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特表2022-543587静電チャックヒーター及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】静電チャックヒーター及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/06 20060101AFI20221005BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H05B3/06 B
H05B3/74
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506446
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2020008186
(87)【国際公開番号】W WO2021025287
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0095376
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520139620
【氏名又は名称】ミコ セラミックス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ、チュン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュ ソン
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB02
3K092QB32
3K092QB71
3K092QB76
3K092QC42
3K092RF03
3K092RF11
3K092RF27
3K092VV03
3K092VV22
(57)【要約】
本発明は、バイポーラ構造を有する静電チャックヒーターに関し、半導体工程モードに応じてRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一つを選択的に行う内部電極及び外部電極を備えるヒーター胴体部;及び、前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体工程モードに応じて、高周波(Radio Frequency:RF)接地機能及び静電チャック(Electrostatic chuck)機能のいずれか一つを選択的に行う内部電極及び外部電極を備えるヒーター胴体部と、
前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部と、を含む静電チャックヒーター。
【請求項2】
前記外部電極は、前記内部電極と同一の平面上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項3】
前記外部電極は、前記内部電極から一定の距離だけ離隔して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項4】
前記外部電極は、前記内部電極を取り囲むように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項5】
前記内部電極は、前記ヒーター胴体部の上部中央部分に埋め立てられることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項6】
前記ヒーター胴体部は、電極層と発熱体層との間に配置され、前記外部電極と前記ヒーター支持部に設置されたロッド(rod)とを電気的に連結する外部電極連結部材をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項7】
前記内部電極、外部電極及び外部電極連結部材は、シートタイプ(sheet type)、メッシュタイプ(mesh type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されることを特徴とする、請求項6に記載の静電チャックヒーター。
【請求項8】
前記内部電極、外部電極及び外部電極連結部材は、電気伝導性に優れたモリブデン(Mo)から形成されることを特徴とする、請求項6に記載の静電チャックヒーター。
【請求項9】
前記外部電極連結部材は、前記内部電極及び外部電極の下面から一定の距離だけ離隔して当該電極と平行に配置され、前記外部電極連結部材の両端は、前記外部電極の下面方向に垂直に折曲形成されることを特徴とする、請求項6に記載の静電チャックヒーター。
【請求項10】
前記ヒーター胴体部に埋め立てられた内部電極及び外部電極と電気的に連結され、前記内部電極及び外部電極の機能を選択するバイポーラ機能選択部をさらに含む、請求項1に記載の静電チャックヒーター。
【請求項11】
前記バイポーラ機能選択部は、前記内部電極の機能を選択する内部電極機能選択部、及び前記外部電極の機能を選択する外部電極機能選択部を含むことを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒーター。
【請求項12】
前記内部電極機能選択部は、第1キャパシタ(C1)、第1スイッチ(S1)及び正のDC電圧(V1)を供給する第1DC電源部を含み、
前記外部電極機能選択部は、第2キャパシタ(C2)、第2スイッチ(S2)及び負のDC電圧(V2)を供給する第2DC電源部を含むことを特徴とする、請求項11に記載の静電チャックヒーター。
【請求項13】
前記バイポーラ機能選択部は、第1半導体工程モード時に、前記内部電極及び外部電極のうち少なくとも一つがFR接地機能を果たすように当該電極の機能を選択することを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒーター。
【請求項14】
