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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-11
(54)【発明の名称】冷凍装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 9/00 20060101AFI20221003BHJP
   F25B 9/06 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
F25B9/00 J
F25B9/06 K
F25B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506156
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2020069193
(87)【国際公開番号】W WO2021023459
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】1908949
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラン、ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ドロートレ、ギヨーム
(57)【要約】
枠(100)内に配置され、ループを形成して、作動流体を含む作動回路(10)を含む低温冷凍装置が開示され、作動回路(10)は、順番に連結した、圧縮機構(2、3)と、冷却機構(4、5、6)と、膨張機構(7)と、加熱機構(6、8)とを含むサイクルを形成し、作動流体を冷却及び加熱するための機構は、共通熱交換器(6)を含み、共通熱交換器(6)の中で作動流体は、作動回路(10)の2つの別個の移行部分に逆方向に流れ、装置(1)は、作動回路(10)内を流れる作動流体と熱交換することにより、少なくとも1つの部材(125)から熱を抽出するための冷凍熱交換器(8)を更に含み、圧縮機構(2、3)は、2つの別個の圧縮機(2、3)を含み、作動流体を冷却するための機構(4、5、6)は、2つの圧縮機(2、3)の出口にそれぞれが配置され、作動流体と冷却流体との間の熱交換を確保する2つの冷却熱交換器(4、5)を含み、枠(100)は、長手方向(A)に延在し、支持部上に装着することを意図された下基部(101)を含み、冷却熱交換器(4、5)は、枠(100)内で共通熱交換器(6)の周りに置かれ、すなわち冷却熱交換器(4、5)は、共通熱交換器(6)と枠(100)の下基部(101)との間で共通熱交換器(6)の下に置かれない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温冷凍装置であって、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度の温度で冷凍するためのものであり、枠(100)内に配置され、及びループを形成し、且つ作動流体を含む作動回路(10)を含み、前記作動回路(10)は、順番に、前記作動流体を圧縮するための機構(2、3)と、前記作動流体を冷却するための機構(4、5、6)と、前記作動流体を膨張させるための機構(7)と、前記作動流体を加熱するための機構(6、8)とを含むサイクルを形成し、前記作動流体を冷却及び加熱するための前記機構は、共通熱交換器(6)を含み、前記共通熱交換器(6)を通して、前記作動流体は、前記作動流体が冷却されるか又は加熱されるかに依存して、前記作動流体(10)の2つの別個の通路部分において対流で通過し、前記装置(1)は、前記作動回路(10)内で循環する前記作動流体と熱交換することにより、少なくとも1つの部材(125)において熱を抽出することを意図された冷凍熱交換器(8)を含み、前記圧縮機構(2、3)は、2つの別個の圧縮機(2、3)を含み、前記作動流体を冷却するための前記機構(4、5、6)は、前記2つの圧縮機(2、3)の出口にそれぞれが配置され、前記作動流体と冷却流体との間の熱交換を確保する2つの冷却熱交換器(4、5)を含み、前記枠(100)は、長手方向(A)に延在し、支持部に固定することを意図された下基部(101)を含み、前記冷却熱交換器(4、5)は、前記枠(100)内に位置し、前記冷却熱交換器(4、5)のそれぞれは、それぞれの長手方向に延在する細長い形状を有し、各冷却熱交換器(4、5)は、2つの長手方向端部にそれぞれが配置された、冷却される作動ガスのための入口及び冷却された作動ガスのための出口を含み、各冷却熱交換器(4、5)は、冷却流体のための入口(24、25)及び冷却流体のための