IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ムービング マグネット テクノロジーズの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】受動的触覚インターフェイス
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20221004BHJP
【FI】
G05G5/03 B
G05G5/03 A
G05G5/03 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507436
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(85)【翻訳文提出日】2022-04-01
(86)【国際出願番号】 FR2020051444
(87)【国際公開番号】W WO2021023951
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】1909057
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501377391
【氏名又は名称】ムービング マグネット テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アルザングル,ジャン-ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フコ,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】パジョ,オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA03
3J070AA05
3J070AA14
3J070BA17
3J070BA71
3J070CA02
3J070DA01
3J070DA41
3J070DA51
(57)【要約】
本発明は受動触覚インターフェイスに関し、当該受動触覚インターフェイスは、軸(3)の周りに回転可能、または軸(3)に沿って平行移動可能である第1要素(1)を備え、前記第1可動要素(1)は、第2固定要素(2)と反対に回転、または移動し、磁極ピッチPsで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第1磁極を有する。前記第2固定要素(2)は、磁極ピッチPrで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第2磁極を有する。PsおよびPrは異なる数であり、第1可動要素(1)と第2固定要素(2)との間の磁気相互作用によって、周期Ptで周期的な応力が生成される。磁極ピッチPsおよびPrは、PtがピッチPsおよびPrの最小値より厳密に小さくなるように選択される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2要素(2)に対して回転可能または平行移動可能である第1要素(1)を備える受動的触覚インターフェイスであって、前記第1可動要素(1)は前記第2要素(2)とは反対側に回転または移動し、
前記第1可動要素(1)は、磁極ピッチPsで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第1磁極を有し、前記第2固定要素(2)は、磁極ピッチPrで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第2磁極を有し、PsおよびPrは異なる数であり、前記第1可動要素(1)と前記第2固定要素(2)との間の磁気相互作用によって、周期Ptでの周期的応力が生成されることを特徴とする、受動的触覚インターフェイス。
【請求項2】
前記第1要素(1)は、軸(3)の周りに回転可能、または軸(3)に沿って平行移動可能であり、前記第1可動要素(1)は第2固定要素(2)とは反対側に回転または移動し、前記第1可動要素(1)は、磁極ピッチPsで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第1磁極を有し、前記第2固定要素(2)は、磁極ピッチPrで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第2磁極を有し、PsおよびPrは異なる数であり、前記第1可動要素(1)と前記第2固定要素(2)との間の磁気相互作用によって、周期Ptでの周期的応力が生成され、PsおよびPrは、PtがピッチPsおよびPrの最小値より厳密に小さくなるように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の受動的触覚インターフェイス。
【請求項3】
前記周期的応力の周期の数は、前記第1可動要素(1)および前記第2固定要素(2)における磁極の周期の数の最小公倍数に等しいことを特徴とする、請求項1または2に記載の受動的回転触覚インターフェイス。
【請求項4】
前記第1可動要素(1)または前記第2固定要素(2)の一方は、前記複数の第1磁極を形成するN極とS極とが交互に並んだ円筒形永久磁石(6)を備え、前記第1可動要素(1)または前記第2固定要素(2)の他方は、リング(12)によって接続され、かつ前記複数の第2磁極を形成する複数の歯(41、42)を有し、前記歯(41、42)および前記リング(12)は軟磁性材料から製作され、磁気相互作用の前記周期Ptは、ピッチPsおよびPrの最小値の少なくとも2倍未満であることを特徴とする、請求項3に記載の受動的回転触覚インターフェイス。
