(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】リチウム電池パックの熱管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20220930BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20220930BHJP
H01M 10/6571 20140101ALI20220930BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/651
H01M10/615
H01M10/625
H01M10/617
H01M10/6571
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574177
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2019117640
(87)【国際公開番号】W WO2020248491
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】201910511703.3
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910510792.X
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910512740.6
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521544230
【氏名又は名称】趙 耀華
(71)【出願人】
【識別番号】521544241
【氏名又は名称】徐 紅霞
(74)【代理人】
【識別番号】100085589
【氏名又は名称】▲桑▼原 史生
(72)【発明者】
【氏名】趙 耀華
(72)【発明者】
【氏名】徐 紅霞
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
(57)【要約】
1層又は複数層の電池及び/又は電池モジュール、電池パックケース、熱交換システムを含むリチウム電池パックの熱管理システム及び方法である。電池及び/又は電池モジュール表面にはマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、マイクロヒートパイプアレイは、電池及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられた部分が蒸発部であり、少なくとも一端が電池及び/又は電池モジュールの表面から突き出し、突出部分が凝縮部として電池パックケースに貼り合わせられている。電池パックケースは、電池パックを囲み且つ閉鎖構造となり、少なくとも凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板である。熱交換システムは、少なくとも対応的に熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ電池パックケースを介して電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されている。本発明は、放熱効率が高く、乾湿分離、漏液防止というメリットを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック内部の1層又は複数層の電池及び/又は電池モジュール、電池パックケース、熱交換システムを含み、
前記電池及び/又は電池モジュールの表面にはマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、前記マイクロヒートパイプアレイは、前記電池及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられた部分が蒸発部であり、長さが覆っている層の前記電池及び/又は電池モジュールの一方向に沿った距離より大きく、且つ少なくとも一端が前記電池及び/又は電池モジュールの表面から突き出し、突出部分が凝縮部として電池パックケースに貼り合わせられており、
前記電池パックケースは、前記電池パックを囲み且つ閉鎖構造となり、少なくとも前記凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板であり、
前記熱交換システムは、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ前記電池パックケースを介して前記電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されていることを特徴とするリチウム電池パックの熱管理システム。
【請求項2】
前記熱交換システムは液冷板管熱交換器であり、前記液冷板管熱交換器は、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ電池パック外部冷却システムに接続され、前記液冷板管熱交換器の基板が密封され、且つ前記電池パックケースを介して前記電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されており、
又は、前記熱交換システムは液冷板管熱交換器と外付け空冷モジュールであり、前記液冷板管熱交換器は、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ電池パック外部の冷却システムに接続され、前記外付け空冷モジュールは、内部に空冷フィンを有し、側面にファンを有し、前記空冷フィンの基板が前記液冷板管熱交換器の外側に貼り合わせられ、前記液冷板管熱交換器の基板と前記外付け空冷モジュールの基板がいずれも密封され、且つ電池パックケースを介して電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されており、
又は、前記熱交換システムは外付け空冷モジュールであり、前記外付け空冷モジュールは、前記電池パックケースにおける熱伝導仕切り板を有する面の外表面に密着しており、内部に空冷フィンを有し、側面にファンを有することを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項3】
前記電池及び/又は電池モジュールは縦型のものであり、複数層積み重ねて分布され、層毎に互いに水平方向に積み重ねられた複数のグループを含み、各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの正面には横方向に少なくとも1つのマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、前記マイクロヒートパイプアレイは、長さが前記電池及び/又は電池モジュールの幅より大きく、且つ両端が曲がっており、前記電池及び/又は電池モジュールの正面に貼り合わせられた部分が熱伝導部であり、曲がっている垂直部分が、前記電池及び/又は電池モジュールの2側面に貼り合わせられてそれぞれ蒸発部と凝縮部とし、且つ対応する電池パックケースにも貼り合わせられており、前記電池及び/又は電池モジュールの裏面が、隣接する前記電池及び/又は電池モジュールの正面に貼り合わせられた前記マイクロヒートパイプアレイに貼り合わせられていることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項4】
各前記マイクロヒートパイプアレイは横方向に傾斜して配置され、傾斜角が1°より小さくなく、上側に位置し且つ前記電池及び/又は電池モジュールの側面に貼り合わせられた一端が凝縮部であり、下側に位置し且つ前記電池及び/又は電池モジュールの他方の側面に貼り合わせられた一端が蒸発部であることを特徴とする請求項3に記載の熱管理システム。
【請求項5】
前記電池及び/又は電池モジュールは横型のものであり、複数層積み重ねて分布され、層毎に複数のグループを含み、各グループに複数含み、各グループの前記電池又は電池モジュールの上表面及び/又は下表面にそれぞれ前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、前記マイクロヒートパイプアレイは、長さが少なくとも覆っている層の前記電池又は電池モジュールの一方向に沿った距離より大きく、且つ少なくとも一端が前記電池及び/又は電池モジュールの表面から突き出し、突出部分が凝縮部として電池パックケースに貼り合わせられていることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項6】
