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特表2022-543425ステータコア冷却構造及びモータ冷却システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ステータコア冷却構造及びモータ冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20221004BHJP
   H02K 1/20 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K1/20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507310
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2021093369
(87)【国際公開番号】W WO2021238656
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】202010462729.6
(32)【優先日】2020-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】ユ、 ピン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 シンリョウ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ、 ユーシア
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、 ジアンナン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ハイビン
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601DD01
5H601DD11
5H601DD30
5H601GA02
5H601GE02
5H601GE14
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP08
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ10
5H609QQ20
5H609RR36
5H609RR37
5H609RR48
(57)【要約】
本願には、ステータコア冷却構造及びモータ冷却システムが開示されており、当該ステータコア冷却構造は、ステータコア及びモータハウジングを含み、ステータコアの外周及び/又はモータハウジングの内周には、いくつかの軸方向凹溝が分布しており、軸方向凹溝は、ステータコア及び/又はモータハウジングの軸方向に延びており、ステータコアがモータハウジング内に組み立てられ、軸方向凹溝によって、ステータコアとモータハウジングとの間に冷却液通路が形成され、これにより、冷却液が冷却液通路を通ってステータコアを冷却する。本願のステータコア冷却構造において、ステータコアとモータハウジングとの間に形成された冷却通路によって、油液が大きな接触面積と高い冷却効率でステータコアに直接接触してそれを冷却することを実現できる。そして、本願において、ステータコアの軸方向凹溝は、打ち抜かれて成形されたもので、ステータコア冷却構造が簡単であり、先行技術に存在するハウジングの内壁に溝を開くに加工サイクルが長く、製造コストがかかり、組立プロセスが面倒であるなどの問題が解決された。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコア冷却構造であって、
ステータコア及びモータハウジングを含み、
前記ステータコアの外周及び/又は前記モータハウジングの内周には、いくつかの軸方向凹溝が分布しており、前記軸方向凹溝は、前記ステータコア及び/又は前記モータハウジングの軸方向に延びており、
前記ステータコアが前記モータハウジング内に組み立てられ、前記軸方向凹溝によって、前記ステータコアと前記モータハウジングとの間に冷却液通路が形成される、ことを特徴とするステータコア冷却構造。
【請求項2】
前記モータハウジングの内壁には、リング状の分液凹溝が設けられており、冷却液が前記分液凹溝を介して各前記冷却液通路に分配される、ことを特徴とする請求項1に記載のステータコア冷却構造。
【請求項3】
前記ステータコアは、いくつかのステータ抜板で構成されており、前記ステータ抜板は、打ち抜かれて成形されたものである、ことを特徴とする請求項1に記載のステータコア冷却構造。
