(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置
(51)【国際特許分類】
B60K 15/03 20060101AFI20220930BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20220930BHJP
B29C 65/70 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
B60K15/03 B
F02M37/00 301J
B29C65/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503861
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2020070434
(87)【国際公開番号】W WO2021013787
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515269659
【氏名又は名称】プラスチック・オムニウム・アドヴァンスド・イノベーション・アンド・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ・コアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルフリード・ルマソン
【テーマコード(参考)】
3D038
4F211
【Fターム(参考)】
3D038CA04
3D038CA15
3D038CC03
3D038CC04
3D038CC06
3D038CC20
4F211AG07
4F211AH06
4F211AH55
4F211TA08
4F211TC20
4F211TD02
4F211TN82
(57)【要約】
燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置。本発明は、燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)に関する。本発明によれば、この燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、燃料タンク(100)の前記壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)と、第1の端部(20)および第2の端部(21)を有する接合要素(2)と、前記止着要素(3)に対する前記第1の端部(20)の第1の連結手段(4)と、前記構成部品(1)に対する前記第2の端部(21)の第2の連結手段(5)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み(102)のある燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)であって、
- 前記燃料タンク(100)の前記壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)であって、前記厚み(102)の中に少なくとも部分的に貫入することができる止着要素(3)と、
- 第1の端部(20)および第2の端部(21)を有する接合要素(2)と、
- 前記止着要素(3)に対する前記第1の端部(20)の第1の連結手段(4)と、
- 前記構成部品(1)に対する前記第2の端部(21)の第2の連結手段(5)と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記止着要素(3)が正方形、多角形、長方形または円筒形のリングであり、好ましい実施形態によれば、前記止着要素が円筒形のリングであることを特徴とする、請求項1に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項3】
前記第1の連結手段(4)が、焼きばめ、リベット留め、ねじ切り、ねじ留め、クリップ留め、あり継ぎ、平ほぞ継ぎ、ドラフト継ぎまたは逆ドラフト継ぎなどのオスメス型の連結、さらに溶着、接着、シールを伴う機械的継手、オーバーモールドのタイプの連結の中から選ばれ、好ましくは前記第1の連結手段(4)がオーバーモールドであり、より好ましくはバイインジェクションによるオーバーモールドであることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項4】
前記第2の連結手段(5)が、焼きばめ、リベット留め、ねじ切り、ねじ留め、クリップ留め、あり継ぎ、平ほぞ継ぎ、ドラフト継ぎまたは逆ドラフト継ぎなどのオスメス型の連結、さらに溶着、接着、シールを伴う機械的継手、オーバーモールドのタイプの連結の中から選ばれ、好ましくは前記第2の連結手段(5)が溶着であることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項5】
前記止着要素(3)がプラスチック材料を含み、前記プラスチック材料が、ポリオレフィンを主体とするプラスチック材料の中から選ばれ、好ましくは、前記プラスチック材料がポリエチレンであり、より好ましくは、前記プラスチック材料が無水マレイン酸グラフトポリエチレンであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項6】
前記接合要素(2)がプラスチック材料を含み、前記プラスチック材料が、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリケトンまたはポリオレフィンを主体とするプラスチック材料の中から選ばれ、好ましくは前記プラスチック材料がポリアミドであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項7】
前記止着要素(3)が、前記燃料タンク(100)の前記壁(101)に融着できる部位(30)を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項8】
前記燃料タンク(100)の前記壁(101)が燃料不浸透層(103)を有すること、および前記インターフェース要素(3)が前記層(103)と接触しないことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)を備える燃料タンク。
【請求項10】
前記止着要素(3)が、前記燃料タンク(100)の前記壁(101)を貫通することなく、前記壁(101)と一体をなすことを特徴とする、請求項9に記載の燃料タンク。
【請求項11】
