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特表2022-543172DFT-S-OFDM用の低PAPRを有するハイブリッド参照信号
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(54)【発明の名称】DFT-S-OFDM用の低PAPRを有するハイブリッド参照信号
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220930BHJP
【FI】
H04L27/26 112
H04L27/26 114
H04L27/26 313
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532241
(86)(22)【出願日】2020-10-20
(85)【翻訳文提出日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2020040026
(87)【国際公開番号】W WO2021090716
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】19306433.4
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】ブティエ、アルノー
(57)【要約】
本発明は、少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信する方法に関する。上記無線信号は、少なくとも1つの送信アンテナを備える放射器によって放射されるように意図される。上記無線信号は、K個のサンプルのブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックA=(A;...;AK1)に適用し、n=0~N-1である無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、Rが正の整数であるとして、J1=floor(T1×K/N)、J2=ceil(T2×K/N)、T2-T1=Rとなるような第1の位置T1及び第2の位置T2を出力信号において求めることと、Lは正又はヌルの整数であり、Sは正の整数であり、R=S+Lであるとして、更新された出力信号の第1の位置T1と第2の位置T2との間に、S個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルを挿入して、データセクション及び参照セクションを含むハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することと、ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスをハイブリッドシンボルに付加して、サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号を取得することと、サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号に対応する無線信号を放射することとによって提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信する方法であって、前記無線信号は、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される少なくとも1つの送信モジュールを備える放射器によって放射されるように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、前記無線信号は、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むような前記K個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
前記K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、前記無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
前記出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
前記出力信号において、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間の前記R個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、前記ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する前記無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する前記無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号に対応する前記無線信号を送信することを考慮して、前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを前記ハイブリッドシンボルに付加して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す前記信号を取得することと、
によって提供される、方法。
【請求項2】
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して前記後続信号を取得することは、
前記後続信号が、n=[T1;T1+L-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの前記参照セクションのサイクリックプレフィックスを形成するサイクリックプレフィックスサンプルCPRSを前記無線信号に含むように、
L個のサイクリックプレフィックスサンプルを前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間に挿入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、DFT拡散OFDM型方式を適用する前に、前記K個のサンプルのブロック内の前記第1の位置J1と前記第2の位置J2との間の前記K0個の連続したサンプルの値を0に設定し、前記出力信号を取得することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記K個のサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
(a)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプル(A’;...;A’K-1)の一時的なブロックを取得することと、
(b)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を求めることは、最小二乗法を適用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部は、ゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルを含む参照信号を取得することと、
逆DFT拡散OFDM型方式を前記参照信号に適用して、K0個の連続した復調されたサンプルを含むK個の復調されたサンプルのブロックを含む復調された参照信号を取得することと、
前記K個のサンプルのブロック内の前記K0個の連続した復調されたサンプルの少なくとも一部を、前記K0個の連続したサンプルの前記少なくとも一部を形成するゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルとして挿入することと、
によって求められる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
(a)複数の、K個のサンプル(A”;...;A”K-1)の一時的なハイブリッドブロックであって、前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれは、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
ゴーストパイロットタイプのK0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A”J1;...;A”J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックを取得することと、
(b)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに適用した結果として、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS”の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS”の少なくとも一部の前記値と、
前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルの少なくとも一部の前記値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルの前記少なくとも一部の前記値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックと、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって求められる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(e)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なブロック(A’;...;A’K-1)を取得することと、
(f)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(g)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の前記値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(h)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(g)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
(i)(h)において求められた前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部に基づいて、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を更新することと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部の前記値を更新することは、
Pa1、Pa2が正の整数であり、Pa1+Pa2はK0未満であるとして、前記K0個の連続したサンプルが、
Pa1個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ1+Pa1)の前部と、
中央部(AJ1+Pa1+1;...;AJ2-Pa2-1)と、
Pa2個の連続したサンプル(AJ2-Pa2;...;AJ2)の後部と、
を含むように、前記K個のサンプルのブロック内の第3の位置J1+Pa1及び第4の位置J2-Pa2を求めることと、
前記K0個の連続したサンプルの前記前部及び前記後部の前記サンプルの値を更新することと、
を含む、請求項4、5又は9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記参照サンプルは、CAZAC系列に対してOFDM型方式を適用することによって生成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記参照サンプルは、Zadoff-Chu系列に対してOFDM型方式を適用することによって生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の位置J1と前記第2の位置J2との間の前記K0個の連続したサンプルはゴーストサンプルであり、前記Kd個のデータサンプルの少なくとも一部の値は、前記ハイブリッドシンボルの前記データセクションに対する前記K0個のゴーストサンプルの寄与を補償するように求められる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
J1、J2、T1及びT2は、
【数1】
及び
【数2】
のように互いに対して規定され、w及びwのそれぞれは非負の整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法に関して放射され、伝播チャネルを通じて送信され、少なくともK個の異なるサブキャリアに対してアクティブであるように構成される受信機によって受信される無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルのチャネル推定値を求める方法であって、Kは正の整数であり、前記方法は、
ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加された前記ハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、前記受信される無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記無線信号が、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記無線信号が、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、前記信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
前記ハイブリッドシンボルの参照セクションに少なくとも基づいて、前記受信される無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルの前記チャネル推定値を求めることと、
を含む、方法。
【請求項16】
コード命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コード命令がプロセッサによって実行されると請求項1に記載の方法を実行する前記コード命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、前記モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される放射器を備え、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、前記電気通信デバイスは、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むような前記K個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
前記K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、前記無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
前記出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
前記出力信号において、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間の前記R個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、前記ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する前記無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する前記無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを前記ハイブリッドシンボルに付加して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号を取得することと、