【請求項4】
モータ冷却システムであって、
液入口、液流入通路、分液通路、請求項1~3のいずれか1項に記載のステータコア冷却構造、及び液出口を含み、
前記液入口は、モータハウジングの上部に設けられており、モータハウジング内に設けられた前記液流入通路及び前記分液通路を介して、ステータコア冷却構造に連通され、前記液出口は、モータの前端カバー及び/又はモータの後端カバーの下部、及び/又は、前記モータハウジングの下端に設けられている、ことを特徴とするモータ冷却システム。
【請求項5】
前記液流入通路及び前記分液通路は、モータハウジングの上部に設けられ、前記分液通路が前記液流入通路に連通され、
前記分液通路は、モータハウジングの上部で軸方向に延びるメイン通路と、前記メイン通路から下向きに延びるステータコア冷却通路とを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のモータ冷却システム。
【請求項6】
前記メイン通路は、2本であり、モータハウジングの鉛直中心線の両側に対称的に配置可能である、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ冷却システム。
【請求項7】
前記モータ冷却システムは、前記メイン通路に連通される巻線冷却構造をさらに含み、
前記分液通路は、前記メイン通路からそれぞれ下向きに延びる第1の巻線冷却通路及び第2の巻線冷却通路をさらに含み、
前記巻線冷却構造は、第1の冷却凹溝及び第2の冷却凹溝を含み、前記第1の冷却凹溝が前記第1の巻線冷却通路に連通され、前記第2の冷却凹溝が前記第2の冷却通路に連通され、
前記第1の冷却凹溝及び前記第2の冷却凹溝は、リング状であり、それぞれ前記モータハウジングの内壁に設けられており、前記第1の冷却凹溝がモータの前端巻線に対応し、前記第2の冷却凹溝がモータの後端巻線に対応する、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ冷却システム。
【請求項8】
前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバーの内側には、それぞれ弧状のバッフル板が設けられており、前記第1の冷却凹溝及び前記第2の冷却凹溝は、それぞれ前記弧状のバッフル板と組み立てられてリング状の通路を構成し、各前記リング状の通路の底部には、噴液ノズルが設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のモータ冷却システム。
【請求項9】
前記モータ冷却システムは、前記メイン通路に連通されるベアリング潤滑構造をさらに含み、
前記分液通路は、前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバーの内部に設けられたベアリング潤滑通路をさらに含み、
前記ベアリング潤滑構造は、前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバー内のベアリング室の上部に位置する集液溝を含み、前記集液溝は、前記ベアリング潤滑通路に連通され、前記集液溝の下端は、モータのベアリングに対応する、ことを特徴とする請求項5に記載のモータ冷却システム。
【請求項10】
前記ベアリング室の下部又はレゾルバステータの取付位置の下部には、前記液出口に接続される排液溝が設けられている、ことを特徴とする請求項9に記載のモータ冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、モータの技術分野に関し、特に、ステータコア冷却構造及びモータ冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、工業の継続的な発展に連れて、モータにおいては、高精度、高電力密度などに対する性能要求が求められており、それに伴い、モータの発熱が酷くなるという問題が起こり、自然の放熱だけでは、モータの熱が放出できず、外部からの強制冷却が必要である。
【0003】
モータ内部を冷却する従来の方式は、モータハウジングの内壁に溝を開いて冷却油路を設けることである。しかしながら、斯かる冷却油路の設置では、ステータコアを直接冷却することは実現できず、かつ、モータハウジングの内壁に溝を開くに加工サイクルが長く、製造コストがかかり、組立プロセスが面倒であるなどの問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の課題に鑑みて、上記課題を解消し、又は、部分的に解決するために、本願によるステータコア冷却構造及びモータ冷却システムが提案されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願には、以下の技術案が用いられている。