前記燃料タンク(100)の前記壁(101)が、ポリオレフィンを主体とする材料からなる層を含み、前記層の中に前記止着要素(3)が貫入する、請求項9または10に記載の燃料タンク。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(10)を備える燃料タンクの製造方法であって、
- 厚み(102)を有する燃料タンク(100)の壁(101)を供給するステップと、
- 前記厚み(102)の中に少なくとも部分的に前記止着要素(3)を貫入させて前記止着要素(3)を前記壁(101)と一体化させるステップと、
を少なくとも含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置および前記構成部品取着装置を備える燃料タンクに関する。より詳細には、本発明は、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置を備える燃料タンクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このために、各種の燃料タンクは、各々がそれに合わせて設計されるそれぞれの使用形態、およびそれぞれが満たさなければならない環境要件に応じて不浸透性および浸透性に関する規格全般を遵守するものでなければならない。ヨーロッパで、また世界中どこであっても、私たちは現在、環境への汚染拡大を抑えるための要件が大幅に強化される時代に立ち会っている。そのため、燃料タンクの設計は、様々な使用条件のもとで不浸透性および環境安全性をこれまで以上に保証できる技術へと急速な変貌を遂げている。
【0003】
一般に燃料タンクは、燃料を浸透させない材料からなる燃料バリア層であって、エチレンビニルアルコール(EVOH)のような樹脂であることが一般的な、バリア層を有している。EVOHは、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体を部分的に加水分解して得られる。多層構造の燃料タンクでは、燃料不浸透層は、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE、英語でhigh density polyethylene)のような熱可塑性材料などからなる燃料浸透性の2つの層の間に挟まれた中間層であるのが一般的である。
【0004】
構成部品取着装置は、特に燃料タンクにおいて使用することができる。その場合、構成部品は、別の成型工程によって成型されるのが一般的であり、タンク本体に溶接される必要がある。とりわけ、そうした構成部品は、適切な機械的強度をもってタンク本体に溶接されるだけでなく、燃料タンクの燃料不浸透バリアとしての性質が損なわれることなく溶接されなければならない。
【0005】
そのため、燃料タンクは、特に車両に搭載される燃料タンクの場合には、一般に燃料に対して不浸透性の他の構成部品に連結されるが、そのためにタンクの壁に複数の開口が存在することが必要となり、その周りに構成部品が取着される。それらの開口は、タンクの壁のバリア層に不連続部を生じることで燃料の漏洩や浸透のリスクをもたらすことになる。これは、構成部品の取着装置がタンク壁の燃料不浸透層と接することができず、そのために密閉された容積が形成されないためである。
【0006】
実際、タンクの壁の燃料不浸透層の正確な位置はわからず、構成部品の取着装置をタンク壁に深く挿入しすぎると、燃料不浸透層に穿孔するリスクが高まる。構成部品の不浸透層からタンクの壁の不浸透層までの距離は、タンクの壁の全厚や、タンクの壁の層厚の分布によって、さらにタンクの壁の製作にブロー成形法が用いられる場合には、その方法に固有の溶接ゾーンにおける壁の伸びによっても左右される。
【0007】
燃料の漏洩を制限するためには、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置と燃料タンクの壁の燃料不浸透層との間の空間によって画定される開口の周りの燃料の漏洩経路を、正確に知る必要がある。
【0008】
しかし、タンクの壁の厚さに含まれる燃料不浸透層の正確な位置はわからないため、その浸透経路が事前に特定されることはない。
【0009】
燃料浸透の原因となりかねない燃料タンクの壁のバリア層における不連続部をなくすために、また、燃料タンクの壁に対する取着装置の機械的強度を高めるために、従来技術ではすでに様々な解決法が提案されている。
【0010】
とりわけ、特許文献1では、燃料バリア層を含んだ構成部品を備える燃料用プラスチックタンクに対する構成部品の溶接法であって、燃料用プラスチックタンクに対する構成部品の前記溶接法の際に前記構成部品の前記燃料バリア層が前記プラスチックタンクの燃料バリア層に近接することによって、燃料に対する組立体のバリア性能を向上させる溶接法が開示されている。前記組立体は、前記構成部品と前記燃料用プラスチックタンクとによって構成される。この組立体には、前記組立体の2つの要素が非相容であることから、燃料用プラスチックタンクに対する前記構成部品の溶接を可能にするために、タンクに追加の外側層をもつという欠点がある。この組立体は、溶接可能な構成部品に追加の燃料バリア層を有すると同時に、溶接法の際の前記各要素の単なる並置によって生じる掛着面を有しており、それによって機械的強度の低下がもたらされる。
【0011】
特許文献2では、燃料タンクに溶接される構成部品と、オーバーモールドによって燃料タンクの壁に直接差し込まれるインサートと、を備え、前記インサートが燃料タンクの外壁内に全面的に差し込まれ、変性高密度ポリエチレンの外側層によって包まれたポリアミド製またはポリフタルアミド製のコアを有する燃料タンクが開示されている。この構成部品は、燃料タンクに溶接される構成部品の化学的相容性による溶接構成部品の取着に問題を生じる。実際、構成部品は、不意に外れることがないよう、期待される機械的強度を得るために燃料タンクとの間に化学的相容性を有することが必須である。さらに、燃料タンクへの取着に必要な構成部品の化学的相容性は、前記燃料タンクの燃料に浸透性をもたらす。そのため、その構成部品は、構成部品の内側面に貼り付けた追加的な燃料不浸透層が必要となるという欠点をもつ。したがって、前記インサートと前記構成部品とからなる組立体は、燃料タンクに複数の漏洩ルートを持ち、その複数の漏洩ルートは特に前記インサートと構成部品の追加的な前記燃料不浸透層との間に位置する。そこで、構成部品の高すぎる浸透性に対処するため、特許文献2では、タンクの壁に前記インサートを全面的に挿入しなければならない。それにより、その発明の実施にはパーツもステップも余計に必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0138210号明細書
