(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】無人運転輸送システム
(51)【国際特許分類】
B60G 21/04 20060101AFI20220930BHJP
B62D 61/10 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
B60G21/04
B62D61/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505229
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020070885
(87)【国際公開番号】W WO2021013970
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520150809
【氏名又は名称】エフベー・インダストリー・オートメーション・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】522032408
【氏名又は名称】フライゼンビヒラー・ゲーエーエスエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ガルトナー
(72)【発明者】
【氏名】フランツ・ホラー
(72)【発明者】
【氏名】ゴットフリート・クレイナー
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ヴィーランド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティン・ヴィエナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー・ジョセフ・フライゼンビヒラー
【テーマコード(参考)】
3D301
【Fターム(参考)】
3D301AA15
3D301AA19
3D301AA52
3D301AB21
3D301BA10
(57)【要約】
シャシ(1)と、駆動輪(2)と、ジョッキーホイール(3)と、を備える無人運転輸送システムにおいて、シャシ(1)の第1の側およびシャシ(1)の第1の側の反対の第2の側のそれぞれに長手方向に配置された浮動軸(4)が、それぞれに割り当てられた連結点(5)でシャシ(1)に枢動可能に連結され、駆動輪(2)が、各浮動軸(4)の一方端に配置され、ジョッキーホイール(3)が、各浮動軸(4)の反対端に配置され、無人運転輸送システムはさらに、横断方向に配置された浮動軸(6)を有し、浮動軸(6)が、長手方向に配置された2つの浮動軸(4)に対して横断方向に位置合わせされ、割り当てられた連結点(5)でシャシ(1)に枢動可能または固定的に連結され、ジョッキーホイール(3)が、横断方向に配置された浮動軸(6)の各端部に配置される、無人運転輸送システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシ(1)と、駆動輪(2)と、ジョッキーホイール(3)と、を備える無人運転輸送システムにおいて、
前記シャシ(1)の第1の側および前記シャシ(1)の前記第1の側の反対の第2の側のそれぞれにおいて、長手方向に配置された長手方向浮動軸(4)が、それぞれに割り当てられた連結点(5)で前記シャシ(1)に枢動可能に連結され、
前記長手方向浮動軸(4)の各々の一方端には、駆動輪(2)が配置され、
前記長手方向浮動軸(4)の各々の反対端には、ジョッキーホイール(3)が配置され、
前記無人運転輸送システムは、横断方向に配置された横断方向浮動軸(6)をさらに有し、前記横断方向浮動軸(6)が、前記長手方向に配置された2つの前記長手方向浮動軸(4)に対して横断方向に位置合わせされ、割り当てられた連結点(5)で前記シャシ(1)に枢動可能または固定的に連結され、
前記ジョッキーホイール(3)が、前記横断方向に配置された前記横断方向浮動軸(6)の各端部に配置されることを特徴とする、
無人運転輸送システム。
【請求項2】
前進方向に前記無人運転輸送システムが動くときの少なくとも通常動作において、前記長手方向に配置された2つの前記長手方向浮動軸(4)が、互いに平行になるように向けられ、および/または、前記横断方向に配置された前記横断方向浮動軸(6)が、前記長手方向に配置された2つの前記長手方向浮動軸(4)に対して垂直になるように向けられることを特徴とする、
