(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ロボット及びそのハウジング
(51)【国際特許分類】
B25J 9/06 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
B25J9/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021578194
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2021-12-29
(86)【国際出願番号】 CN2021105078
(87)【国際公開番号】W WO2022007865
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010652761.0
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521562245
【氏名又は名称】達闥機器人股▲分▼有限公司
【住所又は居所原語表記】Building 8, No. 207, Zhongqing Road, Minhang District, Shanghai 200245, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】張 育峰
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS27
3C707CU01
3C707CU07
3C707CY25
3C707CY27
3C707CY29
3C707CY39
3C707DS01
3C707ES06
3C707ES07
(57)【要約】
本開示は、ロボット及びそのハウジングに関し、前記ハウジングは、前腕ハウジング(3)、上腕ハウジング(4)及び胸腔ハウジングを含み、前記前腕ハウジング(3)、前記上腕ハウジング(4)及び前記胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであり、前記可撓性ハウジングは、弾性を有する本体層(1)を含む。上記技術的解決手段により、本開示に係るロボットのハウジングは、ロボットの関節の運動範囲に対するハウジングの制限を減少させ、さらに回避すると共に、外観的に良好とすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットのハウジングであって、前記ハウジングは、前腕ハウジング(3)、上腕ハウジング(4)及び胸腔ハウジングを含み、前記前腕ハウジング(3)、前記上腕ハウジング(4)及び前記胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであり、前記可撓性ハウジングは、弾性を有する本体層(1)を含む、ことを特徴とするハウジング。
【請求項2】
前記可撓性ハウジングは、弾性材料層(2)を含み、該弾性材料層(2)は、前記本体層(1)の全ての外表面に被覆している、ことを特徴とする請求項1に記載のロボットのハウジング。
【請求項3】
前記弾性材料層(2)は、疎水性、及び/又は、疎油性、及び/又は、防炎性、及び/又は、耐摩耗性を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のロボットのハウジング。
【請求項4】
前記本体層(1)は、発泡体材料で製造されている、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットのハウジング。
【請求項5】
前記発泡体材料は、EVA発泡体であり、且つ、前記EVA発泡体の硬度は、50HB~70HBである、ことを特徴とする請求項4に記載のロボットのハウジング。
【請求項6】
前記ハウジングは、塑性材料で製造された肘関節ハウジングを含み、
前記肘関節ハウジングは、前記前腕ハウジング(3)と前記上腕ハウジング(4)との間に位置し、且つ、肘関節アクチュエータを覆う肘関節カバー部(83)と、前記肘関節カバー部(83)に接続された肘関節カバー固定部を有し、
前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジング(3)に接続され、
前記上腕ハウジング(4)は、可撓性ハウジングであり、且つ、前記上腕ハウジング(4)の上端部は、ロボットの上腕骨格の上端部に固定され、前記上腕ハウジング(4)の下端部は、自由に吊り下げられ、且つ、肘関節に延びる、ことを特徴とする請求項1-5のいずれか1項に記載のロボットのハウジング。
【請求項7】
前記上腕ハウジング(4)は、前記ロボットの上腕骨格に外嵌可能な筒状に構成され、前記上腕ハウジング(4)の上端部は、第1位置決め接続構造により引っ張られた状態で前記上腕骨格の上端部に接続され、
前記ハウジングは、塑性材料で製造された肩関節ハウジングを含み、
前記肩関節ハウジングは、肩関節アクチュエータを覆う肩関節カバー部(73)と、前記肩関節カバー部(73)に接続された肩関節カバー固定部を有し、
前記肩関節カバー固定部は、前記上腕ハウジング(4)の上端部を取り囲み、前記上腕ハウジング(4)の上端部を押し付けて被覆している、ことを特徴とする請求項6に記載のロボットのハウジング。
【請求項8】
前記第1位置決め接続構造は、前記上腕骨格の上端部に形成された第1柱状突起(101)と、前記上腕ハウジング(4)の上端部に形成された第1貫通孔(41)を含み、
前記第1柱状突起(101)は、前記第1貫通孔(41)と係合している、ことを特徴とする請求項7に記載のロボットのハウジング。
【請求項9】
前記肩関節カバー固定部は、いずれも半環状に構成された第1肩関節カバー固定部(74)と、第2肩関節カバー固定部(75)を含み、
前記第1肩関節カバー固定部(74)と第2肩関節カバー固定部(75)は、第1係止構造により当接して環状構造を形成している、ことを特徴とする請求項7に記載のロボットのハウジング。