【特許文献2】欧州特許第3124308号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】デビッド・グレウェル(David Grewell)著、「プラスチックス・アンド・コンポジッツ・ウェルディング・ハンドブック(Plastics and Composites Welding Handbook)」、(米国)、ハンザー・パブリケーションズ(Hanser Publications)、2003年4月24日、p.23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、特にそうした従来技術の欠点に対処することを目的とする。
【0015】
より詳細には、本発明の目的は、少なくともその実施形態の1つでは、必要とされる要素数の少ない燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置を提供することにあり、すなわち、それは取着装置に溶接される少なくとも1つの構成部品の取着装置で、燃料タンクの壁に対して相容でない性質をもつ。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、少なくともその実施形態の1つでは、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置であって、燃料タンクの壁の開口部の周りで機械的強度が高く、密閉性が改善された取着装置を、特に燃料の既存の浸透ルートや漏洩ルートを制限することによって、提供することをさらに目的とする。
【0017】
また、本発明は、その実施形態の1つでは、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置を含んだ燃料タンクを提供することをさらに目的とする。
【0018】
本発明の別の目的は、その実施形態の少なくとも1つでは、さらに、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の製造法を実施することにある。
【0019】
具体的実施形態によれば、本発明は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置に関する。
【0020】
本発明によれば、厚みのある燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、燃料タンクの前記壁と一体をなすことができる止着要素であって、前記厚みの中に少なくとも部分的に貫入することができる止着要素と、第1の端部および第2の端部を有する接合要素と、前記止着要素に対する前記第1の端部の第1の連結手段と、前記構成部品に対する前記第2の端部の第2の連結手段と、を備える。
【0021】
本発明の基本的な原理は、シールを用いることなく、燃料タンクの燃料浸透性の低さを保ちながら、構成部品の前記取着装置と燃料タンクの前記壁との間の機械的強度を最適化するところにある。さらに、本発明は、燃料タンクの壁と相容でない構成部品を取着できるようにするインターフェースを設けることを可能にする。したがって、この後者の原理は、あらゆる種類の構成部品をあらゆる種類の取着技法によって燃料タンクの壁に取着することを可能にするものである。本発明はまた、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の取得工程のステップ数を減らすことにより、燃料タンクの壁に対する構成部品のための装置の製造方法を最適化することもその基本の1つとしており、その数の減少によって燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の製造コストの削減がもたらされる。
【0022】
このように、本発明は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置であって、燃料タンクの壁と一体をなすことができる止着要素と、第1の端部および第2の端部を有する接合要素と、前記止着要素に対する前記第1の端部の第1の連結手段と、前記構成部品に対する前記第2の端部の第2の連結手段と、を備える取着装置を実現するための全く新しい発明的なアプローチに基づいている。
【0023】
「構成部品」という表現は、注入口、空気抜き弁、バルブ、またはポンプユニットのトップフランジのような(これら構成部品は参考例として挙げたもので、限定的なものではない)、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置に取着することができる各種構成部品を指す。
【0024】
「燃料タンクの前記壁と一体をなすことができる止着要素」という表現は、止着要素が燃料タンクの壁に向かう面を有すること、および前記止着要素が燃料タンクの壁に少なくとも部分的に止着され、好ましくは燃料タンクの壁に全面的に止着されることを意味する。
【0025】
「第1の端部および第2の端部を有する接合要素」という表現は、接合要素が止着要素と構成部品との間のインターフェースをなすことを意味する。換言すれば、この要素は、第1の端部に位置する第1の連結手段によって止着要素と接合することができ、第2の端部に位置する第2の連結手段によって構成部品と接合することができる。
【0026】
「第1の端部」という表現は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の接合要素の部位が燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の止着要素のあたりで終わることを意味する。
【0027】
「第2の端部」という表現は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の接合要素の部位が前記構成部品のあたりで終わることを意味する。
【0028】
「燃料タンクの壁と相容でない構成部品」という表現は、それら2つの要素、すなわち構成部品と燃料タンクの壁とが非相容であることを意味する。換言すれば、それらの要素は、互いに混和性に劣る物質からなるために、互いが連結することはできない。
【0029】
「それらの要素は、互いに混和性に劣る物質からなる」という表現は、それらの要素が混じり合って不均一な混合物を形成することができないことを意味する。そのため、それらの要素は互いに接合することができない。
【0030】
本発明によれば、この燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、燃料タンクの壁と一体をなすことができる少なくとも1つの止着要素と、前記止着要素に対する前記構成部品の接合を行うことができる少なくとも1つの接合要素と、を備え、止着要素は、前記接合要素を前記止着要素に連結することができる第1の連結手段を備え、接合要素は、前記構成部品を前記接合要素に連結することができる第2の連結手段を備える。
【0031】
