IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カークランド,ジャスティンの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ジヒドロホノキオールを含む製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20221004BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/335 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/5513 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 9/02 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20221004BHJP
   C07D 307/87 20060101ALN20221004BHJP
   C07D 333/20 20060101ALN20221004BHJP
   C07D 313/12 20060101ALN20221004BHJP
   C07D 243/24 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
A61K31/05
A61K47/40
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/08
A61K47/22
A61P25/22
A61P43/00 121
A61K31/343
A61K31/381
A61K31/335
A61K31/5513
A61K9/20
A61K9/02
A61K9/08
A61K9/06
C07D307/87
C07D333/20
C07D313/12
C07D243/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506673
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 US2020045089
(87)【国際公開番号】W WO2021026285
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/883,453
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
2.Witepsol
(71)【出願人】
【識別番号】522042522
【氏名又は名称】カークランド,ジャスティン
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カークランド,ジャスティン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA01
4C076AA06
4C076AA12
4C076AA36
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB29
4C076BB31
4C076CC01
4C076DD09E
4C076DD26
4C076DD38
4C076DD39
4C076DD46
4C076DD59
4C076DD67
4C076EE16
4C076EE23E
4C076EE31
4C076EE39E
4C076FF01
4C076FF11
4C076FF15
4C076FF52
4C076FF57
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA06
4C086BA10
4C086BB02
4C086BC56
4C086DA27
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA08
4C086MA17
4C086MA28
4C086MA31
4C086MA35
4C086MA52
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA02
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA05
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA16
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA13
4C206MA14
4C206MA37
4C206MA48
4C206MA51
4C206MA55
4C206MA72
4C206MA80
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA02
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA05
4C206ZC75
(57)【要約】
不安症および関連する障害を治療するための組成物が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、組成物は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含み、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.5%~約25%の範囲の量で存在する。他の実施形態では、組成物は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含み、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲の量で存在する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物であって、前記DHH-Bが、前記組成物の総重量に対して約0.5%~約25%の範囲の量で存在する、組成物。
【請求項2】
前記DHH-Bが、可溶化剤と錯体を形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記可溶化剤が、シクロデキストリンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
希釈剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、充填剤、および滑沢剤のうちの少なくとも3つをさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の総重量に対して約0.4%~約65%の範囲の量のクロスポビドンをさらに含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記組成物の総重量に対して約39%~約80%の範囲の量の微結晶性セルロースを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記DHH-Bが、前記組成物の総重量に対して約0.75%~約2.5%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
油および界面活性剤をさらに含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記油が、トリグリセリドを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤が、約1500g/molの平均分子量を有するポリエチレングリコールを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
ジエチレングリコールモノエチルエーテルをさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物であって、前記DHH-Bが、前記組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲の量で存在する、組成物。
【請求項14】
D-α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネートをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
香味剤をさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記DHH-Bが、前記組成物の総重量に対して約0.000008%~約1%の範囲の量で存在する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
湿潤剤をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記湿潤剤がプロピレングリコールであり、前記プロピレングリコールが、前記組成物の総重量に対して約0.0005%~約6%の範囲の量で存在する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
不安症、またはその症状を治療する方法であって、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項20】
少なくとも5mgの前記DHH-Bが、1日当たり前記対象に投与されるように製剤が投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記対象に第2の活性医薬成分を同時投与することをさらに含み、前記第2の活性医薬成分が、抗不安薬である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
本態性振戦障害、パーキンソン振戦、ジストニア振戦、小脳性振戦、心因性振戦、起立性振戦、生理的振戦を治療する方法であって、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
【請求項23】
少なくとも5mgの前記DHH-Bが、1日当たり前記対象に投与されるように製剤が投与される、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2019年8月6日に出願された米国特許出願第62/883,453号の出願日の利益を主張するものであり、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
これまで不安障害は神経疾患の一種であるとみなされてきた。不安障害の代表的な症状の例には、神経障害、気分障害、パーソナリティ障害、行動障害、および睡眠障害が含まれる。上述の症状の治療に使用される医薬調製物としては、ベンゾジアゼピン、チエノジアゼピン、およびカルバメート調製物など、約50種の製品が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
症状を改善するためには、このような医薬調製物の長期投与が必要であるため、不都合なことに、このような医薬調製物の使用は、薬物依存、運動障害、および混乱などの重度の副作用、または眠気、目まい、食欲不振、および脱力などの軽度の副作用をもたらす可能性がある。したがって、既存の抗不安薬の代替として機能することができる新規の抗不安製剤の開発が待ち望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様は、ジヒドロホノキオール-B(DHH-B)またはその誘導体もしくは類似体を含む製剤(以下、「DHH-B製剤」)である。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、ペースト、粉末、油、液体、懸濁液、溶液の形態、または他の形態であり得る。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、哺乳動物への投与に好適である。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、ヒト対象への投与のために提供される。他の実施形態では、DHH-B製剤は、獣医用途のために提供される。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、不安症または不安症関連障害の治療に好適である。
【0005】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、ヒトおよび/または獣医対象への経口投与用などの経口投与用の液体製剤として提供される。いくつかの実施形態では、DHH-Bを含む液体製剤は、例えば、溶液、シロップもしくは懸濁液の形態をとってもよく、またはそれらは、投与前に水もしくは別の好適なビヒクルと再構成するための乾燥製品として提示されてもよく、ヒトおよび/もしくは獣医対象に投与されてもよい。このような液体製剤は、薬学的に許容される添加剤、例えば、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、または硬化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、またはエチルアルコール)、防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピルp-ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)、結合剤、崩壊剤、充填剤、錯化剤、滑沢剤、および/または人工的もしくは天然の着色剤もしくは甘味料とともに従来の手段によって調製され得る。液体製剤は、当業者に公知の医薬担体中でヒトまたは獣医対象に投与され得る。このような医薬担体には、カプセル、ロゼンジ、シロップ、スプレー、リンス液、およびマウスウォッシュが含まれるが、これらに限定されない。
【0006】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、栄養補助食品、栄養補給食品、または様々なヒトの病気、例えば、不安症を予防する、緩和する、それらの発症を遅延させる、または治療するために使用され得るこのような他の調製物として利用され得る。DHH-Bを含む栄養補助食品は、医薬組成物と同じ製剤成分を使用しなくてもよいか、または医薬組成物と同じ滅菌および他のFDA要件を有しなくてもよいことが認識されるであろう。栄養補助食品は、液体形態、例えば、溶液、シロップもしくは懸濁液であってもよいか、または使用前に水もしくは任意の他の好適な液体で再構成するための製品の形態であってもよい。このような液体調製物は、茶、健康飲料、食事シェイク、液体濃縮物、もしくは液体可溶性錠剤、カプセル、丸剤、または粉末などの従来の手段によって調製されてもよく、その結果、飲料は、液体中に液体可溶性錠剤、カプセル、丸剤、または粉末を溶解させることによって調製され、得られた飲料を消費することができる。あるいは、DHH-Bを含む栄養補助食品は、従来の手段によって調製され、任意選択で、上記に説明したもののような、ビタミン、ミネラル、他のハーブ系サプリメント、結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤、または湿潤剤を含む他の栄養補助食品を含む、軟質ゲルカプセルなどの錠剤またはカプセルの形態をとってもよい。錠剤は、遅延放出および/または徐放を提供するために当該技術分野で周知の方法によってコーティングされてもよい。
【0007】
本開示の第1の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.5%~約25%の範囲の量で存在する、組成物である。いくつかの実施形態では、DHH-Bは可溶化剤と錯体を形成する。いくつかの実施形態では、可溶化剤はシクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、組成物は、希釈剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、充填剤、および滑沢剤のうちの少なくとも3つをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約0.4%~約65%の範囲の量でクロスポビドンをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約39%~約80%の範囲の量で微結晶性セルロースを含む。いくつかの実施形態では、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.75%~約2.5%の範囲の量で存在する。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は、油および界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、油は、トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約1500g/molの平均分子量を有するポリエチレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルをさらに含む。
