(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(54)【発明の名称】器具の加熱要素を動作させるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A47J37/06 306
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507603
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2020043503
(87)【国際公開番号】W WO2021025878
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】ヌーリ,プラビーン クマール
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA03
4B040AA08
4B040AB04
4B040AC04
4B040AD04
4B040AE05
4B040CA05
4B040CA17
4B040EB02
4B040LA08
4B040LA12
4B040LA19
4B040LA20
(57)【要約】
基部と、基部によって支持されたワッフル型と、を有するワッフルメーカ。ワッフル型は、第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートを有し、第2の加熱プレートは、第1の加熱プレートに対して移動可能である。第1の加熱要素が、第1及び第2の加熱プレートを加熱するために、ワッフル型上に配置されている。ワッフルメーカは、検出領域内の動きを検出するように構成されているセンサを更に含む。ワッフルメーカの制御ユニットは、センサ及び第1の加熱要素と通信しており、これによって、人間の存在が検出領域内で検出されたとき、制御ユニットは、第1の加熱要素を所定の予熱温度に加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワッフルメーカであって、
基部と、
前記基部によって支持され、かつ第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートを有するワッフル型であって、前記第2の加熱プレートが、前記第1の加熱プレートに対して移動可能である、ワッフル型と、
前記第1及び第2の加熱プレートを加熱するための、前記ワッフル型上に配置された第1の加熱要素と、
検出領域内の動きを検出するように構成されているセンサと、
前記センサ及び前記第1の加熱要素と通信している制御ユニットであって、前記動きが前記検出領域内で検出されたときに、前記第1の加熱要素を所定の予熱温度に加熱する制御ユニットと、を備える、ワッフルメーカ。
【請求項2】
前記ワッフル型は、前記ワッフル型が前記ワッフルメーカの長手方向軸を中心に180度回転することを可能にするように構成されているヒンジを備える、請求項1に記載のワッフルメーカ。
【請求項3】
前記検出領域が、前記センサの15フィート以内の領域である、請求項1に記載のワッフルメーカ。
【請求項4】
前記センサが、前記検出領域内の人間の存在を検出するように構成されている近接センサである、請求項1に記載のワッフルメーカ。
【請求項5】
前記近接センサが、受動的赤外線センサ又はミリメートル波センサである、請求項4に記載のワッフルメーカ。
【請求項6】
前記近接センサが、前記検出領域内の複数の人間の位置を決定するように構成されている、請求項4に記載のワッフルメーカ。
【請求項7】
前記ワッフル型の温度を決定するように構成されている温度センサを更に備える、請求項1に記載のワッフルメーカ。
【請求項8】
第2の加熱要素を更に備え、前記第1の加熱要素が、前記ワッフル型の前記第1の加熱プレート上に配置され、前記第2の加熱要素が、前記ワッフル型の前記第2の加熱プレート上に配置されている、請求項1に記載のワッフルメーカ。
【請求項9】
食品を加熱するための器具であって、
検出領域内の人間の存在を検出するように構成されている近接センサと、
第1の加熱要素を備える第1の加熱プレートと、
第2の加熱要素を備える第2の加熱プレートと、
前記近接センサ並びに前記第1及び第2の加熱要素と通信している制御ユニットと、を備え、
人間の前記存在が前記検出領域内で検出されたとき、前記制御ユニットが、第1の所定の予熱温度に前記第1の加熱要素を加熱し、前記第1の所定の予熱温度とは異なる第2の所定の予熱温度に前記第2の加熱要素を加熱する、器具。
【請求項10】
前記第1の加熱要素及び前記第2の加熱要素が、前記制御ユニットによって同時に加熱される、請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記器具が食品を加熱するために使用されるとき、前記第1の加熱要素が、第1の調理時間の間加熱され、前記第2の加熱要素が、前記第1の調理時間とは異なる第2の調理時間の間加熱される、請求項9に記載の器具。
【請求項12】
前記器具が、ワッフルメーカである、請求項9に記載の器具。
【請求項13】
食品を加熱するための器具の加熱要素を動作させる方法であって、
前記器具を前記加熱要素が周囲温度にあるスタンバイモードに維持することと、
前記器具のセンサによって検出領域内の動きを検出することと、
前記動きが前記センサによって検出されたとき、前記加熱要素が予熱温度に加熱されるように、前記器具の前記加熱要素を作動させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記予熱温度よりも高い所定の調理温度に前記加熱要素を加熱することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
所定の調理時間の間、前記所定の調理温度に前記加熱要素を加熱することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定の調理時間の完了時に、前記センサによって人間の存在を検出することと、人間の前記存在が検出されたときに、前記加熱要素を前記予熱温度に加熱することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサによって検出された、前記検出領域内の人間の数に基づいて、前記加熱要素の温度を調整することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
人間の存在が前記センサによって検出されないときに、前記加熱要素の動作を停止させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記器具の使用時間を決定すること、及びある期間にわたる前記器具の使用数を決定することによって、前記器具の使用データを生成することと、
前記使用データに少なくとも部分的に基づいて、前記加熱要素を作動させることと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記器具の前記センサによって前記検出領域内の人間の数を決定することと、
