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特表2022-542947開放液体薬剤移送システムおよびそれらを採用したロボットシステムのコンポーネント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】開放液体薬剤移送システムおよびそれらを採用したロボットシステムのコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506068
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 IL2020050829
(87)【国際公開番号】W WO2021019532
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】268368
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517114333
【氏名又は名称】エクアシールド メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EQUASHIELD MEDICAL LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クリヘリ,マリノ
(72)【発明者】
【氏名】タボール,ラーナン
(72)【発明者】
【氏名】シェム-トフ,エリック
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047AA11
4C047CC05
4C047DD02
4C047HH01
4C047HH03
4C047HH07
(57)【要約】
本明細書に提示されるのは、無害薬剤および通気された薬剤バイアルアダプタを備える、薬品の調合および調製のために構成されているロボットシステムである。ロボットシステムは、層流キャビネットと、少なくとも1つのロボットアームとを備える。通気された薬剤バイアルアダプタは、薬剤バイアルを薬剤移送システムの別のコンポーネントに接続するように設計されている。アダプタは、液体の通過を防止しながら空気が通過することを可能にする疎水性フィルタと、大気への通気孔と、を備える。通気孔は、フィルタの上方に位置し、それによって、薬剤が大気を汚染することを防止しながら、内圧を均一にすることを可能にする。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無害薬剤を含む薬品の調合および調製のためのロボットシステムであって、前記システムが、層流キャビネットと、少なくとも1つのロボットアームと、疎水性通気フィルタを備える少なくとも1つの通気された薬剤バイアルアダプタと、を備え、前記薬剤バイアルアダプタおよび前記ロボットシステムが、液体が薬剤バイアルから取り出され、薬剤バイアルに挿入されることを可能にするように構成されている、ロボットシステム。
【請求項2】
(i)通気されたバイアルアダプタが接続されている薬剤バイアルおよびシリンジを前記層流キャビネット内で移動させることによって、患者の個々の処方箋に従って、患者に投与するための処方された量の液体薬剤を含むシリンジおよび静脈内(IV)バッグを調製するように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリと、(ii)カメラと、(iii)調合プロセスのすべての段階のリアルタイムフィードバック制御を提供するように適合されている撮像プロセスアルゴリズムを含むソフトウェアを含む、システムプロセッサと、を備える、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記ロボットアームアセンブリが、3つの相互に直交する方向に移動するように構成されている、請求項2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
通気されたバイアルアダプタが接続されている薬剤バイアル、およびコネクタセクションが接続されているシリンジを、前記層流キャビネット内で移動させることによって、患者の個々の処方箋に従って、患者に投与するための必要とされる量の液体薬剤を含むシリンジおよびIVバッグを調製するように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリと、カメラと、調合プロセスのすべての段階のリアルタイムフィードバック制御を提供するように適合されている撮像プロセスアルゴリズムを含む、システムプロセッサと、を備え、
a)前記コネクタセクションが、各々、
(i)セプタムホルダであって、本体部の側面に取り付けられた互いに平行に垂直に下向きに突出する2つの弾力性の細長いアームを備え、各アームが、前記アームの遠位端の内側に特徴的な形状の突起を有する、セプタムホルダ、または、
(ii)固定アクチュエータセクションであって、前記コネクタセクションの内壁に形成された少なくとも1つのラング、およびギヤの周囲に周設されたスプロケットを備える少なくとも1つの回転可能なギヤと、アンカーレッジを収容するように構成された空隙部分と、前記空隙セクションに、前記ギヤの回転とともに配向が変化する開口が提供されるように、前記ギヤに形成されたギャップと、を備える、固定アクチュエータセクション、のうちの1つを備え、
b)前記通気された薬剤バイアルアダプタが、各々、
(i)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にソケットを備え、前記ソケットが、前記セプタムホルダの前記アームの内側にある前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、または、
(ii)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にアンカーレッジを備え、前記アンカーレッジが、前記ギャップを通過し、前記コネクタの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、のうちの1つを備え、
それによって、前記コネクタセクションが、互換性ソケットまたは前記外側表面上のアンカーレッジを備える通気されたバイアルアダプタに接続された薬剤バイアルにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする、請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記特徴的な形状の突起が、前記バイアルアダプタの上向き突出構造体の外側にあり、前記一致するソケットが、前記コネクタセクションおよびホルダにおける前記セプタムホルダの前記アームの内側、ならびにグリッパアセンブリの遠位端にある、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを備え、前記スパイクアダプタが、
a)本体であって、前記本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、前記スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)前記本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、前記標準ポートが、前記スパイク内の前記空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)前記本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、前記長手方向延長部の近位端が、膜を備え、前記コネクタセクションと結合するように構成され、前記長手方向延長部が、前記スパイク内の前記液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備え、
前記スパイクアダプタは、前記長手方向延長部が、(i)前記セプタムホルダの前記アーム上の前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、(ii)前記ギャップを通過し、前記コネクタセクションの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、それによって、前記スパイクアダプタが、請求項4に記載の前記コネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記カメラおよびソフトウェアが、前記ソケット、突起、前記ギャップ、空隙部分、およびアンカーレッジを認識し、かつ間違ったコンポーネントが前記キャビネットに導入された場合に、使用者に警告するように構成されており、前記ロボットアームアセンブリが、開放移送システムと互換性がある前記コンポーネントのみが使用されていることを保証するための機械的特徴を備える、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項8】
シリンジをピックアップ、移動、および放出するように構成された前記ロボットアームアセンブリが、様々な配向の前記コネクタおよび前記シリンジを把持するための特殊機構を備え、前記システムが、様々なシリンジおよび様々な配向を取り扱い、それらを識別し、適切な投与量を読み取るように構成されたソフトウェアを必要とし、それによって、前記システムが、様々な製造元からの、ならびに様々な形状および寸法の従来のシリンジを使用することを可能にする、請求項3記載のロボットシステム。
【請求項9】
通気されたバイアルアダプタおよびコネクタセクションの第1の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリであって、
A)前記コネクタセクションが、
a)従来のシリンジに接続するように構成された近位端を有し、結合のために前記通気されたバイアルアダプタの近位端が挿入されることを可能にするように構成された開口をその遠位端に有する、中空外側本体と、
b)前記コネクタセクションを通して液体導管として機能する、1本の中空針と、
c)
(i)セプタムホルダであって、前記本体部の側面に取り付けられた互いに平行に垂直に下向きに突出する2つの弾力性の細長いアームを備え、各アームが、前記アームの遠位端の内側に特徴的な形状の突起を有する、セプタムホルダ、または、
(ii)固定アクチュエータセクションであって、前記コネクタセクションの内壁に形成された少なくとも1つのラング、およびギヤの周囲に周設されたスプロケットを備える少なくとも1つの回転可能なギヤと、アンカーレッジを収容するように構成された空隙部分と、前記空隙セクションに、前記ギヤの回転とともに配向が変化する開口が提供されるように、前記ギヤに形成されたギャップと、を備える、固定アクチュエータセクション、のうちの1つと、を備え、
B)前記通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態が、
a)前記バイアルアダプタを薬剤バイアルに取り付けるように構成された遠位構造体と、
b)前記遠位構造体の内側で下向きに突出するスパイク要素と、
c)遠位構造体から上向きに突出する上向き突出構造体であって、前記上向き突出部分が、その近位端に膜を備え、前記上向き突出構造体の前記近位端が、前記コネクタセクションに結合されるように適合される、上向き突出構造体と、
d)前記上向き突出構造体および前記スパイク要素内に内部的に形成された液体チャネルであって、前記液体チャンネルが、前記スパイクの先端にある開口から、近位に位置する膜まで、前記バイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように構成されている、液体チャネルと、
e)前記上向き突出構造体の下の前記遠位構造体に位置する疎水性フィルタと、
f)前記疎水性フィルタおよび前記スパイク要素の近位にある前記バイアルアダプタ内に内部的に形成された空気チャネルであって、前記空気チャネルが、前記スパイクの先端にある開口から、前記疎水性フィルタの近位に位置する通気孔まで、前記バイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように、かつ前記空気チャネルと前記バイアルアダプタの外部との間の流体連通を可能にするように構成されている、空気チャネルと、を備え、
g)前記上向き突出構造体が、
(i)外側近位端にあるソケットであって、前記ソケットが、前記セプタムホルダの前記アームの内側にある前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有する、ソケット、または
(ii)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にアンカーレッジを備え、前記アンカーレッジが、前記ギャップを通過し、前記コネクタの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、のうちの1つを備え、
