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  • 特表-フルエンスルホンの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】フルエンスルホンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 277/36 20060101AFI20221004BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221004BHJP
【FI】
C07D277/36
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506707
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 IL2020050852
(87)【国際公開番号】W WO2021024253
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/882,541
(32)【優先日】2019-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】518190639
【氏名又は名称】イエダ リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン、ロニー
(72)【発明者】
【氏名】ケーンキン、アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4H039
【Fターム(参考)】
4H039CA80
4H039CC60
(57)【要約】
本発明は、酸化剤及び金属酸化物系触媒を使用する、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール及びその類似体を、対応するスルホンに酸化する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造によって表される化合物の製造方法であって:
【化1】

反応混合物中で、式(Ia)の化合物:
【化2】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、前記複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]
を、触媒の存在下、酸性水相中で過酸素酸化剤と接触させる工程を含む、方法。
【請求項2】
式(I)の構造によって表される化合物の製造方法であって:
【化3】

反応混合物中で、式(Ia)の化合物:
【化4】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、前記複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]
を、触媒の存在下、酸性水相中でHと接触させる工程を含む、方法。
【請求項3】
前記式(I)の構造の化合物が、式(II)又は(III)の構造によって表され、
【化5】

前記Hを、触媒の存在下、酸性水相中で式(IIa)又は(IIIa):
【化6】

[式中、X~Xはそれぞれ独立して、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I及びNから選択される]
によって表される化合物と接触させる、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(I)の構造の化合物が、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールであり、前記Hを、触媒の存在下、酸性水相中で、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールと接触させる、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒が少なくとも1つの金属酸化物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記金属酸化物が、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化レニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ハフニウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記触媒が式MM’Oの少なくとも1つの金属酸化物塩であり、式中、
Mが、水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、
M’が、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、レニウム又はタングステンであり、
xが2~6の整数であり、
qが1~4の整数である、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が、バナジン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム若しくはタングステン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記触媒がタングステン酸ナトリウムである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が水和されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記触媒の濃度が、式(I)によって表される化合物に対して0.01~20mol%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記触媒の濃度が、式(I)によって表される化合物に対して1~10mol%である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記触媒の濃度が、式(I)によって表される化合物に対して1~5mol%である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記酸性水相が、HCl、HBr、HSO、HPO、MeSOH、CFSOH又はそれらの組み合わせを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記酸性水相がHSOを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸性水相中の前記酸の濃度が0.5~8Mである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記酸性水相中の前記酸の濃度が2~5Mである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
式(I)によって表される化合物に対して2~10モル当量の前記Hが添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
水性Hが3体積%~90体積%の濃度で使用される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応混合物が、水を含み、水不混和性有機溶媒を含まない、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記反応が0℃~100℃の範囲の温度で行われる、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記反応が15℃~35℃の範囲の温度で行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記触媒がリサイクルされる、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物系触媒及び酸化剤を使用する、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール及びその類似体の、対応するスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール(フルエンスルホン)及びその対応する類似体への酸化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フルエンスルホン(5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール)は、農園芸用作物の多くの植物寄生線虫に対して有効な殺線虫剤である。その合成の1つの方法は、対応するスルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールの酸化を含む。国際公開第2001/002378号は、酢酸などのカルボン酸の存在下での3-クロロ安息香酸又は過酸化水素などの過酸素試薬による硫化物の酸化を記載している。
【0003】
60℃の酢酸中3当量のHとの反応により、フルエンスルホンが収率76%で得られたと報告された。
【0004】
活性酸化剤としてペルオキシ一硫酸カリウム、2KHSO・KHSO・KSOとの三重塩であるオキソン又はCaroatによるスルフィドの酸化によって、収率の改善が報告された(米国特許第8,901,311号、国際公開第2004/005268号)。
【0005】
の使用(国際公開第2001/002378号)に対して2KHSO・KHSO・KSO(米国特許第8,901,311号)を使用すると収率が改善されることが報告されているが、Hのみによる水の形成に対して、かなりの量の環境的に有害な硫酸塩が反応中に導入され、形成される。
【0006】
米国特許第8,901,311号にも記載されているようなHの使用に伴う問題は、中間スルホキシドの酸化がより困難になると、収率がかなり低下することである。したがって、スルホンへのスルホキシドの更なる酸化は、徐々にゆっくりとしか起こらず、より高い温度及びより長い反応時間を必要とする。更により問題となるのは、スルホンが形成されると、フッ素化二重結合の酸化的開裂を更に介して反応し、3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸及びHFを望ましくない副生成物として生じることである。この反応は、主にスルホンの二重結合に対するHの非触媒的求核攻撃の結果であると推測され、これはフッ素置換基及び隣接するスルホン基の存在に起因して非常に求電子性である。したがって、触媒がなくてもスルホンをHと反応させると、二重結合の切断に起因して3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸及びHFの形成が観察された。このような望ましくない副反応は、ギ酸又は酢酸の存在下でHによっても起こり、反応性酸素化過酸は、その場で形成されるか、又は一般的に使用されるモリブデン酸塩若しくはタングステン酸塩触媒の存在下で形成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水性二相反応媒体中で、酸化剤/酸素供与体として水性Hを使用する、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール及びその類似体の、対応するスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール及びその対応する類似体への選択的酸化を提供する。
【0008】
水性二相反応媒体の使用における特定の利点は、触媒を含有する水相と所望の生成物を含有する有機相とを分離することが容易であることである。このようにして、触媒を極めて簡単に回収及び再利用することができる。
【0009】
一実施形態では、本発明は、式(I)の構造:
【化1】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、式(Ia)の構造:
【化2】

