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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】化粧用物品
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505308
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020070338
(87)【国際公開番号】W WO2021018639
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】1908519
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・イレクティ
(57)【要約】
まぶた、まつげ、および/または眉に貼付するための化粧用物品(1)であって、
- 貼付される少なくとも1つの要素(2)と、
- 貼付される要素(2)と少なくとも部分的に接触している少なくとも1つの接着層(5)であって、この接着層(5)が少なくとも1つの耐水性接着材料を含む、少なくとも1つの接着層(5)と、
- 接着層(5)を外部から覆い、少なくとも1つの水溶性ポリマーを含む、接着層(5)を保護するための少なくとも1つの層(6)と
を含む、物品(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まぶた、まつげ、および/または眉に貼付するための化粧用物品(1)であって、
- 貼付される少なくとも1つの要素(2)と、
- 貼付される前記要素(2)と少なくとも部分的に接触している少なくとも1つの接着層(5)であって、この接着層(5)が少なくとも1つの耐水性接着材料を含む、少なくとも1つの接着層(5)と、
- 前記接着層(5)を外部から覆い、少なくとも1つの水溶性ポリマーを含む、前記接着層(5)を保護するための少なくとも1つの層(6)と
を含む、化粧用物品(1)。
【請求項2】
貼付される前記要素(2)が、つけまつげ(3)またはつけまつげ(3)の房を含み、前記保護層(6)で覆われた前記接着層(5)が、前記つけまつげ(3)またはつけまつげ(3)の前記房の一方の端部に位置している、請求項1に記載の物品(1)。
【請求項3】
貼付される前記要素(2)が、つけまつげフリンジ(3)と、連結ストリップ(25)とを含み、前記つけまつげ(3)が、一方の端部により前記連結ストリップ(25)に固定され、前記連結ストリップ(25)が、少なくとも部分的に前記接着層(5)で覆われている、請求項1に記載の物品(1)。
【請求項4】
貼付される前記要素(2)が、前記まぶた用のシェル、パッチ、またはストリップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品(1)。
【請求項5】
前記耐水性接着材料が、アクリルポリマー、特にアクリレートおよびメタクリル酸塩のコポリマー、ゴムをベースとする、またはスチレンコポリマー、たとえばスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)およびスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)コポリマーをベースとする感圧接着剤からなる群から選ばれる耐水性感圧接着剤(PSA)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品(1)。
【請求項6】
前記保護層(6)が、乾燥した形態の、親水ポリマーを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品(1)。
【請求項7】
前記親水ポリマーが、そのガラス転移温度Tが30℃以上、さらに良くは60℃以上、さらには80℃以上であるように選ばれる、請求項6に記載の物品(1)。
【請求項8】
前記保護層(6)の前記少なくとも1つのポリマーが、ポリビドンまたはポビドンとしても知られるポリビニルピロリドン(PVP)、多糖、およびポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選ばれ得る、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品(1)。
【請求項9】
前記保護層(6)が、前記物品の使用前に、一様に、前記接着層(5)を完全に覆う、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化粧用物品(1)、または複数の化粧用物品(1)と、それらを含むためのパッケージングとを含む、パッケージングアセンブリ。
【請求項11】
貼付される要素(2)から請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧用物品(1)を製造するためのプロセスであって、
- 貼付される前記要素(2)の少なくとも一部に前記接着層(5)を堆積するステップと、
- 必要に応じて、前記接着層(5)を乾かすステップと、
- 少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、この接着層(5)を好ましくは流体状態の前記保護層(6)で覆うステップと、
