(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-11
(54)【発明の名称】血液培養ボトルの貯蔵、攪拌および読取りのための高密度ボトルドラムおよび貯蔵方法
(51)【国際特許分類】
C12M 1/34 20060101AFI20221003BHJP
C12M 1/10 20060101ALI20221003BHJP
C12Q 1/04 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
C12M1/34 B
C12M1/10
C12M1/34 D
C12Q1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507715
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(85)【翻訳文提出日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 US2020045065
(87)【国際公開番号】W WO2021026272
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ローハン,ダニエル,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンガー,ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】アームストロング,ロバート,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ポール,ブレント,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】レンツ,アモン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ツェルヴェック,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】マーレイ,クリストファー
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA11
4B029BB01
4B029BB11
4B029DD01
4B029FA05
4B029GA02
4B029GA06
4B029GB06
4B063QA18
4B063QQ03
4B063QS28
4B063QX01
(57)【要約】
血液培養びんを貯蔵し且つ監視するための装置である。装置は、血液培養びんを受け取るための複数のレセプタクルを中に有するドラムとして構成された可動ラックを有する。ドラムはハウジングの中に配置される。ハウジングは、血液培養びんを高められた温度で保温するための加熱器および送風機を含む。装置は任意選択で複数のドラムを有し、個々のドラムは血液培養びんを受け取るための複数のレセプタクルを有する。
【選択図】
図16B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液培養ボトルを貯蔵し且つ監視するための装置であって、
外部周囲および内部周囲を有するドラムであって、前記外部周囲は前記内部周囲の直径より大きい直径を有し、前記ドラムは複数のレセプタクルを有し、前記レセプタクルは前記外部周囲に近位端を有し且つ前記内部周囲に遠位端を有し、個々のレセプタクルは血液培養ボトルを受け取るように構成され、前記血液培養ボトルは底部分および首部分を有し、前記ボトルは、前記底部分が前記レセプタクルの前記遠位端で受け取られるか、あるいは前記首部分が前記レセプタクルの前記遠位端で受け取られるかのいずれかで、前記レセプタクルに受け取られ、
前記ドラム周囲は前記ドラムの回転の軸の周りに配置され、
前記複数のレセプタクルはレセプタクルのアレイとして前記ドラムに配置され、前記アレイは垂直方向および水平方向の両方に配置されたレセプタクルを有する、
ドラムと、
前記血液培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかどうかを決定するために前記血液培養ボトルを検査するためのセンサおよび検出器と、
を含み、
前記ドラムは前記内部周囲内に内部空間を画定し、前記血液培養ボトルを検査するための前記センサおよび検出器と通信するドラム電子回路の少なくとも一部が前記ドラムの前記内部周囲に配置される、
装置。
【請求項2】
複数のドラムがハウジングの中に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記ハウジングの中に配置された個々のドラムにアクセスするための扉を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングがタッチスクリーンを有する、請求項2および3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記装置の中に置かれ又は前記装置から取り出される培養ボトルを受け取るためのラックをさらに含む、請求項2から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記ドラムが、垂直方向のドラムセクターを画定する複数のパネルを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
個々の垂直方向のドラムセクターがほぼ等しい水平方向のスパンを有し、個々のスパンは、1つのセクターの前記水平方向のスパンが前記ハウジングの扉の水平方向のスパンとほぼ同じであるようなスパンである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記ハウジングの中に配置された前記ドラムを回転させるための駆動電動機をさらに含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
測定電子回路が前記ドラムの前記内部周囲によって画定された前記空間内に配置される、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
培養ボトルインジケータ電子回路が前記ドラムの前記内部周囲によって画定された前記空間内に配置される、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ドラムの前記外部周囲の外側で前記ハウジングの中に配置された加熱器をさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ドラムの前記外部周囲の外側で前記ハウジングの中に配置された送風機をさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
回転の軸を画定する軸をさらに含み、少なくとも1つの軸受が前記軸および前記ドラムと同軸で配置され、それにより前記軸の周りの前記ドラムの回転を許容する、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記軸受がリング軸受である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ドラムが層状に組み立てられ、個々の層がレセプタクルの行全体の少なくとも一部であり、個々の層が前記内部周囲および前記外部周囲を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ドラムが列セグメントで組み立てられ、個々の列セグメントが前記ドラムの前記内部周囲および前記外部周囲の一部のみを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のレセプタクルの各々が、培養ボトルを受け取るためのそれぞれのエラストマーインサートを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたカンテッドコイルスプリングを含み、前記カンテッドコイルスプリングが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記カンテッドコイルスプリングを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記カンテッドコイルスプリングが張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたOリングを含み、前記Oリングが十分に弾力性を有し、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記Oリングを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記Oリングが次に張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたボールプランジャを含み、前記ボールプランジャが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記ボールプランジャを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記ボールプランジャが張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てた分割保持部分を含み、前記分割保持部分が付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記分割保持部分を通過して進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記分割保持部分が張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記分割保持部分がカンテッドコイルスプリングによって一体に押される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記分割保持部分が弾力性セグメントである、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから延びる複数の弾力性ウイングを含み、前記ウイングが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記ウイングのフランジ部分を通り越して進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記ウイングが張力を解放し、前記フランジ部分が前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記複数のレセプタクルがそれぞれボールプランジャをさらに含み、前記ボトルストップがノッチを含み、前記培養ボトルが前記ボトルストップの中へ前進する際に、前記ボールプランジャが前記ノッチと整列するまで前記ボトルストップが前記レセプタクルの中へさらに前進し、それにより前記ボトルストップを前記レセプタクルに固定する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記複数のレセプタクルがそれぞれノッチをさらに含み、前記ボトルストップがボールプランジャを含み、前記培養ボトルが前記ボトルストップの中へ前進する際に、前記ボールプランジャが前記ノッチと整列するまで前記ボトルストップが前記レセプタクルの中へさらに前進し、それにより前記ボトルストップを前記レセプタクルに固定する、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記複数のレセプタクルがそれぞれトレー部分をさらに含み、前記トレー部分の上に前記培養ボトルが置かれ、前記トレー部分が、前記培養ボトルの底を前記トレーの中に固定するためのタブを含み、前記レセプタクルがストップ部分をさらに含み、前記ストップ部分が前記培養ボトルを前記レセプタクル内の所定の固定位置に置く、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記ストップ部分が板ばねを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ストップ部分が変形可能材料を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記ストップ部分は、前記培養ボトルの前記レセプタクルの中への前進に応じてピポッドすることで前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定するピボットアームをさらに含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ストップ部分が、エラストマー可撓性管状材料、エラストマー材料または発泡材料のうちの1つから選択される弾力性材料を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記トレー部分が、前記ドラムの前記内部周囲内に配置されたインジケータLEDからの光信号を前記ドラムの外部に配置された光検出器に伝送するライトパイプをさらに含む、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記ボトルストップがかぎ穴要素を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記ドラムの前記外部周囲および前記ドラムの前記内部周囲が円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記ドラムの前記外部周囲および前記ドラムの前記内部が切子面化される、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
複数の血液培養ボトルのための保温器を制御するための方法であって、
制御インタフェースを介して血液培養ドラムの所定のセクターを入力するステップであって、前記血液培養ドラムが、実質的に円形の内部周囲および実質的に円形の外部周囲を画定するラックを含み、前記血液培養ドラムが回転ドラムである、ステップと、
前記血液培養ドラムのためのハウジングの扉を開くステップと、
前記ハウジングの前記開いた扉を介して前記所定のセクターにアクセスすることができるよう、前記ドラムを回転させるために使用される電動機への電力を低減することによって前記ドラムを実質的に停止させるステップと
を含み、
前記血液培養ドラムは複数のレセプタクルを含み、前記複数のレセプタクルの個々のレセプタクルは、血液培養ボトルを受け取り、かつ、保持するように適合され、前記複数のレセプタクルの個々のレセプタクルはその近位端にインジケータを有し、前記インジケータは、前記レセプタクルの中の培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかの指示を提供しており、また、
血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの空のレセプタクルに挿入するステップ、血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出すステップ、あるいは血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出し、かつ、その場所に異なる血液培養ボトルを挿入するステップのうちの少なくとも1つを含み、