【0010】
本開示の第2の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲の量で存在する、組成物である。D-α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネートをさらに含む、請求項13に記載の組成物。いくつかの実施形態では、組成物は、香味剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.000008%~約1%の範囲の量で存在する。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、湿潤剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、湿潤剤は、プロピレングリコールであり、プロピレングリコールは、組成物の総重量に対して約0.0005%~約6%の範囲の量で存在する。
【0012】
本開示の第3の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、不安症、またはその症状を治療する方法であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.5%~約25%の範囲の量で存在する、方法である。いくつかの実施形態では、少なくとも5mgのDHH-Bが、1日当たり対象に投与されるように製剤が投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、第2の活性医薬成分を対象に同時投与することをさらに含み、第2の活性医薬成分は、抗不安薬である。
【0013】
本開示の第4の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、不安症、またはその症状を治療する方法であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲の量で存在する、方法である。
【0014】
本開示の第5の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、本態性振戦障害、パーキンソン振戦、ジストニア振戦、小脳性振戦、心因性振戦、起立性振戦、生理的振戦を治療する方法であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲の量で存在する、方法である。
【0015】
本開示の第6の態様は、ジヒドロホノキオール-B(「DHH-B」)および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、本態性振戦障害、パーキンソン振戦、ジストニア振戦、小脳性振戦、心因性振戦、起立性振戦、生理的振戦を治療する方法であって、DHH-Bは、組成物の総重量に対して約0.5%~約25%の範囲の量で存在する、方法である。いくつかの実施形態では、少なくとも5mgのDHH-Bが、1日当たり対象に投与されるように製剤が投与される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
また、反対に明確に示されない限り、1つより多いステップまたは行為を含む本明細書で請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序は、必ずしも、方法のステップまたは行為が列挙される順序に限定されないことも理解されるべきである。
【0017】
本明細書で使用される場合、単数の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈により別途明確に示されない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語は、文脈により別途明確に示されない限り、「および」を含むことが意図される。「含む」という用語は、「AまたはBを含む」が、A、B、またはAおよびBを含むことを意味するように、包含的に定義される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、本明細書において、およそ、の領域内、大体、または付近を意味するために使用される。「約」という用語が、数値範囲とともに使用される場合、これは、記載される数値の上下にその境界を拡張させることによって、その範囲を修飾する。一般に、「約」または「およそ」という用語は、本明細書において、20%の変量で、明記される値を超える、および下回る数値を修飾するために使用される。
【0019】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は包括的であると解釈されるものとする。すなわち、要素のいくつかまたは列挙のうちの少なくとも1つを含むが、1つを超えるもの、および、任意選択的に、追加の列挙されていない項目も含むと解釈される。「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」などの、反対であることを明らかに示される用語のみが、要素のいくつかまたは列挙のうちの正確に1つの要素を含むことを指すであろう。一般に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」などの、排他性の用語が後に続く場合、排他的な代替物(すなわち、「1つまたはその他、ただし両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「から本質的になる」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
【0020】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、互換的に使用され、同じ意味を有する。同様に、「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」なども、互換的に使用され、同じ意味を有する。具体的には、用語のそれぞれは、「含む」の米国特許法の共通の定義と一致して定義され、したがって、「少なくとも以下」を意味するオープンな用語であると解釈され、また、追加の特徴、制限、態様などを除外しないと解釈される。よって、例えば、「構成要素a、b、およびcを有するデバイス」は、デバイスが少なくとも構成要素a、b、およびcを含むことを意味する。同様に、以下の語句:「ステップa、b、およびcを含む方法」とは、その方法が少なくともステップa、b、およびcを含むことを意味する。さらに、ステップおよびプロセスは、本明細書において特定の順序で概説され得るが、当業者は、順序付けられたステップおよびプロセスが変化してもよいことを認識するであろう。
【0021】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素の列挙への言及における「少なくとも1つの」という語句は、要素の列挙中の要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するものと理解されるべきであるが、必ずしも、要素の列挙中の具体的に列挙された各々およびすべての要素のうちの少なくとも1つを含むわけではなく、要素の列挙中の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という語句が言及する要素の列挙中に具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されたこれらの要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。よって、非限定的な例として、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または、同等に、「Aおよび/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くを含むAであって、Bが存在しない(および任意選択的にB以外の要素を含む)ものを指すことがあり、別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くを含むBであって、Aが存在しないもの(および任意選択的にA以外の要素を含む)ものを指すことがあり、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くを含むA、および少なくとも1つの、任意選択的に1つより多くを含むB(および任意選択的に他の要素を含む)などを指すことがある。
【0022】
本明細書で使用される「抗不安作用」または「抗不安効果」という用語は、例えば、神経障害、気分障害、パーソナリティ障害、行動障害、および睡眠障害などの不安障害状態の治療、緩和、または予防を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「投与すること」という用語は、本明細書に記載のものを含む、組成物、製剤、または特定の薬剤を、治療を必要とする対象に提供することを意味する。
【0024】
「薬学的に許容される」または「薬理学的に許容される」という語句は、動物またはヒトに投与される場合、副反応、アレルギー反応、または他の有害反応を生じない分子実体および組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、溶媒、緩衝液、溶液、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含み、これらは、ヒトへの投与に好適な医薬品などの医薬品の製剤化に使用するために許容される。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が本開示の発現ベクターと不適合である場合を除き、治療用組成物におけるその使用が企図される。
【0025】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト、マウス、ウマ、イヌ、または霊長類などの哺乳動物を指す。典型的には、哺乳動物は、ヒト(ホモサピエンス)である。ヒト対象は、成人患者または小児患者であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、「治療有効用量」または「投与量」という用語は、限定されないが、症状の改善された改善または排除、障害の発症の遅延、症状のより遅い進行、および必要に応じて当業者によって選択される他の指標を含む、対象またはその生理系の改善を達成するのに有効な組成物、またはその組成物の成分の量を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、特定の状態に関して、「治療」、「治療すること」、または「治療する」という用語は、所望の薬理的効果および/または生理的効果を得ることを指す。効果は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防するという点では予防的であり得、かつ/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害作用に対する部分的もしくは完全な治癒という点では治療的であり得る。「治療」は、本明細書で使用される場合、対象、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患の素因があり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患が発生するのを予防すること、(b)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、ならびに(c)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすこと、および/または1つ以上の疾患の症状を軽減すること、を含む。「治療」はまた、疾患または状態の非存在下でさえ、薬理的効果を提供するために、薬剤の送達または療法の投与を包含することができる。「治療」という用語は、いくつかの実施形態では、宿主、好ましくは哺乳動物対象、より好ましくはヒトにおける疾患または障害を緩和するための本開示の化合物の投与を指すために使用される。したがって、「治療」という用語は、特に、宿主が疾患を獲得する素因があるが、その疾患を有するとまだ診断されていない場合に、障害が宿主において発生するのを予防すること、障害を阻害すること、および/または障害を緩和もしくは逆転させることを含むことができる。本開示の方法が障害を予防することに関する限りにおいて、「予防する」という用語は、疾患状態を完全に妨げることを必要としないことを理解されたい。むしろ、本明細書で使用される場合、予防という用語は、疾患の発症前に本開示の化合物の投与が行われ得るように、障害に感受性のある集団を特定する当業者の能力を指す。この用語は、疾患状態が完全に回避されなければならないことを意味するものではない。
【0028】
DHH-B製剤
本開示は、哺乳動物への投与に好適なDHH-B製剤に関する。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、ヒト対象への投与のために提供される。他の実施形態では、DHH-B製剤は、獣医用途のために提供される。
【0029】
ジヒドロホノキオール-B
ジヒドロホノキオール、3’-(2-プロペニル)-5-プロピル-(1,1’-ビフェニル)-2,4’-ジオール(「DHH-B」)は、強力な抗不安化合物であり、ベンゾジアゼピン様の副作用が発生した。
【0030】
いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.5%~約30%の範囲である。他の実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約30%の範囲である。さらに他の実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約25%の範囲である。さらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約20%の範囲である。さらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約15%の範囲である。なおさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約10%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約1%~約5%の範囲である。
【0031】
いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.000001%~約5%の範囲である。他の実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.000001%~約3%の範囲である。さらに他の実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.000001%~約2.5%の範囲である。さらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.00001%~約2.5%の範囲である。さらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.0001%~約2.5%の範囲である。なおさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.001%~約2.5%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.01%~約2.5%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.01%~約2%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.01%~約1.5%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.1%~約1.5%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.1%~約1%の範囲である。なおさらにさらなる実施形態では、任意の組成物中のDHH-Bの量は、組成物の総重量に対して約0.1%~約0.5%の範囲である。