【請求項5】
前記第1可動要素(1)および前記第2固定要素(2)は、前記磁極ピッチPsおよびPrを形成するN極とS極とが交互に並んだ永久磁石(6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の受動的回転触覚インターフェイス。
【請求項6】
前記第2固定要素(2)は、前記軸(3)に沿って配向された一方向性の磁化を有する磁石(6)を備え、さらに、それぞれがラジアンで表された前記磁極ピッチPsによって間隔を置いて配置された、2π/Ps個の複数の周期歯(42)によって半径方向に延伸した軟鉄から製作された2つの強磁性ディスク(7a、7b)を、軸方向の両側に備えることを特徴とする、請求項1に記載の受動的回転触覚インターフェイス。
【請求項7】
前記第2固定要素(2)は、前記軸(3)に沿って配向された一方向性の磁化を有する磁石(6)を備え、さらに、それぞれがラジアンで表された前記ピッチPsの各ディスク間において間隔を置いて配置され、2を乗じた前記磁極ピッチPsによって間隔を置いて配置された2π/(2Ps)個の複数の周期歯によって半径方向に延伸した軟鉄から製作された2つの強磁性ディスクを、軸方向の両側に備えることを特徴とする、請求項1に記載の回転受動的触覚インターフェイス。
【請求項8】
前記第1可動要素(1)は単極永久磁石(6)の軸方向の両側に2つのディスク(11a、11b)を備え、前記第2固定要素(2)は軟磁性材料から製作されたディスク(7)を備え、前記各ディスク(11a、11bおよび7)はそれぞれ、前記ピッチPsによって間隔を置いて配置され、互いに半径方向に対向した歯(41、42)によって延伸することを特徴とする、請求項1に記載の回転受動的触覚インターフェイス。
【請求項9】
前記第1可動要素(1)は前記第1可動要素(1)の前記軸(3)に沿った移動に対して横方向に磁化され、歯(41)を有する軟磁性材料から製作された2つの歯付き要素(11c)の間において横方向に配置された永久磁石を備え、前記第2固定要素(2)は、バーを形成し、直線的に延伸する歯(42)を備える強磁性材料から製作され、前記第1固定要素(1)は、前記第2固定要素(2)の上方において直線的に移動することを特徴とする、請求項1に記載の線形受動的触覚インターフェイス。
【請求項10】
前記第1可動要素(1)は3本の直交した軸(3、3´、3´´)の周囲を回転移動可能なボールジョイント(22)を備え、前記ボールジョイント(22)は、半径方向に延伸する一連の歯(41)を備え、前記第2固定要素(2)は複数の固定要素(2)によって形成され、当該複数の固定要素(2)は、軟磁性材料のシート(22a~22f)に垂直に配向された別個の永久磁石(6)の両側に前記シート(22a~22f)がスタックされた形態であり、前記シート(22a~22f)は、前記ボールジョイント(22)に対向した歯(42)によって半径方向に延伸することを特徴とする、請求項1に記載の球状受動的触覚インターフェイス。
【請求項11】
前記第1可動要素(1)はディスク部(13)に固定されて軸方向に延伸する永久磁石(6)のリングを備え、前記ディスク部(13)は、前記第1可動要素(1)の位置検出に使用される磁気プレート(14)によって、前記磁石(6)と反対の軸方向に延伸し、前記第2固定要素(2)は、軟磁性材料(41)から製作されるリング(12)を備え、当該軟磁性材料(41)は、前記永久磁石(6)のリングに対向する歯によって延伸することを特徴とする、請求項1に記載の回転触覚インターフェイス。
【請求項12】
前記磁石(6)のリング、前記ディスク部(13)、および前記磁気プレート(14)は、それ自体を永久に磁化することができる注入プラスチックバインダを有する単一材料から製作されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の受動的回転触覚インターフェイス。
【請求項13】
前記ディスク部(13)は、前記磁気プレート(14)がしっかりと固定された注入プラスチックバインダ材料から製作されることを特徴とする、請求項11に記載の回転受動的触覚インターフェイス。
【請求項14】
前記プレート(14)は、前記ディスク部(13)に注入されたプラスチックバインダ材料から製作されることを特徴とする、請求項13に記載の回転受動的触覚インターフェイス。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は受動的触覚インターフェイス、すなわち、指または手によって、場合によってはユーザの足によってさえも操作することが可能である、受動的触覚インターフェイスに関する。当該受動的触覚インターフェイスは、電力消費なしに感知される可変応力(variable stress)を提供する。
【0002】
本発明は、例えばオフィスオートメーションコンピュータ制御インターフェイス、自動車内の制御インターフェイス、または家庭用電化製品の制御インターフェイスに適用される。
【0003】
〔従来技術〕
手動触覚デバイスは、固定部と可動部との間の磁気相互作用を用いることが知られている。これらの2つの部位は互いに対向しており、それぞれの部位が磁石を備えているか、または、1つの部位が磁石を備え、別の1つの部位が異なる切断された軟磁性(soft ferromagnetic)要素を備え、異なる磁極を形成する。
【0004】
フランス特許第2908903号には、ノッチング手段によって少なくとも1つの割り出し位置に保持された可動制御部材を備える、割出デバイス(indexing device)が記載されている。当該特許文献には様々な解決策が記載されており、常に以下を提供する:
a)複数の突起を有する金属要素