前記血液培養ボトルは、その指示された状態に基づいて取り出される、
方法。
【請求項38】
前記複数のレセプタクルの各々が、前記レセプタクルの前記近位端から前記レセプタクルの遠位端まで延びるライトパイプをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記制御インタフェースが前記ラック内における個々の血液培養ボトルの配置を追跡するよう、前記制御インタフェースがエンコーダと通信する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記保温器が読取りステーションをさらに含み、血液培養ボトルを運んでいる前記レセプタクルを前記ボトルドラムが前記読取りステーションを通り越して回転させる際に、前記読取りステーションが前記血液培養ボトルの状態を決定する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記保温器が、前記ボトルドラム内の前記レセプタクルの少なくとも一部の前記遠位端に配置されたインジケータLEDをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記培養ボトルがネック-インで前記複数のレセプタクルの各々の中に受け取られる、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記培養ボトルがボトム-インで前記複数のレセプタクルの各々の中に受け取られる、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2019年8月7日に出願した米国仮出願第62/883,796号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、血液などの標本における生物学的活動度を検出するための非侵襲性装置に関し、多くの標本が培養媒体と共に極めて多くの密閉式容器の中に導入され、かつ、試料中の微生物の存在下で様々な代謝性変化、物理的変化および化学的変化の発生を可能にする条件に露出される。次に、個々の血液培養ボトルの内側の底に配置された熱量測定(calorimetric)センサまたは蛍光化学(fluorescent chemical)センサを使用して、ボトルが回転式ドラム内で回転する際にこれらの変化が監視される。監視が完了すると、装置は「自動アンローディング」を実施し、また、最終陰性ボトルおよび最終陽性ボトルの分類を実施する。
【背景技術】
【0003】
患者の体液、とりわけ血液中のバクテリアなどの生物学的に活性の作因の存在は、通常、血液培養ボトルを使用して決定される。少量の血液が密閉ゴム隔壁を通して、培養媒体を含有した無菌ボトルの中に注入され、次に、ボトルが約35℃で保温され、かつ、微生物の増殖が監視される。
【0004】
患者がバクテリアに感染しているかどうかを知ることは最も重要なことであるため、病院および研究所は、多くの血液培養ボトルを同時に処理することができる自動装置を有している。このような装置の一例は、Becton, Dickinson and Coが製造し、販売しているBD BACTEC(商標)システムである。Berndt等に対する米国特許第5,817,508号は従来技術による血液培養装置を記載しており、参照により本明細書に組み込まれている。米国特許第5,516,692号(「Compact Blood Culture Apparatus」)および米国特許第5,498,543号(「Sub-Compact Blood Culture Apparatus」)にBlood Culture Apparatusの追加説明が提供されており、これらの特許は、いずれも参照により本明細書に組み込まれている。
【0005】
図1を参照すると、培養媒体と血液標本の混合物22は密閉式ガラスボトル1の中に導入されており、密閉式ガラスボトル1は、光化学検知手段20をそれらの内側の底部表面21に含んでいる。光化学検知手段20は、ボトル1の中のガスの量に応じて異なる量の光を発する。例えば光検知手段20によって検出されるガスは、二酸化炭素、酸素、またはボトル1の中で増殖する微生物の有無に応じて増減する任意のガスであってもよい。
【0006】
図1および
図2に示されているように、複数のこのようなボトル1は、ボトル1の底がドラム軸28に向かって配向される方法で、保温器5内のベル形回転ドラム2の上に放射状に配置されている。ベル形ドラム2は中空であり、また、機器主フレーム50の第1の側51に取り付けられた2つの大型玉軸受3および4によってその一方の端部が回転可能に支持されたシャフト24によって支持されている。ボトル1内の個々の光化学検知手段20からくる情報を読み取るために、センサステーションの線形アレイ12は、ドラム2の回転中に、個々のボトル1がアレイ12のそれぞれのセンサステーション15を通り過ぎるようなベル形ドラム2の内側に少し離れたところで、ベル形回転ドラム2内で機器主フレーム50の第2の側52に取り付けられている。センサステーションの線形アレイ12の個々のセンサステーション15は、励起光源11、および光ファイバ14の集光端を備えている。
【0007】
ベル形ドラム2の軸28は水平方向に配向されており、
図2に示されている、保温器5の前面に配置された扉13に対して平行である。軸28を水平方向に配向することにより、個々のボトル1内の液体培養媒体と標本の混合物22およびガスの最大攪拌を提供する。ロード操作中またはアンロード操作中は扉13が開き、すべてのボトル1の約三分の一に同時にアクセスすることができる。次に、次の三分の一のボトル1がアクセス可能になるまでドラム2が回転する。3つのステップですべてのボトル1にアクセスすることができる。
【0008】
別法としては、ベル形ドラム2の軸28は垂直方向に配向され、扉13から約20度だけわずかに傾斜が付けられる。最適増殖条件を維持するために、必要に応じて傾斜角を調整し、それにより攪拌の程度を修正することができる。
【0009】
動作中、電動機6およびベルト7によってベル形ドラム2が回転する。円形部材8およびセンサ9は、センサステーションアレイ12を通過しているボトル1の行(row)に関する情報を提供する角度エンコーダを形成している。電動機6は、ドラム2を連続モードで回転させることができ、あるいは定常状態モードで、ボトル1内の検知手段20から読み取るための適切な角度でドラム2を停止させることができるステッパモータであることが好ましい。システム全体は、回転ドラム2の内側に配置された制御システム10によって制御されている。センサステーションの線形アレイ12のすべての光ファイバ14の出力端は、一度にターンオンさせる必要がある励起光源11が1つだけであるように、制御システム10内の1つの共通の光検出器(図示せず)に接続されている。したがって制御システムは、どの検知ステーション15から、したがって、どのボトル1からセンサ光が集光されているかを「知る」。
【0010】
図1および
図2に示されている装置は、血液培養ボトル1の10個のセグメントを含み、セグメント1個につき36個のボトル1が含まれている。したがって合計360個のボトルを収容することができる。このドラム2へのボトル1の配置により、比較的高いパッケージ密度が得られるが、依然として密度の改善が求められている。
【発明の概要】
【0011】
本明細書においては、血液培養ボトルを貯蔵し、かつ、監視するための装置が説明される。装置は、血液培養ボトルを受け取る(receive)ための複数のレセプタクル(receptacle)を中に有するドラムとして構成された可動ラックを有する。ドラムはハウジングの中に配置される。ハウジングは、血液培養ボトルを高められた温度で保温するための加熱器および送風機を含む。装置は任意選択で複数のドラムを有し、個々のドラムは血液培養ボトルを受け取るための複数のレセプタクルを有する。
【0012】
血液培養ボトルは、典型的には、ボトルのより大きい容積である底部分、およびボトルのより細い頂部部分である首部分を有する。ドラムレセプタクルは、ボトム-インワード(ボトム-イン)(bottom-inward(bottom-in))またはネック-インワード(ネック-イン)(neck-inward(neck-in))のいずれかで血液培養ボトルを受け取るように構成することができる。ボトム-イン構成の場合、レセプタクルは、典型的には、培養ボトルが水平から上向きの20°の角度で保持されるよう、下に向かって角度が付けられる。しかしながら培養ボトルは水平に保持することも可能であり(すなわち首部分が底部分に対して上向きまたは下向きに角度が付けられない)、また、内容物が微生物の増殖に対して陽性であるかどうかを決定するための血液培養ボトルの内容物の正確な測値を得ることができる。高密度のボトルを得るために、ドラムは、回転の軸と同軸で置かれた円形ドラムラックと共に軸の周りを回転するように構成される。培養ボトルが底側からドラム内に置かれる場合、血液培養ボトルを監視するための電子回路はドラムの内部に配置される。ボトルが首の端部(ネックエンド)からドラム内に置かれる場合、いくつかの測定電子回路はドラムの外側に置かれる。
【0013】
ドラムはモジュール方式で形成される。ドラムは、複数の行(rows)のレセプタクルおよび複数の列(columns)のレセプタクルを有する。一構成では、レセプタクルの行は、行の上部部分および下部部分である成形物品を得ることによって形成される。成形物品は、組み立てられて1行のドラムを形成し、複数の行が一体に組み立てられてドラムを形成する。任意選択でレセプタクルは、組み立てられたドラムの中で垂直方向に整列される。任意選択でレセプタクルは、組み立てられたドラムの中で互い違いにされ、より高いボトル密度のドラムを提供する。
【0014】
ドラムは外部周囲および内部周囲の両方を有する。レセプタクルはその中に培養ボトルを受け取り、レセプタクルは第1の周囲から第2の周囲まで延びる。レセプタクルは、ドラムの周囲に沿って移動する列(rows)に均等に配置される。
【0015】
ドラムレセプタクルがネックインでボトルを受け取るこれらの実施形態では、レセプタクルは、ボトルをレセプタクルの中に保持するための機構を含む。この機構は、ばねクランプ、キャップクランプ、板ばねまたはストップであってもよい。このような機構により、ドラムが動作している間、培養ボトルをドラムの中に確実に保持することができる。
【0016】
本明細書においては、血液培養ボトルを貯蔵し、かつ、監視するための装置が説明される。装置は、中にドラムを備えるハウジングを有する。ドラムは外部周囲および内部周囲を有する。外部周囲は内部周囲の直径より大きい直径を有する。ドラムは複数のレセプタクルを有し、これらのレセプタクルは外部周囲に近位端を有し、また、内部周囲に遠位端を有し、個々のレセプタクルは血液培養ボトルを受け取るように構成される。血液培養ボトルは底部分および首部分を有し、ボトルは、底部分がレセプタクルの遠位端で受け取られるか、あるいは首部分がレセプタクルの遠位端で受け取られるかのいずれかで、レセプタクルに受け取られる。
【0017】
ドラム周囲はドラムの回転の軸の周りに配置される。複数のレセプタクルがレセプタクルのアレイとしてドラムの中に配置され、アレイは、垂直方向および水平方向の両方に配置されたレセプタクルを有する。装置は、血液培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかどうかを決定するために血液培養ボトルを検査するためのセンサおよび検出器をも有する。ドラムは内部周囲内に内部空間を画定し、血液培養ボトルを検査するためのセンサおよび検出器と通信するドラム電子回路の少なくとも一部がドラムの内部周囲に配置される。
【0018】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルの各々は、培養ボトルを受け取るためのそれぞれのエラストマーインサートを有する。任意選択でこれらの複数のレセプタクルの各々は、それぞれ遠位端で培養ボトルの首部分を受け取り、個々のレセプタクルは、ボトルストップおよび該ボトルストップから間隔を隔てたカンテッドコイルスプリング(canted coil spring)を備える。カンテッドコイルスプリングは付勢され、ボトルの首部分に配置されたキャップがカンテッドコイルスプリングを通り過ぎて進行し、ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それによりカンテッドコイルスプリングが張力を解放して培養ボトルをレセプタクルの中に固定する。
【0019】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルは、それぞれ遠位端で培養ボトルの首部分を受け取り、個々のレセプタクルは、ボトルストップおよび該ボトルストップから間隔を隔てたOリングを備える。Oリングは十分に弾力性を有し、ボトルの首部分に配置されたキャップがOリングを通り過ぎて進行し、ボトルストップに寄りかかるのを許容する。Oリングは、次に張力を解放して培養ボトルをレセプタクルの中に固定する。
【0020】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルは、それぞれ遠位端で培養ボトルの首部分を受け取り、個々のレセプタクルは、ボトルストップおよび該ボトルストップから間隔を隔てたボールプランジャを有する。ボールプランジャは付勢され、ボトルの首部分に配置されたキャップがボールプランジャを通り過ぎて進行し、ボトルストップに寄りかかるのを許容する。ボールプランジャは、次に張力を解放して培養ボトルをレセプタクルの中に固定する。
【0021】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルは、それぞれ遠位端で培養ボトルの首部分を受け取り、個々のレセプタクルは、ボトルストップおよび該ボトルストップから間隔を隔てた分割保持部分を備える。分割保持部分は付勢され、ボトルの首部分に配置されたキャップが分割保持部分を通過して進行し、ボトルストップに寄りかかるのを許容する。分割保持部分は張力を解放して培養ボトルをレセプタクルの中に固定する。任意選択で分割保持部分は、カンテッドコイルスプリングによって一体に押されるか、あるいは分割保持部分は弾力性セグメントである。
任意選択でこれらの複数のレセプタクルは、それぞれ遠位端で首部分を受け取り、また、個々のレセプタクルは、ボトルストップおよび該ボトルストップから延びる複数の弾力性ウイングを有する。ウイングは付勢され、ボトルの首部分に配置されたキャップがウイングのフランジ部分を通り越して進行し、ボトルストップに寄りかかるのを許容する。ウイングは張力を解放し、フランジ部分が培養ボトルをレセプタクルの中に固定する。任意選択で、弾力性ウイングを有するこれらのレセプタクルの各々はボールプランジャを有する。ボトルストップはノッチを有する。培養ボトルがボトルストップの中へ前進する際に、ボールプランジャがノッチと整列するまでボトルストップがレセプタクルの中へさらに前進し、それによりボトルストップをレセプタクルの中に固定する。
【0022】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルはノッチを有し、また、ボトルストップはボールプランジャを有する。培養ボトルがボトルストップの中へ前進する際に、ボールプランジャがノッチと整列するまでボトルストップがレセプタクルの中へさらに前進し、それによりボトルストップをレセプタクルの中に固定する。
【0023】
