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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
H05H1/46 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502602
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2020009429
(87)【国際公開番号】W WO2021010782
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086585
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ-ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ユン ソク
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084BB02
2G084BB33
2G084CC04
2G084CC13
2G084CC32
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD23
2G084DD40
2G084DD62
2G084FF21
(57)【要約】
本発明の一実施例によると,プラズマ処理装置は,プロセスガスが供給される内部空間を形成するチェンバと,前記内部空間に設置されて基板を支持する基板ホルダと,前記基板ホルダの上部に位置する誘電体ウィンドウと,前記誘電体ウィンドウの外側に設置されて前記内部空間に供給された前記プロセスガスから誘導プラズマを生成するアンテナと,前記アンテナと前記誘導プラズマとの間に設置される金属シールドと,を含む。
【選択図】図4


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスガスが供給される内部空間を形成するチェンバと,
前記内部空間に設置されて基板を支持する基板ホルダと,
前記基板ホルダの上部に位置する誘電体ウィンドウと,
前記誘電体ウィンドウの外側に設置されて前記内部空間に供給された前記プロセスガスから誘導プラズマを生成するアンテナと,
前記アンテナと前記誘導プラズマとの間に設置される金属シールドと,を含むプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記金属シールドは前記アンテナと対応する形状であり,
前記金属シールドはフローティングされる請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記金属シールドは前記アンテナと対応する形状であり,
前記金属シールドは接地される請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記誘電体ウィンドウは,
上部面から窪み,前記金属シールドと前記アンテナが内側から順番に収容される収容空間と,
下部面から窪み,前記アンテナと同じ高さに位置して前記収容空間の間に前記誘導プラズマが生成される生成空間と,を有し,
前記収容空間及び前記生成空間は前記誘電体ウィンドウの中心から周縁に向かって交互に配置される請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記アンテナは,
第1直径を有する環状の第1アンテナと,
前記第1直径より大きい第2直径を有する環状の第2アンテナと,を備え,
前記収容空間は,
前記第1アンテナが収容可能な環状の第1収容空間と,
前記第2アンテナが収容可能な環状の第2収容空間と,を有する請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記金属シールドは,前記アンテナの中心から放射状に形成される複数のスリットを有する請求項1記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記アンテナと前記金属シールドとの間に設置される絶縁シールドを更に含む請求項1記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ処理装置に関し,より詳しくは,アンテナコイルとプラズマとの間の容量性カップリングによるウィンドウの損傷を防止するプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
RFプラズマは集積回路,平板ディスプレイ,及びその他のデバイスの製造に使用される。RFプラズマソースは,一般に多様なプロセスガス内で,そして相異なる条件下で安定したプラズマを持続させるべきである。
【0003】
このようなプラズマ処理要件を獲得するためのプラズマソースが知られており,誘導結合プラズマ(Inductively coupled plasma,ICP)ソースは標準の13.56MHzのRF電源を利用して高密度のプラズマを生成する。なお,良好なプラズマ制御と高いプラズマ密度を提供するために多重コイルICPソースを利用することが知られている。例えば,一つ以上のコイルが誘電体ウィンドウの上部に配置され,RF電源から電力が供給される。
【0004】
しかし,ICPソースの場合,コイルに印加された非常に高い電圧のためICPソースとプラズマとの間に容量性カップリング(capacitive coupling)が起こって誘電体ウィンドウに損傷(erosion)を引き起こし,それによって装備の管理コストが増加してプロセスの収率が悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は,誘電体ウィンドウの損傷を防止するプラズマ装置を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は,高密度のプラズマを生成するプラズマ装置を提供することにある。