各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの上下両側表面に前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、各側表面に少なくとも1つの前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、各前記マイクロヒートパイプアレイは少なくとも一端に突出部分を有し、且つ突出部分が前記マイクロヒートパイプアレイ平面の垂直方向へ曲がっており、下側に位置する前記マイクロヒートパイプアレイの上向きに曲がっている部分は凝縮部であり、熱伝導仕切り板に貼り合わせられ、放熱するためのものとなり、上側に位置する前記マイクロヒートパイプアレイの下向きに曲がっている部分は蒸発部であり、加熱器が貼り合わせられ又は接続され、電池を加熱するためのものとなることを特徴とする請求項5に記載の熱管理システム。
【請求項7】
各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの上下表面のうちの一表面に少なくとも1つの前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、両端の突出部分が同側へ曲がり、且つ熱伝導仕切り板に貼り合わせられていることを特徴とする請求項5に記載の熱管理システム。
【請求項8】
前記液冷板管熱交換器の基板は前記電池パックケースの外表面にシールリングによって接続又は溶接され、前記電池パックケースがIP67等級であることを特徴とする請求項2に記載の熱管理システム。
【請求項9】
前記マイクロヒートパイプアレイと前記電池及び/又は電池モジュールとの間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサーが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記マイクロヒートパイプアレイの下表面に加熱器が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項11】
自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、前記自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニット、電気自動車冷却システム及び前記加熱器に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の熱管理システム。
【請求項12】
前記マイクロヒートパイプアレイは、金属材料を押し出して形成した多孔質構造を有する扁平状の熱伝導体であり、内部には並列に並べられているが、互いに連通せず独立して動作する複数本のマイクロヒートパイプを有し、且つ各マイクロヒートパイプの水力直径が0.2-3.0mmであり、内部相変化作動媒体が非導電性媒体であることを特徴とする請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項13】
請求項1-12のいずれか一項に記載の熱管理システムを採用し、マイクロヒートパイプアレイは熱を吸収してから、熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散することを特徴とするリチウム電池パックの熱管理方法。
【請求項14】
前記電池又は電池モジュールは縦型のものであり、各グループの電池及び/又は電池モジュールの一側面に貼り合わせられた蒸発部と正面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの熱伝導部は各電池ユニットの熱を吸収し、熱を各グループの電池及び/又は電池モジュールの他方の側面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの凝縮部に伝導し、次に前記凝縮部に貼り合わせられた熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電池又は電池モジュールは横型のものであり、電池及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの蒸発部は電池及び/又は電池モジュールの熱を吸収し、熱を突出部分の凝縮部に伝導し、次に熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記熱交換システムは電池パック外部冷却システムに接続される液冷板管熱交換器であり、検出された電池セル温度が第1設定値より高い時に、制御システムは自動的に冷却システムを起動し、前記液冷板管熱交換器を駆動して起動させ、前記電池パックを放熱させ、電池セル温度が第1設定値より低い時に、冷却システムは液冷板管熱交換器への冷却供給を停止することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
電池温度が第2設定温度より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つマイクロヒートパイプアレイによって電池を加熱し、この時に冷却システムは動作を停止することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記熱交換システムは電池パック外部冷却システムに接続される液冷板管熱交換器とファンを備えた外付け空冷フィンであり、熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた液冷板管熱交換器及び外付け空冷フィンに伝導し、検出された電池セル温度が第1設定値に達すると、制御システムはまずファンをオンし、外付け空冷フィンによって自動的に放熱し、検出された電池セル温度が第3設定値より大きくなると、制御システムは自動的に冷却システムを起動して、液冷板管熱交換器を駆動して起動させ、外付け空冷フィンと同時に電池セルを放熱させることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
電池温度が第2設定値より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つ前記マイクロヒートパイプアレイを介して電池及び/又は電池モジュールと熱交換し、この時にファンと冷却システムは動作を停止することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記熱交換システムは外付け空冷モジュールであり、検出された電池セル温度が第1設定値より高い時に、制御システムは自動的にファンを起動し、外付け空冷モジュールのフィンによって自動的に放熱し、電池セル温度が第1設定値より低い時に、ファンは動作を停止することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
電池温度が第2設定値より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つ前記マイクロヒートパイプアレイを介して電池及び/又は電池モジュールと熱交換し、この時にファンは動作を停止することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム電池パックの熱管理システム及び方法に関し、電気自動車の電池パックの放熱の分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池パックの熱管理は、電池の寿命にとって非常に重要であるだけでなく、電池の安全性にとっても非常に重要である。
【0003】
従来の電池パックの熱管理方法である空冷技術は、リチウム電池パックの保護等級の要求を満たすことができないだけでなく、空気冷却システムの出入口の温度差が大きいので、電池同士に大きい温度差が発生して、リチウム電池に与える損傷が大きいため、今に限って言えば、利用価値がほとんどない。
【0004】
保護等級が高い従来のリチウム電池パックの熱管理方法には一般に液冷モードが採用され、現在では、大部分のメーカが採用している液冷底板は、ただ電池モジュールの底部のみに単一の液冷板を設置するようになっており、電池モジュール底部の単一液冷板放熱方式によって電池セルの内部上下に非常に大きい温度差が発生することがあり、急速充放電及び低温予熱の時に、電池に与える損傷が大きい。全ての電池の側表面全体に液冷モードを採用しているのはテスラしかない。しかしながら、現在では、液冷媒体として不凍液又は冷媒を用いて直接冷却するようになっているが、後者は直接膨張式蒸発器に相当する。冷媒による直接膨張式冷却は冷媒温度が低過ぎるので、電池に深刻な低温衝撃を与え、電池内部に極めて大きい温度差を発生させて、電池に非常に大きい損傷を与えることがあり、実用価値がほとんどない。多く使用されているのは不凍液であり、不凍液に水を含み、溶接部位が多い液冷底板においては、使用中、溶接部位が破損しやすくて、内部不凍液の漏れを引き起こすことがあり、テスラが使用している全側面液冷管に関しては、その溶接口が電池パックの外部にあるが、一旦衝突が発生したら、電池セル間の液冷管が破壊され、不凍液の漏れをも引き起こし、そして溶接口が全側面に分布されており、溶接口が破壊される可能性が高い。どのような場合であっても、漏れた不凍液が電池パック中の電池と接触すると、電池パックに短絡が発生して、深刻な安全上の事故を招いてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リチウム電池パックの熱管理システムの隠れた危険性が高く、放熱効率が低く、電池への損傷が大きいという従来技術の問題を解決するために、本発明は、リチウム電池パックの熱管理システム及び方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的解決手段は以下の通りである。