前記バイポーラ機能選択部は、第2半導体工程モード時に、前記内部電極及び外部電極の両方が静電チャック機能を果たすように当該電極の機能を選択することを特徴とする、請求項10に記載の静電チャックヒーター。
【請求項15】
第1セラミック粉末を成形モールドに充填して第1セラミック粉末層を形成する段階;
内部電極、前記内部電極と同一の平面上に一定の距離だけ離隔した外部電極及び前記外部電極と接触する外部電極連結部材が埋め立てられたセラミック成形体を前記第1セラミック粉末層上に積層する段階と、
第2セラミック粉末を前記セラミック成形体の上部に充填して第2セラミック粉末層を形成する段階と、
前記セラミック成形体を含むセラミック粉末層の構造物を予め定められた圧力及び温度で焼結してヒーター胴体部を成形する段階と、を含む静電チャックヒーターの製造方法。
【請求項16】
前記第2セラミック粉末層の上部に発熱体を積層する段階と、
前記発熱体の上部に第3セラミック粉末を充填して第3セラミック粉末層を形成する段階と、をさらに含む、請求項15に記載の静電チャックヒーターの製造方法。
【請求項17】
前記セラミック成形体の製造方法は、
ジグ(jig)を用いてセラミック粉末層の上部に予め定められた形状の溝を形成する段階と、
前記セラミック粉末層の上部に形成された溝に第1外部電極を挿入し、前記第1外部電極の上部にセラミック粉末を充填する段階と、
前記第1外部電極が埋め立てられたセラミック粉末層を圧縮焼結してセラミックプレートを成形する段階と、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の静電チャックヒーターの製造方法。
【請求項18】
前記セラミック成形体の製造方法は、
前記第1外部電極が外部に露出されるように、前記セラミックプレートの両面を加工する段階と、
前記セラミックプレートの上部面に複数の溝を形成する段階と、
前記複数の溝に内部電極及び第2外部電極を挿入する段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項17に記載の静電チャックヒーターの製造方法。
【請求項19】
前記第2外部電極は、前記第1外部電極の上部に配置され、前記第1外部電極と結合して一つの外部電極を形成することを特徴とする、請求項18に記載の静電チャックヒーターの製造方法。
【請求項20】
前記セラミック成形体の製造方法は、スクリーンプリンタを用いて前記セラミックプレートの下部面に露出された第1外部電極の間に外部電極連結部材を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の静電チャックヒーターの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックヒーター及びその製造方法に関し、より具体的には、バイポーラ(bipolar)構造を有する静電チャックヒーター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体装置又はディスプレー装置は、誘電体層及び金属層を含む多数の薄膜層を、ガラス基板、フレキシブル基板又は半導体ウェハ基板上に順次に積層した後にパターニングする方式で製造される。これらの薄膜層は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition,CVD)工程又は物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition、PVD)工程により基板上に順次に蒸着される。前記CVD工程としては、低圧力化学気相蒸着(Low Pressure CVD、LPCVD)工程、プラズマ強化化学気相蒸着(Plasma Enhanced CVD、PECVD)工程、有機金属化学気相蒸着(Metal Organic CVD、MOCVD)工程などがある。
【0003】
このようなCVD装置及びPVD装置には、ガラス基板、フレキシブル基板、半導体ウェハ基板などを支持しながら所定の熱を印加するためのヒーターが配置される。前記ヒーターは、支持基板上に形成された薄膜層のエッチング工程(etching process)とフォトレジスト(photoresist)の焼成工程などにも、基板加熱のために使用されている。前記CVD装置及びPVD装置に設置されるヒーターは、正確な温度制御、半導体素子の配線微細化及び半導体ウェハ基板の精密な熱処理の要求により、セラミックヒーター(Ceramic Heater)が広く用いられている。
【0004】
図1は、従来の技術によるセラミックヒーターの構成を示す図である。図1に示すように、セラミックヒーター1は、半導体製造工程において、ウェハ(wafer)などのような基板を支持し、前記基板を工程温度、例えばCVD工程又はPVD工程を行うための温度に加熱するために用いられてよい。
【0005】
セラミックヒーター1は、円形の板状構造を有するセラミック本体10と、前記セラミック本体10の下部に装着されるセラミック支持部20とから構成される。ここで、前記セラミック本体10は、プラズマの生成時に、セラミックヒーター1に充電された電流を接地(ground)に放電させる接地電極11と、基板を加熱するための熱エネルギーを生成する発熱体13とを含む。前記セラミック支持部20は、接地電極11をグラウンドに連結する接地ロッド21と、発熱体13を外部電源(図示せず)に連結する発熱体ロッド23とを含む。
【0006】