任意選択でこれらの複数のレセプタクルはトレー部分を有し、トレー部分の上に培養ボトルが置かれる。トレー部分は、培養ボトルの底をトレーの中に固定するためのタブを有する。レセプタクルはストップ部分をも有する。ストップ部分は、培養ボトルをレセプタクル内の所定の固定位置に置く。ストップ部分は、板ばね、変形可能材料、および/または培養ボトルのレセプタクルの中へ前進に応じてピボットすることで培養ボトルをレセプタクルの中に固定するピボットアーム、のうちの1つであってもよい。ストップ部分は、エラストマー可撓性管状材料、エラストマー材料または発泡材料のうちの1つから選択される弾力性材料でできていてもよい。
【0024】
任意選択でレセプタクルのトレー部分は、ドラムの内側の周囲内に配置されたインジケータLEDからの光信号をドラムの外部に配置された光検出器に伝送するライトパイプ(light pipe)を形成する。また、ボトルストップはかぎ穴要素であってもよい。任意選択でドラムの外部周囲およびドラムの内部周囲は円形である。
【0025】
本明細書においては、複数の血液培養ボトルのための保温器を制御するための方法が説明される。このようにして、オペレータは、制御インタフェースを介して、血液培養ドラムの所定のセクター(sector)を入力する。血液培養ドラムは、実質的に円形の内部周囲および実質的に円形の外部周囲を画定するラックである。血液培養ドラムは回転式である。血液培養ドラムのためのハウジングの扉はオペレータによって開けられ、また、ドラムは、典型的には、ハウジングの開いた扉を介して所定のセクターにアクセスすることができるよう、ドラムを回転させるために使用される電動機(モータ)への電力を低減することによって停止される。血液培養ドラムは複数のレセプタクルを有し、これらの複数のレセプタクルの個々のレセプタクルは、血液培養ボトルを受け取り、かつ、保持するように適合される。これらの複数のレセプタクルの個々のレセプタクルは、その近位端にインジケータを有する。インジケータは、レセプタクルの中の培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかの指示(indication)を提供する。血液培養ボトルは、複数のレセプタクルのうちの空のレセプタクルに挿入されるか、複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出されるか、あるいは複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出された後に、その場所に別の血液培養ボトルが挿入されるかのいずれかである。血液培養ボトルは、それらの指示(表示)された状態に基づいて取り出される。
【0026】
任意選択でレセプタクルの各々は、レセプタクルの近位端からレセプタクルの遠位端まで延びるライトパイプを有する。任意選択で制御インタフェースは、制御インタフェースがラック内における個々の血液培養ボトルの配置を追跡するよう、エンコーダと通信する。任意選択で保温器は読取りステーションをさらに備え、血液培養ボトルを運んでいるレセプタクルをボトルドラムが読取りステーションを通り越して回転させる際に、読取りステーションが血液培養ボトルの状態を決定する。任意選択で、ボトルドラム内のレセプタクルの少なくとも一部の遠位端にインジケータLEDが配置される。本明細書のどこかで言及されているように、培養ボトルは、ネック-インまたはボトム-インのいずれかで複数のレセプタクルの各々の中に受け取られる。したがってレセプタクルは、培養ボトルをネック-インまたはボトム-インのいずれかで受け取るように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】従来技術による、微生物を検出するための血液培養装置の内部の正面図である。
【
図2】従来技術による血液培養装置の内部の側面図である。
【
図3A】本明細書において説明されるモジュールのための血液培養装置ハウジングの斜視図である。
【
図3B】本明細書において説明されるモジュールのための血液培養装置ハウジングの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による保温および測定モジュールの上面図である。
【
図5A】保温および測定モジュールドラムの断面図である。
【
図5B】保温および測定モジュールドラムの断面図である。
【
図6A】保温および測定モジュールのためのアクチュエータの例を示す図である。
【
図6B】保温および測定モジュールのためのアクチュエータの例を示す図である。
【
図7】本明細書において説明される高密度ドラムの中にボトム-イン嵌め込みで置かれた培養ボトルの略図である。
【
図8】培養ボトルがボトム-インで置かれた、本明細書において説明されるドラムの一実施形態の断面図である。
【
図9】3つの積み重ねられたドラムを示す図である。
【
図10】培養ボトルがネック-インで対向する、異なるドラム設計を示す図である。
【
図11】
図10に示されているドラムのネック-イン実施形態の断面図である。
【
図12】
図11で説明されるドラムのスタックを示す図である。
【
図13】本発明のボトルドラム、及び、ボトルドラムの1ティアー(tiar)の分解図を示す図である。
【
図14】本発明のボトルドラムの別の実施形態およびボトルドラムの1ティアー構成の分解図を示す図である。
【
図15A】垂直セクションを使用して組み立てられた「ネック-イン」ドラム構成を示す図である。
【
図15B】垂直セクションを使用して組み立てられた「ネック-イン」ドラム
【
図16A】垂直セクションから組み立てられた「ネック-イン」ドラム構成の代替実施形態を示す図である。
【
図16B】垂直セクションから組み立てられた「ネック-イン」ドラム構成の代替実施形態を示す図である。
【
図17A】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17B】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17C】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17D】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17E】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17F】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図17G】「ネック-イン」ドラム構成のためのボトル保持機構を示す図である。
【
図18A】代替実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図18B】代替実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図18C】代替実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19A】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19B】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19C】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19D】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19E】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19F】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19G】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19H】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19I】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19J】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19K】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19L】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19M】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19N】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19O】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19P】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図19Q】異なる実施形態によるボトル保持機構を示す図である。
【
図20A】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20B】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20C】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20D】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20E】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20F】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20G】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図20H】ライトパイプを統合した代替ボトル保持機構を示す図である。
【
図22】ドラムの中の着座していないボトルを示す図である。
【
図24】本明細書において説明される装置の実施形態から得られるBCP応答曲線を示すグラフである。
【
図27】培養ボトルの状態に関する、オペレータまたはユーザが使用するための情報を運んでいる培養ボトルキャップを示す図である。
【
図28A】
図20A~Cに示されているレセプタクルで形成されたドラムを示す図である。
【
図28B】
図20A~Cに示されているレセプタクルで形成されたドラムを示す図である。
【
図29】
図17A~Cに示されているレセプタクルで形成された1行のドラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書においては、保温および測定モジュールとして構成された血液培養装置が説明され、保温および測定モジュールは、任意選択で、生物学的試料を処理し、含まれているこのような試料が微生物で汚染されているか、あるいは微生物に感染しているかどうかを決定するためのより大型のエンドツーエンド解決法を統合することができる。本明細書において説明されるモジュールは、
図3Aおよび
図3Bに示されているようなキャビネットの中に置くことができる。キャビネット200は、モジュールに電力を供給することができ、制御された熱環境をモジュールに提供することができ、また、モジュールに通信チャネルを提供することができる。
図3Aは、2つの3-ドアパネル201を有するキャビネット200を示しており、2つの3-ドアパネル201は、中央パネル202の両側の3つのボトルドラムへのアクセスを提供している。中央パネル202は、データ入力および使用される制御(used control)のためのタッチスクリーン203を有している。また、中央パネル202は、培養ボトルを出し/入れするための中央ステーション204をも有している。
図3Bは、1つの3-ドアパネル201のみを有するキャビネットを示している。
【0029】
モジュールは高密度ボトルドラムを有している。本明細書において使用されている高密度は、培養ボトルを互いにより接近して置くことができ、それにより、従来技術と比較すると、より多くのボトルをドラムの中に収納することができるドラム構成を説明している。モジュールは、ボトルを限られた数の読取りステーションと整列させるように構成されている。すなわち読取りステーションの数はドラムの中のボトルレセプタクルの数より少ない。任意選択でドラムは、ドラムを加減速運動(すなわち揺動運動、間欠回転、等々)させることができる直接駆動電動機によって操作される。ドラムハウジングの中には加熱器および送風機が提供されている。加熱器および送風機は、暖かい空気をドラムの周りに循環させる。任意選択で加熱器および送風機は、ドラムの中のすべての培養ボトルの内容物の温度を特定の目標温度の所定の狭い範囲内に維持するように構成される。所定の狭い範囲は目標温度の±1.5℃である。特定の目標温度は30℃から40℃の範囲である。任意選択で目標温度は35℃である。試料が「過熱する」危険が低減されるため、温度の均一性が高いほど設定値を高くすることができる。したがって高温での温度均一性が高いほど、検出時間をより速くすることができる。電動機(モータ)により、ドラムが運んでいる任意のボトルにユーザまたは自動装置がアクセスすることができるようにドラムを配置することができる。ボトルの中の試料が微生物の増殖に対して陽性であることが決定されると、ワークフローが起動されて、その培養ボトルをモジュールから検索する。モジュールは、そのワークフローを補助するように構成されている。
【0030】
モジュールは、陽性培養ボトルをユーザに指示(示す)ためのLEDおよびライトパイプを有するように構成されている。
図4を参照すると、本明細書において説明されているモジュールの任意選択構成の上面図が示されている。モジュール210は、ハウジング224、ボトル230を温かい状態に維持するための送風機および加熱器225、および培養ボトルを保持するレセプタクルを備えたドラム240を有している。ドラムの内部には測定電子回路250および培養ボトル/インジケータ電子回路260が配置されている。ドラム240を回転させるための駆動電動機270が提供されている。ドラム240ハウジング224は、6つのドラムセクター(222A~222F)を画定している6つのパネル221を有している。示されているように、1つのセクターのスパンは、ボトルがドラム240に追加され、あるいはボトルがドラム240から取り出されるハウジング中の開口のスパンとほぼ同じであるため、ドラム内容物のほぼ六分の一(ドラムが満杯であると仮定して)を任意の所与の時間にアクセスするために利用することができる。
図5Aは
図4のドラムの切欠き側面図である。培養ボトル230は、ドラム240の中のレセプタクル220内に首を内側にして配置されている。電動機270は、トルクが大きく、ヒステリシスがほとんどないか、あるいは全くなく、雑音が小さく、信頼性が高く、かつ、単純な直接駆動電動機である。
【0031】
図5Bは、ステッパモータおよびギアボックスを有する保温および測定モジュールドラムの断面図である。別法としては、内部ギアボックス軸受間の適切なサイズおよび間隔をドラムの内部の限られた空間制約の中で達成することができない場合、ドラムリングの底に向かって追加軸受セットを含むことも可能である。
【0032】
