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特表2022-542931バッテリーモジュール、バッテリーラック及び電力貯蔵装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、バッテリーラック及び電力貯蔵装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20220930BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20220930BHJP
   H01M 50/251 20210101ALI20220930BHJP
   H01M 50/383 20210101ALN20220930BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/342 201
H01M50/251
H01M50/383
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505493
(86)(22)【出願日】2020-08-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2020011133
(87)【国際公開番号】W WO2021091058
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0141715
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ハク・コン
(72)【発明者】
【氏名】ジャ-オン・グ
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ホ・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ウク・リュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ビン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ボム・チョ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC10
5H012DD01
5H012EE01
5H012FF03
5H012FF08
5H040AA28
5H040AS01
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
(57)【要約】
本発明は、二次発火または爆発の危険性を減少させたバッテリーモジュールを開示する。このような目的を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、複数の二次電池を有する複数のセルアセンブリーと、複数のセルアセンブリーを収容するモジュールハウジングと、複数のセルアセンブリーのうち少なくとも一部のセルアセンブリーで所定の圧力以上のガス圧力または所定の温度以上で熱が発生する場合、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移されることを遮断するように構成された遮断部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池を有する複数のセルアセンブリーと、
前記複数のセルアセンブリーを収容する収容空間を有するモジュールハウジングと、
前記複数のセルアセンブリーのうち少なくとも一部のセルアセンブリーで所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱が発生する場合、前記発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移されることを遮断するように構成された遮断部材と、を含むことを特徴とする、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記モジュールハウジングには、外部から流入した冷媒が前記収容空間内で移動するように構成された冷媒移動路が備えられ、
前記遮断部材は、
少なくとも一部が前記冷媒移動路に位置し、前記冷媒が通過するように穿孔された開口が形成された隔壁部と、
前記開口の少なくとも一部を遮断するように前記所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱によって移動するように構成された開閉部と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記開閉部は、
前記開口内に位置し、両方向へ移動可能に両方向へ延びた延長構造物と、
前記延長構造物の延びた両端部に各々形成され、前記開口が位置した方向へ移動する場合、前記開口の少なくとも一部を遮断するように構成された栓構造物と、を備えることを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記栓構造物は、その周縁部の少なくとも一部が前記開口が位置する方向へ曲げられた形態を有することを特徴とする、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記隔壁部は、
一部が前記複数のセルアセンブリーの間に介在され、