[式中、R及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中でHと接触させる工程を含む方法を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールを、触媒の存在下、酸性水相中でHと接触させる工程を含む、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造方法を提供する。
【0011】
一実施形態では、本発明は、式(I)の構造:
【化3】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、式(Ia)の構造:
【化4】

[式中、R及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中で過酸素酸化剤と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールを、触媒の存在下、酸性水相中で過酸素酸化剤と接触させる工程を含む、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造方法を提供する。
【0013】
本発明とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され、明確に特許請求される。しかし、本発明は、その目的、特徴、及び利点と共に、構成及び動作方法の両方に関して、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造のための本発明の方法を示す図であり、本発明の方法は、3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸の副生成物の形成を防止する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
説明を簡単かつ明確にするために、図に示す要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解される。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確にするために他の要素に対して誇張されている場合がある。更に、適切であると考えられる場合、対応する又は類似の要素を示すために、図面間で参照番号を繰り返すことができる。
【0016】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、これらの具体的な詳細なしで本発明を実施できることは当業者には理解される。他の例では、周知の方法、手順、及び構成要素は、本発明を不明瞭にしないように詳細には記載されていない。
【0017】
本発明は、金属酸化物系触媒及び酸化剤を使用する、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール及びその類似体の、対応する5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール(フルエンスルホン)及びその対応する類似体への酸化方法に関する。別の実施形態では、酸化剤は過酸素酸化剤である。別の実施形態では、酸化剤はHである。
【0018】
一実施形態では、本発明の方法は酸化剤を利用する。別の実施形態では、酸化剤は水溶性過酸素酸化剤である。水溶性過酸素酸化剤の非限定的な例としては、H、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、尿素過酸化水素(UHP)、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。別の実施形態では、過酸素酸化剤はHである。別の実施形態では、過酸素酸化剤はモノペルオキシフタル酸マグネシウムである。別の実施形態では、過酸素酸化剤は過ホウ酸ナトリウムである。別の実施形態では、過酸素酸化剤は過炭酸ナトリウムである。別の実施形態では、過酸素酸化剤は尿素過酸化水素(UHP)である。別の実施形態では、過酸素酸化剤は、酸性反応条件下で過酸化水素を形成する。
【0019】
一実施形態では、本発明は、式(I)の構造:
【化5】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、式(Ia)の構造:
【化6】

[式中、R及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中でHと接触させる工程を含む方法を提供する。
【0020】
一実施形態では、本発明は、式(I)の構造:
【化7】

[式中、Rは、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール及びチアトリアゾールから選択される複素環であり、複素環はハロゲン化されていてもよく、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、式(Ia)の構造:
【化8】

[式中、R及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中で過酸素酸化剤と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、式(II)又は(III)の構造:
【化9】