図5Aに示されているように、電動機はドラムを駆動して軸方向に回転させる。電動機270のギアボックスの内部の軸受は、ドラム240の両方の軸方向整列を提供しているが、著しい数のボトル230を運んでいるドラムを前進させるために必要な、なくてはならないスラスト荷重サポートをも提供している。別法としては、内部ギアボックス軸受間の適切なサイズおよび間隔をドラム周囲の内側に提供される限られた空間の中で達成することができない場合、ドラムリングの底の方に追加軸受セットを含むことも可能である。ドラム240を軸の周りに回転させることができる機構については当業者によく知られており、本明細書においては詳細に説明されない。この構造および軸受構成は他のドラム構成にも適合させることができる(例えば培養ボトルをネックインに代わってネックアウトで受け取るドラム、レセプタクルが上向きに角度が付けられているドラム、等々)。任意選択で、測定電子回路、状態インジケータおよびボトル検出電子回路は、すべて単一の軸285によって支持される。
【0033】
図5Aでは、ロータリーアクチュエータ、中空ロータリーアクチュエータ、またはギアボックスを有するステッパモータを使用して、軸受機能および電動機機能を1つの構成要素にしている。このような適切な電動機アクチュエータの例が
図6に示されている。
図6Aは、ピニオン歯車297を駆動する電動機296を有する中空ロータリーアクチュエータ294である。ピニオン歯車297が回転すると、ドラム歯車298が出力テーブル239を回転させ、それによりドラム240(図示せず)が回転する。
図6Bは、ドラム240(図示せず)を直接回転させるロータリーアクチュエータ299である。ギアボックスを有する適切な電動機の他の例が企図されている。このような電動機はギアボックスに直接取り付けることができる(通常は工場で)。このようなギアボックスは電動機速度を減速させることができ、その一方で出力軸のトルクを大きくすることができる。出力軸は、ドラム取付け点とインタフェースするのに適した取付け点を有する円形スペーサブロックに機械的に取り付けることができる。
【0034】
図5Bは、ドラム240の中に水平から上に向かって20°の角度で配置された培養ボトル230を示している。当業者は、培養ボトルの中のセンサ(図示せず)は、読み取っている間、媒質で完全に覆わなければならないことに気が付く。これらの基準に合致する他の角度が企図されているが、ボトル角度は、高密度設計にも適応しなければならない。
一実施形態は、ドラム(240)の頂部の近くに頂部軸受290を含むことができ、また、ドラム240の底の方に第2の軸受290を含むことができる。任意選択で第1の(頂部)軸受はスラスト玉軸受であり、また、第2の(下部)軸受は、第1の軸受と第2の軸受の間のあらゆる非同軸関係に適応するために球面軸受である。これらの構造および軸受構成は他のドラム構成にも適合させることができる(例えば培養ボトルをネックアウトに代わってネックインで受け取るドラム)。電動機270は、トルクが大きく、ヒステリシスがほとんどないか、あるいは全くなく、雑音が小さく、信頼性が高く、かつ、単純な直接駆動電動機である。
図5Bに示されているように、単一の軸285’がボトルドラム240および駆動電動機270を支持している。軸285とドラム240の間の2つの軸受290は、従来技術の機器の回転子を支持している2つの軸受と同様である。これらの2つの軸受の間の距離は、軸に対するボトルドラムの内部表面の動きを最小にするために長くすることができる。これらの構造および軸受構成は他のドラム構成にも適合させることができる(例えば培養ボトルをネックアウトに代わってネックインで受け取るドラム)。任意選択で、測定電子回路、状態インジケータおよびボトル検出電子回路は、すべて単一の軸285によって支持される。
【0035】
代替実施形態は、ドラム回転を導く従来技術のシステムにおけるリング軸受より小さい頂部取付けリング軸受を配置している。
図25にリング軸受700が示されている。
図23に底部取付けリング軸受600が示されている。当業者は、軸受290をリング軸受に置き換えて、頂部からドラムを支持することができ、このリング軸受はモジュールハウジング224に取り付けられる。
【0036】
図7を参照すると、ボトルドラム240は、首を外側に向けてぎっしりと詰め込まれた構造の培養ボトル230を保持する構造である。培養ボトル230は、緊密なパッキングを達成するために、首をドラム240から外側に向けて、互い違いの層241、242(
図8)で配置されている。
図9は、
図3Aおよび
図3Bに示されている3-ドアキャビネットのために構成されたフレームにおける、
図8に示されている互い違いのドラムの斜視図である。互い違いの培養ボトル配置は、培養ボトルレセプタクル220にラベルを付けたり、光パイプ式(light-piped)の検出器295(
図5B)の出力を検出したりするための空間を、個々の培養ボトルの上方にももたらす。個々のボトルレセプタクル220は、ドラム内におけるその水平方向の位置を示す番号と、手動ワークフローの中にユーザを導く状態インジケータと、を有することになる。
【0037】
図10を参照すると、ドラム240内のボトル230(内側に面している)は、モジュール210内の6つのセクター(222A~222F)のうちの1つの中に置かれている。これらのセクターは、ドラム240から外側に向かって延びている垂直方向のパネル221によって境界が画定されている。隣接するパネル間のスパンは、培養ボトルのセクションがユーザによってアクセスされると、ユーザをモジュールの内側から完全に遮蔽するために、ハウジング224中への扉のスパンにほぼ等しい。モジュール210は、ボトル230を温かい状態に維持するための送風機および加熱器225をも含む。ドラムの内部には測定電子回路250および培養ボトル/インジケータ電子回路260が配置されている。ドラム240を回転させるための駆動電動機270が提供されている。
【0038】
図11を参照すると、ボトルドラム240は、培養ボトルが上で説明した層で(層状で)ネック-インで配置される培養ボトルを受け取るためのレセプタクル220を有する。レセプタクル220は、レセプタクルの底部分に形成されたライトパイプを有しており、レセプタクルの底部分はレセプタクルの底部縁をも画定している。これらの特徴は、本明細書のどこかで説明されている。
図12では、1つのボトルドラムが
図3で説明した3-ドアキャビネット200から取り外されている。
図12に示されているように、層231当たり24個のボトル230を受け取ることになる24個のレセプタクル220が存在しており、ドラム240当たり8つの層231が存在し、また、3つのドラム240が存在しており、したがってボトル容量は約576個である。任意選択でモジュールは、ネック-アウトのボトルを受け取ることになるレセプタクルを有する。一実施形態では、ドラムは、層当たり30個のレセプタクル、ドラム当たり8つの層、および3つのドラムを有することになり、したがってボトル容量は約720個である。
図13は、射出成形された層300Aおよび300Bから形成されたドラムを示したものである。一体に組み立てられると、射出成形された層は、相俟ってドラム240の単一の層310を形成する。任意選択で、射出成形された層は、レセプタクル内における培養ボトルの受取り、保持および解放を容易にするために提供される、離散保持特徴、空洞特徴または他の特徴を有するべく成形される。このような特徴を有するレセプタクルを成形することにより、離散部品の数が少なくなり、また、製造プロセスが単純になる。
図13に示されている丸い幾何構造の代わりに、ドラムセクションは、製造上の理由またはユーザの美的理由のいずれかにより、多重切子面内部円周および外部円周を有することも可能である。
図15Aに多重切子面ドラムが示されている。
【0039】
図14は、射出成形された層320Aおよび320Bから形成されたドラムを示したものである。一体に組み立てられると、射出成形された層は、相俟ってドラム240の単一の層330を形成する。
図14の実施形態では、成形された層320Aおよび320Bは、一体にされると蜂の巣スタックのレセプタクル220を形成し、約20パーセント高いボトル密度をドラム240に提供する。任意選択で、射出成形された層は、レセプタクル内における培養ボトルの受取り、保持および解放を容易にするために提供される、離散保持特徴、空洞特徴または他の特徴を有するべく成形される。このような特徴を有するレセプタクルを成形することにより、離散部品の数が少なくなり、また、製造プロセスが単純になる。
【0040】
ドラムは、垂直セクションで組み立てることも可能である。
図15Aを参照すると、ボトルドラム240(
図13に示されているドラムの外観と類似している)は、ボトルレセプタクルの垂直セクション248で組み立てられている。垂直セクション248は、ネックインで挿入されたボトル230と共にボトルレセプタクル220の線形行および列を形成している。
図15Bを参照すると、ドラム240(
図14に示されているドラムの外観と類似している)は垂直セクション249から組み立てられている。垂直セクション249はボトルレセプタクル220の線形列を形成しているが、より高い容量のドラム240を提供する行は互い違いになっている。垂直セクションは射出成形によって形成することができる。複数の垂直セクションは、連結又は中央リングに取付けられている。任意選択で、射出成形された層は、レセプタクル内における培養ボトルの受取り、保持および解放を容易にするために提供される、離散保持特徴、空洞特徴または他の特徴を有するべく成形される。このような特徴を有するレセプタクルを成形することにより、離散部品の数が少なくなり、また、製造プロセスが単純になる。
【0041】
ネック-インドラム構成の場合、培養ボトルレセプタクルには、培養ボトルを保持し、かつ、解放するための機構が必要である。
図16Aおよび
図16は、
図13に示されているように水平セグメントの代わりに垂直セグメント805で組み立てられるドラム800を示したものである。上で言及したように、垂直セグメント805は、少なくとも1つのボトルレセプタクル810を個々の行に有している。しかしながら
図16Aおよび
図16Bに示されているように、垂直セグメント805は、複数のボトルレセプタクル810を個々の行に有することも可能である。ボトルレセプタクル810は、細い首部分835およびより太いボトル部分840を有するボトル830を受け取るように構成されている。したがって示されているように、ボトルレセプタクル810は、ボトルのボトル部分840を受け取るのに十分な直径を有する外部部分845、および首部分835を受け取るのに十分な直径を有するより細い内部部分850を有している。本明細書のどこかで説明されているように、本明細書において企図されている多くのボトル保持機構が存在している。
図16Aおよび
図16Bは、エラストマーインサートライニング855をボトルレセプタクル810の中に有するボトルレセプタクル810を示している。エラストマーインサートライニング855は、エラストマーインサート855をボトルレセプタクル810の中に保持する第1のフランジ860を有している。エラストマーインサートライニング855は、より細い内部部分850に配置された第2のフランジ865を有しており、したがってボトル830がレセプタクル810の中に挿入されると、第2のフランジ865がボトル830に設けられたキャップ870とボトル830の首部分835の間でレセプタクルに嵌まることになる。第2のフランジ865はボトル830をレセプタクル810の中に保持するが、第2のフランジ865がボトル830をレセプタクル810の中に保持する力は、ボトル830がドラム800のボトルレセプタクル810から取り出されると、容易に克服され得る。
【0042】
図17A~Cを参照すると、培養ボトル230のクリンプリングキャップ(crimp ring cap)410をつかむようにサイズ化されているカンテッドコイルスプリング400がボトルレセプタクル220の遠位端415に配置されている。ユーザが培養ボトル230をボトルレセプタクル220の中に押し込むと、それにより培養ボトルのクリンプ410をカンテッドコイルスプリング400を通り越して押し付け、培養ボトル230をボトルレセプタクル220の中に保持する。培養ボトル230の底416は、ボトルレセプタクル220の近位端420から外側へ延びており、したがってユーザまたはロボットは、培養ボトルの底416をつかんで培養ボトルを取り出すことができる。
図17A~Cは同じ機構を異なる図で示したものである。すべて同じ横断面である。
図17Aは、培養ボトル230を中に有するボトルレセプタクル220全体である。
図17Bは、ボトルレセプタクル220の遠位端415の詳細平面図であり、また、
図17Cは、レセプタクル220の遠位端415の詳細斜視図である。
図29に、
図17A~Cに示されているレセプタクルから形成されたドラムの1つの行が示されている。このようなレセプタクルから形成されるドラムは、完全な円形ではなく、切子面化される。
【0043】
任意選択でクリンプキャップ410は、中央に隔壁を有する変形可能金属(例えばアルミニウム)キャップである。
図27を参照すると、キャップの上面図は、金属クリンプ(metal crimp)412を有する金属クリンプシール周囲(metal crimp perimeter)411を示しており、金属クリンプ412は金属クリンプ周囲411からわずかに凹んでいる。クリンプキャップ410は、キャップが設けられている培養ボトルの状態に関する情報(すなわち微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるか)をオペレータまたはユーザに提供する印413を運ぶ(担持する)ことができる。クリンプキャップに状態指示(表示)の印を付けるために、血液培養ボトルは、隆起したシンボルをその底に有する空洞に押し込まれ、隆起したシンボルは、示されている実施形態では、培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であることをシステムが決定したことを示す+記号である。示されているように、印413は、クリンプシールの金属の平らな部分と整列している。キャップが隆起したシンボルの上に押し付けられると、印413の跡がクリンプシールの上に残される(刻印される)。
【0044】
図29は、
図17A~Cに示されているレセプタクルを有するドラム240を示したものである。
図29に示されているドラムは、レセプタクル同士の一体化のための、切子面化された外部および内部周囲を有している。コイルばねを有するレセプタクルは、垂直方向に密に間隔を隔てることができる。これらのレセプタクルを使用してドラムを形成することにより、著しい高さの節約を提供することができる(例えば約50mm)。複数のドラムが単一のキャビネットの中に置かれる実施形態では、キャビネットサイズをよりコンパクトにすることができ、また、より容易にユーザにアクセスすることができる。また、ドラムの高さが低いため、より多くの電子回路を保温および測定キャビネットの頂部部分および底部部分に置くことができる。
図29は、1行のレセプタクル220を示している。本明細書において説明されているように、ドラムは、ドラム240を形成するために、一体に接続された複数の行で組み立てられる。
【0045】
