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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-11
(54)【発明の名称】多層シート
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20221003BHJP
   C08G 63/183 20060101ALI20221003BHJP
   A61C 7/08 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B32B27/36
C08G63/183
A61C7/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506615
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020044371
(87)【国際公開番号】W WO2021025967
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/882,185
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ピアー,ジェームズ・ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】ペトリー,グレン
(72)【発明者】
【氏名】ワーグナー,ケビン・ダグラス
【テーマコード(参考)】
4C052
4F100
4J029
【Fターム(参考)】
4C052AA20
4C052JJ01
4F100AK41
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA08
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100EH20
4F100EJ42
4F100GB66
4F100JA06
4F100JA06A
4F100JA06B
4F100JA06C
4F100JK03
4F100JK07
4F100JN01
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4J029AA03
4J029AB01
4J029AD01
4J029AD06
4J029AD07
4J029AE03
4J029BA02
4J029BA03
4J029BA04
4J029BA05
4J029BA08
4J029BA10
4J029BB06A
4J029BD02
4J029BD07A
4J029BF30
4J029CA02
4J029CA03
4J029CA04
4J029CA05
4J029CA06
4J029CB05A
4J029CB06A
4J029CB10A
4J029CC05A
4J029FC03
4J029FC05
4J029FC08
4J029FC35
4J029FC36
4J029FC38
4J029GA11
(57)【要約】
歯科用器具市場で使用するための形成品を含む多くの用途において有用であり得る、改善された耐久性およびカスタマイズ可能な弾性率特性を示すコポリエステル多層フィルム/シート構造体が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの層を含む多層シートであって、前記3つの層は、2つの外層および1つのコア層を含み、
(A)前記外層は同一または異なり、
(a)i)70~100モル%のテレフタル酸残基;および
ii)0~30モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)0~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基;および
iii)0~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/gの固有粘度を有するポリエステルを含み;
(B)コア層は、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シートの全体の厚さは100~3000ミクロンである、多層シート。
【請求項2】
(A)前記外層が、同一または異なり、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.5~約0.9dL/g、または0.6および0.8dL/gの固有粘度を有するポリエステルを含み;
(B)コア層が、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シートの全体の厚さが100~3000ミクロンである、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
(A)前記外層が、同一または異なり、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/g、または0.5および0.7dL/gの固有粘度を有するポリエステルを含み;
(B)コア層が、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シートの全体の厚さが100~3000ミクロンである、請求項1に記載のシート。
【請求項4】
コア層が、(i)trans-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール、およびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールの残基を含むポリエステルエーテル、または(ii)テレフタル酸、1,4-シクロヘキサンジメタノール、およびエチレングリコールの残基を含むポリエステル、から選択されるポリエステルで構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシート。
【請求項5】
コア層が、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分、ならびに
(b)i)95~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
ii)5~20モル%のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.9~約1.4dL/g、または1.02~約1.26dL/gの固有粘度を有するポリエステルエーテルを含む、請求項4に記載のシート。
【請求項6】
コア層が、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分、ならびに
(b)i)15~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
ii)85~35モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.8dL/gの固有粘度を有する、コポリエステルを含む、請求項4に記載のシート。
【請求項7】
約100μM~約3000μM、または約300μM~約3000μM、または約380μM~約1600μMの総厚さを有し、コア層は約1μM~約1050μMの厚さを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシート。
【請求項8】
外層が、約1μM~約2000μM、または約25μM~約2000μMの厚さをそれぞれ個別に有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のシート。
【請求項9】
ASTM D1938に従って測定した少なくとも30Nの引き裂き力、および明細書に記述の通り測定した55%以下の力保持パーセント損失を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のシート。
【請求項10】
ASTM D1938に従って測定した30N~100Nの範囲の引き裂き力、および明細書に記述の通り測定した40~55%の範囲の力保持パーセント損失を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のシート。
【請求項11】
ASTM D638に従って測定した1500MPa超の曲げ弾性率を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシート。
【請求項12】
ASTM D638に従って測定した1500超~2100MPaの範囲の曲げ弾性率を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のシート。
【請求項13】
患者の歯の少なくとも一部を直接収容するように形作られた、歯を収容する空洞を有する、脱着可能な歯列矯正用歯位置決め器具であって、請求項1から12のいずれか一項に記載の多層シートを含む、器具。
【請求項14】
前記シートの外層が、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分、ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.5~約0.9dL/gの固有粘度を有するポリエステルを含み、
前記シートの少なくとも1つのコア層が、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)95~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
ii)5~20モル%のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で測定した、1.02~1.26dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルエーテルを含み、
前記シートが、ASTM D1938に従って測定した45N~100Nの範囲の引き裂き力、明細書に記述の通り測定した40~55%の範囲の力保持パーセント損失、およびASTM D638に従って測定した1500超~2100MPaの範囲の曲げ弾性率を有する、請求項13に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に熱可塑性ポリマーの分野に属する。特に、本発明は、三次元熱成形品、例えば、歯科用器具の製造に有用なポリマー性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来、機能または外観を改善するための、歯の位置を変える金属歯列矯正器が使用されてきた。近年、金属歯列矯正器は、多くの場合にプラスチックアライナーによって置き換えられてきた。アライナーは、患者の歯に装着し、歯を所望の位置へ徐々に移動させるように設計された熱成形器具である。アライナーは、歯に最初の力をかけるのに十分硬く、ある期間にわたって十分な力を維持することができ、耐久性がある(亀裂に耐える)必要がある。アライナーは、単層のプラスチックシートから作ることができるが、(2つ以上のプラスチックの異なる層からなる)多層シートは、特定の要求に特性をより自由に適合させることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]本発明は、添付の特許請求の範囲に記載の通りである。一般に、本発明は、歯科用器具市場で使用するための熱成形品を含む多くの用途において有用であり得る、改善された耐久性およびカスタマイズ可能な弾性率特性を示す多層フィルム/シート構造体に関する。弾性率は、エンドユーザのニーズに適合させるように、材料選択または層の厚さを変えることによって適応され得る。これらの構造体は、押出、積層、または当業者に公知の他の手段を通して、製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]一態様では、良好な引き裂き力特性および力保持特性の組み合わせを有し、一方で(全体のシート構造体に対して)十分高い曲げ弾性率を維持する、多層フィルム/シート構造体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0005]本明細書で使用する場合、「フィルム」という用語は、フィルムおよびシートの両方を含み、当該技術分野でそれが一般に容認される意味を有するように意図される。「シート」という用語も、単一層および多層のシートの両方を含むと理解される。
