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特表2022-543344電池、電力消費機器、電池の製造方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池の製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/633 20140101AFI20221004BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221004BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20221004BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20221004BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20221004BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20221004BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20221004BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20221004BHJP
【FI】
H01M10/633
H01M10/48 301
H01M10/651
H01M10/625
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/6563
H01M10/6568
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578156
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2020101449
(87)【国際公開番号】W WO2022006903
(87)【国際公開日】2022-01-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】梁 成都
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 小波
(72)【発明者】
【氏名】李 耀
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲躍▼攀
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】林 永寿
【テーマコード(参考)】
5H030
5H031
【Fターム(参考)】
5H030AA06
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF31
5H031AA09
5H031CC09
5H031HH08
5H031KK08
(57)【要約】
電池(10)、電力消費機器、電池の製造方法(300)及び装置(400)を提供し、前記電池(10)は、電池セル(20)であって、圧力解放機構(213)を含み、前記圧力解放機構(213)の少なくとも一部が前記電池セル(20)の第1壁(21a)から突出し、前記圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電池セル(20)と、流体を収容して前記電池セル(20)の温度を調節することに用いられる熱管理部材(13)とを含み、前記熱管理部材(13)の第1表面が前記電池セル(20)の前記第1壁(21a)に付着され、前記熱管理部材(13)の前記第1表面に逃げキャビティ(134a)が設置され、前記逃げキャビティ(134a)は前記圧力解放機構(213)の前記少なくとも一部を収容することに用いられる。電池の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池(10)であって、
電池セル(20)であって、圧力解放機構(213)を含み、前記圧力解放機構(213)の少なくとも一部が前記電池セル(20)の第1壁(21a)から突出し、前記圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電池セル(20)と、
流体を収容して前記電池セル(20)の温度を調節するための熱管理部材(13)と、を含み、
前記熱管理部材(13)の第1表面が前記電池セル(20)の前記第1壁(21a)に付着され、前記熱管理部材(13)の前記第1表面には、前記圧力解放機構(213)の前記少なくとも一部を収容するための逃げキャビティ(134a)が設置される、ことを特徴とする電池(10)。
【請求項2】
前記第1壁(21a)の前記圧力解放機構(213)の周りの部分が外へ突出し、前記逃げキャビティ(134a)はさらに、前記第1壁(21a)の前記圧力解放機構(213)の周りの突出部分を収容することに用いられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記逃げキャビティ(134a)は、前記圧力解放機構(213)に変形空間を提供して、前記圧力解放機構(213)を前記熱管理部材(13)に向けて変形させ破裂させることができるように構成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記逃げキャビティ(134a)の深さは前記圧力解放機構(213)の寸法に関連する、ことを特徴とする請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記逃げキャビティ(134a)の深さが1mmより大きい、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電池。
【請求項6】
前記逃げキャビティ(134a)の底壁に薄化領域(135)が設置され、前記薄化領域(135)は、前記圧力解放機構(213)が作動する時に前記電池セル(20)の内部から排出された排出物に破壊されて、前記排出物を前記薄化領域(135)に通過させることができるように配置される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記薄化領域(135)の厚さが3mm以下である、ことを特徴とする請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記薄化領域(135)は前記熱管理部材(13)の他の部分より低い融点を有する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の電池。
【請求項9】
前記薄化領域(135)が採用する材料の融点が400℃より低い、ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記熱管理部材(13)は第1熱伝導板(131)と第2熱伝導板(132)を含み、前記第1熱伝導板(131)は前記第1壁(21a)と前記第2熱伝導板(132)との間に位置し且つ前記第1壁(21a)に付着され、前記第1熱伝導板(131)の第1領域(131a)は前記第2熱伝導板(132)へ凹んで前記逃げキャビティ(134a)を形成し、前記第1領域(131a)は前記第2熱伝導板(132)に接続される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池。
【請求項11】
前記第1領域(131a)に貫通孔(136)が設置され、前記貫通孔(136)の半径方向の寸法が前記逃げキャビティ(134a)の半径方向の寸法より小さい、ことを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記貫通孔(136)に対応する前記第2熱伝導板(132)の厚さは他の領域の前記第2熱伝導板(132)の厚さより小さい、ことを特徴とする請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記熱管理部材(13)の前記逃げキャビティ(134a)の周りの部分は前記電池セル(20)の内部から排出された排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材(13)の内部から排出させることができる、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記逃げキャビティ(134a)の側面は前記排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材(13)の内部から排出させることができる、ことを特徴とする請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記逃げキャビティ(134a)の半径方向の寸法は前記圧力解放機構(213)から遠く離れる方向に沿って徐々に小さくなる、ことを特徴とする請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記電池セル(20)の第2壁に電極端子が設置され、前記第2壁は前記第1壁(21a)と異なる、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
前記第2壁は前記第1壁(21a)と対向して設置される、ことを特徴とする請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記圧力解放機構(213)は温度に敏感な圧力解放機構(213)であり、前記温度に敏感な圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部温度が閾値に達する場合に溶融できるように配置され、及び/又は、
前記圧力解放機構(213)は圧力に敏感な圧力解放機構(213)であり、前記圧力に敏感な圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部気圧が閾値に達する場合に破裂できるように配置される、ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の電池。
【請求項19】
前記電池はさらに、
複数の前記電池セル(20)を収容するための電気キャビティ(11a)と、
前記圧力解放機構(213)が作動する時に前記電池セル(20)の内部から排出された排出物を収集するための収集キャビティ(11b)と、を含み、
前記熱管理部材(13)は前記電気キャビティ(11a)と前記収集キャビティ(11b)を分離することに用いられる、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の電池。
【請求項20】
前記熱管理部材(13)は、前記電気キャビティ(11a)及び前記収集キャビティ(11b)によって共有される壁を有する、ことを特徴とする請求項19に記載の電池。