培養ボトルの底416はレセプタクル220から延びているため、培養ボトルは、ボトルレセプタクルから見ると、あるいはボトルレセプタクルの下方から見ると、レセプタクル220の近位表面463のステーションインジケータを不鮮明にし得る。この潜在的な問題に対処するために、ステーションインジケータライトパイプ(図示せず)は、レセプタクルの遠位端415からレセプタクルの近位端463まで延びている。また、任意選択で培養ボトルレセプタクル220は、培養ボトルがレセプタクル220の中に完全に嵌まるようにサイズ化することも可能であるが、レセプタクルの近位端は、ユーザまたはロボットに握りアクセスを提供するために、培養ボトルの底に隣接して広がりを持たせるか、あるいは刻み目が付けられる。
【0046】
考慮すべき別の問題は、その測定光学系および電子回路に対するボトルの底の位置についての重要な特性である。カンテッドコイルスプリングは、ボトルドラムが回転している間、あるいは手動ワークフローでユーザがボトルに触れている間、ボトルベースがどの方向にも移動しないように、ボトルをハードストップ(hard stop)に引き寄せなければならない。
【0047】
図17D~Fは、ボトルレセプタクル220のより細い部分850に配置されたボールプランジャ474を有する代替保持機構を示したものである。
図17Dを参照すると、ボールプランジャ474は、ばねアーム476によって外側に付勢され、ボトルレセプタクル220のより細い部分850の中へ延びているボール471を有している。
図17Dでは、ボールプランジャ474は、ボトルレセプタクル220のより細い部分850の遠端の端部である、ボトルレセプタクル220の遠位端から示されている。
図17Eを参照すると、培養ボトル230がボトルレセプタクル220のより細い部分850の中へ前進するにつれて、ボトルレセプタクル220のより細い部分850の中へ外側に向かって延びるボール471が示されている。
図17Fを参照すると、培養ボトル230がさらに前進すると、培養ボトル230のクリンプリングキャップ410が、ボトルレセプタクル220のより細い部分850の中に形成された通路472の中へボール471を押し戻す。培養ボトル230のクリンプリングキャップ410がボールプランジャ470のボール471を越えて前進すると、ボール471に加えられた付勢力によって、培養ボトル230のクリンプリングキャップ410と培養ボトル230の首835の間に形成された空間472の中へボール471が前進する。この付勢力は培養ボトル230をボトルレセプタクル220の中に固定する。培養ボトル230がボトルレセプタクルから取り出されると、ボールプランジャ474の付勢力が克服され、したがって培養ボトル230のクリンプキャップ410はボールプランジャ474を越えて通過することができ、ボトルレセプタクル230から取り外される。
【0048】
図17Gは代替レセプタクル220を示したものであり、Oリング461が培養ボトル230のキャップ410の真下の移動止め462と係合している。従来のOリングが企図されており、Viton(商標)、シリコーンまたは他の従来のエラストマー材料などの材料でできていてもよい。このような材料は当業者によく知られており、本明細書においては詳細に説明されない。
図17Gに示されているように、レセプタクル220は培養ボトル230の一部のみを受け取っており、463で終端している(ほぼ培養ボトルの首435から培養ボトル230の底部分416までの移行部分)。この方法によれば、培養ボトルがその所望の位置からゆがんでいる場合に、そのために培養ボトルがレセプタクルの中に適切に着座していなくても容易に観察することができる。
【0049】
図18A~Cは、
図17に示されているカンテッドコイルスプリングに対する変形形態を示したものである。
図18Aはボトルの上の保持キャップの斜視図である。
図18Bは
図18Aのキャップの切欠き図である。
図18Cは、
図18Aの分割された保持機構を上から見た斜視図である。
図18Aを参照すると、保持機構431は、ボトル230の首435およびクリンプリングキャップ410(
図18B)を受け取るために半径方向に並進する複数のくさび430A~Cを有している。3つのくさびセクション430A~Cが示されているが、異なる数の複数のセクションが企図されている。くさびセクション430A~Cは、ドラムの中の培養ボトルレセプタクル220のより細い部分850の遠位端に置かれている。ボトル230の首435に取り付けられたクリンプリングキャップ410は、保持機構431の広がった近位端440に入っている。保持機構431の近位端440は、ボトルのクリンプリングキャップ410を受け取るために広がっている。保持機構431はストップフランジ432を有しており、したがってボトルの首435が保持機構431の中へ前進することができるのは、画定された距離だけである。保持機構は、ボトルの首が保持機構の中に挿入されると、それに応答してくさび430A~Cを半径方向に移動させることができるが、保持機構は、クリンプリングキャップ410が保持機構の中に確実に保持されることを保証するように張力を加える円周ばね433を有する。
【0050】
図19A~Cは、
図17に示されているカンテッドコイルスプリングの変形形態を示したものである。この実施形態では、セクション化された保持機構450は、スペース465によって分離された把持部460A~Eを有している。把持部460A~Eは弾力性があり、スペース465は、把持部が拡張しながらも、その中に挿入されたクリンプリングキャップ410およびボトルの首435に把持力を加えることを許容する。
図18A~Cの実施形態と同様、保持機構450の近位端470は、クリンプリングキャップ410およびボトルの首435を受け取るために広がっている。一例では、弾力性把持部460A~EはABSプラスチックでできている。個々のセクション460A~Eは、クリンプリングキャップ410およびボトルの首435を捕獲するために半径方向に湾曲している。
図19A~Cには5つのセクションが示されているが、これは例証のためである。異なる数のセクションを有する保持機構が企図されている。
【0051】
図19D~Qは他の代替保持機構を示したものである。
図19Dは、ボールプランジャ474と協同してスロット付きキャップ451をボトルレセプタクル220の中にロックするスロット481を有するスロット付きキャップ451を示している。ウイング482には張力がかけられ、また、
図16Bに示されている第2のフランジ865とほとんど同様に機能するフランジ483を有している。
図19Eを参照すると、培養ボトル230がボトルレセプタクル220の中を前方に前進すると、ウイング482は外側に向かって付勢され、培養ボトル230の首部分835を受け取る。スロット付きキャップ451のスロット481は、この時点ではボールプランジャ474と整列していない。
図19Fを参照すると、培養ボトル230がボトルレセプタクル220の遠位端に向かってさらに前進すると、ボトルレセプタクル220のより細い内部部分850が先細りになり、フランジ483がクリンプキャップ410と培養ボトル230の首835の間の空間に嵌まるよう、細い内部部分850がウイング482を内側に向かって押し込んでいる。また、スロット付きキャップ451は、スロット481がボールプランジャのボール471と整列して、スロット付きキャップをボトルレセプタクルの中の所定の位置にロックするように前進する。培養ボトルを取り出すためには、ボールプランジャ474の付勢力に打ち勝ち、クリンプキャップ410がボールプランジャ474を越えて通過できるようにして、それによりボトルを取り出すことができる。スロット付きキャップ451のウイング482は外側に向かって付勢されるため、フランジ483は、培養ボトルがレセプタクル220の外側に向かって前進すると、培養ボトル230との係合を解除する。
【0052】
図19G~Iは、ボールプランジャ474が中に形成されたボールプランジャキャップ452を示したものである。ボールプランジャキャップ452は、ボールプランジャキャップ452が第1のアンロック位置および第2のロック位置に位置すると、ボトルレセプタクル220の中のスロット487Aおよび487Bと協同してボールプランジャキャップ452をボトルレセプタクル220の中にロックする。ウイング482には張力がかけられ、また、
図16Bに示されている第2のフランジ865とほとんど同様に機能するフランジ483を有している。
図19Hを参照すると、キャップ452は第1のアンロック位置に位置しており、また、ボールプランジャ474はスロット487Aと整列している。培養ボトル230がボトルレセプタクル220の中を前方に前進すると、ウイング482は外側に向かって付勢され、培養ボトル230の首部分835を受け取る。ボトルレセプタクル220のスロット487Bは、この時点ではボールプランジャ474と整列していない。
図19Fを参照すると、培養ボトル230がボトルレセプタクル220の遠位端に向かってさらに前進すると、ボトルレセプタクル220のより細い内部部分850が先細りになり、フランジ483がクリンプキャップ410と培養ボトル230の首835の間の空間に嵌まるよう、細い内部部分850がウイング482を内側に向かって押し込んでいる。また、ボールプランジャキャップ452は、スロット487Aがボールプランジャのボール471と整列し、それによりボールプランジャキャップ452をボトルレセプタクルの中の所定の位置にロックするように前進する。培養ボトル230を取り出すためには、ボールプランジャ474の付勢力に打ち勝ち、培養ボトル230とボールプランジャキャップ452のアセンブリが第1の位置まで進むことができるようにし、そこでフランジ483が再び外側に向かって付勢し、培養ボトル220を解放する。第1の位置では、ボトルレセプタクル220のスロット487Aは、再びボールプランジャキャップ452のボールプランジャ474と整列し、それによりボトルが培養ボトルレセプタクルから取り出されると、ボールプランジャキャップ452をボトルレセプタクルの中に保持する。
【0053】
図19Jおよび
図19Kは、
図19G~Iに示されたボトルレセプタクル220がドラム240にどのように嵌まっているかを示したものである。
図19Jでは、ボトルレセプタクル220は、ドラム開口中のトラック839と整列した位置にあり、また、ボトルレセプタクル220がドラム24の開口の中に完全に配置されるまで、この整列で開口の中へ前進しているスロット838を有している。
図19Kを参照すると、ボトルレセプタクル220は、次に、回転してボトルレセプタクル220をドラム240の中にロックしている。
【0054】
図19L~19Qは、
図18A~Cおよび
図19A~Cに示されているボトルレセプタクルに対する代替ボトルレセプタクルである。
図19Lを参照すると、ボトルレセプタクルの中に置かれるように構成されたボトルホルダー453は、ウイング841およびカンテッドコイルスプリング842を有している。エラストマーOリングまたはガーターばねなどの他のばね様部材も企図されている。ウイング841は別々に押すことができ、カンテッドコイルスプリング842の付勢に打ち勝ち、また、
図19Mに示されているように培養ボトルの首835はボトルホルダー453の中へ前進している。別々に押される場合、ウイング841は、トラック492に沿って移動する溝491を有している。ボトルホルダー453はフランジ483を有している。培養ボトル230のクリンプキャップ410がフランジ483を通り越して前進すると、カンテッドコイルスプリング842の付勢力は、一体に復帰するようにウイングを押し、また、クリンプキャップ410の基底に着座するようにフランジを押して、
図19Nに示されているように培養ボトルをボトルレセプタクルの中に固定する。この場合も、ウイング841中の溝491は、ウイング841のそれらの閉位置へのトラック492に沿った復帰移動を許容する。カンテッドコイルスプリングは
図19Mおよび
図19Nには示されていないため、
図19Mにおける押された開位置から、
図19Nにおける閉位置へのウイングの移動を明確に見ることができる。
【0055】
図19O~Qは、
図19L~Nで説明したボトルホルダーの変形形態であるボトルホルダー454を示したものである。
図19Oを参照すると、ボトルレセプタクルの中に置かれるように構成されたボトルホルダー454は、ウイング841およびガーターばね842を有している。ウイング841は別々に押すことができ、ガーターばね842の付勢に打ち勝ち、また、
図19Pに示されているように培養ボトルの首835はボトルホルダー454の中へ前進している。別々に押される場合、ウイング841は、トラック492に沿って移動する溝491を有している。ボトルホルダー454はフランジ483を有している。培養ボトルのクリンプキャップ410がフランジ483を通り越して前進すると、ガーターばね842の付勢力は、一体に復帰するようにウイングを押し、また、クリンプキャップ410の基底に着座するようにフランジを押して、
図19Qに示されているように培養ボトルをボトルレセプタクルの中に固定する。この場合も、ウイング841中の溝491は、ウイング841のそれらの閉位置へのトラック492に沿った復帰移動を許容する。ガーターばねは
図19Pには示されていないため、押された開位置へのウイングの移動を明確に見ることができる。
【0056】
図20A~Cは、ボトルをドラムの中に保持するための代替機構500を示したものである。機構500は、板ばね510を使用して培養ボトル230をレセプタクル220の中に固定している。この構成では、培養ボトルの底416はタブ417によってレセプタクルの中に固定される。ホルダー220は、手動またはロボットによる握りのいずれかによって培養ボトル230をホルダー220に挿入することができ、また、ホルダー220から取り出すことができるよう、開口418を有している。これは、ドラムレセプタクル220の中に固定された培養ボトル230へのアクセスを許容する。ユーザまたはロボットは、板ばね510がボトルを押し、また、ボトルの底416がタブ417の前面に落ちるまでボトルをレセプタクル220の中へ押し込む。板ばね510はボトルをストップ530に対して保持する。培養ボトル230を取り出すために、ユーザまたはロボットは、ボトル230をレセプタクル220から引っ張り出すことができるよう、培養ボトル230を押してタブ417から遠ざける。培養ボトル230がタブ417によって固定されていない場合、板ばね510が培養ボトル230をレセプタクル220の近位端420に向かっても押し付けて回収を容易にする。
【0057】
図21を参照すると、レセプタクルは、インジケータLED520からの光をレセプタクルの遠位端525(すなわちレセプタクルが配置されているドラム240の内側)から移すライトパイプ515をも有している。ライトパイプ515は、存在する場合、ボトル230を支え、レセプタクルの近位端420(すなわちドラム240の外部表面)を通り越して延びる。板ばね510は、培養ボトル230の上部の肩535を押し付けて培養ボトル230をタブ417に対して保持する。レセプタクル220は、レセプタクル220の遠位端525でボトル検出器536と隣接している。レセプタクル220の中のボトル230の遠位端はボトル検出器536によって検出される。ボトル検出器536は静止検出器基板540が担っている。
図20Bおよび
図20Cに示されているように、ばねはボトルホルダー220の中に埋め込まれている。
【0058】
モジュールは、個々のドラム240の中のボトル230の層毎に測定電子回路545を含む。
図20Aに示されているように、測定電子回路545は、ドラム240の外側の、モジュール210(
図4および
図10を参照されたい)の右隅前方に置かれている。
【0059】
ライトパイプ515(