【0006】
[0006]本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に他を指示しない限り、それらの複数の指示対象を含む。「含む(containing)」または「含む(including)」という用語は、「含む(comprising)」という用語と同義であると意図され、少なくとも挙げられた化合物、元素、粒子、または方法のステップなどは組成物または物品に存在するが、他の化合物、材料、粒子、方法のステップなどが、挙げられたものと同じ機能を有しているとしても、特許請求の範囲において明確に排除されない限り、こうした他の化合物、材料、方法のステップなどの存在を排除しないことを意味する。
【0007】
[0007]第1の態様では、本発明は少なくとも3つの層を含む多層シートであって、前記3つの層は、2つの外層および1つのコア層を含み、
(A)前記外層は、同一または異なり、
(a)i)70~100モル%のテレフタル酸残基;および
ii)0~30モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)0~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基;および
iii)0~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含み;
(B)コア層は、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シート全体の厚さは100~3000ミクロンである、多層シートを提供する。
【0008】
[0008]別の実施形態では、
(A)前記外層は、同一または異なり、
(a)i)70~100モル%のテレフタル酸残基;および
ii)0~30モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%のイソソルビド残基;
ii)0~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基;および
iii)0~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約1.2dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含み;
(B)コア層は、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シートの全体の厚さは100~3000ミクロンである。
【0009】
[0009]別の実施形態では、
(A)前記外層は、同一または異なり、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.5~約0.9dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む。
【0010】
別の実施形態では、前記外層の固有粘度は、約0.6~0.8dL/gである。
[0010]別の実施形態では、
(A)前記外層は、同一または異なり、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む。別の実施形態では、前記外層の固有粘度は、約0.5~0.7dL/gである。
【0011】
[0011]一実施形態では、コア層は外層と異なるコポリエステルであり、trans-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートの残基を含むジカルボン酸成分、ならびに1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールの残基を含むジオール成分を含む。
【0012】
[0012]別の実施形態では、コア層は、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)95~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
ii)5~20モル%のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.9~約1.4dL/gの固有粘度を有する、コポリエステルを含む。別の実施形態では、固有粘度は、約1.02~約1.26の範囲である。
【0013】
[0013]別の実施形態では、コア層は、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)15~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および、
ii)85~35モルの%エチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.8dL/gの固有粘度を有する、コポリエステルを含む。この実施形態では、グリコール成分の総モルは合計して100モル%になり、さらに0~15モル%のジエチレングリコールの残基からなってもよい。
【0014】
[0014]用途に応じた好適な外層の例としては、Eastman Chemical Companyから入手可能な、Eastman Tritan(商標)MP100コポリエステルを挙げることができる。用途に応じた好適なコア層材料の例としては、Eastman Chemical Companyから入手可能な、Ecdel(商標)Elastomer 9966およびEastar(商標)Copolyester 6763を挙げることができる。
【0015】
[0015]本明細書で使用する「ポリエステル」という用語は、「コポリエステル」を含むことを意図しており、1種または複数の二官能性カルボン酸および/または多官能性カルボン酸と、1種または複数の二官能性ヒドロキシル化合物および/または多官能性ヒドロキシル化合物との反応によって調製される、合成ポリマーを意味すると理解される。典型的には、二官能性カルボン酸はジカルボン酸であり得、二官能性ヒドロキシル化合物は、二価アルコール、例えば、グリコールなどで有り得る。本明細書で使用する「グリコール」という用語は、限定されるものではないが、ジオール、グリコール、および/または多官能性ヒドロキシル化合物を含む。本明細書で使用する「残基」という用語は、対応するモノマーからの重縮合反応および/またはエステル化反応を通して、ポリマーに組み込まれた任意の有機構造を意味する。本明細書で使用する「繰り返し単位」という用語は、カルボニルオキシ基を通して結合した、ジカルボン酸残基およびジオール残基を有する有機構造を意味する。したがって、例えば、ジカルボン酸残基は、ジカルボン酸モノマーもしくはそれの結合した酸ハロゲン化物、エステル、塩、無水物、またはそれらの混合物に由来し得る。したがって、本明細書で使用する場合、ジカルボン酸という用語は、ポリエステルを作製するためにジオールとの反応プロセスに有用な、ジカルボン酸およびジカルボン酸の任意の誘導体、例えば、それの結合した酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混成無水物、またはそれらの混合物を含むことを意図している。本明細書で使用する場合、「テレフタル酸」という用語は、ポリエステルを作製するためにジオールとの反応プロセスに有用な、テレフタル酸そのものおよびその残基、ならびにテレフタル酸の任意の誘導体、例えば、それの結合した酸ハロゲン化物、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混成無水物、またはそれらの混合物もしくはそれらの残基を含むことを意図している。
【0016】
[0016]一実施形態では、テレフタル酸は、出発原料として使用され得る。別の実施形態では、テレフタル酸ジメチルは、出発原料としては使用され得る。別の実施形態では、テレフタル酸およびテレフタル酸ジメチルの混合物は、出発原料および/または中間材料として使用され得る。
【0017】
[0017]本発明で使用するポリエステルは、典型的には、ジカルボン酸およびジオールから調製することができ、ジカルボン酸およびジオールは、実質的に等しい比率で反応し、それらの対応する残基としてポリエステルポリマーに組み込まれる。したがって、本発明のポリエステルは、実質的に等しいモル比率の酸残基(100モル%)ならびにジオール(および/または多官能性ヒドロキシル化合物)残基(100モル%)を含有することができ、そのため繰り返し単位の総モルは100モル%に等しい。したがって、本明細書で提供されるモル百分率は、酸残基の総モル、ジオール残基の総モル、または繰り返し単位の総モルに対するものであり得る。例えば、総酸残基に対して、30モル%のイソフタル酸を含有するポリエステルは、ポリエステルが、合計で100モル%の酸残基のうちで、30モル%のイソフタル酸残基を含有することを意味する。したがって、各100モルの酸残基の中で、30モルのイソフタル酸残基が存在する。別の例では、総ジオール残基に対して、30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを含有するポリエステルは、ポリエステルが、合計で100モル%のジオール残基のうちで、30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含有することを意味する。したがって、各100モルのジオール残基の中で、30モルの2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基が存在する。
【0018】
[0018]所望のポリエステルに対して、cis/trans2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールのモル比は、それぞれの純粋な形態またはそれらの混合物から変動することができる。ある実施形態では、cisおよび/またはtrans2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールに対するモル百分率は、50モル%超のcisおよび50モル%未満のtrans;または55モル%超のcisおよび45モル%未満のtrans;または30~70モル%のcisおよび70~30%のtrans;または40~60モル%のcisおよび60~40モル%のtrans;または50~70モル%のtransおよび50~30%のcisまたは50~70モル%のcisおよび50~30%のtrans;または60~70モル%のcisおよび30~40モル%のtrans;または70モル超のcisおよび30モル%未満のtransであり、cis-およびtrans-の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールに対するモル百分率の総計は、100モル%に等しいものとする。cis/trans1,4-シクロヘキサンジメタノールのモル比は、50/50~0/100の範囲内、例えば、40/60~20/80で変動することができる。