【請求項21】
前記電池は保護部材(115)をさらに含み、
前記保護部材(115)は前記熱管理部材(13)を保護することに用いられ、前記保護部材(115)と前記熱管理部材(13)とは前記収集キャビティ(11b)を形成する、ことを特徴とする請求項19又は20に記載の電池。
【請求項22】
前記電気キャビティ(11a)は前記熱管理部材(13)によって前記収集キャビティ(11b)と分離される、ことを特徴とする請求項19~21のいずれか一項に記載の電池。
【請求項23】
前記熱管理部材(13)は、前記圧力解放機構(213)が作動する時に前記排出物に破壊されて、前記排出物を前記熱管理部材(13)に通過させて前記収集キャビティ(11b)に入ることができるように配置される、ことを特徴とする請求項19~22のいずれか一項に記載の電池。
【請求項24】
電力消費機器であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の電池(10)を含む、ことを特徴とする電力消費機器。
【請求項25】
前記電力消費機器は車両(1)、船又は航宙機である、ことを特徴とする請求項24に記載の電力消費機器。
【請求項26】
電池の製造方法(300)であって、
電池セル(20)を提供するステップ(310)であって、前記電池セル(20)は圧力解放機構(213)を含み、前記圧力解放機構(213)の少なくとも一部は前記電池セル(20)の第1壁(21a)から突出し、前記圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられるステップ(310)と、
流体を収容することに用いられ、第1表面に逃げキャビティ(134a)が設置される熱管理部材(13)を提供するステップ(320)と、
前記熱管理部材(13)の前記第1表面を前記電池セル(20)の前記第1壁(21a)に付着し、且つ前記逃げキャビティ(134a)に前記圧力解放機構(213)の前記少なくとも一部を収容させるステップ(330)とを含む、ことを特徴とする電池の製造方法(300)。
【請求項27】
前記第1壁(21a)の前記圧力解放機構(213)の周りの部分は外へ突出し、前記逃げキャビティ(134a)は前記第1壁(21a)の前記圧力解放機構(213)の周りの突出部分を収容する、ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記逃げキャビティ(134a)は前記圧力解放機構(213)に変形空間を提供して、前記圧力解放機構(213)を前記熱管理部材(13)に向けて変形させ破裂させることができる、ことを特徴とする請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記逃げキャビティ(134a)の底壁に薄化領域(135)が設置され、前記薄化領域(135)は、前記圧力解放機構(213)が作動する時に前記電池セル(20)の内部から排出された排出物に破壊されて、前記排出物を前記薄化領域(135)に通過させることができるように配置される、ことを特徴とする請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記熱管理部材(13)の前記逃げキャビティ(134a)の周りの部分は前記電池セル(20)の内部から排出された排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材(13)の内部から排出させることができる、ことを特徴とする請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
電池の製造装置(400)であって、提供モジュール(410)と、取り付けモジュール(420)とを含み、
前記提供モジュール(410)は、
電池セル(20)を提供し、前記電池セル(20)は圧力解放機構(213)を含み、前記圧力解放機構(213)の少なくとも一部が前記電池セル(20)の第1壁(21a)から突出し、前記圧力解放機構(213)は前記電池セル(20)の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられ、
流体を収容することに用いられ、第1表面に逃げキャビティ(134a)が設置される熱管理部材(13)を提供することに用いられ、
前記取り付けモジュール(420)は、前記熱管理部材(13)の前記第1表面を前記電池セル(20)の前記第1壁(21a)に付着し、且つ前記逃げキャビティ(134a)に前記圧力解放機構(213)の前記少なくとも一部を収容させることに用いられる、ことを特徴とする電池の製造装置(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は電池の分野に関し、さらに具体的には、電池、電力消費機器、電池の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーと排出削減は自動車産業の持続可能な発展のキーである。この場合において、電気自動車は、省エネルギーで環境にやさしい利点があるため、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分になる。そして、電気自動車にとって、電池の技術はその発展に関連する重要な要素である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池の技術の発展では、電池の性能の向上に加えて、安全の問題も無視してはいけない問題である。電池の安全の問題を確保できないと、該電池は使用できない。従って、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池の技術における、急に解決しなければならない課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は電池、電力消費機器、電池の製造方法及び装置を提供し、電池の安全性を向上させることができる。
【0005】
第1態様によれば、電池を提供し、電池セルであって、圧力解放機構を含み、前記圧力解放機構の少なくとも一部が前記電池セルの第1壁から突出し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電池セルと、流体を収容して前記電池セルの温度を調節するための熱管理部材とを含み、前記熱管理部材の第1表面が前記電池セルの前記第1壁に付着され、前記熱管理部材の前記第1表面に、前記圧力解放機構の前記少なくとも一部を収容するための逃げキャビティが設置される。
【0006】
本願の実施例の技術案において、熱管理部材の第1表面に、圧力解放機構の少なくとも一部を収容するための逃げキャビティが設置される。このようにして、電池セルの第1壁は熱管理部材の表面にぴったりと貼り付けられることができ、一方では、電池セルの固定を容易にし、空間を節約して熱管理効率を向上させ、他方では、圧力解放機構が作動する時、電池セルの排出物は逃げキャビティに向けて排出されて電池セルから遠く離れることができ、その危険性を低減させ、それにより電池の安全性を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの部分が外へ突出し、前記逃げキャビティはさらに前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの突出部分を収容することに用いられる。
【0008】
第1壁の圧力解放機構の周りの部分が外へ突出する場合に、逃げキャビティは電池セルの第1壁が熱管理部材の表面にぴったりと貼り付けられることを確保することができ、それにより電池セルの固定を容易にすることができ、さらに空間を節約して熱管理効率を向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティは、前記圧力解放機構に変形空間を提供して、前記圧力解放機構を前記熱管理部材に向けて変形させ破裂させることができるように配置される。
【0010】
逃げキャビティを設置することで、圧力解放機構を熱管理部材に向けて変形させ破裂させることができ、それにより電池セルの排出物は逃げキャビティに向けて排出されて電池セルから遠く離れることができる。
【0011】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの深さは前記圧力解放機構の寸法に関連する。
【0012】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの深さは1mmより大きい。
【0013】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの底壁に薄化領域が設置され、前記薄化領域は、前記圧力解放機構が作動する時に前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記排出物を前記薄化領域に通過させることができるように配置される。
【0014】
逃げキャビティの底壁は熱管理部材の他の領域より薄くて、排出物に破壊されやすいため、圧力解放機構が作動する時に、排出物は逃げキャビティの底壁を破壊して熱管理部材を通過することができる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記薄化領域の厚さが3mm以下である。
【0016】
いくつかの実施例において、前記薄化領域は前記熱管理部材の他の部分より低い融点を有する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記薄化領域が採用する材料の融点は400℃より低い。
【0018】
いくつかの実施例において、前記熱管理部材は第1熱伝導板と第2熱伝導板を含み、前記第1熱伝導板は前記第1壁と前記第2熱伝導板との間に位置し且つ前記第1壁に付着され、前記第1熱伝導板の第1領域は前記第2熱伝導板へ凹んで前記逃げキャビティを形成し、前記第1領域は前記第2熱伝導板に接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第1領域に貫通孔が設置され、前記貫通孔の半径方向の寸法が前記逃げキャビティの半径方向の寸法より小さい。
【0020】
いくつかの実施例において、前記貫通孔に対応する前記第2熱伝導板の厚さは他の領域の前記第2熱伝導板の厚さより小さい。このようにして、前記薄化領域は前記排出物に破壊されやすくなる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記熱管理部材の前記逃げキャビティの周りの部分は前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることができる。
【0022】