それにより、この燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、シールも、燃料不浸透帯も追加的に使用することなく、構成部品の前記取着装置と燃料タンクの前記壁との間の高い機械的強度を得ることができる。したがって、本発明を構成する要素の数は少なくなり、それによって燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の製造工程のステップ数が減って、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の製造コストも削減されることになる。
【0032】
本発明によれば、この燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記止着要素の第1の連結手段に連結することができる第3の連結手段を含む接合要素を備える。
【0033】
その場合、この燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、様々な連結手段の間の連結を得ることを可能にするものであり、接合要素と燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の止着要素との連結を果たすためのより幅広い選択を可能にしつつ、機械的強度を最適化する。
【0034】
「第3の連結手段」という表現は、第1の連結手段の連結が相互的なものであることを意味する。換言すれば、第1の連結手段とは、接合要素と止着要素との連結を意味し、第3の連結手段とは、止着要素と接合要素との連結を意味する。
【0035】
有利には、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、止着要素が正方形、多角形、長方形または円筒形のリングであるものであり、好ましい実施形態によれば、止着要素は円筒形で、その直径はその高さよりも小さい。
【0036】
そのため、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の止着要素であって、正方形、多角形、長方形または円筒形のリングを形成し、好ましい実施形態では円筒形のリングを形成する止着要素は、その中心で空気や燃料のような流体を順流、逆流それぞれの方向に通過させることができる。円筒形のリングは製作が一段と容易であり、したがって前記円筒形のリングは、製造にかかわるコストを削減できる。製造にかかわるコストは、穿孔ステップとオーバーモールドステップとを同時に実施できることによって削減される。さらに、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の円筒形のリングでは、より高い密閉度と、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の製造時の組立て作業の容易さと、を得ることができる。
【0037】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記第1の連結手段が、焼きばめ、リベット留め、ねじ切り、ねじ留め、クリップ留め、あり継ぎ、平ほぞ継ぎ、ドラフト継ぎまたは逆ドラフト継ぎなどのオスメス型の連結、さらに溶着、接着、シールを伴う機械的継手、オーバーモールドのタイプの連結の中から選ばれ、好ましくは前記連結手段はオーバーモールドであり、より好ましくはバイインジェクションによるオーバーモールドであるものである。
【0038】
そのため、それらの連結技法は、燃料タンク組立体の密閉性を維持しつつ、互いに相容の、または相容でない材料からなる2つの要素の間の機械的強度を高めることができる。
【0039】
「オスメス型の連結」という用語は、2つの別個の部分からなる連結であって、その2つの別個の部分の端部が一方でオス部分の突出部を画定し、それが他方の対応するメス部分の窪所に挿入されるようにされた連結を意味する。
【0040】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記第1の連結手段および前記第3の連結手段が連結可能であり、前記連結が、焼きばめ、リベット留め、ねじ切り、ねじ留め、クリップ留め、あり継ぎ、平ほぞ継ぎ、ドラフト継ぎまたは逆ドラフト継ぎなどのオスメス型の連結、さらに溶着、接着、シールを伴う機械的継手、オーバーモールドのタイプの連結の中から選ばれ、好ましくは前記連結手段はオーバーモールドであり、より好ましくはバイインジェクションによるオーバーモールドであるものである。
【0041】
そのため、それらの連結技法は、燃料タンク組立体の密閉性を維持しつつ、互いに相容の、または相容でない材料からなる2つの要素の間の機械的強度を高めることができる。
【0042】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、オーバーモールドによって取着される。換言すれば、構成部品の前記取着装置は、壁の燃料不浸透層より手前に位置する表面を有する。そのため、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置を構成するそれらの要素の位置は、あらかじめ定められている。そのため、燃料の浸透経路は制限される。さらに、前記取着装置と燃料不浸透層との間の距離は、オーバーモールド工程の段階で制限される。
【0043】
そのため、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、2つの要素からなる単一部品として製作され、それによってコストは削減され、オーバーモールドの型における位置決めおよび保持は単純化される。
【0044】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記第2の連結手段が、焼きばめ、リベット留め、ねじ切り、ねじ留め、クリップ留め、あり継ぎ、平ほぞ継ぎ、ドラフト継ぎまたは逆ドラフト継ぎなどのオスメス型の連結、さらに溶着、接着、シールを伴う機械的継手、オーバーモールドのタイプの連結の中から選ばれ、好ましくは前記連結手段は溶着であるものである。
【0045】
そのため、それらの連結技法は、燃料タンク組立体の密閉性を維持しつつ、互いに相容の、または相容でない材料からなる2つの要素の間の機械的強度を高めることができる。
【0046】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記止着要素がプラスチック材料を含み、前記プラスチック材料が、ポリオレフィンを主体とするプラスチック材料の中から選ばれ、好ましくは、前記プラスチック材料がポリエチレンであり、より好ましくは、前記プラスチック材料が無水マレイン酸グラフトポリエチレンである。