【0007】
電池パック内部の1層又は複数層の電池及び/又は電池モジュール、電池パックケース、熱交換システムを含み、前記電池及び/又は電池モジュールの表面にはマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、前記マイクロヒートパイプアレイは、前記電池及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられた部分が蒸発部であり、長さが覆っている層の前記電池及び/又は電池モジュールの一方向に沿った距離より大きく、且つ少なくとも一端が前記電池及び/又は電池モジュールの表面から突き出し、突出部分が凝縮部として電池パックケースに貼り合わせられており、前記電池パックケースは、前記電池パックを囲み且つ閉鎖構造となり、少なくとも前記凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板であり、前記熱交換システムは、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ前記電池パックケースを介して前記電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されていることを特徴とするリチウム電池パックの熱管理システムである。
【0008】
好ましくは、前記熱交換システムは液冷板管熱交換器であり、前記液冷板管熱交換器は、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ電池パック外部冷却システムに接続され、前記液冷板管熱交換器の基板が密封され、且つ前記電池パックケースを介して前記電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されており、
又は、前記熱交換システムは液冷板管熱交換器と外付け空冷モジュールであり、前記液冷板管熱交換器は、少なくとも対応的に前記熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ、且つ電池パック外部の冷却システムに接続され、前記外付け空冷モジュールは、内部に空冷フィンを有し、側面にファンを有し、前記空冷フィンの基板が前記液冷板管熱交換器の外側に貼り合わせられ、前記液冷板管熱交換器の基板と前記外付け空冷モジュールの基板がいずれも密封され、且つ電池パックケースを介して電池及び/又は電池モジュールに対して完全に物理的に隔離されており、
又は、前記熱交換システムは外付け空冷モジュールであり、前記外付け空冷モジュールは、前記電池パックケースにおける熱伝導仕切り板を有する面の外表面に密着しており、内部に空冷フィンを有し、側面にファンを有する。
【0009】
好ましくは、前記電池及び/又は電池モジュールは縦型のものであり、複数層積み重ねて分布され、層毎に互いに水平方向に積み重ねられた複数のグループを含み、各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの正面には横方向に少なくとも1つのマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、前記マイクロヒートパイプアレイは、長さが前記電池及び/又は電池モジュールの幅より大きく、且つ両端が曲がっており、前記電池及び/又は電池モジュールの正面に貼り合わせられた部分が熱伝導部であり、曲がっている垂直部分が、前記電池及び/又は電池モジュールの2側面に貼り合わせらてれそれぞれ蒸発部と凝縮部とし、且つ対応する電池パックケースにも貼り合わせられており、前記電池及び/又は電池モジュールの裏面が、隣接する前記電池及び/又は電池モジュールの正面に貼り合わせられた前記マイクロヒートパイプアレイに貼り合わせられている。
【0010】
更に好ましくは、各前記マイクロヒートパイプアレイは横方向に傾斜して配置され、傾斜角が1°より小さくなく、上側に位置し且つ前記電池及び/又は電池モジュールの側面に貼り合わせられた一端が凝縮部であり、下側に位置し且つ前記電池及び/又は電池モジュールの他方の側面に貼り合わせられた一端が蒸発部である。
【0011】
好ましくは、前記電池及び/又は電池モジュールは横型のものであり、複数層積み重ねて分布され、層毎に複数のグループを含み、各グループに複数含み、各グループの前記電池又は電池モジュールの上表面及び/又は下表面にそれぞれ前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、前記マイクロヒートパイプアレイは、長さが少なくとも覆っている層の前記電池又は電池モジュールの一方向に沿った距離より大きく、且つ少なくとも一端が前記電池及び/又は電池モジュールの表面から突き出し、突出部分が凝縮部として電池パックケースに貼り合わせられている。
【0012】
更に好ましくは、各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの上下両側表面に前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、各側表面に少なくとも1つの前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、各前記マイクロヒートパイプアレイは少なくとも一端に突出部分を有し、且つ突出部分が前記マイクロヒートパイプアレイ平面の垂直方向へ曲がっており、下側に位置する前記マイクロヒートパイプアレイの上向きに曲がっている部分は凝縮部であり、熱伝導仕切り板に貼り合わせられ、放熱するためのものとなり、上側に位置する前記マイクロヒートパイプアレイの下向きに曲がっている部分は蒸発部であり、加熱器が貼り合わせられ又は接続され、電池を加熱するためのものとなる。
【0013】
又は更に好ましくは、各グループの前記電池及び/又は電池モジュールの上下表面のうちの一表面に少なくとも1つの前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられ、両端の突出部分が同側へ曲がり、且つ熱伝導仕切り板に貼り合わせられている。
【0014】
好ましくは、前記液冷板管熱交換器の基板は前記電池パックケースの外表面にシールリングによって接続又は溶接され、前記電池パックケースがIP67等級である。
【0015】
好ましくは、前記マイクロヒートパイプアレイと前記電池及び/又は電池モジュールとの間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサーが設置されている。
【0016】
好ましくは、前記マイクロヒートパイプアレイの下表面に加熱器が設置されている。
【0017】
更に好ましくは、自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、前記自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニット、電気自動車冷却システム及び前記加熱器に接続されている。
【0018】
好ましくは、前記マイクロヒートパイプアレイは、金属材料を押し出して形成した多孔質構造を有する扁平状の熱伝導体であり、内部には並列に並べられているが、互に連通せず独立して動作する複数本のマイクロヒートパイプを有し、且つ各マイクロヒートパイプの水力直径が0.2-3.0mmであり、内部相変化作動媒体が非導電性媒体である。
【0019】
上記の熱管理システムを採用し、マイクロヒートパイプアレイは熱を吸収してから、熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散することを特徴とするリチウム電池パックの熱管理方法である。
【0020】
好ましくは、前記電池又は電池モジュールは縦型のものであり、各グループの電池及び/又は電池モジュールの一側面に貼り合わせられた蒸発部と正面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの熱伝導部は各電池ユニットの熱を吸収し、熱を各グループの電池及び/又は電池モジュールの他方の側面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの凝縮部に伝導し、次に前記凝縮部に貼り合わせられた熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散する。
