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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】新規医薬製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/496 20060101AFI20221005BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221005BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 9/30 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20221005BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A61K31/496
A61P35/00
A61P35/02
A61K9/16
A61K9/30
A61K47/04
A61K47/26
A61K47/12
A61K47/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505413
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 EP2020071332
(87)【国際公開番号】W WO2021018928
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】19189386.6
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】306021192
【氏名又は名称】エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー-ハトラー, レオニー フルーリナ クロード
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC27
4C076DD28H
4C076DD29
4C076DD29H
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD42
4C076DD47
4C076EE06H
4C076EE23H
4C076EE31
4C076EE32
4C076FF07
4C076GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA11
4C086ZB26
4C086ZB27
(57)【要約】
がんを有する対象の治療に有用なN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)ベンズアミド含む医薬組成物及び剤形が本明細書で開示される。本開示はまた、これらの医薬組成物及び剤形を調製する方法、並びに本明細書で提供される医薬組成物及び剤形を利用してがんを有する対象を治療する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、
を含む医薬組成物。
【請求項2】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
を含む粒内成分、
2)粒外成分であって、
c)コロイド状二酸化ケイ素、及び
d)マンニトール
を含む粒外成分、
を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)ステアリン酸マグネシウムと、
c)フマル酸ステアリルナトリウムと、
を含む医薬組成物。
【請求項4】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)フマル酸ステアリルナトリウム、
を含む粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)ステアリン酸マグネシウム
を含む粒外成分、
を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
を含む粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、及び
c)ステアリン酸マグネシウム
を含む粒外成分、
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)ステアリン酸マグネシウムと、
c)フマル酸ステアリルナトリウムと、
d)クロスカルメロースナトリウムと、
を含む医薬組成物。
【請求項8】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)フマル酸ステアリルナトリウム、
c)クロスカルメロースナトリウム
を含む、粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)ステアリン酸マグネシウム、及び
b)クロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分、
を含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、
f)クロスカルメロースナトリウムと、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム
を含む、粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒外成分、
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
微結晶セルロースを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、
f)クロスカルメロースナトリウムと、
g)微結晶セルロースと、
を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム
e)微結晶セルロース、
を含む、粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒外成分、
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの酸味料を更に含み、特に、前記少なくとも1つの酸味料が、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、及び塩酸ベタインから選択され、より詳しくは、前記少なくとも1つの酸味料が酒石酸である、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム、
e)微結晶セルロース、
f)酒石酸
を含む粒内成分、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒外成分、
を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
5重量%~45重量%のエントレクチニブ、特に15重量%~35重量%のエントレクチニブ、より詳しくは25±5重量%のエントレクチニブ、最も詳しくは25±1重量%のエントレクチニブを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
2重量%~20重量%のマンニトール、より詳しくは5重量%~15重量%のマンニトール、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
0.2重量%~1.2重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.1重量%~1.0重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.2重量%~0.8重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素、最も詳しくは0.9±0.1重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.20±0.05重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
0.1重量%~2.0重量%のステアリン酸マグネシウム、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%のステアリン酸マグネシウム、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
0.5重量%~5重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
5重量%~80重量%の微結晶セルロース、特に20重量%~60重量%の微結晶セルロース、より詳しくは47.5±5重量%の微結晶セルロース、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロースを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
1.0重量%~8重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び0.5重量%~5重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウム、より詳しくは2.0重量%~6重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び1.0重量%~3重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウム、最も詳しくは4.5±0.05重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び2.25±0.05重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウムを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
0.3重量%~13.3重量%の酒石酸、より詳細には4.42重量%~10.32重量%の酒石酸、最も詳細には7.37±0.5重量%の酒石酸を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%のエントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.3重量%~2.2重量%、より詳しくは0.7重量%~1.8重量%、最も詳しくは1.10±0.15重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールと、
d)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
e)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、
f)1.5重量%~13重量%、より詳しくは3重量%~9重量%、最も詳しくは6.75±0.1重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
g)5重量%~80重量%、特に20重量%~60重量%、より詳しくは47.5±5重量%、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロースと、
を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
1)粒内層であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%のエントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.2重量%~1.2重量%、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.9±0.10重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、
d)1.0重量%~8.0重量%、より詳しくは2.0重量%~6.0重量%、最も詳しくは4.5±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
e)5重量%~80重量%、特に20重量%~60重量%、より詳しくは47.5±5重量%、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロースと、
を含む粒内層、
2)粒外層であって、
a)0.1重量%~1.0重量%、より詳しくは0.2重量%~0.8重量%、最も詳しくは0.20±0.05重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
b)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールと、
c)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
d)0.5重量%~5.0重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは2.25±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
を含む粒外層、
を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記組成物がフィルムコーティング、特にpH非依存性フィルムコーティングを更に含み、より詳しくは、前記フィルムコーティングがヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記APIとしてエントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドのみを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
コロイド状二酸化ケイ素が、表面積が200m/gの親水性ヒュームドシリカ(すなわちCAS7631-86-9)であり、最も詳しくは、コロイド状二酸化ケイ素が、Evonicによって販売されているAerosil(登録商標)200である、請求項1~27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記組成物が、本明細書で言及される実施形態のいずれかによる医薬組成物のAPIとして、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドのみを含み、マンニトールが圧縮性D-マンニトール(すなわちCAS69-65-8)であり、より詳しくはマンニトールが製造プロセスに起因する不純物として0.05%未満の還元糖を含有し、最も詳しくはマンニトールがParteck(登録商標)M200であり、最も詳しくは142~231μmのD50を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
クロスカルメロースナトリウムが10%以下の乾燥減量を有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
フマル酸ステアリルナトリウムが、142.2~146.0の鹸化価を有し、特に13.6μmのDv50を有し、より詳しくはフマル酸ステアリルナトリウムがPruv(登録商標)である、請求項1~30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
微結晶セルロースがCAS9004-34-6であり、特に40~75μmのDv50を有し、より詳しくはAvicel(登録商標)PH101である、請求項1~31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースを含むpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
