(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】マイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20221004BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01L33/48
H05K13/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020571449
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(85)【翻訳文提出日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2019091167
(87)【国際公開番号】W WO2020248201
(87)【国際公開日】2020-12-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ドン
(72)【発明者】
【氏名】グアンツァイ ユエン
(72)【発明者】
【氏名】ジージュン ルヴ
(72)【発明者】
【氏名】ハイシュー リー
(72)【発明者】
【氏名】ジーウェイ リアン
(72)【発明者】
【氏名】フイジュエン ワン
(72)【発明者】
【氏名】コー ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンフェン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】スワンウェイ マイ
【テーマコード(参考)】
5E353
5F142
【Fターム(参考)】
5E353BB08
5E353BC02
5E353EE88
5E353HH61
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5F142CB23
5F142CD02
5F142DB24
5F142FA32
5F142GA01
(57)【要約】
本開示は、マイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法及びシステムを開示し、マストランスファー方法は、複数のマイクロ発光ダイオードが形成された素子基板を提供するステップと、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて素子基板上のマイクロ発光ダイオード少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするステップと、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップと、を含み、第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、目標基板の1つのサブ画素に対応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロ発光ダイオードが形成された素子基板を提供するステップと、
第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするステップと、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップと、を含み、
前記第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、前記目標基板の1つのサブ画素に対応する、マイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法。
【請求項2】
1つの前記粘着構造は前記目標基板の1つのサブ画素に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板を切断して、第1トランスファー基板を得ることと、
前記第1トランスファー基板上に粘着材料層を形成することと、
1回のパターニングプロセスによって、前記粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成することと、を含む、請求項1に記載のマストランスファー方法。
【請求項3】
1つの前記粘着構造は、前記目標基板の1つのサブ画素に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板上に粘着材料層を形成することと、
1回のパターニングプロセスによって、前記粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成することと、
粘着構造が形成された第1トランスファー基板母板を切断して、アレイ状に配列された複数の粘着構造が形成された第1トランスファー基板を得ることと、を含む、請求項1に記載のマストランスファー方法。
【請求項4】
前記第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、前記第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多い、請求項1~3のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項5】
前記マイクロ発光ダイオードは、少なくとも1種の色のマイクロ発光ダイオードを含み、前記第1トランスファー基板は1つであり、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回ピックアップした第2トランスファー基板上にトランスファーする前記ステップは、
各色のマイクロ発光ダイオードに対して、前記第1トランスファー基板を用いて、前記素子基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを順次複数回ピックアップし、毎回ピックアップした前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項6】
前記マイクロ発光ダイオードは、少なくとも1種の色のマイクロ発光ダイオードを含み、1種の色は1つの前記第1トランスファー基板に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回ピックアップした第2トランスファー基板上にトランスファーする前記ステップは、
各色のマイクロ発光ダイオードに対して、前記色に対応する第1トランスファー基板を用いて、前記素子基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを順次複数回ピックアップし、毎回のピックアップの後に前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項7】
前記素子基板上のピックアップ対象の前記色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることは、
前記第1トランスファー基板と前記素子基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした前記第1トランスファー基板上の粘着構造を、前記素子基板上のピックアップ対象の前記色のマイクロ発光ダイオードに1対1で対応して粘着することと、
レーザ又は熱硬化プロセスによって、前記素子基板とピックアップ対象の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、前記第1トランスファー基板は粘着された前記色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることと、を含む、請求項5又は6に記載のマストランスファー方法。
【請求項8】
前記第2トランスファー基板は、前記第2トランスファー基板を覆う粘着膜層を含み、
毎回のピックアップの後に前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることは、
前記第1トランスファー基板と前記第2トランスファー基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを、前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域に1対1で対応して粘着することと、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離し、前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることと、を含む、請求項5~7のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項9】
前記粘着構造の材料は熱分解接着剤を含み、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、
ホットプレスプロセスによって、前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含む、請求項8に記載のマストランスファー方法。
【請求項10】
前記粘着構造の材料は光分解接着剤を含み、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、
レーザによって、前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含む、請求項8に記載のマストランスファー方法。
【請求項11】
前記第2トランスファー基板の寸法が、前記目標基板の寸法以上であり、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーする前記ステップは、
前記第2トランスファー基板と前記目標基板とを位置合わせすることと、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離し、前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを前記目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることと、を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項12】
前記目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含み、1つの前記第2トランスファー基板の寸法が、1つの前記目標領域の寸法とほぼ同じであり、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーする前記ステップは、
前記第2トランスファー基板と前記目標領域とを順次位置合わせし、位置合わせするごとに、前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離し、前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを前記目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のマストランスファー方法。
【請求項13】
第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は熱分解接着剤を含み、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離することは、
ホットプレスプロセスによって、前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含む、請求項11又は12に記載のマストランスファー方法。
【請求項14】
第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は光分解接着剤を含み、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離することは、
レーザによって、前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含む、請求項11又は12に記載のマストランスファー方法。
【請求項15】
前記目標基板は、予め形成されている第1電極と第2電極、及び前記第1電極と第2電極の前記目標基板から離間した側にそれぞれ位置する異方性導電性接着剤を含むサブ画素を複数含み、
前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離すると同時に、又は分離した後、
