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特表2022-543226フィルム材料の連続運動インパルスヒートシーリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-11
(54)【発明の名称】フィルム材料の連続運動インパルスヒートシーリング
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/02 20060101AFI20221003BHJP
   B31B 70/81 20170101ALI20221003BHJP
   B31B 155/00 20170101ALN20221003BHJP
   B31B 160/20 20170101ALN20221003BHJP
【FI】
B29C65/02
B31B70/81
B31B155:00
B31B160:20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506479
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2020071310
(87)【国際公開番号】W WO2021018916
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】2023583
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2023584
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2024295
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2023585
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(31)【優先権主張番号】2024025
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522040296
【氏名又は名称】クリーン・テクノロジー・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(71)【出願人】
【識別番号】518095954
【氏名又は名称】ショール・イーペーエヌ・イーペー・ベー・フェー
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ・カナダ・コディナ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ・ビダル・キャンプス
(72)【発明者】
【氏名】ファン・ロハス・セグラ
(72)【発明者】
【氏名】アベル・サエス・ロペス
(72)【発明者】
【氏名】ラウレンス・ラスト
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ヴィルヘルムス・ファン・タイル
【テーマコード(参考)】
3E075
4F211
【Fターム(参考)】
3E075AA09
3E075AA12
3E075BA46
3E075BA70
3E075CA02
3E075DB14
3E075DD12
3E075DD38
3E075DD45
3E075DE03
3E075GA05
4F211AA04
4F211AA05
4F211AA07
4F211AA11
4F211AA19
4F211AA24
4F211AC03
4F211AG01
4F211AH54
4F211AK08
4F211AM29
4F211AP15
4F211AR06
4F211AR16
4F211TA01
4F211TC05
4F211TD11
4F211TJ11
4F211TN08
4F211TQ11
4F211TW23
4F211TW26
(57)【要約】
ポーチ生産においてヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁をヒートシールするシーリングシステム。シーリングセクションはインフィードセクションからディスペンスされた重ねられた壁のための線形経路に沿って直列に配置されたシーリングステーションを含む。各ステーションは第1および第2のジョーを備えたシーリングデバイスと、ジョーを開位置とクランプ位置との間で移動させるアクチュエーターデバイスとを含む。各シーリングデバイスは第1および第2のジョー間にクランプされたとき、重ねられた壁と同期して第1および第2のジョーを移動させる運動デバイスを含む。各ステーションはジョーを継続的に冷却する冷却デバイスを有する。第1のジョーはそれぞれの前面に、それに沿って延在するサセプターエレメントとして具現化されたインパルス加熱可能な部材を含む。各ステーションは統合されたインパルスシーリングおよび冷却サイクルを実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たとえばポーチ、たとえばフィットメント付きのポーチの生産において、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料の、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料のヒートシールのためのシーリングシステムであって、
前記シーリングシステムは、
- ヒートシール可能なフィルム材料の1つまたは複数のロールを受け入れるように構成されたロールハンドリングステーションを含むインフィードセクションであって、1つまたは複数のロールから巻き戻されたヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁をディスペンスするように構成された、インフィードセクションと、
- 前記インフィードセクションの下流にあるシーリングセクションであって、前記インフィードセクションからディスペンスされた重ねられた壁の線形経路に沿って直列に配置された2つ以上のシーリングステーションを備えた、シーリングセクションと、
- 前記シーリングセクションを通る前記線形経路の下流にあるフィルム材料駆動ステーションであって、ヒートシール可能なフィルム材料の前記重ねられた壁を、前記シーリングステーションを通過する前記線形経路に沿って一定速度で引っ張るように構成された、フィルム材料駆動ステーションと、
を備え、
各シーリングステーションは、
- 第1のジョーと第2のジョーとを含むシーリングデバイスと、
- 開位置とクランプ位置との間で前記第1のジョーと前記第2のジョーとを相互に相対的に移動させるように構成されたアクチュエーターデバイスであって、
前記第1のジョーは、ヒートシール可能な材料のそれぞれの第1の壁に接触するように構成された第1の前面を有し、前記第2のジョーは、ヒートシール可能な材料のそれぞれの第2の壁に接触するように構成された第2の前面を有し、少なくとも前記第1のジョーは、ヒートシール用の加熱可能な部材において、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間にクランプされたときに、たとえば壁を互いに、または存在する場合はフィットメントにヒートシールする、ヒートシール可能なフィルム材料の前記重ねられた壁の領域を含む、アクチュエーターデバイスと、
- 前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間にクランプされたときに、前記重ねられた壁と同期して前記第1のジョーと前記第2のジョーとを移動させるように構成された運動デバイスと、
を含み、
前記シーリングシステムは、前記シーリングステーションに関連する制御ユニットをさらに備え、
各シーリングステーションの少なくとも各第1のジョーは、そのそれぞれの前記前面に、導電性材料を含むサセプターエレメントとして具現化された少なくとも1つの加熱可能部材であって、それぞれの前記前面に沿って延在し、好ましくは、耐熱性の非粘着性カバーで覆われている、インパルス加熱可能部材を含み、
各シーリングステーションにおける第1および第2のジョーの各対について、前記ジョーの少なくとも1つはインダクターを含み、
前記システムは、前記インダクターに接続された高周波電流源を備え、
前記システムは、各シーリングステーションの前記第1および第2のジョーの少なくとも1つを連続的に冷却するように構成された少なくとも1つの冷却デバイスを備え、
各シーリングステーションは、統合されたインパルスシーリングおよび冷却サイクルを実行するように構成されており、それぞれの前記アクチュエーターデバイスは、それぞれの前記第1および第2のジョーを、前記第1および第2の壁が前記第1および第2のジョーによってクランプされる前記クランプ位置に移動させるように稼働され、前記クランプ位置では、前記高周波電流源が前記インダクターに一時的に高周波電流を供給し、それによって前記インダクターと高周波電磁場を生成し、前記高周波電磁場は、前記サセプターエレメントに渦電流を誘導し、前記サセプターエレメントによって放出される熱インパルスを生成し、前記熱インパルスは、熱インパルスの持続時間を有し、前記第1および第2の壁の前記領域を互いに、または存在する場合はフィットメントにシールし、前記インダクターへの高周波電流の前記供給の終了後、前記第1および第2のジョーの前記少なくとも1つならびに前記シールされた領域は、それぞれの前記第1および第2のジョーが前記クランプ位置に留まっている、クランプされた冷却期間中に、前記冷却デバイスによって効果的に冷却され、前記アクチュエーターデバイスは、前記クランプされた冷却期間の後に、前記第1および第2のジョーを前記開位置に移動させるように稼働され、
前記制御ユニットは、たとえば、前記熱インパルスの強度および/または持続時間を制御するために、前記シーリングステーションのそれぞれについて、独立して、前記インダクターへの高周波電流の前記供給、それによって、前記サセプターエレメントによって放出される前記熱インパルスを制御するように構成されており、
前記制御ユニットは、前記第1および第2のジョーの前記クランプ位置の前記持続時間を制御し、それによってクランプ冷却持続時間を制御することを可能にしながら、前記シーリングステーションのそれぞれについて、独立して、前記開位置と前記クランプ位置との間で前記第1および第2のジョーを相互に移動させるための前記アクチュエーターデバイスを制御するように構成されている、ことを特徴とする
シーリングシステム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記1つまたは複数の冷却デバイスと連動して、前記シーリングステーションのそれぞれについて、独立して、前記第1および第2のジョーの少なくとも1つ、ならびに前記シーリングステーションによってシールされる前記領域の冷却速度を制御するように構成されている、請求項1に記載のシーリングシステム。
【請求項3】
シーリングステーションにおける各々の前記ジョーは、導電性材料を含むサセプターエレメントと関連するインダクターとを含み、好ましくは、前記シーリングステーションは、それぞれがそれぞれのインダクターに接続された複数の電流源を有し、好ましくは、前記制御ユニットは、各々の前記インダクターに供給される電流を個別に制御するために、各々の前記電流源を独立して制御するように構成されている、請求項1または2に記載のシーリングシステム。
【請求項4】
前記サセプターエレメントは、それぞれの前記ジョーの前面に沿って延在し、背面を有し、各インダクターは、たとえば前記サセプターエレメントに沿って平行に、それぞれの前記サセプターエレメントの前記背面に延在する細長いインダクターセクションを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項5】
ジョーの前記インダクターは、互いに平行な複数の細長いインダクターセクションを含み、好ましくは、前記インダクターセクションは、前記ジョーの前記前面に平行な平面、たとえば線形状の細長いインダクターセクションに並んで配置され、隣接するインダクターセクションは、スリット、たとえばエアスリットまたは電気絶縁材料で満たされたスリットによって互いに間隔が空けられており、前記サセプターエレメントは、前記ジョーの前記前面から見た場合、1つまたは複数のスリットを越えて延在している、請求項1から4のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項6】
各々の前記シーリングステーションについて、前記冷却デバイスは、前記第1のジョーおよび/または前記第2のジョーに配置された1つまたは複数の冷却ダクトを通る、液体冷却剤、たとえば水の連続循環を確立するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項7】
前記インフィードセクションは、たとえばポーチの底部ガセットを形成するために、単一のロールからディスペンスされたフィルム材料を、任意選択でガセットを備えた2つの重ねられた壁に折り畳むように構成された折り畳みステーションを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記シーリングステーションごとに個別に、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間にクランプされたときに、前記重ねられた壁と同期して前記第1および第2のジョーを移動させるための前記運動デバイスを制御するように構成され、好ましくは、前記制御ユニットは、前記線形経路に沿ってそれらの間の相互距離を調整することを可能にしながら、第2のシーリングステーションの前記第1および第2のジョーの位置に対して第1のシーリングステーションの前記第1および第2のジョーの位置を調整するために、前記第1のシーリングステーションの前記運動デバイスおよび前記第2のシーリングステーションの前記運動デバイスを制御するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項9】
前記シーリングシステムは静止フレームを含み、連続するシーリングステーションの前記運動デバイスは、前記シーリングセクションを通る前記重ねられた壁の前記線形経路の反対側に取り付けられ、たとえば、前記重ねられた壁は、前記シーリングセクションに沿って移動するとき垂直方向にあり、連続するシーリングステーションの前記運動デバイスは、前記線形経路の上下に交互に取り付けられ、たとえば、各運動デバイスは、前記線形経路に平行な前記フレームに取り付けられた線形ガイドを備えた線形ガイドアセンブリと、往復駆動によって駆動される前記線形ガイドに取り付けられたスライダーであって、前記シーリングステーションの前記ジョーと前記関連するアクチュエーターデバイスとをサポートする、スライダーと、を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項10】
前記シーリングセクションは、たとえば前記シーリングステーションの下流にトリミングステーションを備え、前記トリミングステーションは、
- 前記重ねられたウェブの一部を除去するために、たとえば前記ポーチの生産においてポーチの輪郭を形作るために、コマンドでトリミング作用を実行するように構成されたトリミングデバイスと、
- 前記トリミング作用を実行するときに、前記重ねられた壁と同期してトリミングデバイスを移動するように構成された運動デバイスと、
- トリミングされた部分を削除するように構成された収集システムであって、たとえば真空源に接続された1つまたは複数の真空ホースを含む、収集システムと、
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のシーリングシステム。
【請求項11】
折り畳み式ポーチを生産するための生産マシンであって、請求項1から10のいずれか一項に記載のシーリングシステムを備え、前記ポーチは、それぞれ、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、最も好ましくは単一のポリマーのヒートシール可能なフィルム材料から作られた壁を有する、生産マシン。
【請求項12】
前記マシンは、フィットメント、たとえばスパウトを有するポーチを生産するように構成されており、前記線形経路に沿った第1のシーリングステーションは、前記重ねられた壁にフィットメントをヒートシールするように適合されたフィットメントシーリングステーションとして構成されており、1つまたは複数の下流シーリングステーションは、前記ポーチの1つまたは複数の他の領域、たとえば前記ポーチのサイドシール領域および/または底部シール領域をシールするように構成されている、請求項11に記載の生産マシン。
【請求項13】
前記マシンは、対向する壁の間の結合されていない縁部領域、たとえば前記対向する壁の間の折り目、たとえばガセット付きの折り目、たとえば前記ポーチの底部ガセットの反対側にある領域において、たとえばスパウトの、フィットメントの取り付け部分を挿入するように適合されたフィットメント挿入デバイスを備え、前記フィットメントシーリングステーションは、前記壁を前記フィットメントの前記取り付け部分にヒートシールするように構成されている、請求項12に記載の生産マシン。
【請求項14】
前記線形経路は水平であり、前記インフィードセクションは、単一のロールからディスペンスされたフィルム材料を2つの重ねられた壁に折り畳むように構成されており、前記重ねられた壁は、対向する壁の間に結合されていない上部縁部領域を備えた前記シーリングセクションであって、前記対向する壁の底部に沿って折り目を有し、任意選択で、前記対向する壁の底部に沿って底部ガセットが折り畳まれている前記シーリングセクションに供給されたときに垂直方向にあり、フィットメント挿入デバイスは、前記対向する壁の間の前記結合されていない上部縁部領域にフィットメントの取り付け部分を挿入するように適合され、たとえば前記フィットメント挿入デバイスは、前記シーリングシステムの静止フレームに静止して取り付けられており、関連するシーリングステーションの前記運動デバイスは、前記線形経路の下に取り付けられ、たとえば前記運動デバイスは、前記線形経路に平行な静止フレームに取り付けられた線形ガイドを備えた線形ガイドアセンブリと、往復駆動によって駆動される前記線形ガイドに取り付けられたスライダーとを備え、前記スライダーは、前記シーリングステーションの前記ジョーと前記関連するアクチュエーターデバイスとをサポートする、請求項12または13に記載の生産マシン。
【請求項15】
前記マシンは、前記フィルム材料駆動ステーションの下流に配置され、個々のポーチを作成するために1つまたは複数のカットを行うように構成されたカッティングステーションを含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の生産マシン。
【請求項16】
たとえばポーチの生産における、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一のポリマーのヒートシール可能なフィルム材料のヒートシールのための方法であって、請求項1から15のいずれか一項に記載のシーリングシステムおよび/またはポーチ生産マシンにおいて使用される、方法。
【請求項17】
前記フィルム材料は、ポリエチレン(PE)、たとえば、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはポリプロピレン(PP)、またはポリエチレンテレフタレート(PET)から作られた単一のポリマーのヒートシール可能なフィルム材料であり、場合により非金属酸素バリアポリマー層、たとえばエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)が存在する場合、前記フィルム材料には金属層が存在しない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
フィットメント、たとえばスパウトを有するポーチが生産され、前記線形経路に沿った前記第1のシーリングステーションは、前記重ねられた壁の一方または両方にフィットメントをヒートシールするためのフィットメントシーリングステーションとして構成されており、1つまたは複数の下流シーリングステーションは、前記ポーチの1つまたは複数の他の領域、たとえば前記ポーチのサイドシール領域および/または底部シール領域をシールするように構成されており、たとえば前記フィットメントは、ポリエチレン(PE)材料から、好ましくは高密度ポリエチレン(HDPE)から成形されており、前記フィルム材料は、全体的にポリエチレン(PE)から、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)から作られている、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
インパルス加熱可能な部材、たとえばサセプターおよびインダクターを有する少なくとも1つの前記シーリングステーションのそれぞれのジョーが接触する側、たとえば提供された表面印刷にフィルム材料が印刷されている、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール可能なフィルム材料のヒートシーリングに関する。たとえば、本発明は、ポーチ、たとえばヒートシール可能なフィルム材料の壁を備えた、フィットメントを備えたポーチの生産を想定している。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ポーチの生産において、ヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁は、ポーチごとに、たとえばポーチの上部、側面、および/または底部に沿って、連続して複数のシールされた領域を作成するために直列に複数のシーリングステーションを含むシーリングシステムによって、互いに、そして存在する場合はフィットメントにシールされる。
【0003】
