(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】フィルタカートリッジ
(51)【国際特許分類】
C02F 1/28 20060101AFI20220930BHJP
C02F 1/42 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
C02F1/28 G
C02F1/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574825
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2020069534
(87)【国際公開番号】W WO2021013581
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599055784
【氏名又は名称】ブリタ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ブンネマン・フィリプ
(72)【発明者】
【氏名】シューラー・トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シューリヒト・ファルク
(72)【発明者】
【氏名】オグズ・エムレ
【テーマコード(参考)】
4D025
4D624
【Fターム(参考)】
4D025AA03
4D025AB06
4D025AB19
4D025AB28
4D025BA07
4D025BA24
4D025BB13
4D025DA03
4D624AA02
4D624AB11
4D624AB16
4D624BA17
4D624BB01
4D624CA12
4D624CB07
4D624CB34
4D624DB19
(57)【要約】
本発明は、フィルタカートリッジ、特に重力作動式のフィルタカートリッジであって、このフィルタカートリッジは、少なくとも1つの水出口を有する本体部及び少なくとも1つの水入口を有するヘッド部及び少なくとも1つの空気出口を備え、ヘッド部は本体部の上部に配置されていて、本体部とヘッド部は内部容積を有するハウジングを共に形成し、ヘッド部は、ヘッド部の底部開口部を規定する下部リムを有し、フィルタカートリッジは、内部容積内に位置し、下部リムに沿ってヘッド部に取り付けられるメッシュをさらに備え、メッシュは、内部容積を、メッシュ及びヘッド部によって規定される上部容積と、メッシュ及び本体部によって規定される下部容積とに分離し、処理媒体は下部容積内に配置されている、フィルタカートリッジに関する。フィルタカートリッジがメッシュのための少なくとも1つの押さえ装置を備えるフロー特性を改善するために、押さえ装置は、待機位置から動作位置に移動可能であり、その中で、少なくとも部分的に押さえ装置がメッシュと底部開口部の間に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタカートリッジ(1)、特に重力作動式のフィルタカートリッジであって、
このフィルタカートリッジ(1)は、少なくとも1つの水出口(15)を有する本体部(3)及び少なくとも1つの水入口(27)を有するヘッド部(5)及び少なくとも1つの空気出口(33)を備え、
ヘッド部(5)は本体部(3)の上部に配置されていて、
本体部(3)とヘッド部(5)は内部容積(IV)を有するハウジングを共に形成し、
ヘッド部(5)は、ヘッド部(5)の底部開口部(26)を規定する下部リム(25)を有し、
フィルタカートリッジ(1)は、内部容積(IV)内に位置し、下部リム(25)に沿ってヘッド部(5)に取り付けられるメッシュ(45)をさらに備え、
メッシュ(45)は、内部容積(IV)を、メッシュ(45)及びヘッド部(5)によって規定される上部容積(UV)と、メッシュ(45)及び本体部(3)によって規定される下部容積(UV)とに分離し、
処理媒体は下部容積(LV)内に配置されている、
当該フィルタカートリッジにおいて、
メッシュ(45)のための少なくとも1つの押さえ装置は、待機位置から動作位置へ移動可能であり、
その中で、押さえ装置は、少なくとも部分的にメッシュ(45)と底部開口部(26)との間の上部容積の内側に位置する、ことを特徴とするフィルタカートリッジ(1)。
【請求項2】
押さえ装置は、動作位置の底部開口部(26)を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項3】
押さえ装置とヘッド部(5)は、互いに連結された別個の部品である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項4】
ヘッド部(5)は、押さえ装置を上部容積(UV)内に導入することができるアパーチャ(35)が設けられている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項5】
押さえ装置は、少なくとも部分的にアパーチャ(35)を通って上部容積内へ挿入可能なピン(37)である、ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項6】
押さえ装置は、ヘッド部(5)と一体に形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項7】