【請求項10】
前記ハウジングは、塑性材料で製造された手首関節ハウジングを含み、
前記手首関節ハウジングは、前記前腕ハウジング(3)の下側に位置し、且つ、手首関節アクチュエータを覆う手首関節カバー部を有し、前記ロボットの掌(103)は、前記手首関節アクチュエータに接続され、
前記前腕ハウジング(3)は、可撓性ハウジングであり、且つ、前記前腕ハウジング(3)の上端部は、ロボットの前腕骨格の上端部に固定され、前記前腕ハウジング(3)の下端部は、自由に吊り下げられ、且つ、手首関節に延びている、ことを特徴とする請求項1-5のいずれか1項に記載のロボットのハウジング。
【請求項11】
前記前腕ハウジング(3)は、前記ロボットの前腕骨格に外嵌可能な筒状に構成され、前記前腕ハウジング(3)の上端部は、第2位置決め接続構造により引っ張られた状態で前記前腕骨格の上端部に接続され、
前記ハウジングは、塑性材料で製造された肘関節ハウジングを含み、
前記肘関節ハウジングは、肘関節アクチュエータを覆う肘関節カバー部(83)と、前記肘関節カバー部(83)に接続された肘関節カバー固定部を有し、
前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジング(3)の上端部を取り囲み、前記前腕ハウジング(3)の上端部を押し付けて被覆している、ことを特徴とする請求項10に記載のロボットのハウジング。
【請求項12】
前記第2位置決め接続構造は、前記前腕骨格の上端部に形成された第2柱状突起(102)と、前記前腕ハウジング(3)の上端部に形成された第2貫通孔(31)を含み、前記第2柱状突起(102)は、前記第2貫通孔(31)と係合している、ことを特徴とする請求項11に記載のロボットのハウジング。
【請求項13】
前記肘関節カバー固定部は、いずれも半環状に構成された、第1肘関節カバー固定部(84)と第2肘関節カバー固定部(85)を含み、
前記第1肘関節カバー固定部(84)と第2肘関節カバー固定部(85)は、第2係止構造により当接して環状構造を形成している、ことを特徴とする請求項11に記載のロボットのハウジング。
【請求項14】
前記ハウジングは、塑性材料で製造された胸当てハウジングを含み、
前記胸腔ハウジングは、可撓性ハウジングであり、かつ、前記胸腔ハウジング自体の下端部に位置する胴回り部(91)と、ロボット胸腔の側方に位置する胸側部(92)と、前記胸側部(92)から肩部に延在する肩周り部(93)とを有し、
前記肩周り部(93)には、肩関節機構が貫通する肩部孔(94)が形成され、
前記胸当てハウジングは、前記ロボットの前胸及び背中を覆い、
前記胸当てハウジングに近い前記胸腔ハウジングの内縁は、前記ロボットの胸腔骨格に固定され、
前記肩周り部(93)は、前記肩部孔(94)が位置する側に自由に吊り下げられ、肩関節に延び、及び/又は、前記胴回り部(91)は、前記胸当てハウジングの下端部から離れて自由に吊り下げられ、かつ、腰振り関節に延びている、ことを特徴とする請求項1-5のいずれか1項に記載のロボットのハウジング。
【請求項15】
前記胸腔ハウジングの内縁は、前記胸当てハウジングの外縁で覆われ、且つ、締結部材は、前記胸腔ハウジングと前記胸当てハウジングを前記胸腔骨格に固定している、ことを特徴とする請求項14に記載のロボットのハウジング。
【請求項16】
前記胴回り部(91)、前記胸側部(92)、及び、前記肩周り部(93)のそれぞれの内縁は、いずれも、前記ロボットの胸腔骨格に固定される、ことを特徴とする請求項14に記載のロボットのハウジング。
【請求項17】
前記胸当てハウジングは、前胸当てハウジング(5)及び背中当てハウジング(6)を含み、
前記前胸当てハウジング(5)の上端部は、前記背中当てハウジング(6)の上端部に係止され、前記前胸当てハウジング(5)及び背中当てハウジング(6)は共に首関節機構が通過するための首部孔(10)を限定し、
前記前胸当てハウジング(5)は、それ自体の内側面に網状の前補強リブ(51)が設置され、及び/又は、
前記背中当てハウジング(6)の上端部はそれ自体の内側面に網状の後補強リブ(61)が設置されている、ことを特徴とする請求項14に記載のロボットのハウジング。
【請求項18】
前記ロボットが、請求項1-17のいずれか1項に記載のロボットのハウジングを含む、ことを特徴とするロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットの技術分野に関し、具体的には、ロボット及びそのハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの本体は、内部支持体及びハウジングで構成され、ハウジングは、内部支持体を覆い、ロボットの内部構造を保護すると同時にロボットを装飾する役割を果たす。
【0003】
従来のロボットは、ハウジングが、一般的に、プラスチック、金属等の硬質材料で製造される。このような硬質材料で製造されたハウジングは、ハウジング自体の硬度が大きく、且つ弾性を有しない。そのため、ロボットの関節の運動がハウジングによって限られることにより、ロボットの関節の運動範囲は、制限される。且つ、ロボットの関節は、運動過程においてハウジングと摩擦を起こすため、ハウジングの関節部分での摩耗がひどくなる。
【0004】
ロボットの関節の運動範囲の要件を満たし、ハウジングが関節の運動に干渉することを回避するために、硬質材料で製造されたハウジングは、ロボットの関節を回避して設置する必要がある。それにより、ロボットの関節が大きな運動範囲を実現できる。しかしながら、このような場合、ハウジングは、内部支持体全体を覆うことができず、それにより、ロボットの内部構造又はケーブルが露出し、ロボット全体の外観が見苦しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、ロボットの関節の運動範囲に対する制限を減少させ、さらに制限を回避すると共に、外観的に良好とすることができる、ロボットのハウジングを提供することである。