そのようなシーリングシステムの例は、請求項1の前文によるシーリングシステムを開示している特許文献1に開示されている。この知られているシーリングシステムは、ロールがほどかれ、その後、ヒートシール可能なフィルム材料の2つの壁が互いに押し付けられ、そのため互いに重ね合わされるロールハンドリングステーションにおいて、ヒートシール可能なフィルム材料の2つのロールを受け取るように適合されている。重ねられた壁は、たとえばフィルム材料駆動ステーションによって断続的に引っ張られない一定の速度で線形経路に沿ってシーリングセクションを通って移動される。壁の連続的な動作は、シーリングセクションを通るフィルム材料の断続的な段階的な動作と比較して、フィルム材料の局所的な伸長を防止するか、または少なくとも減少させる。たとえば、シーリングセクションの下流にあるこの駆動ステーションは、壁がクランプされる一対のローラーと、関連するドライブモーターとを有する。
【0004】
特許文献1では、当技術分野で一般的であるように、各シーリングステーションのジョーは、たとえば電気的に、ヒートシールに適した温度まで連続的に加熱される。これは、ホットバーシーリング技術として知られている。動作中、連続的に加熱されるジョーは、ヒートシール可能なフィルム材料の壁がそれらの間にクランプされるクランプ位置に移動される。クランプされたジョーは次いで、ヒートシールを作成するために必要な期間、重ねられた壁と同期して移動される。次いで、加熱されたジョーが開位置に移動され、次のヒートシールサイクルの開始位置に戻る。知られているシーリングシステムのシーリングセクションは、シーリングステーションによって行われたシールを冷却するための下流の冷却ステーションをさらに含む。
【0005】
効果的なリサイクルを可能にする、無金属のヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料(単一材料プラスチックフィルムとも呼ばれる)のポーチを生産することが望まれる。そのようなフィルム材料は、一般に、1つまたは複数の高分子材料のみ、たとえばたった1つの高分子材料、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)の1つまたは複数からなる1つまたは複数の層など、を含む。実施形態では、フィルム材料は、非金属バリア層、たとえば酸素透過の観点から、たとえばエチレンビニルアルコール(EVOH)のバリア層、を有し得る。このような層は、リサイクル性に悪影響を与えるとは見なされないことがよくある。フィルム材料に金属材料層がないため、これらの無金属のヒートシール可能なフィルムは、一般に、金属層を含む従来のフィルム材料よりも弱く、より壊れやすい。これは一般に、特にフィルムがヒートシールプロセス中に局所的に加熱される場合、比較的低い降伏強度および比較的大きな弾性を有するためと説明され得る。特に高いヒートシール温度では、無金属のフィルム材料の強度が少なくとも一時的に著しく損なわれ、従来の方法でヒートシールが行われると局所的な歪みが生じる。
【0006】
特許文献1の知られているシーリングシステムは、金属層を含むフィルム材料の壁を備えたポーチの生産に適している。知られているシステムは、たとえば単一高分子フィルム材料の、無金属のヒートシール可能なフィルム材料で作られた壁を有するポーチの生産には不十分であると考えられている。これは主に上記の影響による。連続的に加熱されるジョーを備えたホットバーシーリングステーションは、クランプ位置においてフィルム材料の壁に接触し、シールが作成される。この接触は、壁の過熱、たとえば局所的な融解を防ぐために、シールが完了したらすぐに終了する必要がある。ただし、ジョーが開位置に向かって移動されると、壁(まだ暖かいため、その時は柔らかい)は、ホットシールされた領域がジョーによってサポートされることなく、駆動ステーションによって加えられる引っ張り力に再びさらされる。これにより、たとえばフィルム層の損傷、しわ、フィルム材料の印刷の歪みなどとして目立つ局所的な伸縮および変形が発生する。たとえば、より低い引っ張り力を可能にするために、シーリングシステムの速度を低下させる必要性をもたらし、これは、経済的に魅力がない。また、連続的に加熱されるジョーが開位置にあり、壁からある程度離れている場合、たとえばそれらがサイクルの開始位置に戻されると、ジョーから放射される熱がフィルム材料の壁を過度に柔らかくする傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第999130号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、たとえば上記の欠点の1つまたは複数を克服または軽減するために、たとえば無金属のヒートシール可能なフィルム材料、の壁を有するポーチの生産を考慮して、改良されたシーリングシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1に記載のシーリングシステムを提供する。
【0010】
このシステムでは、各インパルス加熱可能部材は、導電性材料を含むサセプターエレメントとして具現化される。シーリングステーションのそれぞれについて、そのジョーの少なくとも1つはインダクターを含む。このシステムは、インダクターに接続された高周波電流源を備えている。好ましくは、インダクターはサセプターと同じジョーに取り付けられ、たとえばインダクターは、サセプターエレメントの背面に沿って延在している。
【0011】
各シーリングステーションは、統合されたインパルスシーリングおよび冷却サイクルにおいて、電流源がインダクターに一時的に高周波電流を供給し、それによってインダクターと高周波電磁場を生成するように構成されており、高周波電磁場は、サセプターエレメントに渦電流を誘導し、サセプターエレメントによって放出される熱インパルスを生成し、この熱インパルスは、重ねられた壁の領域を、互いにまたは存在する場合はフィットメントにシールする。この配置により、サセプターにより、ヒートシールされるゾーンに向けて放出される熱インパルスの非常に効果的で制御された生成が可能になる。
【0012】
各シーリングステーションは、欧州特許出願公開第999130号明細書のように実際のヒートシーリング中だけでなく、統合されたインパルスシーリングおよび冷却サイクル全体の間、クランプされた位置に留まる1セットのジョーを含む。本発明のサイクルは、領域のヒートシールを含み、このヒートシールの直後に、少なくとも1つのジョーの、たとえば両方のジョーの、そしてそれによってまた、熱インパルスの後にジョーがクランプされた位置に留まっている間、シールされた領域の効果的な冷却が行われる。
【0013】
各シーリングステーションの冷却デバイスは、第1および第2のジョーの少なくとも1つ、たとえば両方のジョーの連続冷却を実行し、そのため、熱インパルス中であっても、その持続時間は実際には非常に短いため、熱インパルス中に冷却を中断することは実用的ではない。システムは、実際の実施形態では、ジョーが60℃未満に、たとえば40℃未満に開かれる前に、ヒートシールされた領域の冷却を引き起こすように構成および稼働され得る。
【0014】
したがって、欧州特許出願公開第999130号明細書の知られているシーリングシステムと比較して、本開示のシーリングシステムは、ヒートシーリングインパルス中とその後の冷却中との両方においてジョーをクランプ位置に保持する。したがって、ここで説明する誘導ベースのインパルスヒートシーリング、および冷却は同じジョーのセットを使用して行われる。知られているシーリングシステムとは対照的に、実際には、たとえば、密閉領域が2つの冷却部材、たとえば冷却するためのコールドバーまたはコールドプレートの間にクランプされている冷却ステーションの場合、システムのシーリングセクションに冷却ステーションを設置する必要はない。必要に応じて、システムのシーリングセクションに追加の専用冷却ステーションがないため、シーリングセクションの長さを短くすることができる。これは、重ねられた壁の引っ張り力の制御、およびシステムの設置面積の削減の観点から有益である。また、本発明のシステムにおいて、インダクターへの通電の停止直後に冷却が効果的に開始するという事実は、加熱が望ましくない場所および/または後の熱の除去がより困難な場所への望ましくない熱の分散を回避する。たとえば、欧州特許出願公開第999130号明細書のシステムでは、シールされた領域からの熱の分散は、シーリングステーションでのヒートシールの終了から下流の専用冷却ステーションによる冷却の開始までの期間に発生する。たとえばポーチの生産において、たとえば、壁にフィットメントをヒートシールする場合、熱は、フィルム材料の壁とフィットメントとの間の実際のシーリングゾーンからフィットメントの他の部分に、たとえばこのシーリングゾーンからさらに離れて拡散する傾向がある。本発明のアプローチは、この効果に効果的に対抗する。
【0015】
実際の実施形態では、ジョー、たとえば少なくともサセプターエレメントを備えたジョーの前面は、焦げ付き防止カバーで覆われている。たとえば、カバーはテフロン(登録商標)テープまたは非粘着性のある別のテープであり、たとえば長時間のヒートシール作業中に摩耗または汚れた場合にカバーを交換できる。カバーは、たとえばその上の一体層、たとえばガラス層として、サセプターエレメントと統合することもできる。必要に応じて、ジョーの前面の非粘着性カバーは、シールされるフィルム材料からサセプターエレメントを分離する唯一のコンポーネントである。
【0016】
本発明のシーリングシステムは、無金属のヒートシール可能なフィルム材料の、たとえばヒートシール可能な単一ポリマーのフィルム材料の、相互の、および存在する場合はフィットメントへの、たとえばポーチの生産においては、たとえばスパウトポーチのスパウトへの、ヒートシールを可能にする。たとえば、フィルム材料は、ポリエチレン(PE)、たとえば、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはポリプロピレン(PP)、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、またはこれらのポリマーの組み合わせから作られたヒートシール可能なマルチポリマーフィルム材料から作られた単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料である。議論したように、好ましくは、いかなる金属層もフィルム材料に存在しない。議論したように、たとえばエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)のフィルム材料に、場合により非金属酸素バリアポリマー層が存在する。あるいは、本システムはまた、アルミニウム層、たとえばポリエチレン(PE)および/またはポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーの層の間にあるアルミニウム層などの金属層を含むフィルム材料のヒートシールを可能にする。本発明のシーリングシステムはまた、金属層を有するヒートシール可能なフィルムのヒートシールを可能にすることに留意されたい。
【0017】
従来技術では、経済的なペースでヒートシールを実施するために、実際には、シーリングセクションを通過するときにフィルム壁が受ける熱的および機械的負荷の組み合わせに対して十分な抵抗を提供するために、フィルム材料に金属層を有することが必要であった。本明細書で説明するように、本発明のアプローチはそのような条件を回避する。このことは、たとえばポーチの生産において、たとえば、限られた厚さの無金属の単一ポリマーフィルム材料をシーリングすることを可能にする。このような材料は、リサイクルにより便利であり、必要なプラスチックがより少ないため、環境により優しく、コストもより低くなる。
【0018】
本発明のシーリングシステムの利点は、条件が、フィルム材料の、たとえば無金属のフィルム材料の比較的薄い壁を可能にすることである。壁の厚さが制限されているため、サセプターエレメントを備えたジョーからシールが確立されるゾーンへの熱インパルスの効率的な、たとえば速い伝達が強化される。たとえば、対向する壁の間にシーリングされたフィットメント、たとえばポーチの端の領域に、たとえばスパウト、を有するポーチの生産において、それぞれのジョーがサセプターエレメントを有するフィットメントシーリングステーションが使用される。次いで、各ジョーのサセプターエレメントから、フィルム壁とフィットメントの取り付け部分との間の近くのシーリングゾーンに非常に効果的に熱インパルスが伝達される。その結果として、実施形態では、ヒートシーリングインパルス中にサセプターエレメントにおいて到達する温度は、既存のホットバーシーリングシステムにおいて必要とされる温度と比較して、比較的低く保つことができる。
【0019】
高周波場によってエネルギーが与えられたときのサセプターエレメントの温度とヒートシール温度との間の差、すなわち、ヒートシール可能なフィルム材料および/またはフィットメントの融解温度は、デルタTまたはデルタ温度と呼ばれ得る。本発明によるシーリングシステムでは、好ましくは、ヒートシーリングが、本明細書に記載のインダクターによって生成される高周波場によって加熱されるジョー内のサセプターに基づく場合、デルタTは、実際には、既存のホットバーシーリングシステムに比べて小さくなり得る。したがって、フィルム材料がジョーの前面に直接接触して過熱する可能性が減少し、その結果、フィルム材料への損傷が少なくなるか、まったくなくなり、シール品質が向上する。さらに、デルタTが低いと、これまで効果的にヒートシールできなかったフィルム材料のシールが可能になり得、たとえば、フィルム材料の無金属のポリプロピレン(PP)壁を、ポリプロピレン(PP)フィットメントの取り付け部分、たとえばポーチのスパウトにシールできるようになる。
【0020】
シーリングセクションの線形経路に沿って、たとえばシーリングステーションの下流に、1つまたは複数の専用冷却ステーションを設ける必要がないため、本発明によるシーリングシステムは、たとえばポーチ生産において、サイズが著しく小さく、たとえば従来技術のシーリングシステムよりも、線形経路に沿って少なくとも50%短くなり得る。それにより、工場、たとえばポーチに充填される物質の生産が行われる工場において必要なスペースが削減され、より小さな工場が必要になるか、同じ工場により多くの機器を設置できるようになる。たとえば、本発明のシーリングシステムの減少した設置面積により、ポーチに物質を充填するための充填デバイスとのより便利な統合が提供され得る。さらに、シーリングセクションに1つまたは複数の専用冷却ステーションがないことが好ましい場合、より複雑ではなく、したがってより信頼性の高いシーリングシステムが提供され得る。
【0021】
本発明のシステムで達成される即時冷却は、実施形態では、たとえばフィルム材料および/または存在する場合のフィットメント中のポリマーに応じて、シールされた領域での結晶化の改善を提供し、これにより、結晶化が改善され、ヒートシールの品質が向上し得る。
【0022】
さらに、実際には、シーリングステーションは、たとえばクランプ力がシーリングプロセスの主なパラメーターである従来の連続加熱シーリングジョーよりも少ない、たとえばはるかに少ない、クランプ位置にあるジョーの最小のクランプ力のみを提供するように構成および動作することができる。たとえば、アクチュエーターデバイスは、ジョー用の、たとえば位置制御付きの、ステッピングモータードライブを含む。一実施形態では、ステッピングモータードライブの位置がジョーのクランプ力に対応するように、ステッピングモータードライブとジョーとの間に弾性部材、たとえば1つまたは複数のスプリングが配置される。
【0023】
クランプ力は、たとえばシールされる領域間に空気が存在しないようにするために、ヒートシールされる領域の壁の間の密接な表面接触を保証するのにのみ役立つようなレベルに効果的に制限され得る。これは、本明細書に記載されているように、シーリングステーションのジョーの少なくとも1つにおけるサセプターの誘導ベースの加熱と組み合わせて特に有利である。本発明のサイクルにおいて好ましくはもたらされるより低いクランプ力により、フィルム材料への損傷のリスクが大幅に低減される。これにより、フィルム材料、特に無金属のフィルム材料の厚さを減らすことができ、たとえばポーチの生産のために必要なプラスチックが低減され得る。
【0024】
各シーリングステーションの運動デバイスは、往復運動、したがって線形経路に沿ったジョーの前後運動を提供するように構成され得る。ここで、ジョーはストロークの終わりに停止し、反対方向に移動される。ジョーをクランプして開くための一般的に横方向の動きとともに、これは、ジョーのいわゆるボックス運動経路をもたらし得る。あるいは、運動デバイスは、閉ループ、たとえば楕円体に沿って一方向に各ジョーの連続運動を提供し得る。一般に、ジョーは、クランプされたときに重ねられた壁に沿って移動し、次に壁から離れて移動し、続いて、重ねられた壁から開始位置までの間隔で反対方向に戻る動きが続く。
【0025】
システムの実際の実施形態では、加熱および冷却が1セットのジョーの1つのストロークの間に行われるとしても、線形経路に沿ったストロークの長さは比較的短い。
【0026】
実際には、シーリングシステムは、たとえば重ねられた壁が引っ張られる速度を考慮に入れると、たとえば1分あたり複数のポーチの高速で稼働され得る。シーリングステーションのそれぞれが独立して制御されるので、全体のサイクル持続時間とは独立した持続時間を有するようにされる各シールに熱インパルスを加えることが可能であることに留意されたい。熱インパルスが放出された後、ジョーがクランプ位置に保持されている残りの時間、シールされた領域はすぐに冷却される。実際には、たとえば取り戻される強さを考慮して、ジョーがクランプ位置に保持されていても、長時間のクランプは、シールされた領域のより多くの冷却にのみ影響を与える可能性があり、有害ではなく、シールの品質にも有益である可能性があるため、必要なレベルまで冷却するのに必要な時間よりも長くても問題はない。
【0027】
シーリングステーションのジョーは、ヒートシーリングインパルスの持続時間の後に冷却されるため、ジョーが開位置に移動した瞬間、実際にはかなり冷たくなる。これは、シーリングステーション周辺の一般的な温度/熱状況の観点から有利である。たとえば、開いたジョーが運動の開始位置に戻ることによって発生する熱によるフィルム壁の過度の加熱はない。欧州特許出願公開第999130号明細書のホットバーシーリングシステムでは、開いたジョーによって発生する熱のこのような悪影響が見られる。この過度の熱を回避することは、シーリングステーションが無菌チャンバーに収容されるようにシーリングセクションが具現化される実施形態においても有利である。
【0028】
ジョーは開位置ではかなり冷たく、線形経路に沿って開始位置に戻る動作中にジョーが重ねられた壁に面したままである実施形態では、重ねられた壁の過度の加熱が回避される。たとえば、ジョーは、垂直に向けられた重ねられた壁の上端または下端に沿って通過し、シーリングセクションを通過して、ジョーが壁に固定される開始位置に戻る。ホットバーシールの場合、この縁部ゾーンは過度に加熱され、引っ張り力の影響下で、望ましくないほど伸びる可能性がある。また、ジョーは開位置ではかなり冷たく、戻り動作を実行するためにジョーを壁から遠くに離す必要がないため、開位置にあるジョー間の間隔の大きさが制限され、高速動作が容易になる。シーリングシステムが停止した場合、開いたときにジョーがかなり冷たくなるという事実は、たとえば故障によってシステムが停止したときにシーリングステーションにある壁の非常に部分的な局所的な過度の加熱を回避する。これにより、ホットバーシーリングシステムと比較して、シーリングシステムの全体的な効率が向上し得る。
【0029】
一般に、本発明のシーリングシステムは、高い生産速度での動作を可能にするので、ヒートシール可能なフィルム材料の壁が一連のシーリングステーションに沿って引っ張られる高速で、生産性が向上する。たとえば継続的に加熱されるジョーと専用の冷却ステーションとを備える知られているシーリングシステムと比較して、生産率は最大3倍高くなり得る。これは、特に、本明細書に記載されているように、シーリングステーションのジョーの1つでのサセプターの誘導ベースの加熱と組み合わせて適用される。さらに、ジョーを継続的に加熱する必要がないため、シーリングシステムはより低いエネルギー消費で動作し得るが、熱インパルス中の短時間のみである。
【0030】
シーリングシステムの制御ユニットは、シーリングステーションごとに個別に、たとえば熱インパルスの強度および/または持続時間を制御するためにその少なくとも1つのサセプターエレメントによって放出される熱インパルスを制御するように構成され、各シーリングステーションに対して独立して、開位置とクランプ位置との間で第1および第2のジョーを相互に相対的に移動させるためのアクチュエーターデバイスを制御するように構成され、第1および第2のジョーのクランプ位置の持続時間を制御し、それによりクランプされた冷却時間を制御することができる。本明細書で説明するように、各シーリングステーションの少なくとも1つのジョー、好ましくは両方のジョーの冷却は連続的であるから、熱インパルスが発生した後、ジョーが密閉領域に固定されている限り、密閉領域の冷却が行われる。
【0031】
ある実施形態において、接合されることとなる壁部の両方は、たとえば、折り畳み式ポーチの生産において、または、空気を充填されたポケットを備えたパッケージング材料の生産において、ヒートシール可能なフィルム材料から作製され、好ましくは、無金属のヒートシール可能なフィルム材料から作製される。
【0032】
シーリングステーションは、ポーチの壁をヒートシールするように、たとえば国際公開第2015/189036号に開示されているタイプのバッグインボックスポーチの壁をヒートシールするように、具現化され得る。
【0033】
シーリングステーションは、たとえばスパウト、たとえば国際公開第2015/189036号に開示されているタイプのバッグインボックススパウトの環状取り付けフランジをポーチ壁にヒートシールするために、スパウトをポーチ壁にヒートシールするようにさらに具現化され得る。
【0034】