出口(34、35)を含み、前記2つの冷却熱交換器(4、5)は、互いに対して逆に配置されることであって、これは、前記2つの冷却熱交換器(4、5)の前記それぞれの長手方向が平行又は実質的に平行であり、前記冷却熱交換器(4、5)内の前記作動流体の循環の方向が互いに反対であることを意味する、逆に配置されることと、前記冷却熱交換器(4、5)は、隣接して、すなわち互いから0~500mm、具体的には100~300mmの距離だけ離間するように位置することと、細長い形状の前記冷却熱交換器(4、5)は、前記長手方向軸(A)に平行な長手方向に延在することと、前記冷却熱交換器(4、5)の一方の冷却流体のための前記出口(34、35)は、前記冷却熱交換器の一方(5、4)を通過する冷却流体の流れの一部が前記他方の冷却熱交換器(4、5)内ですでに循環しているように、前記他方の冷却熱交換器(5)の冷却流体のための前記入口(25、24)に連結されることとを特徴とする低温冷凍装置。
【請求項2】
前記冷却熱交換器(4、5)は、前記枠(100)内において、前記長手方向軸(A)に対して横方向に前記共通熱交換器(6)の隣に位置することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つの冷却熱交換器(4、5)は、一方が他方の上に前記基部(101)に垂直方向に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記2つの圧縮機(2、3)は、前記作動回路に順番に配置されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
装置であって、前記圧縮機(2、3)を回転させるために少なくとも2つの駆動モータ(14、15)を含み、それぞれは回転駆動シャフトを含み、前記圧縮機(2、3)は、前記それぞれの回転シャフトによって回転駆動され、前記作動流体を膨張させるための前記機構は、少なくとも1つの圧縮機(2)の前記駆動モータ(14、15)の1つのシャフトと結合して回転する、少なくとも1つの回転タービン(7)を含むことと、前記冷凍装置(1)の冷凍容量は、可変であり、前記駆動モータ(14、15)の回転速度を調整する制御装置によって制御されることとを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の冷凍装置(1)を含む、ユーザ流体、具体的には天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化するためのシステムであって、ユーザ流体の少なくとも1つのタンク(16)及び前記冷却交換器(8)内のユーザ流体の前記流れを循環するための導管(125)を含むシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍のための装置及びシステムに関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、低温冷凍装置であって、すなわち摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度の温度で冷凍するためのものであり、枠内に配置され、及びループを形成し、且つ作動流体を含有する作動回路を含み、作動回路は、順番に、作動流体を圧縮するための機構と、作動流体を冷却するための機構と、作動流体を膨張させるための機構と、作動流体を加熱するための機構とを含むサイクルを形成し、作動流体を冷却及び加熱するための機構は、共通熱交換器を含み、共通熱交換器を通して、作動流体は、作動流体が冷却されるか又は加熱されるかに依存して、作動回路の2つの別個の通路部分において対流で通過し、装置は、作動回路内で循環する作動流体と熱交換することにより、少なくとも1つの部材において熱を抽出することを意図された冷凍熱交換器を含み、圧縮機構は、2つの別個の圧縮機を含み、作動流体を冷却するための機構は、2つの圧縮機の出口にそれぞれが配置され、作動流体と冷却流体との間に熱交換を確保する2つの冷却熱交換器を含み、枠は、長手方向に延在し、支持部に固定することを意図された下基部を含む。
【0003】
用語、低温冷凍装置は、摂氏マイナス100度~摂氏マイナス273度、具体的には摂氏マイナス100度~摂氏マイナス253度(20K)の温度に達する冷凍装置を示す。
【0004】
本発明は、具体的には極低温冷凍庫及び/又は液化装置、例えば「ターボ・ブレイトン」サイクル若しくは「ターボ・ブレイトン冷凍機」を有する型に関し、その中で作動ガス(サイクルガスとしても公知である)(ヘリウム、窒素、水素、若しくは別の純ガス、又は混合物)は、冷却されることを意図された部材又はガスに伝達することができる低温を生成する熱力学サイクルを受ける。