残りの部分の少なくとも一部が前記セルアセンブリーよりも突出した形態を有することを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記開閉部は、少なくとも一部が前記所定の温度以上の温度で体積膨張して前記開口を密閉するように構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記開閉部は、前記開口内に挿入されて位置し、中央が穿孔されたリング状であることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記開閉部は、少なくとも一部に前記所定の温度以上の温度で体積膨張してメッシュの穴を密閉するように構成されたメッシュ構造を備えることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記モジュールハウジングの外壁の一部には、内部温度が所定の温度の以上に上昇する場合、本体の少なくとも一部が溶融して開放されるように構成されたベント部が備えられることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記ベント部は、本体の少なくとも一部を加熱するように構成された伝熱フィンが備えられることを特徴とする、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含み、前記バッテリーモジュールを収容するラックケースを含むことを特徴とする、バッテリーラック。
【請求項12】
請求項11に記載のバッテリーラックを少なくとも二つ含むことを特徴とする、電力貯蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールに関し、より詳しくは、二次発火または爆発の危険性を減らしたバッテリーモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2019年11月07日出願の韓国特許出願第10-2019-0141715号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系二次電池に比べてメモリー効果がほとんど起こらず充放電が自由で、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板が、セパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に封止して収納する外装材、例えば、電池パウチ外装材を備える。
【0005】
最近は、携帯型電子機器のような小型装置のみならず、自動車や電力貯蔵装置のような中・大型装置にも二次電池が広く用いられている。このような中・大型装置に用いられる場合、容量及び出力を高めるために複数の二次電池が電気的に接続される。特に、このような中・大型装置には、積層が容易であり、重量が軽いなどの長所から、パウチ型二次電池がよく用いられる。
【0006】
一方、最近、エネルギー貯蔵源としての活用を含めて大容量構造に対する必要性が高くなるにつれ、電気的に直列及び/または並列接続した複数の二次電池、及びこのような二次電池を内部に収容したバッテリーモジュール及びバッテリー管理システム(BMS)を備えたバッテリーラックに対する需要が増加しつつある。
【0007】
また、このようなバッテリーラックは、複数の二次電池を外部衝撃から保護するか、または収納保管するために、金属材質のラックケースを備えることが通常であった。一方、最近、高容量のバッテリーラックの需要が高くなりつつある。
【0008】
ところで、従来技術のバッテリーラックは、複数のバッテリーモジュールを備え、このようなバッテリーモジュールの内部に備えられた二次電池が熱暴走して発火または爆発する場合、隣接する二次電池へ高熱のガスまたは火炎が移されて二次爆発などが起こる場合があり、二次発火または爆発を防止するための努力が加重している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、二次発火または爆発の危険性を減少させたバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーモジュールは、
複数の二次電池を有する複数のセルアセンブリーと、
複数のセルアセンブリーを収容する収容空間を有するモジュールハウジングと、
複数のセルアセンブリーのうち少なくとも一部のセルアセンブリーで所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱が発生する場合、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移されることを遮断するように構成された遮断部材と、を含む。
【0012】
また、モジュールハウジングには、外部から流入した冷媒が収容空間内で移動するように構成された冷媒移動路が備えられ、
遮断部材は、
少なくとも一部が冷媒移動路に位置し、冷媒が通過するように穿孔された開口が形成された隔壁部と、
開口の少なくとも一部を遮断するように所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱によって移動するように構成された開閉部と、を備え得る。
【0013】
さらに、開閉部は、
開口内に位置し、両方向へ移動可能に両方向へ延びた延長構造物と、
延長構造物の延びた両端部に各々形成され、開口が位置した方向へ移動する場合、開口の少なくとも一部を遮断するように構成された栓構造物と、を備え得る。
【0014】
そして、栓構造物は、その周縁部の少なくとも一部が開口が位置する方向へ曲げられた形態を有し得る。
【0015】
また、隔壁部は、
一部が複数のセルアセンブリーの間に介在され、
残り部分の少なくとも一部がセルアセンブリーよりも突出した形態を有し得る。
【0016】
また、開閉部は、少なくとも一部が所定の温度以上の温度で体積膨張して開口を密閉するように構成され得る。
【0017】
そして、開閉部は、開口内に挿入されて位置し、中央が穿孔されたリング状であり得る。
【0018】
さらに、開閉部は、少なくとも一部に所定の温度以上の温度で体積膨張してメッシュの穴を密閉するように構成されたメッシュ構造を備え得る。
【0019】
また、モジュールハウジングの外壁の一部には、内部温度が所定の温度の以上に上昇する場合、本体の少なくとも一部が溶融して開放されるように構成されたベント部が備えられ得る。
【0020】
さらに、ベント部は、本体の少なくとも一部を加熱するように構成された伝熱フィンが備えられ得る。
【0021】
なお、上記の課題を達成するための本発明によるバッテリーラックは、バッテリーモジュールを少なくとも一つ含み、バッテリーモジュールを収容するラックケースを含む。