前記第2トランスファー基板と分離したマイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素中の異方性導電性接着剤に電気的に接続することをさらに含む、請求項13又は14に記載のマストランスファー方法。
【請求項16】
複数の粘着構造を有し、且つ前記複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするように構成される第1トランスファー基板と、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするように構成される第2トランスファー基板と、を備え、
前記第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、前記目標基板の1つのサブ画素に対応する、マイクロ発光ダイオードのマストランスファーシステム。
【請求項17】
前記第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、前記第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多い、請求項16に記載のマストランスファーシステム。
【請求項18】
前記第2トランスファー基板の寸法が、前記目標基板の寸法以上である、請求項16又は17に記載のマストランスファーシステム。
【請求項19】
前記目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含み、1つの前記第2トランスファー基板の寸法が、1つの前記目標領域の寸法とほぼ同じである、請求項16又は17に記載のマストランスファーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マストランスファー技術分野に関し、特にマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro LED)は、従来のLED構造を小型化・マトリックス化して、表示を行うものである。マイクロ発光ダイオード(Micro Light Emitting Diode、Micro LED)は、小寸法、高解像度、高輝度、高発光効率、低消費電力などの利点を有するので、表示分野の研究の重点となっている。
【発明の概要】
【0003】
本公開の実施例によるマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法は、
複数のマイクロ発光ダイオードが形成された素子基板を提供するステップと、
第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするステップと、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップと、を含み、
前記第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、前記目標基板の1つのサブ画素に対応する。
【0004】
本開示の実施例では、1つの前記粘着構造は前記目標基板の1つのサブ画素に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板を切断して、第1トランスファー基板を得ることと、
前記第1トランスファー基板上に粘着材料層を形成することと、
1回のパターニングプロセスによって、前記粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成することと、を含むようにしてもよい。
【0005】
本開示の実施例では、1つの前記粘着構造は、前記目標基板の1つのサブ画素に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板上に粘着材料層を形成することと、
1回のパターニングプロセスによって、前記粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成することと、
粘着構造が形成された第1トランスファー基板母板を切断して、アレイ状に配列された複数の粘着構造が形成された第1トランスファー基板を得ることと、を含むようにしてもよい。
【0006】
本開示の実施例では、前記第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、前記第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多いようにしてもよい。
【0007】
本開示の実施例では、前記マイクロ発光ダイオードは、少なくとも1種の色のマイクロ発光ダイオードを含み、前記第1トランスファー基板は1つであり、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーする前記ステップは、
各色のマイクロ発光ダイオードに対して、前記第1トランスファー基板を用いて、前記素子基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを順次複数回ピックアップし、毎回ピックアップした前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることを含むようにしてもよい。
【0008】
本開示の実施例では、前記マイクロ発光ダイオードは、少なくとも1種の色のマイクロ発光ダイオードを含み、1種の色は1つの前記第1トランスファー基板に対応し、
前記第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーする前記ステップは、
各色のマイクロ発光ダイオードに対して、前記色に対応する第1トランスファー基板を用いて、前記素子基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを順次複数回ピックアップし、毎回ピックアップした前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることを含むようにしてもよい。
【0009】
本開示の実施例では、前記素子基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることは、
前記第1トランスファー基板と前記素子基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした前記第1トランスファー基板上の粘着構造を、前記素子基板上のピックアップ対象の前記色のマイクロ発光ダイオードに1対1で対応して粘着することと、
レーザ又は熱硬化プロセスによって、前記素子基板とピックアップ対象の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、前記第1トランスファー基板は粘着された前記色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることと、を含むようにしてもよい。
【0010】
本開示の実施例では、前記第2トランスファー基板は、前記第2トランスファー基板を覆う粘着膜層を含み、
毎回ピックアップした前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることは、
前記第1トランスファー基板と前記第2トランスファー基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードを、前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域に1対1で対応して粘着することと、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離し、前記色のマイクロ発光ダイオードを前記第2トランスファー基板のうち前記色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることと、を含むようにしてもよい。
【0011】
本開示の実施例では、前記粘着構造の材料は熱分解接着剤を含み、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、
ホットプレスプロセスによって、前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含むようにしてもよい。
【0012】
本開示の実施例では、前記粘着構造の材料は光分解接着剤を含み、
前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、
レーザによって、前記第1トランスファー基板と前記第1トランスファー基板上の前記色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含むようにしてもよい。
【0013】
本開示の実施例では、前記第2トランスファー基板の寸法が、前記目標基板の寸法以上であり、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップは、
前記第2トランスファー基板と前記目標基板とを位置合わせすることと、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離し、前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを前記目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることと、を含むようにしてもよい。
【0014】
本開示の実施例では、前記目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含み、1つの前記第2トランスファー基板の寸法が、1つの前記目標領域の寸法とほぼ同じであり、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップは、
前記第2トランスファー基板と前記目標領域とを順次位置合わせし、位置合わせするごとに、前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離し、前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを前記目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることを含むようにしてもよい。
【0015】
本開示の実施例では、第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は熱分解接着剤を含み、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離することは、
ホットプレスプロセスによって、前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含むようにしてもよい。
【0016】
本開示の実施例では、第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は光分解接着剤を含み、
前記第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードを分離することは、
レーザによって、前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含むようにしてもよい。
【0017】
本開示の実施例では、前記目標基板は、予め形成されている第1電極と第2電極、及び前記第1電極と第2電極の前記目標基板から離間した側にそれぞれ位置する異方性導電性接着剤を含むサブ画素を複数含み、
前記第2トランスファー基板と前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離すると同時に、又は分離した後、
前記第2トランスファー基板と分離したマイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素中の異方性導電性接着剤に電気的に接続することをさらに含むようにしてもよい。
【0018】
本開示の実施例は、
複数の粘着構造を有し、且つ前記複数の粘着構造を用いて、前記素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするように構成される第1トランスファー基板と、
前記第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするように構成される前記第2トランスファー基板と、を備え、