【0047】
そのため、止着要素は、少なくとも部分的に燃料タンクの壁に止着することができ、好ましくは、燃料タンクの壁に全面的に止着され、それによって構成部品の前記取着装置と燃料タンクの前記壁との間の機械的強度を高めることができる。実際、止着要素は、燃料タンクの壁と相容性を有するプラスチック材料を主体とする。すなわち、本発明では、止着要素の構成材料は無水マレイン酸グラフトポリエチレンであり、燃料タンクの壁の構成材料は、高密度ポリエチレンである。
【0048】
「ポリオレフィンを主体とする」という表現は、止着要素が少なくとも50重量%のポリオレフィン、好ましくは75重量%のポリオレフィン、より好ましくは90重量%のポリオレフィン、最も好ましくは99重量%のポリオレフィンを含むことを意味する。
【0049】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記接合要素がプラスチック材料を含み、前記プラスチック材料が、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリケトンまたはポリオレフィンを主体とするプラスチック材料の中から選ばれ、好ましくは前記プラスチック材料がポリアミドであるものである。
【0050】
このように、接合要素は構成部品と相容性のあるプラスチック材料を主体としているため、接合要素は、様々な連結技法によってあらゆるタイプの構成部品と接合することができる。
【0051】
「ポリアミドを主体とする」という表現は、止着要素が少なくとも50重量%のポリアミド、好ましくは75重量%のポリアミド、より好ましくは90重量%のポリアミド、最も好ましくは99重量%のポリアミドを含むことを意味する。
【0052】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記接合要素がプラスチック材料を含み、前記プラスチック材料が、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリケトンまたはポリオレフィンを主体とするプラスチック材料の中から選ばれ、好ましくは前記プラスチック材料がポリフタルアミドであるものである。
【0053】
このように、接合要素は構成部品と相容性のあるプラスチック材料を主体としているため、接合要素は、様々な連結技法によってあらゆるタイプの構成部品と接合することができる。
【0054】
「ポリフタルアミドを主体とする」という表現は、止着要素が少なくとも50重量%のポリフタルアミド、好ましくは75重量%のポリフタルアミド、より好ましくは90重量%のポリフタルアミド、最も好ましくは99重量%のポリフタルアミドを含むことを意味する。
【0055】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記止着要素が、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の前記第1の連結手段よりも大きな寸法の少なくとも1つの部位であって、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の前記第1の連結手段とは反対側に配された部位を有するものである。
【0056】
そして、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、よりよい機械的止着を保証する特別な形状によって、高い機械的強度を得ることができる。
【0057】
「燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の前記第1の連結手段とは反対側に配された(前記止着要素の)部位」という用語は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の止着要素の下方部分を指す。
【0058】
下方または上方という概念は、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の最終的な位置関係に関して定義されるものであり、さらに構成部品の前記取着装置が取着された燃料タンクの壁を基準として定義される。要素の下方縁は、同じ要素の上方縁よりも燃料タンクの壁に近い。
【0059】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記止着要素が前記燃料タンクの前記壁に融着できる部位を含むものである。
【0060】
そのため、燃料タンクの壁に止着要素が融着されることによって、2つの要素の間の結合が強められて高い機械的強度を得ることができる。2つの要素とは、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の止着要素と、燃料タンクの前記壁と、である。
【0061】
「融着できる部位」という用語は、各々のプラスチック材料が、付加的な物質の追加の必要なしに溶着して合体できる化学種を含むことで、あるプラスチック材料が他のプラスチック材料と「化学的相容性」を有することを意味する。換言すれば、互いに化学的相容性を有するプラスチック材料は融着によって密に接合し、特に互いのポリマー鎖の分子の絡み合いをもたらすことができる。2つのプラスチック材料の溶接は、接触箇所で自着現象が起こる2つのプラスチック材料の接触として理解される。自着現象は、接触箇所に熱が加わることによって起こる。熱の作用によって2つの材料を溶接する作業を熱溶接という。以下では、「溶接」を「熱溶接」の同義語として使用する。
【0062】
あるプラスチック材料と別のプラスチック材料の「ポリマー鎖の分子の絡み合い」とは、2つのプラスチック材料が圧縮されて合体され、自着現象が起きる状態をいう。こうした自着現象は、強固な接合を形成するポリマーの界面越しの分子間拡散および分子鎖の絡み合いを記述するものである。表面エネルギーにかかわるものである粘着(または類似のものであるとないとにかかわらず、2つの材料の間の二次化学結合)とは異なり、自着は、類似した材料、すなわち化学的相容性のある材料のポリマー鎖における分子鎖の絡み合いや二次結合にかかわる。理想的な条件のもとでは、2つのポリマー材料の界面が2つのポリマー材料のそれぞれの母材と識別不能になったときに、拡散は完全となる。たとえば、2つの熱可塑性ポリマー材料の場合、その界面で熱可塑性ポリマー/熱可塑性ポリマーの接触を得た後、分子間の拡散と絡み合いを経ることで初めて、その過程を終えて正しく溶着を形成することができる。この自着現象については、たとえば非特許文献1に説明がある。
【0063】