フィルタカートリッジ(1)は、待機位置でヘッド部(5)と押さえ装置を接続し、押さえ装置が待機位置から動作位置に移動されると破れるオリジナリティシールが設けられている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項8】
待機位置及び/又は動作位置は、押さえ装置の安定した位置である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項9】
押さえ装置は、その端部でヘッド部を形成する細長い円弧形状のものである、ことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項10】
押さえ装置は、少なくとも1つのヒンジ、特にフィルムヒンジが設けられていて、このヒンジは、押さえ装置をヒンジの周囲で折り曲げることによって、押さえ装置を待機位置から動作位置に移動させることができるように配置されている、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項11】
押さえ装置を動作位置に固定するためのロック手段を備える、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項12】
ロック手段は、少なくとも一対の相補的ロック要素を備える、ことを特徴とする請求項11に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項13】
押さえ装置は上部容積(UV)内に緩く配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタカートリッジ(1)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の注入口ファンネルとフィルタカートリッジ(1)とを備えるろ過装置。
【請求項15】
フィルタカートリッジ(1)を製造する為の方法において、
この方法が以下のステップ、即ち、
a)ヘッドポーション(5)を製造するステップ、
b)メッシュ(45)に対する押さえ装置を待機位置の中へ設置するステップ、
c)特に、上下が逆になっているヘッド部(5)で、ヘッド部(5)の下部リム(25)に、メッシュ(45)を取り付けるステップ、
d)処理媒体を充填した本体部(3)にヘッド部(5)とメッシュ(45)を取り付けるステップ、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタカートリッジ、ろ過装置及びフィルタカートリッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先述した種類のろ過装置は、家庭で日常的に使用するための水フィルタとして使用されていて、これは、テーブルウォータフィルタとも呼ばれている。それらは、主に水道水から不要物質を浄化する為に使用されている。それら不要物の中には、カルシウムやマグネシアなどの塩化物や硬度ビルダーが含まれるが、鉛も含まれている。これは特に古い住宅における鉛管の使用によって、水道水へ鉛が入り込むとわかっている。
【0003】
テーブルウォータフィルタは重力作動式である。処理される水を水フィルタに注ぎ込む以外に、ろ過には何の作業も必要ない。水は、単にフィルタカートリッジを通って下方に流れ、そして重力によってろ過された水のための容器へ入る。
【0004】
底壁を有する注入口ファンネルを備えるろ過装置は、特許文献1(EP 1 230 166 B1)から知られていて、これはフィルタカートリッジ用の開口部が設けられている。フィルタカートリッジが開口部に差し込まれ、開口部とフィルタカートリッジのシーリングリムとの間にシールが形成される。使用時には、水は上から注入口ファンネルに導入され、その後、水入口を通ってフィルタカートリッジに流入する。水用の粒状処理媒体は、フィルタカートリッジの内側に位置する。処理媒体は、通常、イオン交換樹脂及び/又は活性炭を備えるが、他の成分も同様に処理媒体として使用することができる。水はフィルタカートリッジで処理され、次いで、フィルタカートリッジの底部にある水出口を通り、フィルタカートリッジの下方へ出る。また、フィルタカートリッジは、ろ過プロセスの開始時に、空気がフィルタカートリッジの内側からフィルタカートリッジの上方へ出るために、その(フィルタカートリッジ)最上部に空気出口が設けられている。
【0005】
フィルタカートリッジの内部には、処理媒体がフィルタカートリッジのヘッド部に位置する開口部(水入口及び空気出口)から出ることを妨げるメッシュがある。メッシュは、その下部リムに沿ってヘッド部に固定されている。これは、通常、以下のとおり、製造プロセス中に超音波溶接によって達成されている。ヘッド部は逆さまに配置されていて、メッシュ材料のストリップ(例えばコイルから)が下部リムの上に設置されている。次いで、超音波溶接型材(ソノトロード)がリムと共にメッシュ材料接触領域上に設置され、メッシュ材料からメッシュを切り出し、同時にメッシュをリムに溶接する。また、溶接型材は、切断及び溶接プロセスに先立って、平坦なメッシュ材料を変形させるためのドーム形状の部品を備える。溶接型材がメッシュ上に設置されると、ドーム形状の部分がメッシュを下方へ押し、メッシュを同様にドーム形状にする。