【背景技術】
【0005】
これらの装置は、広範囲の用途、具体的にはタンク内の(例えば船舶内の)天然ガスを冷却するために使用される。液化天然ガスは、例えばその蒸発を避けるために過冷却され、又は気体部分は再液化するために冷却される。
【0006】
例えば天然ガスの流れは、冷凍庫/液化装置のサイクルガスによって冷却された熱交換器内で循環させることができる。
【0007】
これらの装置は、圧縮段階の出口に挿入された複数の熱交換器を含むことがある。これらの装置は、周囲又は枠内に組み込まれ、その容積は限定される。このようにこれらの様々な交換器及び関連したパイプを組み込むことは困難である。作動ガスの冷却は、場合によって厄介であることがある。
【0008】
更に、これらの装置が船舶(例えばメタンタンカ)に設置された時に、装置は、ロール及びピッチによって発生した力を受ける。ある特定の不均衡が、有害な機械応力を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上に提示した先行技術の欠点の全て又は一部を、好ましくは請求項1に記載したように克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、他の点では上記の序文に与えられたその一般定義に従う本発明による装置は、冷却熱交換器が共通熱交換器の周りの枠内に位置することを基本的に特徴とし、これは、好ましくは、冷却熱交換器が共通熱交換器と枠の下基部との間で共通熱交換器の下に位置しないことを意味する。
【0011】
更に、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る:
- 冷却熱交換器は、枠内において、長手方向軸に対して横方向に共通熱交換器の隣に位置し、
- 冷却熱交換器は、隣接して、すなわち互いから0~500mm、具体的には100~300mmの距離だけ離間するように位置し、
- 2つの冷却熱交換器は、一方の上に他方を基部に垂直な方向に配置され、
- 各冷却熱交換器は、それぞれの長手方向に延在する細長い形状を有し、
- 各冷却熱交換器は、冷却される作動ガスのための入口及び冷却された作動ガスのための出口を含み、それらは2つの長手方向端部にそれぞれが配置され、各冷却熱交換器は、冷却流体のための入口及び冷却流体のための出口を含み、2つの冷却熱交換器は互いに対して逆に配置され、これは、2つの冷却熱交換器のそれぞれの長手方向が平行又は実質的に平行であり、前記冷却熱交換器内の作動流体の循環方向が互いに反対であることを意味し、
- 各冷却熱交換器は、冷却される作動ガスのための入口及び冷却された作動ガスのための出口を含み、それらは2つの長手方向端部にそれぞれが配置され、各冷却熱交換器は、冷却流体のための入口及び冷却流体のための出口を含み、2つの冷却熱交換器は互いに対して逆に配置され、これは、2つの冷却熱交換器のそれぞれの長手方向が平行又は実質的に平行であり、前記冷却熱交換器内の作動流体の循環方向が互いに反対であることを意味し、
- 冷却熱交換器の一方の冷却流体のための出口は、冷却熱交換器の一方を通過する冷却流体の流れの一部がすでに他方の冷却熱交換器内で循環しているように、他方の冷却熱交換器の冷却流体のための入口に連結され、
- 2つの圧縮機は作動回路内に順番に配置され、
- 装置は、圧縮機を回転するために少なくとも2つの駆動モータを含み、それぞれは回転駆動シャフトを含み、圧縮機は、それぞれの回転シャフトによって回転駆動され、作動流体を膨張させるための機構は、少なくとも1つの圧縮機の駆動モータの1つのシャフトと結合して回転する少なくとも1つの回転タービンを含み、冷凍装置の冷凍容量は、可変であり、駆動モータの回転速度を調整する制御装置によって制御され、
- 冷却材回路は、まず冷却流体を作動流体の循環方向にそれにおいて順番に第1の冷却熱交換器に供給し、次に作動流体の循環方向にそれにおいて順番に第2の冷却熱交換器は、第1の冷却熱交換器を通過した冷却流体を供給され、
- 冷却材回路は、まず冷却流体を作動流体の循環方向にそれにおいて順番に第2の冷却熱交換器に供給し、作動流体の循環方向にそれにおいて順番に第1の冷却熱交換器は、第2の冷却熱交換器を通過した冷却流体を供給される。
【0012】
本発明は、上記又は下記の特徴のいずれか1つによる冷凍装置を含む、ユーザ流体、具体的には天然ガスの流れを冷凍及び/又は液化するためのシステムにも関し、システムは、ユーザ流体の少なくとも1つのタンク、及び冷却交換器内のユーザ流体の前記流れを循環するための導管を含む。
【0013】