前記圧力解放機構が作動する時に、前記熱管理部材は破壊され、流体は前記熱管理部材の内部から排出され、このようにして、電池セルの熱量を吸収して、排出物の温度を低減することができ、さらに排出物の危険性を低減させる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの側面は前記排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることができる。
【0024】
圧力解放機構が作動する時に、電池セルの排出物は逃げキャビティに突入し、逃げキャビティの底壁が薄いため、排出物は逃げキャビティの底壁を破壊して熱管理部材を通過し、また、逃げキャビティ内に突入される排出物はさらに逃げキャビティの側面を同時に溶融して、流体を熱管理部材の内部から排出させ、それにより高温の排出物の温度を低減する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの半径方向の寸法は前記圧力解放機構から遠く離れる方向に沿って徐々に小さくなる。このようにして、排出物との接触面積を増加することができ、前記排出物に破壊されることをより容易にする。
【0026】
いくつかの実施例において、前記電池セルの第2壁に電極端子が設置され、前記第2壁は前記第1壁と異なる。
【0027】
圧力解放機構及び電極端子を電池セルの異なる壁に設置することで、圧力解放機構が作動する時に、電池セルの排出物は電極端子からより離れることができ、それにより排出物の電極端子及びバス部材への影響を減少し、従って電池の安全性を向上させることができる。
【0028】
いくつかの実施例において、前記第2壁は前記第1壁と対向して設置される。
【0029】
いくつかの実施例において、前記圧力解放機構は温度に敏感な圧力解放機構であり、前記温度に敏感な圧力解放機構は、前記電池セルの内部温度が閾値に達する場合に溶融できるように配置され、及び/又は、前記圧力解放機構は圧力に敏感な圧力解放機構であり、前記圧力に敏感な圧力解放機構は、前記電池セルの内部気圧が閾値に達する場合に破裂できるように配置される。
【0030】
いくつかの実施例において、前記電池はさらに、複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティと、前記圧力解放機構が作動する時に前記電池セルの内部から排出された排出物を収集するための収集キャビティと、を含み、前記熱管理部材は前記電気キャビティと前記収集キャビティを分離することに用いられる。
【0031】
熱管理部材で、電池セルを収容するための電気キャビティと排出物を収集するための収集キャビティを分離し、圧力解放機構が作動する時に、電池セルの排出物は収集キャビティに入り、電気キャビティに入らず又は少量で電気キャビティに入り、それにより電気キャビティ内の電気的接続に影響を与えず、従って電池の安全性を向上させることができる。
【0032】
いくつかの実施例において、前記熱管理部材は、前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有される壁を有する。
【0033】
前記熱管理部材は前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有される壁として使用されるため、排出物と電気キャビティをできるだけ分離することができ、それにより排出物の危険性を低減させて、電池の安全性を向上させる。
【0034】
いくつかの実施例において、前記電池は保護部材をさらに含み、前記保護部材は前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記保護部材と前記熱管理部材とは前記収集キャビティを形成する。
【0035】
前記保護部材と前記熱管理部材によって形成された前記収集キャビティは、前記排出物を効果的に収集し及び緩衝することができ、その危険性を低減させる。
【0036】
いくつかの実施例において、前記電気キャビティは前記熱管理部材によって前記収集キャビティと分離される。
【0037】
前記収集キャビティと前記電気キャビティとが連通されておらず、前記収集キャビティ内の液体又はガス等は前記電気キャビティに入ることができず、それにより前記電気キャビティをより良好に保護することができる。
【0038】
いくつかの実施例において、前記熱管理部材は、前記圧力解放機構が作動する時に前記排出物に破壊されて、前記排出物を前記熱管理部材に通過させて前記収集キャビティに入ることができるように配置される。
【0039】
第2態様によれば、第1態様の電池を含む電力消費機器を提供する。
【0040】
いくつかの実施例において、前記電力消費機器は車両、船又は航宙機である。
【0041】
第3態様によれば、電池の製造方法を提供し、電池セルを提供するステップであって、前記電池セルは圧力解放機構を含み、前記圧力解放機構の少なくとも一部は前記電池セルの第1壁から突出し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられるステップと、流体を収容することに用いられ、第1表面に逃げキャビティが設置される熱管理部材を提供するステップと、前記熱管理部材の前記第1表面を前記電池セルの前記第1壁に付着し、且つ前記逃げキャビティに前記圧力解放機構の前記少なくとも一部を収容させるステップと、を含む。
【0042】
いくつかの実施例において、前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの部分が外へ突出し、前記逃げキャビティは前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの突出部分を収容する。
【0043】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティは前記圧力解放機構に変形空間を提供して、前記圧力解放機構を前記熱管理部材に向けて変形させ破裂させることができる。
【0044】
いくつかの実施例において、前記逃げキャビティの底壁に薄化領域が設置され、前記薄化領域は、前記圧力解放機構が作動する時に前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記排出物を前記薄化領域に通過させることができるように配置される。
【0045】
いくつかの実施例において、前記熱管理部材の前記逃げキャビティの周りの部分は前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることができる。
【0046】
第4態様によれば、上記第3態様の方法を実行するモジュールを含む電池の製造装置を提供する。
ここで説明される図面は本願をさらに理解することに用いられ、本願の一部を構成し、本願の例示的な実施例及びその説明は、本願を解釈することに用いられ、本願の不適切な限定を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本願の1つの実施例の車両の模式図である。
図2】本願の1つの実施例の電池の構造模式図である。
図3】本願の1つの実施例の電池モジュールの構造模式図である。
図4】本願の1つの実施例の電池セルの分解図である。
図5】本願の他の実施例の電池セルの分解図である。
図6】本願の1つの実施例の電池の構造模式図である。
図7a】本願の1つの実施例の電池の概略平面図である。
図7b図7aに示される電池のA-Aに沿った概略断面図である。
図7c図7bに示される電池のB部分の拡大図である。
図8a】本願の1つの実施例の熱管理部材の概略斜視図である。
図8b図8aの前記熱管理部材のA-Aに沿った概略断面図である。
図8c】本願の1つの実施例の熱管理部材の分解図である。
図9】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図10】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図11】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図12】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図13】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図14】本願のいくつかの実施例の電池の構造模式図である。
図15】本願の1つの実施例の電池の分解図である。
図16】本願の1つの実施例の電池の製造方法の例示的なフローチャートである。
図17】本願の1つの実施例の電池の製造装置の例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術案を明確に説明し、明らかなように、説明される実施例は本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0049】
特に定義されていない限り、本願に用いられる技術用語及び科学用語はすべて、当業者が一般的に理解する意味と同じである。本願では、出願の明細書に用いられる用語は具体的な実施例を説明する目的のためのものに過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の簡単な説明に用いられる用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含物をカバーすることを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面に用いられる用語「第1」、「第2」等は、異なるオブジェクトを区別することに用いられるものであり、特定の順序又は主従関係を説明することに用いられるものではない。
【0050】
本願に言及された「実施例」は、実施例を参照しながら説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各位置で現れる該語句は、必ずしも同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的に独立した実施例又は代替の実施例でもない。当業者は、本願に説明される実施例が他の実施例と組み合わせることができると明示的及び暗示的に理解することができる。
【0051】
本願の説明では、説明する必要がある点として、特に明確に規定及び限定されていない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」、「付着」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定して接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体に接続されてもよく、直接連結されてもよく、中間媒体を介して間接的に連結されてもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0052】