好ましい実施形態では、1つまたは複数の冷却デバイスと組み合わせた制御ユニットは、シーリングステーションごとに個別に、第1および第2のジョーの少なくとも1つ、ならびにシーリングステーションによってシールされる領域の冷却速度を制御するように構成される。たとえば、1つのシーリングステーションの片方または両方のジョーを冷却する液体冷却剤、たとえば水、の流量および/または温度は、別のシーリングステーションの片方または両方のジョーを冷却する液体冷却剤、たとえば水、の流量および/または温度とは独立して調整され得る。たとえば、実際の実施形態では、ジョーを冷却するために、液体冷却剤、たとえば水が、10~25℃の温度でシーリングステーションのジョーに供給される。たとえば、ジョーに供給される液体冷却剤の温度の下限は、たとえばジョーに接続されたフレキシブル冷却剤ラインの凝縮を回避するように選択される。
【0035】
必要に応じて、他のシーリングステーションから独立して各シーリングステーションを制御する機能は、インパルス加熱と冷却の両方において、シーリングシステムの汎用性を高め、たとえば、多種多様なフィルム材料、たとえば無金属のフィルム材料の取り扱いを可能にする。それはまた、シーリングされた領域が本発明のサイクル中に経時的に正確な温度プロファイルにさらされることを可能にし、これにより、各シーリングステーションで作製される信頼性が高く再現性のあるヒートシールの形成が強化される。
【0036】
インパルス加熱およびその後の冷却の制御は、好ましくは、各シーリングステーションの動作に関連するパラメーターの独立した制御を可能にするシステムの構成によって達成される。そのようなパラメーターの例は、シーリングステーションの少なくとも1つのサセプターエレメントによってもたらされる加熱シーリングの制御のための、熱インパルス強度、熱インパルス持続時間、放出された熱インパルスに含まれる熱量(たとえば、インダクターに供給されるエネルギー量の制御に基づく)、および冷却を制御するための、クランプされたジョー間の効果的な冷却の持続時間、冷却速度などである。他のパラメーターは、たとえば、ジョーのクランプ力、および/または全体的なクランプ持続時間、および/または戻り運動の速度を含み得る。
【0037】
実施形態では、運動デバイスは、線形経路に沿ったジョーの運動の完全な個別制御を可能にするように構成され、したがって、密閉するための壁とともに、開位置にあるときに開始位置に戻る。
【0038】
ポーチ生産では、ここで説明するように、ヒートシールおよび冷却プロセスを個別に制御する機能は、シーリングシステムの柔軟性に貢献し、たとえばあるポーチから別のポーチに切り替えるときに、シーリングシステムの複雑な機械的変更を必要とせずに、同じシーリングシステムでシーリングするために、すべて、インパルス加熱、冷却、アクチュエーターデバイス、および/または運動デバイスのさまざまなパラメーターを使用して、多くの異なるタイプのポーチを可能にする。これにより、さまざまなタイプの製品、たとえばポーチ、の製造間の切り替え時間を短縮でき、したがって、生産性がさらに向上する。
【0039】
さらに、革新的なシーリングシステムを起動するとき、またはシステムで生産されるある製品から生産される別の製品に切り替えるとき、サセプターエレメントは、連続的に加熱されるジョーを有する従来技術のシーリングシステムよりも速い一定の動作条件、たとえばジョーの安定した熱挙動に達し得る。これにより、全体的な効率、たとえば生成される廃棄物の削減が向上し、および/またはそのような切り替えに必要な時間の短縮が可能になる。連続的に加熱されるジョーを備えた知られているシーリングステーションでは、真に安定した状態に達するまでに最大30分かかり得る。代わりに、本発明のアプローチでは、シーリングステーションのジョーは、定常状態に到達するのにかかる時間が短く、通常は1~2分であり得る。
【0040】
実施形態において、一方または両方のジョーは、たとえば、プラスチック材料またはセラミック材料(たとえば、耐熱性材料)の(たとえば、PEEKの)主本体部を有しており、サセプターエレメントおよび/またはインダクターが主本体部の上に装着されている。たとえば、サセプターは本体の面に取り付けられており、たとえば、インダクターは、本体に埋め込まれ、たとえば本体のボアに収納されている。ジョーの本体のプラスチックまたはセラミック材料は、インダクターによって生成される高周波場を、少なくとも望ましくない方法で損なわないように選択される。窒化ホウ素、および/または窒化アルミニウム、および/またはポリフェニレンサルファイド、および/または加硫シリコーン材料も本体に考慮し得る。とりわけ、窒化ホウ素は、良好な熱伝導率を提供し、それによって、サセプターエレメントおよびインダクターから冷却デバイスに向けての(たとえば、主本体部の中のダクトを通して循環される冷却流体(たとえば、水)に向けての)良好な熱の伝導率を可能にする。
【0041】
一実施形態では、サセプターエレメントは、たとえば薄い金属ストリップとして、金属材料、たとえば金属または金属合金でできている。一実施形態では、サセプターエレメントは、たとえばストリップとして具現化され、0.01~5mmの間、好ましくは0.05~2mmの間、より好ましくは0.08~0.8mmの間、たとえば0.3~0.5mmの厚さを有する。一般的に、熱インパルスの終了の後に、ジョー(たとえば、インダクターおよびサセプターを含む)を急速に冷却したいという要望を考慮して、サセプターエレメントの最小厚さを有することが望ましいと考えられる。サセプターの薄いデザインがこの欲求に貢献する。電流源からの電流はサセプターを通過しないので、そのような電流の流れに対処するように断面を設計する必要がないことに注意されたい。
【0042】
実施形態において、サセプターエレメントの厚さは、公称厚さとは局所的に異なっていてもよい。たとえば、サセプターエレメントは、その後方表面(たとえば、ジョーの前方表面から離れる方を向いている)において、厚くされた部分を含み、サセプターエレメントの中の電磁場の強度を局所的に増加させることが可能であり、サセプターエレメントによって放出される熱インパルスの強度を局所的に増加させるようになっている。
【0043】
たとえば、サセプターエレメントは、アルミニウム、ニッケル、銀、ステンレス鋼、モリブデン、および/もしくはニッケル-クロムから作製されているか、または、それを含む。
【0044】
ある実施形態において、サセプターエレメントは、対向する前方および後方の主要面を有するストリップとして具現化されており、対向する前方および後方の主要面は、それらの間にストリップの厚さを画定している。
【0045】
一実施形態では、サセプターエレメントの厚さは、エレメントの延長にわたって一定である。
【0046】
一実施形態では、サセプターエレメントは、平面ストリップとして具現化される。ここで、好ましくは、ストリップの平面はジョーの前部に平行である。
【0047】
可能なら両方のジョーにサセプターエレメントと関連するインダクターが装備されているサセプターエレメントを備えたジョーの前部は、好ましくは滑らかであり、したがって、フィルム材料の壁をジョーから局所的に保持し、ジョーとフィルム材料の壁との間にエアポケットを作成するレリーフがない。この滑らかな設計は、ジョーから接合部が作製されるゾーンへの熱インパルスの非常に効果的な伝達を引き起こす。実際には、ヒートシールジョイントは、サセプターがフィルム材料の壁に向かって熱を放出する領域全体を通して達成されることが観察され得る。
【0048】
一実施形態では、シーリングステーションの各ジョーは、導電性材料のサセプターエレメントおよび関連するインダクターを含み、好ましくは、シーリングステーションは、それぞれがそれぞれのジョーのそれぞれのインダクターに接続された複数の電流源を有する。好ましくは、制御ユニットは、1つのシーリングステーションの各ジョーから放出される熱インパルスを個別に制御できるようにするために、各インダクターに供給される電流を個別に制御するべく、シーリングステーションの各電流源を独立して制御するように構成される。これにより、たとえばシール領域への入熱を考慮して、たとえば、第2のジョーから放出される熱インパルスと比較して第1のジョーから放出される熱インパルスのタイミングを、たとえば、次々に、または何らかの形で時限オーバーラップするように変えることができる。
【0049】
一実施形態では、サセプターエレメントは、それぞれのジョーの前面に沿って延在し、背面を有し、たとえばサセプターエレメントは、細長いストリップとして、または1つまたは複数の細長いストリップ形状の部分を有するものとして具現化され、各インダクターは、それぞれのサセプターエレメントの背面に沿って、たとえばサセプターエレメントに平行に延在する細長いインダクターセクションを含む。
【0050】
ジョーの前方表面に沿った少なくとも1つの細長いインダクターセクションの延在に起因して(たとえば、直線的なインダクターセクション)、および、たとえば、ある実施形態において、少なくとも1つのサセプターエレメントの後方側部において、好ましくは、前記後方側部に極めて近接して、サセプターエレメントに沿った(サセプターエレメントに概して平行な)少なくとも1つの細長いインダクターセクションの延在に起因して、ジョーの前面の延在にわたる熱の発達が、魅力的な様式で(とりわけ、かなり均一な様式で)起こる。たとえばストリップとして具現化されたインダクターセクションの伸びは、たとえばインダクターセクションのコイル状または別のかなり不規則な形状と比較して、インダクターセクション内の電流密度の均一性に貢献する。この均質性は、高周波場の均質性に変換され、それによって、サセプターエレメントのインパルス加熱の均質性に変換される。後者は、フィルム材料の壁部のシーム領域の中の信頼性の高い効果的なヒートシーリングに貢献する。
【0051】
ヒートシーリングおよびインパルスプロセスの均質性は、クランプ位置においてジョーの最小クランピング力を有することを可能にし、それは、たとえば、従来の連続的に加熱されるシーリングジョーによるものよりもはるかに小さい。クランプ力は、壁の間、または壁と存在する場合は、たとえば、スパウト付きのポーチ内のフィットメントの取り付け部分との間の密接な表面接触を保証するためにのみ効果的に役立ち得る。
【0052】
実施形態において、インダクターは、たとえば、銅から作製された(銅が好適である)中実断面の金属またはその他(好ましくは、高伝導性材料インダクター)である。この配置は、たとえば、内部が中空のインダクターと比較して、インダクターの中の電流密度の過度の変動を回避することを可能にし、それによって、発生させられる場の望ましくない変動を回避することを可能にする。代替の、あまり好ましくない実施形態では、インダクターはマルチストランドLitzワイヤーである。そのような実施形態では、Litzワイヤーの加熱は、問題になる可能性があり、冷却がより困難であるということが観察された。
【0053】
ある実施形態において、ジョーのインダクターは、複数の細長いインダクターセクションを含み、複数の細長いインダクターセクションは、互いに平行になっている(たとえば、直線的な細長いインダクターセクション)。実施形態では、セクションは、ジョーの前面に平行な平面に並べて配置される。隣接するインダクターセクションは、スリット、たとえばエアスリットまたは電気絶縁材料で満たされたスリットによって互いに間隔が空けられている。実施形態では、ジョーのインダクターは、複数の、たとえばたった1セットの、互いに平行で、スリットによって互いに間隔を置いて配置された細長いインダクターセクションを含む。ここで、ジョーの前面から見たサセプターエレメントは、スリットを越えて、たとえば一対のインダクターセクション間の1つのスリットを越えて延在する。並列インダクターセクション、たとえば直線状の細長いインダクターセクション間のスリットの存在により、サセプター上のジョーのインダクターによって生成される電磁界の望ましい集中が可能になる。ある実施形態において、サセプターエレメントは、ジョーの前方表面の図で見たときに、平行なインダクターセクションの間のスリットの上に延在している。
【0054】
実施形態では、隣接するインダクターセクションたとえば直線状の細長いインダクターセクション間のスリットは、幅が0.01~5mmの間、より好ましくは0.1~2mmの間である。
【0055】
一実施形態では、少なくとも1つの細長いインダクターセクション、たとえば直線状の細長いインダクターセクションは、ジョーの前面に垂直に見た場合、厚さが1.0~4.0mmであり、たとえば1.5~3.0mmである。インダクターエレメントの限られた厚さにより、たとえば1つまたは複数の冷却流体ダクトが、好ましくは、少なくとも1つのインダクターエレメントの背面の近くに配置されるため、ジョーの導体を含むジョーの冷却が強化される。
【0056】
ヒートシールを行うためにインダクターに電力を供給することは、インダクターを通過する単一の短時間の高周波電流で構成される。これはまた、たとえば単一のヒートシールを行うために、さまざまな期間にインダクターを流れる電流の強度が異なるさらに短い期間の連続として行われ得る。
【0057】
実施形態において、インダクターに供給される電流の周波数は、100kHzから1MHzの間にあり、たとえば、250kHzから750kHzの間にある。
【0058】
実施形態において、インダクターに供給される電流の大きさは、20Aから600Aの間にある。
【0059】
実施形態において、電流は、40Vから500Vの間の大きさを有する電圧で、インダクターに供給される。
【0060】
ある実施形態において、熱インパルス持続期間は、10ミリ秒から1000ミリ秒の間、たとえば、20ミリ秒から500ミリ秒の間、たとえば、75ミリ秒から400ミリ秒の間にある。
【0061】
一実施形態では、熱インパルスに直接続くクランプされた冷却持続時間または有効な冷却ステップは、200~800ミリ秒の間、たとえば300~600ミリ秒の持続時間を有し得る。
【0062】
好ましくは、インダクターはサセプターと同じジョーに取り付けられ、たとえばインダクターはサセプターエレメントの背面に沿って延在する。別の実施形態では、第1のジョーはサセプターエレメントを備えており、第2のジョーはサセプターエレメントを欠いており、第2のジョーはインダクターを備えており、第1のジョーはインダクターを欠いている。この配置では、第2のジョーのインダクターが高周波電磁場を生成し、第1のジョーのサセプターエレメントに渦電流を誘導し、それによって第1のジョーのサセプターエレメントから放出される熱インパルスを生成する。この設計の利点は、たとえばサセプターエレメントの近くに少なくとも1つの冷却流体ダクトを配置し、たとえば冷却流体ダクトが、サセプターエレメントの背面に沿って、たとえばサセプターエレメントに平行に延在することにより、サセプターエレメントを非常に効果的に冷却できることである。この設計では、たとえばインダクターの近くに少なくとも1つの冷却流体ダクトを配置し、たとえば冷却液ダクトが、細長いインダクターセクションに沿って、たとえばその裏側に沿って延在することにより、第2のジョーも冷却デバイスによって冷却され得る。代替配置の欠点は、サセプターエレメントとインダクターとの間の間隔が、壁の厚さなどの実際の操作では多少変動する可能性のある要因に依存し、たとえば、シーリングプロセスの精度と再現性に悪影響を与え得る、取り扱うフィルム材料や型締力などに依存することである。したがって、実際には、1つの同じジョー内のサセプターと関連するインダクターの配置が優先される。
【0063】
少なくとも1つのサセプターエレメントの非粘着性カバーは交換可能であり得、それにより、非粘着性カバーは、それが摩耗または汚れたときにのみ交換する必要があるが、従来技術のシーリングシステムでは、ジョー全体が交換する必要があった。
【0064】
シーリングシステムの実施形態では、シーリングステーションのそれぞれについて、冷却デバイスによって冷却される第1および第2のジョーの少なくとも1つは、1つまたは複数の冷却ダクトを含み、冷却デバイスにより、液体冷却剤、たとえば1つまたは複数の冷却ダクトを通る水の連続循環が確立される。好ましくは、ダクトは、液体冷却剤と本体との間の直接接触を得るために、ジョーのプラスチックまたはセラミック本体にボアとして形成される。この実施形態により、液体冷却剤のためのダクトを形成するであろう他の任意の材料による場の過度の妨害も回避される。
【0065】
一実施形態では、制御ユニットは、たとえば温度センサーの出力に基づいて、ジョーに沿って循環する冷却剤の温度および/または流量を調整するように構成される。冷却剤の温度および/または流量を制御することにより、制御ユニットは、冷却力を制御して、作成されるシールに最適なシール領域の温度低下を達成することができる。
【0066】
一実施形態では、各冷却デバイスは、たとえばジョーごとに個別に、冷却剤の実際の温度を感知して出力する冷却剤温度センサー、および/または1つまたは複数のジョーに沿って循環する冷却剤の流量を感知して出力する冷却剤流量センサーを備え、制御ユニットは、たとえば冷却剤温度センサーおよび/または冷却剤フローセンサーの出力に基づいて、各ジョーに対して個別に、ジョーに沿って循環する冷却剤の温度および/または流量を調整するように構成されている。冷却剤温度センサーは、冷却流体の温度を継続的に測定するように構成され得、たとえばジョーから戻る冷却剤の温度または冷却剤リザーバー内の温度、または、たとえば各インパルスシーリングサイクルの冷却剤温度のピーク値を表す冷却剤のピーク温度値のみを出力するように構成され得る。制御ユニットは、冷却剤の温度が所望の温度レベルを超えていることが判明した場合、そのそれぞれのジョーに向かってポンプで送られる冷却剤の温度を下げる、および/またはそれぞれのジョーに向かう冷却剤の流量を増やすことを決定し得る。
【0067】
一実施形態では、各冷却デバイスは、1つまたは複数の可撓性冷却剤ホースを介してシーリングステーションの1つまたは複数の可動ジョーに接続される、静止して取り付けられたポンプおよび熱交換器アセンブリを含む。一実施形態では、各シーリングステーション、場合によっては各ジョーに対して、専用の固定式に取り付けられたポンプおよび熱交換器アセンブリが存在する。これにより、たとえば、冷却の独立した制御を強化でき、たとえば、各シーリングステーションまたは各ジョーの冷却水温度と流量とを個別に設定して操作できる。
【0068】
一実施形態では、少なくとも1つのシーリングステーション、好ましくは、各シーリングステーションは、第1のジョーおよび/または第2のジョーに、たとえばジョーの前面および/または存在する場合はジョーのサセプターエレメントに関連付けられた、たとえば配置され、制御ユニットにリンクされ、それぞれのジョーの実際の温度を感知して出力するように構成されている温度センサーを含む。制御ユニットは、この温度センサーの出力に少なくとも部分的に基づいて、シーリングステーションによってもたらされるヒートシーリングおよび/または冷却を制御するように構成される。温度センサーは、たとえばそのサセプターエレメントのそれぞれのジョーの温度を継続的に測定するように、またはピーク温度値のみを出力するように構成され得、たとえば各サイクルにおいて、たとえばサイクル中のそのサセプターエレメントのジョーの温度のピーク値を表すか、ジョーの平均温度を決定するように構成され得る。
【0069】
一実施形態では、制御ユニットは、ジョーに関連付けられた温度センサーの出力に基づいて、シーリングステーションのジョーにあるサセプターに関連付けられたインダクターに供給される高周波電流を調整するように構成される。高周波電流、たとえば電流の大きさ、電流の持続時間、ヒートシーリングインパルス内の電流の大きさの分布(たとえば、異なる電流の周期の連続で励起されるインダクター)、および/または電流の周波数を制御することにより、制御ユニットは、それぞれのインダクターによって生成される電磁場を制御し、それによって、サセプターエレメントに誘導される渦電流を制御し、それによって、サセプターエレメントから放出される熱インパルスを制御する。
【0070】
一実施形態では、インダクター、および好ましくはサセプターエレメントも有する各ジョーは、専用の電流源に接続されたインダクターを有し、制御ユニットは、それぞれのインダクターに供給される個々の高周波電流を個別に制御するために、各電流源を独立して制御するように構成される。これにより、各インダクターによって生成される電磁界の個別制御がさらに容易になる。
【0071】
一実施形態では、システムは、本明細書で論じられるサイクルにおいて予熱ステップを実施するように構成および操作され、実際のヒートシーリングインパルスを実施する前に予熱が実施される。実際には、予熱ステップは、ヒートシーリングインパルスを実行する直前に実行される。
【0072】
一実施形態では、制御ユニットは、ジョーがクランプ位置に移動する前またはその間に予熱を引き起こすように構成される。本明細書において、サセプターエレメントおよび/またはジョーの前面は、ジョーがヒートシール可能なフィルム材料の壁に接触する前に予熱温度に到達し得る。代替の実施形態では、制御ユニットは、ジョーがクランプ位置にある間に、たとえばクランプ位置に到達したときに予熱を引き起こすように構成される。
【0073】
予熱ステップは、好ましくは、予熱高周波電流をインダクターに供給して、サセプターエレメントによって予熱を引き起こすインダクターで予熱電磁場を生成することにより、サセプターエレメントで予熱熱インパルスを生成することを含む。予熱は、好ましくは、フィルム材料の溶融を回避する予熱温度まで行われる。次いで、ジョーのサセプターによって放出される後続のヒートシーリングインパルスにより、ヒートシールに必要な溶融が発生する。
【0074】
好ましいように、本発明のシステムにおいてフィットメントをシーリングするとき、たとえばポーチの生産では、フィットメントシーリングステーションで発明サイクルが実施される前に、たとえばアタッチメント部分のフィットメントの予熱はない。これにより、フィットメント内のそのような予熱によって入力された熱の過度の分散が回避され、本明細書に記載されている理由のために有益である。
【0075】
一実施形態では、当技術分野で知られているように、インフィードセクションは、単一のロールからディスペンスされたフィルム材料を、任意選択でガセット、たとえばシーリングシステムで生産されるポーチの底部ガセットを形成するガセットを備えた2つの重ねられた壁に折り畳むように構成される折り畳みステーションを含む。
【0076】