それによって、前記コネクタセクションが、互換性ソケットまたは前記外側表面上のアンカーレッジを備える通気されたバイアルアダプタを有する薬剤バイアルにのみ接続されることを可能にする、開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【請求項10】
前記特徴的な形状の突起が、前記バイアルアダプタの前記上向き突出構造体の外側にあり、前記一致するソケットが、前記コネクタセクションの前記セプタムホルダの前記アームの内側にある、請求項9に記載の開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【請求項11】
静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを追加的に備え、前記スパイクアダプタが、
a)本体であって、前記本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、前記スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)前記本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、前記標準ポートが、前記スパイク内の前記空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)前記本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、前記長手方向延長部の近位端が、膜を備え、前記コネクタセクションと結合されるように構成され、前記長手方向延長部が、前記スパイク内の前記液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備え、
前記スパイクアダプタは、前記長手方向延長部が、
(i)前記セプタムホルダの前記アーム上の前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(ii)前記ギャップを通過し、前記コネクタセクションの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、
それによって、前記スパイクアダプタが、請求項9に記載のアセンブリの前記コネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする、請求項9に記載の開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【請求項12】
前記通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態が、
(a)医療用バイアルまたは標準的な薬品バイアルのヘッドと同様のヘッドセクションを有する任意のタイプの容器またはデバイスのヘッドセクションに取り付けられるように適合されている底部と、
(b)頂部であって、
(i)ディスク形状中央ピース、および前記底部に対する前記頂部の固定を容易にするために適合されている複数の翼部であって、前記翼部が、前記ディスク形状中央ピースの周縁に取り付けられ、そこから遠位に突出する、中央ピースおよび翼部と、
(ii)前記ディスク形状中央ピースから上向きに突出する上向き突出構造体であって、前記上向き突出構造体が、前記コネクタセクションに結合されるように適合される、上向き突出構造体と、
(iii)前記上向き突出構造体の近位端を密封する膜と、
(iv)前記ディスク形状中央ピースの中央から遠位に突起するスパイク要素と、
(v)前記疎水性フィルタおよび前記スパイク要素の近位にある前記バイアルアダプタ内で内部的に形成された空気チャネルおよび液体チャネルであって、前記チャネルが、前記上向き突出構造体の前記近位端を密封する前記膜から前記スパイクの先端にある開口まで前記バイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように適合されている、空気チャネルおよび液体チャネルと、を備える、頂部と、
(c)第1の係止定機構と、
(d)第2の係止機構と、
(e)前記上向き突出構造体の下の、前記ディスク形状中央ピースに位置する環形状平坦疎水性フィルタであって、前記バイアルアダプタおよび前記フィルタが、前記液体チャネルを流れる液体が前記フィルタを通過せずに前記バイアルアダプタを通過することを可能にするように構成され、かつ前記空気チャネルと交差するように置かれた前記フィルタが、前記空気チャネルを通って流れる空気が前記フィルタを通過し、前記空気チャネルを通って流れる液体が前記フィルタを通過することを防止することを可能にする、環形状平坦疎水性フィルタと、を備える通気されたバイアルアダプタの第2の実施形態と置換され、
(i)前記第1の係止機構が、前記ヘッドセクションが前記底部に取り付けられているときに、前記スパイクの前記先端が前記ヘッドセクション内の栓に接触することができないように、前記頂部を前記底部に係止し、前記底部が前記ヘッドセクションに取り付けられた後に前記頂部を前記底部から解放するように適合され、
(ii)前記第2の係止機構が、前記底部が前記ヘッドセクションに取り付けられた後、前記スパイクが前記ヘッドセクション内の前記栓を貫通し、前記頂部を前記底部に取り外し不可能に係止することを可能にするように適合され、
(iii)前記フィルタ上方の前記空気チャネルが、液体導管によって占有されていない前記上向き突出構造体の全内部容積と、前記空気チャネルと前記バイアルアダプタの外部との間の流体連通を可能にする、前記上向き突出構造体の側面にある通気孔と、を備え、
(iv)前記上向き突出構造体が、
(a)前記セプタムホルダの前記アーム上の前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(b)前記ギャップを通過し、前記コネクタセクションの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、
それによって、前記通気されたバイアルアダプタの第2の実施形態が、請求項9に記載の前記コネクタセクションにのみ接続されることを可能にする、請求項9に記載の開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【請求項13】
前記特徴的な形状の突起が、前記バイアルアダプタの前記上向き突出構造体の外側にあり、前記一致するソケットが、前記コネクタセクションの前記セプタムホルダの前記アームの内側にある、請求項12に記載の開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【請求項14】
静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを追加的に備え、前記スパイクアダプタが、
a)本体であって、前記本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、前記スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)前記本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、前記標準ポートが、前記スパイク内の前記空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)前記本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、前記長手方向延長部の近位端が、膜を備え、前記コネクタセクションと結合するように構成され、前記長手方向延長部が、前記スパイク内の前記液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備え、
前記スパイクアダプタは、前記長手方向延長部が、
(i)前記セプタムホルダの前記アーム上の前記特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(ii)前記ギャップを通過し、前記コネクタセクションの前記固定アクチュエータセクションの前記ギヤの前記空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、
それによって、前記スパイクアダプタが、請求項9に記載の前記コネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする、請求項12に記載の開放液体薬剤移送システムアセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体移送デバイスの分野に関する。具体的には、本発明は、開放液体薬剤移送システムのコンポーネント、および患者に投与するための薬剤および薬品を調製するための自動ロボットシステムにおけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人に対するUS8,196,614は、有害薬剤を汚染なく移送するように設計された閉鎖系液体移送デバイスを記載する。図1aおよび図1bは、US8,196,614に記載された本発明の一実施形態による、周囲を汚染することなく有害薬剤を移送するための装置10の概略断面図である。本発明に関連するこの装置の主な特徴は、本明細書に記載される。追加的な詳細は、前述の特許に見出すことができる。
【0003】
装置10の近位セクションには、シリンジ12があり、これは、流体移送コンポーネント、例えば、バイアル16またはそれが収容されている静脈内(IV)バッグから所望の量の有害薬剤を取り出し、続いて薬剤を別の流体移送コンポーネントに移送するように適合されている。シリンジ12の遠位端には、コネクタセクション14が接続されており、これは次にバイアルアダプタ15によってバイアル16に接続されている。
【0004】
装置10のシリンジ12は、本体よりかなり小さい直径を有する管状スロートを有する円筒形本体と、円筒形本体の近位端に嵌合された環状ゴムガスケットまたは栓アセンブリと、栓を密封して通過する中空ピストンロッドと、使用者が栓を通してピストンロッドを上下に押すおよび引くことができる近位ピストンロッドキャップと、から構成されている。エラストマー材料から作製されたピストン28は、ピストンロッドの遠位端に確実に取り付けられている。
【0005】
円筒形本体の内壁に密封的に係合し、円筒形本体に対して可動であるピストンは、可変容積の2つのチャンバ、ピストンの遠位面とコネクタセクション14との間の遠位液体チャンバ30と、ピストンの近位面と栓との間の近位空気チャンバ32と、を画定する。
【0006】
コネクタセクション14は、円筒形の中空外側本体と、本体から径方向に突起し、流体移送コンポーネントの近位端が結合のためにそこを通して挿入される開口を有する遠位端で終端する遠位のショルダ部分と、本体の内部で往復変位可能な二重膜密封アクチュエータ34と、二重膜密封アクチュエータ34を収容する円筒形アクチュエータケーシングの中間の部分に、その近位端で接続され、接続要素として機能する1つ以上の弾力性のアーム35と、を備える。空気導管38および液体導管40として機能する2つの中空針は、コネクタセクション14の頂部の中央ピースからコネクタセクション14の内部に突起する針ホルダに固定的に保持される。
【0007】
導管38および40は、針ホルダから遠位に延在し、アクチュエータ34の上部膜を穿刺している。導管38および40の遠位端は、鋭い尖った端部と、アパーチャとを有し、流体移送操作中に必要とされるように、アパーチャを通して空気および液体がそれぞれ導管の内部に出入りすることができる。空気導管38の近位端は、シリンジ12の近位空気チャンバ32の内部の中に延在する。示される実施形態では、空気導管38は、ピストン28を通過し、中空ピストンロッドの内側に延在する。導管38を通って流れる空気は、ピストンロッドの内部に出入りし、ピストンのすぐ上方のピストンロッドの遠位端に形成されたアパーチャを通って空気チャンバ32に出入りする。液体導管40の近位端は、針ホルダの頂部において、または頂部からわずかに近位で終端し、その結果、液体導管は、シリンジ12のスロートの内部を介して遠位液体チャンバ30と流体連通する。
【0008】
二重膜密封アクチュエータ34は、矩形断面を有する近位ディスク形状膜34aおよび二階層の遠位膜34bを保持するケーシングを備える。遠位膜34bの遠位部分は、アクチュエータ34から遠位に突起する。2つ以上の等しい長さの弾力性の細長いアーム35が、アクチュエータ34のケーシングの遠位端に取り付けられている。アームは、遠位の拡張要素において終端する。アクチュエータ34が第1の位置にあるとき、導管38および40の尖った端部は、近位膜と遠位膜との間に保持され、使用者が尖った端部に曝されて負傷することを防止し、また導管30および40の端部を周囲から隔離し、それによって、シリンジ12の内部の汚染およびその内部に収容された有害薬剤の周囲への漏出を防止する。