請求項1に記載の無人運転輸送システム。
【請求項3】
前記長手方向に配置された前記長手方向浮動軸(4)の前記駆動輪(2)が、前記長手方向浮動軸(4)の、前記横断方向に配置された前記横断方向浮動軸(6)に近い方の端部にそれぞれ配置されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の無人運転輸送システム。
【請求項4】
前記横断方向に配置された前記横断方向浮動軸(6)が、前記無人運転輸送システムの前部に位置付けられ、したがって前記無人運転輸送システムの前方車軸を形成することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか一項に記載の無人運転輸送システム。
【請求項5】
3つの前記長手方向浮動軸(4)および前記横断方向浮動軸(6)の4つの前記ジョッキーホイール(3)が、矩形を形成することを特徴とする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の無人運転輸送システム。
【請求項6】
前記シャシ(1)の形状が矩形であることを特徴とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の無人運転輸送システム。
【請求項7】
4つの前記ジョッキーホイール(3)が、前記シャシ(1)の角に位置付けられることを特徴とする、
請求項6に記載の無人運転輸送システム。
【請求項8】
前記長手方向に配置された前記長手方向浮動軸(4)が前記シャシ(1)に枢動可能に連結されるそれぞれの前記連結点(5)が、前記長手方向浮動軸(4)のそれぞれの前記ジョッキーホイール(3)よりも前記長手方向浮動軸(4)のそれぞれの前記駆動輪(2)の近くに位置付けられることを特徴とする、
請求項1から7のいずれか一項に記載の無人運転輸送システム。
【請求項9】
前記長手方向に配置された前記長手方向浮動軸(4)の前記ジョッキーホイール(3)および/または前記横断方向に配置された前記横断方向浮動軸(6)の前記ジョッキーホイール(3)が、操縦可能に設計されることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載の無人運転輸送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人運転(driverless)輸送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転輸送システムは、それ自体既知であり、例えば、製造会社において、コンポーネント、コンテナまたは他の輸送物品を、例えば自動車製造において、例えばあるワークステーションから次のワークステーションへ、または倉庫からあるワークステーションへ輸送する働きをする。
【0003】
一般的に、無人運転輸送システムは、支承シャシ(bearing chassis)、および、シャシに連結され、例えば戴置面または作業面である、輸送物品の輸送を可能にする構造を備える。走行目的で、輸送システムは、一般的に、例えば電気モータであるモータによって駆動される車輪、およびしばしば追加の非駆動のジョッキーホイール(jockey wheel)を備える。
【0004】
例えば、この種の輸送システムは、中央に配置された駆動輪を備え、角に取り付けられた4つのローラによって支えられ得る。この場合、4つの支持ローラは、一般的に、シャシに固定された構成要素上に回転可能に取り付けられている。
【0005】
この種の車両の場合、車両は固定的に取り付けられている車輪の上で支持されているので、基面(substrate)の状態(穴、溝、凹凸)によって駆動輪が接地を失うことがある。
【0006】
同様の挙動は、斜面の場合でも起き得る。傾斜角度および前方ジョッキーホイールと後方ジョッキーホイールとの間の距離が大きくなるほど、駆動輪が接地を失う可能性が大きくなる。
【0007】
すべての車輪がシャシに固定的に連結されているので、平らな道路の場合、総重量は、例えば6つである車輪すべてに分配される。基面が平らでなくなるとすぐにこの平衡が崩れ、駆動輪における静止摩擦の減少が引き起こされる。それによって車輪のスピンが引き起こされることがある。
【0008】
