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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】アナモフィックレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/08 20060101AFI20221005BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G02B13/08
G02B13/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020545700
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2020101859
(87)【国際公開番号】W WO2022006925
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202010660653.8
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520325371
【氏名又は名称】グアンドン シルイ オプティカル カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520328811
【氏名又は名称】ツォンシャン アズ オプトエレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】マイ、ユー
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA03
2H087LA01
2H087LA28
2H087MA07
2H087PA09
2H087PA10
2H087PA16
2H087PA20
2H087PB13
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA19
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA07
2H087RA32
2H087RA44
(57)【要約】
本願は、物体側から像側へ順に設置された柱面レンズと球面レンズを備えるアナモフィックレンズを開示する。物体側から像側へ第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズは順に設置されており、前記第1レンズと前記第2レンズは負屈折力の柱面レンズであり、前記第3レンズは正屈折力の柱面レンズである。柱面レンズの光学特性を利用して、入射する水平光線を「圧縮」する一方、垂直方向の視野から入射する光線を一定に保持し、次に光線に対して総合的な収差補正を行うことで、水平視野角が33%向上し、それにより1.33Xアナモフィック撮影が実現され、また、本態様に係るレンズは、より小型化、軽量化を達成させるので、コストが下がり、ほとんどの一般的なユーザーのニーズを満たすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナモフィックレンズであって、
物体側から像側へ順に設置された柱面レンズ群と球面レンズ群を備え、前記柱面レンズ群は、順に第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズであり、前記第1レンズと前記第2レンズは負屈折力の柱面レンズであり、前記第3レンズは正屈折力の柱面レンズであり、前記球面レンズ群は、光路の像側へ向かう方向に順に設置された第4レンズ、...、第Nレンズを備え、Nが10以上の自然数であり、
前記柱面レンズ群及び前記球面レンズ群を構成する屈折力配分は、70mm<f(1-N)Y<80mm、50mm<f(1-N)X<62mm、1.20<f(1-N)Y/f(1-N)X<1.40の関係を満たし、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す、ことを特徴とするアナモフィックレンズ。
【請求項2】
前記第1レンズは前記アナモフィックレンズの前固定群であり、前記第2レンズ、前記第3レンズ...、前記第11レンズは前記アナモフィックレンズの内部合焦群であり、前記第12レンズ、前記第13レンズは前記アナモフィックレンズの後固定群であり、前記内部合焦群、前記前固定群及び前記後固定群の屈折力配分は、-1.45<f1X/(f1-13)X<-1.20、0.90<f(2-11)X/f(1-13)X<1.10、-1.10<f(12-13)X/f(1-13)X<-0.90であり、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す、ことを特徴とする請求項1に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項3】
前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第9レンズ及び前記第13レンズは負屈折力の球面レンズであり、前記第4レンズ、第5レンズ、前記第8レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズは正屈折力の球面レンズである、ことを特徴とする請求項2に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズと前記第3レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項5】
前記第5レンズと前記第6レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項6】
前記第7レンズと前記第8レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項7】
前記アナモフィックレンズの長さが120mm未満である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項8】
前記アナモフィックレンズの先端が口径67mmのフィルタとマッチングする、ことを特徴とする請求項7前記的アナモフィックレンズ。
【請求項9】
前記アナモフィックレンズは、Y方向の焦点距離が75mm、X方向の焦点距離が56.4mm、口径が1.8である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項10】
