(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】画像処理方法及び装置、電子機器、記憶媒体並びにプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G06V 10/82 20220101AFI20221005BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20221005BHJP
G06T 7/11 20170101ALI20221005BHJP
【FI】
G06V10/82
G06T7/00 350C
G06T7/11
G06T7/00 614
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505271
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2021075633
(87)【国際公開番号】W WO2022012038
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】202010674675.X
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519290264
【氏名又は名称】シャンハイ センスタイム インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ジュオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シア チン
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA01
5L096DA01
5L096FA62
5L096FA69
5L096GA51
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
本発明の実施例は、画像処理方法及び装置、電子機器、記憶媒体並びにプログラム製品に関する。前記画像処理方法は、目標対象を含む目標画像を取得することと、前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することと、前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理方法であって、
目標対象を含む目標画像を取得することと、
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することと、
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することと、を含む、前記画像処理方法。
【請求項2】
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することは、
前記目標画像をニューラルネットワークに入力することと、
前記ニューラルネットワークの出力に従って、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を前記分割結果として決定することと、を含み、
前記ニューラルネットワークは、前記目標対象を含む訓練画像によって訓練され、前記訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される、
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象の注釈に従って、前記訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、
前記少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、前記第1目標画素点は、前記訓練画像内の、前記目標対象以外の少なくとも1つの画素点である、ことと、
決定された前記目標サブ対象の注釈を、前記第1目標画素点のラベルとして使用することと、
前記第1目標画素点のラベル及び前記目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項2又は3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することは、
前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することであって、前記第2目標画素点は、前記目標サブ対象に含まれる画素点である、ことと、
前記目標サブ対象の各前記第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、前記統計結果における最大数の名称を前記目標サブ対象の名称として使用することと、を含む、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することは、
各前記第2目標画素点に対応する分割結果を各前記第2目標画素点の名称として使用すること、又は、
各前記第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、各前記第2目標画素点の名称を決定すること、を含む、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記画像処理方法は、
少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理して、処理結果を取得することを更に含む、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理することは、
前記目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出すること、及び/又は、
隣接する前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称を修正すること、を含む、
請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記目標画像は、心臓冠動脈マスク画像、又は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み、
前記目標対象は冠動脈中心線を含む、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項10】
画像処理装置であって、
目標対象を含む目標画像を取得するように構成される目標画像取得モジュールと、
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得するように構成される分割モジュールと、
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定するように構成される命名モジュールと、を備える、前記画像処理装置。
【請求項11】
前記分割モジュールは更に、
前記目標画像をニューラルネットワークに入力し、
前記ニューラルネットワークの出力に従って、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を前記分割結果として決定するように構成され、
前記ニューラルネットワークは前記目標対象を含む訓練画像によって訓練され、前記訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される、
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象の注釈に従って、前記訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、
前記少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、前記第1目標画素点は、前記訓練画像内の、前記目標対象以外の少なくとも1つの画素点である、ことと、
決定された前記目標サブ対象の注釈を、前記第1目標画素点のラベルとして使用することと、
前記第1目標画素点のラベル及び前記目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項10又は11に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記命名モジュールは更に、
前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定し、ここで、前記第2目標画素点は、前記目標サブ対象に含まれる画素点であり、
前記目標サブ対象の各前記第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、前記統計結果における最大数の名称を前記目標サブ対象の名称として使用するように構成される、
請求項10ないし13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記命名モジュールは更に、
各前記第2目標画素点に対応する分割結果を各前記第2目標画素点の名称として使用するか、又は、
各前記第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、各前記第2目標画素点の名称を決定するように構成される、
請求項14に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記画像処理装置は更に、
少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理して、処理結果を取得するように構成される処理モジュールを備える、
請求項10ないし15のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項17】
前記処理モジュールは更に、
前記目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出し、及び/又は、
隣接する前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称を修正するように構成される、
請求項16に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記目標画像は、心臓冠動脈マスク画像、又は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み、前記目標対象は冠動脈中心線を含む、
請求項10ないし17のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項19】
電子機器であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている命令を呼び出して実行することにより、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、前記電子機器。
【請求項20】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行されるときに、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実現する、前記コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータ可読コードが電子機器で実行される場合、前記電子機器のプロセッサに、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、前記コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2020年07月14日に中国特許局に提出された、出願番号が202010674675.Xである中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が引用によって本願に組み込まれる。
[技術分野]
本発明は、画像処理技術分野に関し、特に、画像処理方法及び装置、電子機器、記憶媒体並びにプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患と脳血管疾患は、現在最も致命的な疾患の1つであり、その中でも冠状動脈性心臓病の発症率は最も高い。冠状動脈性心臓病は、冠状動脈内腔の狭窄をもたらすアテローム性動脈硬化によって引き起こされ、心筋への不十分な血液供給をもたらし、一連の臨床症状を引き起こす。
【0003】
冠状動脈性心臓病の分析において、病変の位置と医療報告書の説明の分析は、冠動脈中心線の命名に依存する必要があることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、画像処理方法及び装置、電子機器、記憶媒体並びにプログラム製品を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の1つの態様によれば、画像処理方法を提供し、前記画像処理方法は、
目標対象を含む目標画像を取得することと、前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することと、前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することと、を含む。
【0006】
