく、ここでは限定しない。
【0126】
図8は、本発明のまた更なる実施例により提供される測位方法における交通信号機認識のフローチャートである。本実施例において、地図に記憶されている交通信号機のポイントセット及び道路通行方向情報を用いて車両を制御することができる。図8に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0127】
S801、前記画像に第1交通信号機が含まれることを検出した場合、画像認識によって第1交通信号機の現在信号と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置を得る。
【0128】
本実施例において、説明の便宜上、検出された画像に含まれる交通信号機を第1交通信号機と称し、それの画像における位置を第3位置と称する。それぞれの第1交通信号機は複数の信号に対応し、複数の異なる道路通行方向をそれぞれ指示する。
【0129】
S802、前記地図から前記車両周囲の第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標を取得する。
【0130】
S803、少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と第1交通信号機の画像における第3位置に基づいて、少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定する。
【0131】
本実施例において、第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標に基づいて、少なくとも1つの第2交通信号機を画像へ投影し、そして投影結果と検出された画像における第1交通信号機の第3位置をマッチングし、画像における第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を得ることができる。
【0132】
選択的に、S803は、第2座標系変換行列及び少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標に基づいて、少なくとも1つの第2交通信号機を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置を得ることと、第1交通信号機の画像における第3位置及び少なくとも1つの第2交通信号機の画像に投影した第4位置に基づいて、画像に投影した第4位置と当該第1交通信号機の位置に最も近い第2交通信号機を、第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機として決定することとを含んでもよい。
【0133】
本実施例において、地図に記憶されている少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標はグローバル座標系での座標であり、画像における画素の座標は画像座標系での座標である。第2座標系変換行列によって第2所定範囲内の第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標をグローバル座標系から画像の画素座標系に変換することにより、第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機の画像への投影を実現することができる。
【0134】
第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機を画像へ投影する場合、一部の第2交通信号機は投影後に画像に位置し、その他の第2交通信号機は投影後に画像の外に位置する可能性があるが、ここで、第2所定範囲内にあり、かつ投影後に画像に位置する第2交通信号機に対しては、その画像に投影された位置を第4位置と称する。
【0135】
検出された第1交通信号機の画像における第3位置と第2交通信号機の画像に投影した第4位置との間の距離を算出することにより、画像に投影された第4位置と第1交通信号機の第3位置に最も近い第2交通信号機を、第1交通信号機とマッチングする第2交通信号機として決定し、即ち、目標第2交通信号機を決定する。
【0136】
S804、前記地図から前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報を取得する。
【0137】
S805、前記第1交通信号機の現在信号と前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報に基づいて、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を決定する。
【0138】
本実施例において、目標第2交通信号機と第1交通信号機がマッチングしているため、地図における目標第2交通信号機の道路通行方向情報を第1交通信号機の道路通行方向情報とし、第1交通信号機の現在信号に合わせれば、第1交通信号機により現在指示されている道路通行方向を決定することができる。
【0139】
図9に示すように、本発明の実施例により提供される第1交通信号機の模式図であり、図中、上から下へ順に赤信号、緑信号及び左折指示灯である。当該第1交通信号機に対応する道路通行方向情報は、赤信号が点灯する時に、車両が停止することを指示し、緑信号が点灯する時に、車両が直行することを指示し、左折指示灯が点灯する時に、車両が左折することを指示することである。第1交通信号機の現在信号は緑信号が点灯する場合、第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を直行すると決定する。
【0140】
S806、前記車両が前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて走行するように、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて、前記車両を制御する。
【0141】
本発明の実施例は、地図に交通信号機のポイントセット及び道路通行方向情報が記憶され、画像と合わせて交通信号機の現在信号を検出することにより、交通信号機により指示された道路通行方向を正確に認識し、さらに車両を対応する道路通行方向に沿って走行させるように正確に制御することができる。
【0142】