【0006】
本願の1つの局面によれば、ステータコア冷却構造が提供されており、前記ステータコア冷却構造は、ステータコア及びモータハウジングを含み、
前記ステータコアの外周及び/又は前記モータハウジングの内周には、いくつかの軸方向凹溝が分布しており、前記軸方向凹溝は、前記ステータコア及び/又は前記モータハウジングの軸方向に延びており、
前記ステータコアが前記モータハウジング内に組み立てられ、前記軸方向凹溝によって、前記ステータコアと前記モータハウジングとの間に冷却液通路が形成される。
【0007】
さらに、前記モータハウジングの内壁には、リング状の分液凹溝が設けられており、冷却液が前記分液凹溝を介して各前記冷却液通路に分配される。
【0008】
さらに、前記ステータコアは、いくつかのステータ抜板で構成されており、前記ステータ抜板は、打ち抜かれて成形されたものである。
【0009】
本願の1つの局面によれば、モータ冷却システムが提供されており、前記モータ冷却システムは、液入口、液流入通路、分液通路、上記のいずれか1項に記載のステータコア冷却構造、及び液出口を含み、
前記液入口は、モータハウジングの上部に設けられており、モータハウジング内に設けられた前記液流入通路及び前記分液通路を介して、ステータコア冷却構造に連通され、前記液出口は、モータの前端カバー及び/又はモータの後端カバーの下部、及び/又は、前記モータハウジングの下端に設けられている。
【0010】
さらに、前記液流入通路及び前記分液通路は、モータハウジングの上部に設けられ、前記分液通路が前記液流入通路に連通され、
前記分液通路は、モータハウジングの上部で軸方向に延びるメイン通路と、前記メイン通路から下向きに延びるステータコア冷却通路とを含む。
【0011】
さらに、前記メイン通路は、2本であり、モータハウジングの鉛直中心線の両側に対称的に配置可能である。
【0012】
さらに、前記モータ冷却システムは、前記メイン通路に連通される巻線冷却構造をさらに含み、
前記分液通路は、前記メイン通路からそれぞれ下向きに延びる第1の巻線冷却通路及び第2の巻線冷却通路をさらに含み、
前記巻線冷却構造は、第1の冷却凹溝及び第2の冷却凹溝を含み、前記第1の冷却凹溝が前記第1の巻線冷却通路に連通され、前記第2の冷却凹溝が前記第2の冷却通路に連通され、
前記第1の冷却凹溝及び前記第2の冷却凹溝は、リング状であり、それぞれ前記モータハウジングの内壁に設けられており、前記第1の冷却凹溝がモータの前端巻線に対応し、前記第2の冷却凹溝がモータの後端巻線に対応する。
【0013】
さらに、前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバーの内側には、それぞれ弧状のバッフル板が設けられており、前記第1の冷却凹溝及び前記第2の冷却凹溝は、それぞれ前記弧状のバッフル板と組み立てられてリング状の通路を構成し、各前記リング状の通路の底部には、噴液ノズルが設けられている。
【0014】
さらに、前記モータ冷却システムは、前記メイン通路に連通されるベアリング潤滑構造をさらに含み、
前記分液通路は、前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバーの内部に設けられたベアリング潤滑通路をさらに含み、
前記ベアリング潤滑構造は、前記モータの前端カバー及び前記モータの後端カバー内のベアリング室の上部に位置する集液溝を含み、前記集液溝が前記ベアリング潤滑通路に連通され、前記集液溝の下端は、モータのベアリングに対応する。
【0015】
さらに、前記ベアリング室の下部又はレゾルバステータの取付位置の下部には、前記液出口に接続される排液溝が設けられている。
【発明の効果】
【0016】
以上より、本願の有益な効果は、下記の通りになる。
【0017】
本願のステータコア冷却構造において、ステータコアの外周及び/又はモータハウジングの内周に軸方向凹溝が設けられていることにより、ステータコアがモータハウジング内に組み立てられた場合、ステータコアとモータハウジングとの間に冷却通路が形成され、油液が大きな接触面積と高い冷却効率でステータコアに直接接触してそれを冷却することを実現できる。本願において、ステータコアの軸方向凹溝は、打ち抜かれて成形されたもので、ステータコア冷却構造が簡単であり、先行技術に存在するハウジングの内壁に溝を開くに加工サイクルが長く、製造コストがかかり、組立プロセスが面倒であるなどの問題が解決され、本願におけるモータ冷却システムによって、ステータコア、モータの巻線、モータのベアリングの冷却、及び、モータのベアリングの潤滑を同時に実現することができ、そして、当該モータ冷却システムは、構造がコンパクトに配置され、冷却及び潤滑効果がよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本願の一実施例におけるステータコアの構造模式図である。