【0019】
[0019]外層コポリエステルのある実施形態では、テレフタル酸もしくはそのエステル、例えば、テレフタル酸ジメチルなど、またはテレフタル酸とそのエステルの混合物は、本発明に有用なポリエステルを形成するために使用される、ジカルボン酸成分の大部分または全てを構成する。ある実施形態では、テレフタル酸残基は、本ポリエステルを形成するために使用されるジカルボン酸成分の一部または全てを、少なくとも70モル%、例えば、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも99モル%、または100モル%の濃度で、構成することができる。ある実施形態では、より高い衝撃強さのポリエステルを製造するために、より多い量のテレフタル酸が使用され得る。一実施形態では、テレフタル酸ジメチルは、本発明に有用なポリエステルを製造するために使用されるジカルボン酸成分の、一部または全てである。本明細書で使用する場合、「テレフタル酸」および「テレフタル酸ジメチル」という用語は、互換的に使用される。
【0020】
[0020]テレフタル酸に加えて、外層に有用なコポリエステルのジカルボン酸成分は、30モル%以下、20モル%以下、10モル%以下、5モル%以下、または1モル%以下の1種または複数の変性芳香族ジカルボン酸を含むことができる。さらに別の実施形態は、0モル%の変性芳香族ジカルボン酸を含有する。したがって、存在する場合、1種または複数の変性芳香族ジカルボン酸の量は、例えば、0.01~30モル%、0.01~20モル%、0.01~10モル%、0.01~5モル%および0.01~1モルといった、これらの前述の終点値のいずれかからの範囲であり得ることが想定される。一実施形態では、本発明で使用され得る変性芳香族ジカルボン酸は、限定されるものではないが、20個以下の炭素原子を有するものを含み、直鎖、パラ配向、または対称であり得る。本発明で使用され得る変性芳香族ジカルボン酸の例としては、限定されるものではないが、イソフタル酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、1,4-、1,5-、2,6-、2,7-ナフタレンジカルボン酸、およびtrans-4,4’-スチルベンジカルボン酸、ならびにそれらのエステルが挙げられる。一実施形態では、変性芳香族ジカルボン酸はイソフタル酸である。
【0021】
[0021]本発明に有用なポリエステルのカルボン酸成分は、10モル%以下、例えば、5モル%以下または1モル%以下の、20個以下の炭素原子を含有する1種または複数の脂肪族ジカルボン酸、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸およびドデカン二酸ジカルボン酸などで、さらに変性され得る。ある実施形態は、0.01モル%以上、例えば、0.1モル%以上、1モル%以上、5モル%以上、または10モル%以上の1種または複数の変性脂肪族ジカルボン酸も含むことができる。さらに別の実施形態は、0モル%の変性脂肪族ジカルボン酸を含有する。したがって、存在する場合、1種または複数の変性脂肪族ジカルボン酸の量は、例えば、0.01~10モル%および0.1~10モル%といった、これらの前述の終点値のいずれかからの範囲であり得ることが想定される。ジカルボン酸成分の総モル%は、100モル%である。
【0022】
[0022]テレフタル酸のエステル、ならびに他の変性ジカルボン酸またはそれらの対応するエステルおよび/もしくは塩は、ジカルボン酸の代わりに使用され得る。ジカルボン酸エステルの好適な例としては、限定されるものではないが、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジイソプロピル、ジブチル、およびジフェニルエステルが挙げられる。一実施形態では、エステルは、以下:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびフェニルエステルの少なくとも1つから選択される。
【0023】
[0023]1,4-シクロヘキサンジメタノールは、cis、trans、またはその混合物、例えば、60:40~40:60のcis/trans比であり得る。別の実施形態では、trans-1,4-シクロヘキサンジメタノールは、60~80モル%の量で存在することができる。
【0024】
[0024]外層コポリエステルのある実施形態では、上述のコポリエステルのグリコール成分は、35モル%以下の、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールまたは1,4-シクロヘキサンジメタノールではない、1種または複数の変性グリコールを含有することができる。
【0025】
[0025]ポリエステルに有用な変性グリコールは、2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび1,4-シクロヘキサンジメタノールとは別のジオールであり得、かつ2~16個の炭素原子を含有し得る。好適な変性グリコールの例としては、限定されるものではないが、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、p-キシレングリコール、イソソルビドまたはそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、変性グリコールはエチレングリコールである。別の実施形態では、変性グリコールは、1,3-プロパンジオールおよび/または1,4-ブタンジオールである。別の実施形態では、エチレングリコールは、変性ジオールとしては排除される。別の実施形態では、1,3-プロパンジオールおよび1,4-ブタンジオールは、変性ジオールとしては排除される。別の実施形態では、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールは、変性ジオールとしては排除される。
【0026】
[0026]本発明のポリエステルは、ジオール残基または二酸残基の総モル百分率に対して、0~10モルパーセント、例えば、0.01~5モルパーセント、0.01~1モルパーセント、0.05~5モルパーセント、0.05~1モルパーセント、または0.1~0.7モルパーセントの、それぞれ、3つ以上のカルボキシル置換基、ヒドロキシル置換基、またはそれらの組み合わせを有する、本明細書で分岐剤とも呼ばれる分岐モノマーの1種または複数の残基をさらに含むことができる。ある実施形態では、分岐モノマーまたは分岐剤は、ポリエステルの重合の前および/または途中および/または後に添加され得る。したがって、本発明に有用なポリエステルは、直鎖または分岐であり得る。
【0027】
[0027]分岐モノマーの例としては、限定されるものではないが、多官能性酸または多官能性アルコール、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、クエン酸、酒石酸、3-ヒドロキシグルタル酸等が挙げられる。一実施形態では、分岐モノマー残基は、以下:無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、グリセロール、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、および/またはトリメシン酸の少なくとも1つから選択される1種または複数の残基を、0.1~0.7モルパーセント含むことができる。分岐モノマーは、ポリエステル反応混合物に添加してもよく、または、例えば、米国特許第5,654,347号および米国特許第5,696,176号に記載されている濃縮物の形態で、ポリエステルとブレンドしてもよく、分岐モノマーに関するそれらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
[0028]加えて、本発明に有用なポリエステル組成物は、ポリエステル組成物の総重量の0.01~25重量%、または0.01~20重量%、または0.01~15重量%、または0.01~10重量%、または0.01~5重量%の一般的な添加剤、例えば、着色剤、染料、スリップ剤もしくは離型剤、および/または、限定されるものではないが熱安定剤もしくは加水分解安定剤を含む安定剤を、含有してもよい。
【0029】
[0029]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびCHDM残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;10~35モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;10~35モル%未満の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65超~90モル%以下の1,4-シクロヘキサンジメタノール;10~30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび70~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;10~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75超~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;11~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~89モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;12~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~88モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;ならびに13~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~87モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1つを含むことができる。
【0030】
[0030]他の実施形態では、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:15~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~85モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;15~35モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65~85モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;15~30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび70~85モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;15~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~85モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;15~20モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;ならびに17~23モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび77~83モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1つを含むことができる。