本開示の他の目的は、その関節が大きな運動範囲を有すると共に、外観が美しいロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、ロボットのハウジングを提供する。前記ハウジングは、前腕ハウジング、上腕ハウジング及び胸腔ハウジングを含み、前記前腕ハウジング、前記上腕ハウジング、及び、前記胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであり、前記可撓性ハウジングは、弾性を有する本体層を含む。
任意選択的に、前記可撓性ハウジングは、前記本体層の全ての外表面に被覆された弾性材料層を含んでいてもよい。
任意選択的に、前記弾性材料層は、疎水性及び/又は疎油性及び/又は防炎性及び/又は耐摩耗性を有していてもよい。
任意選択的に、前記本体層は、発泡体材料で製造されていてもよい。
任意選択的に、前記発泡体材料は、EVA発泡体であってもよく、且つ、前記EVA発泡体の硬度は、50HB~70HBであってもよい。
【0007】
任意選択的に、前記ハウジングは、塑性材料で製造された肘関節ハウジングを含んでいてもよい。前記肘関節ハウジングは、前記前腕ハウジングと前記上腕ハウジングとの間に位置し、且つ、肘関節アクチュエータを覆う肘関節カバー部と前記肘関節カバー部に接続された肘関節カバー固定部を有する。前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジングに接続されている。前記上腕ハウジングは、可撓性ハウジングであり、且つ、前記上腕ハウジングの上端部は、ロボットの上腕骨格の上端部に固定され、前記上腕ハウジングの下端部は、自由に吊り下げられ、且つ、肘関節に延びている。
【0008】
任意選択的に、前記上腕ハウジングは、前記ロボットの上腕骨格に外嵌可能な筒状に構成されていてもよい。前記上腕ハウジングの上端部は、第1位置決め接続構造により引っ張られた状態で前記上腕骨格の上端部に接続されている。前記ハウジングは、塑性材料で製造された肩関節ハウジングを含でいてもよい。前記肩関節ハウジングは、肩関節アクチュエータを覆う肩関節カバー部と、前記肩関節カバー部に接続された肩関節カバー固定部を有する。前記肩関節カバー固定部は、前記上腕ハウジングの上端部を取り囲み、上腕ハウジングの上端部を押し付けて被覆する。
【0009】
任意選択的に、前記第1位置決め接続構造は、前記上腕骨格の上端部に形成された第1柱状突起と前記上腕ハウジングの上端部に形成された第1貫通孔を含んでいてもよい。前記第1柱状突起は、前記第1貫通孔と係合することができる。
【0010】
任意選択的に、前記肩関節カバー固定部は、いずれも半環状に構成された第1肩関節カバー固定部と、第2肩関節カバー固定部を含んでいてもよい。前記第1肩関節カバー固定部と第2肩関節カバー固定部は、第1係止構造により当接して環状構造を形成する。
【0011】
任意選択的に、前記ハウジングは、塑性材料で製造された手首関節ハウジングを含んでいてもよい。前記手首関節ハウジングは、前記前腕ハウジングの下側に位置し、且つ、手首関節アクチュエータを覆う手首関節カバー部を有する。前記ロボットの掌は、前記手首関節アクチュエータに接続される。前記前腕ハウジングは、可撓性ハウジングであり、且つ、前記前腕ハウジングの上端部は、ロボットの前腕骨格の上端部に固定され、前記前腕ハウジングの下端部は、自由に吊り下げられ、且つ手首関節に延びている。
【0012】
任意選択的に、前記前腕ハウジングは、前記ロボットの前腕骨格に外嵌可能な筒状に構成されていてもよい。前記前腕ハウジングの上端部は、第2位置決め接続構造により引っ張られた状態で前記前腕骨格の上端部に接続される。前記ハウジングは、塑性材料で製造された肘関節ハウジングを含む。前記肘関節ハウジングは、肘関節アクチュエータをカバーする肘関節カバー部と、前記肘関節カバー部に接続された肘関節カバー固定部を有する。前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジングの上端部を取り囲み、前腕ハウジングの上端部を押し付けて被覆している。
【0013】
任意選択的に、前記第2位置決め接続構造は、前記前腕骨格の上端部に形成された第2柱状突起と前記前腕ハウジングの上端部に形成された第2貫通孔を含んでいてもよい。前記第2柱状突起は、前記第2貫通孔と係合することができる。
【0014】
任意選択的に、前記肘関節カバー固定部は、いずれも半環状に構成された第1肘関節カバー固定部と第2肘関節カバー固定部を含でいてもよい。前記第1肘関節カバー固定部と、第2肘関節カバー固定部は、第2係止構造により当接して環状構造を形成する。
【0015】
任意選択的に、前記ハウジングは、塑性材料で製造された胸当てハウジングを含んでいてもよい。前記胸腔ハウジングは、可撓性ハウジングであり、かつ、胸腔ハウジング自体の下端部に位置する胴回り部と、ロボット胸腔の側方に位置する胸側部と前記胸側部から肩部に延びる肩周り部とを有する。前記肩周り部には肩関節機構が貫通する肩部孔が形成されている。前記胸当てハウジングは、前記ロボットの前胸及び背中を覆っている。胸当てハウジングに近い胸腔ハウジングの内縁は、前記ロボットの胸腔骨格に固定されている。前記肩周り部は、前記肩部孔が位置する側に自由に吊り下げられ、肩関節に延び、及び/又は、前記胴回り部は、前記胸当てハウジングの下端部から離れて自由に吊り下げられ、かつ、腰振り関節に延びる。
【0016】
任意選択的に、前記胸腔ハウジングの内縁は、前記胸当てハウジングの外縁で覆われていてもよく、且つ、締結部材で前記胸腔ハウジングと前記胸当てハウジングを前記胸腔骨格に固定してもよい。
任意選択的に、前記胴回り部、前記胸側部、及び、前記肩周り部のそれぞれの内縁は、いずれも、前記ロボットの胸腔骨格に固定される。
【0017】