【0032】
いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約1mg~約20mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約2mg~約20mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約3mg~約18mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約3mg~約16mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約3mg~約15mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約4mg~約14mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約4mg~約12mgのDHH-Bの範囲である。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約5mg~約10mgのDHH-Bの範囲である。
【0033】
いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約4mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約4.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約5.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約6mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約6.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約7mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約7.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約8mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約8.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約9mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約9.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約10.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約11mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約11.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約12mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約12.5mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約13mgである。いくつかの実施形態では、任意の製剤中のDHH-Bの量は、約15mgである。
【0034】
いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.08mg/kg~約3mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.09mg/kg~2.8mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.1mg/kg~約2.6mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.11mg/kg~約2.4mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.12mg/kg~約2.2mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.13mg/kg~約2mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.14mg/kg~約1.8mg/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの1日用量は、約0.15mg/kgである。
【0035】
薬学的に許容される賦形剤、担体、および添加剤
本開示の製剤は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、香味剤、矯味剤、着色剤、pH調節剤、安定剤、吸収促進剤、粘度調整剤、膜形成ポリマー、増量剤、界面活性剤、流動促進剤、可塑剤、防腐剤、精油、および甘味料を含むが、これらに限定されない、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤は、本明細書に記載の製剤が導入され得る食品組成物または食品であり得る。
【0036】
当業者は、所望の製剤のために好適な賦形剤または賦形剤の混合物を選択することができるであろう。一般に、任意の製剤中に含まれる任意の薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の量は、所望の効果、投与経路、最終組成物の形態に応じて変化し得る。しかしながら、一般に、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約99%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約98%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約97%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約96%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約95%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約94%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約93%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約92%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約91%の範囲であり得る。
【0037】
他の実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約90%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約88%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約86%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約84%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約82%の範囲であり得る。他の実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約80%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約78%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約76%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約74%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約72%の範囲であり得る。他の実施形態では、本開示の製剤とともに製剤化される薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤の総量は、製剤の総重量に対して約1%~約70%の範囲であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約100:1~約1:100の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約90:1~約1:90の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約80:1~約1:80の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約70:1~約1:70の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約60:1~約1:60の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約50:1~約1:50の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約40:1~約1:40の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約30:1~約1:30の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約20:1~約1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約10:1~約1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、DHH-Bの量と、薬学的に許容される賦形剤または担体の量との比は、約5:1~約1:5の範囲である。
【0039】

いくつかの実施形態では、担体は水である。いくつかの実施形態では、組成物中に存在する水の量は、組成物の総重量に対して約80%~約99%、組成物の総重量に対して約80%~約98%、組成物の総重量に対して約85%~約97%、組成物の総重量に対して約85%~約95%、組成物の総重量に対して約88%~約95%、組成物の総重量に対して約90%~約95%、組成物の総重量に対して約90%~約94%、および組成物の総重量に対して約90%~約93%の範囲である。単なる例として、製剤は、活性薬剤(例えば、DHH-B)と、薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤との50:50の混合物を含んでもよい。
【0040】
希釈剤
希釈剤は、例えば、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶性セルロース、微結晶性ケイ化セルロース、粉末セルロース、デキストレート、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、無水ラクトース、ラクトース一水和物、ラクトース二水和物、ラクトース三水和物、マンニトール、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、タルク、キシリトール、マルトース、マルトデキストリン、マルチトールから選択され得る。いくつかの実施形態では、希釈剤は、デンプン、ラクトース、セルロース誘導体、粉砂糖などから選択される。異なるグレードのラクトースには、限定されないが、ラクトース一水和物、ラクトースDT(直接打錠)、無水ラクトース、および他のものが含まれる。異なるデンプンには、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、米デンプン、小麦デンプン、アルファ化デンプン、および他のものが含まれる。使用することができる異なるセルロースには、微結晶性セルロースなどの結晶性セルロース、および粉末セルロースが含まれる。他の有用な希釈剤には、限定されないが、カルメロース、マンニトール、ソルビトール、およびキシリトールなどの糖アルコール、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、および第三リン酸カルシウムが含まれる。
【0041】
結合剤
結合剤は、例えば、アカシア、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、エチルセルロース、ゼラチン液体グルコース、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプンペースト、アルファ化デンプン、スクロース、トラガカント、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、グルコース、ソルビトールから選択され得る。
【0042】
充填剤
好適な充填剤は、例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたは米デンプンなどのデンプン誘導体、デキストリン、マルトデキストリン、デキストレート、微結晶性セルロース、粉末セルロース、微結晶性セルロースとグアーガムの混合物、微結晶性セルロースの共処理ブレンド(coprocessed blend)などの多糖類、ならびにキシリトールおよびソルビトールなどの多価アルコールから選択され得る。
【0043】
崩壊剤
崩壊剤は、例えば、アルギン酸、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ドキュセートナトリウム、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、炭酸グリシンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選択され得る。
【0044】
流動促進剤
流動促進剤は、例えば、ケイ酸カルシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、コロイド状二酸化ケイ素から選択され得る。
【0045】
滑沢剤
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、およびベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸、タルク、カルナウバワックス、ステアリン酸カルシウムナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムまたはマグネシウム、カルシウム石鹸、ステアリン酸亜鉛、ポリオキシエチレンモノステアレート、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、硬化植物油および油脂、ステアリン酸、およびこれらの任意の組み合わせから選択され得る。
【0046】
精油
好適な精油は、ベルガモット油(Citrus aurantium L.subsp.bergamia Wright et Arn.から抽出)、イランイラン油(Cananga odorata Hook.f.およびThoms.から抽出)、ジャスミン精油(Jasminum officinale L.から抽出)から選択され得る。一実施形態では、精油の混合物は、全組成物に対して合計で約0.01%~約1%w/w、好ましくは約0.1%w/wに等しい部を構成する。他の精油も可能である。
【0047】
甘味料/香味剤
好適な甘味料は、スクロース、ラクトース、およびグルコースなどの糖、シクラメートおよびその塩、サッカリンおよびその塩、ならびにアスパルテームから選択され得る。
【0048】