【0006】
通常、メッシュは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、又はポリエチレン(PE)からなる。メッシュサイズを選択することは、簡単な作業ではない。一方、メッシュサイズは、フィルタカートリッジから出る粒状処理媒体の量を減らすために、できるだけ小さくすることが想定されている。他方、メッシュサイズが縮小されると、メッシュの流れ抵抗が増加する。メッシュのサイズが小さすぎると、メッシュを通る流量が非常に小さくなるため、水が処理されるまでどれだけ時間がかかるかに対する消費者の受け入れが悪くなる可能性がある。まれに、非常に小さなメッシュサイズもまた、メッシュにある水を通って空気が漏出することを妨げる水の表面張力に起因してメッシュが水流を完全に遮断する可能性がある。
【0007】
この問題は、重力作動式フィルタカートリッジを開示する特許文献2(DE 196 31 687 A1)で既に取り上げられている。フィルタカートリッジは、水出口を有する本体部と、水入口且つ空気出口を有するヘッド部とを備え、本体部及びヘッド部は、内部容積を有するハウジングを共に形成する。フィルタカートリッジは、ヘッド部に溶接された内部容積内に位置したメッシュインサートを備える。メッシュインサートは、リブによって補強されたドーム形状のメッシュを備える。ドーム形状のメッシュの膨らみは、処理媒体の方向で下方に向けられている。使用時には、ドーム形状のメッシュが処理媒体に接触し、それによって水の表面張力が破れ、メッシュブロッケード(英語:mesh blockades)の発生が減少する。この解決策は、過去に成功し適用されているが、フィルタカートリッジの製造努力は、メッシュインサートの複雑さに起因して高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1230166号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19631687号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、フィルタカートリッジの流量特性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、請求項1に記載したフィルタカートリッジによって解決される。
【0011】
本発明に係るフィルタカートリッジは、少なくとも1つの水出口を有する本体部及び少なくとも1つの水入口と少なくとも1つの空気出口を有するヘッド部を備え、
ヘッド部は、本体部の上部に配置されていて、
本体部とヘッド部は内部容積を有するハウジングを共に形成し、
ヘッド部は、ヘッド部の底部開口部を規定する下部リムを有し、
フィルタカートリッジは、内部容積内に位置し、下部リムに沿ってヘッド部に取り付けられるメッシュをさらに備え、
メッシュは、内部容積を、メッシュ及びヘッド部によって規定される上部容積と、メッシュ及び本体部によって規定される下部容積とに分離し、処理媒体が下部容積内に配置される。
フィルタカートリッジは、メッシュのための少なくとも1つの押さえ装置によって特徴付けられていて、押さえ装置は、待機位置から動作位置へ移動可能であり、その中で、押さえ装置は、少なくとも部分的にメッシュと底部開口部との間の上部容積の内側に位置する。
【0012】
フィルタカートリッジは、好ましくは、重力作動式フィルタカートリッジである。上部、下部、上側、下側、上、下、上方、下方等の用語は、フィルタカートリッジが動作方向にある場合、例えば、フィルタカートリッジがろ過装置の注入口ファンネルの台座に差し込まれている場合、フィルタカートリッジ又はその部品を言及している。
【0013】
先述したように、フィルタカートリッジの製造プロセスは、通常、メッシュが形成され、メッシュがフィルタカートリッジのヘッド部に取り付けられているかみ合いステップを備える。このプロセスの結果として、メッシュは特定の形状安定性を持つ。一般的には、メッシュは、ドーム形状のメッシュの膨らみが処理媒体の方向で下方へ向けられているものと、膨らみが上方へ向けられるものとの、2つ以上又はそれ以下の安定した位置のうちの1つになる可能性がある。上向きでは、特に、メッシュを通る水の流れが減少するか、又は完全に遮断されるリスクにつながる。
【0014】
その動作位置において、押さえ装置は、メッシュの膨らみが、少なくとも部分的にメッシュと底部開口部との間で位置するので、上方に向けられていないことを確実にする。言い換えると、押さえ装置の少なくとも一部は、その動作位置にあるときに、底部開口部から下方へ突出する。
【0015】
他方で、押さえ装置は、待機位置にある場合、かみ合いステップを妨げない。待機位置では、押さえ装置の一部がメッシュと底部開口部の間に位置しない。言い換えると、押さえ装置のどの部分も、その待機位置にあるときには、底部開口部から下方へ突き出ない。したがって、底部開口部は、自由にアクセス可能である。
【0016】