【0022】
また、上記の課題を達成するための本発明による電力貯蔵装置は、バッテリーラックを少なくとも二つ含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一面によると、本発明のバッテリーモジュールは、複数のセルアセンブリーの少なくとも一部のセルアセンブリーで所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱が発生する場合、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移されることを遮断するように構成された遮断部材を含むことで、他のセルアセンブリーへの火事や熱暴走の伝播を効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【0024】
また、本発明の一面によると、遮断部材は、少なくとも一部が冷媒移動路に位置し、冷媒が通過するように穿孔された開口が形成された隔壁部と、開口の少なくとも一部を遮断するように所定の圧力以上のガスによって移動するように構成された開閉部と、を備えることで、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移されることを遮断することができる。これによって、バッテリーモジュールの他のセルアセンブリーへ火事や熱暴走が伝播されることを効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【0025】
さらに、本発明の一実施例の一面によると、本発明のバッテリーモジュールの遮断部材は、栓構造物の周縁部の少なくとも一部が、開口が位置する方向へ曲げられた形態を有することで、開閉部が開口へより円滑に移動できる。これによって、遮断部材によって他のセルアセンブリーへの火事や熱暴走の伝播をより安定的に防止することができる。したがって、バッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【0026】
さらに、本発明の一面によると、本発明のバッテリーモジュールの遮断部材は、開閉部の少なくとも一部が所定の温度以上の温度で体積膨張して開口を密閉するように構成されることで、発生した高熱のガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリーへ移動することを遮断することができる。これによって、バッテリーモジュールの他のセルアセンブリーへの火事や熱暴走の伝播を効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュールの安全性を高めることができる。
【0027】
また、本発明の一面によると、本発明のバッテリーモジュールは、モジュールハウジングの外壁の一部には、内部温度が所定の温度以上に上昇する場合、本体の少なくとも一部が溶融して開放されるように構成されたベント部が備えられることで、遮断部材によって冷媒移動路へ流れる高熱のガスが遮断される場合、遮断部材によって停滞した高熱のガスをベント部から排出することができるので、他のセルアセンブリーへの熱の伝播を最小化することができ、意図する方向へ高熱のガスを排出させることができるので、より安全な対処が可能である。
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成であるセルアセンブリーを概略的に示した斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した後方斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの内部構成を概略的に示した横断面図である。
図5】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。
図6】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した分解斜視図である。
図7】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図8】本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図9】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した部分斜視図である。
図10】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図11】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図12】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図13】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
図14】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した部分斜視図である。
図15図1のC-C’線に沿って切断したバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面図である。
図16】本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面図である。
図17】本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面図である。