【0007】
本発明のその他の目的は,下記発明の詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によると,プラズマ処理装置は,プロセスガスが供給される内部空間を形成するチェンバと,前記内部空間に設置されて基板を支持する基板ホルダと,前記基板ホルダの上部に位置する誘電体ウィンドウと,前記誘電体ウィンドウの外側に設置されて前記内部空間に供給された前記プロセスガスから誘導プラズマを生成するアンテナと,前記アンテナと前記誘導プラズマとの間に設置される金属シールドと,を含む。
【0009】
前記金属シールドは前記アンテナと対応する形状であり,前記金属シールドはフローティングされる。
【0010】
前記金属シールドは前記アンテナと対応する形状であり,前記金属シールドは接地される。
【0011】
前記誘電体ウィンドウは,上部面から窪み,前記金属シールド及び前記絶縁シールドと前記アンテナが内側から順番に収容される収容空間と,下部面から窪み,前記アンテナと同じ高さに位置して前記収容空間の間に前記誘導プラズマが生成される生成空間と,を有し,前記収容空間及び前記生成空間は前記誘電体ウィンドウの中心から周縁に向かって交互に配置される。
【0012】
前記アンテナは,第1直径を有する環状の第1アンテナと,前記第1直径より大きい第2直径を有する環状の第2アンテナと,を備え,前記収容空間は,前記第1アンテナが収容可能な環状の第1収容空間と,前記第2アンテナが収容可能な環状の第2収容空間と,を有する。
【0013】
前記金属シールドは,前記アンテナの中心から放射状に形成される複数のスリットを有する。
【0014】
前記基板処理装置は,前記アンテナと前記金属シールドとの間に設置される絶縁シールドを更に含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例によると,コイルに印加される非常に高い電圧による容量性カップリングを防止し,それによって誘電体ウィンドウの損傷を防止する。また,アンテナが収容される収容空間の間にプロセスガスが供給される生成空間を提供して高密度のプラズマを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一般的なプラズマ処理装置において,アンテナコイルによって生成されるプラズマとシースを示す図である。
図2図1に示したアンテナコイルに印加される電圧の変化を示す図である。
図3図1に示したアンテナコイルに印加される電圧と誘電体ウィンドウの損傷を示す図である。
図4】本発明の一実施例によるプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図5図4に示した誘電体ウィンドウに収容されるアンテナコイルと絶縁シールド及び金属シールドを示す図である。
図6図4に示したアンテナコイルによって形成される磁場を示す図である。
図7図4に示した金属シールドを示す図である。
図8図4に示した金属シールドを示す図である。
図9図4に示した誘電体ウィンドウに収容されるアンテナコイルと絶縁シールド及び金属シールドを示す他の実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,本発明の好ましい実施例を添付した図1及び図9を参照してより詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形されてもよく,本発明の範囲が以下で説明する実施例に限ると解釈されてはならない。本実施例は,本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示した各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0018】
図1は,一般的なICPプラズマ処理装置において,アンテナコイルによって生成されるプラズマとシースを示す図である。図1に示したように,基板はフォーカスリング(focus ring)の上に置かれ,誘電体ウィンドウは基板の上部に位置する。プロセスガスは基板を基準に上部及び側部から供給され,アンテナコイルは誘電体ウィンドウの上部に設置されてプロセスガスからプラズマを生成する。アンテナコイルは中央部に位置する一端がRF電源に連結され,周縁部に位置する他端が接地される。但し,これとは異なって,アンテナコイルは周縁部に位置する他端がRF電源に連結され,中央部に位置する一端が接地されてもよく,アンテナコイルと接地との間にキャパシタが介在されてもよい。
【0019】
この際,プラズマは基板の上部にドーナッツ(donut)状に形成されるが,この過程でアンテナコイルに印加された非常に高い電圧はプラズマと容量性カップリングを発生させ,シース(sheath)が誘電体ウィンドウの下部中央に強く形成される。
【0020】
図2図1に示したアンテナコイルに印加される電圧の変化を示す図であり,図3図1に示したパンケーキ状のアンテナコイルに印加される電圧と誘電体ウィンドウの損傷を示す図である。図2に示したように,アンテナコイルに印加される電圧はRF電源に連結される一端が最も高く,接地された他端が0Vになり,電圧は一端から他端に至るまで漸進的に減少することが分かる。つまり,図3に示したように,一端に当たる1番部分が最も高い電圧を示し,他端に当たる6番部分が最も低い電圧を示す。
【0021】
また,誘電体ウィンドウは,高い電圧を示す1番/2番部分で損傷程度が大きく,低い電圧を示す5番/6番部分で損傷程度が小さいことが分かる。ちなみに,図3において上端左側はアンテナコイルの形状を示し,上端右側は誘電体ウィンドウの厚さを図式的に示す。
