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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】抗ウイルス剤およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 407/04 20060101AFI20220930BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20220930BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20220930BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20220930BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20220930BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20220930BHJP
   C07D 491/056 20060101ALI20220930BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20220930BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20220930BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20220930BHJP
【FI】
C07D407/04 CSP
A61K31/4155
A61K31/437
A61K31/4162
A61P31/16
A61P31/14
C07D491/056
C07D471/04 105P
C07D495/04 103
C07D487/04 136
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506292
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 AU2020050784
(87)【国際公開番号】W WO2021016670
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】2019902717
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】509075181
【氏名又は名称】グリフィス・ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】GRIFFITH UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100221578
【弁理士】
【氏名又は名称】林 康次郎
(72)【発明者】
【氏名】フォン イッツシュタイン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】エル-ディーブ,イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ハイリグ,ラリッサ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨン,パトリス
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA08
4C050BB05
4C050CC05
4C050CC17
4C050EE02
4C050EE04
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH02
4C063AA01
4C063BB02
4C063CC78
4C063DD22
4C063DD42
4C063EE01
4C065AA19
4C065BB05
4C065CC09
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ01
4C065LL08
4C065PP07
4C071AA01
4C071AA08
4C071BB01
4C071CC02
4C071CC21
4C071EE13
4C071FF04
4C071HH01
4C071HH28
4C071JJ06
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC36
4C086BC60
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB22
4C086CB26
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZB33
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、式(I):
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関し、Rは場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾール、場合により置換されていてよいN-結合インダゾール、および特定のN-結合トリアゾールから成る群から選択される。本発明はまた、ウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置における化合物の使用および化合物を含む医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
〔式中、
はCOOHまたはその塩、C(O)NR10、C(O)OR11から成る群から選択され、ここで前記R、R10およびR11は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいアリールから成る群から選択され;
は、場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾール、場合により置換されていてよいN-結合インダゾールおよび次の式のN-結合トリアゾール
【化2】
(式中、R20
【化3】
から成る群から選択され、ここで*は結合点であり、前記R21、R22およびR23は独立して、場合により置換されていてよいアルキル、場合により置換されていてよいアルケニル、置換アルキニル、場合により置換されていてよいシクロアルキル、場合により置換されていてよいアリール、場合により置換されていてよいヘテロアリール、場合により置換されていてよいヘテロシクリル、場合により置換されていてよいアルキルヘテロ環式、場合により置換されていてよいアルキルヘテロアリール、場合により置換されていてよいアルキルアミン、場合により置換されていてよいジアルキルアミンおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合させる場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択される)
から成る群から選択され;
はスルホンアミド、尿素およびNHC(O)R17から成る群から選択され、ここで前記R17はC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により置換されていてよく;
、RおよびRは独立して、OH、保護されたOH、NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、NR1818’、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、-OC(O)R18、-NH(C=O)R18およびS(O)18から成る群から選択され、ここでn=0~2であり、各R18およびR18’は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいC-Cアルカノイルから適切に選択される〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
がCOOHもしくはその塩またはC(O)OR11であり、ここで前記R11がメチル、エチルおよびプロピルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾールであるとき、Rは次の式:
【化4】
〔式中、R、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、アミド、C-C12アルキル、C-C12アルコキシ、C-C12ハロアルコキシ、C-C12アルカノイル、C-C12ハロアルカノイル、C-C12ハロアルキル、ピリジルおよびフェニルから成る群から適切に選択され、これらの全ては場合により置換されていてよい〕
のものである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が場合により置換されていてよいN-結合インダゾールであるとき、Rは次の式:
【化5】
〔式中、
、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシル、ハロ、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、シアノ、スルホニル、アミン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アミドおよびカルボキシルから成る群から選択され;
とR、RとRおよびRとRは一体となって、ヘテロアリール、ヘテロ環式またはアリール環を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい〕
のものである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
がN-結合トリアゾールであるとき、先に定義されるとおり、R21が場合により置換されていてよいC-Cアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルケニル、場合により置換されていてよい5員または6員アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-窒素ヘテロ環、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-窒素ヘテロアリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキルアミン、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-シクロアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-C-Cアルキル-アリールおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択され得る、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
21が化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーであるとき、式(I)の化合物は次の式:
【化6】
〔式中、R、R、R、RおよびRは先に定義されるとおりであり、
リンカーはC-C12アルキル;C-Cアルキル;C-Cアルケニル;およびC-Cアルキニルから選択され;これらの全ては場合により置換されていてよく、場合により5員窒素ヘテロアリールに結合していてよい〕
のものである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が次から成る群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【請求項8】
が、R27がC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により置換されていてよいものである、-NHS(O)27;R17がC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により置換されていてよいものである、-NHC(O)NHR17;ならびに次の式:
【化11】
から成る群から選択されるものである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、-NHAc、-NHC(O)CH(CH)、-NHC(O)CFおよび-NHC(O)CHCHから成る群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
、RおよびRが独立して、OHおよびOAcから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式(I)の化合物が、式(II):
【化12】
〔R、R、R、R、RおよびRは、請求項1~10のいずれか一項に記載されるとおりである〕
の化合物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
化合物が式(IIIa)または式(IIIb):
【化13】
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは先に定義されるとおりである〕
の化合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が式(IVa)または式(IVb):
【化14】
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは先に記載されるとおりである〕
の化合物である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
化合物が、式Va、式Vb、式VIa、式VIb、式VIIaおよび式VIIb:
【化15】
〔式中、R、R、R、R、R、R21、R22およびR23は先に記載されるとおりである〕
のいずれか1以上の化合物である、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
式(I)の化合物が、次のもの:
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
ならびにその保護された形態およびC-2カルボキシ基がプロトン化された形態、ナトリウム塩形態またはプロドラッグ形態であるおよびR位が-NHC(O)R基で置換され、ここで前記RがC-Cアルキルまたはハロアルキルである、そのアナログから成る群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
有効量の請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項17】
ウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置または予防のためのものである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
有効量の請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に有効な塩または請求項16または17に記載の医薬組成物を患者に投与する段階を含む、患者におけるウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態を処置する方法。
【請求項19】
疾患、障害または状態がインフルエンザおよび/またはパラインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
感染が、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、D型インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)およびヒトメタニューモウイルス(hMPV)から成る群から選択されるウイルスにより引き起こされるものである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
パラインフルエンザウイルスがパラインフルエンザウイルス1型、2型、3型および4型から成る群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
患者が飼育動物または家畜またはヒトである、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
ウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼを請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に有効な塩に接触させる段階を含む、ウイルス性ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能を調節する方法。
【請求項24】
調節することが阻害することであり、ウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼがパラインフルエンザヘマグルチニン-ノイラミニダーゼである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医学的処置の分野に関する。より具体的には、本発明は、新規抗ウイルス剤およびウイルス感染により引き起こされる疾患または状態の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書における背景技術についてのあらゆる引用文献は、そのような技術がオーストラリアまたは他国で一般に知られた知識を構成することを認めるものであると解釈されるべきではない。
【0003】
ウイルスは、社会にとって大きな損失となる、哺乳類の広範な疾患の原因である。ウイルス感染の影響は、一般的なインフルエンザの症状から重篤な呼吸器の問題までに及び得て、特に地域の幼い者、高齢者および免疫力がない人々の間で死をもたらし得る。
【0004】
インフルエンザウイルスA型、B型およびC型を含むオルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)のウイルスおよびパラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)のウイルスは、毎年膨大な数のヒト感染症の原因となる病原体である。
【0005】
一例としてパラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)を挙げると、ヒトパラインフルエンザウイルス1型および3型(hPIV-1および3)は、幼児および小児における上下気道疾患の主な原因であり、高齢者および免疫力がない人々に影響を及ぼす。有意に、米国のみで5歳未満の子供において毎年500万件もの下気道感染症が生じると推測され、これらの症例のおよそ3分の1でhPIVが単離されている。hPIV感染症は、しばしば、移植患者において報告され、造血幹細胞移植患者で30%ほどの死亡率である。継続的な努力にもかかわらず、現在、hPIV感染症を予防するワクチンも、これを治療する特定の抗ウイルス療法も存在しない。比較的最近のいくつかのアプローチは、小分子による侵入阻害および成熟前のウイルス融合の誘発に焦点を当てている。
【0006】
パラインフルエンザウイルスの宿主細胞との初期の相互作用は、その表面糖タンパク質、ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ(HN)を介するものであり、N-アセチルノイラミン酸を含有する糖複合体の認識を含む。パラインフルエンザウイルスHNは、1つのタンパク質内のみならず、単一の結合部位においても(細胞付着のための)受容体結合および(ウイルス放出を促進する)受容体分解の機能を含む多機能タンパク質である。さらに、HNは標的の宿主細胞の感染を開始するために必要なウイルス表面融合(F)タンパク質の活性化に関与する。したがって、ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼの阻害は、抗ウイルスのための標的を提供する。
【0007】
本願の出願人が以前に出願した、国際公開第2016/033660号として公開された国際出願に、特定の抗ウイルス化合物がウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ機能のモジュレーターとして記載されている。それらの目的には適しているが、その公報は、特定の重要な位置で許容される変化および有効性の最適な代替についての限定的な指針しか提供しない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、式(I):
【化1】
〔式中、
はCOOHまたはその塩、C(O)NR10、C(O)OR11から成る群から選択され、ここで前記R、R10およびR11は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいアリールから成る群から選択され;
は、場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾール、場合により置換されていてよいN-結合インダゾールおよび次の式のN-結合トリアゾール
【化2】
(式中、R20
【化3】
から成る群から選択され、ここで*は結合点であり、前記R21、R22およびR23は独立して、場合により置換されていてよいアルキル、場合により置換されていてよいアリール、場合により置換されていてよいアルキルヘテロ環式、場合により置換されていてよいアルキルヘテロアリール、場合により置換されていてよいアルキルアミン、場合により置換されていてよいジアルキルアミンおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合させる場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択される)
から成る群から選択され;
はスルホンアミド、尿素およびNHC(O)R17から成る群から選択され、ここで前記R17はC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により置換されていてよく;
