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特表2022-543512土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 13/00 20060101AFI20221005BHJP
   A01B 49/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A01G13/00 303
A01B49/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545957
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 KR2020009572
(87)【国際公開番号】W WO2022014763
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0088696
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345475
【氏名又は名称】グリーン アンド シード コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン-チン
【テーマコード(参考)】
2B024
2B034
【Fターム(参考)】
2B024CB05
2B024CB07
2B034JA06
2B034JA14
2B034JA16
2B034JA19
(57)【要約】
土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置を提供する。乗用被覆機、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に設けられる覆土マルチング装置において、農機械の後端に備えられ、飛散部フレームと、飛散部フレームの下端側に備えられて底面の土を飛散させる飛散ユニットと、を有する土飛散部;土飛散部の後端側に連結される鋪設部フレームと、マルチングフィルムが巻き取られ、底面にマルチングフィルムを広げるマルチングフィルム据置部と、を有するマルチングフィルム鋪設部;マルチングフィルム据置部の上部に位置して、土飛散部によって飛散された土を後側に移送させて、マルチングフィルムの上面に鋪設するようにガイドする揺動板と、揺動板を揺動させて、揺動板の上部に土壁の形成を防止する揺動手段を有する土揺動部;を含むことを特徴とする土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用被覆機、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に設けられる覆土マルチング装置において、
前記農機械の後端に備えられ、飛散部フレームと、前記飛散部フレームの下端側に備えられて底面の土を飛散させる飛散ユニットと、を有する土飛散部と、
前記土飛散部の後端側に連結される鋪設部フレームと、マルチングフィルムが巻き取られ、前記底面に前記マルチングフィルムを広げるマルチングフィルム据置部と、を有するマルチングフィルム鋪設部と、
前記マルチングフィルム据置部の上部に位置して、前記土飛散部によって飛散された土を後側に移送させて、前記マルチングフィルムの上面に鋪設するようにガイドする揺動板と、
前記揺動板を揺動させて、前記揺動板の上部に土壁の形成を防止する揺動手段を有する土揺動部と、
を含むことを特徴とする、土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【請求項2】
前記マルチングフィルムの下部に、水、種子、肥料、農薬及び点滴ホースのうち少なくとも何れか1つを供給するための少なくとも1つの供給管をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【請求項3】
前記飛散ユニットは、土を飛散させる飛散ブレードと、第1駆動部を有するギアボックスと、前記第1駆動部の駆動力を前記飛散ブレードに伝達させる第1動力伝達部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【請求項4】
前記揺動手段は、揺動動力伝達部によって回転する揺動軸と、前記揺動軸上に設けられるカム部材と、を含み、
前記揺動板の下端面が前記カム部材の外面と接触されて、前記カム部材の回転によって、前記カム部材の外面形状によって前記揺動板が揺動されることを特徴とする、請求項1に記載の土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【請求項5】
前記揺動手段は、前記揺動板の下端面に結合されるブラケットにヒンジ連結されるローラーをさらに含み、前記カム部材の外面は、前記ローラーの外面と接触されて回転し、
前記鋪設部フレームに結合される往復運動ガイドと、前記揺動板の上端一側に結合され、前記往復運動ガイドによって前記揺動板の往復運動をガイドする往復運動シャフトと、をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【請求項6】
