(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】脱毛の治療のための組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5575 20060101AFI20221005BHJP
A61K 38/13 20060101ALI20221005BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20221005BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20221005BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221005BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20221005BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A61K31/5575
A61K38/13
A61P17/14
A61K47/10
A61K47/26
A61K31/506
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021578213
(86)(22)【出願日】2020-08-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 US2020044771
(87)【国際公開番号】W WO2021026084
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522000522
【氏名又は名称】アネイラ・ファーマ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Aneira Pharma, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ワースト,ジョン エドワード
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD46
4C076EE23
4C076FF11
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA01
4C084BA18
4C084BA24
4C084DA11
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA63
4C084NA05
4C084NA15
4C084ZA92
4C084ZB08
4C084ZC02
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4C086AA01
4C086AA02
4C086BC42
4C086DA02
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA63
4C086NA05
4C086NA15
4C086ZA92
4C086ZB08
4C086ZC02
4C086ZC12
(57)【要約】
毛の成長の処置および脱毛の予防のための組成物および方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.05~0.5%w/vのラタノプロストおよびラタノプロスト酸、および、0.01~0.1%w/vのシクロスポリン、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
【請求項2】
オレイルアルコールまたはエタノールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールからなる群から選択されるものをさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
酢酸;および、ポリソルベート60およびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択されるものをさらに含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
酢酸;および、ポリソルベート60およびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択されるものを、さらに含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
エタノール;および、プロピレングリコールおよびポリソルベート80からなる群から選択される少なくとも1つ、をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
エタノールが、約25~30%w/vの濃度で存在する、請求項9に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、オレイルアルコールをさらに含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項9】
ジエチレングリコールモノエチルエーテルをさらに含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
約0.05~0.3%w/vのラタノプロスト、および、2~7%のミノキシジル、を含む、脱毛において使用するための組成物。
【請求項11】
エタノール、プロピレングリコール、水;および、ベンジルアルコール、オレイン酸およびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、エタノール、プロピレングリコール、ポリソルベート、水;および、オレイルアルコール、オレイン酸およびベンジルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
組成物が、プロピレングリコール、エタノール、および、約0.1~0.5%w/vの酢酸、を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、50%w/vのプロピレングリコール、および、30%w/vのエタノール、を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
組成物が、エタノール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン80、およびプロパンジオールからなる群から選択される少なくとも2つ;および、酢酸、オレイン酸、およびオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項16】
さらに、約0.1%w/vのラタノプロスト、および、約5%w/vのミノキシジル、を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項17】
プロピレングリコール、エタノール、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルをさらに含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
組成物が、50%w/vのプロピレングリコール、25%w/vのエタノール、2~5%w/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
0.08%w/vのラタノプロスト、4%w/vのミノキシジル、2%w/vのオレイルアルコール、50%w/vのプロピレングリコール、30%w/vのエタノール、水、および、3%w/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、からなる、請求項10に記載の組成物。
【請求項20】
0.1%w/vのラタノプロスト、5%w/vのミノキシジル、3%w/vのオレイン酸、50%w/vのプロピレングリコール、30%w/vのエタノール、水、および、2%w/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、からなる、請求項10に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月7日に出願された米国特許仮出願第62/883,809号、2019年9月4日に出願された米国特許仮出願第62/895,869号、および、2020年3月23日に出願された米国特許仮出願第63/100,611号についての優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、脱毛を予防する、および/または毛を成長させるために、特定のプロスタグランジン類似体を、単独で、およびシクロスポリンなどの他の化合物と組み合わせて、使用することに関する。本発明はまた、頭皮および体の他の部位において、毛を成長させ、または脱毛を予防する、プロスタグランジン類似体およびシクロスポリンを含む、製剤に関する。本発明はまた、男性型脱毛症および円形脱毛症などの特定の脱毛障害を治療するための、製剤および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
脱毛(hair loss)は、男性と女性の両方において大きな心理的ストレスを引き起こす、心理的に落胆させる病気である。全男性のうち、30歳までに30%が、50歳までに50%が、そして70歳までに80%が、いくらか脱毛を経験する。女性のうち、60歳までに40%が、脱毛を経験する。脱毛による生活の質への悪影響は、男性、および、特に青年と女性により報告されている。
【0004】
毛の成長は、一般に、4つの段階に分けられる。成長期は、活発な発毛の段階であり、2~6年続くが、一般に、頭皮の毛(髪)では、3~5年続く。成長期の間、毛包の上皮の区画は急速な増殖を起こし、毛球マトリックス細胞において最大の増殖となり、毛包は毛球成長期の形態をとる。実際、毛包の毛球の形態を研究することにより、毛がどの段階にあるかを判断することが可能である。退行期は、成長期と休止期の間の短い移行期であり、頭皮の毛で7~14日間続く。休止期は、「休止段階」と称され、毛が最終的に抜ける前に発毛が止まり、一般に4~8週間続き、毛乳頭が毛包から完全に分離する。休止期の終わり、または成長期の始まりである、第4段階は、脱毛期であり、古い毛が抜ける。成長期は、毛乳頭が上に戻るように移動して毛包と接触して、再び始まり、新しい毛の成長が再び始まり、新しい毛が古い毛を排出する。
【0005】
脱毛障害のない人では、頭皮の毛の約90%が成長期にあり、毛の約1~2%が退行期にあり、そして、頭皮の毛の約8~9%が休止期にある。男性型脱毛症の発症に伴い、休止期にある毛の割合が高くなり、成長期にある毛の数が少なくなる。患者は、脱毛障害のない人よりも毛包が著しく少なく、典型的な禿げている人が、頭皮に1平方インチあたり約300個の毛包があるのに対し、脱毛障害のない人は、1平方インチあたり約450個の毛包がある。おそらくより重要なことに、男性型脱毛症を患っている人の活性な毛包では、毛包の毛の多くは、長くて径が太くて色が濃い硬毛ではなく、軟毛になっている。さらに、休止期にある毛の数が増加している。
【発明の概要】
【0006】
概要、本発明は、以下の実施形態を含む。
1.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、および、1.0~15.0%w/w、w/v、またはv/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、を含む、組成物。
2.組成物が、約0.05%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、約0.06%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、および、約10%w/w、w/v、またはv/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、を含む、実施形態1に記載の組成物。
3.オレイルアルコールをさらに含む、実施形態2に記載の組成物。
4.ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールをさらに含む、組成物。
5.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、および、5.0~15.0%w/w、w/v、またはv/vのCAPTEX 300 EP/NFを含む、脱毛を感じている患者の毛の成長に使用するための、組成物。
6.組成物が、0.06%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、0.08%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、を含む、実施形態5に記載の組成物。
7. 10%w/w、w/v、またはv/vのCAPTEX 300 EP/NFをさらに含む、実施形態6に記載の組成物。
8.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのトラボプロストまたはトラボプロスト酸、および、0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
9.ジエチレングリコールモノエチルエーテル、CAPTEX 300 EP/NF、プロピレングリコール、およびポリエチレングリコールからなる群から選択されるものをさらに含む、実施形態8に記載の組成物。
10.オレイン酸をさらに含む、実施形態1、5、8および9に記載の組成物。
【0007】
11.実施形態1、5、8、および9のうちの1つに記載の製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者の脱毛を予防する方法。
12.患者が、円形脱毛症に罹患しており、製剤が、1日1回、脱毛を感じている頭皮の部位に適用される、実施形態11に記載の方法。
13.製剤が、1日2回適用される、実施形態12の方法。
14.実施形態1、5、8、および9のうちの1つに記載の製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、脱毛を患っている患者に発毛を引き起こすための方法であって、毛包毛球の領域に侵入するT細胞をダウンレギュレートする、方法。
15.実施形態1、5、8、および9のうちの1つに記載の製剤を適用することによって、患者が製剤を適用しなかった場合と比較して、患者がより大きな程度で発毛を感じる、実施形態14に記載の方法。
16.製剤が、製剤が適用されなかった場合よりも長く、毛を成長期に維持する、実施形態10~15に記載の方法。
17.患者が、十分な量の脱毛を治す、実施形態14に記載の方法。
18.製剤が、0.06%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロスト酸、および、0.08%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリンA、および、薬学的に許容される溶媒、および浸透促進剤、を含む、実施形態14に記載の方法。
19.製剤が、0.1%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト遊離酸、および、シクロスポリン、を含む、患者の頭皮において毛を成長させる方法。
20.シクロスポリンが、シクロスポリンAである、実施形態19に記載の方法。
【0008】
21.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのビマトプロスト、および、0.05~0.1%のシクロスポリンA、および、1.0~25.0%w/w、w/v、またはv/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
22.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのビマトプロスト、および、0.05~0.1%のシクロスポリンA、および、1.0~15.0%w/w、w/v、またはv/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、を含む、毛の成長に使用するための組成物。
23.約0.05~0.5%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、1.0~7.0%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、脱毛の治療または毛の成長に使用するための組成物。
24.組成物が、約0.1%または0.3%w/w、w/vまたはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、約5.0%w/wのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を有する、実施形態23に記載の組成物。
25.オレイルアルコール、エタノール、オレイン酸、およびジエチレングリコールモノエチルエーテルからなる群から選択されるものをさらに含む、実施形態23に記載の組成物。
26.組成物が、0.1%、0.2%または0.3%w/w、w/v、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸からなる群から選択されるもの、および、4.0%、5.0%、6.0%および7.0%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩からなる群から選択されるもの、を有する、実施形態23に記載の組成物。
27.約0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのビマトプロストまたはビマトプロスト酸、および、1.0~5.0%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、脱毛の治療または毛の成長に使用するための組成物。
28.組成物が、0.1%、0.2%および0.3%w/w、w/v、またはv/vのビマトプロストからなる群から選択されるもの、および、4.0%、5.0%、6.0%および7.0%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジルからなる群から選択されるもの、を有する、実施形態27に記載の組成物。
29.オレイルアルコール、オレイン酸、またはエタノールをさらに含む、実施形態27に記載の組成物。
30.プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールをさらに含む、実施形態27に記載の組成物。
【0009】
31.約0.05~0.5%w/w、w/v、またはv/vのトラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、1.0~7.0%w/w、w/vまたはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、脱毛の治療または毛の成長に使用するための組成物。
32.組成物が、約0.1%w/w、w/v、またはv/vのトラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、約5.0%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、および、少なくとも5%w/w、w/v、またはv/vのジエチレングリコールモノエチルエーテル、を有する、実施形態31に記載の組成物。
33.組成物が、患者のまゆ毛の下の皮膚に適用されて、まゆ毛を成長させる、実施形態1~10、および20~32のいずれかに記載の組成物。
34.組成物が、患者の上眼瞼縁または下眼瞼縁に適用されて、まつ毛を成長させる、実施形態1~10、および20~32のいずれかに記載の組成物。
35.組成物が、患者の口ひげまたはあごひげの下の皮膚に適用されて、口ひげまたはあごひげの毛を成長させる、実施形態1~32のいずれかに記載の組成物。
36.実施形態1~10、および21~32に記載の製剤を、患者の軟毛の部位に適用することにより、軟毛を硬毛に変換する方法。
37.実施形態23に記載の製剤を、患者の軟毛の部位に適用することにより、中間の毛を硬毛に変換する方法。
38.実施形態1~10、または21~32に記載の組成物を、患者の頭皮に適用することにより、毛の長さ、太さおよび色素から選択される少なくとも1つを増加させる方法。
39.組成物が、ゲルである、実施形態23、27、31、または33に記載の組成物。
40.ゲルが、1日1回、1日2回、または1日3回からなる群から選択される1つで、まゆ毛に適用される、実施形態39に記載の組成物。
【0010】
41.ゲルが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒアルロン酸、またはカルボジイミド、および/またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む、実施形態39に記載の組成物。
42.カルボキシメチルセルロースナトリウムが、低粘度(90,000ダルトン)、中粘度(250,000ダルトン)、および高粘度(700,000ダルトン)の、カルボキシメチルセルロース、および/またはそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態41に記載の組成物。
43.ゲルが、1日1回または2回、まゆ毛に適用される、実施形態40および41に記載の組成物。