本願の用語「及び/又は」は、単に関連オブジェクトの関連関係を説明するものであり、3つの関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を示す。また、本願の符号「/」は一般的には、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係を有することを示す。
【0053】
本願に現れる「複数」は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数セット」は2セット以上(2セットを含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0054】
本願では、電池セルはリチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池等を含んでもよく、本願の実施例はこれを限定しない。電池セルは円柱体、偏平体、直方体又は他の形状等であってもよく、本願の実施例はこれも限定しない。電池セルは一般的にはパッケージ方法で、円筒形電池セル、角形電池セル及びソフトパック電池セルという3種に分けられ、本願の実施例はこれも限定しない。
【0055】
本願の実施例に言及された電池は、1つ又は複数の電池セルを含み且つより高い電圧と容量を供給する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願に言及された電池は電池モジュール又は電池パック等を含んでもよい。電池は一般的には1つ又は複数の電池セルをパッケージするためのボックスを含む。ボックスは、液体又は他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0056】
電池セルは電極アセンブリ及び電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータで構成される。電池セルは主に正極板と負極板との間での金属イオンの移動に依存して動作する。正極板は正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面にコーティングされ、正極活物質層がコーティングされていない集電体は、正極活物質層がコーティングされている集電体から突出し、正極活物質層がコーティングされていない集電体は正極タブとして使用される。リチウムイオン電池を例として、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウム等であってもよい。負極板は負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面にコーティングされ、負極活物質層がコーティングされていない集電体は、負極活物質層がコーティングされている集電体から突出し、負極活物質層がコーティングされていない集電体は負極タブとして使用される。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボン又はシリコン等であってもよい。溶断が発生せずに高電流が流れることを確保するために、正極タブは、数が複数で、一体に積層され、負極タブは、数が複数で、一体に積層される。セパレータの材質はPP又はPE等であってもよい。また、電極アセンブリは巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれらに限定されない。電池の技術の発展はさまざまな設計要素、例えばエネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電速度等の性能パラメータを同時に考慮しなければならず、さらに、電池の安全性を考慮する必要がある。
【0057】
電池セルについては、主な安全上の危険は充電及び放電過程由来であり、同時に適切な環境温度の設計も必要であり、不要な損失を効果的に回避するために、電池セルに対して、一般的には少なくとも3つの保護手段がある。具体的には、保護手段は少なくともスイッチング素子、適切なセパレータ材料の選択及び圧力解放機構を含む。スイッチング素子は電池セル内の温度又は抵抗が所定の閾値に達する場合に電池の充電又は放電を停止させることができる素子を指す。セパレータは正極板と負極板を分離することに用いられ、温度が所定の値に上昇すると、セパレータに付着されているマイクロスケール(さらにナノスケール)の微細孔を自動に溶解することができ、それにより金属イオンはセパレータを通過できず、電池セルの内部の反応を停止する。
【0058】
圧力解放機構は電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達する場合に作動して内部圧力又は温度を解放するための素子又は部材を指す。該閾値の設計は異なる設計ニーズに応じて異なる。前記閾値は電池セルの正極板、負極板、電解液及びセパレータのうちの一種又は複数種の材料に決められてもよい。圧力解放機構は例えば防爆弁、空気弁、圧力解放弁又は安全弁等の形態を採用してもよく、且つ圧力又は温度に敏感な素子又は構造を具体的に採用してもよく、即ち、電池セルの内部圧力又は温度が所定の閾値に達する場合に、圧力解放機構は動作を実行し又は圧力解放機構に設けられた薄化構造が破壊され、それにより内部圧力又は温度を解放するための開口部又はチャンネルを形成する。
【0059】
本願で言及された「作動」は、圧力解放機構は作用し又は所定の状態に起動され、それにより電池セルの内部圧力及び温度を解放することを指す。圧力解放機構が作用することは、圧力解放機構の少なくとも一部の破裂、破砕、裂け又は開放等を含むがこれらに限定されない。圧力解放機構が作動する時に、電池セルの内部の高温高圧物質は排出物として作動部位から外へ排出される。このような方式で、圧力又は温度が制御可能な状況において電池セルの圧力を解放することができ、それにより、潜在的でより深刻な事故の発生を回避する。
【0060】
本願で言及された電池セルからの排出物は、電解液、溶解され又は分割された正極板と負極板、セパレータの破片、反応が生じた高温高圧ガス、炎等を含むがこれらに限定されない。
【0061】
電池セルの圧力解放機構は電池の安全性に深刻な影響を与える。例えば、短絡、過充電等の現象が発生すると、電池セルの内部に熱暴走が発生して圧力又は温度が突然上昇することを引き起こす可能性がある。この状況において、圧力解放機構を作動させることで内部圧力及び温度を外へ解放することができ、それにより電池セルの爆発、発火を防止する。
【0062】
従来の圧力解放機構の設計案において、主に電池セルの内部の高圧と高熱を解放し、即ち前記排出物を電池セルの外部へ排出することに注目している。しかしながら、電池の出力電圧又は電流を確保するために、常に複数の電池セルが必要であり且つ複数の電池セルの間がバス部材によって電気的に接続される。電池セルの内部から排出された排出物は、残りの電池セルの短絡現象の発生を引き起こす恐れがあり、例えば、排出された金属くずが2つのバス部材に電気的に接続されると、電池の短絡の発生を引き起こし、従って安全上の問題が存在する。そして、高温高圧の排出物は、電池セルの圧力解放機構が設置される方向に向けて排出され、より具体的には圧力解放機構を作動させる領域に向ける方向に沿って排出され、このような排出物の威力や破壊力は非常に大きい可能性があり、さらに該方向における1つ又は複数の構造を突破する可能性があり、さらなる安全上の問題を引き起こす。
【0063】
これに鑑みて、本願の実施例は技術案を提供し、熱管理部材の表面に圧力解放機構の少なくとも一部を収容するための逃げキャビティを設置し、圧力解放機構が作動する時に、電池セルの排出物は逃げキャビティに向けて排出されて電池セルから遠く離れることができ、その危険性を低減させ、それにより電池の安全性を向上させることができる。
【0064】
熱管理部材は流体を収容して複数の電池セルの温度を調節することに用いられる。ここでの流体は液体又はガスであってもよく、温度を調節することは複数の電池セルを加熱し又は冷却することを指す。電池セルを冷却し又は温度を低減する場合に、該熱管理部材は冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を低減することに用いられ、この場合、熱管理部材は冷却部材、冷却システム又は冷却板等とも呼称され、その収容される流体は冷却媒体又は冷却流体と呼称されてもよく、より具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼称されてもよい。また、熱管理部材は加熱して複数の電池セルの温度を高めることに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、前記流体は循環して流れるものであってもよく、それにより、より良好な温度調節の効果を実現する。選択可能に、流体は水、水とエチレングリコールの混合液又は空気等であってもよい。
【0065】
本願で言及された電気キャビティは複数の電池セル及びバス部材を収容することに用いられる。電気キャビティは密封であってもよく又は非密封であってもよい。電気キャビティは電池セル及びバス部材を取り付けるための空間を提供する。いくつかの実施例において、電気キャビティに、さらに電池セルを固定するための構造を設置してもよい。電気キャビティの形状は収容される複数の電池セル及びバス部材に応じて変化することができる。いくつかの実施例において、電気キャビティは四角形であり、6つの壁を有する。電気キャビティ内の電池セルは電気的な接続によって高い出力電圧を形成するため、電気キャビティは「高電圧キャビティ」とも呼称される。
【0066】
本願で言及されたバス部材は複数の電池セルの電気的な接続、例えば並列接続又は直列接続又はハイブリッド接続を実現することに用いられる。バス部材は電池セルの電極端子を接続することで電池セルの間の電気的な接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バス部材は溶接によって電池セルの電極端子に固定され得る。「高電圧キャビティ」に対応して、バス部材で形成される電気的な接続は「高電圧接続」とも呼称される。
【0067】
本願で言及された収集キャビティは排出物を収集することに用いられ、密封であってもよく又は非密封であってもよい。いくつかの実施例において、前記収集キャビティ内に空気、又は他のガスが含まれてもよい。収集キャビティに電圧出力に接続される電気的な接続がなく、「高電圧キャビティ」に対応して、収集キャビティは「低電圧キャビティ」とも呼称される。選択可能に、又は付加的に、前記収集キャビティ内に液体、例えば冷却媒体が含まれてもよく、又は、該液体を収容するための部材が設置されてもよく、それにより収集キャビティに入る排出物の温度をさらに低減する。さらに選択可能に、収集キャビティ内のガス又は液体は循環して流れるものである。