前記第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、前記目標基板の1つのサブ画素に対応するマイクロ発光ダイオードのマストランスファーシステムをさらに提供する。
【0019】
本開示の実施例では、前記第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、前記第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多いようにしてもよい。
【0020】
本開示の実施例では、前記第2トランスファー基板の寸法が、前記目標基板の寸法以上であるようにしてもよい。
【0021】
本開示の実施例では、前記目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含み、1つの前記第2トランスファー基板の寸法が、1つの前記目標領域の寸法とほぼ同じである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施例によるマストランスファー方法のフローチャートである。
【
図2a】本開示の実施例による目標基板の上面構造模式図である。
【
図2b】
図2aに示す目標基板のAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【
図3a】本開示の実施例による素子基板の一例の上面構造模式図である。
【
図3b】本開示の実施例による別の素子基板の上面構造模式図である。
【
図3c】本開示の実施例による別の素子基板の上面構造模式図である。
【
図3d】
図3aに示す素子基板のAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【
図3e】
図3bに示す素子基板のAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【
図3f】
図3cに示す素子基板のAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【
図4】本開示の実施例による第1トランスファー基板の一例の上面構造模式図である。
【
図5】本開示の実施例による第2トランスファー基板の一例の上面構造模式図である。
【
図6a】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6b】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6c】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6d】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6e】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6f】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6g】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6h】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6i】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6j】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6k】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6l】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6m】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6n】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図6o】本開示の実施例によるマストランスファー方法の一例の各ステップの構造模式図である。
【
図7a】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7b】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7c】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7d】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7e】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7f】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図7g】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図8】本開示の実施例による別の第2トランスファー基板の上面構造模式図である。
【
図9a】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【
図9b】本開示の実施例による別のマストランスファー方法の各ステップの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明する実施例は本開示の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。さらに矛盾しない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴は互いに組み合わせることができる。当業者が説明する本開示の実施例に基づいて、創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は、本開示の特許範囲に属する。
【0024】
特に定義しない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、本開示の当業者が理解する通常の意味を有するべきである。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の用語は、いかなる順番、数量又は重要性も示されず、異なる構成部分を区別するために過ぎない。「含む」又は「備える」などのような表現は、この表現の前に記載の素子又は物品がこの表現の後に挙げられた素子又は物品及びその等同物をカバーするが、他の素子又は物品を排除しないことを意味する。「接続」又は「連結」などの用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接的かを問わず、電気的接続を含む。
【0025】
なお、図面の各図の寸法や形状は実際の尺度を反映するものではなく、本開示の内容を例示的に説明するために過ぎない。さらに、全文を通じて同じ又は類似の符号は同じ又は類似の構成部品又は同じ又は類似の機能を有する構成部品を示す。
【0026】
マイクロ発光ダイオードの製造手順として、まず、発光ダイオード構造を薄膜化、小型化、アレイ化し、この寸法をわずか1ミクロン~100ミクロン程度にした後、マイクロ発光ダイオードをバッチ式で回路基板上にトランスファーし、最後にパッケージする。ここで、バッチ式トランスファーの実現はこの手順のキーとなる難問であり、これに鑑み、マストランスファー(Mass Transfer)技術が開発された。マストランスファー技術とは、素子基板上に形成されたマイクロ発光ダイオードを、各マイクロ発光ダイオードが回路基板上の1つのサブ画素に対応するように、バッチ式で回路基板上にトランスファーする技術であり、マイクロ発光ダイオードの寸法が小さく、且つ回路基板上に何百万のサブ画素が必要とされるので、製造されたマイクロ発光ダイオードを効率よく低コストで選択的に回路基板にバッチ式でトランスファーすることは、現在、当業者にとって急務となる技術的課題である。
【0027】
以上に基づき、本開示の実施例は、トランスファー効率を向上させるマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法の一例を提供する。
【0028】
本開示の実施例によるマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法の一例は、
図1に示され、該マストランスファー方法はステップS101~S103を含んでもよい。
S101、複数のマイクロ発光ダイオードが形成された素子基板を提供する。
S102、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて、素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーする。
S103、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーし、ここで、第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、目標基板の1つのサブ画素に対応する。
【0029】
本開示の実施例によるマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法では、第1トランスファー基板に複数の粘着構造が設けられ、互いに独立したこれらの粘着構造によって素子基板上のマイクロ発光ダイオードがピックアップされ、ピックアップ後、第2トランスファー基板上にトランスファーされ、このように、素子基板上のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板上に選択的にトランスファーし、効率を向上させることができる。さらに、粘着構造を複数回繰り返して使用することもでき、それにより、第1トランスファー基板上の粘着構造によってマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップすることで、粘着構造が繰り返して用いられて素子基板上のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板上にトランスファーし、それにより、使用される第1トランスファー基板の数を低減させ、コストダウンを実現できる。また、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることによって、追加の複数回のトランスファーが不要になり、効率が向上し得る。
【0030】
一般には、目標基板は、表示パネルの形成に用いられて、表示パネルに表示機能を付与する。具体的な実施には、
図2a及び
図2bに示すように、目標基板100はアレイ状に配列された複数の画素ユニットPXを含み、各画素ユニットは複数のサブ画素を含んでもよい。さらに目標基板100中のサブ画素はアレイ状に配列される。一例として、
図2a及び
図2bに示すように、画素ユニットPXは、赤色サブ画素SPX-R、緑色サブ画素SPX-G及び青色サブ画素SPX-Bを含んでもよく、このように、目標基板100は、表示パネルに適用されると、赤色、緑色及び赤色の混色を通じてカラー表示を可能とする。又は、画素ユニットは、赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素及び白色サブ画素を含んでもよく、このように、目標基板は、表示パネルに適用されると、赤色、緑色、赤色及び白色の混色を通じてカラー表示を可能とする。もちろん、実際に適用する場合、画素ユニット中のサブ画素の色は実際の適用環境に応じて設計・決定することができ、ここで限定しない。
【0031】
一般には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)製造プロセスによってベース基板上に駆動回路が形成され、回路基板が形成される。このように、マイクロ発光ダイオードが回路基板のサブ画素内にトランスファーされた後、マイクロ発光ダイオードは駆動回路により発光駆動され得る。具体的な実施には、本開示の実施例では、目標基板は回路基板であってもよい。
図2bに示すように、各サブ画素は、予め形成された駆動回路150と、駆動回路150にそれぞれ電気的に接続された第1電極110及び第2電極120とを含んでもよい。マイクロ発光ダイオードの正極は第1電極110に電気的に接続され、マイクロ発光ダイオードの負極は第2電極120に電気的に接続されてもよく、それにより、駆動回路150は第1電極110と第2電極120を介して電気的に接続されたマイクロ発光ダイオードに電圧又は電流を入力し、マイクロ発光ダイオードを発光駆動する。
【0032】