香味剤は組成物中に組み込んでもよく、合成香味油および香味芳香族化合物、天然油、植物抽出物から選択され得る。例には、桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、セージ油またはアーモンド油が含まれる。香味剤の例には、限定されないが、アーモンド、リンゴ、バナナ、ベリー、バブルガム、キャラメル、シトラス、チェリー、チョコレート、ココナッツ、ブドウ、緑茶、蜂蜜、レモン、リコリス、ライム、マンゴー、メープル、ミント、オレンジ、ピーチ、パイナップル、レーズン、イチゴ、バニラ、スイカ、およびこれらの組み合わせが含まれる。フレーバーは、製剤の総重量に対して約0.001001%~約5%の範囲の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態では、香味剤は、例えば、イチゴフレーバー、セイヨウミザクラフレーバー、青リンゴフレーバー、スピアミントフレーバー、およびペパーミントフレーバーなどの天然または合成フレーバーから選択され得る。いくつかの実施形態では、香味剤は、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、オレンジ、チェリー、および他の果物、バニラ、アーモンド、および他のナッツなどから選択される。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、2種以上の香味剤の混合物を含む。
【0049】
吸収促進剤
本開示の特定の実施形態による使用のための吸収促進剤には、例えば、Gelucire44/14、Gelucire50/13、Tagat TO、Tween 80、ミリスチン酸イソプロピル、ポリソルベート、ソルビタンエステル、ポロキサマーブロックコポリマー、PEG-35ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド、PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシネート、ポリエチレンラウリルエーテル、エトキシジグリコール、プロピレングリコールモノ-ジ-カプリレート、グリセロールモノカプリレート、グリセリル脂肪酸(C8~C18)エトキシル化、オレイン酸、リノール酸、グリセリルカプリレート/カプレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノラウレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、エトキシル化ノニルフェノール、PEG-(8-50)ステアレート、オリーブ油PEG-6エステル、トリオレインPEG-6エステル、レシチン、d-アルファトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリカーボネート、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、シクロデキストリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリアセチン、これらの組み合わせなどが含まれる。特定の好ましい実施形態では、吸収促進剤はトリアセチンである。
【0050】
可溶化剤
DHH-B製剤は、1種以上の可溶化剤または錯化剤を含み得る。いくつかの実施形態では、可溶化剤または錯化剤は、シクロデキストリンである。シクロデキストリンは、環状α-(1→4)結合D-グルコピラノース単位から構成される環状オリゴ糖である。6~8個の単位を有するシクロデキストリンは、それぞれ、α-、β-、およびγ-シクロデキストリンと命名されている。単位の数は、シクロデキストリンを特徴付ける円錐形の空洞のサイズを決定し、その中に薬物が安定した錯体を形成するように含まれ得る。1つ以上のヒドロキシル基がエーテル基または他のラジカルで置き換えられている、α-、β-、およびγ-シクロデキストリンのいくつかの誘導体が知られている。したがって、これらの化合物は公知の錯化剤であり、不水溶性薬物と包接錯体を形成し、それによってこれらを水性媒体中に可溶化するために、以前に医薬分野で使用されていた。
【0051】
本開示の範囲内のシクロデキストリンには、天然シクロデキストリンα、β、およびγ-シクロデキストリン、ならびにこれらの誘導体、特に、ヒドロキシ基の1つ以上が、例えば、アルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アルキルカルボニル、カルボキシアルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、またはヒドロキシ-(モノもしくはポリアルコキシ)アルキル基によって置換され、各アルキルまたはアルキレン部分が、好ましくは、最大で6個の炭素を含有する、誘導体が含まれる。置換シクロデキストリンは、概して、様々な置換度、例えば、1~14、好ましくは4~7で得ることができ、置換度は、シクロデキストリン分子上の置換基のおよその平均数、例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン分子の場合、ヒドロキシプロピル基のおよその数であり、すべてのこのような変形形態は、本開示の範囲内である。本開示で使用され得る置換シクロデキストリンには、例えば、米国特許第3,459,731号に記載されるようなポリエーテルが含まれる。
【0052】
置換シクロデキストリンのさらなる例には、1つ以上のシクロデキストリンヒドロキシ基の水素が、C1~6アルキル、ヒドロキシ-C1~6アルキル、カルボキシ-C1~6アルキル、もしくはC1~6アルキルオキシカルボニル-C1~6アルキル基またはこれらの混合エーテルによって置き換えられるエーテルが含まれる。特に、このような置換シクロデキストリンは、1つ以上のシクロデキストリンヒドロキシ基の水素が、C1~3アルキル、ヒドロキシ-C2~4アルキルもしくはカルボキシ-C1~2アルキル、またはより具体的には、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、カルボキシメチルもしくはカルボキシエチルによって置き換えられるエーテルである。「C1~6アルキル」という用語は、メチル、エチル、1-メチルエチル、1,1-ジメチルエチル、プロピル、2-メチルプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの1~6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐飽和炭化水素ラジカルを含むことを意味する。本明細書における使用のために企図される他のシクロデキストリンには、グルコシル-β-シクロデキストリンおよびマルトシル-β-シクロデキストリンが含まれる。
【0053】
本開示における特に有用なものは、M.Nogradi(1984)によるCyclodextrins of the Future,Vol.9,No.8,p.577-578に記載されるジメチル-β-シクロデキストリンなどのβ-シクロデキストリンエーテル、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、およびヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリンなどのランダムにメチル化されたβ-シクロデキストリンおよびポリエーテル、ならびにスルホブチルエーテル、特にβ-シクロデキストリンスルホブチルエーテルである。単純なシクロデキストリンに加えて、分岐シクロデキストリンおよびシクロデキストリンポリマーも使用され得る。他のシクロデキストリンは、例えば、Chemical and Pharmaceutical Bulletin 28:1552-1558(1980)、Yakugyo Jiho No.6452(28 Mar.1983)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.19:344-362(1980)、米国特許第3,459,731号および同第4,535,152号、欧州特許第EP0149197A号および同第EP0197571A号、PCT国際特許公開第90/12035号、ならびにUK特許公開第GB2,189,245号に記載されている。
【0054】
本開示による組成物に使用するためのシクロデキストリンを記載し、シクロデキストリンの調製、精製、および分析のための指針を提供している他の参照文献には、以下が含まれる:Jozsef SzejtliによるCyclodextrin Technology,PharmaceuticalsのCyclodextrinsの章のKluwer Academic Publishers(1988)、M.L.Bender et al.によるCyclodextrin Chemistry,Springer-Verlag,Berlin(1978)、M.L.WolfromによるAdvances in Carbohydrate Chemistry,Vol.12,Ed.、Dexter Frenchによる“The Schardinger Dextrins”の章のAcademic Press,New York,pp.189-260、J.SzejtliによるCyclodextrins and their Inclusion Complexes,Akademiai Kiado,Budapest,Hungary(1982)、I.Tabushi,Acc.Chem.Research,1982,15,pp.66-72、W.Sanger,Angewandte Chemie,92,p.343-361(1981)、A.P.Croft et.al.,Tetrahedron,39,pp.1417-1474(1983)、Irie et.al.,Pharmaceutical Research,5,pp.713-716(1988)、Pitha et.al.,Int.J.Pharm.29,73(1986)、米国特許第4,659,696号および同第4,383,992号、ドイツ特許第DE3,118,218号および同第DE-3,317,064号、ならびに欧州特許第EP0094157A号。β-およびγ-シクロデキストリンのヒドロキシアルキル化誘導体を記載している特許には、Pitha米国特許第4,596,795号および同第4,727,064号、Muller米国特許第4,764,604号 同第4,870,060号ならびにMullerら米国特許第6,407,079号が含まれる。
【0055】
DHH-Bとの錯体形成のための特に関心のあるシクロデキストリンには、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル、例えば、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピル、β-およびγ-シクロデキストリンの誘導体、カルボキシアルキル、例えば、カルボキシメチルまたはカルボキシエチル、β-またはγ-シクロデキストリンの誘導体、β-シクロデキストリンスルホブチルエーテル、ジメチル-β-シクロデキストリン、ならびにランダムにメチル化されたβ-シクロデキストリンが含まれる。2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン(HPγCD)、ランダムにメチル化されたβ-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンスルホブチルエーテル、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン(CMβCD)、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン(CMγCD)およびγ-シクロデキストリン(γCD)自体、特にγ-シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル-、β-シクロデキストリン、最も特にはγ-シクロデキストリンが特別に関心がある。
【0056】
界面活性剤
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤は、一般に、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、またはカルボキシレートに基づき、水溶性カチオンを含有する。スルホネートの代表的な式は、R-SO-Mであり、式中、Rは、アルコキシまたはオキシアルコキシを介してスルホネート官能基に連結され得る約5~22個の炭素原子の炭化水素基であり、Mは、アルカリ金属などの水溶性カチオンである。いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤には、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェートおよびスルホネート、アルキルカルボキシレート、アルキルフェニルエーテルスルフェート、アルキルポリ(オキシエチレン)スルホネートのナトリウム塩、アルキルベンジルスルホネートのナトリウム塩、例えば、ドデシルベンジルスルホネートのナトリウム塩およびラウリルエーテル硫酸ナトリウムが含まれる。いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤にはまた、アニオン性リン酸エステルが含まれる。
【0057】
いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤には、限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが含まれ、アルキルは(CHであり、オキシエチレンは(CO)であり、Sは、5~16、8~14、または10~12の整数であり、Tは、10~40、15~30、または20~28の整数である。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、式(CO)231225OHを有するポリオキシエチレンラウリルエーテルである。別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノアルキレートであり、モノアルキレートは8~14個の炭素を含む。別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、式C12~1425~29O(CHCHO)を有する直鎖二級アルコールポリオキシエチレンであり、式中、xは、2~12の範囲の整数である。さらに別の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルである。例示的な界面活性剤は、以下の名称で販売されている。Brij(登録商標)35、TWEEN(登録商標)、Tergitol(商標)、Triton(商標)、Ecosurf(商標)、Dowfax(商標)、ポリソルベート80(商標)、BigCHAP、Deoxy BigCHAP、IGEPAL(登録商標)、サポニン、Thesit(登録商標)、Nonidet(登録商標)、Pluronic F-68、ジギトニン、デオキシコレートなど。いくつかの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、Brij(登録商標)35、TWEEN(登録商標)、Tergitol(商標)、Triton(商標)から選択される。
【0058】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤である。本開示の製剤に有用なカチオン性界面活性剤には、アミノまたは四級アンモニウム部分が含まれる。本明細書において有用なものの中のカチオン性界面活性剤は、以下の文書に開示されている。M.C.Publishing Co.,McCutcheon’s,Detergents & Emulsifiers,(North American edition 1979)、Schwartz,et al.、Surface Active Agents,Their Chemistry and Technology,New York:Interscience Publishers,1949、1964年11月3日に発行された米国特許第3,155,591号,Hilfer、1975年12月30日に発行された米国特許第3,929,678号,Laughlin et al.、1976年5月25日に発行された米国特許第3,959,461号,Bailey et al、および1983年に6月7日に発行された米国特許第4,387,090号,Bolich,Jr.。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書において有用な四級アンモニウム含有カチオン性界面活性剤材料は、一般式:
【化1】
【0060】
のものであり、式中、R~Rは、それぞれ独立して、約1~約22個の炭素原子の脂肪族基、または約1~約22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールもしくはアルキルアリール基であり、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート ニトレート、スルフェート、およびアルキルスルフェートラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである。いくつかの実施形態では、脂肪族基には、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合、およびアミノ基などの他の基が含まれ得る。いくつかの実施形態では、より長い鎖の脂肪族基、例えば、約12個以上の炭素のものは、飽和であってもよいか、または不飽和であってもよい。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、モノ長鎖(例えば、モノC12~C22、またはC12~C18)ジ短鎖(例えば、C~Cアルキル)四級アンモニウム塩である。
【0061】
いくつかの実施形態では、一級、二級および三級脂肪族アミンの塩はまた、好適なカチオン性界面活性剤材料である。いくつかの実施形態では、このようなアミンのアルキル基は、約12~約22個の炭素原子を有し、置換または非置換であり得る。このようなアミンには、限定されないが、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミド、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-獣脂プロパンジアミン、エトキシル化(5モルのエチレンオキシドを有する)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、およびアラキジルベヘニルアミンが含まれる。好適なアミン塩には、ハロゲン、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、およびアルキル硫酸塩が含まれる。このような塩には、限定されないが、ステアリルアミン塩酸塩、ソイアミンクロリド、ステアリルアミンギ酸塩、N-獣脂プロパンジアミンジクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアミンクエン酸塩、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、およびジセチルジアンモニウムクロリドが含まれる。いくつかの実施形態では、カチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジココジメチルアンモニウムクロリド、およびこれらの混合物である。他の実施形態では、カチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0062】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。好適な非イオン性界面活性剤の中には、C~C30アルコールと糖またはデンプンポリマーとの縮合生成物がある。これらの化合物は、式(S)-O-Rで表すことができ、式中、Sは、グルコース、フルクトース、マンノース、およびガラクトースなどの糖部分であり、nは、約1~約1000の整数であり、Rは、C~C30アルキルである。R基が誘導され得る好適なC~C30アルコールの例には、デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコールなどが含まれる。このような界面活性剤の好適な例には、デシルポリグルコシドおよびラウリルポリグルコシドが含まれる。
【0063】
他の好適な非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(すなわち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)が含まれる。これらの材料は、一般式RCO(X)OHを有し、式中、Rは、C10~C30アルキルであり、Xは、-OCHCH-(エチレンオキシドに由来)または-OCHCHCH-(プロピレンオキシドに由来)であり、nは、約1~約200の整数である。
【0064】
さらに他の好適な非イオン性界面活性剤は、式RCO(X)OOCRを有する脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合生成物(すなわち、脂肪酸のアルキレンオキシドジエステル)であり、式中、Rは、C10~C30アルキルであり、Xは、-OCHCH-(エチレンオキシドに由来)または-OCHCHCH-(プロピレンオキシドに由来)であり、nは、約1~約200の整数である。さらに他の非イオン性界面活性剤は、一般式R(X)OR’を有する脂肪族アルコールとのアルキレンオキシドの縮合生成物(すなわち、脂肪族アルコールのアルキレンオキシドエーテル)であり、式中、Rは、C10-C30アルキルであり、nは、約1~約200の整数であり、R’は、HまたはC10~C30アルキルである。
【0065】
なおさらなる非イオン性界面活性剤は、式RCO(X)OR’を有する化合物であり、式中、RおよびR’は、C10~C30アルキルであり、Xは、-OCHCH-(エチレンオキシドに由来)または-OCHCHCH-(プロピレンオキシドに由来)であり、nは、約1~約200の整数である。アルキレンオキシド由来非イオン性界面活性剤の例には、セテス-1、セテス-2、セテス-6、セテス-10、セテス-12、セテラエス-2、セテアレス6、セテアレス-10、セテアレス-12、ステアレス-1、ステアレス-2、ステアレス-6、ステアレス-10、ステアレス-12、PEG-2ステアレート、PEG4ステアレート、PEG6ステアレート、PEG-10ステアレート、PEG-12ステアレート、PEG-20グリセリルステアレート、PEG-80牛脂脂肪酸グリセリル、PPG-10グリセリルステアレート、PEG-30グリセリルココエート、PEG-80グリセリルココエート、PEG-200牛脂脂肪酸グリセリル、PEG-8ジラウレート、PEG-10ジステアレート、およびこれらの混合物が含まれる。さらに他の有用な非イオン性界面活性剤には、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2,965,576号、同第2,703,798号、および同第1,985,424号に開示されているポリヒドロキシ脂肪酸アミドが含まれる。
【0066】
界面活性剤の非限定的な例には、Tomadol 1200(Air Products)、Tomadol 900(Air Products)、Tomadol 91-8(Air Products)、Tomadol 1-9(Air Products)、Tergitol 15-S-9(Sigma)、Tergitol 15-S-12(Sigma)、Masurf NRW-N(Pilot Chemical)、Bio-Soft N91-6(Stepan)、およびBrij-35(ポリエチレングリコールドデシルエーテル)(Sigma)が含まれる。
【0067】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリヒドロキシエチルアルコキシアルキレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、エーテル化ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、修飾アルキル化ポリオール、修飾/メチルキャップブロックコポリマー、非イオン性ポリオール、非イオン性界面活性剤、アルコキシル化ポリオール、アルキルポリグリコシド、グルコエーテル、アルコキシル化アルコール、アルコールエトキシレート、ポリオキシテイレン、アニオン性ブレンド、エチレンオキシド、ノニルフェノールエトキシレート、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレススルフェート、ラウレス硫酸アンモニウム、TEAラウリルスルフェート、スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレフィンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、スルホコハク酸オレアミン二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム ココイルイセチオン酸ナトリウム、カプリロイルイセチオン酸ナトリウム、カプロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、パルミトイルイセチオン酸ナトリウム、アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー、カプリレス硫酸アンモニウム、パレス-25硫酸アンモニウム、ミレス硫酸アンモニウム、セテアレス-20、コカミドプロピルベタイン、ジステアレス-75 IPDI、-100 IPDI、乳化ワックスNF、イソステアレス-20、ステアレス-2、-4、10、16、-20、21、イソステアレス-2、-10、-20、ラウレス硫酸マグネシウム、オレス硫酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、PEG-20、PEG-40、フェノキシエタノール、オリオキシエチレン、ポリソルベート-20、-40、-60、-80、ステアレス-2、-4、-10、-16、-20、-21、コセス硫酸ナトリウム、デセス硫酸ナトリウム、オレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、シレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、コセス硫酸亜鉛、2-ドデシルベンゼンスルホン酸、4-ドデシルベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホネート、グルコヘプトネート、オジウムグルコヘプトネート、グルコヘプト酸カリウム、グルコヘプト酸カルシウム、グルコヘプト酸マグネシウム、グルコヘプト酸ホウ素、グルコヘプト酸コリン、グルコヘプト酸銅、グルコヘプト酸鉄、グルコヘプトン酸マグネシウム、グルコヘプトン酸モリブデン、グルコヘプト酸亜鉛、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、1,2,3-トリヒドロキシプロパン、ジエチレングリコール、アルキルフェノールエトキシレート、3-オキサペンタン-1,5-ジオール、プロパン-1,2,3-トリオール、アルキルフェノールエトキシレート、ポリジメチルシロキサン、1,2-プロパンジオール、ジメチルポリシロキサン、脂肪族アルコールおよびブトキシエタノール、ブトキシエタノール、リン酸エステル界面活性剤、アルキルアリールアルコキシレート、ヒドロキシカルボン酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、シュウ酸、プロピオン酸、リン酸エステル、硫酸アンモニウム、エトキシル化界面活性剤、水酸化ナトリウム、耐食化合物、封鎖剤、非イオン性およびイオン性界面活性剤、ヒドロキシカルボキシレート、ポリアクリレート、糖アクリレート、アミノカルボン酸塩基、ホスフェート(複数も含む)、ホスホネート(複数も含む)、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸化アミノポリカルボキシレート、アミノポリカルボキシレート、EDTMP、DETMP、ATMP、HEDP、DTPMP、ポリエーテル-ポリメチルシロキサンコポリマー(複数も含む)、エトキシル化アルキルホスフェートエステル、C16~C28アルカノエート、パラフィン基石油、農業用パラフィン油、アルカノールアミド界面活性剤、アルキルアリールポリエトキシエタノールスルフェート、アルキルアリールポリオキシエチレングリコールリン酸エステル界面活性剤、リン酸エステル界面活性剤、石油、ポリオール脂肪酸エステル、メチル化種油、パラフィン油、カルボニルジアミドポリオキシアルキル化グルコール付加物、カルボニルジアミン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンポリマー、メチル化植物油、トウモロコシ由来界面活性剤、遊離脂肪酸、イソプロポナール、アルキルアリールポリオキシエチレングリコール、硫酸水素塩、脂肪族炭化水素油、ポリアクリル酸塩、ポリシロキサンポリエーテルコポリマー、ポリアルキレンオキシド修飾ポリジメチルシロキサン、トール油脂肪酸、有機シリコーン界面活性剤、ポリアルキレン修飾ヘプタメチルトリシロキサン、修飾アルカノエート、ポリ脂肪酸エステル、炭酸塩、ポリシロキサン、リモネン、アリルオキシポリエチレングリコールメチルエーテル、フィトブランドベースオイル、ジメチルポリシロキサン、鉱油、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー、非イオン性炭水化物界面活性剤、ポリオキシチレンポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール、モノカルバミド二水素スルフェート、消泡剤、作物ベースエラストポリマー、ジアンモニウム塩、ならびにこれらの任意の組み合わせから選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリヒドロキシエチルアルコキシアルキレンオキシドである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロリエンブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、エーテル化ポリオキシエチレン-ポリオキシプロリエンブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、修飾アルキル化ポリオールである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、修飾/メチルキャップブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、非イオン性ポリオールである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アルコキシル化ポリオールである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルポリグリコシドである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、グルコエーテルである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アルコキシル化アルコールである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アルコールエトキシレートである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリオキシテイレンである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、アニオン性ブレンドである。
【0069】
投与経路および剤形