【0031】
[0031]他の実施形態では、外層がTMCD残基およびCHDM残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:20~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;20~35モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;20~30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび70~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;ならびに20~25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび75~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノールの少なくとも1つを含むことができる。
【0032】
[0032]他の実施形態では、外層がTMCD残基およびCHDM残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:25~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;25~35モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;ならびに25~30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび70~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;30~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~70モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール;30~35モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび65~70モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、の少なくとも1つを含むことができる。
【0033】
[0033]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびCHDM残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、15モル%未満のエチレングリコール残基、例えば、0.01~15モル%未満などのエチレングリコール残基を含有することができる。実施形態では、本発明に有用なポリエステルは、10モル%未満、または5モル%未満、または4モル%未満、または2モル%未満、または1モル%未満のエチレングリコール残基、例えば、0.01~10モル%未満、または0.01~5モル%未満、または0.01~4モル%未満、または0.01~2モル%未満、または0.01~1モル%未満などのエチレングリコール残基を含有する。一実施形態では、本発明に有用なコポリエステルは、エチレングリコール残基を含有しない。
【0034】
[0034]ある実施形態では、外層がイソソルビド残基およびCHDM残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:10~40モル%のイソソルビド、20~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;10~35モル%のイソソルビド、25~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;10~35モル%未満のイソソルビド、25超~80モル%以下の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;10~30モル%のイソソルビド、30~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;10~25モル%のイソソルビド、35~80モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;11~25モル%のイソソルビド、35~79モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;12~25モル%のイソソルビド、35~78モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;ならびに13~25モル%のイソソルビド、35~77モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEGの少なくとも1つを含むことができる。
【0035】
[0035]他の実施形態では、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:15~40モル%のイソソルビド、20~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;15~35モル%のイソソルビド、25~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;15~30モル%のイソソルビド、30~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;15~25モル%のイソソルビド、35~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;15~20モル%のイソソルビド、40~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;17~23モル%のイソソルビド、37~73モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~40モル%のEG;15~30モル%のイソソルビド、40~75モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および10~30モル%のEG;20~30モル%のイソソルビド、40~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および15~30モル%のEGの少なくとも1つを含むことができる。
【0036】
[0036]他の実施形態では、ポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:10~30モル%のイソソルビド、40~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および30~45モル%のEG;20~30モル%のイソソルビド、40~60モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および20~30モル%のEG;20~35モル%のイソソルビド、40~55モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および20~30モル%のEGの少なくとも1つを含むことができる。
【0037】
[0037]実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステルは、(a)約90~100モルパーセントのTPA残基および0~約10モルパーセントのIPA残基を含む二酸残基;ならびに(b)少なくとも60モルパーセントのEG残基および40モルパーセント以下のTMCD残基を含むジオール残基、を含むコポリエステルを含むことができ、コポリエステルは、合計で100モルパーセントの二酸残基および合計で100モルパーセントのジオール残基を含むものとする。
【0038】
[0038]実施形態では、コポリエステルは、10~40モルパーセントのTMCD残基および60~90モルパーセントのEG残基を含む、ジオール残基を含む。実施形態では、コポリエステルは、20~37モルパーセントのTMCD残基および63~80モルパーセントのEG残基を含む、ジオール残基を含む。一実施形態では、コポリエステルは、22~35モルパーセントのTMCD残基および65~78モルパーセントのEG残基を含む、ジオール残基を含む。
【0039】
[0039]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、a)(i)90~100モル%のテレフタル酸残基;および(ii)約0~約10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに(b)(i)約10~約27モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約90~約73モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分、を含み;ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%であり;ポリエステルの固有粘度(IV)は、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.25g/50mlの濃度、25℃で決定して、0.50~0.8dL/gであり;ポリエステルのL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90以上である。実施形態では、ポリエステルのL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90超である。
【0040】
[0040]ある実施形態では、コポリエステルのグリコール成分は、(i)約15~約25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約85~約75モル%のエチレングリコール残基;または(i)約20~約25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約80~約75モル%のエチレングリコール残基;または(i)約21~約24モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約86~約79モル%のエチレングリコール残基、を含む。
【0041】
[0041]実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、以下の特性:TA2100 Thermal Analyst Instrumentによって20℃/分の走査速度で測定した、約90~約108℃のTg、ASTM D790によって規定される、約2000MPa(290,000psi)超の23℃の曲げ弾性率、およびASTM D256に従い、0.254mm(10mil)のノッチで、23℃で3.18mm(1/8インチ)厚のバーを使用する、約25J/m(0.47ft-lb/in)超のノッチ付きアイゾッド衝撃強さ、から選択される少なくとも1つを有する。一実施形態では、コポリエステルのL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90以上、または90超である。
