(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】天然バニリンを含有する組成物の処理方法
(51)【国際特許分類】
C07C 45/85 20060101AFI20220930BHJP
C07C 47/58 20060101ALI20220930BHJP
C07C 69/21 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
C07C45/85 CSP
C07C47/58
C07C69/21
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505513
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2020071489
(87)【国際公開番号】W WO2021019005
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ガレル, ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ジラリ, ラシド
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB14
4H006AD15
4H006AD30
4H006BN30
4H006BP30
4H006BQ10
4H006KA06
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物を分離することによる、天然バニリンを含有する組成物の処理方法に関する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然バニリンとバニリルアルコールとを含む天然バニリンを製造するためのプロセスから得られる組成物(C)の処理方法であって、
- 組成物(C)の中に存在する前記バニリルアルコールから、天然バニリンと式(I)の化合物とを含有する組成物(C1)を形成する工程(i):
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
の単位から選択される)
- 組成物(C1)中に存在する前記天然バニリンを回収する工程及び/又は前記式(I)の化合物を回収する工程(ii);
を含む処理方法。
【請求項2】
工程(i)が、ROH、RCOOH、及びHO-(W-O)
m-H(式中、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、HO-(WO)
m-H化合物の平均分子量は200~3000g/molである)からなる群から選択される化合物の存在下で行われる、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
工程(i)が、組成物(C)中に存在するバニリン酸からの以下の式による式(III)の化合物の形成も可能にする、請求項1又は2に記載の処理方法:
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(IV)
の単位から選択される)。
【請求項4】
工程(i)が式ROHの化合物(Rはブチル基である)の存在下で行われるエーテル化反応であり、
工程(ii)が天然バニリンを回収する工程及びn=0であり且つRがブチル基である式(I)の化合物を回収する工程である、請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項5】
工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンが500ppm未満のバニリルアルコールを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項6】
工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンの組成物が、200ppm未満の4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項7】
工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンが、特に結晶、ビーズ、パール状、又は粉末の形態で成形される追加の工程(iii)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項8】
組成物(C)中の天然バニリンの量に対して90%以上の精製収率を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項9】
工程(ii)又は(iii)の終わりに得られる天然バニリン組成物中のバニリンの力価が95%以上、好ましくは97%以上、非常に好ましくは99%以上、更に好ましくは99.5%以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項10】
工程(ii)又は(iii)の終わりに得られる天然バニリンが、400ハーゼン以下、好ましくは200ハーゼン以下、より好ましくは100ハーゼン以下、非常に好ましくは50ハーゼン以下、更に好ましくは20ハーゼン以下の色を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理方法。
【請求項11】
下記式(I)の化合物