【0009】
コネクタセクション14は、別の流体移送コンポーネントに解放可能に結合されるように適合されており、これは、薬剤バイアル、静脈内バッグ、または静脈ラインなどの標準コネクタを有する任意の流体容器であり、これを通して流体がある流体移送コンポーネントから別のものに移送される「流体移送アセンブリ」を生成することができる。
【0010】
薬剤は通常、製薬会社によって粉末または液体の形で薬剤バイアルに入れて供給される。これらの薬剤バイアルは、バイアルの頂部にエラストマー膜を有しており、膜が注射針によって穿刺されて、粉末を適切な溶媒で希釈(再構成)するように、かつ患者への投与のために必要とされる液体薬剤の用量をバイアルから取り出すことができる。シリンジで膜を穿刺することによって液体が薬剤バイアルに注入されるか、または薬剤バイアルから取り出される場合、バイアル内に過圧または真空が発生し、移送プロセスを妨げる可能性がある。バイアル内の圧力の均等化を可能にするために、液体がそれに注入されたとき、またはそれから取り出されたときに、バイアルアダプタとして知られる中間接続が使用される。
【0011】
図2および図3は、それぞれ、流体移送装置10の一部として設計された先行技術のバイアルアダプタ15の斜視図および断面図を示す。バイアルアダプタ15は、コネクタセクション14を薬剤バイアル16または適切な形状および寸法のポートを有する任意の他のコンポーネントに接続するために使用される中間接続である。
【0012】
バイアルアダプタ15は、環状近位キャップ44と、キャップ44から近位に突出する上向き突出構造体46とが設けられたカラー部分42を備える。上向き突出構造体46は、バイアルアダプタを使用する第2の理由である。これは、従来の薬剤バイアル上のネックよりもはるかに長いため、コネクタセクション14の遠位端の開口に嵌入し、本明細書に以下で記載されるように薬剤の移送を可能にする。カラー部分42は、バイアル14のヘッド部分への固定を容易にするために、その内面に凸状リップ50が形成された複数の円周セグメント48からなる。上向き突出構造体46は、延長部42の直径よりも大きい直径を有する膜エンクロージャ52によって近位で終端する。膜エンクロージャ52は、近位中央開口54を有し、それによって、そこに保持された膜15aがアクセス可能にされる。
【0013】
上向き突出構造体内に内部的に形成され、膜エンクロージャ内の膜から遠位に延在する2つの長手方向チャネル56および58は、導管38および40をそれぞれ受容するように適合されている。コネクタセクション14がバイアルアダプタ15に噛み合わされるとき、導管38および40が常に上向き突出構造体内のそれらの指定されたチャネルに入ることを保証するための機械的誘導機構が提供される。上向き突出構造体46は、キャップ44から遠位に突起するスパイク要素15bによって遠位で終端する。スパイク要素15bは、チャネル56および58とそれぞれ連通している開口60および62で形成されている。
【0014】
バイアル16は、ネック部分でバイアルの本体に取り付けられた拡大された円形のヘッド部分64を有する。ヘッド部分64の中央には、そこに収容される薬剤の外への漏出を防止するように適合されている、近位膜16aがある。バイアル16のヘッド部分がバイアルアダプタ15のカラー部分に挿入され、遠位の力がバイアルアダプタ15に加えられるとき、バイアルアダプタ15のスパイク要素15bがバイアル16の膜16aを穿刺して、バイアルアダプタ15内で内部チャネルが薬剤バイアル16の内部と連通することを可能にする。これが発生するとき、コネクタセクションのカラー部分42の遠位端における円周セグメント48は、バイアル16のヘッド部分と確実に係合される。バイアル16の膜16aが穿刺された後、それはスパイクの周りを密封し、バイアルからの薬剤の外への漏出を防止する。同時に、バイアルアダプタ15の内部チャネルの頂部は、バイアルアダプタ15の頂部にある膜15aによって密封され、空気または薬剤がバイアル16の内部に出入りすることを防止する。
【0015】
薬剤移送装置10を組み立てるための手順は、以下のように実行される。ステップ1-バイアル16とバイアルアダプタ15が接合され、スパイク要素15bがバイアルの近位膜16aを貫通した状態で、バイアルアダプタ15のヘッド部分は、コネクタセクション14の遠位開口の近くに位置決めされる。ステップ2-二重膜係合手順は、バイアルアダプタ15の膜エンクロージャおよび上向き突出構造体がコネクタセクション14の遠位端で開口に入るまで、軸方向の動きでコネクタセクション14の本体を遠位に変位させることによって開始される。ステップ3-アクチュエータ34の遠位膜34bは、コネクタセクション14の本体の追加的な遠位変位によって、バイアルアダプタ15の静止膜15aに接触し、それに対して押し付けられる。膜がしっかりと一緒に押された後、コネクタセクション14のアームの端部にある拡張要素は、コネクタセクション14のより狭い近位セクションに押し込まれ、それによって、膜が一緒に押し付けられ、上向き突出構造体の周りおよびバイアルアダプタ15の膜エンクロージャの下に係合された状態を保持し、それによって、バイアルアダプタ15からの二重膜密封アクチュエータ34が外れることを防止する。ステップ4-コネクタセクション14の本体の追加的な遠位変位は、導管38および40の先端がアクチュエータ34の遠位膜およびバイアルアダプタ15の頂部の膜を穿刺し、バイアル16の内部と流体連通するまで、コネクタセクション15の本体に対してアクチュエータ34を近位に移動させる。
【0016】
図1に示される薬剤移送アセンブリ10が本明細書で上に記載されたように組み立てられた後、ピストンロッドを移動させてバイアル16から液体を取り出すか、またはシリンジからバイアルに液体を注入することができる。シリンジ12内の遠位液体チャンバ30とバイアル16内の液体との間の液体の移送、およびシリンジ12内の近位空気チャンバ32とバイアル16内の空気との間の空気の移送は、同じ体積の空気と液体が別々のチャネルを通って移動することによって交換される、内圧均等化プロセスによって行われる。これは、アセンブリ10の内部と周囲との間で空気または液滴または蒸気が交換される可能性を排除する閉鎖系である。
【0017】
空気チャネル56および空気導管38を通る空気経路を、液体チャネル58および液体導管40を通る液体経路から分離するように気を付けたとしても、US8,196,614に記載された先行技術のアセンブリでは、これらの経路が特定の条件下で交差し、遠位液体チャンバ30またはバイアル16から近位空気チャンバまで空気導管を通って移動する液体の可能性を可能にする場所がある。
【0018】
この問題の解決策は、本発明の出願人に対するUS9,510,997に記載されている。これらの解決策の1つは、バイアル16と近位空気チャンバ32との間の空気チャネル38、58のある点に疎水性フィルタ膜66を導入することである。このようなフィルタ、例えば、0.22ミクロンのフィルタは、近位の空気チャンバへの液体の通過を防止するだけでなく、空気を追加的にろ過することによって微生物汚染に対する保護を改善する。
【0019】
空気チャネルにフィルタを導入する際に、製造するのに最も効果的で、かつ技術的に単純な場所であると決定された場所は、それをバイアルアダプタ15に配置することである。図4は、疎水性フィルタ膜66を備えるように修正されたバイアルアダプタ15の断面図である。フィルタは、とても薄いディスク形状の材料ピースで作製されている。フィルタ66を通過することなく、液体が膜15aからスパイク要素の先端の開口62まで液体チャネル58を自由に通過することを可能にするために、それに孔が開けられている。フィルタ66は、その外周67および内周67aでバイアルアダプタに溶接または接着または機械的にプレスされる。空気は、スパイク要素15の先端の開口60から、空気チャネル56を介して、フィルタ66の下方のリブ56によって形成される開放空間に移動し、フィルタ66を通過して、フィルタの上方の開放空間、続いて空気チャネル56に入り、上向き突出構造体46を通過して膜15aに至る。
【0020】
空気チャネル56を通って流れる空気または液体によってフィルタ66に加えられる圧力は、空気チャネル56が塞がれる程度であっても、フィルタを引き裂くか、またはフィルタをしわくちゃにするか、または液体によってフィルタ66を詰まらせるのに十分な大きさである可能性がある。したがって、圧力に耐え、引き裂きを防止し、フィルタを真っ直ぐで平らに保つための機械的支持を提供するために、フィルタ66は、上下からの複数の近接した支持リブ68の間に配置される。
【0021】
先行技術のバイアルアダプタで頻繁に発生する問題は、バイアルへのバイアルアダプタの不適切な取り付けにより、周囲に液体および蒸気が漏れやすく、逆に、周囲からの空気がバイアルに入るとバイアル内の薬剤が微生物に汚染されやすくなることである。この問題の原因は、バイアルアダプタを手動で取り付けるときに、スパイクがしばしば適切に中央に配置されていない、および/または典型的にはバイアルの栓に斜めに挿入されていることである。このような不正確さは、バイアルアダプタがバイアル上に完全に据えられ、係止翼がスパイクとアダプタの中央位置を強制するときに、バイアルゴム栓の引き裂きを引き起こす。
【0022】
US9,510,997は、バイアルアダプタのスパイクの不正確な挿入に起因するバイアル内のゴム栓の引き裂きの問題を克服するように設計されたバイアルアダプタを記載する。この出願のバイアルアダプタは、標準的な薬品バイアルのヘッドに取り付けるように適合されている底部と、底部に、および、本明細書で上に記載された薬剤移送装置のコネクタセクション、またはシリンジなどの医療用移送システムの別のコンポーネントにも結合するように適合される頂部との2つの部品で構成されている。
【0023】
このバイアルアダプタの操作方法は、バイアルアダプタがバイアルのヘッド部分に適切に配置および係止されるまで、スパイクが封入され、バイアルのゴム栓から離すようにすることである。この係止された段階で、スパイクは、まだ栓に接触していない。このようにして達成された適切な位置決めおよび係止により、スパイクは、ゴム栓に対して中央に垂直な位置に固定される。そうして初めて、バイアルアダプタを軸方向の動きでさらに前進させてスパイクを誘導し、最終位置でバイアルアダプタがバイアルに取り外し不可能に係止されるまで、栓を正確に穿刺する準備が整う。
【0024】
手順は、いくつかのステップを含むものとして本明細書に記載されているが、これは、手順のみを簡単に記載するためであることを強調することが重要である。実際には、本発明を使用する安全な係合手順は、単一の滑らかな軸方向の動きを使用して実行されることが理解されるべきである。
【0025】
図5aおよび図5bは、US9,510,997のバイアルアダプタの底部202の異なる図を示す斜視図である。底部202は、中空の内部を有する、略円筒形の構造体である。構造体の底部は、接続されるバイアルのキャップの内径よりもわずかに大きい内径を有する。底部202の下部の内側には、複数の内向きの歯206がある。歯206は、柔軟なアームの端部にあり、歯206を半径方向外向きに押し、次いで、それらに対する外向きの力が取り除かれるとき、それらの元の位置にスナップバックすることを可能にする。また、底部202の下部の内側には、歯206に関連する複数の内向きの歯208が見られる。歯206が取り付けられているアームの外側には、バイアルアダプタの2つの部品を一緒に係止するための突出部210がある。
【0026】
図6は、バイアルアダプタ200の頂部204を示す。頂部204は、略円筒形の構造体である。構造体の中央には、薬剤移送システムの別のコンポーネントに標準的な方法で接続するように設計された上向き突出構造体220と流体連通している、下向きに突出するスパイク218がある。下向きに突出するのは、少なくとも2つの翼部216であり、そのうちのいくつかはその中に、本明細書に以下で説明されるように、上部204を下部に接続する役割を果たす窓214を有する。
【0027】
バイアルアダプタ200の内部を構造体220の上端の膜からスパイク218の先端まで通過する空気および液体チャネルは図に示されていない。膜およびチャネルは、図4に示される膜15aならびにチャネル56および58に類似している。
【0028】
図7aおよび図7bは、バイアルアダプタ200の異なる図を示す斜視図である。頂部204は、第1の係止された構成では、底部202に滑り込まされ、係止されている。図7aでは、底部202の突出部210が、バイアルアダプタ200の2つの部分を一緒に係止することを達成するために、頂部204の翼部216の窓214にどのように嵌入し、押しても互いに対して移動することができないことがわかる。また、図7aには、底部202の底縁に内向きの歯があり、頂部204の円周の周りに外向きのレッジ222があるスナップ212が見られる。スナップ212およびレッジ222は、本明細書で以下に記載される第2の係止された構成では、頂部204を底部202に係止するために相互作用する。