44.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、第1の組成物であって、皮膚への組成物の適用により、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩のいずれかが、第1の組成物と同じ濃度で単剤療法として皮膚に適用された場合と比較して、より速い毛の成長の発現をもたらす、組成物。
45.第1の組成物が、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、およびミノキシジルを、単剤療法として単独で適用されるラタノプロストまたはラタノプロスト酸およびミノキシジルと同じ個々の濃度で、含む、実施形態44に記載の組成物。
46.組成物が、頭皮、まゆ毛の下の皮膚、上眼瞼縁、下眼瞼縁、および顔からなる群から選択されるものに適用される、実施形態44または45に記載の組成物。
47.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、第1の組成物であって、皮膚への第1の組成物の適用により、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩のいずれかが、第1の組成物にそれらが存在するのと同じ個々の濃度で、単剤療法として単独で皮膚に適用された場合と比較して、より大きな毛の成長をもたらす、組成物。
48.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態47に記載の第1の組成物であって、頭皮、まゆ毛の下の皮膚、上眼瞼縁、下眼瞼縁、および顔に適用された場合、毛の成長をもたらし、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸およびミノキシジルのいずれかが、第1の組成物にそれらが存在するのと同じ濃度で、単剤療法として単独で適用されたときよりも、毛を長くすることからなる群から選択されるものをもたらす、組成物。
49.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態47に記載の第1の組成物であって、皮膚に適用された場合、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸およびミノキシジルのいずれが、単剤療法と同じ濃度で単独で皮膚に適用されたよりも、個々の毛の直径または周囲長をより大きくする、組成物。
50.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態47に記載の第1の組成物であって、皮膚に適用された場合、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩を、単剤療法と同じ濃度で単独で皮膚に適用した場合と比較して、個々の毛のメラニン濃度をより大きくする、組成物。
【0011】
51.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、第1の組成物であって、皮膚に適用された場合、トラボプロストまたはトラボプロスト酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩のいずれかを、トラボプロストまたはトラボプロスト酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩の濃度が、トラボプロストまたはトラボプロスト酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩の単剤療法と比較して同じ濃度で、単独で適用したときよりも、毛の成長をもたらし、毛を長くする、組成物。
52.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態51に記載の第1の組成物であって、第1の組成物の皮膚への適用により、トラボプロストまたはトラボプロスト酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩のいずれかが、それらが第1の組成物に存在するのと同じ個々の濃度で単剤療法として単独で皮膚に適用された場合と比較して、毛の成長をより大きくする、組成物。
53.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態51に記載の第1の組成物であって、皮膚に適用された場合、トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩のいずれかが、それらが第1の組成物に存在するのと同じ個々の濃度で、単剤療法として単独で皮膚に適用された場合と比較して、個々の毛の直径または周囲長をより大きくする、組成物。
54.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を含む、実施形態47に記載の第1の組成物であって、皮膚に適用された場合、トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸およびミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩を、単剤療法と同じ濃度で単独で皮膚に適用した場合と比較して、個々の毛のメラニン濃度をより大きくする、組成物。
55.実施形態1~10または21~32または39~54のいずれかからなる群から選択される組成物を、頭皮に適用することにより、頭皮の毛の成長を刺激する方法。
56.製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される組成物を、頭皮に適用することにより、頭皮の毛の成長を刺激する方法。
57.毛の成長を増大させ、および、個々の毛の長さ、個々の毛の直径または周囲長、個々の毛の濃さ、個々の毛のメラニン含有量、皮膚の1平方インチあたりの軟毛に対する硬毛の比率の増加、および、適用の領域における白毛に対する黒毛の増加、からなる群から選択される1つ以上の特性を増大させる、毛包を刺激するための方法であって、実施形態1~10または21~32、39、41または42または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包の部位の哺乳動物の皮膚に適用することを含む、方法。
58.毛の成長を増大させ、および、適用領域において、個々の毛の長さ、個々の毛の直径または周囲長、個々の毛の濃さ、個々の毛のメラニン含有量、皮膚の1平方インチあたりの軟毛に対する硬毛の比率の増加、および、適用の領域における白毛に対する黒毛の増加、からなる群から選択される1つ以上の特性を増大させる、毛包を刺激するための方法であって、製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包の部位の哺乳動物の皮膚に適用することを含む、方法。
59.組成物が、頭皮、まゆ毛の下の表皮層、下眼瞼縁、上眼瞼縁、および顔からなる群から選択される1つに適用される、実施形態57および58に記載の方法。
60.実施形態1~10または21~32または39、41または42または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、皮膚または表皮に適用することにより、皮膚の硬毛の数を増加させる、方法。
【0012】
61.実施形態1~10または21~32または39、41、42および54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、哺乳動物の皮膚に適用することにより、頭皮の硬毛の数を増加させる、方法。
62.実施形態1~10または21~32または39、41、42および54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、哺乳動物の皮膚に適用することにより、白毛をより濃い毛に変換する、方法。
63.実施形態1~10または21~32または39~54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包に近接する哺乳動物の皮膚に適用することにより、白毛をより濃い毛に変換するか、または、毛のメラニン含有量を増加させる、方法。
64.実施形態1~10または21~32または39~54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包に近接する哺乳動物の皮膚に適用することにより、個々の毛のメラニン含有量を増加させる方法。
65.実施形態1~10または21~32または39~54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される組成物の有効量を、白毛を有する皮膚の領域において哺乳動物の皮膚に適用することにより、個々の毛を濃くする、方法。
66.個々の毛のメラニン含有量およびケラチン含有量を増加させる、実施形態64および65に記載の方法。
67.実施形態1~10または21~32または39~54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包に近接する哺乳動物の皮膚に適用することにより、個々の毛の直径または周囲長を増大させる、方法。
68.実施形態1~10または21~32または39~54、または製剤I~XXXXXのいずれかからなる群から選択される1つを含む組成物の有効量を、毛包に適用することにより、個々の毛の、直径、周囲長または長さを増大させる、方法。
69.組成物が、頭皮、まゆ毛の下の皮膚、上眼瞼縁、下眼瞼縁、および顔からなる群から選択される1つに適用される、実施形態60~68に記載の方法。
70.哺乳動物がヒトである、実施形態69に記載の方法。
【0013】
71.化学療法を受ける患者の脱毛を予防する方法であって、製剤I~XXXXX、または実施形態1~10または21~32または39~54からなる群から選択される製剤を投与し、および、その実施形態または製剤を、化学療法の前、その間または後に、頭皮、まゆ毛の下の表皮層、上眼瞼縁および下眼瞼縁、または顔からなる群から選択される1つに適用することを含む、方法。
72.脱毛の量を減少させるために、患者が化学療法治療を受ける前に、製剤が適用される、実施形態71に記載の方法。
73.製剤が、化学療法治療の45日前、化学療法治療の30日前、化学療法治療の25日前、化学療法治療の20日前、化学療法治療の15日前、化学療法治療の10日前、および、化学療法治療の、9、8、7、6、5、4、3、2、1日前のいずれか、からなる群から選択される1つで適用される、実施形態72に記載の方法。
74.製剤が、1日3回、1日2回、および、1日1回からなる群から選択される1つで適用される、実施形態72または73に記載の方法。
75.同じ期間製剤が投与されない患者と比較して、患者は、頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つから失う毛が、より少なくなる、実施形態71~74に記載の方法。
76.頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つの毛が、製剤が投与されない患者と比較して、より長く、より濃く、およびより太くなる、実施形態75に記載の方法。
77.頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つの毛が、製剤が投与されない患者と比較して、より数が多くなる、実施形態75に記載の方法。
78.患者が化学療法治療を受けている間に、製剤が適用される、実施形態71に記載の方法。
79.製剤が、1日3回、1日2回、および、1日1回からなる群から選択される1つで、頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つに適用される、実施形態78に記載の方法。
80.製剤を適用しない患者と比較して、患者は、頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される失う毛が、より少なくなる、実施形態79に記載の方法。
【0014】
81.頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つの毛が、治療を受けていない患者と比較して、より長く、より濃く、より多く、およびより太くなる、実施形態78および79に記載の方法。
82.化学療法治療を受けている間に、患者が製剤を適用する、実施形態78~81に記載の方法。
83.化学療法治療が終了した後に、患者が製剤を適用する、項82に記載の方法。
84.化学療法治療の終了後、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、および24ヶ月、からなる群から選択される1つから、患者が製剤を適用する、実施形態83に記載の方法。
85.化学療法治療後に処置を受けない患者と比較して、頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される少なくとも1つの毛が、より長く、より濃く、より多く、より太くなる、実施形態84に記載の方法。
86.頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される1つに、製剤I~XXXXX、または実施形態1~10または21~31または39~54を、適用することにより、患者が製剤を適用しない場合よりも、毛が、早く、および/または、より長い期間、成長期に入る、実施形態84に記載の方法。
87.頭皮、まゆ毛、まつ毛、および顔からなる群から選択される1つに、製剤を適用することにより、患者が製剤を適用しない場合よりも、毛が、より長く成長期に入る、実施形態85に記載の方法。
88.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩の組み合わせの、それを患う患者における脱毛の治療のための、使用。
89.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約2~8%w/v、w/w、またはw/vの濃度で存在する、実施形態88に記載の使用。
90.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.1~0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、および10%w/v、w/w、またはv/vからなる群から選択される1つの濃度で存在する、実施形態89に記載の使用。
【0015】
91.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.2%w/v、w/w、またはw/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態90に記載の使用。
92.ラタノプロストまたはラタノプロストが、約0.3%w/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態90に記載の使用。
93.ラタノプロストが、約0.8%w/vの濃度で存在し、ミノキシジルが、約4%w/vの濃度で存在する、実施形態90に記載の使用。
94.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態88~93に記載の使用。
95.患者における毛の成長のための、ラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、の組み合わせの使用。
96.患者が脱毛を患っている、実施形態95に記載の使用。
97.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約2~8%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
98.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.1~0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、4~7%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
99.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.2%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約4%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
100.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
【0016】
101.ラタノプロストまたはラタノプロスト酸が、約0.1%w/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
102.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態88~93、および97~100に記載の使用。
103.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩の組み合わせの、それを患う患者における脱毛の治療のための、使用。
104.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約2~8%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態103に記載の使用。
105.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.07~0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、4~7%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態103に記載の使用。
106.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.2%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態103に記載の使用。
107.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態103に記載の使用。
108.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.1%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態103に記載の使用。
109.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態103~108に記載の使用。
110.患者における毛の成長のための、トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、の組み合わせの使用。
【0017】
111.患者が脱毛を患っている、実施形態110に記載の使用。
112.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約2~8%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態111に記載の使用。
113.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.1~0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が4~7%w/v、w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態111に記載の使用。
114.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.2%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
115.トラボプロストまたはトラボプロストが、約0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルが、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
116.トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸が、約0.07%または0.08%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約4%、5%または6%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
117.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態103~108に記載の使用。
118.ビマトプロスト、および、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩の組み合わせの、それを患う患者において脱毛の治療のための、使用。
119.ビマトプロストが、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約2~8%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態118に記載の使用。
120.ビマトプロストが、約0.1~0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、4~7%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態119に記載の使用。
【0018】