【0068】
本願の実施例で説明される技術案はすべて電池を使用する各種の装置、例えば携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動自転車、電気玩具、電動工具、電気自動車、船及び航宙機等に適用でき、例えば、航宙機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含む。
【0069】
理解されるように、本願の実施例で説明される技術案は上記説明された機器に適用できるだけでなく、さらに電池を使用するすべての機器に適用できるが、簡潔に説明するために、以下の実施例はいずれも電気自動車を例として説明する。
【0070】
例えば、図1に示されるように、これは本願の1つの実施例の車両1の構造模式図であり、車両1は燃料自動車、燃料ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー式電気自動車等であってもよい。車両1の内部にモータ40、コントローラ30及び電池10が設置されてもよく、コントローラ30は電池10を制御してモータ40に給電することに用いられる。例えば、車両1の底部又は車の先端部分又は車の後端部分に電池10が設置されてもよい。電池10は車両1に給電することに用いられ、例えば、電池10は車両1の操作電源として使用され、車両1の回路システムに適用でき、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行中の動作の電力需要を満たすことに用いられる。本願の他の実施例において、電池10は車両1の操作電源として使用され得るだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料又は天然ガスを代替し又は部分的に代替して車両1に駆動動力を提供することができる。
【0071】
異なる電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、その中で、複数の電池セルは直列接続又は並列接続又はハイブリッド接続であってもよく、ハイブリッド接続は直列接続と並列接続の混合である。電池は電池パックとも呼称される。選択可能に、複数の電池セルは先ず直列接続され又は並列接続され又はハイブリッド接続されて電池モジュールを構成し、次に複数の電池モジュールは直列接続され又は並列接続され又はハイブリッド接続されて電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは電池を直接構成してもよく、又は先ず電池モジュールを構成し、次に電池モジュールが電池を構成してもよい。
【0072】
例えば、図2に示されるように、それは本願の1つの実施例の電池10の構造模式図であり、電池10は複数の電池セル20を含んでもよい。電池10はボックス(又はカバー)を含んでもよく、ボックスの内部は中空構造であり、複数の電池セル20はボックス内に収容される。図2に示されるように、ボックスは2つの部分を含んでもよく、ここでそれぞれ第1部分111と第2部分112と呼称され、第1部分111と第2部分112は一体に締め付けられる。第1部分111と第2部分112の形状は複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定され、第1部分111と第2部分112はいずれも1つの開口部を有してもよい。例えば、第1部分111と第2部分112はいずれも中空の直方体であり且つそれぞれ1つのみの面が開口面であることがよく、第1部分111の開口部と第2部分112の開口部とは対向して設置され、且つ第1部分111と第2部分112は互いに締め付けられて密閉チャンバを有するボックスを形成する。複数の電池セル20は互いに並列接続され又は直列接続され又はハイブリッド接続されて組み合わせた後に、第1部分111と第2部分112が締め付けられることによって形成されたボックス内に配置される。
【0073】
選択可能に、電池10はさらに他の構造を含んでもよく、ここで繰り返して説明しない。例えば、該電池10はさらにバス部材を含んでもよく、バス部材は複数の電池セル20の電気的な接続、例えば並列接続又は直列接続又はハイブリッド接続を実現することに用いられる。具体的には、バス部材は電池セル20の電極端子を接続することで電池セル20の電気的な接続を実現することができる。さらに、バス部材は溶接によって電池セル20の電極端子に固定され得る。複数の電池セル20の電気エネルギーはさらに電気伝導機構を介してボックスを通過して導出され得る。選択可能に、電気伝導機構はバス部材に属してもよい。
【0074】
異なる電力需要に基づいて、電池セル20の数を任意の値として設定してもよい。複数の電池セル20は直列接続、並列接続又はハイブリッド接続の方式で接続されて大きな容量又は電力を実現することができる。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成することができる。電池モジュールに含まれる電池セル20の数が限定されず、需要に応じて設定してもよい。例えば、図3は電池モジュールの一例である。電池は複数の電池モジュールを含んでもよく、これらの電池モジュールは直列接続、並列接続又はハイブリッド接続の方式で接続されてもよい。
【0075】
図4に示されるように、これは本願の1つの実施例の電池セル20の構造模式図であり、電池セル20は1つ又は複数の電極アセンブリ22、ハウジング211及びカバープレート212を含む。図4に示される座標系は図3の座標系と同じである。ハウジング211及びカバープレート212はシェル又は電池ケース21を形成する。ハウジング211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼称される。ハウジング211は1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせた後の形状に基づいて決定され、例えば、ハウジング211は中空の直方体又は立方体又は円柱体であってもよく、且つハウジング211の1つの面に開口部があり、それにより1つ又は複数の電極アセンブリ22をハウジング211内に配置することができる。例えば、ハウジング211は中空の直方体又は立方体である場合に、ハウジング211の1つの平面は開口面であり、即ち該平面に壁がなくハウジング211の内部と外部が連通することができる。ハウジング211は中空の円柱体である場合に、ハウジング211の端面は開口面であり、即ち該端面に壁がなくハウジング211の内部と外部が連通することができる。カバープレート212は開口部をカバーし且つハウジング211と接続されて、電極アセンブリ22を配置するための密閉キャビティを形成する。ハウジング211内に電解質、例えば電解液が充填される。
【0076】
該電池セル20はさらに2つの電極端子214を含んでもよく、2つの電極端子214はカバープレート212に設置されてもよい。カバープレート212は一般的にはフラット形状であり、2つの電極端子214はカバープレート212のフラット面に固定され、2つの電極端子214はそれぞれ正極端子214a及び負極端子214bである。各電極端子214にそれぞれ1つの接続部材23が対応して設置され、又は集電部材23と呼称され、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214の電気的な接続を実現することに用いられる。
【0077】
図4に示されるように、各電極アセンブリ22は第1タブ221aと第2タブ222aを有する。第1タブ221aと第2タブ222aの極性は反対である。例えば、第1タブ221aは正極タブである場合に、第2タブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1タブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2タブ222aは他の接続部材23を介して他の電極端子に接続される。例えば、正極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負極端子214bは他の接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0078】
該電池セル20において、実際の使用需要に応じて、電極アセンブリ22は単一、又は複数設置されてもよく、図4に示されるように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設置される。
【0079】
図5に示されるように、それは本願の他の実施例の圧力解放機構213を含む電池セル20の構造模式図である。
【0080】
図5のハウジング211、カバープレート212、電極アセンブリ22及び接続部材23は、図4のハウジング211、カバープレート212、電極アセンブリ22及び接続部材23と一致し、簡潔にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0081】
電池セル20の1つの壁、例えば図5に示される第1壁21aにさらに圧力解放機構213が設置されてもよい。容易に説明するために、図5において、第1壁21aとハウジング211とが分離されるが、ハウジング211の底側に開口部があることを限定しない。圧力解放機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0082】
該圧力解放機構213は第1壁21aの一部であってもよく、第1壁21aと分割式構造になって、例えば溶接の方法で第1壁21aに固定されてもよい。圧力解放機構213は第1壁21aの一部である場合に、例えば、圧力解放機構213は第1壁21aにノッチを設置する方法によって形成されてもよく、該ノッチに対応する第1壁21aの厚さは圧力解放機構213におけるノッチ以外の他の領域の厚さより小さい。ノッチの箇所は圧力解放機構213の最も薄い位置である。電池セル20が生じたガスは多すぎてハウジング211の内部圧力が高くなって閾値に達し、又は電池セル20の内部が反応して熱量をもたらし、それにより電池セル20の内部温度が高くなって閾値に達する場合に、圧力解放機構213はノッチの箇所で破裂してハウジング211の内部と外部とを連通させることができ、ガスの圧力と温度は圧力解放機構213の破裂で外へ解放され、さらに電池セル20の爆発を回避する。
【0083】
選択可能に、本願の1つの実施例において、図5に示されるように、圧力解放機構213が電池セル20の第1壁21aに設置される場合に、電池セル20の第2壁に電極端子214が設置され、第2壁は第1壁21aと異なる。
【0084】
選択可能に、第2壁は第1壁21aと対向して設置される。例えば、第1壁21aは電池セル20の底壁であってもよく、第2壁は電池セル20の頂壁であってもよく、即ちカバープレート212である。