ヘッド部はヘッド容積を取り囲み、本体部は本体容積を取り囲む。ヘッド容積は、ヘッド部の壁部及びヘッド部の底部開口部によって規定されている。ドーム形状のメッシュの膨らみが下方へ向けられている場合、上部容積は、ヘッド容積とドーム形状のメッシュで規定される容積の合計に等しい。本体容積は、本体部の壁部及び本体部分の上部開口部によって規定されている。ヘッド容積と本体容積の合計は、基本的にフィルタカートリッジの内部容積に等しい。
【0017】
好ましくは、押さえ装置が、動作位置の底部開口部を貫通する。このようにして、押さえ装置は、ヘッド容積内に部分的に位置し、メッシュと底部開口部との間に部分的に位置する。押さえ装置は、更に、その動作位置でそれを安定させるヘッド部に取り付けることができる。
【0018】
押さえ装置とヘッド部は互いに連結された別個の部品とすることも、押さえ装置をヘッド部と一体に形成することもできる。一体成形することで、製造ステップ数を減らすことができる。
【0019】
押さえ装置とヘッド部とが一体に形成されている場合、押さえ装置は、好ましくは、先ずその待機位置で形成されている。このようにして、さらなるステップを伴わずにヘッド部を形成した直後にかみ合いが開始されてもよい。また、押さえ装置をその待機位置からその動作位置へ移動させるかみ合い後に、1つの追加ステップのみが必要である。
【0020】
ヘッド部は、好ましくは、押さえ装置を上部容積内に導入することができるアパーチャが設けられている。特に、これは、押さえ装置とヘッド部が別部品の場合である。このようにして、押さえ装置は、かみ合った後にヘッド部に導入されてもよい。その場合、押さえ装置はかみ合いステップに干渉しない。
【0021】
好ましくは、押え装置がヘッド部に接続されていない状況、そして押え装置が上部ボリュームの内側に位置していない状況が、押え装置の動作位置又は待機位置を示すものとは考えられない。このような状況は、例えば、押え装置がヘッド部とは別個に作られ、まだ上部容量に導入されていない場合、製造中に発生し得る。
【0022】
フィルタカートリッジは、好ましくは、待機位置でヘッド部と押さえ装置を接続し、押さえ装置が待機位置から動作位置に移動したときに破れるオリジナリティシールが設けられている。特に、オリジナリティシールは、一体成形されたときに、押さえ装置とヘッド部と共に形成することができる。代替的には、オリジナリティシールが、別部品として形成される場合には、押え装置とヘッド部に取り付けてもよい。いずれにせよ、オリジナリティシールは、ポリマーの薄片、又はミシン目などを有する箔であってもよく、したがって、1つ又は複数の所定の破断点を提供する。オリジナリティシールは、フィルタカートリッジが以前に使用されていないことを使用者に示す。
【0023】
押さえ装置は、1つの安定した位置を有してもよく、いくつかの安定した位置を有してもよく、又は安定した位置がまったくなくてもよい。通常、フィルタカートリッジ全体に力が加わる安定した位置において、例えば、搬送中又はろ過装置への挿入中、押さえ装置の位置を変更するためには不十分である。待機位置及び/又は動作位置が、好ましくは、押さえ装置の安定した位置であり、特に、好ましくは、押さえ装置の唯一の安定した位置である。安定した位置は、フィルタカートリッジの信頼性を高める。押さえ装置を安定した待機位置から安定した動作位置へ移動するために、押さえ装置は、好ましくは、待機位置に留まるという要求に反して、ある地点まで移動され、押し込まれ、折り曲げられ、及び/又はねじり上げられる。前記の地点で、押さえ装置の抵抗は終了し、及び/又は押さえ装置は、動作位置にスナップオーバーすることさえある。
【0024】
ヘッド部は、好ましくは、上壁部によって上部で閉じられ、底部に下部リムを有する円周壁部を有するカップ状である。上壁部は、好ましくは平坦である。空気出口は、好ましくは、上壁部に配置されている。一般的に、空気出口は水入口よりも高くに位置されている。水入口は、好ましくは、全て同じ高さに配置されている。同様に、空気出口が、好ましくは、全て同じ高さに配置されている。
【0025】
本体部は、好ましくは、わずかに先細りの側壁部を有し且つ水出口を除いて底部で閉鎖されているフィルタカートリッジの主軸線Xに沿って管状である。本体部は、側壁部に沿って垂直に走るテーパ溝部を設けることができる。テーパ溝部は、ろ過装置の舌状部と適合することにより、主軸線Xを中心として一定の向きでろ過装置内にフィルタカートリッジの設置を確実にする。
【0026】
押さえ装置は、好ましくは、少なくとも部分的にアパーチャを通って上部容積内へ挿入可能なピンである。ピンは、メッシュをヘッド部に取り付けた後でも、上部容積内に容易に導入することができる。(ストレート)ピンは、挿入時に直線運動だけを必要とするという利点もあり、これは容易に自動化できる。好ましくは、アパーチャが、特にディスク形状の部分に対して、ピンの残りの部分よりも大きな断面を有するピンの一定の部分のための台座を有する。前記部分は、ピンの運動のためのエンドストップを提供し、押さえ装置の所望の動作位置に確実な方法で到達することを保証する。ピンは、ピンを動作位置に保持するための手段、特にフォームフィッティング手段を設けることができ、動作位置を安定させることができる。
【0027】