- 必要に応じて、前記保護層(6)を乾かすステップと
を含む、プロセス。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧用物品(1)をまぶた、まつげ、および/または眉に貼付するためのプロセスであって、
(a)前記化粧用物品(1)の少なくとも前記保護層(6)を、前記保護層(6)が少なくとも部分的に溶けるまで、水と接触して置くステップと、
(b)前記接着層(5)を前記まぶた、前記まつげ、および/または前記眉と接触して置くことによって、前記まぶた、前記まつげ、および/または前記眉に前記物品を貼付するステップと
を含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトのケラチン物質、すなわちまぶた、まつげ、および/または眉に貼付される化粧用物品に関し、またそのような物品の製造およびこれらのケラチン物質へのその貼付に関する。本発明は、より詳細には、限定はしないが、まつげ、眉、および/もしくはまぶたに貼付される1つもしくは複数のつけまつげ、またはまぶたに貼付されるシェル、ストリップ、もしくはパッチを含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、つけまつげまたはまつげエクステンションを貼付するために、人は、一方ではつけまつげを、他方では同じパッケージ内にあることがある一瓶の特殊なのりを所有する。第1の段階で、人は、つけまつげにのりを載せる。いくつかののりは、不快な匂いを持つ溶剤を含み、これはたとえば、Ardell Lashtite Clear Adhesiveの商品名で知られているのりの場合がそうである。次に人は、のりのこの堆積が少なくとも部分的に乾くまで待つ。最後に人は、まつげの根元に、さらにまぶたに、つけまつげをくっつける。これはたとえば、US 3 833 007に記載される物品およびプロセスの場合がそうである。つけまつげ上ののりの広がりは常に一様であるとは限らず、のりが見苦しく余ること、または反対に、のりがなく、つけまつげの保持を困難にすることになる場合があるので、この貼付は複雑であり、さらには困難である。さらに、この貼付は、のりが部分的に乾くことを必要とするので、時間がかかる。最終的に、それは、2つの物品の使用、すなわちのりおよびつけまつげの使用を余儀なくさせる。
【0003】
全幅にわたる房またはフリンジの形態の、あらかじめサイズ調整されたつけまつげもまた知られ、これらはかさばるプラスチック支持体またはシリコーン膜の形態の支持体に保持される。そのような支持体は、リサイクルが困難であり、それらは使い捨て用であり、かつ/または比較的高価である。さらに、つけまつげの表面は粘着性があるので、つけまつげは、周囲の埃を捉える傾向があり、したがって、そのようなあらかじめサイズ調整されたつけまつげの使用およびそれらの保管には、つけまつげの清潔および扱いの厳しい条件が必要である。そのような物品は、WO 2012/026315およびJP 2008/308806に記載されている。同じ原理で機能し、同じ欠点を有する接着(self-adhesive)アイライナー、パッチ、またはシェルもまた知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US 3 833 007
【特許文献2】WO 2012/026315
【特許文献3】JP 2008/308806
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、第3版、D. Satas
【非特許文献2】Kirk-Othmer、「工業化学百科事典」、第3版、1982、3巻、896~900頁、および15巻、439~458頁
【非特許文献3】E.A. MacGregor、C.T. Greenwood、「Polymers in Nature」、第6章、240~328頁、1980年、John Wiley & Sons
【非特許文献4】Robert L. Davidson、「Handbook of Water-Soluble Gums and Resins」、McGraw Hill Book Company(1980)
【非特許文献5】Roy L. Whistler、「Industrial Gums - Polysaccharides and their Derivatives」、第2版、Academic Press Inc.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用および貼付が容易であり、保管に役立つつけまつげ、まぶた用のシェル、またはパッチの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
化粧用物品
本発明は、この必要を満たすことに向けられ、したがって、その態様の第1によれば、まぶた、まつげ、および/または眉に貼付するための化粧用物品に関係し、この物品は、
- 貼付される少なくとも1つの要素と、
- 少なくとも1つの耐水性接着材料を含む、貼付される要素と少なくとも部分的に接触している少なくとも1つの接着層と、
- 接着層を外部から覆い、少なくとも1つの水溶性ポリマーを含む、接着層を保護するための少なくとも1つの層と
を含む。
【0008】