121.ビマトプロストが、約0.2%w/v、w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態118に記載の使用。
122.ビマトプロストが、約0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態90に記載の使用。
123.ビマトプロストが、約0.1%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態90に記載の使用。
124.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態119~123に記載の使用。
125.患者における毛の成長のための、ビマトプロストおよびミノキシジルの組み合わせの使用。
126.患者が脱毛を患っている、実施形態95に記載の使用。
127.ビマトプロストが、約0.08~0.5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルが、約2~8%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態119に記載の使用。
128.ビマトプロストが、約0.08%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、4~7%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態127に記載の使用。
129.ビマトプロストが、約0.9%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約4%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態95に記載の使用。
130.ビマトプロストが、約0.3%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約5%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態127に記載の使用。
【0019】
131.ビマトプロストが、約0.1%w/vの濃度で存在し、ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩が、約4%w/v、w/w、またはv/vの濃度で存在する、実施形態127に記載の使用。
132.脱毛が、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛からなる群から選択される少なくとも1つである、実施形態126~131に記載の使用。
133.約0.05~0.5%w/v、w/w、またはv/vの、ラタノプロストおよびラタノプロスト酸からなる群から選択される1つ、および、1~8%w/v、w/w、またはv/vのミノキシジル、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
134.約0.3%w/v、w/w、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、約5%w/v、w/w、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を有する、実施形態133に記載の組成物。
135.約0.07%w/v、w/w、またはv/vのラタノプロストまたはラタノプロスト酸、および、約4~6%w/v、w/w、またはv/vのミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、を有する、実施形態133に記載の組成物。
136.オレイルアルコールまたはエタノールをさらに含む、実施形態133に記載の組成物。
137.プロピレングリコールをさらに含む、実施形態136に記載の組成物。
138.脱毛が、男性型脱毛症によるものである、実施形態133に記載の組成物。
139.脱毛が、円形脱毛症によるものである、実施形態137に記載の組成物。
140.酢酸と、ポリソルベート60およびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択されるものをさらに含む、実施形態137に記載の組成物。
【0020】
141.酢酸;および、ポリソルベート60およびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択されるものをさらに含む、実施形態134に記載の組成物。
142.エタノール;および、プロピレングリコールおよびポリソルベート80からなる群から選択される少なくとも1つをさらに含む、実施形態137に記載の組成物。
143.エタノールが、約25~50%w/vの濃度で存在する、実施形態142に記載の組成物。
144.組成物が、オレイルアルコールをさらに含む、実施形態143に記載の組成物。
145.ジエチレングリコールモノエチルエーテルをさらに含む、実施形態144に記載の組成物。
146.エタノール、プロピレングリコール、水;および、ベンジルアルコール、オレイン酸、オレイルアルコールおよびポリオキシエチレンラウリルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、をさらに含む、実施形態134に記載の組成物。
147.組成物が、エタノール、プロピレングリコール、ポリソルベート、水;および、酢酸、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、を含む、実施形態135に記載の組成物。
148.組成物が、約0.1~0.5%w/v、w/w、またはv/vの酢酸を含む、実施形態147に記載の組成物。
149.組成物が、約5~60%w/v、w/w、またはv/vのプロピレングリコールを含む、実施形態147に記載の組成物。
150.組成物が、エタノール、プロピレングリコール、ポリソルベート、水;および、酢酸、オレイン酸およびオレイルアルコールからなる群から選択される少なくとも1つ、を含む、実施形態133に記載の組成物。
【0021】
151.実施形態134に記載の製剤を、少なくとも1日1回、頭皮に適用することにより、頭皮の毛を成長させる方法であって、製剤が適用される頭皮の部位が、製剤が適用されない頭皮の部位よりも、より大きい程度で毛を成長させる、方法。
152.実施形態135に記載の製剤を皮膚に投与することを含む、毛を成長させる方法であって、製剤が、頭皮の適用部位の休止期の毛を、製剤が投与されない頭皮の部位よりも早く、成長期に入らせる、方法。
153.実施形態1~10または21~31または35~54、および製剤I~XXXXXから選択される製剤を、少なくとも1日1回、患者の指の爪または爪上皮に局所的に適用されるように、投与することを含む、それを患う患者における、爪の成長を増強するか、または、もろい爪症候群を治療する、方法。
154.方法が、爪乾癬、乾癬性爪ジストロフィー、もろい爪症候群、爪の長さおよび厚さの増加、爪炎、爪異常湾曲症、爪嵌入症、爪ジストロフィー、爪鉤湾症、爪甲離床症、爪甲脱落症、巨爪症、爪甲真菌症、爪甲縦裂症、爪白鮮、爪床部角質上皮増殖症、爪甲脱落症、爪周囲炎、緑膿菌感染症、翼状片爪および翼状片逆位爪、匙状爪、爪下血腫および他の爪に対する外傷、葉酸欠乏症、爪甲白斑症、爪膝蓋骨症候群、黒爪症、タンパク質欠乏症、もろくて剥離性の爪、メチルメタクリレート損傷爪、ビタミンC欠乏症、ビタミン欠乏症、白鮮爪、扁平苔癬に関連する薄化爪、レイノー病、関節リウマチに関連する出血、ボー線、および、ある種の毒に関連するミーズ線、からなる群から選択される、足指の爪または手指の爪の障害を治療するのに有用である、実施形態153に記載の方法。
155.実施形態1~10または21~31または35~54、または製剤I~XXXXXのいずれか1つを、毛包に投与することにより、毛包内の、および、その周辺または近接する細胞のメラノサイトにおけるメラニン形成を刺激するとともに、同時に毛の成長を引き起こす、方法であって、実施形態または製剤が毛包に適用されないときと比較して、メラノサイトがより速くメラニン形成を始める、方法。
156.メラノサイト中のメラノソームが、実施形態または製剤が毛包に局所的に適用されないときと比較して、より多くのメラニンを産生する、実施形態155に記載の方法。
157.メラノサイト中のメラノソームが、実施形態または製剤が毛包に適用されないときと比較して、黒色ユーメラニン、褐色ユーメラニン、黄色フェオメラニン、および、赤褐色フェオメラニンからなる群から選択される1つをより産生する、実施形態155に記載の方法。
158.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、製剤が適用されないときと比較して、より濃い新しい毛の成長をもたらす、毛を成長させる、方法。
159.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の組成物と、個々の実施形態において、ビマトプロストがラタノプロストと交換されて同じ濃度となっている以外は同じ組成物と比較して、より濃い新しい毛の成長をもたらす、実施形態158に記載の方法。
160.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の組成物と、個々の実施形態において、トラボプロストがラタノプロストと交換されて毛包に対して同じ濃度となっている以外は同じ組成物と比較して、より濃い新しい毛の成長をもたらす、実施形態158に記載の方法。
【0022】
161.実施形態1~10または21~31または35~54、または製剤I~XXXXXのいずれか1つを、毛包に投与することにより、毛包内の、および、その周辺または近接する細胞のケラチノサイトにおける角質形成を刺激するとともに、同時に毛の成長を引き起こす、方法であって、実施形態または製剤が適用されないときと比較して、ケラチノサイトが、より速く、および/または、より長い持続時間で、角質形成を始める、方法。
162.実施形態または製剤が毛包に局所的に適用されないときと比較して、ケラチノサイトが、より太い、または直径および/または周囲長がより大きい、毛を生成する、実施形態161に記載の方法。
163.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、製剤が適用されないときと比較して、より太い、より長い、直径がより大きい、および周囲長がより大きい、の群から選択される1つである、新しい毛の成長をもたらす、毛を成長させる方法。
164.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の組成物と、個々の実施形態において、ビマトプロストがラタノプロストと交換されて同じ濃度となっている以外は同じ組成物と比較して、より太い、より長い、直径がより大きい、および、周囲長がより大きい、からなる群から選択される1つである、新しい毛の成長をもたらす、実施形態163に記載の方法。
165.実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の群から選択される1つを適用することにより、実施形態5、6、7、18、19、20、23、24~26、44、45、47、48、49、50、88~93、95、97~101の組成物と、個々の実施形態において、トラボプロストがラタノプロストと交換されて同じ濃度となっている以外は同じ組成物と比較して、より太い、より長い、直径がより大きい、および、周囲長がより大きい、からなる群から選択される1つである、新しい毛の成長をもたらす、実施形態163に記載の方法。
166.実施形態1~10または21~31または35~54、または製剤I~XXXXXの1つを毛包に適用すること、および、赤外線放射を毛包に適用することにより、毛の成長を増強させる方法。
167.実施形態1~10または21~31または35~54、または製剤I~XXXXXの1つが毛包に適用された後、赤外線放射が適用される、実施形態166に記載の方法。
168.赤外線放射が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、および24時間からなる群から選択される1つの時間の間、装置によって毛包に適用される、実施形態167に記載の方法。
169.タフルプロストおよびミノキシジル、を含む、組成物。
170.約0.05~0.3%w/w、w/v、またはv/vのタフルプロスト、および、1~5%w/w、w/v、またはv/vのミノキシジル、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
【0023】
171.組成物が、ポリエチレングリコールまたはプロピレングリコールおよびエタノールをさらに含む、実施形態169および170に記載の組成物。
172.さらに、0.1%w/vのタフルプロスト、および、5%w/vのミノキシジル、を含む、実施形態169、170および171に記載の組成物。
173.タフルプロストおよびフィナステリド、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
174. 0.05%w/v~0.3%w/vのタフルプロスト、および、0.05%w/v~0.3%w/vのフィナステリド、を含む、実施形態173に記載の組成物。
175.タフルプロストおよびシクロスポリン、を含む、脱毛の治療に使用するための組成物。
176. 0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのタフルプロスト、および、0.05~0.1%w/w、w/v、またはv/vのシクロスポリン、を含む、実施形態175に記載の組成物。
177.シクロスポリンが、シクロスポリンAである、実施形態176に記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】周囲の組織を含む毛包の解剖学的構造の説明である。
【
図3】本発明の製剤の1つの提案される作用機序である。
【
図4】製剤XXに続いて製剤XVIIIを適用した、46歳の女性患者の毛の成長を示している。
【
図5】製剤XXに続いて製剤XVIIIを適用した、53歳の男性患者の毛の成長を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
A.プロスタグランジン類似体
本発明のプロスタグランジン類似体には、ラタノプロスト(latanoprost)、ビマトプロスト(bimatoprost)、トラボプロスト(travoprost)、ウエノプロストイソプロピルエステル(uenoprost isopropyl ester)、それらの化合物の遊離酸、および、文献で知られているその他のプロスタグランジン類似体、が含まれる。
【0026】
本発明の化合物は、一般に、式I:
【化1】
によって表すことができ、
式中、破線の結合は、単結合またはシスまたはトランス配置になり得る二重結合を表し、Aは、2~6個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン基であって、ここで、この基は、1つ以上のオキシド基によって割り込まれていてもよく、および、1つ以上の、ヒドロキシ、オキソ、アルキルオキシ、またはアルキルカルボキシ基で置換されていてもよく、ここで、前記アルキル基は、1~6個の炭素原子を含み;
Bは、非置換の、または、H、メチル、またはパーフルオロメチルからなる群から選択されるもので置換されていてもよい、3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるか、あるいは、ヒドロカルビルアリール、および、4~10個の炭素原子を有するヘテロアリール基であって、ヘテロ原子が、窒素、酸素、ハロゲン原子(例えば、フッ素)、任意にハロゲンで置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基、および硫黄原子からなる基から選択され得る、ヘテロアリール基、からなる群から選択される、アリール基であり;
Xは、-O(R
4)、および-N(R
4)
2からなる群から選択される基であり、ここで、R
4は、同じであっても異なっていてもよく、水素、-CH
3、Hまたは-CH
3で任意に置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基、R
5-C-、または、R
5-O-C-からなる群から独立して選択され、ここで、R
5は、1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基であり;
Zは、=Oであるか、2つの水素基を表し;R
1およびR
2の1つは、=O、-OH、または、-O(CO)R
6基であり、もう1つは、-OH、または-O(CO)R
6であるか、または、R
1は、=Oであり、R
2は、Hであり、ここで、R
6は、1~約20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の非環式炭化水素基、または、-(CH
2)mR
7であり、ここで、mは、0または1~10の整数であり、R
7は、3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるか、または、ヒドロカルビルアリール、または上記で定義されるヘテロアリール基である、ものであるか、またはその薬学的に許容される塩である(ただし、Bが、ペンダントヘテロ原子含有基で置換されておらず、Zが=Oの場合、Xは-OR
4ではない)。すなわち、シクロアルキルまたはヒドロカルビルアリールまたはヘテロアリール基は、炭素または水素以外の原子を有するペンダント基で置換されていない。
【0027】
本発明の化合物はまた、以下の一般式II:
【化2】
によって表すことができ、
式中、破線の結合は、単結合またはシスまたはトランス配置になり得る二重結合を表し、ここで、yは、0または1であり、xは、0または1であり、xおよびyの両方が1にはならず、Yは、アルキル、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロなど)、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボキシ、ハロゲン置換アルキル(パーフルオロメチル、パーフルオロエチルおよびパーフルオロプロピルなど)(ここで、前記アルキル基は1~6個の炭素原子を含む)からなる群から選択される基であり、nは、0または1~約3の整数であり、R
3は、=O、-OH、または-O(CO)R
6であり、ここで、R
6は上記で定義された通りである。好ましくは、nは、1または2である。
Xは、-O(R
4)、および-N(R
4)
2からなる群から選択される基であり、ここで、R
4は、同じであっても異なっていてもよく、水素、-CH
3、Hまたは-CH
3で任意に置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基、R
5-C-、または、R
5-O-C-からなる群から独立して選択され、ここで、R
5は、1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基であり;
Zは、=Oであるか、2つの水素基を表し;R
1およびR
2の1つは、=O、-OH、または、-O(CO)R
6基であり、もう1つは、-OH、または-O(CO)R
6であるか、または、R
1は、=Oであり、R
2は、Hであり、ここで、R
6は、1~約20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の非環式炭化水素基、または、-(CH
2)mR
7であり、ここで、mは、0または1~10の整数であり、R
7は、3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるか、または、ヒドロカルビルアリール、または上記で定義されるヘテロアリール基である、ものであるか、またはその薬学的に許容される塩である(ただし、Bが、ペンダントヘテロ原子含有基で置換されておらず、Zが=Oの場合、Xは-OR
4ではない)。すなわち、シクロアルキルまたはヒドロカルビルアリールまたはヘテロアリール基は、炭素または水素以外の原子を有するペンダント基で置換されていない。
【0028】
化合物は、また、一般式(III):
【化3】
によって表すことができる。
【0029】
本発明の化合物は、また、一般式(IV):
【化4】
または、一般式V:
【化5】
によって表すことができる。
【0030】
上記のすべての式において、炭素5と6(C-5)の間、炭素13と14(C-13)の間、炭素8と12(C-8)の間、および炭素10と11(C-10)の間、の結合の点線は、単結合、またはシスまたはトランス配置であり得る二重結合を示す。2本の実線が使用されている場合、それはその二重結合の特定の配置を示す。C-9、C-11、およびC-15位の斜線は、α配置を示している。β配置を描く場合は、実線の三角形の線が使用される。
yは、0または1であり、xは、0または1であり、xおよびyの両方が1にはならず、Yは、アルキル、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロなど)、ニトロ、アミノ、チオール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボキシ、ハロゲン置換アルキル(パーフルオロメチル、パーフルオロエチルおよびパーフルオロプロピルなど)(ここで、前記アルキル基は1~6個の炭素原子を含む)からなる群から選択される基であり、nは、0または1~約3の整数であり、R3は、=O、-OH、または-O(CO)R6であり、ここで、R6は上記で定義された通りである。好ましくは、nは、1または2である。