前記器具の使用数を決定することと、
人間の前記数を前記器具の前記使用数と比較することと、によって前記器具の使用データを生成することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、食品又は飲料を調製するための器具の加熱要素を動作させるためのシステム及び方法に関する。具体的には、本明細書に記載の実施形態は、センサによる人間の存在の検出に基づいて、器具の加熱要素を動作させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品又は飲料を調製するための様々な器具は、食品又は飲料を加熱又は調理するために使用される少なくとも1つの加熱要素を含む。そのような器具の例としては、とりわけ、ワッフルメーカ、トースター、加熱トレイ、電気ケトル、パニーニプレス、及び電気グリル又はグリドルが挙げられる。これらの器具は、家庭で消費者製品として使用され得、台所器具であり得るか、又はこれらの器具は、レストラン、バーなどの商業的環境内で使用され得る。食品を迅速に調製するために、器具が食品を調製するために使用される時間の前に、器具を予熱することが有用であり得る。しかしながら、加熱要素が食品を調製するために使用されていないときでも加熱要素が作動中である場合、器具は、かなりの量の電気を消費し得、器具の耐用年数は低減され得る。
【0003】
したがって、当該技術分野では、電気を無駄にすることなく器具の予熱を可能にするために効率的に動作する、食品を調製するための加熱要素を有する器具の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、基部と、基部によって支持され、かつ第1の加熱プレート及び第2の加熱プレートを有するワッフル型であって、第2の加熱プレートが、第1の加熱プレートに対して移動可能である、ワッフル型と、を含む、ワッフルメーカに関する。ワッフルメーカは、第1及び第2の加熱プレートを加熱するための、ワッフル型上に配置された第1の加熱要素と、検出領域内の動きを検出するように構成されているセンサと、を更に含む。ワッフルメーカはまた、センサ及び第1の加熱要素と通信している制御ユニットであって、動きが検出領域内で検出されたときに、第1の加熱要素を所定の予熱温度に加熱する制御ユニットを含む。
【0005】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、検出領域内の人間の存在を検出するように構成されている近接センサを含む食品を加熱するための器具に関する。器具は、第1の加熱要素を有する第1の加熱プレートと、第2の加熱要素を有する第2の加熱プレートと、を更に含む。器具は、近接センサ並びに第1及び第2の加熱要素と通信している制御ユニットを更に含み、人間の存在が検出領域内で検出されたとき、制御ユニットは、第1の所定の予熱温度に第1の加熱要素を加熱し、第1の所定の予熱温度とは異なる第2の所定の予熱温度に第2の加熱要素を加熱する。
【0006】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、食品を加熱するための器具の加熱要素を動作させる方法であって、器具を加熱要素が周囲温度にあるスタンバイモードに維持することと、器具のセンサによって検出領域内の動きを検出することと、動きがセンサによって検出されたとき、加熱要素が予熱温度に加熱されるように、器具の加熱要素を作動させることと、を含む、方法に関する。
【0007】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、ワッフル型は、ワッフル型がワッフルメーカの長手方向軸を中心に180度回転することを可能にするように構成されているヒンジを含み得る。
【0008】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、検出領域は、近接センサの15フィート以内の領域であり得る。
【0009】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、センサは、検出領域内の人間の存在を検出するように構成されている近接センサである。いくつかの実施形態では、近接センサは、受動的赤外線センサ又はmm波センサであり得る。いくつかの実施形態では、近接センサは、検出領域内の複数の人間の位置を決定するように構成され得る。
【0010】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、ワッフルメーカは、ワッフル型の温度を決定するように構成されている温度センサを更に含み得る。
【0011】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、ワッフルメーカは、第2の加熱要素を更に備えていてもよく、第1の加熱要素は、ワッフル型の第1の加熱プレート上に配置され、第2の加熱要素は、ワッフル型の第2の加熱プレート上に配置されている。
【0012】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、第1の加熱要素及び第2の加熱要素は、制御ユニットによって同時に加熱され得る。
【0013】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具が食品を加熱するために使用されるとき、第1の加熱要素が、第1の調理時間の間加熱され得、第2の加熱要素が、第1の調理時間とは異なる第2の調理時間の間加熱され得る。
【0014】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具は、ワッフルメーカであり得る。
【0015】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、予熱温度よりも高い所定の調理温度に加熱要素を加熱することを含み得る。
【0016】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、所定の調理時間の間、所定の調理温度に加熱要素を加熱することを含み得る。
【0017】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、所定の調理時間の完了時に、センサによって人間の存在を検出することと、人間の存在が検出されたときに、加熱要素を予熱温度に加熱することと、を含み得る。
【0018】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、センサによって検出された検出領域内の人間の数に基づいて、加熱要素の温度を調整することを含み得る。
【0019】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、人間の存在がセンサによって検出されないときに、加熱要素の動作を停止させることを含み得る。