【0042】
[0042]一実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、(II)(i)ポリマー重量に対して10~50ppmの範囲のチタン原子、(ii)任意選択で、ポリマー重量に対して10~100ppmの範囲のマンガン原子、および(iii)ポリマー重量に対して10~200ppmの範囲のリン原子、を含む触媒/安定剤成分をさらに含む。一実施形態では、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基は、50モル%超のcis-2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基および50モル%未満のtrans-2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含む、混合物である。
【0043】
[0043]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:約10~約30モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約90~約70モル%のエチレングリコール;約10~約27モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約90~約73モル%のエチレングリコール;約15~約26モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約85~約74モル%のエチレングリコール;約18~約26モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約82~約77モル%のエチレングリコール;約20~約25モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約80~約75モル%のエチレングリコール;約21~約24モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約79~約76モル%のエチレングリコール;または約22~約24モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約78~約76モル%のエチレングリコール、の少なくとも1つを含むことができる。
【0044】
[0044]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.25g/50mlの濃度、25℃で決定した、以下の固有粘度、0.50~0.8dL/g;0.55~0.75dL/g;0.57~0.73dL/g;0.58~0.72dL/g;0.59~0.71dL/g;0.60~0.70dL/g;0.61~0.69dL/g;0.62~0.68dL/g;0.63~0.67dL/g;0.64~0.66dL/g;または約0.65dL/g、の少なくとも1つを示し得る。
【0045】
[0045]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルのTgは、以下の範囲:85~100℃;86~99℃;87~98℃;88~97℃;89~96℃;90~95℃;91~95℃;92~94℃の1つから選択され得る。
【0046】
[0046]他の実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、30~42モルパーセントのTMCD残基および58~70モルパーセントのEG残基を含むジオール残基を含む。一実施形態では、コポリエステルは、33~38モルパーセントのTMCD残基および62~67モルパーセントのEG残基を含むジオール残基を含む。
【0047】
[0047]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、a)(i)90~100モル%のテレフタル酸残基;および(ii)約0~約10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに(b)(i)約30~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約70~約60モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分を含み;ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり、グリコール成分の総モル%は100モル%であり;ポリエステルの固有粘度(IV)は、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.25g/50mlの濃度、25℃で決定して、0.50~0.70dL/gであり;ポリエステルのL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90以上である。実施形態では、ポリエステルのL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90超ある。
【0048】
[0048]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、グリコール成分は、(i)約32~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基、および(ii)約68~約60モル%のエチレングリコール残基;または(i)約34~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基、および(ii)約66~約60モル%のエチレングリコール残基;または(i)34超~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基、および(ii)66未満~約60モル%のエチレングリコール残基;または(i)34.2~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基、および(ii)65.8~約60モル%のエチレングリコール残基;または(i)約35~約39モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基、および(ii)約65~約61モル%のエチレングリコール残基;または(i)約36~約37モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)残基;および(ii)約64~約63モル%のエチレングリコール残基、を含む。
【0049】
[0049]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、以下の特性:TA2100 Thermal Analyst Instrumentによって20℃/分の走査速度で測定した、約100~110℃のTg、ASTM D790によって規定される、2000MPa(約290,000psi)以上、または2200MPa(319,000psi)超の23℃の曲げ弾性率、ASTM D256に従い0.254mm(10mil)のノッチで、23℃で3.2mm(1/8インチ)厚のバーを使用する、約30J/m(0.56ft-lb/in)~約80J/m(1.50ft-lb/in)のノッチ付きアイゾッド衝撃強さ、および293℃(560°F)の温度で2分間保持した後の、5%未満の固有粘度低下、から選択される少なくとも1つを有する。一実施形態では、ポリエステル組成物のL明度は、ASTM D6290-98およびASTM E308-99に従って測定し、1mmのふるいを通過するまで粉砕したポリマー顆粒に実施する、L表色系によって決定して、90以上、または90超である。
【0050】
[0050]一実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、コポリエステルは、(ジオールに対して)少なくとも30モルパーセントのTMCD残基を有するジオール成分、ならびに(i)ポリマー重量に対して10~60ppmの範囲のチタン原子、(ii)ポリマー重量に対して10~100ppmの範囲のマンガン原子、および(iii)ポリマー重量に対して、10~200ppmの範囲のリン原子を含む触媒/安定剤成分を含む。一実施形態では、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基は、50モル%超のcis-2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基、および50モル%未満のtrans-2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基の混合物である。
【0051】
[0051]ある実施形態では、コポリエステル用のグリコール成分は、限定されるものではないが、以下の範囲の組み合わせ:約30~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約60~70モル%のエチレングリコール;約32~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約60~68モル%のエチレングリコール;約32~約38モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約64~68モル%のエチレングリコール;約33~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約60~67モル%のエチレングリコール;約34~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約60~66モル%のエチレングリコール;34超~約40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび60~66モル%未満のエチレングリコール;34.2~40モルの%2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約60~65.8モル%のエチレングリコール;約35~約39モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約61~65モル%のエチレングリコール;約35~約38モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約62~65モル%のエチレングリコール;または約36~約37モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび約63~64モル%のエチレングリコール、の少なくとも1つを含む。
【0052】
[0052]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、ポリエステルは、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.25g/50mlの濃度、25℃で決定した、以下の固有粘度、0.50~0.70dL/g;0.55~0.65dL/g;0.56~0.64dL/g;0.56~0.63dL/g;0.56~0.62dL/g;0.56~0.61dL/g;0.57~0.64dL/g;0.58~0.64dL/g;0.57~0.63dL/g;0.57~0.62dL/g;0.57~0.61dL/g;0.58~0.60dL/gまたは約0.59dL/gの少なくとも1つを示し得る。