代替的には、押さえ装置は、ヘッド部をその端部で細長く、好ましくは円弧状で形成することが望ましい。特に、押さえ装置は、好ましくは、先ずその長手方向側面に沿ってヘッド部の残りの部分から切り取られ且つその短い端面でヘッド部の残りの部分に接続される円周方向壁及び/又はヘッド部の上壁部の一部として形成されている。このような形態では、押さえ装置は柔軟性を維持する。その結果、安定した待機位置及び動作位置を有する一方で、待機位置から動作位置に容易に移動することができる。
【0028】
押さえ装置は、好ましくは、少なくとも1つのヒンジ、特にフィルムヒンジが設けられていて、このヒンジは、押さえ装置をヒンジの周囲で曲げることによって、押さえ装置を待機位置から動作位置に移動することができるように配置される。フィルムヒンジは、フィルタカートリッジの全体コストを低減する射出成形のような製造プロセスで容易に統合することができる。先述の代替的な実施形態では、ヒンジは、長形の押え装置の短い端面に形成してもよい。
【0029】
好ましい実施形態では、フィルタカートリッジは、押さえ装置を動作位置に固定するためのロック手段が設けられている。ロック手段は、押さえ装置が安定した動作位置を有さない場合に特に役立つ。一般的に、ロック手段は、押さえ装置の位置決めに関してフィルタカートリッジの信頼性を高める。
【0030】
好ましくは、ロック手段は、信頼性のある接続を確実にするために、少なくとも一対の相補的なロック要素を備える。好ましくは、一対の相補的なロック要素は、フォームフィッティング接続を提供する。有利な実施形態では、ロック要素の少なくとも1つは、押さえ装置に取り付けられているか若しくは押さえ装置と共に形成されていて、及び/又はロック要素の少なくとも1つは、ヘッド部に取り付けられているか、若しくはヘッド部と共に形成されている。
【0031】
好ましくは、一対の相補的なロック要素が、貫通孔に挿入可能な1つの押しボタンと1つの貫通孔から成る。代替的には、押しボタン及び相補的な容器を実装することもできる。
【0032】
代替的な実施形態では、押さえ装置は、上部容積内に緩く配置されている。特に、緩いとは、押さえ装置がヘッド部にもメッシュにも接続されていないことを意味する。そのような実施形態では、押さえ装置は、基本的に、メッシュのための重りであり、メッシュは、重力に起因して押し下げられる。これらの実施形態では、押さえ装置の組立ては、かなり簡単であり得る。特に、押え装置は、好ましくは球状である。このような形状は、押さえ装置がメッシュを損傷する可能性が減少する。
【0033】
押さえ装置が、好ましくは、ガラス又は金属、特にステンレス鋼から作られている。このような材料は、水と接触した場合に摩耗が非常に少ないため、フィルタカートリッジでの使用に非常に適している。また、通常ガラス及び金属はかなり高い密度を有するので、押さえ装置を小型にすることができる。押さえ装置の直径は、好ましくは、10mmから20mmの間である。
【0034】
本発明の課題は、先述したように、注入口ファンネルとフィルタカートリッジとを備えるろ過装置によっても解決される。ろ過装置は、さらに、注入口ファンネルを配置することができる容器を備えることができる。好ましくは、注入口ファンネルが、フィルタカートリッジが使用のために配置することができる台座を備える。
【0035】
本発明の課題は、以下のステップ、
a)ヘッド部を製造するステップ、
b)メッシュの押さえ装置を待機位置へ配置するステップ、
c)ヘッド部、特にヘッド部を上下逆さまに向けた状態で、下部リムにメッシュを取り付けるステップ、
d)ヘッド部とメッシュを処理媒体で充填した本体部に取り付けるステップ、
を含むフィルタカートリッジを製造する方法によっても解決される。
【0036】
ステップa)からd)は可能であるが、記載した順序で実行することはできない。例えば、ステップb)は、ステップc)又はステップd)の後に続いてもよく、特に、ヘッド部が、押さえ装置がヘッド部及びメッシュによって規定される上部容積内に導入することができるアパーチャを有する場合である。
【0037】
好ましい実施形態において、本方法は、さらに、ステップのe)待機位置から動作位置に押さえ装置を移動させるステップを含み、このステップでは、押さえ装置は、少なくとも部分的にメッシュと底部開口部との間に位置する。
【0038】
従って、ステップe)は、消費者で行うことができる、又は製造方法の一部とすることができる。後者の場合、ステップe)は、ステップc)の後、又はステップd)の後のいずれかで実行することができる。
【0039】
本方法の好ましい実施形態は、フィルタカートリッジ自体に関して先述した製造中に行われるステップを含む。
【0040】
本発明は、以下の
図1aから
図4に示す図面を参照して、実施例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1a】本発明によるヘッド部の第1の実施形態でのフィルタカートリッジの側面図
【
図1d】
図1aのフィルタカートリッジの断面側面図
【
図2a】本発明によるヘッド部の第2の実施形態の斜視図
【
図2b】押さえ装置が待機位置にある
図2aのヘッド部の側面図
【
図2c】押さえ装置が動作位置にある
図2aのヘッド部の側面図
【
図3a】本発明によるヘッド部の第3の実施形態の斜視図
【
図3b】押さえ装置が待機位置にある
図3aのヘッド部の断面側面図
【
図3c】押さえ装置が動作位置にある
図3aのヘッド部の断面側面図