【0021】
好ましくは、前記電池又は電池モジュールは横型のものであり、電池及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイの蒸発部は電池及び/又は電池モジュールの熱を吸収し、熱を突出部分の凝縮部に伝導し、次に熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた熱交換システムに伝導して放散する。
【0022】
好ましくは、前記熱交換システムは電池パック外部冷却システムに接続される液冷板管熱交換器であり、検出された電池セル温度が第1設定値より高い時に、制御システムは自動的に冷却システムを起動し、前記液冷板管熱交換器を駆動して起動させ、前記電池パックを放熱させ、電池セル温度が第1設定値より低い時に、冷却システムは液冷板管熱交換器への冷却供給を停止する。
【0023】
更に好ましくは、電池温度が第2設定温度より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つマイクロヒートパイプアレイによって電池を加熱し、この時に冷却システムは動作を停止する。
【0024】
好ましくは、前記熱交換システムは電池パック外部冷却システムに接続される液冷板管熱交換器とファンを備えた外付け空冷フィンであり、熱伝導仕切り板を介して熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた液冷板管熱交換器及び外付け空冷フィンに伝導し、検出された電池セル温度が第1設定値に達すると、制御システムはまずファンをオンし、外付け空冷フィンによって自動的に放熱し、検出された電池セル温度が第3設定値より大きくなると、制御システムは自動的に冷却システムを起動して、液冷板管熱交換器を駆動して起動させ、外付け空冷フィンと同時に電池セルを放熱させる。
【0025】
更に好ましくは、電池温度が第2設定値より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つ前記マイクロヒートパイプアレイを介して電池及び/又は電池モジュールと熱交換し、この時にファンと冷却システムは動作を停止する。
【0026】
好ましくは、前記熱交換システムは外付け空冷モジュールであり、検出された電池セル温度が第1設定値より高い時に、制御システムは自動的にファンを起動し、外付け空冷モジュールのフィンによって自動的に放熱し、電池セル温度が第1設定値より低い時に、ファンは動作を停止する。
【0027】
更に好ましくは、電池温度が第2設定値より低い時に、直接的又は間接的にマイクロヒートパイプアレイと接触する加熱器を加熱し、且つ前記マイクロヒートパイプアレイを介して電池及び/又は電池モジュールと熱交換し、この時にファンは動作を停止する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の有利な技術的効果は以下の通りである。
【0029】
本発明のリチウム電池パックの熱管理システムは、間接的な液冷方式、又は液冷と空気冷却といった2種の冷却方式、又は空気冷却方式を採用して電池パックの温度を管理し、横型又は縦型として置かれた電池(電池セル)及び/又は電池モジュールの表面に横方向にマイクロヒートパイプアレイ熱伝導体を貼り合わせ、熱を熱伝導仕切り板を介して熱交換システム、即ち冷却システムに接続された液冷板管熱交換器及び/又は外付け空冷モジュールに輸送する。
【0030】
縦型のものである時に、各グループのマイクロヒートパイプアレイは、縦型電池(電池セル)及び/又は電池モジュールの正面に貼り合わせられて熱伝導部とし、且つ両端が曲がってから垂直部分が電池及び/又は電池モジュールの2側面に貼り合わせられてそれぞれ蒸発部と凝縮部とし、凝縮部が更に熱伝導仕切り板に貼り合わせられ、蒸発部と熱伝導部を介して電池の熱を凝縮部に伝達し、マイクロヒートパイプと電池及び/又は電池モジュール及び熱伝導仕切り板との接触面積が大きくなり、熱伝導効率が大幅に高まり、一方、複数のグループを順次積み重ねて並べた時に、各グループの前記電池及び/又は電池モジュールは、正面のみが前記マイクロヒートパイプアレイに貼り合わせられ、裏面が隣接するグループの正面に貼り合わせられた前記マイクロヒートパイプアレイに貼り合わせられて、各グループの電池及び/又は電池モジュールの正面、裏面の両方とマイクロヒートパイプアレイとの貼り合わせをより少ないマイクロヒートパイプによって済ませることを確保し、それによって、内部に位置する電池セルの熱の放熱をより少ないマイクロヒートパイプと熱交換システムだけで可能にして、縦型として置かれた電池パックの温度を均一に確保し、放熱効率が高く、コストが低い。
【0031】
横型のものである時に、上記プロセスと類似し、他には、マイクロヒートパイプアレイが各グループの電池セルの一側又は両側の表面に貼り合わせられ、好ましくは両側表面に貼り合わせられ、そのようにして内部に位置する電池セルであっても、温度がそれに貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイを介して両端においてそれに貼り合わせらた熱伝導仕切り板に効果的に伝導可能であり、更に電池外部に伝導されて、放熱効率が高くなる。
【0032】
マイクロヒートパイプアレイは金属材料を押し出して形成した多孔質構造を有する扁平状の熱伝導体であり、内部には並列に並べられているが、互に連通しない複数本のマイクロヒートパイプを有し、且つ各マイクロヒートパイプの水力直径がただ0.2-3.0mmであり、甚だしい場合により小さく、管壁受圧能力が極めて高いので、漏液問題は考慮しなくてもよく、そして相変化作動媒体が微量の非導電性媒体であり、極端状況で損壊されて漏れた場合であっても、電池の損壊が発生することがなく、そして熱伝導仕切り板が同時に電池セルの保護ケースともなって液冷板管熱交換器、外付け空冷フィンの基板を電池パックから隔離し、また、シールリング又は溶接等の密封手段によって液冷板管熱交換器の基板を密封して、前記ケース内の電池セルに対して完全に物理的に隔離することを図り、液冷板管熱交換器内の不凍液の漏液を効果的に防止し、電池パックの保護等級としてIP67防水防塵等級に達することを確保し、そして空冷システムは液体汚染が発生する虞もない。
【0033】
本発明の電池パック熱管理システムにおいては、熱交換システムが液冷板管熱交換器である時に、電池セルの温度が第1設定値、例えば35℃より高い時に、制御システムは自動的に自動車の液冷システムを起動し、電池セル及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ蒸発部(又は蒸発部と熱伝導部)は熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ凝縮部に伝導し、凝縮部は熱を電池パックケースを介してそれに貼り合わせられた液冷板管熱交換器に伝導して放散し、液冷板管熱交換器は一般に電気自動車冷却システムに接続されるが、専用の冷却システムを用いてもよく、電池セルの温度が設定値より低い時に液冷システムの冷却液循環を停止する。
【0034】
前記熱交換システムが液冷板管熱交換器と外付け空冷モジュールである時に、検出された電池温度が第1設定値、例えば35℃より高い時に、まず自動的にファンを起動して外付け空冷フィンによって放熱し、電池セル及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ蒸発部(又は蒸発部と熱伝導部)は熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ凝縮部に伝導し、凝縮部は熱を電池パックケースを介してそれに貼り合わせられた外付け空冷フィンに伝導して熱を放散し、夏季高温季節以外の季節の非冷却省エネ放熱を実現し、電気自動車が運転状態にあるか停止状態にあるかに関わらず、空冷システムは待機状態にあり、従って、電気自動車停止期間、つまり冷却システム運転停止期間において電池が発熱する時に自動的に放熱し、熱暴走等の重大な危険性を大幅に抑え、また、夏季高温等の極端条件で、検出された電池温度が第3設定値より高い時に、外付け空冷フィンによる放熱がリチウム電池熱制御条件を満たすことができない場合に、例えば40℃の場合に、自動的に液冷システムを起動して電池を放熱させ、電池温度が35℃より低い時に、液冷システムは運転を停止し、それによって大幅の省エネを可能にする。液冷板管熱交換器は一般に電気自動車冷却システムに接続されるが、専用の冷却システムを用いてもよい。
【0035】