一例として、ベース基板はガラス基板を含んでもよい。もちろん、実際に適用する場合、ベース基板は他のタイプの材料の基板であってもよく、これについては実際の適用環境に応じて設計・決定し、ここで限定しない。
【0033】
具体的な実施には、本開示の実施例では、素子基板上に形成された複数のマイクロ発光ダイオードはアレイ状に配列され、さらに素子基板中の1つのマイクロ発光ダイオードは目標基板の1つのサブ画素に対応するようにしてもよい。一例として、
図3d~
図3fに示すように、各マイクロ発光ダイオードは、正極221、負極222及び発光チップ本体223を有する。一例として、素子基板の寸法は目標基板の寸法よりも小さくてもよい。さらに、素子基板上に同一色のマイクロ発光ダイオードが形成されてもよい。
図3a及び
図3dに示すように、素子基板200-R上には、素子基板200-R上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが目標基板100のある領域内の赤色サブ画素SPX-Rに1対1で対応して設けられるように、アレイ状に配列された複数の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが形成されてもよい。
図3b及び
図3eに示すように、素子基板200-G上には、素子基板200-G上の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが目標基板100のある領域内の緑色サブ画素SPX-Gに1対1で対応して設けられるように、アレイ状に配列された複数の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが形成されてもよく、
図3c及び
図3fに示すように、素子基板200-Bには、素子基板200-B上の青色マイクロ発光ダイオードW-Bが目標基板100のある領域内の青色サブ画素SPX-Bに1対1で対応して設けられるように、アレイ状に配列された複数の青色マイクロ発光ダイオードW-Bが形成されてもよい。又は、素子基板には、アレイ状に配列された複数の色の異なるマイクロ発光ダイオードが形成されてもよく、ここで限定しない。
【0034】
さらに、具体的な実施には、本開示の実施例では、素子基板は、ウエハ、集熱材フィルム及びサファイア基板のうちの1種であってもよい。一例として、
図3a~
図3cに示すように、ウエハの形状は一般的に円形であり、各マイクロ発光ダイオードはウエハにアレイ状に配列されている。もちろん、実際に適用する場合、素子基板は他のタイプの材料の基板であってもよく、これについては実際の適用環境に応じて設計・決定し、ここで限定しない。
【0035】
具体的な実施には、
図3a~
図4に示すように、第1トランスファー基板300の形状は、矩形、たとえば長方形又は正方形とされてもよい。さらに、第1トランスファー基板300の寸法は、素子基板200の寸法よりも小さくてもよく、たとえば6inch、8inch又は12inchであってもよい。また、第1トランスファー基板300の寸法は素子基板200の寸法よりも大きくてもよい。本開示の実施例では、
図4に示すように、第1トランスファー基板300には、アレイ状に配列された複数の粘着構造310が形成されてもよい。さらに、1つの粘着構造310は目標基板100の1つのサブ画素に対応する。一例として、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板を切断して、第1トランスファー基板を得るステップと、
第1トランスファー基板上に粘着材料層を形成するステップと、
1回のパターニングプロセスによって、粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成するステップとを含んでもよい。このように、パターン化の各粘着構造310が1回のパターニングプロセスによって形成され、それにより、製造プロセスを簡素化させ、生産コストを削減させ、生産効率を向上させる。
【0036】
また、まず、第1トランスファー基板母板をパターン化し、次に切断して第1トランスファー基板を形成してもよく、このような場合、各第1トランスファー基板上の粘着構造の厚さ及び間隔がより均一になる。具体的な実施には、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を形成することは、
第1トランスファー基板母板上に粘着材料層を形成するステップと、
1回のパターニングプロセスによって、粘着材料層をパターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造を形成するステップと、
粘着構造が形成された第1トランスファー基板母板を切断して、アレイ状に配列された複数の粘着構造が形成された第1トランスファー基板を得るステップとを含んでもよい。このような場合、パターン化された各粘着構造310が1回のパターニングプロセスによって形成され、それにより、製造プロセスを簡素化させ、生産コストを削減させ、生産効率を向上させる。
【0037】
一例として、具体的な実施には、本開示の実施例では、パターニングプロセスは、リソグラフィープロセス及びエッチングステップを含んでもよい、ここで、リソグラフィープロセスとは、露光、現像などのプロセス過程を含む、フォトレジスト、マスク、露光機などを用いてパターンを形成するプロセスを指す。具体的な実施には、本開示で形成される構造に応じて、対応するパターニングプロセスを選択することができる。もちろん、粘着構造は、印刷プロセスなど他のプロセスで形成されてもよく、ここで限定しない。
【0038】
具体的な実施には、
図4に示すように、粘着構造310の寸法は1つのマイクロ発光ダイオードの寸法以下としてもよい。一例として、粘着構造310の寸法は1つのマイクロ発光ダイオードの寸法に等しい。たとえば、粘着構造310の第1トランスファー基板300での正投影が、マイクロ発光ダイオードの第1トランスファー基板300での正投影と重なる。
【0039】
又は、具体的な実施には、粘着構造310の寸法は1つのマイクロ発光ダイオードの寸法よりも大きくてもよく、さらに、
図4及び
図3aに示すように、第1方向F1及び第2方向F2のうちの少なくとも1つの方向において、粘着構造310の幅が、マイクロ発光ダイオードの幅と素子の隙間との和よりも小さくてもよい。一例として、第1方向F1において、粘着構造310の幅C1が、マイクロ発光ダイオードの幅D01と隣接する2つのマイクロ発光ダイオードの間の隙間D1との和よりも小さく、つまり、C1<D01+D1である。第2方向F2において、粘着構造310の幅C2が、マイクロ発光ダイオードの幅D02と隣接する2つのマイクロ発光ダイオードの間の隙間D2との和よりも小さく、つまり、C2<D02+D2である。
【0040】
具体的な実施には、
図4に示すように、粘着構造310の形状は、長方形、正方形などの形状を含んでもよい。もちろん、実際に適用する場合、粘着構造310の形状は他の形状としてもよく、ここで限定しない。
【0041】
具体的な実施には、
図5に示すように、第2トランスファー基板400は、第2トランスファー基板を覆う粘着膜層410をさらに含んでもよい。該粘着膜層410は、異なる色に対応するマイクロ発光ダイオード領域を有する。さらに、1つのマイクロ発光ダイオード領域は目標基板100の1つのサブ画素に対応する。一例として、該粘着膜層410は、赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R、緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-G、青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bを有する。ここでは、マイクロ発光ダイオード領域S-Rは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Rに対応し、マイクロ発光ダイオード領域S-Gは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Gに対応し、マイクロ発光ダイオード領域S-Bは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Bに対応する。
【0042】
具体的な実施には、本開示の実施例では、第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多いようにしてもよい。それによって、第2トランスファー基板から目標基板へのトランスファーの回数を減らし、効率をさらに向上させることができる。一例として、
図4及び
図5に示すように、第2トランスファー基板上に載置させ得るマイクロ発光ダイオードの数を第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多くするために、第2トランスファー基板の寸法は第1トランスファー基板の寸法よりも大きい。もちろん、実際に適用する場合、第2トランスファー基板の寸法は第1トランスファー基板の寸法の整数倍、たとえば1倍、2倍などであってもよく、これについては実際の適用環境に応じて設計・決定し、ここで限定しない。
【0043】
一例として、第1トランスファー基板にはガラス基板が含まれ得る。もちろん、実際に適用する場合、第1トランスファー基板は他のタイプの材料の基板を用いてもよく、ここで限定しない。
【0044】
一例として、第2トランスファー基板にはガラス基板や集熱材フィルムが含まれ得る。もちろん、実際に適用する場合、第2トランスファー基板は、他のタイプの材料の基板を用いてもよく、ここで限定しない。
【0045】
具体的な実施には、素子基板は、複数あってもよく、たとえば、赤色発光ダイオードW-Rが形成された少なくとも1つの素子基板200-R、緑色発光ダイオードW-Gが形成された少なくとも1つの素子基板200-G、及び青色発光ダイオードW-Bが形成された少なくとも1つの素子基板200-Bを有する。このように、目標基板上のマイクロ発光ダイオードは、異なる色の複数のマイクロ発光ダイオードを含むことができる。もちろん、実際に適用する場合、使用される素子基板200-R、素子基板200-G、素子基板200-Bの数は、実際の適用環境に応じて設計・決定することができ、ここで限定しない。
【0046】
具体的な実施には、本開示の実施例では、第1トランスファー基板は1つ設けられてもよく、このような場合、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするステップは、各色のマイクロ発光ダイオードに対して、第1トランスファー基板を用いて、素子基板上の該色のマイクロ発光ダイオードを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした該色のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板のうち該色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることを含んでもよい。一例として、赤色マイクロ発光ダイオードW-Rに対して、第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いて、素子基板200-R上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rにトランスファーし、それにより、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rのすべてに赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが設けられるようになる。
【0047】
具体的な実施には、本開示の実施例では、素子基板上の該色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることは、
第1トランスファー基板と素子基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした第1トランスファー基板上の粘着構造を、素子基板上のピックアップ対象の該色のマイクロ発光ダイオードに1対1で対応して粘着することと、
レーザによって、素子基板とピックアップ対象の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、第1トランスファー基板は粘着された該色のマイクロ発光ダイオードをピックアップするか、又は、熱硬化プロセスによって、素子基板とピックアップ対象の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、第1トランスファー基板は粘着された該色のマイクロ発光ダイオードをピックアップすることを含んでもよい。