保護層は、好ましくは水溶性ポリマーの少なくとも部分的な溶解を引き起こす水または水溶液で保護層をぬらすことによって、少なくとも部分的に取り除かれてもよい。保護層はしたがって、少なくとも所定の場所で接着層を外部から覆わなくなり、前記層は、貼付される要素を結合することが望ましい表面と接触することができる。
【0009】
「耐水性接着材料」という用語は、接着材料を水と接触させることができ、保護層をぬらす間、大部分は水に溶けない、さらにはまったく水に溶けないことを意味すると理解すべきである。接着材料が水に触れると溶けるようになる場合、その溶解は、保護層の溶解ほど速くなく、所望の結合を得るのに十分な量の接着剤を要素上に残しながら、保護層を除去することを可能にする。好ましくは、接着材料は、保護層をぬらす間、その凝集力を維持し、保護層を除去するために使用された、その表面にある水の考えられる蒸発後に、その接着特性を保存する。
【0010】
本発明の手段によって、接着層を有するが、この接着層は保護層のおかげで使用前には粘着性がない、あらかじめサイズ調整された化粧用物品が提供される。本発明による物品は、接着層を保護するための、シリコーンホイルなどの、取り除くことができるくっつかない保護フィルムを必要とせず、粘着性のない保護層があることによって、その取扱中に埃に影響されにくい。保護層は、貼付される要素と反対側の接着層上にあり、好ましくはそれと接触しないように設けられる。したがって、本発明によれば、貼付される要素の、内表面であり得る表面は、少なくとも部分的に接着層でコーティングされ、接着層自体は、保護層でコーティングされる。
【0011】
貼付される要素は、つけまつげまたはつけまつげの房を含んでもよく、保護層でコーティングされた接着層は、つけまつげまたはつけまつげの房の一方の端部に位置している。変形形態として、貼付される要素は、つけまつげフリンジを含む。後者の場合、貼付される要素は、好ましくは連結ストリップを含み、つけまつげはしたがって、一方の端部により、連結ストリップに固定され、前記連結ストリップは、少なくとも部分的に接着層で覆われている。つけまつげはまた、編まれたまたは織られた連結ストリップによって互いに連結されてもよく、「ストリップ」という用語は、まつげ間で連結するための1つまたは複数の糸を含み、これまたはこれらの連結糸は場合によっては、必要に応じてまつげと一体となっている。
【0012】
他の実施形態では、貼付される要素は、まぶたに置かれるように意図されている。この場合、貼付される要素は、まぶた用のシェル、パッチ、またはストリップを含んでもよい。シェルは好ましくは、まぶたの湾曲に合う、凹んだ貼付表面を有する。パッチまたはストリップは、まぶたまたは眉への取付けに好適な寸法を有する。
【0013】
耐水性接着材料は好ましくは、アクリルポリマー、特にアクリレートおよびメタクリル酸塩のコポリマー、ゴムをベースとする、またはスチレンコポリマー、たとえばスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)およびスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)コポリマーをベースとする感圧接着剤からなる群から選ばれる耐水性感圧接着剤(PSA)である。
【0014】
支持体上の接着層は、製造中に支持体に、コーティング、噴霧、または浸漬によって堆積されてもよい。前記接着層はまた、PSAを形成するために支持体上で架橋する2成分の混合物を堆積することによって、熱源、光源、たとえばUVによって活性化されてもよい。
【0015】
保護層の前記少なくとも1つのポリマーは、好ましくは水溶性の親水ポリマーである。保護層は、乾燥した形態の、親水ポリマーを含んでもよい。保護層は、連続フィルムの形態であってよい。保護層は、有利には水溶性の粉末の層とは異なる。詳細には、コーティング層は、有利には、特に粉末とは対照的に、接着層にコーティング、一様な被膜を形成する。保護層はしたがって、粉状ではなく、好ましくは実質的に一定の厚さであり、好ましくは接着層を連続的に覆う、一様な組成物の柔軟な一体的透明フィルムの形態であってもよい。
【0016】
水溶性ポリマーは好ましくは、そのガラス転移温度Tが30℃以上、さらに良くは60℃以上、さらには80℃以上であるように選ばれる。
【0017】
保護層の前記少なくとも1つのポリマーは特に、ポリビドンまたはポビドンとしても知られるポリビニルピロリドン(PVP)、好ましくは非イオン性PVP、多糖、特にヒドロキシエチルセルロース(HEC)またはアラビアゴム、およびポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選ばれ、特にポリビニルアルコールである。
【0018】
保護層はまた、この保護層に柔軟性を与えるために可塑剤を含んでもよく、グリセロール、グリコール、酸エステル、特にカルボン酸エステル、クエン酸塩、安息香酸塩、および/またはイソソルビドジエステルを挙げることができる。
【0019】
有利には保護層は、物品の使用前に、一様に、接着層を完全に覆う。保護接着層はこのようにして、重ね合わせられる。
【0020】
保護層は、10μm~1000μmの厚さを有してもよい。
【0021】
保護層は、その製造中に、コーティング、噴霧、または浸漬によって接着層の上に堆積されてもよい。
【0022】
パッケージングアセンブリ
前述と併せて、その態様の別のものによる、本発明の主題はまた、上記で定義した少なくとも1つの化粧用物品、さらには複数の化粧用物品と、それらを含むためのパッケージングとを含むパッケージングアセンブリである。