本開示による製剤の対象への投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的な経路を介してであってもよい。製剤は、好都合には、単位剤形で提供することができ、薬学の分野において周知である方法のいずれかによって調製することができる。いくつかの実施形態では、製剤は、活性成分を液体担体もしくは細かく分割された固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで必要に応じて、製品を所望の剤形に成形することによって調製される。もちろん、当業者は、活性成分(例えば、DHH-B)が、所望の薬理的効果をもたらすのに十分な量で含まれることを認識するであろう。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示のDHH-B製剤は、所定量の活性成分を各々含有する、硬質もしくは軟質のカプセル、錠剤、トローチもしくはロゼンジなどの別個の単位の形態で、分散性粉末もしくは顆粒の形態で、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態で、シロップもしくはエリキシル剤の形態で、または水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションの形態で提供され得る。他の実施形態では、本開示のDHH-B製剤は、例えば、経口投与または非経口投与(例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、経直腸、皮下、筋肉内、舌下、鼻腔内、または経膣投与)のための医薬調製物の形態で調製することができる。それらの非限定的な例には、溶液、錠剤、粉末、顆粒、カプセル、座薬、スプレー、制御放出剤、懸濁液、および飲料が含まれる。
【0071】
例として、固形剤形において、製剤は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、二塩基性カルシウムおよびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保水剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、クロスポビドン、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにj)例えば、シクロデキストリンなどの可溶化剤もしくは錯化剤、ならびにこれらの混合物と混合され得る。
【0072】
経口剤形
DHH-B製剤は、概して、本明細書に記載されるような所定の量のDHH-Bを各々含有する、硬質もしくは軟質のカプセル、錠剤、トローチもしくはロゼンジなどの別個の単位の形態で、分散性粉末もしくは顆粒の形態で、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態で、シロップもしくはエリキシル剤の形態で、または水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションの形態で提供され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、経口投与用のDHH-B液体剤形には、限定されないが、薬学的に許容されるエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が含まれる。DHH-Bに加えて、任意の液体剤形は、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有し得る。例えば、液体DHH-B製剤は、水、アルコール、ポリエチレングリコールエーテル、または任意の他の薬学的に許容される溶媒を含み得る。可溶化剤(例えば、シクロデキストリン)、ならびにエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ピーナッツ(groundnut)油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などの乳化剤も、開示されるDHH-B製剤中に存在し得る。さらに、経口DHH-B製剤は、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などのアジュバントを含んでもよい。懸濁液として製剤化される場合、開示されるDHH-B製剤は、DHH-B活性剤ならびに懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、およびこれらの混合物を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中でDHH-Bを含む。このような賦形剤は、(a)ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガムなどの懸濁化剤、(b)(b.1)レシチンなどの天然に存在するリン脂質、(b.2)アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、(b.3)エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、(b.4)エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、または(b.5)エチレンオキシドと、脂肪酸および無水ヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る分散剤または湿潤剤であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、DHH-B水性懸濁液はまた、1種以上の防腐剤、例えば、エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートと、1種以上の着色剤と、1種以上の香味剤と、1種以上の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンとを含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、DHH-B油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油、または流動パラフィンなどの鉱油中にDHH-Bを懸濁することによって製剤化され得る。いくつかの実施形態では、油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜ろう、固形パラフィン、またはセチルアルコールを含み得る。いくつかの実施形態では、甘味剤および香味剤を添加して、口当たりのよい経口調製物を提供してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、薬物の安定性を増強するために、少なくとも1種の抗酸化物質を含み得る。抗酸化物質は、製剤の一部として、または包装成分としてのいずれかで存在してもよい。抗酸化物質は、酸化されやすい薬物の分解を遅延させるのに有効な量で存在することができる。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤中の抗酸化物質の含有量は、DHH-B製剤の総重量に対して約0.001~10の範囲である。抗酸化物質の非限定的な例には、アスコルビン酸およびその塩、トコフェロール、メタ重亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、硫化ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、パルミチン酸アスコルビル、および没食子酸プロピルのうちの1つ以上が含まれる。他の好適な抗酸化物質は、当業者に容易に認識されるであろう。
【0078】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は乳化剤を含み得る。乳化剤は、当業者に公知の任意のものであってもよい。いくつかの実施形態では、乳化剤は、ポリオキシエチレンブロック、すなわち、繰り返しエチレンオキシド部分から構成されるブロックを含有するブロックコポリマーである。この種類の好適な乳化剤は、ポロキサマー、すなわち、ポロキサマー188などのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである。Handbook of Pharmaceutical Excipients,p.352,2nd Edn.Pharmaceutical Press,London,1994,Eds,Wade and Wellerを参照のこと。
【0079】
いくつかの実施形態では、乳化剤はホスホ乳化剤である。これは、大豆または卵、例えば、大豆または卵レシチンに由来する任意の薬学的に許容される材料であり得る。例えば、Litzinger et al,Biochem Biophys Acta,1190(1994)99-107によって、リポソーム系に使用するために記載されているリン脂質-ポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲート(PEG化リン脂質)を含む、他のリン脂質材料を使用することができるが、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノリンの両方を含有する、Lipoid E80として知られているLipoid(ドイツ)によって提供される材料などの卵レシチンが好ましい。
【0080】
経口剤形に好適な例示的なリン脂質には、Phosal(登録商標)50PG;Phosal(登録商標)53MCT;Phosal(登録商標)75SA、Phospholipon(登録商標)80;Phospholipon(登録商標)80H;Phospholipon(登録商標)85G;Phospholipon(登録商標)90G;Phospholipon(登録商標)90H;およびPhospholipon(登録商標)90NGが含まれる。経皮剤形に好適な例示的なリン脂質には、Phosal(登録商標)50PG;Phosal(登録商標)50SA;Phosal(登録商標)53MCT;Phosal(登録商標)75SA;Phospholipon(登録商標)80;Phospholipon(登録商標)80H;Phospholipon(登録商標)85G;Phospholipon(登録商標)90NG;Phospholipon(登録商標)90G;Phospholipon(登録商標)90H;およびPhospholipon(登録商標)100Hが含まれる。非経口剤形に好適な例示的なリン脂質には、Phospholipon(登録商標)90G;Phospholipon(登録商標)90H;およびPhospholipon(登録商標)100Hが含まれる。経肺薬製剤に好適なリン脂質には、Phospholipon(登録商標)90G;Phospholipon(登録商標)9.0HおよびPhospholipon(登録商標)が含まれる。
【0081】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、多糖を含み得る。この多糖は、直鎖状または分岐状であってもよく、硫酸化されていてもよいか、または硫酸化されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、「カラギーナン」として知られている1つ以上の直鎖状硫酸化多糖を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、カラギーナン、例えば、ラムダ-カラギーナン、カッパ-カラギーナン、イオタ-カラギーナン、およびカラギーナンの任意の混合物のうちの1つ以上である。カラギーナンは、食用海藻から抽出され、食品業界で広く使用されている直鎖状硫酸化多糖のファミリーである。USPNF 23は、カラギーナンを、Rhodophyceae綱(紅藻)のわずかなメンバーから水または水性アルカリでの抽出および精製によって得られる親水コロイドであると説明している。これは主に、カリウム、ナトリウム、カルシウム マグネシウムおよびガラクトースと3,6-アンヒドロガラクトースコポリマーの硫酸アンモニウムエステルからなる。これらのヘキソースは、代替的に、ポリマー内のα-1,3およびβ-1,4部位で連結される。
【0083】
カラギーナンは、硫酸基の位置およびアンヒドロガラクトースの存在に応じて3つのファミリーに分類される。ラムダ-カラギーナン(λ-カラギーナン)は、約35重量%のエステル硫酸を含有し、3,6-アンヒドロガラクトースを含有しない非ゲル化ポリマーである。イオタ-カラギーナン(t-カラギーナン)は、約32重量%のエステル硫酸および約30%の3,6-アンヒドロガラクトースを含有するゲル化ポリマーである。カッパカラギーナン(κ-カラギーナン)は、ゲル化を可能にするらせん状の三次構造を有する強力なゲル化ポリマーである。これは、25重量%のエステル硫酸、および約34%の3,6-アンヒドロガラクトースを含有する。3つのカラギーナンの中で、λ-カラギーナンが、唯一の非ゲル化ポリマーである。
【0084】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、モノグリセリド、ジグリセリド、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。「モノグリセリド」という用語は、エステル結合を介して脂肪酸鎖に共有結合した1つのグリセロール部分を有する分子を指す。「ジグリセリド」という用語は、エステル結合を介して2つの脂肪酸鎖に共有結合した1つのグリセロール部分を有する分子を指す。いくつかの実施形態では、乳化剤は、モノグリセリドおよびジグリセリドの混合物を含む。いくつかの実施形態では、乳化剤は、モノグリセリドおよびジグリセリドおよびカラギーナンの混合物を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、レシチンである(これは、リン酸、コリン、脂肪酸、グリセロール、糖脂質、トリグリセリド、およびリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルイノシトール)から構成される動物および植物組織に存在する脂肪物質の任意の群を指定するための一般名称である)。いくつかの実施形態では、トリグリセリドには、植物油、魚油、動物性脂肪、硬化植物油、部分的に硬化された植物油、中鎖および長鎖トリグリセリド、ならびに構造化トリグリセリドが含まれる。いくつかの実施形態では、乳化剤は、大豆油、オリーブ油、綿実油、ピーナッツ(peanut)油、ゴマ油、およびヒマシ油などの植物油を含む油であってもよく、ゴマ油およびヒマシ油が好ましい。
【0086】
いくつかの実施形態では、乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Polysorbate(登録商標)80、Polysorbate(登録商標)20など)の脂肪酸エステルである。
【0087】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、水性懸濁液の調製に好適なものなどの、分散性粉末および/または顆粒の形態で提供され得る。いくつかの実施形態では、DHH-Bは、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種以上の防腐剤との混合物中で提供される。好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、本明細書に既に記載されているものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば、本明細書に記載されるものの各々を含む、上記の甘味剤、香味剤、および着色剤もまた、存在してもよい。着色剤を使用して、コード組成物を、例えば、その中の治療剤の種類および投薬量を示すために、着色することができる。着色剤はまた、カプセルなどの単位剤形に含まれる多粒子の様々な画分を区別するために使用することもできる。好適な着色剤には、限定するものではないが、FD&C着色剤、天然ジュース濃縮物、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化亜鉛などの顔料などの1種以上の天然および/または人工の着色剤が含まれる。
【0088】