前記熱交換システムが外付け空冷モジュールである時に、リチウム電池の温度が第1設定値、例えば35℃より高い時に、ファンが自動的に起動し、電池セル及び/又は電池モジュールの表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ蒸発部(又は蒸発部と熱伝導部)は熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ凝縮部に伝導し、凝縮部は熱を電池パックケースを介してそれに貼り合わせられた外付け空冷フィンに伝導して熱を放散し、非冷却省エネ放熱を実現し、それによって均一な放熱と大幅の省エネを可能にする。電気自動車が運転状態にあるか停止状態にあるかに関わらず、空冷システムは待機状態にあり、即ち、電気自動車停止期間において電池が発熱した時にも自動的にファンを起動して放熱させることができ、熱暴走等の重大な危険性を大幅に抑える。
【0036】
マイクロヒートパイプアレイの蒸発部(又は下表面)に電気加熱器が設置されており、電池セルの温度が第2設定値、例えば0℃より低い時に、制御システムは自動的に冷却システムをオフし、且つ電気加熱器に給電し、電気加熱器は給電された後急速に発熱し、熱は急速に均一にマイクロヒートパイプアレイの他の部分に伝達され、更に電池及び/又は電池モジュールを急速に均一に予熱する。
【0037】
前記熱伝導スペーサーは熱伝導、電気絶縁及びマイクロヒートパイプアレイと電池との良好な接触の確保といった機能を有する。
【0038】
前記外付け空冷モジュールの空気通路はプレナムチャンバ方式又は送風機均一分布方式であって、空気冷却モジュールの出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現する。
【0039】
好ましくは、縦型のものである時に、各前記マイクロヒートパイプアレイは横方向に傾斜して配置され、傾斜角βが1°より小さくなく、前記電池及び/又は電池モジュールの側面に貼り合わせられ且つ上側に位置する一端が凝縮部であり、前記電池及び/又は電池モジュールの他方の側面に貼り合わせられ且つ下側に位置する一端が蒸発部であり、それによって、マイクロヒートパイプの凝縮部にある作動媒体が重力で急速に蒸発部に戻って、マイクロヒートパイプの熱伝導効率が高くなる。
【0040】
好ましくは、横型のものである時に、各電池パックの外部に1つ又は2つの液冷板管熱交換器を設置して、電池内部の温度を効果的に伝導して放散することができ、高過ぎる温度を防止し、電池の温度を均一に確保し、放熱効率が高い。突出部分を曲げて設置してから熱伝導仕切り板に貼り合わせることで、マイクロヒートパイプアレイの凝縮部と熱伝導仕切り板との接触面積をより大きくして、熱伝導効率を向上させることができる。
【0041】
以上をまとめると、本発明は、効率的に熱伝導可能なマイクロヒートパイプアレイと液冷及び/又は空冷方式を効果的に組み合わせ、且つ温度に応じて冷却モードの起動方式を自動的に制御し、更にマイクロヒートパイプアレイと電池又は電池モジュールの相対的配置関係によって、各電池パックの外部に1つの外付け液冷板管式熱交換器及び/又は外付け空気冷却フィンを設置して、電池内部の温度を効果的に伝導して放散することができ、高過ぎる温度を防止し、電池の温度を均一に確保し、放熱効率が高く、また、乾湿分離にされており、隠れた危険性が高くて電池への損傷が大きいという従来の液冷モジュールの問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図2】縦型単電池の熱管理構造の別の視角での模式図である。
【
図3】2つの電池セルを直列に接続してなった縦型の電池モジュールの熱管理構造の模式図である。
【
図4】2つの電池セルを直列に接続してなった縦型の電池モジュールの熱管理構造の別の視角での模式図である。
【
図5】縦型電池パックにおける全てのモジュールの熱管理構造の模式図である。
【
図6】縦型電池パックにおける全てのモジュールの熱管理構造の別の視角での模式図である。
【
図7】縦型単電池のマイクロヒートパイプアレイの配置平面図である。
【
図8】2つの電池セルを直列に接続してなった縦型の電池モジュールのマイクロヒートパイプアレイの配置平面図である。
【
図9】本発明の実施例1の分解構造の模式図である。
【
図11】実施例1-5の単電池又は電池モジュールの上面拡大図である。
【
図12】本発明の実施例2の分解構造の模式図である。
【
図15】本発明の実施例4の分解構造の模式図である。
【
図18】本発明の実施例6の分解構造の模式図である。
【
図20】実施例6-10の電池一端の一部の断面の模式図である。
【
図29】実施例11の電池ユニットの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の内容をより明らかに理解するために、図面及び具体的な実施例によって詳細に説明する。
【実施例1】
【0044】
図1-10に示すように、本実施例の熱管理システムは、電池及び/又は電池モジュールが縦型のものであり、電池パックと、電池パックケース6の外側に貼り付けられた液冷板管熱交換器7とを含む。前記電池パックは2つの単体電池セル1と3つの電池モジュール2を順次積み重ねて形成され、その中で、単体電池セル1が前後にそれぞれ1つあり、それらの間に3つの電池モジュール2を挟持しており、合計8つの電池セルを直列に接続している。単体電池セル1、電池モジュール2は軟質パッキング単体電池を組み合わせて構成した、外部に構造強度ケースを有するフレキシブルパッキング電池モジュールで取り替えることができる。各電池セルは縦型として置かれ、電池電極が上に向かい、電池セルの表面に横方向にマイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、前記マイクロヒートパイプアレイは、熱伝導効果が強化された熱伝導体であり、金属材料を押し出して形成された、多孔質構造を有する扁平状の熱伝導体であり、内部には並列に並べられているが、互いに連通しない複数本のマイクロヒートパイプを有し、マイクロヒートパイプの内部に相変化作動媒体が封入されており、相変化作動媒体が蒸発吸熱と凝縮放熱を繰り返すことによって熱を伝達する。本実施例において、各グループの前記単体電池セル1と電池モジュール2の正面に2つの前記マイクロヒートパイプアレイが貼り合わせられており、2つのマイクロヒートパイプアレイは互いに間隔をおいて分布してもよく、緊密に並べてもよく、前記電池及び/又は電池モジュールの裏面は互いに積み重ねられた隣接する単体電池セル1又は電池モジュール2の正面に貼り合わせられた前記マイクロヒートパイプアレイに貼り合わせられており、電池セルの正面と隣接する電池セルの裏面に貼り合わせられたのはマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4であり、マイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4は電池を冷却、放熱する必要がある時に蒸発部となり、電池を加熱、昇温する必要がある時に凝縮部となり、各マイクロヒートパイプアレイの両端が単体電池セル1又は電池モジュール2の側面へ曲がってから垂直部分は、熱伝導シリカゲルによって各グループの単体電池セル1と電池モジュール2の2側面に貼り付けられてそれぞれマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3とマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5となり、且つ対応する電池パックケース6の内側に貼り合わせられる。前記電池パックケース6は、電池パックを囲んで閉鎖構造を形成し、マイクロヒートパイプアレイ蒸発部3とマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5に貼り合わせられ、且つ少なくともマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5に貼り合わせられた部分が熱伝導仕切り板であり、液冷板管熱交換器7は、少なくとも熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられて、前記熱伝導仕切り板を介して前記マイクロヒートパイプアレイ凝縮部5と熱交換する。液冷板管熱交換器7は基板に冷媒入口8と冷媒出口9を有し、電気自動車の冷却システムに接続されて液冷システムを構成する。液冷板管熱交換器7の基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、液冷板管熱交換器7を内部電池セルに対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。
【0045】
図7-8に示すように、好ましくは、各前記マイクロヒートパイプアレイは横方向に傾斜して配置され、傾斜角βが1°より大きく、本実施例で10°であり、上側に位置し且つ前記単体電池セル1又は電池モジュール2の側面に貼り合わせられた一端がマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5であり、下側に位置し且つ前記単体電池セル1又は電池モジュール2の他方の側面に貼り合わせられた一端がマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3である。