別法の実施形態によれば、本発明の燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の前記第1の連結手段よりも大きな寸法の前記部位が、燃料タンクの壁に、好ましくは前記部位の少なくとも一部に、より好ましくは、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の前記第1の連結手段よりも大きな寸法の止着要素の部位の少なくとも1つの端部によって形成される一部に融着することができ、前記融着できる部位は、燃料タンクの前記壁の不浸透層と平行な面に内接する。
【0064】
そのため、止着要素の燃料タンクの壁に対する融着と、止着の独特な形状と、によって、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の、燃料タンクの前記壁に対する最適化された機械的強度が提供される。実際、この別法の実施形態では、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の、燃料タンクの前記壁に対する機械的強度を一段と高くすることができるが、それは、その機械的強度が、ここでは1つだけの方法によって得られるのではなく、2つの異なる方法が重ね合わされることによって得られるためである。
【0065】
「燃料タンクの前記壁の不浸透層と平行な面に内接する」という用語は、燃料タンクの壁に対する構成部品の前記取着装置の前記第1の連結手段よりも大きな寸法の部位であって、その端部で燃料タンクの壁に融着することができる部位が、止着要素において、燃料タンクの壁の燃料不浸透層と平行なセグメントを画定する部位であることを意味する。
【0066】
本発明によれば、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記燃料タンクの前記壁が厚みを有しており、前記止着要素が前記厚みの中に少なくとも部分的に貫入するものである。
【0067】
そのため、その貫入により、燃料タンクの浸透性の低さを保ちながら、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の、タンクの壁に対する高い機械的強度を得ることができる。
【0068】
本発明によれば、この燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、少なくとも部分的に燃料タンクの壁に止着された止着要素を備え、好ましくは、止着要素は燃料タンクの壁に全面的に止着される。
【0069】
そのため、その止着により、燃料タンクの浸透性の低さを保ちながら、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の、タンクの壁に対する高い機械的強度を得ることができる。
【0070】
好ましい実施形態によれば、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、前記燃料タンクの前記壁が燃料不浸透層を有し、かつ前記止着要素が前記層と接触しないものである。そのため、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、タンクの壁の不浸透層と前記取着装置との間に間隔のあるものである。好ましい実施形態では、燃料タンクの壁の燃料不浸透層と燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置との最短距離は数ミクロンである。
【0071】
そのため、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置から間隔をあけたタンク壁の不浸透層を有することにより、不浸透性に関するタンクの健全性を維持することができる。実際、燃料タンクの壁の不浸透層と燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置との間の距離を保持することにより、燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置は、燃料タンクの壁の不浸透層に穴を明ける危険を冒すことなく、燃料タンクの壁の中に貫入することができる。それによって、燃料漏れを起こす可能性のあるルートが減らされる。
【0072】
本発明の別の対象は、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置を備える燃料タンクを提供することにある。
【0073】
好ましい実施形態によれば、止着要素は、燃料タンクの壁を貫通することなく、前記壁と一体をなす。
【0074】
好ましい実施形態によれば、燃料タンクの前記壁は、ポリオレフィンを主体とする材料からなる層を含み、その層の中に止着要素が貫入する。
【0075】
好ましい実施形態によれば、燃料タンクの前記壁は、ポリオレフィンを主体とする材料からなる層の下に、エチレンビニルアルコールを主体とする材料などからなる燃料バリア層を備える。
【0076】
「燃料タンクの前記壁は、ポリオレフィンを主体とする材料からなる層の下に、燃料バリア層を備える」という表現は、燃料バリア層の方が、ポリオレフィンを主体とする材料からなる層よりも燃料タンクの内部容積部に近いことをいう。そのため、止着要素は、燃料バリア層と接触しないことがわかる。したがって、取着装置は、燃料バリア層によって確保されるタンクの密閉性が損なわれないようにすることができる。
【0077】
本発明は、
・厚みを有する燃料タンクの壁を供給するステップと、
・前記厚みの中に少なくとも部分的に前記止着要素を貫入させて前記止着要素を前記壁と一体化させるステップと、
を少なくとも含む燃料タンクの製造方法にも関する。
【0078】
本発明のその他の特徴および利点は、限定的でない参考例としてのみ示す好ましい実施形態および添付の図についての説明を読むことによって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1a】本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の図である。
【
図1b】本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の拡大図である。
【
図2】
図1aに示す本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の横断面図である。
【
図3】本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置が、燃料タンクの壁に部分的に止着された三角形の止着要素を備える、第2の具体的実施形態による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の横断面図である。
【