【0020】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、器具の使用時間を決定すること、及びある期間にわたる器具の使用数を決定することによって、器具の使用データを生成することと、使用データに少なくとも部分的に基づいて、加熱要素を作動させることと、を含み得る。
【0021】
本明細書で考察されている様々な実施形態のうちのいずれかにおいて、器具の加熱要素を動作させるための方法は、器具のセンサによって検出領域内の人間の数を決定することと、器具の使用数を決定することと、人間の数を器具の使用数と比較することと、によって器具の使用データを生成することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を示し、この説明とともに、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にする。
【0023】
【
図1】一実施形態による閉鎖構成におけるワッフルメーカの斜視図を示す。
【0024】
【
図2】開放構成における
図1のワッフルメーカの斜視図を示す。
【0025】
【
図3】閉鎖構成における
図1のワッフルメーカの側面図を示す。
【0026】
【
図4】実施形態による器具の構成要素の概略図を示す。
【0027】
【
図5】一実施形態による器具の検出領域の概略図を示す。
【0028】
【
図6】一実施形態による器具の動作のフローチャートを示す。
【0029】
【
図7】実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0031】
とりわけ、ワッフルメーカ、トースター、加熱トレイ、電気ケトル、パニーニプレス、及び電気グリル又はグリドルを含む多数の器具は、食品又は飲料品目を調製する際に使用するための加熱要素を含む。そのような器具を使用するために、使用者は一般に、器具を作動するか又は「オンにし」、特定の食品又は飲料品目を調製するのに望ましい調理温度にまで加熱要素が熱くなる間、待つ必要がある。周囲温度又は「室」温から、例えば、350°F~450°Fであり得る調理温度にまで加熱要素が熱くなるのを待つことは、時間がかかり、不便であり得る。器具が熱くなるのを待つことにより、食品を調製するのに必要な時間の総量が増加し得る。使用者が、食事を調製し、食べるのに限られた時間を有する場合、使用者は、器具の加熱要素が熱くなり、食品を調理するのを待つのに十分な時間を有しない場合があり、使用者は、器具の使用を控える場合がある。
【0032】
商業的環境では、顧客のために大量の食品を迅速に作製するために、器具を繰り返し使用する必要があり得る。しかしながら、器具が所望の温度にまで熱くなるのを待つことは、食品を調製することができる速度を遅くし得る。顧客は、食品が調製されるまで長時間待つことを嫌がる場合があり、食品が適時に調製されない場合に嫌な経験をし得る。更に、第1の食品品目が調製された後、加熱要素が器具を更に使用するために再作動されない限り、通常、多くの器具の加熱要素の動作は停止され、加熱要素は周囲温度にまで冷める。その結果、器具が継続的に使用されていない場合、加熱要素は、繰り返し熱くなり、冷める場合があり、器具を使用する度に、オペレータは、追加の食品品目を調製するために、加熱要素が調理温度にまで熱くなるのを待つ必要があり得る。これらの問題は、器具の操作員がおらず、消費者が操作することが意図されている場合に特に生じ得る。
【0033】
いくつかの器具は、器具の加熱要素を、周囲温度超かつ調理温度未満であり得る予熱温度に維持する予熱設定を含み得る。器具を予熱することが、加熱要素が調理温度まで熱くなるのに必要な時間を減少させ得る一方で、食品を調製するために器具を使用していないときに加熱要素を高温に維持することは、エネルギーを無駄にし得、光熱費を増加させる。更に、器具の加熱要素及び他の構成要素は、加熱サイクルの繰り返しから摩耗及び劣化する場合がある。例えば、器具の調理面は、器具の長期使用から経時的に摩滅し得るコーティングを含み得る。したがって、加熱要素が繰り返し加熱され、冷めること、並びに経時的な加熱要素の継続的な動作は、加熱要素を摩耗させる可能性がある。器具の寿命及び使用可能寿命を最大化するために、加熱要素を可能な限り効率的に動作させ、加熱要素が不必要に加熱され冷めることを最小限に抑えることが望ましい場合がある。
【0034】
食品を調製し、加熱要素を有する器具の一例は、ワッフルメーカである。本明細書は、主にワッフルメーカを指すが、本出願は、ワッフルメーカに限定されず、本明細書に記載の原理が、トースター、加熱トレイ、電気ケトル、パニーニプレス、電気グリル、グリドル、及び同様の加熱器具を含むがこれらに限定されない、食品又は飲料を調製するための加熱要素を有する様々な他の器具のいずれかに適用され得ることを、当業者は容易に理解するであろう。
【0035】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、検出領域内の動きを検出するためのセンサを有する器具に関し、加熱要素は、動きが検出領域内で検出されたときに、予熱温度に自動的に加熱される。このようにして、器具は、器具を使用することを望む場合がある潜在的な使用者又は顧客が存在する場合にのみ加熱される。更に、器具は、動きがセンサによって検出領域内で依然として検出された場合、調理サイクルの完了時に加熱要素を予熱温度に維持し得る。したがって、加熱要素は、周囲温度まで冷めるのではなく、使用後に加熱されたままであり得る。更に、動きがセンサによってもはや検出されないとき、電気を節約するために、器具は、発熱要素の動作を停止させて、加熱要素を周囲温度まで冷ましてもよい。
【0036】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、センサ180及び加熱要素130と通信している制御ユニット150を有するワッフルメーカ100に関する。センサ180によって動きが検出されたとき、ワッフルメーカ100の制御ユニット150は、加熱要素130を予熱温度に加熱し得る。このようにして、ワッフルメーカ100が消費者によって食品を調製するために使用される場合、ワッフルメーカ100は、既に予熱されて、加熱要素130が調理温度に到達するのに必要な時間を最小限に抑え得る。更に、動きが検出されたときにのみ加熱要素130を作動させることにより、ワッフルメーカ100は、エネルギー効率的がよい場合があり、ワッフルメーカ100の有用な寿命を最適化する場合がある。
【0037】
いくつかの実施形態では、ワッフルメーカ100は、
図1~
図3に示されるように、ワッフルを調製するためのワッフル型140を支持する基部110を含む。基部110は、ワッフル型140から流出又は滴下する任意の過剰な生地を収集するように、ワッフル型140の下に位置付けられたドリップトレイ112を含み得る。過剰な生地は、使用者がワッフル型140を過剰充填することの結果、又は使用者による生地の不適切な注入によるものであり得る。