【0029】
図8図11は、バイアルアダプタ200とバイアルとの伸縮取り付けの異なる段階を示す。
【0030】
図8に示される第1の段階では、バイアルのキャップは、バイアルアダプタ200の底部の内部にまだ入っていない。拡大詳細図Aでは、底部202の突出部210が、2つの部品を一緒に係止する上部204の翼部216上の窓214にどのように嵌入するかが見られる。
【0031】
図9に示される第2の段階では、バイアルのキャップは、バイアルアダプタ200の底部の内部に入り始めている。拡大詳細図Aでは、翼部216が歯208の裏側によって半径方向に押されている間に、歯206および歯208がどのようにバイアルのキャップによって半径方向外向きに押されるかが見られる。底部202の突出部210は、上部204の翼部216の窓214に押し込まれ、2つの部品を一緒に係止されたままにするが、部品104および202が互いにスライドしないようにする。
【0032】
図10に示される第3の段階では、バイアルのキャップは、バイアルアダプタ200の底部の内部に端部まで入っている。拡大詳細図Aでは、歯208がどのように翼部216を半径方向外向きに押し続けるかが見られる。同時に、バイアルのキャップは、もはや歯206を外向きに押し出さず、歯206および突出部210が取り付けられているアームが半径方向内向きにはね返ることを可能にする。その結果として、歯206は、バイアルをバイアルアダプタ200にしっかりと取り付けているキャップの縁の下で移動し、底部202の突出部210は、上部204の翼部216上の窓214から引き出され、それによって2つの部品の間の係止を解除する。
【0033】
この段階で、スパイクは、まだバイアルの頂部の栓に接触しておらず、接触させるにはすべての係止が開いていなければならず、それは、アダプタが完全に取り付けられ、スパイクがバイアルのゴム栓に対して中央の垂直な位置にあり、正確に穿刺する準備ができていることを示すことに留意されたい。係止のうちの1つでさえも開いていない場合、部品202および204は、すべてが所定の位置にあり、係止解除されるまで移動しない。結果として、図11に示される第4の段階では、バイアルアダプタの頂部204がバイアルに向かって下向きに押されるときに、スパイクは、バイアル栓のちょうど中央で、それに対して垂直に、バイアル栓を通して押し出される。頂部204が底部202上をスライドすると、翼部216がスライドしてバイアルの側面を把持し、接続にさらなる安定性を加える。最終的に、スナップ212の頂部の歯は、レッジ222の頂部上をスライドして、バイアルアダプタ200の両方の部品を一緒に係止し、したがって、スパイクをバイアルから引き抜く可能性のある逆方向の動きを妨げる。バイアルアダプタの実施形態では、スナップ212は、可聴音および視覚的観察の両方によって、取り付けプロセスが完了したことを使用者に確認させるように構築されている。
【0034】
図12は、その最終位置で医療用バイアルに取り外し不可能に取り付けられたバイアルアダプタ200を示す。
【0035】
本明細書で上に記載されたような移送デバイスに結合されるように設計されたバイアルアダプタ200の実施形態は、バイアルアダプタ15について本明細書で上に記載されたように、例えば、スパイクの上の頂部204に位置するフィルタを備えることができる(図4参照)。
【0036】
図13は、静脈内(IV)バッグとの間で薬剤を移送するために流体移送装置10と組み合わせて使用されるスパイクアダプタ160を示す断面図である。スパイクアダプタ160は、近位端でスパイク要素164で終端する本体162と、遠位端で輸液セットを接続するためのスパイクポートへの標準的な「ねじ切り」端166と、を備える。本体162に対して実質的に直角であるのは、長手方向延長部168である。長手方向延長部168の端部には、膜エンクロージャ170および膜172がある。スパイクアダプタ160の内部は、スパイク要素164の先端から膜172までの流体および空気のための2つの別々のチャネル174および176を備える。シリンジが取り付けられたコネクタセクション14は、図3のバイアルアダプタ15に関して本明細書で上に記載されたとおりに長手方向延長部168に接続することができ、それによって、シリンジからIVバッグへの薬剤の挿入、またはIVバッグからシリンジへの液体の取り出しが可能になり、薬剤の再構成のために使用される。
【0037】
本明細書で上に記載されたバイアルアダプタおよびその他のコンポーネントは、Equashield(登録商標)閉鎖薬剤移送システムの動作原理を示すために提示されている。何年にもわたって、これらのコンポーネントの多くの改善は、開発され、生産されてきた。例えば、これらの改善の多くは、コネクタセクション14、特に、コネクタセクションをバイアルアダプタに密封する膜を保持するアクチュエータにおいて行われてきた。図1aに示される二重膜密封アクチュエータ34は、現在は、単一膜セプタムホルダに置換されている。その最新の実施形態は、本出願の出願人に同時係属中のイスラエル特許出願第261024号に記載されている。可動式セプタムを備えたこのセプタムホルダの分解図が、図14に示されている。
【0038】
セプタムホルダ500は、本体部560およびセプタムサポート561から構成される。本体部560は、ディスク形状の上面と、上面から下向きに突出する側面要素592と、を備える。要素592は、図に示されている形状およびサイズとは別の形状およびサイズを有することができる。遠位の拡張要素563で終端する2つの等しい長さの弾力性の細長いアーム562は、その側面に取り付けられ、図14に示されるように、互いに平行に垂直に下向きに突出している。2対の突出要素577は、本体部560の下面から垂直に下向きに突出する。突出要素577の各対は、対の要素間にスロット578を画定する。スロット578は、本体部560のディスク形状の上面を垂直に上向きに通過する。また、図14では、本体部560の要素592における2つの窓580のうちの1つおよび2つのスロット589のうちの1つ、ならびに本体部560の上面を通過する孔579が見られる。
【0039】
図に示される実施形態では、セプタムサポート561は、ディスク形状のセプタムシート582から構成され、そこから2つの弾力性の細長いアーム586がアーム562に平行に上向きに突出する。各アーム586の下端には、外向き突出ショルダ590があり、各アーム586の上端には、下側の水平面および上部傾斜面を有する外向き突出歯形要素588がある。この実施形態では、2つのボア570を含む(図示されない実施形態では、1つのボアのみを含む)インサート568は、2つの針弁のシートを形成する。1つまたは2つの孔579(実施形態に応じて)は、針がセプタムホルダ500を通過することを可能にするために、本体部560において作製される。インサート568は、セプタムシート582における開口584を通過し、小さいスパイク581および583によって所定の位置に保持される。セプタム572の下縁は、セプタムシート582上に押し込まれるとき、セプタム572をセプタムシート582上に保持する、内向き突出エッジとして構造化されている。
【0040】
セプタムサポート561のアーム586の長さおよびセプタムホルダ500の他の特徴のために、セプタムシート582および取り付けられたインサート568およびセプタム572は、ブロックされていない構成において解放可能に保持され、ブロックされた構成において本体部560に対して移動され、係止され得る。
【0041】
同時係属中のイスラエル特許出願第257778号では、本発明の出願人は、オス-メス接続を確保するための新規な装置について記載している。この装置は、固定アクチュエータセクションを備えるメス型コネクタと、オス型コネクタと、1つ以上のアンカーレッジと、少なくとも1つの回転可能なギヤと、備える。この装置は、2つの容器間、例えば、薬品バイアルからシリンジへ、またはその逆で液体を移送するためのシステムのコンポーネントを接続する際に使用することが実証されている。
【0042】
図23は、受容セクション1202の内部をコネクタ1201の近位側における開口1203を通して見ることが可能な、メス型コネクタ1201の実施形態の本体の斜視図である。複数のラング(例えば、1205)を含むラダー1204は、受容セクション1202の内部の左側および右側の各々の前側または後側に形成される。レール1206は、受容セクション1202の内部の左側および右側の各々の反対側(すなわち、後側または前側)に形成される。ギヤがラング1205間の空間に対応するサイズのスプロケットを備えるとすると、概して数字1207によって示される軌道は、レール1206とラダー1204との間に画定され、それに沿ってギヤは、長手方向に移動し得る。
【0043】
図24は、ベース1407の各側でガイド1403に回転可能に結合された回転可能なギヤ1402を備える、による固定アクチュエータ1401の斜視図である。各ギヤ1402は、空隙部分1405の周囲に周辺的に配置された複数のスプロケット(例えば、1404)を備え、一方、ギャップ1406は、周辺の一部分を除去することによって形成され、それによって、ギヤの周辺を越えて空隙部分へのアクセスを可能にする。図24には、ベース1407の底部に取り付けられた膜(図28を参照-参照番号1706)は、示されていない。
【0044】
図25は、固定アクチュエータ1401がその中に存在するメス型コネクタ1201の断面斜視図である。ガイド1403は、各ギヤ1402のスプロケットがラダー1204のラング1205の間に挿入されるように、トラック1207に位置している。トラック1207に沿ったアクチュエータ1401の長手方向の動きは、スプロケットがそれらの回転軸の周りを回転するように強制されるために、ギヤ1402を回転させる。したがって、開口1203に対するギャップ1406の配向は、アクチュエータ1401の長手方向の動きとともに変化する。
【0045】
図26は、オス型コネクタ1221の突起セクション1222の断面図である。突起セクション1222は、例えば、図5a~図12に示されるバイアルアダプタまたは図13に示されるスパイクアダプタの上向き突出構造体とすることができる。突起セクション1222の頂部にある膜1224を取り囲む窪みの両側には、2つのアンカーレッジ1223がある。
【0046】
図27a~図27cは、メス型コネクタ1201の受容セクション1202に挿入されたオス型コネクタの突起セクション1222の斜視図を示す(切断図で示される)。アンカーレッジ1223の幅は、レッジ1223がギャップ1406を通過し、空隙部分1405に収容され得るように、ギャップ1406のサイズに対応する。アンカーレッジ1223の高さおよび深さは、それぞれ、レッジ1223が空隙部分1405の内側に存在する間、ギヤ1402が自由に回転し得るように、空隙部分1405の直径および深さに対応する。図27aは、アンカーレッジ1223がギャップ1406を通って空隙部分1405に挿入されていることを示す。この位置では、ギヤのギャップ1406が側面からアンカーレッジ1223に当たるため、ギヤ1402の回転が無効になり、その後、アクチュエータ1401全体の動きが無効になることを引き起こす。図27bに示すように、受容セクション1202への突起セクション1222のさらなる挿入により、アンカーレッジ1223は、ギャップ1406を完全に通過し、空隙部分1405内に収容される。受容セクション1202への突起セクション1222のなおさらなる挿入により、ギヤ1402は、ラダー1204によって指示された方向に従って回転する(すなわち、円形矢印Aによって示されるように、図27cに示される実施形態では時計回りに)。ギヤ1402の初期回転により、アンカーレッジ1223は、空隙部分1405の内側に閉じ込められて係止され、接続および接続解除プロセス全体を通して固定されたままである。上述の2つの弾性膜の圧縮のプロセスについて、ギヤ1402の初期回転の瞬間は、特定の分離不可能な圧搾における膜の正確な係止位置を意味する。受容セクション1202への突起セクション1222のさらなる挿入により、係止された膜は、メス型コネクタの静止針によって穿刺される。
【0047】
図27cに示されるアクチュエータ1401の位置では、アンカーレッジ1223が空隙部分1405を離れることは不可能であり、したがって、ギヤ1402が回転してアンカーレッジ1223がギヤから解放されない限り、オス型コネクタ1221の突起セクション1222の近位変位が防止される。明らかに、当業者には明らかであるように、ギャップ1406が開口1203の反対側にない、ラダー204に沿ったギヤ1402の任意の位置において、アンカーレッジ1223は、空隙部分1405の内側に維持される。