b)前記金属要素に向けられた磁極と、前記金属要素の反対側に向けられた第2磁極と、を有する、1つ、または2つの磁石。
【0005】
この解決策には複数の欠点がある。割り出しを確実にする磁気相互作用が、1つ(1つの磁石の場合)または2つ(完全に対向する2つの磁石の場合)の歯に集中する。これは、局所化されたかなり強力な誘引力が働くことを意味する。その結果、トルク/磁石体積比が悪くなる。
【0006】
さらに、この特許によって提案された解決策は、小型化の可能性を制限し、サイズの問題に直面する。金属要素上に形成される突起の数が多くなると、磁石または一対の磁石の断面を縮小し、発生した磁界が複数の隣接する突起と相互作用することを防ぐ必要がある。しかしながら、磁石の断面を縮小させることによって、トルクが失われ、割り出し抵抗は、もはや顕著でなくなるまで減衰される。歯の間のピッチのサイズが磁石のサイズよりも大きくなければならないので、割り出し精度が制限される。したがって、これらの実施形態においては、割り出し精度を高くすることができない。
【0007】
中国特許CN108400046も公知であり、当該文献には、輪状の表面、および当該輪状の表面上に交互に配置された静磁石によって形成され、回転部品上に2片の対向する可動磁石が少なくとも備え付けられたデバイスが記載されている。可動磁石と静磁石とは、規則的に連続して配置され、同極による反発力と、異極による誘引力とをもたらす。
【0008】
この解決策は、満足のいくものではない。なぜなら当該解決策は、必然的に磁石のピッチに限定され、多大な剛性および不十分な精度を有するからである。さらに、当該解決策においては、多数のノッチを生成するために、多数の磁石が必要になる。また、当該解決策は、小さな部品の複雑な組み立てを必要とするので、産業化の困難性を呈する。
【0009】
欧州特許出願第1167109号には、選択位置を生成するためのデバイスが記載されている。当該デバイスは、ハウジングによって少なくとも部分的に取り囲まれた少なくとも1つの基体を備え、当該ハウジングは、基体に関連して移動される基本位置磁石配列によって保持される円盤体を支持する。また、当該デバイスは、ある位置配列を含み、それによって少なくともハウジングに対する円盤体の位置が決定される。当該デバイスは、少なくとも1つの磁気要素およびシャフトガイド凹部を備えるステータを少なくとも1つ備え、基体は、前記磁気要素に関連して移動される中空回転体と、少なくとも1つの位置指示歯を備える少なくとも1つの位置指示歯付きリングと、シャフトガイド凹部内に配置されるシャフト要素とから構成され、ハウジング内にはディスク体凹部が設けられている。この実施形態が可能にする精度は中程度でしかない。なぜなら、この実施形態では、ステータに作製、位相調整および位置合わせすることができる歯の数にノッチの数は制限されるためである。
【0010】
特許WO2013023922には触覚フィードバックを用いる作動要素を備える制御デバイスが記載されており、この要素はタッチセンシティブ制御面を有し、グリップ部材を使用して操作者が当該作動要素を作動させることが可能である。このデバイスは強磁性材料によって構成された第1および第2平坦構成要素を備え、当該第1および第2平坦構成要素は、それらの大表面が互いに平行になるように配向されている。第1平坦構成要素は、固定されたままである第2平坦構成要素に対して水平方向に誘導されるように平行駆動されることが可能であり、さらに当該第1平坦構成要素は、制御要素を形成するか、またはその移動を完全にまたは部分的に制御要素に伝達する。また、このデバイスはコイルまたは電気導体を備え、当該コイルまたは電気導体は、平坦構成要素間に配置され、第1磁極片に割り当てられるが、当該第1磁極片は第2平坦構成要素に接続され、かつ第1平坦構成要素から突出する。コイルまたは導体に電流を流すことによって、磁界を生成でき、当該磁界によって第1平坦構成要素が休止位置から、第2平坦構成要素に対して水平方向に移動位置まで駆動されることが可能である。
【0011】
この解決法は受動的ではなく、コイルに電力を供給するためにコイルの電気供給を必要とする。
【0012】
特開2016170886号には、周方向に沿って所定の角度間隔を有する複数の磁化部により形成される第1要素と、複数の第1磁石を用いる第2要素と、を含むセンサを備えるデバイスが記載されている。周方向に沿った所定の角度間隔を有する第2磁化部分が、周方向の外側の磁化部分と対向できるように、回転動作に基づいて位置決めされる。
【0013】
WO2020074605には、固定部および当該固定部に関連して回転可能な回転部材を有する、電動車両制御ユニット用の磁気ロータリアクチュエータが開示されている。前記磁気ロータリアクチュエータは、複数の磁気ロック位置を含む磁気ロッキング感覚(magnetic locking sensation)がありを有し、前記固定部と回転部材とは、複数の磁気戻り止め位置を生成するように協働する、少なくとも2つの別々に形成された磁気部材をそれぞれ備える。各ノッチに対して1つの回転子磁石のみがトルクに関与し、応力は非対称であり、磁石の体積と生成されるトルクとの間の比率は不十分である。
【0014】
これらの装置においては、可動要素の操作時に一連のノッチによって通過した感覚をユーザに与えることが可能であり、連続するノッチの数は、各々の片上の磁気極性の最高数によって決定される。これらのノッチは、固定部と可動部との間の種々の安定な磁気位置に対応する。例えば、特許FR2908903において、強磁部が16の周期的パターンを含み、磁化部が2つの磁石を備える場合、感知されるノッチの数は可動部が完全に回転し終えるまでに16個である。