【
図4】本発明によるヘッド部の第4の実施形態の概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1aから
図1dに示したフィルタカートリッジ1は、本体部3と、本体部3の上部に配置したヘッド部5とを備える。本体部3とヘッド部5は、ポリマー、特にPP又はPEからなる。
図1aでは、フィルタカートリッジ1が、ヘッド部5の下側の本体部5と共に、その動作方向で示されている。フィルタカートリッジ1は、ろ過装置内へ注入した水をろ過するために、前記方向でろ過装置(図示せず)内に配置されてもよい。
【0043】
本体部3は、わずかに先細りの側壁部7を有するフィルタカートリッジ1の主軸線Xに沿って管状に形成されている。本体部3は、
図1b及び
図1dで見られるように、側壁部7に沿って垂直に走るテーパ溝部9が設けられている。テーパ溝部9は、ろ過装置の舌状部と適合することにより、主軸線Xを中心として一定の向きでろ過装置内にフィルタカートリッジ1の設置を確実にする。
【0044】
本体部3の底部には、
図1bで見られるように4つのフット部11a、11b、11c、11dが主軸線Xを中心として対称に配置されている。フット部11a、11b、11c、11dは側壁部7と一体的に形成されている。フット部11a、11b、11c、11dの分離は、水平溝部13a、13b、13c及び13dによって達成されている。各フット部11a、11b、11c、11dは、丸孔の形態の1つの水出口15を有する。ろ過水は、水出口15を介して使用中のフィルタカートリッジ1を出ることができる。
【0045】
その上端部には、
図1dで見られるように、本体部3はヘッド部5のための台座17が設けられている。台座17は、基本的に形態が円形である上部開口部18を規定する。本体部3は、側壁部7で規定される本体容積BV、フット部11a、11b、11c、11d、溝部9、13a、13b、13c、13d、及び上部開口部18を備える。
【0046】
ヘッド部5は、下部セグメント19と移行部分23によって互いに接続されている上部セグメント21とを備える。下部セグメント19は、上部セグメント21よりも大きな断面を有する。ヘッド部5の移行部分23及びセグメント19、21は、ヘッド部5の円周壁部24を形成する。下部セグメント19の底部には、ヘッド部5は平坦なリング状の下部リム25が設けられている。下部リム25は、ヘッド部5の底部開口部26を規定する。底部開口部26は、基本的に円形である。
図1dで見られるように、下部リム25は、本体部分3の台座17上に配置されている。
【0047】
下部セグメント19は、基本的に切頭円錐形である。4つの水入口27は、
図1cで見られるように、下部セグメント19に設けられている。水入口27は、主軸線Xを中心として対称に配置されている。
【0048】
また、上部セグメント21は、基本的に切頭円錐形であり、フィルタカートリッジ1がユーザーによって把持することができる対向する2つの凹部29を有する。上端では、上部セグメント21が、ほぼ水平な上壁部31によって閉じられている。上壁部31は、
図1cで見られるように、4つの空気出口33が設けられている。空気出口33は主軸線Xを中心として左右対称に配置されている。全ての空気出口33は、それぞれの吸水口27よりも高く配置されていて、ここでの場合と同様に、それらは理想的にはヘッド部5の最も高い位置に配置されている。
【0049】
ヘッド部5は、セグメント19、21、移行セグメント23、上壁部31及び底部開口部26によって規定されるヘッド容積HVを備える。
【0050】
上壁部31は、リング状のピン座部36で囲まれた中央アパーチャ35が設けられている。ピン37が前記アパーチャ35内に配置されていて、このピン37は本発明に従う押さえ装置である。
図1dでは、ピン37が、その動作位置に記載されている。前記動作位置では、ピン37は、底部開口部26を貫通し、部分的にヘッド容積HVから出て、体積BV内に入る。
【0051】
ピン37は、十字形の断面を持つ主梁部39を有する。上部ディスク41及び下部ディスク43は、その両端で主梁部39と一体的に形成されている。上部ディスク41は、ピン37がヘッド容積HV内に完全に入ることを禁止するピン座部36上に載置する。下部ディスク43はドーム形状である。
【0052】
フィルタカートリッジ1は、基本的にヘッド容積HV及び本体容積BVからなる内部容積IVを有する。メッシュ45は、内部容積IV内に配置されていて、ヘッド部5の下部リム25に取り付けられている。メッシュ45は、ドーム形状であり、ポリマー、特にPET、PA、PP又はPEから作られたメッシュ材料からなる。メッシュ45は、内部容積IVを、メッシュ45及びヘッド部5、特にセグメント19、21、移行セグメント23及び上壁部31によって規定される上部容積UV、及びメッシュ45及び底部3によって規定される下部容積LV、特に側壁部7、フット部11a、11b、11c、11d及び溝部9、13a、13b、13c及び13dに分離する。
【0053】
水処理媒体(図示せず)、すなわち、イオン交換樹脂及び/又は活性炭は、下容積LVに配置されている。
【0054】