1つの可能な実施形態において、前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することは、前記目標画像をニューラルネットワークに入力することと、前記ニューラルネットワークの出力に従って、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を前記分割結果として決定することと、を含み、ここで、前記ニューラルネットワークは、前記目標対象を含む訓練画像によって訓練され、前記訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される。このように、ニューラルネットワークを介して目標画像への分割を実現できるため、分割の安定性、効率及び精度を効果的に向上させ、画像処理の安定性、効率及び精度を向上させることができる。また、ニューラルネットワークは、訓練画像に含まれた目標サブ対象の名称の実際の状況に応じて構造及び実施形態を柔軟に調整することができるため、キーポイント検出の柔軟性を向上させ、画像処理方法の柔軟性を向上させることができる。
【0007】
1つの可能な実施形態において、前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、前記訓練画像内の目標対象の注釈に従って、前記訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、前記少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む。このように、訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定した後、少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像に従ってニューラルネットワークを訓練することができ、このようにして、注釈された訓練画像に基づいてニューラルネットワークを効果的に訓練して、分割と命名機能を備えた二ューラルネットワークを取得でき、これによって、画像処理の利便性を向上させることができる。
【0008】
1つの可能な実施形態において、前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、前記訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、前記第1目標画素点は、前記訓練画像内の、前記目標対象以外の少なくとも1つの画素点であることと、決定された前記目標サブ対象の注釈を、前記第1目標画素点のラベルとして使用することと、前記第1目標画素点のラベル及び前記目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む。このようにして、目標対象の注釈を含む訓練画像に基づいて、密なラベルと完全な情報を含む訓練画像を取得して、ニューラルネットワークを訓練することができ、これによって、注釈の難易度を上げることなく、訓練によって得られるニューラルネットワークの精度を向上させ、分割結果の精度と最終的に取得される目標サブ対象の名称の精度を向上させることができ、画像処理の精度と利便性を向上させることができる。
【0009】
1つの可能な実施形態において、前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することは、前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することであって、前記第2目標画素点は、前記目標サブ対象に含まれる画素点であることと、前記目標サブ対象の各前記第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、前記統計結果における最大数の名称を前記目標サブ対象の名称として使用することと、を含む。上記のプロセスにより、目標画像内の一部の画素点の分割結果が不正確であっても、比率に基づいてより正確な目標サブ対象の名称を取得することができ、これによって、最終的に決定される目標サブ対象の名称の精度を向上させ、画像処理の精度を向上させることができる。
【0010】
1つの可能な実施形態において、前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することは、各前記第2目標画素点に対応する分割結果を各前記第2目標画素点の名称として使用すること、又は、各前記第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、各前記第2目標画素点の名称を決定すること、を含む。このように、第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、第2目標画素点の名称を決定することにより、支援機能を備えたこれらの画素点の分割結果を効果的に導入して第2目標画素点の名称を決定することができ、これによって、決定された第2目標画素点の名称の精度を向上させ、決定された目標サブ対象の名称の精度を向上させ、よって、画像処理の精度を向上させることができる。
【0011】
1つの可能な実施形態において、前記画像処理方法は、少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理して、処理結果を取得することを更に含む。このように、少なくとも1つの目標サブ対象の名称に従って目標対象を処理して、処理結果を取得することにより、目標サブ対象の名称に従って目標対象を更に最適化することができ、前に目標画像を分割することによって取得された分割結果の精度が低いことにより、決定された名称に一定の誤差が生じる場合でも、処理によって修正することにより、より正確な処理結果を取得することができ、これによって、画像処理の精度とロバスト性を向上させる。
【0012】
1つの可能な実施形態において、前記少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理することは、前記目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出すること、及び/又は、隣接する目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を修正すること、を含む。このようにして、不正確な分割による不正確な命名結果の発生を更に低減し、最終的に取得された処理結果の精度を向上させ、画像処理の精度とロバスト性を向上させることができる。
【0013】
1つの可能な実施形態において、前記目標画像は、心臓冠動脈マスク画像、又は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み、前記目標対象は冠動脈中心線を含む。目標画像が心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像の両表を含む場合、マスク画像に基づいて分割することができ、これは、元の心臓冠動脈画像に基づく分割と比較して、後続の分割過程の入力環境を簡略化し、画像処理過程のノイズを低減する。また、心臓マスク画像によって、心臓の各心腔の情報を保持することもできるため、冠動脈のツリー構造情報及び血液供給位置情報を可能な限り同時に保持でき、これによって、後続の分割の難易度を低減し、分割結果及び最終的に決定された名称の精度を向上させる。
【0014】
本発明の実施例の1つの態様によれば、画像処理装置を提供し、前記画像処理装置は、
目標対象を含む目標画像を取得するように構成される目標画像取得モジュールと、前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得するように構成される分割モジュールと、前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定するように構成される命名モジュールと、を備える。
【0015】
本発明の実施例の1つの態様によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、
プロセッサと、プロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリとを備え、ここで、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令を呼び出して実行することにより、上記の画像処理方法を実行するように構成される。
【0016】
本発明の実施例の1つの態様によれば、コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行されるときに、上記の画像処理方法を実現する。
【0017】
本発明の実施例の1つの態様によれば、コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータ可読コードが電子機器で実行されるときに、前記電子機器のプロセッサに、上記の画像処理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例によれば、目標対象を含む目標画像を取得し、目標画像を分割して目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得し、これによって、分割結果に基づき目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することができる。このようにして、目標画像内の、複数の目標サブ対象を含む目標対象の命名過程を、画素レベルの分割過程に変換することができ、これによって、命名過程の実現難易度を効果的に軽減するとともに命名の精度を向上させ、よって、画像処理過程のロバスト性を向上させる。
【0019】
上記した一般的な説明および後述する詳細な説明は、単なる例示および説明に過ぎず、本発明の実施例を限定するものではないことを理解されたい。
【0020】
以下、図面を参照した例示的な実施例に対する詳細な説明によれば、本発明の実施例の他の特徴および態様は明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、これらの図面は、本発明の実施例と一致する実施例を示し、明細書とともに本発明の実施例の技術的解決策を説明するために使用される。
【
図1】本開示の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
【
図2】本発明の実施例に係る、目標対象を抽出することを示す概略図を示す。
【
図4】本発明の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。
【
図5】本発明の実施例に係る電子機器のブロック図を示す。
【
図6】本発明の実施例に係る電子機器のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のさまざまな例示的な実施例、特徴及び態様を、図面を参照して詳細に説明する。図面における同じ参照番号は、同じまたは類似の機能の要素を表示する。実施例の様々な態様を図面に示したが、特に明記しない限り、縮尺通りに図面を描く必要がない。
【0023】
明細書における「例示的」という専門の記載は、「例、実施例または説明として使用される」ことを意味する。ここで、「例示的」として記載される任意の実施例は、他の実施例より適切であるかまたは優れると解釈される必要はない。
【0024】
本明細書における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連関係を表し、3種類の関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが独立で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが独立で存在する場合のような3つの場合を表す。更に、本明細書における「少なくとも1つ」という用語は、複数のうちの1つ又は複数のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを示し、例えば、A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むことは、A、B及びCで構成された集合から選択された任意の1つ又は複数の要素を含むことを示す。
【0025】
さらに、本発明の実施例をよりよく説明するために、以下の実施形態において、多数の詳細が与えられる。当業者は、本発明の実施例は特定の詳細なしにも実施できることを理解されたい。いくつかの具現例において、本発明の実施例の要旨を強調するために、当業者に周知の方法、手段、要素および回路について詳細に説明しない。
【0026】
図1は、本発明の一実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示し、当該方法は、画像処理装置に適用されることができ、画像処理装置は、端末機器、サーバ又は他の処理機器などであってもよい。ここで、端末機器は、ユーザ機器(UE:User Equipment)、モバイル機器、ユーザ端末、端末、セルラー電話、コードレス電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ハンドヘルド機器、コンピューティング機器、車載機器、ウェアラブル機器などであってもよい。
【0027】
いくつかの可能な実施形態において、当該画像処理方法は、プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を呼び出す方式により実現することができる。