(式中、n=0且つR=ブチルである)であって、天然のものである式(I)の化合物。
【請求項12】
請求項11に記載の式(I)の化合物を含有し、更に200ppm未満の4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド及び/又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドを含有する組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月30日出願の仏国特許出願第1908644号の優先権を主張するものであり、その内容は、参照により完全に援用される。
【0002】
本発明は、式(I)の化合物を分離することによる、天然バニリンを含有する組成物の処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バニリン、すなわち4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒドは、当業者に公知の様々な方法によって、特に以下の3つの経路によって得ることができる。
- 特に、発酵基質からバニリンへの生物学的変換を可能にすることができる微生物の培養を含む、生物工学的プロセスに基づく「天然」ルート。発酵基質がフェルラ酸であるそのような方法は、特に、欧州特許第0885968号明細書から既知である。使用されるフェルラ酸は、特に米ぬか又はトウモロコシふすまに由来する複数の起源を持つ場合がある。これらの方法によって、「天然バニリン」と呼ばれるバニリンが調製される。
- 微生物を含まないグアイアコールから始まる従来の化学反応を含む「合成」ルート。この方法によって、合成バニリンと呼ばれるバニリンが調製される。
【0004】
最後に、バニリンは、バニリンがリグニンから(特に、米国特許第2745796号明細書及び独国特許第1132113号明細書、並びにInternational Journal of Biology and Biotechnology,2004,Vol.1,No.4,pp535-537中のAzadbakhtらによる「Preparation of lignin from wood dust as vanillin source and comparison of different extraction methods」という表題の論文を挙げることができる)、又はオイゲノールから得られる「バイオベース」と表現される経路によって調製することもできる。
【0005】
「天然経路」がバニリンの工業的製造に使用される場合、天然バニリンの官能特性に影響を与え得る多数の副生成物が形成する複数の副反応が起きる可能性がある。これらの副生成物は、特にバニリンと反応することもできる。結果として、天然バニリンの精製収率及び天然バニリン製造の全体的な収率も低下する。天然バニリンの官能特性が悪化する傾向もある。
【0006】
更に、天然バニリンは精製することができる。例えば、国際公開第2018/146210号パンフレットには、天然バニリンを含む液体流を同伴ガス及び/又は気化した液体でストリッピングする少なくとも1つの工程を含む、天然バニリンの精製方法が記載されている。この方法により、天然のバニリンを十分に精製できるものの、バニリルアルコールは十分には除去されない。
【0007】
本発明は、天然バニリンとの副反応を防止するための効果的な解決策を提供することで、その官能特性を維持又は更には改善しながらも天然バニリンの精製の全体的な収率を改善することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明の第1の主題は、天然バニリンとバニリルアルコールとを含む天然バニリンを製造するためのプロセスから得られる組成物(C)の処理方法であって、
- 天然バニリンの存在下で行われ、且つ組成物(C1)又は(C2)の形成を可能にする、バニリルアルコールから式(I)の化合物を形成する工程(i):
【化1】
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基から選択され、又はRは式-(W-O)
m-Xの基であり、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
【化2】
の単位から選択される);
- 組成物(C1)又は(C2)中に存在する天然バニリンを回収する工程及び/又は式(I)の化合物を回収する工程(ii);
を含む方法に関する。
【0009】
別の態様は、式(I)の化合物を分離することによる、天然バニリンとバニリルアルコールとを含有する組成物の精製方法に関する。
【0010】
本発明は、天然バニリンの存在下における式(I)の化合物の調製方法にも関する。
【0011】
最後に、本発明は、ヒト及び動物の栄養分野や製薬における風味料としての、並びに化粧品、香水、及び洗剤産業における香料としての天然バニリン組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明との関係において、及び別段の指示がない限り、「…と…との間」という表現は境界を含む。別段の指示がない限り、パーセンテージ及びppmは、重量パーセンテージ及び重量ppmである。
【0013】
本発明との関係において、及び別段の指示がない限り、「ppm」という用語は「百万分率」を意味する。この単位は、重量による比率:1ppm=1mg/kgを表す。
【0014】