Xは、-O(R4)、および-N(R4)2からなる群から選択される基であり、ここで、R4は、同じであっても異なっていてもよく、水素、-CH3、Hまたは-CH3で任意に置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基、R5-C-、または、R5-O-C-からなる群から独立して選択され、ここで、R5は、1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基であり;
Zは、=Oであるか、2つの水素基を表し;R1およびR2の1つは、=O、-OH、または、-O(CO)R6基であり、もう1つは、-OH、または-O(CO)R6であるか、または、R1は、=Oであり、R2は、Hであり、ここで、R6は、1~約20個の炭素原子を有する飽和または不飽和の非環式炭化水素基、または、-(CH2)mR7であり、ここで、mは、0または1~10の整数であり、R7は、3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基であるか、または、ヒドロカルビルアリール、または上記で定義されるヘテロアリール基である、ものであるか、またはその薬学的に許容される塩である(ただし、Bが、ペンダントヘテロ原子含有基で置換されておらず、Zが=Oの場合、Xは-OR4ではない)。すなわち、シクロアルキルまたはヒドロカルビルアリールまたはヘテロアリール基は、炭素または水素以外の原子を有するペンダント基で置換されていない。
【0031】
本発明により使用される化合物において、αまたはβ配置にC-9またはC-11またはC-15置換基を有する化合物が、企図される。上記のように、本明細書で提供されるすべての式において、シクロペンタン環への破線の結合は、α-配置の置換を示す。シクロペンタン環への太い実線の結合は、α-配置の置換を示す。また、C-11およびC-15炭素原子へのヒドロキシル基または他の置換基の破線の結合は、α配置を表す。
【0032】
本発明の目的のために、さらに限定されるものではないが、「アルキル」との用語は、1~10個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、「シクロアルキル」との用語は、3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、「アリール」との用語は、4~10個の炭素原子を有するアリール基を意味する。「飽和または不飽和の非環式炭化水素基」との用語は、1~約6個、好ましくは1~約4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を意味するのに使用される。そのような基には、適切な長さの、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が含まれ、好ましくは、アルキルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシル、またはそれらの異性体、が挙げられる。
【0033】
R
6の定義は、環状成分、-(CH
2)mR
7を含んでもよく、ここで、nは、0または1~10の整数であり、R
7は、約3~約7個の炭素原子の脂肪族環、または芳香族環またはヘテロ芳香族環である。「脂肪族環」は、飽和または不飽和であってよく、好ましくは、3~7個の炭素原子を有する飽和の環である。芳香族環として、R
7は、好ましくはフェニルであり、ヘテロ芳香族環は、ヘテロ原子として、酸素、窒素または硫黄を有し、すなわち、R
7は、チエニル、フラニル、ピリジルなどであり得る。好ましくは、mは、0または1~4の整数である。
Zは、=Oであるか、または、2つの水素原子を表す。
Xは、-O(R
4)、および-N(R
4)
2からなる群から選択することができ、ここで、R
4は、同じであっても異なっていてもよく、水素、-CH
3、Hまたは-CH
3で任意に置換されていてもよい1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基、
【化6】
からなる群から独立して選択され、ここで、R
5は、1~6個の炭素原子を有する低級アルキル基である。
【0034】
1)ラタノプロスト
ラタノプロストは、以下の構造を有する。
【化7】
【0035】
ラタノプロストは、プロスタグランジン類似体であり、実際には、プロドラッグであって、その酸の形態(ラタノプロスト酸):
【化8】
が、生物学的に活性である。
【0036】
ラタノプロストはイソプロピルエステルであり、r[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル]ヘプト-5-エン酸によって、ラタノプロスト遊離酸に変換される、プロドラッグである。ラタノプロストの遊離酸形態は、ヒト組換えFP受容体のFP受容体リガンドとして、ラタノプロストよりも、200倍強力である。ラタノプロスト遊離酸は、強力なFP受容体アゴニストであり、ヒトFP受容体のEC50が3.6nMであり、これはPGF2αの2倍の効力である。緑内障またはIOP上昇の治療に対するPG類似体エステルの有効性は、遊離酸のFP受容体結合親和性と密接に相関している。本発明で用いることができる他の形態のラタノプロストとしては、15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、およびラタノプロスト-エチルアミド-d4、が挙げられる。
【0037】
ラタノプロストは、水に溶けにくいが、一般に脂溶性である、分子である。ラタノプロストは、ビマトプロストより脂溶性が高い。有機溶媒を含まないラタノプロストの溶液が必要な場合、酢酸メチルをエバポレートし、ニートのオイルを水性緩衝液に直接溶解することで調製することができる。ラタノプロストのPBS(pH7.2)への溶解度は、約50μg/mLである。水性緩衝液への溶解度を最大にするには、ラタノプロストをまずエタノールまたはプロピレングリコールに溶解し、次いで、選択した水性緩衝液で希釈するようにする。ラタノプロストは、この方法を用いて、エタノール:PBS(pH7.2)が1:4の溶液に、400μg/mLの溶解性となる。酸性または塩基性水溶液では、ラタノプロストは、48時間、安定であり、中性水溶液では、室温で最大1ヶ月間安定であることが示されている。ラタノプロストは、17-フェニル-13,14-ジヒドロプロスタグランジンF2a(17-フェニル-13,14-ジヒドロPGF2a)のイソプロピルエステルである。
【0038】
十分な量の溶解性は、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、および2-プロパノールにおいて使用され得ることでも、最高濃度(5%)で、得られる。さらに、ラタノプロストは、アルコール(プロピレングリコール、メタノール、エタノール、2-プロパノール)などの適切な溶解剤、およびいくつかの芳香族アルコールおよび多価アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、モノオレイン酸グリセリル、ステアリン酸POE、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、1,3ブチレングリコール、グリセロール)などの他の共溶媒に、溶解され得ることが注目される。
【0039】
15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸を含めたラタノプロストは、以下の濃度で、本発明の製剤中に存在し得る:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0040】
15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸を含めたラタノプロストは、本発明の製剤中に、単独で、または他のプロスタグランジン類似体と組み合わせて、存在し得る。15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸を含めたラタノプロストは、本発明の製剤中に、単独で、または局所のミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、または局所のまたは経口のフィナステリドと組み合わせて、存在し得る。15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸を含めたラタノプロストは、本発明の製剤中に、単独で、または式I、IIおよびIIIのシクロスポリンと組み合わせて、存在し得る。
【0041】
2)トラボプロスト
トラボプロストは、合成プロスタグランジンF類似体であり、そして、生物学的に活性な遊離酸のイソプロピルエステルである。その化学名は、[1R-[1α(Z),2β(1E,3R
*),3α,5α]]-7-[3,5-ジヒドロキシ-2-[3-ヒドロキシ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-1-ブテニル]シクロペンチル]-5-ヘプテン酸,1-メチルエチルエステル、である。分子式は、C
26H
35F
3O
6であり、分子量は、500.55である。
【化9】
【0042】
トラボプロスト遊離酸は、以下の構造を有する。
【化10】
【0043】
トラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸は、以下の濃度で、本発明の製剤中に存在し得る:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0044】
トラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸は、本発明の製剤中に、単独で、または他のプロスタグランジン類似体または他の発毛化合物と組み合わせて、存在し得る。トラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸は、本発明の製剤中に、単独で、または局所のミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、または局所のまたは経口のフィナステリドと組み合わせて、存在し得る。トラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸は、式I、IIまたはIIIのシクロスポリンと組み合わせることができる。
【0045】
3)ウエノプロストンイソプロピルエステル
ウノプロストンイソプロピルエステル(unoprostone isopropyl ester)は、以下の構造を有する。
【化11】
【0046】
ウエノプロストンイソプロピルエステルは、以下の構造を有するウエノプロストン遊離酸に変換する、プロドラッグである。
【化12】
【0047】
ウエノプロストンイソプロピルエステルおよびウエノプロストン遊離酸は、眼圧を下げるのに効果的であるが、発毛を引き起こすことが示されておらず、実際、発毛を阻害する可能性があることが示されている(McCarey B. E., Kapik B. M., Kane F. E. [2004])。2つの無作為化臨床試験で虹彩の色素沈着とまつ毛の変化の発生率が低いことが、ウエノプロストンイソプロピル0.15%で報告されている(Ophthalmology 111, 1480-1488)。これは、毛の成長に使用するためのプロスタグランジン類似体が予測不可能であること、および、多くのプロスタグランジン類似体が毛を成長させず、発毛を阻害する可能性があることを示している。
【0048】
4)ビマトプロスト
ビマトプロストは、プロスタグランジンに関連する、生物学的脂質のグループのプロスタミドであるが、末端エタノールアミド基を含み、ラタノプロストおよびトラボプロストなどのプロスタグランジン類似体とは異なる受容体を標的とする。技術的には、ビマトプロストは、プロスタグランジン類似体とは考えられないが、プロスタミドである。ビマトプロストは、次の式で表され得る。
【化13】
【0049】
ビマトプロストは、プロドラッグではなく、別の化合物に変換されないか、あるいは、少量(5%未満)のみがビマトプロスト遊離酸に変換されると考えられている。ビマトプロストは、アミドであるという点で、他の化合物とは異なる。
【化14】
【0050】
ビマトプロスト遊離酸:
【化15】
がある一方、ビマトプロストは、遊離酸としてではなく、エチルアミドとして、発毛剤としてその生物学的活性を発揮すると考えられている。これは、プロドラッグであり、ビマトプロストとは異なる受容体に生理学的効果を及ぼす、ラタノプロストおよびトラボプロストとは対照的であり、これにより、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、およびウエノプロストンイソプロピルエステルが発毛の刺激に使用されることの予測可能性の欠如が示される。ビマトプロストとラタノプロストは、溶解性と薬理学的特性が大きく異なる。ビマトプロスト塩の形態としては、トロメタミン塩の形態が挙げられる。例えば、ビマトプロストが最初に承認された用途である、眼圧上昇を低下させ、緑内障を治療するための局所用溶液、LUMIGAN(商標)0.03%w/vは、臨床濃度が0.03%w/vのビマトプロストを有する。ラタノプロストが最初に承認された用途である、眼圧の上昇を低下させ、緑内障を治療するための局所用溶液、XALATAN(商標)は、臨床濃度が0.005%w/vである。
【0051】
ビマトプロストなどのプロスタミドの作用は、ラタノプロストやトラボプロストなどのリガンドによるプロスタノイドFP受容体を介した応答とは異なるメカニズムが関与する。緑内障の眼圧上昇モデルを有するサルにおけるビマトプロストの効果は、ラタノプロストの効果に相加的であることが示されている(「Additivity of Bimatoprost or Travoprost to Latanoprost in Glaucomatous Monkey Eyes」、Gagliuso et al., 2004)。ラタノプロストとビマトプロストの薬理学的な違いが実証されている。ラタノプロストに反応しない緑内障に罹患した一部のヒト患者は、眼圧上昇の低下においてビマトプロストに反応することが見つけられている(「Effect of bimatoprost on patients with primary open-angle glaucoma or ocular hypertension who are nonresponders to latanoprost」Gandolfi 2003)。ラタノプロストとビマトプロストは、眼および毛包において異なる受容体と相互作用する可能性が高いようである。
【0052】
ビマトプロストおよびビマトプロスト遊離酸は、以下の濃度で存在し得る:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0053】
ビマトプロストおよびビマトプロスト遊離酸は、本発明の製剤中に、単独で、または他のプロスタグランジン類似体と組み合わせて、存在し得る。ビマトプロストは、局所のミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩、あるいは局所のまたは経口のフィナステリドと組み合わせることができ、I、IIまたはIIIのシクロスポリンと組み合わせることができる。
【0054】
以下の米国特許および特許公開は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:特許番号:8,038,988; 6,262,105; 7,388,029; 6,403,649; 9,750,750; 9,149,484; 9,101,550; 9,700,503; 6,946,120; 5,030,442; 5,030,442; 4,828,837; 7,803,357; 7,749,489; 6,465,514; 4,596,812; 7,442,369; 5,620,980; 5,225,189; 4,820,512; 6,596,266; および 5,834,014。
米国特許公開:20160136071; 20160228345; 20050079139; 20100210720; 20050079139; 20080206156; 20080206156; および 20040082660。
【0055】
B.シクロスポリン
シクロスポリンは、天然に存在し、1971年に真菌Tolypocladium inflatumから単離された。シクロスポリンは、免疫抑制剤であり、クローン病、ネフローゼ症候群、関節リウマチ、臓器移植での拒絶反応の防止、乾燥性眼疾患の治療に、使用されている。シクロスポリンは、既知の免疫抑制活性を有する非極性環状オリゴペプチドのグループである。シクロスポリンA、および他のいくつかのマイナーな代謝物、ならびにシクロスポリンB、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y、およびZが、確認されている。さらに、そのようなシクロスポリンの誘導体、塩など、およびいくつかの合成類似体が製造されており、本発明において有用であり得る。さまざまな眼の病気を治療するための、シクロスポリンAおよびシクロスポリンA誘導体の使用は、さまざまな特許の主題となっており、例えば、米国特許第5,474,979; 6,254,860; 6,350,442; および 7,368,436号が挙げられ、これらのそれぞれの開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0056】
一般に、市販のシクロスポリンは、いくつかの個々のシクロスポリンの混合物を含んでいる可能性があり、それらは、分子量総量が、約1,200ダルトンであるが、いくつかのアミノ酸の異なる置換基または構成を有する、11個のアミノ酸残基からなる環状ペプチド構造をすべて有している。したがって、本発明はまた、異なるタイプのシクロスポリンまたはシクロスポリン成分の混合物を企図する。本明細書において「シクロスポリン成分」との用語は、シクロスポリンのグループの任意の個々のメンバー、その塩、その誘導体、それらの類似体、およびそれらの混合物、ならびに、それらの2つ以上の個々のシクロスポリンの混合物、それらの塩、それらの誘導体、それらの類似体、およびそれらの混合物、を含むことを意図する。
【0057】
特に好ましいシクロスポリン成分としては、これに限定されるものではないが、シクロスポリンA、シクロスポリンAの誘導体、シクロスポリンAの塩など、および、それらの混合物、が挙げられる。シクロスポリンAは、特に有用なシクロスポリン成分である。
【0058】
シクロスポリンAの化学構造は、式1で表される。
【化16】
【0059】
本明細書において、シクロスポリンの「誘導体」との用語は、本組成物および方法において、シクロスポリン、例えば、シクロスポリンAと、実質的に類似または実質的に同一の態様で機能するように、シクロスポリンと十分に類似した構造を有する、化合物を意味する。有用なシクロスポリンA誘導体としては、これに限定されるものではないが、((R)-メチルチオ-Sar)3-(4’-ヒドロキシ-MeLeu)シクロスポリンA、((R)-(シクロ)アルキルチオ-Sar)3-(4’-ヒドロキシ-MeLeu)4-シクロスポリンA、および((R)-(シクロ)アルキルチオ-Sar)3-シクロスポリンA誘導体から選択されるものが挙げられ、以下で説明する。
【0060】
これらのシクロスポリン誘導体は、それぞれ、以下の一般式(II)および(III)で表される。
【化17】
【化18】
上記の式中、Meは、メチルであり;Alkは、2-6Cアルキレンまたは3-6Cシクロアルキレンであり;Rは、OH、COOH、アルコキシカルボニル、-NR
1R
2、または、N(R
3)-(CH
2)-NR
1R
2であり;ここで、R
1、R
2は、H、アルキル、3-6Cシクロアルキル、フェニル(任意に、ハロ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されていてもよい)、ベンジル、または、5員または6員で1~3個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和のヘテロシクリルであるか;あるいは、NR
1R
2は、さらにN、OまたはSのヘテロ原子を含んでいてもよく、アルキル化されていてもよい、5員または6員のヘテロ環であり;R
3は、Hまたはアルキルであり、nは、2~4であり;および、アルキル部分は、1-4Cを含んでいる。
【0061】
本組成物および方法は、発毛を促進するのに有用な、ビマトプロスト、ラタノプロスト、ラタノプロスト酸、およびトラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸と組み合わせて、治療有効量のシクロスポリン成分を含む、適切な組成物または組成物の組み合わせを使用して、実施することができる。シクロスポリン成分は、本発明に従ってシクロスポリン含有組成物がヒトまたは動物に投与された場合に、所望の治療効果を提供するのに十分に有効な量および/または濃度で存在する。シクロスポリン成分の混合物が企図される。本発明の一実施形態において、シクロスポリン成分は、有利なものとして、組成物の、約0.01~0.05%w/v、0.05~0.1%w/v、0.1%から約0.5%w/v、0.5~5%w/v、5~15%w/v、および15%または約20%または25%w/vの範囲の量で、組成物中に存在する。
【0062】
別の実施形態において、シクロスポリン成分は、組成物の、約0.01重量%から、約5重量%または約10重量%または約15重量%の量で存在する。シクロスポリンは、以下の濃度で存在し得る:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0063】
シクロスポリンは、局所および経口の両方で、そのすべての様々な形態で、ビマトプロスト、ラタノプロスト、ラタノプロスト酸、トラボプロスト、トラボプロスト遊離酸、ミノキシジル、ミノキシジル硫酸塩、および経口のまたは局所のフィナステリドと組み合わせて、存在し得る。