【0046】
図11に示すように、マイクロヒートパイプアレイ蒸発部3の外表面には更に電気加熱器14が設置されており、電気加熱器14が起動した時に、マイクロヒートパイプ蒸発部をマイクロヒートパイプ加熱部と見なしてもよく、前記マイクロヒートパイプアレイと単体電池セル1、電池モジュール2との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー13が設置されており、前記熱伝導スペーサーは熱伝導、電気絶縁及びマイクロヒートパイプアレイと電池との良好な接触の確保といった機能を有する。
【0047】
本実施例の熱管理システムは、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニットと前記電気自動車の冷却システムに接続されている。
【0048】
上記熱管理システムを用いた乾湿分離にされたリチウム電池パック液冷式熱管理方法においては、単体電池セル1と電池モジュール2の一側面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3と正面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4は、単体電池セル1と電池モジュール2の熱を吸収し、且つ単体電池セル1と電池モジュール2の側面に位置するマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5に伝導し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板に伝導し、熱伝導仕切り板は熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ且つ電気自動車の冷却システムに接続された液冷板管熱交換器7に伝導して放散し、それと同時に熱伝導仕切り板は内部電池セルを外部冷源から物理的に隔離し、検出ユニットによって検出された電池セルの温度が第1設定値35℃より高い時に、制御システムは自動的に電気自動車の冷却システムを起動して、液冷板管熱交換器7、熱伝導仕切り板及びマイクロヒートパイプアレイによって電池セルを放熱させ、電池セルの熱を放散し、電池セルの温度が35℃より低い時に、電気自動車の冷却システムは前記液冷システムへの冷却を停止する。
【0049】
環境温度が第2設定値、例えば0℃より低い時に、制御システムは自動的に冷却システムをオフし、且つマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3に設置された電気加熱器14、例えばPTCサーミスター又は電気加熱膜に給電し、PTCサーミスター又は電気加熱膜は給電された後急速に発熱し、熱はマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3を経由して急速に均一にマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4と凝縮部5に伝達され、更に単体電池セル1と電池モジュール2を急速に均一に予熱する。
【実施例2】
【0050】
図1-8、12-13に示すように、本実施例の熱管理システムは、電池パック、電池パックケース6の外側に貼り付けられた液冷板管熱交換器7及び外付け空冷モジュール10を含み、電池及び/又は電池モジュールが縦型のものである。電池パックと電池パックケースに関しては実施例1と同じである。液冷板管熱交換器7は少なくとも熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられて、前記熱伝導仕切り板を介して前記マイクロヒートパイプアレイ凝縮部5と熱交換し、その基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、それによって液冷板管熱交換器7、外付け空冷モジュール10を内部電池セルに対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。前記液冷板管熱交換器7は基板に冷媒入口8と冷媒出口9を有し、電気自動車の冷却システムに接続されて電池の液冷システムを構成し、前記外付け空冷モジュール10は空冷システムとして、前記液冷板管式熱交換器7の表面に貼り合わせられ、内部に複数の空冷フィン11を有し、空冷フィン11の一側にファン12を有する。
【0051】
図11に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイと単体電池セル1、電池モジュール2との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー13が設置されており、前記熱伝導スペーサー13は熱伝導、電気絶縁及びマイクロヒートパイプアレイと電池との良好な接触の確保といった機能を有し、マイクロヒートパイプアレイ蒸発部3の外表面に更に電気加熱器14が設置されており、電気加熱器11が起動した時に、マイクロヒートパイプ蒸発部をマイクロヒートパイプ加熱部と見なしてもよい。
【0052】
本実施例の熱管理システムは、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニット、前記電気自動車の冷却システム、電気加熱器14及びファン12に接続されている。
【0053】
上記熱管理システムを用いた安全且つ省エネのリチウム電池パックダブルモード熱管理方法においては、単体電池セル1と電池モジュール2の側面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3と正面及び/又は裏面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4は、単体電池セル1と電池モジュール2の熱を吸収し、且つ単体電池セル1と電池モジュール2の他方の側面に位置するマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5と熱交換し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板に伝導し、熱伝導仕切り板は熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ且つ電気自動車の冷却システムに接続された液冷板管熱交換器7及び外付け空冷モジュール10に伝導する。検出ユニットによって検出された電池セルの温度が第1設定値、例えば35℃より高い時に、ファン12は自動的に起動して放熱し、検出された電池温度が第2設定値、例えば40℃より高い時に、液冷システムを起動して電池を放熱させ、電池温度が35℃より低い時に、液冷システムは運転を停止する。
【0054】
環境温度が第3設定値、例えば0℃より低い時に、制御システムは自動的に冷却システムをオフし、且つマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3に設置された電気加熱器14に給電し、例えばPTCサーミスター又は電気加熱膜に給電し、PTCサーミスター又は電気加熱膜は給電された後急速に発熱し、マイクロヒートパイプアレイ蒸発部3は熱を吸収して蒸発させ、マイクロヒートパイプアレイの熱伝導部4と凝縮部5に急速に均一に伝達し、更に単体電池セル1と電池モジュール2を急速に均一に予熱する。
【実施例3】
【0055】
外付け空冷モジュール10の出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現するために、本実施例において外付け空冷モジュール10の空気通路は、
図14に示すように、プレナムチャンバ15の方式であり、その他の構造と動作方式は実施例2と類似し、空気冷却モジュールの出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現する。
【実施例4】
【0056】
図1-8、15-16に示すように、本実施例の熱管理システムは、電池パックと、電池パックケース6の外側に貼り付けられた外付け空冷モジュール10とを含み、電池及び/又は電池モジュールが縦型のものである。電池パックと電池パックケースに関しては実施例1と同じである。電池パックの外に外付け空冷モジュール10が設置されており、外付け空冷モジュール10は、少なくとも熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられて、前記熱伝導仕切り板を介して前記マイクロヒートパイプアレイ凝縮部5と熱交換し、その基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、外付け空冷モジュール7を内部電池セルに対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。