図4】本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置が、燃料タンクの壁に全面的に止着された三角形の止着要素を備える、第3の具体的実施形態による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の横断面図である。
【
図5】最も大きな寸法の止着要素の部位が燃料タンクの壁に対する止着要素の新たな融着ポイントを可能にする突出部を有する、本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の第4の具体的実施形態による横断面図である。
【
図6】本発明による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置が、止着要素によって囲われた三角形のコアによって第1の連結手段を画定する第1の端部を有する接合要素を備える、第5の具体的実施形態による燃料タンクの壁に対する構成部品の取着装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1と関連させながら、本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品の取着装置の実施形態を説明する。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品の取着装置は、構成部品(
図1aでは図示せず)と連結することができる接合要素(2)を備える。
【0081】
図1bは、
図1aに示した本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品の取着装置(10)の実施形態の拡大図を示す。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品の取着装置は、構成部品(
図1bでは図示せず)を第2の端部(21)に連結することができる第2の連結手段(5)を備える接合要素(2)を備える。
【0082】
図2は、
図1に示した本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の実施形態の横断面図を示す。取着装置(10)は、燃料タンク(100)の前記壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)と、前記止着要素への第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)と、を備え、前記連結手段(4)はバイインジェクションによるオーバーモールドである。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記接合要素(2)の第2の端部(21)を前記構成部品(1)に連結する第2の連結手段(5)を備え、前記第2の連結手段(5)は溶着である。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記タンク(100)の前記壁(101)に対する融着部位(30)を有する前記止着要素(3)をさらに備え、前記タンク(100)の前記壁(101)に対する前記融着部位(30)は、前記止着要素(3)における最大寸法の止着要素(3)の部位の少なくとも1つの端部によって形成される部位である。
図2に示した具体的実施形態では、前記装置の前記止着要素(3)は、前記タンク(100)の前記壁(101)との2つの融着ポイント(30)を有する。燃料タンク(100)の壁(101)はまた、前記止着要素(3)が少なくとも部分的にその厚み(102)の中に貫入するという意味において厚み(102)を有する。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)は、燃料タンク(100)の燃料不浸透層(103)と接触しない。
【0083】
図3は、本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の第2の具体的実施形態による横断面図を示したものである。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、燃料タンク(100)の壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)と、前記止着要素に対する第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)と、を備え、前記連結手段(4)はバイインジェクションによるオーバーモールドであることがわかる。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記接合要素(2)の第2の端部(21)を前記構成部品(1)に連結する第2の連結手段(5)を備え、前記第2の連結手段(5)は溶着である。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、タンク(100)の壁(101)に対する融着部位(30)を有する前記止着要素(3)をさらに備え、前記タンク(100)の前記壁(101)に対する前記融着部位(30)は、前記止着要素(3)における最大寸法の止着要素(3)の部位の少なくとも1つの端部によって形成される部位である。
図3に示した具体的実施形態では、前記装置の前記止着要素(3)は、前記タンク(100)の前記壁(101)との2つの融着ポイント(30)を有している。燃料タンク(100)の壁(101)はまた、前記止着要素(3)が少なくとも部分的にその厚み(102)の中に貫入するという意味において厚み(102)を有する。燃料タンク(100)の壁に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)は、燃料タンク(100)の燃料不浸透層(103)と接触しない。また、この具体的実施形態では、止着要素(3)は三角形をなす。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)の三角形の形状は、あくまでも参考例として、限定的でないものとして挙げたものである。実際、本発明による止着要素(3)は、台形、球形、らせん形、立方形、長方形など、またはそれ以外の、規則的もしくは不規則なあらゆる幾何学形状をとることができる。
【0084】