ヒドロキシプロピルセルロースがエチルセルロースに組み込まれている、本明細書で定義されるpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
pH非依存性フィルムコーティングであって、
a)ヒドロキシプロピルセルロース、及び
b)エチルセルロース
を含むpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
a)ヒドロキシプロピルセルロース
b)エチルセルロース、及び
c)中鎖トリグリセリド(trigelcirides)/カプリリン及びカプリンGB
であるpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
pH非依存性フィルムコーティングであって、
a)ヒドロキシプロピルセルロースと、
b)エチルセルロースと、
c)中鎖トリグリセリド)/カプリリン及びカプリンGBと、
d)オレイン酸と、
を含むpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
pH非依存性フィルムコーティングであって、
a)ヒドロキシプロピルセルロースと、
b)エチルセルロースと、
c)中鎖トリグリセリド/カプリリン及びカプリンGBと、
d)オレイン酸と、
e)赤色酸化鉄と、
を含むpH非依存性フィルムコーティングを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記フィルムコーティング、特にpH非依存性フィルムコーティングが、
a)1重量%~8重量%、特に2重量%~8重量%、より詳しくは4.5重量%~5.5重量%のヒドロキシプロピルセルロースと、
b)60重量%~90重量%、特に65重量%~80重量%、より詳しくは70重量%~75重量%のエチルセルロースと、
c)1重量%~25重量%、特に5重量%~20重量%、より詳しくは12重量%~16重量%の中鎖トリグリセリド/カプリリン及びカプリン GBと、
d)3重量%~15重量%、特に5重量%~12重量%、より詳しくは7.5重量%~9重量%のオレイン酸と、
e)0.05重量%~0.6重量%、特に0.1重量%~0.5重量%、より詳しくは0.2重量%~0.4重量%の赤色酸化鉄と、
を含む、請求項26~38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、ミニタブレット。
【請求項41】
2.5mgの、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む、請求項40に記載のミニタブレット。
【請求項42】
前記ミニタブレットの直径が2.4±0.2mmである、請求項40又は41に記載のミニタブレット。
【請求項43】
請求項41~43のいずれか一項に記載のミニタブレットを含む、スティックパック。
【請求項44】
請求項40~42のいずれか一項に記載のミニタブレットを20個含む、請求項43に記載のスティックパック。
【請求項45】
治療有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含むカプセル剤、タブレット又はスティックパックの形態の請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物と、「リーフレット」としても知られる処方情報と、ブリスターパッケージ又はボトル(HDPE又はガラス)と、容器とを含むキットであって、特に、前記処方情報が、好ましくは、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの食物との投与に関する患者への助言を含む、キット。
【請求項46】
i)容器1内で、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、コロイド状二酸化ケイ素と、フマル酸ステアリルナトリウムと、クロスカルメロースナトリウムと、微結晶セルロースと、酒石酸とをブレンドする工程;
ii)容器1の混合物の乾式造粒工程、好ましくはローラー圧縮工程;
iii)コロイド状二酸化ケイ素、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム及びクロスカルメロースナトリウムの混合物をふるいブレンドし、約0.8mmのスクリーンサイズを有するコロイド状二酸化ケイ素、マンニトール及びクロスカルメロース、並びに0.5mmのスクリーンサイズを有するステアリン酸マグネシウムを容器2に分離する工程、
iv)容器1の混合物を容器2の混合物と共に造粒する工程、
v)iv)で得られた顆粒がブレンドされる工程、
vi)v)iv)のブレンドをタブレットカーネルに圧縮する工程、並びに
vii)フィルムコーティング系を調製する以下の工程:
a)加水分解ポリビニルアルコール部分、二酸化チタン、マクロゴール/PEG、(MW3350、Macrogol 4000 JP)、タルク、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、四酸化三鉄(NF)/黒色酸化鉄(JPE)を混合して、フィルムコーティング混合物にする工程、
b)前記混合物を精製水に懸濁させる工程、
viii)前記フィルムコーティング系vii)を前記タブレットカーネルに噴霧する工程、
を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を製造する方法。
【請求項47】
i)容器1内で、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、コロイド状二酸化ケイ素と、フマル酸ステアリルナトリウムと、クロスカルメロースナトリウムと、微結晶セルロースと、酒石酸とをブレンドする工程;
ii)容器1の混合物の乾式造粒工程、好ましくはローラー圧縮工程;
iii)コロイド状二酸化ケイ素、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム及びクロスカルメロースナトリウムの混合物をふるいブレンドし、約0.8mmのスクリーンサイズを有するコロイド状二酸化ケイ素、マンニトール及びクロスカルメロース、並びに0.5mmのスクリーンサイズを有するステアリン酸マグネシウムを容器2に分離する工程、
iv)容器1の混合物を容器2の混合物と共に造粒する、特に乾式造粒法を行う工程、
v)iv)で得られた顆粒がブレンドされる工程、
vi)v)のブレンドをタブレットカーネルに圧縮する工程、並びに
vii)フィルムコーティング系を調製する以下の工程:
a)精製水と赤色酸化鉄とを混合し、特にホモジナイザーPolytronを使用して均質化する工程、
b)ヒドロキシプロピルセルロースを、特にプロペラ撹拌機を使用して、vii)a)の混合物を均質化するために懸濁させる工程、
c)b)の懸濁液を、精製水、エチルセルロース20cP水酸化アンモニウム28%、中鎖トリグリセリド/カプリリン及びカプリンGB並びにオレイン酸を含むフィルムコーティング分散液に、特にパドル撹拌機を使用して添加する工程;
viii)前記フィルムコーティング系vii)を前記タブレットカーネルに噴霧する工程、
を含む、請求46に記載の医薬組成物を製造する方法。
【請求項48】
請求項46又は47に記載の方法によって得られる、医薬組成物。
【請求項49】
(例えば治療有効量を達成するのに)適切な任意の投与量、特に1日あたり2.5mg~600mg、より詳しくは1日あたり約50mg~約600mgの治療有効量である適切な用量で哺乳動物に投与することができるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫)、縦隔及び胸膜、並びに他の胸部内器官、血管腫瘍及び腫瘍関連血管組織;気道、例えば、鼻腔及び中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支及び肺、例えば、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、気管支原性癌腫(扁平上皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸系、例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(stomach)(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃(gastric)、膵臓(腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポシ肉腫(Karposi’s sarcoma)、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路、例えば腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び/又は尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌腫、線維種、線維腺癌、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓、例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵臓内分泌腫瘍(褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸ペプチド腫瘍、膵島腫瘍及びグルカゴノーマ);骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞性腫瘍、脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨症(osteocartilaginous exostoses))、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫及び巨細胞性腫瘍;神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋骨がん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳のがん(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);生殖系、例えば、婦人科系、子宮(子宮内膜癌)、頸部(頚癌、前腫瘍性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌腫[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類されていない癌]、顆粒膜-莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)及び女性生殖器に関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、及び男性生殖器に関連する他の部位;血液系、例えば血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];口腔、例えば、口唇、舌、歯肉、口底、口蓋及び口の他の部分、耳下腺及び唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽頭、歯髄洞、下咽頭、並びに口唇、口腔及び咽頭の他の部位;皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫(Karposi’s sarcoma)、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイド;副腎:神経芽細胞腫;並びに結合組織及び軟組織、後腹膜及び腹膜、眼、眼内黒色腫並びに付属器を含む他の組織、乳房、頭部又は/及び頸部、肛門部、甲状腺、副甲状腺、副腎並びに他の内分泌腺及び関連構造物、リンパ節の二次性及び不明の悪性新生物、呼吸器系及び消化器系の二次性悪性新生物、並びに他の部位の二次性悪性新生物のがんを含むが、これらに限定されないがんを治療するための請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記がんが、肺がん(NSCLC及びSCLC)、頭部又は頸部のがん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、前立腺がん、肛門部のがん、胃がん、乳がん、腎臓又は尿管のがん、腎細胞癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、又は前述のがんのうちの1つ以上の組合せから選択される、請求項50に記載のがんを治療するための医薬組成物。
【請求項52】
前記がんが、スピッツメラノーマ、神経周囲浸潤、肺大細胞神経内分泌癌腫、子宮癌腫、若年性乳がん、鼻咽頭癌腫、腺様嚢胞がん、甲状腺髄様がん、唾液がん、先天性乳児線維肉腫、中胚葉腎腫、食道がん(扁平上皮)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、乳頭状甲状腺がん、及び乳腺相似分泌癌から選択される、請求項50又は51に記載のがんを治療するための医薬組成物。
【請求項53】
脱調節されたプロテインキナーゼ活性、特にPLKファミリー、種々のアイソフォームのプロテインキナーゼC、Met、PAK-4、PAK-5、ZC-1、STLK-2、DDR-2、Aurora 1、Aurora 2、Bub-1、Chk1、Chk2、HER2、raf1、MEK1、MAPK、EGF-R、PDGF-R、FGF-R、FLT3、JAK2、IGF-R、ALK、PI3K、weelキナーゼ、Src、Abl、Akt、MAPK、ILK、MK-2、IKK-2、Cdc7、Nek、Cdk/サイクリンキナーゼファミリー、より詳しくはAurora 2、IGF-1R及びALK活性、並びにROS1活性、更により詳しくはALK活性及び/又はROS1活性によって引き起こされ且つ/又はこれらに関連する疾患を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項54】
癌腫、扁平上皮癌腫、骨髄系又はリンパ系の造血腫瘍、間葉系起源の腫瘍、中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍、黒色腫、セミノーマ、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、血管肉腫、神経膠芽腫、胆管癌、炎症性筋線維芽細胞腫、類上皮血管内皮腫、星状細胞腫、髄膜腫、血管肉腫、類上皮性血管腫、角化細胞腫、甲状腺濾胞腺がん、カポジ肉腫及び膵臓がんを含む特定の種類のがんを治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、有効量の請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
【請求項55】
膵臓がんと、場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項56】
膵臓がんと、場合によってはROS1活性の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。いくつかの実施形態では、膵臓がんと、場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【請求項57】
膵臓がんと、場合によってはALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項58】
膵臓がんと、場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項59】