【0085】
選択可能に、図5に示されるように、該電池セル20はさらにパッド24を含んでもよく、該パッド24は電極アセンブリ22とハウジング211の底壁との間に位置し、電極アセンブリ22を支持する役割を果たすことができ、さらに電極アセンブリ22がハウジング211の底壁の周りの角丸に干渉することを効果的に防止することができる。また、該パッド24に1つ又は複数の貫通孔が設置されてもよく、例えば、均一に並べられた複数の貫通孔を設置してもよく、又は、圧力解放機構213がハウジング211の底壁に設置される場合に、該圧力解放機構213に対応する位置に貫通孔を設置してもよく、それにより流体とガスを容易にガイドすることでき、具体的には、このようにして、パッド24の上面と下面の空間を連通させ、電池セル20の内部に生じたガス及び電解液はいずれもパッド24を自由に通過することができる。
【0086】
圧力解放機構213及び電極端子214を電池セル20の異なる壁に設置することにより、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は電極端子214からより離れることができ、それにより排出物の電極端子214及びバス部材への影響を減少し、従って電池の安全性を向上させることができる。
【0087】
さらに、電極端子214が電池セル20のカバープレート212に設置される場合に、圧力解放機構213を電池セル20の底壁に設置することにより、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は電池10の底部に向けて排出される。このようにして、一方では、電池10の底部の熱管理部材等で排出物の危険性を低減させることができ、他方では、電池10の底部は一般的には使用者から遠く離れるため、使用者への害を低減させることができる。
【0088】
圧力解放機構213は各種の可能な圧力解放構造であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。例えば、圧力解放機構213は温度に敏感な圧力解放機構であってもよく、温度に敏感な圧力解放機構は、圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値に達する場合に溶融できるように配置され、及び/又は、圧力解放機構213は圧力に敏感な圧力解放機構であってもよく、圧力に敏感な圧力解放機構は、圧力解放機構213が設けられた電池セル20の内部気圧が閾値に達する場合に破裂できるように配置される。
【0089】
図6は本願の1つの実施例の電池10の模式図である。図6に示されるように、電池10は電池セル20及び熱管理部材13を含んでもよい。
【0090】
電池セル20は圧力解放機構213を含み、圧力解放機構213の少なくとも一部が電池セル20の第1壁21aから突出し、圧力解放機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。例えば、電池セル20は図5の電池セル20であってもよい。
【0091】
熱管理部材13は、流体を収容して複数の電池セル20の温度を調節することに用いられる。電池セル20の温度を低減する場合において、該熱管理部材13は冷却媒体を収容して複数の電池セル20の温度を調節することができ、この場合、熱管理部材13は冷却部材、冷却システム又は冷却板等とも呼称される。また、熱管理部材13は加熱することに用いられてもよく、本願の実施例はこれを限定しない。選択可能に、前記流体は循環して流れるものであってもよく、それにより、より良好な温度調節の効果を実現する。
【0092】
熱管理部材13の第1表面(図6に示される上表面)は第1壁21aに付着される。つまり、電池セル20の圧力解放機構213が設置された壁は熱管理部材13に付着される。熱管理部材13の第1表面に逃げキャビティ134aが設置され、逃げキャビティ134aは圧力解放機構213の少なくとも一部を収容することに用いられる。
【0093】
圧力解放機構213を電池セル20の第1壁21aに設置する場合、圧力解放機構213の少なくとも一部を第1壁21aから突出させることができ、このようにして、圧力解放機構213を容易に取り付けることができ、且つ電池セル20内部の空間を確保することができる。本願の実施例において、熱管理部材13の第1表面に圧力解放機構213の少なくとも一部を収容するための逃げキャビティ134aが設置される。このようにして、電池セル20の第1壁21aは熱管理部材13の表面にぴったりと貼り付けられることができ、一方では、電池セル20の固定を容易にし、空間を節約して熱管理の効率を向上させ、他方では、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は逃げキャビティ134aに向けて排出されて電池セル20から遠く離れることができ、その危険性を低減させ、それにより電池の安全性を向上させることができる。
【0094】
選択可能に、本願の1つの実施例において、逃げキャビティ134aは凹溝であってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0095】
選択可能に、本願の1つの実施例において、第1壁21aの圧力解放機構213の周りの部分が外へ突出し、逃げキャビティ134aはさらに第1壁21aの圧力解放機構213の周りの突出部分を収容することに用いられる。
【0096】
同様に、第1壁21aの圧力解放機構213の周りの部分が外へ突出する場合に、逃げキャビティ134aは電池セル20の第1壁21aが熱管理部材13の表面にぴったりと貼り付けられることを確保することができ、それにより電池セル20の固定を容易に数ことができ、さらに空間を節約して熱管理効率を向上させることができる。
【0097】
圧力解放機構213が作動する時に、変形して電池セル20の内部と外部とを連通させる。例えば、ノッチを採用する圧力解放機構213に対して、圧力解放機構213が作動する時にノッチの箇所で破裂し且つ両側へ開けられ、それに対応して、圧力解放機構213は所定の変形空間を必要とする。選択可能に、本願の1つの実施例において、逃げキャビティ134aは、圧力解放機構213に変形空間を提供して、圧力解放機構213を熱管理部材13に向けて変形させ破裂させることができるように配置される。それに対応して、逃げキャビティ134aの設置は圧力解放機構213が作動する時に開放できる条件を満たさなければならない。具体的には、逃げキャビティ134aの深さは圧力解放機構213の寸法に関連する。本願の1つの実施例として、逃げキャビティ134aの深さが1mmより大きい。例えば、逃げキャビティ134aの深さは3mm以上であってもよく、それにより圧力解放機構213を容易に開けることができる。
【0098】
逃げキャビティ134aを設置することで圧力解放機構213を熱管理部材13に向けて変形させ破裂させることができ、それにより電池セル20の排出物は逃げキャビティ134aに向けて排出されて電池セル20から遠く離れることができる。さらに、逃げキャビティ134aは、圧力解放機構213が作動する時に、排出物を通過させることができるように配置されてもよい。このようにして、排出物は熱管理部材13を通過して迅速に排出されて電池セル20から遠く離れることができ、その危険性を低減させ、それにより電池の安全性を向上させることができる。
【0099】
選択可能に、図6に示されるように、本願の1つの実施例において、逃げキャビティ134aの底壁に薄化領域135が設置され、薄化領域135は、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の内部から排出された排出物に破壊されて、排出物を薄化領域135に通過させることができるように配置される。逃げキャビティ134aの底壁は熱管理部材13の他の領域より薄くて、排出物に破壊されやすいため、圧力解放機構213が作動する時に、排出物は逃げキャビティ134aの底壁を破壊して熱管理部材13を通過することができる。
【0100】
熱管理部材13は熱伝導材料によって流体の流路を形成することができる。流体は流路に流れ、且つ熱伝導材料によって熱を伝導して電池セル20の温度を調節する。選択可能に、薄化領域は流体がなく熱伝導材料のみを有してもよく、薄い熱伝導材料層を形成し、それにより排出物に破壊されやすい。例えば、逃げキャビティ134aの底壁は熱伝導材料の薄い層であってもよく、それにより薄化領域135を形成する。
【0101】
選択可能に、図7a~7cに示されるように、本願の1つの実施例において、熱管理部材13は第1熱伝導板131と第2熱伝導板132を含んでもよい。第1熱伝導板131と第2熱伝導板132は流体を収容するための流路133を形成する。第1熱伝導板131は第1壁21aと第2熱伝導板132との間に位置し且つ第1壁21aに付着される。第1熱伝導板131の第1領域131aは第2熱伝導板132へ凹んで逃げキャビティ134aを形成し、第1領域131aは第2熱伝導板132に接続される。このようにして、逃げキャビティ134aの周りに流路133が形成され、逃げキャビティ134aの底壁内に流路がないため、薄化領域を形成する。
【0102】
選択可能に、さらに逃げキャビティ134aの底壁の第1熱伝導板131又は第2熱伝導板132を取り外してもよく、それにより、より薄い薄化領域を形成する。例えば、図7cに示されるように、本願の1つの実施例において、第1領域131aに貫通孔136が設置され、貫通孔136の半径方向の寸法は逃げキャビティ134aの半径方向の寸法より小さく、即ち逃げキャビティ134aの底壁の第1熱伝導板131を取り外し、且つ逃げキャビティ134aの底部のエッジでの第1熱伝導板131と第2熱伝導板132との接続を維持して、逃げキャビティ134aの周りの流路133を形成する。
【0103】
選択可能に、さらに貫通孔136に対応する第2熱伝導板132に対して薄化処理を行ってもよく、即ち、貫通孔136に対応する第2熱伝導板132の厚さを、他の領域の第2熱伝導板132の厚さより小さくし、それにより薄化領域は排出物に破壊されやすくなる。選択可能に、さらに貫通孔136に対応する第2熱伝導板132に脆弱溝を設置してもよい。
【0104】
図8a~図8cは熱管理部材13の模式図を示す。図8a~図8cに示されるように、第1熱伝導板131は凹んで逃げキャビティ134aを形成し、第2熱伝導板132は逃げキャビティ134aに対応する領域において流路が設けられず脆弱溝132aが設置され、このようにして、第1熱伝導板131を第2熱伝導板132に接続した後、逃げキャビティ134aの底壁が薄化領域を形成する。
【0105】
理解されるように、さらに他の薄化方法を採用して逃げキャビティ134aの底壁を薄化してもよく、例えば、第1熱伝導板131の第1領域131aにブラインドホール又は段付孔を設置してもよく、及び/又は、第2熱伝導板132にブラインドホール等を設置してもよい。
【0106】