図2図2は、本願の一実施例におけるモータハウジングの構造模式図である。
図3図3は、本願の一実施例におけるステータコアとモータハウジングとの組立模式図である。
図4図4は、本願の一実施例におけるモータ構造の右側面図である。
図5図5は、本願の一実施例におけるモータ構造の正面図である。
図6図6は、本願の一実施例におけるモータの前端カバー又はモータの後端カバーの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本願の目的、技術案及び利点がさらに明確になるように、以下、図面を参照して、本願の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0020】
本願の説明において、説明すべきのは、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等によって指示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、本願の説明を容易にし、説明を簡素化するためだけであり、言及されている装置、又は要素が、特定の方向を持ち、特定の方向で構築又は操作されなければならないことを指示したり暗示したりするものではないため、本願への制限として理解してはならない。なお、「第1の」、「第2の」、「第3の」といった用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示したり暗示したりするものとして理解してはならない。
【0021】
本願の説明において、説明すべきのは、他に明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「繋がる」、「接続」といった用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接に繋がっても、中間媒体を介して間接に繋がっても、2つの要素の内部の連通であってもよい。当業者にとって、本願における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解可能である。
【0022】
本願の技術案をより明確に説明するために、特に、図4及び図6における左側を前端又は前側として、右側を後端又は後側として規定する。
実施例1
【0023】
本願の実施例には、ステータコア冷却構造が開示されており、当該冷却構造は、ステータコア1及びモータハウジング2を含む。
【0024】
図1~2に示すように、ステータコア1の外周及び/又はモータハウジング2の内周に、いくつかの、例えば、弧状溝、V字形溝、多角形溝などの様々な形状の溝構造であり得る軸方向凹溝3が分布しており、軸方向凹溝3は、ステータコア1及び/又はモータハウジング2の軸方向に延びており、ステータコア1に設けられた軸方向凹溝3は、ステータコア1全体を貫通し、モータハウジング2に設けられた軸方向凹溝3の延びる長さは、ステータコア1の厚さよりも大きく、モータハウジング2における軸方向凹溝3は、ステータコア1に正対しており、軸方向凹溝3の配置個数及び位置分布は、実際の必要に応じて調整可能である。
【0025】
ステータコア1は、モータハウジング2内に組み立てられ、図3から分かるように、ステータコア1とモータハウジング2との間に冷却液通路が形成され、冷却液は、冷却液通路を通ってステータコア1を冷却する。
【0026】
本願のステータコア冷却構造において、軸方向凹溝3は、ステータコア1に設けられるか、又はモータハウジング2に設けられるか、又はステータコア1及びモータハウジング2の両方に設けられることが可能である。軸方向凹溝3の設計により、ステータコア1がモータハウジング2内に組み立てられた場合、ステータコア1とモータハウジング2との間に冷却通路が形成され、冷却通路によって、油液が大きな接触面積と高い冷却効率でステータコア1に直接接触してそれを冷却することを実現でき、そして、当該ステータコアは、冷却構造が簡単であり、先行技術におけるハウジングの内壁に溝を開くに加工サイクルが長く、製造コストがかかり、組立プロセスが面倒であるなどの問題が解決された。