図18】本発明の一実施例による電力貯蔵装置を概略的に示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0031】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0032】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した斜視図である。図2は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成であるセルアセンブリーを概略的に示した斜視図である。図3は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した後方斜視図である。そして、図4は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの内部構成を概略的に示した横断面図である。図4では、バッテリーモジュール200の内部構成が見られるようにモジュールハウジング210の上壁を省略して図示した。
【0033】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーモジュール200は、複数のセルアセンブリー100、複数のセルアセンブリー100を収容するモジュールハウジング210及び遮断部材240を含み得る。
【0034】
先ず、セルアセンブリー100は、一実施例による配列された複数の二次電池110を有し得る。
【0035】
二次電池110は、パウチ型二次電池110であり得る。例えば、図2に示したように、図1のF方向(正面)から見る場合、セルアセンブリー100は、複数個のパウチ型二次電池110が前後方向へ並んで相互に積層されるように構成され得る。例えば、図2に示したように、一つのセルアセンブリー100は、21個のパウチ型二次電池110が備えられ得る。
【0036】
一方、本明細書においては、特に説明しない限り、上、下、前、後、左、右の方向に対して、 図1のF方向から見た場合を基準とする。
【0037】
特に、このようなパウチ型二次電池110は、電極組立体(図示せず)、電解液(図示せず)及びパウチ116を備え得る。
【0038】
さらに、正極リード111と負極リード(図示せず)は、二次電池110の中心を基準で相互に反対方向の左右方向の端部に形成され得る。即ち、正極リード111は、二次電池110の中心を基準で一端部(右端部)に備えられ得る。また、負極リードは、二次電池110の中心を基準で他端部(左端部)に備えられ得る。
【0039】
しかし、本発明によるバッテリーモジュール200には、前述したパウチ型二次電池110のみに限定されず、本願発明の出願時点における公知の多様な二次電池110が採用され得る。
【0040】
一方、さらに図1及び図2を参照すると、バッテリーモジュール200は、バスバーアセンブリー270をさらに含み得る。具体的には、バスバーアセンブリー270は、複数の二次電池110を電気的に相互に接続するように構成された少なくとも一つのバスバー272と、少なくとも一つのバスバー272を外側に搭載するように構成された少なくとも二つのバスバーフレーム276と、を備え得る。図1のF方向から見たとき、少なくとも二つのバスバーフレーム276は、セルアセンブリー100の左右方向の両側に各々備えられ得る。
【0041】
一方、本明細書においては、特に説明しない限り、上、下、前、後、左、右の方向に対して、F方向から見た場合を基準とする。
【0042】
一方、モジュールハウジング210は、セルアセンブリー100を内部に収納するように内部空間が形成され得る。具体的には、図1のF方向から見たとき、モジュールハウジング210は、前壁210a、後壁210b、上壁210c、下壁210d、左側壁210e及び右側壁210fを備え得る。
【0043】
具体的には、下壁210dは、少なくとも二つのセルアセンブリー100を上部に搭載するように少なくとも二つのセルアセンブリー100の下面の大きさよりも大きい面積を有し得る。下壁210dは、水平方向へ延びたプレート状であり得る。
【0044】
また、図1及び図3を参照すると、上壁210cは、セルアセンブリー100の上部をカバーするように水平方向へ延びたプレート状であり得る。左側壁210e及び右側壁210fは、セルアセンブリー100の左右方向の両側部をカバーするように上壁210cの左右方向の両端部から下方へ延びたプレート状であり得る。
【0045】
さらに、前壁210aは、セルアセンブリー100の前方をカバーするように構成され得る。例えば、前壁210aは、セルアセンブリー100の前面の大きさよりも大きいサイズのプレートを有し得る。前壁210aのプレートは、上下方向へ立てられた形態であり得る。
【0046】
また、後壁210bは、セルアセンブリー100の後方をカバーするように構成され得る。例えば、後壁210bは、セルアセンブリー100の後面の大きさより大きいサイズのプレート状であり得る。
【0047】
一方、遮断部材240は、複数のセルアセンブリー100の少なくとも一部のセルアセンブリー100で所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱が発生する場合、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移動することを遮断するように構成され得る。
【0048】
例えば、セルアセンブリー100のうち、一部の二次電池110で発火または熱暴走が発生し得る。この際、二次電池110の内部成分が気化するか、またはガスが発生して高圧のガスと火炎が発生し得る。この際、遮断部材240は、モジュールハウジング210の内部で一部のセルアセンブリー100から発生した高圧のガスまたは高温の熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移されることを遮断するように構成され得る。
【0049】
例えば、図4に示したように、バッテリーモジュール200には、複数のセルアセンブリー100の間に6個の遮断部材240が備えられ得る。
【0050】