【0038】
ワッフル型140は、第1の加熱プレート142及び第2の加熱プレート144を含む。第1の加熱プレート142は、第2の加熱プレート144に対して移動可能であり得る。各加熱プレート142、144は、生地を受容し、かつ生地をワッフルに成形するための型パターン146を画定する。いくつかの実施形態では、第1の加熱プレート142は、ヒンジ149を中心に第2の加熱プレート144に対して枢動可能であり得、そのため、ワッフル型140は、開放構成又は閉鎖構成で選択的に配置され得る。開放構成では、第1の加熱プレート142は、ワッフル型140の内部が使用者によってアクセス可能であるように第2の加熱プレート144から離れるように枢動され、そのため、ワッフルを作製するための生地が、第2の加熱プレート144の型パターン146に注がれ得る。ワッフル型140の第2の加熱プレート144に生地が注がれると、
図1に示されるように、第1及び第2の加熱プレート142、144が対向係合するように第1の加熱プレート142を枢動させることによって、ワッフル型140を閉鎖構成に移動させて、生地を調理するために生地をワッフル型140内に封入し得る。
【0039】
各加熱プレート142、144は、
図2に示されるように、所望の形状及びパターンを有するワッフルを形成するための型パターン146を画定し得る。加熱プレート142、144の各々は、様々な他の形状の中でも、円形、正方形、長方形、楕円形、三角形である形状を有し得、他の装飾用又は装飾的形状の中でも、葉、花、心臓、状態、木、動物と同様に成形され得る。いくつかの実施形態では、型パターン146は、例えば、正方形又は三角形のグリッドなどのグリッドであり得る。加熱プレート142、144は、金属又はセラミックを含む様々な材料のうちのいずれかで作製され得る。いくつかの実施形態では、各加熱プレート142、144は、非粘着面を更に含み、とりわけ、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)又はTeflon(登録商標)などの非粘着コーティングでコーティングされ得る。
【0040】
ワッフル型140は、一方又は両方の加熱プレート142、144を加熱するための単一の加熱要素130を含み得る。いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、第1の加熱プレート142は、第1の加熱要素130を含み得、第2の加熱プレート144は、第2の加熱要素130を含み得る。各加熱要素130は、電気抵抗加熱要素であり得る。加熱要素130は、生地を調理するために生地に接触する第1及び第2の加熱プレート142、144を加熱するように機能する。加熱要素130は、同じ温度又は異なる温度に加熱することができる。更に、加熱要素130は、独立して加熱することができ、同時に又は交互の様式で加熱することができる。
【0041】
ワッフル型140は、
図1に示されるように、ワッフルメーカ100の長手方向軸Xを中心に回転可能であり得る。ワッフル型140は、ヒンジ149によって基部110に接続され得、ワッフル型140は、ヒンジ149を中心に回転することができ得る。ワッフル型140は、長手方向軸Xを中心に180度回転することができ得る。休止位置では、ワッフル型140は、第2の加熱プレート144の上方に位置付けられた第1の加熱プレート142を備えて配置され得る。ワッフル型140は、第2の加熱プレート144が第1の加熱プレート142の上方に位置付けられている調理位置、すなわち、ワッフル型140が逆さまに裏返される調理位置に、長手方向軸Xを中心に180度回転させることができる。このようにして、ワッフルメーカ100は、ワッフル型140内の生地を均一に分散させ得、そのため、結果として得られるワッフルは、ワッフル型140の形状に適合するため、ワッフルは両側で均一に調理される。いくつかの実施形態では、開放構成と閉鎖構成との間で加熱プレート142、144を枢動させるためのヒンジ149もまた、ワッフル型140が休止位置と調理位置との間に長手方向軸Xを中心に180度回転することを可能にするように機能し得る。いくつかの実施形態では、別個のヒンジ149が使用され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、ワッフル型140は、ワッフル型140を開放構成と閉鎖構成との間で枢動させ、ワッフル型140を回転させるために把持するための領域を使用者に提供するために、使用者が把持するための第1及び/又は第2の加熱プレート142、144から長手方向に延在するハンドル148を含み得る。ハンドル148は、加熱プレート142、144が加熱されたときにハンドル148が加熱されないように、ハンドル148が消費者によって快適に把持されることを可能にするように、断熱材料で形成され得る。
【0043】
ワッフルメーカ100は、ワッフルメーカ100を「オンにする」ための電源スイッチ105を含み得る。ワッフルメーカ100がオンにされるとき、電気は、電気出口又は発電機などの電源からワッフルメーカ100に提供され、ワッフルメーカ100は、加熱要素130が周囲温度又は室温に留まる「スタンバイモード」に留まり得る。ワッフルメーカ100は、動きがセンサ180によって検出されるまで、スタンバイモードに留まり得る。このようにして、ワッフルメーカ100は、動きが検出されるまで加熱要素130を停止状態に維持することによってエネルギーを節約し、潜在的な顧客の存在を示す。
【0044】
本明細書に記載のワッフルメーカなどの器具100の制御ユニット150は、器具100の動作を制御する。制御ユニット150は、例えば
図4に示されるように、器具100の加熱要素130と通信している。いくつかの実施形態では、温度センサ152はまた、各加熱要素130の温度又は加熱要素130によって加熱された加熱プレート142、144の温度を決定するために制御ユニット150と通信し得る。複数の加熱要素130を有する実施形態では、各加熱要素130は、加熱要素130と接触するか、又はそれに隣接して、別個の温度センサ152を含み得る。複数の加熱要素130を有する実施形態では、以下で更に詳細に考察されるように、異なる温度において各加熱要素130を維持すること、又は異なる期間の間、各加熱要素130を作動させることが望ましい場合がある。
【0045】