図1に示されたように、前記画像処理方法は、次のステップを含み得る。
【0028】
ステップS11において、目標対象を含む目標画像を取得する。
【0029】
ステップS12において、目標画像を分割して、目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得する。
【0030】
ステップS13において、分割結果に従って、目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定する。
【0031】
ここで、目標対象は、命名する必要のある任意の対象であってもよい。1つの可能な実施形態において、目標対象は、領域ごとまたはセグメントごとに命名する必要のある対象であってもよい。目標対象は、命名する必要のある複数のセグメント又は領域を含む可能性があるため、1つの可能な実施形態において、目標対象は、複数のセグメント又は複数の領域への命名ニーズに従って、複数の目標サブ対象に分割することができる。
【0032】
1つの可能な実施形態において、本発明の実施例で提案される画像処理方法は、心臓冠動脈中心線の各セグメントに命名するために用いられることができる。したがって、一例において、目標対象は、心臓冠動脈中心線、すなわち、冠動脈中心線であってもよく、この場合、目標対象は、複数の目標サブ対象を含んでもよく、各目標サブ対象は、ツリー構造の冠動脈の中心線構造の分枝の1つ、又は分枝の1つのセグメント(すなわち、冠動脈中心線セグメント)であってもよい。一例において、目標対象は、命名する必要のある、心臓冠動脈の他の部分、又は心臓冠動脈中心線の部分領域などであってもよく、実際の状況に応じて柔軟に選択することができる。1つの可能な実施形態において、本発明の実施例で提案される方法は、複数のセグメント又は複数の領域を含む他の器官又は組織の命名にも適用でき、これらに対応して、いくつかの実施形態において、目標対象は、複数の領域又は複数のセグメントへの命名要件を持つ器官又は組織であってもよい。後続の各発明の実施例はすべて、目標対象が心臓冠動脈中心線であることを例として説明しており、目標対象が他の形態である場合、その処理方法は、本発明の実施例で提案される方法に従って柔軟に拡張でき、ここでは再び例を挙げて説明しない。
【0033】
目標画像内の画素点の名称は、当該画素点に対応する目標サブ対象の名称であってもよい。目標対象の実施形態が異なるため、目標対象内の目標サブ対象の名称とその実現形態は、実際の状況に応じて柔軟に決定できる。1つの可能な実施形態において、目標対象が冠動脈中心線である場合、目標サブ対象の名称は、冠動脈中心線を分割できる、複数の冠動脈中心線セグメントの名称であってもよく、例えば、右冠動脈(RCA:Right Coronary Artery)、右下行後動脈(R-PDA:Right-Posterior Descending Artery)、左下行枝冠動脈(L-PDA:Left-Posterior Descending Artery)、右後降枝冠動脈(R-PLB:Right-Posterior Lateral Branch)、左後降枝冠動脈(L-PLB:Left-Posterior Lateral Branch)、左主幹部(LM:Left Main)、左冠動脈回旋枝(LCX:Leaky Coaxial Cable)、第1及第2鈍縁枝(OM1-2:Obtuse Marginal 1 and 2)、左前降支(LAD:Left Anterior Descending)、第1及第2対角枝(D1-2:Diagonal 1 and 2)又はその他(Others)などであってもよい。
【0034】
目標画像は、目標対象を含む任意の画像であってもよく、1つの可能な実施形態において、目標画像は、すべての目標対象を含む画像であってもよく、1つの可能な実施形態において、目標画像は、目標対象の一部を含む画像であってもよく、実際の状況に応じて柔軟に選択することができる。上記の実施例から分かるように、1つの可能な実施形態において、目標画像はマスク画像(mask)であってもよく、具体的にどのようなマスク画像であるかは、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。上記の各発明の実施例に記載されたように、可能な状況では、目標対象は、冠動脈中心線を含んでもよく、これに対応して、目標画像は、冠動脈中心線を含む画像であり得るか、又は冠動脈中心線を抽出するために使用される画像であり得る。したがって、1つの可能な実施形態において、目標画像は、心臓冠動脈マスク画像を含み得る。一例において、心臓冠動脈マスク画像は、バイナリ画像であってもよく、例えば、0及び1の2つの値を使用して、画像内の画素点が心臓冠動脈に属するか、心臓冠動脈とは関係のない背景に属するかを区別することができる。
【0035】
1つの可能な実施形態において、目標画像は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み得る。心臓冠動脈マスク画像の形は、上記の実施例に記載された通りであり得、ここでは繰り返して説明しない。心臓マスク画像は、心臓冠動脈が属する心臓によって形成された1つのマスク画像であってもよく、異なる値を使用して心臓の各部位や心腔を分割することができる。一例において、目標画像は、心臓冠動脈マスク画像と心臓マスク画像とを重ね合わせることによって形成されたマスク画像であってもよく、重ね合わせる過程において、心臓冠動脈に属さない心臓マスク画像内の画素点は、心臓冠動脈マスク画像内の背景値として標記することができる。後続の各実施例では、目標画像が、心臓冠動脈マスク画像と心臓マスク画像とを重ね合わせることによって形成されたマスク画像であることを例として説明し、他の可能な実施形態は、後続の各実施例を参照して拡張でき、ここでは再び例を挙げて説明しない。
【0036】
目標画像が心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像の両方を含む場合、マスク画像に基づいて分割することができ、これは、元の心臓冠動脈画像に基づく分割と比較して、後続の分割過程の入力環境を簡略化し、画像処理過程のノイズを低減する。また、心臓マスク画像によって、心臓の各心腔の情報を保持することもできるため、冠動脈のツリー構造情報及び血液供給位置情報を可能な限り同時に保持でき、これによって、後続の分割の難易度を低減し、分割結果及び最終的に決定された名称の精度を向上させる。
【0037】
目標対象を含む目標画像を取得した後、ステップS12により、目標対象を含む目標画像を分割して、目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することができる。1つの可能な実施形態において、分割とは、目標画像内の各画素点を分類し、これによって、目標画像内の各画素点のカテゴリを決定することであってもよい。1つの可能な実施形態において、分割とは、目標画像内の各前景画素点(例えば、心臓冠動脈マスク画像内の、心臓冠動脈に属する画素点)を分類し、これによって、目標画像の各前景画素点のカテゴリを決定することであってもよい。本発明の実施例において、分割の実施形態は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、以下の各発明の実施例を参照することができるため、ここでは詳しく説明しない。
【0038】
分割により目標画像内の画素点を分類することができるため、目標画像内の各画素点の分類結果に従って、目標画像内の目標対象の各目標サブ対象の名称を決定してもよい。1つの可能な実施形態において、分割結果に従って目標対象の各目標サブ対象の名称を決定することができ、1つの可能な実施形態において、ニーズに応じて、目標対象内の一部の目標サブ対象の名称のみを決定してもよく、決定された目標サブ対象の数、及びどの目標サブ対象を選択して名称を決定するかは、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、本発明の実施例はこれらに対して特に限定しない。これらの画素点の分類結果に従って目標サブ対象の名称を決定する具体的な実施形態は、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、その詳細については、後続の各実施例を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0039】
本発明の実施例によれば、目標対象を含む目標画像を取得し、目標画像を分割して分割結果を取得し、これによって、分割結果に基づき目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することができる。このようにして、目標画像内の、複数の目標サブ対象を含む目標対象の命名過程を、マスク分割過程に変換することができ、これによって、命名過程の実現難易度を効果的に軽減するとともに命名の精度を向上させ、よって、画像処理過程のロバスト性を向上させる。
【0040】
1つの可能な実施形態において、目標画像はマスク画像を含むことができるため、マスク画像に基づいて分割を実行することができ、これによって、分割の入力環境を簡略化し、画像処理過程のノイズを低減する。
【0041】
上記の各実施例に記載されたように、目標画像の実施形態は、実際の状況に従って柔軟に決定することができる。よって、目標対象を含む目標画像を取得する方式も、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。1つの可能な実施形態において、目標画像を取得する方式は、心臓冠動脈の原画像に対して血管分割を実行して、心臓冠動脈マスク画像を取得し、次に心臓冠動脈マスク画像に対して中心線抽出を行い、冠動脈中心線画像を目標対象として取得し、その後、冠動脈中心線と心臓冠動脈マスク画像を重ね合わせることにより、目標対象の目標画像を取得することであってもよい。1つの可能な実施形態において、目標画像を取得する方式は、心臓冠動脈の原画像に対して血管分割を実行して、心臓冠動脈マスク画像を取得し、次に心臓冠動脈マスク画像に対して中心線抽出を行い、冠動脈中心線画像を目標対象として取得するとともに、心臓の原画像に対して血管分割を実行して、心臓マスク画像を取得し、次に冠動脈中心線、心臓冠動脈マスク画像、及び心臓マスク画像を重ね合わせることにより、目標対象を含む目標画像を取得することであってもよい。ステップS11の他の可能な実施形態は、目標画像の実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、ここでは再び例を挙げて説明しない。
【0042】
目標対象を含む目標画像を取得した後、ステップS12により、目標画像を分割して、分割結果を取得することができる。1つの可能な実施形態において、目標画像における画素点と目標対象との相対位置に従って、目標サブ対象に最も近いか又は目標サブ対象に属する、目標画像内の少なくとも一部の画素点の名称を分割結果として決定することができる。1つの可能な実施形態において、ニューラルネットワークによって目標画像の分割結果を取得してもよく、この場合、ステップS12は、
目標画像をニューラルネットワークに入力することと、ニューラルネットワークの出力に従って、目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として決定することと、を含み得、ここで、ニューラルネットワークは目標対象を含む訓練画像によって訓練され、訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される。
【0043】
ここで、ニューラルネットワークによって出力される画素点の名称は、目標画像内の各画素点の名称であってもよいし、目標画像内の部分画素点の名称であってもよく、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。1つの可能な実施形態において、ニューラルネットワークの出力は、目標画像内の各前景画素点の名称であってもよく、各前景画素点の名称を分割結果として使用する。
【0044】
訓練画像の実施形態は、上記の目標画像の実施形態を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。訓練画像の目標対象に注釈を付ける方式は、本発明の実施例では限定されず、ニューラルネットワークによって実現される機能に従って柔軟に決定することができる。1つの可能な実施形態において、訓練画像内の目標対象の各画素点に個別に注釈を付けるか、又は訓練画像内の各画素点に個別に注釈を付けることができる。1つの可能な実施形態において、訓練画像内の複数の目標サブ対象に個別に注釈を付けることができる。一例において、目標対象を複数の目標サブ対象に分割した後、そのうちの一部の目標サブ対象の名称又は各目標サブ対象の名称を注釈することができ、これによって、目標サブ対象に含まれる画素点を均一に注釈することができる。どのような注釈方式を選択するかは、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、本発明の実施例はこれらに対して限定しない。
【0045】
ニューラルネットワークの実施形態及び訓練方式は、本発明の実施例に限定されず、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、ニューラルネットワークの初期モデルは、実際の状況に応じて任意に選択することができる。一例において、残差仮想ネットワーク(Res-Vnet)をニューラルネットワークの実施形態として使用することができる。訓練に用いられる損失関数は、実際の状況に応じて柔軟に選択でき、一例において、ダイス損失(dice loss)を損失関数として、ニューラルネットワークを訓練することができる。