【0015】
可動部が完全に回転し終えるまでに(または所与の角度もしくは直線運動にわたって)、例えば72など多数のノッチを生成する必要がある場合、従来技術のこれらのデバイスは、多数の磁石または強磁性極を必要とするという欠点を有する。この比較的多数のノッチが小型化の必要性と結びつくと、厳格な公差を維持しつつ、小さな要素を実現することが困難であることにより、産業規模において当該解決法を提供することが著しく困難になる。
【0016】
さらに、多くの触覚デバイスにおいては、以下の例に限定するものではないが、例えば触覚インターフェイスがマウスであるときのコンピュータポインタの動き、またはダッシュボードスクリーン上のカーソルの動きなど、デバイスの動作を制御できるようにするために位置センサを実装することが、しばしば必要である。従来技術のデバイスは、触覚デバイスの近くに単に配置される光学センサまたは磁気センサをしばしば使用する。したがって、この解決策はかさばるものになるか、または経済的ではない。
【0017】
[発明の開示]
本発明の目的は、受動的磁化触覚インターフェイスの可動要素および固定要素のより経済的な産業的製造を可能にすることによって、現行の技術の欠点を克服することである。ここでいう「受動的」とは、触覚効果が電力供給なしで得られることを意味する。
【0018】
これを実現するために、本発明は固定部と可動部とを関連付けることによって、ユーザが感知するノッチの数を決定することを提案する。当該固定部および可動部のそれぞれは、感知されるノッチの数よりも少ない磁極を有し、受動的、すなわち電気コイルを使用せず、かつ電気エネルギを消費しない状態であり続ける。
【0019】
また、本発明の目的は、触覚デバイスに位置センサを取り付けるための簡単かつ経済的な解決策を提供することである。
【0020】
より正確には、本発明は軸の周りに回転可能、または軸に沿って平行移動可能である第1要素を備える受動的触覚インターフェイスに関する。前記第1可動要素は第2固定要素とは反対側に回転または移動し、前記第1可動要素は、磁極ピッチPsで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第1磁極を有し、前記第2固定要素は、磁極ピッチPrで移動方向に周期的に間隔を置いて配置された複数の第2磁極を有し、PsおよびPrは異なる数であり、前記第1可動要素と前記第2固定要素との間の磁気相互作用によって、周期Ptでの周期的応力が生成され、磁極ピッチPsおよびPrは、PtがピッチPsおよびPrの最小値より厳密に小さくなるように選択される特徴を有する。
【0021】
好ましくは、磁気要素は周期的に変化する磁化(磁気モーメント)を有する単一の磁石から構成される。
【0022】
「複数の磁極」は、規則的かつ一定の分布を有し、4を超える相当数を意味する。
【0023】
好ましくは、前記周期的応力の周期の数(number of periods)は、前記第1可動要素および前記第2固定要素における磁極の周期の数の最小公倍数に等しい。
【0024】
一変形例においては、前記第1可動要素または前記第2固定要素の一方は、前記複数の第1磁極を形成するN極とS極とが交互に並んだ円筒形永久磁石を備え、前記第1可動要素または前記第2固定要素の他方は、リングによって接続され、かつ前記複数の第2磁極を形成する複数の歯を有し、前記歯および前記リングは軟磁性材料から製作され、磁気相互作用の前記周期Ptは、ピッチPsおよびPrの最小値の少なくとも2倍未満である。実際、PsとPrとの間の最小公倍数は、閉じた回転式の実施形態の場合には、磁極の総数よりも少なくとも2倍大きい値に対応する。
【0025】
別の変形例においては、前記第1可動要素および前記第2固定要素は、前記磁極ピッチPsおよびPrを形成するN極とS極とが交互に並んだ永久磁石を備える。
【0026】
あるいは、前記第2固定要素は、前記軸に沿って配向された一方向性の磁化を有する磁石を備え、さらに、それぞれがラジアンで表された前記磁極ピッチPsによって間隔を置いて配置された、2π/Ps個の複数の周期歯(42)によって半径方向に延伸した軟鉄から製作された2つの強磁性ディスク(7a、7b)を、軸方向の両側に備える。
【0027】
一変形例によれば、第2固定要素は前記軸に沿って配向された一方向性の磁化を有する磁石を備え、さらに、それぞれがラジアンで表された前記ピッチPsの各ディスク間において間隔を置いて配置され、2を乗じた前記磁極ピッチPsによって間隔を置いて配置された複数の2π/(2Ps)個の複数の周期歯によって半径方向に延伸した軟鉄から製作された2つの強磁性ディスクを、軸方向の両側に備える。
【0028】
別の変形例によれば、第1可動要素は単極永久磁石の軸方向の両側に2つのディスクを備え、第2固定要素は軟磁性材料から製作されたディスクを備え、前記各ディスクはそれぞれ、前記ピッチPsによって間隔を置いて配置され、互いに半径方向に対向した歯によって延伸する。
【0029】
また、本発明は線形受動的触覚インターフェイスに関し、当該線形受動的触覚インターフェイスは、前記第1可動要素が前記第1可動要素の前記軸に沿った移動に対して横方向に磁化され、歯を有する軟磁性材料から製作された2つの歯付き要素の間において横方向に配置された永久磁石を備え、前記第2固定要素は、バーを形成し、直線的に延伸する歯を備える強磁性材料から製作され、前記第1固定要素は、前記第2固定要素の上方において直線的に移動することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は球形受動的触覚インターフェイスに関し、当該球形受動的触覚インターフェイスは、前記第1可動要素が3本の直交した軸の周囲を回転移動可能なボールジョイントを備え、前記ボールジョイントは、半径方向に延伸する一連の歯を備え、前記第2固定要素は複数の固定要素によって形成され、当該複数の固定要素は、軟磁性材料のシートに垂直に配向された別個の永久磁石の両側に前記シートがスタックされた形態であり、前記シートは、前記ボールジョイントに対向した歯によって半径方向に延伸することを特徴とする。