本発明は、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴のあらゆる組み合わせを含む、あらゆる代替装置又は方法にも関してもよい。
【0014】
更に具体的な特徴及び利点は、図を参照して与えられる以下の記載を読むことで明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明を実施できる装置及びシステムの例の構造及び作動を例示する、概略部分平面図を示す。
図2】装置の構造及び作動の詳細を例示する、図1の矢印Vに沿った概略部分側面図を示す。
図3】2つの冷却熱交換器の配置の1つの可能な実施形態の変形形態による、装置及びシステムの構造及び作動の詳細を例示する概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
冷却及び/又は液化システムは、冷凍熱交換器8に低温(冷却容量)を供給する冷凍装置1を含む。
【0017】
装置は、枠100、例えば平行六面体枠内に収納される。枠100は下基部101を含む。
【0018】
図2の描写と対照的に、枠の上端部は、必ずしも装置の上に構造を持つのではなく、周辺の支柱のみを持つことができ、支柱の垂直端部は、装置の最高点以下で基部101の上に垂直に位置する。これは、枠100が装置の全周に横方向の保護を形成することができる一方で、装置の上に垂直に上部を持たないことを意味する。
【0019】
システムは、この冷却交換器8との熱交換に置かれた冷却される流体の流れを循環するための導管125を含む。例えば流体は、タンク16から(例えばポンプを介して)ポンプ供給された液体天然ガスであり、次いで(好ましくはタンク16の外側で)冷却され、次いでタンク16に戻される(例えばタンク16のガス相に流れ落ちる)。これにより、タンク16の中身を冷却又は過冷却し、蒸発の発生を制限することができる。例えばタンク16からの液体は、タンク16に再注入される前に、その飽和温度より低く過冷却される(その温度を数K度、具体的には5~20K、具体的には14Kに降下する)。変形形態では、この冷凍は、タンクからの蒸発ガスに、具体的には蒸発ガスを再液化するために適用することができる。これは、冷凍装置1が冷凍熱交換器8で低温容量を生成することを意味する。
【0020】
冷凍装置1は、循環ループを形成する(好ましくは閉じた)作動回路10を含む。この作動回路10は、作動流体(ヘリウム、窒素、ネオン、水素、若しくは別の適切なガス、又は混合物、例えばヘリウムとアルゴン、若しくはヘリウムと窒素、若しくはヘリウムとネオン、若しくはヘリウムと窒素とネオン)を含む。
【0021】
作動回路10は、作動流体を圧縮するための機構2、3と、作動流体を冷却するための機構4、5、6と、作動流体を膨張させるための機構7と、作動流体を加熱するための機構6とを含むサイクルを形成する。
【0022】
装置1は、膨張機構7の下流に位置し、作動回路10内で循環する低温作動流体と熱交換することにより、少なくとも1つの部材125で熱を抽出することを意図された冷凍熱交換器8を含む。
【0023】
作動流体を冷却及び加熱するための機構は、従来、共通熱交換器6を含み、共通熱交換器6を通して、作動流体は、作動流体が冷却されるか又は加熱されるかに依存して、作動回路10の2つの別個の通路部分で対流して通る。
【0024】
共通熱交換器6は、少なくとも1つの固定点106で、例えば枠100の中心長手方向支柱で枠に固定されてもよい。
【0025】
冷却熱交換器8は、例えば膨張機構7と共通熱交換器6との間に位置する。示されたように、冷却熱交換器8は、共通熱交換器6の中に組み込まれた熱交換器であってもよい(これは、2つの熱交換器6、8が1体であることが可能であるが、すなわち同一の交換構造を共有する別個の流体回路を有してもよいことを意味する)。しかし変形形態では、この冷凍熱熱交換器8は、共通熱交換器6と異なり、共通熱交換器6から分離した熱交換器から作成することができる。
【0026】
こうして、比較的高温状態で圧縮機構2、3から出る作動流体は、膨張機構7に入る前に共通熱交換器6内で冷却される。比較的低温状態で膨張機構7及び冷却熱交換器8から出る作動流体は、新しいサイクルを始めるために、圧縮機構2、3の中に戻る前に共通熱交換器6内でその一部が加熱される。
【0027】
圧縮機構2、3は、少なくとも2つの圧縮機、及び圧縮機構2、3のための少なくとも1つの駆動モータ14、15を含む。加えて好ましくは、装置の冷凍容量は、可変であり、駆動モータ14、15の回転速度(サイクル速度)を調整することによって制御することができる。好ましくは、装置1によって生成された低温容量は、モータ14、15の回転速度を回転速度ゼロ~最高又は公称速度の間で変えることにより、公称又は最大容量の0~100%で適合することができる。このような建築は、広い作動範囲(例えば公称低温容量の50%で公称性能の97%)を超える高性能レベルを維持することができる。
