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特表2022-543528無線通信システムにおいて受信感度を向上させるシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて受信感度を向上させるシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/01 20060101AFI20221005BHJP
   H04L 27/38 20060101ALI20221005BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20221005BHJP
   H04B 17/24 20150101ALI20221005BHJP
【FI】
H04L27/01
H04L27/38
H04L27/26 410
H04B17/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021575516
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020070154
(87)【国際公開番号】W WO2020257822
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】16/445,970
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Altiostar Networks, Inc.
【住所又は居所原語表記】200 Ames Pond Drive, Tewksbury, MA 01876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパル,スリラム
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン,ビノト
(72)【発明者】
【氏名】ムラリダラ,ベンカテシュ ハンパサンドラ
(57)【要約】
無線通信システムにおいて信号の受信を向上させるための方法、装置、及びコンピュータプログラム製品が開示される。複数のシンボルを含むフレームを含む信号が、アップリンク通信チャネルで受信される。シンボルのコンスタレーションにおける複数のシンボル中の少なくとも1つのシンボルの角度位置が検出される。前記複数のシンボルは、等化されたシンボルを含む。受信したフレームに対応する予想される参照シンボルに対応する複数のシンボルのコンステレーションにおいて、検出されたシンボルの角度位置と、予想される基準角度位置との間の位相誤差に相当する角度差が判定される。判定された位相誤差を使用して、シンボルの位相が補償される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける信号の受信を向上させるためのコンピュータに実装される方法であって、
アップリンク通信チャネル上で複数のシンボルを含むフレームを含む信号を受信するステップと、
複数のシンボルのコンスタレーションにおいて前記複数のシンボル中の少なくとも1つのシンボルの角度位置を検出するステップであって、前記複数のシンボルは、等化されたシンボルを含むステップと、
前記受信したフレームに対応する予想される参照シンボルに対応する複数のシンボルのコンステレーションにおいて、前記少なくとも1つのシンボルの検出された角度位置と予想される基準角度位置との間の位相誤差に対応する角度差を判定するステップと、
前記判定された位相誤差を使用して、前記少なくとも1つのシンボルの位相を補償するステップと、
を含む、コンピュータに実装される方法。
【請求項2】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する基地局によって実行され、
前記基地局は、無線送信機及び無線受信機をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アップリンク通信チャネルは、前記基地局と前記少なくとも1つのユーザ機器との間に確立される、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップとのうちの少なくとも1つは、前記基地局のレイヤ1にある1つ又は複数の構成要素によって実行される、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記受信された信号(受信信号)の復号のために、前記少なくとも1つのシンボルの補償された位相情報を前記基地局のレイヤ2の1つ又は複数の構成要素に提供するステップをさらに含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記受信するステップは、前記受信信号を復調して、等化された受信信号を生成するステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記コンステレーション内の各シンボルに対して、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップとを繰り返すステップと、
前記繰り返しに基づいて累積角度差を生成するステップと、
前記累積角度差を基地局のレイヤ2における1つ以上の構成要素に提供するステップとをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アップリンク通信チャネル上で、複数の別のシンボルを含む別のフレームを含む別の信号を受信するステップと、
前記基地局のレイヤ1における1つ以上の構成要素を用いて、前記生成された累積角度差を用いて前記複数の別のシンボルにおける少なくとも別のシンボルを補償することとをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも別のシンボルは、前記予想される参照シンボルに隣接する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記生成された累積角度差を、前記アップリンク通信チャネルの変動に基づいて調整するステップと、
前記複数の別のシンボルにおける残りのシンボルについて、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップとを実行するステップとをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ機器は、高速列車に設置される、
請求項2に記載の方法。
【請求項14】
無線通信システムにおいて信号の受信を向上させるための装置であって、
前記装置は、
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
命令を格納する非一時的な機械可読媒体であって、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されたとき、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに動作を実行させる非一時的な機械可読媒体とを備え、
前記動作は、
アップリンク通信チャネル上の複数のシンボルを含むフレームを含む信号を受信するステップと、
複数のシンボルのコンスタレーションにおいて、複数のシンボル中の少なくとも1つのシンボルの角度位置を検出するステップであって、前記複数のシンボルは等化されたシンボルを含むステップと、
前記受信したフレームに対応する予想される参照シンボルに対応する複数のシンボルのコンステレーションにおいて、前記少なくとも1つのシンボルの検出された角度位置と予想される基準角度位置との間の位相誤差に対応する角度差を判定するステップと、
前記判定された位相誤差を使用して、前記少なくとも1つのシンボルの位相を補償するステップと、
を含む装置。
【請求項15】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのメモリと通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する基地局によって実行され、
前記基地局は、無線送信機及び無線受信機をさらに含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記アップリンク通信チャネルは、前記基地局と前記少なくとも1つのユーザ機器との間に確立される、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、前記基地局のレイヤ1にある1つ以上の構成要素によって実行される、
請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記動作は、前記受信された信号(受信信号)の復号のために、前記少なくとも1つのシンボルの補償された位相情報を前記基地局のレイヤ2の1つ又は複数の構成要素に提供するステップをさらに含む、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記受信するステップは、前記受信信号を復調して、等化された受信信号を生成するステップをさらに含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記動作は、
前記コンステレーション内の各シンボルに対して、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップを繰り返すステップと、
前記繰り返しに基づいて累積角度差を生成するステップと、
前記累積角度差を、前記基地局のレイヤ2における1つ以上の構成要素に提供するステップとをさらに含む、
請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記動作は、
前記アップリンク通信チャネル上で、複数の別のシンボルを含む別のフレームを含む別の信号を受信するステップと、
前記基地局のレイヤ1における1つ以上の構成要素を用いて、前記生成された累積角度差を用いて前記複数の別のシンボル中の少なくとも別のシンボルを補償するステップとをさらに含む、
請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記少なくとも別のシンボルは、前記予想される基準シンボルに隣接する、
請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記動作は、
前記アップリンク通信チャネル上の変動に基づいて、前記生成された累積角度差を調整するステップと、
前記複数の別のシンボルにおける残りのシンボルについて、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップを実行するステップとをさらに含む、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記ユーザ機器は、高速列車に設置される、
請求項15に記載の装置。