【0022】
前記内容をまとめると,アンテナコイルのうち高い電圧が印加される部分で容量性カップリングによるシースが形成され,それによって誘電体ウィンドウがスパッタリングなどによって損傷する問題があるが,逆にアンテナコイルのうち低い電圧が印加される部分では誘電体ウィンドウの損傷が比較的少ないことが分かる。よって,誘電体ウィンドウの損傷を防止するためにシースの形成などを制限する必要がある。
【0023】
図4は本発明の一実施例によるプラズマ処理装置を概略的に示す図で,図5図4に示した誘電体ウィンドウに収容されるアンテナコイルと絶縁シールド及び金属シールドを示す図である。図4に示したように,チェンバ310はプロセスガスが供給される内部空間302を有し,基板ホルダ304は内部空間302内で半導体ウェハのような基板306を支持する。誘電体ウィンドウ350は基板ホルダ304の上部に位置し,基板306と実質的に平行に配置される。
【0024】
誘電体ウィンドウ350は,収容空間352A,352B,352C及び生成空間354A,354B,354Cを有する。収容空間352A,352B,352Cは誘電体ウィンドウ350の上部面から窪んで形成され,生成空間354A,354B,354Cは誘電体ウィンドウ350の下部面から窪んで形成される。図4に示したように,生成空間354A,354B,354Cと収容空間352A,352B,352Cは誘電体ウィンドウ350の中心から周縁に至るまで交互に配置され,後述するアンテナコイル340A,340B,340Cの形状と対応する形状を有する。
【0025】
アンテナコイル340A,340B,340Cは収容空間352A,352B,352C内に収容されて最内側の生成空間354Aの外側に配置される。RF電源及び整合器(matcher)がアンテナコイル340A,340B,340Cの一端に連結されて電力(周波数は略13.56MHz)を供給し,他端は接地される。但し,本実施例とは異なって,他端がキャパシタに連結されキャパシタが接地されてもよく,複数のRF電源及び整合器がアンテナコイル340A,340B,340Cにそれぞれ連結されて個別に電力を供給してもよい。
【0026】
図4に示したように,アンテナコイル340A,340B,340Cはそれぞれ誘電体ウィンドウ350の中心を基準にするシリンダ状(らせん状)であるか環状であり,互いに分離された多重アンテナコイルが使用されて,整合器を介してアンテナコイルの間の電力分布が決定される。つまり,例えば,アンテナコイル340Aは第1直径D1を有するシリンダ状であるか環状であり,アンテナコイル340Bは第2直径D2を有するシリンダ状であるか環状である。アンテナコイル340Cは第3直径D3を有する多段環のシリンダ状であるか環状である。
【0027】
詳しくは,ICPソースは基板の上部に位置する環状の平面型ICP(planar ICP)と基板の周りに位置するシリンダ状のICP(cylindrical ICP)に分類されるが,図4に示したシリンダ状のアンテナコイルは両者を混合したハイブリッド型に分類される。つまり,上述したシリンダ状のアンテナコイルは基板の上部に位置するがシリンダ状を有し,シリンダ状のICPと類似した方式でプラズマが生成される。その理由はICPソース(またはアンテナコイル)と基板との距離を短縮し,独立した3つのICPソースによって工程の均一度(uniformity)を確保しようとすることであり,そのような方式によってギャップ(gap)が50mm以下である場合でも均一度を調節することができる。それに対し,従来のICPソースはギャップが150mm以上である。
【0028】
図6は,図4に示したアンテナコイルによって形成される磁場を示す図である。上述したアンテナコイル340A,340B,340Cに電力が供給されたらアンテナコイル340A,340B,340Cは磁場を形成するが,図6に示したように,アンテナコイル340A,340B,340Cの環の中心に強い磁場が形成され,相対的にアンテナコイル340A,340B,340C環の下部には弱い磁場が形成されることが分かる。
【0029】
一方,本実施例では多重アンテナコイルを例に挙げて説明しているが,図1及び図3に示した一つのパンケーキ状のアンテナコイルが使用されてもよい。
【0030】
金属シールド332A,332B,332C及び絶縁シールド334A,334B,334Cは収容空間352A,352B,352C内に収容され,絶縁シールド334A,334B,334Cは金属シールド332A,332B,332Cとアンテナコイル340A,340B,340Cとの間に介在されて互いに絶縁される。
【0031】
図7及び図8は,図4に示した金属シールドを示す図である。上述した多重アンテナコイルの場合,収容空間352A,352B,352Cと生成空間354A,354B,354Cは第1乃至第3直径をそれぞれ有する環状であり,図7に示したように,金属シールド332A,332B,332Cも第1乃至第3直径をそれぞれ有する環状である。
【0032】
絶縁シールド334A,334B,334Cは金属シールド332A,332B,332Cと同じ形状であるか,金属シールド332A,332B,332Cを包む絶縁テープ状である。または,金属シールド332A,332B,332Cとアンテナコイル340A,340B,340Cを離隔する方式で互いを絶縁してもよい。
【0033】