【0028】
示された非限定的例では、冷凍装置1は、2つの圧縮機2、3を順番に含む。これらの2つの圧縮機2、3は、2つの別個のモータ14、15によってそれぞれが駆動されてもよい。タービン7は、2つのモータ14又は15の一方の駆動シャフトに結合されてもよい。例えば第1のモータ14は、シャフトを通して圧縮機2を駆動し、このシャフトはタービン7にその他端で結合される(モータ・ターボ圧縮機)一方で、他方のモータ15は圧縮機3のみを駆動する(モータ・圧縮機)。
【0029】
例えば装置1は、圧縮段階2、3をそれぞれが駆動するための2つの高速モータ14、15(例えば毎分10,000回転又は毎分数万回転)を含む。タービン7は、圧縮段階2、3の一方のモータ14又は15に結合されてもよく、これは、装置が(第1又は第2の)圧縮段階の駆動モータ15に結合された膨張機構を形成するタービン7を有してもよいことを意味する。
【0030】
示されたように、各モータ14、15は、少なくとも1つの固定点104、105を介して、例えば枠100の長手方向及び/若しくは垂直支柱で、枠100に連結されてもよく、又は堅固に固定されてもよい。
【0031】
こうしてタービン7の電力は、好都合なことに回復することができ、モータの消費を低減するために使用することができる。こうしてモータの速度(ひいては作動ガスのサイクルにおける流量)を増加することにより、生成された冷凍容量、ひいては液化機の電気消費が増加する(また逆も同様である)。圧縮機2、3及びタービン7は、好ましくは問題のモータの出力シャフトに(歯車で動く伝達機構なしに)直接結合される。
【0032】
モータの出力シャフトは、好ましくは磁気型又は動的ガス型の軸受の上に装着される。軸受は、圧縮機及びタービンを支持するために使用される。
【0033】
描写された例では、冷凍装置1は、2つの圧縮段階を形成する2つの圧縮機2、3、及び膨張タービン7を含む。これは、圧縮機構が好ましくは遠心型の2つの圧縮機2、3を順番に含み、膨張機構が単一のタービン7、好ましくは遠心型タービンを含むことを意味する。当然のことながら、圧縮機、タービン及びモータのあらゆる他の数及び配置は、例えば3つの別個のモータによってそれぞれが駆動された3つの圧縮機、及び例えばこれらのモータの1つの駆動シャフトの一端に結合された1つのタービン、又は3つの圧縮機及び2つのタービンが想定されてもよい。同様に装置は、2つの圧縮機及び2つのタービン、又は3つの圧縮機及び3つのタービン、その他を含んでもよい。各モータの駆動シャフトは一端で少なくとも1つの圧縮機を駆動する一方で、シャフトの他端は車輪(圧縮機若しくはタービン)を持たず、又は1つ若しくは複数の車輪(タービン若しくは圧縮機)を含まない。
【0034】
示されたように、冷却熱交換器4、5は、2つの圧縮機2、3のそれぞれの出口に提供される(例えば周囲温度の水、又は冷却材回路26のあらゆる他の冷却剤若しくは流体との熱交換による冷却、図3参照)。
【0035】
これにより、等エントロピ又は等温又は実質的に等温圧縮を実現することができる。同様に、熱交換器は、等エントロピ又は等温膨張を実現するために膨張タービン7の全て又は一部の出口に提供されても、又は提供されなくてもよい。また好ましくは、作動流体の加熱及び冷却は、これを限定することなく等圧であることが好ましい。
【0036】
枠100は、長手方向Aに延在し、支持部(例えば地面又は船舶の床又は例えば冷却される液体のタンク16の頂部)に固定することを意図された下基部101を含む。この基部は、長手方向及び横方向の支柱を備えた長方形の範囲を定める剛性の支柱から形成されてもよい。
【0037】
図2に示されたように、装置の要素の少なくとも一部は、この基部101、具体的には共通熱交換器6及び冷凍交換器8を収容する箱形構造に固定されてもよい。
【0038】
図2に例として見ることができるように、冷却熱交換器4、5は、共通熱交換器6と枠100の下基部101との間で共通熱交換器6の下に位置するのではなく、これらの冷却熱交換器4、5は、枠100内で共通熱交換器6の周りに位置する。この配置は、具体的には装置が可動機械、具体的には船舶上に装着された時に、力に対して装置の一体化を向上させる質量の分布を確保することを、発明者らは発見した。詳細には、この配置は、質量のより良好な分布をできる限り基部101に接近させることができる。
【0039】