前記無線信号を送信することを考慮して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号に対応する前記無線信号を生成することと、
によって前記無線信号を生成する処理回路を更に備える、電気通信デバイス。
【請求項18】
通信システム上で送信される無線信号内の少なくともKd個のデータサンプルのグループを受信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、前記モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリアに対して動作するように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、
前記電気通信デバイスは、前記無線信号を前記電気通信デバイスに送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を求める処理回路を更に備え、
前記無線信号は、
N及びGは正の整数であるとして、ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加された前記ハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、前記受信された無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記信号が、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記信号が、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、前記信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部の前記複素サンプルS及び前記サイクリックプレフィックスを形成する前記サンプルの値を0に設定して、S個の参照サンプルRSを含む更新された信号を取得することと、
逆OFDM型方式を前記更新された信号に適用して、前記無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルの前記チャネル推定値を示す連続した参照サンプルのブロックを含む復調された信号を取得することと、
によって、受信無線信号として受信される、電気通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、電気通信の領域に関し、より具体的には、直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ベース伝送方式を用いた通信に関する参照信号のようなシンボルの組み込みに関する。
【0002】
より詳細には、3GPP/LTEネットワークでは、DFT拡散OFDM変調が、SC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)の略称で、アップリンク送信を実施するのに使用される。これは、標準化団体3GPPにおける仕様を受けた5Gシステムの新無線(NR:new radio)標準規格の一部でもある。この変調は、SC-OFDM(シングルキャリア直交周波数分割多重化:Single Carrier-Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の略称でDVB-NGHシステムハイブリッドプロファイルの衛星構成要素を実施するのにも標準化されている。
【背景技術】
【0003】
以下の2つの主要な技術が、ワイヤレス伝送を実現するのに使用される。
-シングルキャリア(SC:Single Carrier)変調とも呼ばれる時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)変調、及び
-直交周波数分割多重化(OFDM)変調。
【0004】
最初の方式では、情報は、いわゆるボーレート(1/Tヘルツ)で、スペクトル占有率を削減するために時間波形を用いて成形されたM値シンボルのストリームとして送信される。これらの変調は、一般に振幅及び位相の線形変調である。信号を周波数変調することも可能であるが、この手法は本明細書においては説明しない。受信機を簡素化するために、波形の持続時間を信号のシンボル期間Tに制限することができる。残念ながら、この場合、スペクトル占有率が大きくなりすぎる。はるかに長い時間サポートを有する波形に依存することを妨げるものではないが、これには、一般により複雑な受信機を使用する必要がある。波形が周期Tごとに規則的に0になる限り、受信信号をボーレートでサンプリングする能力を保ちながらスペクトル占有率を制限することは実際に可能である。これは、例えば、いわゆるスクエアルートレイズドコサイン(SRRC:square root raised cosine)フィルタが当てはまる。その場合に、主な制約は、非常に正確な時間同期(アイダイアグラムが閉じたときにサンプリングする)を実現することである。この説明はベースバンドに当てはまる。もちろん、ゼロIF変調又はスーパーヘテロダイン変調によって、どのような周波数帯域においても信号を転置することができる。SC信号は、以下のように記述することができる。
【数1】
この式において、fはキャリア周波数であり、Tはシンボル期間であり、g(t)は、有限エネルギー、通常はスクエアルートレイズドコサイン(SRRC)フィルタを有する信号波形であり、{x}は、情報ビットを搬送するM個の離散シンボルの系列である。振幅変動がないか又は低い振幅変動を有するコンステレーションアルファベット(constellation alphabets)(一般的には位相シフトキーイング(PSK:Phase Shift Keying)アルファベット)を使用すると、周波数領域におけるフィルタリングのシャープネス(0%~100%のSRRCフィルタのロールオフ)に直接関係する低い電力包絡線変動を有する変調された信号となる。電力変動は、多くの場合に、時間間隔τにわたる信号v(t)の包絡線偏位(envelope excursion)を定量化するのに使用されるメトリックである、次のピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)で説明される。
【数2】
【0005】
PAPRは、観測期間τにわたる信号の平均電力に対する最大瞬時ピーク電力の比を表し、通常、dBで表される。PAPRが低いため、SC送信機は、低い入力バックオフ(IBO:input back-off)を用いて電力増幅器を駆動することができ、電力効率の観点から直接的に有利である。逆に、高速でシンボルのフィルタリングを行うため、伝送チャネルの周波数選択性の補償することが困難になる。チャネル電力遅延プロファイルが、シンボル周期を大幅に越えると、SC信号の復調には、シンボル間干渉(ISI:Inter-Symbol Interference)を除去する多数のタップを有するかなり複雑な逆フィルタが必要となる。SC信号は、衛星通信において広く使用されている。なぜならば、伝送チャネルは、ほとんどの場合に周波数が単に平坦であるからであるが、省電力化のために、搭載された高電力増幅器(HPA:high power amplifier)を飽和点(すなわち低いIBO)の近くで動作させることが強く推奨されているためでもある。
【0006】
2番目の変調方式は、今日、最も一般的である直交周波数分割多重化(OFDM)変調である。その原理はかなり単純である。すなわち、シングルキャリアを高レートで変調する代わりに(占有帯域幅はボーレートによって規定される)、いくつかの隣接するサブキャリア(以下ではK個の隣接するサブキャリア)をはるかに低いレートで変調することも可能である。そうすることで、持続時間Tを有する矩形窓等の有限長の波形(したがって、周波数領域において大きなサポートを有する)を使用することさえも可能である。個々のサブキャリアのボーレートがチャネル遅延拡散よりもはるかに長い限り、周波数領域におけるチャネルは、各サブキャリア上で単に平坦に見える。換言すれば、単純な複素振幅スケーリングからサブキャリアごとにチャネルの効果を容易に補償することができる。OFDM変調を非常に魅力的にするものは、全ての隣接するサブキャリアの寄与が、長さT秒を有する矩形マッチドフィルタ(AWGNチャネルを仮定する)の出力において0にキャンセルされるとき、サブキャリアを1/Tヘルツごとにインターリーブすることができることである。
【0007】
OFDM変調が広く使用される第2の理由は、その実施が容易であることにある。サブキャリア多重の両端にP個のヌルサブキャリアを追加した後に、送信されるK個のサンプルに対する逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)を単に計算するだけで、真のアナログOFDM信号をサンプリングしたものを取得することができることを容易に示すことができる(ここではN=K+2×P)。IDFTは、理想的なアナログOFDM信号、すなわちエイリアシングを有する信号をオーバーサンプリングしたものを単に生成するだけである。追加されるヌルサブキャリアが多いほど、サンプリングの質は良くなる。実際には、計算負担を削減するために、ヌルサブキャリアの数は、帯域リップルをあまり発生させることなく、デジタル/アナログ変換前に最初のオーバーサンプリングフィルタリングが適用できる程度に制限される。OFDM変調のスペクトル占有率は、確かに変調の本来的な弱点であり、占有帯域幅は、通常、シャープなアナログフィルタを使用することで削減される。OFDM信号は、ベースバンドにおいて以下のように定義される。
【数3】
この式において、Π(t)は、時間間隔[0,T]では1に等しく、それ以外では0に等しい矩形窓である。時間領域(OFDMシンボルレベル)及び周波数領域(サブキャリアレベル)の双方において、シンボルベースで独立して検出ができることが示される。いわゆるサブキャリア直交性は別の利点をもたらす。すなわち、矩形波形等の有限長の波形を用いても、OFDM変調は、ゼロロールオフ波形を有するSC変調のスペクトル効率と同様の、かなり良好なスペクトル効率を達成することができる。実際には、時変チャネルの位相雑音又はドップラー拡散によってサブキャリアを分離することが不可能になるので、シンボル期間は、任意に長くすることができない。その代わりに、連続したシンボルの間のシンボル間干渉(ISI)を「飲み込む」ように構成されたサイクリックプレフィックス(CP:cyclic prefix)として供給されるガードインターバル(GI:guard interval)とともにシンボルを送信することが一般的である。サイクリックプレフィックスによって、受信信号とチャネルインパルス応答との線形畳み込みは、DFT領域においてフィルタリングを行うための基本的前提である巡回畳み込みのように見える。これは、チャネルがDFT領域において適用されているのと同様である(信号は周期的であると仮定される)。離散チャネルは、したがって、受信機において事前に知られている参照サブキャリアによって受信サブキャリアを単に分割するだけで、周波数領域において正確に推定することができる(すなわち、時間における畳み込み、周波数における分割である双対性が満たされている)。ちょうど同じ方法で、チャネルの影響も、推定されたチャネル係数によって受信サブキャリアを単に分割するだけで、周波数領域において回復することができる(1タップ等化(one-tap equalization))。CPは、復調FFT窓をCPの数サンプル後方に単に配置するだけで、時間同期に対するジッターの影響を軽減することができる。
【0008】
多くの独立した信号の和として、OFDM信号は、かなり大きな包絡線変動を有するランダムガウス雑音として高速に振る舞う。受信機性能に対するあらゆる有害な影響を回避するために、OFDM信号の振幅を飽和させるときには、平均電力に対して約15dB~約17dBのバックオフを適用すべきである。その点に関して、OFDMは、低電力増幅器IBOを適用することによる省電力については、SC変調よりも明らかに適していない。ここで、シングルキャリア(SC)ソリューションとマルチキャリア(MC:multiple-carrier)ソリューションとの間に橋渡しをするのが、DFT拡散OFDM変調である。DFT拡散OFDM変調では、コンステレーションサンプルは、DFTによって周波数が最初に拡散される。2つの帯域エッジにヌルサブキャリアを追加した後、これらの拡散シンボルはOFDM変調され、期待されたスペクトル形状を有する信号が取得される。拡散のためのDFTと変調のためのIDFTとを組み合わせることで、結果の信号は、元のサンプルのほぼコピーであることは明らかである。実際のところ、結果の信号は、単に、離散矩形窓の離散時間フーリエ変換(DTFT:Discrete Time Fourier Transform)である、ディリクレ(Dirichlet)波形を用いてフィルタリング除去されることになる元のサンプルをサンプリングしたものである。これが、実際には、よく知られたFFT又はフーリエオーバーサンプリングアルゴリズムの原理である。上記の説明から、DFT拡散OFDM変調は、SC信号の生成を実施する基本的な時間領域フィルタリングの代替形態と解釈することができると考えられる。一方、これら2つの手法の間には重要な相違がある。すなわち、DFT畳み込みの巡回性によって、各OFDMシンボルにわたる最初のサンプル及び最後のサンプルは、いくつかのN/Kサンプル(ディリクレ波形の最初の重要なローブ)のうちの或る個数にわたって互いに相関する。
【0009】
任意のOFDM信号について、DFT拡散OFDM変調の復調は、本質的に、低複雑度の1タップ等化器によって周波数領域において実現することができる。受信機アーキテクチャは、OFDM受信機の場合に、送信サンプルを回復する追加のIDFTの注目すべき例外では単に同じであることを示す。
【0010】
DFT拡散OFDM変調のチャネル推定を可能にするには、参照シンボルを定義する必要がある。
【0011】
前述したように、OFDM変調は、チャネルの選択性がどのようなものであっても(これがシンボル持続時間にわたって一定のままである限り)、各サブキャリアにわたって簡単な1タップ等化器によってチャネルの影響を容易に回復することができるので、周波数選択性チャネルに特によく適している。基本となるステップは、全てのデータサブキャリアにわたってチャネル係数を最初に推定することである。チャネルは、一般に、受信機において知られているパイロットとも呼ばれる参照シンボル(RS:reference symbol)を使用して推定される。OFDMでは、参照シンボルは、一般的に、変調されたサブキャリアのうちのいくつか又は全てに対して、受信機において知られているサンプルを挿入することによって生成される。OFDMにおいてチャネルを推定する基本的な手法は、以下のことを行うことを伴う。
-パイロット位置におけるチャネル推定、
-周波数領域平滑化、及び
-時間補間。
【0012】
OFDMでは、周波数領域及び時間領域の双方においてチャネル特性に従ってデータ/パイロットの比を調整することが可能である。例えば、チャネルコヒーレンス帯域幅が非常に高いが、チャネルが高速に変化する場合には、少数のパイロット(γ個のサブキャリアごとに1つのパイロット)のみを周波数領域に規則的な時間間隔を開けて挿入することが可能である。DVB-T2システムにおけるPPxシンボルのように、いわゆるスキャッタードパイロットの位置をその時々に変更することさえも可能である。これは、明らかに、SC変調を上回るOFDM変調の主要な利点のうちの1つである。
【0013】
DFT拡散OFDM変調が、等化についてそのOFDM系統から利益を得る場合、パイロットが挿入されるケースはあまりない。確かに、DFT拡散シンボルのOFDM変調に起因して、その包絡線の電力変動は小さくなる。例えば参照サブキャリアの直接挿入による拡散サブキャリアのあらゆる任意の変更は、信号のPAPR特性を破壊する(同じことは、拡散サンプルのパンクチャリング後の挿入の場合に当てはまる)。その理由から、3GPP/LTEアップリンクシステムは、フルパイロット、すなわち、OFDMシンボルの全てのサブキャリアが、Zadoff-Chu系列として周波数領域に直接挿入された参照パイロットを搬送することを指定する。Zadoff-Chu系列は、一定の振幅を有し、いくつかのパラメータセットについてDFT後にZadoff-Chu系列を維持する。送信パイロットは、したがって、SC信号の良好なPAPR特性を保つ。