前記揺動動力伝達部は、第2駆動部によって回動される駆動軸と、前記駆動軸の動力を前記揺動軸に伝達する第2動力伝達部材と、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置に係り、より詳細には、水分を含有して粘着性が高い土質でも土が詰まりなしにフィルム全面を覆ってフィルムを地面に密着させるマルチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、育苗・移秧農法は、種を直接農地に播種する直播に比べて一定であり、比較的高い収穫が可能であって、稲作を含んだ多くの農事に適用されており、特に、稲作は、育苗・移秧方式が90%以上採択されている。
【0003】
しかし、育苗・移秧作業は、人手が多く必要であって、高齢化が進む農村現実では次第に難しくなっており、育苗・移秧が必要ない直播に対する必要性が急増している。また、マルチングフィルム(Mulching Film)は、除草、保温及び保湿機能を提供して良質の農産品の生産を多収穫しようとする農民の立場では欠かすことができない農資材になった。
【0004】
現在のように労働力の問題が深刻化する農村現実に照らして、育苗・移秧段階を直播に代替すると共に、マルチングフィルムの鋪設が可能であれば、相当な労働力を節減することができるという着想からマルチングフィルムに種を付着した種フィルム(Mulching Film with Seed)の使用が次第に増えており、種フィルムを鋪設するための装備の必要性も高まっている。
【0005】
先行技術の特許登録第10-1254462号は、「乗用鋪設装置、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に設けられる種フィルム鋪設装置において、前記農機械の後端に備えられるフレーム;種フィルムが巻き取られ、前記フレームの上端側に設けられる種フィルム据置部;前記フレームの下端側に備えられ、長手方向が田の底面の平面方向と平行であり、種フィルムが鋪設される田の底面を均平に整える均平板;前記均平板と特定間隔離隔して前記均平板の後側に備えられて、前記種フィルム据置部の回転によって田の底面に開かれた前記種フィルムを加圧する種フィルム加圧部;及び前記種フィルム加圧部と特定間隔離隔して前記種フィルム加圧部の後側に備えられて、加圧された前記種フィルムの両先端を加圧して固定させる車輪形態の種フィルム固定部;を含み、前記均平板は、後側に凹状に湾曲した形成を有し、前記均平板を前記均平板の長手方向軸を基準に回転させる調節手段、前記田の底面の高低及び強度を感知するセンサー及び前記センサーによって感知されたデータに基づいて、前記調節手段を制御する制御部をさらに含むことを特徴とする種フィルム鋪設装置」を記載している。
【0006】
また、先行技術の特許登録第10-1227810号は、「乗用鋪設装置、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に備えられるフレームと、生分解種フィルムが巻き取られ、前記フレームの上端側に設けられる種フィルム据置部と、前記フレームの下端側に備えられ、長手方向が農地の底面の平面方向と平行であり、種フィルムが鋪設される農地の底面を均平に整える均平板と、前記均平板と特定間隔離隔して前記均平板の後側に備えられて、前記種フィルム据置部の回転によって農地の底面に開かれた前記種フィルムを加圧する種フィルム加圧部と、前記種フィルム加圧部と特定間隔離隔して前記種フィルム加圧部の後側に備えられて、加圧された前記種フィルムの両先端を加圧して固定させる車輪形態の種フィルム固定部と、を含む種フィルム鋪設装置において、前記フレームを移秧機の後端と一体に固定させる連結フレーム;及び農地の底面に開かれた前記種フィルム内部の種と一定距離離隔した位置の農地の底面に施肥をまいて、種の成長と活着とを良好に助ける側条施肥機;をさらに含む改良された種フィルム専用鋪設装置」を記載している。
【0007】
そして、先行技術の特許登録第10-1442965号は、「乗用被覆機、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に設けられる種フィルム鋪設装置において、前記農機械の後端に備えられるフレーム;種フィルムが巻き取られ、前記フレームの上端側に設けられる種フィルム据置部;前記フレームの下端側に備えられ、長手方向が田の底面の平面方向と平行であり、種フィルムが鋪設される田の底面を均平に整える均平板;前記均平板と特定間隔離隔して前記均平板の後側に備えられて、前記種フィルム据置部の回転によって田の底面に開かれた前記種フィルムを加圧する種フィルム加圧部;前記種フィルム加圧部と特定間隔離隔して前記種フィルム加圧部の後側に備えられて、加圧された前記種フィルムの両先端を加圧して固定させる車輪形態の種フィルム固定部;前記種フィルム固定部と前記種フィルム加圧部との間に備えられて、前記種フィルムを切断する切断部;前記切断部と前記種フィルム加圧部との間に備えられて、前記農機械の方向転換が必要な場合、前記農機械の方向転換駆動の直前と直後とに前記種フィルムを取るピンセット部;前記農機械の前端の両側に備えられて、前記種フィルムが鋪設される田の底面を加圧して、前記種フィルムが鋪設された位置を前記田の底面に表示するガイド部材;及び前記均平板は後側に凹状に湾曲した形成を有し、前記均平板を前記均平板の長手方向軸を基準に回転させる調節手段、前記田の底面の高低及び強度を感知するセンサー及び前記センサーによって感知されたデータに基づいて、前記調節手段を制御する制御部;を含むことを特徴とする自動化機能を有する種フィルム鋪設装置」を記載している。