【0046】
上記の実施例から分かるように、1つの可能な実施形態において、ニューラルネットワークにより目標画像を分割することができ、目標画像を分割するためのニューラルネットワークは、目標対象を含む訓練画像によって訓練されることができ、訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈されることができる。したがって、上記の訓練画像に基づいて取得されたニューラルネットワークは、目標対象に属する目標画像内の画素点を分割して、各分割された画素点の分割結果を取得することができ、分割結果は、目標画像に含まれた画素点に対応する目標サブ対象の名称であってもよく、可能な名称種類については、上記の各実施例を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0047】
目標サブ対象の名称で注釈された訓練画像を使用して、ニューラルネットワークを訓練し、訓練されたニューラルネットワークを用いて目標画像の分割を実現し、分割結果を取得する。上記のプロセスにより、ニューラルネットワークを効果的に用いて目標画像への画素レベルの分割を効果的に実現し、分割結果をより便利で迅速に取得することができ、これによって、画像処理の難易度を低減し、画像処理の実用性と一般化能力を向上させる。
【0048】
目標対象を含む訓練画像によってニューラルネットワークを訓練する方式は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、1つの可能な実施形態において、目標対象を含む訓練画像によってニューラルネットワークを訓練することは、訓練画像内の目標対象の注釈に従って、訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、ニューラルネットワークを訓練することと、を含み得る。
【0049】
上記の各実施例に記載されたように、訓練画像内の目標対象の注釈形式は、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、これに対応して、注釈の形式が異なるため、ステップS21における少なくとも一部の画素点のラベルを決定する方式もそれに応じて変化することができる。1つの可能な実施形態において、訓練画像内の目標対象の注釈を、目標画像内の対応する画素点のラベルとして直接使用することができる。上記のように、一例において、目標対象を複数セグメントの目標サブ対象に分割し、各セグメントの目標サブ対象を命名する方式で注釈を行うことができ、よって、命名された目標サブ対象に含まれる画素点の注釈を、これらの画素点のラベルとして使用することができる。
【0050】
訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定した後、少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像に従って、ニューラルネットワークを訓練することができ、このようにして、注釈された訓練画像に基づいてニューラルネットワークを効果的に訓練して、分割と命名機能を備えた二ューラルネットワークを取得でき、これによって、画像処理の利便性を向上させることができる。
【0051】
上記の各実施例に記載されたように、1つの可能な実施形態において、目標対象は冠動脈中心線であってもよく、心臓冠動脈マスク画像にとって、冠動脈中心線は心臓冠動脈マスクの一部であり、心臓冠動脈マスク画像には、目標対象、すなわち、冠動脈中心線に属しないが冠動脈に属する一部の画素もあり、よって、これらの画素点に対応する名称は、冠動脈中心線の名称を決定するのに役立つ。上記の各実施例に記載されたように、訓練画像内の目標対象に注釈を付ける過程において、訓練画像内の各画素に注釈を付けてもよいし、訓練画像の目標対象の各画素に注釈を付けてもよい。したがって、冠動脈中心線の名称を決定するのに役立つこれらの画素点には、注釈が含まれていない可能性がある。1つの可能な実施形態において、訓練されたニューラルネットワークの精度を向上させるために、注釈に従ってこれらの画素点のラベルを決定することができる。
【0052】
したがって、1つの可能な実施形態において、目標対象を含む訓練画像によってニューラルネットワークを訓練することは、訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、第1目標画素点は、訓練画像内の、目標対象以外の少なくとも1つの画素点であることと、決定された目標サブ対象の注釈を、第1目標画素点のラベルとして使用することと、第1目標画素点のラベル及び目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、二ューラルネットワークを訓練することと、を含み得る。
【0053】
ここで、第1目標画素点は、目標対象に属しない、訓練画像内の少なくとも1つの画素点であってもよく、どの画素点を第1目標画素点として選択するかについては、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。1つの可能な実施形態において、訓練画像において目標対象の外側に位置するが、目標対象への命名を支援できる画素点を第1目標画素点として使用することができ、目標対象が冠動脈中心線であることを例にとると、一例において、訓練画像において冠動脈中心線の外側に位置し且つ心臓冠動脈に属する画素点を、第1目標画素点として使用することができる。訓練画像の実施形態は、目標画像の実施形態と同様であり、上記の各実施例で説明されたように、目標画像はマスク画像であってもよく、したがって、一例において、背景に属さずかつ目標対象に属さない、訓練画像の画素点の全て又は一部を、第1目標画素点として使用することができる。
【0054】
1つの可能な実施形態において、訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルに従って、第1目標画素点のラベルを決定することができ、第1目標画素点の決定方式は、実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、本発明の各実施例に限定されない。上記の内容から分かるように、1つの可能な実施形態において、訓練画像の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象の注釈を、第1目標画素点のラベルとして使用することができる。一例において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象は、目標対象において、第1目標画素点に最も近い画素点が属する目標サブ対象であってもよい。
【0055】
第1目標画素点のラベルを取得した後、上記の実施例に記載された方式により、訓練画像内の目標対象の注釈を目標画像内の対応する画素点のラベルとして直接使用することができ、これによって、密なラベルを含む訓練画像を取得して、ニューラルネットワークを訓練することができる。
【0056】
目標対象が冠動脈中心線であることを例として上記の過程について説明すると、一例において、訓練画像において、先ず、冠動脈中心線上の画素点の注釈をこれらの画素点のラベルとして使用し、次に、背景及び冠動脈中心線のいずれにも属しない画素点を第1目標画素点として使用し、各第1目標画素点について、冠動脈中心線において当該第1目標画素点に最も近い画素点の注釈を当該第1目標画素点のラベルとして使用し、これによって、密なラベルを含む訓練画像を取得し、密なラベルを含む当該訓練画像によってニューラルネットワークを訓練することにより、より良い訓練結果を取得することができる。
【0057】
このようにして、目標対象の注釈を含む訓練画像に基づいて、密なラベルと完全な情報を含む訓練画像を取得して、ニューラルネットワークを訓練することができ、これによって、注釈の難易度を上げることなく、訓練によって得られるニューラルネットワークの精度を向上させ、分割結果の精度と最終的に取得される目標サブ対象の名称の精度を向上させることができ、画像処理の精度と利便性を向上させることができる。
【0058】
上記の任意の実施例により目標画像の分割結果を取得した後、ステップS13により、分割結果に基づいて目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することができる。ステップS13の実施形態は限定されず、1つの可能な実施形態において、目標サブ対象に含まれる任意の画素点の分割結果を、目標サブ対象の名称として使用することができる。1つの可能な実施形態において、ステップS13は、次のステップを含み得る。
【0059】
ステップS131において、分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定し、ここで、第2目標画素点は、前記目標サブ対象に含まれる画素点である。
【0060】
ステップS132において、目標サブ対象の第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、統計結果における最大数の名称を目標サブ対象の名称として使用する。
【0061】
ここで、第2目標画素点は、目標サブ対象に含まれる画素点、すなわち、目標サブ対象によってカバーされる画素点であってもよい。1つの可能な実施形態において、取得された分割結果は完全に正確ではない可能性があるため、同じ目標サブ対象について、それに含まれる第2目標画素点の分割結果が正確である可能性もあり(つまり、対応する目標サブ対象の名称と同じである)、不正確である可能性もあり(つまり、対応する目標サブ対象の名称とは異なる)、分割結果が不正確である場合、目標サブ対象に含まれる任意の第2目標画素点の分割結果を目標サブ対象の名称として使用すると、不正確な命名結果を得る可能性が高い。
【0062】
上記の問題を考慮して、1つの可能な実施形態において、名称を決定する必要のある任意の目標サブ対象について、ステップS131により、分割結果に従って、当該目標サブ対象の少なくとも1つの第2目標画素点の名称を取得することができる。
【0063】
ステップS131における目標サブ対象の第2目標画素点の数を取得することは、実際の状況に応じて柔軟に決定することができる。1つの可能な実施形態において、目標サブ対象に含まれる各第2目標画素点を取得することができ、1つの可能な実施形態において、目標サブ対象に含まれる第2目標画素点をランダムにサンプリングして、第2目標画素点の一部を取得することができ、サンプリング方式及びサンプリングの数は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、本発明の実施例はこれらに対して限定しない。
【0064】
取得したものが第2目標画素点の一部であっても、第2目標画素点の全てであっても、分割結果に従って、取得された第2目標画素点の名称を決定する必要がある。名称を決定する方式は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、1つの可能な実施形態において、ステップS131の分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することは、
各第2目標画素点に対応する分割結果を各第2目標画素点の名称として使用すること、又は、各第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、各第2目標画素点の名称を決定すること、を含み得る。
【0065】
上記の実施例から分かるように、1つの可能な実施形態において、第2目標画素点の分割結果を第2目標画素点の名称として直接使用することができる。
【0066】
上記の実施例よれば、目標画像内の画素点の分割結果が完全に正確ではない可能性があり、この場合、第2目標画素点の分割結果を第2目標画素点の名称として使用しても、誤りが発生する可能性があり、したがって、1つの可能な実施形態において、第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に従って、第2目標画素点の名称を決定することができる。
【0067】
ここで、第2目標画素点の予め設定された範囲は、例えば、第2目標画素点の周りの9つの隣接領域、16の隣接領域など、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、本発明の実施例はこれらに対して限定しない。通常、第2目標画素点の近くの画素点は、第2目標画素点と同一目標サブ対象に属する確率が大きいため、これらの画素点によって、第2目標画素点のより正確な名称を決定することができる。一例において、第2目標画素点の予め設定された範囲内に含まれる各画素点の分割結果を取得し、その後、これらの取得された分割結果から、割合が最も高い又は数が最も多い分割結果、又は割合又は数量が設定された閾値を超える(例えば、割合が50%を超える)分割結果を第2目標画素点の名称として選択することができる。一例において、第2目標画素点の予め設定された範囲内に含まれる画素点をサンプリングし、その後、サンプリングすることによって取得された画素点に対応する分割結果から、割合が最も高い又は数が最も多い分割結果、又は割合又は数量が設定された閾値を超える(例えば、割合が50%を超える)分割結果を第2目標画素点の名称として選択することができる。
【0068】