一実施形態では、制御ユニットは、シーリングステーションの各運動デバイスについて、独立して、少なくともジョーが線形経路に沿って移動するストローク長さを制御するように構成される。これにより、たとえば、クランプ位置でのジョーの移動に対応するストローク長を実現できる。これにより、たとえば、クランプ時に短いストローク長が必要な場合に、ジョーがより長いストローク長で移動することを回避できる。特に高速運転では、たとえばポーチの生産において、たとえば加減速による機械力、運動デバイスの摩耗などを考慮して実際のストロークの長さを制限することは有益である。本実施形態により、たとえば、シーリングセクション内の異なるシーリングステーションのジョーの異なるストローク長さが可能になる。
【0077】
一実施形態では、制御ユニットは、第2のシーリングステーションの第1および第2のジョーの位置に対する第1のシーリングステーションの第1および第2のジョーの位置を調整するために、たとえば線形経路に沿ってそれらの間の相互距離を調整するために、第1のシーリングステーションの運動デバイスおよび第2のシーリングステーションの運動デバイスを制御するように構成される。これは、たとえば、異なるサイズのポーチの生産の観点から望ましい。
【0078】
一実施形態では、シーリングシステムは、固定フレームを含み、連続するシーリングステーションの運動デバイスは、シーリングセクションを通る重ねられた壁の線形経路の反対側に取り付けられ、たとえばシーリングセクションに沿って移動するときに重ねられた壁は垂直方向にあり、連続するシーリングステーションの運動デバイスは線形経路の上下に交互に取り付けられている。たとえばフィットメントシーリングステーションは、経路の上に配置されたフィットメント挿入デバイスを介してフィットメントが挿入された状態で、経路の下にその運動デバイスを有し、たとえば重ねられた壁の結合されていない縁部領域の間にフィットメントを導入する。
【0079】
たとえば、各運動デバイスは、静止フレームに取り付けられ、線形経路に平行に延在する線形ガイドを備えた線形ガイドアセンブリを備える。ここでは、スライダーが線形ガイドに取り付けられており、このスライダーは往復ドライブによって駆動される。スライダーは、シーリングステーションのジョーと関連するアクチュエーターデバイスをサポートする。
【0080】
一実施形態では、少なくとも1つのシーリングステーション、好ましくは各シーリングステーションは、制御ユニットにリンクされ、それぞれのジョーのたとえば線形経路の方向および/または線形経路に対する横断方向の位置を感知して出力するように構成されるその第1のジョーおよび/または第2のジョーに位置センサーを備える。位置センサーは、たとえば固定フレーム上の、および/またはヒートシール可能なフィルム材料の壁に関する固定基準に対する相対的な位置を感知し得る。一実施形態では、制御ユニットは、位置センサーの出力に基づいてシーリングステーションの運動デバイスを制御するように構成される。位置センサーは、それぞれのジョーの位置を継続的に測定するように構成および操作することができ、または、たとえば冷却ステップの終わりに、ジョーの特定の位置、たとえば、各サイクルの開始時の開始位置、またはジョーが開位置に移動する終了位置のみを測定するように構成され得る。
【0081】
一実施形態では、位置センサーは、フィルム材料を画像化し、フィルム材料に提供されたマーキングを検出するように構成される光学センサーである。そのようなマーキング、たとえば印刷されたマーキングは、フィルム材料内の関連する位置、たとえば後のステップで、ポーチを個別化するためにカットが行われる位置を示し得、または、フィルム材料の重ねられた壁の間の位置合わせを表し得る。光学センサーを制御ユニットに接続することができ、制御ユニットは、光学センサーの出力に基づいて、たとえばマーキングの検出に基づいて、運動デバイスを制御するように構成され得る。
【0082】
一実施形態では、制御ユニットは、フィードバック型制御機構に基づいて動作するように構成され、第1のサイクル中に行われたパラメーターのもう1つの測定は、少なくとも部分的に、インパルス加熱および/または冷却および/または1つまたは複数の後続サイクルのためのジョーの移動を制御するための基礎を形成する。
【0083】
一実施形態では、制御ユニットは、メモリを含んで構成され、たとえば、ポーチの生産中、1つまたは複数のパラメーター、たとえば、インパルスヒートシーリングおよび/またはシーリングステーションのジョーの冷却および/または移動に関連する1つまたは複数の設定および/または実際に測定されたパラメーターをログに記録するように動作する。パラメーターをログに記録することにより、後に、たとえばどのポーチの、どのシールが、どのような特定の設定で行われたかを取得できる。これは、作成されているシールの品質の監視に寄与し得る。
【0084】
一実施形態では、制御ユニットは、たとえば各シーリングステーション用に、たとえば複数のポーチデザインを作成するために、それぞれのデータセットが保存される、複数の異なるシール構成のためのメモリを備えている。データセットは、たとえば、サセプターエレメント、たとえば電流源の、および/または冷却デバイス、アクチュエーターデバイス、および/または運動デバイスの動作に関連する、インパルス加熱に関連する設定を含み得る。保存されたパラメーターは、たとえば、ジョーによるクランプの持続時間、各サセプターエレメントのヒートシーリングインパルスの持続時間、冷却の持続時間、冷却剤温度、冷却流量の1つまたは複数を含む。データセットは、実施形態では、クランプ力、および/または運動デバイスの動作に関連するパラメーター、たとえば、開始位置、ストローク終了位置、速度などを含み得る。
【0085】
一実施形態では、シーリングシステムは、たとえばポーチのデザインの選択に基づいて、たとえばマシンのオペレーターがシール構成を選択できるようにする、オペレーター入力デバイス、たとえばタッチスクリーンを備え、制御ユニットは、それに応じてメモリに格納された適切なデータセットを選択するように構成される。これは、シーリングシステムの柔軟性に貢献し、たとえばインパルス加熱、冷却、シーリングシステムでシールするアクチュエーターデバイスおよび/または運動デバイスのさまざまなパラメーター設定により、好ましくは、シーリングシステムの複雑な機械的変更を必要とせず多くの異なるタイプのポーチのパラメーター設定間の便利な切り替えを可能にする。実施形態では、異なるポーチデザインを切り替えるときに、すべてのジョーを交換する必要さえない場合がある。
【0086】
一実施形態では、シーリングシステムは、ディスプレイ、たとえば選択したデータセットをグラフィック形式で、たとえば選択したポーチにおける、ヒートシールおよび冷却関連のパラメーターなどの次元を表すたとえば1つまたは複数のグラフとして表示するように構成されたタッチスクリーンをさらに備える。この表示により、オペレーターは、それぞれのパラメーターを確認でき、たとえば正しいシール構成の場合、シーリングシステムが正しく設定されているかどうかを簡単に確認できる。
【0087】
一実施形態では、アクチュエーターデバイスおよび/または運動デバイスは、それぞれサーボモーターを備える。サーボモーターは、制御ユニットによって正確に制御でき、これにより、ジョーを高速で正確に動かして、高品質のシールを得ることができる。
【0088】
一実施形態では、シーリングセクションは、たとえばシーリングステーションの下流にトリミングステーションを備え、トリミングステーションは、
- 重ねられたウェブの一部を除去するために、たとえばポーチの生産においてポーチの輪郭を形作るために、コマンドで、たとえばパンチング、ノッチングなどのトリミング作用を実行するように構成されたトリミングデバイスと、
- トリミング作用を実行するときに、重ねられた壁と同期してトリミングデバイスを移動するように構成された運動デバイスと、
- トリミングされた部分を収集するように構成された収集システムであって、たとえば真空源に接続された1つまたは複数の真空ホースを含む、収集システムと、
を含む。
【0089】
本発明はまた、折り畳み式ポーチを生産するための生産マシンに関し、各ポーチは、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、最も好ましくは単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料から作られた壁を有する。生産マシンは、本明細書に記載されるようなシーリングシステムを含む。
【0090】
一実施形態では、マシンは、フィットメント、たとえばスパウトを有するポーチの生産用に構成される。一実施形態では、線形経路に沿った第1のシーリングステーション、したがってシーリングセクションの入口側にあるものは、たとえば壁の結合されていない縁部領域間において、重ねられた壁にフィットメントをヒートシールするように適合されたフィットメントシーリングステーションとして構成される。本明細書では、たとえばポーチのサイドシールおよび/またはボトムシールを提供するために、1つまたは複数の下流シーリングステーションが、ポーチの1つまたは複数の他の領域をシールするように構成され、一方、ポーチの個別化の際の連続ストリングの静止部分が、シーリングセクションの下流において有効化される。
【0091】
ポーチのヒートシールされる1つまたは複数の他の領域をシールする前に、対向する壁の間の結合されていない縁部領域において最初にフィットメントをヒートシールすることの利点は、重ねられたフィルム材料の壁が、この開放縁部領域にフィットメントの取り付け部分を導入するために簡単に分離されるということである。この縁部領域の分離は、たとえば、静止して配置され、フィットメント挿入の位置に到達する前に縁部領域の壁を分離するウェッジ部材によって行われる。これは、従来技術のアプローチよりも、特に本発明のシステムによって可能になった高速で実行するのが容易であり、結合されていない縁部領域においてフィットメントをヒートシールする前に、一般的に最初に1つまたは複数の他のヒートシール、たとえばサイドシールが、ポーチの壁を互いに接続して作成される。この従来技術のアプローチは、壁を互いに離れるように偏向させ、フィットメントの挿入を可能にするための作動式開口デバイスの提供を必要とする。実際には、これには、シーリングセクションを通る壁の断続的な動き、または壁を互いに離れるように偏向させるための望ましくない低速での動きを必要とする。
【0092】
一実施形態では、マシンは、対向する壁の間の結合されていない縁部領域、たとえば対向する壁をつなぐ折り目、たとえばポーチの底部ガセットを形成するための、たとえばガセット付きの折り目とは反対側にある領域において、たとえばスパウトの、フィットメントの取り付け部分を挿入するように適合されたフィットメント挿入デバイスを備える。フィットメントシーリングステーションは、フィットメントの取り付け部分の反対側に壁をヒートシールするように構成されている。
【0093】
一実施形態では、フィットメント挿入デバイスは、1セットの第1および第2のフィットメント挿入器によって、1サイクルで少なくとも2つの隣接するポーチの結合されていない縁部領域に2つのフィットメントの2つの取り付け部分を実質的に同時に挿入するように構成される。その結果、フィットメントシーリングステーションは、2つの隣接するポーチの壁を、1セットの第1および第2のジョーによって1サイクルで両方のフィットメントの両方の取り付け部分の反対側に加熱するように構成される。
【0094】
一実施形態では、フィットメントシーリングステーションは、ヒートシール可能なフィルム材料から作られた対向する第1の壁と第2の壁との間の結合されていない縁部領域に取り付け部分を有するプラスチックフィットメントをヒートシールするように構成されており、
フィットメントシーリングステーションの第1および第2のジョーの前面はそれぞれ、フィットメントの取り付け部分の半分をその中に受け入れるように構成された窪みを規定する凹面部分を有し、前面はそれぞれ、それぞれの凹面の反対側で、凹面に隣接して、同一平面上の面部分を規定し、
フィットメントシーリングステーションの第1および第2のジョーのそれぞれは、そのそれぞれの前面に、それぞれの前面の凹面部分および同一平面上の面部分に沿って延在する少なくとも1つの、たとえば、単一の細長いサセプターエレメントを含み、
フィットメントシーリングステーションは、動作中に、フィットメントが、ヒートシール可能なフィルム材料から作られた対向する第1の壁と第2の壁との間の結合されていない縁部領域にその取り付け部分とともに配置されるように構成され、
フィットメントシーリングステーションは、本明細書に記載の本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0095】
一実施形態では、フィットメントシーリングステーションは、動作中に、重ねられた壁およびフィットメントの取り付け部分は、その第1のジョーと第2のジョーとの間に配置され、1つまたは複数のサセプターエレメントが2つの隣接するポーチの結合されていない縁部領域上に突出するように構成され、フィットメントシーリングステーションは、本明細書に記載の本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0096】
フィットメントは、たとえば、ポーチから製品、たとえば流動性のある製品、たとえば液体製品、たとえば流動性のある食品、たとえば飲み物、ソースなどを排出するためのスパウトであり得る。フィットメントは、閉じられているか、または閉鎖部材、たとえばキャップ、たとえばスクリューキャップ、スナップキャップ、フリップトップキャップなどによって閉じられるように構成されている首を有し得る。フィットメントは、バルブ、たとえばビドンタイプのバルブ、自動閉鎖バルブ、たとえばスリットバルブなどを含み得る。
【0097】
フィットメントシーリングステーションの各インパルス加熱可能部材は、導電性材料を含むサセプターエレメントであり、サセプターエレメントは、ジョーのそれぞれの前面とは反対側を向いた背面を有し、
フィットメントシーリングステーションの第1および第2のジョーのそれぞれは、それぞれのサセプターエレメントから電気的に絶縁されたインダクターを備え、各インダクターは、それぞれのサセプターエレメントの背面にあるそれぞれの前面に沿って延在し、
高周波電流源は、フィットメントシーリングステーションの第1および第2のジョーのそれぞれのインダクターに接続され、
フィットメントシーリングステーションは、本明細書に記載の本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0098】
一実施形態では、フィットメントシーリングステーションのジョーは、フィットメントが挿入される結合されていない縁部領域全体が、たとえばシーリングシステムのフィットメント挿入デバイスによって、本明細書に記載されるような1つの本発明のサイクルでシーリングされるように、構成され、たとえばサセプターエレメントを有する。したがって、フィットメントが縁部領域に固定され、関連する縁部領域全体がヒートシールされて閉じられることの両方がなされる。これにより、この縁部領域に沿って追加のシーリングアクションを実行する必要がなくなる。
【0099】
代替の実施形態では、フィットメントシーリングステーションのジョーは、フィットメントが配置されている結合されていない縁部領域の一部のみがサイクルでシールされ、結合されていない縁部領域の別の部分は開いたままになるように構成される。これにより、たとえば、開口部分を介してポーチを後で充填することが可能になる。この開口部分は、たとえば、本明細書に開示されるようなインパルスヒートシーリングに基づいて、後で別のシーリングステップにおいて閉じられる。
【0100】
一実施形態では、ポーチ生産マシンのシーリングシステムは、一連のまだ相互接続されたポーチ内の隣接するポーチの2つの隣接するサイド領域をヒートシールするように構成されるサイドシームシーリングステーションを備える。実施形態では、サイドシームシーリングステーションは、線形経路に沿って見た場合、フィットメントシーリングステーションの下流にあり、たとえばフィットメントシーリングステーションと存在する場合は底部領域シーリングステーションとの間に配置されている。
【0101】
一実施形態では、サイドシームシーリングステーションは、1セットの第1および第2のジョーによる1サイクルにおいて、ポーチの両側領域、およびたとえば隣接するポーチの両方のそれぞれのサイド領域をヒートシールするように構成される。一実施形態では、サイドシームシーリングステーションは、動作中に、重ねられた壁が、その第1のジョーと第2のジョーとの間に配置され、1つまたは複数のサセプターエレメントが、ポーチの両側領域および隣接するポーチのそれぞれの両側領域に突出するように構成され、サイドシームシーリングステーションは、本明細書に記載されるように本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0102】
一実施形態では、ポーチ生産マシンは、ポーチの底部領域をヒートシールするように構成された底部領域シーリングステーションを備える。
【0103】
底部ガセットのない折り畳み式ポーチのシーリング中、たとえば折り目で接続されるポーチの壁は、底部シーリングステーションのジョーによって底部領域で互いに直接クランプされる。本明細書では、第1および第2のジョーの一方にサセプターエレメントおよびインダクターを備え、他方のジョーを単に受動的なカウンタージョー、たとえば冷却されているパッシブジョーとして具現化して操作するだけで十分であり得る。
【0104】
一実施形態では、底部領域シーリングステーションは、第1および第2のジョーの1つのセットによって、1サイクルで少なくとも2つの隣接するポーチの底部領域をヒートシールするように構成される。一実施形態では、底部領域シーリングステーションは、動作中に、重ねられた壁が、その第1のジョーと第2のジョーとの間に配置され、1つまたは複数のサセプターエレメントが2つの隣接するポーチの底部領域、少なくとも2つの底部領域のそれぞれの一部の上に突出するように構成され、底部領域シーリングステーションは、本明細書に記載されるように本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0105】
底部領域シーリングステーションの各インパルス加熱可能部材は、導電性材料を含むサセプターエレメントであり、サセプターエレメントは、背面がジョーのそれぞれの前面とは反対側を向いており、
底部領域シーリングステーションの各サセプターエレメントは、熱インパルスが2つの隣接するポーチのサイド縁部領域の少なくとも一部をシーリングし、また2つの隣接するポーチのそれぞれの底部縁部領域の少なくとも一部をシーリングするように、逆Tとして形作られる前面を有し、
底部領域シーリングステーションの第1および第2のジョーの少なくとも1つ、好ましくはそれぞれは、それぞれのサセプターエレメントから電気的に絶縁されたインダクターを含み、各インダクターは、逆T字型サセプターエレメントの細長い部分の背面に沿って延在する細長いインダクターセクションを含み、
高周波電流源はインダクターに接続され、
底部領域シーリングステーションは、本明細書に記載されるように本発明のサイクルを実行するように構成される。
【0106】
一実施形態では、底部領域シーリングステーションのインダクターは、逆Tの形状を有し、第1、第2、および第3のインダクター部分を含み、各インダクター部分は、たとえばスリットで隔てられている、互いに平行な複数の細長いインダクターセクションを含み、インダクター部分の複数の細長いインダクターセクションは、たとえばTのインダクター部分の外端にあるインダクターの曲がった部分によって直列に相互接続されている。
【0107】
逆T字型サセプターエレメントの3つの細長いサセプター部分は、サセプターエレメントの中央部分で相互接続され得る。動作中、細長いサセプター部品の第1の1つは、ポーチの上端に向かって突出し得、たとえば少なくともサイド縁部の下部にわたって、2つの隣接するポーチのサイド縁部を越えて突出し得る。動作中、この上向きに細長いサセプター部分は、それにより、隣接するポーチのサイド縁部を少なくとも部分的にシーリングすることができる。
【0108】
底部ガセット型ポーチを生産するためのポーチ生産マシンの一実施形態において、底部シーリングステーションの第1および第2のジョーの両方は、第1のガセット部分を第1の壁に対してシールし、第2のガセット部分を第2の壁に対してシールするために、それぞれサセプターエレメントおよびインダクターを備えている。
【0109】
底部ガセット付きの折り畳み式ポーチの生産では、重ねられた壁は、第1の壁、第1の底部ガセット部分、第2の底部ガセット部分、および第2の壁によって規定される折り畳み構成で、一般に当技術分野で知られているようにW字形で底部シーリングステーションに供給される。また、当技術分野で知られているように、ガセット底部ポーチの各側縁に、いわゆる三重点が存在し、三重点の上では、第1および第2の壁が別の壁と直接接触しており、三重点の下では、第1および第2の壁の間に2つのガセット部分が配置されている。したがって、三重点では、厚さは肉厚の2倍から4倍の間で変化する。この移行部の近くでは、既存のシーリング技術ではヒートシーリングが難しいことで有名である。三重点を含む底部ガセットのシーリングに逆T設計が適用され得る。
【0110】
底部ガセットタイプのポーチの生産において、加熱の正確な制御により、ガセット部分が互いに溶接されるのを防ぐべく、熱量が多過ぎないように、三重点以下のポーチの部分において、各ガセット部分をそれぞれの第1または第2の壁にシーリングするのに十分な熱が提供されることが提供される。
【0111】
ヒートシーリングインパルスプロセスの均一性により、クランプ位置でのジョーのクランプ力を、たとえば従来の連続加熱ジョーよりもはるかに少ない最小限に抑えることができる。クランプ力は、存在する場合、ポーチ壁と内側に位置するガセット部分との間の密接な表面接触を保証するためにのみ効果的に役立ち得る。
【0112】
底部ガセットを備えたポーチの底部領域のシールの場合、クランプ力は、たとえばポーチのクランプされた部分、たとえば三重点から確実に空気を排出することを考慮して、底部ガセットのない底部領域を溶接するためのクランプ力よりも大きく選択することができる。