【0048】
オス型コネクタ1221からのメス型コネクタ1201の接続解除では、プロセスが逆になり、突起セクション1222が受容セクション1202から引き出されると、アンカーレッジ1223がギャップ1406の反対側に来て、空隙部分1405を離れることができるまで、ギヤ1402がラダー1204に沿って反時計回りに回転する。上述の並行して起こるプロセスにおける接続解除の間、最初に、針が膜から後退し、アンカーレッジ1223がギャップ406の反対側に来て空隙部分1450を離れる瞬間に、膜は、安全に分離し、それらの表面に液体の残留物を残さない。
【0049】
図28は、断面図で見た薬剤移送システムのメス型コネクタ1201および接続されたシリンジ1704を概略的に示している。アクチュエータ1401がメス型コネクタ1201内で最も低い位置にあるとき、針1703および1705は、膜1706の上の空間に位置し、それらの先端は、周囲から隔離されている。アクチュエータ1401が上向きに押されると(図28では、オス型コネクタを挿入せずに人工的に)、この特定の実施形態ではコネクタ1201の一部である針1703および1705は、膜1706に穿孔する。
【0050】
図29は、オス型コネクタ1221がギヤ1402内に係止されたレッジ1223によって取り付けられた状態でアクチュエータ1401が、相対的な膜1224および1706が互いに押し付けられ、針が両方の膜に穿孔して、バイアルの内側に位置するまで、メス型コネクタ1201の受容セクション1202の内側で可能な限り押し上げられた位置にある、オス型コネクタ1221およびメス型コネクタ1201の側面断面図である。
【0051】
本明細書で上に記載された改善されたコンポーネントはすべて、空気を大気に放出または導入することなく、液体がある容器から別の容器に移送されるときに、圧力の均等化を可能にするために、空気および液体のための別個の内部チャネルを備える。
【0052】
Equashield(登録商標)閉鎖薬剤移送システムの使用者に最大限の利益をもたらすために、出願人は、病院の薬局が有害薬剤を含む薬品を調合することを支援し、患者の個々の処方箋に従って、患者に投与するために必要とされる量の液体薬剤を含むシリンジおよびIVバッグを調製するように設計された全自動ロボットシステムを開発した。本システムは、米国特許第10,181,186号に詳細に記載されている。本システムは、生物学的安全キャビネットと、安全キャビネット内でバイアルおよびシリンジを同時に移動するように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリと、を備える。ロボットアームアセンブリの各々は、バイアルグリッパアセンブリまたはシリンジグリッパアセンブリのいずれかとシリンジポンプを、3つの相互に直交するビームに沿って3次元で独立して動かすように構成された3つの機械的配置を備える。キャビネット内には、調合プロセスに関連する特定のタスクを実行するように適合されている複数の操作ステーションがある。操作ステーションは、少なくとも1つのバイアルをそれに接続し、所定量の液体をバイアルに注入することを可能にするように構成された少なくとも1つの再構成モジュールと、再構成された薬剤を含有する1つ以上のバイアルをそれに接続し、所定の期間および所定の振とう方法で振とうすることを可能にするように構成された少なくとも1つのバイアルシェーカモジュールと、少なくとも1つのバイアルをそれに接続し、バイアルを反転させることを可能にするように構成された少なくとも1つのバイアルフリッパモジュールと、システムの操作者がIVバッグを取り付けることができる少なくとも1つのIVバッグベースモジュールと、シリンジマガジンと、安全キャビネット内またはロボットアームアセンブリ上の特定の場所に各々が設置された複数のカメラと、プロセッサと、を含む。カメラの各々は、その場所で実行される調製プロセスの段階のリアルタイムデジタル画像を提供することに充てられる。システムプロセッサにおける専用ソフトウェアおよびとアルゴリズムは、操作者または監督者による介入なしに、ロボットアームアセンブリによって調合プロセスのほぼすべてのステップが自動的に実行されることを可能にし、カメラおよび画像処理アルゴリズムは、調合プロセスのすべての段階のフィードバック制御をリアルタイムで提供するように適合される。
【0053】
図22aは、操作者によって内部に「装填」されるバイアル、シリンジおよびIVバッグを受容するために内部空間がどのように配置されているかを示すために、外部壁の一部および内部仕切りが取り外された安全キャビネットの概略図である。図22には、作業面816、バイアル挿入領域842、2つのIVバッグベースモジュール826(1)および826(2)、2つのシリンジポンプロボットアームアセンブリ838、シリンジマガジン840、ならびにバイアルロボットアームアセンブリ828が示されている。
【0054】
図22bは、バイアルロボットアームアセンブリ828を概略的に示す。システムのソフトウェアの指示の下で、バイアルロボットアームアセンブリ828は、バイアル挿入領域842からバイアルをピックアップし、それらを内部仕切りの後方の作業面816上の任意の場所に移動し、それらを再構成モジュール、シェーカ、および反転機構に接続および接続解除し、それらを作業面816上の新しい場所または廃棄ビン内に放出するように構成される。これらのタスクを実行するために必要とされる動作の程度は、機械的配置、例えば、ねじ、チェーン、またはベルトを回転させてy軸モータおよびギヤボックス852をx軸ビーム850に沿ってx方向に移動させるx軸モータおよびギヤボックス848によって提供される。Y軸モータおよびギヤボックス852は、ねじを回転させて、z軸モータおよびギヤボックス856を、y軸ビーム854に沿ってy方向に移動させる。Z軸モータおよびギヤボックス856は、バイアルグリッパアセンブリ860を、z軸ビーム858に沿ってz方向に上下に移動させる。モータ848、852、および856、ならびにシステム内の他のすべてのモータは、可逆電動モータである。
【0055】
図22cは、バイアルグリッパアセンブリ860を概略的に示す。バイアルグリッパアセンブリの主要なコンポーネントは、モータ868、バイアル内の薬剤の量の推定値を与えるロードセル870、およびバイアルアダプタ864に接続するように適合されているバイアルグリッパ866である。バイアルをピックアップするために、制御システムは、モータ848および852を作動させて、バイアル862に取り付けられたバイアルアダプタ864の真上にバイアルグリッパを位置決めし、次いで、モータ856を作動させてバイアルアダプタ864上のバイアルグリッパ866を押す。
【0056】
図22dは、シリンジポンプロボットアームアセンブリ838を概略的に示す。システムのソフトウェアの指示の下で、シリンジポンプロボットアームアセンブリは、(1)空のシリンジをシリンジマガジンから取り外すためにシリンジポンプを移動し、(2)シリンジを作業面816の下の適切な場所に移動し、(3)シリンジをバイアル反転機構内のバイアルの1つに(バイアルアダプタを通して)接続し、(4)液体をバイアルから取り出し、(5)シリンジを接続解除し、(6)充填されたシリンジを移動し、それをIVバッグに接続されたスパイクアダプタを介してIVバッグに接続し、(7)シリンジポンプ36が作動してシリンジの内容物をIVバッグ内に注入するまで待機し、(8)十分な容量がIVバッグに注入されるまでプロセスを繰り返し、最後に空のシリンジを廃棄ビンまで移動してその中に放出するように構成されている。シリンジポンプロボットアームアセンブリは、輸液ポンプカートリッジによって処方箋が患者に送達される場合に、必要な変更を加えてステップ(1)~(8)を実施する。シリンジから注射することによって薬剤が患者に送達される場合、シリンジポンプロボットアームアセンブリは、ステップ(1)~(4)を実施し、次いで、シリンジをIVバッグベース826上の保護プラグに接続し、それをそこに残す、すなわち、把持を解放する。次いで、操作者は、作業面16のスロットを通してシリンジを取り付けられた状態で、保護プラグをマウントから引き出し、プラグが取り付けられたシリンジを、表面816の上方の安全キャビネットの開放前面を通して安全キャビネットから運び出す。
【0057】
シリンジポンプロボットアームアセンブリ838は、シリンジをピックアップし、それらを作業面816の下方の異なるステーションに移動するように構成されている。これらのタスクを実行するために必要とされる動作の程度は、例えば、ねじを回転させてy軸モータおよびギヤボックス128をx軸ビーム130に沿ってx方向に移動させるx軸モータおよびギヤボックス124によって提供される。Y軸モータおよびギヤボックス128は、ねじを回転させて、z軸モータおよびギヤボックス132を、y軸ビーム130に沿ってy方向に移動させる。Z軸モータおよびギヤボックス132は、シリンジポンプ36を、z軸ビーム134に沿ってz方向に上下に移動させる。
【0058】
図22eは、シリンジポンプ836を概略的に示す。シリンジ122は、シリンジバレルグリッパ144およびシリンジボトムグリッパ146によってハウジング136にしっかりと取り付けられている。プランジャキャップは、シリンジプランジャグリッパ140に固定されている。シリンジプランジャグリッパ140は、ハウジング136内部のモータおよびギヤボックスによって回転される親ねじ138によって、ポンプレール142上で上下に移動することができ、それによって、シリンジのバレルに液体を引き込むか、またはバレルからそれを排出する。
【0059】
有害薬剤のための閉鎖移送システムよりも当技術分野ではるかにより一般的に使用されているのは、無害薬剤で使用するための開放移送システムである。開放系では、液体移送操作中の圧力の均等化は、システム内が過圧の場合に、周囲に空気を通気し、またはシステム内の低圧によって大気を内向きに引き込むことによって実現される。
【0060】
有害薬剤を取り扱うことについての安全上の考慮事項および規制により、Equashield(登録商標)システムは、閉鎖操作を可能にする特別なコンポーネントを備えた閉鎖設計であり、さらに、Equashield(登録商標)閉鎖薬剤移送システムのコンポーネントは、非常に厳しい許容差で比較的高価および取り扱いが困難な材料から製造されることが要求される。したがって、有害薬剤用に生産されたコンポーネントは、無害薬剤用にも使用することができるが、後者の用途では、手動およびロボットシステムの両方を使用して、閉鎖薬剤移送システムの利点、すなわち単純で、迅速な、ならびに安全な取り扱いおよび接続を保持する、開放移送システム用のコンポーネントを提供することが望ましいであろう。
【0061】
本発明の目的は、単純で、迅速な、ならびに安全な取り扱いおよび接続を提供する開放移送システム用のコンポーネントを提供することである。
【0062】
本発明の別の目的は、病院の薬局が無害薬剤を含む薬品を調合し、投与を調製することを支援するように設計されたロボットシステムにおいて使用されるように構成されている、開放移送システム用のコンポーネントを提供することである。
【0063】
説明が進むにつれて、本発明のさらなる目的および利点が明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0064】
本明細書に提示されるのは、第1の態様では、無害薬剤を含む薬品の調合および調製のためのロボットシステムである。このシステムは、層流キャビネットと、少なくとも1つのロボットアームと、少なくとも1つの通気された薬剤バイアルアダプタと、を備える。通気された薬剤バイアルアダプタは、疎水性通気フィルタを備える。薬剤バイアルアダプタおよびロボットシステムは、液体が薬剤バイアルから引き出され、薬剤バイアルに挿入されることを可能にするように構成されている。
【0065】
ロボットシステムの実施形態は、(i)通気されたバイアルアダプタが接続されている薬剤バイアルおよびシリンジを層流キャビネット内で移動させることによって、患者の個々の処方箋に従って、患者に投与するための処方された量の液体薬剤を含むシリンジおよび静脈内(IV)バッグを調製するように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリと、(ii)カメラと、(iii)調合プロセスのすべての段階のリアルタイムフィードバック制御を提供するように適合されている撮像プロセスアルゴリズムを含むソフトウェアを含む、システムプロセッサと、を備える。
【0066】
ロボットシステムの実施形態では、ロボットアームアセンブリは、3つの相互に直交する方向に移動するように構成されている。
【0067】