したがって、本発明のこのような構成によると、複数のセルアセンブリー100の少なくとも一部のセルアセンブリー100で所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱が発生する場合、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移されることを遮断するように構成された遮断部材240を含むことで、他のセルアセンブリー100への火事や熱暴走の伝播を効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を高めることができる。
【0051】
一方、図1及び図3を参照すると、モジュールハウジング210は、外部空気A1がモジュールハウジング210へ流通する流入口213及び排出口212が備えられ得る。流入口213は、外部空気A1がモジュールハウジング210の内部へ流入できるように構成され得る。排出口212は、モジュールハウジング210の一部分に形成され、流入した空気A1が外部へ排出されるように構成され得る。
【0052】
例えば、流入口213には、ブロワー(図示せず)が備えられ得る。ブロワーは、図1のF方向から見る場合、モジュールハウジング210の前端に搭載され、外部空気A1がモジュールハウジング210の内部に投入されるように構成され得る。ブロワーは、電力を受けて回転するように構成された送風ファンを備え得る。
【0053】
さらに、モジュールハウジング210には、外部から流入した冷媒が空間内で移動するように構成された冷媒移動路211が備えられ得る。冷媒移動路211は、外部と連通するように前後方向へ長く延びた空間であり得る。冷媒移動路211は、セルアセンブリー100の左右方向の一側または両側に備えられ得る。
【0054】
そして、冷媒移動路211は、セルアセンブリー100の上部または下部とモジュールハウジング210との間の空間になり得る。即ち、バッテリーモジュール200の内部に流入した外部空気A1は、セルアセンブリー100の上部または下部へ通過してセルアセンブリー100の右方へ移動し、さらに、冷媒移動路211の後端に形成され、バッテリーモジュール200の外部と連通するように穿孔された複数の排出口212から排出され得る。
【0055】
また、冷媒移動路211は、供給部211a、排出部211b及び中間部211cを備え得る。具体的には、供給部211aは、セルアセンブリー100の左右方向の一側に位置し得る。例えば、供給部211aは、F方向から見る場合、セルアセンブリー100の左側に位置し得る。
【0056】
そして、排出部211bは、セルアセンブリー100の左右方向の他側に位置し得る。例えば、排出部211bは、F方向から見る場合、セルアセンブリー100の右側に位置し得る。排出部211bは、モジュールハウジング210の内部に流入した外部空気A1が排出口212まで移動するように構成され得る。即ち、排出部211bは、排出口212と連通するように構成され得る。中間部211cは、セルアセンブリー100の上部または下部において冷媒が左右方向へ流れるように構成され得る。
【0057】
図5は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成を概略的に示した斜視図である。図6は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した分解斜視図である。そして、図7及び図8は、本発明の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
【0058】
図5図8を参照すると、遮断部材240は、隔壁部242と、開閉部244と、を備え得る。具体的には、隔壁部242は、少なくとも一部が冷媒移動路211に位置し、冷媒である空気A1が通過するように穿孔された開口T1が形成され得る。例えば、図6に示したように、一つの隔壁部242には、左右方向の両端部に各々開口T1が形成され得る。開口T1は、開閉部244が挿入されるように構成され得る。
【0059】
開閉部244は、開口T1の少なくとも一部を遮断するように所定の圧力以上のガスまたは所定の温度以上の熱によって移動するように構成され得る。例えば、図7及び図8に示した遮断部材240の開閉部244は、セルアセンブリー100から所定の圧力以上の高圧ガスが発生する場合、ガス圧力によって開口T1の少なくとも一部を遮断するように移動し得る。
【0060】
より具体的には、開閉部244は、延長構造物244aと、栓構造物244bと、を備え得る。延長構造物244aは、開口T1内に位置し、両方向へ移動可能に両方向へ延び得る。延長構造物244aには、開口T1の内面と密着するように延びた十字形のリブR1が備えられ得る。開口T1と十字形のリブR1との間には、空気A1が流通する空間が形成され得る。これによって、火事が発生していない状況では、開閉部244が隔壁部242の開口T1に挿入されていても、開口T1と十字形のリブR1との間の空間を通して冷媒である空気A1が流通可能である。
【0061】
栓構造物244bは、延長構造物244aから延びた両端部に各々形成され、開口T1が位置する方向へ移動する場合、開口T1の少なくとも一部を遮断するように構成され得る。
【0062】
例えば、図5に示したように、開閉部244は、前後方向へ移動可能に前後方向へ延びた延長構造物244aを備え得る。また、栓構造物244bは、延長構造物244aの延長方向、即ち、前後方向の両端部に各々形成され得る。栓構造物244bは、開口T1と対応する形状の平面を有するプレート構造を有し得る。セルアセンブリー100の火事や熱暴走の発生によって高圧のガスが発生する場合、栓構造物244bは、延長構造物244aが開口T1に沿って一方向へ移動することで、栓構造物244bのプレート構造によって開口T1が密閉されるように構成され得る。
【0063】
したがって、本発明のこのような構成によると、遮断部材240は、少なくとも一部が冷媒移動路211に位置し、冷媒が通過するように穿孔された開口T1が形成された隔壁部242と、開口T1の少なくとも一部を遮断するように所定の圧力以上のガスによって移動するように構成された開閉部244と、を備えることで、発生したガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移動することを遮断できる。これによって、バッテリーモジュール200の他のセルアセンブリー100への火事や熱暴走の伝播を効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を向上させることができる。