一般的に、高精度地図はOpenDrive形式を使用するが、OpenDrive形式の地図は複雑すぎるとともに、非現実的なドライビングシミュレーションシステムに専念しており、複雑で変化しやすい実際の道路シーンを柔軟かつ自由に記述することができない。OpenDrive形式の地図は、複雑な曲線方程式により車線境界線などの道路要素を適合するベクトル地図であり、地図における道路要素は曲線方程式で記憶され、記憶構造が複雑で、分析し難く、使用コストが高い。また、OpenDrive形式の地図は交通信号機の位置情報のみを記憶し、交通信号機のルールと高精度地図を関連づけることはなく、自動運転中の交通信号機に関する意思決定と計画の問題を解決することができない。
【0143】
本発明の実施例は、自動運転システム向けの軽量級の高精度地図形式を提供し、また、当該高精度地図形式に基づく測位方法を提供し、自動運転の測位、意思決定と計画の制御、交通信号機に対する理解及び静的シーンの復元をサポートすることができる。当該高精度地図形式は、各道路要素に対応するポイントセットに基づいて、ポイントセットで道路の道路要素を記憶して地図を生成することで、地図において複雑な曲線方程式で道路要素を記憶することが回避されるので、地図分析のデータ量が削減され、分析速度が向上する。当該高精度地図形式は、一般的なベクトル地図の複雑な設計を改善し、曲率に自己適応するポイントセットの記憶方式を使用することで、地図が使用されやすくなるとともに、地図の記憶、伝送及び分析の時間が低減される。また、当該高精度地図形式は、交通信号機の記憶方法を拡張し、交通信号機に対応するポイントセット及び道路通行方向情報を記憶しており、交通信号機のクエリと測位をサポートし、自動運転システムの交通信号機関連の交通ルールに対する理解を補助する。
【0144】
図10は、本発明の一実施例により提供される地図生成装置の構造模式図である。図10に示すように、当該地図生成装置100は、取得モジュール1001、生成モジュール1002及び記憶モジュール1003を含む。
【0145】
取得モジュール1001は、センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得することに用いられる。
【0146】
生成モジュール1002は、前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成することに用いられる。
【0147】
記憶モジュール1003は、当該道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することに用いられる。
【0148】
選択的に、前記道路要素は、道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含む。
【0149】
その中で、前記左/右境界線に対応するポイントセットは前記左/右境界線における複数の位置ポイントで構成される。
【0150】
その中で、前記走行可能な境界線に対応するポイントセットは、前記走行可能な境界線における複数の位置ポイントで構成される。
【0151】
その中で、前記破線の車線境界線に対応するポイントセットは、前記破線の車線境界線における2つの端点で構成される。
【0152】
その中で、前記開始線に対応するポイントセットは、前記開始線における2つの端点で構成される。
【0153】
その中で、前記停止線に対応するポイントセットは、前記停止線における2つの端点で構成される。
【0154】
その中で、前記横断歩道に対応するポイントセットは、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される。
【0155】
その中で、前記駐車スペースに対応するポイントセットは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される。
【0156】
その中で、前記障害物に対応するポイントセットは、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される。
【0157】
選択的に、曲線型の道路要素に対応するポイントセットにおける位置ポイントの密度は、その曲率によって決定される。曲線型の道路要素は、前記左/右境界線又は前記走行可能な境界線を含んでもよい。例えば、前記道路の左/右境界線に対応するポイントセットにおける位置ポイントの密度は、前記道路の左/右境界線の曲率によって決定される。
【0158】
選択的に、前記道路要素は、左/右境界線を含み、前記記憶モジュール1003は、前記道路の当該左/右境界線の位置情報によって、前記道路の中心に位置する前記道路の参照線の位置情報を決定し、前記参照線の識別子を生成することと、前記参照線から複数の位置ポイントを選択し、前記参照線に対応するポイントセットを構成することと、前記参照線の識別子及びその対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することとにさらに用いられる。
【0159】
選択的に、前記道路は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの車線を含み、前記道路要素は各車線の車線境界線を含み、前記記憶モジュール1003は、それぞれの車線に対して、当該車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心に位置する当該車線の中心線の位置情報を決定することと、それぞれの車線に対して、当該車線の中心線から複数の位置ポイントを選択し、当該車線の中心線に対応するポイントセットを構成することと、当該道路における各車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、にさらに用いられる。
【0160】
選択的に、前記記憶モジュール1003は、各車線に対応する速度制限値を取得することと、各車線に対応する速度制限値を各車線の識別子に関連して前記地図に記憶することとにさらに用いられる。
【0161】
選択的に、前記地図は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの交差点をさらに含み、前記記憶モジュール1003は、それぞれの交差点に対して、当該交差点に関連する複数の道路の情報を取得し、複数の道路の情報に基づいて、前記複数の道路における接続関係がある2つずつの道路を決定し、その中で、前記接続関係は当該接続関係の開始道路と目標道路を含むことと、前記接続関係と前記交差点の識別子を関連づけて前記地図に記憶することとにさらに用いられる。
【0162】
選択的に、前記記憶モジュール1003は、前記接続関係と前記交差点の交通信号機の情報とをマッチングすることと、前記交通信号機をそのマッチングした接続関係に関連して前記地図に記憶することとにさらに用いられる。
【0163】