選択可能に、本願の1つの実施例において、薄化領域135の厚さが3mm以下である。例えば、薄化領域135の厚さは1mm以下であってもよい。
【0107】
厚さが小さい薄化領域135を採用する以外、さらに低融点材料の薄化領域135を採用してもよく、それにより排出物に溶融されやすい。つまり、薄化領域135は熱管理部材13の他の部分より低い融点を有してもよい。例えば、薄化領域135が採用する材料の融点は400℃より低い。
【0108】
理解されるように、薄化領域135は、材料の融点が低く且つ厚さが小さいような配置を採用してもよく、つまり、上記2種の実施形態を単独で実施してもよく、組み合わせて実施してもよい。
【0109】
選択可能に、本願の1つの実施例において、熱管理部材13は、圧力解放機構213が作動する時に破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることができるように配置される。
【0110】
具体的には、圧力解放機構213が作動する時に、熱管理部材13は破壊され、流体は熱管理部材13の内部から排出され、このようにして、電池セル20の熱量を吸収して、排出物の温度を低減することができ、さらに排出物の危険性を低減させる。流体の冷却によって、電池セル20の排出物の温度を迅速に低減できるため、電池の他の部分、例えば他の電池セル20に大きな影響をもたらすことがなく、それにより単一の電池セル20の異常に起因する破壊性をタイムリーに抑制して、電池の爆発の可能性を低減させることができる。
【0111】
選択可能に、本願の1つの実施例において、熱管理部材13の逃げキャビティ134aの周りの部分は電池セル20の内部から排出された排出物に破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることができる。
【0112】
具体的には、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は、先ず薄化領域135を破壊し(突破又は溶融)、薄化領域135を通過して排出され、また、排出物は逃げキャビティ134aの周りの部分を破壊することができ、例えば、高熱の排出物は周りの熱管理部材13を溶融して、流体は熱管理部材13の内部から排出され、それにより高熱の排出物の温度を低減する。排出物の温度が高いため、流体で電池セル20を加熱しても、又は冷却しても、流体の温度はいずれも排出物の温度より低く、従って排出物を冷却することができる。
【0113】
選択可能に、本願の1つの実施例において、逃げキャビティ134aの側面は排出物に破壊されて、流体を熱管理部材13の内部から排出させることができる。
【0114】
圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は逃げキャビティ134aに突入し、逃げキャビティ134aの底壁が薄いため、排出物は逃げキャビティ134aの底壁を破壊して熱管理部材13を通過する。また、逃げキャビティ134a内に突入される排出物はさらに逃げキャビティ134aの側面を同時に溶融して、流体を熱管理部材13の内部から排出せれ、それにより高熱の排出物の温度を低減する。
【0115】
選択可能に、逃げキャビティ134aの半径方向の寸法は圧力解放機構213から遠く離れる方向に沿って徐々に小さくなる。つまり、逃げキャビティ134aの側面は傾斜面であり、このようにして、排出物との接触面積を増加することができ、排出物に破壊されることをより容易にする。例えば、逃げキャビティ134aの側面の傾斜角(底壁が所在する平面との角度)の角度範囲は15~85度であってもよい。
【0116】
選択可能に、逃げキャビティ134aの側面が排出物に破壊されやすくするために、逃げキャビティ134aの開口部の面積と圧力解放機構213の面積との比は所定の値より小さい必要がある。例えば、逃げキャビティ134aの開口部の面積と圧力解放機構213の面積との比の値の範囲は0.5~2であってもよい。
【0117】
理解されるように、熱管理部材13に、圧力解放機構213が作動する時に熱管理部材13が破壊され得る構造を設置する以外、さらに圧力解放機構213に、圧力解放機構213が作動する時に熱管理部材13が破壊され得る構造を設置することができる。
【0118】
選択可能に、本願の1つの実施例において、圧力解放機構213に破壊装置が設置され、破壊装置は、圧力解放機構213が作動する時に熱管理部材13を破壊して、流体を熱管理部材13の内部から排出させることに用いられる。例えば、破壊装置はスパイクであってもよく、本願の実施例はこれを限定しない。
【0119】
選択可能に、本願の1つの実施例において、図9に示されるように、電池10はさらに電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bを含んでもよい。熱管理部材13は電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを分離することに用いられる。ここでのいわゆる「分離」は分けることを指し、密封されなくてもよい。
【0120】
電気キャビティ11aは複数の電池セル20を収容することに用いられる。電気キャビティ11aはさらにバス部材12を収容することに用いられる。電気キャビティ11aは電池セル20及びバス部材12の収納空間を提供し、電気キャビティ11aの形状は複数の電池セル20及びバス部材12に応じて変化することができる。バス部材12は複数の電池セル20の電気的な接続を実現することに用いられる。バス部材12は電池セル20の電極端子214を接続することで電池セル20の電気的な接続を実現することができる。
【0121】
収集キャビティ11bは圧力解放機構213が作動する時に電池セル20の内部から排出された排出物を収集することに用いられる。
【0122】
本願の実施例において、熱管理部材13を採用して電気キャビティ11aと収集キャビティ11bを分離する。つまり、複数の電池セル20及びバス部材12を収容するための電気キャビティ11aが排出物を収集するための収集キャビティ11bと分離される。このようにして、圧力解放機構213が作動する時に、電池セル20の排出物は収集キャビティ11bに入り、電気キャビティ11aに入らず又は少量で電気キャビティ11aに入り、それにより電気キャビティ11a内の電気的な接続に影響を与えず、従って電池の安全性を向上させることができる。
【0123】
選択可能に、本願の1つの実施例において、熱管理部材13は、圧力解放機構213が作動する時に排出物に破壊されて、排出物を熱管理部材13に通過させて収集キャビティ11bに入ることができるように配置される。
【0124】
選択可能に、本願の1つの実施例において、熱管理部材13は、電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bによって共有される壁を有する。図9に示されるように、熱管理部材13は同時に電気キャビティ11aの1つの壁及び収集キャビティ11bの1つの壁として使用されてもよい。つまり、熱管理部材13(又はその一部)は直接的に、電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bによって共有される壁として使用されてもよく、このようにして、電池セル20の排出物は熱管理部材13を通過して収集キャビティ11bに入ることができ、また、熱管理部材13が存在するため、該排出物と電気キャビティ11aをできるだけ分離することができ、それにより排出物の危険性を低減させ、電池の安全性を向上させる。
【0125】
選択可能に、本願の1つの実施例において、電気キャビティ11aは開口部を有するカバー及び熱管理部材13で形成されてもよい。例えば、図10に示されるように、カバー110は開口部(図10の下側の開口部)を有する。開口部を有するカバー110は、半密閉チャンバであり、外部と連通する開口部を有し、熱管理部材13は該開口部をカバーし、チャンバ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0126】
選択可能に、カバー110は複数の部分で構成されてもよく、例えば、図11に示されるように、カバー110は第1部分111と第2部分112を含んでもよい。第2部分112の両側はそれぞれ開口部を有し、第1部分111は第2部分112の一側の開口部をカバーし、熱管理部材13は第2部分112の他側の開口部をカバーし、それにより電気キャビティ11aを形成する。
【0127】
図11の実施例は図2を基礎として改善して得られる。具体的には、図2の第2部分112の底壁を熱管理部材13に置き換え、熱管理部材13を電気キャビティ11aの1つの壁とし、それにより図11の電気キャビティ11aを形成する。言い換えれば、図2の第2部分112の底壁を取り外し、即ち、両側に開口部がある壁を形成し、第1部分111及び熱管理部材13はそれぞれ第2部分112の両側の開口部をカバーして、チャンバ、即ち電気キャビティ11aを形成する。
【0128】
選択可能に、本願の1つの実施例において、収集キャビティ11bについては、熱管理部材13及び保護部材で形成されてもよい。例えば、図12に示されるように、電池10はさらに保護部材115を含む。保護部材115は熱管理部材13を保護することに用いられ、且つ保護部材115と熱管理部材13とは収集キャビティ11bを形成する。
【0129】
保護部材115と熱管理部材13によって形成された収集キャビティ11bは、電池セル20を収容できる空間を占有せず、従って大きな空間がある収集キャビティ11bを設置することができ、それにより排出物を効果的に収集して緩衝することができ、その危険性を低減させる。
【0130】
選択可能に、本願の1つの実施例において、収集キャビティ11b内にさらに流体、例えば冷却媒体が設置されてもよく、又は流体を収容するための部材が設置されてもよく、それにより収集キャビティ11b内に入る排出物の温度をさらに低減する。
【0131】
選択可能に、本願の1つの実施例において、収集キャビティ11bは密閉チャンバであってもよい。例えば、保護部材115と熱管理部材13の接続部は密封部材によって密封することができる。
【0132】
選択可能に、本願の1つの実施例において、収集キャビティ11bは密閉チャンバではなくてもよい。例えば、収集キャビティ11bは空気と連通することができ、このようにして、一部の排出物はさらに収集キャビティ11bの外部へ排出され得る。
【0133】
上記実施例において、熱管理部材13はカバー110の開口部をカバーして電気キャビティ11aを形成し、熱管理部材13と保護部材115とは収集キャビティ11bを形成する。選択可能に、熱管理部材13は密閉されているカバーを電気キャビティ11a及び収集キャビティ11bに直接分けることができる。
【0134】