【0064】
さらに、火事が発生していない状況では、複数のセルアセンブリー100の冷却のために、冷媒A1(空気)が流通するように、開閉部244の延長構造物244aと隔壁部242の開口T1との間には所定の空間Sが形成されることで、遮断部材240によって複数のセルアセンブリー100の冷却が難しくなることを防止できる。
【0065】
図9は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した部分斜視図である。
【0066】
図5と共に図9を参照すると、本発明の他の一実施例による遮断部材240は、図7の遮断部材240の開閉部244の形状が異なり、残りの構成は同一であり得る。具体的には、図9の遮断部材240の開閉部244Aは、延長構造物244aの両端部に各々形成された栓構造物244bの形状が相違し得る。栓構造物244bは、その周縁部の少なくとも一部が開口T1が位置する方向へ曲げられた形態244b2を有し得る。
【0067】
例えば、図9に示したように、延長構造物244aを中心にして前端に備えられた栓構造物244bは、その周縁部が隔壁部242の開口T1に向かって(後方へ)曲げられた形態244b2を有し得る。延長構造物244aを中心にして後端に備えられた栓構造物244bは、その周縁部が隔壁部242の開口T1が位置する方向(前方)へ曲げられた形態244b2を有し得る。
【0068】
例えば、栓構造物244bは、中空の半球状であり得る。即ち、栓構造物244bは、ボール(bowl)形状であり得る。このような中空の半球状は、高圧のガスが発生する場合、そのガス圧力を効果的に受けることができる適切な形態であり得る。即ち、図7の栓構造物244bのプレート構造よりも圧力を受け得るガスの接触面積がさらに大きく、ガスと接触するとき、ガス圧力が分散しにくいため、ガス圧力によって開閉部244Aを押し出す力を効果的に発生させることができる。
【0069】
したがって、本発明のこのような構成によると、栓構造物244bは、その周縁部の少なくとも一部が開口T1が位置する方向へ曲げられた形態244b2を有することで、開閉部244Aが開口T1をより円滑に移動できる。これによって、遮断部材240によって、他のセルアセンブリー100への火事や熱暴走の伝播をより安定的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を高めることができる。
【0070】
図5及び図6をさらに参照すると、隔壁部242は、一部分が複数のセルアセンブリー100の間に介在され得る。隔壁部242は、少なくとも一部がセルアセンブリー100よりも突出した形態を有し得る。例えば、図5に示したように、7個のセルアセンブリー100は前後方向へ配列され、7個セルアセンブリー100の間々に隔壁部242が介在され得る。隔壁部242は、二つのセルアセンブリー100の間に介在された部分以外の部分がセルアセンブリー100よりも上下左右方向へさらに突出した形態を有し得る。
【0071】
例えば、隔壁部242は、防炎素材を含み得る。防炎素材は、例えば、雲母であり得る。
【0072】
したがって、本発明のこのような構成によると、隔壁部242は、一部が複数のセルアセンブリー100の間に介在され、残りの部分の少なくとも一部がセルアセンブリー100よりも突出した形態を有することで、複数のセルアセンブリー100のうち一部のセルアセンブリー100で火事や熱暴走が発生しても、隔壁部242によって、火事が発生したセルアセンブリー100に隣接する他のセルアセンブリー100へ直接的に火炎や高熱が伝達されることを防止できる。これによって、本発明のバッテリーモジュール200は、火事や熱暴走の伝播を防止することができ、火事安全性を大幅向上させることができる。
【0073】
図10及び図11は、本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示す部分斜視図である。
【0074】
図10及び図11を参照すると、さらに他の一実施例による開閉部244Bは、開口T1の少なくとも一部を遮断するように所定の温度以上の熱によって一部が膨張するように構成され得る。即ち、開閉部244Bは、少なくとも一部が所定の温度以上で体積膨張して開口T1を密閉するように構成され得る。開閉部244Bは、火事や熱暴走が起こらない状態では、冷媒が流通するように隔壁部242の開口T1と所定の空間を有するように構成され得る。
【0075】
また、開閉部244Bは、所定の温度以上で体積膨張する体積膨張素材を含み得る。例えば、体積膨張素材は、3M社のFire Barrier MPP+、Sekisui社のFi-BlockまたはNeoGraf社のGRAFGUARDであり得る。体積膨張素材は、例えば、150~250℃で3~40倍以上に体積膨張できる。この際、炭化層(Char layer)が生成され得る。体積膨張素材は、例えば、100倍以上に体積膨張が可能な片状黒鉛(Graphite Flakes)を含み得る。
【0076】
例えば、図10に示したように、開閉部244Bは、上下方向へ延びたプレート244p1と左右方向へ延びたプレート244p2とが相互に結合した形態を有し得る。即ち、開閉部244Bは、十字形態のリブ構造244pを有し得る。リブ構造244pは、隔壁部242の開口T1の間に挿入されるように構成され得る。リブ構造244pと隔壁部242の開口T1との間は、冷媒が流通するように所定の空間が形成され得る。
【0077】
これに対し、複数のセルアセンブリー100のうち少なくとも一部で火事や熱暴走によって高熱のガスが発生する場合、高熱のガスによって開閉部244Bは、体積膨張を起こして開口T1を密閉するように構成され得る。例えば、図10及び図11に示したように、開閉部244Bは、リブ構造244pが高熱のガスによって熱を受けて体積膨張することで、冷媒が流通する所定の空間を密閉できる。