膵臓がんと、場合によってはALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項60】
膵臓がんと、場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項61】
対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項62】
対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異を同定し、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することによって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項63】
非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項64】
非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項65】
対象のがん又は前癌性細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項66】
対象のがん又は前癌性細胞におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異を同定し、請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することによって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法。
【請求項67】
必要とする対象におけるがんを治療する方法であって、有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む請求項1~39のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象に投与することによって、前記対象においてALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せを阻害することを含む方法。
【請求項68】
本明細書に記載されている発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物及び剤形に関し、特に、医薬組成物及び剤形は、がんを有する対象の治療に有用である。本開示はまた、これらの医薬組成物及び剤形を調製する方法、並びに本明細書で提供される医薬組成物及び剤形を利用してがんを有する対象を治療する方法を提供する。本発明は、概して、小児患者及び老人患者等の標的集団のための、患者にとってより容易な薬物送達システムに関する。具体的には、本発明は、ミニタブレットの形態の医薬組成物に関する。特に、本発明は、特に小児及び小児集団において、嚥下が困難な患者に対応した剤形を提供する。
【背景技術】
【0002】
化合物N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド及びその調製は、米国特許第8,299,057号に開示されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドは、チロシンキナーゼ、NTRK1/2/3-形質転換チロシンキナーゼタンパク質(TrkA、TrkB、TrkC)、癌原遺伝子チロシン-プロテインキナーゼ1(ROS1)及び未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の強力な阻害剤である。様々なin vitro研究において、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドは、CRC細胞株KM12の増殖を阻害したが、これは、増殖及び生存についてTrkAキナーゼ活性に依存する。これは、ALK依存性未分化大細胞リンパ腫細胞株の細胞増殖の阻害においても強力であった。
【0003】
国際公開第2019018570号は、カプセルの形態のエントレクチニブを含む医薬組成物を開示している。
【0004】
N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドのイヌにおける単回投与食餌効果研究では、少なくとも1つの酸味料を含まない製剤において、イヌにおけるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの曝露レベルは、絶食条件下で観察されたものと比較して、摂食条件下でおよそ2倍高かった。かかる食物の影響は、患者の摂食状態又は絶食状態が薬物の曝露又はバイオアベイラビリティを大きく変化させる可能性があるため、薬物のヒト試験中に困難を引き起こす可能性がある。
【0005】
ヒトにおける初期の臨床研究では、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドは、ALK、ROS1、TrkA、TrkB及びTrkCの1つ以上に少なくとも1つの分子変化を有する様々な形態のがんを有する患者において抗腫瘍効果を有することが示されている。
【0006】
任意の薬物送達システムの目標は、治療量の薬物を体内の適切な部位に提供して、所望の薬物濃度を達成し、次いで維持することである。薬物送達の最も便利で一般的に使用される経路は、歴史的に固体経口剤形、特にタブレット及びカプセル剤によるものであった。しかしながら、従来のタブレット及びカプセル剤は、それらの厳格な用量含有量によって制限される。さらに、タブレット及びカプセル剤を嚥下することが困難であることは、多くの患者、特に小児集団にとって問題であり、様々な有害事象及び治療レジメンに対する患者の服薬不履行につながる。
【0007】
ラクトースを含まない製剤は、患者において可能性のあるラクトース不耐性に対処するため興味深い。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、驚くべきことに、製造プロセスにおいて固着の問題が少ないことを示す。さらに、本発明は、驚くべきことに、改善された流動性を有する。
【0009】
流動性は、驚くべきことに、粒外にマンニトールと組み合わせて、粒内及び粒外にコロイド状二酸化ケイ素を組み込むことによって克服された。流動性は、例えば、本発明の4.26~8.93の成人製剤(実施例7)のFFCに由来するものであった。
【0010】
さらに、本発明によれば、有核タブレットの製剤は驚くほど速く崩壊する。粒内相並びに粒外相におけるクロスカルメロースナトリウムの存在が、この急速な崩壊の原因である。
【0011】
タブレット化プロセスに関連する課題、特に固着の問題は、驚くべきことに、粒内のフマル酸ステアリルナトリウム及び粒外のステアリン酸マグネシウムが相乗的に作用するので、それらを使用することによって克服された。
【0012】
当該技術分野では、タブレット及びカプセル剤を嚥下することができない患者集団、例えば小児及び老人の集団で使用するための改善された薬物送達システムが必要とされている。具体的には、新規なエントレクチニブ製剤が当該技術分野において必要とされている。更により具体的には、当該技術分野において、正確な薬理学的及び薬物動態学的特性を有する新規なエントレクチニブ多粒子剤形、特にミニタブレット、ペレット剤形又は顆粒剤形、より詳しくはミニタブレットの剤形が必要とされている。
【0013】
標準的なコーティングは、通常、粉塵を低減し、慎重に取り扱われ、審美的特徴を有し、用量強度を区別するために使用されている。それらは迅速に放出され、薬物の苦味をマスキングしないので、それらはエントレクチニブ組成物との使用に適していない。本発明は、pH非依存性であり、適切な時間に薬物を放出するフィルムコーティングを有することによってこれらの問題を克服する。したがって、例えば水道水のpH変動は薬物放出の開始に影響を与えない。これらの問題は、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドが苦味を有することを知っている小児患者に特に関連する。これらの苦味は、患者のアドヒアランスに問題があることが知られている。したがって、別の実施形態では、本発明は、pH非依存性であるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドのためのフィルムコーティングを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】製剤A、製剤B及び成人用製剤(製剤G)のエントレクチニブの溶解プロファイル。
図2】パンチに固着した製剤Cの描写。
図3】パンチに固着していない製剤Dの描写。
図4】製剤Bのミニタブレット
図5】b:直径r=2.35±0.06mm;h:タブレット高さ=2.25±0.10mm;a:ベース高さ=1.37±0.10mm;x:キャップ高さ=0.44±0.02mm;c:最長の長さ=2.72±0.10mmのミニタブレットを製造するためのパンチの描写。
図6】製剤Fの安定性。
図7】スティックパックの使用例、すなわち、一匙のヨーグルトにミニタブレット(minnitablet)を振りかける。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0016】
本出願で用いる命名法は、そうでないと示さない限り、IUPAC系統的命名法に基づく。
【0017】
本発明の様々な特徴及び実施形態が本明細書に開示されるが、本発明の他の特徴、修正例及び等価物が、提供される教示に基づいて当業者には明らかであろう。記載される本発明は、提供される実施例及び実施形態に限定されず、当業者であれば様々な代替的等価物を理解するであろう。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形を含む。例えば、「1つの」個体は「複数の個体」も含む。
【0018】
別段の定義がない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載するのと同様又は等価な方法及び材料を、本発明の実施又は試験に使用することができるが、適切な方法及び材料を以下に記載する。
【0019】
「API」という用語は、本発明によるエントレクチニブである活性物質を指す。
【0020】
「N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド」という用語は、化学物質抄録サービス登録番号1108743-60-7、及び化学構造:
を有する化合物を指す。
【0021】
「N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド」は、そのINN名エントレクチニブによっても知られており、互換的に使用することができる。特定の実施形態では、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドは、結晶形態又は非晶質形態、より詳しくは結晶形態、更により詳しくは形態A又はC、最も詳しくは形態Cの固体である。形態Aのエントレクチニブは、その調製方法と共に「形態2」として国際公開第2013/174876号に開示されている。形態Cのエントレクチニブは、その調製方法と共に「形態4」として国際公開第2017/202674号に開示されている。
【0022】
以下、本明細書におけるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドへの全ての言及は、その溶媒和物、錯体、多形体、立体異性体及び同位体標識バージョンへの言及を含む。N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの溶媒和物、錯体、多形体、立体異性体及び同位体標識バージョンを含む医薬組成物も本明細書で提供される範囲内に含まれる。特に、本発明は、
【0023】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、提供された値の±10%以内、又は提供された値を含む全ての場合において最も近い有効数字に四捨五入することを意味する。範囲が与えられる場合、それらは境界値を含む。
【0024】
本明細書で使用される場合、「酸味料」という用語は、本質的に酸性である化合物を意味する。本明細書で使用される場合、「有機酸味料」という用語は、その化学組成が炭素を含む酸味料を意味する。本明細書で使用される場合、「無機酸味料」という用語は、その組成が炭素を含まない酸味料を意味する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「投与」及び「投与する」という用語は、経口、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、又はそれらの組合せを含むがこれらに限定されない投与経路による対象への生物活性組成物又は製剤の送達を意味する。いくつかの実施形態では、対象への投与は経口である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「混合物」という用語は、組成物中の1つ以上の化学化合物の混合物を意味する。本明細書に開示される医薬組成物は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと少なくとも1つの酸味料との混合物を含むことが当業者によって理解される。
【0027】
本明細書で使用される場合、「ALK」という用語は、ヒトにおいてALK遺伝子によってコードされ、UniProtでALK_HUMANと同定された酵素である、未分化リンパ腫キナーゼ受容体又はCD246(分化クラスター246)を意味する。
【0028】
本明細書で使用される場合、「AUC」という用語は、対象の血漿中の化合物の濃度対時間のプロットの曲線下面積を意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ベタイン塩酸塩」という用語は、化学物質抄録サービス登録番号590-46-5及び一般名1-カルボキシ-n,n,n-トリメチルメタンアミニウムクロリド及び(カルボキシメチル)トリメチルアンモニウムヒドロクロリドを有する化合物を意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「スティックパック」という用語は、一回使用量又は単位用量量である一定量の材料を含む小型の密封パケットを指す。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「生体試料」という用語は、診断アッセイ又はモニタリングアッセイにおいて使用され得る生物から得られる試料を意味する。試料は、健康な組織、疾患組織又は疾患組織であると疑われる組織のものであり得る。試料は、例えば外科的処置中に採取された生検であり得る。試料を、体腔を穿刺吸引、掻き取り又は洗浄して、そこから細胞又は組織を収集することによって収集することができる。試料は、例えば、固形腫瘍及び造血腫瘍等の腫瘍並びに隣接する健康な組織の試料であり得る。試料は、対象細胞のスメア又は組織切片であり得る。この用語は、生物学的起源の血液及び他の液体試料、固形組織試料、例えば、生検標本又はそれ由来の組織培養物若しくは細胞、並びにそれらの子孫を包含する。この用語は、試薬による治療、可溶化、又はある特定の成分の富化によって等、それらの調達後に何らかの手法で操作された試料を包含する。この用語は、臨床試料を包含し、また、細胞培養物中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、細胞抽出物、細胞ホモジネート、並びに合成タンパク質、血清、血漿、体液及び他の生物学的流体を含む細胞内成分、並びに組織試料も含む。生体試料は、保存料、抗凝固剤、バッファー、定着剤、栄養素又は抗生物質等、本質的に細胞又は組織とは自然に混ざり合わない化合物を含有することができる。いくつかの実施形態では、試料は、凍結試料として保存され、又は、ホルムアルデヒド固定若しくはパラホルムアルデヒド固定パラフィン包理(FFPE)組織調製物として保存される。例えば、試料は、マトリックス、例えば、FFPEブロックに包埋され得る又は凍結試料であってもよい。