、RおよびRは独立して、OH、保護されたOH、NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、NR1818’、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、-OC(O)R18、-NH(C=O)R18およびS(O)18から成る群から選択され、ここでn=0~2であり、各R18およびR18’は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいC-Cアルカノイルから適切に選択される〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0009】
第一の態様のある態様において、式(I)の化合物は式(II):
【化4】
〔R、R、R、R、RおよびRは上記のとおりである〕
の化合物である。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、有効量の第一の態様の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0011】
適切には、医薬組成物は、ウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置または予防のためのものである。
【0012】
本発明の第三の態様は、有効量の第一の態様の化合物またはその薬学的に有効な塩または第二の態様の医薬組成物を患者に投与することを含む、患者におけるウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態を処置する方法に属する。
【0013】
本発明の第四の態様は、患者におけるウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置における使用のための、第一の態様の化合物またはその薬学的に有効な塩または第二の態様の医薬組成物を提供する。
【0014】
本発明の第五の態様は、ウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置のための医薬の製造における、第一の態様の化合物またはその薬学的に有効な塩の使用を提供する。
【0015】
第三、第四または第五の態様のある実施態様において、疾患、障害または状態は、パラインフルエンザ、インフルエンザ、偽膜性喉頭炎、細気管支炎および肺炎から選択される。
【0016】
第三、第四または第五の態様のある実施態様において、疾患、障害または状態はパラインフルエンザおよび/またはインフルエンザである。
【0017】
ある実施態様において、ウイルス性呼吸器感染症は、インフルエンザA型ウイルス、インフルエンザB型ウイルス、インフルエンザC型ウイルス、インフルエンザD型ウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)およびヒトメタニューモウイルス(hMPV)の1以上により引き起こされる。
【0018】
疾患、障害または状態がインフルエンザであるとき、それはA型、B型、C型またはD型インフルエンザであり得る。
【0019】
疾患、障害または状態がパラインフルエンザウイルス感染症であるとき、それはhPIV-1、hPIV-2、hPIV-3およびhPIV-4ウイルスから成る群から選択され得る。これらは全てのウイルスサブタイプ、例えば4aおよび4bを含み得る。
【0020】
疾患、障害または状態がRSVにより引き起こされるとき、それはAおよび/またはBサブタイプ、例えば、hRSV-AおよびhRSV-Bにより引き起こされ得る。
【0021】
疾患、障害または状態がhMPVにより引き起こされるとき、それはhMPV A1、A2、B1およびB2サブタイプのいずれか1種以上により引き起こされ得る。
【0022】
好ましくは、患者は飼育動物または家畜またはヒトである。
【0023】
本発明の第六の態様は、ウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼを第一の態様の化合物と接触させる段階を含む、ウイルス性ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能を調節する方法が提供される。
【0024】
上記の個々の節において言及される本発明の多様な特徴および実施態様は、適切に、必要な変更を加えて他のセクションに適用する。結果的に、あるセクションで特定された特徴は、適切に、他のセクションにおいて特定された特徴と組み合わせられ得る。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、次の詳細な説明から明らかとなる。
【0026】
詳細な説明
本発明は、少なくとも一部、環のC-4位を含む重要な位置に修飾を有する特定のノイラミン酸誘導体がウイルス性呼吸器感染症により引き起こされる疾患の処置において有用な効力を示すという知見に基づく。特に、本発明の化合物はパラインフルエンザヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ機能の阻害において有用である。これは、赤血球凝集機能および/またはノイラミニダーゼ(酵素)機能をブロックする点で考慮され得る。抗ウイルス化合物は、国際公開第2016/033660号として公開された、本出願人が以前に出願した国際出願において、ウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼのモジュレーターとして記載されているが、本願は、hPIV HN-結合ポケットのより完全な利用をもたらした、その以前の刊行物では想定されていなかった新規化合物テンプレートを提供する。本明細書に開示された特定の化合物はまた、阻害剤骨格をhPIV HN-結合ポケットの外側まで伸長し、効能の改善および多価のための有益な結合相互作用の獲得を利用する。
【0027】
定義
本願明細書において、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」または類似の用語は、要素の一覧を含む方法または組成物が、それらの要素のみを含むのではないが、列挙されていない他の要素もまた含み得る、非排他的包含を意味することを意図する。
【0028】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【0029】
本明細書で使用される「有効量」とは、処置される状態の症状の発生を予防する、症状の悪化の停止をもたらす、症状の重篤度を処置および軽減もしくは少なくとも低減するのに十分な関連する活性剤の量の投与を示す。有効量は、患者の年齢、性別、体重などとともに、当業者により理解される程度に変化する。適切な投与量または投与レジメンは、慣例の試験により確認され得る。
【0030】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」とは、全身または局所投与について毒性学的に安全な塩、例えば、無機塩基または有機塩基および無機酸または有機酸を含む薬学的に許容される非毒性の塩基または酸から製造される塩を示す。薬学的に許容される塩は、アルカリおよびアルカリ土類塩、アンモニウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、アミン塩、グルコサミン塩、クロライド塩、硫酸塩、スルホン酸塩、二硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、二酒石酸塩、リン酸塩、炭酸塩塩、重炭酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ナプシル酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、テレフタル酸塩、パモ酸塩、ピペラジン塩、ペクチン酸塩およびS-メチルメチオニン塩などを含む群から選択され得る。
【0031】
本明細書における使用の各々の場合および任意の特定の部分について明確に列挙されない場合における用語「置換された」および「場合により置換されていてよい」とは、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシなど)、CN、OH、オキソ、NH、NR2828’(ここで、R28およびR28’は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキル、場合により置換されていてよいアリール、R29C=O、R29SOおよびR29がC-CアルキルであるR29NHC=Oから選択される)、Cl、F、Br、I、アリールおよびヘテロシクリルから選択される1以上の基での、関連する部分、例えば、アルキル鎖または環構造の置換を示し、最後の2つの部分は、それ自体、場合により置換されていてよい。多数の官能基の記載の前にその用語が記載されるとき、それは、特に明らかでない限り、全ての列挙された官能基に適用されることが意図される。例えば、「場合により置換されていてよいアミノ、ヘテロ環式、アリール」は、全てのアミノ、ヘテロ環式およびアリール基が場合により置換されていてよいことを意味する。関連する基がRであり、それが別の式(I)の化合物と結合して二量体を形成する実施態様において、記載される部分、例えば、「場合により置換されていてよいアルキル」または「場合により置換されていてよいアルキルヘテロアリール/アルキルヘテロシクリル」は、それが二量体を形成する他の式(I)の化合物のRに結合するアルキル鎖および/またはトリアゾール環を含むリンカーで置換され得る。
【0032】
用語「アルキル」とは、例えば、1~約12個の炭素原子、好ましくは1~約8個の炭素原子、より好ましくは1~約6個の炭素原子、さらにより好ましくは1~約4個の炭素原子、さらにより好ましくは1~2個の炭素原子を含む直鎖または分岐アルキル置換基をいう。このような置換基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルドデシルなどを含む。言及される炭素の数は、炭素骨格および炭素の分岐に関するものであるが、任意の置換基に属する炭素原子、例えば、主要な炭素鎖から分岐するアルコキシ置換基の炭素原子を含まない。
【0033】
用語「シクロアルキル」とは、場合により置換されていてよい非芳香族単環式、二環式または三環式炭素基を示す。適切な場合、シクロアルキル基は特定の数の炭素原子を有し得て、例えば、C-Cシクロアルキルは3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する炭素環式基である。非限定的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなどを含む。いくつかの実施態様において、「シクロアルキル」とは、場合により置換されていてよい飽和単環式、二環式または三環式炭素基を示す。
【0034】
用語「アリール」とは、当業者により一般に理解される非置換または置換芳香族炭素環式置換基を示す。それは、用語アリールはヒュッケル則に従って、平面であり、かつ4n+2のπ電子を含む環状置換基を適用することが理解される。C6アリールが好ましい。
【0035】
特定の「R」基と関連して本明細書で特定的に使用される用語「ヘテロ環式」および「ヘテロシクリル」とは、環に5~7個の原子を有し得て、その原子の1~4個がヘテロ原子であるヘテロ環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる部分を示し、前記環は第二の環から離れているか、または第二の環と縮合し、ここで前記ヘテロ原子は独立して、O、NおよびSから選択される。ヘテロ環式およびヘテロシクリルは、芳香族ヘテロシクリルおよび非芳香族ヘテロシクリルを含む。ヘテロ環式系は、ラジカルの任意の数の炭素原子またはヘテロ原子を介して別の部分と結合し得て、飽和および不飽和の両者であり得る。ヘテロシクリル系は、ラジカルの任意の数の炭素原子またはヘテロ原子を介して別の部分と結合し得て、飽和および不飽和の両者であり得る。ヘテロ環式の非限定的な例は、ピラゾール、イミダゾール、インドール、イソインドール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、ピリミジン、ピリジン、ピラジン、ジアジン、トリアジン、テトラジン、ピロリジニル、ピロリニル、ピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピラゾリニル、ジチオリル、オキサチオリル、ジオキサニル、ジオキシニル、オキサジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、オキセピニルおよびチアピニル、イミダゾリニル、チオモルホリニルなどから選択され得る。
【0036】
用語「ヘテロアリール」または「芳香族ヘテロシクリル」とは、1以上の(特に1~4個の)非炭素原子(特に、N、OまたはS)またはその組合せを含むアリール基を示し、そのヘテロアリール基は場合により、1以上の炭素または窒素原子で置換されていてよい。ヘテロアリール環はまた、1以上の環状炭化水素、ヘテロ環式、アリールまたはヘテロアリール環と縮合し得る。ヘテロアリールは、限定されないが、1個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール(例えば、チオフェン、ピロール、フラン);1,2位または1,3位に2個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール(例えば、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、プリン);3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール(例えば、トリアゾール、チアジアゾール);4個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリールヘテロ原子(例えば、テトラゾール);1個のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリール(例えば、ピリジン、キノリン、イソキノリン、フェナントリン、5,6-シクロヘプテノピリジン);2個のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリール(例えば、ピリダジン、シンノリン、フタラジン、ピラジン、ピリミジン、キナゾリン);3個のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリール(例えば、1,3,5-トリアジン);および4個のヘテロ原子を有する6員ヘテロアリールを含む。「置換ヘテロアリール」は、置換基として1以上の非干渉基を有し、かつ「場合により置換されていてよい」と定義される非干渉基を含むヘテロアリールを意味する。ヘテロアリールの例は、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3-b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H-インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、シンノリン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソキサゾール、フラザン、フェノキサジン、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジル、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリルまたは8-キノリル、1-イソキノリニル、3-イソキノリニル、4-イソキノリニル、または5-イソキノリニル、1-インドリル、2-インドリルまたは3-インドリルおよび2-チエニルまたは3-チエニルを含む。基は、末端基または架橋基であり得る。
【0037】
用語「アルキルアミン」および「ジアルキルアミン」とは、それぞれ、「R」および「R’」が場合により置換されていてよいアルキルである-NHRおよび-NRR’基を示し、それらは独立して、上記で定義されるとおりであり得る。すなわち、RおよびR’は、必ずしもではないが、同一のアルキル部分であり得る。
【0038】
用語「アミン」は、-NH、上記で定義される「アルキルアミン」および「ジアルキルアミン」を示し得る。
【0039】
用語「保護されたOH」または「保護されたヒドロキシ」とは、C-Cアシル、エーテルを形成するためのC-Cアルキル基またはエーテルまたはC-Cエステルを形成するアリール、例えばベンジルを含むアシル基、エーテル基またはエステル基のような一般的な保護基で保護されたヒドロキシル基を示す。
【0040】
式(I)および式(II)の化合物を含む第一の態様の化合物、例えば、「N-結合トリアゾール」、「N-結合ナフトトリアゾール」、「N-結合インダゾール」または「N-結合ヘテロ環」について本明細書で使用される用語「N-結合」は、ノイラミン酸中心(式(I)および式(II)中のR)のC-4位で結合した部分を示し、その結合は、環炭素と窒素原子との間の直接結合を含むことに限定される。好ましくは、それは適切なヘテロ環の一部、例えば、トリアゾール環、インダゾール、ナフトトリアゾールなどの窒素の1つをそれ自体が形成する窒素原子を介してノイラミン酸核と結合したR部分を示す
【0041】
構造において原子数の範囲が示されるとき(例えば、C-C12、C-C10、C-C、C-C、C-C、アルキルなど)は常に、任意の部分範囲またはその示された範囲に含まれる個々の炭素原子の数もまた使用されることが、具体的に企図される。このように、例えば、本明細書において参照された任意の化学基について使用される(例えば、アルキルなど)1~12個の炭素原子(例えば、C-C12)、1~9個の炭素原子(例えば、C-C)、1~6個の炭素原子(例えば、C-C)、1~4個の炭素原子(例えば、C-C)、1~3個の炭素原子(例えば、C-C)または2~8個の炭素原子(例えば、C-C)の範囲の記載は、適切に、1個、2個、3個、4個、5、6個、7個、8個、9個、10個、11個および/または12個の炭素原子ならびにその任意の部分範囲(適切に、例えば、1~2個の炭素原子、1~3個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~5個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~7個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~9個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~11個の炭素原子、1~12個の炭素原子、2~3個の炭素原子、2~4個の炭素原子、2~5個の炭素原子、2~6個の炭素原子、2~7個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~9個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~11個の炭素原子、2~12個の炭素原子、3~4個の炭素原子、3~5個の炭素原子、3~6個の炭素原子、3~7個の炭素原子、3~8個の炭素原子、3~9個の炭素原子、3~10個の炭素原子、3~11個の炭素原子、3~12個の炭素原子、4~5個の炭素原子、4~6個の炭素原子、4~7個の炭素原子、4~8個の炭素原子、4~9個の炭素原子、4~10個の炭素原子、4~11個の炭素原子および/または4~12個の炭素原子など)を包含し、具体的に記載する。
【0042】
本明細書で使用される「対象」または「個体」または「患者」とは、治療が望ましい任意の対象、特に脊椎動物対象、およびより具体的には、哺乳動物対象を示す。適切な脊椎動物は、限定されないが、霊長類、鳥類、家畜(例えば、ヒツジ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ)、実験動物(例えば、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター)、コンパニオンアニマル(例えば、ネコ、イヌ)および捕獲野生動物(例えば、キツネ、シカ、ディンゴ)を含む。好ましい対象は、ウイルス感染により引き起こされる疾患または状態についての処置を必要とするヒトである。しかしながら、前記用語は症状が必ず存在することを示唆しないことが理解される。
【0043】
本明細書における「ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ」、「ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼタンパク質」などへの言及は、「ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能」と相互変換可能であると考えられ得る。それらは赤血球凝集機能のブロックまたはノイラミニダーゼ(酵素)機能の阻害の一方または両方を包含すると考えられ得る。従って、赤血球凝集機能のブロックは、いかなる理論にも縛られないが、本明細書に記載の化合物の作用の一つのメカニズムであり得るヘマグルチニン-ノイラミニダーゼタンパク質の調節、ブロックまたは阻害を含み得る。
【0044】
本発明の第一の態様によれば、式(I):
【化5】
〔式中、
はCOOHまたはその塩、C(O)NR10、C(O)OR11から成る群から選択され、ここで前記R、R10およびR11は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいアリールから成る群から選択され;
は、場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾール、場合により置換されていてよいN-結合インダゾールおよび次の式のN-結合トリアゾール
【化6】
(式中、R20
【化7】
から成る群から選択され、ここで*は結合点であり、前記R21、R22およびR23は独立して、場合により置換されていてよいアルキル、場合により置換されていてよいアルケニル、置換アルキニル、場合により置換されていてよいシクロアルキル、場合により置換されていてよいアリール、場合により置換されていてよいヘテロアリール、場合により置換されていてよいヘテロシクリル、場合により置換されていてよいアルキルヘテロ環式、場合により置換されていてよいアルキルヘテロアリール、場合により置換されていてよいアルキルアミン、場合により置換されていてよいジアルキルアミンおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択される)