【0113】
一実施形態では、ポーチ生産マシンは、シーリングセクションを通る壁の線形経路は水平であり、インフィードセクションは、単一のロールからディスペンスされたフィルム材料を2つの重ねられた壁に折り畳むように構成されており、重ねられた壁は、対向する壁の間に結合されていない上部縁部領域を備えたシーリングセクションであって、対向する壁の底部に沿って折り目を有し、任意選択で、対向する壁の底部に沿って底部ガセットが折り畳まれているシーリングセクションに供給されたときに垂直方向にあり、フィットメント挿入デバイスは、対向する壁の間の結合されていない上部縁部領域にフィットメントの取り付け部分を挿入するように適合され、たとえばフィットメント挿入デバイスは、マシンの静止フレームに静止して取り付けられており、関連するフィットメントシーリングステーションの運動デバイスは、線形経路の下に取り付けられ、たとえば運動デバイスは、線形経路に平行な静止フレームに取り付けられた線形ガイドを備えた線形ガイドアセンブリと、往復駆動によって駆動される線形ガイドに取り付けられたスライダーとを備え、スライダーは、シーリングステーションのジョーと関連するアクチュエーターデバイスとをサポートするように具現化される。
【0114】
実施形態では、マシンは、フィルム材料駆動ステーションの下流に配置され、個々のポーチを作成するために1つまたは複数のカットを行うように構成されるカッティングステーションを含む。
【0115】
実施形態では、シーリングセクションの下流に、システムは、個別のポーチを充填するための充填セクションを備えている。たとえば、充填は、フィットメントを介して、または壁の間、たとえばフィットメントに隣接する密閉されていない充填開口部を介して行われる。次に、この充填開口部は別のシーリングデバイスによってシールされる。
【0116】
本発明はまた、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料のヒートシールのための、本明細書に開示されるようなシーリングステーションに関する。
【0117】
本発明はまた、線形経路に沿って直列に配置された2つ以上のシーリングステーションを含む本明細書に記載のシーリングセクションと、シーリングセクションを通って線形経路の下流に配置されたフィルム材料駆動ステーションとの組み合わせに関し、このフィルム材料駆動ステーションは、ヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁を、シーリングステーションを通過する線形経路に沿って一定速度で引っ張るように構成されている。
【0118】
本発明はさらに、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料のヒートシールのためのシーリングステーションで使用するように構成された、本明細書に開示されるジョーまたは一対の第1および第2のジョーに関する。
【0119】
本発明はまた、ポーチ、たとえばフィットメント付きのポーチの生産において、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料のヒートシールのための方法に関し、本明細書に開示されるようなシーリングステーション、および/または線形経路に沿って直列に配置された2つ以上のシーリングステーションを含む、本明細書に記載のシーリングセクションの組み合わせ、本明細書に記載されるように、シーリングセクションを通る線形経路の下流に配置されるフィルム材料駆動ステーション、および/またはシーリングステーションで使用するために本明細書に開示されるようなジョー、または一対の第1および第2のジョー、が使用される。
【0120】
本発明のさらなる特徴は、添付の図面に表示されている実施形態を参照して、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】本発明によるポーチ生産マシンのシーリングシステムの実施形態を示す図である。
図2図1のシーリングシステムのインフィードセクションを示す図である。
図3図1のシーリングシステムの穿孔ステーションを示す図である。
図4A図1のシーリングシステムのフィットメントシーリングステーションを示す図である。
図4B図4Aのフィットメントシーリングステーションの拡大図を示す図である。
図5A図1のシーリングシステムのサイドシームシーリングステーションとボトム領域シーリングステーションを示す図である。
図5B図5Aのサイドシームシーリングステーションの拡大図を示す図である。
図5C図5Aの底部領域シーリングステーションの拡大図を示す図である。
図6図1のシーリングシステムのフィルム材料駆動ステーションを示す図である。
図7図1のシーリングシステムのカッティングステーションを示す図である。
図8図4Aのフィットメントシーリングステーションのジョーを示す図である。
図9図5Aのサイドシームシーリングステーションのジョーを示す図である。
図10図5Aの底部領域シーリングステーションのジョーを示す図である。
図11図1のシーリングシステムの概略図を示す図である。
図12】連続運動シーリングステーションの動作を概略的に示す図である。
図13図8のサセプターエレメントとインダクターを概略的に示す図である。
図14】サセプターエレメントとインダクターとを含むジョーの断面を概略的に示す図である。
図15】サセプターエレメント、インダクター、およびサセプターエレメントの弾性バッキング層を含むジョーの断面を概略的に示す図である。
図16A図8のジョーによって生成された電磁場とサセプターエレメントとの相互作用を概略的に示す図である。
図16B図8のジョーによって生成された電磁場とサセプターエレメントとの相互作用を概略的に示す図である。
図16C図8のジョーによって生成された電磁場とサセプターエレメントとの相互作用を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0122】
図全体を通して、対応するコンポーネントまたは対応する機能を有するコンポーネントを指すために同じ参照番号が使用されている。
【0123】
図1は、参照番号1で参照される本発明によるシーリングシステムの実施形態を示している。シーリングシステム1は、線形経路(T)に沿って見られるように、第1のシーリングステーション、第2のシーリングステーション、および第3のシーリングステーションをそれぞれ備え、それぞれ、フィットメントシーリングステーション10、サイドシームシーリングステーション20および底部領域シーリングステーション30として具現化される。
【0124】
シーリングステーション10、20、30は、直列に配置されており、それぞれが、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料から作られた壁101を、ヒートシール可能なフィルム材料、好ましくは、無金属のヒートシール可能なフィルム材料、たとえば単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料の壁102に、互いに、および存在する場合はフィットメント上に、重ね合わせてヒートシールし、それぞれがポーチ100の生産においてそれぞれのシールされた領域を作成するように構成されている。
【0125】
フィットメントシーリングステーション10では、プラスチック製フィットメント150が壁101、102の間に配置されている。フィットメント150は、フィットメント保管庫90から2つの隣接するレール91を介して供給される。したがって、2つのフィットメント150は、壁101、102の間の2つのそれぞれの結合されていない縁部領域に同時に配置される。本実施形態では、フィットメントは、ポーチ100から製品を排出するためのスパウト150として具現化される。
【0126】
フィットメントシーリングステーション10において、プラスチックフィットメント150は、重ねられた壁101、102との間にその取り付け部分151でシーリングされる。このシーリングまで、両方の壁101、102はまだ互いにシーリングされていない。結果として、壁は、フィットメント150を受け入れるために、互いに距離を置いて単純に保持され得る。シーリング後、フィットメント150は壁101、102の間の所定の位置に留まる。
【0127】
本実施形態によれば、フィットメントシーリングステーション10は、2セットのフィットメントシーリングジョーによって、壁101、102の間の2つのそれぞれの領域の間で2つのフィットメント150を実質的に同時にシールするように構成される。
【0128】
サイドシームシーリングステーション20は、ポーチ100の側面または垂直シールを確立するために、依然として相互接続されたポーチ10のストリング内の隣接するポーチの2つの隣接するサイド領域をヒートシールするように構成される。本実施形態では、底部ガセットポーチ100のサイドシールは、ガセット部分の上部がポーチ100の側面に隣接する三重点を横切って延在する。
【0129】
本実施形態によれば、サイドシームシーリングステーション20は、2セットのサイドシーリングジョーによって、壁101、102の間に2つのサイドシールを同時に作るように構成される。
【0130】
底部領域シーリングステーション30は、ポーチ100の底部ガセットシール、たとえばポーチ100の対向するサイド縁部内の底部シールを確立するように構成される。この実施形態によるシーリングシステムは、ポーチ100の底部ガセットシール全体が単一の熱インパルスのみで確立され得、底部ガセットの高速で信頼性の高いシーリングを提供するように構成される。
【0131】
本実施形態によれば、底部領域シーリングステーション30は、2セットの底部ガセット領域シーリングジョーによって2つの底部ガセット領域を同時にヒートシールするように構成される。
【0132】
シーリングシステムは、ロールハンドリングステーション40を備えたインフィードセクションを含み、ヒートシール可能なフィルム材料の複数のロールを受け入れるように適合されている。ロールハンドリングステーション40は、線形経路(T)に沿って見た場合、シーリングステーション10、20、30の上流に位置する。インフィードセクションは、ロールから巻き戻された単一ポリマーのヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁101、102をディスペンスするように構成される。
【0133】
シーリングシステム1は、ポーチ生産機の一部を形成し、さらに、ロールハンドリングステーション40によってディスペンスされるフィルム材料を一連の相互接続されたポーチ100に形成するように適合および操作されるインフィードセクションを形成し、各ポーチ100は、その底部領域に底部ガセットを有し、ポーチ100の三重点の下にある2つの折り畳まれた底部ローブによって形成されている。
【0134】
インフィードセクションは、ロールハンドリングステーション40の下流に配置され、単一のロールからディスペンスされたフィルム材料を、底部ガセットを備えた2つの重ねられた壁101、102に折り畳むように構成された折り畳みステーション50をさらに備える。
【0135】
シーリングシステム1はさらに、ヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102を線形の、たとえば水平の、経路(T)に沿って一定速度で引っ張ってシールするように構成されるフィルム材料駆動ステーション60を含み、経路は、折り畳みステーション50およびシーリングステーション10、20、30に沿って延在する。線形経路(T)に沿って見ると、駆動ステーション60はシーリングステーション10、20、30の下流に配置されている。
【0136】
駆動ステーション60の下流には、ポーチ100を部分的に成形および分離するために1つまたは複数のカットを行うように構成されたカッティングステーション70が提供される。
【0137】
シーリングシステム1は、図2に最もよく示されているように、経路(T)に沿って、ロールハンドリングステーション40と折り畳みステーション50との間に配置された穿孔ステーション45をさらに備える。穿孔ステーション45は、底部ガセットの両方のローブを互いにシーリングできるようにするために、フィルム材料から穴を開けるように構成されている。これは、フィルム材料を折り畳んだ直後にガセットの外壁が互いに向き合うようにする穿孔によって可能になる。
【0138】
穿孔ステーション45は、図3により詳細に示され、フレーム部分46を含み、これは、シーリングシステム1の静止フレームに固定的に取り付けられ、同様に静止したままであるように構成される。フレーム部分46は、細長い方向に延在する複数の線形円筒形ガイドシャフト47を備える。円筒形ガイドシャフト47は、フレーム部分46に固定的に取り付けられており、したがって、静止したままであるようにも構成されている。穿孔ステーション45は、スライダーベアリング49によって円筒形ガイドシャフト47にスライド可能に取り付けられた1セットの穿孔ジョー48を備える。スライダーベアリング49はそれぞれ、円筒形ガイドシャフト47を取り囲み、たとえば水平方向に整列された穿孔経路(P)に沿った穿孔ジョー48とフレーム部分46との間の相対的な動きのみを可能にするように構成される。穿孔経路(P)は、穿孔ステーション45に隣接するフィルム材料の経路と平行に整列される。
【0139】
本実施形態では、シーリングシステム1は、フレーム部分46に関して経路に沿って連続的に移動するフィルム材料と同期して穿孔ジョー48を移動させるための、図2および図3に示されていない穿孔ステーション45の運動デバイスを含む。
【0140】
折り畳みステーション50は、巻き戻されたフィルム材料を適切な方向に案内するための複数のローラー51を備える。ローラー51の下流で、折り畳みステーション50は、フィルム材料を2つの重ねられた壁101、102に折り畳むための第1の折り畳みプレート52を備える。第1の折り畳みプレート52の下流で、折り畳みステーション50は、重ねられた壁101、102のそれぞれの底部を、ポーチ100の三重点の下の2つの折り畳まれた底葉に折り畳むための第2の折り畳みプレート52を備える。
【0141】
図4Aおよび図4Bでは、フィットメントシーリングステーション10がより詳細に示されている。フィットメントシーリングステーション10は、ヒートシール可能なフィルム材料から作られた対向する第1の壁101と第2の壁101、102との間の結合されていない縁部領域に取り付け部分151を有するプラスチックフィットメント150をヒートシールするように構成される。フィットメント150は、互いに隣接して配置された2つのレール91によって、フィットメントシーリングステーション10に向かって供給される。各レール91の端部には、それぞれのサーボ作動ゲート92が設けられており、各レール91の端部にあるフィットメント150を所定の位置に保持する。
【0142】
ポーチ100のヒートシールされる1つまたは複数の他の領域をシールする前に、対向する壁101、102の間の結合されていない縁部領域で最初にフィットメント150をヒートシールすることの利点は、重ねられたフィルム材料の壁101、102が、この開放縁領域にフィットメント150の取り付け部分151を導入するために容易に分離されることである。この縁部領域の分離は、本実施形態では、固定配置され、フィットメント挿入の位置に到達する前に縁部領域の壁101、102を分離するウェッジ部材によって行われる。
【0143】
シーリングシステム1はさらに、2つのフィットメント挿入器93を含み、これらは、フィットメントシーリングステーション10の上に配置され、たとえばそれぞれが次に開かれるサーボ作動ゲート92でフィットメント150をピックアップするように構成される。各フィットメント挿入器93は、ヒートシール可能なフィルム材料の第1の壁101とヒートシール可能なフィルム材料の第2の壁102との間の結合されていない縁部領域にその取り付け部分151を有するフィットメント150をもたらすように構成される。この効果のために、フィットメント挿入器93は、フィットメント150を把持している間の回転運動を説明するように構成される。このように、フィットメントは、その取り付け部分が壁101、102の間にある状態で下げられる。
【0144】
フィットメントシーリングステーション10は、第1のジョー11および第2のジョー12を含み、その間に、ヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102が配置される。2つの第1のジョー11、11'は互いに隣接して配置され、2つの第2のジョー12、12'によって対向されており、図4Aおよび図4Bには見えない。図8では、後で説明するように、フィットメントシーリングステーション10のジョー11の1つがより詳細に示されている。各第1のジョー11は、第1の壁101のそれぞれの縁部領域に接触するように構成された第1の前面を有し、各第2のジョー12は、第2の壁102のそれぞれの縁部領域に接触するように構成された第2の前面を有する。
【0145】
フィットメントシーリングステーション10は、たとえば現在、サーボモーターとして具現化されており、ジョー11、12を、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動させる、2つのアクチュエーターデバイス13をさらに備える。アクチュエーターデバイス13の第1のセットは、ジョー11、12の第1のセットを移動させるように構成され、アクチュエーターデバイス13'の第2のセットは、ジョー11'、12'の第2のセットを移動させるように構成される。各アクチュエーターデバイス13は、それぞれのクランプ時間の間、その第1のジョー11および第2のジョー12を閉位置に保持するように構成される。アクチュエーターデバイス13、13'は、互いに独立して動作するように構成される。これは、第1のセットのジョー11、12が、第2のセットのジョー11'、12'とは無関係に、開位置とクランプ位置との間で移動できることを意味する。
【0146】
フィットメントシーリングステーション10は、第1のジョー11および第2のジョー12の両方を連続的に冷却するように構成された冷却デバイス14をさらに備える。
【0147】
フィットメントシーリングステーション10は、ジョー11、12の各セットでインパルスシーリングサイクルを実行するように構成される。各アクチュエーターデバイス13は、その第1のジョー11および第2のジョー12をクランプ位置に移動させるように構成され、その結果、重ねられた第1の壁101および第2の壁102の領域は、第1のジョー11および第2のジョー12によって互いにクランプされる。フィットメントシーリングステーション10は、クランプ位置において、各サセプターエレメントによって放出される熱インパルスを生成するように、各サセプターエレメントに一時的にエネルギーを与えるように構成される。熱インパルスは、第1の壁101および第2の壁102の領域を互いにシーリングする。第1のジョー11および第2のジョー12の両方は、たとえば継続的に冷却されるので、サセプターエレメントの通電が終了した後、冷却デバイス14によって冷却される。各アクチュエーターデバイス13は、サセプターエレメントが冷却された後、その第1のジョー11および第2のジョー12を開位置に移動させるように構成される。フィットメントシーリングステーション10のジョー11、12およびヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102がクランプ位置で冷却されており、ジョー11、12がそれらの開位置にもたらされるとき、それらの温度は比較的低い。
【0148】
フィットメントシーリングステーション10のジョー11、12は、シーリングシステム1内にスライド可能に配置されている。それに対するシーリングシステム1は、細長い方向に延在する複数の下部線形ガイド3を備える。下部線形ガイド3は、シーリングシステム1の静止フレーム2の底部領域に固定的に取り付けられており、同様に静止したままであるように構成されている。ジョー11、12は、スライダーベアリングによって、下部線形ガイド3にスライド可能に取り付けられており、それぞれが線形ガイドを取り囲み、フィルム材料の線形経路(T)に沿った水平方向のジョー11、12とフレーム2との間の相対的な動きのみを可能にするように構成される。
【0149】
フィットメントシーリングステーション10は、たとえばジョー11、12の間にクランプされたとき、インパルスシーリングサイクル中にシールされる連続的に移動する壁101、102と同期して、その第1のジョー11および第2のジョー12を相互に移動するように構成される運動デバイス15をさらに備える。本実施形態では、相互運動は、ジョー11、12の前後運動に関係し、その間、ジョー11、12は、ストロークの終わりに停止して、反対方向に戻る。フィットメントシーリングステーション10では、組み合わされたストローク長さは、熱インパルス持続時間とクランプされた冷却持続時間の合計に、重ねられた壁101、102の速度を掛けたものによって決定される。
【0150】
動作中、フィットメント150が重ねられた壁101、102の間に挿入されるとすぐに、フィットメントシーリングステーション10のジョー11、12は、アクチュエーターデバイス13によってクランプ位置に移動される。この時点で、フィットメント150の取り付け部分151は、壁101、102の間、たとえばフィットメントシーリングステーション10のジョー11、12の間にクランプされるようになる。したがって、フィットメント150は、シーリング中に、線形経路(T)に沿って壁101、102およびジョー11、12に沿って移動する。
【0151】