【0014】
パイロットオーバーヘッドを削減するために、DVB-NGHシステムは、データと参照情報とを組み合わせたPP9と呼ばれるパイロット(以下、ハイブリッドパイロットシンボルという)を指定する。データは、通常のDFTのサイズの半分に等しい長さを有するデータのブロックにわたって拡散DFTを適用することによって取得される。次に、拡散データは、Zadoff-Chu系列とともに、周波数が2つのサブキャリアごとに1つインターリーブされる。参照シンボル(データ及びパイロット)の各成分について、結果の信号は、単純に、元の半分の長さの系列の2つの連続したコピーをオーバーサンプリングしたものである。2つのSC信号の和として、得られた信号は、もはや純粋なSC信号ではない。DVB-NGHでは、包絡線変動を低減するために、これら2つの信号は、サンプル持続時間の半分の時間シフトを用いて加算される。これによって、かなり良好なPAPR特性を有する参照シンボルが得られる。データサンプルとパイロットサンプルとの比が等しいものを用いると、DVB-NGHのPP9 RSは、小さなコヒーレンス帯域幅を有するチャネル、すなわち周波数が激しく歪んだチャネルに特によく適している。
【0015】
時分割多重パイロット(TDMPi:Time Division Multiplex Pilot)として表される別のパイロット方式の原理を図1に示す。この方式では、参照シンボルは、他の任意のDFT拡散OFDMシンボルと同様に変調される。送信されるサンプルのベクトルは、2つの部分に分割される。第1の部分は、受信機において知られている所与の数の参照サンプルを含む一方、第2の部分は、情報データを含む。参照サンプルの量は、通常、チャネルのコヒーレンス帯域幅に従って選択される。原理は、ここでは、短いOFDMシンボルとして受信機によって使用される既定のパターンを含むシンボルを生成することである。しかしながら、DFT拡散OFDM変調によって適用される巡回畳み込みによって、参照シンボルの前部における変調されたサンプルは、参照サンプルに依存するだけでなく、参照サンプルの右側に隣接するサンプル及び巡回性によってベクトル内の最後のサンプルにも依存する。
【0016】
パイロットに対するデータの干渉を低減するために、TDMPi方式は、パイロット及び情報データを個別に変調し、パイロット部分に対する情報データサンプルの寄与は、2つの変調されたベクトルを加える前にゼロにされる(DFT拡散OFDM変調は線形である)。この手法の重要な利点は、ゼロ化操作が、生成される信号の包絡線を変更しないことである。参照シンボルは、したがって、前部がどのような長さであっても、DFT拡散OFDM変調の良好なPAPR特性を維持する。TDMPi方式のもう1つの重要な特徴は、全体的なシンボルではなく前部に関係したサイクリックプレフィックスを挿入することである。そうすることで、受信機は、そのCPを含む通常のOFDMシンボルに酷似している参照シンボルの前部からチャネルを推定することができる。
【0017】
この方式は、チャネルが概ね平坦で、時間とともにゆっくりと変化する衛星伝送の状況向けに特に設計される。したがって、基本原理は、参照シンボルによって搬送されるデータの復調のために性能の僅かな劣化を犠牲にして、少数の参照シンボルから正確なチャネル推定を可能にすることである。それらのデータの復調は、ゼロ化操作に起因したOFDM変調の直交性の破壊と、小さなOFDM参照シンボルとして機能する前部サンプルを包含するパイロットCP(PCP:pilot CP)によるグローバルCPの取り替えに起因した巡回性の欠如との2つの有害な影響を受ける。実際のところ、劣化は、データ部分の両端において特に大きい。
【0018】
TDMPiパイロット方式のもう1つの限界は、全体的なシンボルの巡回性の欠如(CPの代わりにPCP)に関係している。復調FFT窓がCPにおいて数サンプル後方に位置決めされる場合、信号は、データ部分の最後のサンプルの復調用の情報を含まない。これは、同期問題を回避するとともに、その正確な電力遅延プロファイルに関する知識の欠如に起因したチャネル推定におけるいくつかの不完全性を低減するために、CPにおいてその長さの最大で半分までのシフトを適用する衛星伝送以外の状況ではかなり一般的である。
【0019】
DFT拡散OFDM変調のチャネル推定を可能にする低PAPRを有する、パイロットとしても知られているハイブリッド参照シンボルを定義する必要がある。この変調は、大部分が、衛星伝送等の、電力増幅器を飽和の近くで駆動することによって省電力化が必要とされる状況で使用される。したがって、参照シンボル用の信号を含めて、低い電力変動を示す信号に依存することが必要とされる。低PAPRを有する参照シンボルの構築は、OFDMにおける参照シンボルの構築よりも複雑である。なぜならば、信号のどの変更もその電力包絡線を大幅に劣化させる可能性があるからである。低PAPRからの利益を得るために、既存の解決策は、データを上回るパイロットサンプルの固定された高い比率を示すか、又は、チャネル推定と埋め込みデータ復調品質との間の裁定を必要とする。
【0020】
上記で説明したように、TDMPi参照シンボルは、重要な要件が参照シンボルの挿入を最小にして、低PAPRを維持しながら衛星における多くとも電力を節約することである、衛星伝送等の状況に特によく適している。これが、パイロットパターンに専用のCPを構築するために特定のサンプルを当てるのではなく、標準的なCPをパイロットCPに取り替える主な理由である。副作用として、受信機は、FFT窓がCPにおいて数サンプル後方に位置決めされる場合には、シンボル内の最後のサンプルを復調する情報を欠いている場合がある。また、グローバルCPの場合と異なり、PCPの末尾とDFT拡散OFDMシンボルの先頭との間の接合部に振幅連続性がない。これは、帯域外(OOB:out-of-band)放射の原因である。この放射は、フィルタリングによって削減することができるが、小さなOFDMシンボルの巡回性の劣化という犠牲を伴う。解決策は、スペクトル効率の劣化という代償を払うが、シンボルの末尾に参照サンプルを追加することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記状況を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
そのため、本発明は、少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信する方法であって、無線信号は、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される少なくとも1つの送信モジュールを備える放射器によって放射されるように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さい。無線信号は、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むようなK個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
出力信号において、第1の位置T1と第2の位置T2との間のR個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、
更新された出力信号の第1の位置T1と第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号に対応する無線信号を送信することを考慮して、ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルをハイブリッドシンボルに付加して、サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号を取得することと、
によって提供される、方法に関する。
【0023】
通信システムは、ワイヤレス通信システム又は有線通信システムである。送信モジュールは、ワイヤレス通信システムにおける無線信号の送信の場合には送信アンテナであり、有線通信システムにおける信号の送信の場合には有線送信インターフェースである。
【0024】
送信されるデータサンプルは、送信される無線信号に含まれることになる情報サンプルである。ハイブリッドシンボルは、データサンプル及び参照サンプルの双方を含むシンボルである。参照サンプルは、チャネル推定等の復調目的だけでなく同期等にも使用される受信機において知られているサンプルである。
【0025】
DFT拡散OFDM型方式は、DFT拡散OFDMのタイプの信号変調である。DFT拡散OFDM型方式は、DFT拡散OFDM変調(DVB、3GPP等)に依存する任意の既存の又は将来の標準規格又はシステムに従った変調を信号に適用する。DFT拡散OFDM方式を適用することは、N/K比を用いて、元のK個のサンプルのブロックのサンプルをオーバーサンプリングすることである。換言すれば、変調された信号は、元のKd個のN/K倍のサンプルを含む。N/Kが整数である場合には、元のKd個のサンプルは、送信される無線信号に直接含まれる。
【0026】
「ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプル」は、通常、上記ハイブリッドシンボルの最後の部分の実質的に同一のコピーである。G、T1及びT2の値に応じて、ハイブリッドシンボルのサイクリックプレフィックスは、ハイブリッドシンボルのデータセクションの少なくとも一部及び/又はハイブリッドシンボルの参照セクションの少なくとも一部を含むことができる。
【0027】
DFT拡散OFDMデータシンボル内の元のサンプルを、
-変調された信号の対応する部分をゼロ化することと、
-参照サンプルのベクトルを挿入することと、
によって取り替えることは、上記元のサンプルの寄与を上書きすることと同等である。インデックスT1及びT2は、これらの元のサンプルの位置を特定する。
【0028】
したがって、(N-R)個のデータサンプルは、DFT拡散OFDM型方式の適用によってコム構造(comb structure)に配置される一方、シングルキャリア変調の低電力変動は、(N-R)個のデータサンプルがS個の参照サンプルと多重化されてハイブリッドシンボルを形成しても、参照サンプルも低PAPRを示すように生成される限り、維持される。
【0029】
一実施の形態において、更新された出力信号の第1の位置T1と第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して後続信号を取得することは、後続信号が、n=[T1;T1+L-1]のそれぞれについて、ハイブリッドシンボルの参照セクションのサイクリックプレフィックスを形成するサイクリックプレフィックスサンプルCPRSを無線信号に含むように、L個のサイクリックプレフィックスサンプルを第1の位置T1と第2の位置T2との間に挿入することを更に含む。
【0030】
一例として、ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する挿入された(S+L)個のサンプルは、それ自体のサイクリックプレフィックスによって保護される真のOFDMパイロットに対応することができ、その場合、そのようなハイブリッドシンボルのS個の参照サンプルを使用すると、チャネルを推定するOFDM変調の効率及びロバスト性を高めることができる。
【0031】
加えて、放射される無線信号内のハイブリッドシンボルの構造を使用すると、送信信号の構造を変えることなく、DFT拡散OFDM型方式の適用後のN個の総サンプルに対するS個の参照サンプルの比(又は等価的に、変調されるサンプルの総数Kに対するKd個のデータサンプル及びK0個の参照サンプルの割合)を調整することができる。これにより、S個の参照サンプルを挿入する特定の位置を規定することも可能になる。実際、コヒーレンス帯域幅の観点からのチャネルの要件に従って、既定の参照対データ比を有する無線信号を提供することが望ましい。受信機が、例えば、ハイブリッドシンボル全体を復調する必要なく、ハイブリッドシンボルの参照サブセクションのみを復調してチャネル推定を実行することができるように、参照サブセクションは、受信機によって知られている位置、例えばデフォルト位置にあることも望ましい。
【0032】
これらの追加の要件に適合する無線信号を提供するため、S個の参照サンプルが挿入される位置T1が目標位置と一致するようにK個のサンプルのブロック内の第1の位置J1を求めることと、K0個のデータサンプルに対するS個の参照サンプルの比が目標比と一致するようにK個のサンプルのブロック内の第2の位置J2を求めることとができる。
【0033】
K個のサンプルのブロックにDFT拡散OFDM型方式を適用することによるKd個のデータサンプルの変調から取得される信号と同様のスペクトル特性を有するS個の参照サンプルを生成する必要があることに留意すべきである。チャネルの推定を容易にするために、信号をOFDM信号として生成することが提案される。低電力包絡線変動を有する参照シンボルを生成する目的に関しては、PAPRの劣化を可能な限り回避するようにS個の参照サンプルを生成することも好ましい。前述したように、OFDM変調は、低PAPR信号を生成することに特に適していない。しかしながら、特に参照信号は、変調されるサンプルの慎重な選択を通じて電力変動を低く維持することが可能である。
【0034】
限定ではないが、一般的な例は、Zadoff-Chu系列である。他の任意のタイプの系列だけでなく変調方式も、チャネルの推定を可能にするとともに低PAPRを示す限り選択することができる。
【0035】
それ自体のサイクリックプレフィックスによって保護される低PAPRを有する真のOFDMパイロットを挿入することの利点は、以下のとおりである。
-放射される無線信号が、データサンプル及び参照サンプルの双方について低電力変動を示し、これは、衛星伝送等の飽和の近くで電力増幅器を駆動することによって節電することが必要とされる状況では特に望ましいこと、
-受信機におけるOFDMパイロットの復調が、いくつかの利用可能なOFDMチャネル推定技法のうちの任意のものを使用して無線信号を送信するのに使用されるチャネルの正確な推定から利益を得ることができること、
-上記のように構築されたハイブリッドシンボルが、放射される信号において搬送される他の任意のシンボルと同じサンプル数を維持しながら参照サンプルの任意の割合を含むことができ、これは、1つ以上の上記のように構築されたハイブリッドシンボルをデータシンボルとともに、例えば、時間領域においてそれぞれ同じ長さを有するOFDMシンボルで構成されたサブフレームからなるLTE無線フレーム構造に従って送信することを可能にすること。
【0036】
一実施の形態において、所定の参照サンプルは、CAZAC系列に対してOFDM変調を適用することによって生成される。CAZAC系列は、より具体的にはZadoff-Chu系列とすることができる。OFDM型方式がいくつかの特定のパラメータを用いてCAZAC系列又はZadoff-Chu系列に対して適用された結果、別のCAZAC系列又は別のZadoff-Chu系列をオーバーサンプリングしたものが得られる。良好な相関特性に加えて、無線信号内のそのような系列は、低包絡線変動、すなわち低PAPRを有する。OFDM型方式をそのような系列に適用することによって変調され、その後、低い計算複雑度を有するハイブリッドシンボルの参照サブセクションとして挿入される参照サンプルを構築することが可能である。
【0037】
一実施の形態において、K個のサンプルのブロックは、K1=J1であるK1個の連続したサンプルの前部と、K2=K-J2及びK1+K2=KdであるK2個の連続したサンプルの後部とを含む。換言すれば、J1及びJ2は、J1が0と異なり、J2がK-1と異なるように規定される。その結果、無線信号内の送信されるハイブリッドシンボルでは、前部及び後部は非ヌルであり、すなわち、ハイブリッドシンボルの最初のサンプル及び最後のサンプルはデータサンプルである。或いは、K1又はK2は0に等しくすることができ、その結果、ハイブリッドシンボルの最初のサンプル又は最後のサンプルは参照サンプルである。
【0038】
いくつかの実施の形態を以下に開示する。これらの実施の形態では、特に、K個のサンプルのブロック内の第1の位置J1と第2の位置J2との間のK0個の連続したサンプルによって保持される値が異なる。