から成る群から選択され;
はスルホンアミド、尿素およびNHC(O)R17から成る群から選択され、ここで前記R17はC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により置換されていてよく;
、RおよびRは独立して、OH、保護されたOH、NH、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、NR1818’、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルコキシ、-OC(O)R18、-NH(C=O)R18およびS(O)18から成る群から選択され、ここでn=0~2であり、各R18およびR18’は独立して、水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいC-Cアルカノイルから適切に選択される〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0045】
第一の態様のある態様において、式(I)の化合物は式(II):
【化8】
〔R、R、R、R、RおよびRは先に記載されるとおりである〕
の化合物である。
【0046】
式(I)または式(II)の化合物のある実施態様において、RはCOOHもしくはその塩またはC(O)OR11であり、ここで前記R11はメチル、エチルおよびプロピルから選択される。
【0047】
ある特定の実施態様において、RはCOOH、COONaおよびC(O)OMeから成る群から選択される。
【0048】
式(I)または式(II)の化合物のある実施態様において、Rが場合により置換されていてよいN-結合ナフトトリアゾールであるとき、それは次の式のものである。
【化9】
〔式中、R、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、アミド、C-C12アルキル、C-C12アルコキシ、C-C12ハロアルコキシ、C-C12アルカノイル、C-C12ハロアルカノイル、C-C12ハロアルキル、ピリジルおよびフェニルから成る群から適切に選択され、これらの全ては場合により置換されていてよい〕
【0049】
特定の実施態様において、R、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロ、アセトアミド、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cアルカノイル、C-Cハロアルキル、場合により置換されていてよいピリジルおよび場合により置換されていてよいフェニルから成る群から選択される。
【0050】
特定の実施態様において、RとR;RとR;RとR;RとR;およびRとRの1以上は、5員または6員アリールまたはヘテロアリールまたはヘテロ環式環を形成し得る。
【0051】
式(I)または式(II)の化合物のある実施態様において、Rが場合により置換されていてよいN-結合インダゾールであるとき、それは次の式のものである。
【化10】
〔式中、R、R、RおよびRは独立して、水素、ヒドロキシル、ハロ、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、シアノ、スルホニル、アミン、アミドおよびカルボキシルから成る群から選択され;
およびR、RおよびRおよびRおよびRは一体となって、ヘテロアリール、ヘテロ環式またはアリール環を形成してよく、これらの各々は場合により置換されていてよい〕
【0052】
ある実施態様において、RとR、RとRおよびRとRは一体となって、5員、6員または7員:ヘテロアリール、ヘテロ環式またはアリール環(特に、5員または6員ヘテロアリール、ヘテロ環式またはアリール環;より具体的には、1,3-ジオキソラン、ピリジン、チオフェン、イミダゾール、ピロールまたはフェニル)を形成してよく、これらの各々は場合により(特に、ハロおよびシアノの少なくとも1個で;より具体的には、F、Brおよびシアノの少なくとも1個で)置換されていてよい。
【0053】
特定の実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、シアノ、ハロ(フルオロを含む)、C-Cアルコキシ、アミドおよびカルボキシルから成る群から選択される。
【0054】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、ハロ(フルオロまたはブロモを含む)、シアノ、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、スルホニル、カルボキシルおよびアミンから成る群から選択される。
【0055】
ある実施態様において、R、R、RおよびRのいずれか1以上がアミンであるとき、それらはアルキルアミンまたはジアルキルアミンであり得る。
【0056】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、6員ヘテロアリールまたはアリール環を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい。
【0057】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、ハロ、C-Cハロアルキル、C-Cアルコキシ、シアノおよびカルボキシルから成る群から選択される。
【0058】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、5員または6員ヘテロ環式、ヘテロアリールまたはアリール環(例えば、1,3-ジオキソラン)を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい。
【0059】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、ハロ、C-Cアルコキシ、アミドおよびカルボキシから成る群から選択される。
【0060】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、5員または6員ヘテロアリールまたはアリール環を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい。いくつかの実施態様において、RおよびRは一体となって、ピロール、ピリジン、チオフェンまたはイミダゾール環(特に、ピリジン、チオフェンまたはイミダゾール環)を形成し得て、これらは場合により(特に、ハロおよびシアノの少なくとも1個で;より具体的には、F、Brおよびシアノの少なくとも1個で)置換されていてよい。
【0061】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、Br、F、メトキシ、エトキシ、アセトアミドおよびカルボキシルから成る群から選択される。
【0062】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、Br、F、トリフルオロアルキル、メトキシ、エトキシ、メチルスルホニル、シアノ、カルボキシル、ジメチルアミンおよびジエチルアミンから成る群から選択される。
【0063】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、場合により置換されていてよいフェニル環を形成し得る。
【0064】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、Br、F、メトキシ、エトキシ、シアノおよびカルボキシルから成る群から選択される。
【0065】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、5員酸素含有ヘテロ環またはフェニル環を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい。
【0066】
ある実施態様において、Rは水素、ヒドロキシル、Br、F、メトキシ、エトキシ、アセトアミドおよびカルボキシから成る群から選択される。
【0067】
特定の実施態様において、RおよびRは一体となって、フェニル環を形成し得て、これらの各々は場合により置換されていてよい。
【0068】
ある実施態様において、Rが上記で定義される次の式のN-結合トリアゾール:
【化11】
〔式中、R20
【化12】
である〕
である場合、ある実施態様において、R21は場合により置換されていてよいC-C12アルキル、場合により置換されていてよいC-C12アルケニル、場合により置換されていてよい5員または6員アリール、場合により置換されていてよいC-C12アルキル-窒素ヘテロ環、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-窒素ヘテロアリール、場合により置換されていてよいC-C12アルキルアミン、場合により置換されていてよいC-C12ジアルキルアミン、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-シクロアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-C-Cアルキル-アリールおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択され得る。
【0069】
ある実施態様において、R21、R22およびR23は独立して、場合により置換されていてよいC-C12アルキル、場合により置換されていてよいC-C12アルケニル、場合により置換されていてよいC-C12アルキニル、場合により置換されていてよいCシクロアルキル、場合により置換されていてよい5員または6員アリール、場合により置換されていてよい5員または6員ヘテロアリール、場合により置換されていてよい5員または6員ヘテロシクリル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル5員または6員ヘテロ環式、場合により置換されていてよいC-Cアルキル5員または6員ヘテロアリール、場合により置換されていてよいC-C12アルキルアミン、場合により置換されていてよいC-C12ジアルキルアミン、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-アリール-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-シクロアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-アリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-C-Cアルキル-アリールおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択される。
【0070】
ある実施態様において、R21、R22およびR23は独立して、場合により置換されていてよいC-Cアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルケニル、場合により置換されていてよいC-Cアルキニル、場合により置換されていてよいCシクロアルキル、場合により置換されていてよい5員または6員アリール、場合により置換されていてよい5員または6員窒素ヘテロアリール、場合により置換されていてよい5員または6員窒素ヘテロシクリル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル5員または6員ヘテロ環式、場合により置換されていてよいC-Cアルキル、5員または6員窒素ヘテロアリール、場合により置換されていてよいC-Cアルキルアミン、場合により置換されていてよいC-Cジアルキルアミン、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-フェニル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-フェニル-フェニル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-CO-(3~6員)シクロアルキル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-フェニル、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NH-SO-C-Cアルキル-フェニルおよび化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーから成る群から選択される。
【0071】
特定の実施態様において、R21は、アジド、場合により置換されていてよいアミノおよび場合により置換されていてよい5員窒素ヘテロアリールから成る群から選択される部分に結合する対応する鎖の末端炭素を有する、場合により置換されていてよいC-Cアルキル、C-CアルケニルおよびC-Cアルキニルから選択され得る。好ましくは、場合により置換されていてよい5員窒素ヘテロアリールはピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾールおよびイソインドールから成る群から選択され、これらの各々は適切に、場合により置換されていてよい。より好ましくは、場合により置換されていてよい5員窒素ヘテロアリールは、場合により置換されていてよいトリアゾールである。
【0072】
特定の実施態様において、R21は場合により置換されていてよいC-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、場合により置換されていてよいC-Cアルキルアミノ、場合により置換されていてよいフェニル(特に、任意の置換基は、ハロ、-OC-Cアルキル、O-C-C-ハロアルキル、ニトロおよびC-C-アルキルから成る群の少なくとも1つから選択される)、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NHCO-フェニル(特に、フェニルは場合により、-N(C-Cアルキル)およびフェニルから成る群の少なくとも1つで置換されていてよい)、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NHSO-フェニル(特に、フェニルは場合によりニトロで置換されていてよい)、場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NHSO-C-Cアルキル-フェニルおよび場合により置換されていてよいC-Cアルキル-NHCO-(3~6員)シクロアルキルから選択され得る。
【0073】
特定の実施態様において、R23はC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいフェニル(特に、任意の置換基は、ニトロであり得る)から選択され得る。
【0074】
21が化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーであるとき、リンカーは、場合により置換されていてよいC-C12アルキル;場合により置換されていてよいC-Cアルキル;場合により置換されていてよいC-Cアルケニル;および場合により置換されていてよいC-Cアルキニルから成る群から選択され得て;これらのいずれかは5員窒素ヘテロアリールに結合し得る。適切には、5員窒素ヘテロアリールはトリアゾールであり得る。
【0075】
21が化合物と別の式(I)の化合物を結合する場合により置換されていてよいリンカーであるとき、式(I)の化合物は次の式のものであり得る。
【化13】
〔式中、
、R、R、RおよびRは先に定義されるとおりであり、
リンカーはC-C12アルキル;C-Cアルキル;C-Cアルケニル;およびC-Cアルキニルから選択され;これらのいずれかは場合により置換されていてよく、場合により5員窒素ヘテロアリールに結合していてよい〕
【0076】
任意の置換基は先に定義されたとおりであり得て、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アミドおよびエーテルの1以上を有するものが、特に好ましい。
【0077】
特定の実施態様において、リンカーは次のもの:
-C12アルキル、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、
【化14】
【化15】
から選択され、ここで言及された前記C-C12アルキル、C-CアルキルおよびC-C20アルキル部分は全て、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、アミドおよびエーテルの1以上で場合により置換されていてよい。
【0078】
ある実施態様において、2個のトリアゾール環に結合したC~C20アルキルを有する構造において、C~C20アルキルはC~C16アルキル、C~C12アルキル、C~CアルキルおよびC~Cアルキルから成る群から選択され得て、これらは全て、アリール、ヘテロアリール、アミドおよびエーテルの1以上で場合により置換されていてよい。
【0079】
特定の実施態様において、Rは:
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
から成る群から選択され得る。
【0080】
特定の部分または上記に列挙された任意のR基の開示は、本明細書に記載のR、R、R、RまたはR基のいずれかの開示と組み合わせられ得る。
【0081】
先に記載された実施態様のいくつかにおいて、Rは-NHS(O)27から成る群から選択され得て、ここで前記R27はC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から成る群から選択され、これらの全ては場合により-NHC(O)NHR17で置換されていてよく、ここで前記R17は先で定義されたとおりであり得て、次のものであり得る。
【化20】
【化21】
【0082】
第一の態様について記載された式のいずれかの実施態様において、Rは-NHAc、-NHC(O)CH(CH)、-NHC(O)CFおよび-NHC(O)CHCHから成る群から選択される。
【0083】
式(I)または式(II)の化合物のいずれかの実施態様において、R、RおよびRは独立して、OH、C-Cアルコキシ、-OC(O)R18から成る群から選択され得て、ここで前記R18は場合により置換されていてよいC-Cアルキル、および-NR1818’であり、ここで前記R18およびR18’は水素、場合により置換されていてよいC-Cアルキルおよび場合により置換されていてよいC-Cアルカノイルから選択される。R18がC(O)R(すなわちアルカノイル)であるとき、「R」はC-CアルキルまたはC-Cシクロアルキルであり得る。
【0084】
第一の態様について記載された式のいずれかの実施態様において、R、RおよびRは独立して、OHおよびOAcから選択され得る。
【0085】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、式(IIIa)または式(IIIb)の化合物であり得る。
【化22】
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは先に記載されるとおりである〕
【0086】
式(IIIa)または式(IIIb)の特定の実施態様において、RはCOOHもしくはその塩またはC(O)OR11から選択され得て、ここで前記R11はメチル、エチルおよびプロピルから選択され、好ましくは、RはCOOH、COONaおよびC(O)OMeから選択され;Rは-NHAc、-NHC(O)CH(CH)、-NHC(O)CF、-NHC(O)CHCH、-NHS(O)27から選択され、ここで前記R27はC-Cアルキル、C-CハロアルキルおよびC-Cシクロアルキルから成る群から選択され、これらの全ては場合により-NHC(O)NHR17で置換されていてよく、ここで前記R17は先に定義されるとおりであり;R、RおよびRは独立して、OHおよびOAcから選択され得る
【0087】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、式(IVa)または式(IVb)の化合物であり得る。
【化23】
〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは先に記載されるとおりである〕
【0088】
式(IVa)および式(IVb)の特定の実施態様において、RはCOOHもしくはその塩またはC(O)OR11であり得て、ここで前記R11はメチル、エチルおよびプロピルから選択され、好ましくは、RはCOOH、COONaおよびC(O)OMeから選択され;Rは-NHAc、-NHC(O)CH(CH)、-NHC(O)CFおよび-NHC(O)CHCHから成る群から選択され;R、RおよびRは独立して、OHおよびOAcから選択され得る。
【0089】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、式Va、式Vb、式VIa、式VIb、式VIIaおよび式VIIbのいずれか1以上であり得る。
【化24】
〔式中、R、R、R、R、R、R21、R22およびR23は、第一の態様のいずれか1以上について先に定義されるとおりである〕
【0090】
式(Va)および式(Vb)のある実施態様において、化合物は下記の式のものである。
【化25】
〔式中、
nは1~9、好ましくは、1~6であり、
ここでR24は、アジド;場合によりさらなる環系と縮合していてよい5員窒素ヘテロアリール;COOR30から成る群から選択され、ここで前記R30は水素、C-C12アルキルおよびアリール;および-NR2526から成る群から選択され、ここで前記R25およびR26は独立して、水素およびC-Cアルキルから選択される〕
【0091】
ある実施態様において、R24が場合によりさらなる環系と縮合していてよい5員窒素ヘテロアリールであるとき、それはフェニル環を含む5員または6員アリール環と縮合し得る。例えば、イソインドールおよび類似の縮合環系が形成され得る。
【0092】
上記の式の化合物は、本明細書に記載の式(I)の化合物の二量体の形成における使用に適切であり得る。すなわち、特定の式VaおよびVbの化合物は、特に、式(I)の二量体への変換に有用であり得る。
【0093】