本開示のDHH-B製剤はまた、水中油型エマルションの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、油性相は、オリーブ油もしくはラッカセイ油などの植物油、または流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、(a)天然に存在するガム、例えば、アカシアガムおよびトラガカントガム、(b)天然に存在するリン脂質、例えば、大豆およびレシチン、(c)脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、(d)当該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであってもよい。エマルションはまた、甘味剤および香味剤を含有してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤は、シロップの形態で提供されてもよく、エリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースとともに製剤化されてもよい。このような製剤はまた、防腐剤ならびに香味剤および着色剤も含有してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、経口投与に好適な固形剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、経口崩壊錠剤、および顆粒が含まれる。いくつかの実施形態では、DHH-B固形投薬製剤はまた、キャンディー、ロリポップ、ロゼンジなどに製剤化されてもよい。このような固形剤形において、DHH-Bは、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保水剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶液遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの滑沢剤、ならびにこれらの混合物と混合され得る。カプセル、錠剤、および丸剤に関して、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
【0091】
経口溶解錠剤製剤の例を以下に示す。
【表1】
【0092】
経口錠剤製剤の例(ヒト対象の場合など)を以下に示す。
【表2】
【0093】
代替の滑沢剤には、グリセリルトリステアレート、Nu-MAG(登録商標)が含まれる。Poem TR-FB(登録商標)(TR-FB)およびPoem TR-HB(登録商標)(TR-HB)。代替の結合剤には、マンニトール、デキストロース、スクロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドンが含まれる。
【0094】
経口錠剤製剤の例(イヌ対象の場合など)を以下に示す。
【表3】
【0095】
いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約150ニュートンの範囲の硬度を有し得る。他の実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約120ニュートンの範囲の硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約150ニュートンの範囲の硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約10ニュートンの範囲の硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約80ニュートンの範囲の硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約60ニュートンの範囲の硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、錠剤は、約20ニュートン~約150ニュートンの範囲の硬度を有し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、経口使用のためのDHH-B製剤は、硬質ゼラチンまたはHPMCカプセルの形態であってもよく、活性成分は、不活性固形希釈剤、例えば、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合されるか、またはペレット製剤を介して分配される。他の実施形態では、それらはまた、軟質ゼラチンカプセルの形態であってもよく、活性成分は、水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、中鎖トリグリセリドまたはオリーブ油と混合される。
【0097】
いくつかの実施形態では、錠剤、カプセルまたはペレットは、コーティングされていなくてもよいか、またはこれらは、胃腸管内の崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって遅延作用もしくは持続作用を提供するために既知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、酢酸フタル酸セルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースアセテートスクシネートなどの時間遅延材料、またはエチルセルロースもしくはアンモニオメタクリレートコポリマー(B型)などの持続放出材料を用いてもよい。
【0098】
座薬製剤
本開示の範囲内の座薬製剤は、治療有効量のDHH-Bを、座薬製剤に長期的な安定性を提供する座薬基剤と混合することによって調製され、任意の認識された座薬作製方法によって混合物から座薬を形成する。典型的には、このような座薬基剤は、親油性であるものであり、より好ましくは、座薬基剤は、炭化水素の混合物を含むトリグリセリド親油性基剤またはパラフィン基剤などの非プロトン性親油性基剤である。座薬基剤は、挿入後の合理的な時間内での座薬の融解を確実にする融解温度を有するべきである。典型的には、座薬基剤は、約32℃~36℃の融点範囲を有する炭化水素(パラフィン)の混合物、または約32℃~36℃の融点範囲を有する脂肪酸のトリグリセリド混合物を含むことができる。炭化水素の混合物は、好ましくは、約32~36℃の融点範囲を有する硬質パラフィン(約50~60%)および流動パラフィン(約40~50%)の混合物であり得る。座薬の好ましい基剤は、Witepsol S55、Witepsol S58、これらの製品の混合物、またはWitepsol W35および/もしくはWitepsol H15とのいずれかもしくは両方の混合物である。座薬基剤Witepsolは、ココナッツ油などのヤシ種油由来の植物由来脂肪酸混合物のグリセリルエステルであるモノ-、ジ-、およびトリグリセリドの混合物である。
【0099】
いくつかの実施形態では、座薬基剤は、従来の製剤を有し、ココアバター、グリセリンゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコールの混合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ならびにパーム核油(ココナッツ油およびパーム核油など)に由来するものなどの植物起源の脂肪酸の混合物のグリセリルエステルであるモノ-、ジ-、およびトリグリセリドの混合物、ならびにPolysorbate 80またはCetomacrogol 1000よりも0.5%未満の界面活性剤を含有してもよい。本開示のDHH-B座薬製剤はまた、座薬/水基剤エマルションに約4~約8.5のpHを提供するために、かつ親水コロイド、例えば、ポリアクリル酸を可溶化するためにアミン中和剤などの他の従来の成分も含んでもよい。
【0100】
トリグリセリド、ジグリセリド、および/またはモノグリセリドを含む任意のグリセリドは、本開示のDHH-B製剤において使用することができる。いくつかの実施形態では、トリグリセリドは、LLL、OLL、OOL、OOO、PLL、POL、POO、またはSOLのうちの1つである。一実施形態では、トリグリセリドにはまた、SSL、SLS、LLS、LSL、MML、MLM、MML、LLM、SSM、SMS、MMM、SSS、およびLLLが含まれ得る。長鎖、中鎖、短鎖、および混合した長さの鎖のトリグリセリドを使用することができる。トリグリセリドにはまた、任意の既知の脂肪酸の残基を含む任意のトリグリセリド、または任意の他のより短い鎖の飽和もしくは不飽和酸も含まれる。脂肪酸には、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、a-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、および/またはセロチン酸が含まれる。脂肪酸は、トリグリセリド、ジグリセリド、またはモノグリセリドの残基の一部として本明細書に記載される製剤中に主に存在するが、独立した脂肪酸もまた、製剤の一部であってもよい。
【0101】
DHH-B座薬製剤の例を以下に示す。
【表4】
【0102】
局所投与
局所投与のための剤形には、限定されないが、軟膏、クリーム、エマルション、ローション、ゲル、日焼け止め剤、および表皮内への浸透を促進する薬剤が含まれる。当業者に公知の様々な添加剤が、本開示の局所製剤に含まれてもよい。添加剤の例には、限定されないが、可溶化剤、皮膚透過促進剤、防腐剤(例えば、抗酸化剤)、保湿剤、ゲル化剤、緩衝剤、界面活性剤、乳化剤、軟化剤、増粘剤、安定剤、保水剤、分散剤、および医薬担体が含まれる。保湿剤の例には、ホホバ油、および月見草油が含まれる。
【0103】
好適な皮膚透過促進剤は、当該技術分野で周知であり、メタノール エタノールおよび2-プロパノールなどの低級アルカノール;ジメチルスルホキシド(DMSO)、デシルメチルスルホキシド(C10 MSO)およびテトラデシルメチルスルホキシドなどのアルキルメチルスルホキシド;ピロリドン、尿素;N,N-ジエチルーm-トルアミド;C~Cアルカンジオール;ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)およびテトラヒドロフルフリルアルコールが含まれる。他の好適な浸透促進剤には、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、レクリネート(reclineate)、モノオレイン、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセリル1-モノカプレート、モノおよびジグリセリド、ならびにこれらの生理的に許容される塩などの脂肪酸が含まれ得る。
【0104】
可溶化剤の例には、限定されないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール、Transcutol(登録商標)として市販されている)およびジエチレングリコールモノエチルエーテルオレエート(Softcutol(登録商標)として市販されている)などの親水性エーテル;ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシ40水添ヒマシ油、ポリエチレングリコール(PEG)、特に低分子量のPEG、例えばPEG300およびPEG400、ならびにポリエチレングリコール誘導体、例えばPEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol(登録商標)として市販されている);DMSOなどのアルキルメチルスルホキシド;ピロリドン、DMA、およびこれらの混合物が含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態では、DHH-B局所製剤はまた、1種以上の湿潤剤を含んでもよい。有用な湿潤剤には、例として、限定するものではないが、ゼラチン、カゼイン、レシチン(リン脂質)、アカシアガム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000などのマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリソルベート(例えば、TWEEN(登録商標))、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアレート、ホスフェート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポロキサマー、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドン(またはPVP)が含まれる。チロキサポール(スペリノン(superinone)またはトリトンとしても知られている、アルキルアリールポリエーテルアルコール型の非イオン性液体ポリマー)は、別の有用な湿潤剤、これらの組み合わせ、および当業者に公知の他のこのような材料である。
【0106】
DHH-B局所製剤の例を以下に示す。
【表5】
【0107】
非経口製剤
非経口投与のためのDHH-B製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る、水性および非水性滅菌注射液が含まれる。非経口投与のための製剤にはまた、水性および非水性滅菌懸濁液も含まれ、これには懸濁化剤および増粘剤が含まれ得る。製剤は、単位用量または複数用量の容器、例えば、密封アンプルおよびバイアル中に提示されてもよく、使用の直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管されてもよい。即時注射液および懸濁液は、以下に記載される種類の滅菌粉末から調製され得る。
【0108】
注射可能な製剤の例を以下に示す。
1リットルの製剤:
25,000mg/L=25mg/ml DHH-B
【表6】
【0109】
固形および液体食品
有効量のDHH-B製剤のいずれか1つが、ジヒドロホノキオール、または誘導体もしくは類似体を実質的に含有しない、任意の食品もしくは飲料品、または機能性食品に加えられてもよい。したがって、本開示のDHH-B製剤のいずれか1つのうちは、食品もしくは飲料品または機能性食品の形態で調製され得る。食品または飲料品および機能性食品の例には、限定されないが、菓子、レトルト食品、ジュース、茶、および乳製品が含まれる。加えて、甘味剤、調味料、乳化剤、懸濁化剤、消毒剤などが、必要に応じて、食品もしくは飲料品または機能性食品に加えられてもよい。さらに、本開示の抗不安組成物は、食品添加物として使用することができる。
【0110】
本開示による食品、食事組成物、またはサプリメントは、食品または食事サプリメント組成物と混合された本開示の天然産物の組成物を含有する任意の摂取可能な調製物である。食品は、乾燥、調理、煮沸、凍結乾燥、または焼成されてもよい。食品組成物または食品は、パン、ペーストリー、ブラウニー、ケーキ、パイ、ドーナツ、クラッカー、およびマフィンを含むが、これらに限定されない、ベーカリー製品を含んでもよい。食品組成物または食品は、乳、発酵乳、凝乳、ホエー、ヨーグルト、クリーム、チーズ、バター、澄ましバター、ギー、およびアイスクリームを含むが、これらに限定されない、乳製品を含んでもよい。食品組成物または食品は、ピーナッツバター、アーモンドバター、カシューバター、ヘーゼルナッツバター、マカダミアナッツバター、ピーカンバター、ピスタチオバター、クルミバター、カボチャ種子バター、ゴマ種子バター、大豆バター、およびヒマワリ種子バターを含むが、これらに限定されない、ナッツバターまたはシードバターを含んでもよい。食品組成物または食品は、オリーブ油、ココナッツ油、植物油、キャノーラ油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、アボカド油、米ぬか油、綿実油、アマニ油、リンシード油、ブドウ種子油、麻油、マスタード油、マカダミア油、ヤシ油、茶種子油、クルミ油、マーガリン、ラード、バター、澄ましバター、ギー、または獣脂を含むが、これらに限定されない、油(例えば、調理油)を含んでもよい。食品組成物または食品は、エネルギーゲル、スポーツドリンク、エネルギー粉末、エネルギーバー、エネルギーショット、タンパク質粉末、およびタンパク質ドリンク(例えば、タンパク質シェイク)などのスポーツ食品を含んでもよい。食品組成物または食品は、水、電解質飲料、ソーダ、ココナッツ水、茶(例えば、Jun茶、紅茶、緑茶、白茶、ハーブ茶)、コーヒー、ソフトドリンク、アルコール飲料(例えば、カクテル、酒、スピリッツ、ビール、ワイン、麦芽飲料)、水、ジュース(例えば、リンゴジュース、オレンジジュース、トマトジュース、野菜ジュース、クランベリージュース)、スポーツドリンク、電解質濃縮水、ビタミン増強水、乳(例えば、乳製品ベースの乳、ココナッツミルク、アーモンドミルク、豆乳、ヘンプミルク、ライスミルク、オートミルク、カシューミルク、ヘーゼルナッツミルク)、およびヨーグルトを含むが、これらに限定されない、飲料を含んでもよい。
【0111】