【0008】
先行技術から見るように、マルチングフィルムは、その特性上、容易に風で剥がれるので、マルチング時に、土で覆土してフィルムを地面に固定させなければならないが、手作業は多くの労働力を必要としてトラクターの動力と農用ロータリーとを土飛散部として活用して土を覆土しようとする多くの試みがあった。図1は、従来の土飛散部を有する覆土マルチング装置の側面構成図を図示したものである。
【0009】
構造的に土を飛散させる農用ロータリーの耕運ブレードの位置がロール形態のマルチングフィルムよりも下に位置するので、飛散される土によってマルチングフィルムが破損されて、マルチングフィルムを保護するために、マルチングフィルム保護カバーを置かなければならない。これにより、飛散される土は、マルチングフィルム保護カバー上に放物線を描きながら越えてマルチングフィルム上に到達することができる。
【0010】
図2ないし図5は、従来の土飛散部のみを有する覆土マルチング装置の場合、土壁が形成される問題現象を示す模式図を図示したものである。
【0011】
図2ないし図5に示したように、飛散された土のうち、多量がマルチングフィルム保護カバーに落ちて積もって壁を形成するので、これ以上の飛散土の放物線がマルチングフィルム保護カバー上を通過することができない土壁を形成するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記のような従来の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の実施形態によれば、耕運ロータリーブレードによって飛散された土がマルチングフィルム保護カバー上に積もって飛散経路を塞ぐことを防止するために、マルチングフィルム保護カバーに積もった土を周期的に強い揺れで打ち落として耕運ロータリーブレードによって飛散された土が詰まることなしに放物線を描きながらマルチングフィルム上に到達されるようにカム機能を備えたトラクター用フィルム鋪設装置及びその装置の作動方法を提供するところにその目的がある。
【0013】
一方、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及していないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、乗用被覆機、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械の後端に設けられる覆土マルチング装置において、前記農機械の後端に備えられ、飛散部フレームと、前記飛散部フレームの下端側に備えられて底面の土を飛散させる飛散ユニットと、を有する土飛散部;前記土飛散部の後端側に連結される鋪設部フレームと、マルチングフィルムが巻き取られ、前記底面に前記マルチングフィルムを広げるマルチングフィルム据置部と、を有するマルチングフィルム鋪設部;前記マルチングフィルム据置部の上部に位置して、前記土飛散部によって飛散された土を後側に移送させて、前記マルチングフィルムの上面に鋪設するようにガイドする揺動板;及び前記揺動板を揺動させて、前記揺動板の上部に土壁の形成を防止する揺動手段を有する土揺動部;を含むことを特徴とする土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置として達成される。
【0015】
そして、前記マルチングフィルムの下部に、水、種子、肥料、農薬及び点滴ホースのうち少なくとも何れか1つを供給するための少なくとも1つの供給管をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記飛散ユニットは、土を飛散させる飛散ブレードと、第1駆動部を有するギアボックスと、前記第1駆動部の駆動力を前記飛散ブレードに伝達させる第1動力伝達部材と、を含むことを特徴とする。
【0017】
そして、前記揺動手段は、揺動動力伝達部によって回転する揺動軸と、前記揺動軸上に設けられるカム部材と、を含み、前記揺動板の下端面が前記カム部材の外面と接触されて、前記カム部材の回転によって、前記カム部材の外面形状によって前記揺動板が揺動されることを特徴とする。
【0018】
また、前記揺動手段は、前記揺動板の下端面に結合されるブラケットにヒンジ連結されるローラーをさらに含み、前記カム部材の外面は、前記ローラーの外面と接触されて回転し、前記鋪設部フレームに結合される往復運動ガイドと、前記揺動板の上端一側に結合され、前記往復運動ガイドによって前記揺動板の往復運動をガイドする往復運動シャフトと、をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