式(I)および式(II)の実施態様において、化合物は
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
ならびに遊離のヒドロキシルの水素を置換するアセチルを含むその保護された形態、C-2カルボキシ基がプロトン化された形態、ナトリウム塩形態またはプロドラッグ形態であるその全てのC-2アナログからなる群から選択され得て、ここで各化合物は、R位は任意の-NHC(O)R基で明確に置換され、ここで前記RはC-Cアルキルまたはハロアルキルである、開示された密接なアナログを有すると考えられ得る。
【0094】
COOH基は塩形態またはエステル保護基、例えば、メチルエステル基と容易に相互変換可能であり、そのため、全てのこのような形態は上記で列挙された化合物について本明細書で開示されていると考えられることが、合成化学の当業者により理解される。
【0095】
上記の化合物のプロドラッグ形態は、C-C20エステルまたはシクロアルキルを含むエステルまたはアリール部分を含むと明示的に考えられ得る。アリール部分は、置換フェニルまたは縮合2~3環式芳香環を含み得る。
【0096】
ある実施態様において、第一の態様の化合物はヘマグルチニン-ノイラミニダーゼモジュレーターである。すなわち、第一の態様の化合物はヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能のモジュレーターである。好ましくは、一の態様の化合物はヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ阻害剤である。すなわち、ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能の阻害剤である。これはヘマグルチニンタンパク質の調節による赤血球凝集機能のブロックを含み得る。
【0097】
ある実施態様において、ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ阻害剤は、インフルエンザまたはパラインフルエンザヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ阻害剤またはブロッカーであることが好ましいことがある。換言すると、ある実施態様において、ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能の阻害剤はインフルエンザまたはパラインフルエンザヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能の阻害剤であることが好ましいことがある。これは、インフルエンザまたはパラインフルエンザ赤血球凝集機能のブロックおよびインフルエンザヘマグルチニンタンパク質またはパラインフルエンザヘマグルチニン-ノイラミニダーゼタンパク質のそのような調節を含み得る。
【0098】
本発明の化合物に到達するために、多くの合成経路が利用され得る。実験項には、特定の本発明の阻害剤が参照化合物として合成される特定の経路が記載される。第一の態様の化合物の合成にもまた適用され得る関連する合成技術は、Nature Scientific Reports, 7:4507, 03 July 2017;Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 2936-2940;Nature Scientific Reports, 6:24138, 07 April 2016;Med. Chem. Commun., 2017, 8, 130-134; J. Med. Chem. 2014, 57, 7613-7623;Carbohydr. Res. 244, 181-185 (1993) ;Nature Communications, 5:5268, 20 Oct 2014; Viruses, 2019, 11, 417, 05 May 2019;Carbohydr. Res. 342, 1636-1650 (2007) ;Bioorg. Med. Chem. Lett. 16, 5009-5013 (2006);PCT出願国際公開第2002076971号;およびPCT出願国際公開第2016033660号に開示され、これらの各々は全体の参照より本明細書に包含させる。このような技術および合成アプローチは、全ての第一の態様の化合物に到達するために使用され得る。
【0099】
本発明の第二の態様によれば、有効量の任意の実施態様もしくは第一の態様の式の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0100】
適切には、医薬組成物はウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置または予防のためのものである。
【0101】
医薬組成物は、2以上の式(I)の化合物を含み得る。組成物が2以上の化合物を含むとき、化合物は任意の比で存在し得る。組成物は既知の共活性剤、送達ビークルまたはアジュバントをさらに含み得る。
【0102】
いずれかの実施態様または第一の態様の式の化合物は、処置の対象である疾患、障害または状態を阻害または改善するために十分な量で医薬組成物中に存在する。化合物およびそのような化合物を含む医薬組成物の適切な投与形態および速度は、当業者によって容易に決定され得る。
【0103】
投与形態は、錠剤、分散剤、噴霧剤、エアロゾル剤、懸濁液剤、注射剤、溶液剤、シロップ剤、トローチ剤、カプセル剤などであり得る。
【0104】
本発明の第三の態様は、いずれかの実施態様または第一の態様の式の化合物またはその薬学的に有効な塩または第二の態様の医薬組成物を患者に投与する段階を含む、患者におけるウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態を処置する方法に属する。
【0105】
本発明の第四の態様は、患者におけるウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置における使用のための、いずれかの実施態様または第一の態様の式またはその薬学的に有効な塩の化合物または第二の態様の医薬組成物を提供する。
【0106】
本発明の第五の態様は、ウイルス感染により引き起こされる疾患、障害または状態の処置のための医薬の製造における、いずれかの実施態様または第一の態様の式の化合物またはその薬学的に有効な塩の使用を提供する。
【0107】
第三の、第四または第五の態様のある実施態様において、疾患、障害または状態は、インフルエンザおよび/またはパラインフルエンザウイルスにより引き起こされる感染症である。
【0108】
感染症は、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、D型インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)およびヒトメタニューモウイルス(hMPV)の1以上により引き起こされ得る。
【0109】
疾患、障害または状態がパラインフルエンザウイルス感染であるとき、それはhPIV-1、-2、-3および-4ウイルスからなる群から選択され得る。これらは全てのウイルスサブタイプ、例えば、4aおよび4bを含み得る。
【0110】
疾患、障害または状態がRSVにより引き起こされるとき、それはAおよび/またはBサブタイプ、例えば、hRSV-AおよびhRSV-Bであり得る。
【0111】
疾患、障害または状態がhMPVにより引き起こされるとき、それはhMPV A1、A2、B1およびB2サブタイプのいずれか1以上により引き起こされ得る
【0112】
好ましくは、患者は飼育動物または家畜またはヒトである。
【0113】
本発明の第六の態様は、ウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼといずれかの実施態様または第一の態様の式の化合物と接触させる段階を含む、ウイルス性ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能を調節する方法を提供する。
【0114】
好ましくは、調節はウイルス性ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ機能またはウイルス性ヘマグルチニン-ノイラミニダーゼ酵素を阻害することを含む。
【0115】
次の実験項には、特定の本発明の化合物およびこれらの抗ウイルス活性の特徴がより詳細に記載される。これは、本発明を何ら限定することなく、本発明の化合物の特定の具体的な実施態様およびそれらの有効性を示すことを意図する。
【実施例
【0116】
化学
一般的方法
試薬および乾燥溶媒は、商業的な供給元から購入し、さらに精製することなく使用した。無水反応は、アルゴン雰囲気下、オーブン乾燥したガラス器具中で実施した。シリカゲル60 F254(E.Merck)でコーティングされたアルミニウムプレート上の薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて、反応をモニタリングした。展開したプレートを254nmでUV光下で観察し、HSOのEtOH溶液(5% v/v)の適用および加熱後に可視化した。蒸留した溶媒を用いて、シリカゲル60(0.040~0.063mm)上でフラッシュクロマトグラフィーを実施した。BrukerAvance 400MHzスペクトロメーターで、Hおよび13C NMRスペクトルを400MHzおよび100MHzでそれぞれ記録した。内部標準[HについてはCDCl:7.26(s)、13Cについては77.0(t);HについてはCDOD:4.78(s)および3.31(pent)、13Cについては49.15(hept);DO:Hについては4.79(s)]として、残存溶媒と比較して、化学シフト(δ)を百万分率で示す。帰属を裏付けるために、2D COSYおよびHSQC試験を実施した。BrukerDaltonics Esquire 3000 ESIスペクトロメーターで、ポジティブモードを用いて、エレクトロスプレーイオン化モードで、低分解能質量スペクトル(LRMS)を実施した。
【0117】
合成
ナフトトリアゾール合成
【化33】
スキーム1.「ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(3H-ナフト[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-3-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1778-64)」の合成。
【0118】
アジド誘導体1(60mg、0.13mmol)の無水アセトニトリル(3mL)溶液にフッ化セシウム(40mg、0.26mmol)を添加し、1-(トリメチルシリル)-2-ナフチルトリフルオロメタンスルホネート(55μL、0.197mmol)を添加し、アルゴン下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。飽和水性NaHCO(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を分離し、水、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。乾燥させた有機溶媒を真空下で濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(6:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HOの1:1混合物(2mL)に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液を、その後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調製し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いて、化合物をC18-GracePureTM カートリッジで精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1778-64を綿毛状の白色粉末(38mg、2工程で収率64%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.62(s、3H)、3.63-3.76(m、2H)、3.93(dd、J=12.1、2.7Hz、1H)、4.07(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.58(t、J=10.3Hz、1H)、4.67-4.74(m、1H)、5.91(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、6.12(d、J=2.3Hz、1H)、7.60-7.73(m、2H)、7.74-7.83(m、1H)、7.90(d、J=9.1Hz、1H)、8.03(d、J=8.0Hz、1H)、8.51(d、J=8.2Hz、1H);13C NMR(101MHz、DO): 21.44、48.07、59.01、63.09、68.10、69.76、75.39、102.37、109.52、121.30、124.00、126.96、128.50、128.91、130.26、130.62、131.42、141.56、150.48、168.83、173.22;LRMS[C2121NaO](m/z):(+ve イオンモード)487.1[M+Na]
【0119】
【化34】
スキーム2.鍵中間体「2,6-アンヒドロ-4-アジド-3,4,5-トリデオキシ-5-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-57)」の一工程合成。
【0120】
アジド誘導体1(100mg、0.22mmol)のアセトニトリル(0.5mL)溶液にトリフルオロ酢無水物(220μL、1.54mmol)を添加し、混合物をマイクロ波中、135℃で10分間加熱した。冷却後、MeOH(1mL)を添加し、反応混合物を真空下で濃縮した。ヘキサン:アセトン(3:2)を溶媒として用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、純粋なIE1530-57(84mg、75%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ 2.05(s、3H)、2.08(s、3H)、2.14(s、3H)、3.82(s、3H)、3.92(q、J=8.9Hz、1H)、4.19(dd、J=12.5、6.5Hz、1H)、4.47-4.57(m、2H)、4.66(dd、J=12.5、2.7Hz、1H)、5.31(td、J=6.0、5.4、2.8Hz、1H)、5.39(dd、J=5.2、2.3Hz、1H)、6.02(d、J=2.7Hz、1H)、7.22(d、J=8.8Hz、1H);13C NMR(101MHz、CDCl):δ 20.61、20.66、20.87、49.05、52.77、57.03、61.79、67.54、70.84、75.01、107.05、115.39(q、J=288.0Hz)、145.25、157.66(d、J=38.3Hz)、161.25、170.50、170.65、170.92;LRMS[C182110](m/z):(+ve イオンモード)533.2[M+Na]
【0121】
【化35】
スキーム3.「ナトリウム 2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-5-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)-4-(3H-ナフト[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-3-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1778-74)」の合成。
【0122】
アジド誘導体IE1530-57(60mg、0.118mmol)無水アセトニトリル(3mL)溶液にフッ化セシウム(36mg、0.24mmol)を添加し、1-(トリメチルシリル)-2-ナフチルトリフルオロメタンスルホネート(50μL、0.177mmol)を添加し、アルゴン下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。飽和水性NaHCO(20mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を分離し、水、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。乾燥させた有機溶媒を真空下で濃縮し、ヘキサン:アセトン(2:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HOの1:1混合物(2mL)に懸濁した。0℃で、この懸濁液にトリエチルアミン(1mL)を滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、0.05M NaOHを用いてpHを8.0に調製し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1778-74を綿毛状の黄色粉末(36mg、2工程で59%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 3.63-3.75(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.08(ddd、J=9.4、6.5、2.7Hz、1H)、4.66-4.73(m、1H)、4.75(s、1H)、5.99(dd、J=9.5、2.3Hz、1H)、6.14(d、J=2.2Hz、1H)、7.67-7.77(m、2H)、7.81(ddd、J=8.2、7.1、1.2Hz、1H)、7.95(d、J=9.2Hz、1H)、8.07(d、J=8.0Hz、1H)、8.53-8.60(m、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 49.49、58.86、58.95、63.10、68.27、69.78、75.56、102.41、109.70、121.34、124.01、127.03、128.54、128.97、130.33、130.74、131.46、141.63、150.56、168.77;LRMS[C2118NaO](m/z):(+ve イオンモード)541.1[M+Na]
【0123】
インダゾール合成
【化36】
スキーム4.「ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-4-(2H-インダゾール-2-イル)-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-66)」の合成。
【0124】
アミン誘導体2(60mg、0.14mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液に2-アジドベンズアルデヒド(30mg、0.21mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下、135℃で15分間加熱した。混合物を静置し、室温まで冷却し、真空下で濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(4:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1530-66を綿毛状粉末(33mg、2工程で58%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.83(s、3H)、3.63-3.73(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.47-4.61(m、2H)、5.40-5.47(m、1H)、5.93(d、J=2.2Hz、1H)、7.18(ddd、J=8.5、6.6、0.9Hz、1H)、7.41(ddd、J=8.8、6.7、1.1Hz、1H)、7.67(d、J=8.8Hz、1H)、7.79(d、J=8.5Hz、1H)、8.35(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):21.61、48.98、61.78、63.10、68.18、69.78、75.39、103.54、116.02、120.94、122.01、124.70、127.28、148.42、149.77、169.08、173.46;LRMS[C1820NaO](m/z):(+ve イオンモード)436.2[M+Na]
【0125】
【化37】
スキーム5.中間体アミン(1530-61)および最終阻害剤(IE1530-74)の合成
【0126】
メチル 7,8,9-トリ-O-アセチル-4-アミノ-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-5-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-61)
【化38】
アジド誘導体IE1530-56(200mg、0.41mmol)のエタノール(5mL)溶液にリンドラー触媒(20mg)を添加し、H雰囲気下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応完了後、反応混合物をセライトベッドでろ過し、エタノール(50mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液を合わせ、真空下で濃縮し、良好な純度の粗製のIE1530-61(定量的収率)を得て、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。LRMS[C182610](m/z):(+ve イオンモード)507.2[M+Na]
【0127】
ナトリウム 2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2H-インダゾール-2-イル)-5-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-74)
【化39】