ロボットシステムの実施形態は、通気されたバイアルアダプタが接続されている薬剤バイアル、およびコネクタセクションが接続されているシリンジを、層流キャビネット内で移動させることによって、患者の個々の処方箋に従って、患者に投与するための必要とされる量の液体薬剤を含むシリンジおよびIVバッグを調製するために相互に直交する3方向に移動ように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリと、カメラと、調合プロセスのすべての段階のリアルタイムフィードバック制御を提供するように適合されている撮像プロセスアルゴリズムを含む、システムプロセッサと、を備える。これらの実施形態は、
a)コネクタセクションが、各々、
(i)セプタムホルダであって、本体部の側面に取り付けられた互いに平行に垂直に下向きに突出する2つの弾力性の細長いアームを備え、各アームが、アームの遠位端の内側に特徴的な形状の突起を有する、セプタムホルダ、または、
(ii)固定アクチュエータセクションであって、コネクタセクションの内壁に形成された少なくとも1つのラング、およびギヤの周囲に周設されたスプロケットを備える少なくとも1つの回転可能なギヤと、アンカーレッジを収容するように構成された空隙部分と、空隙セクションに、ギヤの回転とともに配向が変化する開口が提供されるように、ギヤに形成されたギャップと、を備える、固定アクチュエータセクション、のうちの1つを備え、
b)通気された薬剤バイアルアダプタが、各々、
(i)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にソケットを備え、ソケットが、セプタムホルダのアームの内側にある特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、または、
(ii)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にアンカーレッジを備え、アンカーレッジが、ギャップを通過し、コネクタの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、のうちの1つを備えることを特徴とする。
【0068】
これらの特性的な特徴の結果として、コネクタセクションは、互換性ソケットまたは外側表面上のアンカーレッジを備える通気されたバイアルアダプタに接続された薬剤バイアルにのみ接続することができる。
【0069】
ロボットシステムの実施形態では、特徴的な形状の突起は、バイアルアダプタの上向き突出構造体の外側にあり、一致するソケットが、コネクタセクションおよびホルダにおけるセプタムホルダのアームの内側、ならびにグリッパアセンブリの遠位端にある。
【0070】
ロボットシステムの実施形態は、静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを備える。スパイクアダプタは、
a)本体であって、本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、標準ポートが、スパイク内の空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、長手方向延長部の近位端が、膜を備え、コネクタセクションと結合されるように構成され、長手方向延長部が、スパイク内の液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備える。
【0071】
スパイクアダプタは、長手方向延長部が、(i)セプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、(ii)ギャップを通過し、コネクタセクションの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、それによって、スパイクアダプタが、互換性突起を備えるセプタムホルダ、または互換性ギャップおよび空隙セクションを備える固定アクチュエータセクションのいずれかを備えるコネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする。
【0072】
ロボットシステムの実施形態では、カメラおよびソフトウェアは、ソケット、突起、ギャップ、空隙部分、およびアンカーレッジを認識し、かつ間違ったコンポーネントがキャビネットに導入された場合に、使用者に警告するように構成されており、ロボットアームアセンブリは、開放移送システムと互換性のあるコンポーネントのみが使用されていることを保証するための機械的特徴を備える。
【0073】
ロボットシステムの実施形態では、シリンジをピックアップ、移動、および放出するように構成されたロボットアームアセンブリは、様々な配向でコネクタおよびシリンジを把持するための特殊機構を備え、システムは、様々なシリンジおよび様々な配向を取り扱い、それらを識別し、適切な投与量を読み取るように構成されたソフトウェアを必要とし、それによって、システムが、様々な製造元からの、ならびに様々な形状および寸法の従来のシリンジを使用することを可能にする。
【0074】
本明細書に提示されるのは、第2の態様において、通気されたバイアルアダプタおよびコネクタセクションの第1の実施形態の第1の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリであって、
A)コネクタセクションが、
a)従来のシリンジに接続するように構成された近位端を有し、結合のために通気されたバイアルアダプタの近位端が挿入されることを可能にするように構成された開口をその遠位端に有する、中空外側本体と、
b)コネクタセクションを通して液体導管として機能する、1本の中空針と、
c)
(i)セプタムホルダであって、本体部の側面に取り付けられた互いに平行に垂直に下向きに突出する2つの弾力性の細長いアームを備え、各アームが、アームの遠位端の内側に特徴的な形状の突起を有する、セプタムホルダ、または、
(ii)固定アクチュエータセクションであって、コネクタセクションの内壁に形成された少なくとも1つのラング、およびギヤの周囲に周設されたスプロケットを備える少なくとも1つの回転可能なギヤと、アンカーレッジを収容するように構成された空隙部分と、空隙セクションに、ギヤの回転とともに配向が変化する開口が提供されるように、ギヤに形成されたギャップと、を備える、固定アクチュエータセクション、のうちの1つとを備え、
B)通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態が、
a)バイアルアダプタを薬剤バイアルに取り付けるように構成された遠位構造体と、
b)遠位構造体の内側で下向きに突出するスパイク要素と、
c)遠位構造体から上向きに突出する上向き突出構造体であって、上向き突出部分が、その近位端に膜を備え、上向き突出構造体の近位端が、コネクタセクションに結合されるように適合されている、上向き突出構造体と、
d)上向き突出構造体およびスパイク要素内に内部的に形成された液体チャネルであって、液体チャンネルが、スパイクの先端にある開口から、近位に位置する膜まで、バイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように構成されている、液体チャネルと、
e)上向き突出構造体の下の遠位構造体に位置する疎水性フィルタと、
f)疎水性フィルタおよびスパイク要素の近位にあるバイアルアダプタ内に内部的に形成された空気チャネルであって、空気チャネルが、スパイクの先端にある開口から、疎水性フィルタの近位に位置する通気孔まで、バイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように、かつ空気チャネルとバイアルアダプタの外部との間の流体連通を可能にするように構成されている、空気チャネルと、を備え、
g)上向き突出構造体が、
(i)外側近位端にあるソケットであって、ソケットが、セプタムホルダのアームの内側にある特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有する、ソケット、または
(ii)上向き突出部分であって、近位端に膜、および外側近位端上にアンカーレッジを備え、アンカーレッジが、ギャップを通過し、コネクタの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有する、上向き突出部分、のうちの1つを備える、開放液体薬剤移送システムアセンブリ。
【0075】
突起、ソケット、ギャップ、およびアンカーレッジの特徴は、コネクタセクションが、互換性ソケットまたはアンカーレッジを備える第1の実施形態の通気されたバイアルアダプタに接続される薬剤バイアルにのみ接続されることを可能にする。
【0076】
通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリの実施形態では、特徴的な形状の突起は、バイアルアダプタの上向き突出構造体の外側にあり、一致するソケットは、コネクタセクションにおけるセプタムホルダのアームの内側にある。
【0077】
通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリの実施形態は、静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを追加的に備える。スパイクアダプタは、
a)本体であって、本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、標準ポートが、スパイク内の空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、長手方向延長部の近位端が、膜を備え、コネクタセクションと結合されるように構成され、長手方向延長部が、スパイク内の液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備える。
【0078】
スパイクアダプタは、長手方向延長部が、
(i)セプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(ii)ギャップを通過し、コネクタセクションの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、それによって、スパイクアダプタが、互換性突起を備えるセプタムホルダ、または互換性ギャップおよび空隙セクションを備える固定アクチュエータセクションのいずれかを備えるコネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする。
【0079】
開放液体薬剤移送システムアセンブリの実施形態では、通気されたバイアルアダプタの第1の実施形態が、
(a)医療用バイアルまたは標準的な薬品バイアルのヘッドと同様のヘッドセクションを有する任意のタイプの容器またはデバイスのヘッドセクションに取り付けられるように適合されている底部と、
(b)頂部であって、
(i)ディスク形状中央ピース、および底部に対する頂部の固定を容易にするように適合されている複数の翼部であって、翼部が、ディスク形状中央ピースの周縁に取り付けられ、そこから遠位に突出する、中央ピースおよび翼部と、
(ii)ディスク形状中央ピースから上向きに突出する上向き突出構造体であって、上向き突出構造体が、コネクタセクションに結合されるように適合されている、上向き突出構造体と、
(iii)上向き突出構造体の近位端を密封する膜と、
(iv)ディスク形状中央ピースの中央から遠位に突起するスパイク要素と、
(v)疎水性フィルタおよびスパイク要素の近位にあるバイアルアダプタ内で内部的に形成された空気チャネルおよび液体チャネルであって、チャネルが、上向き突出構造体の近位端を密封する膜からスパイクの先端にある開口までバイアルアダプタを通した流体連通を可能にするように適合されている、空気チャネルおよび液体チャネルと、を備える、頂部と、
(c)第1の係止機構と、
(d)第2の係止機構と、
(e)上向き突出構造体の下の、ディスク形状中央ピースに位置する環形状平坦疎水性フィルタであって、バイアルアダプタおよびフィルタが、液体チャネルを流れる液体がフィルタを通過せずにバイアルアダプタを通過することを可能にし、かつ空気チャネルと交差するように置かれたフィルタが、空気チャネルを通って流れる空気がフィルタを通過することを可能にし、空気チャネルを通って流れる液体がフィルタを通過することを防止する、ように構成されている、環形状平坦疎水性フィルタと、を備える通気されたバイアルアダプタの第2の実施形態と置換され、
(i)第1の係止機構が、ヘッドセクションが底部に取り付けられているときに、スパイクの先端がヘッドセクション内の栓に接触することができないように、頂部を底部に係止し、底部がヘッドセクションに取り付けられた後に頂部を底部から解放するように適合され、
(ii)第2の係止機構が、底部がヘッドセクションに取り付けられた後、スパイクがヘッドセクション内の栓を貫通し、頂部を底部に取り外し不可能に係止することを可能にするように適合され、
(iii)フィルタ上方の空気チャネルが、液体導管によって占有されていない上向き突出構造体の全内部容積と、空気チャネルとバイアルアダプタの外部との間の流体連通を可能にする、上向き突出構造体の側面にある通気孔と、を含み、