上記の各実施例に記載されたように、目標画像には、目標対象に属しないが目標サブ対象の名称の決定を支援できる画素点がある可能性があるため、第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、第2目標画素点の名称を決定することにより、支援機能を備えたこれらの画素点の分割結果を効果的に導入して第2目標画素点の名称を決定することができ、これによって、決定された第2目標画素点の名称の精度を向上させ、決定された目標サブ対象の名称の精度を向上させ、よって、画像処理の精度を向上させる。
【0069】
上記の任意の方式により少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定した後、ステップS132により、第2目標画素点の名称の統計結果に基づいて、目標サブ対象の名称を取得することができる。ここで、ステップS132の実施形態は、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、例えば、目標サブ対象内の各第2目標画素点又は第2目標画素点の一部の名称を統計した後、これらの統計された名称から、最大数の名称を目標サブ対象の名称として使用するか、又はこれらの統計された名称から、出現率が最も高い名称を目標サブ対象の名称として使用するか、又はこれらの統計された名称から、その数が予め設定された閾値より高いか又は出現率が予め設定された閾値より高い名称を目標サブ対象の名称として使用することができ、予め設定された閾値の値は、本発明の実施例では限定されず、実際の状況に応じて柔軟に設定することができる。
【0070】
目標対象が冠動脈中心線であることを例として上記のプロセスについて説明すると、一例において、冠動脈中心線の各冠動脈中心線セグメントの名称を順次に決定することができ、各冠動脈中心線セグメントについて、先ず、各冠動脈中心線セグメントに含まれる各画素点、すなわち、第2目標画素点をトラバースして、これらの第2目標画素点の名称を決定することができ、決定方式は、その分割結果に従って直接決定することであってもよいし、その周りの画素点の分割結果に従って共同で決定することであってもよく、上記の各実施例を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。これらの第2目標画素点の名称を決定した後、当該冠動脈中心線セグメントから、数が最も多いか又は割合が最も高い名称を、当該冠動脈中心線セグメントの名称として使用することができる。
【0071】
分割結果に従って少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定し、決定された第2目標画素点の名称を統計することにより、統計結果に従って目標サブ対象の名称を取得し、上記のプロセスにより、目標画像内の一部の画素点の分割結果が不正確であっても、比率に基づいてより正確な目標サブ対象の名称を取得することができ、これによって、最終的に決定される目標サブ対象の名称の精度を向上させ、画像処理の精度を向上させることができる。
【0072】
1つの可能な実施形態において、本発明の実施例による画像処理方法は、ステップS14をさらに含み得る。ステップS14において、少なくとも1つの目標サブ対象の名称に従って、目標対象を処理して、処理結果を取得する。
【0073】
上記の実施例から分かるように、目標画像内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を取得した後、更に、決定された名称に基づいて、実際の状況に応じて、目標画像内の目標対象に対して更なる処理及び最適化を行い、最終的な画像処理結果を取得することができる。どのように目標サブ対象の名称に従って処理して、どのような処理結果を取得するかについては、実際の画像処理ニーズに従って柔軟に決定することができ、その詳細については以下の各実施例を参照でき、ここでは詳しく説明しない。
【0074】
少なくとも1つの目標サブ対象の名称に従って目標対象を処理して、処理結果を取得することにより、目標サブ対象の名称に従って目標対象を更に最適化することができ、前に目標画像を分割することによって取得された分割結果の精度が低いことにより、決定された名称に一定の誤差が生じる場合でも、処理によって修正することにより、より正確な処理結果を取得することができ、これによって、画像処理の精度とロバスト性を向上させる。
【0075】
1つの可能な実施形態において、ステップS14は、目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出すること、及び/又は、隣接する目標サブ対象の名称に従って目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を修正すること、を含み得る。
【0076】
ここで、目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出する方式に対して特に限定しない。1つの可能な実施形態において、目標対象が冠動脈中心線である場合、冠動脈中心線はツリー構造構造であってもよいため、同じ名称を有する冠動脈中心線セグメントについて、不正確な分割により、当該冠動脈中心線セグメントに複数の分岐が含まれる可能性がある。より正確な冠動脈中心線セグメントを取得するために、一例において、同じ名称で複数の分岐を含む冠動脈中心線セグメントを抽出し、その中で最も完全であり又は最も長い分岐を抽出結果として選択することができる。
図2は、本発明の実施例に係る、目標対象を抽出することを示す概略図を示し、
図2から分かるように、抽出前の目標画像21の冠動脈中心線の各冠動脈中心線セグメントの名称は決定されており、同じ名称で複数の分岐の冠動脈中心線セグメントが含まれる。抽出後の目標画像22の冠動脈中心線では、同じ名称で1つの分岐の冠動脈中心線セグメントのみが含まれ、例えば、名称がR-PLBである冠動脈中心線セグメントには、抽出前に2つの分枝があり、抽出後、短い方の分枝が削除され、長い方の分枝のみが抽出結果として保留される。
【0077】
本発明の実施例は、目標サブ対象の名称に従って目標対象を修正する方式を特に限定しない。1つの可能な実施形態において、目標対象が冠動脈中心線である場合、冠動脈中心線の冠動脈中心線セグメントの一部について、当該冠動脈中心線セグメントは、同じ名称の他の2つの冠動脈中心線セグメント間に位置する可能性があり、当該冠動脈中心線セグメントの名称は、この2つの冠動脈中心線セグメントの名称とは異なる。冠動脈中心線の連続性により、当該冠動脈中心線セグメントの名称が不正確である可能性が高く、したがって、隣接する他の冠動脈中心線セグメントの名称に基づいて、現在の冠動脈中心線セグメントの名称を修正することにより、冠動脈中心線の連続性を維持する。
【0078】
ステップS14を実施する過程では、上記の抽出過程及び修正過程を同時に含んでもよく、実際の状況に応じてそのうちの特定の過程のみを含んでもよく、又は他の修正過程を含んでもよい。これらの過程の実行順序は、実際の状況に応じて柔軟に選択してもよく、どのように実施するかは、実際の状況に応じて柔軟に決定することができ、上記の各実施例に限定されない。
【0079】
目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出し、及び/又は、隣接する目標サブ対象の名称に従って目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を修正することにより、不正確な分割による不正確な命名結果の発生を更に低減し、最終的に取得された処理結果の精度を向上させ、画像処理の精度とロバスト性を向上させることができる。
【0080】
心血管疾患と脳血管疾患は、現在最も致命的な疾患の1つであり、その中でも冠状動脈性心臓病の発症率は最も高い。冠状動脈性心臓病は、冠状動脈内腔の狭窄をもたらすアテローム性動脈硬化によって引き起こされ、心筋への不十分な血液供給をもたらし、狭心症、心筋梗塞、心筋不全、不整脈、突然死などを含む一連の臨床症状を引き起こす。したがって、冠動脈狭窄とプラーク検出などの結果は、診断と後続の治療の指針となる重要性を持っており、心臓冠動脈造影(CTA:Computed Tomography Angiography)画像に基づく冠動脈中心線の抽出が前提となっている。冠状動脈性心臓病の分析において、病変の位置と医療報告書の説明の分析は、冠動脈中心線の命名に依存する必要があることが多い。
【0081】
関連技術における命名方法は、主に2つに分け、1番目は、知識とモデリングに基づいて命名することであり、この方法では、主に、目標血管に一致する統計に基づく汎用モデルに基づいて命名する。2番目は、学習に基づく分類アルゴリズムに基づいて命名することであり、この方法では、人工的に設計された特徴の抽出に基づいて中心線に対して分類命名を行う。もう1つの方法では、ツリー構造の双方向長短期記憶ネットワーク(LSTM:Long Short Term)を用いてツリー構造情報を学習することにより分類命名を行う。モデリングに基づく中心線の命名であろうと、ルールに基づくツリー構造線の命名であろうと、この2つの関連解決策には少なくとも、設計が複雑で一般化能力が足りないという問題がある。
【0082】
血管命名タスクの主な課題は、主に、個人間の大きな違い及び大きな変異性にあるが、血管命名の臨床的基礎は血管の血液供給部位であるため、コア学習情報は、血液供給部位、すなわち、心臓に対する血管の位置にある必要があり、心臓の相対位置を剥離又は喪失する任意の方法は、ある程度の情報損失を与え、その結果、精度が低く、一般化能力が弱くなる。
【0083】
本発明の適用例は、分割に基づくエンドツーエンドの命名処理方法を提案する。関連技術では、通常、血管分割を行ってから、中心線を抽出し、最後に中心線を命名する(中心線を分類することによって実現する)。本発明の適用例では、問題を再構築し、つまり、中心線の命名問題を血管マスク画像のインスタンスセグメンテーション(Instance Segmentation)問題に再構築する。つまり、中心線を抽出した後、中心線を直接命名するのではなく、血管マスク画像(各画素点には決定されたラベルが付けられている)を分割し、分割結果に投票して、中心線の名称を決定する。画素点に基づく分割モデルの訓練は、より密な注釈と情報を提供し、血管の血液供給位置情報を保留するために、心臓の各心腔のマスク画像を冠動脈血管のマスク画像に重ね合わせて入力として使用する。このようなプロセスは、全ての情報を完全に保留し、原画像と比較してノイズを低減し、手動の特徴抽出やルールに基づく設計を必要とせず、既存の操作過程に簡単に組み込むことができる。
【0084】
本発明の適用例は、訓練過程及び予測過程を含み、ここで、訓練過程は、次のステップを含む。第1のステップでは、入力を準備し、具体的には、分割モデルによって、心臓冠動脈マスク画像及び全心臓マスク画像を取得し、2つのマスク画像を重ね合わせて処理して、最終入力として使用する。第2のステップでは、教師データを準備し、具体的には、先ず、正確に命名されている冠動脈中心線を取得し、その後、冠動脈マスク画像の各画素点のラベルを、当該冠動脈中心線に最も近い各セグメントの中心線に関連付ける。第3のステップでは、Res-Vnet型及びダイス損失を用いてマルチラベル分割訓練を行う。予測過程は、次のステップを含む。第1のステップは、訓練過程の入力準備ステップと同様であり、つまり、最終的な入力マスク画像及び抽出された冠動脈中心線を取得することである。第2のステップでは、訓練済みのニューラルネットワークによって分割する。第3のステップでは、分割に基づいて、抽出された中心線セグメントに投票して命名する。第4のステップでは、後処理により、医生が注意を払っている目標血管を抽出し、起こりうる誤りを修正する。
【0085】
本発明の適用例によれば、血管中心線命名タスクを血管マスク画像分類タスクに再構築することにより、学習の難易度を低減し、中心線命名のロバスト性を向上させる。本発明の適用例によれば、血管マスク画像と心臓マスク画像を一緒に入力することにより、原画像を直接学習する難易度を低減し、すべての命名に必要なすべての必要情報を保留し、これにより、学習に基づく方法は、従来のルールに基づくツリー構造命名アルゴリズムよりも優れた一般化能力を有する。
【0086】
図3は、本発明の1つの適用例の概略図を示し、
図3に示されたように、本発明の実施例は、画像処理方法を提案し、当該処理方法は、画像処理により冠動脈中心線のセグメント命名を実現することができる、当該画像処理過程は、大体以下の4つのステップを含み得る。
【0087】
第1のステップにおいて、心臓冠動脈マスク画像31及び心臓マスク画像32をそれぞれ取得し、2つのマスク画像を合併して、合併マスク画像として使用する。同時に、心臓冠動脈マスク画像の中心線を抽出し、複数の冠動脈中心線セグメント(目標サブ対象)からなる冠動脈中心線を目標対象として取得する。その後、合併マスク画像を目標対象と重ね合わせて、目標対象(冠動脈中心線)を含む目標画像33を取得する。
【0088】
第2のステップにおいて、訓練済みのニューラルネットワーク34によって、目標画像を分割して、目標画像内の各前景画素点(すなわち、心臓冠動脈に属する画素点)の分割結果35を取得する。
【0089】
第3のステップにおいて、第2のステップで取得された分割結果に従って、投票命名を行うことにより、目標画像内の冠動脈中心線の各冠動脈中心線セグメントの名称36を決定し、投票命名過程は、