【0032】
本明細書で使用される場合、「Cmax」という用語は、化合物、又は化合物を含む医薬組成物が対象に投与された後に化合物が対象の血漿中で達成するピーク濃度を意味する。いくつかの実施形態では、化合物又は化合物を含む医薬組成物は、特定のCmaxを達成するために対象に経口投与される。
【0033】
本明細書で使用される「流動性」という用語は、特に粉末に関して、過剰な力なしに1つの場所から別の場所に滑らかに移動する材料の能力を意味し、含むことを意味する。緩い材料、特に粉末の流動性は、その流動係数(FFC)によって決定され得る。FFC値は当業者に公知であり、例えばDietmar Schulzeによる論文’’Zur Fliesfahigkeit von Schuttgutern-Definition und Mesverfahren’’,雑誌’’Chemie Ingenieur Technik’’で公開,Wiley VCH,1995,Volume 67,Issue 1,pages 60-68、又はDietmar Schulzeによる’’Powders and Bulk Solids-Behavior,Characterization,Storage and Flow’’,Springer-Verlag Berlin Heidelberg,2008に記載されている。FFC値は、USP法並びにPheur法としてhttp://www.uspbpep.com/usp29/v29240/usp29nf24s0_c1174.htmlitに従って取得することができた。例えば、FFC値を、一軸圧縮試験により求めることができる。一軸圧縮試験では、通常、理想的には無摩擦壁を備えた中空円筒が、調査される緩い材料、特に粉末で充填され、応力σ(圧密応力)が第1の工程で垂直方向に加えられる。その後、試験片から圧密応力σを解放し、中空円筒を取り除く。次いで、固化された円筒状の緩い材料試験片、特に固化粉末試験片に、円筒状試験片が破壊(又は破損)する応力σまで、垂直圧縮応力を漸増させて加える。応力σは、圧縮強度又は非拘単軸崩壊応力と呼ぶことができる。応力σを加えたときの固化された円筒形試験片の破損は、強化された緩い材料、特に固化粉末の初期流動を示す。次いで、FFC値は、比FFC=σ/σとして決定することができる。
【0034】
「がん」又は「腫瘍」という用語は互換的に使用され得、制御されない増殖、不死性、転移能、急速な成長及び増殖速度、並びに特定の特徴的な形態学的特徴等の、がんを引き起こす細胞に典型的な特徴を有する細胞の存在を指す。がん細胞は、腫瘍の形態であることが多いが、このような細胞は、動物内に単独で存在し得るか、又は非腫瘍化がん細胞、例えば、白血病細胞等であり得る。これらの用語には、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、又は転移性病巣が含まれる。本明細書で使用されるとき、「がん」という用語は、前悪性、並びに悪性のがんを含む。特定の実施形態では、がんは、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、又は転移性病変である。この用語はまた、それらを形成する細胞のタイプ、血液、骨髄又はリンパ系のがんに命名された固形腫瘍を指す。固形腫瘍の例としては、肉腫及び癌腫が挙げられるが、これらに限定されない。血液のがんの例には、白血病、リンパ腫及び骨髄腫が含まれるが、これらに限定されない。これらの用語には、身体の特定の部位に起源を有する原発性がん、それが始まった場所から身体の他の部分に広がった転移性がん、寛解後の元の原発性がんからの再発、及び後者とは異なるタイプの以前のがんの病歴を有する人における新たな原発性がんである第2の原発性がんが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「がん」は、異常な細胞増殖によって引き起こされる任意の悪性及び/又は浸潤性の増殖又は腫瘍を指す。
【0035】
「多粒子」という用語は、その全体が意図される治療上有用な用量のエントレクチニブを表す多数の粒子を含む剤形を指す。
【0036】
「x±y%」のような用語は、x%-y%~x%+y%の範囲を意味する。例えば、5±1%は、4%(含む)~6%(含む)の範囲を意味する。
【0037】
任意の崩壊剤、充填剤、流動促進剤、潤滑剤及び/又はエントレクチニブとの関連における「x±y重量%」のような用語は、タブレットコアの総重量(この総重量は、フィルムコーティング重量を含まない医薬組成物である)の「x±y重量%」を指す。例えば、200mgのタブレットカーネル中の50mgのエントレクチニブは、総カーネル重量の25%のエントレクチニブである。
【0038】
任意のコーティング剤、着色剤、可塑剤及び/又は粘着防止剤との関連における「x±y重量%」のような用語は、フィルムコーティングの総重量の「x±y重量%」を指す。例えば、6mgのタブレットのコーティング中の1.5mgの二酸化チタンは、「フィルムコーティング系」、「フィルムコート」又は「コーティング系」の総重量の25重量%である。
【0039】
「化学療法剤」という用語は、症状、特にがんを治療するために使用される、細胞傷害剤又は細胞増殖抑制剤等の化学物質を指す。
【0040】
「乾式造粒」という用語は、均一なサイズの粒状ブレンドを製造するために、成分をブレンドし、続いて混合物を圧縮及びサイズ削減することを含むプロセスを指す。乾式造粒は、一般に、熱及び溶媒を使用せずに圧縮による粉末混合物の造粒を含む。好ましくは、乾式造粒は、約周囲温度~約45℃、より好ましくは約20℃~約30℃の温度で行われる。特定の「乾式造粒」プロセスは、ローラー圧縮機を使用して材料の混合物(例えば固体)を高圧で圧縮するプロセスを指す「ローラー圧縮」である。
【0041】
本明細書で使用される場合、「粒度分布」又は「PSD」という用語は、所与の粒径を有する化合物の粒子の相対的な割合を意味する。球状物体の粒径は、その直径によって明確かつ定量的に定義することができるが、医薬品有効成分又は賦形剤を含む粒子は、非球状であり、形状が不規則であってもよい。当業者が非球形及び不規則な粒子のサイズを測定及び表現する方法はいくつかあり、例えば、レーザー回折法を用いてそのような粒子のサイズを測定し、所与の粒子を粒子のいくつかの特性のうちの1つを有する仮想球で置き換えることに基づいてそのような粒子のサイズを表す。そのような特性は、例えば、測定される粒子と同じ体積を有する仮想球の直径(体積基準粒径)、測定される粒子と同じ重量を有する仮想球の直径(重量基準粒径)、及び測定される粒子と同じ表面積を有する仮想球の直径(面積基準粒径)から選択することができるが、これらに限定されない。当業者は、そのような方法、及びそのような方法の結果が表される方法に精通しており、そのような方法は、過度の実験なしに本明細書に開示される実施形態に適用することができる。粒径分布は、例えば、プロットとしてグラフで表すことができる。一般的な種類のプロットは、記載された粒径よりも小さい粒子の割合(例えば、数、体積又は質量による)を表す累積アンダーサイズプロットである。本発明によれば、PSDはレーザー回折によって測定されている。
【0042】
本明細書で使用される場合、パラメータDv10、Dv50及びDv90は、累積数又は体積篩下粒度分布の10%、50%、90%における粒径を表す。したがって、材料に関して「Dv10」は、材料の体積の10%がDv10値以下の粒径を有する粒子からなる粒径を表す。材料に関して「Dv50」は、材料の体積の50%がDv50値以下の粒径を有する粒子からなる粒径を表す。材料に関して「Dv90」は、材料の体積の90%がDv90値以下の粒径を有する粒子からなる粒径を表す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「ROS1」は、UniProt名ROS1_HUMANを有するROS1受容体チロシン-プロテインキナーゼを意味する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒトを意味する。
【0045】
「患者」はヒトを指す。「患者」という用語は、成人及び小児を含み、男性及び女性を含む。より詳しくは、本発明によれば、患者は乳児、小児及び青年を指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「Tmax」という用語は、化合物、又は化合物を含む医薬組成物を対象に投与した後に、対象の血漿中の化合物のピーク濃度に達する時間を意味する。
【0047】
「治療有効量」という用語は、治療されている障害の1つ以上の症候をある程度軽減する対象に投与される1つ以上の化合物又はその薬学的に許容される塩の量を指す。がんの治療に関して、治療有効量は、(1)がん腫瘍のサイズを縮小する、(2)がん腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度遅くすること、好ましくは停止させること)、(3)がん腫瘍の成長をある程度阻害する(すなわち、ある程度遅くすること、好ましくは停止させること)、及び/又は(4)がんに関連する1つ以上の症候をある程度緩和する(又は、好ましくは、排除すること)効果を有する量を意味する。
【0048】
「トロポミオシン受容体キナーゼ」、「Trks」及び「Trk」という用語は、ニューロトロフィンファミリーのペプチドホルモンによって活性化されるトロポミオシン受容体キナーゼ(Trk)のファミリーを指し、TrkA、TrkB、及びTrkCを含むがこれらに限定されない。本明細書で使用される場合、「TrkA」という用語は、UniProt識別子NTRK1_HUMANを有する野生型トロポミオシン受容体キナーゼAを意味する。本明細書で使用される場合、「TrkB」という用語は、UniProt識別子NTRK2_HUMANを有する野生型トロポミオシン受容体キナーゼBを意味する。本明細書で使用される場合、「TrkC」という用語は、UniProt識別子NTRK3_HUMANを有する野生型トロポミオシン受容体キナーゼCを意味する。TrkA、TrkB及びTrkCは、当業者によって、それぞれTrk1、Trk2及びTrk3とも呼ばれる。TrkAへの言及はTrk1への言及である。TrkBへの言及はTrk2への言及である。TrkCへの言及はTrk3への言及である。
【0049】
本発明の全ての実施形態を組み合わせることができる。
【0050】
本発明(実施形態1)は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、を含む医薬組成物に関する。
【0051】
別の実施形態(実施形態2)では、本発明は、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物であって、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、及び
b)マンニトール
を含む粒外成分と、を含む、医薬組成物に関する。
【0052】
別の実施形態(実施形態3)では、本発明は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)ステアリン酸マグネシウムと、
c)フマル酸ステアリルナトリウムと、を含む医薬組成物に関する。
【0053】
別の実施形態(実施形態4)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)フマル酸ステアリルナトリウム、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)ステアリン酸マグネシウム
b)を含む粒外成分と、を含む。
【0054】
別の実施形態(実施形態5)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素と、
c)マンニトールと、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、を含む。
【0055】
別の実施形態(実施形態6)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、及び
c)ステアリン酸マグネシウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0056】
別の実施形態(実施形態7)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)ステアリン酸マグネシウムと、
c)フマル酸ステアリルナトリウムと、
d)クロスカルメロースナトリウムと、を含む。
【0057】
別の実施形態(実施形態8)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)フマル酸ステアリルナトリウム、
c)クロスカルメロースナトリウム
を含む、粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)ステアリン酸マグネシウム、及び
b)クロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0058】
別の実施形態(実施形態9)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)マンニトールと、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、
f)クロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0059】
別の実施形態(実施形態10)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
c)コロイド状二酸化ケイ素、
d)マンニトール、
e)ステアリン酸マグネシウム、及び
f)クロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0060】
より具体的な実施形態(実施形態11)では、本発明は、微結晶セルロースを更に含む上記の医薬組成物に関する。
【0061】
より具体的な実施形態(実施形態12)では、少なくとも1つの酸味料を更に含む、本明細書で言及される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物が提供される。特に、少なくとも1つの酸味料は、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、及びベタイン塩酸塩から選択される。より詳しくは、少なくとも1つの酸味料は酒石酸である。更により詳しくは、本明細書に記載の医薬組成物は更に酒石酸を含む。最も詳しくは、本明細書に記載の医薬組成物は、更に(D)若しくは(L)酒石酸又はその混合物、より詳細には(L)酒石酸を含む。
【0062】
別の実施形態(実施形態13)では、本発明は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)マンニトール、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウムと、
f)クロスカルメロースナトリウムと、
g)微結晶セルロースと、を含む。
【0063】
別の実施形態(実施形態14)では、本発明は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム、
e)微結晶セルロース
を含む、粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒外成分と、を含む。
【0064】
別の実施形態(実施形態15)では、本発明は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)マンニトール、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウム、