例えば、図13に示されるように、本願の1つの実施例において、熱管理部材13はカバー110の内部に設置され、且つカバー110の内部を電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに分離する。つまり、密閉されているカバー110はその内部にチャンバを形成し、熱管理部材13はカバー110の内部のチャンバを2つのチャンバ、即ち電気キャビティ11aと収集キャビティ11bに分離する。
【0135】
電気キャビティ11aは複数の電池セル20等を収容するために大きな空間を必要とするため、熱管理部材13をカバー110のある壁に接近する位置に設置してもよく、それにより比較的大きい空間のある電気キャビティ11aと比較的小さい空間のある収集キャビティ11bを分離する。
【0136】
選択可能に、図14に示されるように、本願の1つの実施例において、カバー110は第1部分111と第2部分112を含んでもよい。第2部分112の一側に開口部が設置されて半密閉構造を形成する。半密閉構造は即ち開口部を有するチャンバである。熱管理部材13は第2部分112の内部に設置され、第1部分111は第2部分112の開口部をカバーする。言い換えれば、先ず熱管理部材13を半密閉の第2部分112内に設置して、収集キャビティ11bを分離し、次に第1部分111を第2部分112の開口部にカバーして、電気キャビティ11aを形成する。
【0137】
選択可能に、本願の1つの実施例において、電気キャビティ11aは熱管理部材13を介して収集キャビティ11bと分離される。つまり、収集キャビティ11bは電気キャビティ11aと連通せず、収集キャビティ11b内の液体又はガス等は電気キャビティ11aに入ることができず、それにより電気キャビティ11aをより良好に保護することができる。
【0138】
図15は本願の1つの実施例の電池10の分解図である。図15に示される実施例では、熱管理部材13には逃げキャビティ134aが設置され、且つ保護部材115と収集キャビティを形成する。
【0139】
電池10の各部材についての説明は上記各実施例を参照すればよく、簡潔にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0140】
本願の1つの実施例は電力消費機器をさらに提供し、該電力消費機器は上記各実施例の電池10を含んでもよい。選択可能に、電力消費機器は車両1、船又は航宙機であってもよい。
【0141】
上記では本願の実施例の電池及び電力消費機器を説明したが、以下では本願の実施例の電池の製造方法及び装置を説明し、その中で、詳細に説明されていない部分は上記各実施例を参照すればよい。
【0142】
図16は本願の1つの実施例の電池の製造方法300の例示的なフローチャートを示す。図16に示されるように、該方法300はステップ310、ステップ320、ステップ330を含む。
【0143】
ステップ310、電池セル20を提供し、前記電池セル20は圧力解放機構213を含み、圧力解放機構213の少なくとも一部が電池セル20の第1壁21aから突出し、圧力解放機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられる。
【0144】
ステップ320、流体を収容することに用いられ、第1表面に逃げキャビティ134aが設置される熱管理部材13を提供する。
【0145】
ステップ330、熱管理部材13の第1表面を電池セル20の第1壁21aに付着し、且つ逃げキャビティ134aに圧力解放機構213の少なくとも一部を収容させる。
【0146】
図17は本願の1つの実施例の電池の製造装置400の例示的なブロック図を示す。図17に示されるように、電池の製造装置400は、提供モジュール410及び取り付けモジュール420を含んでもよい。
【0147】
提供モジュール410は、電池セル20を提供し、電池セル20は圧力解放機構213を含み、圧力解放機構213の少なくとも一部が電池セル20の第1壁21aから突出し、圧力解放機構213は電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して内部圧力又は温度を解放することに用いられ、流体を収容することに用いられ、第1表面に逃げキャビティ134aが設置される熱管理部材13を提供することに用いられる。
【0148】
取り付けモジュール420は、熱管理部材13の第1表面を電池セル20の第1壁21aに付着し、且つ逃げキャビティ134aに圧力解放機構213の少なくとも一部を収容させることに用いられる。
【0149】
なお、以上の実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。上記実施例を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者が理解できるように、依然として上記各実施例に記載されている技術案を変更し、又はその中の一部の技術的特徴に対して同等置換を行うことができ、これらの変更や置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例に係る技術案の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0150】
1 車両
10 電池
11a 電気キャビティ
11b 収集キャビティ
12 バス部材
13 熱管理部材
20 電池セル
21 電池ケース
21a 第1壁
22 電極アセンブリ
23 集電部材
23 接続部材
24 パッド
30 コントローラ
40 モータ
110 カバー
111 第1部分
112 第2部分
115 保護部材
131 第1熱伝導板
131a 第1領域
132 第2熱伝導板
132a 脆弱溝
133 流路
134a キャビティ
135 薄化領域
136 貫通孔
211 ハウジング
212 カバープレート
213 圧力解放機構
214 電極端子
214a 正極端子
214b 負極端子
221a 第1タブ
222a 第2タブ
400 製造装置
410 提供モジュール
420 取り付けモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2021-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
電池セルであって、圧力解放機構を含み、前記圧力解放機構の少なくとも一部が前記電池セルの第1壁から突出し、前記圧力解放機構は前記電池セルの内部圧力又は温度が閾値に達する場合に作動して前記内部圧力を解放することに用いられる電池セルと、
流体を収容して前記電池セルの温度を調節するための熱管理部材と、を含み、
前記熱管理部材の第1表面が前記電池セルの前記第1壁に付着され、前記熱管理部材の前記第1表面には、前記圧力解放機構の前記少なくとも一部を収容するための逃げキャビティが設置される、電池。
【請求項2】
前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの部分が外へ突出し、前記逃げキャビティはさらに、前記第1壁の前記圧力解放機構の周りの突出部分を収容することに用いられる、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記逃げキャビティは、前記圧力解放機構に変形空間を提供して、前記圧力解放機構を前記熱管理部材に向けて変形させ破裂させることができるように構成される、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記逃げキャビティの深さは前記圧力解放機構の寸法に関連し、及び/又は、
前記逃げキャビティの深さが1mmより大きい、請求項3に記載の電池
【請求項5】
前記逃げキャビティの底壁に薄化領域が設置され、前記薄化領域は、前記圧力解放機構が作動する時に前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記排出物を前記薄化領域に通過させることができるように配置され
前記薄化領域の厚さが3mm以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電池
【請求項6】
前記薄化領域は前記熱管理部材の他の部分より低い融点を有し、
前記薄化領域が採用する材料の融点が400℃より低い、請求項5に記載の電池
【請求項7】
前記熱管理部材は第1熱伝導板と第2熱伝導板を含み、前記第1熱伝導板は前記第1壁と前記第2熱伝導板との間に位置し且つ前記第1壁に付着され、前記第1熱伝導板の第1領域は前記第2熱伝導板へ凹んで前記逃げキャビティを形成し、前記第1領域は前記第2熱伝導板に接続される、請求項1~のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記第1領域に貫通孔が設置され、前記貫通孔の半径方向の寸法が前記逃げキャビティの半径方向の寸法より小さい、請求項に記載の電池。
【請求項9】
前記貫通孔に対応する前記第2熱伝導板の厚さは他の領域の前記第2熱伝導板の厚さより小さい、請求項に記載の電池。
【請求項10】
前記熱管理部材の前記逃げキャビティの周りの部分は前記電池セルの内部から排出された排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることができる、請求項1~のいずれか一項に記載の電池。
【請求項11】
前記逃げキャビティの側面は前記排出物に破壊されて、前記流体を前記熱管理部材の内部から排出させることができる、請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記逃げキャビティの半径方向の寸法は前記圧力解放機構から遠く離れる方向に沿って徐々に小さくなる、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記電池はさらに、
複数の前記電池セルを収容するための電気キャビティと、
前記圧力解放機構が作動する時に前記電池セルの内部から排出された排出物を収集するための収集キャビティと、を含み、
前記熱管理部材は前記電気キャビティと前記収集キャビティを分離することに用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記熱管理部材は、前記電気キャビティ及び前記収集キャビティによって共有される壁を有し、及び/又は、
前記電池は保護部材をさらに含み、
前記保護部材は前記熱管理部材を保護することに用いられ、前記保護部材と前記熱管理部材とは前記収集キャビティを形成し、
前記熱管理部材は、前記圧力解放機構が作動する時に前記排出物に破壊されて、前記排出物を前記熱管理部材に通過させて前記収集キャビティに入ることができるように配置される、請求項13に記載の電池
【請求項15】
電力消費機器であって、請求項1~14のいずれか一項に記載の電池を含む、電力消費機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正の内容】
図16
【国際調査報告】