【0023】
本発明の1つの利点は、たとえば、間に差し込む支持体の必要なしに、パッケージングにおいて物品を積み重ねることができることである。言い換えれば、物品の1つの保護層は、もう1つの物品と直接接触してもよい。パッケージングはしたがってコンパクトであり、あまり無駄が生じない可能性がある。
【0024】
化粧用物品を製造するためのプロセス
その態様の別のものによれば、本発明の主題はまた、貼付される要素から、上記で定義した化粧用物品を製造するためのプロセスであって、
- 貼付される要素の少なくとも一部に接着層を堆積するステップと、
- 必要に応じて、接着層を乾かすステップと、
- 少なくとも部分的に、好ましくは全体的に、この接着層を好ましくは流体状態の保護層で覆うステップと、
- 必要に応じて、保護層を乾かすステップと
を含む、プロセスである。
【0025】
「流体状態」という用語は、固体状態とは対照的に、この状態の保護層が、それ自体の重さで流れることを意味する。
【0026】
プロセスは、貼付される要素を準備する予備ステップを含んでもよい。
【0027】
保護層は、好ましくは水溶性ポリマーの少なくとも部分的な溶解を引き起こす水で保護層をぬらすことによって、少なくとも部分的に取り除かれてもよい。保護層はしたがって、少なくとも所定の場所で接着層を外部から覆わなくなり、上記の層は、貼付される要素を結合することが望ましい表面と接触することができる。
【0028】
まぶた、まつげ、および/または眉に化粧用物品を貼付するためのプロセス
その態様の別のものによれば、本発明の主題はまた、上記で定義した化粧用物品をまぶた、まつげ、および/または眉に貼付するためのプロセスであって、
(a)化粧用物品の少なくとも保護層を、前記保護層が少なくとも部分的に、さらには全体的に溶けるまで、水と接触して置くステップと、
(b)接着層をまぶた、まつげ、および/または眉と接触して置くことによって、まぶた、まつげ、および/または眉に物品を貼付するステップと
を含む、プロセスである。
【0029】
物品が水と接触して置かれると、保護層は十分に消えて、表面は接着層の接着材料によって接着性になる。
【0030】
本発明を用いると、物品を貼付するために、まつげまたはまぶたまたは他のどこかにのりを載せることは必要ではない。保護層を溶かし、したがって接着層の接着性を示すために、貼付する前に、保護層を含む物品または物品の一部を水に浸し、次いで意図した場所に物品を貼付すれば十分である。たとえば、物品を水切りするために、浸した後、貼付する前に待ち時間があってもよい。
【0031】
好ましくは10℃~40℃の温度で保護層を水と接触させて置くステップ(a)の持続時間は、好ましくはおよそ10秒~2分、好ましくは30秒~1分である。これは、従来技術のデバイスにおいてのりが乾くために待つ時間と比較すると、極めて短い持続時間であり、貼付プロセスの実施が使用者にとって比較的迅速であることを意味する。
【0032】
接着層
接着層は、耐水性接着材料を含む、またはそれで構成される。
【0033】
本発明では、「材料」という用語は、異なる性質の1つまたは複数の有機ポリマーを含む場合があるポリマーまたはポリマー系を意味する。この接着材料は、ポリマー溶液または溶剤中のポリマー粒子の分散の形態であってもよい。この接着材料はまた、酸エステル、特にカルボン酸エステル、クエン酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、炭酸塩、および/またはイソソルビドジエステルから選ばれるものなどの可塑剤を含んでもよい。この接着材料は、その粘弾性特性によって定義されるいくらかの結合力を有する必要がある。
【0034】
本発明による接着材料は、たとえば、「感圧接着剤」タイプの接着剤、たとえば「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」、第3版、D. Satasに挙げられている接着剤から選ばれてもよい。
【0035】
感圧接着剤(PSA)は、永続的な接着性を特徴とする物理加硫を用いる系である。結合は、接着層に圧力を加えることによって起こる。加えられる圧力が大きくなるほど、接着性が良くなる。優れた初期接着性に加えて、感圧接着剤は、結合することが難しい表面にも良好な接着性を与える。また感圧接着剤は、良好なせん断強度および剥離強度を有する結合を容易にする。
【0036】
本発明の文脈で使用される感圧接着剤(PSA)は、耐水性である。
【0037】
有機ポリマーの接着性は、一般的にそのガラス転移温度と関連している。ポリマーが接着性であるために必要な、ただし不十分な条件は、室温をかなり下回る、すなわち25℃に等しい温度を下回る、ガラス転移温度(T)を有する必要があることである。
【0038】
感圧接着剤(PSA)は、-20℃を下回るガラス転移温度Tを特徴としている。
【0039】
ポリマーのガラス転移温度(T)は、以下の条件で、示差熱量分析(示差走査熱量測定、DSC)によって測定され得る。
【0040】