f)クロスカルメロースナトリウムと、
g)微結晶セルロースと、
h)酒石酸と、を含む。
【0065】
別の実施形態(実施形態16)では、本発明は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム、
e)微結晶セルロース、
f)酒石酸
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム、
を含む粒外成分と、を含む。
【0066】
別の実施形態(実施形態17)では、本発明は、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)マンニトール、
d)ステアリン酸マグネシウムと、
e)フマル酸ステアリルナトリウム、
f)クロスカルメロースナトリウムと、
g)微結晶セルロースと、
h)酒石酸と、
i)特に本明細書で定義されるpH非依存性フィルムコーティングとからなる医薬組成物に関する。
【0067】
別の実施形態(実施形態18)では、本発明は、
1)粒内成分であって、
a)エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)コロイド状二酸化ケイ素、
c)フマル酸ステアリルナトリウム、
d)クロスカルメロースナトリウム、
e)微結晶セルロースと、
f)酒石酸、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)コロイド状二酸化ケイ素、
b)マンニトール、
c)ステアリン酸マグネシウム、及び
d)クロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、
3)特に本明細書で定義されるpH非依存性フィルムコーティングとからなる医薬組成物に関する。
【0068】
本発明の具体的な実施形態(実施形態19)は、5重量%~45重量%のエントレクチニブ、特に15重量%~35重量%のエントレクチニブ、より詳しくは25±5重量%のエントレクチニブ、最も詳しくは25±1重量%のエントレクチニブを含む医薬組成物に関する。
【0069】
本発明の具体的な実施形態(実施形態20)は、2重量%~20重量%のマンニトール、より詳しくは5重量%~15重量%のマンニトール、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールを含む、本明細書に記載の医薬組成物に関する。
【0070】
本発明の具体的な実施形態(実施形態21)は、0.2重量%~1.2重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.1重量%~1.0重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.2重量%~0.8重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素、最も詳しくは0.9±0.1重量%の粒内成分としてのコロイド状二酸化ケイ素及び0.20±0.05重量%の粒外成分としてのコロイド状二酸化ケイ素を含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0071】
本発明の具体的な実施形態(実施形態22)は、0.1重量%~2.0重量%のステアリン酸マグネシウム、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%のステアリン酸マグネシウム、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0072】
本発明の具体的な実施形態(実施形態23)は、0.5重量%~5重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムを含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0073】
本発明の具体的な実施形態(実施形態24)は、5重量%~80重量%の微結晶セルロース、特に20重量%~60重量%の微結晶セルロース、より詳しくは47.5±5重量%の微結晶セルロース、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロースを含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0074】
本発明の具体的な実施形態(実施形態25)は、1.0重量%~8重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び0.5重量%~5重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウム、より詳しくは2.0重量%~6重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び1.0重量%~3重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウム、最も詳しくは4.5±0.05重量%の粒内成分としてのクロスカルメロースナトリウム及び2.25±0.05重量%の粒外成分としてのクロスカルメロースナトリウムを含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0075】
本発明の具体的な実施形態(実施形態26)は、0.3重量%~13.3重量%の酒石酸、より詳細には4.42重量%~10.32重量%の酒石酸、最も詳細には7.37±0.5重量%の酒石酸を含む、本明細書に記載される医薬組成物に関する。
【0076】
更に別の実施形態(実施形態27)では、本発明は、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物であって、
a)5重量%~45重量%、特に15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.3重量%~2.2重量%、より詳しくは0.7重量%~1.8重量%、最も詳しくは1.10±0.15重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールと、を含む医薬組成物に関する。
【0077】
別の実施形態(実施形態28)では、本発明は、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物であって、
1)粒内成分であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)0.2重量%~1.2重量%、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.9±0.10重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)0.1重量%~1.0重量%、より詳しくは0.2重量%~0.8重量%、最も詳しくは0.20±0.05重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
b)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトール
を含む粒外成分と、を含む医薬組成物に関する。
【0078】
別の実施形態(実施形態29)では、本発明は、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.5重量%のステアリン酸マグネシウムと、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、を含む医薬組成物に関する。
【0079】
別の実施形態(実施形態30)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウム
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウム
b)を含む粒外成分と、を含む。
【0080】
別の実施形態(実施形態31)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.3重量%~2.2重量%、より詳しくは0.7重量%~1.8重量%、最も詳しくは1.10±0.15重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールと、
d)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
e)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、を含む。
【0081】
別の実施形態(実施形態32)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド、
b)0.2重量%~1.2重量%、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.9±0.10重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)0.1重量%~1.0重量%、より詳しくは0.2重量%~0.8重量%、最も詳しくは0.20±0.05重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
b)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトール、及び
c)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0082】
別の実施形態(実施形態33)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、
d)1.5重量%~13重量%、より詳しくは3重量%~9重量%、最も詳しくは6.75±0.1重量%のクロスカルメロースナトリウムと、を含む。
【0083】
別の実施形態(実施形態34)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、
c)1.0重量%~8.0重量%、より詳しくは2.0重量%~6.0重量%、最も詳しくは4.5±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む、粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウム、及び
b)0.5重量%~5.0重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは2.25±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0084】
別の実施形態(実施形態35)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.3重量%~2.2重量%、より詳しくは0.7重量%~1.8重量%、最も詳しくは1.10±0.15重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトールと、
d)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
e)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、
f)1.5重量%~13重量%、より詳しくは3重量%~9重量%、最も詳しくは6.75±0.1重量%のクロスカルメロースナトリウムと、を含む。
【0085】
別の実施形態(実施形態36)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
1)粒内成分であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.2重量%~1.2重量%、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.9±0.10重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、
d)1.0重量%~8.0重量%、より詳しくは2.0重量%~6.0重量%、最も詳しくは4.5±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む粒内成分と、
2)粒外成分であって、
a)0.1重量%~1.0重量%、より詳しくは0.2重量%~0.8重量%、最も詳しくは0.20±0.05重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
b)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトール、
c)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウム、及び
d)0.5重量%~5.0重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは2.25±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む粒外成分と、を含む。
【0086】
別の実施形態(実施形態37)では、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物は、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.3重量%~2.2重量%、より詳しくは0.7重量%~1.8重量%、最も詳しくは1.10±0.15重量%のコロイド状二酸化ケイ素と、
c)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトール、
d)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウムと、
e)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウムと、
f)1.5重量%~13重量%、より詳しくは3重量%~9重量%、最も詳しくは6.75±0.1重量%のクロスカルメロースナトリウムと、
g)5重量%~80重量%、特に20重量%~60重量%、より詳しくは47.5±5重量%、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロースと、を含む。
【0087】
別の実施形態(実施形態38)では、本発明は、本明細書に列挙される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物であって、
1)粒内層であって、
a)5重量%~45重量%、より詳しくは15重量%~35重量%、より詳しくは25±5重量%、最も詳しくは25±1重量%の、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、
b)0.2重量%~1.2重量%、より詳しくは0.5重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.9±0.10重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
c)0.5重量%~5重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは1.8±0.2重量%のフマル酸ステアリルナトリウム、
d)1.0重量%~8.0重量%、より詳しくは2.0重量%~6.0重量%、最も詳しくは4.5±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム、
e)5重量%~80重量%、特に20重量%~60重量%、より詳しくは47.5±5重量%、最も詳しくは47.5±1重量%の微結晶セルロース
を含む粒内層と、
2)粒外層であって、