各冠動脈中心線セグメントについて、それらに含まれる画素点を第2目標画素点として決定し、その後、これらの第2目標画素点の分割結果に対応する名称を統計し、その中で最も数の多い名称を当該冠動脈中心線セグメントの名称として選択することであってもよい。
【0090】
第4のステップにおいて、各冠動脈中心線セグメントの命名を遂行した後、後処理によって、その中の同じ名称を有する分枝を含む複数の冠動脈中心線セグメントについて、最も完全であるか又は最も長い分枝を最終結果として保留し、不連続な冠動脈中心線セグメントを修正する。例えば、中心線セグメントの親ノード(親線セグメント)と子ノード(子線セグメント)は同じ名称を有するが、当該冠動脈中心線セグメントの名称がそれらの名称と一致しない場合、当該冠動脈中心線セグメントを親ノードおよび子ノードと一致する名称に修正することができる。上記の後処理によって、最終的な処理結果37を取得する。
【0091】
いくつかの可能な実施例において、第2のステップの目標画像を分割するためのニューラルネットワークの訓練過程は、先ず、訓練画像を準備し、訓練画像は、目標画像と同様であり得、つまり、心臓冠動脈マスク画像と、心臓マスク画像と、冠動脈中心線とを重ね合わせることによって取得された画像を訓練画像として使用する。
【0092】
訓練画像はニューラルネットワークの訓練に使用されるため、教師データ(ground truth)も必要であり、つまり、訓練画像内の画素点についてラベルを更に準備する必要がある。本発明の適用例において、教師データの生成方式は、次のとおりであり得る。先ず、セグメント命名によって冠動脈中心線に注釈を付けることができ、このようにして、各冠動脈中心線セグメントの画素点のラベルは、対応する冠動脈中心線セグメントの注釈名称である。
【0093】
次に、訓練画像において、前景に属し且つ冠動脈中心線セグメントに属しない画素点をそれぞれ第1目標画素点として使用し、冠動脈中心線上の第1目標画素点に最も近い画素点のラベル(すなわち、注釈)を、当該第1目標画素点のラベルとして使用することができる。
【0094】
上記のプロセスにより、ラベルを含む訓練画像を取得し、当該ラベルを含む訓練画像をニューラルネットワークに入力して訓練し、訓練済みのニューラルネットワークを取得することができる。一例において、ニューラルネットワークは、Res-Vnetニューラルネットワークを基礎モデルとして使用し、ダイス損失を損失関数として使用することによりマルチラベル分割訓練を行い、最終的な訓練結果を取得することができる。
【0095】
上記のプロセスにより、冠動脈中心線セグメント命名タスクを血管マスク画像のインスタンス・セグメンテーション・タスクに再構築することができ、同時に、本発明の適用例で提案される画像処理方法は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を入力として使用することができ、心臓冠動脈の原画像を入力として使用する方法と比較して、入力環境を簡略化し、ノイズを低減し、全てのツリー構造情報及び血液供給位置情報を保留することができる。また、命名過程において、分割結果に対して投票メカニズムを採用することにより、冠動脈中心線セグメントの命名を、当該セグメント画素点で出現率が最も高い分割ラベルに依存させ、これにより、一部の画素点の分割結果が不正確であっても、正確な分割結果が過半数を占める限り、正しい冠状動脈中心線の命名結果を得ることができ、最後に、分割結果に基づいて命名した後、命名結果に対して後処理を行い、分割結果が訓練データに依存するため、後処理により、訓練データが少ない場合でも最終処理結果のロバスト性を維持することができる。
【0096】
本発明の適用例に係る画像処理方法は、新しい問題アーキテクチャを提案し、つまり、中心線セグメント命名タスクを血管マスク画像のインスタンス・セグメンテーション・タスクに再構築するとともに、新しい入力アイデアを提供し、原画像を入力として使用することと比較して、当該技術は2つのマスク画像を入力として使用し、入力環境を簡略化し、ノイズを低減し、全てのツリー構造情報及び血液供給位置情報を保留することができる。分割後の結果に基づく中心線命名において、投票メカニズムを使用して、血管セグメント命名を当該セグメント画素点で出現率が最も高い分割ラベルに依存させることにより、分割結果が良くない場合でも、正確な分割結果が過半数を占める限り、中心線命名は正確である。先験知識に基づいて後処理を行い、学習アルゴリズムは訓練データに依存し、後処理において訓練データが少ない場合でも最終結果のロバスト性を維持することができる。
【0097】
したがって、本発明の適用例の創造的なポイントは、少なくとも、冠動脈マルチラベル分割に基づく中心線命名戦略と、マスク画像分割から中心線命名までの投票戦略と、分割結果及び先験知識に基づく後処理方法と、を含む。本発明の適用例に係る解決策は、エンドツーエンドの設計に基づいており、明確なプロセス、より高い精度、およびロバスト性が高いという利点を有する。同時に、本発明の適用例に係る解決策は、高い効率を維持し、患者ごとに約3~5秒かかる。
【0098】
本発明の適用例は、少なくとも、心血管および脳血管疾患の支援診断、遠隔医療診断、クラウドプラットフォーム支援インテリジェント診断、および医療ラベリングプラットフォームなどの態様における心臓冠状動脈画像の処理に適用されることができる。心臓専門医が患者の冠動脈造影データを取得して中心線を抽出した後、血管プラークと狭窄の検出と位置決めを行うために、中心線をセグメントして命名し、これによって、構造化されたレポートを生成する。
【0099】
留意されたいこととして、本発明の実施例に係る画像処理方法は、上記の心臓冠動脈画像の処理に適用されることに限定されず、任意の画像処理に適用されることができ、本発明の実施例はこれに対して特に限定しない。例えば、中心線の命名を定義することによって冠動脈マスク画像に対して分割タスクを実行する製品、又は全心臓マスク画像及び心臓冠動脈マスク画像を入力として使用する製品も、本発明の実施例の保護範囲に含まれる。
【0100】
本発明の実施例で述べた上述の各方法の実施例は、原理および論理に違反することなく、互いに組み合わせて、組み合わせされた実施例を生成することができ、紙数に限りがあるので、本発明の実施例を繰り返して説明しないことを理解されたい。当業者は、実施形態の上記の方法において、各ステップの実行順序はそれらの機能と可能な内部ロジックによって決定されることを理解することができる。
【0101】
さらに、本発明の実施例はまた、画像処理装置、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体、プログラム製品を提供し、これらはすべて、本発明の実施例で提供される任意の画像処理方法を実現するために使用されることができる、対応する技術的解決策及び説明については、方法部分の対応する説明を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0102】
図4は、本発明の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。当該画像処理装置は、端末機器、サーバ又は他の処理機器などであってもよい。ここで、端末機器は、UE、モバイル機器、ユーザ端末、端末、セルラー電話、コードレス電話、PDA、ハンドヘルド機器、コンピューティング機器、車載機器、ウェアラブル機器などであってもよい。いくつかの可能な実施形態において、当該画像処理装置は、プロセッサがメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を呼び出す方式により実現することができる。
図4に示されたように、前記画像処理装置40は、
目標対象を含む目標画像を取得するように構成される目標画像取得モジュール41と、
目標画像を分割して、目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得するように構成される分割モジュール42と、
分割結果に従って、目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定するように構成される命名モジュール43と、を備える。
【0103】
1つの可能な実施形態において、分割モジュールは、目標画像をニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークの出力に従って、目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として決定するように構成され、ここで、ニューラルネットワークは、目標対象を含む訓練画像によって訓練され、訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される。
【0104】
1つの可能な実施形態において、目標対象を含む訓練画像によってニューラルネットワークを訓練することは、訓練画像内の目標対象の注釈に従って、訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、ニューラルネットワークを訓練することと、を含む。
【0105】
1つの可能な実施形態において、目標対象を含む訓練画像によってニューラルネットワークを訓練することは、訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、第1目標画素点は、訓練画像内の、目標対象以外の少なくとも1つの画素点であることと、決定された目標サブ対象の注釈を、第1目標画素点のラベルとして使用することと、第1目標画素点のラベル及び目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、二ューラルネットワークを訓練することと、を含む。
【0106】
1つの可能な実施形態において、命名モジュールは、分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定し、ここで、第2目標画素点は、目標サブ対象に含まれる画素点であり、目標サブ対象の第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、統計結果における最大数の名称を目標サブ対象の名称として使用するように構成される。
【0107】
1つの可能な実施形態において、命名モジュールは更に、第2目標画素点に対応する分割結果を第2目標画素点の名称として使用するか、又は、第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、第2目標画素点の名称を決定するように構成される。
【0108】
1つの可能な実施形態において、画像処理装置40は更に、処理モジュールを備え、前記処理モジュールは、少なくとも1つの目標サブ対象の名称に従って、目標対象を処理して、処理結果を取得するように構成される。
【0109】
1つの可能な実施形態において、処理モジュールは更に、目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出し、及び/又は、隣接する目標サブ対象の名称に従って目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を修正するように構成される。
【0110】
1つの可能な実施形態において、目標画像は、心臓冠動脈マスク画像、又は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み、目標対象は冠動脈中心線を含む。
【0111】
本発明の実施例は、コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を更に提供し、前記コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行されるときに、上記の方法を実現する。コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0112】
本発明の実施例は、電子機器をさらに提供し、前記電子機器は、プロセッサと、プロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリとを備え、ここで、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された命令を呼び出して実行することにより、上記の方法を実行するように構成される。電子機器は、端末、サーバまたは他の形の機器として提供されるできる。
【0113】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なコードを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、コンピュータ読み取り可能なコードが機器で実行されるときに、当該機器のプロセッサに、上記の実施例のいずれかで提供される画像処理方法を実現するための命令を実行させる。
【0114】
本発明の実施例は、別のコンピュータプログラム製品を更に提供し、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読命令を記憶するように構成され、命令が実行されるときに、コンピュータに、上記の実施例のいずれかで提供される画像処理方法を実行させる。
【0115】
図5は、本開示の実施例に係る電子機器800のブロック図を示す。例えば、電子機器800は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージングデバイス、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療機器、フィットネス機器又は携帯情報端末などの端末であってもよい。