【0027】
一実施例(形態)において、軸方向凹溝は、複数の抜板を打ちぬいた後に積み重ねることで成形されることが可能であり、モータハウジングの内壁に溝を開くに加工サイクルが長く、コストがかかり、組立プロセスが面倒であるなどの問題が避けられた。
【0028】
モータハウジング2の内壁には、軸方向凹溝3に連通されるリング状の分液凹溝4が設けられており、冷却液は、分液凹溝4を介して各冷却液通路に分配される。図4から分かるように、分液凹溝4の位置がステータコア1に臨んでおり、分液凹溝4の位置が、ステータコア1の一端、又はステータコア1の中間領域に対応可能であり、これにより、冷却液が冷却通路の一端から他端へ流れ、若しくは、冷却通路の中間から両端へ流れることを実現でき、冷却液は、分液凹溝4に入った後、モータハウジング1を一周してから、各冷却液通路に分配されてその中に入り、ステータコア1の表面の熱が取り除かれ、ステータコア1の冷却が実現される。
【0029】
一実施例において、ステータコア1は、いくつかのステータ抜板で構成されており、ステータ抜板の数は、実際の必要に応じて調整可能であり、ステータ抜板は、打ち抜かれて成形されたもので、製造が簡単である。
実施例2
【0030】
本願の実施例には、モータ冷却システムがさらに開示されており、図4~6に示すように、当該モータ冷却システムは、液入口5、液流入通路6、分液通路、上記のいずれか1項のステータコア冷却構造、及び液出口8を含む。
【0031】
モータハウジング2の上に設けられた液入口5は、モータハウジング2内に設けられた液流入通路6及び分液通路を介して、ステータコア冷却構造に連通され、液出口8は、1つ又は複数個配置可能であり、油液が冷却及び潤滑を遂行した後にモータの内部から排出され易くするために、モータの前端カバー9及び/又はモータの後端カバー10の下部、及び/又は、モータハウジング2の下端に設けられる。
【0032】
本実施例において、油液は、液入口5を介してモータ冷却システムに入り、液流入通路6を経由して分液通路のメイン通路7に入り、そして、分液通路のメイン通路7からステータコア冷却構造に入り、さらにステータコア1の冷却を実現し、冷却後の油液は、液出口8を介してモータ冷却システムから排出される。本実施例におけるモータ冷却システムは、ステータコアの冷却を実現可能であるとともに、当該モータ冷却システムは、構造がコンパクトに配置され、冷却及び潤滑効果がよい。
【0033】
一実施例(形態)において、図4及び図5に示すように、液流入通路6及び分液通路は、モータハウジング2の上部に設けられており、液流入通路6と分液通路のメイン通路7は、垂直に貫通するように配置可能であり、そのうち、分液通路のメイン通路7がモータハウジング2の上部内で軸方向に延び、分液通路のメイン通路7がモータハウジング2を貫通し、その結果、油液がモータの両端に流れることができ、モータの両端の巻線の冷却及び両端のベアリングの潤滑が実現される。
【0034】
図4及び図5を参照して、ステータコア冷却通路13をメイン通路7に垂直して下向きに配置可能である。ステータコア冷却通路13は、分液通路のメイン通路7と分液凹溝4との間に設けられ、連通の役割を果たし、分液通路7における油液を分液凹溝4に導くために用いられ、油液は、分液凹溝4から、ステータコア冷却構造における各冷却液通路に分配され、さらにステータコア1を冷却する。
【0035】
一実施例において、好ましくは、分液通路のメイン通路7は、2本であり、モータハウジング2の鉛直中心線の両側に対称的に配置可能であり、それに応じて、ステータコア冷却通路13も2本となる。実際加工の際に、メイン通路7の数は、実際の必要に応じて調整可能である。
【0036】
一実施例において、図4~5に示すように、モータ冷却システムは、メイン通路7に連通される巻線冷却構造をさらに含み、巻線冷却構造によって、前後のモータの巻線の冷却を実現できる。
【0037】
メイン通路7は、それぞれ下向きに設けられた第1の巻線冷却通路11及び第2の巻線冷却通路12をさらに含む。
【0038】
メイン通路7における油液は、第1の巻線冷却通路11及び第2の巻線冷却通路12を介して、モータの前端巻線及び後端巻線を冷却することができ、巻線冷却構造は、第1の冷却凹溝15と第2の冷却凹溝16を含み、第1の冷却凹溝15が第1の巻線冷却通路11に連通され、第2の冷却凹溝16が第2の冷却通路12に連通され、油液は、分液通路のメイン通路7から、第1の巻線冷却通路11を通って第1の冷却凹溝15に、第2の冷却通路12を通って第2の冷却凹溝16にそれぞれ入る。
【0039】