a)0.1重量%~1.0重量%、より詳しくは0.2重量%~0.8重量%、最も詳しくは0.20±0.05重量%のコロイド状二酸化ケイ素、
b)2重量%~20重量%、より詳しくは5重量%~15重量%、最も詳しくは10±1重量%のマンニトール、
c)0.1重量%~2.0重量%、より詳しくは0.25重量%~1.0重量%、最も詳しくは0.45±0.05重量%のステアリン酸マグネシウム、及び
d)0.5重量%~5.0重量%、より詳しくは1.0重量%~3.0重量%、最も詳しくは2.25±0.05重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む粒外層と、を含む。
【0088】
コロイド状二酸化ケイ素が、200m/g(すなわち、CAS 7631-86-9)の表面積を有する親水性ヒュームドシリカである、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる医薬組成物のより詳しい実施形態(実施形態39)では、最も詳しくは、コロイド状二酸化ケイ素は、Evonicによって販売されているAerosil(登録商標)200である。
【0089】
マンニトールが圧縮性D-マンニトール(すなわちCAS 69-65-8)である、本明細書で言及される実施形態のいずれかによる医薬組成物のより特定の実施形態(実施形態40)では、より詳しくは、マンニトールは、製造プロセスに起因する不純物として0.05%未満の還元糖を含有し、最も詳しくは、マンニトールは、Parteck(登録商標)M200である。本発明の実施形態のいずれかによるマンニトールは、142~231μmのD50を有する。
【0090】
本明細書で言及される実施形態のいずれかによる医薬組成物のより特定の実施形態(実施形態41)では、クロスカルメロースナトリウムは10%以下の乾燥減量を有する。
【0091】
本明細書中組で言及される実施形態のいずれかによる医薬成物のより特定の実施形態(実施形態42)では、フマル酸ステアリルナトリウムは、142.2~146.0の鹸化値を有し、特に13.6μmのDv50を有し、より詳しくは、フマル酸ステアリルナトリウムは、Pruv(登録商標)である。
【0092】
本明細書で言及される実施形態のいずれかによる医薬組成物のより特定の実施形態(実施形態43)では、微結晶セルロースがCAS 9004-34-6であり、特に40μm~75μmのDv50を有し、より詳しくはAvicel(登録商標)PH101である。
【0093】
別の実施形態(実施形態44)では、本発明は、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物に関し、特に、該組成物は、本出願に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、pH非依存性フィルムコーティングとを含む。
【0094】
別の実施形態(実施形態45)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースを含む、フィルムコーティング、特にpH非依存性フィルムコーティングとを含む。
【0095】
更なる特定の実施形態(実施形態46)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースを含むpH非依存性フィルムコーティングとを含む。
【0096】
更なる特定の実施形態(実施形態47)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、本明細書に定義されるpH非依存性フィルムコーティングとを含み、ヒドロキシプロピルセルロースがエチルセルロースに組み込まれている。
【0097】
更なる特定の実施形態(実施形態48)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、pH非依存性フィルムコーティングとを含み、ヒドロキシプロピルセルロースがエチルセルロースに組み込まれている。
【0098】
更なる特定の実施形態(実施形態49)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、フィルムコーティング、特に
a)ヒドロキシプロピルセルロース、及び
b)エチルセルロースを含むpH非依存性フィルムコーティングとを含む。
【0099】
更なる特定の実施形態(実施形態50)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、フィルムコーティング、特に
a)ヒドロキシプロピルセルロースと、
b)エチルセルロースと、
c)中鎖トリグリセリド(trigelcirides)/カプリリン及びカプリンGBとを含むpH非依存性フィルムコーティングと、を含む。
【0100】
更なる特定の実施形態(実施形態51)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、フィルムコーティング、特に
a)ヒドロキシプロピルセルロースと、
b)エチルセルロースと、
c)中鎖トリグリセリド(trigelcirides)/カプリリン及びカプリンGBと、
d)オレイン酸とを含むpH非依存性フィルムコーティングと、を含む。
【0101】
更なる特定の実施形態(実施形態52)では、本発明は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を提供し、特に、該組成物は、本明細書に記載されるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、フィルムコーティング、特に
a)ヒドロキシプロピルセルロースと、
b)エチルセルロースと、
c)中鎖トリグリセリド(trigelcirides)/カプリリン及びカプリンGBと、
d)オレイン酸と、
e)赤色酸化鉄とを含むpH非依存性フィルムコーティングと、を含む。
【0102】
更なる特定の実施形態(実施形態53)では、フィルムコーティング、特にフィルムコーティングがpH非依存性フィルムコーティングである上記の本発明は、
a)1重量%~8重量%、特に2重量%~8重量%、より詳しくは4.5重量%~5.5重量%のヒドロキシプロピルセルロースと、
b)60重量%~90重量%、特に65重量%~80重量%、より詳しくは70重量%~75重量%のエチルセルロースと、
c)1重量%~25重量%、特に5重量%~20重量%、より詳しくは12重量%~16重量%の中鎖トリグリセリド(trigelcirides)/カプリリン及びカプリンGBと、
d)3重量%~15重量%、特に5重量%~12重量%、より詳しくは7.5重量%~9重量%のオレイン酸と、
e)0.05重量%~0.6重量%、特に0.1重量%~0.5重量%、より詳しくは0.2重量%~0.4重量%の赤色酸化鉄と、を含む。
【0103】
本発明の特定の実施形態(実施形態54)では、医薬組成物は、唯一の薬学的有効成分(API)を含み、より詳しくは、唯一のAPIは、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドである。
【0104】
本明細書に記載される実施形態のいずれかによる更に別の実施形態(実施形態55)では、本発明は、ミニタブレットの形態の本明細書に記載される実施形態のいずれかによる記載の医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、ミニタブレットは、粒内成分と、本明細書で定義される粒外成分と、フィルムコーティングとを含み、より詳しくは、ミニタブレットは、粒内成分と、本明細書で定義される粒外成分と、本明細書で定義されるpH非依存性フィルムコーティングとを含む。他の特定の実施形態では、ミニタブレットは、図5に描かれているような形状を有し、より詳細には、図5によるミニタブレットは、2.25±0.10mmのタブレット高さ(h)を有し、また特に2.35±0.06mmの直径(b)を有し、またより詳しくは、ベース高さ(a)=1.37±0.10mmを有し、更により詳しくは、0.44±0.02mmのキャップ高さ(x)も有し、最も詳しくは2.72±0.10mmの最長の長さ(c)を有する。特に、ミニタブレットは、カプセル又はスティックパックに充填することができる。より詳しくは、ミニタブレットをスティックパックに充填することができる。
【0105】
特定の実施形態では、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物の実施形態56は、約2.5mg~約100mgのN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む。
【0106】
本明細書に記載の医薬組成物の特定の実施形態(実施形態57)では、医薬組成物は、1.00mm~3.00mm、より詳しくは1.5mm~2.5mm、最も詳しくは2.4mm±0.2mmの直径を有するミニタブレットの形態である。
【0107】
本明細書に記載の医薬組成物の特定の実施形態(実施形態58)では、医薬組成物は、2.4±0.2mmの直径及び2.4±0.2mmの高さを有するミニタブレットの形態である。
【0108】
本明細書に記載の医薬組成物の特定の実施形態(実施形態59)では、医薬組成物は2.5mgのエントレクチニブの個々の投与量を有するミニタブレットの形態である。
【0109】
更に別の特定の実施形態(実施形態60)では、本発明は、本明細書の実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物を有する、2.4±0.2mmの直径及び2.4±0.2mmの高さを有するミニタブレットを提供する。
【0110】
更に別の特定の実施形態(実施形態61)では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによる医薬組成物を含むミニタブレット、特にミニタブレット当たり2.5 mgのエントレクチニブの投与量を含むミニタブレットを提供する。
【0111】
本明細書に記載の医薬組成物の特定の実施形態(実施形態62)では、医薬組成物は。ミニタブレットの形態であり、食品、例えばヨーグルトと共に投与されている。
【0112】
本明細書に記載の医薬組成物の特定の実施形態(実施形態63)では、医薬組成物はミニタブレットの形態であり、ミニタブレットは、例えばヨーグルト中、より詳しくは一匙のヨーグルト、更により詳しくは約15mlのヨーグルト中で食品に振りかけられている。
【0113】
更に別の特定の実施形態(実施形態64)では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるミニタブレットを含むスティックパックであって、特にミニタブレットが本明細書に記載の実施形態のいずれかによる医薬組成物を有するスティックパックを提供し、より詳しくは、スティックパックが5~100個のミニタブレット、より詳しくは10~50個のミニタブレット、更により詳しくは20個のミニタブレットを含み、最も詳しくは、ミニタブレットが2.5mgのエントレクチニブの個別投与量を有するスティックパックを提供する。
【0114】
更に別の特定の実施形態(実施形態65)では、本発明は、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるミニタブレットを含むスティックパックであって、特にミニタブレットが本明細書に記載の実施形態のいずれかによる医薬組成物を有するスティックパックを提供し、より詳しくは、スティックパックが5~100個のミニタブレット、より詳しくは10~50個のミニタブレット、更により詳しくは20個のミニタブレットを含み、最も詳しくは、ミニタブレットが2.5mgのエントレクチニブの個別投与量を有するスティックパックを提供する。
【0115】
別の実施形態(実施形態66)では、本発明は、治療有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含むカプセル剤、タブレット又はスティックパックの形態の本明細書に記載される医薬組成物と、「リーフレット」としても知られる処方情報と、ブリスターパッケージ又はボトル(HDPE又はガラス)と、容器とを含むキットを提供する。処方情報は、好ましくは、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの食物との投与に関する、より詳しくは朝食から30分以内の患者へのアドバイスを含む。
【0116】
更なる実施形態(実施形態67)では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を製造する方法であって、特に、
i)容器1内で、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、コロイド状二酸化ケイ素と、フマル酸ステアリルナトリウムと、クロスカルメロースナトリウムと、微結晶セルロースと、酒石酸とをブレンドする工程;
ii)容器1の混合物の乾式造粒工程、好ましくはローラー圧縮工程;
iii)コロイド状二酸化ケイ素、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム及びクロスカルメロースナトリウムの混合物をふるいブレンドし、約0.8mmのスクリーンサイズを有するコロイド状二酸化ケイ素、マンニトール及びクロスカルメロース、及び0.5mmのスクリーンサイズを有するステアリン酸マグネシウムを容器2に分離する工程、
iv)容器1の混合物を容器2の混合物と共に造粒する工程、
v)iv)で得られた顆粒がブレンドされる工程、
vi)v)iv)のブレンドをタブレットカーネルに圧縮する工程、並びに
vii)フィルムコーティング系を調製する以下の工程:
a)加水分解ポリビニルアルコール部分、二酸化チタン、マクロゴール/PEG、(MW3350、Macrogol 4000 JP)、タルク、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、四酸化三鉄(NF)/黒色酸化鉄(JPE)を混合して、フィルムコーティング混合物にする工程、
b)上記混合物を精製水に懸濁させる工程、
viii)上記フィルムコーティング系vii)を上記タブレットカーネルに噴霧する工程、を含む、方法に関する。
【0117】
更なる実施形態(実施形態68)では、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を製造する方法であって、特に、
i)容器1内で、エントレクチニブとしても知られるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドと、コロイド状二酸化ケイ素と、フマル酸ステアリルナトリウムと、クロスカルメロースナトリウムと、微結晶セルロースと、酒石酸とをブレンドする工程;
ii)容器1の混合物の乾式造粒工程、好ましくはローラー圧縮工程;
iii)コロイド状二酸化ケイ素、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム及びクロスカルメロースナトリウムの混合物をふるいブレンドし、約0.8mmのスクリーンサイズを有するコロイド状二酸化ケイ素、マンニトール及びクロスカルメロース、並びに0.5mmのスクリーンサイズを有するステアリン酸マグネシウムを容器2に分離する工程、
iv)容器1の混合物を容器2の混合物と共に造粒する、特に乾式造粒法を行う工程、
v)iv)で得られた顆粒はブレンドである工程、
vi)v)のブレンドをタブレットカーネルに圧縮する工程、並びに
vii)フィルムコーティング系を調製する以下の工程:
a)精製水と赤色酸化鉄とを混合し、特にホモジナイザーPolytronを使用して均質化する工程、
b)ヒドロキシプロピルセルロースを、特にプロペラ撹拌機を使用して、a)の混合物を均質化するために懸濁させる工程、
c)b)の懸濁液を、精製水、エチルセルロース20cP水酸化アンモニウム28%、中鎖トリグリセリド/カプリリン及びカプリンGB並びにオレイン酸を含むフィルムコーティング分散液に、特にパドル撹拌機を使用して添加する工程、