(iv)上向き突出構造体が、
(a)セプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(b)ギャップを通過し、コネクタセクションの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、それによって、スパイクアダプタが、互換性突起を備えるセプタムホルダ、または互換性ギャップおよび空隙セクションを備える固定アクチュエータセクションのいずれかを備えるコネクタセクションにのみ接続されることを可能にする。
【0080】
通気されたバイアルアダプタの第2の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリの実施形態では、特徴的な形状の突起は、バイアルアダプタの上向き突出構造体の外側にあり、一致するソケットが、コネクタセクションにおけるセプタムホルダのアームの内側にある。
【0081】
通気されたバイアルアダプタの第2の実施形態を含む開放液体薬剤移送システムアセンブリの実施形態は、静脈内(IV)バッグに接続するように構成されたスパイクアダプタを追加的に備える。スパイクアダプタは、
a)本体であって、本体の近位端におけるスパイク要素において終端し、スパイク要素が、別個の液体および空気チャネルを備える、本体と、
b)本体の遠位端における輸液セットを接続するための標準ポートであって、標準ポートが、スパイク内の空気チャネルと流体連通している、標準ポートと、
c)本体に対して実質的に直角に接続された長手方向延長部であって、長手方向延長部の近位端が、膜を含み、コネクタセクションと結合されるように構成され、長手方向延長部が、スパイク内の液体チャネルと流体連通している液体チャネルを備える、長手方向延長部と、を備え、
スパイクアダプタは、長手方向延長部が、
(i)セプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突起の形状および寸法と一致するように構成された形状および寸法を有するソケット、または、
(ii)ギャップを通過し、コネクタセクションの固定アクチュエータセクションのギヤの空隙に嵌入するように構成された形状および寸法を有するアンカーレッジ、のうちの1つを備え、
それによって、スパイクアダプタが、互換性突起を備えるセプタムホルダ、または互換性ギャップおよび空隙セクションを備える固定アクチュエータセクションのいずれかを備えるコネクタセクションにのみ接続されることを可能にすることを特徴とする。
【0082】
本発明の上記および他のすべての特性および利点は、添付の図面を参照して、その実施形態の以下の例示的かつ非限定的な説明を通じてさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1a-1b】周囲を汚染することなく有害薬剤を移送するための先行技術の装置の概略断面図である。
図2-3】それぞれ、周囲を汚染することなく有害薬剤を移送するための装置の一部となるように設計された先行技術のバイアルアダプタの斜視図および断面図を示す。
図4】疎水性フィルタ膜を含むように修正された図2および図3の先行技術のバイアルアダプタの断面図である。
図5a-12】周囲を汚染することなく有害薬剤を移送するための装置の一部となるように設計された先行技術のバイアルアダプタの別の実施形態を示す異なる図である。
図13】静脈内(IV)バッグとの間で薬剤を移送するために流体移送装置およびコネクタセクションと組み合わせて使用される先行技術のスパイクアダプタを示す断面図である。
図14】コネクタセクションの単一膜密封アクチュエータのためのセプタムホルダの分解図を概略的に示す。
図15a】開放移送システムでの使用に適合されているバイアルアダプタを概略的に示す断面図である。
図15b図15aのバイアルアダプタを通る液体および空気の双方向の流れの経路を概略的に示す。
図16a-16b】図15のバイアルアダプタの通気孔の代替の場所を示す。
図17】開放移送システムでの使用のために設計されたバイアルアダプタの別の実施形態を示す。
図18a】使用のために部分的に組み立てられた開放移送システムを示す。
図18b】ブロックされた構成での図18aの開放移送システムの断面図を示す。
図18c図18aの開放移送システムのコネクタセクションを示す。
図19a】流体の移送のための完全に組み立てられた構成における図18aの開放移送システムを示す。
図19b図19aの開放移送システムの断面図である。
図19c】バイアルアダプタおよび接続されたシリンジコネクタに焦点を当てている図19bにおけるセクションAの拡大である。
図20a-20b】開放移送システムの2つのコンポーネントを一緒に接続することを可能にし、開放移送コンポーネントが閉鎖移送コンポーネントと接続することを防止する要素を概略的に示す。
図21a】IVバッグに接続するためのスパイクアダプタを概略的に示す。
図21b図21aのスパイクアダプタの断面図である。
図22a】患者に投与するための薬剤および薬品を調製するためのロボットシステムの安全キャビネットの内部の概略図である。
図22b】バイアルロボットアームアセンブリを概略的に示す。
図22c】バイアルグリッパアセンブリを概略的に示す。
図22d】シリンジポンプロボットアームアセンブリを概略的に示す。
図22e】シリンジポンプを概略的に示す。
図23】先行技術のメス型コネクタ本体の斜視図を概略的に示す。
図24】先行技術の固定アクチュエータの斜視図である。
図25図24の固定アクチュエータがその中に存在する図23のメス型コネクタ本体の断面斜視図である。
図26】先行技術のオス型コネクタの上部の断面図である。
図27a-27c】複数の連続した位置において図23のメス型コネクタ本体に挿入された先行技術のオス型セクションの断面図である。
図28】明確にする目的のためにオス型コネクタを挿入せずに、図24のアクチュエータが人工的に押し上げられ、したがって、アクチュエータの膜を通過した針が露出している、図23のメス型コネクタを示す断面図である。
図29】それらの相対的な膜が互いに押し合って液体の漏れを防止するように近接した位置における図26および図25のオス型およびメス型コネクタの断面を示し、針が両方の膜に穿孔しており、正面から見てバイアルの内側に位置している。
【発明を実施するための形態】
【0084】
10年以上の間、本出願の出願人は、有害薬剤の汚染のない移送を提供するように設計された閉鎖系液体移送デバイスのコンポーネントの開発、製造、および販売に従事してきた。これらの製品は、粉末状薬剤を再構成し、有害薬剤を液体の形で薬剤バイアル、シリンジ、およびIVバッグ間で移送するために使用される。開発された製品のいくつか、および処方箋の自動調製のためにそれらを利用するロボットシステムは、この出願の背景段落に記載されている。本発明は、無害薬剤を含有する処方箋を調製するために使用する同様のコンポーネントを開発するために、閉鎖系のためのコンポーネントに関してこれまでに行われた研究に依拠する。
【0085】
薬剤は、液体または粉末のいずれかとしてバイアルの製造元によって供給されている。粉末形状の場合は、バイアルの内部に測定量の液体希釈剤を添加して再構成されなければならない。いずれの場合も、処方箋の調製は、測定された量の液体薬剤をバイアルからシリンジに引き込むことを伴う。
【0086】
図15aは、開放移送システムでの使用に適合されているバイアルアダプタ300を概略的に示す断面図である。バイアルアダプタ300は、2つの部品、頂部304と、底部302と、を備える。バイアルアダプタ300のこれらの2つの部品の構造、および薬剤バイアルに接続されたときにそれらが一緒に係止する伸縮方式は、図5a~図12に関連して本明細書で上に記載されたバイアルアダプタ200の対応する部品とほとんどの点で類似している。
【0087】
閉鎖系バイアルアダプタ200とは対照的に、バイアルアダプタ300は、セプタム322の底部からバイアルアダプタ全体を通過する1つの導管(液体導管308)のみを備え、セプタムシート310上にあり、スパイク312の先端まで、上向き突出構造体306を通して、バイアルアダプタの頂部を密封する。
【0088】
バイアルアダプタ300は、疎水性フィルタ316を備える。フィルタは、薄いディスク形状の疎水性材料ピースで作製されている。孔は、液体が液体導管308を自由に通過することを可能にするために、それに開けられている。フィルタ316は、上下から複数の近接した支持リブの間に配置され、その外縁および内縁は、図4に関して本明細書で上に記載されたように、バイアルアダプタの頂部304に溶接、接着、または機械的にプレスされる。
【0089】
スパイクを通る空気チャネル314は、フィルタ316の下の開放空間324において終端する。上向き突出構造体306の内部は、液体導管308を取り囲む中空の空気チャンバ318を備える。空気チャンバ318は、頂部がセプタム322によって密封され、底部がフィルタ316によって液体の侵入を防止するために密封される。フィルタ316の上の上向き突出構造体306の側面における頂部近くの通気孔320は、空気チャンバ318の内部とバイアルアダプタの外部の空気との間の流体連通を可能にする。
【0090】
図15bは、図15aのバイアルアダプタを通る液体および空気の双方向の流れの経路を概略的に示す。
【0091】
図16aおよび図16bは、近位の任意の場所、すなわち、フィルタ316の上またはそれを超えて位置し得る、バイアルアダプタ300における通気孔320の代替の場所を示す。当業者は、様々な場所および方法において、通気する特徴を配置および成形することができる。
【0092】
図17は、開放移送システムでの使用のために設計されたバイアルアダプタの別の実施形態を示す。これは、空気チャネル56がその側面に通気孔402を有し、空気チャネル56の内部とバイアルアダプタ400の外部との間の妨げられない流体連通を可能にすることを除いて、図4に示されるバイアルアダプタ15と同じである。通気孔402は、フィルタ66の上に位置している。圧力均等化は、図15aおよび図15bを参照して記載されたバイアルアダプタ300について記載されたとおりに、バイアルアダプタ400内で行われる。
【0093】
図18aは、使用のために部分的に組み立てられた開放移送システムを示す。このシステムは、薬剤バイアル16に取り付けられたバイアルアダプタ300(図15aを参照)と、開放系コネクタ452に取り付けられた従来のシリンジ450と、を備える。
【0094】
図18bは、図18aの開放移送システムの断面図を示す。図18bに示されているのは、従来のシリンジ450、コネクタ452、およびバイアルアダプタ300に取り付けられたバイアル16である。また、示されているのは、上向き突出構造体306、セプタム322、液体チャネル308、およびバイアルアダプタ300の通気孔320である。
【0095】
図18cは、(a)図1aに示される二重膜密封アクチュエータ34が、その底部にセプタム572を備えるセプタムホルダ500(図14に示される)に置換されること、および(b)コネクタ452内で液体導管として動作する1本の針454のみが存在すること、が修正された先行技術のコネクタセクション14と同様のコネクタ452を示す。コネクタ452は、ブロックされた構成で示されている。
【0096】
図19aは、バイアルアダプタ300が薬剤バイアルに接続され、スパイク312が、図8図11を参照して本明細書で上に記載されたように、バイアルの頂部にある膜を貫通した後の、完全に組み立てられた構成における図18aの開放移送システムを示す。薬剤バイアル16が取り付けられたバイアルアダプタ300は、コネクタ452によって従来のシリンジ450に接続されている。
【0097】
図19bは、図19aの開放移送システムの断面図である。図19cは、シリンジコネクタが接続されたバイアルアダプタに焦点を当てている図19bにおけるセクションAの拡大である。
【0098】
図18a~図19cに示される開放移送システムを使用して、粉末状の形態の薬剤は、従来のシリンジ450に必要とされる量の希釈剤を充填することによって再構成することができ、次いで、シリンジに接続されているシリンジコネクタ452は、図19a~図19cに示されるように接続が確立されるまで、開放系バイアルアダプタ(図18aおよび図18b)の上向き突出構造体306の上に押し下げられ、その時点で、コネクタ452の針454が、コネクタ452におけるセプタムホルダのセプタム572およびバイアルアダプタのセプタム322の両方を貫通し、バイアルアダプタの液体導管308に入っている。
【0099】
接続が確立された後、シリンジ450のピストンを下向きに押して、液体希釈剤がコネクタの針454およびバイアルアダプタの液体導管308を通ってバイアルの内部を流れるようにすることができる(矢印B)。液体がバイアルに入ると、空気が置換され、圧力は、空気がバイアルから空気チャネル314を通って、疎水性フィルタ316を通って空気チャンバ318に流れ込み、通気孔320を通ってバイアルアダプタから出ることによって均等化される(矢印C)。