更に、共通熱交換器6の出口をタービン7の入口に連結する作動回路の導管又は一部17は、それに装置1の上部で連結される。共通熱交換器6及び冷凍交換器8を収容するケーシング又は(例えば真空絶縁した)低温容器は、基部101にできる限り接近して固定されてもよい。
【0040】
これは、装置の質量の分布及び加速力の分布を更に向上させる。
【0041】
示されたように、2つの冷却熱交換器4、5のそれぞれは、長手方向軸Aに平行なそれぞれの長手方向に延在する細長い形状を有してもよい。2つの冷却熱交換器4、5は、好都合なことに一方が他方の上に垂直方向に配置されてもよい。2つの冷却熱交換器4、5は、具体的には並行して互いに固定されてもよい。これは、装置の空間要件を最適化する。
【0042】
各冷却熱交換器4、5は、冷却流体のための入口24、25、及び冷却流体のための出口34、35を含んでもよい。好都合な具体的な特徴によれば、2つの冷却熱交換器4、5の一方の冷却流体のための出口34は、冷却熱交換器の一方5を通過する冷却流体の流れの一部が他方の冷却熱交換器4内ですでに循環しているように、他方の冷却熱交換器5の冷却流体のための入口25に連結されてもよい(図3参照)。
【0043】
これにより、2つの冷却熱交換器4、5が(2つの交換器4、5の中にそれぞれが分布された2つの半体の中にこの流れを細分化するより、むしろ)冷却流体の流れの100%を受領することができる。
【0044】
このような冷却流体の流量のこの相対的増加は、熱交換の係数を増加させることができ、従って冷却の品質及び信頼性を向上させる。更に、この解決策は、(特に回路又は交換器ごとに異なる可能性のある圧力降下のため)2つの熱交換器内に2つの流量を分岐させることができる、公知の解決策に固有の問題を回避することができる。
【0045】
この配置は、熱交換器4、5に向かう又は熱交換器4、5に由来する、冷却流体及び作動ガスのための導管網を簡略化することもできる。具体的には、この配置は、より小さい空間内に流体(冷却流体及び作動流体)のための循環回路を配置することをより容易にすることができる一方で、これらの流体を伝送する導管の数及び/又は長さを低減することにより、作動流体と冷却流体との間の循環を対流させることができる。
【0046】
図3に示されたように、例えば冷却材回路26は、冷却流体をまず第2の冷却熱交換器5に、次に第1の冷却熱交換器5に供給する(修飾語「第1」及び「第2」は、作動流体の循環の方向における第1及び第2の圧縮段階を指す)。
【0047】
当然のことながら、反対の配置が予測され得る(まず第1の熱交換器4に、次に第2の熱交換器5における冷却流体の循環)。
【0048】
示されたように、いずれの場合も、2つの流体(冷却される作動流体及び比較的低温の冷却流体)の循環の方向は、好ましくは対流すなわち各交換器を反対方向に通過する。
【0049】
図3に示されたように、冷却流体の通路のための2つの冷却熱交換器4と5との間の流体連結は、簡略化されてより小さくてもよい。一方の冷却熱交換器4、5から他方への冷却流体のこの伝送は、具体的には管の短い溶接部、又は2つの熱交換器4と5との間の単純な管若しくは連結具によって実現されてもよい。
【0050】
必要であれば、2つの冷却熱交換器4、5は、作動流体の循環のために2つの別個の通路を含む、同一のケーシング又はハウジングに組み込むことも更に可能であり、前記2つの通路は、冷却流体回路の同一の回路チャネルの2つの部分とそれぞれ順番に熱交換する。例えば冷却熱交換器4、5のそれぞれは、それぞれの長手方向に延在する細長い形状を有してもよい。各冷却熱交換器4、5は、2つの長手方向端部にそれぞれが配置された、冷却される作動ガスのための入口及び冷却された作動ガスのための出口を含む。
【0051】
冷却熱交換器4、5は、管型の交換器、シェル型及び管型の交換器、又は板型及びフィン型(ステンレス鋼、アルミニウム若しくは同種のものから作成した)の交換器であってもよい。
【0052】
更に、2の冷却熱交換器4、5は、好ましくは互いに対して逆に装置内に配置され、これは、2の冷却熱交換器4、5のそれぞれの長手方向が平行又は実質的に平行であり、前記冷却熱交換器4、5内の作動流体の循環の方向が互いに反対であることを意味する。冷却流体の循環の配置と組み合わせたこの配置は、流体回路の複雑性を最小に抑えることができる一方で、装置に非常に良好な性能を授ける。
【0053】
装置の全て又は一部、具体的にはその低温部材は、断熱密封されたケーシング11(具体的には共通対流熱交換器及び冷凍交換器8を含む真空チャンバ)内に収容することができる。
【0054】
本発明は、別の流体又は混合物、具体的には水素を冷却及び/又は液化するための方法に適用してもよい。

図1
図2
図3
【国際調査報告】