任意選択的に、前記胸当てハウジングは、前胸当てハウジング及び背中当てハウジングを含んでいてもよい。前記前胸当てハウジングの上端部は、前記背中当てハウジングの上端部に係止され、前記前胸当てハウジング及び背中当てハウジングは共に首関節機構が通過するための首部孔を限定している。前記前胸当てハウジングは、それ自体の内側面に網状の前補強リブが設置され、及び/又は、前記背中当てハウジングの上端部はそれ自体の内側面に網状の後補強リブが設置されている。
上記技術的解決手段に基づいて、本開示は、さらに、ロボットを提供する。該ロボットは、上記ロボットのハウジングを含む。
【発明の効果】
【0018】
上記技術的解決手段により、本開示に係るロボットのハウジング内の前腕ハウジング、上腕ハウジング及び胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであってもよく、該可撓性ハウジング内の本体層は、外力作用で弾性変形することができ、外力を取り除いた後に回復する。ロボット関節が、ロボット関節ハウジングが可撓性ハウジングに干渉するまで運動する時、可撓性ハウジングは、ロボット関節ハウジングの作用力を受けて弾性変形を起こし、この時、ロボット関節が、継続的に移動することができる。これにより、可撓性ハウジングは、ロボット関節の移動範囲に対する制限を減少させ、さらに、回避することができる。しかも、ロボット関節を回避せずにロボットの内部骨格を完全に覆うことができ、それによりロボットの外観がより美しくなり、且つ、ロボットの内部の部材を保護する作用を果たし、外部の汚れがロボットの内部の部材を汚染することを防止することができる。また、可撓性ハウジング自体が、形状を有し、且つ、弾性を有する本体層を含むため、可撓性ハウジングが干渉のため破損したり、又は摩耗することがなく、それによりハウジングの耐用年数を延長することができる。しかも、ロボットの様々なID設計(Industrial Design、工業デザイン)を実現することができると共に、ロボットの様々な動作を完了することができる。
本開示の他の特徴及び利点は、後の具体的な実施形態部分において詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本開示に対するさらなる理解を提供するために用いられ、且つ明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態と共に本開示を説明するために用いられるが、本開示を限定するものではない。
【
図1】本開示の実施例に係るハウジングがロボットに取り付けられた概略図である。
【
図2】本開示の実施例に係るハウジングの分解斜視図である。
【
図3】本開示の実施例に係るハウジングの分解斜視図であり、前腕ハウジング、上腕ハウジング、肩関節ハウジング及び肘関節ハウジングを示す。
【
図4】本開示の実施例に係るハウジングのロボットの肩関節に位置する部分の構造の概略図である。
【
図5】本開示の実施例に係るハウジングのロボットの肩関節に位置する部分の断面図である。
【
図6】本開示の実施例に係るハウジングのロボットの肘関節に位置する部分の断面図である。
【
図7】本開示の実施例に係るハウジング内の胸当てハウジング及び胸腔ハウジングの構造の概略図である。
【
図8】本開示の実施例に係るハウジング内の前胸当てハウジングの立体構造の概略図である。
【
図9】本開示の実施例に係るハウジング内の背中当てハウジングの立体構造概略図である。
【
図10】本開示の実施例に係るハウジング内の前腕ハウジング及び上腕ハウジングの断面概略図であり、上腕ハウジングが力を受けて変形することを示す。
【
図11】本開示の実施例に係るハウジングにおける前腕ハウジングの断面概略図であり、前腕ハウジングが力を受けて変形することを示す。
【
図12】本開示の実施例に係るハウジング内の可撓性ハウジングの断面概略図であり、本体層を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。理解すべきことは、ここで説明された具体的な実施形態が単に本開示を説明し解釈するために用いられ、本開示を限定するものではない。
【0021】
本開示において、特に断りのない限り、「上、下、前、後」のような方向を示す言葉は、ロボットを基準に定義され、ここで、ロボットの頭部が位置する方位は上方であり、逆方向は下方であり、「上、下」方位は、
図1~
図3の図面における上方位、下方位に対応し、ロボットが面する方向は、前方であり、逆方向は、後方であり、「前、後」方位は、
図2の図面における右方位、左方位に対応する。また、「内、外」とは、対応する部材自体の輪郭に対する「内、外」を指す。また、本開示に使用される用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などは、1つの要素と他の要素を区別するためのものであり、順序性及び重要性を有さない。また、以下の説明において、図面に係る場合、他に明記しない限り、異なる図面における同じ参照符号は、同じ又は類似する素子を示す。上記定義は、本開示を解釈して説明するだけに用いられ、本開示を限定するものと理解すべきではない。
【0022】
本開示の具体的な実施形態によれば、
図1~
図12に示すように、ロボットのハウジングを提供する。該ハウジングは、前腕ハウジング3、上腕ハウジング4、及び胸腔ハウジングを含み、前記前腕ハウジング3、前記上腕ハウジング4及び前記胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであり、該可撓性ハウジングは、弾性を有する本体層1を含む。
【0023】