[式中、X~Xはそれぞれ独立して、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I及びNから選択され、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、構造(IIa)又は(IIIa):
【化10】

[式中、X~X及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中でHと接触させる工程を含む方法を提供する。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、式(II)又は(III)の構造:
【化11】

[式中、X~Xはそれぞれ独立して、C-H、C-F、C-Cl、C-Br、C-I及びNから選択され、nは1~6の整数である]によって表される化合物の製造方法であって、反応混合物中で、構造(IIa)又は(IIIa):
【化12】

[式中、X~X及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される化合物を、触媒の存在下、酸性水相中で過酸素酸化剤と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0023】
別の実施形態では、Xは、C-H、C-F、C-Cl、C-Br及びC-Iから選択され、X及びXは、それぞれ独立して、C-H及びNから選択される。
【0024】
別の実施形態では、本発明は金属酸化物系触媒及び酸化剤を使用する、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールの対応するスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール(フルエンスルホン)への酸化方法に関する。別の実施形態では、酸化剤は過酸素酸化剤である。別の実施形態では、酸化剤はHである。
【0025】
一実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I、II若しくはIIIのその類似体の製造方法であって、反応混合物中で、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIaのその対応する類似体を、触媒の存在下、酸性水相中でH水溶液と接触させる工程を含む方法に関する。別の実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール(フルエンスルホン)の製造方法であって、反応混合物中で、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールを、触媒の存在下、酸性水相中でH水溶液と接触させる工程を含む方法に関する。
【0026】
一実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I、II若しくはIIIのその類似体の製造方法であって、反応混合物中で、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIaのその対応する類似体を、触媒の存在下、酸性水相中で水溶性過酸素酸化剤と接触させる工程を含む方法に関する。別の実施形態では、本発明は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール(フルエンスルホン)の製造方法であって、反応混合物中で、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールを、触媒の存在下、酸性水相中で水溶性過酸素酸化剤と接触させる工程を含む方法に関する。
【0027】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体の製造方法は、触媒を利用する。別の実施形態では、触媒は、少なくとも1つの金属酸化物又は金属酸化物塩である。別の実施形態では、金属酸化物は、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化レニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化ハフニウム又はそれらの組み合わせを含む。
【0028】
別の実施形態では、触媒は式MM’Oの少なくとも1つの金属酸化物塩であり、式中、
Mは、水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、
M’は、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、レニウム又はタングステンであり、
xは2~6の整数であり、
qは1~4の整数である。
【0029】
別の実施形態では、式MM’OのMは、水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。別の実施形態では、Mは、水素、ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムである。別の実施形態では、式MM’OのM’は、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル、レニウム又はタングステンである。式MM’Oの別の実施形態では、xは2~6の整数である。別の実施形態では、xは、2、3、4、5又は6である。式MM’Oの別の実施形態では、qは1~4の整数である。別の実施形態では、qは1、2、3又は4である。
【0030】
別の実施形態では、少なくとも1つの金属酸化物塩は、バナジン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム若しくはタングステン酸ナトリウム又はそれらの組み合わせである。別の実施形態では、金属酸化物塩は、タングステン酸ナトリウムである。
【0031】
別の実施形態では、触媒は水和されている。
【0032】
別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、出発物質5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~20mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して1~10mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して1~5mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~1mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~2mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~3mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~4mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~5mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~8mol%である。別の実施形態では、反応混合物中の触媒の濃度は、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia、IIa若しくはIIIaのその類似体に対して0.01~10mol%である。
【0033】
別の実施形態では、触媒はリサイクルされ、再使用される。別の実施形態では、触媒は再使用される。別の実施形態では、触媒は単離されず、反応混合物内で再使用される。
【0034】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I、II又はIIIのその類似体の製造方法は、酸性水溶液を利用する。酸性水溶液の使用は、特に隣接するスルホン基又はスルホキシド基が存在する場合、過酸化水素酸化剤の求核性を低下させ、求電子性トリフルオロ-アルケン部分に対する反応性を低下させ、それによって二重結合とHなどの過酸素酸化剤との反応を阻害し、3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸副生成物又はその類似体(例えば、式(Ib~IIIb)、下記参照)の形成を阻害することが見出された。別の実施形態では、式(I)~(III):
【化13】