【0039】
一実施の形態において、方法は、DFT拡散OFDM型方式を適用する前に、K個のサンプルのブロック内の第1の位置J1と第2の位置J2との間のK0個の連続したサンプルの値を0に設定し、出力信号を取得することを更に含む。
【0040】
K0個の連続したサンプルの値を0に設定することは、参照シンボルが導入されることになる適した出力信号を取得する簡単で費用のかからない方法である。しかしながら、0に設定されたK0個の連続したサンプルを中央部(第1の位置J1と第2の位置J2との間)に含むK個のサンプルのブロックにDFT拡散OFDM型方式を適用した後、結果の出力信号は、DFT拡散OFDM型方式を適用することによる変調のフィルタリング効果からもたらされるサンプル間干渉に起因した非ゼロのシンボルを中央部(第1の位置J1に対応するインスタントと第2の位置J2に対応するインスタントとの間)に含む。それらのシンボルを0に設定すると、その結果、OFDM型信号の特性をもはや有しない変更された信号が得られ、この信号は、復調の品質を特に低下させるおそれがある。
【0041】
一実施の形態において、K個のサンプルのブロック内のK0個の連続したサンプルの少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用して出力信号を取得する前に、
(a)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプル(A’;...;A’K-1)の一時的なブロックを取得することと、
(b)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示すK個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用した結果として第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を、K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって取得される。
【0042】
この実施の形態によれば、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプルを取得するように選択されるK0個の一時的な連続したサンプル(A’J1;...;A’J2)はゴーストサンプル、すなわち送信される信号の生成に関与するが、送信される有用なデータを搬送するKd個のデータサンプルとは逆に、それ自体はサンプルとして、すなわち情報を搬送するサンプルとして送信されないサンプルであることに留意すべきである。
【0043】
DFT拡散OFDM変調の線形性に起因して、類似レベルを示す基準は、線形システムとして記述することができる。一般に、システムは優決定である。したがって、最小二乗手法を適用して解を計算することができる。
【0044】
本明細書全体を通して、基準は、第1のデータセットと第2のデータセットとの間の類似を評価する代数的方法又は統計的方法に関係のある任意の値とすることができる。本明細書において、第1のデータセットは、R個の複素サンプルS’の上記少なくとも一部の値に対応し、第2のデータセットは、ヌル値に対応する。上記基準は、例えば、代数的方法の場合には、L1ノルム、ユークリッド距離(L2ノルム)等を含むことができ、統計的方法の場合には、R個の複素サンプルの平均値、標準偏差、加重平均値等を含むことができる。
【0045】
上記(a)、(b)、(c)、(d)のシーケンスは、K0個の一時的な連続したサンプルの最適化された値を求める代数的方法又は統計的方法の一部とすることができる。この目的に使用することができる関係のある統計的方法の例としては、最小二乗法、加重最小二乗法、χ法等がある。
【0046】
本明細書全体を通して、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の上記少なくとも一部を求めることは、線形連立方程式等の連立方程式を解くことを含むことができる。そのような線形連立方程式は、通常、可能性のある解(ここでは、K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2))ごとに、上記可能性のある解の各サンプルに関連した値と、上記可能性のある解に関連した基準の値との間の関係である線形方程式を含む。そのような線形連立方程式は、通常、求められる解の値と、最適化された値(ここでは、ヌル値を用いて求められる解の完全な類似に対応する値)に設定される上記求められる解に関連した基準の値との間の関係である線形方程式を更に含む。
【0047】
そのような連立方程式を解くことは、正確な解、ここでは、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の上記少なくとも一部の正確な値を見つけることに必ずしも対応しない。
【0048】
実際は、線形連立方程式は一般に優決定である。そのような場合に、線形連立方程式を解くことによって、代数変換の結果として、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の上記少なくとも一部が求められる。
【0049】
必要な場合には、連続する反復によって、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用することによる変調後に、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS’個のシンボルが0に接近するように、K0個の連続したサンプルの寄与がKd個のデータサンプルの寄与をキャンセル除去することに資するような方法でK0個の連続したサンプルを求めることが可能である。
【0050】
実際は、上記のように求められたK0個のサンプルは、信号の同じ部分にわたるデータサンプルの寄与の逆に近い寄与を位置[T1,T2]にわたって生成する。
【0051】
この手法の主な利点は、n=[T1;T2]のそれぞれについてRS個の参照サンプルのインデックスに対応するサンプル位置の全て又は一部に対する変調後のデータの寄与を0に設定することが、復調性能に有害であり得る雑音の生成を少なくするということである。
【0052】
一実施の形態において、K0個の一時的な連続したサンプルの少なくとも一部を求めることは、最小二乗法を適用することを含む。
【0053】
最小二乗方法を適用することによって、変調後のK0個の連続したサンプルの寄与とKd個のデータサンプルの寄与との間のユークリッド距離を最小にする、K0個の一時的な連続したサンプルの値を設定することが可能になる。
【0054】
一実施の形態において、K個の連続したサンプルのブロック内のK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部は、ゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルである。ゴーストパイロットタイプのゴーストサンプル、又はゴーストパイロットは、DFT拡散OFDM型方式を適用することによる変調後に[T1,T2]の間の信号部分が、ゼロ化後に挿入されたサンプルを模倣する信号を生成するのに使用されるサンプルである。用語「ゴースト」は、パイロット部分に対するそれらの直接的な寄与が消去されることに関係している。いくつかの場合には、ゴーストパイロットを受信機において知っており、復調後にデータサンプルに対するそれらの寄与を補償することは有用であり得る。これは、ゴーストパイロットがデータサンプルの影響なしに挿入されるサンプルSからだけで生成されるときに特に当てはまる。
【0055】
一実施の形態において、K個の連続したサンプルのブロック内のK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用して出力信号を取得する前に、
挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された挿入されるS個の参照サンプルを含む参照信号を取得することと、
逆DFT拡散OFDM型方式を参照信号に適用して、K0個の連続した復調されたサンプルを含むK個の復調されたサンプルのブロックを含む復調された参照信号を取得することと、
K個のサンプルのブロック内のK0個の連続した復調されたサンプルの少なくとも一部を、K0個の連続したサンプルの少なくとも一部を形成するゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルとして挿入することと、
によって求められる。
【0056】
この手法の利点は、変調後に、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルが、挿入されるS個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルを模倣するということである。S個のサンプルがS個の参照サンプルにより多く類似しているほど、挿入によって適用される劣化は小さくなる。
【0057】
参照信号は、挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを挿入されるS個の参照サンプルに付加したものに隣接するいずれのサンプルの値も0に設定することによって取得することができる。この場合に、参照信号は参照サンプルのみを含む。
【0058】
或いは、参照信号は、L個のサイクリックプレフィックスサンプルを挿入されるS個の参照サンプルに付加したものに隣接する、0と異なる値を有する追加のサンプルを更に含むことができる。そのような参照信号を取得するための一例は、以下のものである。
-送信されるKd個のデータサンプル及び0に設定された値を有するK0個の連続したサンプルを含むK個のサンプルのブロックにDFT拡散OFDM型方式を適用し、無線信号においてn=0~N-1であるN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得すること;
-上記のように取得された出力信号において、第1の位置T1と第2の位置T2との間のR個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得すること;
-上記のように取得された更新された出力信号の第1の位置T1と第2の位置T2との間にS個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルを挿入して、参照信号を取得すること。
【0059】
変調後、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルは、ハイブリッドシンボルを形成するために変調後に挿入されるS個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルと僅かに異なることに留意すべきである。
【0060】
実際は、逆DFT拡散OFDM型方式を参照信号に適用することによって、K個の復調されたサンプルが取得される。これらのK個のサンプルは、参照信号に当初から存在する全情報を含む。これらのK個の復調されたサンプルの中で、K0個の連続する復調されたサンプルのみが保持され、その結果、情報が失われる。Kd個のデータサンプル及びK0個の連続する復調されたサンプルを含むK個のサンプルのブロックを変調するとき、したがって、参照信号に当初から存在するn=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルを正確に取得することは可能でない。しかしながら、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルの値を0に設定し、その後、S個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルを挿入することによって、出力信号に類似し、復調性能及び帯域外放射の放出に関して同様の特性を維持する後続信号が得られる。一般に、変調されたシンボルを挿入されたOFDMシンボルに取り替えることは、帯域外放射の放出を引き起こす振幅不連続性をもたらすことに留意すべきである。上述した実施の形態において、変調されるサンプルは、取り替えられる変調されたシンボルが、挿入されるOFDMシンボルに類似するように求められるので、振幅ジャンプは最小にされる。
【0061】
代替の実施の形態において、K個の連続したサンプルのブロック内のK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用して出力信号を取得する前に、
(a)複数の、K個のサンプル(A”;...;A”K-1)の一時的なハイブリッドブロックであって、K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれは、
送信されるKd個のデータサンプルと、
ゴーストパイロットタイプのK0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A”J1;...;A”J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックを取得することと、
(b)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに適用した結果として、第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルS”の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれについて、
R個の複素サンプルS”の少なくとも一部の値と、
挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された挿入されるS個の参照サンプルの少なくとも一部の値と、
の間の類似のレベルを示すK個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用した結果として第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された挿入されるS個の参照サンプルの少なくとも一部の値との類似の最適化されたレベルを示すように、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を、K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックと、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって求められる。
【0062】
ここで、(a)におけるK個のサンプルの一時的ハイブリッドブロックのそれぞれは、上記で提示したような任意の代数的方法又は統計的方法に従って(d)において解かれる最適化問題の候補として、ゴーストパイロットタイプのK0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A”J1;...;A”J2)を含む。この最適化問題の解は、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を形成するゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルである。
【0063】
したがって、変調後、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルも、挿入されるS個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルを模倣する。
【0064】
一実施の形態において、方法は、
(e)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なブロック(A’;...;A’K-1)を取得することと、