本発明の実施例により提供される地図生成装置は、上記方法実施例を実行することに用いることができ、その実現原理と技術的効果は同様であり、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0164】
図11は、本発明の一実施例により提供される測位装置の構造模式図である。図11に示すように、当該測位装置110は、取得モジュール1101と測位モジュール1102を含む。
【0165】
取得モジュール1101は、地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することに用いられ、その中で、各道路要素は、1つのポイントセットに対応し、当該ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。
【0166】
前記取得モジュール1101は、さらに、前記車両により収集された画像を取得することに用いられる。
【0167】
測位モジュール1102は、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することに用いられる。
【0168】
本発明の実施例において、地図は、ポイントセットで各道路要素を記憶する。それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている。取得モジュールは地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、車両により収集された画像を取得し、そして測位モジュールは、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素と画像をマッチングし、マッチング結果によって車両の位置を決定することにより、地図から少なくとも1つの道路要素のポイントセットを直接抽出して画像に合わせて測位し、道路要素の曲線方程式への分析プロセスを回避することができるので、必要な計算のデータ量が削減され、測位速度が向上する。
【0169】
図12は、本発明の別の実施例により提供される測位装置の構造模式図である。図12に示すように、本実施例により提供される測位装置120は、図11に示す実施例により提供される測位装置110に加えて、さらに、ナビゲーションモジュール1203、認識モジュール1204及び表示モジュール1205を含んでもよい。
【0170】
選択的に、前記測位モジュール1202は、具体的に、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得し、その中で、前記第1道路要素は前記第1所定範囲内にあり、かつ投影後に前記画像に位置する道路要素であることと、前記画像に対して画像検出を行い、前記画像における少なくとも1つの第2道路要素の第2位置を得ることと、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することとに用いられる。
【0171】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標は、グローバル座標系での座標であり、前記測位モジュール1202は、具体的に、前記グローバル座標系と前記画像の画素座標系との間の変換行列である第1座標系変換行列に基づいて、前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を前記グローバル座標系から前記画像の画素座標系に変換し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を得ることに用いられる。
【0172】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素は複数のタイプを含み、前記測位モジュール1202は、具体的に、タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとして、前記少なくとも1つの第1道路要素と前記少なくとも1つの第2道路要素から少なくとも1つのマッチングペアを決定することと、それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける第1道路要素の画像に投影した第1位置と当該マッチングペアのうちの第2道路要素の前記画像における第2位置との間の距離を当該マッチングペアの距離として算出することと、各マッチングペアの距離を投影誤差とし、最小化の投影誤差条件での車両の位置を前記車両の位置として算出することに用いられる。
【0173】
選択的に、前記取得モジュール1201は、具体的に、測位精度が所定閾値よりも低い第1測位方式によって測位し、前記車両の元の位置を得ることと、前記元の位置に基づいて、前記地図から前記車両周囲の前記第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索することとに用いられる。
【0174】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素は道路線を含み、前記ナビゲーションモジュール1203は、前記車両が走行する際、前記車両の次の走行ポイントの座標を取得し、その中で、前記次の走行ポイントは前記車両の走行経路における現在位置の次の位置ポイントであることと、前記次の走行ポイントの座標に基づいて、前記地図から前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することと、前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントを頂点として、前記次の走行ポイントに対応する多角形領域を決定することと、前記多角形領域が走行可能な領域である場合は、前記車両を前記次の走行ポイントへ走行するように制御することと、前記多角形領域が走行不可な領域である場合は、前記車両の次の走行ポイントが前記多角形領域の外に位置するように、前記車両の次の走行ポイントを再計画することとに用いられる。
【0175】
選択的に、前記地図には、少なくとも1つの走行経路に対応する位置ポイントの座標がさらに記憶されており、その中で、それぞれの走行経路は1つのポイントセットに対応し、それぞれの走行経路に対応するポイントセットは、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成される。
【0176】