セラミック本体10の上部には、ウェハの安定した実装が可能なように、当該ウェハのサイズに該当するポケット(POCKET)が形成されてよい。ところが、このようなポケット構造を有するセラミックヒーターは、半導体の薄膜工程時に、ウェハ方向に工程ガスが流れる場合、セラミック本体10の上面とウェハの周縁との間に形成された空間30を通じてガス流れ(GAS FLOW)の渦流が発生し、ウェハ周縁の沈着均一性(Deposition Uniformity)が低下する問題を招くことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題及び他の問題を解決することを目的とする。本発明のさらに他の目的は、信頼性が向上した静電チャックヒーター及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、バイポーラ(bipolar)構造を有する静電チャックヒーター及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、半導体工程モードに応じて内部電極及び外部電極の機能を適応的に選択可能な静電チャックヒーター及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の又は他の目的を達成するために、本発明の一側面によれば、半導体工程モードに応じてRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一つを選択的に行う内部電極及び外部電極を備えるヒーター胴体部;及び、前記ヒーター胴体部の下部に装着され、前記ヒーター胴体部を支持するヒーター支持部を含む静電チャックヒーターを提供する。ここで、前記内部電極は、ヒーター胴体部の上部中央部分に埋め立てられてよい。
【0011】
さらに好ましくは、前記外部電極は、内部電極と同一の平面上に形成されてよい。また、前記外部電極は、内部電極から一定の距離だけ離隔して配置されてよい。なお、前記外部電極は、内部電極を取り囲むように配置されてよい。
【0012】
さらに好ましくは、前記ヒーター胴体部は、電極層と発熱体層との間に配置され、外部電極とヒーター支持部に設置されたロッド(rod)とを電気的に連結する外部電極連結部材をさらに含むことができる。また、前記外部電極連結部材は、内部電極及び外部電極の下面から一定の距離だけ離隔して当該電極と平行に配置されてよい。なお、前記外部電極連結部材の両端は、外部電極の下面方向に垂直に折曲形成されてよい。
【0013】
さらに好ましくは、前記内部電極、外部電極及び外部電極連結部材は、シートタイプ(sheet type)、メッシュタイプ(mesh type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよい。また、前記内部電極、外部電極及び外部電極連結部材は、電気伝導性に優れたモリブデン(Mo)から形成されてよい。
【0014】
さらに好ましくは、前記静電チャックヒーターは、ヒーター胴体部に埋め立てられた内部電極及び外部電極と電気的に連結され、前記内部電極及び外部電極の機能を選択するバイポーラ機能選択部をさらに含むことができる。ここで、前記バイポーラ機能選択部は、内部電極の機能を選択する内部電極機能選択部、及び外部電極の機能を選択する外部電極機能選択部を含むことができる。また、前記内部電極機能選択部は、第1キャパシタ(C1)、第1スイッチ(S1)及び正のDC電圧(V1)を供給する第1DC電源部を含み、前記外部電極機能選択部は第2キャパシタ(C2)、第2スイッチ(S2)及び負のDC電圧(V2)を供給する第2DC電源部を含むことができる。
【0015】
さらに好ましくは、前記バイポーラ機能選択部は、第1半導体工程モード時に、内部電極及び外部電極のうち少なくとも一つがRF接地機能を果たすように当該電極の機能を選択することができる。また、前記バイポーラ機能選択部は、第2半導体工程モード時に、内部電極及び外部電極の両方が静電チャック機能を果たすように当該電極の機能を選択することができる。
【0016】
本発明の他の側面によれば、第1セラミック粉末を成形モールドに充填して第1セラミック粉末層を形成する段階;内部電極、前記内部電極と同一の平面上で一定の距離だけ離隔した外部電極及び前記外部電極と接触する外部電極連結部材が埋め立てられたセラミック成形体を前記第1セラミック粉末層上に積層する段階;第2セラミック粉末を前記セラミック成形体の上部に充填して第2セラミック粉末層を形成する段階;及び、前記セラミック成形体を含むセラミック粉末層の構造物を予め定められた圧力及び温度で焼結してヒーター胴体部を成形する段階を含む静電チャックヒーターの製造方法を提供する。ここで、前記静電チャックヒーターの製造方法は、第2セラミック粉末層の上部に発熱体を積層する段階;及び、前記発熱体の上部に第3セラミック粉末を充填して第3セラミック粉末層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0017】
さらに好ましくは、前記セラミック成形体の製造方法は、ジグ(jig)を用いて、セラミック粉末層の上部に予め定められた形状の溝を形成する段階;前記セラミック粉末層の上部に形成された溝に第1外部電極を挿入し、前記第1外部電極の上部にセラミック粉末を充填する段階;及び、前記第1外部電極が埋め立てられたセラミック粉末層を圧縮焼結してセラミックプレートを成形する段階を含むことができる。また、前記セラミック成形体の製造方法は、スクリーンプリンタを用いて、前記セラミックプレートの下部面に露出された第1外部電極の間に外部電極連結部材を形成する段階をさらに含むことができる。
【0018】
さらに好ましくは、前記セラミック成形体の製造方法は、第1外部電極が外部に露出されるように、セラミックプレートの両面を加工する段階;前記セラミックプレートの上部面に複数の溝を形成する段階;及び、前記複数の溝に内部電極及び第2外部電極を挿入する段階をさらに含むことができる。ここで、前記第2外部電極は第1外部電極の上部に配置され、前記第1外部電極と結合して一つの外部電極を形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例のうち少なくとも一つによれば、半導体工程モードに応じてRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一つを選択的に行い得る内部電極及び外部電極を備えることにより、ヒーター胴体部の上部面に配置されたウェハなどのような熱処理対象体の温度均一性(Temperature Uniformity)及び沈着均一性(Deposition Uniformity)を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の実施例のうち少なくとも一つによれば、ヒーター胴体部の製造工程時に、外部電極連結部材をセラミックプレートの貫通孔に挿入する必要がなく、前記外部電極連結部材の両端を地面に水平な方向に折り曲げる必要もないため、静電チャックヒーターの製品信頼性及び作業便宜性が向上し得るというメリットがある。