【0064】
【0065】
ミノキシジルは、アデノシン三リン酸(ATP)感受性カリウムチャネルを開き、血管を拡張させて、より多くの栄養素、血液、酸素を毛包に送り込むと考えられる。毛包成長サイクルの後期休止期において、毛隆起の領域にある幹細胞が分化し、成長期に再び入る。男性型脱毛症を患った患者では、毛包が小さくなり、成長期の期間が短くなる。ミノキシジルは、細胞内Ca2+の量を増加させ、これが、ATP合成におけるその役割とは無関係に、酵素アデノシン三リン酸(ATP)シンターゼをアップレギュレートし、幹細胞の分化を促進する。ミノキシジルによって誘発されるCa2+流入は、幹細胞の分化を増加させることができ、ミノキシジルが発毛を促進するメカニズムの一因である可能性があると理論付けられている(Mechanism of Action of Minoxidil in the Treatment of Androgenetic Alopecia)A. Gren et al., J Biol Regul Homeost Agents 31(4):1049-1053 (2017)。
【0066】
ミノキシジルが休止期の毛を脱落させる可能性があるといういくつかの証拠があり、これは、成長期に新しく太い毛に置き換わる。ミノキシジルは、硫酸転移酵素SULT1A1によってミノキシジル硫酸塩に変換される、プロドラッグである。
【化20】
【0067】
さらに、ミノキシジル硫酸塩は、ミノキシジルと比較して、はるかに強力な発毛剤である。いくつかの研究では、毛包内およびその周辺の酵素SULT1A1の量が、個体がミノキシジルによく反応するかどうかを決定するものであると推測している。ミノキシジルは、ビマトプロスト、ラタノプロスト、15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸、トラボプロストおよびトラボプロスト遊離酸と、組み合わせることができ、これは、理論上、成長期への移行をより迅速に引き起こし、成長期を長くする。ミノキシジルは、シクロスポリンと組み合わせることもできる。ミノキシジルは、以下の濃度で、それらの化合物と組み合わせることができる:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0068】
【0069】
フィナステリド(C23H36N2O2)は、(1S,3aS,3bS,5aR,9aR,9bS,11aS)-N-tert-ブチル-9a,11a-ジメチル-7-オキソ-1,2,3,3a,3b,4,5,5a,6,9b,10,11-ドデカヒドロインデノ[5,4-f]キノリン-1-カルボキサミドとしても知られ、もともと、男性の前立腺肥大症の治療に使用された、5α-レダクターゼ阻害剤である。経口のフィナステリドは、前立腺と頭皮を含めて、ジヒドロテストステロン(DHT)の産生を約70%低下させる働きがある。局所のフィナステリドを用いて、頭皮の毛を成長させることに成功したといういくつかの報告がある。フィナステリドは、ビマトプロスト、ラタノプロストおよびトラボプロスト、ならびにそれらの類似体を含む本発明のプロスタグランジン類似体と組み合わせることができる。
【0070】
フィナステリドは、ビマトプロスト、ラタノプロスト、15-ケトラタノプロスト、15(S)-ラタノプロスト、5-トランス-ラタノプロスト、ラタノプロスト-d4、ラタノプロスト-ラクトール、ラタノプロスト-エチルアミド-d4、およびラタノプロスト酸、トラボプロストおよびトラボプロスト酸と組み合わせることができ、これは、理論上、成長期への移行をより迅速に引き起こし、成長期を長くする。フィナステリドは、ミノキシジル、ミノキシジル硫酸塩、またはシクロスポリンと組み合わせることができる。フィナステリドは、以下の濃度で、それらの化合物と組み合わせることができる:0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、0.3%、0.31%、0.32%、0.33%、0.34%、0.35%、0.36%、0.37%、0.38%、0.39%、0.4%、0.41%、0.42%、0.43%、0.44%、0.45%、0.46%、0.47%、0.48%、0.49%、0.5%、0.55%、0.6%、0.65%、0.7%、0.75%、0.8%、0.85%、0.9%、0.95%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、および、25%w/w、w/v、またはv/v。
【0071】
定義
「エアゾールフォーム」との用語は、容器の上部にバルブシステムとノズル、および、バルブシステムから容器の下部に延びるディップチューブを備えた加圧容器に充填される、液体発泡性組成物および液体噴射剤を含む、製品である。バルブが開くと、液体噴射剤の圧力が瞬時に低下し、蒸発し始め、容器の上部に高圧ガス層が形成される。この高圧ガス層は、液体製品と液体噴射剤の一部をディップチューブに押し上げ、ノズルから排出する。液体がノズルを通って流れるとき、液体噴射剤はガスに蒸発し、その過程で液体製品中に噴射剤気泡を形成して、泡を生成する。
【0072】
化合物の「有効量」は、疾患の1つまたは複数の症状の、治療、予防、または軽減に寄与するのに十分な量である。疾患の治療に関して記載されている場合、「有効量」は、「治療有効量」と称することもある。1つまたは複数の症状の「軽減」(およびこの表現の文法的に同等物)は、症状の重症度または頻度の低下、または症状の解消を意味する。薬物または製剤の「予防有効量」は、対象に投与されたときに、意図された予防的な効果、例えば、疾患、障害または病気の発症(または再発)を予防または遅延させること、または、疾患、障害または病気またはそれらの症状の発症(または再発)の可能性を低減すること、を有する、薬物または製剤の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回用量の投与で生じるわけではなく、一連の複数の投与後にのみに発生する可能性がある。したがって、予防的に有効な量は、1回または複数回の投与によって投与され得る。
【0073】
「エマルジョン」は、通常の意味において、2つ以上の非混和性液体成分の混合物を意味し、一つの成分(例えば、本明細書に記載の治療用脂質、または界面活性剤を含むそれらの混合物)は、他の成分(例えば、本明細書に記載の組成物の水性成分)によって分散される。「サブミクロンエマルジョン」との用語は、約1ミクロン未満の最長寸法の範囲を有する成分を含むエマルジョンを意味する。
【0074】
「毛の成長」または「毛を成長させる」は、本発明の薬物および/または製剤を適用しないときの毛の成長の割合と比較して、毛の成長(発毛、育毛)を増加させることを意味する。
【0075】
「毛」は、毛球が真皮の表面に配置する、細く、薄く、無着色の短い毛である、軟毛であり得る。中間の毛は、顔などの軟毛(「ベビーの」または未熟な毛)と、頭皮の毛などの成熟した毛の成長段階の間の、成長段階にあるものである。硬毛は、毛包の毛球が真皮の奥深くにある、ごわごわして、着色された、長い毛である。脱毛症が進行するにつれて、脱毛に近い領域で遷移が起こり、毛自体が硬毛から軟毛にタイプが変化する。
【0076】
「脱毛」とは、円形脱毛症、男性ホルモン性脱毛症、男性型脱毛症、女性型脱毛症、休止期脱毛症、成長期脱毛症、頭部白癬、瘢痕性脱毛症、毛孔性扁平苔癬、円板状エリテマトーデス、禿髪性毛包炎、頭皮の解離性蜂巣炎、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、前頭部線維性脱毛症(frontal fibrosing alopecia)、疎成長期症候群(loose anagen syndrome)、毛幹異常、退行期脱毛症、アンドロゲン性脱毛症、抜毛症、化学療法による脱毛、感染性因子による脱毛、結節性裂毛症、および老人性脱毛症、を意味し得る。
【0077】
「毛包の部位」とは、毛包を含む皮膚の領域(頭皮、まゆ、まぶたの縁、顔など)を意味する。
【0078】
「ノンエアゾール、ノンスプレーフォーム」は、機械式ポンプ、エアチャンバー、混合チャンバー、フォーム形成スクリーンメッシュ、および、機械式ポンプから容器の底まで延びるディップチューブ、を備えた非加圧容器に充填された、発泡性液体組成物を含む、製品である。機械式ポンプが作動すると、発泡性液体組成物は、ディップチューブをとおして混合チャンバーに押し上げられ、そこで、エアチャンバーからの空気と所定の比率で混合されて、泡を形成する。ポンプの作動によって、加圧して、空気と液体発泡性組成物の乱流混合を引き起こし、発泡性液体組成物中に気泡を形成して、泡を生成する。次に、混合チャンバーから、ノズルをとおして排出される前にスクリーンメッシュを通過するときに、泡が均質化されて微細で均一な泡になる。したがって、これは、液体製品を泡の形態で容器から噴射する、非噴射剤式の方法である。容器の継続的な状態の主な違いは、エアゾールフォーム容器では、容器が密閉された後、噴射剤流体(通常、圧縮ガスまたは液化ガス)が高圧下で容器にポンプで送られ、加圧状態で継続的に維持されるのに対し、ノンエアゾール、ノンスプレーフォームの容器では、まったく対照的に、容器内の空気は、継続して大気圧下にあることである。
【0079】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、一般に、安全で、毒性がなく、生物学的または他の理由で望ましくないものでない、医薬組成物を製造するのに有用な、担体または賦形剤を意味し、動物薬用途およびヒト医薬用途に許容される、担体または賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲で使用される「薬学的に許容される担体/賦形剤」は、そのような賦形剤の1つおよび複数の両方を含む。
【0080】
「薬学的に許容される塩」との用語は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じて、比較的に非毒性の酸または塩基で調製される、活性化合物の塩を含むことを意味する。本発明の化合物が、比較的に酸性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性形態を、そのまままたは適切な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の塩基と接触させることによって、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、またはマグネシウム塩、または類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が、比較的に塩基性の官能基を含む場合、そのような化合物の中性形態を、そのまままたは適切な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の酸と接触させることによって、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸一水素塩(monohydrogencarbonic)、リン酸塩、リン酸一水素塩(monohydrogenphosphoric)、リン酸二水素塩(dihydrogenphosphoric)、硫酸塩、硫酸一水素塩(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸塩、または亜リン酸塩などの、無機酸に由来するもの、ならびに、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トリルスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩などの、比較的毒性のない有機酸に由来する塩、が挙げられる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸塩またはガラクツロン酸塩などの有機酸の塩も挙げられる。例えば、Bergeらの「Pharmaceutical Salts」, Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19、を参照されたい。適切な薬学的に許容される塩に関する、さらなる情報は、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985、に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。本発明のある特定の化合物は、化合物を、塩基または酸の付加塩のいずれかに変換することを可能にする、塩基性および酸性の両方の官能基を含む。
【0081】
「脱毛の予防」とは、本発明の製剤が適用されなかった場合と比較して、発生するであろう脱毛を、遅らせるまたは予防することを意味する。本発明の方法および組成物は、脱毛の予防、脱毛の治療、または、薄毛、まゆ毛の喪失、まつ毛または顔の毛の喪失の、治療または濃くすることに、使用することができ、そして、すべての種類の脱毛症を治療するために、軟毛を硬毛に変換するために、または、毛のメラニン含有量を増やし、毛を濃くするか、または、頭皮、まゆ毛、まつ毛、または顔の毛の白毛に対する黒毛の比率を増やすために、使用することができる。
【0082】
「プロドラッグ」との用語は、その明らかな通常の意味に従って使用され、薬理学的効果を生み出す前にインビボで活性な親薬物を放出するために、化学的または酵素的な変換を必要とする、化合物を意味することを意図する。
【0083】
「溶解性」との用語は、その薬理学的効果に関連する活性医薬成分の量を溶解する溶媒の能力を意味する。
【0084】
「溶媒」および「溶媒系」との用語は、製剤の一成分で、APIを含む、液体相または半固体相を定義する。
【0085】
本明細書において、「安定」および「安定性」との用語は、医薬品の保存寿命に関連して用いられ、そして、製品の保存寿命を制限する、活性医薬成分または製剤の、物理的変化、分解、または化学的変質に関するものである。
【0086】
2つの薬物間の「相乗作用」は、例えば、固定された組み合わせにおいて、2つの薬物が、1つ以上の効果を増強または増大し、または2つの異なる作用機序をともなって、組み合わせた場合に、単独で薬物を適用した場合または2つの薬物を別途に適用した場合よりも、より大きな治療効果または効能をもたらすか、あるいは、薬物が単剤療法として提供された場合の望ましくない副作用を回避または低減するようにして、相互作用する場合に、発生することが可能である。相乗効果の負の影響は、中枢神経系(CNS)に影響を与える複数の抑制薬が使用される場合などの、禁忌の形態であり、例えば、アルコールとバリウムなどである。「相乗効果」は、複雑な系がどのように作用するかを説明する際にも注目される。例えば、生物学系は、心の動きに対して非線形に反応する可能性があるため、結果は、個々の部分の変化を総合したものよりも大きくなり得る。
【0087】
本発明の説明において、相乗効果は、本発明の方法および組成物で利用される、2つの活性薬物の組み合わせが、例えば、哺乳類(例えば、ヒト)の、頭皮の毛、まゆ毛、まつ毛などの毛の成長を刺激することで、同様の条件下で、単剤療法として単独で活性薬物を利用した場合に得られる結果よりも大きい、結果を得ることを意味する。したがって、本発明の範囲内にある組み合わせを決定するために、2つの薬物の組み合わせによって得られる結果を、個々の薬物によってそれぞれ単独で得られる結果と、単に比較することができる。
【0088】
本明細書に記載の方法の文脈における「局所の」との用語は、通常の意味において、適切な医薬担体に組み込まれ、対象の局所的な治療部位に投与される、化合物または医薬組成物の投与に関連する。したがって、「局所医薬組成物」との用語は、化合物が、局所治療部位、例えば、皮膚、頭皮、まゆ、まぶたの縁、顔、との直接の接触によって、外部から投与される医薬剤形のものが含まれる。「局所表皮医薬組成物」との用語は、皮膚の表皮層、例えば、眼瞼、眉毛、頭皮、または身体など、に向けて投与するのに適した、医薬組成物を意味する。「局所投与」との用語は、局所治療部位との直接の接触により外部から投与することを意味する。「局所表皮投与」との用語は、表皮との直接の接触により外部から投与することを意味する。
【0089】
「治療する」、「治療すること」または「治療」との用語は、損傷、病状または病気の治療または改善における成功の兆候を意味してもよく、軽減;寛解;症状の低減、または、損傷、病状、または病気を患者にとってより耐えられるものにすること;症状の変化または進行の速度を遅くすること;変化の最終ポイントを弱めるようにすること;患者の身体的または精神的な健康を改善すること、などの客観的または主観的なパラメータが含まれる。症状の治療または改善は、客観的または主観的なパラメータに基づくことができ、身体検査、神経精神医学的検査、および/または、コンピューター画像システム、の結果が挙げられる。例えば、本明細書に提示される特定の方法は、脱毛の発生率を減少させ、その症状および/または原因を抑制し、そして新たな発毛を引き起こすことにより、首尾よく、脱毛を治療する。
【0090】
毛の解剖学、および毛の成長(発毛、育毛)
毛包の開口部は、ヒトの皮膚の総表面積の約0.1%しか占めていないが、毛包は、ヒトの頭皮の総表面積の10%と同程度を占める可能性がある(Schaefer, H., et. al. (1990) 「Follicular penetration」(pgs. 163 - 173) (1990))。一般に、毛包の開口部は、皮膚表面の保護角質層を有さない上皮表面につながる。その結果、毛包と皮脂腺は、経皮的な薬物送達に大きく寄与する。その結果、親水性薬物は、高い流動性で、通常は毛包内経路を介し、内毛根鞘と外毛根鞘との接合部に沿って、浸透することができ、外毛根鞘によって皮膚に急速に拡散することができる。親水性薬物の頭皮皮膚浸透のより長いラグタイムは、親油性薬物のより短い時間と比較して、皮膚上部を介した親水性薬物の浸透が律速段階であることを示唆している。親油性薬物の浸透経路は、おそらく、内毛根鞘と外毛根鞘との接合部に沿っている。
【0091】
毛包に関連する皮脂腺による皮脂の放出は、毛包内の親油性物質の脂質経路を形成する(Eblingら、1991)。また、親油性浸透物の浸透経路は、経表皮経路であると考えられている。したがって、頭皮の角質層を通過することも重要な経路であるが、一部の薬物は、毛包を介した経路を使用し得る。毛包にある皮脂も、外毛根鞘の薬物浸透に重要な役割を果たす。ヒトの毛包は、直径が5um~80umに変化する可能性があり、これは、毛包を経る浸透に影響を与える可能性がある。
【0092】
特定の浸透促進剤および溶媒は、角質層の細胞間チャネルにおいて、脂質を流動化するのに役立つ。頭皮を介した浸透物および薬物の浸透は、毛包への急速な浸透および外毛根鞘を介した真皮への急速な拡散に関連する一方、薬物の経表皮浸透は、主にマイクロチャネルを介している、と考えられている。親水性薬物もまた、外毛根鞘を介して真皮に急速に拡散するが、真皮上部を介した親水性薬物の浸透は、速度制限的な段階であり、比較的遅い可能性がある。
【0093】
ヒトの頭皮成長期の毛包は、毛乳頭、および毛球周辺のCTSにおいて、プロスタノイド受容体の遺伝子およびタンパク質を発現しており、上皮ケラチノサイトまたは毛球のメラノサイトでは発現していない、と考えられている。一つの理論は、いくつかのプロスタグランジン類似体は、毛球の調節性毛乳頭の細胞の原形質膜上の特定の受容体に結合し、それがおそらく細胞内シグナル伝達経路を刺激し、発毛と脱毛の減少をもたらす、というものである。例えば、いずれの理論にも縛られるものではないが、ラタノプロストなどのプロスタグランジン類似体は、休止している休止期から成長期に毛を移行し、成長期を開始するまでの時間を短縮し、成長期を長くすることによって、成長期の毛の数を増加させることができ、これにより、毛をより長く成長させる。男性型脱毛症(androgenetic alopecia)を患っている患者は、男性型脱毛症を患っていない患者と比較して、成長期の期間が短縮され、毛包は、より多くの時間が休止期にある。ラタノプロスト、トラボプロスト、およびビマトプロストは、さまざまな程度で、メラノサイトのメラニン形成、および毛乳頭に見られる角質形成を刺激し、個々の毛においてより多くのメラニンを発現させて、より濃い毛をもたらす可能性があり、また、個々の毛の直径および毛乳頭のサイズを増加させて、ラタノプロスト、トラボプロスト、およびビマトプロストで処置されなかった場合よりも、長く、濃く、太い毛の数を増加させる可能性がある。また、ビマトプロストは、まつ毛の成長に使用される要因となる毛乳頭に特定のシグナルを誘発する可能性があると報告されているが、ビマトプロストは、プロスタミドであり、プロスタグランジン類似体とは別の受容体システムを有しているため、作用機序が異なると考えられている(Khidir, 「The Prostamide-related glaucoma therapy …」 FASEB, 27[2]: 557-567 [Feb. 2013])。
【0094】