選択的に、前記ナビゲーションモジュール1203は、前記地図から第1走行経路に対応する位置ポイントの座標を取得することと、前記第1走行経路に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記車両を前記第1走行経路に沿って走行するように制御することとにさらに用いられる。
【0177】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素は、少なくとも1つの交通信号機を含み、前記地図には、前記交通信号機に対応する道路通行方向情報がさらに記憶されている。
【0178】
選択的に、前記交通信号機は少なくとも1つの信号機を含む。前記地図において、それぞれの交通信号機は、当該交通信号機の属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセット、及び1組の道路通行方向情報に対応する。その中で、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報は、当該交通信号機におけるそれぞれの信号機の形状、色、位置及び指示された道路通行方向情報のうちの少なくとも1つを含む。
【0179】
選択的に、前記認識モジュール1204は、前記画像に第1交通信号機が含まれることを検出した場合、画像認識によって第1交通信号機の現在信号と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置を得ることと、前記地図から前記車両周囲の第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標を取得することと、前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置に基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することと、前記地図から前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報を取得することと、前記第1交通信号機の現在信号と前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報に基づいて、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を決定することと、前記車両が前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて走行するように、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて、前記車両を制御することと、に用いられる。
【0180】
選択的に、前記認識モジュール1204は、具体的に、第2座標系変換行列と前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置を得ることと、前記第1交通信号機の前記画像における第3位置及び前記少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置に基づいて、前記画像に投影された第4位置と前記第1交通信号機の位置に最も近い第2交通信号機を、前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機として決定することとに用いられる。
【0181】
選択的に、前記少なくとも1つの道路要素は、道路の左/右境界線、走行可能な境界線、破線の車線境界線、開始線、停止線、横断歩道、駐車スペース、障害物、交差点の境界、交通信号機、街灯及び交通標識のうちの少なくとも1つを含む。
【0182】
その中で、前記左/右境界線、前記走行可能な境界線は、いずれも複数の位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、前記破線の車線境界線、前記開始線、前記停止線は、いずれも2つの位置ポイントで構成される1つのポイントセットに対応し、前記横断歩道は、前記横断歩道の属する多角形領域の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、前記駐車スペースは、前記駐車スペースの属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセットに対応し、前記障害物は、前記障害物の属する多面体の複数の頂点で構成される1つのポイントセットに対応する。
【0183】
選択的に、前記表示モジュール1205は、前記車両の位置を決定した後、前記車両の位置を表示することに用いられる。
【0184】
本発明の実施例により提供される測位装置は、上記方法実施例を実行することに用いることができ、その実現原理と技術的効果は同様であり、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0185】
図13は、本発明の一実施例により提供される地図生成機器のハードウェアの構造模式図である。図13に示すように、本実施例により提供される地図生成機器130は、少なくとも1つのプロセッサ1301とメモリ1302を含む。当該地図生成機器130は、通信部材1303をさらに含む。その中で、プロセッサ1301、メモリ1302及び通信部材1303は、バス1304を介して接続されている。
【0186】
具体的な実現プロセスにおいて、少なくとも1つのプロセッサ1301は、少なくとも1つのプロセッサ1301により上記のような地図生成方法が実行されるように、前記メモリ1302に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行する。
【0187】
プロセッサ1301の具体的な実現プロセスは、上記方法実施例を参照することができ、その実現原理と技術的効果は同様であり、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0188】
上記の図13に示す実施例において、プロセッサは中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor;DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)などであってもよいと理解すべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の従来のプロセッサなどであってもよい。発明により開示された方法と合わせるステップは、直接的に、ハードウェアプロセッサにより実行されて完成され、又はプロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されて完成されるように具現化することができる。