【0031】
また本発明は、目触覚インターフェイスの経済的な製造を可能にすることも、目的とする。本発明は特に、回転触覚インターフェイスに関し、前記第1可動要素はディスク部に固定されて軸方向に延伸する永久磁石のリングを備え、前記ディスク部は、前記第1可動要素の位置検出に使用される磁気プレートによって、前記磁石と反対の軸方向に延伸し、前記第2固定要素は、軟磁性材料から製作されるリングを備え、当該軟磁性材料は、前記永久磁石のリングに対向する歯によって延伸する。
【0032】
一変形例によれば、前記磁石のリング、前記ディスク部、および前記磁気プレートは、それ自体を永久に磁化することができる注入プラスチックバインダを有する単一材料から製作される。
【0033】
別の変形例においては、前記ディスク部は前記磁気プレートがしっかりと固定された注入プラスチックバインダ材料から製作される。
【0034】
最後に、前記プレートは、前記ディスク部に注入されたプラスチックバインダ材料から製作されてよい。
【0035】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な実施形態を読むことによって明らかになるだろう。当該図面は、以下を示している:
図1は、本発明の第1の実施形態に係る装置の部分断面図である。
【0036】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る装置の部分断面図である。
【0037】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0038】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る装置の部分断面図である。
【0039】
図5は、本発明の第5の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0040】
図6は、本発明の第6の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0041】
図7は、本発明の第7の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0042】
図8は、本発明の第8の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0043】
図9は、本発明の第9の実施形態に係る装置の斜視図である。
【0044】
図10は、本発明に係る、図9の代替実施形態である装置の斜視図である。
【0045】
図11は、本発明に係る線形式の変形例であるよる装置の斜視図である。
【0046】
図12は、本発明に係る球形式の変形実施形態の斜視図である。
【0047】
図13aおよび13bは、本発明に係る装置の、同一の代替実施形態を示す2つの図である。
【0048】
図14aおよび図14bは、本発明に係る装置の、他の同一の代替実施形態を示す2つの図である。
【0049】
図15は、図4とは別の回転式の変形例である。
【0050】
図16は、2つの永久磁石を使用する回転式の変形例である。
【0051】
〔実施形態の詳細な説明〕
図1は、本発明に係る回転触覚インターフェイスの第1の実施形態を示す。それは、本実施形態においてはリングの形態の第1可動要素(1)を備える。その外面は、円筒形であり、ユーザによるグリップまたはデジタル操作を改善するように、任意にテクスチャ加工(図1においては不可視)されてもよい。この可動要素(1)の内面は、回転軸(3)に対して半径方向に配向された一連の歯(41)と、磁極ピッチPrを規定しているノッチ(51)とを有する。この第1可動要素(1)は、例えば鉄鋼または鉄合金などの軟磁性材料から製作される。第2固定要素(2)は、この第1可動要素(1)の内側に位置し、第1可動要素(1)と半径方向に対向している。この第2固定要素は、ディスク形状の永久磁石(6)を備え、その磁化は軸方向に向けられる。この磁石(6)の軸方向のいずれの側にも配置された軟鉄から作製される2つの強磁性ディスク(7a、7b)は、それぞれが、ラジアン(radians)で表された、同じ数のノッチ(52)を有する磁極ピッチPsによって間隔を置いて配置された、2π/Ps個の複数の周期歯(42)によって半径方向に延伸する。前記歯(42)は、第1可動要素(1)の方向に、半径方向に延伸する。ディスク(7a、7b)と磁石(6)とは、本実施形態においては第1要素(1)および第2要素(2)の位置決めおよび誘導に使用されるシャフト(8)に固定され、当該シャフト(8)は回転軸(3)に沿って延伸する。
【0052】