【請求項27】
無線通信システムにおける信号の受信を向上させるためのコンピュータプログラム製品であって、
前記無線通信システムは、命令を格納した非一時的な機械可読媒体であって、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されたとき、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに、動作を実行させる非一時的な機械可読媒体を備え、
前記動作は、
アップリンク通信チャネル上の複数のシンボルを含むフレームを含む信号を受信するステップと、
複数のシンボルのコンスタレーションにおいて、前記複数のシンボル中の少なくとも1つのシンボルの角度位置を検出するステップであって、前記複数のシンボルは、等化されたシンボルを含むステップと、
前記受信したフレームに対応する予想される参照シンボルに対応する複数のシンボルのコンステレーションにおいて、前記少なくとも1つのシンボルの検出された角度位置と予想される基準角度位置との間の位相誤差に対応する角度差を判定するステップと、
前記判定された位相誤差を使用して、前記少なくとも1つのシンボルの位相を補償するステップとを含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する基地局によって実行され、
前記基地局は、無線送信機及び無線受信機をさらに含む、
請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記アップリンク通信チャネルは、前記基地局と前記少なくとも1つのユーザ機器との間に確立される、
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、前記基地局のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって実行される、
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記動作は、前記受信された信号(受信信号)の復号のために、前記少なくとも1つのシンボルの補償された位相情報を前記基地局のレイヤ2の1つ又は複数の構成要素に提供するステップをさらに含む、
請求項31に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
前記受信するステップは、前記受信信号を復調して、等化された受信信号を生成するするステップをさらに含む、
請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項34】
前記アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項35】
前記動作は、
前記コンステレーション内の各シンボルについて、前記検出、前記判定、及び前記補償を繰り返すステップと、
前記繰り返しに基づいて累積角度差を生成するステップと、
前記累積角度差を前記基地局のレイヤ2における1つ以上の構成要素に提供するステップとをさらに含む、
請求項34に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項36】
前記動作は、
前記アップリンク通信チャネル上で、複数の別のシンボルを含む別のフレームを含む別の信号を受信するステップと、
前記基地局のレイヤ1における1つ以上の構成要素を用いて、前記生成された累積角度差を用いて、前記複数の別のシンボルのうちの少なくとも別のシンボルを補償するステップとをさらに含む、
請求項34に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項37】
前記少なくとも別のシンボルは、前記予想される基準シンボルに隣接する、
請求項36に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項38】
前記動作は、
前記アップリンク通信チャネル上の変動に基づいて、生成された累積角差の調整を実行するステップと、
前記複数の別のシンボルにおける残りのシンボルについて、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップとを実行する、
請求項37に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項39】
前記ユーザ機器は、高速列車に設置される、
請求項28に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの実施形態において、現在の主題は、電気通信システムに関し、特に、例えば、以下には限定されないが、ロングタームエボリューション通信システム、5G新しい無線(「NR」)通信システム、及び任意の他のシステムなどの無線通信システムにおいて、高速走行状態などの極端なチャネル条件における信号受信の改善又は強化に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界では、セルラーネットワークは、個人及びビジネスエンティティにオンデマンドの通信機能を提供する。典型的には、セルラーネットワークは、セルと呼ばれる陸域に分散可能な無線ネットワークである。このような各セルは、セルサイト又は基地局と呼ばれる少なくとも1つの固定位置送受信機によってサービスを提供される。各セルは、干渉を回避し、各セル内で改善されたサービスを提供するために、近隣のセルとは異なる周波数のセットを使用することができる。セルが結合されると、広い地理的範囲をカバーする無線通信が可能になる。このため、多数の携帯電話やその他の無線機器、携帯送受信機は、ネットワーク内の任意の場所で互いに、また固定送受信機や電話機と通信することができる。このような通信は、基地局を通じて行われ、移動送受信機が送信中に複数のセルを移動する場合でも実現される。大手無線通信事業者は、このようなセルサイトを世界中に配備する。これにより、通信用携帯電話及びモバイルコンピューティングデバイスを公衆交換電話網及び公衆インターネットに接続することが可能になる。
【0003】
移動体電話機(モバイル電話機)は、電波を利用して携帯電話機との間で信号を授受することにより、セルサイトや送信塔を通じて電話及び/又はデータ通話を実行することができる携帯電話機である。多数の携帯電話ユーザを考慮すると、現在の携帯電話ネットワークは、限られた共有資源を提供する。その点では、セルサイトと携帯電話機は、周波数を変更したり、低電力の送信機を使用することで、干渉を少なくして多くの通話者が同時にネットワークを使用できるようになる。セルサイトによるカバレッジは、特定の地理的位置及び/又はネットワークを使用する可能性のあるユーザの数に依存することができる。例えば、都市部では、セルサイトの範囲は、最大で約半マイルで、農村部では、5マイルの範囲になることがある。また、一部の地域では、ユーザは25マイル離れたセルサイトから信号を受信することができる。
【0004】
以下は、通信事業者が使用するデジタルセルラー技術の一例である。移動通信用グローバルシステム(「GSM」)、一般パケット無線サービス(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(EV-DO)、Enhanced Data Rates for GSM Evolution(EDGE)、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Digital Enhanced Cordless Telecommunications(DECT)、デジタル AMPS(IS-136/TDMA)及びIntegrated Digital Enhanced Network(iDEN)などがある。ロングタームエボリューション又は4GLTEは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により策定された、携帯電話やデータ端末向けの高速データ通信のための無線規格である。現在、5GLTEの規格が策定される。LTEは、GSM/EDGE及びUMTS/HSPAのデジタル携帯電話技術をベースとしており、コアネットワークの改善とともに異なる無線インターフェースを使用することにより、容量と速度を増加させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モバイルデバイスは、様々な種類のデータの受信及び送信のために使用される。例えば、音声データ(例えば、電話)、電子メール、テキストメッセージ、インターネットのブラウズ、ビデオデータ(例えば、ビデオ、ビデオ通話、拡張/仮想現実など)、音声データ(楽曲のストリーミング再生など)などに使用される。極端なチャネル条件に位置するモバイルデバイスは、一般的に、サービスの品質低下、不十分な信号受信、及び他の欠点が発生する。これらの極端なチャネル条件には、高速列車、自動車などの高速で移動するモバイルデバイスが含まれる場合がある。したがって、極端なチャネル条件における受信の品質を改善する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態において、現在の主題は、無線通信システムにおける信号の受信を向上させるためのコンピュータに実装される方法に関する。本方法は、
アップリンク通信チャネル上で複数のシンボルを含むフレームを含む信号を受信するステップと、
複数のシンボルのコンステレーションにおいて、前記複数のシンボルのうち少なくとも1つのシンボルの、角度位置を検出するステップであって、前記複数のシンボルは等化されたシンボルを含むステップと、
前記受信したフレームに対応する予想される参照シンボルに対応する複数のシンボルのコンステレーションにおいて、少なくとも1つのシンボルの検出された角度位置と予想される基準角度位置との間の位相誤差に対応する角度差を判定するステップと、