従来の車台の幾何形状はさらに、基面を介して吸収される衝撃を補償することができない。しっかり取り付けられたジョッキーホイールは、減衰されない衝撃を吸収し、それらを車両のシャシに伝える。その結果、車両のハードウェアだけでなく輸送物品にもダメージが生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、この点において無人運転輸送システムを改善することであり、具体的には、凹凸のある地面および傾斜した地面でも駆動輪が恒久的な接地を有する、ならびに衝撃をより良好に補償または減衰させることができる、無人運転輸送システムを明示することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、シャシと、駆動輪と、ジョッキーホイールと、を備える無人運転輸送システムにおいて、シャシの第1の側およびシャシの第1の側の反対の第2の側のそれぞれにおいて、長手方向に配置された浮動軸が、それぞれに割り当てられた連結点でシャシに枢動可能に連結され、各浮動軸の一方端には、駆動輪が配置され、各浮動軸の反対端には、ジョッキーホイールが配置され、無人運転輸送システムは、横断方向に配置された浮動軸をさらに有し、この浮動軸が、長手方向に配置された2つの浮動軸に対して横断方向に位置合わせされ、割り当てられた連結点でシャシに枢動可能または固定的に連結され、ジョッキーホイールが、横断方向に配置された浮動軸の各端部に配置される、無人運転輸送システムによって解決される。
【0011】
本発明によれば、2つの浮動軸は駆動輪およびジョッキーホイールのどちらも支承することに使用される。前記浮動軸の向き、したがってある程度に前後に配置される駆動輪とジョッキーホイールとの向きは、輸送システムの長手方向軸を画定する。輸送車両の通常の前進移動は、「長手方向に配置された」前記浮動軸の方向で行われる。
【0012】
いずれも個別に割り当てられた浮動軸による1つの駆動輪とジョッキーホイールとの連結によって、各駆動輪は、平らでない地表面および急勾配の地表面においても接地を有することが可能になる。
【0013】
さらに別個の浮動軸が2つの追加のジョッキーホイールについて設けられ、2つの他の浮動軸に対して横断方向に、すなわち長手方向に配置された2つの浮動軸同士の間の実質的な連結として好ましくはそれらに対して垂直に延在する。結果的に、これらの2つのジョッキーホイールも凹凸のある地面でも接地を有する。一実施形態によれば、横断方向に配置された前記浮動軸は、シャシに固定的に連結されてもよい。
【0014】
2つの駆動輪の使用は、輸送システムの走行に十分である。しかし、本発明のさらなる実施形態では、「ジョッキーホイール」と称される車輪のいくつかまたはすべてが駆動され得ることも可能である。したがって、各個別のまたはすべての「ジョッキーホイール」が、最低限必要な駆動輪に加えて、やはりまた「駆動輪」を構成することも可能である。
【0015】
1つの横断方向軸と2つの長手方向である3つの浮動軸との幾何学的な配置によって、駆動輪さらにはジョッキーホイールも典型的な地面条件での恒久的な接地を有することを確実にすることができる。この配置によって、衝撃の補償も可能になり、これはハードウェアの耐用年数に好影響を与える。加えて、達成される減衰の理由で、輸送される物品が振動による破損または望ましくない運送から保護される。
【0016】
3つの浮動軸を、1つを好ましくは車両の前部に横断方向に、2つを長手方向に配置することによって、輸送車両は、駆動輪が接地を失うことなく、凹凸、および設計に応じて最大7%までの傾斜に対処することが可能になる。
【0017】
本発明のさらなる展開は、従属請求項、詳細な説明および添付の図面において明示される。
【0018】
好ましくは、前進方向に輸送システムが動くときの少なくとも通常動作において、長手方向に配置された2つの浮動軸が、互いに平行になるように向けられる。
【0019】
好ましくは、横断方向に配置された浮動軸が、長手方向に配置された2つの浮動軸に対して垂直になるように向けられる。
【0020】
好ましくは、横断方向に配置された浮動軸が、輸送システムの前部に位置付けられ、したがって輸送システムの前方車軸を形成する。
【0021】
好ましくは、長手方向に配置された浮動軸の駆動輪が、それらの浮動軸の、横断方向に配置された浮動軸に近い方の端部にそれぞれ配置される。好ましくは、駆動輪は、輸送車両の長手方向の中心近くに位置付けられる。