この実施例においては、ディスク(7a、7b)はそれぞれ18個の歯(42)を有し、一方のディスク(7a)の各歯は、磁石(6)の横方向中央平面に対して対称的に他方のディスク(7b)の歯と半径方向に整列している。第1可動要素(1)は、一連の24個の歯(41)を有し、これらの歯の一部は、第1可動要素(1)に形成された部分的な切断のために不可視である。永久磁石(6)の磁束がすべての歯(41、42)を通過することにより、第1可動要素(1)と第2固定要素(2)との間、歯(41)と歯(42)との間のエアギャップを通過する全体の磁束を最大にするように、すべての歯(41、42)は互いに誘引し合う磁極を形成する。このようにして、第1可動要素(1)を作動させることによって、ユーザが感知可能な周期的応力と同様に、一連の安定な位置および不安定な位置が、連続するノッチの形態において形成される。第1可動要素(1)と第2固定要素(2)との歯(41、42)の数が異なることにより、感知されるノッチの数は、第1可動要素(1)に対する磁極数と、第2固定要素(2)に対する磁極数との2つの磁極数の最小公倍数(least common multiple(lcm))に等しくなる。この実施例においては、感知されるノッチの数は18および24のlcm(最小公倍数)である72である。ユーザによって生成および感知されるトルクの振幅は、第1可動部(1)と第2固定部(2)との間のエアギャップだけでなく、第1要素(1)および第2要素(2)の軸方向の寸法によっても、調節され得る。歯(41、42)の形状も、ある周期にわたって得られるトルクの形状と同様に、このパラメータを利用することを可能にする。
【0053】
図2は、ディスク(7a、7b)のみが異なる図1の代替実施形態を示す。これらのディスクはそれぞれ8つの歯(42)を有し、各ディスク(7a、7b)の歯(42)はディスク(7a)の歯(42)がディスク(7b)のノッチ(52)の中央と整列し、逆もまた同様であるように、半周期だけ角度的に位相がずれている。この変形例によると、ユーザが感知するノッチの数(本実施形態においては72)を同一に維持しながら、ディスクのそれぞれに形成される歯の数を、最小にすることが可能になる。しかしこの場合、より大きな磁気抵抗が発生するため、触覚感覚の振幅は、図1に示す第1の実施形態と比較して小さい。この実施形態においては、ディスク(7a、7b)は、それぞれが、前記磁極ピッチPsに2を乗じたものから間隔を置いて配置され、かつラジアンで表された前記ピッチPsの各ディスク間に間隔を置いて配置された2π(2Ps)個の複数の周期歯によって半径方向に延伸する。
【0054】
図3は、磁石(6)の位置が異なる図1の代替実施形態を示し、当該代替実施形態においては当該磁石(6)が、2つの歯付きディスク(11a、11b)の間の第1可動要素(1)に取り付けられている。磁石(6)は、軸方向に磁化されたリングの形態である。第2固定要素(2)は、単一の歯付きディスク(7)の形態である。この実施例においては、ここまで与えられた全ての実施例のように、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいては、第1可動要素(1)または第2固定要素(2)のいずれかにより多くの歯を取り付けてよい。同様に、図示された他の実施形態のようにシャフト(8)は系統的に必要というわけではなく、図示もされていない。最後に、回転式の実施形態については、第1可動要素(1)を第2固定要素(2)の外部、または内部に設置してもよい。
【0055】
図4は、第1可動要素(1)と第2固定要素(2)との間の半径方向のエアギャップを介して磁気相互作用が行われる変形例を示す。第2固定要素(2)は、第1可動要素(1)において磁石リング(16)と半径方向に対向する、軟磁性材料から製作される一連の歯(42)によって軸方向に延伸したリング(12)を有する。本変形例におけるこの第1可動要素(1)は、プラスチックバインダを有する磁石など、それ自体を永久に磁化することができる注入可能な材料から製作された、単一の同一部品の形態である。このように、磁石リング(16)は、ディスク部(13)によって半径方向に延伸し、次いで、磁化プレート(14)によって軸方向に延伸する。本変形例においては、このプレート(14)は2つの軸方向に磁化された磁極(N、S)を有するが、その態様は限定されない。これら2つの磁化された磁極(N、S)は、第2固定要素(2)の歯(42)と磁気的に協働するものではなく、これらの磁化された磁極(N、S)が、例えばホールプローブまたは磁気抵抗プローブ(図示省略)に対向する場合に、第1可動要素の位置を検出するものである。
【0056】
図4のこの解決策は、経済的な産業規模の製造のための解決策をもたらす上で特に有利であり、とりわけ、小さいサイズ(典型的には、総直径20mm未満)において製造される場合に有利である。実際に、産業規模の生産を促進し、ユーザが感知するノッチの数を増やすための反対磁極の使用と関連する本発明によって提案された主な利点に加えて、磁化され得る単一片および単一材料において第1可動要素を製造することは、とりわけ位置センサを実施する目的において、特に実用的かつ経済的である。この位置検知機能は、触覚インターフェイスがコンピュータソフトウェアまたは車両の電化機能を制御する場合に、とりわけ興味深い。
【0057】
図5は、軸方向の変形実施形態、すなわち、第1可動要素(1)が第2固定要素(2)と軸方向に対向している実施形態を示す。この実施例においては、より詳細には、第1可動要素(1)の歯(41)が軟磁性材料の形態において半径方向に延伸し、第2固定要素(2)の磁石リング(6)と軸方向に対向する。第1可動要素(1)は9つの歯(41)を有し、第2固定要素(2)は磁石(6)を有し、当該磁石(6)は36個のノッチが感知されるように、12個のN極およびS極を有する。本変形実施形態における磁化の方向は、半径方向、または好ましくは軸方向であり、これにより、感知されるトルクの振幅を修正することが可能となる。なおこの実施例において、記載されている一般的な機能を変更しない限りにおいては、第1可動要素(1)が固定されてよく、第2固定要素(2)が可動になってもよい。同様に、この実施例、およびデバイスの中心には磁気プレート(14)が示されており、当該磁気プレート(14)は、磁気感受プローブ(ここでは示されていない)と対向する場合に、2つの要素(1および2)の相対位置を検出するように作用するN極(N)およびS極(S)から構成される。