【0048】
具体的な実施には、本開示の実施例では、毎回ピックアップした該色のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板のうち色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることは、
第1トランスファー基板と第2トランスファー基板とを位置合わせすることと、
位置合わせした第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードを、第2トランスファー基板のうち色に対応するマイクロ発光ダイオード領域に1対1で対応して粘着することと、
第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、該色のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板のうち色に対応するマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーすることと、を含んでもよい。
【0049】
具体的な実施には、粘着構造の材料は熱分解接着剤を含んでもよい。本開示の実施例では、第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、ホットプレスプロセスによって、第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含んでもよい。このように、ホットプレスプロセスによって、熱分解接着剤が加熱されて粘着性を失い、それによって、第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードを分離することが可能になる一方、第1トランスファー基板と分離した該色のマイクロ発光ダイオードは、圧力の作用により第2トランスファー基板のうち該色に対応するマイクロ発光ダイオード領域に固定される。
【0050】
具体的な実施には、粘着構造の材料は光分解接着剤を含んでもよい。本開示の実施例では、第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することは、レーザによって、第1トランスファー基板と第1トランスファー基板上の該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することを含んでもよい。このように、レーザによって、第1トランスファー基板を照射することで、光分解接着剤は光照射を受けて粘着性を失い、それによって、第1トランスファー基板とピックアップの該色のマイクロ発光ダイオードとを分離することが可能になる。
【0051】
具体的な実施には、第2トランスファー基板の寸法は目標基板の寸法以上としてもよい。一例として、第2トランスファー基板400の寸法は目標基板100の寸法よりも大きい。又は、
図2a及び
図5に示すように、第2トランスファー基板400の寸法は目標基板100の寸法にほぼ等しくてもよい。なお、実際のプロセスにおいて、プロセス条件による制限や他の要因による影響のため、多少のずれがあるかもしれない。したがって、本開示の実施例では、「等しい」及び「同じ」とは、誤差により許容される範囲と合致する「等しい」及び「同じ」を意味し、又は上記条件を実質的に満たせばよく、いずれの場合も本開示の特許範囲に属する。
【0052】
具体的な実施には、本開示の実施例では、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップは、
第2トランスファー基板と目標基板とを位置合わせすることと、
第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上のマイクロ発光ダイオードとを分離することで、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることとを含んでもよい。
【0053】
具体的な実施には、第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は光分解接着剤を含んでもよい。本開示の実施例では、第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードとを分離することは、レーザによって、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含んでもよい。このように、レーザによって照射することによって、光分解接着剤は粘着性を失い、それによって、第2トランスファー基板とピックアップしたマイクロ発光ダイオードとを分離し、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることが可能になる。
【0054】
具体的な実施には、第2トランスファー基板上の粘着膜層の材料は熱分解接着剤を含んでもよい。本開示の実施例では、第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードとを分離することは、ホットプレスプロセスによって、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離することを含んでもよい。このように、ホットプレスプロセスによって、第2トランスファー基板とピックアップのマイクロ発光ダイオードとを分離する一方、マイクロ発光ダイオードと目標基板との粘着をより強固にする。
【0055】
具体的な実施には、
図2bに示すように、目標基板は、第1電極110及び第2電極120の目標基板100から離間した側にそれぞれ位置する異方性導電性接着剤130をさらに含んでもよい。本開示の実施例では、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離すると同時に又は分離した後、第2トランスファー基板と分離したマイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素中の異方性導電性接着剤に電気的に接続することをさらに含んでもよい。一例として、熱硬化プロセスによって、第2トランスファー基板と分離したマイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素中の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。なお、異方性導電性接着剤130は関連技術と実質的に同じであってもよいので、ここで詳しく説明しない。
【0056】
具体的な実施には、異方性導電性接着剤は、接着剤材料と、該接着剤材料に均一に分散された金属材料とを含んでもよい。ここで、該金属材料はSn球やAuなどを含んでもよい。一例として、
図2bに示すように、目標基板の第1電極110及び第2電極120上に異方性導電性接着剤130を形成することは、まず、Sn球を接着剤材料に均一に分散させることと、次に、Sn球を分散させた接着剤材料を目標基板の第1電極110及び第2電極120上に塗布して、一層の導電性接着剤層を形成することと、パターニングプロセスによって、この導電性接着剤層をパターン化し、第1電極110及び第2電極120の目標基板100から離間した側にそれぞれ位置する異方性導電性接着剤130を形成することとを含む。ここで、パターニングプロセスは、リソグラフィープロセス及びエッチングプロセスを含んでもよい。
【0057】
なお、異方性導電性接着剤は粘着性と導電性を兼ね備えるものであり、長時間放置すると粘着性が低下する恐れがある。したがって、第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数以下である場合、目標基板へのマイクロ発光ダイオードのトランスファー回数が多くなり、トランスファーにかかる時間が長くなり、つまり、マイクロ発光ダイオードのすべてが短時間内で目標基板上にトランスファーされにくくなり、異方性導電性接着剤の性能が劣化する。本開示の実施例では、第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多いこと、及び第2トランスファー基板の寸法が目標基板の寸法以上であり、且つ第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオード領域が目標基板上の1つのサブ画素に対応することによって、第2トランスファー基板上のマイクロ発光ダイオードは1回のトランスファーだけで目標基板にトランスファーすることができ、このようにして、トランスファー時間が低減し、異方性導電性接着剤の性能安定性が確保され、表示パネルに適用する場合の目標基板の安定性が向上する。
【0058】
以下、実施例においてマストランスファー方法の過程を例示するが、具体的な過程はそれに制限されないことが明らかなことである。
【0059】
本開示の実施例によるマストランスファー方法は、以下のステップ(1)~(9)を含んでもよい。
【0060】
ステップ(1)
図6a及び
図6bに示すように、熱分解接着剤を用いて第1トランスファー基板母板30上に粘着材料層を形成し、次に、リソグラフィープロセス及びエッチングプロセスによって、該粘着材料層を順次パターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造310を形成する。
図6aは上面構造模式図であり、
図6bは
図6aのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0061】
ステップ(2)
図4及び
図6cに示すように、切断線31に沿って第1トランスファー基板母板30を切断して、アレイ状に配列された複数の粘着構造310が形成された第1トランスファー基板300を得る。
図6cは
図4のAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0062】
ステップ(3)
図3a~
図3fに示すように、アレイ状に配列された複数の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが形成されたウエハ200-R、アレイ状に配列された複数の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが形成されたウエハ200-G、及びアレイ状に配列された複数の青色マイクロ発光ダイオードW-Bが形成されたウエハ200-Bを提供する。
【0063】
ステップ(4)第1トランスファー基板300とウエハ200-Rを位置合わせし、
図4、
図3a、
図6d及び
図6eに示すように、第1トランスファー基板300の形状は、矩形、たとえば長方形又は正方形とされてもよい。このようにして、第1トランスファー基板300の四隅に第1トランスファー位置合わせマーク320が設けられてもよい。さらに、ウエハ200-Rにも素子位置合わせマーク210が形成される。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と素子位置合わせマーク210を制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300上の粘着構造310がウエハ200-R上のピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rに1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300上の粘着構造310を、ウエハ200-R上のピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rに1対1で対応して粘着し、それにより、粘着構造310にピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを粘着させる。
図6dは上面構造模式図であり、
図6eは
図6dのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0064】
ステップ(5)熱硬化プロセスによって、ウエハ200-Rとピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを分離する一方、粘着構造310とピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとの粘着をより強固にする。それによって、
図6f及び
図6gに示すように、第1トランスファー基板300は、粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをピックアップする。