【0022】
好ましくは、3つの浮動軸の4つのジョッキーホイールは、矩形を形成する。
【0023】
好ましくは、シャシの形状は矩形である。この場合、正方形の特別の場合は、「矩形形状」の規定に包含される。
【0024】
好ましくは、4つのジョッキーホイールが、シャシまたは輸送車両の角に位置付けられる。
【0025】
好ましくは、長手方向に配置された浮動軸がシャシに枢動可能に連結されるそれぞれの連結点が、浮動軸のそれぞれのジョッキーホイールよりも浮動軸のそれぞれの駆動輪の近くに位置付けられる。連結点は、それぞれの浮動軸の中心に位置付けられてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、長手方向に配置された浮動軸のジョッキーホイールおよび/または横断方向に配置された浮動軸のジョッキーホイールが、操縦可能(steerable)に設計される。それぞれのジョッキーホイールは、受動的に操縦位置をとることができる、すなわち直線走行に対してある角度をとることができる、および/または、能動的に操縦可能、すなわち能動的に操縦位置へ動かされ得る、という点で操縦可能とすることができる。好ましくは、操縦可能なジョッキーホイールは、駆動され得る、すなわち追加の駆動輪を形成することもできる。
【0027】
図面を参照して、例として以下に本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明によらない無人運転輸送システムの下からの概略図である。
【
図2a】異なる走行状態にある、本発明によらない無人運転輸送システムの概略側面図である。
【
図2b】
図2aによる走行状態にある、本発明による無人運転輸送システムの概略側面図である。
【
図3a】異なる走行状態にある、本発明によらない無人運転輸送システムの概略側面図である。
【
図3b】
図3aによる走行状態にある、本発明による無人運転輸送システムの概略側面図である。
【
図4a】さらに別の走行状態にある、本発明によらない無人運転輸送システムの概略正面図である。
【
図4b】
図4aによるさらに別の走行状態にある、本発明による無人運転輸送システムの概略正面図である。
【
図5】本発明による無人運転輸送システムの下からの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明によらない無人運転輸送システムの下からの図である。
【0030】
図1の輸送システムは、シャシ1を備える。シャシ1上には、2つの中心に位置付けられる駆動輪2が、輸送システムの長手方向の中心に横方向に配置される。加えて、輸送システムは、その角に配置される4つのジョッキーホイール3または支持ローラを備える。駆動輪2およびジョッキーホイール3は、シャシ1に固定連結される。
【0031】
図2aおよび
図3aは、異なる問題となる走行状態にある、本発明によらない
図1の輸送システムの側面図であり、
図4aは、正面図である。
【0032】
比較のため、
図2b、
図3bおよび
図4bには、同じ走行状態にあるいずれも側面からの本発明による車両が示されている。
【0033】
本発明による車台または輸送システムの有利な効果は、3つの浮動軸4、6の組合せによって達成される。横断方向に配置される前方浮動軸6および長手方向に配置される後方浮動軸4は、はじめに
図2b、
図3bおよび
図4bで別々に検討し、それから相互作用を説明する。
【0034】
従来技術と新しく開発された車台の幾何形状とを比較する
図2および
図3は、後方浮動軸4によって達成される最適化された走行挙動を示す。
【0035】
したがって、後方車軸は、地面の変化(
図2aおよび
図2b参照)を補償することができ、また垂直方向の運動を行うことができる。その結果、すべての車輪2、3の恒久的な接地、および衝撃の減衰が達成される。車台の幾何形状はさらに、ジョッキーホイール3に尚早に頼ることなく、または駆動輪2の接地を失うことなく、より大きな傾斜への対処を可能にする(
図3aおよび
図3b参照)。
【0036】
図4は、さらに、従来技術(
図4a)と、前方車軸の新しい車台の幾何形状(
図4b)と、を比較するものである。穴などの地面の凹凸は、前部の中心に取り付けられた車台によって補償され得る(