前記判定された位相誤差を用いて、前記少なくとも1つのシンボルの位相を補償するステップとを含むことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、以下のオプションの特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定ステップ、及び前記補償するステップとのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する基地局によって実行され得る。ここで、前記基地局は、無線送信機と無線受信機とをさらに含むことができる。前記基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。アップリンク通信チャネルは、基地局と少なくとも1つのユーザ機器との間に確立され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記受信するステップ、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップのうちの少なくとも1つは、基地局のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって実行することができる。本方法は、受信信号の復号のために、少なくとも1つのシンボルの補償された位相情報を基地局のレイヤ2における1つ以上の構成要素に提供することも含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、信号の受信は、受信信号を復調して、等化された受信信号を生成することも含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。本方法は、各シンボルについて、前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップを繰り返すステップと、前記繰り返しに基づいて累積角度差を生成するステップと、前記累積角度差を基地局のレイヤ2(又は任意の上位レイヤ)の1つ又は複数の構成要素に提供するステップとを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、アップリンク通信チャネル上で複数の別のシンボルを含む別のフレームを含む別の信号を受信することを含み得る。これらのシンボルのうちの1つ又は複数は、基地局のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素を用いて、生成された累積角度差を用いて、補償され得る。このようなシンボルのうちの1つ以上は、予想される基準シンボルに隣接することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記アップリンク通信チャネル上の変動に基づいて前記生成された累積角度差を調整するステップと、前記複数の他のシンボルにおける残りのシンボルに対して前記検出するステップ、前記判定するステップ、及び前記補償するステップを実行することとをさらに含むことができる。
【0013】
いくつかの例示的な、非限定的な、実施形態において、ユーザ機器は、高速列車に配置され得る。
【0014】
命令を格納する非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載される。これは、1つ又は複数のコンピューティングシステムの1つ又は複数のデータプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の動作を実行させる。同様に、また、1つ又は複数のデータプロセッサと、1つ又は複数のデータプロセッサに結合されたメモリとを含むコンピュータシステムも記載される。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載される1つ以上の動作を実行させる命令を一時的又は永久的に格納してもよい。さらに、方法は、単一のコンピューティングシステム内又は2つ以上のコンピューティングシステム間に分散された1つ以上のデータプロセッサによって実施され得る。そのようなコンピューティングシステムは、接続することができ、1つ以上の接続を介してデータ及び/又はコマンド又は他の命令等を交換することができる。前記1つ以上の接続は、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続、複数のコンピューティングシステムのうちの1つ又は複数の間の直接接続などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本明細書で説明する主題の1つ以上の変形例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本明細書に記載された主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0016】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書に開示される主題の特定の態様を示し、説明と合わせて、開示される実施形態に関連する原理のいくつかを説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1a】例示的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システムを示す図である。
図1b図1aに示される例示的なLTEシステムのさらなる詳細を示す。
図1c図1aに示される例示的なLTEシステムの進化型パケットコアのさらなる詳細を示す図である。
図1d図1aに示される例示的なLTEシステムの例示的な基地局を示す図である。
図2図1a~図1dに示される基地局のさらなる詳細を示す図である。
図3】現在の主題のいくつかの実施形態による、例示的な仮想無線アクセスネットワークを示す図である。
図4】現在の主題のいくつかの実施形態による、無線通信システムにおける信号の受信のエンハンスメントを実行するための例示的なシステムを示す図である。
図5a】現在の主題の各実施形態による、例示的なコンステレーション図を示す。
図5b】現在の主題の各実施形態による、例示的なコンステレーション図を示す。
図6】現在の主題のいくつかの実施形態による、無線通信システムにおける信号の受信のエンハンスメントを実行するための例示的なプロセスを示す図である。
図7】現在の主題のいくつかの実施形態による、アップリンク共有チャネル/データチャネルのための参照信号を有する例示的なサブフレーム/スロット構造を示す図である。
図8】現在の主題のいくつかの実施形態による、アップリンク制御チャネル用の参照信号を有する例示的なサブフレーム/スロット構造を示す図である。
図9】現在の主題のいくつかの実施形態による、例示的なシステムを示す図である。
図10】現在の主題のいくつかの実施形態による、例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
これらの、そして現在利用可能なソリューションの潜在的な他の欠陥に対処するために、現在の主題の1つ以上の実施形態は、方法、システム、製造物品などに関するものである。他の可能な利点の中で、無線通信システムにおける信号の受信を強化する能力を提供することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、現在の主題は、データの伝送のためのコンピュータに実装される方法に関する。本方法は、物理/データチャネルに関連して実行することができる。基準信号で測定されたチャネルは、基準信号の片側及び/又は両側の隣接するシンボル上のデータ信号を等化するために使用され得る。予想されるコンスタレーション位置の周りの平均受信コンスタレーションの回転を測定することができる。代替の実施形態では、チャネル変動の利得、すなわちコンステレーションの中心からの平均コンステレーション半径は、シンボル間で測定及び/又は追跡することができる。いくつかの実施形態では、チャネル変動によるコンステレーションの回転は、同じ象限内であると仮定することができる。そして、このコンステレーションは、測定された角度(θ)により補償することができる。しかしながら、チャネル変動がより大きくなる可能性がある(それゆえ、象限を超えて広がる可能性がある)。これにより、受信したコンステレーションの一部がコンステレーション領域から一部はみ出る可能性がある。その点で、角度の測定と補償のプロセスは、1回以上繰り返すことができる。反復的な角度測定プロセスの間、累積的な角度が維持される。回転角度が完全に領域を超えている場合、所定の角度値(例えば、4QAM方式では45度以上、16QAM方式では18度以上など)より大きい角度は、その所定の角度値-θのマイナスとして現れ、補償することはできない。そのため、コンステレーションの回転が次の象限に(例えば、時計回りや反時計回りに)延びたと仮定することができ、これによりデータを復号化することができる(これにより、復号化に基づいて、1象限を超える回転が発生したと判定することができる)。次に隣接するシンボルは、累積角度の重み付け値で補償することができる(チャネルは基準信号シンボルからさらに離れるとより変化するため)。さらに角度測定と補償を行い、累積角度を保存することができる。このプロセスは、スロット内のすべてのシンボルに対して繰り返されることが可能である。この累積角度は上位レイヤに供給される。同じユーザの後続の復号化において、この累積角度は、角度測定を実行する前に、参照信号に隣接するシンボルを最初に補償するために、レイヤ1によって使用され得る。これにより、例えば、列車のスピードアップ/スローダウン(例えば、基地局に近づくこと及び/又は基地局から遠ざかること)のような、時間の経過に伴うドップラーの変動を追跡することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、現行の主題方法は、制御チャネルに関連して実行することができる。制御チャネルでは、基準信号は、実質的に互いに隣接し得る。シンボルにわたるチャネルの回転は、基準信号シンボルにわたる推定チャネルの相関を実行することによって識別することができる。いくつかの実施形態では、追加情報(例えば、ダウンリンク送信のACK/NACK)は、シンボルの一部に符号化されるかもしれない。これは、データチャネルに関して上述したプロセスと同様に、あるコンスタレーション周りの仮説/回転を使用することによって処理することができる。例えば、コンテンツがバイナリ位相シフトキーイング(「BPSK」)コンスタレーションである場合、シンボルにわたる基準信号チャネル間の相関は、BPSKコンスタレーションの回転バージョンの周りに配置され得る。同様に、QPSKデータコンテンツについても同様の方法を適用することができる。角度は、予想されるコンステレーションの周りの回転に基づいて判定することができる。測定された角度は、基準シンボルから離れた等化されたシンボルを補償するために使用され得る。いくつかの実施形態では、一部のユーザ機器は補償を必要とするが、他のユーザ機器は補償を必要としないので、測定はユーザ機器ごとに実行され得る。
【0021】
現在の主題の1つ以上の態様は、そのような通信システムにおける基地局の送信機及び/又は受信機構成要素に組み込むことができる。例示的なロングタームエボリューション通信システムを以下に説明する。そのようなシステムは、4Gロングタームエボリューション通信システム、5G新しい無線(「NR」)通信システム、及び/又は任意の他の通信システムを含み得る。
【0022】
I.ロングタームエボリューション通信システム
図1a~図1c及び図2は、例示的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システム100を、その様々な構成要素と共に示す。LTEシステム又は4GLTEは、商業的に知られているように、携帯電話及びデータ端末のための高速データの無線通信のための規格によって支配される。この規格は、GSM/EDGE(「Global System for Mobile Communications」/「Enhanced Datarates for GSME volution」)及びUMTS/HSPA(「Universal Mobile Telecommunications System」/「High Speed Packet Access」)ネットワーク技術に基づくものである。この規格は、3GPP(「3rd Generation Partnership Project」)によって開発される。