【0078】
したがって、本発明のこのような構成によると、開閉部244Bは、少なくとも一部が所定の温度以上で体積膨張して開口T1を密閉するように構成されることで、発生した高熱のガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移動することを遮断できる。これによって、バッテリーモジュール200の他のセルアセンブリー100へ火事や熱暴走が伝播されることを効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を向上させることができる。
【0079】
図12及び図13は、本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材の作動を概略的に示した部分斜視図である。
【0080】
図12及び図13を参照すると、開閉部244Cはメッシュ構造244mを備え得る。メッシュ構造244mは、少なくとも一部に所定の温度以上で体積膨張してメッシュの穴が密閉されるように構成され得る。即ち、開閉部244Cのメッシュ構造244mは、火事や熱暴走が起こっていない状態では、メッシュの穴を通して冷媒(空気A1)が流通可能である。一方、複数のセルアセンブリー100のうち一部で火事や熱暴走が発生する場合、高熱ガスの影響でメッシュ構造244mのストリングが体積膨張してメッシュの穴を塞ぐように構成され得る。
【0081】
例えば、図12及び図13に示したように、遮断部材240の隔壁部242に形成された開口T1には、メッシュ構造244mを有する開閉部244Cが挿入され得る。平常時には、メッシュ構造244mのメッシュの穴を通して冷媒が流通可能である。一方、セルアセンブリー100から高熱のガスや火炎が噴出される場合、メッシュ構造244mが体積膨張してメッシュの穴を閉塞し得る。
【0082】
したがって、本発明のこのような構成によると、開閉部244Cは、少なくとも一部に所定の温度以上で体積膨張してメッシュの穴が密閉するように構成されたメッシュ構造244mを備えることで、発生した高熱のガスまたは熱が、残りの他のセルアセンブリー100へ移されることを遮断することができる。これによって、バッテリーモジュール200の他のセルアセンブリー100へ火事や熱暴走が伝播されることを効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を高めることができる。
【0083】
図14は、本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールの一部構成である遮断部材を概略的に示した部分斜視図である。
【0084】
図14を参照すると、さらに他の一実施例に他の開閉部244Dは、開口T1内に挿入されて位置し、中央が穿孔されたリング状であり得る。リング状の開閉部244Dは、開口T1の内面と密着するように構成され得る。開閉部244Dは、所定の温度以上で体積膨張して中央に穿孔された穴T2を密閉するように構成され得る。
【0085】
例えば、図14に示したように、隔壁部242の左側部に前後方向へ穿孔された開口T1が形成され得る。開口T1には、中央が穿孔されたリング状の開閉部244Dが挿入され得る。開閉部244Dは、所定の温度以上に上昇する場合、穿孔された穴T2を密閉するように構成され得る。
【0086】
したがって、本発明のこのような構成によると、開閉部244Dは、開口T1内に挿入されて位置し、中央が穿孔されたリング状であることで、発生した高熱のガスまたは熱が残りの他のセルアセンブリー100へ移動することを遮断することができる。これによって、バッテリーモジュール200の他のセルアセンブリー100への火事や熱暴走を効果的に防止することができる。これによって、バッテリーモジュール200の安全性を高めることができる。
【0087】
図15は、図1のC-C’線に沿って切断したバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面図である。
【0088】
図1と共に図15を参照すると、モジュールハウジング210の一部には、内部と外部とが流通するように開放された開放部215が形成され得る。モジュールハウジング210の外壁(右側壁)210fの開放部215には、内部温度が所定の温度以上に上昇する場合、外部に開放されるように構成されたベント部216が備えられ得る。即ち、ベント部216は、内部ガスが外部へ排出されるために本体の少なくとも一部分が溶融して流失するように構成され得る。例えば、ベント部216は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含み得る。
【0089】
ベント部216は、遮断部材240と隣接して形成され得る。即ち、遮断部材240によって冷媒移動路211へ流れる高熱のガスが遮断される場合、停滞した高熱のガスがベント部216によって排出されるように構成され得る。
【0090】
したがって、本発明のこのような構成によると、モジュールハウジング210の外壁210fの一部には、内部温度が所定の温度以上に上昇する場合、本体の少なくとも一部が溶融して開放されるように構成されたベント部216が備えられることで、遮断部材240によって冷媒移動路211から流れる高熱のガスが遮断される場合、遮断部材240によって停滞した高熱のガスがベント部216によって排出されることで他のセルアセンブリー100への熱の伝播を最小化することができ、また、意図された方向へ高熱のガスを排出することができるので、より安全な対処が可能になる。
【0091】
図16は、本発明の他の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面である。
【0092】