によって表される化合物の製造方法は、15重量%未満の式(Ib)~(IIIb):
【化14】

[式中、R、X~X及びnは、本明細書で上記に定義される通りである]によって表される対応する副生成物化合物を生じる。別の実施形態では、式(Ib)~(IIIb)の化合物の収率は0~2重量%である。別の実施形態では、式(Ib)~(IIIb)の化合物の収率は2~5重量%である。別の実施形態では、式(Ib)~(IIIb)の化合物の収率は5~10重量%である。別の実施形態では、式(Ib)~(IIIb)の化合物の収率は10~15重量%である。別の実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造方法は、2重量%未満の3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸副生成物を生じる。
【0035】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体の製造方法は、酸性水溶液を利用する。別の実施形態では、酸性水相は、HCl、HBr、HSO、HPO、MeSOH、CFSOH又はそれらの組み合わせを含む。別の実施形態では、酸性水相は、HSOを含む。別の実施形態では、酸性水相中の酸の濃度は0.5~8Mである。別の実施形態では、酸性水相中の酸の濃度は1~6Mである。別の実施形態では、酸性水相中の酸の濃度は2~5Mである。
【0036】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体の製造方法は、酸化剤を利用する。別の実施形態では、酸化剤は過酸素酸化剤である。別の実施形態では、酸化剤はHである。別の実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia-IIIaのその類似体に対して2~10モル当量の酸化剤が添加される。別の実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia-IIIaのその類似体に対して2~5モル当量の酸化剤が添加される。別の実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia-IIIaのその類似体に対して2~4モル当量の酸化剤が添加される。別の実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール又は式Ia-IIIaのその類似体に対して3~3.5モル当量の酸化剤が添加される。別の実施形態では、使用される過酸化水素水の濃度は3体積%~90体積%(すなわち、過酸化水素水の市販濃度)である。別の実施形態では、使用される過酸化水素水の濃度は20重量%~60重量%(すなわち、過酸化水素水の市販濃度)である。
【0037】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体の製造の反応混合物は、二相性である。別の実施形態では、二相性とは、酸化剤、触媒及び酸を含む水相、並びにスルフィド基質、スルホン生成物及び場合により水不混和性有機溶媒を含む有機相を指す。別の実施形態では、二相性とは、酸化剤、触媒及び酸を含む水相、並びに水不混和性有機溶媒を含まないスルフィド基質及びスルホン生成物を含む有機相を指す。
【0038】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I、II又はIIIのその類似体の製造方法は、一相反応である。
【0039】
一実施形態では、5-クロロ-2((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体の製造の反応混合物は、水を含み、水不混和性有機溶媒を含まない。別の実施形態では、反応混合物は、水及び水不混和性有機溶媒を含む。水不混和性有機溶媒の非限定的な例としては、ヘキサン、ペンタン、トルエン、メチルシクロヘキサン、クロロベンゼン、酢酸エチル及び様々なエーテルが挙げられる。別の実施形態では、反応混合物は、水及び水混和性溶媒及び/又は界面活性剤を含む。水混和性溶媒の非限定的な例としては、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n-メチルピロリドン又はそれらの組み合わせが挙げられる。別の実施形態において、反応混合物は、水及び水不混和性有機溶媒及び/又は界面活性剤を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、界面活性剤としては、ポリアルキレングリコール、アルコキシル化アルコール、アルキル硫酸塩又はそれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ポリアルキレングリコール、アルコキシル化アルコール、アルキル硫酸塩又はそれらの任意の組み合わせを含む。界面活性剤の非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG400など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij35など)、ドデシル硫酸塩(SDSなど)が挙げられる。
【0041】
一実施形態では、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体を製造するための反応は0℃~100℃の範囲の温度で行われる。別の実施形態では、20℃~40℃の温度である。別の実施形態では、20℃~50℃の温度である。別の実施形態では、20℃~60℃の温度である。別の実施形態では、20℃~70℃の温度である。別の実施形態では、25℃~40℃の温度である。別の実施形態では、25℃~50℃の温度である。別の実施形態では、25℃~60℃の温度である。別の実施形態では、25℃~70℃の温度である。別の実施形態では、26℃~100℃の温度である。別の実施形態では、30℃~80℃の温度である。別の実施形態では、10℃~80℃の温度である。別の実施形態では、20℃~80℃の温度である。別の実施形態では、10℃~50℃の温度である。別の実施形態では、15℃~35℃の温度である。別の実施形態では、少なくとも15℃の温度である。別の実施形態では、少なくとも20℃の温度である。別の実施形態では、少なくとも25℃の温度である。
【0042】