本発明との関係においては、及び別段の指示がない限り、「天然バニリン」という表現は、規則EC1334/2008の第9.2条c)による風味付与物質、すなわち植物、動物、若しくは微生物起源の物質それ自体から、又は1つ以上の従来の食品調製プロセスによってヒトが消費するためにそれらを変換した後に、物理的、酵素的、若しくは微生物学的プロセスにより得られる風味付与物質を表し得る。天然風味付与物質は、天然に存在し天然に同定されている物質に相当する。他の国又は地域で施行されている規制によって与えられる定義も適用される場合がある。好ましくは、本発明による「天然バニリン」という用語は、生物工学的プロセスによって得られたバニリンを意味する。別の代替形態によれば、「天然バニリン」という用語は、特に発酵基質のバニリンへの変換を可能にすることができる微生物の培養を含む微生物学的プロセスによって得られるバニリンを意味する。本発明によれば、微生物は、野生型であってもよく、或いは特に性能を改善するために、例えばバニリンの収率を改善するために、副生成物の形成を抑制若しくは防止するために、又は生産性を高めるために、遺伝子組み換えされていてもよい。非常に好ましくは、これは欧州特許出願第0885968号明細書に記載されているものなどのフェルラ酸の発酵のためのプロセスである。フェルラ酸は、任意の起源のものであってよく、特に米ぬか、ビートパルプ、小麦ふすま、バガス、サトウキビ、又はトウモロコシ、特にデンプン工場又はニシュタマリゼーションユニットからのトウモロコシふすま又はトウモロコシ繊維由来であってよい。
【0015】
本発明との関係において、「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和の鎖を表す。好ましくは、アルキル基は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、更に好ましくは1~6個の炭素原子を含む。アルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、及びtert-ブチルからなる群から選択することができる。1つの特定の態様によれば、アルキル基は、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよい。例えば、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたアルキル基は、-CH2-CH(OH)-CH2-OHであってよい。
【0016】
したがって、本発明の第1の主題は、天然バニリンとバニリルアルコールとを含む天然バニリンを製造するためのプロセスから得られる組成物(C)の処理方法であって、
- 組成物(C)の中に存在する前記バニリルアルコールから天然バニリンと式(I)の化合物とを含有する組成物C1を形成する工程(i):
【化3】
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
【化4】
の単位から選択される);
- 組成物(C1)又は(C2)中に存在する天然バニリンを回収する工程及び/又は式(I)の化合物を回収する工程(ii);
を含む方法に関する。好ましくは、nは0である、及び/又はRはブチル基である。
【0017】
したがって、本発明は、特に、天然バニリンとバニリルアルコールとを含有する組成物(C)の処理方法であって、組成物(C)が天然バニリンを製造するためのプロセスから得られ、バニリルアルコールが上記式Iの化合物に変換され、天然バニラ組成物が精製される、処理方法に関する。
【0018】
本発明によれば、組成物(C)中の天然バニリンの重量濃度は、天然バニリンを製造するプロセスから得られる天然バニリン組成物の重量に対して0.50%~99%、好ましくは0.50%~60%、好ましくは5%~40%、更に好ましくは10%~35%である。
【0019】
本発明によれば、天然バニリンを製造するためのプロセスにより得られる組成物(C)は、バニリルアルコールを含む。通常、バニリルアルコールの重量濃度は、天然バニリンの製造プロセスから得られる天然バニリン組成物(C)の重量に対して、0.1%~5%、好ましくは0.5%~4%、更に好ましくは1%~2.5%である。
【0020】
本発明によれば、組成物(C)は、バニリン酸、アセトバニロン、グアイアコール及びビニルグアイアコールから選択される少なくとも1種の化合物も含み得る。好ましくは、組成物(C)がアセトバニロンを含む場合、グアイアコールも存在する。
【0021】
本発明は、バニリルアルコールを含有する天然バニリンを製造するプロセスにより得られる組成物を製造するための基質、好ましくはフェルラ酸を発酵させる予備段階を更に含み得る。発酵は、欧州特許第0885968号明細書に示されている通りに行うことができる。発酵は、通常、水性媒体中で行われる。組成物(C)は、発酵培地から、又は発酵の最後に直接得られた水性媒体の処理後に得ることができ、これにより、特に発酵バイオマスを除去することが可能になる。
【0022】
本発明の処理プロセスに従って使用される組成物(C)は、通常、発酵工程の終わりに、任意選択的には発酵の終わりに直接得られる水性媒体の処理の終わりに得られる。
【0023】
組成物(C)は、水溶液中、又は水/溶媒混合物、好ましくは水/有機溶媒混合物中にあってよい。有機溶媒は通常食品溶剤であり、特にFEMA GRASリストに登録されている溶剤である。例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、グリコール、並びに酢酸エチルや酢酸プロピルなどの酢酸エステルを挙げることができる。