前記アナモフィックレンズの質量が700g未満である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、レンズの技術分野に関し、具体的には、焦点距離75mmのハーフサイズ大口径アナモフィックレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット技術の急速な発展に伴い、写真やビデオの撮影は一般消費者の生活に欠かせないものとなっている。近年、5Gなどの技術の普及により、Vlogなどのビデオの共有化が進み、携帯電話やカメラなどのツールを利用してショートフィルムやマイクロムービーを撮影する人が増えている。
ただし、現在、携帯電話、タブレット、カメラなどの市販機器の一般的な撮影比率は16:9であるが、映画のようなワイドスクリーンのビデオの比率は2.4:1である。また、優れたマイクロフィルムやビデオを撮影するために、異なる焦点距離のレンズを組み合わせて使用する必要があり、特に人物をクローズアップして撮影する場合は、中望遠アナモルフィックレンズが必要である。
【0003】
プロの映画撮影用アナモフィックレンズのブランドには、たとえば、ドイツのホーク(Hawk)、イギリスのコーク(Cooke)、ドイツのアーリ(ARRI)、アメリカのパナビソン(Panavison)、フランスのアンジェニュー(Angenieux)や香港のSLRがあり、上記アナモフィックレンズは、通常、プロレベルの顧客向けであり、高価であるだけでなく、サイズや重量のため、簡便に持ち運ぶことができない。
【0004】
高価で重量の大きいプロのアナモルフィックレンズは、一般的なユーザーには適していない。したがって、ビデオ撮影時に非常に重要な中望遠大口径アナモフィックレンズをいかに小型化・軽量化するかは、現在解決すべき技術的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本願が解決しようとする技術的課題は、質量が大きく高価であるため、一般的なユーザーには適していないという従来技術によるプロ向けの中望遠大口径アナモフィックレンズの欠陥を解決して、アナモフィックレンズを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明はアナモフィックレンズを提供し、
前記アナモフィックレンズは、
物体側から像側へ順に設置された柱面レンズ群と球面レンズ群を備え、前記柱面レンズ群は、順に第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズであり、前記第1レンズと前記第2レンズは負屈折力の柱面レンズであり、前記第3レンズは正屈折力の柱面レンズであり、前記球面レンズ群は、光路の像側へ向かう方向に順に設置された第4レンズ、...、第Nレンズを備え、Nが10以上の自然数であり、
前記柱面レンズ群及び前記球面レンズ群を構成する屈折力配分は、70mm<f(1-N)Y<80mm、50mm<f(1-N)X<62mm、1.20<f(1-N)Y/f(1-N)X<1.40の関係を満たし、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す。
【0007】
さらに、前記第1レンズは前記アナモフィックレンズの前固定群であり、前記第2レンズ、前記第3レンズ...、前記第11レンズは前記アナモフィックレンズの内部合焦群であり、前記第12レンズ、前記第13レンズは前記アナモフィックレンズの後固定群であり、前記内部合焦群、前記前固定群及び前記後固定群の屈折力配分は、-1.45<f1X/(f1-13)X<-1.20、0.90<f(2-11)X/f(1-13)X<1.10、-1.10<f(12-13)X/f(1-13)X<-0.90であり、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す。
【0008】
さらに、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第9レンズ及び前記第13レンズは負屈折力の球面レンズであり、前記第4レンズ、第5レンズ、前記第8レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズは正屈折力の球面レンズである。
【0009】
さらに、前記第2レンズと前記第3レンズは一体に粘着されている。
【0010】
さらに、前記第5レンズと前記第6レンズは一体に粘着されている。
【0011】
さらに、前記第7レンズと前記第8レンズは一体に粘着されている。
【0012】
さらに、前記アナモフィックレンズの長さが120mm未満である。
【0013】
さらに、前記アナモフィックレンズの先端が口径67mmのフィルタとマッチングする。
【0014】
さらに、前記アナモフィックレンズは、Y方向の焦点距離が75mm、X方向の焦点距離が56.4mm、口径が1.8である。
【0015】
さらに、前記アナモフィックレンズの質量が700g未満である。
【発明の効果】
【0016】
本願の技術案は、以下の利点を有する。
1.本願によるアナモフィックレンズは、全体として設計する方法によって、3枚の柱面レンズと少なくとも7枚の球面レンズの屈折力を配分し、全体の収差を補正することで、レンズが水平に撮影するときの視野を増大し、実際に撮影した画面の幅を大きくし、後続の編集を必要としないため、画素を保持しながらワイドスクリーンビデオ又は写真を取得することができる。
2.本願によるアナモフィックレンズでは、アナモフィックレンズを前固定群、内部合焦群及び後固定群として設定し、内部合焦設計を採用しており、内部合焦群がレンズの内部を移動することにより、レンズは様々な被写体距離にピントを合わせることができる。
3.本願によるアナモフィックレンズは、柱面と球面を一体化させたコンパクトな設計を採用することで、大口径1.8を実現しながら軽量化を実現し、レンズの長さは120mm未満であり、レンズの先端は外径67mmのフィルタとマッチングし、レンズの質量は700g未満である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願の特定の実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、特定の実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下説明する図面は本願のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0018】