図6fには、ウエハ200-Rの点線部分は、第1トランスファー基板300によってピックアップされた赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを表わす。
図6fは上面構造模式図であり、
図6gは
図6fのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0065】
ステップ(6)第1トランスファー基板300と第2トランスファー基板400とを位置合わせし、
図4、
図5、
図6f~
図6iに示すように、第2トランスファー基板400の形状は、たとえば長方形としてもよく、且つ目標基板の寸法と同じである。このようにして、第2トランスファー基板400の四隅に第2トランスファー位置合わせマーク420が設けられてもよい。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と第2トランスファー位置合わせマーク420を制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300に粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R内の粘着膜層に1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300に粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R内の粘着膜層に1対1で対応して粘着し、それにより、粘着膜層410に赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを粘着させる。
図6hは上面構造模式図であり、
図6iは図hのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0066】
ステップ(7)ホットプレスプロセスによって、第1トランスファー基板300と第1トランスファー基板300上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを分離する一方、粘着膜層420と赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとの粘着をより強固にする。それによって、第2トランスファー基板400は粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをピックアップする。
図6j及び
図6kに示すように、第1トランスファー基板300が一回目にピックアップした赤色マイクロ発光ダイオードW-Rは第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rにトランスファーされる。
図6jは上面構造模式図であり、
図6kは
図6jのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0067】
次に、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rに赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをそれぞれ粘着させる。
図6lは上面構造模式図であり、
図6mは
図6lのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0068】
次に、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いてウエハ200-G上の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gのすべてに緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが設けられるようになる。
【0069】
次に、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いてウエハ200-B上の青色マイクロ発光ダイオードW-Bを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした青色マイクロ発光ダイオードW-Bを、第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bのすべてに青色マイクロ発光ダイオードW-Bが設けられるようになる。
【0070】
ステップ(8)第2トランスファー基板400と目標基板100とを位置合わせする。
図2a、
図2b、
図6l~
図6oに示すように、目標基板100の四隅に目標位置合わせマーク140が設けられている。このようにして、第2トランスファー位置合わせマーク420と目標位置合わせマーク140とを制御して位置合わせさせ、第2トランスファー基板400に粘着された各赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、それぞれ目標基板100上の赤色サブ画素SPX-Rに1対1で対応して位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが、それぞれ目標基板100上の緑色サブ画素SPX-Gに1対1で対応して位置合わせし、そして、第2トランスファー基板400に粘着された各青色マイクロ発光ダイオードW-Bが、それぞれ目標基板100上の青色サブ画素SPX-Bに1対1で対応して位置合わせするようにする。
図6nは上面構造模式図であり、
図6oは
図6nのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0071】
ステップ(9)
図6n及び
図6oに示すように、レーザによって第2トランスファー基板を照射し、光分解接着剤で形成される粘着膜層410に粘着性を失わせ、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離する。次に、熱硬化プロセスによって、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーし、そして、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。ここで、各マイクロ発光ダイオードの正極221は異方性導電性接着剤130を介して第1電極110に電気的に接続され、各マイクロ発光ダイオードの負極222は異方性導電性接着剤130を介して第2電極120に電気的に接続され得る。
【0072】
本開示の実施例による別のマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法では、上記実施例の実施形態について変形を行う。以下、本実施例と上記実施例との相違点だけを説明し、その相同点については、ここで詳しく説明しない。
【0073】
ステップ(1)
図6a及び
図6bに示すように、光分解接着剤を用いて第1トランスファー基板母板30上に粘着材料層を形成し、次に、リソグラフィープロセス及びエッチングプロセスによって、該粘着材料層を順次パターン化し、アレイ状に配列された複数の粘着構造310を形成する。
【0074】
ステップ(2)~(6)は、上記実施例のステップ(2)~(6)とほぼ同じであってもよく、ここで詳しく説明しない。
【0075】
ステップ(7)レーザ照射によって第1トランスファー基板300と第1トランスファー基板300上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを分離し、次に、熱硬化プロセスによって粘着膜層420と赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとの粘着をより強固にする。それによって、第2トランスファー基板400は、粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをピックアップする。
図6j及び
図6kに示すように、第1トランスファー基板300が一回目にピックアップした赤色マイクロ発光ダイオードW-Rは第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rにトランスファーされる。
【0076】
次に、
図6l及び
図6nに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rに赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをそれぞれ粘着させる。
【0077】
次に、
図6l及び
図6nに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いて、ウエハ200-G上の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gのすべてに緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが設けられるようになる。
【0078】
次に、
図6l及び
図6nに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いて、ウエハ200-B上の青色マイクロ発光ダイオードW-Bを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした青色マイクロ発光ダイオードW-Bを、第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bのすべてに青色マイクロ発光ダイオードW-Bが設けられるようになる。
【0079】
ステップ(8)第2トランスファー基板400と目標基板100とを位置合わせする。
図2a、
図2b、
図6l~
図6oに示すように、目標基板100の四隅に目標位置合わせマーク140が設けられている。このようにして、第2トランスファー位置合わせマーク420と目標位置合わせマーク140を制御して位置合わせさせ、第2トランスファー基板400に粘着された各赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、それぞれ目標基板100上の赤色サブ画素SPX-Rに1対1で対応して位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが、それぞれ目標基板100上の緑色サブ画素SPX-Gに1対1で対応して位置合わせし、そして、第2トランスファー基板400に粘着された各青色マイクロ発光ダイオードW-Bが、それぞれ目標基板100上の青色サブ画素SPX-Bに1対1で対応して位置合わせするようにする。
【0080】
ステップ(9)
図6n及び
図6oに示すように、ホットプレスプロセスによって、熱分解接着剤で形成される粘着膜層410に粘着性を失わせ、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離する一方、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を、対応サブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続し、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーする。
【0081】
本開示の実施例による別のマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法では、上記実施例の実施形態について変形を行う。本実施例と上記実施例との相違点だけを説明し、その相同点については、ここで詳しく説明しない。
【0082】
具体的な実施には、本開示の実施例では、1種の色のマイクロ発光ダイオードが1つの第1トランスファー基板に対応するようにしてもよい。一例として、赤色のマイクロ発光ダイオードは一番目の第1トランスファー基板300-Rに対応し、緑色のマイクロ発光ダイオードは二番目の第1トランスファー基板300-Gに対応し、青色のマイクロ発光ダイオードは三番目の第1トランスファー基板300-Bに対応する。
【0083】
具体的な実施には、本開示の実施例では、第1トランスファー基板上の複数の粘着構造を用いて素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板上にトランスファーするステップは、各色のマイクロ発光ダイオードに対して、対応する色の第1トランスファー基板を用いて素子基板上の色のマイクロ発光ダイオードを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした色のマイクロ発光ダイオードを、第2トランスファー基板のうち対応する色のマイクロ発光ダイオード領域にトランスファーする。一例として、赤色のマイクロ発光ダイオードW-Rに対しては、赤色に対応する一番目の第1トランスファー基板300上の粘着構造310を用いて、素子基板200-R上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rのすべてに赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが設けられるようになる。