アミン誘導体IE1530-61(50mg、0.103mmol)の無水アセトニトリル(1mL)に2-アジドベンズアルデヒド(22mg、0.15mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下、135℃で15分間加熱した。混合物を静置し、室温まで冷却し、真空下で濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(3:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にトリエチルアミン(1mL)を滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、0.05M NaOHを用いてpHを8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、純粋な脱保護された生成物IE1530-74(26mg、2工程で55%)。H NMR(400MHz、DO):δ 3.63-3.73(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.05(ddd、J=9.4、6.4、2.7Hz、1H)、4.58-4.77(m、2H)、5.54(dd、J=9.4、2.3Hz、1H)、5.99(d、J=2.2Hz、1H)、7.19(ddd、J=8.5、6.7、0.9Hz、1H)、7.42(ddd、J=8.8、6.6、1.1Hz、1H)、7.66(dd、J=8.8、1.0Hz、1H)、7.79(d、J=8.5Hz、1H)、8.39(d、J=1.0Hz、1H);13C NMR(101MHz、DO):49.79、61.29、63.05、68.21、69.73、74.93、103.18、111.19-119.63(m)、120.94、121.46、122.16、124.69、127.44、148.57、150.06、158.32(q、J=38.0、37.1Hz)、168.85;LRMS[C1817NaO](m/z):(+ve イオンモード)490.2[M+Na]
【0128】
【化40】
スキーム6.「ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-4-(2H-ベンゾ[g]インダゾール-2-イル)-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-65)」の合成。
【0129】
アミン誘導体2(60mg、0.14mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液に1-アジド-2-ナフトアルデヒド(41mg、0.21mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下、135℃で15分間加熱した。混合物を静置し、室温まで冷却し、真空下で濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(3:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5)まで酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1530-65を綿毛状粉末(36mg、2工程で56%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.81(s、3H)、3.63-3.75(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.04(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.51(t、J=10.2Hz、1H)、4.56-4.64(m、1H)、5.43(dd、J=9.5、2.3Hz、1H)、5.97(d、J=2.2Hz、1H)、7.43(d、J=9.0Hz、1H)、7.56-7.69(m、3H)、7.86-7.95(m、1H)、8.27(s、1H)、8.43-8.50(m、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.62、49.09、61.54、63.11、68.19、69.79、75.48、103.51、118.69、118.89、121.74、123.62、124.05、125.21、126.93、127.28、128.65、132.49、145.82、149.94、169.13、173.48;LRMS[C2222NaO](m/z):(+ve イオンモード)486.2[M+Na]
【0130】
【化41】
スキーム7.「ナトリウム 2,6-アンヒドロ-4-(2H-ベンゾ[g]インダゾール-2-イル)-3,4,5-トリデオキシ-5-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1530-69)」の合成。
【0131】
アミン誘導体IE1530-61(50mg、0.103mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液に1-アジド-2-ナフトアルデヒド(30mg、0.15mmol)を添加し、反応混合物をマイクロ波照射下、135℃で15分間加熱した。混合物を静置し、室温まで冷却し、真空下で濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にトリエチルアミン(1mL)を滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、0.05M NaOHを用いてpHを8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、純粋な脱保護された生成物IE1530-69(28mg、2工程で59%)を得た。H NMR(400MHz、DO):δ 3.64-3.74(m、2H)、3.93(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.06(ddd、J=9.4、6.4、2.7Hz、1H)、4.59(t、J=10.2Hz、1H)、4.69-4.76(m、1H)、5.52(d、J=8.8Hz、1H)、6.04(d、J=2.2Hz、1H)、7.45(d、J=9.1Hz、1H)、7.63(dd、J=19.3、8.1Hz、3H)、7.91(d、J=7.2Hz、1H)、8.31(s、1H)、8.45(d、J=8.2Hz、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 50.17、61.11、63.08、68.24、69.75、75.09、115.53(q、J=286.1、285.1Hz)、118.83、121.84、123.79、123.99、125.03、126.94、127.36、128.64、132.54、145.98、150.30、158.37(d、J=37.7Hz),168.92;LRMS [C2219NaO](m/z):(+ve イオンモード)540.2[M+Na]
【0132】
別のインダゾール合成
先に記載されたインダゾールの合成方法は、マイクロ波リアクター中、高温でアミンを2-アジド-1-カルボキシアルデヒド誘導体と加熱し、一工程でイミン形成および環化をさせることを含んだ。この方法は、全ての2-アジド-1-カルボキシアルデヒド誘導体で使用することはできないことが分かった。従って、下記に示す銅触媒によるワンポット合成が開発された。
【化42】
スキーム8.IE1993-8の合成
【0133】
実験方法:
アルゴン下、アミン(50mg、0.103mM)、2-アジド-1-カルボキシアルデヒド誘導体(1.2当量)、CuI(0.1当量)および4Aモレキュラーシーブ(50mg)の混合物の乾燥1,4-ジオキサン(2mL)溶液にテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、1.0当量)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後セライトでろ過し、濃縮し、フラッシュシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0134】
【化43】
スキーム9.インダゾールの一般的な合成
【0135】
インダゾールの一般的な合成インダゾール(スキーム9)
アルゴン下、アミン(1.0当量)、2-アジド-1-カルボキシアルデヒド誘導体(1.2当量)、CuI(0.1当量)および4Aモレキュラーシーブ(50mg)の混合物の乾燥1,4-ジオキサン(2mL)溶液にテトラメチルエチレン-ジアミン(TMEDA、1.0当量)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後セライトでろ過し、濃縮し、フラッシュシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、保護されたインダゾール生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にEtN(1.0mL)を滴下添加し、温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、その後フラッシュシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1993-108
【化44】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.56(d、J=9.4Hz、1H)、3.68(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.84(dd、J=11.5、2.9Hz、1H)、3.95(ddd、J=9.4、5.4、2.9Hz、1H)、4.63-4.72(m、2H)、5.57(td、J=5.0、2.2Hz、1H)、5.86(d、J=2.1Hz、1H)、7.16(dd、J=8.6、7.2Hz、1H)、7.25(d、J=7.1Hz、1H)、7.54-7.59(m、1H)、8.28(d、J=0.9Hz、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.78、61.34、63.39、68.69、69.92、75.03、101.18、112.68、115.73(q、J=287.2Hz)、116.05、123.53、123.60、124.12、126.76、148.69、151.06、157.34(q、J=37.6Hz)、167.81;LRMS[C1817BrF](m/z):(+ve イオンモード)569.4[M+Na]
IE1993-109
【化45】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.56(d、J=9.4Hz、1H)、3.68(dd、J=11.5、5.4Hz、1H)、3.84(dd、J=11.5、2.9Hz、1H)、3.95(ddd、J=9.5、5.4、2.9Hz、1H)、4.64-4.73(m、2H)、5.56-5.65(m、1H)、5.84(d、J=2.1Hz、1H)、7.42(dd、J=9.0、1.5Hz、1H)、7.72(dt、J=9.0、1.0Hz、1H)、8.27(t、J=1.2Hz、1H)、8.54(d、J=0.9Hz、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.80、61.70、63.38、68.64、69.89、75.04、100.91、104.58、115.73(q、J=287.2Hz)、118.37、119.30、121.02、125.13、126.40、128.75、148.60、151.24、157.33(d、J=37.4Hz)、167.69;LRMS[C1917](m/z):(+ve イオンモード)514.5[M+Na]
IE1993-110
【化46】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.56(d、J=9.5Hz、1H)、3.67(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.84(dd、J=11.5、2.9Hz、1H)、3.95(ddd、J=9.5、5.5、2.8Hz、1H)、4.65-4.72(m、2H)、5.62(td、J=5.0、2.2Hz、1H)、5.84(d、J=2.1Hz、1H)、7.23(dd、J=8.7、1.3Hz、1H)、7.87(dd、J=8.7、1.0Hz、1H)、8.10(d、J=1.1Hz、1H)、8.45(d、J=1.0Hz、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.83、61.81、63.41、68.68、69.88、75.06、101.04、109.07、115.70(d、J=287.1Hz)、119.03、121.70、122.45、123.36、123.79、123.96、146.84、151.14、157.28(q、J=37.3Hz)、167.60;LRMS[C1917](m/z):(+ve イオンモード)514.5[M+Na]
IE1993-25
【化47】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.54(d、J=9.5Hz、1H)、3.67(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.84(dd、J=11.5、2.9Hz、1H)、3.94(ddd、J=9.0、5.5、2.8Hz、1H)、4.64-4.70(m、2H)、5.49-5.56(m、1H)、5.82(d、J=2.2Hz、1H)、6.79(dd、J=8.9、1.9Hz、1H)、7.18-7.24(m、1H)、7.71(dd、J=8.8、0.8Hz、1H)、8.27(s、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.69、61.15、63.45、68.75、69.88、75.00、101.34、104.22、113.78(d、J=104.8Hz)、115.37、119.85、122.26、123.39、138.61、148.82、150.99、157.25(d、J=37.5Hz)、167.83;LRMS[C1817](m/z):(+ve イオンモード)484.0[M+Na]
IE1993-26
【化48】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.56(d、J=9.3Hz、1H)、3.67(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.80-3.89(m、4H)、3.9-3.97(m、4H)、4.62-4.75(m、2H)、5.45-5.55(m、1H)、5.80(d、J=2.2Hz、1H)、6.24(d、J=8.0Hz、1H)、6.50(d、J=8.0Hz、1H)、8.19(s、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.56、54.38、54.73、61.01、63.43、68.70、70.00、75.11、97.86、101.68、103.45、114.30、116.98、117.16、121.09、142.82、144.02、147.25、150.75、157.14;LRMS[C2022](m/z):(-ve イオンモード)503.9[M-H]
IE1993-27
【化49】
H NMR(400MHz、CDOD):δ 3.53(d、J=9.4Hz、1H)、3.67(dd、J=11.5、5.5Hz、1H)、3.84(dd、J=11.6、2.9Hz、1H)、3.94(ddd、J=9.1、5.6、2.8Hz、1H)、4.58-4.68(m、2H)、5.40(d、J=7.1Hz、1H)、5.75-5.84(m、1H)、5.92(s、2H)、6.81(s、1H)、6.88(s、1H)、7.98(s、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 49.55、60.58、63.44、68.75、69.93、75.01、92.69、94.79、100.92、101.89、114.33、117.31、122.18、145.71、146.07、149.63、150.70、157.24(d、J=37.1Hz);LRMS[C1918](m/z):(-ve イオンモード)487.9[M-H]
【0136】
【化50】
スキーム10.一般的なインダゾール合成
【0137】
インダゾールの一般的な合成(スキーム10)
アルゴン下、アミン(1.0当量)、2-アジド-1-カルボキシアルデヒド誘導体(1.2当量)、CuI(0.1当量)および4Aモレキュラーシーブ(50mg)の混合物の乾燥1,4-ジオキサン(2mL)溶液にテトラメチルエチレン-ジアミン(TMEDA、1.0当量)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、その後セライトでろ過し、濃縮し、フラッシュシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、保護されたインダゾール生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加し、温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、10% メタノール/水を溶媒として化合物をC18-GracePureTM カートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1993-10
【化51】
H NMR(400MHz、DO):δ 0.83(d、J=6.9Hz、3H)、0.93(d、J=6.9Hz、3H)、2.37(p、J=6.9Hz、1H)、3.63-3.71(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.4、2.7Hz、1H)、4.55-4.66(m、2H)、5.48-5.54(m、1H)、5.95(d、J=2.2Hz、1H)、7.60(dd、J=8.7、1.4Hz、1H)、7.80(dd、J=8.8、1.0Hz、1H)、8.15(d、J=1.1Hz、1H)、8.39(d、J=1.0Hz、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 18.39、18.49、35.02、48.64、62.00、63.10、68.26、69.83、75.41、103.43、117.57、120.59、121.99、122.60、124.69、135.35、147.94、149.75、169.08、175.72、180.56;LRMS[C2123Na](m/z):(+ve イオンモード)529.2[M+Na]
IE1993-20
【化52】
H NMR(400MHz、DO):δ 0.84(d、J=6.9Hz、3H)、0.93(d、J=6.9Hz、3H)、2.38(p、J=6.9Hz、1H)、3.63-3.71(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.4、2.7Hz、1H)、4.53-4.65(m、2H)、5.51(dd、J=9.2、2.3Hz、1H)、5.95(d、J=2.1Hz、1H)、7.65(dt、J=9.2、1.0Hz、1H)、7.85(dd、J=9.1、1.6Hz、1H)、8.34(dd、J=1.6、0.9Hz、1H)、8.50(d、J=1.0Hz、1H)。
【0138】
フェニルトリアゾール誘導体合成
【化53】
スキーム11.2-アミノフェニルトリアゾール中間体の合成およびアミノ基の修飾。
【0139】
メチル 5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-4-((2-アミノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1398-24)
【化54】
9-アジド誘導体1(500mg、1.1mmol)および1-アミノ-2-エチニルベンゼン(140μL、1.2mmol)をMeOH:HOの4:1混合物(4mL)に溶解した。混合物に硫化銅(II)五水和物(50mg、0.22mmol)を添加し、アスコルビン酸ナトリウム(1.0mLの新たに調製した1M HO溶液)を添加した。混合物を45℃で一晩撹拌し、静置し、室温まで冷却した。混合物をDCM(200mL)で希釈10% NHOH(100mL)で洗浄し、塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮し、保護された生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(3:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋なIE1398-24(484mg、0.84mmol)を収率77%で得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ 1.70(s、3H)、2.04(s、3H)、2.05(s、3H)、2.07(s、3H)、3.80(s、3H)、4.19(dd、J=12.4、7.4Hz、1H)、4.37(q、J=10.0Hz、1H)、4.67(dd、J=10.8、1.9Hz、1H)、4.73(dd、J=12.5、2.6Hz、1H)、5.35(ddd、J=7.5、4.7、2.6Hz、1H)、5.53(dd、J=4.6、1.8Hz、1H)、5.67(dd、J=10.1、2.4Hz、1H)、6.03(d、J=2.3Hz、1H)、6.65-6.76(m、2H)、6.97(d、J=9.2Hz、1H)、7.08(ddd、J=8.3、7.2、1.6Hz、1H)、7.30(dd、J=7.7、1.5Hz、1H)、7.84(s、1H);13C NMR(101MHz、CDCl):δ 20.69、20.82、20.95、22.72、48.09、52.71、58.40、62.22、67.85、71.39、76.90、107.36、113.54、116.72、117.78、119.35、128.28、129.43、144.82、145.75、148.14、161.32、170.13、170.51、170.76、171.05;LRMS[C263110](m/z):(+ve イオンモード)596.2[M+Na]