アンテナコイル340A,340B,340Cによって半径方向(または中心方向)に形成される磁場は図7に示した金属シールド332A,332B,332Cによって影響を受けないため,プラズマはアンテナコイル340A,340B,340Cの中心方向に位置する生成空間354A,354B,354C内で円滑に生成される。しかし,アンテナコイル340A,340B,340Cによって下部方向(または中心方向)に形成される磁場は金属シールド332A,332B,332Cによって進行できないため,アンテナコイル340A,340B,340Cの下部で生成されるプラズマの効率は減少される。よって,図8に示したように,金属シールド332A,332B,332Cは複数のスリットを有し,スリットは中心から放射状に配置される形状である。スリットはアンテナコイル340A,340B,340Cによって形成される磁場が通過する空間を提供し,図7に示した金属シールド332A,332B,332Cに比べプラズマの効率を改善する。
【0034】
誘電体ウィンドウ350は同心円状に配置される複数のノズル口355A,355B,355Cを有し,それぞれのノズル口355A,355B,355Cは生成空間354A,354B,354Cの上部に位置する上部壁をそれぞれ貫通して生成空間354A,354B,354Cと連通する。側部ノズル320は誘電体ウィンドウ350とチェンバ310との間に設置される。ノズル口355A,355B,355Cは別途のガス供給ラインを介して供給されるプロセスガスを生成空間354A,354B,354Cにそれぞれ噴射し,側部ノズル320は内部空間302のうち基板306の上部に向かってプロセスガスを噴射する。
【0035】
以下,図4及び図5を参照して,プラズマ処理装置の作動方式で説明する。基板306が基板ホルダ304によって支持された状態で,ノズル口355A,355B,355C及び側部ノズル320はプロセスガスを供給し,RF電源及び整合器はアンテナコイル340A,340B,340Cに電力を供給する。よって,後述するように,プラズマは生成空間354A,354B,354C内で主に形成されて内部空間302に拡散するが,それによって基板に対するプロセスが行われる。
【0036】
この際,導電性材質の金属シールド332A,332B,332Cは接地されるが(図5を参照),接地された金属シールド332A,332B,332Cは位置に関わらず0Vになるため,容量性カップリングによるシースが形成されないだけでなく,誘電体ウィンドウ350の損傷が防止される。言い換えれば,アンテナコイル340A,340B,340Cのうち高い電圧が印加される部分や低い電圧が印加される部分に関わらず,アンテナコイル340A,340B,340Cの下部に位置する金属シールド332A,332B,332Cが接地されて容量性カップリングが発生しない。
【0037】
それに対し,上述したように,強い磁場はアンテナコイル340A,340B,340Cの中心方向で形成されるため,プラズマはアンテナコイル340A,340B,340Cの中心方向に位置する生成空間354A,354B,354C内で円滑に生成される。つまり,図5に示したように,A区域ではB区域に比べ相対的に高密度のプラズマが生成される。
【0038】
図9は,図4に示した誘電体ウィンドウに収容されるアンテナコイルと絶縁シールド及び金属シールドを示す他の実施例である。前記とは異なる実施例であって,金属シールド332A,332B,332Cはフローティングされ,フローティングされた金属シールド332A,332B,332Cは位置に関わらず等電位を形成するようになって,位置によって高い電圧が印加される部位がなくなり,全ての位置で同じ電位が形成される。よって,高い電位が形成される部位に集中する容量性カップリングの効果を減少することができ,それによって誘電体ウィンドウ350がスパッタリングなどによって損傷する問題を解決することができる。また,アンテナコイルと接地との間にキャパシタ(balanced capacitor)が連結されてバランス状態(balanced condition)になる場合,アンテナコイルは中央を起点に(+)電位と(-)電位に分けられるが,フローティングされた金属シールドは全体電位の和である0Vになる。よって,この場合,フローティングされた金属シールドは接地された金属シールドと同じ効果を有する。
【0039】
結論的に,アンテナコイル340A,340B,340Cのうち高い電圧が印加される部分や低い電圧が印加される部分に関わらず,アンテナコイル340A,340B,340Cの下部に位置する金属シールド332A,332B,332Cがフローティングされて等電位を形成し平均電圧を有するようになって,容量性カップリングが発生しない。
【0040】
上述した説明によると,金属シールド332A,332B,332Cをアンテナコイル340A,340B,340Cと内部空間302(または基板306)の間に設置した状態で接地するかフローティングすることで,アンテナコイル340A,340B,340Cのうち高い電圧が印加される部分で発生する容量性カップリングとそれによるシースの形成を防止し,それによって誘電体ウィンドウ350の損傷を防止することができる。本実施例とは異なり金属シールド332A,332B,332Cは誘電体ウィンドウ350の下部に設置されてもよいが,この場合,絶縁シールド334A,334B,334Cは省略される。
【0041】
また,収容空間352A,352B,352Cと生成空間354A,354B,354Cの高さはアンテナコイル340A,340B,340Cの高さや金属シールド332A,332B,332C及び絶縁シールド334A,334B,334Cの高さ,プラズマの密度などを踏まえて決定される。
【0042】
本発明を好ましい実施例を介して詳細に説明したが,これとは異なる形態の実施例も可能である。よって,以下に記載の請求項の技術的思想と範囲は,好ましい実施例に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は,多様な形態の半導体の製造設備及び製造方法に応用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】