(f)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(g)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示すK個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(h)DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用した結果として第1の位置T1と第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについてのR個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、K0個の連続したサンプルの少なくとも一部を、K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(g)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
(i)(h)において求められたK0個の連続したサンプルの少なくとも一部に基づいて、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を更新することと、
を更に含む。
【0065】
K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)を更新することは、例えば、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)のそれぞれの値を、同じインデックスを有するK0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)の対応するそれぞれの値と合計することに対応することができる。
【0066】
したがって、DFT拡散OFDM型方式をK個のサンプルのブロックに適用することによる変調後、Kd個のデータサンプルの寄与は、そのように変更されたK0個の連続したサンプルの寄与によって補償される。したがって、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルは、挿入されるS個の参照サンプル及びL個のサイクリックプレフィックスサンプルをより正確に模倣する。
【0067】
一実施の形態において、K個のサンプルのブロックのK0個の連続したサンプルの少なくとも一部の値を更新することは、
Pa1、Pa2が正の整数であり、Pa1+Pa2はK0未満であるとして、K0個の連続したサンプルが、
Pa1個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ1+Pa1)の前部と、
中央部(AJ1+Pa1+1;...;AJ2-Pa2-1)と、
Pa2個の連続したサンプル(AJ2-Pa2;...;AJ2)の後部と、
を含むように、K個のサンプルのブロック内の第3の位置J1+Pa1及び第4の位置J2-Pa2を求めることと、
K0個の連続したサンプルの前部及び後部のサンプルの値を更新することと、
を含む。
【0068】
したがって、K0個の連続したサンプルの前部及び後部のみが更新される。そのような更新は、ハイブリッドシンボルのデータセクションとパイロットセクションの最初のサンプル及び最後のサンプルとの間の振幅不連続性を低減するのに十分である。特に、既に上記で対処した復調性能及び帯域外放射の放出に関する信号特性について、これらの信号特性は、K0個の連続したサンプルの前部及び後部を更新するだけで大幅に最適化することができる。実際、K0個の連続したサンプルの中央部を更新することは、上記特性に対する影響がかなり小さい。例えば、帯域外放射の放出は、OFDMサンプル等の挿入されたサンプルによるK0個の連続したサンプルの前部及び後部のサンプルの取り替えに関係した振幅不連続性に関係している。
【0069】
一実施の形態において、Pa1=Pa2であり、K0個のサンプルの前部及び後部に対する対称効果をもたらす。
【0070】
変調後にシンボルの中央部をデータゼロ化することと、シンボルの中央部にOFDMパイロットを挿入してハイブリッドシンボルのパイロットセクションを形成することとはともに、受信機における劣化をもたらす場合がある。そのような劣化は、上述したようにK個のサンプルのブロックを全体として最適化することによって、又は、ゴーストサンプルがデータサンプルの値に基づいて求められないときは、以下の実施の形態に従ってKd個のデータサンプルを個別にプリコーディングすることによって、最小にすることができる。この実施の形態において、第1の位置J1と第2の位置J2との間のK0個の連続したサンプルはゴーストサンプルであるので、Kd個のデータサンプルの少なくとも一部の値は、ハイブリッドシンボルのデータセクションに対するK0個のゴーストサンプルの、ハイブリッドシンボル復調時に発生する寄与を補償するように決定される。
【0071】
別の実施の形態において、Kd個のプリコーディングされたデータサンプルと、K0個の連続したゴーストサンプルとを含むK個のサンプルのブロックにDFT拡散OFDM型方式を適用することから取得されるハイブリッドシンボルのデータセクションは、Kd個のプリコーディングされていないデータサンプル(A;...;AJ1-1;AJ2+1;...;AK-1)と、その値が0に設定されたK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)とを含むブロックに同じDFT拡散OFDM型方式を適用した場合と実質的に同じである。
【0072】
したがって、変調前に、ハイブリッドシンボルにおいて、データセクションが送信されるKd個のデータサンプルに対応するようなKd個のデータサンプルは、DFT拡散OFDM型方式を適用することによって誘発される劣化をキャンセル除去するプリコーディングを用いて、変調後のK0個のサンプルの寄与を補償するようにプリコーディングされる。
【0073】
一実施の形態において、J1、J2、T1及びT2は、
【数4】
及び
【数5】
のように互いに対して規定され、w及びwのそれぞれは非負の整数である。
【0074】
したがって、送信されるKd個のデータサンプルのいずれも、変調後において、n=[T1;T2]のそれぞれについてのS個のシンボルの値を0に設定している間消去されないことが保証される。その上、wの値又はwの値のうちの一方による各正のインクリメントは、ゴーストパイロットを求めるときの1つの追加の自由度を提供する。
【0075】
本発明の更なる態様は、前述した方法に関して放射され、伝播チャネルを通じて送信され、少なくともK個の異なるサブキャリアに対してアクティブであるように構成される受信機によって受信される無線信号を送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を求める方法であって、Kは正の整数であり、方法は、
ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加されたハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、受信された無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、信号が、ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、信号が、ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
ハイブリッドシンボルの参照セクションに少なくとも基づいて、受信される無線信号を送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を求めることと、
を含む、方法に関する。
【0076】
受信信号は、伝播チャネルを介した放射信号の送信後のその放射信号の観測結果である。送信後、受信信号は、減衰、ドップラーシフト、位相雑音、付加雑音及びマルチパス遅延拡散に起因したシンボル間干渉(ISI)等の異なる劣化による影響を受ける。
【0077】
受信信号内のハイブリッドシンボルの参照セクションはチャネル推定値を求めることを可能にし、チャネル推定値はそれ自体、例えば等化器を使用してISIの影響を緩和するのに使用することができる。
【0078】
上記のように求められたチャネル推定値は、受信無線信号を復調するのに使用することができ、特に、ハイブリッドシンボルのデータセクションだけでなく、他のデータのみのシンボルも復調するのに使用することができる。
【0079】
ハイブリッドシンボルの参照セクションに少なくとも基づいてチャネル推定値を求めることは、任意のチャネル推定方法によって行うことができる。
【0080】
簡単なチャネル推定方法は、逆OFDM型方式をハイブリッドシンボルに適用して、受信無線信号を送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を示す逆OFDM型復調された信号を取得することと、例えば、送信された参照サンプルの知識を使用してマルチパス遅延拡散を示す雑音を削減する最小平均二乗推定器(MMSE:minimum mean square estimator)を使用して上記復調された信号を周波数において平滑化及び補間することと、この平滑化された信号に基づいてチャネル推定値を求めることとを含む。
【0081】
代替の実施の形態において、ハイブリッドシンボルの参照セクションに少なくとも基づいてチャネル推定値を求めることは、
-ハイブリッドシンボルの少なくとも一部の複素サンプルSの値及びサイクリックプレフィックスを形成するサンプルの値を0に設定して、S個の参照サンプルRSを含む更新された信号を取得することと、
-更新された信号に逆DFT拡散OFDM型方式を適用して、受信された無線信号を送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を示す連続した参照サンプルのブロックを含む逆DFT拡散OFDM型復調された信号を取得することと、
-復調された信号に基づいてチャネル推定値を求めることと、
を含む。
【0082】
本発明の更なる態様は、少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される放射器を備え、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、電気通信デバイスは、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むようなK個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
出力信号において、第1の位置T1と第2の位置T2との間のR個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、
更新された出力信号の第1の位置T1と第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスをハイブリッドシンボルに付加して、サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号を取得することと、
無線信号を送信することを考慮して、サイクリックプレフィックスを付加されたハイブリッドシンボルを表す信号に対応する無線信号を生成することと、
によって無線信号を生成する処理回路を更に備える、電気通信デバイスに関する。
【0083】
本発明の更なる態様は、通信システム上で送信される無線信号内の少なくともKd個のデータサンプルのグループを受信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリアに対して動作するように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、電気通信デバイスは、無線信号を電気通信デバイスに送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を求める処理回路を更に備え、
無線信号は、
N及びGは正の整数であるとして、ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加されたハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、受信された無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、信号が、ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、信号が、ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
ハイブリッドシンボルの少なくとも一部の複素サンプルS及びサイクリックプレフィックスを形成するサンプルの値を0に設定して、S個の参照サンプルRSを含む更新された信号を取得することと、
逆OFDM型方式を更新された信号に適用して、無線信号を送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を示す連続した参照サンプルのブロックを含む復調された信号を取得することと、
によって、受信無線信号として受信される、電気通信デバイスに関する。
【0084】
非限定的な実施の形態におけるそのような送信デバイスを、図3に示す。
【0085】
図3には、無線信号を受信機3.2に送信する送信機3.1が示されている。受信機3.2は送信機3.1のカバレッジ内に存在する。この送信は、OFDMベースのシステムの状況においてはDFT拡散OFDM型の送信である。この例では、送信機3.1は固定局であり、受信機3.2はモバイル端末であり、3GPPセルラーシステムの状況においては、それらは基地局及びユーザ機器と呼ばれる。送信機3.1はモバイル端末とすることもでき、受信機3.2は固定局とすることもできる。
【0086】
送信機3.1は、1つの通信モジュール(COM_trans)3.3と、1つの処理モジュール(PROC_trans)3.4と、メモリユニット(MEMO_trans)3.5とを備える。MEMO_trans3.5は、コンピュータプログラムを取り出す不揮発性ユニットと、シンボル組み込みパラメータを取り出す揮発性ユニットとを備える。PROC_trans3.4は、本発明によるハイブリッドシンボルを送信するように構成されている。COM_trans3.3は、受信機3.2に無線信号を送信するように構成されている。通信モジュール3.3、処理モジュール3.4及びメモリユニット3.5は、前述したように、ハイブリッドシンボルを送信するデバイスを構成することができる。
【0087】
受信機3.2は、1つの通信モジュール(COM_recei)3.6と、1つの処理モジュール(PROC_recei)3.7と、メモリユニット(MEMO_recei)3.8とを備える。MEMO_recei3.8は、コンピュータプログラムを取り出す不揮発性ユニットを備える。PROC_recei3.7は、無線信号からシンボルを取り出すように構成されている。COM_recei3.6は、送信機3.1から無線信号を受信するように構成されている。
【0088】
本発明の更なる態様は、プロセッサによって実行されると前述した方法を実行するコード命令を含む、コンピュータプログラム製品に関する。
【0089】
非限定的な実施の形態におけるそのようなコンピュータプログラム製品の全般的なアルゴリズムは、以下で説明するような図2に表されている。
【0090】
本発明は、添付図面の図に、限定としてではなく例として示される。添付図面において、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
図1】TDMPi参照シンボルの生成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による方法を実行するプログラムの一般的アルゴリズムのブロック図である。
図3】本発明の実施形態による電気通信デバイスを示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態によるハイブリッドシンボルの生成を示すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態によるハイブリッドシンボルの生成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0092】
図2を参照すると、K個のサンプル(A,...AK-1)のブロック2.1が取得される。K個のサンプルのブロックが、送信されるKd個のデータサンプルと、送信対象でないK0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)とを含むようなこのサンプルのブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2も取得される。