図5Aおよび図5Bに最もよく示されているように、フィットメントシーリングステーション10の下流には、隣接するポーチ100の2つの隣接するサイド領域をヒートシールするためにサイドシームシーリングステーション20が設けられている。フィットメントシーリングステーション10の場合と同様に、サイドシームシーリングステーション20は、第1のジョー21および第2のジョー22を含み、その間に、ヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102が配置される。2つの第1のジョー21、21'が互いに隣接して配置され、2つの第2のジョー22、22'が対向しており、そのうちの1つの22のみが図5Aおよび図5Bに見える。図9では、後で説明するように、サイドシームシーリングステーション20のジョー21の1つがより詳細に示されている。各第1のジョー21は、第1の壁101のそれぞれの側面領域に接触するように構成された第1の前面を有し、各第2のジョー22は、第2の壁102のそれぞれの側面領域に接触するように構成された第2の前面を有する。
【0152】
サイドシームシーリングステーション20は、たとえば現在、サーボモーターとして具現化されており、ジョー21、22を、開位置とクランプ位置との間で互いに対して移動させるアクチュエーターデバイス23をさらに備えている。第1のジョー21、21'は互いに取り付けられて一緒に移動され、第2のジョー22、22'は同様に互いに取り付けられて一緒に移動される。
【0153】
サイドシームシーリングステーション20は、第1のジョー21および第2のジョー22の両方を連続的に冷却するように構成された冷却デバイス24をさらに備える。
【0154】
サイドシームシーリングステーション20は、フィットメントシーリングステーション10で行われるインパルスシーリングサイクルと同様の、ジョー21、22の各セットでインパルスシーリングサイクルを実行するように構成される。ただし、サイドシームシーリングステーション20では、隣接する2つのポーチ100の間ごとにサイドシール、たとえば垂直サイドシールが形成される。それにより、ジョー21、22の各セットは、片側シールを作るように構成され、これは、たとえばジョーのセットごとに1つの、2つのサイドシールが同時に作られることを意味する。
【0155】
サイドシームシーリングステーション20のジョー21、22は、シーリングシステム1内にスライド可能に配置されている。それに対するシーリングシステム1は、細長い方向に延在する複数の上部線形ガイド4を備える。上部線形ガイド4は、その上部領域で静止フレーム2に固定的に取り付けられ、静止したままであるように構成される。ジョー21、22は、それぞれ線形ガイドを取り囲み、フィルム材料の線形経路(T)に沿った水平方向のジョー21、22とフレーム2との間の相対的な動きのみを可能にするように構成されたスライダーベアリングによって上部線形ガイド4にスライド可能に取り付けられている。
【0156】
サイドシームシーリングステーション20はまた、インパルスシーリングサイクル中、たとえばジョー21、22の間にクランプされたとき、シールされる連続的に移動する壁101、102と同期してその第1のジョー21および第2のジョー22を相互に移動させるように構成される図5Aおよび図5Bには見えない運動デバイス25を備える。本実施形態では、往復運動は、ジョー21、22の前後運動に関係し、その間、ジョー21、22は、ストロークの終わりに停止して、反対方向に戻る。サイドシームシーリングステーション20では、組み合わされたストローク長さは、熱インパルス持続時間とクランプされた冷却持続時間の合計に、重ねられた壁101、102の速度を掛けたものによって決定される。
【0157】
サイドシームシーリングステーション20の下流には、図5Aおよび図5Cに最もよく示されているように、ポーチ100の底部領域をヒートシールするために底部領域シーリングステーション30が設けられている。サイドシームシーリングステーション20の場合と同様に、底部領域シーリングステーション30は、第1のジョー31および第2のジョー32を含み、その間に、ヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102が配置される。2つの第1のジョー31、31'は互いに隣接して配置され、2つの第2のジョー32、32'によって対向され、そのうちの1つの32のみが図5Aおよび図5Cに見える。図10では、底部領域シーリングステーション30のジョー31の1つが、後で説明するように、より詳細に示されている。各第1のジョー31は、第1の壁101のそれぞれの底部ガセット領域に接触するように構成された第1の前面を有し、各第2のジョー32は、第2の壁102のそれぞれの底部ガセット領域に接触するように構成された第2の前面を有する。
【0158】
底部領域シーリングステーション30は、たとえば本明細書において、開位置とクランプ位置との間でジョー31、32を互いに対して移動させるためのサーボモーターとして具現化されているアクチュエーターデバイス33をさらに備える。第1のジョー31、31'は互いに取り付けられて一緒に移動され、第2のジョー32、32'は同様に互いに取り付けられて一緒に移動される。
【0159】
底部領域シーリングステーション30は、第1のジョー31および第2のジョー32の両方を連続的に冷却するように構成された冷却デバイス34をさらに備える。
【0160】
底部領域シーリングステーション30は、サイドシームシーリングステーション20で行われるインパルスシーリングサイクルと同様の、ジョー31、32の各セットでインパルスシーリングサイクルを実行するように構成される。しかしながら、底部領域シーリングステーション30では、底部領域シール、たとえば底部ガセットシールは、個々のポーチ100ごとに個別に作成される。これにより、ジョーの各セットは、単一の底部領域シールを作成するように構成され、これは、たとえばジョーのセットごとに1つ、2つの底部領域シールが同時に作られることを意味する。
【0161】
ジョー31、32の両方のセットは、両方のジョー31、32のセットのサセプターエレメント間の干渉を防ぐために、経路(T)に沿って互いに比較的広く間隔を置いて、たとえばそれらの間にポーチ幅の距離を有して配置される。合計で、底部領域シーリングステーション30は、4つのポーチ100にまたがり、そのうちの2つは、インパルスシーリングサイクルごとにシーリングされる。
【0162】
底部領域シーリングステーション30のジョー31、32は、シーリングシステム1内にスライド可能に配置されている。ジョー31、32は、それぞれが線形ガイドを取り囲み、フィルム材料の線形経路(T)に沿った水平方向のジョー31、32と静止フレーム2との間の相対的な動きのみを可能にするように構成される、スライダーベアリングによって下部線形ガイド3にスライド可能に取り付けられている。
【0163】
底部領域シーリングステーション30はまた、たとえばジョー31、32の間にクランプされたとき、インパルスシーリングサイクル中にシールされる連続的に移動する壁101、102と同期して、その第1のジョー31および第2のジョー32を相互に移動させるように構成される、図5Aおよび図5Cには見えない運動デバイス35を備える。本実施形態では、往復運動は、ジョー31、32の前後運動に関係し、その間、ジョー31、32は、ストロークの終わりに停止して、反対方向に戻る。底部領域シーリングステーション30では、組み合わされたストローク長さは、熱インパルス持続時間とクランプされた冷却持続時間の合計に、重ねられた壁101、102の速度を掛けたものによって決定される。
【0164】
底部領域シーリングステーション30の下流で、シーリングシステムは、ポーチ100の輪郭を形作るために、まだ相互接続されたポーチのストリング内のポーチ100の上下の角をトリミングするように構成されるトリミングステーション55を備える。トリミングデバイス56、たとえばトリミングステーション55のパンチングデバイスまたはノッチングデバイスは、フィットメントシーリングステーション10および底部領域シーリングステーション30と実質的に同等の方法で、下部線形ガイド3上にスライド可能に配置されており、下部線形ガイド3に対してトリミングデバイス56をスライドさせるための専用の運動デバイスを備えている。トリミングステーション55は、真空源および多数の真空ホース57を備えた真空収集システムをさらに含み、ポーチ100のトリミングされた部分をトリミングデバイス56から取り除くように構成されている。
【0165】
トリミングステーション55の下流で、シーリングシステム1は、フィルム材料駆動ステーション60を含み、フィルム材料駆動ステーション60は、シールされた壁101、102の反対側にローラー61を備えている。対向するローラー61は、それらの間に壁101、102をクランプするように構成され、たとえば電気モーター62によって、ローラー61の回転時に壁101、102を引っ張るように駆動されるように構成されている。
【0166】
ポーチ100を個別化するように構成されたカッティングステーション70は、駆動ステーション60の下流、たとえば相互接続されたポーチ100のストリングに引っ張り力が存在しない場所に配置されている。カッティングステーション70は、1つまたは複数の可動式カッティングブレードの複数の軸方向に離間したセット、ここでは2つのセットを含む。ここで、各セットは、まだ相互接続された一連のポーチの形態であるシーリングされたポーチの第1の壁101に面する第1のブレード71と第2の壁102に面する第2のブレード72とを含む。ブレード71、72は、隣接するポーチ100のシーリングされた側部領域の間に切り込みを入れるように構成される。切断中、ブレード71、72は互いに向かって移動して、たとえばブレード71、72の間のはさみのような剪断作用によって各ポーチ100を切断する。
【0167】
カッティングステーション70は、たとえば本明細書では、サーボモーターとして具現化されており、ブレード71、72を互いに対して動かして、切断作用をもたらす、アクチュエーターデバイス73をさらに備える。ブレード71、72の移動をもたらすために、アクチュエーターデバイス73は、回転シャフト74およびロッカー機構76を介してブレード71、72に接続されている。第1のブレード71、71'は互いに取り付けられて一緒に移動され、第2のジョー72、72'は同様に互いに取り付けられて一緒に移動される。
【0168】
カッティングステーション70は、ポーチ100を個別化するために、相互接続されたポーチ100のストリングを切断する切断動作を実行するように構成される。
【0169】
図6は、各ポーチ100を把持するように構成されたポーチグリッパー120を示している。たとえば、ポーチグリッパー120は、ポーチ100を、たとえば充填されたポーチ100を充填およびキャップするための、マシンの充填セクションに移送するように構成される。別の実施形態では、ポーチグリッパー120は、ポーチを輸送レールに運び、フィットメントは、ポーチをグループ化するようにレールにスライドされる。
【0170】
示されている例では、各カットは、対向するブレードの各セット71、72で行われる。これにより、ブレードの各セットは、単一の垂直サイドカットを行うように構成され、これは、たとえばブレードの各セットに1つ、2つの垂直サイドカットが同時に作成されることを意味する。したがって、2つの分離された個別のポーチ100が、各切断サイクルで得られる。
【0171】
カッティングステーション70のブレード71、72は、マシン内にスライド可能に配置されている。それに対するマシンは、軸方向に延在する1つまたは複数の線形ガイド5を備えている。線形ガイド5は、静止フレーム2に固定されている。ジョー71、72は、線形ガイド5にスライド可能に取り付けられているスライダーに取り付けられている。
【0172】
カッティングステーション70はまた、たとえば少なくともカットをしている間、連続的に移動するポーチ100と同期してブレード71、72を相互に移動させるように構成された運動デバイスを備え得る。本実施形態では、往復運動は、ブレード71、72の前後運動に関係し、その間、ブレード71、72は、ストロークの終わりに停止して、反対方向に戻る。
【0173】
図8を参照すると、各フィットメントシーリングジョー11は、フィットメント150の取り付け部分151の半分をその中に受け入れるように構成された窪み112を規定する前面111を有することが示されている。第1の前面111はさらに、それぞれの凹面112の反対側で、前記凹面112に隣接して、同一平面上の面部分113を規定する。ジョー11の前面111は、サセプターエレメント114として具現化されるインパルス加熱可能部材によって形成され、耐熱性の非粘着性カバーで覆われている。サセプターエレメント114は、それぞれの前面111の凹面部分112および同一平面上の面部分113に沿って延在する。動作中、フィットメント150は、その取り付け部分151が、ヒートシール可能なフィルム材料で作られた対向する第1および第2の壁101、102の間の結合されていない縁部領域に配置される。
【0174】
ジョー11のそれぞれは、導電性材料を含み、それぞれの前面111とは反対側を向く背面を有するサセプターエレメント114を備えている。各ジョー11は、サセプターエレメント114から電気的に絶縁されたインダクター115をさらに含む。インダクター115は、サセプターエレメント114の背面にあるそれぞれの前面111に沿って延在する細長いインダクターセクションを含み、これにより、図8においてインダクター115が見えなくなる。
【0175】
フィットメントシーリングステーション10は、高周波電流源16を含み、これは、それぞれのコネクタ端子117を介して、フィットメントシーリングステーション10の第1のジョー11、11'および第2のジョー12、12'のそれぞれのインダクター115に接続される。フィットメントシーリングステーション10は、インパルスシーリングサイクルにおいて、その電流源16が作動されて、フィットメントシーリングステーション10のインダクター115に一時的に高周波電流を供給するように構成され、それにより、インダクター115において高周波電磁場を生成する。高周波電磁場は、それぞれのサセプターエレメント114に渦電流を誘導し、サセプターエレメント114によって放出される熱インパルスを生成する。熱インパルスは、壁101、102の縁部領域を、フィットメント150の取り付け部分151に、および互いにシールする。
【0176】
フィットメントシーリングステーション10のジョー11は、たとえばその長さ(L)が、ジョー11の動作によって、フィットメント150が挿入される結合されていない縁部領域全体が1サイクルでシールされるように構成される。したがって、フィットメント150は両方とも縁部領域に固定され、縁部領域全体が密閉されて閉じられる。
【0177】
フィットメントシーリングジョー11は、フィットメントシーリングステーション10の冷却デバイス14によって冷却され、2つの冷却ダクト118、たとえば冷却剤をジョー11に向けてガイドするための1つの入口ダクトと、冷却剤をジョー11から遠ざけるようにガイドするための1つの出口ダクトと、を備える。冷却デバイス14は、冷却ダクト118に接続された固定式の取り付けられたポンプおよび熱交換器システムを含み、冷却デバイス14は、たとえばインパルスシーリングサイクル全体で、冷却ダクト118を通る、冷却剤、たとえば水の連続循環を確立するように構成される。
【0178】
図9は、サイドシームシーリングステーション20のシーリングジョー21を示している。このサイドシーリングジョー21は、たとえば2つの隣接する相互接続されたポーチ100の壁101、102、のサイド領域に接触するための実質的に平坦な前面211を有する。前面211は、サセプターエレメント214として具現化されるインパルス加熱可能部材によって形成され、耐熱性の非粘着性カバーで覆われている。
【0179】
ジョー21のそれぞれは、導電性材料を含み、それぞれの前面211とは反対側に面する背面を有するサセプターエレメント214を備えている。各ジョー21は、サセプターエレメント214から電気的に絶縁されたインダクター215をさらに含む。インダクター215は、サセプターエレメント214の背面にあるそれぞれの前面211に沿って延在する2つの細長いインダクターセクション216を備える。インダクター215は、サセプターエレメント214よりも長く、サセプターエレメント214の下に突出しており、2つの平行なインダクターセクション216を示している。
【0180】
サイドシームシーリングステーション20は、サイドシームシーリングステーション20の第1のジョー21、21'および第2のジョー22、22'のそれぞれのインダクター215に、それぞれのコネクタ端子217を介して接続される高周波電流源26を備える。サイドシームシーリングステーション20は、インパルスシーリングサイクルにおいて、その電流源26が動作して、サイドシームシーリングステーション20のインダクター215に一時的に高周波電流を供給し、それにより、インダクター215を用いて高周波電磁場を生成するように構成されている。高周波電磁場は、それぞれのサセプターエレメント214に渦電流を誘導し、サセプターエレメント214によって放出される熱インパルスを生成する。熱インパルスは、壁101、102の側面領域を互いにシールして、サイドシール、たとえばポーチ100の垂直サイドシールを形成する。
【0181】
サイドシーリングジョー21は、サイドシームシーリングステーション20の冷却デバイス24によって冷却され、2つの冷却ダクト218、たとえば冷却剤をジョー21に向けて案内するための1つの入口ダクトと、冷却剤をジョー21から離れるように案内するための1つの出口ダクトとを備えている。冷却デバイス24は、冷却ダクト218に接続された固定式の取り付けられたポンプおよび熱交換器システムを含み、冷却デバイス24は、たとえばインパルスシーリングサイクル全体で冷却剤、たとえば冷却ダクト218を通る水の連続循環を確立するように構成される。
【0182】
図10には、底部領域シーリングステーション30のシーリングジョー31が描かれている。この底部領域シーリングジョー31は、壁101、102の底部領域に接触するための、たとえばポーチ100の底部ガセット領域に接触するための実質的に平坦な前面311を有する。前面311は、サセプターエレメント314として具現化されるインパルス加熱可能部材によって形成され、ここでは、耐熱性の非粘着性カバーで覆われている。
【0183】
サセプターエレメント314は湾曲した形状を有し、サセプターエレメント314の側縁は、サセプターエレメント314の中央領域の上に配置されている。ポーチ100のシーリングされた底部ガセット領域の形状は、サセプターエレメント314の形状によって決定され、これにより、本サセプターエレメント314が湾曲した底部ガセットシールを提供するように構成されるという結果が与えられる。この湾曲した底部ガセットシールは、各ポーチ100の両側に向かって上向きに湾曲し、三重点に向かって、ポーチ100の各側縁に存在する。三重点の上では、第1の壁101および第2の壁102が別の壁と直接接触しており、三重点の下では、2つのガセット部分が第1の壁101と第2の壁102との間に配置されている。
【0184】
ジョー31のそれぞれは、導電性材料を含み、それぞれの前面311とは反対側を向く背面を有するサセプターエレメント314を備えている。各ジョー31は、サセプターエレメント314から電気的に絶縁されたインダクター315をさらに備える。インダクター315は、サセプターエレメント314の背面にあるそれぞれの前面311に沿って延在する2つの細長いインダクターセクション316を備える。インダクター315は、サセプターエレメント314よりも幅が広く、その側縁でサセプターエレメント314を超えて突出しており、2つの平行なインダクターセクション316を示している。
【0185】
底部領域シーリングステーション30は、それぞれのコネクタ端子317を介して、底部領域シーリングステーション30の第1のジョー31、31'および第2のジョー22、32'のそれぞれのインダクター315に接続される高周波電流源36を含む。底部領域シーリングステーション30は、インパルスシーリングサイクルにおいて、その電流源36が動作して、底部領域シーリングステーション30のインダクター315に一時的に高周波電流を供給し、それにより、インダクター315を用いて高周波電磁場を生成するように構成される。高周波電磁場は、それぞれのサセプターエレメント314に渦電流を誘導し、サセプターエレメント314によって放出される熱インパルスを生成する。熱インパルスは、壁101、102の側面領域を互いにシールして、底部領域シールたとえばポーチ100の底部ガセットシールを形成する。
【0186】
底部領域シーリングステーション30のジョー31は、たとえばパス(T)に沿って見たときに、ポーチ100の結合されていない底部ガセット領域全体が、ジョー31の動作によって1サイクルでシーリングされるように構成され、たとえばポーチの幅に対応する長さ(L')を有する。
【0187】
底部領域シーリングジョー31は、底部領域シーリングステーション30の冷却デバイス34によって冷却され、2つの冷却ダクト318、たとえば冷却剤をジョー31に向けて案内するための1つの入口ダクトと、冷却剤をジョー31から離れるように案内するための1つの出口ダクトとを含む。冷却デバイス34は、冷却ダクト318に接続された固定式の取り付けられたポンプおよび熱交換器システムを含み、冷却デバイス34は、たとえばインパルスシーリングサイクル全体で、冷却ダクト318を通る、冷却剤、たとえば水の連続循環を確立するように構成される。
【0188】
インダクター115、125、215、225、315、325に供給される電流の周波数は、100kHzから1MHzの間にあり、たとえば、250kHzから750kHzの間にある。
【0189】
インダクター115、125、215、225、315、325に供給される電流の大きさは、20Aから600Aの間にある。
【0190】
電流は、40Vから500Vの間の大きさを有する電圧で、インダクター115、125、215、225、315、325に供給される。
【0191】
各シーリングステーション10、20、30は、そのサセプターエレメント114、124、214、224、314、324でヒートシーリングインパルスを提供するように構成される。
【0192】
ヒートシール可能なフィルム材料は、好ましくは、無金属のフィルム材料、たとえば、ポリエチレン(PE)、たとえば低密度ポリエチレン(LDPE)からなる複数の層を有する単一ポリマーフィルムである。
【0193】