製造中、ヘッド部5が、第1ステップにおいてピン37なしで形成される、即ち、射出成形によって成形される。第2のステップでは、メッシュがヘッド部5に取り付けられている。第2のステップについては、ヘッド部5が、好ましくは、底部開口部26が上方に向けられているように逆さまに配置されている。次いで、コイルから生じるメッシュ材料が、リム25の上部に配置されている。その後、メッシュ材料をヘッド部5と接続するために、ドーム形状の部分を有するソノトロードが、メッシュ材料の下方へ移動する。その結果、ドーム形状の部分が、メッシュ材料をヘッド容積HV内へ押し込む。ソノトロードは、それから、メッシュ材料をリム25に溶接し(超音波溶接)、そして残りのメッシュ材料からメッシュ45を切り出す。次のステップにおいては、メッシュ45を有するヘッド部5が、本体部3に取り付けられていて、先に水処理媒体が充填されている本体部3と接続されている。最後に、ピン37は、中央アパーチャ35を通ってヘッド部5に挿入されている。挿入の間、ピン37は、
図1dに示した位置でスナップオーバーし、終わるまで、メッシュ45を下方に押し込む。その下部ディスク43のドーム形状により、ピン37が挿入中にメッシュ45を損傷する可能性は極めて可能性が低い。使用中、ピン37は、メッシュ45が上方にスナップバックすることを妨げていて、これはメッシュ閉塞(英語:mesh blockades)の発生を減少させる。
【0055】
図2a、
図2b及び
図2cは、フィルタカートリッジのメッシュ45と同様にヘッド部5のみを示す。ヘッド部5は、略切頭円錐形状を有し、円周壁部24、下部リム25及び略水平な上壁部31を備える。上壁部31は、4つの空気出口33が設けられている。ヘッド部5は、ポリマー、特にPP又はPEからなる。
【0056】
その底部側には、ヘッド部5は、ヘッド部5の下部リム25によって規定した底部開口部26が設けられている。
図2a、2b及び2cに示す実施形態では、底部開口部26は円形状を有する。他の実施形態では、底部開口部26が、3次元のものであっても、他の形状を有してもよい。下部リム25、円周壁部24、及び上壁部31と共に、底部開口26は、ヘッド容積HVを規定する。
【0057】
メッシュ45は、下部リム25でヘッド部5に取り付けられている。ヘッド部5の製造中、ソノトロードのドーム形状の部分は、メッシュ45が下部リム25に固定される前に、メッシュ45をヘッド容積HV内に押し込む。この結果、メッシュ45自体がドーム形状となる。
【0058】
押さえ装置としての2つのアーチ53、55は、最初に、円周壁部24の一体部分として形成されている。アーチ53、55は、一般的に薄く、細長い形態を有する。それらは、それぞれ、円周壁部24の残りの部分から切り取られ、それによって、アーチ53、55のそれぞれの長手方向側面に沿って2つのスリット61a、61b、61c、61dを形成し、一方、それらは、それらの2つの短端又は端面57、59の両方で、円周壁部24の残りの部分に取り付けられる(図面では、各アーチ53、55の一方の端部のみが示されている)。アーチ53、55の端部57、59と円周壁部24との間の接続は、一体ヒンジ(フィルムヒンジ)によって達成されている。
【0059】
図2a及び2bでは、アーチ53、55は、それらの待機位置に配置されている。ヘッド部5の材料及びそれらの形態により、アーチ53、55は、待機位置から、
図2cに示されるそれらの動作位置に移動することができる。これは、アーチ53、55をヘッド容積HV内に押し込むことによって達成することができる。その結果、アーチは、曲げられ、一体ヒンジの周りで旋回され、最終的にスナップオーバーする。アーチ53、55は、一斉に、又は個々に動かすことができる。
【0060】
アーチ53、55がそれらの動作位置に移動すると、それらは、円周壁部24内の2つの水入口27を開口する。待機位置では、水入口27は、アーチ53、55によってほとんど閉鎖され、先述のスリット61a、61b、61c、61dのみを開放したままである。
【0061】
他の実施形態では、ヘッド部5の製造直後にスリットが存在しなくてもよい。当該実施態様において、アーチ53、55は、最初に、それらの端部57、59だけでなく、それらの長く伸びた延長部に沿って、円周壁部24の残りの部分に接続されている。この追加的な接続は、アーチ53、55が、初めてその動作位置に移動したときに壊れるように薄く、又は穿孔する、フィルタカートリッジのオリジナリティシールを作成することができる。動作位置への初期移動の後、アーチ53、55は、それらの端部57、59においてのみ円周壁部24に再び取り付けられる。
【0062】
アーチ53、55と同様に、メッシュ45自体は、
図2b及び
図2cに示される位置にスナップオーバーするまで、下方へ且つヘッド容積HVから外へ押し進めることができる。これは、アクシデントによって起こり得るか、又はアーチ53、55がそれぞれの動作位置に移動することによって達成することができる。
【0063】
動作位置において、アーチ53、55が、底部開口部26を貫通し、部分的にヘッド容積HVから出る。前記動作位置において、アーチ53、55は、メッシュが
図2bに示される位置にスナップバックすることを妨げる。
【0064】
待機位置及び動作位置の両方は、アーチ53、55の安定位置であり、その中で、例えば、搬送の際又はろ過装置への挿入の際に、フィルタカートリッジ全体に通常適用される力は、アーチ53、55の位置を変更するのに十分ではない。