【0023】
図1aに示すように、システム100は、進化型ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(「EUTRAN」)102、進化型パケットコア(「EPC」)108、及びパケットデータネットワーク(「PDN」)101を含むことができる。ここで、EUTRAN102及びEPC108は、ユーザ機器104とPDN101との間の通信を提供する。EUTRAN102は、複数の進化型ノードB(「eNodeB」又は「ENODEB」又は「eNB」)又はgNodeB又は基地局106(a、b、c)(図1bに示すように)を含むことができ、これらは複数のユーザ機器104(a、b、c)に通信機能を提供するものである。ユーザ機器104は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(「PDA」)、サーバ、データ端末、及び/又は他の任意のタイプのユーザ機器、及び/又はそれらの任意の組合せとすることができる。ユーザ機器104は、任意のeNodeB/gNodeB106を介して、EPC108に、ひいてはPDN101に接続することができる。典型的には、ユーザ機器104は、距離の点で最も近いeNodeB/gNodeB106に接続することができる。LTEシステム100では、EUTRAN102及びEPC108が協働して、ユーザ機器104に接続性、移動性(モビリティ)及びサービスを提供する。
【0024】
図1bは、図1aに示すネットワーク100の更なる詳細を示す図である。上述のように、EUTRAN102は、セルサイトとも呼ばれる複数のeNodeBs/gNodeBs106を含む。eNodeBs/gNodeBs106は、無線機能を提供し、エアリンクリソースのスケジューリング又は無線リソース管理、アクティブモードモビリティ又はハンドオーバー、及びサービスのアドミッション制御を含む主要な制御機能を実行する。eNodeBs/gNodeBs106は、どのモビリティ管理エンティティ(MME、図1cに示す)がユーザ機器104にサービスを提供するかを選択し、ヘッダ圧縮や暗号化などのプロトコル機能について責任を負う。EUTRAN102を構成するeNodeBs/gNodeBs106は、無線リソース管理及びハンドオーバーのために互いに協働する。
【0025】
ユーザ機器104とeNodeB/gNodeB106との間の通信は、エアインターフェース122(「LTE-Uu」インターフェースとも呼ばれる)を介して行われる。図1bに示すように、エアインターフェース122は、ユーザ機器104bとeNodeB/gNodeB106aとの間の通信を提供する。エアインターフェース122は、ダウンリンク及びアップリンクのそれぞれにおいて、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)及びOFDMAの変形であるシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)を使用する。OFDMAは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)のような複数の既知のアンテナ技術を使用することができる。
【0026】
エアインターフェース122は、様々なプロトコルを使用し、これには、ユーザ機器104とeNodeB/gNodeB106との間のシグナリングのための無線リソース制御(「RRC」)及びユーザ機器104とMME(図1cに示す)との間のシグナリング(制御信号の伝送)のための非アクセス層(「NAS」)が含まれる。シグナリングに加え、ユーザ機器104とeNodeB/gNodeB106との間でユーザトラフィックの転送が行われる。システム100におけるシグナリングとトラフィックの両方は、物理層(「PHY」)チャンネルによって伝送される。
【0027】
複数のeNodeB/gNodeB106は、X2インターフェース130(a、b、c)を用いて互いに相互接続することができる。図1aに示すように、X2インターフェース130aは、eNodeB/gNodeB106aとeNodeB/gNodeB106bとの間の相互接続を提供する。X2インターフェース130bは、eNodeB/gNodeB106aとeNodeB/gNodeB106cとの間の相互接続を提供し、ここで、X2インターフェース130cは、eNodeB/gNodeB106bとeNodeB/gNodeB106cとの間の相互接続を提供する。X2インターフェースは、ハンドオーバー関連情報だけでなく、負荷又は干渉関連情報を含むことができる信号の交換を提供するために、2つのeNodeB/gNodeB間で接続を確立することができる。eNodeBs/gNodeBs106は、S1インターフェース124(a、b、c)を介して進化型パケットコア108と通信する。S1インターフェース124は、2つのインターフェースに分割することができ、ここで、1つは制御プレーン用(図1cでは制御プレーンインターフェース(S1-MMEインターフェース)128として示される)で、もう1つはユーザプレーン用(図1cではユーザプレーンインターフェース(S1-Uインターフェース)125として示される)である。
【0028】
EPC108は、ユーザサービスのサービス品質(「QoS」)を確立し、実施し、ユーザ機器104が移動中に一貫したインターネットプロトコル(「IP」)アドレスを維持することを可能にする。ネットワーク100の各ノードは、それ自身のIPアドレスを有することに留意されたい。EPC108は、レガシー無線ネットワークと相互運用するように設計される。また、EPC108は、コアネットワークアーキテクチャにおいて、制御プレーン(すなわち、シグナリング)とユーザプレーン(すなわち、トラフィック)とを分離するように設計される。これにより、より柔軟な実装が可能となり、制御機能とユーザデータ機能の独立した拡張性が実現される。
【0029】
EPC108のアーキテクチャはパケットデータ専用であり、図1cに詳しく示される。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110、PDNゲートウェイ(P-GW)112、モビリティ管理エンティティ(「MME」)114、ホーム加入者サーバ(「HSS」)116(EPC108の加入者データベース)、ポリシー制御及び充電規則機能(「PCRF」)118を含んでいる。これらの一部(S-GW、P-GW、MME、HSSなど)は、製造者の実装に従ってノードに統合されることが多い。
【0030】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108におけるユーザ機器のベアラパスアンカーである。したがって、モビリティ動作中にユーザ機器があるeNodeB/gNodeB106から別のeNodeB/gNodeB106に移動すると、S-GW110はそのままで、EUTRAN102に向かうベアラパスが、ユーザ機器104にサービスする新しいeNodeB/gNodeB106に話すように切り替わる。ユーザ機器104が別のS-GW110のドメインに移動した場合、MME114は、ユーザ機器のベアラパスのすべてを新しいS-GWに転送する。S-GW110は、ユーザ機器のベアラパスを1つ又は複数のP-GW112に確立する。アイドル状態のユーザ機器についてダウンリンクデータを受信した場合、S-GW110はダウンリンクパケットをバッファリングし、MME114にEUTRAN102との間のベアラパスを検索し、再確立するよう要求する。
【0031】
P-GW112は、EPC108(及びユーザ機器104とEUTRAN102)とPDN101(図1aに示す)の間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのルータとして機能するだけでなく、ユーザ機器に代わって機能を実行する。これらには、ユーザ機器のIPアドレスの割り当て、適切なベアラ経路に配置されるようにするための下流ユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含む下流QoSの実施が含まれる。加入者が利用しているサービスによっては、ユーザ機器104とP-GW112との間に複数のユーザデータベアラパスが存在する場合がある。加入者は、異なるP-GWによって提供されるPDN上のサービスを利用することができ、この場合、ユーザ機器は、各P-GW112に対して確立された少なくとも1つのベアラパスを有する。あるeNodeB/gNodeBから別のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバー時に、S-GW110も変更される場合、P-GW112からのベアラパスは新しいS-GWに切り替えられる。
【0032】
MME114は、EPC108内のユーザ機器104を管理し、その管理は、加入者認証を管理すること、認証されたユーザ機器104のコンテキストを維持すること、ユーザトラフィックのためのネットワーク内のデータベアラパスを確立すること、ネットワークから切り離されていないアイドルモビールの位置を追跡することとを含む。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークに再接続する必要があるアイドルユーザ機器104の場合、MME114は、ユーザ機器の位置を特定するためにページングを開始し、EUTRAN102との間のベアラ経路を再確立する。特定のユーザ機器104のためのMME114は、ユーザ機器104がシステムアクセスを開始するeNodeB/gNodeB106によって選択される。MMEは、典型的には、負荷分散及び冗長性の目的のために、EPC108内のMMEの集合の一部である。ユーザのデータベアラパスの確立において、MME114は、EPC108を通るデータパスの末端を構成するP-GW112及びS-GW110を選択する役割を担う。
【0033】
PCRF118は、ポリシー制御の意思判定、及びP-GW110に存在するポリシー制御実施機能(「PCEF」)におけるフローベースの課金機能の制御を担当する。PCRF118は、QoS認可(QoSクラス識別子(「QCI」)及びビットレート)を提供する。あるデータフローがPCEFでどのように扱われるかを判定し、これがユーザのサブスクリプションプロファイルに従っていることを保証するものである。
【0034】
以上のように、IPサービス119は、PDN101(図1aに示す)によって提供される。
【0035】
II.eNodeB/gNodeB