【0058】
図6は、図4に示す実施例の代替例を示し、当該代替例においては第1可動要素(1)がプレート(11)から軸方向に延伸する歯(41)を有し、そのアセンブリが軟磁性材料から製作される。第2固定要素(2)は磁気リング(6)を有し、当該磁気リング(6)は半径方向に配向され、歯(41)に半径方向に対向する交互に並んだN極とS極とを備える。支持体(17)に固定される、または当該支持体(17)において滑動するシャフト(8)の周囲において、第1可動要素(1)の回転は実行される。
【0059】
図7は、代替実施形態であり、当該代替実施形態においては第1可動要素(1)が、エアギャップを形成する複数の対の歯(421、422)によって周期的に軸方向に延伸した強磁性ループ(18)の形態であり、前記エアギャップにおいて、好ましくは半径方向に磁化される多極磁気リング(6)の形態の第2固定要素(2)が配置される。この実施例においては、第1可動要素(1)は、有利には強磁性材料のシートから切断され、その後、複数の対の歯(421、422)を生成するように局所的に折り畳まれた、材料の帯の形態において形成されてもよい。
【0060】
図8は、一変形例を示し、当該変形例においては、第1可動要素(1)は周期的に間隔を置いて配置された歯(41)を形成する凹部(32)を周期的に有するリング(31)の形態である。当該図においては、リング(31)の一部が図示されていないが、それは軟磁性材料から製作された2つのディスク(11a、11b)の間にあり、磁気配向が軸(3)に沿って軸方向である磁石(6)の形態の第2固定要素(2)を、より正確に把握するためである。これらのディスク(11a,11b)は軸方向に歯(42,42‘)によって延伸し(例えば、歯(42)はN極であり、歯(42´)はS極である)、歯(42,42´)は互いに対向し、リング(31)と半径方向に向き合っている。全ての歯(41、42、42´)は磁極を形成し、当該磁極は、磁気相互作用を形成し、リング(31)を操作するユーザによって感知されるノッチを形成するように協働する。
【0061】
図9は、代替実施形態を図示しており、当該代替実施形態は、本発明が回転式の場合、360°にわたって延伸する要素に限定されないことを示す。第1可動要素(1)は円筒形磁石(6)を有し、当該円筒形磁石(6)は、軸方向に磁化され、交互に並んだN磁極とS磁極とを形成する歯(41、41´)によって半径方向に延伸した2つのディスク(11a、11b)の間に配置される。例えば、ディスク(11a)の歯(41)はN極性を有し、歯(41´)は磁石(6)によってS極性を有し、歯(41、41´)は軸方向に整列される。この実施例においては、18個の歯(41)および18個の歯(41´)があり、磁極ピッチPrを規定する18対の磁極を生成する。ユーザが感知するノッチを72個にしたい場合には、上述したように、軟磁性材料から作製された24個の歯(42)を有する第2固定要素(2)を用いてよい。しかしながら、感知されるノッチを72個にするために、これら24個の歯を保持する必要はない。実際に、感知されるトルクの振幅は、2つの要素(1、2)の間の相互作用に存在するパターンの数を表す、最大公約数(greatest common divisor(GCD))に比例する。本実施例においては、72個のノッチを生成するためにGCD(最大公約数)は6であり、これは潜在的に、トルクを生成する6つのパターンの連続が存在することを意味する。したがって、第2固定要素(2)上の24/6=4つの歯(42)、または4の任意の倍数個の歯(42)など、要素に対して単一のパターンを使用することが可能である。この実施例においては、第1のパターン(すなわち4つの歯(42))が、60°角度延伸にわたって使用される。感知されるトルクの振幅はパターンの数に比例し、これは、360°にわたって延伸する第2の完全な固定要素(2)が使用されるケースよりも、この実施例において感知される応力があまり顕著ではないことを意味する。
【0062】
図10は、上記の図9の代替実施形態を示している。使用される永久磁石(6a、6b)が双極性であり、依然として軸方向に磁化されており(図においては不可視)、磁石(6a)が所与の軸方向の極性を有し、磁石(6b)が反対の軸方向極性を有する点において、図10図9と異なる。スロット(19)がディスク(11a)を貫通し、磁気が切断され、ディスク(11a)からの磁場漏れを促進し、スロットの直径方向の広がりは、磁石(6a、6b)の磁気遷移に平行である。ディスク(11b)は2×9個の歯(41´)を有し、ディスク(11a)は2×9個の歯(41)を有する。ディスク(11a、11b)あたりの歯の総数(41、41´)は依然として18であるが、ディスク(11a)の反対側に磁気感応プローブ(ここでは図示せず)が配置された場合、ディスク(11a)に軸方向に対向する磁場漏れ束は、位置検出機能に用いることが可能である。
【0063】