【0084】
以下、実施例にてマストランスファー方法の過程を例示するが、具体的な過程はそれに制限されないことが明らかなことである。
【0085】
本開示の実施例によるマストランスファー方法は、上記実施例のステップ(1)~(3)及びステップ(8)~(9)を含むことに加え、下記ステップ(4)~(11)を含んでもよい。
【0086】
ステップ(4)赤色に対応する一番目の第1トランスファー基板300-Rとウエハ200-Rとを位置合わせし、
図4、
図3a及び
図7aに示すように、第1トランスファー基板300-Rの形状は、矩形、たとえば長方形又は正方形とされてもよい。このようにして、第1トランスファー基板300-Rの四隅に第1トランスファー位置合わせマーク320が設けられてもよい。さらに、ウエハ200-Rにも素子位置合わせマーク210が形成される。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と素子位置合わせマーク210を制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300-R上の粘着構造310が、ウエハ200-R上のピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rに1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300-R上の粘着構造310とウエハ200-R上のピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを1対1で対応して粘着し、それにより、粘着構造310にピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを粘着させる。
【0087】
ステップ(5)熱硬化プロセスによって、ウエハ200-Rとピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを分離する一方、粘着構造310とピックアップ対象の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとの粘着をより強固にする。それによって、
図7bに示すように、第1トランスファー基板300-Rは、粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをピックアップする。
図7bには、ウエハ200-Rの点線部分は第1トランスファー基板300-Rによってピックアップされた赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを表す。
【0088】
ステップ(6)第1トランスファー基板300-Rと第2トランスファー基板400とを位置合わせし、
図4、
図5、
図7b及び
図7cに示すように、第2トランスファー基板400の形状は、たとえば長方形としてもよく、且つ目標基板の寸法と同じである。このようにして、第2トランスファー基板400の四隅に第2トランスファー位置合わせマーク420が設けられてもよい。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と第2トランスファー位置合わせマーク420とを制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300-Rに粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R内の粘着膜層に1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300-Rに粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R内の粘着膜層に1対1で対応して粘着し、それにより、粘着膜層410に赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを粘着させる。
【0089】
ステップ(7)ホットプレスプロセスによって、第1トランスファー基板300-Rと第1トランスファー基板300-R上の赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとを分離する一方、粘着膜層420と赤色マイクロ発光ダイオードW-Rとの粘着をより強固にする。それによって、第2トランスファー基板400は、粘着された赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをピックアップする。それによって、
図6j及び
図6kに示すように、第1トランスファー基板300-Rが一回目にピックアップした赤色マイクロ発光ダイオードW-Rを第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rにトランスファーする。
【0090】
次に、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(4)~(7)の過程を繰り返して、第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rに赤色マイクロ発光ダイオードW-Rをそれぞれ粘着させる。
【0091】
ステップ(8)緑色に対応する二番目の第1トランスファー基板300-Gとウエハ200-Gとを位置合わせし、
図4、
図3b及び
図7dに示すように、第1トランスファー基板300-Gの形状は、矩形、たとえば長方形又は正方形とされてもよい。このようにして、第1トランスファー基板300-Gの四隅に第1トランスファー位置合わせマーク320が設けられてもよい。さらに、ウエハ200-Gにも素子位置合わせマーク210が形成される。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と素子位置合わせマーク210を制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300-G上の粘着構造310がウエハ200-G上のピックアップ対象の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gに1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300-G上の粘着構造310を、ウエハ200-G上のピックアップ対象の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gに1対1で対応して粘着し、それにより、粘着構造310にピックアップ対象の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを粘着させる。
【0092】
ステップ(9)熱硬化プロセスによって、ウエハ200-Gとピックアップ対象の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gとを分離する一方、粘着構造310とピックアップ対象の緑色マイクロ発光ダイオードW-Gとの粘着をより強固にする。それによって、
図7eに示すように、第1トランスファー基板300-Gは、粘着された緑色マイクロ発光ダイオードW-Gをピックアップする。
図7eには、ウエハ200-Gの点線部分は、第1トランスファー基板300-Rによってピックアップされた緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを表す。
【0093】
ステップ(10)第1トランスファー基板300-Gと第2トランスファー基板400とを位置合わせし、
図4、
図5、
図7e及び
図7fに示すように、第2トランスファー基板400の形状は、たとえば長方形としてもよく、且つ目標基板の寸法と同じである。このようにして、第2トランスファー基板400四隅に第2トランスファー位置合わせマーク420が設けられてもよい。このように、第1トランスファー位置合わせマーク320と第2トランスファー位置合わせマーク420を制御して位置合わせさせ、第1トランスファー基板300-Gに粘着された緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-G内の粘着膜層に1対1で対応して位置合わせするようにする。次に、位置合わせした第1トランスファー基板300-Gに粘着された緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-G内の粘着膜層に1対1で対応して粘着し、それにより、粘着膜層410に緑色マイクロ発光ダイオードW-Gを粘着させる。
【0094】
ステップ(11)ホットプレスプロセスによって、第1トランスファー基板300-Gとピックアップの緑色マイクロ発光ダイオードW-Gとを分離する一方、粘着膜層420と緑色マイクロ発光ダイオードW-Gとの粘着をより強固にする。それによって、第2トランスファー基板400は、粘着された緑色マイクロ発光ダイオードW-Gをピックアップする。
図6l及び
図6mに示すように、第1トランスファー基板300-Gが一回目にピックアップした緑色マイクロ発光ダイオードW-Gは第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gにトランスファーされる。
【0095】
次に、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(8)~(11)の過程を繰り返して、第2トランスファー基板400のうち緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gに緑色マイクロ発光ダイオードW-Gをそれぞれ粘着させる。
【0096】
同様に、青色の場合、
図6l及び
図6mに示すように、上記ステップ(4)~(11)の過程を参照して、青色に対応する三番目の第1トランスファー基板300-B上の粘着構造310を用いてウエハ200-B上の青色マイクロ発光ダイオードW-Bを複数回ピックアップし、毎回ピックアップした青色マイクロ発光ダイオードW-Bを第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bにトランスファーし、それによって、第2トランスファー基板400のうち青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bのすべてに青色マイクロ発光ダイオードW-Bが設けられることになる。
【0097】
なお、本実施例の各ステップの断面構造模式図については上記実施例の断面構造模式図を参照することができ、詳細についてここで詳しく説明しない。
【0098】
本開示の実施例による別のマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法では、上記実施例の実施形態について変形を行う。本実施例と上記実施例との相違点だけを説明し、その相同点については、ここで詳しく説明しない。
【0099】
具体的な実施には、目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含んでもよい。1つの第2トランスファー基板の寸法は1つの目標領域の寸法とほぼ同じである。一例として、目標基板は、同じ寸法の2つの目標領域を含む。又は、目標基板は、同じ寸法の3つの目標領域を含む。又は、目標基板は、同じ寸法の4つの目標領域を含む。もちろん、実際に適用する場合、目標基板に含まれる目標領域の数が、実際の適用環境に応じて設計・決定することができる。このようにして、第2トランスファー基板から目標基板へのトランスファーのトランスファー時間を減らし、異方性導電性接着剤の性能安定性を確保し、表示パネルに適応する場合の目標基板の安定性を向上させることができる。
【0100】
具体的な実施には、目標基板に含まれる目標領域は目標基板にアレイ状に配列されてもよい。又は、目標基板に含まれる目標領域は、第1方向F1において目標基板に配列される。又は、目標基板に含まれる目標領域は、第2方向F2において目標基板に配列される。
【0101】
一例として、具体的な実施には、
図2a及び
図8に示すように、目標基板100は、同じ寸法の4つの目標領域Y1、Y2、Y3、Y4を含んでもよく、第2トランスファー基板400の寸法は目標領域Y1の寸法とほぼ同じである。