図1dは、eNodeB/gNodeB106の例示的な構造を示す図である。eNodeB/gNodeB106は、少なくとも1つのリモート無線ヘッド(「RRH」)132(典型的には、3つのRRH132が存在し得る)及びベースバンドユニット(「BBU」)134を含むことが可能である。RRH132は、アンテナ136に接続することができる。RRH132とBBU134は、光インターフェースを用いて接続することができ、前記光インターフェースは、共通公衆無線インターフェース(「CPRI」)、eCPRI、及び/又は他のインターフェース(例えば、独自インターフェース)142の標準仕様に準拠したものである。eNodeB/gNodeB106の動作は、以下の標準パラメータ(及び/又は仕様)のうちの少なくとも1つを用いて特徴付けることができる:無線周波数帯(Band4、Band9、Band17)、帯域幅(5、10、15、20MHz)、アクセス方式(ダウンリンク:OFDMA、アップリンク:SC-OFDMA)、8×8MIMO及び/又はマッシブMIMOと、アップリンクにおける1×8又は1×4受信方式、アンテナ技術(ダウンリンク:2×2MIMO、アップリンク:1×2シングル入力マルチ出力(「SIMO」))、セクタ数(最大6)、最大伝送電力(60W)、最大伝送速度(ダウンリンク:150Mb/s、アップリンク:50Mb/s)、S1/X2インターフェース(1000Base-SX、1000Base-T)、及び移動環境(最大350km/h)。BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終端処理、X2回線の終端処理、呼処理、監視制御処理などを担当することができる。EPC108(図1dでは図示せず)から受信するIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調してRRH132に送信することができる。逆に、RRH132から受信したデジタルベースバンド信号をIPパケットに復調して、EPC108に送信することもできる。
【0036】
RRH132は、アンテナ136を使用して無線信号を送受信することができる。RRH132は、BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波数(「RF」)信号に変換し(コンバータ(「CONV」)140を使用)、ユーザ機器104(図1dには示されていない)に送信するためにそれらを電力増幅(アンプ(「AMP」)138を使用)することが可能である。逆に、ユーザ機器104から受信されたRF信号は、BBU134への送信のために増幅され(AMP138を使用)、デジタルベースバンド信号に変換される(CONV140を使用)。
【0037】
図2は、例示的なeNodeB/gNodeB106の追加的な詳細を示す。eNodeB/gNodeB106は、複数の層を含み、前記複数の層は、LTEレイヤ1202、LTEレイヤ2204、及びLTEレイヤ3206を含む。LTEレイヤ1は、物理層(以下、「PHY」という)を含む。LTE層2は、媒体アクセス制御(「MAC」)、無線リンク制御(「RLC」)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(「PDCP」)などを含む。LTEレイヤ3は、様々な機能及びプロトコルを含み、それらは、無線リソース制御(RRC)、動的リソース割り当て、eNodeB/gNodeB測定設定及び提供、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、無線リソース管理(RRM)などを含む。RLCプロトコルは、セルラーエアインターフェース上で使用される自動再送要求(ARQ)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANの間でLTEレイヤ3の制御プレーンシグナルを処理する。RRCは、接続の確立と解放、システム情報のブロードキャスト、無線ベアラの確立/再構成と解放、RRC接続の移動手順、ページングの通知と解放、及び外部ループの電力制御の機能を含む。PDCPは、IPヘッダの圧縮及び伸張、ユーザデータの転送、無線ベアラのシーケンス番号の保持を実行する。図1dに示すBBU134は、LTEレイヤL1~L3を含むことができる。
【0038】
eNodeB/gNodeB106の主要機能の1つは無線リソース管理であり、これは、ユーザ機器104のアップリンク及びダウンリンク両方のエアインターフェースリソースのスケジューリング、ベアラリソースの制御、及びアドミッション制御を含む。eNodeB/gNodeB106は、EPC108のエージェントとして、移動機がアイドル状態のときに移動機の位置を特定するために使用されるページングメッセージの転送を担当する。また、eNodeB/gNodeB106は、空中で共通の制御チャネル情報の通信、ヘッダ圧縮、空中で送信されるユーザデータの暗号化及び復号化、並びにハンドオーバー報告及びトリガー基準の確立を実行する。上述したように、eNodeB/gNodeB106は、ハンドオーバー及び干渉管理を目的として、X2インターフェース上で他のeNodeB/gNodeB106と協働することができる。eNodeB/gNodeB106は、S1-MMEインターフェースを介してEPCのMMEと通信し、S1-Uインターフェースを用いてS-GWと通信する。さらに、eNodeB/gNodeB106は、S1-Uインターフェースを介してS-GWとユーザデータを交換する。eNodeB/gNodeB106及びEPC108は、MME及びS-GW間の負荷分散及び冗長性をサポートするために多対多の関係を有する。eNodeB/gNodeB106は、MMEのグループからMMEを選択するので、複数のMMEによって負荷が共有され、輻輳を回避することが可能である。
【0039】
III.無線通信システムにおける信号の受信の強化
いくつかの実施形態において、現在の主題は、無線通信システムにおいて、信号の受信の強化を含む、通信を強化する能力に関する。上述したように、そのような例示的な通信システムは、4GLTE通信システム、5G新無線(「NR」)通信システム、及び/又は任意の他の通信システムを含み得るが、これらに限定されるものではない。5GNR通信システムは、現在の4G/IMT-Advanced通信規格を超える次の通信規格として提案されたものである。5Gネットワークは、現在の4Gよりも大容量で、エリアユニット当たりのモバイルブロードバンドユーザ数が増加し、1ヶ月当たりギガバイト単位、ユーザ単位でより多くの、又は無制限のデータ消費を可能にすることが計画される。これにより、ユーザはWi-Fiネットワークがない場所でも、モバイルデバイスを使って高解像度のメディアを1日に何時間もストリーミング再生することが可能になる。5Gネットワークは、デバイス間通信のサポートが改善され、4G機器よりも低コスト、低遅延、低バッテリー消費などを持つことが計画される。このようなネットワークでは、以下を実現するように計画される。多数のユーザに対して毎秒数十メガビットのデータレート、大都市圏では100Mb/sのデータレート、1Gb/sを狭い範囲(例えば、オフィスのフロア)のユーザに同時に提供すること、無線センサネットワークのための多数の同時接続、スペクトル効率の向上、カバレッジの向上、信号の効率化、1~10ミリ秒の遅延時間、及び既存システム比較して低減された遅延。
【0040】
高速列車及び/又は他の同様の極端な速度チャネル条件は、無線通信システムにおける信号の検出及び復調に困難を課する。いくつかの実施形態では、現在の主題は、システムの性能を維持するために、チャネルによって引き起こされる不完全性を検出し、補償することができる。現在の主題は、極端なチャネル条件を経験するユーザを識別し、信号の復調のために強化(改善)された受信を実行することができる。さらに、現在の主題は、チャネル条件の変動(例えば、UEがゆっくり移動する、速く移動する、速度を落とす、速くする、基地局に近づく、基地局から離れるなど)を追跡し、それに応じて受信処理を調整することも可能である。現在の主題は、UEの一部が極端なチャネル条件を経験する一方で、他のUEが経験しないような条件にも適応することができる。
【0041】
現在の主題は、様々な極端なチャネル条件、例えば、高速列車に適用することができ、ここで、基地局無線/分散ユニットが列車の線路に沿って配置される場合である(例えば、350km/hを超える速度は、チャネルがシンボル間で非常に速く変化するため、信号の復号に困難をもたらす可能性がある)。
【0042】
図4は、信号の受信の改善(強化)を実行するための例示的なシステム400を示す。現在の主題のいくつかの実施形態による、無線通信システムにおいて、非限定的な例として、システム400は、高速で移動する列車内に1つ又は複数のユーザ機器が配置される場合である、高速列車環境において実施されてもよい。理解され得るように、現在の主題のシステムは、信号の強化(改善)された受信を提供するために、任意の他のタイプの環境において実装され得る。
【0043】
図4を参照すると、システム400は、極端なチャネル条件下で実装することができ、前記極端なチャネル条件は、例えば、列車線路404に沿って走行する高速列車402、列車線路に沿って(及び/又は他の任意の場所に)配置され得る1つ又は複数の通信ノード410、412(例えば、eNodeB/eNodeB/等)、及び、列車402上に位置し、1つ又は複数のノード410、412と通信しようとする1つ又は複数のユーザ機器406、408を含む。列車402は、高速(例えば、350km/h超)で走行していてもよく、速度を落として走行していてもよく、及び/又は、1つ以上の列車駅で停車していてもよい。このような移動は、1つ以上のユーザ機器406、408と1つ以上のノード410、412との間の信号の受信及び/又は送信に影響を与える可能性がある。そのような極端なチャネル条件は、信号の検出及び/又は復調に困難を課す可能性がある。
【0044】
現在の主題は、極端なチャネル条件を経験する可能性があり、後述する例示的なスキームに従って信号の強化された復調を実行することができる、1つ又は複数のユーザ機器406、408を識別するように構成されてもよい。さらに、現在の主題は、チャネル条件の変動(例えば、高速移動、減速、駅での停止など)についてユーザ機器を監視し続け、それに応じて強化された復調を適用することができる。さらに、現在の主題は、極端なチャネル条件を経験する可能性のあるユーザ機器406、408とそうでないものを区別し、強化された復調方式に従ってそれらを異なるように扱うように構成されてもよい。
【0045】
典型的な無線規格(LTE/NR/WIFI/WiMAX)において。参照信号又はパイロット信号を提供してチャネルを測定し、そのチャネルを復調処理に使用することができる。図7は、アップリンク共有チャネル/データチャネルのための基準信号又はパイロット信号702、704を含むことができる例示的なサブフレーム/スロット構造700を示す。図8は、アップリンク制御チャネルのための例示的なサブフレーム/スロット構造800、810を示す。構造800は、基準信号802、804、806、及び808を含むことができる。ここで、信号802、804は、制御チャネルにおいて一般的であるように、互いに隣接する(同様に、信号806、808)。構造810は、参照信号812、816を含むことができ、また、ダウンリンク送信のACK/NACK(アップリンクチャネルで送信されるような)814、818で符号化することができる。