ガラス転移温度を測定するには、直径が40mmの円形テフロン(登録商標)ダイにポリマーの水溶液または分散液を堆積させ、堆積物を放置して乾かすことによって、テストポリマーの厚さ約150mmのフィルムが準備される。フィルムは、相対湿度45%の下で約23℃の温度のオーブンにおいて、重さがそれ以上変わらなくなるまで乾かす。約5~15mgのフィルムが持ち上げられて、るつぼに置かれ、次いでこれが分析器に導入される。熱分析は、TA Instruments社製のDSC-2920(登録商標)モデルである。温度掃引の最初および最終の温度は、望ましいガラス転移温度を囲むように選ばれる。温度掃引は、10℃/分の速度で行われる。
【0041】
この分析は、上記の変更以外はASTM D 3418-97規格に従って行われる。
【0042】
感圧接着材料は、アクリルポリマー、特にアクリレートおよびメタクリル酸塩のコポリマー、ゴムをベースとする、またはスチレンコポリマー、たとえばスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)およびスチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)コポリマーをベースとする感圧接着剤から選ばれてもよい。
【0043】
感圧接着材料はまた、ウレタンポリマー、ポリウレタン、Bio-PSAなどのシリコーン、エチレン/酢酸ビニルポリマー、スチレンまたは天然ゴム、クロロプレン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレンなどをベースとするブロックコポリマーであってもよい。
【0044】
ゴム状ポリマーをベースとする感圧接着剤の非限定的な例として、特に、天然ゴム(ポリ(シス-1,4-イソプレン))、メタクリル酸メチル-イソプレングラフトコポリマー、スチレン-ブタジエンコポリマー、ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリブタジエン、エチレン-ブチレンブロックコポリマー、およびポリクロロプレンを挙げることができる。
【0045】
極性アクリルポリマーを含む感圧接着剤のうち、アクリル酸、アクリル酸アルキル、およびメタクリル酸アルキルをベースとするブロックまたは統計コポリマー、ならびに、これらのアクリルとエチレンおよび酢酸ビニルとのコポリマーも挙げることができる。
【0046】
他の感圧接着剤として、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、およびアクリル酸のコポリマーを挙げることができ、これらのコポリマーは、たとえば、Roderm(登録商標)560(Rohm and Haas)の商品名で市販されている。
【0047】
使用に適している可能性がある感圧接着剤の一例は、ポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)であり、たとえば、固形分40%の15ミクロンの接着性アクリルマイクロスフェアを含む水性分散体として、Geltac(登録商標)100G(Advanced Polymer International社製)の商品名で市販されている製品である。
【0048】
使用に適している可能性があるアクリルコポリマーの例は、Acronal(登録商標)V210(BASF)、Mowilith(登録商標)LDM 7255、Revacryl(登録商標)491(Clariant)、およびFlexbond(登録商標)165(Air Products)の商品名で市販されている。
【0049】
使用に適している可能性があるポリウレタンベースの接着剤の例は、Carbotac(商標)2897(Lubrizol)およびVylon UR(登録商標)6100(Toyobo Vylon)の商品名で入手可能である。
【0050】
たとえば、以下が使用される。
- 接着剤Pros-Aide(アクリルラテックス)Cream Blend(登録商標)331 Adhesive、
- 市販のりDuo Verte(登録商標)、
- Dow Chemical製のラテックスAcudyne(登録商標)5800P、
- 大東化成工業製のラテックスDaitosol(登録商標)5500GM。
【0051】
PSAベースの接着層は、非常に低いT値を有するアクリルポリマーラテックス、たとえば、アクリルポリマーRoderm(登録商標)560、Dow Chemical製のAcudyne(登録商標)5800P、または大東化成工業製のDaitosol(登録商標)5500GMを乾燥させることによって、またはイソプレン-スチレンブロックポリマーから無水溶媒を蒸発させることによって取得され得る。以下の市販参照を挙げることもできる。Jowatherm(登録商標)ホットメルトPSA、Jowat-Toptherm(登録商標)ホットメルトPSA。
【0052】
保護層
保護層は、少なくとも1つの水溶性の親水ポリマーを含む。好ましくは保護層は、重ね合わせとして、接着層に堆積することによって、または親水ポリマーを含む水溶液を乾燥させることによって取得される。有利にはコーティング層は、特に粉末とは対照的に、接着層にコーティング、一様な被膜を形成する。
【0053】
保護層の前記少なくとも1つの親水ポリマーは、ポリビドンまたはポビドンとしても知られるポリビニルピロリドン(PVP)、多糖、およびポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選ばれてもよく、好ましくはPVPまたはPVAである。
【0054】
親水ポリマーは、ポリビニルピロリドンから選ばれてもよい。ポリビニルピロリドンは、ビニルピロリドンホモポリマーまたはコポリマーから選ばれてもよい。