【0189】
メモリは高速RAMメモリを含んでもよく、不揮発性メモリNVM、例えば少なくとも1つのディスクメモリをさらに含んでもよい。
【0190】
バスは、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture;ISA)バス、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect;PCI)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture;EISA)バスなどであってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分けることができる。表示の便宜上、本願の図面におけるバスは、1つのバス又は1種類のバスのみに限定されない。
【0191】
図14は、本発明の一実施例により提供される測位機器のハードウェアの構造模式図である。図14に示すように、本実施例により提供される測位機器140は、少なくとも1つのプロセッサ1401とメモリ1402を含む。当該測位機器140は、通信部材1403をさらに含む。その中で、プロセッサ1401、メモリ1402及び通信部材1403は、バス1404を介して接続されている。
【0192】
具体的な実現プロセスにおいて、少なくとも1つのプロセッサ1401は、少なくとも1つのプロセッサ1401により上記のような測位方法が実行されるように、前記メモリ1402に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行する。
【0193】
プロセッサ1401の具体的な実現プロセスは、上記方法実施例を参照することができ、その実現原理と技術的効果は同様であり、本実施例はここで繰り返して説明しない。
【0194】
上記の図14に示す実施例において、プロセッサは、中央処理装置(英語:Central Processing Unit;CPUと略称する)であってもよく、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(英語:Digital Signal Processor;DSPと略称する)、特定用途向け集積回路(英語:Application Specific Integrated Circuit;ASICと略称する)などであってもよいと理解すべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の従来のプロセッサなどであってもよい。発明により開示された方法と合わせるステップは、直接的に、ハードウェアプロセッサにより実行されて完成され、又はプロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されて完成されるように具現化することができる。
【0195】
メモリは高速RAMメモリを含んでもよく、不揮発性メモリNVM、例えば少なくとも1つのディスクメモリをさらに含んでもよい。
【0196】
バスは、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture;ISA)バス、周辺構成要素相互接続(Peripheral Component Interconnect;PCI)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture;EISA)バスなどであってもよい。バスは、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分けることができる。表示の便宜上、本願の図面におけるバスは、1つのバス又は1種類のバスのみに限定されない。
【0197】
本願は、コンピュータ実行可能な命令を記憶しており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサにより実行されると、上記のような地図生成方法又は測位方法が実現されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0198】
上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどの任意のタイプの揮発性若しくは非揮発性記憶装置又はそれらの組み合わせによって実現することができる。読み取り可能な記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによりアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0199】
例示的な読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサに結合されることにより、プロセッサは当該読み取り可能な記憶媒体から情報を読み取ることができるとともに、当該読み取り可能な記憶媒体へ情報を書き込むことができる。当然ながら、読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサの構成部分であってもよい。プロセッサと読み取り可能な記憶媒体は、ASIC内に配置されてもいい。当然ながら、プロセッサと読み取り可能な記憶媒体は、ディスクリート部品として機器に存在してもよい。
【0200】
最後に説明すべきであるが、上記各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するものに過ぎず、それらを限定するものではなく、上述した各実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば、依然として上述した各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部若しくは全ての技術的特徴に対して等価置換を行うことができると理解すべきであり、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の主旨を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得することと、
前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成することと、
前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成することと、を含む、
地図生成方法。
【請求項2】
前記道路要素は前記左/右境界線を含み、前記方法は、さらに、