上記技術的解決手段により、本開示に係るロボットのハウジング内の前腕ハウジング3、上腕ハウジング4及び胸腔ハウジングのうちの少なくとも1つは、可撓性ハウジングであってもよく、該可撓性ハウジング内の本体層1は、外力作用で弾性変形することができ、外力を取り除いた後に回復する。ロボット関節が、ロボット関節ハウジングが可撓性ハウジングに干渉するまで運動する時、可撓性ハウジングは、ロボット関節ハウジングの作用力を受けて弾性変形を起こすことにより、ロボット関節が、継続的に移動することができる。これにより、可撓性ハウジングは、ロボット関節の移動範囲に対する制限を減少させ、さらに、回避することができる。しかも、ロボット関節を回避せずにロボットの内部骨格を完全に覆うことができ、それによりロボットの外観がより美しくなり、且つ、ロボットの内部の部材を保護する作用を果たし、外部の汚れがロボットの内部の部材を汚染することを防止することができる。また、可撓性ハウジング自体が、形状を有し、且つ、弾性を有する本体層1を含むため、可撓性ハウジングが干渉のため破損するか又は摩耗することがない。これによりハウジングの耐用年数を延長することができ、且つ、ロボットの様々なID設計(Industrial Design、工業デザイン)を実現することができると共に、ロボットの様々な動作を完了することができる。
【0024】
本開示に係る具体的な実施形態において、美しい外観をさらに保証するために、可撓性ハウジングは、弾性材料層2を含んでもよく、該弾性材料層2は、実際の必要に応じて様々な色又はパターンを設計することができ、且つ、本体層1の全ての外表面に被覆される。それにより、可撓性ハウジングは、より美しい外観を有する。また、弾性材料層2が弾性を有するため、本体層1に弾性変形が発生することに役立つ。ロボット関節ハウジングが可撓性ハウジングに干渉する時、弾性材料層2は、本体層1と共に弾性変形する。また、弾性材料層2は、実際の使用環境に応じて異なる性質、例えば疎水性、撥油性、防炎性などの特性を有することができ、それにより本体層1を保護すると共に、ロボットの内部の部材を保護する。当然のことながら、弾性材料層2は、同時に複数の上記特性を有することができ、これに対して、本開示は具体的な制限をしない。弾性材料層2が汚された後、新たな弾性材料層2を交換することができるが、本体層1を継続して使用することができ、それによりロボットのハウジングの材料コストを大幅に低減することができる。且つ、弾性材料層2は、さらに、耐摩耗性を有することができ、このようにして、干渉の可撓性ハウジングへの摩耗を減少させ、それにより可撓性ハウジングの耐用年数を延長することができる。
【0025】
本開示に係る具体的な実施形態において、本体層1は、弾性を有し、型開き製造可能な任意の適切な材料で製造することができる。任意選択的に、本体層1は、発泡体材料で製造されてもよい。発泡体材料は、それ自体が良好な通気性を有するため、ロボットの内部の部材が動作する時に生成された熱量をタイムリーに放出することができる。それにより、ロボットの内部の部品の特性及び効率を保証し、且つ、ロボットの内部の部材の耐用年数を延長することができる。また、本体層1は、さらに、シリカ、シリコーンゴム、ゴム、フォームなどの材料で製造されてもよく、本開示は、これを具体的に限定しない。
【0026】
ここで、発泡体材料は、EVA発泡体であってもよく、且つ、該EVA発泡体の硬度は、50HB~70HBであってもよい。EVA発泡体は、可撓性ハウジングが干渉を起こした後に弾性変形することができることを保証するだけでなく、外力作用が取り除かれた場合に、可撓性ハウジングを回復しその本来の形状を保持することができ、任意選択的に、EVA発泡体の硬度は、60HBである。
【0027】
本開示に係る具体的な実施形態において、上腕ハウジング4は、可撓性ハウジングであってもよい。該実施例において、前記ハウジングは、塑性材料で製造された肘関節ハウジングを含む。該肘関節ハウジングは、前記前腕ハウジング3と上腕ハウジング4との間に位置し、且つ、肘関節アクチュエータを覆う肘関節カバー部83と前記肘関節カバー部83に接続された肘関節カバー固定部を有する。前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジング3に接続される。前記上腕ハウジング4は、可撓性ハウジングであり、且つ前記上腕ハウジング4の上端部は、ロボットの上腕骨格の上端部に固定される。前記上腕ハウジング4の下端部は、自由に吊り下げられ、且つ肘関節に延びる。肘関節アクチュエータが、ロボットの前腕を、上腕ハウジング4の下端部に移動して肘関節カバー固定部と干渉するように駆動する時、上腕ハウジング4の下端部は、
図10に示すように、力を受けて弾性変形する。この時、ロボットの前腕は、肘関節アクチュエータの駆動で移動し続けることができ、且つ、上腕ハウジング4の下端部が、肘関節ハウジングの干渉のため、破損するか又は摩耗することがないため、上腕ハウジング4は、ロボットの肘関節の移動範囲に対する制限を減少させ、さらに回避することができる。したがって、上腕ハウジング4は、ロボットの肘関節を回避して配置する必要がなく、上腕ハウジング4の下端部は、ロボットの肘関節をカバーすることができ、それにより、ロボットの肘関節において部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を回避でき、さらにロボットの肘関節での部材及びケーブルを保護する役割を果たす。
【0028】
ここで、上腕ハウジング4は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、上腕ハウジング4は、前記ロボットの上腕骨格に外嵌可能な筒状に構成されてもよく、前記上腕ハウジング4の上端部は、第1位置決め接続構造により引っ張られた状態で前記上腕骨格の上端部に接続される。第1位置決め接続構造により上腕ハウジング4の取り付け位置を迅速で正確に位置決めすることができ、上腕ハウジング4の取り付け位置の正確性を保証し、且つ、上腕ハウジング4の上端部は、上腕骨格の上端部に接続される。上腕ハウジング4の下端部は、肘関節に延びる。このような設置により、上腕ハウジング4は、上腕骨格を完全に覆うことができ、それによりロボットの美しい外観を保証する。
【0029】
ここで、第1位置決め接続構造は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、
図3及び