【0055】
ホモポリマーのうち、異なる分子量のポリビニルピロリドン(PVP)を挙げることができ、前記ホモポリマーの重量平均分子質量は、光散乱によって測定される。より詳細には、ポリビニルピロリドン(PVP)は、2000ダルトン~3000000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するポリビニルピロリドン、より詳細には30000ダルトン~2000000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するポリビニルピロリドンから選ばれる。詳細には、40000ダルトン~80000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するポリビニルピロリドン、および900000ダルトン~1500000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するポリビニルピロリドンを挙げることができる。
【0056】
挙げることができるポリビニルピロリドンの例は、ISP社製のPVP K(登録商標)30LまたはPVP K(登録商標)90の商品名で入手できる製品を含む。
【0057】
本発明によれば、「ビニルピロリドンコポリマー」という用語は、ビニルピロリドンとただ1つのタイプのモノマーの重合から生じるポリマーと、ビニルピロリドンといくつかのタイプのモノマー、たとえばターポリマーの生成につながる2つのタイプのモノマーの重合から生じるポリマーの両方を意味する。
【0058】
挙げることができる例は、BASF社製のLuviskol(登録商標)(PVP and PVP/VA)の商品名、およびISP社製のPVP-K(登録商標)またはPVP-NA(登録商標)の商品名で市販されているコポリマーを含む。
【0059】
好ましく選ばれるポリビニルピロリドンの一例は、非イオン性PVPである。
【0060】
親水ポリマーは、多糖から選ばれてもよい。一般に、本発明で使用され得るこのタイプの化合物は、特に、Kirk-Othmerの「工業化学百科事典」、第3版、1982、3巻、896~900頁、および15巻、439~458頁に記載の化合物、John Wiley & Sonsが出版したE.A. MacGregorおよびC.T. Greenwoodによる「Polymers in Nature」、第6章、240~328頁、1980年に記載の化合物、McGraw Hill Book Companyが出版したRobert L. Davidsonによる「Handbook of Water-Soluble Gums and Resins」(1980)と題する書籍に記載の化合物、およびAcademic Press Inc.が出版したRoy L. Whistlerによる編集の「Industrial Gums - Polysaccharides and their Derivatives」、第2版に記載の化合物から選ばれる。
【0061】
これらの多糖は、特に尿素基またはウレタン基で、または加水分解、酸化、エステル化、エーテル化、もしくはアルキル化反応によって、またはこれらの変更のいくつかによって、化学修飾されてもよい。
【0062】
好ましくは、これらの多糖は非イオン性である。
【0063】
本発明において使用するのに好適である多糖は、とりわけ、フルクタン、グルカン、ガラクタン、およびマンナンなどのホモ多糖、またはヘミセルロースなどのヘテロ多糖であってもよい。
【0064】
本発明において使用するのに好適である多糖はまた、均質多糖などの高等植物多糖、詳細にはセルロース系化合物およびその誘導体から選ばれてもよい。
【0065】
本発明によれば、「セルロース系化合物」という用語は、β(1,4)グリコシド結合によって互いに連結された無水グルコピラノース(AGU)残基の線状配列をその構造に持つ任意の多糖化合物を意味する。繰返し単位は、セロビオース二量体である。AGUは、椅子形配座であり、3つのヒドロキシル官能基、すなわち2つの第2級アルコール(位置2および3)と、第1級アルコール(位置6)とを持つ。このようにして形成されたポリマーは、水素結合タイプの分子間結合によって互いに結合し、したがってセルロースにフィブリル構造(繊維あたり約1500分子)を与える。
【0066】
重合の度合は、セルロースの起源に応じて非常に異なり、その値は数百から数万の範囲になり得る。
【0067】
セルロースは、以下の化学構造を有する。
【0068】
【化1】
【0069】
セルロースのヒドロキシル基は、様々な化学試薬と部分的または全体的に反応して、固有特性を有するセルロース誘導体を与え得る。これらの誘導体のうち、セルロースエーテル、セルロースエステル、およびセルロースエステルエーテルが際立っている。したがって、親水ポリマーは、好ましくはセルロースエーテル、セルロースエステル、およびそれらの混合物から選ばれる。
【0070】