そして、前記揺動動力伝達部は、第2駆動部によって回動される駆動軸と、前記駆動軸の動力を前記揺動軸に伝達する第2動力伝達部材と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によるカム機能を備えたトラクター用フィルム鋪設装置及びその装置の作動方法によれば、耕運ロータリーブレードによって飛散された土がマルチングフィルム保護カバー上に積もって飛散経路を塞ぐことを防止するために、マルチングフィルム保護カバーに積もった土を周期的に強い揺れで打ち落として耕運ロータリーブレードによって飛散された土が詰まることなしに放物線を描きながらマルチングフィルム上に到達させうる。
【0021】
一方、本発明から得られる効果は、前述した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術的思想をさらに理解させる役割を行うものなので、本発明は、そのような図面に記載の事項のみに限定されて解釈されてはならない。
図1】従来の土飛散部を有する覆土マルチング装置の側面構成図である。
図2】従来の土飛散部のみを有する覆土マルチング装置の場合、土壁が形成される問題現象を示す模式図である。
図3】従来の土飛散部のみを有する覆土マルチング装置の場合、土壁が形成される問題現象を示す模式図である。
図4】従来の土飛散部のみを有する覆土マルチング装置の場合、土壁が形成される問題現象を示す模式図である。
図5】従来の土飛散部のみを有する覆土マルチング装置の場合、土壁が形成される問題現象を示す模式図である。
図6】本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置の側面構成図である。
図7】本発明の実施形態による土飛散部側の側面構成図である。
図8】本発明の実施形態によるマルチングフィルム鋪設部の後方保護カバーとマルチングフィルム据置部との側面構成図である。
図9】本発明の実施形態による揺動板の側面図である。
図10】本発明の実施形態による土揺動部の側面構成図である。
図11】本発明の実施形態による揺動手段の側面構成図である。
図12】本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置による土詰まり防止の作動方法を模式的に示した図面である。
図13】本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置による土詰まり防止の作動方法を模式的に示した図面である。
図14】本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置による土詰まり防止の作動方法を模式的に示した図面である。
図15】本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置による土詰まり防止の作動方法を模式的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置の構成、機能及び作動方法について説明する。
【0024】
まず、図6は、本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置の側面構成図を図示したものである。
【0025】
図6に示したように、本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置100は、乗用被覆機、移秧機、トラクター、耕運機または管理機のような農機械1の後端に設けられる。
【0026】
このような本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置100は、全体として土飛散部10と、マルチングフィルム鋪設部30と、土揺動部50と供給管40と、を含んで構成される。
【0027】
本発明の実施形態による土飛散部10は、農機械1の後端に備えられ、飛散部フレーム11と、飛散部フレーム11の下端側に備えられて田の底面の土を飛散させる飛散ユニット20と、を含んで構成される。
【0028】
図7は、本発明の実施形態による土飛散部側の側面構成図を図示したものである。図7に示したように、本発明の実施形態による飛散ユニット20は、土を飛散させる飛散ブレード21と、第1駆動部22を有するギアボックス23と、第1駆動部22の駆動力を飛散ブレード21に伝達させる第1動力伝達部材24と、を含んで構成されることが分かる。
【0029】
すなわち、土飛散部10は、農機械1の後端に連結される3点リンクと飛散部フレーム11、PTO動力を受けるギアボックス23と、飛散ブレード21、そして、ギアボックス23と飛散ブレード21とを連結する第1動力伝達部材24と、を含んで構成される。
このようなギアボックス23と飛散ブレード21とを連結する第1動力伝達部材24は、垂直ではない傾斜して設けられ、その傾斜角度は、約20~60°程度が望ましい。
【0030】
そして、本発明の実施形態によるマルチングフィルム鋪設部30は、土飛散部10の後端側に連結される鋪設部フレーム31と、マルチングフィルム2が巻き取られ、田の底面にマルチングフィルム2を広げるマルチングフィルム据置部32と、を含んで構成される。
【0031】
図8は、本発明の実施形態によるマルチングフィルム鋪設部の後方保護カバーとマルチングフィルム据置部との側面構成図を図示したものである。