一実施形態では、本発明は、本発明の方法によって製造された5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体に関する。別の実施形態では、本発明の方法によって製造された5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体は、97%を超える純度を有する。別の実施形態では、本発明の方法によって製造された5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾール又は式I~IIIのその類似体は、1重量%以下の3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸又は式(Ib~IIIb)によって表されるその類似体を有し、別の実施形態では、2重量%未満の3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸又は式(Ib~IIIb)によって表されるその類似体を有し、式(Ib~IIIb)は上記に記載されている。
【0043】
以下の例は、本発明の好ましい実施形態をより十分に説明するために提示される。しかし、それらは決して本発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例
【0044】
例1
5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造
スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(14g、54mmol)、20mLの4M硫酸、780mgのNaWO(2.3mmol、4mol%)の混合物を調製し、次いで7mLの60% H(140mmol)を2時間かけて滴加した。22℃で20時間後、HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成を96%の選択性で示した。副生成物は、3%スルホキシド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルフィニル)-1λ,3λ-チアゾール及び1%3-((5-クロロ-1λ,3λ-チアゾール-2-イル)スルホニル)プロパン酸であった。収量-14.7gのフルエンスルホン。
【0045】
例2
5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造
スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(14g、54mmol)、20mLの4M硫酸、780mgのNaWO(2.3mmol、4mol%)の混合物を調製し、次いで7mLの60% H(140mmol)を2時間かけて滴加した。35℃で7時間後、HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成を91%の選択性で示した。
【0046】
例3
5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造
スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(14g、54mmol)、20mLの4M硫酸、390mgのNaWO(1.65mmol、2mol%)の混合物を調製し、次いで7mLの60% H(140mmol)を2時間かけて滴加した。22℃で20時間後、HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成を86%の選択性で示した。
【0047】
例4
5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造
スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(14g、54mmol)、20mLの4Mリン酸、780mgのNaWO(2.3mmol、4mol%)の混合物を調製し、次いで7mLの60% H(140mmol)を2時間かけて滴加した。22℃で20時間後、HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成をHの広範な分解に起因して75%の選択性で示した。
【0048】
例5
水相リサイクル実験
例1の手順を用いて、スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(14g、54mmol)、20mLの4M硫酸、780mgのNaWO(2.3mmol、4mol%)の混合物を調製し、次いで7mLの60% H(140mmol)を2時間かけて滴加した。22℃で20時間後、HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のフルエンスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成を96%の選択性で示した。水相から有機相(スルホン生成物を含み、有機溶媒を含まない)を分離した後、初期量の1/3のNaWO、HSO及びHを添加して反応体積を一定に保つように、水相の33%を除去した。このように行ったリサイクル実験により、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾールの転化率及びフルエンスルホンに対する選択率は、±1%の範囲内で同一であることが明らかになった。
【0049】
例6
5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの製造
スルフィド、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)チオ)-1λ,3λ-チアゾール(100g、370mmol)、150mLの2M硫酸、5.5gのNaWOの混合物を調製し、次いで65gの50% H(955mmol)を1.5時間かけて10℃で滴加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、40℃に加温し、13時間撹拌した。HPLCによる反応混合物の分析は、出発物質の総変換及び所望のスルホン、5-クロロ-2-((3,4,4-トリフルオロブタ-3-エン-1-イル)スルホニル)-1λ,3λ-チアゾールの形成を示した。生成物を収率77%、選択率97%で単離した。
【0050】
本発明の特定の特徴を本明細書で例示及び説明してきたが、多くの修正、置換、変更、及び等価物が当業者に思い浮かぶであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入る全てのそのような修正及び変更を網羅することを意図していることを理解されたい。
図1
【国際調査報告】