図16を参照すると、モジュールハウジング210Aの一部には、内部と外部が流通するように開放された開放部215が形成され得る。開放部215には、ベント部216Aが位置し得る。図16のベント部216Aは、図15のベント部216と比較する場合、伝熱部材216bをさらに備え得る。伝熱部材216bには、所定の温度以上で溶融する素材216aが挿入されるように構成された収容ホール216hが形成され得る。伝熱部材216bは、高熱のガスが収容ホール216hに挿入された所定の温度以上で溶融する素材216aに熱を伝達するように構成され得る。例えば、伝熱部材216bは、熱伝導性が優秀なアルミニウム合金であり得る。
【0093】
例えば、図16に示したように、モジュールハウジング210Aの一部には、内部と外部が流通するように開放部215が形成され得、開放部215には、開放部215を密閉するように構成された伝熱部材216bが備えられ得る。伝熱部材216bには、100℃以上で溶融する素材216aが挿入されるように構成された収容ホール216hが複数個形成され得る。収容ホール216hには、低密度ポリエチレン素材216aが満たされ得る。
【0094】
したがって、本発明のこのような構成によると、伝熱部材216bをさらに備え、伝熱部材216bには、所定の温度以上で溶融する素材216aが挿入されるように構成された収容ホール216hが形成されることで、セルアセンブリー100で発生した高熱のガスによって伝熱部材216bに熱が速やかに伝達され、伝達された熱が、収容ホール216hに備えられた所定の温度以上で溶融する素材216aを溶かすことで、内部ガスを外部へベントできる。即ち、他の一実施例によるベント部216Aは、伝熱部材216bを用いてベント部216Aが溶ける時間を短縮できる。これによって、セルアセンブリー100で発生した高熱のガスの排出時間を効果的に減少させることができる。
【0095】
図17は、本発明のさらに他の一実施例によるバッテリーモジュールを概略的に示した部分断面図である。
【0096】
図17を参照すると、さらに他の一実施例によるモジュールハウジング210Bのベント部216Bは、図15のベント部216と比較する場合、本体の少なくとも一部を加熱するように構成された伝熱フィン218がさらに備えられ得る。伝熱フィン218は、熱伝導性が優秀なアルミニウム合金であり得る。伝熱フィン218は、ベント部216Bの所定の温度以上で溶融する素材に熱を効果的に伝達するように、ベント部216Bの本体に一部が挿入され得る。伝熱フィン218のヘッドは、高熱のガスとの接触面積が大きくなるよう、T字形態を有し得る。
【0097】
例えば、図17に示したように、モジュールハウジング210Bの一部には、内部と外部が流通する開放部215が形成され得、開放部215には、開放部215を密閉するように構成されたベント部216Bが備えられ得る。ベント部216Bは、100℃以上で溶融する素材を含み得る。ベント部216Bには、4個の伝熱フィン218が所定の間隔で離隔して本体に挿入され得る。
【0098】
したがって、本発明のこのような構成によると、セルアセンブリー100で発生した高熱のガスによって伝熱フィン218に熱が迅速に伝達され、伝達された熱によってベント部216Bの所定の温度以上で溶融する素材が溶けることで、内部ガスを外部へベントできる。即ち、さらに他の一実施例によるベント部216Bは、伝熱フィン218によってベント部216Bが溶ける時間を短縮でき、セルアセンブリー100で発生した高熱ガスの排出時間を効果的に短縮することができる。
【0099】
図18は、本発明の一実施例による電力貯蔵装置を概略的に示す正面図である。
【0100】
図18を参照すると、本発明の一実施例によるバッテリーラック500は、バッテリーモジュール200を少なくとも一つ含み、また、バッテリーモジュール200を収容するラックケース510を含み得る。また、ラックケース510は、複数のバッテリーモジュール200を上下方向へ積層された形態で収容するように構成され得る。ラックケース510の内部では、バッテリーモジュール200の下面が水平面に平行するように搭載され得る。
【0101】
ここで、水平方向とは、バッテリーモジュール200を地面に置いたとき、地面に平行する方向を意味し、上下方向に垂直する平面上の少なくとも一方向ともいえる。
【0102】
さらに、ラックケース510は、少なくとも一側が開放可能に構成され、開放された側面からバッテリーモジュール200が内部空間へ入れられ得る。但し、ラックケース510は、このように開放された側面が閉鎖可能に構成されることも可能である。
【0103】
また、バッテリーラック500は、ラックケース510の内部または外部にバッテリー管理装置350(Battery Management System;BMS)などの他の構成要素をさらに含み得る。
【0104】
また、図18を参照すると、本発明の一実施例による電力貯蔵装置600は、バッテリーラック500を少なくとも二つ含み得る。二つ以上のバッテリーラック500は、一方向へ配列されるように配置され得る。例えば、図18に示したように、電力貯蔵装置600は、三つのバッテリーラック500が一方向へ配列されるように構成され得る。
【0105】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0106】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、バッテリーモジュールに関する。また、本発明は、バッテリーモジュールを含むバッテリーラックまたは大規模電力貯蔵装置関連産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
100 セルアセンブリー
110 二次電池
200 バッテリーモジュール
210 モジュールハウジング
211 冷媒移動路
211a 供給部
211b 排出部
212 排出口
213 流入口
216 ベント部
218 伝熱フィン
240 遮断部材
242 隔壁部
244 開閉部
244a 延長構造物
244b 栓構造物
244b2 折曲形態
244m メッシュ構造
350 バッテリー管理装置
500 バッテリーラック
510 ラックケース
600 電力貯蔵装置
T1 開口
T2 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】