ケラチノサイトの細胞は、表皮として知られる皮膚の最外層に見られる。ケラチノサイト細胞は、皮膚の基底層にも見られる。ケラチノサイト細胞は、表皮の約95%を形成している。ケラチノサイトは、角質化を受け、皮膚の表層を形成する。これらの表面の角質化された細胞は、基底層である表皮の最下層の有糸分裂細胞に由来する細胞によって、継続的に置き換えられる。基底層の細胞は、基底ケラチノサイトまたは基底細胞と称されることもある。表皮の厚さは、約0.2mmである。表皮の内部では、ケラチノサイトは、基底層、有棘層、顆粒層、および角質層として知られる、4つの異なる層に配置されている。基底層にあるメラノサイトは角質化を受けないが、メラニンを生成する。メラニンは、メラノソームとして知られる小さな顆粒に蓄積し、樹状突起に輸送された後、ケラチノサイトに移動する。ケラチノサイトおよびメラノサイトは、真皮線維芽細胞とともに毛包に存在する。表皮と毛包の恒常性は、主に、ケラチノサイトとメラノサイトの間の細胞相互作用によって調節されている。ケラチノサイトは、細胞から細胞へのパラクリンシグナル伝達を通じて、メラニン形成、増殖、分化、樹状突起形成などの、メラノサイト機能を刺激する。Hirobe, 「Keratinocytes Regulate the Function of Melanocytes」 Dermatolgica Sinica, Vol. 32, pgs. 200 - 204 (2014)。ラタノプロストやトラボプロストなどのプロスタグランジン類似体は、毛を形成するケラチノサイト、および色素を生成するメラノサイトに作用する可能性があると理論付けられている。プロスタグランジン類似体は、ケラチノサイトに直接作用して、個々の毛の直径を太くし、そして、メラノサイトに作用して、毛を濃くするか、むしろ個々の使用者の正常な毛の色にする可能性がある。これは、毛包基部の毛球の中心に位置する毛乳頭を介した間接的な作用を通して、まだ明らかでない毛包シグナル伝達システムの結果であるケラチノサイトおよび/またはメラノサイトへのパラクリンシグナルによって、生じる可能性もある。
【0095】
まゆ毛
まゆ毛の喪失は、眉毛脱落症(madarosis)としても知られ、まゆ毛の成長の欠如または喪失を特徴としている。まゆ毛の喪失は、美容的、機能的、社会的/心理的影響をもたらす可能性がある。研究によると、頭皮の毛の直径は、通常、アジアの患者では、まゆ毛よりも太いが、一方、白人の患者ではその逆が当てはまる(Gandelman M. A Technique for Reconstruction of Eyebrows and Eyelashes. Semin Plast Surg. 19:153-8 (2005))。まゆ毛は、一般に内側よりも外側の密度が低く、まゆ毛の脱毛が生じると、外側の部分でより目立つ。まゆ毛は、大きく3つの領域に分けることができる。内側の3分の1は、通常、眼窩縁の下にあり、この領域の毛は垂直に向いている。真ん中の3分の1は、眼窩縁に沿っており、毛は斜めまたは水平に向いている。外側の3分の1は、通常、眼窩縁の上にある。
【0096】
まゆ毛の眉毛脱落症は、皮膚疾患などの疾患、甲状腺疾患などの内分泌障害によって、および、抜毛症などの精神障害や化学療法によって、引き起こされる可能性がある。遺伝は、また、先天性形成不全などの病気の要因となる可能性がある。まゆ毛の眉毛脱落症は、火傷などの身体的外傷、タトゥーなどの美容処置による合併症、および、移植による合併症によって、引き起こされる可能性がある。
【0097】
まつ毛
まつ毛は、異物や物体が目に入るのを防ぐことで目を保護することにより、機能的で保護的なメカニズムを提供する。長いまつ毛は、ほとんどの文化で、短いまつ毛よりも一般に魅力的であると考えられている。ほとんどの哺乳動物において、目の周りの神経系は、目を保護するために、興奮しやすい。まつ毛の喪失は、特発性貧毛症、化学療法誘発性貧毛症、円形脱毛症、および甲状腺機能低下症を含む、まつ毛の貧毛症として、知られている。まつ毛の長さは、年齢に大きく比例し、若い人はまつ毛がより長く、高齢の人はまつ毛がより短い。まつ毛の貧毛症の現在の治療法としては、0.03%w/vのビマトプロスト溶液であり、上眼瞼縁に適用される、LATISSE(商標)が挙げられる。
【0098】
化学療法
化学療法誘発性脱毛症は、主に化学療法剤が毛包を損傷し、完全なまたは不完全な脱毛をもたらすことによって、発生する。脱毛は化学療法患者の約65%で発生する。毛の喪失は、一般に全身で生じ、頭皮に限らず、まつ毛やまゆ毛も含まれる。化学療法を原因とする脱毛は、心理的に壊滅的にさせる可能性があり、一部の患者では自身の病気を常に思い出させるものとして説明されており、制御不能な感情や社会的孤立の増加をもたらす可能性がある(Beisecker, Analee et al., Side Effects of Adjuvant Chemotherapy, Pycho-Oncology, 1997, 83-93-6)。また、フォーカス・グループにより、まつ毛とまゆ毛の喪失が、頭皮の毛の喪失よりも心理的に壊滅的であることが実証されている。
【0099】
他の非化学療法薬もまた、抗凝固薬、経口避妊薬、レチノイド、抗甲状腺薬、およびインターフェロンなどのように、脱毛を引き起こす可能性がある。一般に、化学療法誘発性の脱毛は、毛包内の急速に分裂する細胞に対する毒性によってもたらされる。成長期の間、毛包の上皮の部分は、急速な増殖を起こし、毛球のマトリックス細胞で最大の増殖を示す。化学療法剤を患者に投与した場合、部分的に角質化される毛幹が弱くなり毛の脱落をもたらすため、細胞の有糸分裂が突然停止して、脱毛を引き起こす可能性がある。これは成長期脱毛として知られている。化学療法剤はまた、毛包の細胞にアポトーシス(プログラムされた細胞死)を引き起こす可能性がある。一般に、化学療法が終了すると、発毛は回復するが、一部の患者では、化学療法前に患者が感じていたのと同じレベルの発毛に到達するために、数年、または数回の完全な毛の周期を要する場合がある。一般に、新しい毛は、硬毛ではなく軟毛である。本明細書に記載の製剤および方法は、頭皮、顔、まゆ毛、まつ毛、および全身に対し、化学療法の前またはその間に使用して、毛の喪失を防ぎ、また、化学療法の後に使用して、毛を再生し、毛の周期を成長期に移行させ、成長期を長くすることができ、より長く、より濃く、およびより太い、まつ毛、まゆ毛、頭毛、顔の毛をもたらすことができる。
【0100】
ビヒクル
表1に、溶媒と浸透促進剤のリストを示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0101】
溶媒および浸透促進剤は、以下の濃度で存在し得る:製剤の、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10%w/w、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%w/w、w/v、またはv/v。
【0102】
カルボマーは、約0.05~3.0%w/wの濃度であってよく、ミリスチン酸イソプロピルは、約0.1~約10%w/wの濃度であってよく;PEG40ヒマシ油は、約0.1~20%w/wの濃度であってよく;カルボキシメチルセルロースは、0.1~5.0%w/wであってよく、エタノールは、約1~約70%w/wであってよく;ジエチレングリコールモノエチルエーテルは、約1.0~約50%w/wの濃度であってよく;ポリソルベート20は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;ポリソルベート40は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;ポリソルベート60は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;グリセリンは、約1.0~約30%w/wの濃度であってよく;ポリソルベート80は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;PPG-5セテス-20は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;オレイン酸は、約0.1~約5.0%w/wの濃度であってよく;イソステアリルイソステアレートは、約0.1~約10%w/wの濃度であってよく;ジプロピレングリコールジメチルエーテルは、約1~約50%w/wの濃度であってよく;ジエチレングリコールは、約1~約50%w/wの濃度であってよく;ジプロピレングリコールは、約1~約50%w/wの濃度であってよく;カプリル酸/カプリン酸は、約0.1~約10%w/wの濃度であってよく;ベンジルアルコールは、約0.1~約2.0%w/wの濃度であってよく;シリコーンは、約0.1~約10%w/wの濃度であってよく;PEG40ヒマシ油は、約0.1~20%w/wの濃度であってよく;PEG35ヒマシ油は、約0.1~20%w/wの濃度であってよく;オレイルアルコールは、約0.1~10%w/wの濃度であってよく;モノオレイン酸グリセリルは、約0.1~10%w/wの濃度であってよく;および/または、水は、約0~約90%w/wの濃度であってよい。
【実施例】
【0103】
製剤I
0.05%w/v ラタノプロスト;
0.06%w/v シクロスポリンA;
10.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
5.0%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0104】
製剤II
0.08%w/v ラタノプロスト;
0.1%w/v シクロスポリンA;
15.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
5%w/v PEG;
6.0%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0105】
製剤III
0.08%w/v ラタノプロスト;
0.1%w/v シクロスポリンA;
15.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
5%w/v PEG;
6.0%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0106】
製剤IV
0.06%w/v ビマトプロスト;
0.08%w/v シクロスポリンA;
10.0%w/v モノオレイン酸グリセリル;
5.0%w/v オレイン酸;
5%w/v エタノール;および、
適量の水で100%。
【0107】
製剤V
0.08%w/v ビマトプロスト;
0.1%w/v シクロスポリンA;
10.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
5.0%w/v オレイン酸;
5.0%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0108】
製剤VI
0.08%w/v ラタノプロストまたはラタノプロスト酸;
0.08%w/v シクロスポリンA;
10.0%w/v ポリエチレングリコール;
10.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
5.0%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0109】
製剤VII
0.05%w/v ビマトプロスト;
0.07%w/v シクロスポリンA;
10.0%w/v オレイルアルコール;
10.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;および、
適量の水で100%。
【0110】
製剤VIII
0.05%w/v ラタノプロストまたはラタノプロスト酸;
0.08%w/v シクロスポリンA;
5.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
10.0%w/v CAPTEX 300 EP/NF;
10.0%w/v PEG;および、
適量の水で100%。
【0111】
製剤IX
0.06%w/v ウエノプロストンイソプロピルエステル遊離酸;
0.08%w/v シクロスポリンA;
5.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
10.0%w/v CAPTEX 300 EP/NF;
10.0%w/v PEG;および、
適量の水で100%。
【0112】
製剤X
0.07%w/v トラボプロストまたはトラボプロスト遊離酸;
0.08%w/v シクロスポリンA;
5.0%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
10.0%w/v CAPTEX 300 EP/NF;
10.0%w/v PEG;および、
適量の水で100%。
【0113】
製剤XI
0.1%w/v ビマトプロスト;
005%w/v シクロスポリンA;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0114】
製剤XII
0.1%w/v ラタノプロスト;
005%w/v シクロスポリンA;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0115】
製剤XIII
0.1%w/v ラタノプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
10%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0116】
製剤XIV
0.1%w/v ラタノプロスト;
5.0%w/v ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0117】
製剤XV
0.1%w/v ラタノプロスト;
2.0%w/v ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0118】
製剤XVI
0.1%w/v ビマトプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0119】
製剤XVII
0.1%w/v トラボプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
20%w/v 2-(2-エトキシエトキシ)-エタノール;
5%w/v プロパンジオール;
3%w/v オレイン酸;および、
適量の水で100%。
【0120】
製剤XVIII
0.1%w/v ラタノプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0121】
製剤XVIIII
0.1%w/v ラタノプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;
3%w/v ジエチレングリコールモノエチルエーテル;
2%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0122】
製剤XX
0.3%w/v ラタノプロスト;
5.0%w/v ミノキシジル;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0123】
製剤XXI
5.0%w/v ミノキシジルまたはミノキシジル硫酸塩;
0.05%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0124】
製剤XXII
5.0%w/v ミノキシジル;
0.05%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0125】
製剤XXIII
5.0%w/v ミノキシジル;
0.008%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;
適量の水。
【0126】
製剤XXIV
5.0%w/v ミノキシジル;
0.007%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0127】
製剤XXV
5.0%w/v ミノキシジル;
0.005%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0128】
製剤XXVI
3.0%w/v フィナステリド;
0.1%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で水100%。
【0129】
製剤XXVII
5.0%w/v フィナステリド;
0.3%w/v ラタノプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0130】
製剤XXVIII
5.0%w/v フィナステリド;
0.3%w/v ビマトプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0131】
製剤XXVIIII
5.0%w/v フィナステリド;
0.1%w/v ビマトプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0132】
製剤XXX
5.0%w/v フィナステリド;
0.1%w/v トラボプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0133】
製剤XXXI
5.0%w/v フィナステリド;
0.3%w/v トラボプロスト;
30.0%w/v エタノール;
50%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0134】
製剤XXXII
0.1%w/v ラタノプロスト;
47%w/v エタノール;
0.4%w/v ポリソルベート60;
1%w/v ポリエチレンラウリルアルコール;
0.3%w/v 酢酸;
10%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0135】
製剤XXXIII
0.3%w/v ラタノプロスト;
47%w/v エタノール;
0.4%w/v ポリソルベート60;
1%w/v ポリエチレンラウリルアルコール;
0.3%w/v 酢酸;
10%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0136】
製剤XXXIV
0.08%w/v ラタノプロスト;
4.0%w/v ミノキシジル;
50%w/v プロピレングリコール;
30%w/v エタノール;
3%w/v transcutol;
2%w/v オレイルアルコール;
0.5%w/v POE40;および、
適量の水で100%。
【0137】
製剤XXXV
0.08%w/v ラタノプロスト;
4.0%w/v ミノキシジル;
50%w/v プロピレングリコール;
30%w/v エタノール;
3%w/v transcutol;
2%w/v オレイルアルコール;および、
適量の水で100%。
【0138】
製剤XXXVI
0.1%w/v ラタノプロスト;
47%w/v エタノール;
0.4%w/v ポリソルベート60;
1%w/v ポリエチレンラウリルアルコール;
0.3%w/v 酢酸;
2.0%w/v オレイン酸;
10%w/v プロピレングリコール;および、
適量の水で100%。
【0139】
ノンエアゾール-ノンスプレーフォーム-ポンプおよび容器
別の実施形態において、ビマトプロスト/ミノキシジル、またはトラボプロスト/ミノキシジル、またはラタノプロスト/ミノキシジル、またはビマトプロスト/フィナステリド、またはトラボプロスト/フィナステリド、またはラタノプロスト/フィナステリド、またはそれらの薬学的に許容される塩、の活性成分の組み合わせを含む、液体製剤の最終製品は、非加圧容器に詰められ、ノンエアゾール-ノンスプレーフォーム-ポンプを使用して、分配される。ノンエアゾール-ノンスプレーフォーム-ポンプは、頭皮、まゆ毛、まつ毛、または顔に容易に適用される、薬物の組み合わせまたはその塩を含有する液体製剤を含む、フォームの測定された投与量の安全かつ簡単な、分配投与を提供する。ノンエアゾール-ノンスプレーフォーム-ポンプは、適切な量のフォームを供給するように調整されている。本明細書に開示される追加の目的は、噴射剤を含まない、円筒形または非円筒形で製造され得る、再利用可能で非加圧式の容器に入った、液体製剤を提供することである。したがって、本実施形態は、可燃性で有害で有毒な揮発性有機化合物(VOC)である、液化石油ガス(プロパン、イソブテン、およびn-ブタンの混合物)、クロロフルオロカーボン(CFC)、およびジメチルエーテルなどの、典型的な噴射剤を含む、加圧式容器の使用を採用しない。本実施形態は、安全に輸送され、保管され、再利用可能な容器に分配される。製品や製品の部品を再利用することは、環境にとって非常に重要である。
【0140】
フォーム製剤
フォーム製剤は、ビマトプロスト/ミノキシジル、またはトラボプロスト/ミノキシジル、またはラタノプロスト/ミノキシジル、またはビマトプロスト/フィナステリド、またはトラボプロスト/フィナステリド、またはラタノプロスト/フィナステリド、またはそれらの薬学的に許容される塩、の活性成分の組み合わせを含むものである。好ましくは、界面活性剤の量は、約2~10%である。アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性の界面活性剤、および非イオン性ブロックコポリマーの任意の組み合わせが、使用され得る。好ましくは、エトキシ化グリセリド、エトキシ化ソルビタンエステル、ポリエトキシ化および/または水素化ヒマシ油、非イオン性ブロックコポリマー、および両性界面活性剤を使用することができる。特に好ましい界面活性剤は、PEG-40水添ヒマシ油;PEG40ステアレート;ポリソルベート20;コカミドプロピルベタイン;グリセリルココエート;PEG6(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド;ポロキサマーF68;および、飽和リン脂質C6~C10、から選択され得る。
【0141】
製剤XXXVII(スプレー溶液)
ミノキシジル 5.0%w/v(活性成分);
ラタノプロスト 0.1%w/vまたは0.3%w/v(活性成分);
1,2-プロパンジオール 60.5%w/v(溶媒);
エチルアルコール 10.2%w/v(溶媒);
乳酸 2.5%w/v(酸性化剤);
エッセンス(香料) 0.06%w/v(アロマ/エッセンス);および、
適量の脱イオン水で100%(溶剤)。
【0142】