【0100】
薬剤バイアルから液体を取り出すためには、図19a~図19cに示されるように接続された接続されたバイアルおよびシリンジを反転し、逆さまにして、バイアルがシリンジの上に位置するようにする。反転に続いて、シリンジのピストンを下向きに引っ張って、液体導管308を通してバイアルの内部から液体を取り出すことができる。液体がバイアルから取り出されると、通気孔320、空気チャンバ318、フィルタ316、および空気チャネル314を通してバイアルアダプタ300の外側からバイアルに空気を引き込む吸引によって均等化される、部分的な真空がバイアル内に生成される。
【0101】
上述のように、閉鎖系のコンポーネントは、有害薬剤および無害薬剤の処方箋を調合および充填するときに、使用することができるが、開放系のコンポーネントは、無害薬剤のためにのみ使用することができる。開放系コンポーネントと閉鎖系コンポーネントの互換性を防止するために、出願人は、各系のコンポーネントを接続するために、接続要素の異なる構成を使用する。
【0102】
図20aおよび図20bは、開放移送システムの2つのコンポーネントを一緒に接続することを可能にし、開放移送コンポーネントが閉鎖移送コンポーネントと接続することを防止する要素を概略的に示す。例示目的のために、コネクタセクションのコンポーネントである開放系セプタムホルダ600は、開放系バイアルアダプタの上向き突出構造体306(図15aを参照)および閉鎖系バイアルアダプタの上向き突出構造体220(図6を参照)に接続されるべきである。
【0103】
セプタムホルダ600は、セプタムホルダの本体部に接続されているアーム662の内面側の遠位端を除いて、図14に示されているセプタムホルダ500と同一である。セプタム672は、セプタムサポートの上に嵌合されて示されている。アーム662の外側には遠位の拡張要素668があり、拡張要素668の反対側のアームの内側には、例えば、示されるように、逆文字「L」の形状をした垂直および水平バーを備える、特徴的な形状の突起602がある。図20aに示されるように、上向き突出構造体306は、セプタム622の下の側に逆文字「L」の形状をしたソケット604を備える。ソケット604は、セプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突起602の形状および寸法と一致とする形状および寸法を有し、特徴的な形状の突起602が、セプタムホルダをバイアルアダプタに接続するソケット604に嵌入することを可能にする。他方、閉鎖系のコンポーネントは、開放系のコンポーネントの形状とは別の形状を有する突起およびソケットを含み、例えば、閉鎖系の場合、アーム上の突起は、垂直バーであり、ソケットは、垂直スロットとすることができる。この場合、図20bに示されるように、特徴的な形状の突起602の頂部にある水平バーは、突起602が閉鎖系バイアルアダプタの上向き突出構造体220上の垂直ソケット606に入ることを防止し、それによって、開放系セプタムホルダを閉鎖系バイアルアダプタに接続することを防止する。記載された突起およびソケットの形状は、例示のみを目的としており、他の多くの特徴的な形状を同じ目的のために使用できることに留意されたい。
【0104】
図21aは、静脈内(IV)バッグとの間で薬剤を移送するために流体移送装置10と組み合わせて使用されるスパイクアダプタ700を概略的に示す。スパイクアダプタ700は、近位端にスパイク要素764で終端する本体762と、遠位端に輸液セットを接続するための標準ポート766と、を備える。本体762に対して実質的に直角であるのは、長手方向延長部768である。長手方向延長部768の端部には、膜エンクロージャ770および膜772がある。膜エンクロージャ770の下の長手方向延長部768の側面には、図20aに示されるように、コネクタ内のセプタムホルダのアーム上の特徴的な形状の突出部と一致するように構成されたソケット604がある。従来のシリンジが取り付けられたコネクタセクション、例えば、コネクタ452(図18を参照)は、図19a~図19cのバイアルアダプタ300への接続に関して、本明細書で上に記載されたとおりに長手方向延長部768に接続することができ、それによって、シリンジからIVバッグへの薬剤の挿入、またはIVバッグからシリンジへの液体の取り出しが可能になり、薬剤の再構成のために使用される。
【0105】
図21bは、スパイクアダプタの断面図である。この図では、スパイクアダプタ700の内部が、液体のためおよび空気のための2つの別個のチャネル774および776を備えることがわかる。この開放系では、スパイクアダプタの液体チャネル774は、液体がシリンジとIVバッグとの間で移送される場合に使用するために、スパイク要素764の先端から膜772まで通過する。チャネル776は、液体をIVバッグから患者に移送するために、スパイクの先端からポート766まで通過する。シリンジからIVバッグへの液体の注入または取り出しのための開放系では、硬いガラスバイアルとは異なり、IVバッグは、柔軟性があり、加圧されると膨張し、または排気されると収縮することを可能にするので、通気の必要がない。
【0106】
図23図29に関して記載されたオス-メス接続を固定するための装置は、開放薬剤移送システムでの使用のために必要な変更を加えて容易に修正することができる。開放系の場合、メス型コネクタ、例えば、図18a~図18cにおけるコネクタセクション452は、1本の針のみを有し、セプタムホルダ500は、メス型コネクタ1201のラダー、ギヤ、および他の特徴と置換することができる。図15aおよび図17のバイアルアダプタバイアルアダプタおよび図21aのスパイクアダプタもまた、それらの上向き突出構造体306、46、および768が滑らかな側面および頂部近くの両側に2つのアンカーレッジ1223を有するように修正される。
【0107】
図27aを参照すると、開放系コンポーネントおよび閉鎖系コンポーネントが相互に接続されることを防止するために、コンポーネントがどのように構成されているかがわかる。例えば、閉鎖系の場合、レッジ1223は、開放系のための固定アクチュエータ1401のギヤ1405におけるギャップ1406よりも広くすることができ、それによって、閉鎖系バイアルアダプタと開放系コネクタ1201との接続を防止する。代替的には、開放系の場合、レッジ1223は、閉鎖系のための固定アクチュエータ1401のギヤ1405のギャップ1406よりも広くすることができ、それによって、開放系バイアルアダプタと閉鎖系コネクタ1201との接続を防止する。
【0108】
本明細書に記載された開放系のコンポーネントは、個々の処方箋に従って患者に投与するために、無害薬剤を含む薬品の調合を支援するため、および必要とされる量の液体薬剤を含むシリンジおよびIVバッグを調製するために、病院の薬局に設置することができるロボットシステムにおける使用のために開発された。ロボットシステムは、有害薬剤での使用のために背景段落において記載されているものと同様であり、図22に示されている。規制に準拠して、2つのロボットシステムは、薬局において別々の部屋に保管される。
【0109】
無害薬剤の場合、安全要件は、はるかに制限が少ないが、有害薬剤のためのシステムの場合とまったく同じように、システムは、キャビネット内でバイアルおよびシリンジを同時に移動するように構成された少なくとも2つのロボットアームアセンブリを備える。ロボットアームアセンブリの各々は、バイアルグリッパアセンブリまたはシリンジグリッパアセンブリのいずれかとシリンジポンプを、3つの相互に直交するビームに沿って3次元で独立して動かすように構成された3つの機械的配置を備える。層流キャビネット内には、調合プロセスに関連する特定のタスクを実行するように適合されている複数の操作ステーションがある。操作ステーションは、少なくとも1つの再構成モジュールと、少なくとも1つのバイアルシェーカモジュールと、少なくとも1つのバイアルフリッパモジュールと、システムの操作者がIVバッグを取り付けることができる少なくとも1つのIVバッグベースモジュールと、シリンジマガジンと、各々がキャビネット内またはロボットアームアセンブリの特定の場所に設置された複数のカメラと、プロセッサと、を含む。カメラの各々は、その場所で実行される調製プロセスの段階のリアルタイムデジタル画像を提供することに充てられる。システムプロセッサにおける専用ソフトウェアおよびとアルゴリズムは、操作者または監督者による介入なしに、ロボットアームアセンブリによって調合プロセスのほぼすべてのステップが自動的に実行されることを可能にし、カメラおよび画像処理アルゴリズムは、調合プロセスのすべての段階のフィードバック制御をリアルタイムで提供するように適合される。
【0110】
閉鎖移送システムのために開発されたロボットシステムと開放系における使用のためのものとの重要な違いの1つは、閉鎖移送システムがそれらのコネクタと完全に配向および配列するように製造されなければならないEquashield(登録商標)シリンジの使用に依拠することである。これは、コネクタ延長ショルダおよびシリンジバレル上の延長部が常に互いに対して同じ位置にあるときに、Equashield(登録商標)シリンジが把持および配置されるために、またこの同一の配向により、単純な把持機構のみが必要とされ、シリンジの配置および取り扱いのプロセスが簡単および迅速に達成されるために重要である。適切に整列されたEquashield(登録商標)シリンジとは異なり、開放移送システムは、様々な製造元からの、ならびに様々な形状および寸法の従来のシリンジを使用し、アーム上のコネクタショルダおよびシリンジバレル上の延長部が互いに対して同じ位置にあることはめったになく、実際、様々な配向のコネクタおよびシリンジを把持するためにロボットに統合された特殊機構を必要とする。これはまた、様々なシリンジ、様々な配向、それらを識別すること、および適切な投与量を読み取ることを取り扱うことができるソフトウェアも必要とする。
【0111】
ロボットシステムを使用する場合、記入される処方箋は、システムプロセッサに入力され、必要とされる薬品を含有する薬剤バイアルをキャビネットに挿入し、必要とされるサイズのシリンジをシリンジマガジンに装填し、IVバッグをIVバッグベースモジュールに取り付けるように使用者に促がす。
【0112】
ロボットアームがバイアルおよびシリンジを掴むことができるようにするために、使用者は、バイアルアダプタを各バイアルに、およびコネクタセクションを各シリンジに接続してから、それらをキャビネットに配置する。薬剤バイアル、シリンジ、およびIVバッグがキャビネットに配置された後、薬剤を調合し、患者への投与のためのシリンジまたはIVバッグにおいて必要とされる用量を調製するといったすべてのさらなる操作は、カメラの監督下にあるプロセッサによって指示されたときに、ロボットアームによって自動的に実行される。
【0113】
開放移送ロボットシステムでは、カメラおよびソフトウェアは、図20aおよび図20bにおける、バイアルアダプタ220上のソケット604や突起602、およびセプタムホルダ600、ならびに、図24および図26における、固定アクチュエータにおけるギャップ1406や空隙部分1405、およびオス型コネクタ1221上のレッジ1223を認識し、かつ間違ったコンポーネントがキャビネットに導入された場合に、使用者に警告するように構成されている。追加的に、安全な特徴として、ロボットアームアセンブリは、開放移送システムと互換性のあるコンポーネントのみが使用されていることを保証するための機械的特徴、例えば、ピックアップされるコンポーネント上で一致するスロットに嵌合しなければならない突出ピンを備える。
【0114】
ロボットシステムでの使用のための開放移送コンポーネントは、2つのキット、バイアルアダプタおよびコネクタセクションを含有する基本キットと、IVスパイクアダプタを追加的に含有する拡張キットと、を構成する。キットは、異なるサイズのバイアルに好適なバイアルアダプタと、異なるタイプの接続部を有するコネクタ、例えば、標準的な不必要なシリンジと噛み合わせるためのルアーロックまたはバヨネットコネクタと、を含むように、いくつかの実施形態において提供される。
【0115】
本発明の実施形態は例示として記載されてきたが、本発明は、特許請求の範囲を超えることなく、多くの変形、修正、および適合を伴って実施され得ることが理解されよう。

図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15a
図15b
図16a
図16b
図17
図18a
図18b
図18c
図19a
図19b-19c】
図20a
図20b
図21a
図21b
図22a
図22b
図22c
図22d
図22e
図23
図24
図25
図26
図27a
図27b
図27c
図28
図29
【国際調査報告】