【0140】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(メチルスルホンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1778-12)
【化55】
IE1398-24(50mg、0.087mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(46μL、0.26mmol)を添加し、メチルスルホニルクロライド(7.0μL、0.096mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(3:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1778-12を綿毛状粉末(28mg、2工程で60%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.93(s、3H)、2.84(s、3H)、3.64-3.76(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.6Hz、1H)、4.50(dd、J=10.9、9.5Hz、1H)、4.57-4.64(m、1H)、5.59(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.95(d、J=2.2Hz、1H)、7.12(ddd、J=7.8、5.7、2.8Hz、1H)、7.28-7.42(m、2H)、7.95(dt、J=7.7、1.3Hz、1H)、8.66(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.77、39.74、48.72、59.61、63.11、68.16、69.76、75.42、102.39、121.36、123.73、123.97、123.99、127.76、129.27、143.92、145.41、150.14、168.86、173.75;LRMS[C2024NaOS](m/z):(+ve イオンモード)556.1[M+Na]
【0141】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(2-ヒドロキシアセトアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1778-25)
【化56】
IE1398-24(50mg、0.087mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(46μL、0.26mmol)を添加し、アセトキシアセチルクロライド(10μL、0.096mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(4:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1778-25を綿毛状粉末(33mg、2工程で74%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.93(s、3H)、3.63-3.77(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.22(s、2H)、4.47(dd、J=10.9、9.6Hz、1H)、4.60(dd、J=10.9、1.3Hz、1H)、5.61(dd、J=9.6、2.3Hz、1H)、5.89(d、J=2.2Hz、1H)、7.45(td、J=7.6、1.4Hz、1H)、7.53(td、J=7.8、1.7Hz、1H)、7.76(ddd、J=14.6、7.8、1.4Hz、2H)、8.33(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.68、48.73、60.06、61.33、63.08、68.07、69.72、75.39、101.85、122.10、123.92、125.54、127.13、129.18、129.63、132.87、145.31、150.53、168.75、173.65、174.10;LRMS[C2124NaO](m/z):(+ve イオンモード)536.2[M+Na]
【0142】
【化57】
スキーム12.2-アミノフェニルトリアゾール誘導体で伸長されたアジド。
【0143】
メチル 5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-2,6-アンヒドロ-4-(2-(6-アジドヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-5)
【化58】
アルゴン下、2-アミノフェニルトリアゾール誘導体IE1398-24(400mg、0.70mmol)、6-アジドヘキサン酸(113μL、0.77mmol)およびCOMU(登録商標)(600mg、1.40mmol)の乾燥DMF(10mL)溶液にDIEA(370μL、2.1mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(3:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋なIE1826-5(430mg、0.60mmol)を収率86%で得た。H NMR(400MHz、MeOH-d):δ 1.41(ddt、J=9.0、6.7、3.2Hz、2H)、1.54-1.63(m、2H)、1.67-1.77(m、5H)、1.89-2.06(m、11H)、2.41(t、J=7.4Hz、2H)、3.77(s、3H)、4.11(dd、J=12.5、6.2Hz、1H)、4.42(t、J=10.2Hz、1H)、4.57(ddd、J=15.2、11.6、2.4Hz、2H)、5.34(td、J=6.3、2.7Hz、1H)、5.47-5.57(m、2H)、6.11(d、J=2.5Hz、1H)、7.12(td、J=7.6、1.3Hz、1H)、7.27(ddd、J=8.6、7.4、1.6Hz、1H)、7.62(dd、J=8.0、1.6Hz、1H)、8.17(d、J=8.0Hz、1H)、8.37(s、1H);13C NMR(101MHz、MeOH-d):δ 19.25、19.32、19.36、21.14、24.84、25.98、28.24、37.19、37.24、50.88、51.71、59.66、61.77、67.32、70.21、76.50、106.75、119.86、121.01、122.38、124.24、127.79、128.45、135.38、146.10、146.75、170.01、170.10、171.00、171.80、172.95;LRMS[C324011](m/z):(+ve イオンモード)735.5 [M+Na]
【0144】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-4-(2-(6-アジドヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-23)
【化59】
IE1826-5(40mg、0.056mmol)をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1826-23を白色粉末(23mg、収率71%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.35-1.46(m、2H)、1.59-1.73(m、4H)、1.94(s、3H)、2.44(t、J=7.4Hz、2H)、3.34(t、J=6.8Hz、2H)、3.64-3.73(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.4、6.4、2.7Hz、1H)、4.45(t、J=10.2Hz、1H)、4.60(d、J=11.0Hz、1H)、5.61(dd、J=9.6、2.3Hz、1H)、5.88(d、J=2.2Hz、1H)、7.43-7.57(m、3H)、7.69-7.76(m、1H)、8.24(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.73、24.63、25.47、27.64、35.90、48.78、50.94、60.04、63.09、68.07、69.70、75.38、101.61、121.99、125.35、126.96、127.53、129.41、129.72、133.37、145.15、150.71、168.58、173.64、176.15;LRMS[C2531NaO](m/z):(+ve イオンモード)617.3[M+Na]
【0145】
【化60】
スキーム13.2-アミノフェニルトリアゾール誘導体で伸長されたトリアゾール。
【0146】
一般的方法:
アジド中間体IE1826-5(50mg、0.07mmol)および適切なアルキン(0.084mmol)をMeOH:HO(4mL)の4:1混合物に溶解した。混合物に硫酸銅(II)五水和物(3mg、0.014mmol)を添加し、アスコルビン酸ナトリウム(0.1mLの新たに調製した1M HO溶液)を添加した。混合物を60℃で6時間撹拌し、その後静置し、室温まで冷却した。混合物をDCM(200mL)で希釈し、10% NHOH(100mL)で洗浄し、塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮し、粗製の保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、純粋な脱保護されたトリアゾールを得た。
【0147】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(6-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル) ヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-30)
【化61】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.25(dt、J=14.3、7.0Hz、2H)、1.67(p、J=7.1Hz、2H)、1.88(s、3H)、1.91-1.98(m、2H)、2.37(t、J=7.0Hz、2H)、3.63-3.73(m、2H)、3.91(dd、J=12.0、2.6Hz、1H)、4.02(ddd、J=9.3、6.2、2.7Hz、1H)、4.35-4.46(m、3H)、4.54(dd、J=11.2、1.3Hz、1H)、5.47(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.79(d、J=2.2Hz、1H)、7.27-7.33(m、2H)、7.39-7.53(m、5H)、7.59(dd、J=7.8、1.9Hz、2H)、7.97(s、1H)、8.15(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.71、24.14、24.49、28.62、35.84、48.72、50.15、59.92、63.08、68.05、69.69、75.35、101.51、121.68、121.90、123.43、125.41、125.56、126.81、128.65、129.05、129.11、129.31、129.40、133.29、145.29、147.23、150.73、168.55、173.51、175.54;LRMS[C3337NaO](m/z):(+ve イオンモード)719.4[M+Na]
【0148】
二ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-4-(2-(6-(4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,4,5-トリデオキシ-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-34)
【化62】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.32(qd、J=8.6、6.0Hz、2H)、1.64-1.74(m、2H)、1.91(s、3H)、1.97(q、J=7.3Hz、2H)、2.40(t、J=7.4Hz、2H)、3.65-3.76(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.6Hz、1H)、4.42-4.52(m、3H)、4.60(dd、J=11.0、1.3Hz、1H)、5.60(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.87(d、J=2.3Hz、1H)、7.42-7.55(m、3H)、7.71(dd、J=7.7、1.7Hz、1H)、8.22(d、J=3.8Hz、2H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.71、24.46、24.98、28.91、35.72、48.78、50.24、60.01、63.08、68.06、69.72、75.39、101.69、122.02、125.37、126.94、127.08、127.56、129.37、129.73、133.28、144.67、145.14、150.65、167.67、168.63、173.59、176.00;LRMS[C2832Na10](m/z):(+ve イオンモード)709.3[M+Na]
【0149】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(6-(4-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-38)
【化63】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.27(td、J=8.8、4.5Hz、2H)、1.67(p、J=7.3Hz、2H)、1.93(d、J=9.7Hz、5H)、2.40(t、J=7.1Hz、2H)、3.33(s、3H)、3.68(dd、J=11.9、6.3Hz、1H)、3.73(d、J=9.7Hz、1H)、3.92(dd、J=11.8、2.4Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.1、2.4Hz、1H)、4.41-4.49(m、3H)、4.53(s、2H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、5.60(dd、J=9.8、2.2Hz、1H)、5.86(d、J=1.8Hz、1H)、7.42-7.54(m、3H)、7.72(d、J=7.5Hz、1H)、8.00(s、1H)、8.22(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.71、24.35、24.84、28.83、35.75、48.79、50.13、57.26、60.03、63.08、64.28、68.06、69.69、75.38、101.60、121.95、124.94、124.99、126.70、127.43、129.30、129.66、133.31、143.58、145.14、150.72、168.56、173.59、175.86;LRMS[C2937NaO](m/z):(+ve イオンモード)687.3[M+Na]
【0150】
ナトリウム 5-アセトアミド-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(6-(4-(ヒドロキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサンアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-44)
【化64】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.22-1.34(m、2H)、1.67(p、J=7.5Hz、2H)、1.88-2.00(m、5H)、2.40(t、J=7.3Hz、2H)、3.65-3.76(m、2H)、3.93(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.4、6.5、2.6Hz、1H)、4.40-4.50(m、3H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、4.66(s、2H)、5.60(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.86(d、J=2.2Hz、1H)、7.43-7.55(m、3H)、7.68-7.76(m、1H)、7.96(s、1H)、8.22(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.72、24.38、24.89、28.87、35.75、48.78、50.09、54.55、60.02、63.08、68.06、69.71、75.39、101.63、122.01、123.97、125.12、126.79、127.47、129.32、129.69、133.31、145.13、146.65、150.69、168.57、173.61、175.91;LRMS[C2835NaO](m/z):(+ve イオンモード)673.1[M+Na]
【0151】
二量体合成および特徴化
【化65】
スキーム14.二量体IE1826-1の合成。
【0152】
IE1826-1
【化66】
アルゴン下、IE1398-24(50mg、0.087mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液にジイソプロピルエチルアミン(46μL、0.26mmol)を添加し、ドデカンジオイルジクロライド(11μL、0.043mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(4:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1826-1を白色粉末(32mg、2工程で66%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.26(q、J=7.8、5.9Hz、12H)、1.60(q、J=6.8Hz、4H)、1.91(s、6H)、2.33-2.43(m、4H)、3.64-3.75(m、4H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、2H)、4.02(ddd、J=9.3、6.2、2.7Hz、2H)、4.43(dd、J=11.2、9.3Hz、2H)、4.58(dd、J=10.8、1.4Hz、2H)、5.57(dd、J=9.6、2.4Hz、2H)、5.85(d、J=2.1Hz、2H)、7.39(td、J=7.5、1.4Hz、2H)、7.47(td、J=7.7、1.6Hz、2H)、7.55-7.62(m、2H)、7.65(dd、J=7.7、1.6Hz、2H)、8.20(s、2H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.74、24.99、27.99、28.15、36.24、48.78、59.96、63.09、68.08、69.69、75.36、101.56、121.99、124.56、126.37、127.18、129.27、129.62、133.53、145.27、150.70、168.52、173.59、176.39;LRMS[C506210Na16](m/z):(+ve イオンモード)1128.0.0[M+Na]
【0153】
【化67】
スキーム15.二量体IE1826-14の合成
【0154】
IE1826-14
【化68】
アジド誘導体IE1826-5(40mg、0.056mmol)およびヘプタジイン(3.0μL、0.028mmol)をMeOH:HO(4mL)の4:1混合物に溶解した。混合物に硫酸銅(II)五水和物(3.0mg、0.22mmol)を添加し、アスコルビン酸ナトリウム(0.1mLの新たに調製した1M HO溶液)を添加した。混合物を60℃で6時間撹拌し、その後静置し、室温まで冷却した。その後混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:メタノール(7:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1826-14を白色粉末(24mg、2工程で69%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.19(ddt、J=13.6、9.8、6.2Hz、4H)、1.62(p、J=7.4Hz、4H)、1.71-1.82(m、2H)、1.85-1.92(m、10H)、2.34(q、J=6.1、5.0Hz、4H)、2.51(td、J=7.7、3.0Hz、4H)、2.85(s、2H)、3.60-3.75(m、6H)、3.91(dd、J=12.0、2.7Hz、2H)、4.02(ddd、J=9.3、6.2、2.6Hz、2H)、4.34(t、J=6.7Hz、4H)、4.38-4.46(m、2H)、4.57(dd、J=11.0、1.3Hz、2H)、5.55(dd、J=9.8、2.2Hz、2H)、5.83(d、J=2.2Hz、2H)、7.29-7.37(m、4H)、7.40-7.48(m、2H)、7.55-7.64(m、4H)、8.14(d、J=9.5Hz、2H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.73、23.77、24.29、24.79、27.92、28.80、35.94、48.77、49.92、59.95、63.09、68.07、69.70、75.38、101.58、121.83、123.01、123.82、125.86、126.91、128.91、129.41、133.39、145.23、147.53、150.73、168.52、173.51、175.47;LRMS[C577016Na16](m/z):(+ve イオンモード)1304.3[M+Na]
【0155】
【化69】
スキーム16.二量体IE1826-28の合成
【0156】