【0024】
工程(i):
本発明によれば、工程(i)は、以下の式による式(I)の化合物を形成する工程である:
【化5】
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、
-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
【化6】
の単位から選択される)。
【0025】
通常、-(W-O)m-基の平均分子量は、200~3000g/mol、好ましくは300g/mol以上、より好ましくは350g/mol以上である。-(W-O)m-基の平均分子量は、通常2000g/mol以下、好ましくは1500g/mol以下である。-(W-O)m-基の平均分子量は400g/mol又は600g/molであってよい。
【0026】
好ましい態様によれば、工程(i)は、以下の式に従って式(Ia)の化合物を形成する工程である;
【化7】
(式中、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
【化8】
の単位から選択される)。
【0027】
別の好ましい態様によれば、工程(i)は、以下の式に従って式(Ib)の化合物を形成する工程である:
【化9】
(式中、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(II)
【化10】
の単位から選択される)。
【0028】
本発明によれば、基Rは、好ましくは、任意選択的にヒドロキシル基で置換されていてもよいエチル、n-ブチル、n-プロピル、i-プロピル、i-ブチルから選択される。有利には、基Rは、エチル、n-ブチル、OH-CH2-CH2-、OH-CH2-CH(CH3)-から選択することができる。1つの変形形態では、基Rは、-CH2-CH(OH)-CH2-OHを更に含む上の基から選択される。
【0029】
好ましい態様によれば、式(Ia)の化合物は、式A~Dの化合物からなる群から選択される:
【化11】
【0030】
好ましい態様によれば、式(Ib)の化合物は、式E~Hの化合物からなる群から選択される:
【化12】
【0031】
本発明によれば、工程(i)は、組成物(C)中に存在するバニリルアルコールのエーテル化又はエステル化反応である。エーテル化又はエステル化反応は、天然バニリンの存在下で行われる。
【0032】
有利には、エーテル化又はエステル化反応は、バニリルアルコールに対して選択的である。エーテル化又はエステル化反応は、天然バニリンを分解せずに有利に行われる。具体的には、組成物(C)中に存在する天然バニリンの10重量%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満、更に好ましくは0.1%未満が分解される。分解された天然バニリンの量は、以下の式に従って計算することができる:(組成物(C)中に最初にある天然バニリンの量-工程(i)後に残っている天然バニリンの量)/(組成物(C)中に最初にある天然バニリンの量)。
【0033】
本発明によれば、エーテル化又はエステル化反応は、ROH、RCOOH、及びHO-(W-O)m-Hからなる群から選択される化合物の存在下で行われ、式中、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、又はアミン基で置換されていてもよい直鎖又は分岐の、飽和又は不飽和のアルキル基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル鎖であり、HO-(WO)m-H化合物の平均分子量は200~3000g/molである。
【0034】
例えば、エーテル化反応は、組成物(C)中に存在するバニリルアルコールを、Rが上で定義した通りである式ROHの化合物と接触させることを含む。特に、エステル化反応は、バニリルアルコールを、Rが上で定義した通りである式RCOOHの化合物と接触させることを含み得る。
【0035】
有利には、バニリルアルコールの一級アルコール基は、式(I)の対応するエーテル又はエステルを形成するために、式ROH又はRCOOHの化合物と選択的に反応する。
【0036】
したがって、本発明は、特に組成物C1が形成される組成物(C)の処理方法に関し、組成物(C)は天然バニリンとバニリルアルコールとを含有し、前記処理方法は、
- 上で定義した式(I)の化合物を形成するために、及び式(I)の化合物及び/又は天然バニリンを含有する組成物(C1)を得るために、組成物(C)を式ROH又はRCOOH(Rは上記定義を有する)の化合物と接触させる工程(i)、及び
- 天然バニリン組成物及び/又は式(I)の組成物中に存在する式(I)の化合物を回収及び/又は精製する工程(ii)、
を含む。
【0037】
好ましくは、本発明による処理方法は、工程(i)が式ROHの化合物(Rはブチル基である)の存在下で行われるエーテル化反応であり、工程(ii)が天然バニリンを回収する工程及び/又はn=0であり且つRがブチル基である式(I)の化合物を回収する工程である方法である。
【0038】
通常、HO-(W-O)m-H化合物の平均分子量は、200~3000g/mol、好ましくは300g/mol以上、より好ましくは350g/mol以上である。HO-(W-O)m-H基の平均分子量は、通常2000g/mol以下、好ましくは1500g/mol以下である。HO-(W-O)m-H基の平均分子量は400g/mol又は600g/molであってよい。