【0053】
[0053]ある実施形態では、外層がTMCD残基およびEG残基を含有するコポリエステルを含む場合、こうしたコポリエステルは、10モル%未満、もしくは5モル%未満、もしくは4モル%未満、もしくは3モル%未満、もしくは2モル%未満、もしくは1モル%未満のCHDM残基を含有する、または含有しないことができる。
【0054】
[0054]実施形態では、外層で使用するための本明細書に記述されるポリエステルは、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した以下の固有粘度:0.10~1.2dL/g;0.10~1.1dL/g;0.10~1dL/g;0.10~1dL/g未満;0.10~0.98dL/g;0.10~0.95dL/g;0.10~0.90dL/g;0.10~0.85dL/g;0.10~0.80dL/g;0.10~0.75dL/g;0.10~0.75dL/g未満;0.10~0.72dL/g;0.10~0.70dL/g;0.10~0.70dL/g未満;0.10~0.68dL/g;0.10~0.68dL/g未満;0.10~0.65dL/g;0.20~1.2dL/g;0.20~1.1dL/g;0.20~1dL/g;0.20~1dL/g未満;0.20~0.98dL/g;0.20~0.95dL/g;0.20~0.90dL/g;0.20~0.85dL/g;0.20~0.80dL/g;0.20~0.75dL/g;0.20~0.75dL/g未満;0.20~0.72dL/g;0.20~0.70dL/g;0.20~0.70dL/g未満;0.20~0.68dL/g;0.20~0.68dL/g未満;0.20~0.65dL/g;0.35~1.2dL/g;0.35~1.1dL/g;0.35~1dL/g;0.35~1dL/g未満;0.35~0.98dL/g;0.35~0.95dL/g;0.35~0.90dL/g;0.35~0.85dL/g;0.35~0.80dL/g;0.35~0.75dL/g;0.35~0.75dL/g未満;0.35~0.72dL/g;0.35~0.70dL/g;0.35~0.70dL/g未満;0.35~0.68dL/g;0.35~0.68dL/g未満;0.35~0.65dL/g;0.40~1.2dL/g;0.40~1.1dL/g;0.40~1dL/g;0.40~1dL/g未満;0.40~0.98dL/g;0.40~0.95dL/g;0.40~0.90dL/g;0.40~0.85dL/g;0.40~0.80dL/g;0.40~0.75dL/g;0.40~0.75dL/g未満;0.40~0.72dL/g;0.40~0.70dL/g;0.40~0.70dL/g未満;0.40~0.68dL/g;0.40~0.68dL/g未満;0.40~0.65dL/g;0.42超~1.2dL/g;0.42超~1.1dL/g;0.42超~1dL/g;0.42超~1dL/g未満;0.42超~0.98dL/g;0.42超~0.95dL/g;0.42超~0.90dL/g;0.42超~0.85dL/g;0.42超~0.80dL/g;0.42超~0.75dL/g;0.42超~0.75dL/g未満;0.42超~0.72dL/g;0.42超~0.70dL/g未満;0.42超~0.68dL/g;0.42超~0.68dL/g未満;および0.42超~0.65dL/gの少なくとも1つを示し得る。
【0055】
[0055]ある実施形態に対して、外層で使用するための本明細書に記述されるポリエステルは、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、以下の固有粘度:0.45~1.2dL/g;0.45~1.1dL/g;0.45~1dL/g;0.45~0.98dL/g;0.45~0.95dL/g;0.45~0.90dL/g;0.45~0.85dL/g;0.45~0.80dL/g;0.45~0.75dL/g;0.45~0.75dL/g未満;0.45~0.72dL/g;0.45~0.70dL/g;0.45~0.70dL/g未満;0.45~0.68dL/g;0.45~0.68dL/g未満;0.45~0.65dL/g;0.50~1.2dL/g;0.50~1.1dL/g;0.50~1dL/g;0.50~1dL/g未満;0.50~0.98dL/g;0.50~0.95dL/g;0.50~0.90dL/g;0.50~0.85dL/g;0.50~0.80dL/g;0.50~0.75dL/g;0.50~0.75dL/g未満;0.50~0.72dL/g;0.50~0.70dL/g;0.50~0.70dL/g未満;0.50~0.68dL/g;0.50~0.68dL/g未満;0.50~0.65dL/g;0.55~1.2dL/g;0.55~1.1dL/g;0.55~1dL/g;0.55~1dL/g未満;0.55~0.98dL/g;0.55~0.95dL/g;0.55~0.90dL/g;0.55~0.85dL/g;0.55~0.80dL/g;0.55~0.75dL/g;0.55~0.75dL/g未満;0.55~0.72dL/g;0.55~0.70dL/g;0.55~0.70dL/g未満;0.55~0.68dL/g;0.55~0.68dL/g未満;0.55~0.65dL/g;0.58~1.2dL/g;0.58~1.1dL/g;0.58~1dL/g;0.58~1dL/g未満;0.58~0.98dL/g;0.58~0.95dL/g;0.58~0.90dL/g;0.58~0.85dL/g;0.58~0.80dL/g;0.58~0.75dL/g;0.58~0.75dL/g未満;0.58~0.72dL/g;0.58~0.70dL/g;0.58~0.70dL/g未満;0.58~0.68dL/g;0.58~0.68dL/g未満;0.58~0.65dL/g;0.60~1.2dL/g;0.60~1.1dL/g;0.60~1dL/g;0.60~1dL/g未満;0.60~0.98dL/g;0.60~0.95dL/g;0.60~0.90dL/g;0.60~0.85dL/g;0.60~0.80dL/g;0.60~0.75dL/g;0.60~0.75dL/g未満;0.60~0.72dL/g;0.60~0.70dL/g;0.60~0.70dL/g未満;0.60~0.68dL/g;0.60~0.68dL/g未満;0.60~0.65dL/g;0.65~1.2dL/g;0.65~1.1dL/g;0.65~1dL/g;0.65~1dL/g未満;0.65~0.98dL/g;0.65~0.95dL/g;0.65~0.90dL/g;0.65~0.85dL/g;0.65~0.80dL/g;0.65~0.75dL/g;0.65~0.75dL/g未満;0.65~0.72dL/g;0.65~0.70dL/g;0.65~0.70dL/g未満;0.68~1.2dL/g;0.68~1.1dL/g;0.68~1dL/g;0.68~1dL/g未満;0.68~0.98dL/g;0.68~0.95dL/g;0.68~0.90dL/g;0.68~0.85dL/g;0.68~0.80dL/g;0.68~0.75dL/g;0.68~0.75dL/g未満;0.68~0.72dL/g;0.76dug超~1.2dL/g;0.76dL/g超~1.1dL/g;0.76dL/g超~1dL/g;0.76dL/g超~1dL/g未満;0.76dL/g超~0.98dl/g;0.76dL/g超~0.95dL/g;0.76dL/g超~0.90dL/g;0.80dL/g超~1.2dL/g;0.80dL/g超~1.1dL/g;0.80dL/g超~1dL/g;0.80dL/g超~1dL/g未満;0.80dL/g超~1.2dL/g;0.80dL/g超~0.98dl/g;0.80dL/g超~0.95dL/g;0.80dL/g超~0.90dL/gの少なくとも1つを示し得る。
【0056】
[0056]実施形態では、内層またはコア層は、ポリエステルエーテルまたはコポリエステルエーテル(COPE)、例えば、Eastman Chemical Companyから市販されている、例えば(PCCE)を含むことができる。内層またはコア層に関して、本明細書で使用する「ポリエステル」という用語は、コポリエステルエーテルを含むことを意図している。コポリエステルエーテルは、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体、例えば、ジメチル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートを含むかつ/または本質的にそれからなるジカルボン酸成分から誘導され得る。この酸およびエステルは両方とも、時に本明細書でDMCDと呼ばれる。ジオール成分は、本質的に1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)およびポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)からなる。コポリエステルエーテルは、分岐剤、例えば、酸またはグリコール成分に対して約0.1~約1.5モル%の、少なくとも3つのカルボキシル基またはヒドロキシル基を有する多官能性分岐剤をさらに含むことができる。
【0057】
[0057]実施形態では、コポリエステルエーテルの二塩基酸成分は、少なくとも70%または少なくとも80%または少なくとも85%のtrans異性体含有量を有する、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸またはジメチル-1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートの残基を含む。一実施形態では、コポリエステルエーテルの二塩基酸成分は、本質的にDMCDからなることができ、少なくとも70%、または少なくとも80%または少なくとも85%のtrans異性体含有量を有することができる。
【0058】
[0058]実施形態では、コア層または内層に有用なポリエステルエーテルは、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸またはそのエステルの残基を、合計で100重量%の酸残基および合計で100重量%のジオール残基に対して、70~100重量%または80~100重量%または90~100重量%または95~100重量%または98~100重量%の量で含むことができる。ポリエステルエーテルは、1,4-シクロヘキサンジメタノールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールの残基を含むことができる。
【0059】
[0059]ある実施形態では、ポリエステルエーテルは、1~50モル%、または5~50モル%、または10~50モル%、または15~50モル%、または20~50モル%または25~50モル%、または30~50モル%、または35~50モル%、または40~50モル%、または45~50モル%、または1~45モル%、または5~45モル%、または10~45モル%、または15~45モル%、または20~45モル%または25~45モル%、または30~45モル%、または35~45モル%、または40~45モル%、または1~40モル%、または5~40モル%、または10~40モル%、または15~40モル%、または20~40モル%または25~40モル%、または30~40モル%、または35~40モル%、または1~35モル%、または5~35モル%、または10~35モル%、または15~35モル%、または20~35モル%または25~35モル%、または30~35モル%、または1~30モル%、または5~30モル%、または10~30モル%、または15~30モル%、または20~30モル%または25~30モル%、または1~25モル%、または5~25モル%、または10~25モル%、または15~25モル%、または20~25モル%、または1~20モル%、または5~20モル%、または10~20モル%、または15~20モル%、または1~15モル%、または5~15モル%、または10~15モル%、または1~10モル%、または5~10モル%、または1~5モル%のポリテトラメチレンエーテルグリコール残基の残基を含むことができる。