【0046】
復調プロセスは、測定されたチャネルを使用して、受信データ信号を「等化」することを含み得る。チャネルがシンボルにわたって非常に速く変化する場合、図5aに示すように、等化されたシンボルは歪むことがある。
【0047】
図5aは、例示的なコンスタレーション図500を示す。コンスタレーション図は、例えば、直交振幅変調(QAM)又は位相シフトキーイング(PSK)などの変調方式によって変調された信号の表現とすることができる。この図は、信号をシンボルサンプリング時間における複素平面上の2次元のxy平面分散図として示すものである。図中の点は、x軸から反時計回りに測定された角度と原点からの距離で特徴付けられる。角度は基準位相からの搬送波の位相シフトに対応し、距離は信号の振幅又はパワーの測定に対応する。情報は一連のサンプルとして送信されるため(各サンプルは一定のタイムスロットを占める)、各サンプルは1ビット以上の情報を表す有限個の「シンボル」のうちの1つを符号化する。各シンボルは、キャリアの振幅と位相の異なる組み合わせとして符号化され、システムが送信するすべての可能なシンボルを示すコンスタレーション図上のコンスタレーションポイントで表される。コンステレーション図では、複数のポイントは原点を中心とする円上にある。
【0048】
理想的な世界では、コンステレーション図は、各シンボルを表す各ポイントの正しい位置を示す。しかし、通信チャネルを通過した後や極端なチャネル条件下では、様々な要因(例えば、ノイズ、歪み、速度など)が、復調器が受信する振幅や位相に影響を与え、シンボルに対する正しい値とは異なる場合がある。そのため、コンステレーション図に点(ポイント)をプロットすると、受信した各サンプルを表す点がシンボルに対する正しい位置からオフセットする場合がある。検出器(例えば、ベクトル信号分析器)は、各受信したシンボルの位置を判定し、それを基準信号の周りの点としてプロットするように構成されてもよい。
【0049】
図5aに示すように、等化後のシンボルの正しい位置又は期待される位置のコンスタレーション位置は、点502(a、b、c、d)によって表される場合がある。しかし、極端なチャネル条件のため、受信シンボル1、2、4、5504(a、b、c、d)は、基準点502aの周りにプロットされてもよい。同様に、シンボル506(a、b、c)は、コンステレーション図500の右下の象限における基準点502dの周りにプロットされてもよい。他の受信されたシンボル(図5aに示されていない)は、それぞれの位置で他の基準点502の周りにプロットされてもよい。いくつかの実施形態において、現在の主題は、1つ又は複数のノード410、412(及び/又はシステム400の他の任意の場所)に組み込まれてもよい検出器(図5aには示されていない)を含んでもよく、この検出器は、1つ又は複数のノード410、412(及び/又はシステム400の他の任意の場所)に組み込まれてもよい。基準点502aと受信したシンボル504cの位置との間の角度508を測定するように構成されてもよい。ここで、角度508は、位相/振幅の変化に対応してもよく、信号の受信を強化するために必要とされ得る調整の判定において使用されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、上述のように、現在の主題は、極端なチャネル変化又は状態(例えば、高速/高ドップラチャネル)を経験する可能性があるユーザ機器を特定することができる。そのような条件を経験するユーザ機器は、図5aに示すように、シンボル504(a、b、c、d)に対応し得る。ユーザ機器は、例えば、添付手順の初期アップリンクメッセージ(例えば、LTE/NRシステムにおいて-メッセージ3)の送信中に識別されてもよい。理解され得るように、ユーザは、任意の期間(例えば、信号の送信中)に識別されることができる。現在の主題は、チャネル変動を測定するように構成されてもよい。ノード410、412(例えば、基地局)のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素は、チャネル変動の測定を実行し、この情報をレイヤ2(及び/又はより高いレイヤ)における1つ又は複数の構成要素に提供するように構成されてもよい。レイヤ2(及び/又はより高い層)の構成要素は、1つ又は複数の後続のアップリンク信号を復号する目的のために、提供された情報を使用するようにさらに構成されてもよい。さらに、ユーザ機器のすべてのスロット/時間送信間隔(TTI)割り当て(これは、データチャネル及び/又は制御チャネルを含むことができる割り当てを指すことができる)が判定され得る。そして、その判定に基づいて、ユーザ機器が極端なチャネル状態(例えば、高速走行状態)を経験するか否かを識別することができる。ユーザ機器が極端なチャネル状態を経験すると識別された場合、角度508(図5aに示すように)は、等化されたシンボルの補償のために使用され得る。
【0051】
図5bは、チャネル変動測定の利得を示す例示的なコンスタレーション図510を示す図である。図5aと同様に、等化後のシンボルの正しい位置又は期待される位置のコンスタレーション位置は、点512(a、b、c、d)によって表されてもよい。しかしながら、極端なチャネル条件のため、受信シンボル1、2、4、5514(a、b、c、d)は、右上の象限又は象限Iの基準点512aの周りにプロットされてもよい。同様に、シンボル516(a、b、c)は、コンステレーション図500の右下の象限又は象限IVの基準点512dの周囲にプロットされてもよい。他の受信されたシンボル(図5bに示されていない)は、それぞれの位置で他の基準点512の周りに同様にプロットされてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のノード410、412における検出器(図5bには示されていない)は、基準点512aと受信シンボル514cの位置との間の角度518を測定するように構成されてもよい。ここで、角度518は、位相/振幅の変化に対応してもよく、信号の受信を強化するために必要とされ得る調整の判定において使用されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、上記のように、現在の主題は、極端なチャネル変化又は状態(例えば、高速/高ドップラチャネル)を経験する可能性があるユーザ機器を特定することができる。そのような条件を経験するユーザ機器は、図5bに示すように、シンボル514に対応し得る。さらに、現在の主題は、チャネル変動の利得の判定及び追跡を実行するように構成されてもよい。これは、例えば、コンスタレーションの中心519からシンボル514の位置までの半径に対応し得る。図5bに示すように、シンボル514cの半径は、シンボル514bの半径より小さい。このような半径の平均は、信号の受信を強化する目的で使用され得る、チャネル変動における利得を代表するものであってもよい。
【0053】
図5Aと同様に、ノード410、412のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素は、チャネル変動/利得の測定を実行し、この情報をレイヤ2(及び/又はより高い層)における1つ又は複数の構成要素に提供してもよく、レイヤ2は、順に、1つ又は複数の後続アップリンク信号を復号化するために提供した情報を使用することができる。さらに、ユーザ機器のすべてのスロット/時間送信間隔(TTI)割り当て(データチャネル及び/又は制御チャネルを含むことができる割り当てを指すことができる)が決定され、その決定に基づいて、ユーザ機器は極端なチャネル状態(例えば、高速状態で走行)を経験しているかどうか識別することができる。ユーザ機器が極端なチャネル状態を経験していると識別される場合、角度518(図5aに示すように)は、等化されたシンボルの補償のために使用され得る。
【0054】
図6は、現在の主題のいくつかの実施形態による、無線通信システムにおける信号の受信のエンハンスメントを実行するための例示的なプロセス600を示す図である。方法600は、システム400の1つ又は複数のノード410、412によって実行されてもよく、物理/データチャネルに関連して実行されてもよい。いくつかの例示的な実施形態において、プロセス600は、信号の拡張された受信を提供する目的で、シンボルの位相補償(後述するアルゴリズムに従って)を実行するように構成されてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、プロセス600は、シンボルが特定の象限に位置するという仮定で開始されてもよい。ここで、角度測定は、コンステレーションのさらなる回転なしに実行され得る(例えば、コンステレーションの象限I、象限II、象限III、又は象限IV)。602において、チャネル測定は、1つ又は複数のノード410、412(図4に示す)のレイヤ1の1つ又は複数の構成要素によって実行することができる。測定は、例えば、初期添付手順中に実行することができる。測定は、基準シンボル(例えば、図5A及び図5Bに示すような信号502a/512a)を使用して実行することができ、基準信号の両側にある隣接シンボル(例えば、シンボル504c/514c及び504b/514b)上のデータ信号を等化するために使用することができる。
【0056】
604において、予想されるコンステレーション点の周りの平均受信コンステレーション点の回転も測定することができる(例えば、図5a及び図5bに示される角度508/518に対応する)。いくつかの実施形態では、チャネル変動によるコンスタレーションの回転は、同じ象限(例えば、象限507/517)内であると仮定することができる。
【0057】
606において、測定された角度(θ)508/518は、コンスタレーション内のシンボルを補償するために使用され得る。しかしながら、チャネル変動がより大きくなる可能性があり、したがって、潜在的に四分円を超えて拡張する可能性がある。それによって、受信したコンスタレーションの一部がコンスタレーション領域を超えて広がっている可能性がある(例えば、シンボル504a/514aは、図5a及び図5bに示す象限507/517の外側に広がっている可能性がある)。このように、角度を測定し、補償を実行する処理は、608において、1回以上(例えば、2回)繰り返され得る。
【0058】