図21)は、基板540上のインジケータLED520とぴったり一致している。ボトルドラム240の外側のライトパイプ515の端部の表面は、インジケータLED520からの光を分散させるためにテクスチャード加工されている。ボトルクリンプキャップ410は、レセプタクル220の中に置かれると、ボトル検出器536(例えば光スイッチまたは近接センサ)を遮断する。インジケータLED520およびボトル検出器536は基板540の上に配置され、基板540は、ドラム240の内側の、ユーザがアクセスすることができるドラム240の中の個々のボトル230に対応する位置に配置されている。ボトル検出器536は、モジュールへの扉が開いている間、ボトル230がレセプタクルの中に置かれた時間またはボトル230がレセプタクルから取り出された時間を実時間で検出するために監視される。
【0060】
図20Aを参照すると、ユーザは、最初に、板ばね510と接触するまでボトル230の首を挿入することによってボトル230をレセプタクル220の中に置き、次に、ボトル230をレセプタクル220の中に保持するタブ417を培養ボトルの底416が通過するまでボトル230をばね510に押し付ける。板ばね510は、ユーザが培養ボトル230をレセプタクル220の中に完全に入れていない場合、培養ボトル230がレセプタクル220の中に完全に着座するのを板ばね510が防止するように培養ボトル230と係合する。その結果、培養ボトル230はステーションから十分に遠くへ延びることになり、したがってドラム240は、モジュールハウジング224を通り越して培養ボトル230を前進させることができない。これは、ユーザがモジュールの扉を閉じると、着座していないボトル230の検出をモジュール210に許容することになる。ボトル230をレセプタクル220から取り出すために、ユーザは単純に培養ボトルの底415をタブ417の上に持ち上げて、培養ボトル230をレセプタクル220から引っ張り出す。培養ボトルの挿入および取出しが自動化されている実施形態では、自動装置によって同じ動きが実施される。
【0061】
図20Cを参照すると、いくつかの修正が加えられたレセプタクル220がより詳細に示されている。レセプタクル220は透明な材料でできており、したがってドラム240の内側のレセプタクル状態インジケータLED520からの光をボトルドラム240の外側のレセプタクル220の近位端420へ転送するためのライトパイプとして使用することができる。
【0062】
レセプタクル220の頂部に取り付けられている板ばね510は、培養ボトル230がレセプタクル220の中に受け取られると、
図20Cに示されている位置から
図20Aに示されている位置へ湾曲する。板ばね510の自由端555がレセプタクル220の頂部と接触すると、ばね510はハードストップになって、培養ボトル230がレセプタクル220の中へさらに移動するのを防止する。挿入した後に培養ボトル230が解放されると、板ばね510は培養ボトル230をドラム240の外部表面から延びているレセプタクル220のタブ417に押し付ける。培養ボトル230は、手動またはロボットの使用のいずれかで、レセプタクル220の近位端420を介して培養ボトル230の底416を上に持ち上げることによってレセプタクル220から取り出される。
図29Aは、
図20A~Cに示されているレセプタクルを有するドラム240を示したものである。板ばねを有するレセプタクル220は列として提供され、また、ドラム240は、列を一体に取り付けることによって形成される。結果として得られる構造は、行を一体化するための、円形の外部周囲および内部周囲を有する丸いドラム240(
図29B)である。
【0063】
図20Dは、
図20A~Cに示されているレセプタクル220の複数の垂直方向の行を有するドラム240の一部を示したものである。ドラムは、レセプタクル220の中の培養ボトル230の支持を示すために切欠き図で示されている。一番上のレセプタクル220は空である。
図20Dに示されている実施形態では、既に説明した板ばね550の代わりに培養ボトル230をレセプタクル220の中に固定するためのピボットアーム551が提供されている。ボトル230がレセプタクル230の中へ前進すると、ピボットアーム551が時計方向に回転して培養ボトル230をレセプタクルの中に固定する。ピボットアーム551に対する抵抗は、レセプタクルの中にピン556で固定されているコイルばね552によって加えられる。
【0064】
図20Dに示されているレセプタクルに対する代替は
図20E~Hに示されている。
図20Eを参照すると、
図20Dに示されているピボットアーム551は変形可能材料553に置き換えられている。一例では、変形可能材料553は蠕動管状材料であるが、他の従来の変形可能材料も企図されている。変形可能材料のキーとなる性状は、培養ボトルのレセプタクル中への挿入による各変形後における形状復元を想定したその弾性である。レセプタクル220の底の部分はライトパイプ515である。
【0065】
変形可能材料553はレセプタクル220の先細り部分554に置かれている。
図20Fを参照すると、レセプタクル(220)の端面図は、レセプタクルの頂部部分の変形可能材料553(レセプタクルの先細り部分554に沿った)を示している。適切な変形可能材料には、上で説明したエラストマー蠕動管状材料の他に、エラストマー材料および発泡材料がある。
【0066】
図20Gは、第2のレセプタクルの一部がその上に形成された一レセプタクル220の斜視図である。培養ボトルは、上で説明したようにレセプタクルの中に保持されている。タブ417は、培養ボトル230をレセプタクル220の中に堅固に保持している。ボトル230と接触して使用される場合に十分な摩擦特性を有する他の材料も、変形可能材料として企図されている。このような摩擦はボトル230の回転を防止し、したがって測定システムは、回転振動し、かつ、回転するボトルによってもたらされる雑音がより小さい高品質の信号を得ることができる。
【0067】
図22を参照すると、ボトルがレセプタクル220の中に完全に挿入されていない場合、板ばね510はボトルをオーバレイ位置570で保持することになる。そうすれば、ボトルがレセプタクル220の中に完全に挿入されていない場合、培養ボトル230がレセプタクル220の中に適切に着座しているように見えることはない。レセプタクルの中に培養ボトル230が存在しているが、完全にレセプタクルの中に着座していない場合、培養ボトルの底416は、モジュールによるボトルドラム240の回転を許容しない。モジュールは、詰まったボトルドラム240を検出することによって着座していないボトル570を検出し、信号をシステムに送る。ユーザは、ボトル230を取り出すか、あるいは完全に挿入することによって障害をクリアするように通知されることになる。
【0068】
ネック-イン配向の培養ボトルは、ネックアウト配向の従来技術に優るいくつかの改善を提供する。従来技術のドラムは、読取りの間、培養ボトルを水平から上に向かって20°の角度で保持していた。ボトルの首を内側にして配置することにより、ボトルドラムの回転は、ボトルの中の培養媒体/樹脂をボトルの底に向けて押す。したがってネック-イン構成の場合、培養ボトルを水平位置でドラムの中に保持することができる。ボトルを光学的に検査している間、ドラムは、培養ボトルの中の培養媒体/樹脂を培養ボトルの側面に対して標準20°の角度に押す速度で回転する。ボトルの底を直径22インチに配置するドラムの場合、ドラムの直径は、ドラムの一方の側のボトルの底から、ドラムの反対側の培養ボトルの底まで測定される。約37RPMのドラム回転速度は、ボトルの底へ向かう培養媒体/樹脂のための20°の角度を誘導する。比較のために、従来技術の装置の回転子は、培養ボトルの読取りおよび攪拌の両方に対して約30RPMで回転する。任意選択で、試料の液体部分から試料の固体部分(すなわち培養媒体および樹脂)の追加分離を駆動する遠心分離機のようにドラムを動作させるために、ドラムの回転速度を選択することができる。
【0069】
図26は、ボトルレセプタクル220の端部に置くことができるボトルストップ1000を示したものである。ボトルストップ1000は、培養ボトルのクリンプキャップが通過するのに十分な円周を有する頂部開口1015を有する単純なかぎ穴スロット1010である。培養ボトルがレセプタクル220の中に着座すると、培養ボトルのクリンプキャップが通過するほどには十分に広くないかぎ穴スロット1010のより狭い開口1020の中に培養ボトルの首がおさまる。したがってかぎ穴スロット1010は、手動またはオートメーション(例えばロボット)の使用のいずれかによって培養ボトルがボトルレセプタクルから取り出されるまで、培養ボトルをボトルレセプタクルの中の所定の位置に保持する。
【0070】
培養ボトルのネックインを使用した配向の場合、ボトルドラムの周囲に測定電子回路を配置する必要がある。本明細書において例証されているように、これらの電子回路は右隅前方に配置される。培養ボトルの底は、ネックアウト構成の場合よりも、ネックイン構成の場合の方がさらに間隔を隔てている。これは、測定システムに対するあらゆる可能クロストークを低減する(例えば測定されているボトルに隣接するボトルからの蛍光放出によるクロストークが低減されるか、あるいは除去される)。
【0071】
本明細書において説明されているように、モジュールは、ユーザアクセスのためのボトルの位置決め、また自動アクセスのためのボトルの位置決めの両方のためにドラムを回転させる。また、モジュールは、培養ボトルを攪拌するためにそれらをも回転させる。
【0072】
任意選択でドラム運動システムは、軸に取り付けられた直接駆動電動機を有し、この軸にドラム軸受が取り付けられ、軸の周りにドラムが回転する。直接駆動電動機には、ベルト駆動電動機またはリム駆動電動機の場合に必要になる追加部品は不要である。直接駆動電動機は、より信頼性が高い解決法であり、他の従来の電動機よりも雑音が小さい。
【0073】
ボトルがネック-アウトで保持されているドラムの中のボトルを攪拌するためにドラムが加速され、遠心力を使用して培養媒体/樹脂をボトルの首の中へ押す。次にドラムが減速され、培養ボトルの底へ戻る培養媒体/樹脂の流れを許容する。任意選択で約2秒毎にこの運動プロファイルが繰り返され、培養ボトルが従来技術の装置の中で揺動される際の培養媒体/樹脂の運動に似た、ボトルの中の培養媒体/樹脂の運動が作り出される。
【0074】
上で説明した角加速攪拌プロセスの間に生じる水平方向のボトルの加速は、従来技術の装置では生じることはなく、結果として得られる攪拌は有利である。任意選択でドラムは、大きなドラム角度で少ない頻度(低周波数)の加減速を提供するように操作される。このような運動は、培養ボトルの中の液体(すなわち培養媒体/樹脂/試料)を培養ボトルの基底から培養ボトルの首まで、また、培養ボトルの首から培養ボトルの基底まで移動させることになる。
【0075】
任意選択でドラムは、小さなドラム角度で多い頻度(高周波数)の加減速を提供するように操作される。このような運動は、培養ボトルの中の液体(すなわち培養媒体/樹脂/試料)をボトルの中を左右に移動させる。この運動は、従来技術の装置によって培養ボトルの中の液体に付与される運動に類似している。
【0076】
任意選択で、ドラムの前後の動き、あるいは単一方向の動きと共に、上記運動プロファイルの変形形態および組合せが企図されている。
【0077】
任意選択でドラムは、ボトルの中に定着している可能性がある血液、樹脂およびバクテリアを移動するために、突発的な減速を周期的に付与するように操作される。いくつかのバクテリアは、このような連続的な激しい攪拌によって痛めつけられる。このような運動は、機器が動作している間、まれにしか生じない(例えば1時間に一度、あるいは個々の測定サイクルの終了時に一度)。
【0078】
上で説明した直接駆動電動機および固体軸上の軸受の代わりにドラムを動かすための他の機構が企図されている。このような代替機構の目的は、i)ボトルドラム間の垂直方向の間隔を最小にすること、ドラム間の間隔を最小にして、キャビネットの中のボトル密度を高くすること、およびiii)手動ワークフローの間、より一様なボトルの列をユーザに提供することである。
【0079】
一例は、リング軸受上で回転する歯車アダプタリング(GAR)に取り付けられ、電動機および歯付きベルトによって駆動される回転ラックである。モジュールの中のボトルドラムも同様にGARに取り付け、歯付きベルトによって駆動することができる。ボトルドラムは頂部で開くことになり、また、ドラムの内側の電子回路へのすべての接続は、ドラムの上方で経路化されることになる。
【0080】
図23は、直径が大きいリング軸受600上で回転するこのようなドラム240を示したものである。ドラム240の曲率は、ボトルレセプタクル220の距離および角度の変化から明らかである。ボトル220はネックインであり、これは、測定システム(図示せず)がドラムアセンブリの外側に存在していることを意味している。示されている実施形態は、ドラムの外側の電動機によるベルト駆動ベースに適応している。任意選択で、ベースの中央に配置された直接駆動電動機およびリング軸受を使用することも可能である。本明細書において説明されているモジュールの中の測定システムにおけるボトルドラムの速度に対する感度は、従来技術のシステムにおける測定システムの回転子速度に対する感度と同様に敏感ではない。
【0081】
図24を参照すると、本明細書において説明されている装置は、任意選択で、ソース照明のための第1の色(例えば緑色)または第2の色(例えば青色)のいずれかを有するLEDを有している。追加LEDは基準読値を獲得する。
図24から分かるように、基準読値を示す光は、陽性状態(%透過率)におけるインジケータ染料(ブロモクレゾールパープル(BCP)が陰性状態におけるBCPと等しくなると活性化する。陽性指示(表示)は、陽性状態に対するパーセント透過率が陰性状態に対する%透過率を超えると得られる。青色LEDの波長は、応答曲線上の、培養ボトルの中の血液培養のpH状態によって影響されない点に存在している。青色励起光を使用しているボトルからの読値と、緑色励起光を使用して得られた読値の比率は、BCPのpH状態に比例するBCP応答曲線の勾配に比例するはずである。BACTECボトルからのpH読値は、ボトルの中の生物学的増殖の改善されたインジケータである。
【0082】
本明細書において説明されている装置は、1)雑音の低減(すなわち基準信号に対する増殖信号の比率は、ボトルの位置、温度およびセンサ可変性によって影響されない)、2)システムへの導入が遅れたバイアルの中における増殖の検出(すなわち上で説明した二重測定は、増殖している間、増殖加速度を検出することによって陽性性を確認するためにガラスボトルの内容物を絶えず試料採取する必要がないよう、基準を提供する)、および3)信号品質インジケータ(すなわち基準信号は、ステーションハードウェアの健全性の独立インジケータである)の利点を提供する。
【0083】
また、本明細書においては、本明細書において説明されている装置を動作させるための方法も説明される。この方法によれば、ユーザワークフローをサポートするためにボトルドラムの動きが制御される。ユーザは、本明細書において例証されている血液培養ボトルを含んだボトルドラムにアクセスするためにモジュールの扉を開けるように要求する。ボトルドラム駆動電動機は、扉を開ける前に、特定の位置でボトルドラムを停止させる。上で説明したように、モジュールの扉が開いてユーザがアクセスすることができるのは、ボトルドラムのセクターのみである。ユーザは、ユーザがアクセスを希望するドラムのセクターを制御システムに指示することができる。