【0039】
特定の一態様によれば、エーテル化又はエステル化反応は、農産物産業で使用することができる化合物の存在下で行われる。
【0040】
本発明によれば、反応は酸の存在下で行われる。酸は強酸であってよい。好ましくは、酸は、HCl、H2SO4、パラトルエンスルホン酸(p-TsOH)からなる群から選択される。酸はルイス酸であってもよい。有利なことには、硫酸は、HClで観察され得るバニリンのクロロ化反応を回避することを可能にする。
【0041】
本発明によれば、反応は、固体形態であり、且つ酸性の特性を示す無機化合物、例えばゼオライト、特にチタノシリカライト、シリカライト、又はシリカ、アルミニウム、チタン、若しくはジルコニウムの酸化物の存在下で行うことができる。特に、反応は、文献Angew.Chem.Int.Ed.2007,46,298-300に記載のゼオライトの存在下で行うことができる。
【0042】
反応は、陽イオン交換樹脂の存在下で、特に中国特許第101165038号明細書に記載されているAmberliteタイプの存在下で行うこともできる。
【0043】
別の特定の態様によれば、エーテル化又はエステル化反応は、酵素的に行うことができる。
【0044】
本発明によれば、酸は通常触媒量で使用される。通常、使用される酸の量は、組成物(C)に存在するバニリルアルコールの量に対して0.001当量~0.9当量である。
【0045】
本発明によれば、反応は、10℃~100℃、好ましくは20℃~80℃の温度、好ましくは50℃以下の温度で、より好ましくは25℃~40℃の温度で行うことができる。
【0046】
本発明によれば、反応は通常大気圧で行われる。
【0047】
本発明によれば、工程(i)の終わりに、天然バニリンと式(I)の化合物とを含有する組成物(C1)が得られる。本発明によれば、組成物(C1)は、バニリン酸、バニリルアルコール、アセトバニロン、グアイアコール、及びビニルグアイアコールから選択される少なくとも1種の化合物も含み得る。
【0048】
有利には、組成物(C1)は、0.1ppm~500ppmのバニリルアルコールを含み、好ましくは、組成物は、200ppm未満、より好ましくは100ppm未満、更に好ましくは50ppm未満のバニリルアルコールを含む。
【0049】
有利には、組成物(C1)中のバニリルアルコールとバニリンとの間の重量比は、0.5以下、好ましくは0.2以下、非常に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.01以下である。
【0050】
本発明の特定の一態様によれば、工程(i)は、組成物(C)中に存在するバニリン酸からの以下の式による式(III)の化合物の形成も可能にする:
【化13】
(式中、nは0又は1であり、Rは、任意選択的に少なくとも1つのヒドロキシル、アルコキシ、若しくはアミン基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐の、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又は式-(W-O)
m-Xの基から選択され、Wは1~4個の炭素原子を含む直鎖若しくは分岐アルキル鎖であり、
-(W-O)
m-基の平均分子量は200~3000g/molであり、XはH及び式(IV)
【化14】
の単位から選択される)。
【0051】
式(III)の化合物の形成は、天然バニリンの存在下で行われる。
【0052】
式(III)の化合物の形成は、式(I)の化合物の形成と同時であってよい。
【0053】
特定の一態様によれば、工程(i)の終わりに、天然バニリン、式(I)の化合物及び/又は式(III)の化合物を含有する組成物(C2)が得られる。本発明によれば、組成物(C2)は、バニリン酸、バニリルアルコール、アセトバニロン、グアイアコール、及びビニルグアイアコールから選択される少なくとも1種の化合物も含み得る。
【0054】
有利には、組成物(C2)は、0.1ppm~500ppmのバニリルアルコールを含有し、好ましくは、組成物は、200ppm未満、より好ましくは100ppm未満、更に好ましくは50ppm未満のバニリルアルコールを含有する。組成物(C2)は、0.1ppm~500ppmのバニリルアルコールを含有し、好ましくは、組成物は、200ppm未満、より好ましくは100ppm未満、更に好ましくは50ppm未満のバニリルアルコールを含有する。
【0055】
有利には、組成物(C2)中のバニリルアルコールとバニリンとの間の重量比は、0.5以下、好ましくは0.2以下、非常に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.01以下である。
【0056】
有利には、組成物(C2)中のバニリン酸とバニリンとの間の重量比は、0.5以下、好ましくは0.2以下、非常に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.01以下である。
【0057】
工程(ii):
本発明によれば、工程(ii)は、天然バニリンを回収する工程、及び/又は組成物(C1)若しくは(C2)中に存在する式(I)の化合物を回収する工程である。
【0058】