【0116】
図5を参照すると、電子機器800は、処理コンポーネント802、メモリ804、電力コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O:Input/Output)インターフェース812、センサコンポーネント814、及び通信コンポーネント816のうちの1つまたは複数のコンポーネントを備えることができる。
【0117】
処理コンポーネント802は、一般的に、電子機器800の全体的な動作、例えば、ディスプレイ、電話の呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関する動作を制御する。処理コンポーネント802は、上記の方法のステップのすべてまたは一部を完了するための命令を実行するための1つまたは複数のプロセッサ820を備えることができる。加えて、処理コンポーネント802は、処理コンポーネント802と他のコンポーネントの間のインタラクションを容易にするための1つまたは複数のモジュールを備えることができる。例えば、処理コンポーネント802は、マルチメディアコンポーネント808と処理コンポーネント802との間のインタラクションを容易にするためのマルチメディアモジュールを備えることができる。
【0118】
メモリ804は、電子機器800での操作をサポートするための様々なタイプのデータを格納するように構成される。これらのデータの例には、電子機器800で動作する任意のアプリケーションまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、写真、ビデオ等が含まれる。メモリ804は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random-Access Memory)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM:Programmable Read-Only Memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなど、あらゆるタイプの揮発性または不揮発性ストレージデバイスまたはそれらの組み合わせによって実現されることができる。
【0119】
電力コンポーネント806は、電子機器800の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント806は、電力管理システム、1つまたは複数の電源、及び電子機器800のための電力の生成、管理および配分に関する他のコンポーネントを備えることができる。
【0120】
マルチメディアコンポーネント808は、前記電子機器800とユーザとの間の出力インターフェースとして提供されるスクリーンを備える。いくつかの実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びタッチパネル(TP:Touch Panel)を備えることができる。スクリーンがタッチパネルを備える場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するためのタッチスクリーンとして実装されることができる。タッチパネルは、タッチ、スワイプ及びタッチパネルでのジェスチャーを検知するための1つまたは複数のタッチセンサを備える。前記タッチセンサは、タッチまたはスワイプの操作の境界を感知するだけでなく、前記タッチまたはスワイプ動作に関連する持続時間及び圧力も検出することができる。いくつかの実施例において、マルチメディアコンポーネント808は、1つのフロントカメラおよび/またはリアカメラを備える。電子機器800が撮影モードまたはビデオモードなどの動作モードにあるとき、フロントカメラおよび/またはリアカメラは、外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラ及びリアカメラは、固定された光学レンズシステムであってもよく、焦点距離と光学ズーム機能を有するものであってもよい。
【0121】
オーディオコンポーネント810は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は、1つのマイクロフォン(MIC:Microphone)を備え、電子機器800が通話モード、録音モード及び音声認識モードなどの動作モードにあるとき、マイクロフォンは、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、メモリ804にさらに記憶されてもよく、または通信コンポーネント816を介して送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント810は、さらに、オーディオ信号を出力するためのスピーカを備える。
【0122】
I/Oインターフェース812は、処理コンポーネント802と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、前記周辺インターフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、ボリュームボタン、スタートボタン、ロックボタンを備えることができるが、これらに限定されない。
【0123】
センサコンポーネント814は、電子機器800に各態様の状態の評価を提供するための1つまたは複数のセンサを備える。例えば、センサコンポーネント814は、電子機器800のオン/オフ状態と、電子機器800のディスプレイやキーパッドなどのコンポーネントの相対的な位置づけを検出することができ、センサコンポーネント814はまた、電子機器800または電子機器800のコンポーネントの位置の変化、ユーザとの電子機器800の接触の有無、電子機器800の向きまたは加速/減速、及び電子機器800の温度の変化も検出することができる。センサコンポーネント814は、物理的接触なしに近くの物体の存在を検出するように構成された近接センサを備えることができる。センサコンポーネント814は、さらに、撮像用途で使用するための光センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal-Oxide Semiconductor)または電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)画像センサなどの光センサを備えることができる。いくつかの実施例において、当該センサコンポーネント814は、さらに、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサを備えることができる。
【0124】
通信コンポーネント816は、電子機器800と他の装置の間の有線または無線通信を容易にするように構成される。電子機器800は、WiFi(登録商標)、第2世代モバイル通信技術(2G:The 2nd Generation)、第2世代モバイル通信技術(2G:The 2nd Generation)、またはそれらの組み合わせなどの通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。一例示的な実施例において、前記通信コンポーネント816は、放送チャンネルを介して外部放送管理システムからの放送信号または放送関連情報を受信する。一例示的な実施例において、前記通信コンポーネント816は、さらに、短距離通信を促進するために、近距離通信(NFC:Near Field Communication)モジュールを備える。例えば、NFCモジュールでは、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)技術、赤外線データ協会(IrDA:Infrared Data Association)技術、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)技術、ブルートゥース(BT:Bluetooth)技術及び他の技術に基づいて具現されることができる。
【0125】
例示的な実施例において、電子機器800は、上記の方法を実行するように構成される、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子素子によって具現されることができる。
例示的な実施例において、コンピュータプログラム命令を含むメモリ804などの、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、上述のコンピュータプログラム命令が電子機器800のプロセッサ820によって実行されることにより、上記の方法を完了することができる。
【0126】
図6は、本開示の実施例に係る電子機器1900のブロック図を示す。例えば、電子機器1900は、サーバとして提供されることができる。
図6を参照すると、電子機器1900は、1つまたは複数のプロセッサを含む処理コンポーネント1922と、処理コンポーネント1922によって実行可能な命令(アプリケーションなど)を記憶するように構成されるメモリリソースとして表されるメモリ1932と、を備える。メモリ1932に記憶されたアプリケーションは、それぞれが一セットの命令に対応する1つまたは複数のモジュールを備えることができる。さらに、処理コンポーネント1922は、命令を実行することにより、上記の方法を実行するように構成される。
【0127】
電子機器1900は、さらに、電子装置1900の電源管理を実行するように構成される電力コンポーネント1926と、電子装置1900をネットワークに接続するように構成される有線または無線ネットワークインターフェース1950と、I/Oインターフェース1958と、を備えることができる。電子機器1900は、メモリ1932に記憶されたオペレーティングシステム、例えば、Windows ServerTM、Mac OS XTM、UnixTM、LinuxTM、FreeBSDTMまたは類似のシステムを介して操作できる。
【0128】
例示的な実施例において、コンピュータプログラム命令を含むメモリ1932などの、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、電子機器1900の処理コンポーネント1922によって上述のコンピュータプログラム命令を実行することにより、上記の方法を完了することができる。
【0129】
本発明は、システム、方法および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含み得、当該コンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサに、本発明の実施例の様々な態様を実現させるためのコンピュータ可読プログラム命令が含まれる。
【0130】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行機器によって使用される命令を保持および記憶することができる有形機器であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気記憶機器、磁気記憶機器、光学記憶機器、電磁記憶機器、半導体記憶機器または前述の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体は、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:Digital Video Disc)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記憶されたパンチカードまたは溝の凸構造、および前述の任意の適切な組み合わせなどの機械的符号化機器を含み得る。ここで使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波や自由に伝播される他の電磁波、導波管や他の伝播媒体を介して伝播される電磁波(光ファイバーケーブルを介した光パルスなど)、またはワイヤを介して伝送される電子信号などの、一時的な信号として解釈されてはならない。
【0131】
本明細書で説明するコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピューティング/処理機器にダウンロードされるか、インターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークおよび/または無線ネットワークなどのネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶機器にダウンロードされることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバなどを含み得る。各コンピューティング/処理機器におけるネットワークアダプターカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、他のコンピューティング/処理機器のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために、当該コンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0132】