第1の冷却凹溝15及び第2の冷却凹溝16は、リング状であり、それぞれモータハウジング2の内壁に設けられており、第1の冷却凹溝15がモータの前端巻線に対応し、第2の冷却凹溝16がモータの後端巻線に対応する。
【0040】
一実施例において、モータの前端カバー9及びモータの後端カバー10の内側には、それぞれ弧状のバッフル板17が設けられており、第1の冷却凹溝15及び第2の冷却凹溝16は、それぞれ弧状のバッフル板17と組み立てられてリング状の通路を構成し、各リング状の通路の底部には、噴液ノズル18が設けられており、噴液ノズル18は、複数個であり、均等に配列して設けられており、リング状の通路における油液は、噴液ノズル 18を介してモータの巻線に噴き付けられ、モータの巻線の冷却を実現することができ、噴液ノズル18と弧状のバッフル板17とは、一体的に設けられるか、組み立てられて設けられてもよい。
【0041】
一実施例において、図5及び図6に示すように、モータ冷却システムは、メイン通路7に連通されるベアリング潤滑構造をさらに含み、ベアリング潤滑構造によって、ベアリングの潤滑及び冷却を実現できる。
【0042】
分液通路は、モータの前端カバー及びモータの後端カバーの内部に設けられたベアリング潤滑通路14をさらに含む。
【0043】
メイン通路7における油液は、ベアリング潤滑通路14を介して前後ベアリングを冷却及び潤滑し、ベアリング潤滑構造は、モータの前端カバー9及びモータの後端カバー10内のベアリング室の上部にそれぞれ設けられた集液溝19を含み、集液溝19の上端は、モータの前端カバー9及びモータの後端カバー10の内部に設けられたベアリング潤滑通路14に連通され、集液溝19の下端は、モータのベアリングに対応する。
【0044】
メイン通路7における油液は、ベアリング潤滑通路14を介して集液溝19に流れ込んでから、集液溝19からモータのベアリングへ流れ、モータのベアリングを潤滑及び冷却し、また、集液溝19の上端は、ベアリング潤滑通路14における油液が集液溝19に流れ込み易くするために、漏斗形状であることが好ましい。
【0045】
一実施例において、図6に示すように、モータの前端カバー9及び/又はモータの後端カバー10のベアリング室の下部には、排液溝20が設けられており、排液溝20は、レゾルバステータの取付位置の下端に設けられてもよく、排液溝は、上記の各冷却構造から流れ出された冷却液を受け入れることができるため、過剰な油液による油の攪拌及び油温の上昇を防ぎ、ひいてはモータの性能及び効率の低下を防ぐことができる。排液溝20は、液出口8に接続され、排油溝20における油液は、液出口8から排出可能である。
【0046】
本願において、油液は、液入口5からモータ冷却システムに入ってから、順次に液流入通路6、メイン通路7を流れ、その後、メイン通路7から第1の巻線冷却通路11、第2の巻線冷却通路12、ステータコア冷却通路13、及びベアリング潤滑通路14に流れ込み、第1の巻線冷却通路11における油液は、第1の冷却凹溝15及び噴液ノズル18を介してモータの前端巻線に噴き付けられ、第2の巻線冷却通路12における油液は、第2の冷却凹溝16及び噴液ノズル18を介してモータの後端巻線に噴き付けられ、ステータコア冷却通路13における油液は、分液凹溝4を介して、軸方向凹溝3及びモータハウジング2の内壁に形成された冷却液通路に流れ込み、ベアリング潤滑通路14における油液は、集液溝19を介してモータのベアリングに流れ、油液は、最後に液出口8を介してモータ冷却システムから流れ出される。当該モータ冷却システムによれば、ステータコア1、モータの巻線、モータのベアリングの冷却、及び、モータのベアリングの潤滑を実現することができる。
【0047】
以上は、あくまでも本願の具体的な実施形態であり、本願の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記具体的な記載は、本願の目的をよりよく解釈するためだけであり、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0048】
1、ステータコア、2、モータハウジング、3、軸方向凹溝、4、分液凹溝、5、液入口、6、液流入通路、7、メイン通路、8、液出口、9、モータの前端カバー、10、モータの後端カバー、11、第1の巻線冷却通路、12、第2の巻線冷却通路、13、ステータコア冷却通路、14、ベアリング潤滑通路、15、第1の冷却凹溝、16、第2の冷却凹溝、17、弧状のバッフル板、18、噴液ノズル、19、集液溝、20、排液溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】