図4に示すように、第1位置決め接続構造は、前記上腕骨格の上端部に形成された第1柱状突起101と、前記上腕ハウジング4の上端部に形成された第1貫通孔41を含んでもよい。前記第1柱状突起101は、前記第1貫通孔41と嵌合することができる。第1柱状突起101と第1貫通孔41の係合により、上腕ハウジング4は、正確な取り付け位置に配置される。これにより上腕ハウジング4と上腕骨格との組み立てを容易にする。
【0030】
上腕ハウジング4と上腕骨格との間の接続信頼性を保証するために、上腕ハウジング4の上端部に締結接続部材を設置することができる。該締結接続部材により上腕ハウジング4を上腕骨格に強固に取り付けることができる。該締結接続部材は、ボルト、ねじ等であってもよい。ボルト又はねじは、複数設置され、且つ上腕ハウジング4の上端部を中心として周方向に間隔を隔てて配置され、それにより、上腕ハウジング4を上腕骨格に締結することができる。本開示に係る具体的な実施例において、上腕ハウジング4は、塑性材料(例えば、プラスチック等の塑性材料)で製造された肩関節ハウジングにより上腕骨格に強固に取り付けられる。前記肩関節ハウジングは、第1ハウジング71及び第2ハウジング72を含み、第1ハウジング71及び第2ハウジング72は、いずれも、肩関節アクチュエータをカバーする肩関節カバー部73及び前記肩関節カバー部73に接続された肩関節カバー固定部を有する。前記肩関節カバー固定部は、前記上腕ハウジング4の上端部を取り囲み、上腕ハウジング4の上端部を押し付けて被覆する。肩関節カバー固定部により上腕ハウジング4の上端部を上腕骨格に押し付けることにより、上腕ハウジング4が上腕骨格から離脱することを回避でき、それにより上腕ハウジング4と上腕骨格との接続信頼性を保証する。
【0031】
ここで、肩関節カバー固定部は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、
図2~
図4に示すように、肩関節カバー固定部は、いずれも、半環状に構成されてもよい第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75を含んでいてもよい。第1肩関節カバー固定部74は、第1ハウジング71に形成され、第2肩関節カバー固定部75は、第2ハウジング72に形成されている。該第1肩関節カバー固定部74と第2肩関節カバー固定部75は、第1係止構造により当接して環状構造を形成する。第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75は、上腕ハウジング4の上端部を周方向に取り囲んで上腕ハウジング4を上腕骨格に強固に接続する。
【0032】
ここで、第1係止構造は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、第1係止構造は、互いに係合する第1ロック板及び第1係止溝を含んでもよい。第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75のうちの一方に第1ロック板が形成され、第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75のうちの他方に第1係止溝が形成される。第1ロック板が第1係止溝内に挿入されることにより、第1肩関節カバー固定部74と第2肩関節カバー固定部75が互いに係止され、それにより、上腕ハウジング4が上腕骨格に押し付けられる。
【0033】
また、上腕ハウジング4が上腕骨格から離脱するリスクを低減するために、第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75のうちの一方に第1ねじ取付孔が形成されてもよい。締結部材(例えば、ボルト、ねじ等)が、第1肩関節カバー固定部74及び第2肩関節カバー固定部75のうちの他方を貫通し、第1ねじ取付孔に固定接続されることにより、上腕ハウジング4にロック力を提供することができる。これにより上腕ハウジング4が上腕骨格から離脱するリスクを低減し、上腕ハウジング4と上腕骨格との確実な接続を保障することができる。
【0034】
本開示に係る具体的な実施形態において、前腕ハウジング3は、可撓性ハウジングであってもよい。該実施例において、前記ハウジングは、塑性材料で製造された手首関節ハウジングを含む。前記手首関節ハウジングは、前記前腕ハウジング3の下側に位置し、且つ手首関節アクチュエータを覆う手首関節カバー部を有する。前記ロボットの掌103は、前記手首関節アクチュエータに接続され、前記前腕ハウジング3は、可撓性ハウジングであり、且つ、前記前腕ハウジング3の上端部は、ロボットの前腕骨格の上端部に固定され、前記前腕ハウジング3の下端部は、自由に吊り下げられ、且つ手首関節に延びている。手首関節アクチュエータが、ロボットの掌103を、前腕ハウジング3の下端部に移動してそれと干渉するように駆動する時、前腕ハウジング3の下端部は、
図11に示すように、力を受けて弾性変形する。この時、ロボットの掌103は、手首関節アクチュエータの駆動で移動し続けることができ、且つ、前腕ハウジング3の下端部は、ロボットの掌103の干渉のために破損又は摩耗することがない。これにより、前腕ハウジング3は、ロボットの手首関節の動作範囲に対する制限を低減し、さらに回避することができる。したがって、前腕は、ロボットの手首関節を回避して配置する必要がなく、前腕ハウジング3の下端部は、ロボットの手首関節をカバーすることができる。これにより、前腕ハウジング3は、ロボットの手首関節での部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を解消でき、さらに、ロボットの手首関節での部材及びケーブルを保護する役割を果たす。
【0035】