第1の態様によれば、工程(ii)により、天然バニリンを回収することができる。工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンは、精製された天然バニリンである。1つの変形形態では、工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンは、精製された天然バニリンを含む組成物である。
【0059】
本発明によれば、工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンは、0.1ppm~500ppmのバニリルアルコールを含み、好ましくは、組成物は、200ppm未満、より好ましくは100ppm未満、更に好ましくは50ppm未満のバニリルアルコールを含有する。
【0060】
本発明によれば、工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンは、0~200ppmの4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドを含有する。好ましくは、4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドの含有量は、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。好ましくは、4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドの含有量は、0.01ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上である。
【0061】
有利なことには、本発明による処理方法は、従来の精製方法と比較して、処理方法の全体的な収率を改善することも可能にする。
【0062】
本発明によれば、このプロセスは、工程(ii)の終わりに得られる天然バニリンが、好ましくは結晶、粉末、ビーズ、又はパール状の形態で成形される追加の工程(iii)を含み得る。
【0063】
本発明によれば、工程(ii)又は(iii)の終了時の天然バニリン力価は、95%以上、好ましくは97%以上、非常に好ましくは99%以上、更に好ましくは99.5%以上である。特に好ましくは、工程(ii)又は(iii)の終わりの天然バニリン力価は99.95%以上である。
【0064】
本発明によれば、工程(ii)又は(iii)の終わりの天然バニリンは薄く着色されている。好ましくは、工程(ii)又は(iii)の終わりの天然バニリンは、400ハーゼン以下、好ましくは200ハーゼン以下、より好ましくは100ハーゼン以下、非常に好ましくは50ハーゼン以下、更に好ましくは20ハーゼン以下の色を有する。色は10重量%のエタノール溶液中で測定される。色の測定は、10mmの光路長のキュベットを使用して、Konica Minolta CM-5分光光度計を用いて行われる。
【0065】
有利なことには、工程(ii)又は(iii)の終わりの天然バニリンは、特に視覚的外観、テクスチャー、味、又は芳香に関して、適合性を有する官能特性を有する。有利なことには、本発明による組成物は、調子外れの香調を示さない。好ましくは、本発明による組成物の官能プロファイルは、鞘から抽出された天然バニリンの官能プロファイルと少なくとも同等である。
【0066】
別の態様によれば、工程(ii)は、式(I)の化合物の回収を可能にする。本発明によれば、式(I)の化合物中の天然バニリンの含有量は、200ppm以下、好ましくは100ppm以下である。本発明によれば、式(I)の化合物中の天然バニリンの含有量は、0.1ppm以上である。
【0067】
別の態様によれば、工程(ii)は天然バニリンの回収を可能にし、式(I)の化合物は回収されない。式(I)の化合物は、工程(ii)の間に分解させることができる。
【0068】
別の態様によれば、工程(ii)は、天然バニリンの回収及び式(I)の化合物の回収を含む。天然バニリン及び式(I)の化合物を回収するための工程は、任意の順序で同時に又は連続して行うことができる。
【0069】
特に、工程(ii)により、n=0且つRがブチル基である式(I)の化合物を回収することができる。
【0070】
本発明によれば、天然バニリンの精製収率は、75%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上である。天然バニリンの精製収率は、組成物(C)中の天然バニリンの量に対する工程(ii)の終わりに単離された天然バニリンの量の比率に対応する。
【0071】
工程(ii)は、熱劣化現象を防止するために、特に流下液膜式蒸発器又はワイプ膜式蒸発器において、真空蒸留によって行うことができる。
【0072】
工程(ii)は、特に国際公開第2018/146210号パンフレット又は国際公開第2014/114590号パンフレットに記載されている条件下で行うことができる。変形形態では、工程(ii)は、欧州特許第2791098号明細書に記載されている条件に従って行うことができる。
【0073】
好ましくは、工程(i)が酸の存在下で行われる場合、本発明による方法は、工程(i)の終わり且つ工程(ii)の前に、任意選択的な中和工程を含み得る。一実施形態では、中和工程は任意選択的ではなく、且つ/又は工程(ii)中に行うことができる。中和は、弱塩基又は強塩基の存在下で行うことができる。好ましくは、中和は、固体形態又は水溶液中のNaOH、KOHを用いて行うことができる。或いは、中和は、固体形態又は水溶液中のNaHCO3、KHCO3、Na2CO3の存在下で行うことができる。
【0074】