前記道路の前記左/右境界線の位置情報によって、前記道路の中心に位置する前記道路の参照線の位置情報を決定し、前記参照線の識別子を生成することと、
前記参照線から複数の位置ポイントを選択し、前記参照線に対応するポイントセットを構成することと、
前記参照線の識別子及びそれに対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記道路は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの車線を含み、前記道路要素は各車線の車線境界線を含み、前記方法は、さらに、
それぞれの車線に対して、
当該車線の車線境界線の位置情報によって、当該車線の中心に位置する当該車線の中心線の位置情報を決定し、
当該車線の中心線から複数の位置ポイントを選択し、当該車線の中心線に対応するポイントセットを構成することと、
前記道路における各車線の識別子及びその中心線に対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含み、
又は、
各車線に対応する速度制限値を取得し
各車線に対応する速度制限値を各車線の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記地図は、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの交差点をさらに含み、前記方法は、さらに、
それぞれの交差点に対して、
当該交差点に関連する複数の道路の情報を取得し、
前記複数の道路の情報によって前記複数の道路における接続関係がある2つずつの道路を決定し、前記接続関係は当該接続関係の開始道路と目標道路を含むことと、
前記接続関係を前記交差点の識別子に関連して前記地図に記憶することと、を含み、
又は
前記接続関係と前記交差点の交通信号機の情報とをマッチングすることと、
前記交通信号機をそれにマッチングした接続関係に関連して前記地図に記憶することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得し、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されていることと、
前記車両により収集された画像を取得することと、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することと、を含む、
測位方法。
【請求項6】
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定することは、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得し、前記第1道路要素は前記第1所定範囲内にあり、かつ投影後に前記画像に位置する道路要素であることと、
前記画像に対して画像検出を行い、前記画像における少なくとも1つの第2道路要素の第2位置を得ることと、
前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって、前記車両の位置を決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標はグローバル座標系での座標であり、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの第1道路要素を前記画像にそれぞれ投影し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を取得することは、
前記グローバル座標系と前記画像の画素座標系との間の変換行列である第1座標系変換行列に基づいて、前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を前記グローバル座標系から前記画像の画素座標系に変換し、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置を得ることを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの道路要素は複数のタイプを含み、前記少なくとも1つの第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と前記少なくとも1つの第2道路要素の前記画像における第2位置との間のマッチング結果によって、前記車両の位置を決定することは、
タイプが同じで互いの位置が最も近い1つの第1道路要素と1つの第2道路要素とを1つのマッチングペアとして、前記少なくとも1つの第1道路要素と前記少なくとも1つの第2道路要素から少なくとも1つのマッチングペアを決定することと、
それぞれのマッチングペアに対して、当該マッチングペアにおける前記第1道路要素の前記画像に投影した第1位置と当該マッチングペアにおける前記第2道路要素の前記画像における第2位置との間の距離を当該マッチングペアの距離として算出することと、
各マッチングペアの距離を投影誤差として、最小化の投影誤差条件での車両の位置を前記車両の位置として算出することと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することは、
測位精度が所定閾値よりも低い第1測位方式によって測位し、前記車両の元の位置を得ることと、
前記元の位置に基づいて、前記地図から前記車両周囲の前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を検索することと、を含む、
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの道路要素は道路線を含み、前記方法は、さらに、
前記車両が走行する際、前記車両の次の走行ポイントの座標を取得し、前記次の走行ポイントは、前記車両の走行経路における現在位置の次の位置ポイントであることと、
前記次の走行ポイントの座標に基づいて、前記地図から前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記次の走行ポイントの存在する領域内の道路線に対応する位置ポイントを頂点とし、前記次の走行ポイントに対応する多角形領域を決定することと、
前記多角形領域が走行可能な領域である場合は、前記車両を前記次の走行ポイントへ走行するように制御することと、
前記多角形領域が走行不可な領域である場合は、前記車両の次の走行ポイントが前記多角形領域の外に位置するように、前記車両の次の走行ポイントを再計画することと、を含む、
ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記地図には、少なくとも1つの走行経路に対応する位置ポイントの座標がさらに記憶されており、それぞれの走行経路は1つのポイントセットに対応し、それぞれの走行経路に対応するポイントセットは、当該走行経路における複数の位置ポイントで構成される、
ことを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、さらに、
前記地図から第1走行経路に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記第1走行経路に対応する位置ポイントの座標に基づいて、前記車両を前記第1走行経路に沿って走行するように制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの道路要素は少なくとも1つの交通信号機を含み、前記地図には、前記交通信号機に対応する道路通行方向情報がさらに記憶されている、
ことを特徴とする請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記交通信号機は少なくとも1つの信号機を含み、前記地図においてそれぞれの交通信号機は、当該交通信号機の属する矩形領域の4つの頂点で構成される1つのポイントセット、及び1組の道路通行方向情報に対応し、それぞれの交通信号機に対応する道路通行方向情報は、当該交通信号機におけるそれぞれの信号機の形状、色、位置及び指示された道路通行方向情報のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、さらに、
前記画像に第1交通信号機が含まれることを検出した場合、画像認識によって前記第1交通信号機の現在信号と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とを得ることと、
前記地図から前記車両周囲の第2所定範囲内の少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標を取得することと、
前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することと、
前記地図から前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報を取得することと、
前記第1交通信号機の現在信号と前記目標第2交通信号機に対応する道路通行方向情報とに基づいて、前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向を決定することと、
前記第1交通信号機の現在信号に指示されている道路通行方向に基づいて、前記車両を制御することと、を含む、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標と前記第1交通信号機の前記画像における第3位置とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機における前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機を決定することは、
第2座標系変換行列と前記少なくとも1つの第2交通信号機に対応する位置ポイントの座標とに基づいて、前記少なくとも1つの第2交通信号機を前記画像にそれぞれ投影し、少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置を得ることと、
前記第1交通信号機の前記画像における第3位置及び前記少なくとも1つの第2交通信号機の前記画像に投影した第4位置に基づいて、前記画像に投影された第4位置と前記第1交通信号機との位置が最も近い第2交通信号機を、前記第1交通信号機とマッチングする目標第2交通信号機として決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
センサにより収集された道路における、それぞれ1つの識別子に対応する少なくとも1つの道路要素の位置情報を取得するための取得モジュールと、
前記少なくとも1つの道路要素のそれぞれに対して、当該道路要素の位置情報に基づいて、当該道路要素に対応する、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントが含まれるポイントセットを生成するための生成モジュールと、
前記道路における各道路要素の識別子及び対応するポイントセットを前記道路の識別子に関連して記憶し、地図を生成するための記憶モジュールと、を含む、
地図生成装置。
【請求項18】
地図から車両周囲の第1所定範囲内の少なくとも1つの道路要素に対応する位置ポイントの座標を取得することに用いられ、それぞれの道路要素は1つのポイントセットに対応し、前記ポイントセットは、当該道路要素の存在する位置を特徴付ける複数の位置ポイントを含み、前記地図には、当該道路要素に対応するポイントセットに含まれる位置ポイントの座標が記憶されている取得モジュールであって、
さらに、前記車両により収集された画像を取得するための取得モジュールと、
前記第1所定範囲内の前記少なくとも1つの道路要素と前記画像との間のマッチング結果によって前記車両の位置を決定するための測位モジュールと、を含む、
測位装置。
【請求項19】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを含み、
前記メモリは、コンピュータ実行可能な命令を記憶し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのプロセッサにより請求項1~のいずれか1項に記載の地図生成方法、又は請求項16のいずれか1項に記載の測位方法が実施されるように、前記メモリに記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行する電子機器
【請求項20】
コンピュータ実行可能な命令を記憶しており、前記コンピュータ実行可能な命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の地図生成方法が実施され、又は、請求項16のいずれか1項に記載の測位方法が実施されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードが機器で実行されると、前記機器におけるプロセッサは、請求項1~のいずれか1項に記載の地図生成方法を実行させ、又は、請求項16のいずれか1項に記載の測位方法を実行させるようになるコンピュータプログラム。
【国際調査報告】