制御ユニット150は、食品品目を調製するための調理時間を決定する。いくつかの実施形態では、調理時間は、所定(例えば、2分)である。制御ユニット150は、調理時間を監視するためのタイマ154を含み得るか、又は制御ユニット150は、タイマとして機能し得る。器具100がワッフルメーカである場合、調理時間は、ワッフル型140が調理位置に180度回転されるときに開始し得る。調理時間が完了するとき、器具100のインジケータライト156は、食品が準備されていることを使用者に通知するように照明し得る。器具100は、代替的又は追加的に、調理時間が完了したときに、トーンなどの可聴アラートを再生する、スピーカなどのオーディオユニット158を含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、調理時間は、所定のものではなく、代わりに、制御ユニット150は、器具100の使用に基づいて、デフォルトの調理時間から調理時間を調整し得る。例えば、器具100のセンサ180は、検出領域内の人間の数を検出するように構成され得、複数の人間が検出されたときに、制御ユニット150は、調理時間における対応する減少を可能にする調理温度を増加させ、食品をより迅速に調製することを可能にし得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、器具100は、調理時間を表示するためのディスプレイ120を含み、それは、調理時間が完了したときを示し得る。ディスプレイ120は、例えば、
図1に示されるように、器具100の基部110上に配置され得る。ディスプレイ120は、調理時間のカウントダウンを表示し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120を使用して、追加の使用説明を表示するか、又は器具100の設定を示し得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、単に調理時間を表示する英数字表示であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、又は有機LED(organic-LED、OLED)ディスプレイなどの電子表示画面であり得、タッチスクリーンディスプレイであり得る。そのような実施形態では、ディスプレイ120は、器具100の動作及び使用に関連する他の情報の中でも、使用説明、調理時間、調理設定、調理の説明、調理の画像若しくはビデオ、並びに使用データ及び統計を示し得る。
【0048】
器具100は、動きを検出するように構成されているセンサ180を更に含む。センサ180は、制御ユニット150がセンサ180から情報を受信するように、制御ユニット150と通信している。センサ180によって動きが検出されない場合、制御ユニット150は、加熱要素130が周囲温度にあるように、加熱要素130を停止状態に維持する。センサ180によって動きが検出されたとき、制御ユニット150は、加熱要素130を予熱温度に加熱するように加熱要素130を作動させることができる。本明細書で考察されるように、予熱温度は、所定のものであり得るか、又は適応的に選択され得る。器具100が食品品目を調製するために使用される場合、制御ユニット150は、加熱要素130を調理温度に加熱する。本明細書で考察されるように、調理温度はまた、所定のものであり得るか、又は適応的に選択され得る。予熱温度は調理温度未満である。例えば、一実施形態では、予熱温度は約380°Fであり得、調理温度は約400°Fであり得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、センサ180は、検出領域内の物体及び器具100からの物体の距離を検出するように構成されている近接センサであり得る。センサ180は、検出領域内の人間の存在を検出するように更に構成され得る。センサ180は、検出領域内の人間の数及び検出領域内の人間の位置を検出するように構成され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、センサ180は、器具100の前部102上に配置されてもよく、そのため、センサ180は、器具100の前方及び周囲の領域を検出する又は「見る」ことができる。更に、器具100の前部102上にセンサ180を置くことは、センサ180が器具100の他の部分によって、又は器具100が位置付けられているカウンタ又は支持面上に置かれた他の物体によって妨げられないことを確実にするのに役立つ。
【0051】
いくつかの実施形態では、センサ180は、例えば、
図5に示されるように、検出領域190を用いて消費者の存在を検出するように構成されている。検出領域190は、例えば、センサ180の約10フィート、15フィート、又は20フィート以内のゾーンなどのセンサ180の周囲の領域であり得る。センサ180は、センサ180の360度以内の人間を検出するように構成され得るか、又はセンサ180の前の領域内の180度、160度、140度などのより狭い範囲内の人間のみを検出するように構成され得る。例えば、
図5に示されるように、器具100は、ホテルの朝食領域400内のカウンタ410上に位置付けられたワッフルメーカであり得る。検出領域190は、朝食領域400内の人々のみを検出するために、器具100のセンサ180の特定の距離内の領域であり得る。したがって、検出領域190内の消費者300、301、302は、センサ180によって検出され、センサ180から離れすぎている(及び検出領域190の外側にある)消費者303は検出されない。そのような消費者303は、朝食領域400にはない場合があり、代わりに、ロビー又は廊下を介して朝食領域400を通過し得、したがって、器具100の加熱要素130を動作させる目的でそのような人を検出することは望ましくない。センサ180は、成人又は子供を含む人間を検出するように具体的に構成され得、人間と動物(ペットなど)、又は物体(他の物体の中でもとりわけ、検出領域190内の家具、例えば、カウンタ410、420、椅子、ストール、及び器具)を区別することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、センサ180は、受動的赤外線センサ(passive infrared sensor、PIR)であることができる。PIRセンサは、人間のヒートシグネチャを検出して、家具、手荷物、器具、ストローラなどの他の物体から人間を区別し得る。いくつかの実施形態では、センサ180は、人体のシルエットを検出するように構成されているミリメートル波センサ(「mm波センサ」)であり得る。いくつかの実施形態では、無線検出及び測距(radio detection and ranging、RADAR)又は光検出及び測距(light detection and ranging、LIDAR)に基づくセンサなどの他のタイプのセンサが使用され得る。当業者は、他のタイプのセンサを使用して、検出領域内の動き又は人間の存在を識別することができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、センサ180は、検出領域190内の動き又は人間の存在を継続的に監視し得るか、又はセンサ180は、動き又は人間の存在を定期的に監視し得る。更に、センサ180は、センサ180に対する人間の位置を決定するように構成することができ、検出領域190内の複数の人間の位置を決定することができ得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、予熱温度及び/又は調理温度は、適応的に選択され得る。