フィルム材料には、好ましくは、金属層が存在しない。ただし、フィルム材料は、非金属バリア層、たとえば酸素バリアとしてのエチレンビニルアルコール(EVOH)の層を含み得る。たとえば、EVOH層は、ポリエチレン(PE)の外層と内層の間の中間層として提供される。
【0194】
フィットメント150は、好ましくは、リサイクルを強化するために、ポーチ100の壁101、102と同じタイプのポリマーから成形されており、たとえば、ポリエチレン(PE)材料から、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)から成形されている。
【0195】
熱インパルス温度とシール温度との差、たとえばヒートシール可能なフィルム材料および/またはフィットメント150の溶融温度は、デルタTまたはデルタ温度と呼ばれる。好ましくは、デルタTは、200℃未満、好ましくは100℃未満、たとえば50℃未満である。
【0196】
実用的な実施形態では、壁101、102は、約110℃の溶融温度を有する低密度ポリエチレン(LDPE)でできており、熱インパルス温度は、300℃未満、好ましくは200℃未満、たとえば、150℃に設定される。
【0197】
フィルム材料は、たとえば提供されている表面印刷、たとえばサセプターエレメント114、124、214、224、314、324を有するシーリングステーション10、20、30のそれぞれのジョー11、12、21、22、31、32が接触する側に事前に印刷され得る。説明したように、本発明のアプローチは、フィルムへの印刷に有害ではない。
【0198】
実施形態では、熱インパルス持続時間は、10~1000ミリ秒、たとえば20~500ミリ秒、たとえば75~400ミリ秒にある。本明細書で説明されるように、熱インパルス持続時間は、シーリングステーション10、20、30の間で異なり得る。
【0199】
サイクルは、熱インパルス段階の直後のクランプされた冷却段階を含み、その間、クランプされた冷却段階の間、ジョー11、12、21、22、31、32はクランプされた位置に維持される。実際の実施形態では、クランプされた冷却段階は、200~800ミリ秒、たとえば300~600ミリ秒の間の持続時間を有し得る。クランプされた冷却段階の持続時間は、本明細書で説明されるように、シーリングステーション10、20、30の間で異なり得る。
【0200】
シーリングシステム1では、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、熱インパルス持続時間およびクランプされた冷却段階持続時間を独立して設定することができる。
【0201】
図11は、図1に示され、上記で説明されたシーリングシステム1の概略図を示しており、穿孔ステーションおよびトリミングステーションは省略されている。
【0202】
シーリングシステム1は、シーリングステーション10、20、30に関連する、たとえばシーリングステーション10、20、30に電気的に接続された、制御ユニット6を備える。制御ユニット6は、たとえば熱インパルスの強度および/または持続時間を制御するために、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、独立して、その少なくとも1つのサセプターエレメント114、124、214、224、314、324によってヒートシーリングを制御するように構成される。さらに、制御ユニット6は、クランプ期間を制御するために、たとえばクランプされた冷却時間を制御するために、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、独立して、第1のジョー11、21、31および第2のジョー12、22、32を、開位置とクランプ位置との間で相互に相対的に移動させるためのアクチュエーターデバイス13、23、33を制御するように構成される。
【0203】
シーリングシステム1の制御ユニット6は、シーリングステーション10、20、30のそれぞれのインパルス加熱および/または冷却を制御するように構成され、これにより、インパルスシーリングサイクル中の温度プロファイルを正確に制御できるようになり、各シーリングステーション10、20、30において信頼性と再現性のあるシールが作成され得る。各シーリングステーション10、20、30の各パラメーター、たとえばヒートシーリングインパルスのためにインダクターに供給される電流、ヒートシーリングインパルスの持続時間、冷却剤温度、冷却速度、クランプされた冷却時間、締付力、クランプ時間、および/またはジョー11、12、21、22、31、32の戻り運動の持続時間は、ヒートシール可能なフィルム材料の重ねられた壁101、102がシーリングステーション10、20、30に沿って移動する速度とは無関係に、完全なインパルスシーリングサイクルの全体的なサイクル持続時間とは無関係に、個別に制御され得る。
【0204】
制御ユニット6は、各シーリングステーション10、20、30のアクチュエーターデバイス13、23、33に関連付けられており、第1のジョー11、21、31および第2のジョー12、22、32を開位置および/またはクランプ位置に一定の所定の期間保持するため、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、アクチュエーターデバイス13、23、33を制御するように独立して構成されている。
【0205】
さらに、制御ユニット6は、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、独立して、アクチュエーターデバイス13、23、33を制御して、クランプ位置にある第1のジョー11、21、31と第2のジョー12、22、32との間に所定のクランプ力を加えるように構成されている。制御ユニット6は、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、どのようなクランプ力でジョーがクランプ位置に保持されるかを独立して決定することができる。シーリングステーションの1つについて、この所定量のクランプ力は、シーリングステーションの別のものよりも大きくなり得、これは、多くの異なるタイプのポーチ100をシールする柔軟性が改善されることを意味する。
【0206】
制御ユニット6は、各冷却デバイス14、24、34に関連付けられており、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、その冷却デバイス14、24、34による冷却を制御するように独立して構成されている。
【0207】
各シーリングステーション10、20、30は、その第1のジョー11、21、31、および制御ユニット6に連結されたその第2のジョー12、22、32に温度センサーを備え、それぞれのジョー11、12、21、22、31、32の実際の温度を感知して出力するように構成されている。制御ユニット6は、温度センサーの出力に基づいて加熱および/または冷却を制御するように構成される。温度センサーは、たとえば各インパルスシーリングサイクルのジョー温度のピーク値を表すジョー11、12、21、22、31、32のピーク温度値を出力するように構成されている。制御ユニット6は、ジョー11、12、21、22、31、32の温度が所望の温度レベルを下回っていることが判明したときに、そのジョーのそれぞれのサセプターエレメントによる加熱入力を増加させること、またはジョーの温度が高過ぎるときに加熱入力を減らすことを決定するように構成される。
【0208】
制御ユニット6は、たとえば、ジョー11、12、21、22、31、32の温度センサーの出力に基づいて、それぞれのジョー11、12、21、22、31、32に沿って循環する冷却剤の温度および流量を調整するように構成される。温度および流量を制御することにより、制御ユニット6は、たとえば作成するシールのタイプに最適な冷却プロファイルを実現するため冷却デバイス14、24、34の冷却力を制御することができる。
【0209】
各冷却デバイス14、24、34は、冷却デバイス14、24、34内の冷却剤の実際の温度を感知して出力するための冷却剤温度センサーを備え、冷却デバイス14、24、34内の冷却剤の流量を感知して出力するための冷却剤流量センサーを備える。制御ユニット6は、これらの冷却剤温度センサーと冷却剤流量センサーに接続されており、さらに、冷却剤温度センサーおよび冷却剤流量センサーの出力に基づいて、それぞれのジョー11、12、21、22、31、32に沿って循環する冷却剤の温度および流量を調整するように構成されている。制御ユニット6は、冷却剤の温度が所望の温度レベルを超えていることが判明したときに、それぞれのジョーに向かってポンプで送られる冷却剤の温度を下げるか、またはそれぞれのジョーに向かう冷却剤の流量を増加させるように決定するように構成される。
【0210】
制御ユニット6は、各シーリングステーション10、20、30の電流源16、26、36に関連付けられており、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、独立して個別に、たとえば、ジョー11、12、21、22、31、32の温度センサーの出力に基づいて、インダクター115、215、315に供給される電流を調整するように構成されている。電流源16、26、36の調整は、それぞれのインダクター115、215、315によって生成される電磁場を制御するために、電流の大きさ、電流の持続時間、および/または電流の周波数の調整を含み得、それにより、それぞれのサセプターエレメント114、214、314から誘導される渦電流および熱インパルスを制御する。
【0211】
制御ユニット6は、ジョー11、12、21、22、31、32の予熱を考慮して、高周波電流源16、26、36を制御するように構成され得る。制御ユニット6は、ジョー11、12、21、22、31、32がクランプ位置に移動する前に、サセプターエレメント114、214、314によって予熱を制御し、および/またはジョー11、12、21、22、31、32がクランプ位置にある間にサセプターエレメント114、214、314によって予熱を制御するように構成される。
【0212】
制御ユニット6は、各シーリングステーション10、20、30の運動デバイス15、25、35に関連付けられており、シーリングステーション10、20、30のそれぞれについて、独立して、第1のジョー11、21、31および第2のジョー12、22、32を連続的に動く壁101、102に同期して移動させるための運動デバイス15、25、35を制御するように構成される。各運動デバイス15、25、35の現在の独立した制御は、それぞれのシーリングステーション10、20、30のジョー11、12、21、22、31、32の各セットが別のストローク長で壁101、102に沿って移動することを可能にする。
【0213】
制御ユニット6は、第2のシーリングステーション20の第1のジョー21および第2のジョー22の位置に関して、および/または第3のシーリングステーション30の第1のジョー31および第2のジョー32の位置に関して、第1のシーリングステーション10の第1のジョー11および第2のジョー12の位置を調整し、線形経路(T)に沿ったそれらの間の相互距離を調整するために、第1のシーリングステーション10の運動デバイス15、第2のシーリングステーション20の運動デバイス25、および第3のシーリングステーション30の運動デバイス35を制御するように構成される。
【0214】
各シーリングステーション10、20、30は、位置センサー、たとえば、制御ユニット6に連結された、第1のジョー11、21、31および第2のジョー12、22、31の光学位置センサーを備え、たとえば固定基準に関して、およびヒートシール可能なフィルム材料の壁101、102に関して、それぞれのジョー11、12、21、22、31、32の位置を感知して出力するように構成されている。制御ユニット6は、位置センサーの出力に基づいて運動デバイス15、25、35を制御するように構成される。
【0215】
制御ユニット6は、フィルム材料駆動ステーション60の電気モーター60に関連付けられ、1つまたは複数のフィルム駆動ローラー61の回転をアクティブまたは非アクティブにするために、そして、ローラー61が電気モーター62によって回転される速度を制御するために、たとえばロールハンドリングステーション40において、フィルム材料の壁101、102に加えられる引っ張り力およびフィルム材料によるロールの巻き戻しを制御するために、電気モーター60の作動を制御するように構成される。
【0216】
制御ユニット6は、カッティングステーション70のアクチュエーターデバイス73に接続され、アクチュエーターデバイス73による切断ブレード71、72の動きを制御して、フィルム材料の壁101、102の分離された個々のポーチ100への切断を制御するように構成される。
【0217】
制御ユニット6はさらに、カッティングステーション70の運動デバイス75に接続され、連続的に移動するポーチ100と同期してカッティングステーション70のブレード71、72を移動させるための運動デバイス75を制御するように構成される。移動するポーチ100の速度に対応するために、カッティングステーション70の動きを個別に制御することができ、これにより、多くの異なるタイプのポーチ100を同じカッティングステーション70で切断することができる。
【0218】
制御ユニット6は、第1のインパルスシーリングサイクル中の測定値が、インパルス加熱、冷却、および後続のインパルスシーリングサイクルのためのジョー11、12、21、22、31、32の移動を制御するための基礎を形成するように、フィードバックタイプの制御機構によって制御するように構成される。これにより、初期のインパルスシーリングサイクル中に測定されたパラメーターが、後のインパルスシーリングサイクルを制御するための基礎として使用される。
【0219】
制御ユニット6はさらに、インパルス加熱、冷却、およびジョー11、12、21、22、31、32の移動の1つまたは複数の実際の設定などのシーリングパラメーターを記録するように構成される。シーリングパラメーターをログに記録することにより、後に、たとえばどのポーチ100のどのシールが、どの特定の設定で作成されているかを読み出すことができる。
【0220】
制御ユニット6は、複数の異なるシール構成の場合、たとえば複数の異なるタイプのポーチ100の場合、電流源16、26、36によって加熱されたサセプターエレメント114、214、314、冷却デバイス14、24、34、アクチュエーターデバイス13、23、33、73、および運動デバイス15、25、35、75の設定を表すそれぞれのデータセットが保存されるメモリ7を備えている。データセットは、異なるシール構成のそれぞれについて、各シーリングステーション10、20、30のパラメーターのプロファイルを含む。パラメーターは、各サセプターエレメント114、214、314のシール温度、加熱速度、および加熱時間、各冷却デバイス14、24、34の冷却温度、冷却速度、および冷却時間、各アクチュエーターデバイス13、23、33、73のクランプ力、クランプ時間、および切断動作、および各運動デバイス15、25、35、75のジョー11、12、21、22、31、32またはブレード71、72の加速度、速度、開始位置、停止位置、および戻り運動の持続時間、を含む。
【0221】
シーリングシステム1は、選択されたシール構成をグラフ形式で、たとえば寸法と温度を表す1つまたは複数のグラフとしてその上に表示するように構成されたタッチスクリーン8をさらに備える。このタッチスクリーン8ディスプレイにより、マシンのオペレーターはそれぞれのパラメーターを確認でき、シーリングシステム1が、たとえば正しいシール構成用に正しくセットアップされているかどうかを簡単に確認することができる。
【0222】
タッチスクリーン8はさらに、マシンのオペレーターがシール構成、たとえばポーチタイプを選択することを可能にし、その上で、制御ユニット6は、それに応じて適切なデータセットを選択するように構成される。これにより、シーリングシステム1の柔軟性に貢献し、同じシーリングシステム1でシールされ、インパルス加熱、冷却、アクチュエーターデバイス13、23、34、73、および運動デバイス15、25、35、75のパラメーターがいずれも異なる多くの異なるタイプのポーチ100のパラメーター間の便利な切り替えを、シーリングシステム1の複雑な変更を必要とせずに可能にする。すべてのパラメーターは制御ユニット6を介して自動的に設定されるため、異なるシール構成を切り替えるときに、ジョー11、12、21、22、31、32を交換する必要はない。
【0223】
図12において、第1のポーチ壁部101および第2のポーチ壁部102の上部縁部領域のインパルスシーリングが、ステップ(a)~(e)によって概略的に表示されている。
【0224】
表示されている実施形態では、シーリングステーション200は、第1のジョー210および第2のジョー220を含む。ポーチの生産中、ポーチ壁101、102は、図12の左から右へ、線形経路(T)に沿って、たとえば一定の速度で連続的に移動される。たとえば、実際には、ヒートシール可能なフィルム材料の2つの対向する壁を有する連続ウェブは、たとえば底部ガセットを使用して、シーリングデバイスのジョー210、220の間の線形経路に沿って引っ張られる。したがって、作製されることとなるポーチのポーチ壁部101、102は、(たとえば、依然として相互接続されたポーチのストリングとして、)隣接するポーチ壁部と依然として相互接続されている。
【0225】
シーリングステーション200は、少なくともシーリングサイクルの間、たとえば壁101、102がジョー210、220の間にクランプされるとき、線形経路(T)に沿ってポーチ壁101、102とともに移動するように構成される。
【0226】
サイクルは、ステップ(a)によって開始される(図12の左側に示されている)。第1のジョー210および第2のジョー220は、最初に、ポーチ壁部101、102から間隔を置いて配置された位置にあり、ポーチ壁部101、102は、上側領域において依然としていくらか開けられている可能性がある。
【0227】
第1のアクチュエーターデバイス201の動作のときに、第1のジョー210は、そのクランプ位置に向けて移動させられ、第1のジョー210は、第1のポーチ壁部101と接触した状態になる。同様に、第2のジョー220は、第2のアクチュエーターデバイス202によって、そのクランプ位置に向けて移動させられ、第2のジョー220は、第2のポーチ壁部102と接触した状態になる。それぞれのクランプ位置において、第1のポーチ壁部101および第2のポーチ壁部102は、上側縁部に沿って形成されることとなるシームの領域において、互いの上に軽くクランプされる。圧力はシーリングプロセスに関わらないので、クランピングは軽くなる。
【0228】
次に、ステップ(b)の間に、ジョー210、220は、それらのそれぞれのクランプ位置に留まり、ポーチ壁部101、102とともに移動する。ステップ(b)は、インパルスシーリングステップであり、インパルスシーリングステップの間に、電磁場が、第1のインダクター211および第2のインダクター221の中に提供され、第1のサセプター212および第2のサセプター222の中にそれぞれの熱インパルスを誘導するようになっている。
【0229】
熱インパルスの影響の下で、第1のポーチ壁部101および第2のポーチ壁部102は、シームに沿って互いに局所的に融合され、ポーチ壁部101、102を互いにシールするようになっている。
【0230】
ステップ(c)の間に、インダクターがもはや励起されていないので、熱インパルスはもはや提供されないが、ジョー210、220は、それらのクランプ位置に留まっている。冷却流体が、ジョー210、220の中のダクト214を通して循環されている。この冷却流体の供給は、プロセスのすべてのステップ(a)~(e)の間に継続され得る。したがって、熱は、シールされたポーチ100からも同様に除去される。
【0231】
ステップ(d)の間に、第1のジョー210および第2のジョー220が、互いから離れるように開位置へと移動させられる。そうであるので、シールされたポーチ100は、さらなるハンドリングデバイスによって引き継がれ、そのさらなる処理(たとえば、パッケージングなど)を可能にすることができる。それらを互いから離れるように移動させると、ジョー210、220は、再び、間隔を置いて配置される。
【0232】
最後に、ステップ(e)の間に、第1のジョー210および第2のジョー220は、それらの最初の位置に向けて移動して戻される。この移動は、線形経路(T)とは反対の方向に行われ得、ステップ(a)の開始のときと同様に、ジョー210、220がそれらの最初の位置に配置されることをもたらすようになっている。
【0233】
ステップ(e)の間にジョー210、220を移動させて戻した後に、サイクルが繰り返され、再び、ステップ(a)によって開始する。
【0234】
ジョー210、220の経路は、任意の適切な形状(たとえば、円形、楕円形、線形など)のものであることが可能であるということが認識されることとなる。
【0235】
たとえば、ジョー210、220は、往復運動式サポートの上に装着されており、往復運動式サポートは、輸送の方向に対して平行に、往復運動式の様式で移動する。冷却液体は、フレキシブルホースによってジョーに沿って循環され得る。
【0236】
図13に示されているように、フィットメントシーリングステーション10のジョー11は、互いに平行であり、水平スリット115cによって互いに垂直に離間されている一対の細長いインダクターセクション115a、115bを備えたインダクター115を備える。一対のインダクターセクションは、サセプターエレメント114の背面の近くに配置されている。
【0237】
一実施形態では、細長いインダクターセクション115a、115bは、金属、たとえば銅から作られる。
【0238】
図13に示されているように、少なくとも1つの細長いインダクターセクション115a、115bは、中実断面の金属または他の、好ましくは高導電性材料のインダクターセクションであり、たとえば銅製が好ましい。この配置は、たとえば、内部が中空のインダクターセクションと比較して、インダクターセクションの中の電流密度の過度の変動を回避することを可能にし、それによって、発生させられる場の望ましくない変動を回避することを可能にする。