製剤XXXVの製造フロースキームは、次のとおりである。1:ミノキシジル、ラタノプロスト、およびその他の賦形剤を別々に秤量して準備する;2:それぞれ秤量した、1,2-プロパンジオール、乳酸、エチルアルコール、脱イオン水を、製造容器に入れ、5分以上混合する;3:あらかじめ秤量したミノキシジルを、ステンレス製の製造容器に入れ、15分以上混合して溶解させ、続いて、(オイルが適切に移動する、あかじめ秤量したシリンジに入った)あらかじめ秤量したラタノプロストを添加する;4:エッセンス(香料)を添加して混合する;5:目標量で充填を実施し、最終製品をパッケージングして箱詰めする。
【0143】
製剤XXXVIII;ミノキシジル(2)/ラタノプロスト(0.1)スプレー
ミノキシジル 2%w/v(活性成分);
ラタノプロスト 0.1%w/vまたは0.3%w/v(活性成分);
1,2-プロパンジオール 65.9%w/v(溶媒/賦形剤);
エチルアルコール 5.2%w/v(溶媒);
乳酸 2.5%w/v(酸性化剤);
エッセンス(香料) 0.06%w/v(アロマ/エッセンス);および、
適量の脱イオン水(溶媒)。
製剤の製造フロースキームは、製剤XXXVIIと同じである。
【0144】
製剤XXXIX:ミノキシジル(5)/ラタノプロスト(0.1または0.3)フォーム
ミノキシジル 5.0%w/v(活性成分);
ラタノプロスト 0.1%w/vまたは0.3%w/v(活性成分);
1,2-プロパンジオール 51.5%w/v(溶媒/賦形剤);
PEG20オレイルエーテル 0.5%w/v(界面活性剤);
Plantacare 1200* 10.5%w/v(界面活性剤);
Komperlan KD** 3%w/v(界面活性剤);
エチルアルコール 5.2%w/v(溶媒)(EP);
乳酸 2.4%w/v(酸性化剤)(EP);
エッセンス(香料) 0.06%w/v(アロマ/エッセンス[EP]);および、
脱イオン水 21.8%(溶媒)(EP)。
*ラウリルグリコシド
**コカミドDEA =ココナッツ脂肪酸ジエタノールアミン
製剤の製造フロースキームは、以下のとおりである。
ミノキシジル、ラタノプロスト、およびその他の賦形剤を、別々に秤量し、準備しておき、それぞれ秤量した、1,2-プロパンジオール、乳酸、エチルアルコール、および脱イオン水を、製造容器に入れて5分以上混合し、あらかじめ秤量したミノキシジルをステンレス製の製造容器に入れて15分以上混合し、溶解させ、続いて、あらかじめ秤量したラタノプロストを添加する。あらかじめ秤量したPEG20オレイルエーテル、Plantacare1200、およびkomperlanKDを、ステンレス製の製造容器に加えて溶解し、エッセンス(香料)を加えて混合する。目標量で充填を実施し、最終製品をパッケージングして箱詰めする。
【0145】
製剤XXXX:ミノキシジル2.0%/ラタノプロスト0.1%フォーム
ミノキシジル 2%w/v;
ラタノプロスト 0.1%w/vまたは0.3%w/v;
1,2-プロパンジオール 51.%w/v(溶媒/賦形剤);
PEG20オレイルエーテル 0.5%w/v(界面活性剤);
Plantacare 1200 10.5%w/v(界面活性剤);
Komperlan KD 3%w/v(界面活性剤);
エチルアルコール 5.2%w/v(溶媒);
乳酸 2.4%w/v(酸性化剤);
エッセンス(香料) 0.06%w/v 9w/v(アロマ/エッセンス);および、
適量の脱イオン水。
【0146】
製剤XXXXI(ローション)
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.1%または0.3%w/v;
エタノール 60.3%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1.00%w/v;
酢酸 0.6%w/v;および、
精製水により、合計100%。
最終的に製剤化された溶液の見かけのpHは、6.24となる。
【0147】
製剤XXXXII
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.1%または0.3%w/v;
セチルアルコール 2.20%w/v;
ステアリルアルコール 1.00%w/v;
エタノール 51.8%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1.00%w/v;
プロピレングリコール 5.00%w/v;
プロペラント(噴射剤)P75 4.30%w/v;
酢酸 適量でpH6.0;および、
精製水により、合計100%。
【0148】
製剤XXXXIII(ローション)
ミノキシジル 8%w/v;
ラタノプロスト 0.3%または0.1%w/v;
エタノール 50.5%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1.00%w/v;
酢酸 適量でpH6.0;
プロピレングリコール 7.3%w/v;
ベンジルアルコール 5%w/v;および、
精製水により、合計100%。
【0149】
製剤XXXXIV(溶液)
ラタノプロスト 0.1%、0.2%、または0.3%w/v;
ミノキシジル 5%w/v;
エタノール 51%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ラウレス(Laureth)-12 1%w/v;
氷酢酸 0.3%w/v;
プロピレングリコール 7.5%w/v;
ベンジルアルコール 5%w/v;および、
精製水により、合計100%。
pHは、約6.24。
【0150】
製剤XXXXV
ミノキシジル 8%w/v;
ラタノプロスト 0.3%または0.1%w/v;
エタノール 50.0%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1%w/v;
酢酸 適量でpH6.0;
プロピレングリコール 10%w/v;
ベンジルアルコール 5%w/v;および、
精製水により、合計100%。
【0151】
製剤XXXXVI(ローション)
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.1%または0.3%w/v;
エタノール 47.50%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1.00%w/v;
酢酸 適量でpH6.0;
ベンジルアルコール 5%w/v;および、
精製水により、合計100%。
【0152】
製剤XXXXVII
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.1%w/v;
エタノール 47%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1%w/v;
酢酸 1%w/v;
プロピレングリコール 10%w/v;
ベンジルアルコール 5%w/v;および、
精製水 適量で100%。
【0153】
製剤XXXXVIII
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.3%w/v;
エタノール 44.2%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1%w/v;
酢酸 0.3%w/v;
プロピレングリコール 30%w/v;
ベンジルアルコール 2%w/v;および、
精製水 適量で100%。
【0154】
製剤XXXXIX
ミノキシジル 5%w/v;
ラタノプロスト 0.3%w/v;
エタノール 46%w/v;
ポリソルベート60 0.4%w/v;
ポリオキシエチレンラウリルアルコール 1%w/v;
酢酸 0.3%w/v;
プロピレングリコール 30%w/v;
ベンジルアルコール 10%w/v;および、
精製水 適量で100%。
【0155】
製剤XXXXX
ミノキシジル硫酸塩 4%w/v;
ラタノプロスト 0.08%w/v;
エタノール 30%w/v;
プロピレングリコール 50%w/v;
オレイルアルコール 2%w/v;
Transcutol 3%;および、
精製水 適量で100%。
最終製剤XXXXIV~XXXXXの見かけのpHは、6.0~6.5に調整され、ベンジルアルコールは、単回使用の製剤では除去し、プロピレングリコールで置き換えることができる。
【0156】
他の実施形態
他の製剤として、以下が挙げられる:最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.15%w/wのカルボマー;約0.22%w/wのトリエチルアミン(TEA);約15.0%w/wのエタノール;約10.0%w/wのジエチレングリコールモノエチルエーテル;約4.0%w/wのポリソルベート20;および、約70.5%w/wの水、を含む組成物。
【0157】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.10%w/wのカルボマー;約0.035%w/wのNaOH;約15.0%w/wのエタノール;約10.0%w/wのジエチレングリコールモノエチルエーテル;および、約74.8%w/wの水、を含む組成物。
【0158】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.125%w/wのカルボマー;約0.18%w/wのTEA;約30.0%w/wのエタノール;約20.0%w/wのジエチレングリコールモノエチルエーテル;および、約49.59%w/wの水、を含む組成物。
【0159】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.10%w/wのカルボマー;約0.15%w/wのTEA;約30.0%w/wのエタノール;約20%w/wのプロピレングリコール;および、約49.7%w/wの水、を含む組成物。
【0160】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.20%w/wのカルボマー;約0.22%w/wのTEA;約60.0%w/wのエタノール;約5.0%w/wのグリセリン;および、約34.48%w/wの水、を含む組成物。
【0161】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.25%w/wのカルボマー;約0.38%w/wのTEA;約60.0%w/wのエタノール;約4.0%w/wのポリソルベート20;および、約35.27%w/wの水、を含む組成物。
【0162】
4%w/vのミノキシジル、0.08%w/vのラタノプロスト、50%w/vのプロピレングリコール、30%w/vのエタノール、3%w/vのトランスクトール(transcutol)、2%w/vのオレイルアルコール、0.5%w/vのポリオキシエチレン40、および、100%にする適量の水、を含む組成物または溶液。
【0163】
4%w/vのミノキシジル、0.08%w/vのラタノプロスト、50%w/vのプロピレングリコール、30%w/vのエタノール、3%w/vのトランスクトール(transcutol)、2%w/vのオレイルアルコール、および、100%にする適量の水、を含む組成物または溶液。
【0164】
最大5%w/wのミノキシジル、約0.1%w/wのラタノプロスト、約0.25%w/wのカルボマー;約0.38%w/wのTEA;約50.0%w/wのエタノール;約10%w/wのジエチレングリコールモノエチルエーテル;約4.0%w/wのポリソルベート20;および、約35.27%w/wの水、を含む組成物。
【0165】
ミノキシジルおよびラタノプロストなどの2つの不溶性薬物を一緒にして、単一の水性組成物に製剤化することは、非常に困難である。化合物は両方とも、水への溶解性が低く、特に、しばしば2~7%w/vとなる非常に高濃度のミノキシジルにおいて、両方の化合物を溶液に保つには、高濃度の溶媒および/または共溶媒が必要となる。さらに、多くの消費者は、一般的なロゲイン(Rogaine)(商標)製剤が、粘着性であるという点で不快または耐えられないと感じており、そして、多くの使用者は、患者のコンプライアンスを低下させる粘着性または脂性の残留物が残ると認識していることは、注目されるものである。これは主に、非常に不溶性の物質であるミノキシジルを高濃度(一般に5%w/v)で可溶化するために必要となる、50%w/vで存在するプロピレングリコールによるものと考えられている。低濃度のジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびオレイルアルコールの添加により、溶液の粘着性が少なくなり、溶液の接触感および感触がより快適になることが見出された。また、驚くべきことに、これらの化合物の添加により、より良い触感の製剤が得られるだけでなく、これらの化合物、特に低濃度のジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびオレイルアルコールの添加により、毛の成長に優れたより効果的な製剤が得られることが見出された。いかなる理論にも縛られるものではないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテルとオレイルアルコールの組み合わせは、特定の濃度で相乗的に作用し、有効成分(例えば、ラタノプロストおよびミノキシジル)の皮膚浸透を増加させ、毛包および角質層の脂質を流動化し、両方の有効成分をインビボでより溶解し、これにより、有効成分の生物学的利用能を増大させることによって製剤をより効果的にする、と考えられる。ラタノプロストは、ほとんど脂溶性であり、表皮の毛包に浸透することができる。しかしながら、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびオレイルアルコールなどの特定の溶媒と組み合わせて使用すると、製剤は、毛穴の内側を剥離するのにより効果的になり、詰まりを緩め、不純物を取り除き、製剤をより自由に浸透させることが可能になる。細胞接着を弱めることによって、いわば、剥離は、毛包と毛穴を開く。これは、ジエチレングリコールモノエチルエーテルとオレイルアルコールを含んだ同様の製剤に対して比較すると、これらの製剤の有効性の増加を説明するものである。
【0166】
いくつかの実施形態において、組成物は、水、ミノキシジル、約0.01%w/w~約0.4%w/w、または約0.05~0.3%w/w、または約0.1~0.3%w/wの濃度の、ラタノプロスト、を含む。ミノキシジルは、約0.5~10%w/w、または約1~6%w/w、または約2~5%w/w、または約5%w/wの量で含まれ、そして、約0.5%w/w~約1%w/wの濃度のセトステアリルアルコール、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のモノオレイン酸グリセリル、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のオレイルアルコール、約30%w/w~約75%w/wの濃度のエタノール、約10%w/w~約25%w/wの濃度のプロピレングリコール、約0.5%w/w~約2%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のベンジルアルコール、約0.15%w/wの濃度のカルボマー、約0.16%w/wの濃度のトリエタノールアミン、および、約0.5%w/w~約10%w/w、好ましくは2%w/wの濃度のグリセロール、からなる群から選択される1つ以上、が含まれる。
【0167】
いくつかの実施形態において、組成物は、水、ミノキシジル、約0.01~0.5%w/w、または約0.05~4%w/w、または約0.1~0.5%w/wの濃度の、ラタノプロスト、を含む。ミノキシジルは、約0.5~10%w/w、または約1~6%w/w、それ以上、または約2~5%w/w、または約5%w/wの量で含まれ、そして、約1%w/w~約25%w/w、好ましくは約10%w/wの濃度のトランスクトール(transcutol)、約1%w/w~約25%w/wの濃度のプロピレングリコール、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のモノオレイン酸グリセロール、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のオレイルアルコール、約30%w/w~約75%w/wの濃度のエタノール、約10%w/w~約25%w/wの濃度のプロピレングリコール、約0.5%w/w~約2%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のベンジルアルコール、約0.15%w/w~約0.2%w/wの濃度のカルボマー、約0.16%w/wの濃度のトリエタノールアミン、および、約0.5%w/w~約10%w/w、好ましくは2%w/wの濃度のグリセリン、からなる群から選択される1つ以上、が含まれる。
【0168】
いくつかの実施形態はまた、上記の段落で規定されたものに加えて、1つ以上の追加の成分を含むことができ、ここで、1つ以上の成分は、約1%w/w~約5%w/w、好ましくは2%w/wの濃度のリノール酸、0.1%w/w~約0.5%w/w、好ましくは0.2%w/wの濃度のラウリル硫酸ナトリウム、および、0.1%w/w~約0.5%w/w、好ましくは0.2%w/wの濃度のドクサートナトリウム、からなる群から選択される。
【0169】
いくつかの実施形態において、組成物は、水、ミノキシジル、約0.01~5%w/w、または約0.05~4%w/w、または約0.1~0.3%w/w、または、約0.1%w/w、0.2%w/wまたは0.3%w/wの濃度の、ラタノプロストまたはトラボプロスト、を含む。ミノキシジルは、約0.5~10%w/w、または約1~6%w/w、または約2~5%w/w、または約5%w/wの量で含まれ、そして、約1%w/w~約25%w/w、好ましくは約10%w/wの濃度のトランスクトール(transcutol)、約1%w/w~約25%w/wの濃度のプロピレングリコール、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のモノオレイン酸グリセロール、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のオレイン酸、約1%w/w~約3%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のリノール酸、約30%w/w~約75%w/wの濃度のエタノール、約10%w/w~約25%w/wの濃度のプロピレングリコール、約0.5%w/w~約2%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のベンジルアルコール、約0.15%w/w~約0.2%w/wの濃度のカルボマー、約0.16%w/wの濃度のトリエタノールアミン、約0.5%w/w~約10%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のグリセリン、約0.05%w/w~約5%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のエッセンシャルオイル、約0.5%w/w~約5%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のリモネン、約0.5%w/w~約5%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のネロール、約0.5%w/w~約5%w/w、好ましくは約1%w/wの濃度のシネオール、約0.5%w/w~約5%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のサリチル酸オクチル、約0.5%w/w~約5%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のDMSO、約0.01%w/w~約1%w/w、好ましくは約0.2%w/wの濃度のDDAB、約0.01%w/w~約5%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のタウロデオキシコール酸ナトリウム、約0.01%w/w~約1%w/w、好ましくは約0.2%w/wの濃度のドクサートナトリウム、約1%w/w~約30%w/w、好ましくは約25%w/wの濃度のミリスチルミリステート、1%w/w~約5%w/w、好ましくは約2%w/wの濃度のポリソルベート80、約40%w/w~約80%w/w、好ましくは約73.5%w/wの濃度のシリコーンエラストマーを含んだシクロメチコン、約1%w/w~約20%w/w、好ましくは約8%w/wの濃度のダウ・シルキー・ワックス10、約1%w/w~約20%w/w、好ましくは約8%w/wの濃度のミリスチン酸イソプロピル、からなる群から選択される1つ以上、が含まれる。
【0170】
いくつかの実施形態において、組成物は、水、ミノキシジルまたはフィナステリド、ラタノプロストまたはトラボプロスト、を含み、例えば、ラタノプロストまたは局所フィナステリドは、濃度が、約0.01%w/w~約0.5%w/w、好ましくは約0.05~0.45%w/w、または約0.075~0.4%w/w、より好ましくは約0.1~0.3%w/w、最も好ましい値は、0.1%w/w、0.2%w/wまたは0.3%w/w、である。ミノキシジルまたはフィナステリドは、約0.5~10%w/w、または約1~6%w/w、または約2~5%w/w、または約5%w/wの量で含まれ、そして、例えば、0.01%w/w~約89%w/wの濃度の、エタノール;例えば、0.01%w/w~約89%w/wの濃度の、プロピレングリコール;例えば、0.01%w/w~約89%w/wの濃度の、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;例えば、0.01%w/w~約89%w/wの濃度の、ベンジルアルコール、から選択される1つ以上;および、例えば、0.01%w/w~約10%w/wの濃度の、1つ以上の脂肪酸および/または脂肪エステルの賦形剤、が含まれる。いくつかの実施形態において、脂肪酸には、1つ以上のC8-mC28脂肪酸を含むことができ、それらは、飽和、一価不飽和、または多価不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、飽和脂肪酸は、ステアリン酸であり得る。いくつかの実施形態において、一価不飽和脂肪酸は、オレイン酸であり得る。いくつかの実施形態において、多価不飽和脂肪酸は、リノール酸であり得る。いくつかの実施形態において、脂肪酸エステルには、1つ以上のC8-C28脂肪酸のもの含むことができ、それは、飽和、一価不飽和、または多価不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、飽和脂肪酸エステルは、モノステアリン酸グリセリルであり得る。いくつかの実施形態において、一価不飽和脂肪酸エステルは、モノオレイン酸グリセリルであり得る。いくつかの実施形態において、多価不飽和脂肪酸エステルは、リノール酸のエチルエステルであり得る。