そのような実施形態では、センサ180は、検出領域190内の人間の数を決定し得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット150は、センサ180から受信された情報に基づいて、検出領域190内の人間の相対位置を決定し得、検出領域190内の消費者の数に基づいて、加熱要素130の予熱温度を調整し得る。そのような実施形態では、検出領域190内の人間の数が増加するとき、予熱温度及び/又は調理温度が、制御ユニット150によってデフォルトの予熱及び調理温度から増加し得る。複数の消費者が存在する場合、予熱温度を増加させることにより、器具100が調理温度に到達する待ち時間を短縮し、各使用者がより迅速に食品を調製することを可能にし得る。更に、調理温度を増加させることは、調理時間が短縮されることを可能にし、食品が調製できる速度を増加させるのにも役立ち得る。逆に、センサ180によって決定されるように、少数の消費者が検出領域190に存在する場合、予熱温度は、デフォルトの予熱温度に維持され得るか、又は少数の消費者が存在する期間中のエネルギー使用を最小限に抑えるために、デフォルト未満に低減され得る。
【0054】
器具100は、食品を調製するために使用されているが、器具100は、検出領域190内の消費者の動き又は存在を検出し続ける。人間が検出された場合、器具100は、調理サイクルの完了時に加熱要素130を予熱温度に戻し得る。このようにして、仮に別の消費者が器具100を使用することを選択するなら、器具100は予熱されたままであるだろう。調理サイクルの完了時に、人間が近接センサ180によって検出されない場合、器具100は、エネルギーを節約し、かつ器具100の摩耗を最小限に抑えるために、加熱要素130の加熱を伴わずにスタンバイモードに戻り得る。いくつかの実施形態では、動き又は人間が検出されないとき、加熱要素130は、所定の待機時間の間予熱温度に留まり、待機時間中に人間が検出されない場合、制御ユニット150は、加熱要素130の動作を停止させ得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、器具100は、第1の加熱プレート142及び第2の加熱プレート144を有するワッフルメーカであり得る。ワッフルメーカ100がワッフルを調製するために使用される場合、第1の加熱プレート142は、第1の所定の調理温度に加熱され、第2の加熱プレート144は、第2の所定の調理温度に加熱される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の所定の調理温度は同じである。しかしながら、ワッフルメーカ100の動作として、概して、使用者は、第1の加熱プレート142も生地と接触するように、第2の加熱プレート144が第1の加熱プレート142よりも長期間生地と接触するように、使用者が、第2の加熱プレート144上、それに続く近いワッフル型140上に生地を注ぐことを必要とする。生地が第2の加熱プレート144と接触している余分な時間のため、生地の燃焼を回避するために、第2の加熱プレート144は、第1の加熱プレート142の調理温度よりも低い所定の調理温度に加熱され得る。代替的に、生地が第2の加熱プレート144のみに接触している追加時間を考慮するために(例えば、ワッフル型140が閉鎖される前に)、第2の加熱プレート144は、第1の加熱プレート142の調理時間よりも少ない調理時間の間加熱され得る。パンニプレス又は電気グリルなどの第1及び第2の加熱プレート142、144を有する他の器具は、同様に、第2の加熱プレート144とは異なる温度に第1の加熱プレート142を加熱し得るか、又は加熱プレート142、144を異なる時間の間加熱し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、ワッフルメーカ100などの加熱要素を有する器具は、使用データを収集するように構成することができ、ワッフルメーカ100は、使用データに少なくとも部分的に基づいて、ワッフル型140の加熱要素130を作動させ得る。いくつかの実施形態では、ワッフルメーカ100は、ワッフルメーカ100が一定期間にわたって使用されたときの使用データをリアルタイムで決定し得、ワッフルメーカ100は、人工知能を介して学習し得るか、又はワッフルメーカ100は、使用データを含むように事前にプログラムされ得る。ワッフルメーカ100がリアルタイムで使用データを決定する実施形態では、ワッフルメーカ100は、ワッフルメーカ100の各使用時間を記録し得、ワッフルメーカ100の使用数及び/又は使用頻度を決定し得る。ワッフルメーカ100は、1日以上の過程などの期間にわたる使用回数及び使用頻度を決定し得る。ワッフルメーカ100は、最高数の消費者が、「ピーク期間」と称される特定の期間に存在することを識別し得る。例えば、ワッフルメーカ100がホテルの朝食領域に展開される場合、ピーク期間は、午前7時~午前9時であり得る。結果として、ワッフルメーカ100は、毎日午前7時に予熱温度に自動的に加熱要素130を作動させ得る。更に、ワッフルメーカ100は、ピーク期間が週の特定の日でのみ発生し、したがってそれらの日にのみ加熱要素130を活性化することを識別し得る。代替的に、ワッフルメーカ100は、ピーク期間中にデフォルトの予熱温度を超える予熱温度を増加させ得、ピーク期間中にデフォルトの調理温度を超える調理温度を増加させ得る。ワッフルメーカ100はまた、午前9時後、ワッフルメーカ100が頻繁に使用されていないか、又は使用されていないことを認識し得、したがって、ワッフルメーカ100は、午前9時に、すなわち、ピーク期間の終わりに、スタンバイモードに自動的に戻り得るか、又は午前9時に予熱温度をデフォルトの予熱温度に設定し得る。したがって、ワッフルメーカ100は、使用データに基づいて加熱要素130をいつ作動させ、動作を停止させるべきかを「学習」し得、使用データは、事前プログラムされ、経時的に収集され得るか、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、使用データは、器具100の使用数と、潜在的な使用数との比較を含み得る。そのような実施形態では、センサ180は、検出領域190内の人間の数を決定し得る。人間の数は、1時間以上、例えば、朝食時間中の期間などの期間にわたるものが決定され得るか、又は1日の過程にわたるものなど、より長い期間にわたるものが決定され得る。器具100はまた、器具100が実際に食品を調製するために使用される各実例を決定し得る。例えば、ワッフルメーカは、ワッフルメーカの第1の加熱プレート142を持ち上げることによってワッフルメーカがいつ開放されたのかを検出し、これによって、ワッフルメーカが開放されるごとに、1回の使用がカウントされる、位置センサを含み得る。代替的に、器具100が調理時間を決定するとき、調理サイクルが完了ごとに、1回の使用が記録され得る。この情報に基づいて、器具100は、器具100のオペレータが多用期間を判定することを可能にするため、またオペレータが器具100の人気を判定することを可能にするために、所与の期間中の使用数を決定し得る。更に、器具100は、存在する消費者の総数に対してどのくらいの顧客が器具を使用するかを決定するために、検出領域内で検出された人間の数に対する使用数を決定し得る。これは、器具100が人気があり、使用されているかどうかを示し得る。