【0057】
図11に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイと単体電池セル1、電池モジュール2との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー13が設置されており、前記熱伝導スペーサー13は熱伝導、電気絶縁及びマイクロヒートパイプアレイと電池との良好な接触の確保といった機能を有し、マイクロヒートパイプアレイ蒸発部3の外表面に更に電気加熱器14が設置されており、電気加熱器14が起動した時に、マイクロヒートパイプ蒸発部をマイクロヒートパイプ加熱部と見なしてもよい。
【0058】
本実施例に係る保護等級の高い縦型リチウム電池パック空冷式熱管理システムは、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムが前記電池セル温度検出ユニットと電気加熱器14に接続される。
【0059】
上記熱管理システムを用いた保護等級の高い空冷式電池パック熱管理方法においては、単体電池セル1と電池モジュール2の正面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部4と側面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ熱伝導部は、単体電池セル1と電池モジュール2の熱を吸収して蒸発させ、且つ単体電池セル1と電池モジュール2の他方の側面に位置するマイクロヒートパイプアレイ凝縮部5に伝導し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板に伝導し、熱伝導仕切り板は熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられた外付け空冷モジュール7に伝導し、検出ユニットによって検出された電池セルの温度が35℃より高い時に、制御システムは自動的に外付け空冷モジュール7を起動し、ファン9をオンして、外付け空冷モジュール7、熱伝導仕切り板及びマイクロヒートパイプアレイによって電池セルを放熱させ、電池セルの熱を放散し、電池セルの温度が35℃より低い時に、外付け空冷モジュール6はオフになって、放熱しない。
【0060】
環境温度が第2設定値、例えば0℃より低い時に、制御システムは自動的に冷却システムをオフし、且つマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3に設置された電気加熱器14に給電し、例えばPTCサーミスター又は電気加熱膜に給電し、PTCサーミスター又は電気加熱膜は給電された後急速に発熱し、熱はマイクロヒートパイプアレイ蒸発部3を介して急速に均一にマイクロヒートパイプアレイの熱伝導部4と凝縮部5に伝達され、更に単体電池セル1と電池モジュール2を急速に均一に予熱する。
【実施例5】
【0061】
外付け空冷モジュール10の出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現するために、本実施例において外付け空冷モジュール10の空気通路は、
図17に示すように、プレナムチャンバ15の方式であり、他の構造と動作方式は実施例4と類似する。
【実施例6】
【0062】
図18-20に示すように、本実施例の電池パック熱管理システムは、電池パックと、電池パックケース6の外側に貼り付けられた液冷板管熱交換器7とを含み、電池及び/又は電池モジュールが横型のものであり、前記電池パック内の電池セルは合計4層に分けられ、層毎に縦方向、横方向にそれぞれ3つある。その中で,各層の横方向の3つの単体電池セル1の上下表面にはそれぞれ横方向に延在する2グループのマイクロヒートパイプアレイ16が貼り合わせられている。その中で、前記マイクロヒートパイプアレイ16は熱伝導シリカゲルによって単体電池セル1の表面に貼り付けられ、互いに間隔をおいて分布されているが、緊密に並べられてもよく、マイクロヒートパイプアレイ16は、前記電池ユニット5に貼り合わせられた部分が蒸発部であり、長さが各グループの電池セルより大きくなっている部分が突出部分17を形成し、突出部分17が凝縮部となる。電池パックの外に電池パックケース6が設置されており、前記電池パックケース6は囲んで閉鎖構造を形成している。各前記マイクロヒートパイプアレイ16の突出部分17が前記マイクロヒートパイプアレイ平面の垂直方向へ曲がり、垂直部分が電池パックケース1の内側に貼り合わせられ、その中で電池パックケース6における前記凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板である。液冷板管熱交換器7は少なくとも熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられて、前記熱伝導仕切り板を介して前記マイクロヒートパイプアレイ16の突出部分17と熱交換し、その基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、液冷板管熱交換器7を内部の電池に対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。前記液冷板管熱交換器7は電気自動車の冷却システムに接続されて電池の液冷システムを構成する。
【0063】
図18に示すように、各グループの前記電池セルの上側平面に位置するマイクロヒートパイプアレイ16の突出部分が下へ曲がっており、下側平面に位置するものが上へ曲がっており、両者が各グループの単体電池セル5を内部に囲んで、外側に位置する単体電池セル1の外への変位を止める。
【0064】
前記液冷板管熱交換器2は基板に冷媒入口8と冷媒出口9を有し、電気自動車冷却システムに接続される。
【0065】
また、
図20に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイ16と単体電池セル1との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー13が設置されていてもよい。
【0066】
単体電池セル5は2つ又はそれ以上の軟質パッキング単体電池を組み合わせて構成した、外部に構造強度ケースを有するフレキシブルパッキング電池モジュールで取り替えてもよい。
【0067】
本実施例は、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニットと前記電気自動車冷却システムに接続されている。
【0068】
使用時に、各グループの電池ユニット5の両側表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ6の蒸発部は各電池ユニット5の熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ6の一端に位置する突出部分の構成した凝縮部に伝導し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板8に伝導し、熱伝導仕切り板8は熱を熱伝導仕切り板8の外表面に貼り合わせられ且つ電気自動車冷却システムに接続された液冷板管熱交換器2に伝導し、検出ユニットによって検出された電池ユニット5の温度が35℃より高い時に、制御システムは自動的に電気自動車の冷却システムを起動して、液冷板管熱交換器2、熱伝導仕切り板及びマイクロヒートパイプアレイによって電池セルを放熱させ、電池セルの熱を放散し、電池ユニット5の温度が35℃より低い時に、電気自動車の冷却システムは前記液冷システムへの冷却を停止する。
図3に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイの下表面には電気加熱器14、例えば電気加熱膜が設置されていてもよく、電池温度が設定温度より低い時に、電気加熱膜8を加熱し、マイクロヒートパイプアレイによって電池を加熱し、この時に冷却システムは動作を停止する。
【実施例7】
【0069】
図21-23に示すように、本実施例のリチウム電池パックの熱管理システムは、電池パックと、電池パックケース6の外側に貼り付けられた液冷板管熱交換器7と、ファン12を備えた外付け空冷フィン11とを含み、電池及び/又は電池モジュールが横型のものであり、電池パックと電池パックケースに関しては実施例6と同じであり、その中で、電池パックケース1は前記凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板である。液冷板管熱交換器7は少なくとも熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられて、前記熱伝導仕切り板8を介して前記マイクロヒートパイプアレイ16の突出部分17と熱交換し、その基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、液冷板管熱交換器2を内部の電池ユニット5に対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。前記液冷板管熱交換器2は電気自動車の冷却システムに接続されて電池の液冷システムを構成する。前記外付け空冷フィン11の基板が前記液冷板管熱交換器7の外側に貼り合わせられている。空気冷却モジュールの出入り空気の温度差を小さく確保するために、ファン12をできる限り均一に分布する方が良い。