図11は、本発明に係るデバイスの、線形式の変形例を示す。第1可動要素(1)は、各々が3つの歯(41)によって横方向に延伸した2つの歯付き要素(11c、11d)の間に捕捉された磁石(6)に固定された、オーディオミキサ用の「フェーダ」タイプのカーソル(20)の形態である。これらの歯(41)は、第2固定要素(2)を形成する軟磁性材料から製作されるターゲットと対向しており、当該第2固定要素(2)は、線形に延伸し、バーを形成すると同時にその上をカーソル(20)が軸(3)に沿って移動する歯(42)を備える。第1可動要素は、この図には図示されていないガイドによって維持されるエアギャップによって、第2固定要素から隔てられている。この実施例においては、18の磁気周期を有する第1可動要素(1)と24の磁気周期を有する第2固定要素(2)とで完全な回転にわたって感じられる72のノッチを有する回転等価物を考慮すると、第1可動要素(1)の歯(41)の線形周期はPr=72/18Ptに等しくなければならず、第2固定要素(2)の強磁性極の周期はPs=72/24Ptに等しくなければならない。18および24のGCDは6であるので、第1可動要素(1)で使用することができる単一の3歯パターンがある。実施例が1mm毎にノッチを得ることを望む場合、歯(41)はPr=4mmの周期性を有し、第2固定要素(2)の強磁性極はPs=3mmの周期性を有することが必須である。この図において、第2固定要素(2)は、約33mmのストロークに対して、ユーザが感知する多数のノッチとして約43mmの長さを有する。
【0064】
図12は本発明に係るデバイスの球形式の変形例を示しており、当該変形例は、この図においては3つの直交軸(3、3´および3´´)に沿って、ボールジョイント(22)を作動させるハンドル(21)の回転中、ユーザによる触覚感知を可能にする。非限定的な実施例の形態であるこの実施例においては、ボールジョイント(22)は、ハンドル(21)が作動される際に3対の固定要素(2)の前を移動する、軟磁性材料から製作された複数の極を有する。3対の固定要素(2)は、別個の永久磁石(6)の両側に、軟磁性材料のシート(22a、22b)、(22c、22d)および(22e、22f)がスタックされて形成される。ボールジョイント(22)に対向する歯(42)によって半径方向に延伸して前記ボールジョイント(22)と磁気作用によって相互作用する前記シート(22a、22b)、(22c、22d)および(22e、22f)に対し、前記永久磁石(6)は好ましくは垂直に配向する。前記シート(22a、22b)、(22c、22d)および(22e、22f)は、小さな放射状のエアギャップによって前記固定要素(2)から隔てられる。ボールジョイント(22)は、この図においては図示されていない追加の要素によって誘導される。この変形例のサイズ設定は、図11の変形例の教示に基づいて行われる。
【0065】
図13aおよび図13bは、同一の実施形態の2つの異なる斜視図であり、図13は部分的な断面を示しており、図4のものとかなり類似しているものの、図4は、図13と磁化された磁極の数、および強磁極の数において異なる。この実施例において、第1可動要素(1)は半径方向に配向された8つのN-S極性を有する磁気リング(16)を有し、第2固定要素(2)は6つの歯(42)によって軸方向に延伸し、強磁性材料から製作されたリング(12)を有する。当該第1要素(1)および第2要素(2)は、互いに半径方向に対向する。この構成により、1回転当たり24周期の応力を発生させることが可能になる。ハブ(23)はリング(12)に固定されており、第2固定要素(2)に対する第1可動要素(1)の回転および誘導を可能にする。前述の実施例と同様に、可動要素が固定されてよく、固定要素が可動になってもよく、相対移動量は同一である。
【0066】
図14aおよび図14bは、第2固定要素(2)が強磁性リングを延伸する3つの歯(42)しか有していない点を除いては、すべての点において図13aおよび図13bと同様である。したがって、得られるノッチの数は同一、すなわち24であるが、全体的な磁気抵抗がより高くなることにより磁気相互作用の数が減少するため、得られる応力のより低い振幅を基準とする。
【0067】
図15図4の実施形態と同様の実施形態を示し、当該実施形態においては、24個のノッチを生成するように、第1要素(1)および第2要素(2)がそれぞれ24個の磁極を備える。
【0068】
図16は最終実施形態を示し、当該実施形態においては第1可動要素(1)および第2固定要素(2)が、それぞれ永久磁石(6a)および(6b)を備える。この非限定的な実施例においては、磁石(6a)に対して、好ましくは半径方向に配向される20個の極性が存在し、磁石(6b)に対しては12個の極性が存在し、60個のノッチを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明の第1の実施形態による装置の部分断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態による装置の部分断面図である。
図3】本発明の第3の実施形態に係る装置の斜視図である。
図4】本発明の第4の実施形態に係る装置の部分断面図である。
図5】本発明の第5の実施形態に係る装置の斜視図である。
図6】本発明の第6の実施形態に係る装置の斜視図である。
図7】本発明の第7の実施形態に係る装置の斜視図である。
図8】本発明の第8の実施形態に係る装置の斜視図である。
図9】本発明の第9の実施形態に係る装置の斜視図である。
図10】本発明に係る、図9の代替実施形態である装置の斜視図である。
図11】本発明の線形式の変形例による装置の斜視図である。
図12】本発明の球形式の変形実施形態の斜視図である。
図13a】本発明に係る装置の、ある代替実施形態の図である。
図13b】本発明に係る装置の、ある代替実施形態の図である。
図14a】本発明に係る装置の、図13とは別の代替実施形態の図である。
図14b】本発明に係る装置の、図13とは別の代替実施形態の図である。
図15図4とは別の回転の変形例である。
図16】2つの永久磁石を使用する回転の変形例である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図15
図16
【国際調査報告】