【0065】
図3a、
図3b及び
図3cは、本発明の第3の実施形態のヘッド部5を示す。ヘッド部5は、再び、下部セグメント19と、2つのインデント27と同様に移行セグメント23によって互いに接続された上部セグメント21とを備える。
【0066】
2つの溝71、73は、ヘッド部5で対称に形成されている。
図3b及び
図3cは、ヘッド部5の断面図を示す。薄くて細長い形態の2つのアーム75、77は、
図3bでのそれらの待機位置においてヘッド容積HVの内側に位置していて、アーム75、77は押さえ装置である。アーム75、77はそれぞれ、溝部71、73のうちの1つの底部を形成する。アーム75、77は、幾つかのフィルムヒンジによって、各々折り畳み可能である。アーム75、77の各々は、2つのロック要素を有する。2つの係止要素は、押しボタン79a、79bであり、1つはアーム75、77のそれぞれとともに形成され、2つは貫通孔81a、81bであり、1つはアーム75、77のそれぞれに1つずつ形成されている。押しボタン79a、79b及び貫通孔81a、81bは、アーム75の押しボタン79aが、フォームフィット接続を形成するアーム77の貫通孔81bに入ることができるように、相補的である。押しボタン79b及び貫通孔81aについても同様である。
【0067】
アーム75、77がそれらの待機位置からそれらの動作位置に移動させられると、それらは、押しボタン79a、79b及び貫通孔81a、81bが相互作用して前記フォームフィット接続を生成するまで曲げられる。
図3cは、押しボタン79a、79b及び貫通孔81a、81bが互いに係合した状態でのそれらの動作位置におけるアーム75、77を示す。アーム75、77は、前記フォームフィット接続によってそれらの動作位置に保持されている。
【0068】
それらの動作位置において、アーム75、77はヘッド部5の底部開口部26を貫通する。その結果、ヘッド部5のリム25に取り付けられたメッシュ45が、上方に曲がってヘッド容積HV内に入ることが妨げられている。
【0069】
ヘッド部5の別の実施形態は、
図4に示されている。ヘッド部5は、下部円筒部91と、上壁部31によって上部で閉じられた上部円筒部93とを備える。下部円筒部91は、底部開口26並びに水入口27及び空気出口(
図4では不図示)を規定する下部リム25が設けられている。
【0070】
ドーム形状のメッシュ45が、ヘッド部5の下部リム25に再び取り付けられている。
図4に示される実施形態は、ステンレス鋼からなる小さな球状のボール97の形態の押さえ装置を備える。ボール97は、ヘッド部5及びメッシュ45によって規定される上部容積UV内で自由に動くことができる。製造中、メッシュ45が下部リム25の上で製造される前に、ボール97がヘッド容積HV内へ挿入される。製造中にヘッド部5を逆さにしておくと、ボール97は、上壁部31の近くのどこかで静止し、メッシュ45が切断されて下部リム25に溶接されている間、そこに留まることができる。このように、ボール97は製造ステップを妨げない。したがって、製造中、ボール97は、ヘッド容積HVの内側の無限の待機位置の1つに位置する。
【0071】
メッシュ45が下部リム25に取り付けられた後、ヘッド部5は
図4に示される方向に回転することができ、ボール97をその待機位置から図示したような動作位置に移動させ、その中で、押さえ装置は、少なくとも部分的にメッシュ45と底部開口部26との間に位置する。ボール97は、上部容積UV内に緩く配置されているので、通常の使用時に位置を変えることができる。したがって、この実施形態における押え装置は、無限の動作位置を有する。
【0072】
メッシュ45がリム25に取り付けられているので、ボール97も上部容積UVから出ることができない。次いで、ヘッド部5を、水処理媒体が既に充填された本体部3(ここでは図示せず)に取り付けることができる。その重量に起因して、ボール97は、フィルタカートリッジの通常の使用中、メッシュ45を下に保持することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 フィルタカートリッジ
3 本体部
5 ヘッド部
7 側壁部
9 テーパ溝部
11a フット部
11b フット部
11c フット部
11d フット部
13a 水平溝部
13b 水平溝部
13c 水平溝部
13d 水平溝部
15 水出口
17 台座
18 上部開口部
19 下部セグメント
21 上部セグメント
23 移行セグメント
24 円周壁部
25 下部リム
26 底部開口部
27 水入口
29 凹部
31 上壁部
33 空気出口
35 アパーチャ
36 ピン座部
37 ピン
39 主梁部
41 上部ディスク
43 下部ディスク
45 メッシュ
53 アーチ
55 アーチ
57 端部
59 端部
61a スリット
61b スリット
61c スリット
61d スリット
71 溝部
73 溝部
75 アーム
77 アーム
79a 押しボタン
79b 押しボタン
81a 貫通孔
81b 貫通孔
91 上部円筒部
93 下部円筒部
97 ボール
BV 本体容積
HV ヘッド容積
IV 内部容積
LV 下容積
UV 上容積
X 主軸線
【国際調査報告】