ここで、前腕ハウジング3は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、前腕ハウジング3は、前記ロボットの前腕骨格に外嵌可能な筒状に構成されていてもよい。前記前腕ハウジング3の上端部は、第2位置決め接続構造により引っ張られた状態で、前記前腕骨格の上端部に接続される。第2位置決め接続構造は、前腕ハウジング3の取り付け位置を迅速で正確に位置決めすることができ、前腕ハウジング3の取り付け位置の正確性を保証する。前腕ハウジング3の上端部は、前腕骨格の上端部に接続され、前腕ハウジング3の下端部は、手首関節に延びる。このような配置により、前腕ハウジング3は、前腕骨格を完全に覆うことができ、それによりロボットの美しい外観を保証する。
【0036】
ここで、第2位置決め接続構造は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、
図3及び
図6に示すように、第2位置決め接続構造は、前記前腕骨格の上端部に形成された第2柱状突起102と、前記前腕ハウジング3の上端部に形成された第2貫通孔31を含んでもよい。前記第2柱状突起102は、前記第2貫通孔31と嵌合することができる。第2柱状突起102と第2貫通孔31の係合により、前腕ハウジング3は、正確な取り付け位置に配置され、それにより前腕ハウジング3と前腕骨格との組み立てを容易にする。
【0037】
前腕ハウジング3と前腕骨格との間の接続信頼性を保証するために、前腕ハウジング3の上端部に、締結接続部材を設置することができ、該締結接続部材により前腕ハウジング3を前腕骨格に強固に取り付けることができる。該締結接続部材は、ボルト、ねじ等であってもよい。ボルト又はねじは、複数であり、且つ、前腕ハウジング3の上端部を中心として周方向に間隔を隔てて配置され、それにより、前腕ハウジング3を前腕骨格に締結する。本開示に係る具体的な実施例において、前腕ハウジング3は、塑性材料(例えば、プラスチック等の塑性材料)で製造された肘関節ハウジングにより上腕骨格に強固に取り付けられる。前記肘関節ハウジングは、第3ハウジング81及び第4ハウジング82を含み、第3ハウジング81及び第4ハウジング82は、いずれも、肘関節アクチュエータをカバーする肘関節カバー部83及び前記肘関節カバー部83に接続された肘関節カバー固定部を有する。前記肘関節カバー固定部は、前記前腕ハウジング3の上端部を取り囲み、前腕ハウジング3の上端部をを押し付けて被覆する。これにより、肘関節カバー固定部は、前腕ハウジング3の上端部を前腕骨格に押し付けるため、、前腕ハウジング3が前腕骨格から離脱することを回避でき、前腕ハウジング3と前腕骨格との接続信頼性を保証する。
【0038】
ここで、肘関節カバー固定部は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、
図2~
図3に示すように、肘関節カバー固定部は、いずれも、半環状に構成されてもよい第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85を含んでもよい。第1肘関節カバー固定部84は、第3ハウジング81に形成され、第2肘関節カバー固定部75は、第4ハウジング82に形成されている。該第1肘関節カバー固定部84と第2肘関節カバー固定部85は、第2係止構造により当接して環状構造を形成する。第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85は、前腕ハウジング3の上端部を周方向に取り囲んで前腕ハウジング3を前腕骨格に強固に接続する。
【0039】
ここで、第2係止構造は、任意の適切な方法で構成されてもよい。任意選択的に、第2係止構造は、互いに係合する第2ロック板及び第2係止溝を含んでもよい。第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85のうちの一方には第2ロック板が形成され、第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85のうちの他方には第2係止溝が形成されている。第2ロック板が第2係止溝内に挿入されることにより、第1肘関節カバー固定部84と第2肘関節カバー固定部85が互いに係止され、それにより、前腕ハウジング3が前腕骨格に押し付けられる。
【0040】
また、前腕ハウジング3が前腕骨格から離脱するリスクを低減するために、第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85のうちの一方に第2ねじ取付孔が形成されてもよい。締結部材(例えば、ボルト、ねじ等)は、第1肘関節カバー固定部84及び第2肘関節カバー固定部85のうちの他方を貫通して、第2ねじ取付孔に固定接続されることにより、前腕ハウジング3にロック力を提供する。それにより前腕ハウジング3が前腕骨格から離脱するリスクを低減し、前腕ハウジング3と前腕骨格との確実な接続を保障する。
【0041】
本開示に係る具体的な実施形態において、胸腔ハウジングは、可撓性ハウジングであってもよい。該実施例において、ハウジングは、塑性材料で製造された胸当てハウジングを含む。前記胸腔ハウジングは、可撓性ハウジングであり、かつ、自身の下端部に位置する胴回り部91と、ロボット胸腔の側方に位置する胸側部92と、前記胸側部92から肩部に延在する肩周り部93とを有する。前記肩周り部93には、肩関節機構が貫通する肩部孔94が形成されている。前記胸当てハウジングは、前記ロボットの前胸及び背中を覆っている。前記胸腔ハウジングは、前記胸当てハウジングの内縁に近接して前記ロボットの胸腔骨格に固定されている。
図1、
図2及び
図7に示すように、ロボットの胸腔骨格は、胸当てハウジング及び胸腔ハウジングで完全に覆われ、これにより、ロボットの胸腔での部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を回避し、さらに、ロボットの胸腔での部材及びケーブルを保護する役割を果たす。本明細書で説明すべきものとして、「内縁」中の位置用語「内」は、胸当てハウジングの位置を基準にして定義され、胸当てハウジングに近い位置が「内」であり、逆に「外」である。