【0102】
具体的な実施には、本開示の実施例では、第2トランスファー基板400は、第2トランスファー基板を覆う粘着膜層410をさらに含んでもよい。該粘着膜層410は、異なる色に対応するマイクロ発光ダイオード領域を有する。さらに、1つのマイクロ発光ダイオード領域は目標基板100の1つのサブ画素に対応する。一例として、該粘着膜層410は、赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-R、緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-G、青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bを有する。ここで、マイクロ発光ダイオード領域S-Rは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Rに対応し、マイクロ発光ダイオード領域S-Gは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Gに対応し、マイクロ発光ダイオード領域S-Bは目標基板100の赤色サブ画素SPX-Bに対応する。
【0103】
具体的な実施には、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするステップは、
第2トランスファー基板と目標領域とを順次位置合わせし、位置合わせするごとに、第2トランスファー基板とマイクロ発光ダイオードとを分離し、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることを含んでもよい。
【0104】
以下、実施例にてマストランスファー方法の過程を例示するが、具体的な過程はそれに制限されないことが明らかなことである。
【0105】
本開示の実施例によるマストランスファー方法では、主に上記ステップ(8)~(9)の実施形態について変形を行う。以下、主として上記ステップ(8)~(9)の具体的な実施形態を説明し、残りの同じステップについてここで詳しく説明しない。
図6a~
図6lに対応する実施例、又は上記
図7a~
図7gに対応する実施例によって、
図9aに示す第2トランスファー基板400が得られ、該第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rのすべてには、それぞれ赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが粘着され、緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gのすべてには、緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが設けられ、青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bのすべてには、青色マイクロ発光ダイオードW-Bが設けられる。
【0106】
ステップ(8)第2トランスファー基板400と目標基板100のうちの目標領域Y1とを位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、それぞれ目標領域Y1内の赤色サブ画素SPX-Rに1対1で対応して位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが、それぞれ目標領域Y1内の緑色サブ画素SPX-Gに1対1で対応して位置合わせし、そして、第2トランスファー基板400に粘着された各青色マイクロ発光ダイオードW-Bが、それぞれ目標領域Y1内の青色サブ画素SPX-Bに1対1で対応して位置合わせするようにする。
【0107】
ステップ(9)
図9b及び
図6oに示すように、レーザによって第2トランスファー基板を照射することで、光分解接着剤に粘着性を失わせ、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離する。次に、熱硬化プロセスによって、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを目標領域Y1のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするとともに、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。
図9bは上面構造模式図であり、
図6oは
図9bのAA’方向に沿う断面構造模式図である。
【0108】
ステップ(10)次に、
図6a~
図6lに対応する実施例、又は上記
図7a~
図7gに対応する実施例によって、
図9aに示す第2トランスファー基板400が得られ、該第2トランスファー基板400のうち赤色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Rのすべてには、それぞれ赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが粘着され、緑色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Gのすべてには、緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが設けられ、青色に対応するマイクロ発光ダイオード領域S-Bのすべてには、青色マイクロ発光ダイオードW-Bが設けられる。
【0109】
ステップ(11)第2トランスファー基板400と目標基板100の目標領域Y2とを位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各赤色マイクロ発光ダイオードW-Rが、それぞれ目標領域Y2内の赤色サブ画素SPX-Rに1対1で対応して位置合わせし、第2トランスファー基板400に粘着された各緑色マイクロ発光ダイオードW-Gが、それぞれ目標領域Y2内の緑色サブ画素SPX-Gに1対1で対応して位置合わせし、そして、第2トランスファー基板400に粘着された各青色マイクロ発光ダイオードW-Bが、それぞれ目標領域Y2内の青色サブ画素SPX-Bに1対1で対応して位置合わせするようにする。
【0110】
ステップ(12)
図9b及び
図6oに示すように、レーザによって第2トランスファー基板を照射することで、光分解接着剤に粘着性を失わせ、第2トランスファー基板と第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードとを分離する。次に、熱硬化プロセスによって、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標領域Y2内の対応するサブ画素内に一括してトランスファーし、そして、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を、対応するサブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。
【0111】
次に、本実施例のステップ(10)~(12)を繰り返して、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標領域Y3内の対応するサブ画素内に一括してトランスファーし、そして、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を対応するサブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。
【0112】
次に、本実施例のステップ(10)~(12)を繰り返して、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標領域Y4内の対応するサブ画素内に一括してトランスファーし、そして、圧力の作用により、各マイクロ発光ダイオードの電極を対応するサブ画素内の異方性導電性接着剤に電気的に接続する。
【0113】
なお、本実施例では、各ステップの断面構造模式図については上記実施例の断面構造模式図を参照することができ、その詳細についてここで詳しく説明しない。
【0114】
同じ発明構造に基づいて、本開示の実施例は、マイクロ発光ダイオードのマストランスファーシステムをさらに提供し、
図4、
図5及び
図8に示すように、このシステムは、
複数の粘着構造310を有し、且つ複数の粘着構造310を用いて、素子基板上のマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップし、毎回のピックアップの後に第2トランスファー基板400上にトランスファーするように構成される第1トランスファー基板300と、
第2トランスファー基板400上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーするように構成される第2トランスファー基板400と、を備え、第2トランスファー基板上の1つのマイクロ発光ダイオードは、目標基板の1つのサブ画素に対応する。
【0115】
具体的な実施には、第2トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数が、第1トランスファー基板上に載置されたマイクロ発光ダイオードの数よりも多い。
【0116】
具体的な実施には、第2トランスファー基板の寸法は目標基板の寸法以上としてもよい。一例として、第2トランスファー基板400の寸法は目標基板100の寸法よりも大きい。又は、
図2a及び
図5に示すように、第2トランスファー基板400の寸法は目標基板100の寸法にほぼ等しくてもよい。なお、実際のプロセスにおいて、プロセス条件による制限や他の要因による影響のため、多少のずれがあるかもしれない。本開示の実施例では、「等しい」及び「同じ」とは、誤差により許容される範囲と合致する「等しい」及び「同じ」を意味し、又は上記条件を実質的に満たせばよく、いずれの場合も本開示の特許範囲に属する。
【0117】
具体的な実施には、目標基板は、同じ寸法の少なくとも2つの目標領域を含み、1つの第2トランスファー基板の寸法が、1つの目標領域の寸法とほぼ同じであるようにしてもよい。一例として、具体的な実施には、
図2a及び
図8に示すように、目標基板100は、同じ寸法の4つの目標領域Y1、Y2、Y3、Y4を含み、第2トランスファー基板400の寸法が目標領域Y1の寸法とほぼ同じであるようにしてもよい。
【0118】
なお、該マストランスファーシステムの作動過程及び具体的な実施形態は、上記実施例のマストランスファー方法の作動過程及び実施形態と同じであり、したがって、該マストランスファーシステムの作動過程については、上記実施例のマストランスファー方法の具体的な実施形態を参照して実施することができ、ここで詳しく説明しない。
【0119】
本開示の実施例によるマイクロ発光ダイオードのマストランスファー方法及びシステムでは、第1トランスファー基板に複数の粘着構造が設けられ、互いに独立したこれらの粘着構造によって素子基板上のマイクロ発光ダイオードがピックアップされ、ピックアップ後、第2トランスファー基板上にトランスファーされ、このように、素子基板上のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板上に選択的にトランスファーし、効率を向上させることができる。さらに、粘着構造を複数回繰り返して使用することもでき、それにより、第1トランスファー基板上の粘着構造によってマイクロ発光ダイオードを少なくとも1回ピックアップすることで、粘着構造が繰り返して用いられて素子基板上のマイクロ発光ダイオードを第2トランスファー基板上にトランスファーし、それにより、使用される第1トランスファー基板の数を低減させ、コストダウンを実現できる。また、第2トランスファー基板上の各マイクロ発光ダイオードを、目標基板のうち対応するサブ画素内に一括してトランスファーすることによって、追加の複数回のトランスファーが不要になり、効率を向上できる。
【0120】
本開示の好適な実施例を説明したが、当業者であれば、基本的な創造的な概念を把握すると、これらの実施例について別の変更や修正を加えることができる。このため、添付の特許請求の範囲は好適な実施例及び本開示の範囲に属するすべての変更や修正を含むことを意図している。
【0121】
もちろん、当業者であれば、本開示の実施例の精神及び範囲を逸脱することなく本開示の実施例に対して各種の変化や変形を行うことができる。このように、本開示の実施例のこれらの修正や変形が本開示の特許請求の範囲及びその等同な技術の範囲に属すると、本開示はこれらの変化や変形も含むことを意図している。
【国際調査報告】