【0032】
図8に示したように、マルチングフィルム据置部32には、マルチングフィルム2が巻き取られ、マルチングフィルム据置部32が回転しながら巻き取られたマルチングフィルム2が田の底面に開かれ、土飛散部10によって飛散された土が覆土される。また、このようなマルチングフィルム据置部32の前側には、フィルム保護後方カバー33が設けられる。
【0033】
また、図6に示したように、本発明の実施形態による覆土マルチング装置100には、少なくとも1つ以上の供給管40が設けられるということが分かる。
【0034】
このような供給管40を通じて、マルチングフィルム2の下部に、水、種子、肥料、農薬及び点滴ホースのうち少なくとも何れか1つを供給させうる。
【0035】
そして、本発明の実施形態による土揺動部50は、マルチングフィルム据置部32の上部に位置して土飛散部10によって飛散された土を後側に移送させて、マルチングフィルム2の上面に鋪設するようにガイドする揺動板60と、このような揺動板60を揺動させて揺動板60の上部に土壁の形成を防止する揺動手段70と、このような揺動手段70に動力を伝達するための揺動動力伝達部80と、を含んで構成される。
【0036】
図9は、本発明の実施形態による揺動板の側面図を図示したものである。そして、図10は、本発明の実施形態による土揺動部の側面構成図を図示したものである。また、図11は、本発明の実施形態による揺動手段の側面構成図を図示したものである。
【0037】
本発明の実施形態による揺動板60は、図9に示したように、側面を基準に上部に尖った形を有し、尖鋭部を基準に後側に傾斜した後方傾斜板61と、前側に傾斜した前方傾斜板62と、を含んで構成されることが分かる。したがって、飛散された土は、後方傾斜板61から流れて開かれたマルチングフィルム2を覆土する。
【0038】
また、本発明の実施形態によれば、土揺動部50によって、このような揺動板60を振動、揺れ、揺動させることにより、土壁が形成されて覆土が中断されるという従来の問題点を解決させうる。
【0039】
本発明の実施形態による揺動手段70は、図6及び図10に示したように、揺動動力伝達部80によって回転する揺動軸71と、このような揺動軸71上に設けられるカム部材72と、を含むということが分かる。このようなカム部材72の形状は、確動カム、球面カム、円錐カムなど多様な形態が可能であり、回転中心軸を基準に直径が変化する形態であれば、その具体的な形態は制限されるものではない。
【0040】
また、揺動板60の下端面に結合されるブラケット74にヒンジ連結されるローラー73を含み、カム部材72の外面は、ローラー73の外面と接触されて回転する。
したがって、ローラー73の外面がカム部材72の外面と接触されてカム部材72の回転によってカム部材72の外面形状によって揺動板60が揺動して、土詰まり現象を防止させうる。
【0041】
また、揺動動力伝達部80は、図6図11に示したように、第2駆動部によって回動される駆動軸81と、このような駆動軸81の動力を揺動軸71に伝達する第2動力伝達部材82と、を含んで構成されるということが分かる。
【0042】
そして、揺動手段70は、図6及び図10に示したように、鋪設部フレーム31に結合される往復運動ガイド34と、揺動板60の上端一側に結合され、往復運動ガイド34によって揺動板60の往復運動をガイドする往復運動シャフト63と、を含んで構成されるということが分かる。
【0043】
したがって、鋪設部フレーム31に結合される往復運動ガイド34内で、揺動板60に結合された往復運動シャフト63が移動するので、揺動板60が設定された往復経路上から離脱されず、揺動される。
【0044】
図12ないし図15は、本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置による土詰まり防止の作動方法を模式的に示したものである。
【0045】
図12ないし図15に示したように、本発明の実施形態による土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置100の作動によれば、揺動手段70のカム部材72が回転することによって揺動板60が上下に継続的に揺動駆動されることによって、揺動板60の上部での土詰まり現象を防止させうるということが分かる。
【符号の説明】
【0046】
1:農機械
2:マルチングフィルム
10:土飛散部
11:飛散部フレーム
20:飛散ユニット
21:飛散ブレード
22:第1駆動部
23:ギアボックス
24:第1動力伝達部材
30:マルチングフィルム鋪設部
31:鋪設部フレーム
32:マルチングフィルム据置部
33:後方保護カバー
34:往復運動ガイド
40:供給管
50:土揺動部
60:揺動板
61:後方傾斜板
62:前方傾斜板
63:往復運動シャフト
70:揺動手段
71:揺動軸
72:カム部材
73:ローラー
74:ブラケット
80:揺動動力伝達部
81:駆動軸
82:第2動力伝達部材
100:土詰まり防止機能を備えた覆土マルチング装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】