【0084】
扉が開くと、扉インターロックスイッチがボトルドラム電動機に引き渡されている最大電力を低減することになる。この方法によれば、ボトルドラム電動機は、低電力および低速度でボトルドラムを駆動する。ボトルドラムの中のボトルの状態は、ボトルドラムの中の個々の培養ボトルレセプタクルの近くの光を使用して示される。本明細書において説明されているように、光源およびセンサは、ボトルドラムモジュールの内側の固定位置に存在している。光源は、ボトルドラムの中のステーションが光源と整列すると、そのステーションのためのライトパイプを照明する。
【0085】
ユーザは、ボトルドラムにアクセスして、利用可能なステーション(本明細書においてはボトルレセプタクルとも呼ばれている)の中に培養ボトルを挿入するか、あるいは陰性または陽性のボトルをステーションから取り出す。ユーザは、ターゲット状態(すなわち陽性または陰性)を有する培養ボトルを取り出す。例えば陽性ボトルは、さらなる精密検査のためにユーザによってアクセスされ、陰性ボトルは廃棄のためにユーザによって集められる。ドラムのアクセス可能なセクションへのユーザのアクセスが完了すると、ユーザは、電動機によって加えられる回転に対する小さい抵抗に打ち勝って手動でドラムを左右へ動かすことができる。ドラムの位置の変化は制御システムによって検知され、事実上、電動機によって加えられた力が除去され、したがって比較的自由にドラムを回転させることができる。制御システムがドラムを電動機抵抗から手動回転へ解放すると、制御コンピュータは、関心のある培養ボトルへのユーザによるアクセスを許容することになるボトルドラムの次の位置を決定する。関心のある培養ボトルのユーザによるアクセスが可能になると、制御システムは、その位置でボトルドラムを停止させる信号をボトルドラム電動機に送る。
【0086】
ボトルドラムが回転すると、培養ボトルの状態がボトルレセプタクル/ステーションと整列しているライトパイプを介して正しく指示(表示)されるよう、ボトル状態インジケータ光源が照射される。ボトルドラム制御システムは、制御システムが常にボトルドラムの位置(また、したがって常に個々のレセプタクル/ステーションの位置も)に気が付くよう、ボトルドラム制御システムと通信するエンコーダを含む。制御システムは、ボトルドラムがボトルレセプタクル/ステーションをある位置から次の位置へ前進させると、個々のステーション/レセプタクルを照明する。
【0087】
上で説明した方法の場合、ユーザがドラムまたは回転ラックを手動で前進させることは望ましくない場合がある。本明細書においては、追加のボトルを出現させるためにユーザによるドラムの回転の進行を許容する制御を有するシステムが企図されている。このような制御は、単純に、ユーザによる時計方向または反時計方向のドラムの前進を許容するタッチパネル上のボタンまたはアイコンであってもよい。本明細書において説明されているシステムがこのような制御を備えている場合、ユーザは、それらの制御をくつがえし、また、ドラムを手動で動かすことが防止される。このような制御を使用して、ドラムまたは回転ラックを増分で前進させることができ(すなわち間欠駆動)、あるいは連続的に前進させることができる(持続駆動によって)。
【0088】
本明細書においては、「備えている」という語はその「広義の」意味、すなわち「含む」という意味で理解されるべきであり、したがってその「狭義の」意味、すなわち「のみからなる」という意味に限定されない。対応する意味は、出現する場合、「備える」、「備えていた」という対応する語に帰するものとする。
【0089】
以上、本技術の特定の実施形態について説明したが、本技術は、本技術の本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化することができることは当業者には明らかであろう。したがってこれらの実施形態および例は、あらゆる点で例証的であり、制限的なものではないものとする。
【0090】
さらに、本明細書における、当分野で知られている主題に対するあらゆる参照は、そうではないことが示されていない限り、本技術が関連している当業者にこのような主題が広く知られていることの承認を構成するものではないことは理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液培養ボトルを貯蔵し且つ監視するための装置であって、
外部周囲および内部周囲を有するドラムであって、前記外部周囲は前記内部周囲の直径より大きい直径を有し、前記ドラムは複数のレセプタクルを有し、前記レセプタクルは前記外部周囲に近位端を有し且つ前記内部周囲に遠位端を有し、個々のレセプタクルは血液培養ボトルを受け取るように構成され、前記血液培養ボトルは底部分および首部分を有し、前記ボトルは、前記底部分が前記レセプタクルの前記遠位端で受け取られるか、あるいは前記首部分が前記レセプタクルの前記遠位端で受け取られるかのいずれかで、前記レセプタクルに受け取られ、
前記ドラム周囲は前記ドラムの回転の軸の周りに配置され、
前記複数のレセプタクルはレセプタクルのアレイとして前記ドラムに配置され、前記アレイは垂直方向および水平方向の両方に配置されたレセプタクルを有する、
ドラムと、
前記血液培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかどうかを決定するために前記血液培養ボトルを検査するためのセンサおよび検出器と、
を含み、
前記ドラムは前記内部周囲内に内部空間を画定し、前記血液培養ボトルを検査するための前記センサおよび検出器と通信するドラム電子回路の少なくとも一部が前記ドラムの前記内部周囲に配置される、
装置。
【請求項2】
複数のドラムがハウジングの中に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングが、前記ハウジングの中に配置された個々のドラムにアクセスするための扉を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングがタッチスクリーンを有する、請求項2および3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジングが、前記装置の中に置かれ又は前記装置から取り出される培養ボトルを受け取るためのラックをさらに含む、請求項
2に記載の装置。
【請求項6】
前記ドラムが、垂直方向のドラムセクターを画定する複数のパネルを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
個々の垂直方向のドラムセクターがほぼ等しい水平方向のスパンを有し、個々のスパンは、1つのセクターの前記水平方向のスパンが前記ハウジングの扉の水平方向のスパンとほぼ同じであるようなスパンである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記ハウジングの中に配置された前記ドラムを回転させるための駆動電動機をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
測定電子回路が前記ドラムの前記内部周囲によって画定された前記空間内に配置される、請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
培養ボトルインジケータ電子回路が前記ドラムの前記内部周囲によって画定された前記空間内に配置される、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記ドラムの前記外部周囲の外側で前記ハウジングの中に配置された加熱器をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
前記ドラムの前記外部周囲の外側で前記ハウジングの中に配置された送風機をさらに含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項13】
回転の軸を画定する軸をさらに含み、少なくとも1つの軸受が前記軸および前記ドラムと同軸で配置され、それにより前記軸の周りの前記ドラムの回転を許容する、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記軸受がリング軸受である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ドラムが層状に組み立てられ、個々の層がレセプタクルの行全体の少なくとも一部であり、個々の層が前記内部周囲および前記外部周囲を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ドラムが列セグメントで組み立てられ、個々の列セグメントが前記ドラムの前記内部周囲および前記外部周囲の一部のみを画定する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のレセプタクルの各々が、培養ボトルを受け取るためのそれぞれのエラストマーインサートを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたカンテッドコイルスプリングを含み、前記カンテッドコイルスプリングが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記カンテッドコイルスプリングを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記カンテッドコイルスプリングが張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたOリングを含み、前記Oリングが十分に弾力性を有し、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記Oリングを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記Oリングが次に張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てたボールプランジャを含み、前記ボールプランジャが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記ボールプランジャを通り過ぎて進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記ボールプランジャが張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記培養ボトルの前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから間隔を隔てた分割保持部分を含み、前記分割保持部分が付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記分割保持部分を通過して進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記分割保持部分が張力を解放して前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記分割保持部分がカンテッドコイルスプリングによって一体に押される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記分割保持部分が弾力性セグメントである、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記複数のレセプタクルがそれぞれ前記遠位端で前記首部分を受け取り、個々のレセプタクルが、ボトルストップおよび前記ボトルストップから延びる複数の弾力性ウイングを含み、前記ウイングが付勢され、前記ボトルの前記首部分に配置されたキャップが前記ウイングのフランジ部分を通り越して進行し、前記ボトルストップに寄りかかるのを許容し、それにより前記ウイングが張力を解放し、前記フランジ部分が前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定する、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記複数のレセプタクルがそれぞれボールプランジャをさらに含み、前記ボトルストップがノッチを含み、前記培養ボトルが前記ボトルストップの中へ前進する際に、前記ボールプランジャが前記ノッチと整列するまで前記ボトルストップが前記レセプタクルの中へさらに前進し、それにより前記ボトルストップを前記レセプタクルに固定する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記複数のレセプタクルがそれぞれノッチをさらに含み、前記ボトルストップがボールプランジャを含み、前記培養ボトルが前記ボトルストップの中へ前進する際に、前記ボールプランジャが前記ノッチと整列するまで前記ボトルストップが前記レセプタクルの中へさらに前進し、それにより前記ボトルストップを前記レセプタクルに固定する、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記複数のレセプタクルがそれぞれトレー部分をさらに含み、前記トレー部分の上に前記培養ボトルが置かれ、前記トレー部分が、前記培養ボトルの底を前記トレーの中に固定するためのタブを含み、前記レセプタクルがストップ部分をさらに含み、前記ストップ部分が前記培養ボトルを前記レセプタクル内の所定の固定位置に置く、請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記ストップ部分が板ばねを含む、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記ストップ部分が変形可能材料を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記ストップ部分は、前記培養ボトルの前記レセプタクルの中への前進に応じてピポッドすることで前記培養ボトルを前記レセプタクルに固定するピボットアームをさらに含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ストップ部分が、エラストマー可撓性管状材料、エラストマー材料または発泡材料のうちの1つから選択される弾力性材料を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
前記トレー部分が、前記ドラムの前記内部周囲内に配置されたインジケータLEDからの光信号を前記ドラムの外部に配置された光検出器に伝送するライトパイプをさらに含む、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記ボトルストップがかぎ穴要素を含む、請求項27に記載の装置。
【請求項34】
前記ドラムの前記外部周囲および前記ドラムの前記内部周囲が円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記ドラムの前記外部周囲および前記ドラムの前記内部が切子面化される、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
複数の血液培養ボトルのための保温器を制御するための方法であって、
制御インタフェースを介して血液培養ドラムの所定のセクターを入力するステップであって、前記血液培養ドラムが、実質的に円形の内部周囲および実質的に円形の外部周囲を画定するラックを含み、前記血液培養ドラムが回転ドラムである、ステップと、