viii)上記フィルムコーティング系vii)を上記タブレットカーネルに噴霧する工程、を含む、方法に関する。
【0118】
別の特定の実施形態(実施形態69)では、本発明は、本明細書に記載の方法によって得られる医薬組成物を提供する。
【0119】
別の実施形態(実施形態70)では、(例えば.治療有効量を達成するため)適切な任意の投与量で哺乳動物に投与することができるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む、上述の実施形態に記載される医薬組成物が提供される。例えば、2.5mg~600mg/日の治療有効量の適切な用量。一態様では、患者に投与するためのN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドが約2.5mg~約600mg/日である医薬組成物が提供される。望ましい用量は、好ましくは約50mg~約600mg/日である。
【0120】
更に別の実施形態(実施形態71)では、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物は、循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫)、縦隔及び胸膜、並びに他の胸部内器官、血管腫瘍及び腫瘍関連血管組織;気道、例えば、鼻腔及び中耳、副鼻腔、喉頭、気管、気管支及び肺、例えば、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、気管支原性癌腫(扁平上皮、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸系、例えば、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(stomach)(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃(gastric)、膵臓(腺管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポシ肉腫(Karposi’s sarcoma,)、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路、例えば腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び/又は尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌腫、線維種、線維腺癌、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓、例えば、肝癌(肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵臓内分泌腫瘍(褐色細胞腫、インスリノーマ、血管作動性腸ペプチド腫瘍、膵島腫瘍及びグルカゴノーマ);骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞性腫瘍、脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨症(osteocartilaginous exostoses))、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫及び巨細胞性腫瘍;神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋骨がん(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳のがん(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);生殖系、例えば、婦人科系、子宮(子宮内膜癌)、頸部(頚癌、前腫瘍性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌腫[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類されていない癌]、顆粒膜-莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌)及び女性生殖器に関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、及び男性生殖器に関連する他の部位;血液系、例えば血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫 [悪性リンパ腫];口腔、例えば、口唇、舌、歯肉、口底、口蓋及び口の他の部分、耳下腺及び唾液腺の他の部分、扁桃腺、中咽頭、鼻咽頭、歯髄洞、下咽頭、並びに口唇、口腔及び咽頭の他の部位;皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫(Karposi’s sarcoma,)、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイド;副腎:神経芽細胞腫;並びに結合組織及び軟組織、後腹膜及び腹膜、眼、眼内黒色腫並びに付属器を含む他の組織、乳房、頭部又は/及び頸部、肛門部、甲状腺、副甲状腺、副腎並びに他の内分泌腺及び関連構造物、リンパ節の二次性及び不明の悪性新生物、呼吸器系及び消化器系の二次性悪性新生物、並びに他の部位の二次性悪性新生物のがんを含むが、これらに限定されないがんの治療に有用である。
【0121】
より具体的には、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物と関連して本明細書で使用される場合のがんの例としては、肺癌(NSCLC及びSCLC)、頭部又は頸部のがん、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、前立腺がん、肛門部のがん、胃がん、乳がん、腎臓又は尿管のがん、腎細胞癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸腫瘍、又は前述のがんのうちの1つ以上の組合せから選択されるがんが挙げられる。
【0122】
いくつかのより詳しい実施形態(実施形態72)では、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物は、スピッツメラノーマ、神経周囲浸潤、肺大細胞神経内分泌癌腫、子宮癌腫、若年性乳がん、鼻咽頭癌腫、腺様嚢胞がん、甲状腺髄様がん、唾液がん、先天性乳児線維肉腫、中胚葉腎腫、食道がん(扁平上皮)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、乳頭状甲状腺がん、及び乳腺相似分泌癌を含むがんの治療に有用である。
【0123】
いくつかの他の実施形態(実施形態73)では、本発明は、脱調節されたプロテインキナーゼ活性、特にPLKファミリー、種々のアイソフォームのプロテインキナーゼC、Met、PAK-4、PAK-5、ZC-1、STLK-2、DDR-2、Aurora 1、Aurora 2、Bub-1、Chk1、Chk2、HER2、raf1、MEK1、MAPK、EGF-R、PDGF-R、FGF-R、FLT3、JAK2、IGF-R、ALK、PI3K、weelキナーゼ、Src、Abl、Akt、MAPK、ILK、MK-2、IKK-2、Cdc7、Nek、Cdk/サイクリンキナーゼファミリー、より詳しくはAurora 2、IGF-1R及びALK活性、並びにROS1活性、更により詳しくはALK活性及び/又はROS1活性によって引き起こされ且つ/又はこれらに関連する疾患を治療する方法であって、それを必要とする哺乳動物に、有効量の本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0124】
他の実施形態(実施形態74)は、がん及び細胞増殖性障害からなる群から選択される調節不全プロテインキナーゼ活性によって引き起こされる及び/又はそれに関連する疾患を治療することに関するものであることを本明細書で開示する。
【0125】
本発明の具体的な実施形態(実施形態75)は、癌腫、扁平上皮癌腫、骨髄系又はリンパ系の造血腫瘍、間葉系起源の腫瘍、中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍、黒色腫、セミノーマ、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、血管肉腫、神経膠芽腫、胆管癌、炎症性筋線維芽細胞腫、類上皮血管内皮腫、星状細胞腫、髄膜腫、血管肉腫、類上皮性血管腫、角化細胞腫、甲状腺濾胞腺がん、カポジ肉腫及び膵臓がんを含む特定の種類のがんを治療する方法を提供する。
【0126】
特定の実施形態(実施形態76)は、本明細書において、限定されないが、乳がん、肺がん、結腸直腸がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮内膜がん、胃がん、明細胞腎細胞癌腫、浸潤性乳管癌(乳癌)、ブドウ膜黒色腫、多発性骨髄腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、膵臓がん、及び髄芽腫等の特定の種類のがんを治療に関するものであることを本明細書で開示する。
【0127】
特定の実施形態(実施形態77)は、ALK+未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、並びに場合によっては神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経膠芽腫、炎症性筋線維芽細胞腫、及びいくつかの種類の黒色腫、乳癌腫、ユーイング肉腫、網膜芽細胞腫及び非小細胞肺癌(NSCLC)のような、ALK活性が役割を果たす可能性がある他の適応症を治療する方法を提供する。
【0128】
特定の実施形態(実施形態78)は、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。
【0129】
特定の実施形態(実施形態79)は、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で言及される実施形態のいずれかによって記載される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0130】
特定の実施形態(実施形態80)では、膵臓がん、及び場合によっては、ALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によっては、ALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0131】
特定の実施形態(実施形態81)は、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1活性の調節の欠陥又はそのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0132】
特定の実施形態(実施形態82)では、膵臓がん、及び場合によっては、ALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によっては、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0133】
特定の実施形態(実施形態83)では、膵臓がん、及び場合によっては、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0134】
特定の実施形態(実施形態84)は、対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0135】
特定の実施形態(実施形態85)では、対象のがん又は前癌性膵臓細胞におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異と関連する膵臓がんを治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0136】
特定の実施形態(実施形態86)は、非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、膵臓がん、及び場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0137】
特定の実施形態(実施形態87)は、非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でその症状に薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がん、並びに場合によってはROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せの調節の欠陥、活性又はそれらのアップレギュレーション、誤調節若しくは欠失が役割を果たし得る他の適応症から選択される状態を、本明細書で提供される医薬組成物を投与することによって、治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0138】
特定の実施形態(実施形態88)は、対象のがん又は前がん性細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象のがん又は前がん性細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象のがん又は前がん性細胞におけるROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ROS1のダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ROS1の欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法が提供される。
【0139】
特定の実施形態(実施形態89)は、対象のがん又は前がん性細胞におけるALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異を同定し、本明細書で提供される医薬組成物を該対象に投与することによって、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCのダウンレギュレーションの欠陥、例えば、ALK、ROS1、TrkA、TrkB又はTrkCの欠失等のヌル変異と関連する非小細胞肺がん、甲状腺乳頭状がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんから選択される状態を治療する、その症候を軽減する、その症候を改善する、その発症を遅延させる、又は他の方法でそれに薬学的に対処する方法を提供する。
【0140】
特定の実施形態(実施形態90)は、有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む本明細書で提供される医薬組成物を対象に投与することによって、該対象においてALK、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC活性又はそれらの組合せを阻害することを含む、それを必要とする該対象においてがんを治療する方法を提供する。
【0141】
特定の実施形態(実施形態91)は、有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む本明細書で提供される医薬組成物を対象に投与することを含む、該対象において非小細胞肺がん、甲状腺乳頭がん、神経芽腫、膵臓がん又は結腸直腸がんを治療する方法を提供する。
【0142】