メチル 5-アセトアミド-7,8,9-トリ-O-アセチル-2,6-アンヒドロ-3,4,5-トリデオキシ-4-(2-(ヘプト-6-インアミド)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-D-グリセロ-D-ガラクト-ノン-2-エノエート(IE1826-20)
【化70】
アルゴン下、2-アミノフェニルトリアゾール誘導体IE1398-24(200mg、0.35mmol)、7-ヘプチン酸(55μL、0.42mmol)およびCOMU(登録商標)(300mg、0.7mmol)の乾燥DMF(5mL)溶液に、DIEA(240μL、1.4mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋なIE1826-20(190mg、0.28mmol)を収率80%で得た。LRMS[C333911](m/z):(+ve イオンモード)735.5[M+Na]
【0157】
IE1826-28
【化71】
アジド誘導体IE1826-5(32mg、0.044mmol)およびアルキン誘導体IE1826-20(30mg、0.044mmol)をMeOH:HOの4:1混合物(4mL)に溶解した。混合物に硫酸銅(II)五水和物(2.5mg、0.01mmol)を添加し、アスコルビン酸ナトリウム(0.1mLの新たに調製した1M HO溶液)を添加した。混合物を60℃で6時間撹拌し、その後静置し、室温まで冷却した。その後混合物を真空下で濃縮し、粗生成物を得て、これを酢酸エチル:メタノール(10:1)を溶媒として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、溶媒として2% アセトニトリル/水を用いてC18-GracePureTMカートリッジで化合物を精製し、純粋な脱保護された生成物IE1826-28を白色粉末(17mg、2工程で65%)として得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.18-1.25(m、2H)、1.60(q、J=7.7、7.2Hz、6H)、1.85-1.96(m、8H)、2.34(dt、J=14.6、7.6Hz、4H)、2.64-2.74(m、2H)、3.60-3.72(m、4H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、2H)、4.02(ddd、J=9.3、6.2、2.6Hz、2H)、4.35-4.48(m、4H)、4.53-4.64(m、2H)、5.49-5.59(m、2H)、5.82(dd、J=12.3、2.3Hz、2H)、7.33-7.55(m、6H)、7.57-7.63(m、1H)、7.65(dd、J=7.7、1.4Hz、1H)、7.80(s、1H)、8.10(s、1H)、8.15(s、1H);LRMS[C516113Na16](m/z):(+ve イオンモード)1181.0[M+Na]
【0158】
【化72】
スキーム17.フェニルトリアゾール合成
【0159】
IE1963-85
【化73】
アミンIE1398-24(60mg、0.105mmol)のピリジン(2mL)溶液にAcO(50μL、0.52mmol)を添加し、アルゴン下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物を10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTM カートリッジで精製し、凍結乾燥した後、純粋な脱保護された生成物IE1963-85(2工程で74%)を得た。H NMR(400MHz、DO):δ 1.93(s、4H)、2.15(s、3H)、3.64-3.76(m、2H)、3.92(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.2、2.6Hz、1H)、4.46(t、J=10.3Hz、1H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、5.60(dd、J=9.6、2.3Hz、1H)、5.88(d、J=2.2Hz、1H)、7.44-7.54(m、3H)、7.73(dd、J=7.3、1.5Hz、1H)、8.25(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.70、22.32、48.79、60.01、63.07、68.06、69.72、75.37、101.81、122.07、125.44、127.09、127.61、129.26、129.69、133.28、145.00、150.57、168.70、173.57、173.63;LRMS[C2124NaO](m/z):(+ve イオンモード)519.3[M+Na]
【0160】
アミドIE1963-41およびIE1963-45の合成
アミンIE1398-24(60mg、0.105mmol)の無水DCM(2mL)溶液にDIEA(90μL、0.52mmol)を添加し、酸クロライド(2当量)を分割して添加し、アルゴン下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物を10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1963-41
【化74】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.79(s、3H)、3.65(dq、J=11.4、5.9Hz、2H)、3.85-3.92(m、1H)、3.98(ddd、J=9.4、6.1、2.7Hz、1H)、4.36(t、J=10.1Hz、1H)、4.54(d、J=10.9Hz、1H)、5.54(dd、J=9.3、2.6Hz、1H)、5.77(d、J=2.2Hz、1H)、7.34(t、J=7.7Hz、1H)、7.43(t、J=7.6Hz、1H)、7.51(d、J=7.1Hz、1H)、7.58(t、J=7.8Hz、1H)、7.64(d、J=7.7Hz、1H)、7.72(s、1H)、7.82(dd、J=17.3、7.8Hz、2H)、8.27(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.53、48.69、59.82、63.06、68.03、69.66、75.33、99.99、101.39、118.92、119.92、121.45、122.91、124.83、125.63、126.73、128.69、129.44、130.73、133.70、135.42、145.94、149.00、150.69、165.53、168.48、173.47;LRMS[C2725NaO](m/z):(+ve イオンモード)665.6[M+Na]
IE1963-45
【化75】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.87(s、3H)、3.64-3.73(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.02(ddd、J=9.4、6.3、2.7Hz、1H)、4.08(s、3H)、4.40(t、J=10.3Hz、1H)、4.53-4.61(m、1H)、5.59(dd、J=9.9、2.3Hz、1H)、5.81(d、J=2.2Hz、1H)、7.35-7.42(m、1H)、7.46(dd、J=7.6、1.5Hz、1H)、7.49-7.54(m、1H)、7.72(td、J=8.1、1.5Hz、2H)、8.29(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.60、48.70、59.93、62.46、63.08、68.05、69.68、75.39、101.51、110.56(d、J=21.4Hz)、121.79、124.55、126.13、127.56、129.18、129.68、133.21、145.26、148.43、150.64、151.55、163.74、168.53、173.60、174.00;LRMS[C2725NaO](m/z):(+ve イオンモード)665.6[M+Na]
【0161】
スルホンアミドIE1963-50およびIE1963-54の合成
アミンIE1398-24(60mg、0.105mmol)の乾燥ピリジン(2mL)溶液にスルホニルクロライド(1.2当量)を添加し、アルゴン下、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1963-50
【化76】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.93(s、3H)、2.86(s、3H)、3.64-3.74(m、2H)、3.93(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.6Hz、1H)、4.50(t、J=10.2Hz、1H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、5.59(dd、J=9.7、2.4Hz、1H)、5.94(d、J=2.2Hz、1H)、7.16(ddd、J=8.3、5.0、3.6Hz、1H)、7.34-7.40(m、2H)、7.93(dd、J=7.3、0.8Hz、1H)、8.65(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.77、39.67、48.72、59.66、63.11、68.15、69.76、75.42、102.34、121.93、123.89、123.92、124.06、127.91、129.33、142.91、145.41、150.17、168.85、173.75;LRMS[C2024NaOS](m/z):(+ve イオンモード)555.5[M+Na]
IE1963-54
【化77】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.89(s、3H)、3.64-3.73(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.36(t、J=10.3Hz、1H)、4.53-4.61(m、1H)、5.50(dd、J=9.9、2.3Hz、1H)、5.87(d、J=2.2Hz、1H)、7.15(td、J=7.4、1.4Hz、1H)、7.23(d、J=7.8Hz、1H)、7.28-7.34(m、1H)、7.66(d、J=8.8Hz、2H)、7.76(dd、J=7.8、1.7Hz、1H)、8.17(d、J=8.8Hz、2H)、8.32(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.70、48.64、59.55、63.11、68.12、69.74、75.40、101.92、122.69、123.42、123.99、125.04、125.88、126.43、127.97、129.28、142.67、145.17、148.39、149.76、150.41、168.75、173.65;LRMS[C2525NaO11S](m/z):(+ve イオンモード)662.6 [M+Na]
【0162】
【化78】
スキーム18.フェニルトリアゾール合成
【0163】
IE1826-108
【化79】
アミンIE1398-24(1.0g、1.744mmol)の乾燥DMF(6ml)溶液にBoc-Gly-OH(0.61g、3.48mmol、2.0当量)を添加し、DIEA(1.21ml、6.976mmol、4.0当量)およびCOMU(1.49g、3.48mmol、2.0当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン 3:2)により精製し、純粋なN-Boc保護された生成物を得た。アルゴン下、0℃で、Boc保護された生成物(1.0g、1.369mmol)の無水DCM溶液にTFA(2.1ml、27.37mmol、20当量)を添加し、反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応物をアセトニトリルで希釈し、0℃まで冷却した後、粉末炭酸ナトリウムを添加することによりクエンチし、2分間撹拌し、ろ過し、水で洗浄し、有機溶媒を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製のアミンをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール/水;7/1/0.5)により精製し、純粋なアミンIE1826-108を、2工程、48%で得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ 1.80(s、3H)、2.04(s、3H)、2.05(s、3H)、2.07(s、3H)、3.83(s、3H)、3.93(s、2H)、4.18(dd、J=12.5、6.2Hz、1H)、4.53(t、J=10.1Hz、1H)、4.63(ddd、J=12.5、9.7、2.3Hz、2H)、5.41(td、J=6.4、2.7Hz、1H)、5.56(td、J=8.2、7.4、2.3Hz、2H)、6.18(d、J=2.2Hz、1H)、7.22-7.32(m、1H)、7.34-7.44(m、1H)、7.67(dd、J=7.8、1.6Hz、1H)、8.07(d、J=8.1Hz、1H)、8.42(s、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 19.24、19.33、19.34、21.14、41.03、51.71、59.82、61.75、67.32、70.12、76.45、106.81、121.61、121.71、123.35、125.31、128.43、128.71、134.45、145.98、146.12、161.53、164.50、170.01、170.09、171.02、172.04;LRMS[C283411](m/z):(+ve イオンモード)630.8[M+H]
【0164】
アミドIE1993-4、IE1963-114およびIE1963-62の合成
アルゴン下、アミンIE1826-108(50mg、0.08mmol)の無水DCM(2mL)溶液にDIEA(90μL、0.52mmol)を添加し、酸クロライド(2当量)を分割して添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1993-4
【化80】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.86(s、3H)、3.64-3.74(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.2、2.6Hz、1H)、4.16-4.29(m、2H)、4.38-4.48(m、1H)、4.55(d、J=11.0Hz、1H)、5.41(dd、J=9.8、2.4Hz、1H)、5.75(d、J=2.2Hz、1H)、7.37(t、J=7.5Hz、1H)、7.47(td、J=7.7、1.6Hz、1H)、7.56(t、J=7.6Hz、2H)、7.62-7.67(m、2H)、7.83(d、J=8.2Hz、1H)、7.87(dd、J=7.4、1.8Hz、2H)、8.29(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.68、43.99、48.66、59.89、63.08、68.09、69.70、75.33、101.90、122.41、123.00、124.91、126.78、127.43、128.80、128.88、129.46、132.39、132.65、133.18、145.23、150.35、168.68、170.94、171.11、173.59;LRMS[C2829NaO](m/z):(+ve イオンモード)638.4[M+Na]
IE1963-114
【化81】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.84(s、3H)、2.99(s、6H)、3.68(ddd、J=14.3、9.3、3.8Hz、2H)、3.91(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.01(ddd、J=9.3、6.3、2.7Hz、1H)、4.15(q、J=16.8Hz、2H)、4.36(t、J=10.3Hz、1H)、4.51(dd、J=11.1、1.3Hz、1H)、5.05(dd、J=9.8、2.3Hz、1H)、5.56(d、J=2.2Hz、1H)、6.87(d、J=9.0Hz、2H)、7.38(td、J=7.6、1.4Hz、1H)、7.49(td、J=7.7、1.7Hz、1H)、7.62-7.67(m、1H)、7.77(d、J=8.9Hz、2H)、7.85(d、J=8.1Hz、1H)、8.13(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.62、39.60、44.21、48.72、59.88、63.13、68.06、69.71、75.43、101.99、112.09、118.79、122.54、123.02、124.76、126.72、129.12、129.18、129.56、133.08、144.69、150.13、153.81、168.39、170.51、171.37、173.56;LRMS[C3034NaO](m/z):(+ve イオンモード)681.5[M+Na]
IE1963-62
【化82】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.80(s、3H)、3.29(d、J=1.7Hz、2H)、3.84(t、J=11.9Hz、1H)、3.95(s、1H)、4.13-4.26(m、2H)、4.35(t、J=10.1Hz、1H)、4.44(d、J=11.0Hz、1H)、5.22(d、J=9.4Hz、1H)、5.62(s、1H)、7.36(d、J=7.8Hz、1H)、7.42-7.56(m、4H)、7.61(d、J=7.7Hz、1H)、7.71(d、J=7.4Hz、2H)、7.78(d、J=7.5Hz、2H)、7.89(dd、J=14.9、8.5Hz、3H)、8.24(s、1H);LRMS[C3433NaO](m/z):(+ve イオンモード)714.6[M+Na]
【0165】
スルホンアミドIE1993-9およびIE1963-99
アルゴン下、アミンIE1826-108(50mg、0.08mmol)の無水DCM(2mL)溶液にDMAP(触媒量)を添加し、スルホニルクロライド(1.2当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1993-9
【化83】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.92(s、3H)、3.64-3.76(m、2H)、3.86(s、2H)、3.93(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.8Hz、1H)、4.50(t、J=10.2Hz、1H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、5.63(dd、J=9.7、2.2Hz、1H)、5.91(d、J=2.2Hz、1H)、7.34-7.46(m、2H)、7.61-7.76(m、3H)、8.16(d、J=7.8Hz、1H)、8.34(dt、J=8.2、1.6Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.57(t、J=2.0Hz、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.75、46.94、48.67、59.95、63.10、68.12、69.71、75.44、101.88、121.67、122.17、122.81、124.53、126.77、127.05、128.82、129.43、130.84、132.58、133.01、141.90、145.19、147.80、150.50、168.71、171.36、173.71;LRMS[C2728NaO12S](m/z):(+ve イオンモード)719.5[M+Na]
IE1963-99
【化84】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.93(s、3H)、3.65-3.75(m、2H)、3.85(s、2H)、3.93(dd、J=11.9、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.3、6.3、2.6Hz、1H)、4.52(dd、J=10.9、9.5Hz、1H)、4.61(dd、J=11.0、1.0Hz、1H)、5.64(dd、J=9.6、2.3Hz、1H)、5.92(d、J=2.2Hz、1H)、7.37(td、J=7.6、1.4Hz、1H)、7.44(td、J=7.8、1.7Hz、1H)、7.64(dd、J=8.1、1.3Hz、1H)、7.70(dd、J=7.7、1.6Hz、1H)、7.99(d、J=8.8Hz、2H)、8.28(d、J=8.8Hz、2H)、8.39(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.75、46.82、48.65、60.03、63.09、68.12、69.71、75.46、101.88、122.17、123.10、124.52、124.75、126.90、127.82、128.85、129.46、132.97、145.17、145.79、149.50、150.53、168.71、171.26、173.68;LRMS[C2728NaO12S](m/z):(+ve イオンモード)719.5[M+Na]
【0166】
【化85】
スキーム19.フェニルトリアゾール合成
【0167】
IE1826-106
【化86】