前記血液培養ドラムのためのハウジングの扉を開くステップと、
前記ハウジングの前記開いた扉を介して前記所定のセクターにアクセスすることができるよう、前記ドラムを回転させるために使用される電動機への電力を低減することによって前記ドラムを実質的に停止させるステップと
を含み、
前記血液培養ドラムは複数のレセプタクルを含み、前記複数のレセプタクルの個々のレセプタクルは、血液培養ボトルを受け取り、かつ、保持するように適合され、前記複数のレセプタクルの個々のレセプタクルはその近位端にインジケータを有し、前記インジケータは、前記レセプタクルの中の培養ボトルが微生物の増殖に対して陽性であるか、あるいは陰性であるかの指示を提供しており、また、
血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの空のレセプタクルに挿入するステップ、血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出すステップ、あるいは血液培養ボトルを前記複数のレセプタクルのうちの1つのレセプタクルから取り出し、かつ、その場所に異なる血液培養ボトルを挿入するステップのうちの少なくとも1つを含み、
前記血液培養ボトルは、その指示された状態に基づいて取り出される、
方法。
【請求項37】
前記複数のレセプタクルの各々が、前記レセプタクルの前記近位端から前記レセプタクルの遠位端まで延びるライトパイプをさらに含む、請求項
36に記載の方法。
【請求項38】
前記制御インタフェースが前記ラック内における個々の血液培養ボトルの配置を追跡するよう、前記制御インタフェースがエンコーダと通信する、請求項
36に記載の方法。
【請求項39】
前記保温器が読取りステーションをさらに含み、血液培養ボトルを運んでいる前記レセプタクルを前記ボトルドラムが前記読取りステーションを通り越して回転させる際に、前記読取りステーションが前記血液培養ボトルの状態を決定する、請求項
37に記載の方法。
【請求項40】
前記保温器が、前記ボトルドラム内の前記レセプタクルの少なくとも一部の前記遠位端に配置されたインジケータLEDをさらに含む、請求項
39に記載の方法。
【請求項41】
前記培養ボトルがネック-インで前記複数のレセプタクルの各々の中に受け取られる、請求項
36に記載の方法。
【請求項42】
前記培養ボトルがボトム-インで前記複数のレセプタクルの各々の中に受け取られる、請求項
36に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本発明は、血液などの標本における生物学的活動度を検出するための非侵襲性装置に関し、多くの標本が培養媒体と共に極めて多くの密閉式容器の中に導入され、かつ、試料中の微生物の存在下で様々な代謝性変化、物理的変化および化学的変化の発生を可能にする条件に露出される。次に、個々の血液培養ボトルの内側の底に配置された比色(colorimetric)センサまたは蛍光化学(fluorescent chemical)センサを使用して、ボトルが回転式ドラム内で回転する際にこれらの変化が監視される。監視が完了すると、装置は「自動アンローディング」を実施し、また、最終陰性ボトルおよび最終陽性ボトルの分類を実施する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
任意選択でレセプタクルのトレー部分は、ドラムの内側の周囲内に配置されたインジケータLEDからの光信号をドラムの外部から見えるように伝送するライトパイプ(light pipe)を形成する。また、ボトルストップはかぎ穴要素であってもよい。任意選択でドラムの外部周囲およびドラムの内部周囲は円形である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
本明細書においては、保温および測定モジュールとして構成された血液培養装置が説明され、保温および測定モジュールは、任意選択で、生物学的試料を処理し、含まれているこのような試料が微生物で汚染されているか、あるいは微生物に感染しているかどうかを決定するためのより大型のエンドツーエンド解決法を統合することができる。本明細書において説明されるモジュールは、
図3Aおよび
図3Bに示されているようなキャビネットの中に置くことができる。キャビネット200は、モジュールに電力を供給することができ、制御された熱環境をモジュールに提供することができ、また、モジュールに通信チャネルを提供することができる。
図3Aは、2つの3-ドアパネル201を有するキャビネット200を示しており、2つの3-ドアパネル201は、中央パネル202の両側の3つのボトルドラムへのアクセスを提供している。中央パネル202は、データ入力および
ユーザ制御(use
r control)のためのタッチスクリーン203を有している。また、中央パネル202は、培養ボトルを出し/入れするための中央ステーション204をも有している。
図3Bは、1つの3-ドアパネル201のみを有するキャビネットを示している。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
モジュールは、陽性培養ボトルをユーザに指示(示す)ためのLEDおよびライトパイプを有するように構成されている。
図4を参照すると、本明細書において説明されているモジュールの任意選択構成の上面図が示されている。モジュール210は、ハウジング224、ボトル230を温かい状態に維持するための送風機および加熱器225、および培養ボトルを保持するレセプタクルを備えたドラム240を有している。ドラムの内部には測定電子回路250および培養ボトル
検出/インジケータ電子回路260が配置されている。ドラム240を回転させるための駆動電動機270が提供されている。ドラム240ハウジング224は、6つのドラムセクター(222A~222F)を画定している6つのパネル221を有している。示されているように、1つのセクターのスパンは、ボトルがドラム240に追加され、あるいはボトルがドラム240から取り出されるハウジング中の開口のスパンとほぼ同じであるため、ドラム内容物のほぼ六分の一(ドラムが満杯であると仮定して)を任意の所与の時間にアクセスするために利用することができる。
図5Aは
図4のドラムの切欠き側面図である。培養ボトル230は、ドラム240の中のレセプタクル220内に首を内側にして配置されている。電動機270は、トルクが大きく、ヒステリシスがほとんどないか、あるいは全くなく、雑音が小さく、信頼性が高く、かつ、単純な直接駆動電動機である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
図7を参照すると、ボトルドラム240は、首を外側に向けてぎっしりと詰め込まれた構造の培養ボトル230を保持する構造である。培養ボトル230は、緊密なパッキングを達成するために、首をドラム240から外側に向けて、互い違いの層241、242(
図8)で配置されている。
図9は、
図3Aおよび
図3Bに示されている3-ドアキャビネットのために構成されたフレームにおける、
図8に示されている互い違いのドラムの斜視図である。互い違いの培養ボトル配置は、培養ボトルレセプタクル220にラベルを付けたり、光パイプ式(light-piped)の
インジケータ295(
図5B)の出力を検出したりするための空間を、個々の培養ボトルの上方にももたらす。個々のボトルレセプタクル220は、ドラム内におけるその水平方向の位置を示す番号と、手動ワークフローの中にユーザを導く状態インジケータと、を有することになる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
図10を参照すると、ドラム240内のボトル230(内側に面している)は、モジュール210内の6つのセクター(222A~222F)のうちの1つの中に置かれている。これらのセクターは、ドラム240から外側に向かって延びている垂直方向のパネル221によって境界が画定されている。隣接するパネル間のスパンは、培養ボトルのセクションがユーザによってアクセスされると、ユーザをモジュールの内側から完全に遮蔽するために、ハウジング224中への扉のスパンにほぼ等しい。モジュール210は、ボトル230を温かい状態に維持するための送風機および加熱器225をも含む。ドラムの内部には測定電子回路
525および培養ボトル/
検出電子回路260が配置されている。ドラム240を回転させるための駆動電動機270が提供されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図11を参照すると、ボトルドラム240は、培養ボトルが上で説明した層で(層状で)ネック-インで配置される培養ボトルを受け取るためのレセプタクル220を有する。レセプタクル220は、レセプタクルの底部分に形成されたライトパイプを有しており、レセプタクルの底部分はレセプタクルの底部縁をも画定している。これらの特徴は、本明細書のどこかで説明されている。
図12では、1つのボトルドラムが
図3で説明した3-ドアキャビネット200から取り外されている。図
11に示されているように、層231当たり24個のボトル230を受け取ることになる24個のレセプタクル220が存在しており、ドラム240当たり8つの層231が存在し、また、3つのドラム240が存在しており、したがってボトル容量は約576個である。任意選択でモジュールは、ネック-アウトのボトルを受け取ることになるレセプタクルを有する。一実施形態では、ドラムは、層当たり30個のレセプタクル、ドラム当たり8つの層、および3つのドラムを有することになり、したがってボトル容量は約720個である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
図29は、
図17A~Cに示されているレセプタクルを有するドラム240
の一つの層を示したものである。
図29に示されているドラムは、レセプタクル同士の一体化のための、切子面化された外部および内部周囲を有している。コイルばねを有するレセプタクルは、垂直方向に密に間隔を隔てることができる。これらのレセプタクルを使用してドラムを形成することにより、著しい高さの節約を提供することができる(例えば約50mm)。複数のドラムが単一のキャビネットの中に置かれる実施形態では、キャビネットサイズをよりコンパクトにすることができ、また、より容易にユーザにアクセスすることができる。また、ドラムの高さが低いため、より多くの電子回路を保温および測定キャビネットの頂部部分および底部部分に置くことができる。
図29は、1行のレセプタクル220を示している。本明細書において説明されているように、ドラムは、ドラム240を形成するために、一体に接続された複数の行で組み立てられる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
培養ボトルの底416
(図17A)はレセプタクル220から延びているため、培養ボトルは、ボトルレセプタクルから見ると、あるいはボトルレセプタクルの下方から見ると、レセプタクル220の近位表面463のステーションインジケータを不鮮明にし得る。この潜在的な問題に対処するために、ステーションインジケータライトパイプ(図示せず)は、レセプタクルの遠位端415からレセプタクルの近位端463まで延びている。また、任意選択で培養ボトルレセプタクル220は、培養ボトルがレセプタクル220の中に完全に嵌まるようにサイズ化することも可能であるが、レセプタクルの近位端は、ユーザまたはロボットに握りアクセスを提供するために、培養ボトルの底に隣接して広がりを持たせるか、あるいは刻み目が付けられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
図20A~Cは、ボトルをドラムの中に保持するための代替機構500を示したものである。機構500は、板ばね510を使用して培養ボトル230をレセプタクル220の中に固定している。この構成では、培養ボトルの底416はタブ417によってレセプタクルの中に固定される。ホルダー220は、手動またはロボットによる握りのいずれかによって培養ボトル230をホルダー220に挿入することができ、また、ホルダー220から取り出すことができるよう、開口418を有している。これは、ドラムレセプタクル220の中に固定された培養ボトル230へのアクセスを許容する。ユーザまたはロボットは、板ばね510がボトルを押し、また、ボトルの底416がタブ417の前面に落ちるまでボトルをレセプタクル220の中へ押し込む。板ばね510はボトルをストップ
417に対して保持する。培養ボトル230を取り出すために、ユーザまたはロボットは、ボトル230をレセプタクル220から引っ張り出すことができるよう、培養ボトル230を押してタブ417から遠ざける。培養ボトル230がタブ417によって固定されていない場合、板ばね510が培養ボトル230をレセプタクル220の近位端420に向かっても押し付けて回収を容易にする。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
図21を参照すると、レセプタクルは、インジケータLED520からの光をレセプタクルの遠位端525(すなわちレセプタクルが配置されているドラム240の内側)から移すライトパイプ515をも有している。ライトパイプ515は、存在する場合、ボトル230を支え、レセプタクルの近位端420(すなわちドラム240の外部表面)を通り越して延びる。
自由端535を有する板ばね510は、培養ボトル230の上部の肩
530を押し付けて培養ボトル230をタブ417に対して保持する。レセプタクル220は、レセプタクル220の遠位端525でボトル検出器536と隣接している。レセプタクル220の中のボトル230の遠位端はボトル検出器536によって検出される。ボトル検出器536は静止検出器基板540が担っている。
図20Bおよび
図20Cに示されているように、ばねはボトルホルダー220の中に埋め込まれている。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
レセプタクル220の頂部に取り付けられている板ばね510は、培養ボトル230がレセプタクル220の中に受け取られると、
図20Cに示されている位置から
図20Aに示されている位置へ湾曲する。板ばね510の自由端555がレセプタクル220の頂部と接触すると、ばね510はハードストップになって、培養ボトル230がレセプタクル220の中へさらに移動するのを防止する。挿入した後に培養ボトル230が解放されると、板ばね510は培養ボトル230をドラム240の外部表面から延びているレセプタクル220のタブ417に押し付ける。培養ボトル230は、手動またはロボットの使用のいずれかで、レセプタクル220の近位端420を介して培養ボトル230の底416を上に持ち上げることによってレセプタクル220から取り出される。
図
28Aは、
図20A~C
及び図28Bに示されているレセプタクルを有するドラム240を示したものである。板ばねを有するレセプタクル220は列として提供され、また、ドラム240は、列を一体に取り付けることによって形成される。結果として得られる構造は、行を一体化するための、円形の外部周囲および内部周囲を有する丸いドラム240(図
29)である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】