【0070】
図21に示すように、各グループの前記単体セル1の上側平面に位置するマイクロヒートパイプアレイ16の突出部分17が下へ曲がっており、下側平面に位置するものが上へ曲がっており、両者は電池ユニットを内部に囲んで、外側に位置する単体セル1の外への変位を止める。
【0071】
前記液冷板管熱交換器7は基板に冷媒入口8と冷媒出口9を有し、電気自動車冷却システムに接続される。
【0072】
また、
図20に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイ16と単体電池セル1との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー13が設置されていてもよい。
【0073】
単体電池セル1は2つ又はそれ以上の軟質パッキング単体電池を組み合わせて構成した、外部に構造強度ケースを有するフレキシブルパッキング電池モジュールで取り替えてもよい。
【0074】
本実施例は、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニット、ファン及び電気自動車冷却システムに接続されている。
【0075】
使用時に、各グループの単体電池セル1の両側表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ16の蒸発部は各単体電池セル1の熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ16の一端に位置する突出部分17の構成した凝縮部に伝導し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板に伝導し、熱伝導仕切り板は熱を熱伝導仕切り板の外表面に貼り合わせられ且つ電気自動車冷却システムに接続された液冷板管熱交換器7及び外付け空冷フィン11に伝導する。電気自動車が運転状態にあるか停止状態にあるかに関わらず、空冷システムは待機状態にあり、リチウム電池の温度が第1設定値35℃に達すると、まず液冷システムを起動せずファン12を自動的に起動し、熱は液冷板管熱交換器7を経由して外付け空気冷却フィン11に伝達されて熱交換し、空冷フィンによって自動的に放熱し、夏季高温季節以外の季節の非冷却省エネ放熱、及び電気自動車停止期間、つまり冷却システム運転停止期間における電池発熱時の自動的放熱を実現し、熱暴走等の重大な危険性を大幅に抑え、また、夏季高温等の極端条件で、例えば第3設定値40℃に達した時に、外付け空冷フィンによる放熱がリチウム電池熱制御条件を満たすことができない場合に、自動的に自動車の冷却システムによって液冷を行い、システムが第1設定値35℃に降温したら液冷システムをオフし、それによって全体的には降温要求と安全確保を実現すると共に、大幅の省エネを実現することができる。
【0076】
図20に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイの外表面に更に電気加熱器14、例えば電気加熱膜が設置されていてもよく、電池温度が設定温度より低い時に、電気加熱膜を加熱し、マイクロヒートパイプアレイによって電池を加熱し、この時に冷却システムは動作を停止する。
【実施例8】
【0077】
空気冷却モジュールの出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現するために、本実施例において空冷モジュールの空気通路は、
図24に示すように、プレナムチャンバ方式であり、他の構造と動作方式は実施例7と類似する。
【実施例9】
【0078】
図25-27に示すように、本実施例のリチウム電池パックの熱管理システムは、電池パックと、電池パックケース6の外側に貼り付けられた外付け空冷モジュール10とを含み、電池及び/又は電池モジュールが横型のものであり、前記外付け空冷モジュールがファン12と空冷フィン11を含む。電池パックと電池パックケースに関しては実施例6と同じであり、その中で、電池パックケース1は前記凝縮部に対応する箇所が熱伝導仕切り板である。外付け空冷モジュール10は前記熱伝導仕切り板を介して前記マイクロヒートパイプアレイ16の突出部分17と熱交換し、その基板の一側表面が電池パックケース6の外表面に溶接されているが、シールリングによって接続されてもよく、外部構造を内部の単体電池セル1に対して完全に物理的に隔離することを実現し、電池パックの保護等級としてIP67に達することを確保する。外付け空冷モジュール10の出入り空気の温度差を小さく確保するために、ファン12をできる限り均一に分布する方が良い。
【0079】
図25に示すように、各グループの前記単体電池セル1の上側平面に位置するマイクロヒートパイプアレイ16の突出部分が下へ曲がっており、下側平面に位置するものが上へ曲がっており、両者は単体電池セル1全体を内部に囲んで、外側に位置する単体電池セル1の外への変位を止める。
【0080】
また、
図31に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイ16と単体電池セル1との間に圧縮変形可能な熱伝導スペーサー7が設置されていてもよい。
【0081】
単体電池セル1は2つ又はそれ以上の軟質パッキング単体電池を組み合わせて構成した、外部に構造強度ケースを有するフレキシブルパッキング電池モジュールで取り替えてもよい。
【0082】
本実施例は、更に自動制御システムと電池セル温度検出ユニットを含み、自動制御システムがそれぞれ前記電池セル温度検出ユニット、ファン12に接続されている。
【0083】
使用時に、各グループの単体電池セル1の両側表面に貼り合わせられたマイクロヒートパイプアレイ16の蒸発部は各単体電池セル1の熱を吸収し、且つマイクロヒートパイプアレイ16の一端に位置する突出部分の構成した凝縮部に伝導し、次に凝縮部は熱をそれに貼り合わせられた熱伝導仕切り板に伝導し、熱伝導仕切り板は熱を外付け空冷モジュール10に伝導し、空冷フィン11はファン12の作用で放熱する。電気自動車が運転状態にあるか停止状態にあるかに関わらず、空冷システムは待機状態にあり、リチウム電池の温度が第1設定値35℃に達すると、ファン12は制御システムによって制御されて自動的に起動し、熱を外付け空気冷却フィン11に伝達して自動的に放熱し、運転時に非冷却省エネ放熱を実現することができるだけでなく、電気自動車停止期間における電池発熱に対する自動的放熱をも実現でき、熱暴走等の重大な危険性を大幅に抑え、大幅の省エネを実現する。
【0084】
図20に示すように、前記マイクロヒートパイプアレイの外表面に更に電気加熱器14、例えば電気加熱膜8が設置されていてもよく、電池温度が設定温度より低い時に、電気加熱膜を加熱し、マイクロヒートパイプアレイによって電池を加熱し、この時にファンは動作を停止する。
【実施例10】
【0085】
空気冷却モジュールの出入り空気の温度差を小さく確保して、全ての電池の温度差が5℃より高くないことを実現するために、本実施例において空冷モジュールの空気通路は、
図28に示すように、プレナムチャンバ方式であり、他の構造と動作方式は実施例9と類似する。
【実施例11】
【0086】
本実施例の電池内部構造は
図29に示すように、下側のみにマイクロヒートパイプアレイを有し、両側に共に突出部分61を有し且つそれらが共に上へ曲がっており、他の構造と原理はそれぞれ実施例6-10と同様である。
【0087】
上述したのは本発明の好ましい具体的実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではなく、当業者であれば、本発明で開示された技術範囲を逸脱せずに容易に想到し得る変化等は全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に準ずるべきである。
【符号の説明】
【0088】
1 単体電池セル
2 電池モジュール
3 マイクロヒートパイプアレイ蒸発部
4 マイクロヒートパイプアレイ熱伝導部
5 マイクロヒートパイプアレイ凝縮部
6 電池パックケース
7 液冷板管熱交換器
8 冷媒入口
9 冷媒出口
10 外付け空冷モジュール
11 フィン
12 ファン
13 熱伝導スペーサー
14 電気加熱器
15 プレナムチャンバ
16 マイクロヒートパイプアレイ
17 突出部分
【国際調査報告】