図1図1は本願の第1実施例に係るアナモフィックレンズのX方向における光学構造図である。
図2図2は本願の第1実施例に係るアナモフィックレンズのY方向における光学構造図である。
図3図3は本願の第2実施例に係るアナモフィックレンズのX方向における光学構造図である。
図4図4は本願の第2実施例に係るアナモフィックレンズのY方向における光学構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本願の技術案を明確かつ完全に説明するが、もちろん、説明する実施例は、本願の実施例の一部であり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、創造的な努力を必要とせずに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本願の特許範囲内にあるものとする。
【0020】
なお、本願の説明では、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語により示されている方位又は位置関係は、図面に示されている方位又は位置関係に基づいており、本願を簡便に説明し、説明を簡素化させるために過ぎず、かかる装置又は素子が特定の方位を有したり、特定の方位で構造又は操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、本願の制限として理解できない。さらに、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、説明の目的でのみ使用されており、相対的な重要性を示す、又は示唆するものとして理解することはできない。
【0021】
本願の説明では、特に規定及び限定がない限り、「取り付ける」、「連結」及び「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、たとえば、固定して接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、一体的に接続してもよく、また、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、さらに、直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つのコンポーネント間の内部が連通してもよい。当業者であれば、本願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
さらに、以下に説明する本願の各実施形態における技術的特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0023】
実施例1
図1及び図2に示すように、本実施例に係るアナモフィックレンズは、具体的には、焦点距離75mmのハーフサイズ中望遠大口径アナモフィックレンズであり、該アナモフィックレンズは、13枚のレンズが光路において物体側から像側へ配列されてなるものであり、この13枚のレンズは、それぞれ第1レンズ1、第2レンズ2、第3レンズ3、第4レンズ4、第5レンズ5、第6レンズ6、第7レンズ7、第8レンズ8、第9レンズ9、第10レンズ10、第11レンズ11、第12レンズ12及び第13レンズ13である。
【0024】
その中でも、第1レンズ1、第2レンズ2、第3レンズ3という3枚のレンズは柱面レンズであり、第2レンズ2と第3レンズ3は一体に粘着されている。第4レンズ4、第5レンズ5、第6レンズ6、第7レンズ7、第8レンズ8、第9レンズ9、第10レンズ10、第11レンズ11、第12レンズ12及び第13レンズ13はすべて球面レンズである。
【0025】
具体的には、本実施例における第1レンズ1は負屈折力の柱面レンズであり、第2レンズ2は負屈折力の柱面レンズであり、第3レンズ3は正屈折力の柱面レンズである。第6レンズ6、第7レンズ7、第9レンズ9、第13レンズ13はすべて負屈折力の球面レンズであり、第4レンズ4、第5レンズ5、第8レンズ8、第10レンズ10、第11レンズ11、第12レンズ12はすべて正屈折力の球面レンズである。その中でも、第5レンズ5と第6レンズ6は一体に粘着され、第7レンズ7と第8レンズ8は一体に粘着され、第9レンズ9と第10レンズ10は一体に粘着されている。
【0026】
一体に粘着されているレンズは全体として取り扱うため、本実施例のアナモフィックレンズは、合計9群となる13枚のレンズからなる。第2レンズ2と第3レンズ3、第5レンズ5と第6レンズ6、第7レンズ7と第8レンズ8、第9レンズ9と第10レンズ10の結合方式について特に限制がなく、本実施例では、結合方式として、粘着が使用されている。代替の実施形態として、本願と区別するために、本願の構想に基づいて、上記結合方式を、たとえば貼り合せ、一体成形などの結合方式に変更し、さらに結合後のレンズの形状を必要に応じて変更したものも、本願の特許範囲に属すべきである。
【0027】
各レンズの実際のパラメータの具体的な値については、特に制限がなく、本実施例では、各レンズ又はレンズ群の屈折力は、すべて以下の数学的関係を満たす。
70mm<f(1-12)Y<80mm
50mm<f(1-12)X<62mm
1.20<f(1-12)Y/f(1-12)X<1.40
-1.45<f1X/(f1-13)X<-1.20
0.90<f(2-11)X/f(1-13)X<1.10
-1.10<f(12-13)X/f(1-13)X<-0.90。
【0028】
前記第1レンズの曲率方向はX方向であり、Y方向はXに垂直な方向であり、X方向と90度をなす。f(1-13)Yは該レンズ1からレンズ13までのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-13)Xは該レンズ1からレンズ13までのX方向における合成光学焦点距離を表す。
【0029】
さらに、上記アナモフィックレンズによれば、75mmの焦点距離を実現するとともに、全体として設計する方法によって、3枚の柱面レンズと少なくとも7枚の球面レンズの屈折力を配分し、全体の収差を補正することで、レンズが水平に撮影するときの視野を増大し、実際に撮影した画面の幅を大きくし、後続の編集を必要としないため、画素を保持しながらワイドスクリーンビデオ又は写真を取得することができる。
【0030】
上記数学的関係を満たす本実施例の各レンズの実際のパラメータは以下に示される。
【0031】
第1~第3レンズは柱面レンズであり、第4~第13レンズは球面レンズである。