Boc-β-アラニン-OH(333mg、1.76mmol)をDIEA(0.61mL、3.5mmol)およびCOMU(750mg、1.76mmol)のDMF(3ml)溶液で活性化し、その後、撹拌中のアミンIE1398-24(504mg、0.879mmol)のDMF(3ml)溶液に添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。その後粗生成物を水に溶解し、酢酸エチル(50mL×4)で抽出し、有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、その後酢酸エチル/ヘキサン(4:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。アルゴン下、0℃で、Boc保護された生成物の無水DCM(15mL)溶液に、TFA(2.0ml、26.0mmol、20当量)を添加し、反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応物をアセトニトリルで希釈し、その後0℃まで冷却し、粉末炭酸ナトリウムを添加することによりクエンチし、5分間撹拌し、ろ過し、水で洗浄し、有機溶媒を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製のアミンをフラッシュクロマトグラフィー(アセトン/メタノール(4:1)により精製し、純粋なアミンIE1826-106を2工程、44%で得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ 1.80(s、3H)、2.04(s、3H)、2.05(s、3H)、2.07(s、3H)、2.64(t、J=6.9Hz、2H)、3.05(t、J=7.3Hz、2H)、3.83(s、3H)、4.18(dd、J=12.5、6.3Hz、1H)、4.52(t、J=10.1Hz、1H)、4.61(dd、J=12.5、2.7Hz、1H)、4.67(dd、J=10.8、2.0Hz、1H)、5.41(td、J=6.4、2.7Hz、1H)、5.53-5.66(m、2H)、6.18(d、J=2.2Hz、1H)、7.21(t、J=7.6Hz、1H)、7.30-7.40(m、1H)、7.63-7.73(m、1H)、8.21(d、J=8.1Hz、1H)、8.50(s、1H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ 19.25、19.33、19.38、21.18、33.72、38.98、51.72、59.70、61.78、67.33、70.13、76.46、106.88、120.02、121.68、122.56、124.47、127.89、128.48、135.17、145.98、146.59、161.56、170.00、170.10、171.01、171.39、171.83;LRMS[C293611](m/z):(+ve イオンモード)645.3[M+H]
【0168】
アミドIE1963-84の合成
【化87】
アルゴン下、アミンIE1826-106(60mg、0.093mmol)の無水DCM(2mL)溶液にDIEA(80μL、0.47mmol)を添加し、シクロプロパンカルボニルクロライド(2当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。H NMR(400MHz、DO):δ 0.76-0.85(m、4H)、1.59(dq、J=7.2、6.0、5.5Hz、1H)、1.93(s、3H)、2.57-2.67(m、2H)、3.53(t、J=6.5Hz、2H)、3.65-3.75(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.2、6.2、2.6Hz、1H)、4.45(dd、J=10.9、9.6Hz、1H)、4.55-4.63(m、1H)、5.60(dd、J=9.6、2.3Hz、1H)、5.88(d、J=2.2Hz、1H)、7.45(td、J=7.6、1.5Hz、1H)、7.51(td、J=7.6、1.7Hz、1H)、7.59(dd、J=8.0、1.4Hz、1H)、7.71(dd、J=7.6、1.6Hz、1H)、8.31(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 6.64、14.03、21.72、35.83、36.24、48.78、60.03、63.07、68.06、69.70、75.36、101.74、122.13、124.73、126.52、127.39、129.32、129.65、133.25、145.33、150.62、168.66、173.31、173.60、177.22;LRMS[C2631NaO](m/z):(+ve イオンモード)616.5[M+Na]
【0169】
スルホンアミドIE1993-13およびIE1993-23の合成
アルゴン下、アミンIE1826-106(60mg、0.093mmol)の無水DCM(2mL)溶液にDMAP(触媒量)を添加し、スルホニルクロライド(1.2当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、純粋な保護された生成物を得た。保護された生成物をMeOH:HO(2mL)の1:1混合物に懸濁した。0℃で、この懸濁液にNaOH溶液(1.0M)をpH約14まで滴下添加した。温度を室温まで徐々に昇温させ、混合物を室温で一晩撹拌した。その後溶液をアンバーライト(登録商標)IR-120(H)樹脂で(pH=5まで)酸性化し、ろ過し、MeOH(10mL)およびHO(10mL)で洗浄した。合わせたろ液および洗浄液をその後真空下で濃縮し、蒸留水(5mL)で希釈し、0.05M NaOHを用いてpH=8.0に調整し、化合物をそのナトリウム塩に変換した。最後に、化合物10% メタノール/水を溶媒として用いてC18-GracePureTMカートリッジで精製し、純粋な脱保護された生成物を得た。
IE1993-13
【化88】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.95(s、3H)、2.52-2.61(m、2H)、3.43(t、J=6.1Hz、2H)、3.65-3.78(m、2H)、3.93(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.04(ddd、J=9.3、6.3、2.6Hz、1H)、4.49(t、J=10.2Hz、1H)、4.60(d、J=10.9Hz、1H)、5.60(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.89(d、J=2.2Hz、1H)、7.27(t、J=7.6Hz、1H)、7.37(td、J=7.7、1.6Hz、1H)、7.58(dd、J=8.3、1.3Hz、1H)、7.66(d、J=8.1Hz、1H)、7.89(d、J=8.8Hz、2H)、8.08(d、J=8.8Hz、2H)、8.33(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.78、37.38、39.48、48.68、60.00、63.10、68.10、69.73、75.48、101.81、121.55、121.98、124.06、124.42、126.30、127.69、128.47、129.29、133.45、145.54、145.58、149.22、150.62、168.68、172.10、173.60;LRMS[C2123Na](m/z):(+ve イオンモード)733.5[M+Na]
IE1993-23
【化89】
H NMR(400MHz、DO):δ 1.90(s、3H)、2.57-2.66(m、2H)、3.36(t、J=6.2Hz、2H)、3.63-3.75(m、2H)、3.92(dd、J=12.0、2.7Hz、1H)、4.03(ddd、J=9.4、6.3、2.7Hz、1H)、4.40-4.52(m、3H)、4.57(dd、J=10.9、1.2Hz、1H)、5.56(dd、J=9.7、2.3Hz、1H)、5.86(d、J=2.2Hz、1H)、7.40-7.48(m、6H)、7.51(td、J=7.7、1.7Hz、1H)、7.60(dd、J=7.9、1.4Hz、1H)、7.72(dd、J=7.7、1.7Hz、1H)、8.24(s、1H);13C NMR(101MHz、DO):δ 21.71、37.06、39.35、48.72、57.50、59.99、63.09、68.09、69.71、75.38、101.86、122.36、124.78、126.65、127.42、128.74、128.88、129.30、129.62、130.70、133.16、144.96、150.52、168.69、172.87、173.60。
【0170】
生物実施例
細胞およびウイルス:
LLC-MK2細胞(アカゲザル腎臓、ATCC CCL-7)およびMA104細胞(アカゲザル腎臓、ATCC CRL-2378.1)を、1% グルタミン(200mM)および2% ウシ胎児血清を補充したイーグル最小必須培地(EMEM)で培養した。hPIV-3(LLC-MK2)およびhPIV-1(MA104)感染ならびに感染後インキュベートの間、LLC-MK2およびMA104細胞を1% グルタミンのみを補充したEMEMで維持した。全ての細胞株を5% COの加湿雰囲気で、37℃でインキュベートした。hPIV-3(C-243株)およびhPIV-1(C-35株)をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手した。hPIV-3(JS株)をViratreeから入手した。hPIV-3(CI002株)は、ゴールドコースト大学病院から入手した臨床分離株である。グルタミンのみを添加したEMEMを用いて、COの加湿雰囲気で35℃で、hPIV-3についてはLLC-MK2細胞に、およびhPIV-1についてはMA104細胞に、ウイルスを、伝播させた。ウイルスを含む培地上清を感染後3~4日目に回収し、細胞変性効果を観測しながら、遠心分離(3,000RCF、15分間)により細胞片から分離させた。血液凝集阻害(HI)アッセイに使用される30kDaアミコンウルトラフィルターユニットを用いて、ウイルスを少なくとも10回濃縮した。ノイラミニダーゼ阻害(Nl)アッセイは、PEG沈殿させ、下記のとおり精製したウイルスを使用した。分離したhPIV-3またはhPIV-1上清をPEG6000(最終濃度8%)およびNaCI(最終濃度0.4M)と混合し、その後、穏やかに撹拌しながら4℃で一晩インキュベートした。3,000RCFで、4℃で30分間遠心分離することにより、PEG6000/hPIV複合体を沈殿させた。上清を廃棄し、初めのウイルス懸濁液体積の少なくとも1:40に対応する体積のGNTE緩衝液(200mM グリシン、200mM NaCl、20mM トリス-HCl、2mM EDTA、pH 7.4)を使用し、4℃で一晩、沈殿物を再懸濁した。上下のピペッティングによりウイルス懸濁液を均一化し、「tight」のペストルを備えたダウンス型を使用して、残りのウイルス凝集体を機械的に破砕した。hPIV-3またはhPIV-1ホモジネートをGNTE緩衝液中で調製した30%~60% 非線形スクロースグラジエントに充填し、100,000RCFで、4℃で2時間30分間、減速のために制動することなく遠心分離した。ウイルスを30%~60% スクロースインターフェースで濃縮し、その後N1アッセイのために-4℃で保存した。
【0171】
hPIV HN阻害剤:
化合物は凍結乾燥させた粉末として提供され、その後、10mM 原液を調製するために無菌水またはDMSOに溶解した。完全に溶解させるために、溶液を15分間超音波処理した。原液を琥珀色ガラスバイアル中-20℃で保存し、使用前に適切な緩衝液で新たに希釈した。
【0172】
血液凝集阻害アッセイ:
HN阻害剤をU底96ウェルプレートアッセイで、デュプリケートでアッセイした。化合物を試験する各濃度について、4×溶液としてPBS中で希釈した(25μL/ウェル、1×最終)。各希釈物をhPIV-3またはhPIV-1の4倍量の赤血球凝集単位(HAU)と混合し(25μL/ウェル、1HAU最終)、室温で20分間インキュベートした。同体積(50μL/ウェル)の1% ヒト赤血球(h-RBC)を各ウェルに添加した。その後、プレートを室温(22~23℃)で1時間インキュベートした後、凝集の程度を読み取った。未処理ウイルス懸濁液の1HAUと比較してヘマグルチニン活性(凝集)を50%減少させる阻害剤の濃度をHI IC50とした。
【0173】
ノイラミニダーゼ阻害アッセイ:
精製したhPIV-3またはhPIV-1、阻害剤およびMUNを調製し、NA反応緩衝液[NaOAc 50mM、CaCI 5mM、pH 4.6(hPIV3)または5.0(hPIV-1)]に希釈した。種々のhPIV-3またはhPIV-1希釈物を使用して、ノイラミニダーゼアッセイを初めに測定し、アッセイで使用する最小ウイルス濃度を決定した。十分に精製したウイルスを用いてノイラミニダーゼアッセイを実施し、統計的に有意であると考えられる試験の背景より少なくとも5倍高い最大蛍光シグナルを得た。ノイラミニダーゼ阻害(Nl)アッセイをトリプリケートで実施した。試験した各濃度について、2μLの精製したhPIVおよび4μLの2.5×阻害剤溶液(1×最終)を各ウェルに添加した。プレートを室温で20分間保持した後、4μLの5mM 2’-(4-メチルウンベリフェリル)-α-D-N-アセチルノイラミン酸(MUN)(2mM最終)を各ウェルに添加し、その後、撹拌(1100rpm)しながらプレートを37℃で30分間インキュベートした。各ウェルに190μlのグリシン緩衝液(グリシン 0.25M、pH 10.4)を添加することにより酵素反応を停止させた。ウイルスにMUNを添加し、t=0分で酵素反応を停止させることにより、陰性対照が含まれた。Tecan Infinite M200 Proで相対蛍光(RF)を測定した。背景差分(陰性対照RF)によりデータを処理し、その後GraphPadPrismを用いてIC50値を計算した(非線形回帰(曲線適合)、用量応答阻害、3または4パラメータロジスティック)。未処理ウイルス懸濁液と比較してノイラミニダーゼ活性(相対蛍光)を50%減少させる阻害剤の濃度をNl IC50値とした。全てのアッセイはトリプリケートで実施した。
【0174】
インサイチュ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA):
インサイチュELISAはウイルス増殖阻害を評価するために有用な技術である。それは、感染したLLC-MK2細胞単一層の細胞表面でのhPIV-3HN発現レベルを一工程で測定する。発現レベルは、非固定ウイルスが標的細胞に感染または再感染する能力と直接的に相関する。細胞ベースアッセイにおける最良の阻害剤を評価する前に、化合物細胞毒性を評価するためにMTTアッセイが実施され得る。96ウェルプレートに200FFU/ウェルで播種したコンフルエントのLLC-MK2細胞単一層を感染させた。hPIV3C 243株、JS株またはCI002株を用いた感染をトリプリケートで実施し、15分毎に穏やかに撹拌しながら、37℃で1時間継続した。化合物を10倍希釈物として、最終濃度250mM~2.5nMに希釈した。接種源を除去し、100μL/ウェルの各々の化合物希釈物でそれぞれ置き換えた。阻害剤を除いて同一の条件を使用することにより、感染についての陽性対照を含めた。ウイルス増殖のために、感染した細胞単一層を37℃、5% COで保持した。100μLの7.4% ホルムアルデヒド/PBS細胞を直接添加することにより、ウイルスを不活性化させ、細胞を固定した。プレートを室温で15分間維持し、その後PBSで5分間、3回洗浄し、その後、37℃で、0.3% H/PBSで30分間処理することにより、内因性ペルオキシダーゼを不活性化させた。細胞単一層を洗浄し、5% ミルク/PBS中1μg/mLのモノクローナル IgG抗hPIV-3HN(Fitzgerald、クローン番号M02122321 、2.0mg/mL)を用いて、37℃で1時間インキュベートした。ウェルを0.02% Tween20/PBSで5分間、3回洗浄した。5% ミルク/PBS中で1:4000に希釈したヤギ抗マウス-IgG(H+L)-HRPコンジュゲート(BioRad、番号1706516)を各ウェルに添加し、37℃で1時間インキュベートした。細胞単一層を0.02% Tween20/PBSで洗浄し、その後、PBSで2回洗浄した。BD OptEIA TMB基質を各ウェルに添加し、その後、プレートを37℃でインキュベートした。3~5分後、50μLの0.6M HSOをウェル毎に添加することにより、酵素反応を停止させた。xMarkTMマイクロプレート吸光度分光光度計を用いて、各ウェルの吸光度(OD)を450nmで読み取ることにより、生データを得た。開始時のOD読み取りからの陰性対照(非固定細胞)ODの減算およびIC50値(非線形回帰(曲線適合)、用量応答阻害、3または4パラメータロジスティック)を計算するためにGraphPad Prism 4で分析したデータにより、最終ODを得た。IC50値は、未処理の感染細胞単一層と比較して、450nmでの吸光度を50%減少させる阻害剤の濃度として考えた。
【0175】
本発明の化合物は、公開されたモデルを用いて、エクスビボで分化したヒト気道上皮性(HAE)細胞に対するhPIV-3阻害アッセイで試験され得る。簡潔には、試験方法は次のとおりである:先に記載のとおり、ヒト気道上皮性(HAE)細胞を単離し、培養し、分化させる(Muller et al., 2013)。簡潔には、ヒト経鼻気道上皮性細胞を単離し、拡張し、コラーゲン被覆透過性膜支持体(トランスウェル)上に播種する。細胞がコンフルエントになった後、頂部の培地を除去し、細胞を約4~6週間空気-液体界面に維持して、上皮分化を可能にする。繊毛細胞を含む培養物をトランスウェル当たり400フォーカス形成単位のhPIV-3とともに、先端表面を介して1時間接種する。細胞がウイルスに1時間感染した直後に、種々の濃度の試験化合物を、HAEの先端側(20μL/トランスウェル)に添加する。LLC-MK2細胞におけるフォーカス形成アッセイまたはインサイチュELISAを用いたウイルス滴定により、感染後1日、3日および6日にウイルス負荷減少を評価した、以前に公開されたとおり(Guillon et al, 2014)。
【0176】
構造生物学
組み換えHN発現および精製
実質的に修飾された文献手順に基づくBac-to-Bac(登録商標)バキュロウイルス発現系(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州)を用いて、HNタンパク質を発現させた。このように、ミツバチメリチンシグナルペプチド(HBM)についてのヌクレオチド配列を、HNエクトドメイン(アミノ酸125~572)についてコードする配列の下流に加えた。この配列(HBM+HN)は、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)細胞(Sf9)における発現のために最適化され、HBM-HNhPIV-3optと命名された遺伝子として、DNA2.0遺伝子合成サービス(DNA2.0、メンローパーク、カリフォルニア州)を介して直接配列決定されたコドンであった。HBM-HNhPIV-3optはPCRにより増幅され、精製および検出の目的でさらなるC末端6-ヒスチジンタグ(His-Tag)を提供するpFastBac/CT-TOPO(登録商標)ベクターに結合された。
【0177】
製造者の説明書に従って、HBM- HNhPIV-3optを含む組み換えバキュロウイルスの形成および増幅を実施した。Insect-XPRESSタンパク質フリー昆虫細胞培地(Lonza)中で培養したSf9細胞(Invitrogen)を高いMOIのHBM-HNhPIV-3optバキュロウイルスに感染させた。感染4日後、組み換えHNを含む上清を回収し、最も高いタンパク質発現を得た。製造者のプロトコルに従って、上清を遠心分離(3,000 RCFで15分間)により清浄化し、細胞片を除去し、その後5mLカラム(GE Healthcare life sciences、バッキンガムシャー、イングランド)で精製した。組み換えHNを500mM イミダゾール溶液で溶出し、それらのノイラミニダーゼ酵素活性について回収したフラクションを評価した(上記を参照)。最も活性が高いフラクションをプールし、10kDa アミコンウルトラフィルターユニット(Millipore)を用いて、最終体積800μLに濃縮した。4℃で、Superdex 75ゲルろ過カラム(GE Healthcare)による高速タンパク質液体クロマトグラフィー(Amersham Biosciences)を利用するさらなる精製工程を実施し、Frac-920を用いて1mLのフラクションを回収した。280nmでフラクション回収物をモニタリングクスことにより決定したタンパク質を含むフラクションを、それらのノイラミニダーゼ酵素活性について評価し、SDS-PAGEに供した。精製し、濃縮した組み換えHNタンパク質を4℃で保存した。
【0178】
結晶化、データ収集および構造決定
いくつかのhPIV3-HN複合体(化合物IE-1826.23を有する)は、1~24時間の種々の時間、5mMの阻害剤を含む結晶化溶液(0.1M クエン酸緩衝液 pH 4.6、0.2M (NH)SO、15%v/v ポリエチレングリコール(PEG)3000)に結晶を浸漬することにより調製した。他のhPIV-3 HN複合体は、(化合物IE-1826.30、IE-1530.74、IE-1530.69およびIE-1778.39との)共結晶化により調製し、4mg/mL hPIV3 HNタンパク質原液を0.1M クエン酸緩衝液 pH 4.6、0.2M (NH)SOおよび10% PEG3000中、最終濃度1.5mMの阻害剤と30分間前培養した。ハンギングドロップ蒸気拡散法を用いて、2μLの前培養した原液として結晶化試験を設定した。500μLの容器(0.1M クエン酸緩衝液 pH 4.6、0.2M (NH)SOおよび10%または15% PEG3000)に対して滴下を平衡化させた。結晶をナイロンループ(Hampton Research)に固定し、グリセロールと沈殿溶液を含む凍結保護溶液中で、100Kで瞬間凍結した。
【0179】
Blu-Iceソフトウェアを用いて、MX2ビームラインでAustralian Synchrotronで、X線回折データを収集した。データセットをXDSを使用して処理し、CCP4 suiteでAimlessを使用して調整した。Phaserおよび鋳型としてのアポhPIV3-HNモデル(PDB ID:4XJQ)を用いて、分子置換により構造を解析した。Phenix.Refineを用いてモデルを精密化し、MolProbityを用いて構造確認を実施した。CootおよびPyMOL(http://www.pymol.org/;DeLano Scientific LLC)を用いて、構造解析を実施した。
【0180】
結果
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0181】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【国際調査報告】