【0093】
Kサイズ離散フーリエ変換(DFT)モジュール2.2が、K個のサンプルのブロックに適用され、周波数領域におけるK個の複素サンプルが取得される。すなわち、K個の割り当てられたサブキャリアの中の各第lのサブキャリアについて1つの複素サンプルが取得される。
【0094】
これらの複素サンプルは、周波数領域においてサブキャリアマッピングモジュール(K×N)2.3を用いて、NサイズIDFTモジュール2.4のN個の入力の中のK個にマッピングされる。サブキャリアマッピングに関して、複素サンプルのベクトル
【数6】
が、サブキャリアマッピングモジュール2.3を介して、N個の既存のサブキャリアの中のK個の割り当てられたサブキャリアにマッピングされる。サブキャリアマッピングは、例えば局所化することができ、すなわち、ベクトルSのK個の要素は、N個の既存のサブキャリアの中のK個の連続したサブキャリアにマッピングされる。サブキャリアマッピングは、例えば分散させることができ、すなわち、ベクトルSのK個の要素は、帯域幅全体にわたって等距離間隔にマッピングされ、未使用のサブキャリアは0によって占有される。
【0095】
次に、Nサイズ逆DFTモジュール2.4が、サブキャリアマッピングモジュール2.3の結果のベクトル
【数7】
に適用され、したがって、送信アンテナ2.0を介して送信されるDFT拡散OFDMシンボルが生成される。より正確には、IDFTモジュール2.4の出力では、信号
【数8】
が取得される。この信号は、DFT拡散OFDMシンボルに対応する時間間隔の間、N個の既存のサブキャリアの中のK個の割り当てられたサブキャリアを占有する。信号
【数9】
は、周波数領域表現が、上記時間間隔の間、l=0~M-1である各第lの占有サブキャリアについて複素サンプルSである時間領域信号である。この時間領域信号
【数10】
はDFT拡散OFDMシンボルに対応する。したがって、信号
【数11】
内のサンプルは、DFT拡散OFDMシンボル内のサンプルを指す。
【0096】
IDFTモジュール2.4の出力では、n=0~N-1である無線信号内のN個の複素サンプルSを含むDFT拡散OFDMシンボルを表す出力信号が取得される。
【0097】
図3を参照すると、提案されたハイブリッドシンボルが、出力信号のDFT拡散OFDMシンボル内にOFDM参照シンボルを挿入することによって取得される。
【0098】
それ自体のCPを含む真のOFDM参照シンボルを挿入する利点は、いくつかの利用可能なOFDMチャネル推定技法のうちのいずれかを使用したチャネルの正確な推定から利益が得られることである。ここでは、DFT拡散OFDMシンボルは、多重の双方のエッジにP個のヌルサブキャリアを追加することによって、K個の時間領域サンプルをN/K倍にオーバーサンプリングしたものを搬送するものと仮定される(N=2P+K)。DFT拡散OFDM参照シンボルに挿入されるOFDMパイロットシンボルのサイズは、コヒーレンス帯域幅に関するチャネルの要件に従って規定される。OFDMパイロットは、DFT拡散OFDM参照シンボル内のどの位置にも挿入することができる。OFDMパイロットは、以前に生成されたDFT拡散OFDM参照シンボル内の対応するサンプルを最初にゼロにすることによって挿入される。
【0099】
そのために、出力信号は、出力信号内の第1の位置T1及び出力信号内の第2の位置T2の値にアクセスするデータゼロ化モジュール2.5に送信される。T1及びT2の値は、J1、J2、K及びNに基づいて求められる。出力信号は、したがって、
- N1個の複素サンプル(S;...;ST1-1)の前部と、
- R個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の中央部と、
- N2個の複素サンプル(ST2+1;...;SN-1)の後部と、
を形成するN個の複素サンプルを含む。
【0100】
データゼロ化モジュール2.5の出力では、出力信号の中央部におけるR個の複素サンプルの値が0に設定され、その結果、更新された出力信号が得られる。
【0101】
更新された出力信号は、それ自体のサイクリックプレフィックスとともに付加されるOFDMパイロットを組み込むパイロット組み込みモジュール2.6に送信される。パイロット組み込みモジュール2.6は、OFDMパイロット及びサイクリックプレフィックスが第1の位置T1から第2の位置T2に挿入されるように第1の位置T1及び第2の位置T2にアクセスする。パイロット組み込みモジュール2.6の出力では、ハイブリッドシンボルを表す後続信号が取得される。
【0102】
サイクリックプレフィックス付加モジュール2.7は、ハイブリッドシンボルに、このハイブリッドシンボルのサイクリックプレフィックスを付加し、次に、この信号は、デジタル/アナログ変換器モジュール(DAC/RF)2.8を使用して変換され、アンテナ2.0によって送信される無線信号を生成することができる。特に、デジタル処理された信号は、電磁信号の伝播条件及び実施中の電気通信規制のために、それ自体では空中に放射することができない。DAC/RFモジュールは、信号の周波数転位を行うことによってこの不利点を克服する。
【0103】
提案されたハイブリッドシンボルの生成は、以下の実施形態において更に詳述される。
【0104】
上記で説明したように、TDMPi参照シンボルは、重要な要件が参照シンボルの挿入を最小にして、低PAPRを維持しながら衛星における多くとも電力を節約することである、衛星伝送等の状況に特によく適している。これが、パイロットパターンに専用のCPを構築するために特定のサンプルを当てるのではなく、標準的なCPをパイロットCPに取り替える主な理由である。副作用として、受信機は、FFT復調窓がCPにおいて数サンプル後方に位置決めされる場合には、シンボル内の最後のサンプルを復調する情報を欠いている場合がある。その上、グローバルCPの場合と異なり、PCPの末尾とDFT拡散OFDMシンボルの先頭との間の接合部に振幅連続性がない。これは、帯域外(OOB)放射の原因である。この放射は、フィルタリングによって削減することができるが、小さなOFDMシンボルの巡回性の劣化という犠牲を伴う。解決策は、更なる性能の劣化という代償を払うが、シンボルの末尾に参照サンプルを追加することである。
【0105】
提案されたハイブリッドシンボルは、TDMPi方式の限界を補償する。提案されたハイブリッドシンボルの基本的な原理は、一実施形態において、真のOFDMシンボルをDFT拡散OFDMシンボル内に挿入することである。それ自体のCPを含む真のOFDM参照シンボルを挿入する利点は、いくつかの利用可能なOFDMチャネル推定技法のうちのいずれかを使用したチャネルの正確な推定から利益が得られることである。ここでは、DFT拡散OFDMシンボルは、多重の双方のエッジにP個のヌルサブキャリアを追加することによって、K個の時間領域サンプルをN/K倍にオーバーサンプリングしたものを搬送するものと仮定される。DFT拡散OFDM参照シンボルに挿入されるOFDMパイロットシンボルのサイズは、コヒーレンス帯域幅に関するチャネルの要件に従って規定される。OFDMパイロットは、DFT拡散OFDM参照シンボル内のどの位置にも挿入することができる。OFDMパイロットは、以前に生成されたDFT拡散OFDM参照シンボル内の対応するサンプルを最初にゼロにすることによって暗黙的に挿入される。
【0106】
情報データを搬送する元のサンプルが消去されることによって、それらの復調が劣化することは明らかである。
【0107】
図4を参照すると、一実施形態において、解決策は、OFDMパイロットの位置に対応するインデックスにゼロを含むベクトルを用いてDFT拡散OFDM参照シンボルを生成することである。変調後、変調前のゼロの位置に対応する信号の部分は、ディリクレカーネルとの巡回畳み込みに起因したゼロに隣接するデータからの寄与を含むことになる。この寄与は最初にゼロにされ、OFDMパイロットシンボルのサンプルの挿入が可能になる。
【0108】
上記で説明したように、変調前のゼロの位置に対応する信号の部分は、ゼロに隣接するデータからの寄与を含む。これらのサンプルに対してゼロ化操作を適用することは、必然的に、基礎をなすOFDM信号の直交性を破壊し、特にゼロサンプルに近い復調されたデータについて、それらのデータにいくつかの劣化をもたらす。
【0109】
図5を参照すると、一実施形態において、変調後の中央部に対するデータの寄与を可能な限り多く削減するように計算されたパイロットサンプルを変調前に挿入することが提案される。これらのパイロットサンプルの寄与は、ゼロ化操作によってほとんどキャンセルされるので、本明細書において、いわゆるゴーストパイロットタイプのゴーストサンプル又はゴーストパイロット又はゴーストパイロットサンプルと記載される。
【0110】
OFDMパイロットは、S個のサンプルが、サンプルの総数R=S+Lを与える長さLを有するCPを用いて拡張されたものから構成される。OFDMパイロットは、[0,N-1]の番号付けを前提とする長さNを有するDFT拡散OFDM参照シンボルにおけるインデックスT1に挿入されるものと仮定する。OFDMパイロットの最後のサンプルは、したがって、インデックスT2=T1+R-1に挿入される。変調前のパイロットサンプルを搬送する最初のサンプル及び最後のサンプルのインデックスは、以下のように規定される。
【数12】
及び
【数13】
これらの式において、floor()関数は、入力として実数xを取り、出力としてx以下の最大整数を与える関数であり、ceil()関数は、出力としてx以上の最小整数を与える関数であり、w及びwは、スペクトル効率の損失を制限するために一般に小さな正の整数(0~1又は2)である。挿入されるOFDMパイロットの最初のサンプル又は最後のサンプルがデータ位置の非常に近くに位置する状況では、wを少なくとも1に設定することがより良好であることに留意されたい。その結果、元のベクトルは、以下の3つの部分に分割される。
-前部:インデックス[0,J1-1]のK1=J1個の情報データ、
-中央部:インデックス[J1,J2]のK0=J2-J1+1個のパイロットサンプル、及び
後部:インデックス[J2+1,K-1]のK2=K-K1-K0個の情報データ。
【0111】
元のベクトルにおける前部及び後部によって搬送されるデータの総数は、Kd=K1+K2として表される。
【0112】
前部及び後部内で搬送されるサンプルは、情報データ若しくはユーザデータ又は有用なデータとして表される。DFT拡散OFDM変調後、中央部は、挿入されたパイロットサンプルにほとんど依存するが、前部及び後部のサンプルとディリクレカーネルとの巡回畳み込みに起因したデータの寄与も含む。OFDMパイロットの挿入前に、信号は以下の3つの部分に分解される。
-前部:インデックス[0,T1-1]の変更されていないN1=T1個のデータサンプル、
-中央部:インデックス[T1,T2]の強制的にゼロにされたN0=R個のサンプル、及び
-後部:インデックス[T2+1,N-1]の変更されていないN2=N-N1-N0個のデータサンプル。
【0113】
最後に、低PAPRを保証する任意の方法に従って生成される長さRを有するOFDMパイロットが、R個のパイロットによって占有される箇所に挿入される。代表的ではあるが制限的な解決策は、3GPP/LTEセルラーシステムのアップリンクにおいて使用されるようないわゆるZadoff-Chu系列である。変調された信号における前部及び後部によって搬送されるデータの総数は、Nd=N1+N2として表される。
【0114】
提案されたアルゴリズムは、DFT拡散OFDM変調の行列記述を使用して最適に導入される。第1のステップにおいて、変調及び復調がともに、残りの記述の参照用として機能する行列変換として記述される。xは、サイズKを有するデータブロックxにパースされるデータ(情報)サンプルを示す。第iのデータブロックx(i)は、したがって、x(i)=[x (i),...,x(K-1) (i)として記述することができる。
【0115】
全体的な信号に対するデータの寄与が以下に詳述される。データブロックx(i)は、A=Pを使用する行列積として記述することができるK点正規化直接形式(K-point normalized direct form)離散フーリエ変換(DFT)を使用して、周波数が最初に拡散される。上記式において、Pは、これが適用される行列の各列の半分を取り替える(K,K)置換行列であり、Fは、第k行第n列に要素
【数14】
を有する(K,K)行列の形式のK点正規化離散フーリエ変換(DFT)である。この式において、k,n=0...K-1であり、ω=exp(j2π/K)は1の原始べき乗根である。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、行列
【数15】
を使用してOFDM変調される。この式において、Pは、これが適用される行列の各行の半分を取り替える(N,N)置換行列であり、F は、N点正規化逆離散フーリエ変換(IDFT)である。この行列では、拡散データの寄与のみが保持され、ヌルサブキャリアは無視される。
【数16】
この式において、ModSubCarrierMaskは、多重におけるK個の変調されたサブキャリアの長さNを有するインデックスのベクトルに対応する。
【0116】
最後に、生成される信号は、(N,K)行列C=Bm Aを使用して計算することができる。
【0117】
生成される信号は、y(i)=C x(i)によって与えられる。
【0118】
簡単にするために、シンボルのrank(i)への言及は、本明細書の残りの部分では無視される。受信機において、信号は、行列
【数17】
を使用して最初にOFDM復調される。この行列では、変調されたサブキャリアの寄与のみが保持される。
【数18】
【0119】
理想的なゼロフォーシング等化を有するとともに付加雑音を有しない完全なチャネル推定が仮定される(より関係のある等化への拡張は簡単である)。チャネル推定の結果を使用した等化の後、復調されたサンプルは行列E=P を使用して逆拡散される。
【0120】
全体的に見て、サンプルは、(K,N)行列F=E Dmによって復調される。
【0121】
有用なデータの復調に対するゼロ化操作の寄与が以下に説明される。この場合も、理想的なゼロフォーシング等化を有するとともに付加雑音を有しない完全なチャネル推定が仮定される。生成される信号の前部及び後部における有用なデータの寄与が計算される。有用なデータサンプル及びゴーストパイロットの双方を考慮する際に、上述したような行列Aを使用して計算される拡散操作を最初に検討する。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、前部及び後部のサンプルのみが保持される行列Bmを使用してOFDM変調される。
【数19】
この式において、DataPosMaskAfterは、生成される信号内のNd個の有用な前部及び後部の長さNを有するインデックスのベクトルに対応する。全体的に見て、生成される信号の前部及び後部に対する元のベクトルの寄与は、(Nd,K)行列Cd=Bdm Aから取得される。
【0122】
受信機において、信号は、前部及び後部の寄与のみが保持される(中央部はゼロにされる)行列Dmを使用して最初にOFDM復調される。
【数20】
【0123】
チャネル推定の結果を使用した等化の後、復調されたサンプルは、復調されたベクトルの後部及び前部の結果のみが保持される行列Eを使用して逆拡散される。
【数21】
【0124】
復調は、したがって、行列Fz=Ed Dmdを使用して行われる。
【0125】
全体的に見て、ゼロ化の適用を伴う有用なデータの復調の結果は、したがって、(Kd,K)行列Gz=Fz Cdを使用して計算される。
【0126】
中央部に対するデータ寄与を削減する一実施形態におけるゴーストパイロットの生成が以下に詳述される。目的は、中央部に対するデータ寄与をキャンセル又は少なくとも削減するパイロットサンプルのベクトルを計算することである。
【0127】
は、ゼロにされたサンプルの位置に変調後に挿入される短いOFDMシンボルのパイロットサンプルを示す。短いOFDMパイロットは、長さRを有する次のベクトル、すなわちs=[s,...,sR-1として記述される。
【0128】
は、変調前のベクトルxの中央部を満たすゴーストパイロットサンプルを示す。ゴーストパイロットは、長さK0を有する次のベクトル、すなわちp=[p,...,pK0-1として記述される。
【0129】