【0239】
図13には、少なくとも1つの細長いインダクターセクション115a、115bが、それぞれのジョー11の輪郭を描かれた前面に沿ったその長さにわたって一定の断面、好ましくは中実の断面を有することが示されている。この設計により、断面が変化する場所で発生する可能性があり、それによって生成される電磁界の望ましくない変動が発生し得る、インダクターセクション内の電流密度の過度の変動が回避される。
【0240】
図13に示されているように、均一な断面の細長いインダクターセクション115a、115bは、ジョー11の上面図で見られるように、ジョーの輪郭を描かれた前面に対応する形状を有し、サセプターエレメント114と細長いインダクターセクション115a、115bとの間の均一な距離を維持する。この配置により、サセプターエレメントの熱の発生の均一性が高められる。
【0241】
代替的な実施形態において、インダクターは、一定でない断面を有し(たとえば、公称断面よりも狭い断面を局所的に有する)、高周波電流のための電流密度を局所的に増加させることが可能であり、サセプターエレメントによって放出される熱インパルスの強度を局所的に増加させるようになっている。
【0242】
実施形態において、インダクターとサセプターエレメントとの間の距離は、たとえば、インダクターとサセプターエレメントとの間の均一な公称距離から局所的に変化することが可能である。局所的により狭くなっている距離によって、たとえば、サセプターの中の電磁場は、局所的に増加させられ、サセプターエレメントによって放出される熱インパルスの強度を局所的に増加させるようになっている。
【0243】
水平スリット図13cは、エアスリットまたは電気絶縁材料で満たされたスリットであってもよい。
【0244】
実施形態では、互いに上に配置された隣接するインダクターセクション115a、115bの間の前記スリット115cは、0.01~5mm、より好ましくは0.1~2mmの高さを有する。
【0245】
平行な細長いインダクターセクション115a、115bの間にスリット115cが存在することにより、ジョーのインダクターによってサセプターエレメント114上に生成される磁場の望ましい集中が可能になる。これを図16A図16B、および図16Cに示す。
【0246】
図16Bは、上からジョーの前部を見たときの場の強度および分布を示しており、場はFLdで示され、インダクター115およびサセプター114に関連して示されている。
【0247】
図16Cは、図16Bの場の強度および分布を斜視図で示している。
【0248】
本明細書で説明するように、場はかなり均質であり、これは、サセプター114のインパルス加熱の均質性を高め、それにより、シーリングプロセスの品質および信頼性を高める。とりわけ、フィルム材料がさらされる温度の過度の変動が回避される(そうでなければ、場が不規則である場合には、それが生じることとなる)。
【0249】
図13に示されているように、サセプターエレメント114は、ジョー11の前面111上に見られるように、平行インダクターセクション115a、115bの間の水平スリット115c上に延在している。
【0250】
図13に示されているように、ジョー11の正面から見たサセプターエレメント114は、平行な細長いインダクターセクション115a、115bの間のスリット115c上に延在し、前記図では平行なインダクターセクション115a、115bのそれぞれと重なっている。
【0251】
図13に示されるように、サセプターエレメント114は、平行な細長いインダクターセクション115a、115bの間のスリット115c上に延在し、前記図において平行インダクターセクション115a、115bのそれぞれと重なる1つのストリップとして具現化される。
【0252】
図13に示されているように、ストリップ形状のサセプターエレメント114は、ストリップの高さを規定する上端および下端を有し、ストリップの高さは、ストリップの後部に互いの上に配置されたスリット115cを含む、インダクターセクション115a、115bの単一の対の高さの少なくとも50%、たとえば上記の高さの75%~125%の間、たとえば上記の高さの約100%である。
【0253】
図13に示されているように、ストリップ形状のサセプターエレメント114は、ストリップの高さを規定する上端および下端を有し、ジョーのインダクターは、いくつかの、たとえばそれぞれがサセプターエレメントの背面に沿って延在する複数のインダクターセクション115a、115bを含む。本明細書において、ストリップの高さは、好ましくは、最大でも、1つまたは複数のインダクターセクションの数の高さと同じであり、好ましくは、ストリップの上側縁部および下側縁部は、1つまたは複数のインダクターセクションの高さの上方および下方に突出していない。
【0254】
図13に示されるように、ジョー11のインダクターは、サセプターエレメント114の裏側に配置された隣接する平行なインダクターセクション115a、115bの対において、電流がインダクターセクションを通って反対方向に流れるように具現化される。
【0255】
図13に示されているように、ジョー11のインダクター115は、インダクターの一方の軸方向端部で、たとえばインダクターセクションと一体の接続部分115dにより、直列に、相互接続された平行な第1および第2のインダクターセクションを有するC字形のインダクターエレメントを備え、インダクターセクションの自由端は、電流源に電気的に接続するための端子を有する。接続部分115dは、好ましくは、サセプターエレメント114が配置されている領域の外側に配置されている。なぜなら、コネクタ部分115dは、サセプターエレメントの加熱の不均一性につながる可能性がある不規則な電界効果を示す可能性が高いからである。
【0256】
図13に示されているように、ジョー11のインダクター115は、直列に相互接続され、互いに上に配置された、平行な第1および第2のインダクターセクション115a、115bを有するC字型インダクターエレメントを備え、インダクターセクションは、水平スリット115c、たとえばエアスリットまたは電気絶縁材で満たされたスリットによって分離されている。
【0257】
図13に示されているように、ジョー11のインダクター115は、複数の、たとえばたった2つの、互いに平行に配置され、サセプターエレメント114の後ろに互いに上に配置された細長いインダクターセクション115a、115bを含む。
【0258】
一実施形態では、少なくとも1つの細長いインダクターセクション115a、115bは、ジョーの前面に垂直に見られる、1.0~4.0mmの間の厚さ「t」、たとえば、1.5~3.0mmを有する。インダクターエレメントの限られた厚さは、ジョー(ジョーのインダクターを含む)の冷却を強化する。その理由は、たとえば、1つまたは複数の冷却流体のダクトが、好ましくは、少なくとも1つのインダクターエレメントの後方側部の付近に配置されているからである。
【0259】
一実施形態では、少なくとも1つの細長いインダクターセクション115a、115bは、インダクターセクションの厚さ「t」よりも大きい高さ「h」を有する長方形の断面を有する。この配置は、厚さを限定することを可能にし、それは、効率的な冷却を可能にする。
【0260】
図14に示されているように、各ジョーは、1つまたは複数の冷却流体ダクト118を備えていてもよく、たとえば冷却流体は冷却液であり、たとえば水は、たとえばポンプアセンブリを使用して、冷却流体ダクト118を通過し、たとえば冷却液回路は、冷却液から熱を除去するように構成された熱交換器を含む閉回路である。
【0261】
好ましくは、インダクター115とサセプター114との間の領域に冷却流体が通過しない。冷却流体は、それらの間の距離を不当に増加させ、場によって誘発されるインパルス加熱の有効性を損なうからである。サセプターエレメント114がジョー11の前面111に非常に近接しているのが望ましいことを考慮すると、実際には、前記領域に冷却ダクトのためのスペースがないことが理解されよう。したがって、実際の実施形態では、ジョー11の冷却は、好ましくは、冷却流体、たとえばインダクターセクション115a、115bの後ろに、好ましくは近接して配置された1つまたは複数のダクト118を通る液体の制御流を使用して行われる。
【0262】
一実施形態では、少なくとも1つの冷却流体ダクト118は、サセプターエレメント114の背面に沿って延在する少なくとも1つのインダクターセクション115a、115bに沿って延在する。
【0263】
システム1は、インパルスシーリングサイクル全体にわたってジョーの冷却がアクティブになるように、したがって、一般に冷却によって損なわれないほど速く発生する熱インパルスの生成中にもアクティブになるように構成することが好ましい。別の構成では、冷却は、熱インパルスの瞬間の周りで中断または低減され得る。
【0264】
一実施形態では、サセプターエレメント114は、たとえば金属または金属合金、たとえば薄い金属ストリップの、金属材料でできている。
【0265】
たとえば、サセプターエレメント114は、アルミニウム、ニッケル、銀、ステンレス鋼、モリブデン、および/またはニッケルクロムでできているか、またはそれらを含む。
【0266】
図13に示されているように、サセプターエレメント114は、それらの間のストリップの厚さを規定する対向する前面および背面の主面を有するストリップとして具現化されている。一実施形態では、サセプターエレメントストリップ114の厚さは、ストリップの延長にわたって一定である。
【0267】
実施形態では、サセプターエレメントの厚さは、公称の厚さと局所的に異なり得る。たとえば、サセプターエレメントは、サセプターエレメントによって放出される熱インパルスの強度を局所的に増加させるべく、サセプターエレメントの電磁界の強度を局所的に増加させるために、たとえばジョーの前面から離れる方向を向いて、その背面に厚くされた部分を含み得る。
【0268】
図13に示されているように、サセプターエレメント114は、平面ストリップとして具現化され、最も好ましくは、単一の平面ストリップサセプターエレメントを有するジョーである。平面的なストリップとしてのこの配置は、平面的で好ましくは滑らかなシーリング面を備えた取り付け部分を有するプラスチックフィットメントのハンドリングにとりわけ好適である。
【0269】
図13に示されているように、サセプターエレメント114は、たとえば金属の、たとえばアルミニウムのストリップであり、ストリップの高さは、3~10ミリメートル、たとえば4~8ミリメートルである。図4に示すように、ストリップの高さはその長さ全体にわたって一定である。
【0270】
代替的な実施形態において、サセプターエレメントの高さは、一定でなくてもよい。たとえば、フィットメントシーリングステーションのジョーの中のサセプターエレメントの下側縁部は、中央において(たとえば、使用の間にフィットメントの取り付け部分に当接するように構成されている部分において)上向きに湾曲していてもよく、より少ない熱が取り付け部分の下側縁部および下方の空気に伝達されることを実現する。これは、シールが冷却され得る速度を改善する。その理由は、空気が、そうでなければ絶縁体として作用し、たとえば、冷却速度を低減させることとなるからである。
【0271】
図13に示されているように、サセプターエレメント114ストリップは、その延長部にわたって開口を欠いている。
【0272】
図13に示されているように、ジョー11は、たとえば金属のストリップとして具現化された単一の連続サセプターエレメント114を備えている。
【0273】
図13に、たとえばストリップとして具現化され、厚さが、0.01~5mm、好ましくは0.05~2mm、より好ましくは0.08~0.8mm、たとえば0.08~0.5mmであるサセプターエレメント114が示されている。一般的に、熱インパルスの終了の後に、ジョー(インダクターおよびサセプターを含む)を急速に冷却したいという要望を考慮して、サセプターエレメントの最小厚さを有することが望ましいと考えられる。サセプターの薄い設計は、この要望に貢献する。導入部分において述べられたインパルスシーリングデバイスとは対照的に、電流供給源からの電流は、サセプターを通過させられず、したがって、断面は、そのような電流フローに対処するように設計される必要がないということが留意される。
【0274】
図13に示されているように、ジョー11は、たとえば金属の、ストリップの高さが3~10ミリメートル、たとえば4~8ミリメートルで、厚さが0.08~0.8mm、たとえば0.08~0.5mmの、ストリップとして具現化された単一の連続サセプターエレメント114を備えている。たとえば、ストリップは、アルミニウム材料から作製されている。
【0275】
図13および図16A図16Cに示されるように、ジョー11は、インダクター115によって生成されるいわゆる表皮効果による高周波電磁場が、主に、サセプターエレメント114の前部皮膚層内で非常に急速な熱の発生を引き起こすように具現化される。表皮効果は、電流密度が、導体の表面の近くで最大になり、導体の深さが深くなるにつれて指数関数的に減少するように、交流電流が導体の中で分配される傾向である。高い周波数において、表皮深さは、より小さくなる。この深さは、場の周波数が350KHzである場合に、たとえば、アルミニウムサセプターエレメントに関して、0.15mmであることが可能である。サセプターエレメントの厚さは、この表皮深さよりも大きいと想定されるが、本明細書で述べられた理由のために、大き過ぎないと想定される。
【0276】
図13に示されているように、サセプターエレメント114の後部と隣接するインダクターセクション115a、115bとの間の間隔は、最小で0.025mm、または0.05mm、または0.1mmであり、最大で3.0mm、または2.0mm、または1.0mmである。この間隔の最小値は、主に、一方ではインダクターセクションと他方ではサセプターエレメントとの間の効果的な電気的絶縁を可能にするように想定されている。実施形態において、この間隔は、電気絶縁材料のみによって充填されているということが想定される。この間隔の最大値は、主に、サセプターエレメントの後面に極めて近接してインダクターセクションを有することが想定されており、最大で1.0mmが好適である。実用的な実施形態において、この間隔は、0.05mmであることが可能である。したがって、この間隔は、実用的な実施形態において、サセプターエレメント自身の厚さよりも小さくなっていることが可能である。
【0277】
好ましくは、サセプターエレメントの後面と近隣のインダクターセクションとの間の間隔全体は、電気絶縁材料によって充填されている。
【0278】
図14は、サセプターエレメント114の後部と隣接するインダクターセクション115との間の間隔が、電気絶縁テープの1つまたは複数の層、たとえば、少なくともカプトン119aの層とテフロン(登録商標)119bの層、たとえば、1層のカプトンテープと1層のテフロン(登録商標)テープで満たされていることを示している。
【0279】
ある実施形態において、サセプターエレメントの後面と近隣のインダクターセクションとの間の電気的絶縁は、最小で0.025mm、または0.050mm、または0.1mm、および、最大でせいぜい3.0mm、または2.0mmの厚さを有している。
【0280】
一実施形態では、ジョー11の前部の粘着防止層119cは、テフロン(登録商標)テープの層として具現化される。別の実施形態では、固着防止層は、ガラスなどを含むことが可能である。
【0281】
図14は、サセプターエレメント114の前面が、たとえば0.01~0.05mm、たとえば約0.025mmの厚さを有し、たとえばカプトン、たとえばカプトンテープの電気絶縁材料119dの少なくとも1つの層によって覆われていることを示している。
【0282】
ある実施形態において、ジョーの前方表面とサセプターエレメントとの間の間隔は、最小で0.025mm、または0.050mmにあり、最大で2.0mm、または1.0mm、または0.5mmにある。本明細書において、最小間隔は、固着防止層119cの存在によって支配され得る。固着防止層は、ジョーの上に、たとえば、サセプターエレメントの上にコーティングされ得る(たとえば、ガラスまたはテフロン(登録商標)コーティング)。
【0283】
一実施形態では、ジョーの前面とサセプターエレメントとの間の間隔は、少なくとも1つの、たとえば電気絶縁材料の複数の層、たとえばテープ、たとえば、ジョーの前面を形成する粘着防止層として、少なくともカプトンテープの層119dおよびテフロン(登録商標)テープの層119c、たとえば、1層のカプトンテープと1層のテフロン(登録商標)テープで満たされている。
【0284】
図13に示されているように、ジョー11の輪郭のある前面は、フィルム材料の壁101、102と接触する領域で滑らかであり、したがって、フィルム材料を前面から局所的に遠ざけるようなレリーフがなく、したがって、たとえば1つまたは複数のリブ、ボスなどが不足している。この配置は、取り付け部分151のシール面の滑らかな設計と併せて好ましい。好ましくは、ジョーの前面の滑らかな接触領域は、フィルム材料の壁に接合される取り付け部分151のシール面に平行になるように設計される。
【0285】
図13には、ジョー11が、たとえば長さを有し、スパウト150が挿入される結合されていない縁部領域全体が挿入されるように、たとえばシステム1の挿入器93によって、ジョーの操作によって1サイクルでシーリングされるように構成されていることが示されている。したがって、スパウト150の両方が縁部領域に固定され、縁部領域全体が密閉されて閉じられる。これは、前記縁部領域に沿った追加的なシーリング作用に対する必要性を回避する。
【0286】
図13に示されているように、各ジョー11の凹面部分は、その長手方向の延長全体にわたって曲がりくねっている。別のより好ましい実施形態では、凹面部分は、フィットメントの菱形取り付け部分と調和している。凹面部分は、2つの直線領域の間の中央の湾曲領域によって形成される。この配置により、ジョーの前面とフィルムの壁およびフィットメントとの密接な接触が強化される。
【0287】
両方のジョー11が、たとえばプラスチックまたはセラミック材料の、たとえば耐熱材料の、たとえばサセプターエレメントとインダクターとが取り付けられているPEEKの、本体11aを有することが示されている。プラスチックまたはセラミック材料は、インダクターによって生成される電磁界を、少なくとも望ましくない方法で損なわないように選択される。本体には、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、および/または加硫シリコーン材料も考慮され得る。とりわけ、窒化ホウ素は、熱の良好な熱伝導率を提供することが可能であり、それによって、サセプターエレメントから冷却デバイスに向けての(たとえば、冷却流体に向けての)良好な伝導率を可能にする。
【0288】
1つまたは複数の、たとえばジョーの本体に機械加工された、たとえばPEEK製の、冷却ダクト118が提供される。
【0289】
たとえば、一方または両方のジョー11は、本体11aを有し、本体前面を有し、その中に1つまたは複数の誘導セクションが配置された1つまたは複数の溝が作られている。実施形態では、サセプターエレメントは、1つまたは複数のインダクターセクションに関して本明細書で論じられるように、本体前面上に配置される。本明細書において、(たとえば、カプトンおよび/またはテフロン(登録商標)の)電気絶縁材料の1つまたは複数の層は、インダクターセクションとサセプターエレメントとの間に配置されている。電気絶縁材料の1つまたは複数のさらなる層、および、外側固着防止被覆が、サセプターエレメントの上に装着され、ジョーの前方表面を形成している。
【0290】
図15は、底部領域シーリングステーション30のジョー31を示しており、1つまたは複数のサイドガセットを備えたポーチ100の場合、シールが行われる縁部領域は、いわゆる三重点を含み得る。このような状況では、たとえばサセプターエレメント314の後ろに加硫シリコーンゴムおよび/またはテフロン(登録商標)を配置した、弾力性のある裏打ち層319eを提供し、それにより、ジョーの前面がフィルム材料壁の数の局所的な変化に対応できるようにすることが有利であり得る。たとえば、弾性層319eは、0.1~2.0ミリメートルの間の厚さを有する。本明細書では、薄いサセプターエレメント314は、壁の数の局所的な変動に対応するように屈曲することができることが理解される。
【符号の説明】
【0291】
1 シーリングシステム
2 静止フレーム
3 下部線形ガイド
4 上部線形ガイド
5 線形ガイド
6 制御ユニット
7 メモリ
8 タッチスクリーン
10 フィットメントシーリングステーション
11、12、21、22、31、32、210、220 ジョー
13、23、34、73 アクチュエーターデバイス
14、24、34 冷却デバイス
15、25、35、75 モーションデバイス
16、26、36 電流源
20 サイドシームシーリングステーション
30 底部領域シーリングステーション
40 ロールハンドリングステーション
45 穿孔ステーション
47 線形円筒形ガイドシャフト
48 穿孔ジョー
50 折り畳みステーション
55 トリミングステーション
56 トリミングデバイス
57 真空ホース
60 フィルム材料駆動ステーション
61 フィルム駆動ローラー
62 電気モーター
70 カッティングステーション
71、72 ブレード
90 フィットメント保管庫
91 レール
92 サーボ作動ゲート
93 フィットメント挿入器
100 ポーチ
101 第1のポーチ壁部、壁
102 第2のポーチ壁部、壁
114、214、314 サセプターエレメント
115、125、215、225、315、325 インダクター
117、217、317 コネクタ端子
118、218、318 冷却ダクト
120 ポーチグリッパー
150 フィットメント
151 取り付け部分
200 シーリングステーション
201 第1のアクチュエーターデバイス
202 第2のアクチュエーターデバイス
210 第1のジョー
211 前面
212 第1のサセプター
220 第2のジョー
222 第2のサセプター
T 経路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
【国際調査報告】