好ましくは、親水ポリマー(6)は、詳細にはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルソース、およびヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるヒドロキシアルキルセルロース、ならびに/または、詳細にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、およびセチルヒドロキシエチルセルロースから選ばれる、セルロース混合ヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。そのような化合物は、特に、Ashland社が販売するKlucel(登録商標)(ヒドロキシプロピルセルロース)、Polysurf(登録商標)およびNatrosol(登録商標)CS(セチルヒドロキシエチルセルロース)、またDow Chemicals社が販売するCellosize(登録商標)(ヒドロキシエチルセルロース)の名前で市販されている。
【0071】
親水ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)から選ばれてもよく、詳細にはポリビニルアルコールが選ばれる。
【0072】
ポリビニルアルコール(PVA)は特に、10000ダルトン~200000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するPVA、より詳細には100000ダルトン~200000ダルトンの範囲の重量平均分子質量を有するPVAから選ばれる。
【0073】
本発明によるポリビニルアルコールは、異なる加水分解度および/または異なる粘度を有するポリマーであってもよい。詳細には、74%~99%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを使用してもよい。
【0074】
ポリビニルアルコールとして、挙げることができる一例は、Sekisui Speciality Chemicals社製のCelvol 205 PV Alcohol(登録商標)の商品名で入手できる製品である。
【0075】
本発明は、その非限定的な例示的実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を考察することにより、より良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明の一実施形態による化粧用物品の一例を側面図で概略的に表す図である。
図2図1の細部IIの拡大図である。
図3図1の物品を製造するためのプロセスの一例をブロック形式で表す図である。
図4図1の物品を貼付するためのプロセスの一例をブロック形式で表す図である。
図5図4のプロセスのステップを行った後の図1の物品を概略的に表す図である。
図6図4のプロセスの別のステップを行った後の図1の物品の貼付を概略的に表す図である。
図7図1の物品など複数の物品を含む本発明による概観例を概略的に表す図である。
図8】本発明による化粧用物品の別の例を側面図で概略的に表す図である。
図9】本発明による化粧用物品の別の例を上面図で概略的に表す図である。
図10図9の物品を側面図で概略的に表す図である。
図11】本発明による化粧用物品の別の例を正面図で概略的に表す図である。
図12図11の物品を側面図で概略的に表す図である。
図13】まぶたに貼付される本発明による化粧用物品の別の例を正面図で概略的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、本発明による化粧用物品1の一例を示す。物品1は、この例では房にまとめられた複数のつけまつげ3を備える、貼付される要素2を含む。つけまつげ3の一方の端部4に、物品1は、この例では感圧接着剤からなる水不溶性の接着材料、たとえばRoderm(登録商標)560の商品名で知られているアクリルポリマーを含む接着層5を含む。接着層5は、図2でより詳細にわかるように、保護層6で全体的に覆われている。保護層6は、水不溶性の親水ポリマー、たとえば、アラビアゴムなどの多糖を含む。
【0078】
接着層5は、房を形成するためにつけまつげ3が端部4に保持されるのを可能にすることができる。変形形態として、追加のアタッチメントまたは接着剤が、接着層5とは別に、つけまつげ3の房を形成するためにつけまつげ3が端部4に結びつけられるまたは結合されることを可能にする。
【0079】
図3は、図1の化粧用物品1を製造するためのプロセスを示す。このプロセスは、貼付される要素2の少なくとも一部に接着層5を堆積することにあるステップ10を含む。次のステップ11は、たとえば数分間、接着層5を乾かすことにある。次いで、ステップ12において、接着層5は、少なくとも部分的に、好ましくは図示の例のように全体的に、そのとき流体状態である保護層6で覆われる。最後に、ステップ13において、保護層6は乾かされる。
【0080】
したがって使用される準備ができている化粧用物品1が得られる。図4は、本発明による化粧用物品1を貼付するためのプロセスのステップを示す。プロセスは、化粧用物品1の少なくとも保護層6を、この保護層6が少なくとも部分的に溶けるまで、水と接触して置くことにある第1のステップ14を含む。保護層6が溶け、保護層6がない化粧用物品が、次いで図5に示すように得られる。接着層5はしたがって露出され、完全に接着性となる。これは、図4に示すステップ15において、接着層5をまぶた、まつげ、および/または眉と接触して置くことによって、まぶた、まつげ、および/または眉に物品1が貼付されることを可能にする。図6に示すように、この場合、つけまつげ3の房をまぶたPまで持って行き、接着層5をその上に、および/またはこの人のまつげCに付着させることが問題である。