【0058】
更に、センサ180が検出領域190内の人間の位置を決定し得るので、器具100はまた、検出領域190内の人間が移動した経路を決定し得る。したがって、センサ180によって制御ユニット150に提供される位置情報は、検出領域190を介したトラフィックパターンの決定を可能にする。トラフィックパターンは、器具100が顧客によってあまり頻繁にはトラフィックされていない領域に位置付けられていることを示し得、これは、顧客による器具100の使用を促進するために、より頻繁にトラフィックされている領域に器具100を再位置決めすることが有益であり得ることを器具100のオペレータに示し得る。制御ユニット150は、検出領域190を介して消費者の位置及び経路を示すグラフィックデータを生成し得、消費者の位置及び経路を示すヒートマップを生成し得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、器具100は、ディスプレイ120上に、収集された使用データ、位置情報、又はトラフィックパターンを表示するように構成され得る。代替的又は追加的に、器具100は、有線又は無線通信によって、収集された使用データを、コンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの外部デバイスに送信するように構成されている通信インターフェースを含み得る。器具100は、そのような情報を送信するための送信機又はトランシーバを含み得るか、又は外部デバイスに関連して配置されるためのポートを含み得る。通信インターフェースはまた、器具100が別の器具によって収集された使用データに従って動作することができるように、器具100が使用データを受信することを可能にし得る。
【0060】
図6に示されるように、加熱要素を有する器具を動作させる方法の例示的な実施形態600では、器具は、電源スイッチを使用して、電源がオンにされ得る(610)。電源がオンにされると、器具は、加熱要素(複数可)が停止中である(すなわち、室温である)スタンバイモードに留まる(620)。センサは、検出領域内の動き又は人間の存在を検出する(630)。動き又は人間の存在がセンサによって検出されたとき、制御ユニットは、加熱要素を作動させて、予熱温度に加熱する(640)。使用者は、食品品目を調製又は加熱するために器具100に近づき得る。使用者は、加熱要素によって加熱された加熱プレートと食品を接触させて配置することによって、器具を操作し得る(650)。例えば、器具がワッフルメーカであるとき、使用者は、ワッフル型を開放すること、生地をワッフル型に注ぐこと、ワッフル型を閉鎖すること、ワッフル型を180度回転させて調理サイクルを開始することによって、ワッフルメーカを操作し得る。器具の加熱要素は、調理時間の間、調理温度に加熱される(660)。調理時間は、器具のディスプレイに表示され得る。調理時間が完了したとき、使用者は、調製された食品品目を取り出し得る。例えば、器具がワッフルメーカである場合、使用者は、ワッフルを取り出し、ワッフル型を閉鎖して、ワッフルメーカの使用を完了し得る。器具は、使用時間を決定及び記録し得る。器具は、調理サイクル中及び調理サイクル後に、検出領域内の動き又は人間の存在を検出し続け得る。調理サイクルが完了した後、検出領域内で動き又は人間が検出されない場合(670)、制御ユニットは、動き又は人間の存在がその後検出されるまで、器具がスタンバイモードに戻されるように、加熱要素の動作を停止させ得る(680)。
【0061】
図7は、実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装され得る、例示的なコンピュータシステム700を図示している。本明細書において考察される制御ユニット150は、本明細書において考察されるプロセスを実装するためのコンピュータシステム700の構成要素の全て又はいくつかを有するコンピュータシステムであってもよい。
【0062】
プログラマブルロジックが使用される場合、このようなロジックは、市販の処理プラットフォーム又は特定の目的のデバイス上で実行することができる。当業者であれば、開示された主題の実施形態が、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータ、分散された機能とリンク又はクラスタ化されたコンピュータ、並びに、仮想的に任意のデバイスに埋め込まれ得る普及型又は小型コンピュータを含む、様々なコンピュータシステム構成により実践され得ることを理解することができる。
【0063】
例えば、少なくとも1つのプロセッサデバイス及びメモリは、上記された実施形態を実装するために使用されてもよい。プロセッサデバイスは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組み合わせでもよい。プロセッサデバイスは、1つ以上のプロセッサ「コア」を有してもよい。
【0064】
本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム700によって実装され得る。この説明を読めば、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを用いて、本発明の1つ以上が実施できる方法が当業者には明らかになるであろう。動作は連続的なプロセスとして記載され得るが、動作の一部は、実際に、平行して、同時に、かつ/又は分散環境において実施されてもよく、シングル又はマルチプロセッサマシンによるアクセスに対してローカルに又はリモートに記憶されたプログラムコードにより実施されてもよい。加えて、一部の実施形態では、動作順序は、開示された主題の趣旨を逸脱することなく、再調整されてもよい。
【0065】
プロセッサデバイス704は、特殊目的又は汎用プロセッサデバイスであってもよい。当業者に理解されるように、プロセッサデバイス704はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステムにおける単一のプロセッサであってもよく、かかるシステムは、単独で動作するか、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて動作するコンピュータデバイスのクラスタで動作する。プロセッサデバイス704は、通信インフラストラクチャ706、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、又はマルチコアメッセージ受渡しスキームに接続される。
【0066】