最後に、本発明は、式(I)の化合物を分離することによる、天然バニリンとバニリルアルコールとを含有する組成物を精製する方法に関する。
【0075】
本発明は、天然バニリンの存在下における式(I)の化合物の調製方法にも関する。
【0076】
本発明の方法に従って得ることができる天然バニリンも本発明の主題である。
【0077】
本発明の方法に従って得ることができる式(I)の化合物も本発明の主題である。この目的のために、本発明は、n=0且つR=ブチルであり天然のものである、上記式(I)の化合物に関する。有利なことに、そのような化合物は、特に米国では、法律に照らして天然であるとみなされている。n=0且つR=ブチルである上記式(I)の化合物は、式ROHの天然化合物(Rはブチルである)と天然バニリルアルコールとから上で定義した工程(i)に従って得ることができる。工程(i)の終わりに、n=0且つR=ブチルである式(I)の天然化合物を回収及び/又は単離するために、上で定義した工程(ii)を行うことができる。
【0078】
「天然化合物」という用語は、法律によって与えられる定義に対応する化合物を意味すると理解され、例えば米国では、これは、化合物が物理的、酵素的、又は微生物学的プロセスによって、植物又は動物由来の材料からのみ得られなければならないことを意味する。
【0079】
本発明は、n=0且つR=エチル又はブチルである上記式(I)の化合物を含有する組成物であって、式(I)の化合物が天然化合物であり、組成物が更に200ppm未満の4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド及び/又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドを含有する、組成物にも関する。例えば、組成物は、0~200ppmの4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドを含有する。好ましくは、4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドの含有量は、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは20ppm以下である。好ましくは、4-((4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)-5-メトキシベンズアルデヒドの含有量は、0.01ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上である。
【0080】
最後に、本発明は、ヒト及び動物の栄養分野や製薬における風味料としての、並びに化粧品、香水、及び洗剤産業における香料としての天然バニリン組成物の使用に関する。
【0081】
本発明による方法は、方法の具体的な実施形態である以下の実施例を読むことでよりよく理解されるであろう。この実施例は、単に例示目的で示されており、本発明を限定するものとして解釈することはできない。参照目的で本明細書に引用される特許、特許出願、及び刊行物の開示が、用語を不確実にするリスクがあるほどに本特許出願の説明と矛盾する場合には、本記載が優先するものとする。
【実施例】
【0082】
原材料
エタノール、硫酸、水酸化ナトリウム溶液、及び分析に使用した溶媒はMerckからのものであり、事前に精製せずに使用した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、C18カラムを備えたAgilent 1260分析チェーンを使用して行われる。
【0083】
微生物によるフェルラ酸の発酵によって得られる水相の処理に続いて、天然バニリンと、バニリルアルコールと、溶媒S1とを含有する組成物(C)を得た。微生物の培養は、欧州特許第0885968号明細書に記載されている条件に従って行った。溶媒S1は酢酸エチルに対応していた。組成(C)をHPLCにより分析した。結果は表1に示されている。
【0084】
工程(i)で、349.5gの組成物(C)、21gのエタノール(ROH)、及び0.5gの96%H2SO4を反応器に入れた。R=エチルでありn=0である式Iの化合物を形成するために、混合物を室温で1時間撹拌した。その結果、式Iの前記化合物と天然バニリンとを含有する組成物(C1)が得られ、これをHPLCによって分析した。結果は表1に示されている。
【0085】
【0086】
組成物C1は、溶媒S1、及び「重い」不純物、すなわち検討した圧力及び温度条件下で天然バニリンよりも低い相対的な揮発性を有する不純物も含んでいた。バニリン及びバニリルアルコールの同定は、市販の標準との比較によって行った。
【0087】
その結果、本発明による処理プロセスにより、バニリルアルコールは選択的にエーテルへと変換された。実際、バニリンの損失は観察されなかった:組成物(C)中の含有量は組成物(C1)中の含有量と同じであり、バニリルアルコールのみがエーテル、すなわちバニリルエチルエーテルに変換された。
【0088】
工程(ii)では、溶媒S1の一部を蒸発させることにより、組成物(C1)を濃縮した。その結果、約270gの濃縮組成物(C1)が得られた。
【0089】
濃縮されたC1培地を水酸化ナトリウム溶液でpH7にした。得られた混合物を水で洗浄した。その後、有機相をロータリーエバポレーターで除去し、得られた残留物をワイプドフィルムエバポレーターで精製して、力価が99%を超え、且つ着色が19ハーゼンである天然バニリンを得た。
【国際調査報告】