最後に、便宜上、情報データのセットはdによって表され、長さKdを有する単一のベクトルd=[d,...,dKd-1としてグループ化される。
【0130】
生成される信号の中央部に対する有用なデータの寄与が以下に説明される。行列Aを使用して計算された拡散操作は、有用なデータのみを考慮する。
【数22】
この式において、DataPosMaskBeforeは、データブロックx内のKd個の有用なデータの長さKを有するインデックスのベクトルに対応する。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、中央部のサンプルのみが保持される行列Bmを使用してOFDM変調される。
【数23】
この式において、PilotPosMaskAfterは、生成される信号における中央部のR個のサンプルのインデックスのベクトルに対応する。全体的に見て、生成される信号の中央部に対する元のベクトルの前部及び後部の寄与は、(R,Kd)行列Cpd=Bpm Adから取得される。
【0131】
同様に、生成される信号の中央部に対するゴーストパイロットの寄与が計算される。行列Aを使用して計算される拡散操作は、中央部を満たすゴーストパイロットのみを考慮する。
【数24】
この式において、PilotPosMaskBeforeは、データブロックx内のゴーストパイロットサンプルの長さK0を有するインデックスのベクトルに対応する。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、行列Bpmを使用してOFDM変調される。全体的に見て、生成される信号の中央部に対する元のベクトルのゴーストパイロットの寄与は、(R,K0)行列Cpp=Bpm Apから取得される。ゴーストパイロットサンプルのセットは、次の線形システム、すなわちCpp p=-Cpd dの解として取得される。
【0132】
(N0,K0)行列Cppはフルランクであり、列よりも多くの行を有するので、対応するシステムは正確な解を有しない。そのような場合には、最小二乗解
【数25】
を計算することが一般的である。
【0133】
実験は、誤差が一般に小さく、そのようなものとして取得されたベクトルが、復号化されたデータに対するゼロ化操作の影響を低減することを示している。データ寄与のキャンセルが実施される点の数を削減するが、その目標を達成するのに使用されるゴーストパイロットの数も削減することも可能である。一般性を失うことなく、ゴーストパイロットは、等しいサンプル数Kbを用いて中央部の両側に配置されると仮定される。同様に、キャンセル除去されるサンプルは、等しいサンプル数Kaを用いて中央部の両側に配置される。以下の2つの場合に適合することができる。
- Ka≧Kb:繰り返しになるが、システムは優決定であり、最小二乗解のみを計算することができる。この手法の利点は、計算コストが削減されることである。残余誤差に加えて、データの復調は、中央部の中央にある残りのデータ寄与に適用されるゼロ化に起因して劣化される可能性がある(ゴーストサンプルを使用して低減されない可能性がある)。この影響は、データ寄与振幅が、前部及び後部のデータ部分から離れるにつれて減少していくので、一般に小さい。
- Ka≦Kb:この場合に、システムは劣決定であり、いくつかの解が存在する。最小二乗振幅を有する解を選択するのが一般的である。この場合に、ゼロ化を実施することが可能である。しかしながら、システムは、潜在的にいくつかの自由度を有するので、システムは、中央部の中央に位置するゴーストパイロットサンプルが非常に大きな振幅を示す解を与える可能性がある。これは、PAPRの劣化をもたらす可能性がある。代替形態は、その場合に、残余誤差を犠牲にするが、パイロットの振幅に対する制約を有するシステムを解くことである。
【0134】
データ寄与の大幅な削減を得るには、変調前の中央部の両側のそれぞれにあり、生成された信号の中央部に含まれない少なくとも1つのパイロットから利益を得ることが好ましい。これを行うために、
【数26】
として定義される、パイロットサンプルを搬送する最初のサンプル及び最後のサンプルのインデックスは、w及びwが少なくとも1に等しくなるように選ばれるべきである。より良好な結果は、両側のそれぞれに2つのパイロットがある場合、すなわち、w及びwが少なくとも2に等しい場合に得られる。しかしながら、見つかった解が特にこれらのサンプルについて高い振幅を示す可能性があることを起こり得る。繰り返しになるが、代替形態は、その場合に、パイロットの振幅を制約しながらシステムを解くことである。
【0135】
生成された信号の中央部の全て又は一部のデータ寄与をキャンセルするゴーストパイロットの適用は、トレードオフの結果からしか得ることができない。実際、中央部にパイロットを挿入することによってデータ寄与を低減するとき、それらのパイロットは、中央部の外側、すなわちデータ部分への拡散を受けやすい。これは、パイロットの全体的な寄与が変更されていない限り、復調にとって問題ではない。しかし、本場合には、ゼロ化操作が、ゴーストパイロット成分の直交性を破壊する。その結果、復調されたサンプルは、パイロット寄与によって劣化される可能性がある。これは、システムが劣決定であり、大きな振幅を有するゴーストサンプルをもたらすときに特に当てはまる。復調されたデータは短いOFDMパイロットの挿入によっても劣化されることに留意すべきである。
【0136】
図5を参照すると、一実施形態において、ゼロ化後に挿入される短いOFDMシンボルに酷似した信号を生成するために、ゴーストパイロットサンプルを挿入することが提案される。
【0137】
この手法による2つの主な利点は、以下のものである。
-ゴーストパイロットを使用して生成される信号は、OFDMパイロットシンボルに酷似しているので、ゼロ化によってもたらされる擾乱は、ゼロ化後のOFDMパイロットの挿入に起因した誤差を完全に又は部分的に補償する;
-挿入されたOFDM信号に酷似する信号を取得するためにゴーストパイロットを導入することは、ゼロ化後の振幅不連続性を大幅に低減し、したがって、OFDMパイロットの挿入はOOB放射を削減する。
【0138】
OFDMパイロットシンボルを模倣するゴーストパイロットサンプルのセットは、次の線形システム、すなわちCpp p=s-Cpd dの解として取得される。
【0139】
上記線形システムでは、ゴーストパイロットは、挿入されるサンプルに対するデータ寄与の回復後に同サンプルに類似するように計算されることに留意することができる。これは、確かに、短いOFDMパイロットによって取り替えられることになるサンプルの形状を構築するデータサンプル及びパイロットサンプルの双方の変調の全結果である。
【0140】
(N0,K0)行列Cppはフルランクであり、列よりも多くの行を有するので、対応するシステムは正確な解を有しない。そのような場合には、最小二乗解
【数27】
を計算することが一般的である。
【0141】
上記で説明したように、挿入されるサンプルと大幅に一致するように、生成される信号の変調前の中央部の両側のそれぞれにあり、中央部に含まれない少なくとも1つのパイロットから利益を得ることが重要である。しかしながら、見つかった解は、特にこれらの2つのサンプルについて、高い振幅を示す可能性があることが起こり得る。代替形態は、その場合に、パイロットの振幅の制約を有するシステムを解くことである。
【0142】
一実施形態において、挿入されたOFDMシンボルの単独の復調又はデータサンプルと組み合わせた復調の結果として、ゴーストサンプルが単に生成される。
【0143】
代替の実施形態において、ゴーストパイロットサンプルの初期値が、上記実施形態において言及した解決策に従って計算されたベクトルとして設定される。その場合に、パイロットの両側にあるサンプルは、OOBを更に削減するように更新される。
【0144】
ゼロ化操作は、OFDM直交性の変更に起因して受信機において性能劣化をもたらす。提案された解決策の別の実施形態において、元のデータサンプルのセットは、受信機における劣化を最小にするように変調前に更新される。この更新は、データプリコーディングと呼ばれる。
【0145】
この第1の場合に、パイロットサンプルが単にゼロに設定されるものと仮定される。DFT拡散OFDMシンボルの実際の生成前に、送信機は、ゼロ化の影響及びパイロットサンプルの寄与を受信機において補償するようにデータベクトルを更新する。有用なデータに対するパイロットサンプルの寄与は、この後に計算される。受信機において、信号は、中央部の寄与のみを保持する行列Dmを使用して最初にOFDM復調される。
【数28】
この式において、PilotPosMaskAfterは、生成される信号内のR個のパイロットサンプルの長さNを有するインデックスのベクトルに対応する。等化後、復調されたサンプルは、復調されたベクトルの後部及び前部の結果のみを保持する行列Edを使用して逆拡散される。有用なデータの位置におけるOFDMパイロットの復調の結果は、したがって、(Kd,R)行列Fp=Ed Dmpを使用して計算される。プリコーディングされたデータセットは、次の線形システム、すなわちGz dupdated=doriginal-Fp sの解として取得される。この式において、dupdatedは、プリコーディングの適用後の情報データのセットであり、doriginalは、元の情報データのセットである。
【0146】
上記線形システムでは、ゼロ化操作によってもたらされる劣化を補償するが、パイロット挿入によってもたらされる劣化も補償するために、新たなデータのベクトルが計算される。この構成要素は、受信機において回復することもできる。行列Gzはフルランクであるので、サンプルの更新されたベクトルは、任意の適切なアルゴリズムを使用して計算することができる。
【0147】
別の実施形態において、小さな性能劣化を犠牲にして複雑度低減のために、更新されたデータのベクトルのサイズを削減することが可能である。
【0148】
データベクトルは、ゴーストパイロットの影響及びOFDMパイロットの挿入を補償するように更新することができる。この場合に、このシステムは、補償される構成要素に、行列Gzp=Fz Cdpを使用して計算される復号化されたデータに対するゴーストパイロットの寄与を加えることが必要とされることを除いて、上記システムとほぼ同様である。上記式において、Cdp=Bdm Apである。
【0149】
上記新たなデータセットは、次の線形システム、すなわちGz dupdated=doriginal-Fp s-Gzp pの解として取得される。
【0150】
一実施形態において、ゴーストパイロット及びプリコーディングされたデータの計算は、より良好な性能を得るために、複雑度の増大を犠牲にして併せて実行される。
【0151】
Pa個のゴーストサンプルが変調前の中央部の両側に挿入されるものと仮定される(全部で2×Pa個のサンプル)。ゴーストサンプルは、変調後の中央部の両側におけるPb個のサンプル(全部で2×Pb個のサンプル)の挿入されるOFDMパイロットとの相等(equality)を実現するように計算される。この操作は、単独で、又は、ゼロ化及びパイロット挿入の補償と組み合わせて実行することができる。このアルゴリズムは、ここでは、このより一般的な場合において説明される。
【0152】
有用なデータ及びゴーストサンプルを考慮に入れてAから抽出される(K,Kd+2×Pa)行列を使用して計算される拡散操作を最初に検討することにする。
【数29】
この式において、ExtendedDataPosMaskBeforeは、2×Pa個のゴーストサンプルを用いて拡張されたKd個の有用なデータの長さKを有するインデックスのベクトルに対応する。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、Bdmから抽出された(Nd,K)行列を使用してOFDM変調される。全体的に見て、生成される信号の前部及び後部に対する、元のベクトルのゴーストサンプルを用いて拡張された前部及び後部の寄与は、(Nd,Kd+2×Pa)行列Cdde=Bdm Adeから取得される。
【0153】
受信機において、信号は、行列Dmdを使用して最初にOFDM復調される。チャネル推定(理想的なゼロフォーシング等化を有するとともに付加雑音を有しない完全なチャネル推定が仮定される)の結果を使用した等化の後、復調されたサンプルは、(K,K)行列Edを使用して逆拡散される。復調は、したがって、(K,Nd)Fz行列を使用して行われる。
【0154】
全体的に見て、ゼロ化の適用を考慮したゴーストサンプルを用いて拡張された有用なデータの復調の結果は、したがって、(Kd,Kd+2×Pa)行列Gze=Fz Cddeを使用して計算される。
【0155】
振幅相等を保証するために、最初に必要とされるものは、変調後の中央部の両側におけるPb個のサンプルに対する、有用なデータにゴーストサンプルを加えたものの寄与を計算することである。起点は、ゴーストサンプルを用いて拡張された有用なデータを考慮した拡散操作を行う行列Adeである。拡散及びヌルサブキャリアの追加の後、サンプルは、中央部の双方エッジにおけるサンプルのみが保持される行列Bmを使用してOFDM変調される。
【数30】
この式において、GhostPosMaskAfterは、挿入されるOFDMパイロットの対応するサンプルとの相等が保証される変調後の中央部のエッジにおいて選択される2×Pb個のサンプルの長さNを有するインデックスのベクトルに対応する。
【0156】
全体的に見て、変調後の中央部のエッジに対する、2×Pa個のゴーストサンプルを用いて拡張された元のベクトルの前部及び後部の寄与は、(2×Pb,Kd+2×Pa)行列Cedp=Bpm Adeから取得される。
【0157】
は、更新されたデータ及び2×Pa個のゴーストサンプルの変調後に取得される対応するサンプルとの相等を取得したいパイロットサンプルのベクトルを表す。
【数31】
【0158】
は、2×Pa個のゴーストサンプル
【数32】
を用いて拡張された有用なデータのベクトルを表す。更新されたデータ及びゴーストサンプルは、以下の(Kd+2×Pb,Kd+2×Pa)システムの解として全体で取得される。
【数33】
【0159】
少なくとも1つの解の存在を保証するには、Pb≦Paを選択することが必要とされる。データ更新操作についても同様に、多少の性能劣化を犠牲にして計算コストを削減するために、更新されるデータの数を削減することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信する方法であって、前記無線信号は、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される少なくとも1つの送信モジュールを備える放射器によって放射されるように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、前記無線信号は、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むような前記K個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
前記K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、前記無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
前記出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
前記出力信号において、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間の前記R個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、によって提供され、前記方法は、
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、前記ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する前記無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する前記無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号に対応する前記無線信号を送信することを考慮して、前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを前記ハイブリッドシンボルに付加して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す前記信号を取得することと、