【0081】
図7は、化粧用物品1をパッケージングするためのアセンブリ20の一例を表す。このパッケージングアセンブリ20は、好ましくは特に水分に関して漏れがない、パッケージ21と、図1に示したものと同一の複数の物品1とを含む。
【0082】
図8は、本発明による化粧用物品1の別の例を表し、この例ではこれは、単一のつけまつげ3によって形成された貼付される要素2を含み、その一方の端部に、保護層6でコーティングされた接着層5が堆積されている。
【0083】
図9および図10は、本発明による別の化粧用物品1を示す。この物品1は、同じくまつげ、眉、および/またはまぶたに置かれるように意図された貼付される要素2を含み、貼付される要素2は、フリンジの形態に配列された複数のつけまつげ3と、連結ストリップ25とを含む。フリンジのつけまつげ3は、一方の端部で、人のまつげの根元の形状に合うように弧を形成する連結ストリップ25に連結される。図10でわかるように、連結ストリップ25は、一表面26に接着層5をコーティングされ、接着層5は保護層6で覆われている。
【0084】
図11および図12は、たとえば人のまぶたに、この場合はアイライナーのようにして貼付されるストリップからなる、貼付される要素2を含む別の化粧用物品1を表す。図12でわかるように、この物品1もまた、貼付される要素2の下に、保護層6で覆われた接着層5を含む。
【0085】
物品1は、特に図11および図12の例でわかるように、3次元形状を有する。手によって3次元物体にのりを置くことは難しいので、本発明は、複雑な3D形状に特に有利である。
【0086】
図13に示した例では、化粧用物品1の貼付される要素2は、パッチからなり、それは、図示のように、人のまぶたPの一部を、その形状に合わせることによって、覆うよう意図されている。
【0087】
(実施例)
(実施例1)
個々のつけまつげ
Peggy Sage X60の商品名で販売されている個々のつけまつげまたはつけまつげの房を用いて、2つの貼付方法、すなわち本発明による方法および本発明以外の比較方法が試される。
【0088】
本発明以外の比較例
個々のつけまつげまたはつけまつげの房が、ピンセットを使用して取り上げられる。少量のDow Chemical製のAcudyne(登録商標)5800Pをその上に貼付する。こののりを乾燥させるために、短い待ち時間が観測され、この個々のつけまつげは次いで、まつげフリンジ上に置かれる。この動作は、片方の目に十分な一様のフリンジを有するために約12回繰り返される。このタイプのメイクアッププロセスは比較的長く、一瓶ののりおよび個々のつけまつげの使用を必要とする。
【0089】
本発明による例
1箱の個々のつけまつげが提供され、その根元の先端は、Dow Chemical製のAcudyne(登録商標)5800Pラテックスの第1の接着層で覆われている。この層を5分間乾燥させ、その後10%のPVP溶液(水80%、エタノール10%、PVP K30L10%)で覆われる。この溶液は、接着層の粘着性のある側をなくなるようにする。いくつかの個々のつけまつげが、同様にして準備される。消費者は、第1のつけまつげを取り上げ、これを水に30秒~1分間浸し、つけまつげの先端は粘着性のあるものになる。消費者は、次いでこのつけまつげを貼付することができる。これは時間を節約し、より簡単で、より実用的であり、2つの製品の必要がない。
【0090】
(実施例2)
つけまつげフリンジ
Ardellの商品名で販売されているつけまつげフリンジを用いて、2つの貼付方法、すなわち本発明による方法および本発明以外の比較方法が試される。
【0091】
本発明以外の比較例
消費者は、入手できるつけまつげ、およびのり、たとえばDuo Verte(登録商標)のりを持っている必要がある。消費者は、つけまつげフリンジの根元にのりを貼付し、次いで約5分待った後、つけまつげフリンジをまつげの根元に置く。一部にはつけまつげの根元の面積が非常に狭いために、また一部にはのりの貼付具の扱いが難しいことに起因して、のりの貼付は複雑である。
【0092】
本発明による例
つけまつげフリンジは、本発明のプロセスに従ってあらかじめ準備される。つけまつげフリンジの根元は、Dow Chemical製のAcudyne(登録商標)5800Pラテックスの接着層でコーティングされる。ラテックスは、乾燥のため10分間放置され、接着層の表面は、透明で、非常に粘着性のあるものになる。こののりは、次いで、保護層を形成するために水溶液(水90%、エタノール10%、PVP K30L10%)で覆われる。乾くと、この溶液によって形成された保護層は、もはや粘着性ではない。消費者は、本発明により準備されたつけまつげフリンジを取り上げる。消費者は、それを水中において冷水ですすぐ、またはそれを水溶液に30秒から1分間浸す。すると接着層の表面は、粘着性のあるものになる。消費者は、つけまつげフリンジを水から取り出し、それを消費者のまぶたのまつげの根元に貼付する。本発明による貼付ははるかに簡単であり、もはやのり製品の使用を必要としない。
【符号の説明】
【0093】
1 化粧用物品
2 貼付される要素
3 つけまつげ
5 接着層
6 保護層
20 パッケージングアセンブリ
25 連結ストリップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】