【0032】
本実施例のアナモフィックレンズが使用される前に、焦点距離75mm、口径1.8のレンズの視野角は、V(垂直)12.16°、H(水平)18.46°である。
【0033】
本実施例のアナモフィックレンズを用いると、焦点距離75mm、口径1.8のレンズの視野角は、V(垂直)12.16°、H(水平)24.70°である。
【0034】
視野角を測定して比較したところ、垂直方向における視野角には変わりがなく、水平方向における視野角のアナモフィック比は24.70/18.46=1.338である。
【0035】
実際のアスペクト比が2.35~2.40の範囲であるため、アナモフィック比は1.33であり、即ち、水平視野角は33%向上し、それによって、1.33Xアナモフィック撮影が実現される。
【0036】
上記表から分かるように、本実施例のアナモフィックレンズを作製する際に、アナモフィックレンズは、自体の長さが120mm未満であり、外径67mmの一般仕様のフィルタとマッチングすることができ、質量が700g未満であり、同様式の市販の映画撮影用プロアナモフィックレンズよりも遥かに小さく、アナモフィックレンズのサイズが大幅に減少する。
【0037】
各レンズの製造材料について特に限制がなく、本実施例では、各レンズは光学ガラスで製造される。
【0038】
本願のレンズは、実際の使用要件に応じて、さまざまなブランドの市販カメラのバヨネットと互換性があるように設計でき、それによって、パーソナライズされたカスタマイズや汎用性を実現できる。
【0039】
実施例2
図3及び図4に示すように、本実施例は、焦点距離75mmのハーフサイズアナモフィックレンズを提供し、実施例1に比べて、第5レンズ5と第6レンズ6を粘着したレンズを、1つの正の球面レンズと1つの負の球面レンズに変更した点が異なるが、同様に本願の技術的効果を実現することができ、ここで詳しく説明しない。
【0040】
本実施例では、実施例1、実施例2に基づいて、単一の正のレンズ又は負のレンズを分割する場合は、分割したレンズ群の屈折力配分が従来の技術案の範囲であれば、実質的な進歩がないものとして取り扱う。
【0041】
ここにすべての実施形態をリストする必要はなく、また不可能なことである。これらに由来する明らかな変化又は変更は、本発明の特許範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0042】
1、第1レンズ
2、第2レンズ
3、第3レンズ
4、第4レンズ
5、第5レンズ
6、第6レンズ
7、第7レンズ
8、第8レンズ
9、第9レンズ
10、第10レンズ
11、第11レンズ
12、第12レンズ
13、第13レンズ
14、前固定群
15、内部合焦群
16、後固定群
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2020-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナモフィックレンズであって、
物体側から像側へ順に設置された柱面レンズ群と球面レンズ群を備え、前記柱面レンズ群は、順に第1レンズ、第2レンズ及び第3レンズであり、前記第1レンズと前記第2レンズは負屈折力の柱面レンズであり、前記第3レンズは正屈折力の柱面レンズであり、前記球面レンズ群は、光路の像側へ向かう方向に順に設置された第4レンズ、...、第Nレンズを備え、Nが10以上の自然数であり、
前記柱面レンズ群及び前記球面レンズ群を構成する屈折力配分は、70mm<f(1-N)Y<80mm、50mm<f(1-N)X<62mm、1.20<f(1-N)Y/f(1-N)X<1.40の関係を満たし、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す、ことを特徴とするアナモフィックレンズ。
【請求項2】
前記第1レンズは前記アナモフィックレンズの前固定群であり、前記第2レンズ、前記第3レンズ...、第11レンズは前記アナモフィックレンズの内部合焦群であり、第12レンズ、第13レンズは前記アナモフィックレンズの後固定群であり、前記内部合焦群、前記前固定群及び前記後固定群の屈折力配分は、-1.45<f1X/(f1-13)X<-1.20、0.90<f(2-11)X/f(1-13)X<1.10、-1.10<f(12-13)X/f(1-13)X<-0.90であり、
前記第1レンズの曲率方向がX方向とし、Y方向がXに垂直な方向であり、f(1-N)Yは該第1レンズから第NレンズまでのY方向における合成光学焦点距離を表し、f(1-N)Xは該第1レンズから第NレンズまでのX方向における合成光学焦点距離を表す、ことを特徴とする請求項1に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項3】
6レンズ、第7レンズ、第9レンズ及び第13レンズは負屈折力の球面レンズであり、前記第4レンズ、第5レンズ、第8レンズ、第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズは正屈折力の球面レンズである、ことを特徴とする請求項2に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項4】
前記第2レンズと前記第3レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項5】
5レンズと第6レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項6】
7レンズと第8レンズは一体に粘着されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項7】
前記アナモフィックレンズの長さが120mm未満である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項8】
前記アナモフィックレンズの先端が口径67mmのフィルタとマッチングする、ことを特徴とする請求項7前記的アナモフィックレンズ。
【請求項9】
前記アナモフィックレンズは、Y方向の焦点距離が75mm、X方向の焦点距離が56.4mm、口径が1.8である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【請求項10】
前記アナモフィックレンズの質量が700g未満である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアナモフィックレンズ。
【国際調査報告】