食品組成物または食品は、ゼラチンベースの製品(例えば、Jell-O(登録商標))またはゼラチンベースの砂漠内に本明細書に開示される天然産物の組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、食品組成物または食品は、天然産物の組成物およびゲル化剤を含む。ゲル化剤の好適な例には、カラギーナン、寒天、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアーガム、大豆タンパク質、および結晶性セルロースが含まれる。食品組成物または食品内に含まれるゲル化剤の量は、本開示の効果が得られることを条件として限定されない。食品組成物中のゲル化剤の割合は、例えば、食品組成物または食品の総重量に対して約0.5~約3である。いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、含まれるゲル化剤の量は、咀嚼における硬度に影響を与えると考えられる。ゲル化剤の量が食品組成物または食品の総重量に対して約0.5未満である場合、食品組成物または食品は過度に柔らかくなる傾向があり、咀嚼に好適な硬度を達成することができない。他方で、この量が食品組成物または食品の総重量に対して約3より多い場合、食品組成物または食品は、咀嚼の数が増加しても、噛み砕くことを行うことができる硬度を達成できない傾向がある。
【0112】
DHH-B液体または飲料製剤の例を以下に示す。
【表7】

【表8】
【0113】
投与および投与スケジュール
当業者であれば、本開示の方法で使用される製剤のいずれかにおける有効量のDHH-Bを経験的に決定することができることを理解するであろう。本開示の製剤の1日の合計使用量は、対象(ヒトまたは獣医用)に投与される場合、十分な医学的判断の範囲内で主治医または他の医療専門家によって決定されることが理解されるであろう。任意の対象に対する特定の治療的に有効な用量レベルは、様々な要因:達成されるべき応答の種類および程度、利用される特定の組成物の活性、患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、および食生活、治療の持続時間、患者の重症度、本開示の方法と組み合わせてまたは同時に使用される薬物、ならびに医学分野で周知の同様の要因に依存するであろう。
【0114】
必要に応じて、このような用量は、2回または3回などの、別々に数回で投与され得る。また、本開示のDHH-B製剤のいずれかは、別の抗不安薬と組み合わせて患者に投与されてもよい。
【0115】
また、本開示のDHH-B製剤のいずれかの有効量は、実質的にカロテノイドを含有しない家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、またはブタ)またはペット動物(例えば、ネコまたはイヌ)に対する飼料の任意の形態に添加されてもよい。したがって、本開示のDHH-B製剤のいずれかは、飼料の形態で調製されてもよい。動物の不安障害は、このような飼料の摂取により予防または治療することができる。したがって、このような飼料の形態は、動物の育種に効果的である。
【0116】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、1日に1回投与される。他の実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、1日に1回、2回投与される。他の実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、少なくとも1日に3回投与される。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、12時間ごとに投与されてもよい。他の実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、8時間ごとに投与されてもよい。さらに他の実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、4時間ごとに投与されてもよい。さらにさらなる実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、必要に応じて投与されてもよいが、24時間の期間の投与における投与量の数が、所定の数の投与または各活性成分の所定の量を超えない。いくつかの実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、食品とともに投与される。他の実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、絶食状態である間に投与される。
【0117】
本明細書に記載されるDHH-B製剤のいずれかは、単位剤形で提供することができる。単位用量は、時間当たりの用量であってもよい。単位用量は、1日用量であってもよい。単位用量は、1つ以上の組成物を必要とする対象に対して、それらの1日用量の約1/24、1/12、1/8、1/6、1/4、1/3、1/2、またはすべてを提供してもよい。本明細書に記載されるように、単位用量は、1回の消費または投与のために包装される、錠剤、ゲル、液体、食品、食品バー、規定体積の液体の容器の形態、または本明細書に記載される他の形態をとってもよい。
【0118】
治療方法
ある特定の実施形態では、本開示は、不安障害の結果である不安症、例えば、広場恐怖症を伴うまたは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴がない広場恐怖症、社会恐怖症を含む動物および他の恐怖症、強迫性障害、外傷後および急性ストレス障害を含むストレス障害、ならびに全般性または物質誘発性不安障害、神経症、痙攣、偏頭痛、うつ病性または双極性障害、例えば、単一エピソードまたは再発性大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性I型および双極性II型躁病性障害、ならびに気分循環性障害、統合失調症を含む精神病性障害、脳虚血に起因する神経変性、注意欠陥多動性障害、トゥレット症候群、吃音を含む発話障害、ならびに例えば、時差ぼけまたは交代勤務の影響に苦しんでいる対象における概日リズム障害を減少させる方法に関する。
【0119】
いくつかの実施形態では、DHH-B製剤のいずれかは、不安症および関連する症状の改善を含む、不安症および関連する障害を治療するために対象に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のDHH-Bを単独で、または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と組み合わせて投与することを含む、不安症の治療および/または予防のための方法に関する。いくつかの実施形態では、この方法は、本明細書に記載されるDHH-B製剤のいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤と一緒に、本明細書に示されるDHH-Bを投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、食品組成物または食品内に埋め込まれた本明細書に開示されるDHH-BまたはDHH-B製剤のいずれかの投与を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるDHH-B製剤のいずれかは、併用療法において、すなわち、単一もしくは別個の剤形のいずれかにおいて同時に、または互いに数時間もしくは数日以内に別個の剤形において投与され得る。不安症の治療のためのこのような併用療法で使用される化合物/薬物の例には、限定するものではないが、シタロプラム、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン、ベンラファキシン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、トラニルシプロミン、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、ジバルプロエクス、ガバペンチン、プレガバリン、アテノロール、ナドロール、プロプラノロール、モリンドン、オランザピン、クエチアピン、およびリスペリドンが含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、併用療法において、すなわち、単一もしくは別個の剤形のいずれかにおいて同時に、または互いに数時間もしくは数日以内に別個の剤形において投与され得る。うつ病の治療のためのこのような併用療法で使用される化合物/薬物の例には、限定するものではないが、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA)、四環系抗うつ薬、ドーパミン再取り込み遮断薬、5-HT1A受容体拮抗薬、5-HT2受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗薬、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、およびノルアドレナリン作動性拮抗薬が含まれる。抗うつ薬の具体的な例には、限定されないが、デスベンラファキシン、デュロキセチン、レボミルナシプラン、ベンラファキシン、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ブプロピオン、マプロチリン、ビラゾドン、ネファゾドン、トラゾドン、ボルチオキセチン、イソカルボキサジド、フェネルジン、セレギリン、トラニルシプロミン、およびミルタザピンが含まれる。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるDHH-B製剤のいずれかは、振戦障害、本態性振戦障害、パーキンソン振戦、ジストニア振戦、小脳性振戦、心因性振戦、起立性振戦、生理的振戦などを治療するために対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のDHH-Bを、単独で、または薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と組み合わせて投与することを含む、振戦障害、本態性振戦障害、パーキンソン振戦、ジストニア振戦、小脳性振戦、心因性振戦、起立性振戦、生理的振戦などを治療するための方法に関する。いくつかの実施形態では、この方法は、本明細書に記載されるDHH-B製剤のいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、薬学的に許容される賦形剤、担体、および/または添加剤と一緒に、本明細書に示されるDHH-Bを投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、食品組成物または食品内に埋め込まれた本明細書に開示されるDHH-BまたはDHH-B製剤のいずれかの投与を含む。
【0122】
安定性
いくつかの実施形態では、本開示のDHH-B製剤のいずれかの個々の成分は、最終製品が少なくとも約2年の保存期間を有するように、許容されない程度に分解しない。前述のように、これは、剤形の所望の(例えば、標識された)保存期間の間(例えば、剤形の製造日から最低約2年後)、剤形内の活性成分が、その初期量の約90~約110%内に留まることを意味する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、240、270、300、330、または360日の保存半減期を有することができる。いくつかの場合、本明細書に記載される組成物は、少なくとも約1、2、3、4、または5年の保存半減期を有することができる。
【実施例
【0123】
実施例1-ジヒドロホンキオール-B-シクロデキストリン錯体化プロセス:
250mlのビーカーに、90mlの脱イオン水を添加した。ビーカーを撹拌プレート上に置き、70℃に加熱した。磁気撹拌子をビーカーに入れ、水中で渦を生じる速度に設定した。水に、45gのヒドロキシプロピル-ベータシクロデキストリン(HPBCD)を添加した。シクロデキストリンは急速に溶液中に溶けた。水溶液に、5gのジヒドロホノキオール-Bをゆっくりと加えた。
【0124】
実施例2-水溶性錠剤製剤
水溶性錠剤成分の製造のために、溶液を真空オーブンに移し、真空とともに一晩加熱を適用して、ジヒドロホノキオールシクロデキストリン錯体から水を除去した。この材料を、飲料、錠剤、および経口溶解錠剤(ODT)に使用した。
【0125】
250mgの経口溶解錠剤の例
75mgのHPBCD錯体化DHH-B
35mgのD-マンニトール
35mgのキシリトール
35mgの微結晶性セルロース
35mgのクロスポビドン
35mgの無水リン酸水素カルシウム
【0126】
実施例3-座薬製剤
基剤材料を50℃で融解して、均質な脂質ブレンドを形成した。機械的混合によって、ジヒドロホノキオール-B(15mg)をこの混合物中に溶解した。得られた溶解されたSEDDSブレンドを1gの容量の座薬型に注入した。座薬を5~10分間室温に設定し、10℃で30分間さらに硬化した。最終的なSEDDS製品を、その外観、室温での安定性、および型からの除去の容易さについて評価した。
【0127】
1,000mgの座薬の例
15mgのDHH-B
110mgの油ブレンド
800mgのPeg-32ブレンド
50mgのジエチレングリコールモノエチルエーテル
【0128】
実施例4-液体または飲料の製剤
250mlのガラスビーカーに、9gのD-α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)を添加した。撹拌子をビーカーに添加し、それを、遅い撹拌速度で60℃に設定した加熱撹拌プレート上に置いた。溶解によってTPGSを液化した後、1.5gのジヒドロホノキオール-Bを添加した。10分間撹拌した後、70℃の水150mlを添加し、撹拌速度を増加させた。溶液をさらに15分間加熱した。溶液を一晩静置させ、必要に応じて0.5%ポリソルベート80を添加して溶液を清澄化した。溶液を、適切な製剤のためにさらに希釈した。
【0129】
製剤の例には、1ml当たり7.5mgのDHH-Bの濃度を有する30mlのチンキボトルから、1供給当たり15mgで12オンスの飲料までが含まれる。
【0130】
15mgの液体の例
15mgのDHH-B
90mgのTPGS
50mlの水
100mgの粉末チェリーフレーバリング
【0131】
実施例5-経皮製剤
ジヒドロホンキオール-Bおよび湿潤剤プロピレングリコールを最初にリン脂質基剤に組み込んだ。次いで、製剤を、電子乳鉢および乳棒(EMP)(Unguator(登録商標)技術、e/sモデル)を用いて7の設定で3分間混合し、軟膏ミル(Exakt Technologies,Inc.、50モデル)を使用して2回(2の設定で1回、および1の設定で1回)剪断し、EMPで再混合して(5の設定で1分)、内容物の均一性を達成した。
【0132】
経皮の例
15mgのDHH-B
885mgのプロピレングリコール
49mlのPLO-ゲル
【0133】
実施例6-注射可能な製剤
1500mlのErlenmeyerフラスコに、450mlの脱イオン水を添加した。ビーカーを撹拌プレート上に置き、70℃に加熱した。磁気撹拌子をビーカーに入れ、水中で渦を生じる速度に設定した。水に、225gのヒドロキシプロピル-ベータシクロデキストリン(HPBCD)を添加した。シクロデキストリンは急速に溶液中に溶けた。水溶液に、25gのジヒドロホノキオール-Bをゆっくり添加した。室温まで冷却すると、ベンジルアルコールを5.0%未満の量で添加する。溶液を、7.10のpHに調整する。溶液を十分な量(qs)にして、これを1000mlにする。この溶液を滅菌0.22umフィルターを通して、個々の多用途滅菌バイアルに濾過する。
【0134】
注入可能な例
75mgのDHH-B
675mgのHPBCD
3mlの滅菌水
0.15mlのベンジルアルコール
【0135】
この例では、440kgのサラブレッドのウマに2ml~4mlを注射することができる。5mlの体積が、神経質なウマに適している。25mg/mlの10mlの量は、いかなる有害事象も引き起こさなかった。
【0136】
実施例7-経口錠剤製剤
250mgの経口錠剤の例
75mgのHPBCD錯体化DHH-B
1.25mgのステアリン酸マグネシウム
162.5mgの微結晶性セルロース
【0137】
本開示は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本開示の原理の趣旨および範囲内に属するであろう多数の他の修正および実施形態が当業者によって考案され得ることを理解されたい。より具体的には、合理的な変形および修正は、本開示の趣旨から逸脱することなく、前述の本開示、図面、および添付の特許請求の範囲の範囲内で、主題の組み合わせ構成の構成要素部分および/または構成において可能である。構成要素部分および/または構成における変形および修正に加えて、代替的な用途もまた、当業者には明白であろう。
【国際調査報告】