本発明の実施例の操作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:Industry Standard Architecture)命令、機械命令、機械関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、または以1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせでプログラミングされたソースコードまたは目標コードであってもよく、前記プログラミング言語は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似のプログラミング言語などの一般的な手続き型プログラミング言語を含む。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータで実行されてもよく、その一部がユーザのコンピュータで実行されてもよく、1つの独立したソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、その一部がユーザのコンピュータで実行されかつその他の部分がリモートコンピュータで実行されてもよく完全にリモートコンピュータまたはサーバで実行されてもよい。リモートコンピュータに関する場合において、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)またはワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含む任意のタイプのネットワークは、ユーザのコンピュータに接続することができ、または、外部のコンピュータに接続することができる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットにアクセスすることができる)。いくつかの実施例において、コンピュータ可読命令の状態情報を使用することにより、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイまたはプログラマブルロジックアレイなどの、電子回路をカスタマイズし、当該電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令を実行し、それにより、本発明の各態様を実現することができる。
【0133】
ここで、本発明の実施例に係る方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロックを参照して、本発明の各態様について説明したが、フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロック、およびフローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータ可読プログラム命令によって実現できることを理解されたい。
【0134】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供することができ、それにより、これらの命令がコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行されるときに、フローチャートおよび/またはブロック図における1つのまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実現する手段を創出する。これらのコンピュータ可読プログラム命令をコンピュータ可読記憶媒体に記憶してもよく、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置および/または他の機器が、これらの命令に応じて特定方式で動作することができる。したがって、命令が記憶されたコンピュータ可読媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作の各態様の命令を含む、製品を含むことができる。
【0135】
また、コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他の機器にロードすることで、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置または他の機器に、一連の操作ステップを実行させることにより、コンピュータによって実現されるプロセスを生成し、それにより、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他の機器で実行される命令により、フローチャートおよび/またはブロック図における1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実現することができる。
【0136】
添付の図面におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明の複数の実施例に係るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能な実装アーキテクチャ、機能および動作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部を表すことができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部は、指定された論理機能を実現するための1つまたは複数の実行可能な命令を含む。いくつかの代替的な実現では、ブロックで表示された機能は、図面で表示された順序とは異なる順序で実行することもできる。例えば、2つの連続するブロックは、実際には、並行して実行されることができ、関連する機能によっては、逆の順序で実行されることもできる。ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行するハードウェアに基づく専用システムによって実現することができ、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実現されることができることに留意されたい。
【0137】
当該コンピュータプログラム製品は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらを組み合わせることによって実現されることができる。いくつかの実施例において、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体で具現でき、別のいくつかの実施例において、コンピュータプログラム製品は、ソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)など、ソフトウェア製品で具現される。
【0138】
以上、本発明の各実施例を説明したが、以上の説明は、例示的なものであり、網羅的ではなく、開示された各実施例に限定されない。説明された各実施例の範囲および精神から逸脱することなく、多くの修正および変更は、当業者にとっては明らかである。本明細書で使用される用語の選択は、各実施例の原理、実際の応用または市場における技術の改善を最もよく説明するか、当業者が本明細書で開示された各実施例を理解することができるようにすることを意図する。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明の実施例によれば、目標対象を含む目標画像を取得し、前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得し、前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定する。上記のプロセスにより、命名過程の実現難易度を効果的に軽減するとともに命名の精度を向上させることができ、これにより、画像処理過程のロバスト性を向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理方法であって、
目標対象を含む目標画像を取得することと、
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することと、
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することと、を含む、前記画像処理方法。
【請求項2】
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得することは、
前記目標画像をニューラルネットワークに入力することと、
前記ニューラルネットワークの出力に従って、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を前記分割結果として決定することと、を含み、
前記ニューラルネットワークは、前記目標対象を含む訓練画像によって訓練され、前記訓練画像内の目標対象は、少なくとも1つの目標サブ対象の名称によって注釈される、
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象の注釈に従って、前記訓練画像内の少なくとも一部の画素点のラベルを決定することと、
前記少なくとも一部の画素点のラベルを含む訓練画像によって、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記目標対象を含む訓練画像によって前記ニューラルネットワークを訓練することは、
前記訓練画像内の目標対象において、第1目標画素点に最も近い目標サブ対象を決定することであって、前記第1目標画素点は、前記訓練画像内の、前記目標対象以外の少なくとも1つの画素点である、ことと、
決定された前記目標サブ対象の注釈を、前記第1目標画素点のラベルとして使用することと、
前記第1目標画素点のラベル及び前記目標対象の注釈を含む訓練画像に従って、前記ニューラルネットワークを訓練することと、を含む、
請求項2又は3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定することは、
前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することであって、前記第2目標画素点は、前記目標サブ対象に含まれる画素点である、ことと、
前記目標サブ対象の各前記第2目標画素点の名称を統計して、統計結果を取得し、前記統計結果における最大数の名称を前記目標サブ対象の名称として使用することと、を含む、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記分割結果に従って、少なくとも1つの第2目標画素点の名称を決定することは、
各前記第2目標画素点に対応する分割結果を各前記第2目標画素点の名称として使用すること、又は、
各前記第2目標画素点の予め設定された範囲内の少なくとも1つの画素点の分割結果に基づいて、各前記第2目標画素点の名称を決定すること、を含む、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記画像処理方法は、
少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理して、処理結果を取得することを更に含む、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象を処理することは、
前記目標対象から同じ名称を有する目標サブ対象を抽出すること、及び/又は、
隣接する前記目標サブ対象の名称に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの前記目標サブ対象の名称を修正すること、を含む、
請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記目標画像は、心臓冠動脈マスク画像、又は、心臓冠動脈マスク画像及び心臓マスク画像を含み、
前記目標対象は冠動脈中心線を含む、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項10】
画像処理装置であって、
目標対象を含む目標画像を取得するように構成される目標画像取得モジュールと、
前記目標画像を分割して、前記目標画像内の少なくとも1つの画素点の名称を分割結果として取得するように構成される分割モジュールと、
前記分割結果に従って、前記目標対象内の少なくとも1つの目標サブ対象の名称を決定するように構成される命名モジュールと、を備える、前記画像処理装置。
【請求項11】
電子機器であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている命令を呼び出して実行することにより、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、前記電子機器。
【請求項12】
コンピュータプログラム命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラム命令がプロセッサによって実行されるときに、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実現する、前記コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
コンピュータ可読コードを含むコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータ可読コードが電子機器で実行される場合、前記電子機器のプロセッサに、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、前記コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】