図4b)。浮動軸6によって、ジョッキーホイール3は、垂直方向の運動が可能になり、したがって道路にある穴に入り込むことができるようになる。この場合、反対のジョッキーホイール3は、地面上に留まる。それと比べると、剛性前方車軸の場合、または固定して取り付けられたジョッキーホイール3の場合、駆動輪2は、穴に入らず、それどころか接地を失う(
図4a)。それによって、結果的に不安定な走行挙動になる。道路にある若干の凹凸または物体も、車両のシャシに減衰されずに伝わることになる。明確にするため、2つのジョッキーホイール3を連結する浮動軸6は剛性要素として設計することが好ましいことについてもここで言及されるべきである。
【0037】
無人運転輸送システムにおける3つの浮動軸4および6の配置の組合せのみによって、傾斜または平らでない道路の場合、すべての車輪2、3による道路への恒久的な密着を確実にすることが可能になる。加えて、ショックアブソーバを使用しない減衰が達成される。
【0038】
したがって、例えば
図5において上から示されるように、本発明による無人運転輸送システムは、シャシ1と、駆動輪2と、ジョッキーホイール3と、を備え、シャシ1の第1の側およびシャシ1の第1の側の反対の第2の側のそれぞれの上に長手方向に配置された浮動軸4が、それぞれに割り当てられた連結点5でシャシ1に枢動可能に連結され、駆動輪2が、各浮動軸4の一方端に配置され、ジョッキーホイール3が、各浮動軸4の反対端に配置され、無人運転輸送システムはさらに、横断方向に配置された浮動軸6を有し、浮動軸6が、長手方向に配置された2つの浮動軸4に対して横断方向に位置合わせされ、割り当てられた連結点5でシャシ1に枢動可能に連結され、ジョッキーホイール3が、横断方向に配置された浮動軸6の各端部に配置される。
【0039】
長手方向に配置される2つの浮動軸4は、互いに平行になるように向けられ、横断方向に配置される浮動軸6は、長手方向に配置される2つの浮動軸4に対して垂直になるように向けられる。
【0040】
長手方向に配置される浮動軸4の駆動輪2はそれぞれ、浮動軸4のうち横断方向に配置される、すなわち輸送システムの「前部」にある浮動軸6に近い方、したがって車両長手方向における車両の中心に近い方の端部に配置される。
【0041】
横断方向に配置される浮動軸6は、輸送システムの前部に位置付けられ、したがって輸送システムの前方車軸を形成する。長手方向に配置される浮動軸4は、輸送システムの後方車軸を形成する。
【0042】
シャシ1は、矩形形状である。
【0043】
3つの浮動軸4、6の4つのジョッキーホイール3は、一緒になって矩形を形成する。
【0044】
4つのジョッキーホイール3は、シャシ1の角に位置付けられる。
【0045】
長手方向に配置される浮動軸4がシャシ1に枢動可能に連結されるそれぞれの連結点5は、浮動軸4のそれぞれのジョッキーホイール3よりも浮動軸4のそれぞれの駆動輪2の近くに位置付けられる。
【0046】
無人運転輸送システムにおいて、3つの浮動軸4、6の構造的一体性によって、上述したように、輸送システムの走行挙動に関するより良好な特徴を達成することが可能になる。3つの車軸4、6が使用され、車輪2、3すなわち輸送システムのすべての車輪が、3つの点、具体的には連結点5でシャシ1に連結される。これによって、通常、すべて(6つ)の車輪が地面/基面上に置かれることが確実になる。車輪が上がることは、極端な状況でしかあり得ない、または、道路の穴が、浮動軸の構造的または機械的に可能な垂直方向/補償のための持ち上がりを超過するほど深い場合にしかあり得ない。実際、これは、例えば、一方の車輪が道路の深い凹凸に入り込むことで浮動軸の反対側に配置された車輪のそうした著しい上方偏向が引き起こされる場合に起こることがあり、前記反対の車輪は、普通はその上に配置されているシャシにすでに衝突している。
【0047】
浮動軸4、6によって、駆動輪2とジョッキーホイール3との両方が両方の方向に垂直運動を行うことができるようになり、その結果、通常条件下での道路上の凹凸が補償され得る。この走行挙動は、3つの浮動軸の組合せによってのみ可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 シャシ
2 駆動輪
3 ジョッキーホイール
4 長手方向に配置された浮動軸
5 連結点
6 横断方向に配置された浮動軸
【国際調査報告】