コンピュータシステム700はまた、メインメモリ708、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含み、かつ補助メモリ710をも含んでいてもよい。補助メモリ710としては、例えば、ハードディスクドライブ712又は取り外し可能な記憶ドライブ714が挙げられ得る。取り外し可能な記憶ドライブ714としては、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどが挙げられ得る。取り外し可能な記憶ドライブ714は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット718からの読み出し及び/又は同ユニット718への書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット718としては、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ドライブなどが挙げられ得るが、これらに対しては、取り外し可能な記憶ドライブ714によって読み出し及び書き込みがなされる。当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニット718としては、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶したコンピュータによって使用可能な記憶媒体が挙げられる。
【0067】
コンピュータシステム700は、(任意選択的に)ディスプレイインターフェース702(キーボード、マウスなどのような入力及び出力デバイスを含むことができる)を含み、その表示インターフェース702は、グラフィック、テキスト、及びその他のデータを、通信インフラストラクチャ706から(又は、図示されていないフレームバッファから)転送させて、ディスプレイユニット730に表示させる。
【0068】
代替的な実装形態では、補助メモリ710は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム700にロードされることを可能にするための、他の類似の手段を含み得る。かかる手段は、例えば、取り外し可能な記憶ユニット722及びインターフェース720を含んでもよい。かかる手段の実施例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるようなものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、並びに、ソフトウェア及びデータを取り外し可能な記憶ユニット722からコンピュータシステム700に伝送することができる他の取り外し可能な記憶ユニット722及びインターフェース720を含んでもよい。
【0069】
コンピュータシステム700はまた、通信インターフェース724を含んでもよい。通信インターフェース724は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム700と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にする。通信インターフェース724は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット及びカードなどを含み得る。通信インターフェース724を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、これは、電子的信号、電磁気的信号、光学的信号、又は通信インターフェース724により受信されることができる他の信号であってもよい。これらの信号は、通信経路726を介して通信インターフェース724に提供されてもよい。通信経路726は、信号を搬送し、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、又は他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。
【0070】
本明細書では、「コンピュータプログラム媒体」又は「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、一般には、取り外し可能な記憶ユニット718、取り外し可能な記憶ユニット722、及びハードディスクドライブ712内にインストールされたハードディスクなどの媒体を指すために使用される。コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体はまた、メインメモリ708及び補助メモリ710などのメモリを指すこともあり、これは、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得る。
【0071】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ708及び/又は補助メモリ710内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース724を介して受信され得る。かかるコンピュータプログラムが実行されると、本明細書において考察される実施形態をコンピュータシステム700が実行することが可能になる。特に、コンピュータプログラムが実行されると、プロセッサデバイス704が、本明細書において考察される実施形態の処理を実行することが可能になる。したがって、かかるコンピュータプログラムは、コンピュータシステム700の制御装置を表す。実施形態がソフトウェアを使用して実行される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ714、インターフェース720、及びハードディスクドライブ712、又は通信インターフェース724を使用してコンピュータシステム700にロードされ得る。
【0072】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体上に記憶されたソフトウェアを含むコンピュータプログラム製品を対象とするものであり得る。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されると、データ処理デバイスに、本明細書で記載されたように動作させる。本発明の実施形態は、コンピュータ使用可能又は読み取り可能媒体を採用してもよい。コンピュータ使用可能媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、及び光学記憶デバイス、MEMS、ナノ技術記憶デバイスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0074】
特定の機能の実施及びそれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0075】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0076】
本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】