角度測定/補正を繰り返す間に、累積角度を決定することができる。決定された回転角度が象限を超えて広がる場合、特定のQAM(例えば、4QAM、16QAM、64QAMなど)方式について別の象限に渡る角度の所定値よりも大きい角度θ(例えば、4QAM方式について45度よりも大きい、16QAM方式について18度よりも大きい、など)が決定される。例えば、所定の角度値(例えば、45度、18度など))のその所定値の負としてレイヤ1の1つ以上の構成要素で判断され、追加補正ができない場合がある。その場合、角度θが角度の所定値(例えば45度、18度など)よりも大きいという仮定(例えば仮説)を立て、その後の角度測定で角度の所定値(例えば45度、18度など)だけコンステレーションを回転させるようにしても良い。いま、角度が角度の所定値(例えば、45度、18度など)より小さい場合、補正が実行されてもよい。そうでなければ、さらなる回転が実行されてもよい。いくつかの実施態様では、回転は、π/4、-π/4、-π/2、π/2などによって実行されてもよい。さらに、この手順は、例えば、最初の添付手順で1回だけ実行されてもよい。このとき、任意のデータパケットのペイロードは比較的小さいかもしれないので、回転が角度の測定が実行され得る象限内にあることを確実にするために、複数の試行が行われてもよい。さらに、特定のシンボルを含む象限が特定されると、任意の後続の角度測定(ユーザ機器の単位で)が、以前に決定された追加の回転値(例えば、π/4+θなど)を考慮して実行されてもよい。610において、次の隣接するシンボルは、決定された累積角度の加重値で補償され得る(チャネルは、基準信号シンボルからさらに離れて変化するので)。いくつかの例示的な非限定的な実装では、重み付け係数は、シンボル間で[0.5,0.5]であってもよい。理解され得るように、任意の他の重み付け係数が使用されてもよい。角度を決定できない場合(例えば、巡回冗長検査(CRC)が失敗した場合)、処理は602に戻ってもよい。
【0059】
さらなる角度測定及び補償を実行し、612において、累積角度を判定し、記憶することができる。このプロセスは、スロット内のすべてのシンボルに対して、レイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって繰り返され得る。スロット内のすべてのシンボルが評価され、累積角度が判定されると、累積角度情報は、614において、レイヤ2(又は任意のより高い層)における1つ又は複数の構成要素に提供され得る。同じユーザ機器から受信した任意の後続の復号信号において、判定された累積角度は、さらなる角度測定を実行する前に、参照信号に隣接するシンボルを補償するために、レイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって使用することが可能である。これにより、ドップラー信号情報の時間的な変動、例えば、列車のスピードアップ/スローダウンを可能することができる(例えば、速度の増加/減少に伴ってチャネル条件の変動が変化し、その結果、後続の信号に対応するシンボルについて角度が異なる場合がある)。
【0060】
いくつかの例示的な非限定的な実施形態では、以下のアルゴリズムを使用して、上記の議論に従って、シンボル間の位相誤差を推定及び補償することができる。このアルゴリズムは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び直交位相シフトキーイング(「QPSK」)ベースの物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)割り当て上のシンボルにわたる位相誤差(複数可)を推定することによって開始され得る。
【0061】
制御チャネル上の位相誤差(複数可)を推定するために、様々なPUCCHフォーマット(すなわち、異なる変調指数及びサブフレームあたりのビット数に対応するLTE仕様PUCCHフォーマット1、1a、1b、2、2a、2b)が考慮され得る。例えば、異なるPUCCHフォーマットの割り当ては、参照信号を運ぶ複数のOFDMシンボルを有することができる。これらのシンボル上で推定されたチャネルは相関され得、結果の複素値の角度は、パイロットが離れているOFDMシンボルの数にわたって位相誤差(複数可)を判定するために使用され得る。例えば、PUCCHフォーマット2xの場合、シンボル1及び5がパイロットとなり、位相誤差は以下のように判定(決定)することができる。
【0062】
【数1】
(1)
【0063】
ここで、h1及びh5は、2つのパイロットシンボル1及び5で推定されるチャネルである。
【0064】
追加の例として、PUCCHフォーマット1xの場合、シンボル2、3及び4はパイロットとすることができ、位相誤差は以下のように判定することができる。
【0065】
【数2】
(2)
【0066】
ここで、h2、h3、h4は、3つのパイロットシンボル上で推定されるチャネルである。
【0067】
PUSCHプロトコルデータユニット(以下、「PDU」)(例えば、QPSK変調、16QAM変調などを有する)を受信した場合、PUSCHの位相誤差は以下の方法で求めることができる。最初に、すべての等化されたQPSKシンボル(又は任意のQAMシンボル(例えば、16QAMなど。))は、第2、第3及び第4象限のシンボル(例えば、図5aに示すシンボル506(a、b、c)(第2及び第3象限のシンボルは図5aに示さない))にそれぞれ、π/4、π/2、3π/4、π、-π/2-3/4、-πラジアンの位相シフトを適用して、コンステレーションの第1象限にシフトされることができる(図5aに示す507は、例えば、第4象限)。次に、本主題システムは、第1象限507にシフトされたすべてのQPSK/QAMシンボルについて、平均位相を決定することができる。決定された平均位相を使用して、位相誤差は、平均位相とπ/4ラジアン(QPSKの場合など;16QAMの場合、仮想の中心点を生成して(例えば、象限内の4点の中心)π/4と比較してもよい)間の差として決定されることができる。
【0068】
いくつかの例示的な実施形態では、PUCCHフォーマット2送信の場合(例えば、全ての無線フレームの5thサブフレームにおいて)、位相補償は以下の方法に従って実行されてもよい。最初に、すべての等化されたシンボルの位相(複数可)の補償は、位相誤差がPUCCH割り当てで判定されることができる(上述したように)ことを使用して実行されることができる。添付手順のMSG3PUSCHPDUを受信した場合、位相誤差はPUCCH割り当てから利用できない可能性があり、したがって、位相誤差はPUSCH割り当てで判定することができる。最初のステップで補償が行われた後、残留位相誤差は、受信したPUSCHPDU内の等化されたQPSKシンボルを使用して再推定することができる。次に、すべての等化されたシンボルの位相(複数可)は、PUSCH割り当てで判定された残留位相誤差を使用して補償され得る。
【0069】
上記のように、位相誤差は、ノード(例えば、図4に示すeNodeB410、412)内のレイヤ1の1つ以上の構成要素によってPUCCH及びPUSCHの両方の割り当てで判定され、レイヤ2(又は任意の上位層)の1つ以上の構成要素に提供されることができる。アップリンク構成(「UL Config」)コマンドの一部として、レイヤ1の1つ以上の構成要素は、レイヤ2から予定されるすべてのユーザ機器の以前に判定された位相誤差(θ1)を受信することができる。その後、PUSCH割り当て時に、レイヤ2から受信した既定位相誤差(θ1)を用いて位相補償を実行することができる。残留位相誤差(すなわち、δθ)は、位相誤差の以前の値を使用した最初の補償ラウンドから補償されたQAMシンボルを使用して判定することができる。その後、全体の位相誤差は、θ=θ1+δθとして判定され、レイヤ2の1つ又は複数の構成要素に提供されることができる。PUCCHの割り当てにおいて、位相誤差(θ)は、上記の議論に従って判定され、レイヤ2において1つ又は複数の構成要素に提供されることができる。
【0070】
例示的実験の実施
いくつかの例示的な、非限定的な、実施形態において、レイヤ1とレイヤ2間の標準メッセージパッシングインターフェース(MPI)は、位相誤差に関する情報を提供するために、以下の構造及び/又はメッセージのうちの1つ以上を含むことができる。特に、レイヤ2からレイヤ1へ送信可能な様々な構成メッセージは、位相誤差の判定/補償を示す様々な追加フィールドを含むことができる。具体的には、レイヤ2からレイヤ1に送信されるPHY_SET_CONFIGメッセージは、hstRxModeフィールド(例えば、「hst」は「高速列車」に対応)を有するEnbMpiSetConfigReq構造体を含むことができ、前記hstRxModeフィールドは、以下の受信機モードに関する情報を含むことができる。
「0」-受信機は無効である。
「1」-「統計」モード(これにより、レイヤ1の1つ以上の構成要素が位相誤差を判定し、レイヤ2の1つ以上の構成要素に提供することができる)。
「2」-フルレシーバモード(レイヤ1の1つ以上の構成要素が位相誤差の判定及び補償を実行することができる)。
レイヤ2からレイヤ1に送信されるUI_CONFIGメッセージは、mac2phyHstPhaseErrフィールドを持つUIPduCfg構造を含むことができ(ここで、「mac」はレイヤ2の「媒体アクセス制御」サブレイヤを意味する。「phy」は物理レイヤ1を指す)、それにはOFDMシンボルごとの位相誤差(例えば、ドップラーが高いため)を示す可能性があることが付加される。
【0071】
レイヤ1からレイヤ2に送信できる通知メッセージ(例えば、HARQ、CQI、PUSCH_DECODEなど)は、位相誤差の判定に関する追加のフィールドを含むこともできる。具体的には、送信されるSCHED_HARQ_NOTIFYメッセージは、UlHiPduDesc構造を含むことができ、SCHED_CQI_NOTIFYメッセージは、DlCqiRiPduDesc構造を含むことができ、SCHED_PUSCH_DECODE_NOTIFYメッセージは、EnbMpiUlschPduInd構造体を含むことができ、これらの全ては、OFDMシンボルごとの位相誤差を示すことができる(例えば、ドップラーが高いため)phy2MacHstPhaseErrフィールドを追加したものを含むことができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、現在の主題は、図9に示すように、システム900に実装されるように構成することができる。システム900は、プロセッサ910、メモリ920、記憶装置930、及び入出力装置940のうちの1つ又は複数を含むことができる。構成要素910、920、930、及び940の各々は、システムバス950を用いて相互接続することができる。プロセッサ910は、システム600内で実行するための命令を処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ910は、シングルスレッドプロセッサとすることができる。代替の実施形態では、プロセッサ910は、マルチスレッドプロセッサであり得る。プロセッサ910は、入力/出力装置940を介して情報を受信又は送信することを含む、メモリ920又は記憶デバイス930に記憶された命令を処理するようにさらに構成され得る。メモリ920は、システム900内の情報を格納することができる。いくつかの実施形態では、メモリ920は、コンピュータ読み取り可能な媒体とすることができる。代替の実施形態では、メモリ920は、揮発性メモリユニットとすることができる。さらにいくつかの実施形態では、メモリ920は、不揮発性メモリユニットとすることができる。記憶装置930は、システム900のための大容量記憶装置を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、記憶装置930は、コンピュータ読み取り可能な媒体とすることができる。代替の実施形態では、記憶装置930は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、不揮発性固体メモリ、又は任意の他のタイプの記憶装置とすることができる。入力/出力装置940は、システム900に入力/出力動作を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、入力/出力装置940は、キーボード及び/又はポインティングデバイスを含むことができる。代替の実施形態では、入力/出力装置940は、グラフィカルユーザインターフェースを表示すためのディスプレイ装置を含むことができる。