によって特徴づけられる、方法。
【請求項2】
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して前記後続信号を取得することは、
前記後続信号が、n=[T1;T1+L-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの前記参照セクションのサイクリックプレフィックスを形成するサイクリックプレフィックスサンプルCPRSを前記無線信号に含むように、
L個のサイクリックプレフィックスサンプルを前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間に挿入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、DFT拡散OFDM型方式を適用する前に、前記K個のサンプルのブロック内の前記第1の位置J1と前記第2の位置J2との間の前記K0個の連続したサンプルの値を0に設定し、前記出力信号を取得することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記K個のサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
(a)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプル(A’;...;A’K-1)の一時的なブロックを取得することと、
(b)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を求めることは、最小二乗法を適用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の少なくとも一部は、ゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルを含む参照信号を取得することと、
逆DFT拡散OFDM型方式を前記参照信号に適用して、K0個の連続した復調されたサンプルを含むK個の復調されたサンプルのブロックを含む復調された参照信号を取得することと、
前記K個のサンプルのブロック内の前記K0個の連続した復調されたサンプルの少なくとも一部を、前記K0個の連続したサンプルの前記少なくとも一部を形成するゴーストパイロットタイプのゴーストサンプルとして挿入することと、
によって求められる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記K個の連続したサンプルのブロック内の前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部は、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用して前記出力信号を取得する前に、
(a)複数の、K個のサンプル(A”;...;A”K-1)の一時的なハイブリッドブロックであって、前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれは、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
ゴーストパイロットタイプのK0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A”J1;...;A”J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックを取得することと、
(b)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに適用した結果として、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS”の少なくとも一部の値を求めることと、
(c)前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS”の少なくとも一部の前記値と、
前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルの少なくとも一部の前記値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックに関連した基準を求めることと、
(d)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、前記挿入されるL個のサイクリックプレフィックスサンプルを付加された前記挿入されるS個の参照サンプルの前記少なくとも一部の前記値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なハイブリッドブロックと、(c)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
によって求められる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
(e)K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれが、
前記送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の一時的な連続したゴーストサンプル(A’J1;...;A’J2)と、
を含む、複数の、K個のサンプルの一時的なブロック(A’;...;A’K-1)を取得することと、
(f)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルの一時的なブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の値を求めることと、
(g)前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれについて、
前記R個の複素サンプルS’の少なくとも一部の前記値と、
ヌル値と、
の間の類似のレベルを示す前記K個のサンプルの一時的なブロックに関連した基準を求めることと、
(h)DFT拡散OFDM型方式を前記K個のサンプルのブロックに適用した結果として前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間で取得されるn=[T1;T2]のそれぞれについての前記R個の複素サンプルSの少なくとも一部の値が、ヌル値との類似の最適化されたレベルを示すように、前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部を、前記K個のサンプルの一時的なブロックのそれぞれの値と、(g)において求められた各基準とに基づいて求めることと、
(i)(h)において求められた前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部に基づいて、前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)の前記少なくとも一部を更新することと、
を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記K個のサンプルのブロックの前記K0個の連続したサンプルの少なくとも一部の前記値を更新することは、
Pa1、Pa2が正の整数であり、Pa1+Pa2はK0未満であるとして、前記K0個の連続したサンプルが、
Pa1個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ1+Pa1)の前部と、
中央部(AJ1+Pa1+1;...;AJ2-Pa2-1)と、
Pa2個の連続したサンプル(AJ2-Pa2;...;AJ2)の後部と、
を含むように、前記K個のサンプルのブロック内の第3の位置J1+Pa1及び第4の位置J2-Pa2を求めることと、
前記K0個の連続したサンプルの前記前部及び前記後部の前記サンプルの値を更新することと、
を含む、請求項4、5又は9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記参照サンプルは、CAZAC系列に対してOFDM型方式を適用することによって生成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記参照サンプルは、Zadoff-Chu系列に対してOFDM型方式を適用することによって生成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の位置J1と前記第2の位置J2との間の前記K0個の連続したサンプルはゴーストサンプルであり、前記Kd個のデータサンプルの少なくとも一部の値は、前記ハイブリッドシンボルの前記データセクションに対する前記K0個のゴーストサンプルの寄与を補償するように求められる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
J1、J2、T1及びT2は、
【数1】
及び
【数2】
のように互いに対して規定され、w及びwのそれぞれは非負の整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法に関して放射され、伝播チャネルを通じて送信され、少なくともK個の異なるサブキャリアに対してアクティブであるように構成される受信機によって受信される無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルのチャネル推定値を求める方法であって、Kは正の整数であり、前記方法は、
ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加された前記ハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、前記受信される無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記無線信号が、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記無線信号が、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、前記信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部の前記複素サンプルS 及び前記サイクリックプレフィックスを形成する前記サンプルの値を0に設定して、S個の参照サンプルRS を含む更新された信号を取得することと、
逆OFDM型方式を前記更新された信号に適用して、前記無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルの前記チャネル推定値を示す連続した参照サンプルのブロックを含む復調された信号を取得することと、
前記ハイブリッドシンボルの参照セクションに少なくとも基づいて、前記受信される無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルの前記チャネル推定値を求めることと、
を含む、方法。
【請求項16】
コード命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コード命令がプロセッサによって実行されると請求項1に記載の方法を実行する前記コード命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項17】
少なくとも送信される無線信号内のKd個のデータサンプルのグループを通信システム上で送信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、前記モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリア上で送信を行うように構成される放射器を備え、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、前記電気通信デバイスは、
K個のサンプルのブロックが、
J2-J1+1=K0であり、Kd+K0=Kであるとして、送信されるKd個のデータサンプルと、
K0個の連続したサンプル(AJ1;...;AJ2)と、
を含むような前記K個のサンプル(A;...;AK-1)のブロック内の第1の位置J1及び第2の位置J2を求めることと、
前記K個のサンプルのブロックA=(A;...;AK-1)にDFT拡散OFDM型方式を適用し、n=0~N-1であるとして、前記無線信号内のN個の複素サンプルSを含むシンボルを表す出力信号を取得することと、
前記出力信号において、
Rが正の整数であるとしてT2-T1=Rとなる、
ような第1の位置T1及び第2の位置T2をJ1、J2、K及びNに基づいて求めることと、
前記出力信号において、前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間の前記R個の複素サンプル(ST1;...;ST2)の値を0に設定して、更新された出力信号を取得することと、によって前記無線信号を生成する処理回路を更に備え、前記電気通信デバイスは、
前記更新された出力信号の前記第1の位置T1と前記第2の位置T2との間にS個の参照サンプルを挿入して、ハイブリッドシンボルを表す後続信号を取得することであって、Sは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌルの整数であり、前記ハイブリッドシンボルは、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する前記無線信号内の複素サンプルSと、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する前記無線信号内の参照サンプルRSと、
を含むことと、
前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを前記ハイブリッドシンボルに付加して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号を取得することと、
前記無線信号を送信することを考慮して、前記サイクリックプレフィックスを付加された前記ハイブリッドシンボルを表す信号に対応する前記無線信号を生成することと、
によって前記無線信号を生成する処理回路を更に備える、電気通信デバイス。
【請求項18】
通信システム上で送信される無線信号内の少なくともKd個のデータサンプルのグループを受信するモジュールを備える電気通信デバイスであって、前記モジュールは、少なくともK個の異なるサブキャリアに対して動作するように構成され、K及びKdは正の整数であり、KdはKよりも小さく、
前記電気通信デバイスは、前記無線信号を前記電気通信デバイスに送信するのに使用される伝播チャネルのチャネル推定値を求める処理回路を更に備え、
前記無線信号は、
N及びGは正の整数であるとして、ハイブリッドシンボルの少なくとも一部のサイクリックプレフィックスを形成するG個のサンプルを付加された前記ハイブリッドシンボルを形成するN個のサンプルを含む信号を、前記受信された無線信号に基づいて取得することと、
T2-T1=Rであり、Rは正の整数であり、R=S+Lであり、Lは正又はヌル整数であり、Sは正の整数であるとして、
n=[0;T1-1]∪[T2+1;N-1]のそれぞれについて、前記信号が、前記ハイブリッドシンボルのデータセクションを形成する複素サンプルSを含み、
n=[T1+L;T2]のそれぞれについて、前記信号が、前記ハイブリッドシンボルの参照セクションを形成する参照サンプルRSを含む、
ように、前記信号内の第1の位置T1及び第2の位置T2を取得することと、
前記ハイブリッドシンボルの少なくとも一部の前記複素サンプルS及び前記サイクリックプレフィックスを形成する前記サンプルの値を0に設定して、S個の参照サンプルRSを含む更新された信号を取得することと、
逆OFDM型方式を前記更新された信号に適用して、前記無線信号を送信するのに使用される前記伝播チャネルの前記チャネル推定値を示す連続した参照サンプルのブロックを含む復調された信号を取得することと、
によって、受信無線信号として受信される、電気通信デバイス。
【国際調査報告】