【0171】
好ましい組成物は、ミノキシジルまたはフィナステリド、ラタノプロストまたはトラボプロスト、オレイルアルコール、エタノール、およびプロピレングリコール、を含む。ラタノプロストまたはトラボプロストは、約0.01~0.5%w/w、または約0.05~0.4%w/w、または約0.1~0.3%w/w、または最も好ましくは、約0.1%w/w、0.2%w/wまたは0.3%w/wの量で含まれる。ミノキシジルまたはフィナステリドは、約0.5~10%w/w、または約1~6%w/w、または約2~5%w/w、または約5%w/wの量で含まれる。オレイルアルコールは、約1~10%w/wの量で含まれる。エタノールは、約50~80%w/wの量で含まれる。プロピレングリコールは、15~15%w/wの量で含まれる。
【0172】
特に好ましい局所適用による毛の成長のための組成物の例は、ミノキシジルまたはフィナステリド、遊離形態の、ラタノプロストまたはトラボプロスト、またはそれらの薬学的に許容される塩、を含み、ここで、ラタノプロストまたはトラボプロストは、約0.1%w/w~約4%w/wの量で含まれ;ミノキシジルまたはフィナステリドは、約0.5~10%w/w、好ましくは約1~6%w/w、より好ましくは約2~5%w/w、最も好ましくは5%w/wの量で含まれ;脂肪酸、脂肪酸アルコールおよび脂肪酸エステルから選択される少なくとも1つの第1の化合物が含まれ、ここで、前記組成物は、皮膚への局所投与用に製剤化されている。
【0173】
いくつかの実施形態において、第1の化合物は脂肪酸である。脂肪酸は、飽和または不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1の化合物は、脂肪酸エステルである。脂肪エステルは、飽和または不飽和であり得る。脂肪エステルは、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、および、リノール酸のエチルエステルからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも2つの第1の化合物を含む。組成物は、少なくとも1つの脂肪酸と、少なくとも1つの脂肪酸エステルとの混合物を含み得る。第1の化合物は、12~24個の炭素原子を有し得る。組成物は、さらに、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、およびベンジルアルコールからなる群から選択される、少なくとも1つの第2の化合物を含み得る。組成物は、さらに、テルペン、閉塞剤(occlusive agents)、界面活性剤、スルホキシド、環状エーテル、アミド、アミン、およびジメチルアミノプロピオン酸誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つの第3の化合物を含み得る。いくつかの実施形態において、テルペンは、テルピノレン、リモネン、ネロール、およびシネオールからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、閉塞剤は、シリコーン、鉱油、および水不溶性ポリマーからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、DMSO、およびドクサートナトリウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ジメチルアミノプロピオン酸誘導体は、2-ジメチルアミノプロピオン酸ドデシルエステルである。組成物は、ラタノプロストを、約0.01%w/w~約4%w/wの量で含み得る。より好ましくは、組成物は、ラタノプロストを、約0.05%w/w~約0.5%w/wの量で含み得る。最も好ましくは、組成物は、ラタノプロストを、約0.1%w/wの量で含み得る。いくつかの実施形態において、ミノキシジルは、約0.5~10%w/w、好ましくは約1~6%w/w、より好ましくは約2~5%w/w、最も好ましい値は5%w/wの量で、含まれる。組成物は、溶液、ゲル、軟膏、フォーム、フィルム、塗布剤、クリーム、シャンプー、ローション、ペースト、ゼリー、スプレー、およびエアゾールからなる群から選択される1つの形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、皮膚に塗布するためのアプリケーターを備えたキットにパッケージされている。
【0174】
本発明の組成物および製剤は、以下の一般的な方法を用いて製造することができる。
【0175】
非水性成分(例えば、ラタノプロスト、トラボプロスト、ミノキシジル、フィナステリド、エタノール、グリコール)をビーカーで混合し、溶液が透明になるまでプロペラ型オーバーヘッドミキサーを使用して撹拌する。非水性混合物に水を加え、続いて、増粘剤を加える。増粘剤が分散したら、塩基を加えてポリマーを中和し、溶液を増粘させて、ゲルまたは他の所望の組成物にする。例えば、エタノール、ミノキシジル、およびラタノプロストをビーカーで混ぜ合わせ、溶液が透明になるまでプロペラ型オーバーヘッドミキサーを使用して撹拌する。次いで、この混合物を非水性成分に加えて、非水性混合物を形成する。別の容器で、増粘剤を水に分散させて水性混合物を形成し、次に、これを非水性混合物に加える。非水性混合物と水性混合物を混合し、塩基を加えてポリマーを中和し、溶液を増粘させてゲルにする。
【0176】
本発明の組成物は、以下の一般的な方法を用いて製造することができる。
【0177】
エチルアルコールを、混合機を備えた適切な媒体ジャーに量り入れ、次いで、ビマトプロスト、ラタノプロストまたはトラボプロストを、エチルアルコールに加え、溶解するまで適度な速度で撹拌する。別の混合タンクに、ミノキシジル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オレイルアルコール、プロピレングリコール、および任意でPOE40を加え、溶媒が分散するまで混合する。次いで、エチルアルコール/(ビマトプロスト、ラタノプロスト、またはトラボプロスト)の溶液を、非水性溶液に加え、成分が均一に混合するまで、混合する(約5分間の混合)。ゲルの場合、上記の混合物に、あらかじめ水に分散させたカルボマー増粘剤を加え、十分に分散するまで混合し、分散後、塩基を加えて溶液を増粘させてゲルにする。
【0178】
局所0.05%w/wラタノプロスト/5%w/wミノキシジルのクリームは、以下のように製造する。中粘度のカルボキシメチルセルロースと鯨ろう(spermaceti)を70~80℃の温度で一緒に溶解させる。プロピレングリコール、ポリソルベート80、ラタノプロスト、ミノキシジル、およびトランスクトール(transcutol)を、順次に加え、75~80℃の温度を保持する。保存剤(例えば、メチルパラベン)を、撹拌を続けながら、カルボキシメチルセルロースと鯨ろうの溶解物に、ゆっくり加える。温度が40~45℃に下がるまで、さらに撹拌しながら、少なくとも30分間添加を続ける。最後に、十分な水を加えて、最終重量を1000gにし、製剤を撹拌して、冷却および凝固するまで均一性を維持する。
【0179】
製剤化の後、製剤は、毎日、毎月、または毎年、継続的に適用することができる。
【0180】
実施例I
円形脱毛症の42歳の白人男性は、製剤VIIIの製剤を、1日2回、2ml/日で、約4分の1の大きさの脱毛の小さなパッチとして提供し、脱毛が明らかな頭皮の領域に、塗布する。塗布の30日後、患者の頭皮の毛包へのT細胞の浸潤が少なくなり、患者の毛がパッチにおいて成長し始める。
【0181】
実施例II
男性型脱毛症の32歳の男性は、製剤VIの製剤を、少なくとも1日1回(1ml/日)、頭皮の脱毛の領域に塗布する。45日間の継続的な塗布の後、脱毛を引き起こす根本的な自己免疫反応は、重症度が低下し、脱毛の領域において、患者の頭皮に、毛が再成長し始める。
【0182】
実施例III
休止期脱毛症を患っている43歳の女性は、製剤XVIIの製剤を、1日2回、頭皮に塗布する。毎日35日間の塗布後、患者の毛が、患者が脱毛を患っている領域において、患者の頭皮に、再成長し始める。患者は、製剤XVIIを頭皮に塗布しても、副作用を感じない。
【0183】
実施例IV
まゆ毛が薄くなっている62歳の女性は、製剤XXIIを、1日1回、アプリケーターでまゆ毛に塗布する。45~90日以内に、患者は、製剤XXIIを適用しなかった場合のまゆ毛よりも、長く、太く、濃くなる、まゆ毛の成長の増加を感じる。
【0184】
実施例V
53歳の男性は、左右の前腕の下側を約1インチ×1インチの領域で、毛を剃った。表皮の上のすべての毛を除去した。患者は、約0.5mlの製剤XIを、1日1回、左前腕に塗布したが、右前腕は処置せずにそのままにした。20日後、右前腕の毛は、数が少なく、短く、薄く、太くなかったのに比べて、左前腕の毛は、数が多く、長く、濃く、太くなっていた。30日後、右前腕の毛は、数が少なく、短く、薄く、太くなかったのに比べて、左前腕の毛は、数が多く、長く、濃く、太くなっていた。患者は、副作用を感じなかった。
【0185】
実施例VI
53歳の男性は、左右の膝の上の4インチ×2インチの領域で、毛を剃って、表皮の上のすべての毛を除去し、製剤XIの製剤を、左膝の上の毛を剃った領域に、1日1回、塗布し、右膝の上の領域に、5%ミノキシジル・ジェネリック・ロゲイン(ROGAINE)(商標)溶液を、1日1回、塗布した。20日後、左膝の上の毛を剃った領域の発毛は、右膝の上の毛を剃った領域よりもわずかに大きくなっている(毛が多くなり、毛が長くなり、太くなる)。30日後、左膝の上の領域の毛は、右膝の上の領域よりも、長く、濃く、太くなっている。45日後、左膝の上の毛は、5%ミノキシジル・ロゲイン(商標)溶液で処置した左膝の上の領域よりも、格段に長く、径が太く、濃く、数が多くなっている。患者は、副作用を受けなかった。
【0186】
実施例VII
54歳の白人男性は、太ももに1インチ×1インチの正方形の領域(領域#1~#3)3つについて、2つ並べて、1つ下にして、毛を剃った。表皮の上のすべての毛を除去した。領域#1と#2は処置を行い、領域#3は、製剤を適用せず、対照とした。患者は、製剤XXを、1日あたり約3分の1mlで、領域#1に適用し、製剤XVIIIを、3分の1mlで、領域#2に適用した。領域#3は、処置を行わず、対照として用いた。30日後、領域1と領域2の両方で、有意な毛の成長が見られ、対照(領域#3)と比較して、毛は長く、濃く、太くなった。30日後の毛の長さや濃さや太さに関して、領域#1と領域#2の間に有意な差は見られなかった。しかしながら、領域#1と領域#2は、領域#3よりも、有意に多くの発毛があった。60日後、領域#1と#2の両方で、有意な発毛があったが、長さ、太さ、濃さに関して、2つの領域に大きな差はないものの、領域#1の毛は領域#2よりも約10%多く長くなっていた。濃さや太さに関しては、領域#1と#2の間に差は見られなかった。
【0187】
実施例VIII
ハミルトン・ノーウッド分類でステージIVにほぼ対応する頭頂部が禿げている、53歳の白人男性は、製剤XXを、1日1回、約1ml/日で、頭頂部と頭の前部に塗布した。75日目に、患者は、製剤XVIIIに切り替えた。90日後、患者は、頭頂部に著しい再成長を感じ、禿げている領域の約40~50%が減少し、新しい毛の成長がある領域になった(
図5を参照)。新しい毛の成長のほとんどは、患者の自然の毛の色のより濃い毛であり、白毛(grey hair)に対する黒毛(dark hair)の全体的な比率は、治療された領域で、有意に増加した。新しい毛は、頭頂部の禿げていた領域の軟毛と比較して、より長く、より濃く、より太かった。患者は、また、製剤が塗布された頭の前部で、有意な再成長を感じた。患者は、副作用を感じなかった。
【0188】
実施例IX
54歳の男性は、膝の上の太ももの3つの領域について、約2インチ×3インチの領域で、表皮の表面の下までしっかりと毛を剃るようにして、毛を剃った。距離が数インチ離れた左太ももの2つの領域と、右太ももの領域、である。被験者は、領域#1に製剤を塗布せず、その領域を未処置のままにし、領域#2に、ジェネリック5%ミノキシジル・ロゲイン(商標)溶液を、約0.3ml/日で塗布し、領域#3に、ミノキシジル/ラタノプロスト製剤(製剤XVIII)を、約0.3ml/日で塗布した。約15日後、未処置の領域はいくらかの発毛を示したが、領域#2と領域#3は、領域#1と比較して、より顕著な発毛を示した。領域#2と領域#3は、毛の数と長さにおいて非常に似ていたが、領域#3の毛は、わずかにより濃く太いようであった。30日目に、3つの領域すべてで再成長が見られたが、領域#2と#3は、毛の数が有意に多く、領域#1と比較して、長く、濃く、径が大きくなっていた。30日目において、領域#2と#3の毛の数は、ほぼ同じであったが、領域#3の毛は、領域#2よりもわずかに濃く太いようであった。45日目、領域1が再成長を示し、毛の約半分が再成長したが、領域#2および#3よりも大幅に少なかった。45日目、領域#3は、領域#2よりも毛が有意に多く、領域#2と比較して、長さ、濃さ、太さがより大きくなった。
【0189】
実施例X
54歳の男性患者は、太ももの3つの領域(約1インチ×1インチ)の毛を剃って、真皮の上の領域からすべての毛を除去した。患者は、1日1回、領域#1に、製剤XXXVを塗布し、また、領域#2に、ラタノプロストを含まないこと以外は同一の製剤(4%w/vミノキシジル溶液)を塗布し、および、領域#3に、ミノキシジルを含まないこと以外は製剤XXXVと同一の製剤(0.08%w/vラタノプロスト溶液)を塗布した。15日後、領域#1は、領域#2と#3よりも、表皮の上でより多くの毛が、より太く、より濃くなって生えており、領域#2および#3と比較して、より早く発毛が開始し、より大きな再成長とより早い発毛がもたらされた。15日目に、領域#2と#3の間で、毛の数、毛の長さ、毛の太さ、または毛の濃さに関して、毛の成長にほとんど差がなかった。30日目までに、領域#1は、領域#2および#3と比較してより多くの再成長を示し、領域#3と比較して、毛が、より多く、より長く、より太く、およびより濃くなった。領域#1は、領域#2および#3と比較して、発毛の開始が早く、毛の成長が大きかった。患者は、副作用を感じなかった。
【0190】
実施例XI
ルートヴィヒ(Ludwig)スケールのステージIに相当する頭頂部に沿って禿げかかり薄毛になっている46歳の白人女性は、製剤XXを、頭に1日2回、約2ml/日で、頭頂部に沿って、約30日間、塗布した。31日目頃に、患者は、製剤XVIIIを、1日1回(1ml/日)、頭頂部に沿って頭に、塗布し始めた。45日目までに、患者の頭頂部は、元の毛の色をした新しく成長した毛で著しく満たされ、白毛(grey hair)に対する黒毛(dark hair)の比率は、大きく増加し、白毛と比較して元の毛の色の黒毛が多くなった(
図4を参照)。新しく発毛した個々の毛もまた、既存の毛と比較して、太かった。患者は、副作用を感じなかった。
【0191】
実施例XII
54歳の患者は、腕の3つの領域(約1インチ×1インチ)の毛を剃り、表皮の表面からすべての毛を除去した。患者は、1日1回、領域#1に、製剤XVIIIを塗布し、領域#2に、ラタノプロストを含まないこと以外は製剤XVIIIと同一の溶液を塗布し、領域#3に、ミノキシジルを含まないこと以外は製剤XVIIIと同一の溶液を塗布した。15日後、領域#1は、領域#2および領域#3よりも、早く発毛が開始し、より多くの発毛(毛が、表皮の上でより多くの成長し、長く、濃く、太い)がみられた。30日目まで、この傾向は続き、領域#1は、領域#2および領域#3と比較して、著しい再成長を示した。45日目までに、領域#2または領域#3と比較して、領域#1は、ほぼ完全に成長して元に戻った。領域#3は、領域#2と比較して、わずかに濃くて太い毛となったが、領域#2の成長した毛は、領域#3よりわずかに長かった。しかしながら、領域#1は、領域#3よりも、長く、濃く、太い毛となり、領域#2よりも、長い毛となり、それらよりもより成長していた。
【0192】
実施例XIII
54歳の患者は、太ももの上部の3つの領域(約1インチ×1インチ)の毛を剃ることにより毛を除去して、これらの領域からすべての毛を除去した。患者は、1日1回、領域#1に、製剤XVIIIを塗布し、領域#2に、製剤XXXVを塗布し、領域#3には製剤を塗布しなかった。15日後、領域#1と領域#2の両方で、領域#3と比較して、著しい再成長が見られた。領域#1と#2の毛は、領域#3と比較して、長く、濃く、太くなり、数が多かった。30日目までに、領域#1と#2の両方で、領域#3と比較して、著しい再成長が見られ、領域#3と比較して、毛が多く、長く、太く、濃くなった。45日目までに、領域#1と#2は両方とも、ほぼ完全に成長して元に戻ったが、領域#3は、領域#1および#2よりも、発毛が著しく少なかった。領域#1と#2の間で発毛に差はなかった。患者は、副作用を感じなかった。
【0193】
実施例XIV
54歳の患者は、右ふくらはぎに2つ、左ふくらはぎに1つの、3つの領域(約1インチ×1インチ)の毛を剃ることにより毛を除去して、これらの領域の表皮の上のすべての毛を除去した。患者は、1日1回、左ふくらはぎの領域#1に、製剤XVIIIを塗布し、下のふくらはぎの領域#2に、製剤を塗布せず、領域#3に、製剤XIXを塗布した。15日後、領域#1と領域#3は両方、領域#2と比較して、著しい再成長が見られ、領域#3は、領域#2よりも、多くの発毛(毛が、より多く、長く、太い)が見られた。30日目までに、領域#1と#3は両方、領域#2と比較して、著しい再成長が見られ、領域#3と比較して、毛が、多く、長く、太く、濃くなった。30日目までに、領域#3は、著しい毛の成長を示し、領域#2よりも、毛が、約20%、より多く、長く、濃くなった。患者は、副作用を感じなかった。
【0194】
実施例XV
62歳の白人女性は、頭頂部に沿って薄毛を有していた。患者は、1日2回、頭頂部に沿って、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。27日目に、患者は、毎日約1mlの製剤を頭頂部にスプレーすることによる、1日1回の製剤XVIIIの適用に切り替えた。患者は、製剤XVIIIを、30日間、スプレーした。73日目に、患者の髪の毛は頭頂部に沿って著しく成長して戻り、まだ完全には満たされなかったものの、頭頂部で毛が成長し、太くて十分な毛となった。
【0195】
実施例XVI
頭頂部の毛が薄くて長い59歳の白人女性は、頭皮の毛の抜けた領域に、1日2回、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。31日後、患者は、毎日約1mlの製剤をスプレーすることによる、1日1回の製剤XVIIIの適用に切り替えた。患者は、78日間、製剤XVIIIをスプレーした。108日目に、患者の髪の毛は、頭頂部に沿って著しく再成長した。
【0196】
実施例XVII
額とこめかみに沿って抜け毛のある64歳の白人女性は、頭皮の抜け毛の領域に、1日2回、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。30日目に、患者は、毎日約1mlの製剤をスプレーすることによる、1日1回の製剤XVIIIの適用に切り替えた。106日目までに、患者は、額とこめかみに沿って、治療前にそれらの領域にあった既存の毛よりも、濃くて太い毛で、新しい毛の著しい成長がみられた。
【0197】
実施例XVIII
頭頂部がわずかに禿げている26歳の白人男性は、頭皮の抜け毛の領域に、1日2回、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。29日目に、患者は、毎日約1mlの製剤をスプレーすることによる、1日1回の製剤XVIIIの適用に切り替えた。99日目、患者は、頭頂部の発毛の増加がみられ、禿げかかった領域はほとんど見えなくなった。
【0198】
実施例XIX
44歳の白人男性は、ノーウッド・ハミルトンの分類のIVにほぼ相当する、頭頂部にかなりの禿げを有していた。患者は、頭皮の抜け毛の領域に、1日2回、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。29日目に、患者は、毎日約1mlの製剤をスプレーすることによる、1日1回の製剤XVIIIの適用に切り替えた。118日目、患者の髪の毛は頭頂部で著しく成長し、治療前の同じ領域の毛よりも、毛が、濃く、太くなった。108日目までに、頭頂部の約半分が、以前は毛がないか軟毛があったところで、硬毛となって成長した。
【0199】
実施例XX
ルートヴィヒ(Ludwig)スケールでおおよそI-2またはI-3に相当する、頭頂部に沿って薄くなっている59歳の女性患者は、頭皮の抜け毛の領域に、1日2回、1mlをスプレーすることにより、1日約2mlで、1日2回の製剤XXの適用を開始した。30日目に、患者は、1日2回、頭皮の抜け毛の領域に1mlをスプレーすることによる、1日約2mlの製剤XXの1日2回の適用に切り替えた。99日目に、頭頂部は、より濃く、より満たされ、頭頂部の多くが、治療前の同じ領域の毛よりも太い、新しい毛で覆われた。
【国際調査報告】