特定の実施形態(実施形態92)は、対象の腫瘍を治療する方法であって、有効量のN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む本明細書で提供される医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0143】
特定の実施形態(実施形態93)は、対象又は対象ががんに罹患しており、がんが非小細胞肺がん、乳頭状甲状腺がん、神経芽細胞腫、膵臓がん及び結腸直腸がんのうちの少なくとも1つから選択される、本明細書に記載の方法のいずれかを提供する。いくつかの実施形態は、対象又は対象が非小細胞肺がんに罹患している、本明細書に記載の方法のいずれかを提供する。いくつかの実施形態は、対象又は対象が乳頭状甲状腺がんに罹患している、本明細書に記載の方法のいずれかを提供する。いくつかの実施形態は、対象又は対象が神経芽細胞腫に罹患している、本明細書中に記載される方法のいずれかを提供する。いくつかの実施形態は、対象又は対象が膵臓がんに罹患している、本明細書中に記載される方法のいずれかを提供する。いくつかの実施形態は、対象又は対象が結腸直腸がんに罹患している、本明細書に記載の方法のいずれかを提供する。
【0144】
本明細書で提供される方法のいくつかの例では、がんは、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、結腸直腸がん(CRC)、胆管細胞癌、胃、神経膠芽腫(GBM)、平滑筋肉腫、黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、扁平上皮肺がん、神経芽細胞腫(NB)、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、甲状腺髄様がん、乳がん、及び甲状腺乳頭がんからなる群から選択される。
【0145】
特定の実施形態(実施形態94)は、医薬として使用するための、本明細書で言及される実施形態のいずれかに従って記載される医薬組成物のいずれかに関する。いくつかの実施形態は、異常な細胞増殖を治療するための医薬を製造するための、本明細書で提供される医薬組成物のいずれかの使用に関する。
【0146】
いくつかの実施形態では、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む本明細書の実施形態のいずれかに記載の医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、約N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを300mg/mの総用量で絶食又は摂食状態で対象に投与した場合、該対象において薬物動態プロファイルを提供し、該対象の血漿中の該N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドのTmaxは、該医薬組成物を該対象に投与した後、約2時間~約5時間、又は約2.5時間~約4.7時間、又は約2.4時間~約4.7時間、又は約2.6時間~約4.8時間である。
【0147】
特定の実施形態(実施形態95)では、本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0148】
別の実施形態(実施形態96)では、本発明は、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0149】
別の実施形態(実施形態97)では、本発明は、ALK陽性がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0150】
別の実施形態(実施形態98)では、本発明は、ROS1、TrkA、TrkB若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を処置する方法を提供し、方法は、対象に本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0151】
別の実施形態では、本発明は、ROS1陽性がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0152】
別の実施形態(実施形態99)では、本発明は、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0153】
別の実施形態では、本発明は、TrkA陽性がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0154】
別の実施形態(実施形態100)では、本発明は、TrkB陽性がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0155】
別の実施形態(実施形態101)では、本発明は、TrkC陽性がんを有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
【0156】
[別の実施形態(実施形態102)では、本発明は、がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0157】
別の実施形態(実施形態103)では、本発明は、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0158】
別の実施形態(実施形態104)では、本発明は、ALK陽性がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0159】
別の実施形態(実施形態105)では、本発明は、ROS1、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0160】
別の実施形態(実施形態106)では、本発明は、ROS1陽性がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0161】
別の実施形態(実施形態107)では、本発明は、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0162】
別の実施形態(実施形態108)では、本発明は、TrkA陽性がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0163】
別の実施形態(実施形態109)では、本発明は、TrkB陽性がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0164】
別の実施形態(実施形態110)では、本発明は、TrkC陽性がんを有する対象を治療する方法で使用するための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0165】
別の実施形態(実施形態111)では、本発明は、がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0166】
別の実施形態(実施形態112)では、本発明は、ALK、ROS1、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0167】
別の実施形態(実施形態113)では、本発明は、ALK陽性がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0168】
別の実施形態(実施形態114)では、本発明は、ROS1、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0169】
別の実施形態(実施形態115)では、本発明は、ROS1陽性がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0170】
別の実施形態(実施形態116)では、本発明は、TrkA、TrkB、若しくはTrkC陽性がん、又はそれらの組合せを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0171】
別の実施形態(実施形態117)では、本発明は、TrkA陽性がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0172】
別の実施形態(実施形態118)では、本発明は、TrkB陽性がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0173】
別の実施形態(実施形態119)では、本発明は、TrkC陽性がんを治療するための医薬を調製するための本明細書に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0174】
本発明の他の特徴及び実施形態は、本発明の意図された範囲を限定するためではなく、本発明の例示のために与えられる以下の実施例から明らかになるであろう。
【0175】
実施例1:配合物A(Formulation 15)
N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を以下のように調製した。
【0176】
8kgのバッチを製造した。API、セルロース、酒石酸、コロイド状シリカ(部分1)及びクロスカルメロースナトリウム(部分1)を秤量し、20lの適切なメタルドラムに移し、20upmの速度で3分間混合する。次いで、混合物を手作業で50l容器内で0.8mmのふるいに通す。これに続いて、15upmで5分間追加のブレンド工程を行う。ブレンド-スクリーン-ブレンドプロセスは、凝集物が存在しないことを確実にするために必要である。小型タブレットの圧縮に特に重要である。
【0177】
フマル酸ステアリルナトリウムを手作業で0.5mmのふるいに通してふるい分けし、粉末混合物に添加する。次いで、これを15upmで5分間ブレンドする。
【0178】
次いで、乾式圧縮造粒機を用いて乾式造粒を行った。粒径が増大し、流動特性が改善される。造粒で得られたものを、20lの金属ドラムに20upmで1分間ブレンドした。マンニトール、クロスカルメロースナトリウム(部分2)及びコロイド状シリカ(部分2)を0.8mmのふるいで、手作業でふるい分けし、金属ドラム内において20upmで3分間ブレンドすることによって顆粒物に添加した。これらの賦形剤は、タブレットの安定な圧縮プロセス並びに急速な崩壊に寄与する。次いで、ステアリン酸マグネシウムを0.5mmふるいを用いて、手作業でふるい分けし、顆粒物に添加し、続いて金属ドラム内にて20upmで3分間ブレンド工程を行う。打錠は、標準製造打錠機(FETTE)でマルチチップミニタブレットツールを使用して行われる。
【0179】
製剤A及びBの両方について、ブレンドから打錠までを含む同じ工程は同じである。次いで、1kgバッチサイズのWurster装置を使用して、流動床乾燥機でカーネル(kernel)を異なるようにコーティングする。製剤Aについては、プロペラ撹拌機を備えた1lスチールビーカーにおいて、450upmの速度で混合物を精製水中に少なくとも60分間懸濁することによってコーティング懸濁液を調製した。プロセスを開始する前に、懸濁液をふるい(0.5mm)に通した。コーティングプロセス中、懸濁液をブレード撹拌機を用いて75upmの速度で撹拌した。
【0180】
実施例2:製剤B(Formulation 16)
N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を以下のように調製した。
【0181】
タブレットコアを実施例1に従って製造した。コーティングを以下のようにして行った。酸化鉄を、ホモジナイザーを用いて5000upmで少なくとも15分間、精製水中で均質化した。次いで、ホモジナイザーを実験用撹拌機に交換し、HPCを430upmで少なくとも60分間撹拌しながら添加した(懸濁部A)。市販のコーティング懸濁液を別のスチールビーカー中で調製し、ゆっくり撹拌する。次いで、懸濁液部Aを50upmの速度で撹拌しながら市販のコーティング懸濁液に添加する。得られたコーティング懸濁液を、コーティングプロセスの開始前に0.5mmふるいに通す。プロセス中、これを50upmで撹拌する。
【0182】
実施例3:製剤C
N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドを含む医薬組成物を以下のように調製した。
【0183】
製剤Cを実験室規模で調製した(約60g)。エントレクチニブ、微結晶セルロース、酒石酸、コロイド状シリカ(部分1)及びクロスカルメロースナトリウム(部分1)を0.4l容器内で3分間ブレンドした。これに続いて、0.9mmのふるいによるふるい分け工程を行った。第2のブレンド工程に続いて、ふるい分けを行った(3分)。次いで、フマル酸ステアリルナトリウムを0.5mmのふるいに通し、その後5分間混合した。次いで、本発明者らのスラッギング実験を行うことによってローラー圧縮を模倣した。既にそこでは固着が観察された。スラグの圧縮後、これらをクロニデュア(conidur)0.8mmふるいを用いて粉砕した。クロスカルメロースナトリウム(部分2)及びコロイド状シリカ(部分2)を0.5mmのふるいに通して加えた。
【0184】
実施例4:製剤D
本実施例は、N-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミド形態Aが形態Cで置き換えられている、実施例1のタブレットコアの組成物の調製に従って作製した。製剤の組成を表4に示す。
【0185】
【0186】
実施例5:製剤E
製剤Eは、酸味料を含まない製剤である。製剤Eの組成を表5に示す。製剤Eは、国際公開第2019018570号に従って作製することができる。
【0187】
【0188】
実施例6:製剤F
製剤Fは、元々小児患者用に設計された非晶質製剤である。製剤Fの組成を表6に示す。製剤Fは、国際公開第2019077506号に従って作製することができる。
【0189】
【0190】
製剤Fは安定でないことが証明された。
【0191】
水素結合の赤外線評価により、非晶質分散体中の水素結合相互作用による追加の安定化の証拠はなかった。80%の薬物負荷でコポビドンを有するエントレクチニブを表す表6に記載の製剤に加えて、90%の薬物負荷の更なる非晶質混合物エントレクチニブ及びコポビドン。
【0192】
AFM:APIの均一な非晶質混合物を、80%及び90%の薬物負荷量でコポビドンを用いて得た。図6に示す両方の非晶質固体分散物は、40℃/75%相対湿度で時間スケールで安定であるが、加速応力貯蔵条件(40℃/75%相対湿度で14日間超)で相分離プロセスを経る。
【0193】
実施例7:製剤G
製剤Gは、HPMCサイズ0カプセルに封入される成人用製剤である。製剤Gの組成を表7に示す。製剤Gは、国際公開第2019018570号に従って作製することができる。
【0194】
【0195】
実施例8:製剤A、B及びGの溶解
製剤A、B及びGを、浴温度37℃及び300nmでのUV検出を用いて以下に記載される条件下でUSP装置タイプIバスケット法を使用して薬物放出について試験した。これらの製剤を本明細書に記載の条件を用いて試験し、カプセル剤又はタブレットに含まれるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの総量と比較した、媒質に含まれるN-[5-(3,5-ジフルオロベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-4-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミノ)-ベンズアミドの測定量に基づく平均薬物放出パーセントを表す溶解結果を表8に提供した。
【0196】
【0197】
本明細書で引用される全ての参考文献(公開された及び未公開の出願、特許、及び文献の参考文献を含むが、これらに限定されない)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、そのような矛盾する材料に取って代わる及び/又は優先することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】