【0060】
[0060]ある実施形態では、ポリエステルエーテルは、1モル%~20モル%、または1モル%~15モル%、または1モル%~12モル%、または1モル%~10モル%、または3モル%~12モル%、または5モル%~10重量%、または7~10モル%のポリテトラメチレンエーテルグリコール残基の残基を含むことができる。
【0061】
[0061]一実施形態では、ポリエステルエーテルのポリエステル部分は、本発明に有用なポリエステル用として記述される少なくとも1つのグリコールの残基を含む。ある実施形態では、ポリエステルエーテルのポリエステル部分は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、イソソルビド、プロパン-1,3-ジオール,ブタン-1,4-ジオール,2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(ネオペンチルグリコール),2,2,4,4,-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール,ペンタン-1,5-ジオール,ヘキサン-1,6-ジオール,1,4-シクロヘキサンジメタノール,3-メチル-ペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリ-メチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種のグリコールの残基を含む。実施形態では、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)残基に加えて、ポリエステルエーテルのグリコール成分の残りは、本質的に1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)残基である。実施形態では、ポリエステルエーテルのグリコール成分は、10モル%未満、または5モル%未満、または2モル%未満、または1モル%未満の、CHDMおよびPTMGの残基とは別のグリコール残基を含む。
【0062】
[0062]実施形態では、ポリエステルエーテルは、50重量%~95重量%、または55重量%~95重量%、または60重量%~95重量%、または70重量%~95重量%、または75重量%~95重量%、または80重量%~95重量%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基の残基を含むことができる。実施形態では、ポリエステルエーテルは、エチレングリコールの残基を含有しない。
【0063】
[0063]実施形態では、内層は、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、0.70~1.5dL/g、または0.8~1.4dL/g、または0.9~1.3dL/g、1.0~1.2dL/g、または1.1~1.2dL/g、または1.14~1.18dL/gの範囲の固有粘度(IV)を有するポリエステルエーテルを含む。実施形態では、ポリエステルエーテルは、0℃未満、または-10℃未満、または-20℃未満、または-30℃未満、または-60℃~0℃、または-50℃~-10℃、-60℃~-20℃、または-50℃~-30℃の範囲の、DSCによって測定したガラス転移温度(Tg)を有する。実施形態では、ポリエステルエーテルは、少なくとも200%、もしくは少なくとも300%、もしくは少なくとも350%、もしくは200%~600%、もしくは300%~500%の範囲の、ASTM D638に従って測定した破断時伸び;および/または50~250MPa、もしくは100~200MPaの範囲の、ASTM D790に従って測定した曲げ弾性率;および/または、少なくとも200N、もしくは少なくとも250N、もしくは少なくとも300N、もしくは200N~500N、もしくは250N~450N、もしくは300N~400Nの範囲の、ASTM D1004に従って測定した引き裂き強さを有する。
【0064】
[0064]一実施形態では、コア層または内層に含有されるコポリエステルエーテルは、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.70~約1.5dL/gの固有粘度を有することができ、
A.1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含むかつ/または本質的にそれからなるジカルボン酸成分、ならびに
B.(1)1,4-シクロヘキサンジメタノール、および
(2)ポリエステルエーテルのグリコール成分のモルに対して、約1~約50モルパーセント、または1~20モルパーセント、または1~15モルパーセント、または2~10モルパーセントの、約500~約2000の重量平均分子量を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)から本質的になる、グリコール成分
を含むことができる。
【0065】
[0065]一実施形態では、コポリエステルエーテルは、(3)酸成分またはグリコール成分の総モル%に対して、約0.1~約1.5モル%、または0.1~1.0モル%の、少なくとも3つのCOOH官能基またはOH官能基および3~60個の炭素原子を有する分岐剤を、さらに含むことができる。
【0066】
[0066]実施形態では、内(またはコア)層は、CHDM残基およびEGグリコール残基を有し、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、0.5~1.0dL/g、または0.6~0.9dL/g、または0.65~0.85dL/g、0.7~0.8dL/gの固有粘度(IV)を有する、コポリエステルを含む。実施形態では、コポリエステルは、60℃超、または70℃超、または75℃超、または60℃~100℃、または70℃~90℃、または75℃~85℃の範囲のDSCによって測定したガラス転移温度(Tg)を有する。実施形態では、コポリエステルは、少なくとも80%、もしくは少なくとも100%、もしくは少なくとも120%、もしくは80%~180%、もしくは100%~160%の範囲の、ASTM D638に従って測定した破断時伸び;および/または、1600~2600MPa、もしくは1800~2400MPa、もしくは2000~2200MPaの範囲の、ASTM D790に従って測定した曲げ弾性率;および/または、少なくとも25N、もしくは少なくとも30N、もしくは少なくとも35N、もしくは25N~100N、もしくは30N~80N、もしくは35N~60Nの範囲の、ASTM D1938に従って測定した引き裂き力、を有する。
【0067】
[0067]上記のように、シート全体の厚さは、約100μM~約3000μM、または約300μM~約3000μMの範囲であることができる。他の実施形態では、シートの厚さは、約380μM~約1600μMの範囲である。ある実施形態では、コア層の厚さは、約1μM~約1000μMの範囲である。ある実施形態では、コア層の厚さは、約1μM~約725μM、または1μM~600μMの範囲である。ある実施形態では、外層の厚さは、それぞれ個別に、約1μM~約2000μMの範囲である。さらなる実施形態では、外層の厚さは、約25μM~約2000μMの範囲である。
【0068】
[0068]本発明の多層シートは、共押し出し、押し出し積層、熱積層、接着剤積層等によって製造され得る。共押し出しでは、ポリマーの多数の層は、共押し出しブロックまたはダイへ供給される各層のポリマー組成物を、異なる押し出し機で溶融することによって生成される。多層シートまたは多層フィルムは、ブロックまたはダイで形成される。押し出し積層は、少なくとも2枚のシートまたはフィルム(単層または共押し出し物(co-ex))が、それらの間にポリマー溶解物を押し出すことによって一緒に結合され、多層構造体を作り出すプロセスである。接着剤積層は、少なくとも2枚のシートまたはフィルム(単層または共押し出し物)を取り込み、液体接着剤を使用してそれらを一緒に結合し、多層のシートまたはフィルムを作り出す。熱積層は、様々な組成物または構造体の切断されたシートまたはフィルムが、加熱されたプレスでレイアップされるバッチプロセスである。これらの方法を使用して、多数の組み合わせおよび多数の層が作られ得る。
【0069】
[0069]本明細書に記述の通り選択されたコア層および外層を有する多層シートが、処理中または使用中に互いから分離または離層する傾向がある場合、こうした層の間に少なくとも1つの中間「結合層」が利用され得る。一実施形態では、多層フィルムは、1つのコア層Aおよび2つの外層Bを含む少なくとも5つのフィルム層を有し、1つの層Bがコア層Aの各側にあり、層Aと各層Bの間に結合層があり、すなわち「B-結合-A-結合-B」である。ある実施形態では、こうした結合層は、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレンコポリマー、無水物変性ポリオレフィン、酸/アクリレート変性エチレン酢酸ビニルコポリマー、酸変性エチレンアクリレート、無水物変性エチレンアクリレート、変性エチレンアクリレート、変性エチレン酢酸ビニル、無水物変性エチレン酢酸ビニルコポリマー、無水物変性高密度ポリエチレン、無水物変性直鎖低密度ポリエチレン、無水物変性低密度ポリエチレン、無水物変性ポリプロピレン、エチレンエチルアクリレート無水マレイン酸コポリマーおよびエチレンブチルアクリレート無水マレイン酸ターポリマー、エチレン‐α‐オレフィンコポリマー、アルケン‐不飽和カルボン酸またはカルボン酸誘導体コポリマー、エチレン‐メタクリル酸コポリマー、エチレン‐酢酸ビニルコポリマー、エチレン‐メタクリル酸コポリマー、不飽和ジカルボン酸無水物グラフト化コポリマー、無水マレイン酸グラフト化エチレン-酢酸ビニルコポリマー、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン、スチレン‐ブタジエンコポリマー、高いα‐オレフィンコモノマー含有量を有するC3以上のα‐オレフィンコポリマー、プロピレン-1-ブテンコポリマー、ならびにこれらの混合物から選択される、1種または複数のコポリマーを含む。
【0070】