【0073】
図10は、現在の主題のいくつかの実施態様による、無線通信システムにおける信号の受信を強化するための例示的なコンピュータ実装方法1000を例示する。1002において、フレーム(たとえば、図7に示すようなフレーム700)を含む信号が、アップリンク通信チャネルで受信され得る。フレームは、複数のシンボルを含むことができる。1004において、複数のシンボルにおける少なくとも1つのシンボルの角度位置が、シンボルのコンスタレーション(例えば、図5A及び図5Bに示されるようなコンスタレーション500、510)において検出され得る。位置は、基地局(例えば、eNodeB、gNodeBなど)のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって検出され得る。シンボルは、上述したように、等化されたシンボルであることができる。1006において、少なくとも1つのシンボルの検出された角度位置と、受信フレームに対応する予想される基準シンボル(例えば、図5a及び5bに示すシンボル502/512)に対応するシンボルのコンスタレーションにおける予想される基準角度位置との間の位相誤差に対応できる角度差は、決定することができる。1008において、決定された位相誤差を使用して、少なくとも1つのシンボルの位相は、それに応じて補償され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、制御チャネルにおいて、参照信号は、互いに実質的に隣接し得る。したがって、シンボル間のチャネルの回転は、基準信号シンボル間の推定チャネルの相関を実行することによって識別することができる。いくつかの実施形態では、追加情報(例えば、図8に示すように、ダウンリンク送信のACK/NACK)がシンボルのいくつかに符号化されるかもしれない。これは、データチャネルに関して上述したプロセスと同様に、コンスタレーション周りの仮説/回転を使用することによって処理することができる。例えば、コンテンツがBPSKコンスタレーションである場合、シンボル間の参照信号チャネル間の相関は、BPSKコンスタレーションの回転したバージョンの周りに配置され得る。
同様に、QPSKデータコンテンツについても、同様の方法を適用することができる。角度は、予想されるコンスタレーションの周りの回転に基づいて判定されることができ、測定された角度は、基準シンボルから離れた等化されたシンボルを補償するために使用され得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、現在の主題は、以下のオプションの特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、受信、検出、判定、及び補償のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのメモリに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを有する基地局によって実行することができる。基地局は、無線送信機及び無線受信機をさらに含むことができる。基地局は、eNodeB基地局、gNodeB基地局、及びそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。アップリンク通信チャネルは、基地局と少なくとも1つのユーザ機器との間に確立され得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、受信、検出、判定、及び補償のうちの少なくとも1つは、基地局のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素によって実行され得る。本方法は、受信信号の復号のために、少なくとも1つのシンボルの補償された位相情報を基地局のレイヤ2における1つ又は複数の構成要素に提供することも含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、信号の受信は、受信信号を復調して、等化された受信信号を生成することも含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、前記アップリンクチャネルは、物理アップリンク制御チャネル(「PUCCH」)及び物理アップリンク共有チャネル(「PUSCH」)のうちの少なくとも1つを含むことができる。本方法はまた、コンスタレーション内の各シンボルについて、検出、判定、及び補償を繰り返すことと、前記繰り返しに基づき、累積角度差を生成することと、累積角度差を基地局のレイヤ2(又は任意の上位レイヤ)の1つ又は複数の構成要素に提供することとを含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本方法はまた、アップリンク通信チャネル上で複数の別のシンボルを含む別のフレームを含む別の信号を受信することを含み得る。これらのシンボルのうちの1つ又は複数は、基地局のレイヤ1における1つ又は複数の構成要素を用いて、生成された累積角度差を用いて、補償され得る。このようなシンボルのうちの1つ以上は、予想される基準シンボルに隣接することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記アップリンク通信チャネル上の変動に基づいて前記生成された累積角度差を調整することと、前記複数の他のシンボルにおける残りのシンボルに対して前記検出、前記判定、及び前記補償を実行することとをさらに含むことができる。
【0081】
いくつかの例示的な、非限定的な、実施形態において、ユーザ機器は、高速列車に配置され得る。
【0082】
本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、データベースも含むコンピュータなどのデータ処理装置、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含む様々な形態で具現化することができる。さらに、本開示の実施態様の上述した特徴及び他の側面と原理は、様々な環境で実施することができる。そのような環境及び関連するアプリケーションは、開示された実施態様による様々なプロセス及び操作を実行するために特別に構築することができ、もしくは、それらは、必要な機能性を提供するためにコードによって選択的に起動又は再設定された汎用コンピュータ又はコンピューティングプラットフォームを含むことができる。本明細書に開示されたプロセスは、特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置に本質的に関連しておらず、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの適切な組み合わせによって実装することができる。例えば、開示された実施態様の教示に従って書かれたプログラムと共に様々な汎用機を使用することができ、又は、必要な方法及び技術を実行するために特殊な装置又はシステムを構築することがより便利であり得る。
【0083】
本明細書に記載された主題は、例えば1つ以上のデータサーバなどのバックエンド構成要素を含むコンピューティングシステムに実装することができる。もしくは、例えば1つ以上のアプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素を含むか、又は、例えば、ユーザが本明細書に記載の主題の実装と対話できるグラフィカルユーザインターフェース又はWebブラウザを有する1つ以上のクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素、又はそのようなバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンド構成要素の任意の組み合わせが含まれる。システムの構成要素は、例えば通信ネットワークのようなデジタルデータ通信の任意の形態又は媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、及びインターネットが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
コンピューティングシステムは、クライアント装置及びサーバ装置を含むことができる。クライアント装置及びとサーバ装置は、一般に、排他的ではないが、互いに離れており、典型的には、通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアント装置とサーバ装置の関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって生じ、互いにクライアント装置とサーバ装置の関係を有する。
【0085】
前述の説明で示された実施形態は、本明細書に記載された主題と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、それらは、記載された主題に関連する実施態様と一致するいくつかの例に過ぎない。いくつかの変形例が上記で詳細に説明されたが、他の修正又は追加が可能である。特に、本明細書に記載されたものに加えて、さらなる特徴及び/又は変形を提供することができる。例えば、上述した実装は、開示された特徴の様々な組み合わせ及びサブの組み合わせ、並びに/又は、上述したいくつかの更なる特徴の組み合わせ及びサブの組み合わせに向けられることが可能である。さらに、添付図面に描かれ、及び/又は本明細書に記載される論理フローは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示される特定の順序、又は順次順序を必要としない。他の実施態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内とすることができる。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】