【0042】
ここで、前記肩周り部93は、前記肩部孔94が位置する側に自由に吊り下げられ、且つ、肩関節まで延びることにより、ロボットの肩関節を覆っている。それにより、ロボットの肩関節での部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を回避し、さらにロボットの肩関節での部材及びケーブルを保護する役割を果たす。
【0043】
ここで、胴回り部91は、胸当てハウジングの下端部から離れて自由に吊り下げられ、腰振り関節に延びることにより、ロボットの腰振り関節をカバーする。それによりロボットの腰振り関節部で部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を回避し、さらにロボットの腰振り関節部での部材及びケーブルを保護するという役割を果たす。ロボットの腰振りアクチュエータが、ロボットの腰部を、胴回り部91の下端部に移動して腰振りアクチュエータハウジングと干渉するように駆動する時、胴回り部91の下端部は、力を受けて弾性変形する。これにより、ロボットの腰部は、腰振り関節の駆動で移動し続けることができ、且つ、胴回り部91の下端部は、腰振り関節アクチュエータハウジングの干渉のために破損又は摩耗することがない。よって、胴回り部91は、ロボットの腰振り関節の移動範囲に対する制限を低減し、さらに回避することができる。したがって、胸腔ハウジングの胴回り部91は、ロボットの腰振り関節を回避して配置する必要がなく、胸腔ハウジングの胴回り部91は、ロボットの腰振り関節をカバーすることができる。これによりロボットの腰振り関節での部材及びケーブルが露出するため美観に乏しいという問題を回避し、さらに、ロボットの腰振り関節の部材及びケーブルを保護する役割を果たす。
【0044】
ここで、胸腔ハウジングをロボットの胸腔骨格に強固に取り付けるために、胸腔ハウジングは、任意の適切な方法でロボットの胸腔骨格に取り付けられてもよい。1つの実施例において、胸腔ハウジングの内縁は、前記胸当てハウジングの外縁によって覆われてもよい。しかも、締結部材で前記胸腔ハウジングと前記胸当てハウジングを前記胸腔骨格に固定することにより、胸腔ハウジングにロック力を提供することができ、胸腔ハウジングをロボットの胸腔骨格に強固に取り付けることができる。別の実施例において、胴回り部91、前記胸側部92及び前記肩周り部93のそれぞれの内縁は、いずれも、前記ロボットの胸腔骨格に固定されてもよく、例えば、締結部材でロボットの胸腔骨格に固定されてもよい。この場合、胸当てハウジングは、胴回り部91、前記胸側部92及び前記肩周り部93のそれぞれの内縁を覆い、それにより美観を保証する。本明細書で説明すべきものとして、「内縁」中の位置用語「内」は、胸当てハウジングの位置を基準にして定義され、胸当てハウジングに近い位置は、「内」であり、逆は「外」である。
【0045】
本開示に係る具体的な実施形態では、
図2、
図7~
図9に示すように、胸当てハウジングは、前胸当てハウジング5及び背中当てハウジング6を含む。前記前胸当てハウジング5の上端部は、前記背中当てハウジング6の上端部に係止され、前記前胸当てハウジング5と背中当てハウジング6は共に首関節機構が通過するための首部孔10を限定している。前胸当てハウジング5と背中当てハウジング6は、共に胴回り部91、前記胸側部92及び前記肩周り部93のそれぞれの内縁を覆い、胴回り部91、前記胸側部92及び前記肩周り部93を圧着すると同時に、締結部材で胴回り部91、前記胸側部92及び前記肩周り部93をロボットの胸腔骨格に締結する。
【0046】
ここで、
図8に示すように、前胸当てハウジング5の自体の内側面に網状の前補強リブ51が設置されてもよく、それにより前胸当てハウジング5の構造強度を補強する。また、
図9に示すように、前記背中当てハウジング6の上端部は、それ自体の内側面に網状の後補強リブ61が設置されてもよく、それにより背中当てハウジング6の構造強度を補強する。
【0047】
上記技術的解決手段に基づいて、本開示は、さらに、ロボットを提供する。該ロボットは、上記ロボットのハウジングを含み、したがって、同様に、上記特徴を有する。重複を避けるために、ここでは説明を省略する。
【0048】
以上、図面を参照しながら本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記実施形態における具体的な細部に限定されるものではなく、本開示の技術的構想の範囲内で、本開示の技術的解決手段に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は、いずれも、本開示の保護範囲に属する。
【0049】
また、説明すべきものとして、上記具体的な実施形態に記述された各具体的な技術的特徴は、矛盾が生じない限り、任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な重複を回避するために、本開示は、様々な可能な組み合わせ方式を再度説明しない。
【0050】
また、本開示の様々な異なる実施形態に対して任意の組み合わせを行ってもよいが、本開示の精神から外れない限り、同様に本開示によって開示される内容と見なすべきである
【符号の説明】
【0051】
1:本体層
2:弾性材料層
3:前腕ハウジング
31:第2貫通孔
4:上腕ハウジング
41:第1貫通孔
5:前胸当てハウジング
51:前補強リブ
6:背中当てハウジング
61:後補強リブ
71:第1ハウジング
72:第2ハウジング
73:肩関節カバー部
74:第1肩関節カバー固定部
75:第2肩関節カバー固定部
81:第3ハウジング
82:第4ハウジング
83:肘関節カバー部
84:第1肘関節カバー固定部
85:第2肘関節カバー固定部
91:胴周り部
92:胸側部
93:肩周り部
94:肩部孔
10:首部孔
101:第1柱状突起
102:第2柱状突起
103:ロボットの掌
【国際調査報告】