図4は、本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の第3の具体的実施形態による横断面図を示したものである。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、燃料タンク(100)の前記壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)と、前記止着要素に対する第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)と、を備え、前記連結手段(4)はバイインジェクションによるオーバーモールドであることがわかる。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記接合要素(2)の第2の端部(21)を前記構成部品(1)に連結する第2の連結手段(5)を備え、前記第2の連結手段(5)は溶着である。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、タンク(100)の壁(101)に対する融着部位(30)を有する前記止着要素(3)をさらに備え、前記タンク(100)の前記壁(101)に対する前記融着部位(30)は、前記止着要素(3)における最大寸法の止着要素(3)の部位の少なくとも1つの端部によって形成される部位である。
図4に示した具体的実施形態では、前記装置の前記止着要素(3)は、前記タンク(100)の前記の壁(101)との2つの融着ポイント(30)を有する。燃料タンク(100)の壁(101)はまた、前記止着要素(3)が全面的にその厚み(102)に貫入するという意味において厚み(102)を有する。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)は、燃料タンク(100)の燃料不浸透層(103)と接触しない。また、この実施形態では、止着要素(3)は三角形をなす。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)の三角形の形状は、あくまでも参考例として、限定的でないものとして挙げたものである。実際、本発明による止着要素(3)は、台形、球形、らせん形、立方形、長方形など、またはそれ以外の、規則的もしくは不規則なあらゆる幾何学形状をとることができる。
【0085】
図5は、本発明による燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の第4の具体的実施形態による横断面図を示したものである。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、燃料タンク(100)の前記壁(101)と一体をなすことができる止着要素(3)と、前記止着要素に対する第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)と、を備え、前記連結手段(4)はバイインジェクションによるオーバーモールドであることがわかる。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記接合要素(2)の第2の端部(21)を前記構成部品(1)に連結する第2の連結手段(5)を備え、前記第2の連結手段(5)は溶着である。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、燃料タンク(100)の壁(101)に向かう突出部であって、それによって燃料タンク(100)の壁(101)に対する止着要素(3)の新たな融着ポイント(30)と、燃料の漏洩経路の増大による組立体の浸透性の低さの増強とを可能にする突出部を、前記止着要素(3)の下方部分に有する止着要素(3)をさらに備える。組立体は、燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)と、構成部品(1)の前記取着装置(10)を備える燃料タンク(100)と、によって構成される。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)は、前記タンク(100)の前記壁(101)に対する融着部位(30)であって、前記止着要素(3)における最大寸法の止着要素(3)の部位の少なくとも1つの端部によって形成される部位である融着部位(30)を有する前記止着要素(3)をさらに備える。
図5に示した具体的実施形態では、前記装置の前記止着要素(3)は、前記タンク(100)の前記壁(101)との3つの融着ポイント(30)を有している。燃料タンク(100)の壁(101)はさらに、前記止着要素(3)が全面的にその厚み(102)に貫入するという意味において厚み(102)を有する。燃料タンク(100)の壁に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)は、燃料タンク(100)の燃料不浸透層(103)と接触しない。また、この実施形態では、止着要素(3)は三角形をなす。燃料タンク(100)の壁(101)に対する構成部品(1)の取着装置(10)の止着要素(3)の三角形の形状は、あくまでも参考例として、限定的でないものとして挙げたものである。実際、本発明による止着要素(3)は、台形、球形、らせん形、立方形、長方形など、またはそれ以外の、規則的もしくは不規則なあらゆる幾何学形状をとることができる。
【0086】
図6は、本発明による構成部品(1)の取着装置(10)の第5の具体的実施形態による、取着装置の別の実施形態を横断面図で示したものである。構成部品(1)の取着装置(10)は、止着要素(3)と、前記止着要素に対する第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)と、を備え、前記連結手段(4)はバイインジェクションによるオーバーモールドであることがわかる。構成部品(1)の取着装置(10)は、止着要素(3)における最大寸法の止着要素(3)の部位の少なくとも1つの端部によって形成される部位である融着できる部位(30)を有する止着要素(3)をさらに備える。
図6に示す具体的実施形態では、前記装置の前記止着要素(3)は、2つの融着ポイント(30)を有している。この実施形態ではまた、構成部品(1)の取着装置(10)は、止着要素(3)によって囲われた三角形のコアによって第1の連結手段(4)を画定する第1の端部(20)を有する接合要素(2)を備える。構成部品の取着装置(10)の止着要素(3)および第1の連結手段(4)の三角形の形状はあくまでも参考例として、限定的でないものとして挙げたものであり、本発明による止着要素(3)および第1の連結手段(4)は、台形、球形、らせん形、立方形、長方形など、またはそれ以外のあらゆる規則的もしくは不規則な幾何学形状をとることができる。
【符号の説明】
【0087】
1 構成部品
2 接合要素
3 止着要素
4 第1の連結手段
5 第2の連結手段
10 取着装置
20 第1の端部
21 第2の端部
30 融着できる部位
100 燃料タンク
101 壁
102 厚み
103 不浸透層
【国際調査報告】