[0070]実施形態では、多層シートは、少なくとも30N、もしくは少なくとも40N、もしくは少なくとも45N、もしくは少なくとも50N、もしくは少なくとも60N、もしくは少なくとも65N、もしくは30N~100N、もしくは40N~100N、もしくは45N~100N、もしくは50N~90N、もしくは60N~80Nの範囲の、ASTM D1938に従って測定した引き裂き力;および/または、55%以下、もしくは50%以下、もしくは35~55%、もしくは40~55%、もしくは45~55%、もしくは35~50%、もしくは40~50%の範囲の、本明細書の実施例で記述のように測定した力保持パーセント損失;および/または1500MPa超、もしくは少なくとも1550MPa、もしくは少なくとも1600MPa、もしくは1500超~2400MPa、もしくは1500超~2200MPa、もしくは1500超~2100MPa、もしくは1550~2200MPa、もしくは1550~2100MPa、もしくは1500超~2000のMPa、もしくは1550~2000MPa、もしくは1600~2000MPa、もしくは1600~1800MPaの、ASTM D790に従って測定した曲げ弾性率を有する。実施形態では、多層シートは、上述の引き裂き力特性および力保持特性の両方を有する。実施形態では、多層シートは、上述の引き裂き力特性、力保持特性および曲げ弾性率特性のそれぞれを有する。実施形態では、多層シートは、100~1050ミクロン、または500~1050ミクロン、または500~1000ミクロン、または600~900ミクロン、または600~800ミクロン、または635ミクロン(25mil)~889ミクロン(35mil)、または635ミクロン(25mil)~762ミクロン(30mil)の範囲の総厚さを有する。実施形態では、内(またはB層)の厚さは、多層のシートの総厚さの10~50%、または15~45%、または20~40%、または20~35%、または25~35%である。
【0071】
[0071]本発明のシートが十分に高い弾性率および優れた引き裂き抵抗を有する限り、本発明のシートは、カスタマイズ可能な弾性率および優れた引き裂き抵抗を有するその構造に起因して、脱着可能な歯列矯正用歯位置決め器具(orthodontic tooth positioning appliance)の調製に有用である。例えば、米国特許第9,655,691号、米国特許第9,655,693号、および米国特許第10,052,176号を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
[0072]したがって、さらなる実施形態では、本発明は、患者の歯の少なくとも一部を直接収容するように形作られた歯を収容する空洞を有する、脱着可能な歯列矯正用歯位置決め器具であって、少なくとも3つの層を含むシートから形成された多層ポリマー構造体を含み、前記3つの層は2つの外層および1つのコア層を含み、
(A)前記外層は同一または異なり、
(a)i)70~100モル%のテレフタル酸残基;および
ii)0~30モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)0~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基;および
iii)0~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/gの固有粘度を有するポリエステルを含み;
(B)コア層は、前記外層中のポリエステルとは別のポリエステルを含み、シートの全体の厚さは、100~3000ミクロン、または300~3000ミクロンである、器具を提供する。
【0073】
[0073]さらなる実施形態では、前記外層は、
(a)i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.5~約0.9dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む。
【0074】
[0074]さらなる実施形態では、前記外層は、
(a)(i)90~100モル%のテレフタル酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)10~40モル%の2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基;
ii)60~90モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.9dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む。さらなる実施形態では、外層の固有粘度は、約0.5~0.7dL/gである。
【0075】
[0075]さらなる実施形態では、本発明は、患者の歯の少なくとも一部を直接収容するように形作られた、歯を収容する空洞を有する、脱着可能な歯列矯正用歯位置決め器具であって、2つの外層および少なくとも1つのコア層を含むシートから形成された、多層ポリマー構造体を含み、前記コア層は、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)15~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール、および
ii)5~20モル%のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.8~約1.4dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む、器具を提供する。
【0076】
[0076]さらなる実施形態では、前記コア層は、
(a)i)90~100モル%のtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸残基;
ii)0~10モル%の、20個以下の炭素原子を有する芳香族および/または脂肪族ジカルボン酸残基、を含むジカルボン酸成分;ならびに
(b)i)15~65モル%の1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、および
ii)85~35モル%のエチレングリコール残基、を含むグリコール成分
を含み、60/40(wt/wt)フェノール/テトラクロロエタン中、0.5g/100mlの濃度、25℃で決定した、約0.4~約0.8dL/gの固有粘度を有する、ポリエステルを含む。この実施形態では、グリコール成分のモルは合計して100モル%になり、0~15モル%のジエチレングリコールの残基からさらになり得る。
【0077】
[0077]実施形態では、歯科用器具は、本明細書に記述されるいずれかの多層シートから作られ得る。
[0078]本発明は、本発明のある実施形態の以下の実施例によってさらに説明され得るが、これらの実施例は、特に断りのない限り単に例証の目的であり、本発明の範囲を限定する意図ではないことが理解されるであろう。
【実施例
【0078】
[0079]フィルム/シートを、以下の樹脂:
樹脂1=Ecdel(商標)Elastomer 9966
樹脂2=Eastman Tritan(商標)Copolyester MP100
樹脂3=Eastar(商標)Copolyester 6763
から、単層フィルムを押し出すまたは多層フィルムを共押し出しして、試験することによって調製した。
【0079】
実施例1~3
[0080](A-B-A構造を有する)3層フィルムを、フィルムの「A」層に対して一軸押し出し機、「B」層に対して一軸押し出し機を使用して、共押し出しした。フィルムの「A」層は、樹脂2から作った。フィルムの「B」層は、樹脂1から作った。使用した押し出し条件を、以下の表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
[0081]樹脂1の厚さは、表2に示すように各実施例に対して増加させた。
【0082】
【表2】
【0083】
比較例1および2
[0082]単層フィルムを、一軸押し出し機で押し出した。比較例1は、樹脂2を使用して製造し、比較例2は樹脂3を使用して製造した。使用した押し出し条件を、以下の表3に見出すことができる。
【0084】
【表3】
【0085】
[0083]比較例1の単層フィルムは、686ミクロンの厚さを有し、比較例2の単層フィルムは、762ミクロンの厚さを有した。
実施例4
[0084]3層フィルムを実施例1~3と同様に調製し、コア(層B)は樹脂3から作り、スキン層(層A)は樹脂2から作った。使用した押し出し条件を、以下の表4に示す。
【0086】
【表4】
【0087】
[0085]構造体の総厚さは、約762ミクロンであった。それぞれ、コア層は約710ミクロンであり、外層は約25ミクロンであった。
比較例3および4
[0086]比較例3は、市販されている単層のTPU歯科用アライナー材料であった。この材料は、およそ762ミクロンの厚さであり、ディスクの形態で入手可能であった。比較例4は、市販されている単層のポリプロピレン材料であった。材料の厚さは、約1016ミクロンであった。
【0088】
試験方法
[0087]以下のヘイズ、ならびに曲げおよび引き裂き特性について、ASTM規格試験方法に従ってフィルムを試験した。
【0089】
曲げ弾性率-ASTM D790を使用して決定した。
引き裂き強さ-ASTM D1938を使用して決定した。
ヘイズ測定は、ASTM D1003に従って行った。
【0090】
[0088]フィルムの力保持特性は、動的機械分析(DMA)を使用して高温高湿で決定した。力保持のために、試料を37℃および90%RHで60分間保持し、その後0.5%の歪みで24時間変位させた。温度および湿度は、試験の期間全体を通して37℃および90%RHで一定に保持した。試料寸法は、幅3.175mm、長さおよそ10mmであった。ニュートンでの試験初期の力の量を、24時間後に残存する力の量と比較した。パーセント損失を出す計算を、初期力および24時間後の残存力に基づいて、各フィルムについて決定した。
【0091】
[0089]各フィルムの、総厚さおよび個別の層の厚さについてのフィルム厚さの測定は、光学顕微鏡を使用して、測定する各フィルムの断面を見て決定した。
試験結果
[0090]様々なフィルムに対する試験結果を、以下の表5に列挙する。
【0092】
【表5】
【0093】
[0091]表5を考察すると、実施例1~3のフィルムが比較例1および2と比較して、改善された特性を示していることは明らかである。実施例1~3の引き裂き特性は、樹脂1の厚さが増加するにつれて改善された引き裂き抵抗を示している。これは、必要に応じて、コア層の厚さを調節して、構造体の耐久性を増加させるように製品を「調整」できることを示している。
【0094】
[0092]表5は、層厚さを調節することによって、曲げ弾性率が調整され得ることも示している。データは、層B(樹脂1)の厚さが増加するにつれて、弾性率が減少することを示している。柔軟性を維持しながらより強靭な物品が必要な用途に対して、弾性率を選択的に調節することができる。さらに、より高い弾性率のフィルムが所望される場合、実施例4に示すように、コア層により高い弾性率の材料を利用して、全体の構造体を調整することができる。
【0095】
[0093]樹脂3のコアを追加することによって(実施例4)、樹脂2の単層と比較して増加した弾性率を有するが、単層と比較して平均引き裂き強さも2倍になるフィルムが生じる。外層として樹脂2を使用することによって、力保持では比較例2に対して適度の改善も生じ、これは、樹脂2の外層の層厚さを増加させ、樹脂3のコア層の厚さを減少させることによって、さらに改善され得る(と考えられる)。
【0096】
[0094]フィルムの応力緩和特性を、上述の動的機械分析(DMA)を使用して分析し、この場合、試料を(高温高湿で)24時間保持し、この期間中、力を測定した。材料がある期間にわたって一定の力特性を維持する能力は、ある用途、例えば、歯科用アライナー用途にとって重要であり得る。アライナーは、より長期間にわたってより多くの力を保持できると、一貫して歯により効果的に力をかける能力を維持するはずある。表5は、実施例1~3(特に実施例2および3)のフィルムが、(樹脂2の単層を除く)試験した他の材料より良好に、力を保持することができることを示している。実施例1~3のフィルムの力保持は、層B(樹脂1)の厚さを増加させるとともに向上した。
【0097】
[0095]本発明を、そのある特定の実施形態を特に参照して詳細に記述してきたが、本発明の趣旨および範囲内で変更および修正が実施できることは、理解されるであろう。
【国際調査報告】