【0021】
ただし、本発明の実施例に係る静電チャックヒーター及びその製造方法が達成できる効果は、以上で言及したものに制限されず、言及していない別の効果は、下記の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明らかに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の技術によるセラミックヒーターの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係る静電チャックヒーターの外形を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る静電チャックヒーターの構成を示す断面図である。
図4図3の静電チャックヒーターに含まれたバイポーラ機能選択部の構成を示す図である。
図5】従来の技術によるセラミックヒーターと本実施例に係る静電チャックヒーターの周縁温度を測定したグラフである。
図6】本実施例に係る静電チャックヒーターの内部/外部電極の機能及びサイズによる、ウェハの周縁の温度変化範囲を測定した結果である。
図7図3の静電チャックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するフローチャートである。
図8図3の静電チャックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するために参照される図である。
図9】本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図10A】本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図10B】本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図10C】本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図10D】本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図10E】本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
図11図10Eのセラミック成形体に埋め立てられた外部電極連結部材の他の形状を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して、本明細書に開示される実施例を詳細に説明するが、図面符号に関係なく、同一又は類似な構成要素には同一の参照番号を付与し、それに関す重複説明は省略する。以下、本発明に係る実施例の説明において、各層(膜)、領域、パターン又は構造物が基板、各層(膜)、領域、パッド又はパターン「の上/上(on)」又は「の下/下(under)」に形成されると記載される場合、「の上/上(on)」と「の下/下(under)」は、「直接(directly)」又は「他の層を介在して(indirectly)」形成されるものを含む。また、各層の「の上/上」又は「の下/下」は、図面を基準として説明する。図面において、各層の厚さや大きさは、説明の便宜及び明確性のために、誇張、省略又は概略して示されている。しかも、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0024】
また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連した公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を濁し得ると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本明細書に開示された実施例の容易な理解を可能にするためのものに過ぎず、添付の図面によって本明細書に開示の技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0025】
本発明は、信頼性が向上した静電チャックヒーター及びその製造方法を提案する。また、本発明は、バイポーラ(bipolar)構造を有する静電チャックヒーター及びその製造方法を提案する。なお、本発明は、半導体工程モードに応じて内部電極及び外部電極の機能を適応的に選択可能な静電チャックヒーター及びその製造方法を提案する。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の様々な実施例について詳細に説明する。
【0027】
図2は、本発明の一実施例に係る静電チャックヒーターの外形を示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施例に係る静電チャックヒーターの構成を示す断面図であり、図4は、図3の静電チャックヒーターに含まれたバイポーラ機能選択部の構成を示す図である。
【0028】
図2図4を参照すると、本発明の一実施例に係る静電チャックヒーター100は、半導体ウェハ、ガラス基板、フレキシブル基板などのような様々な目的の熱処理対象体を一定の温度に加熱する熱処理機能、及び前記熱処理対象体を当該ヒーター100の上部面に密着させる静電チャック機能を同時に提供する半導体装置である。
【0029】
静電チャックヒーター100は、熱処理対象体(図示せず)を安定的に支持しながら熱を伝達するヒーター胴体部110と、前記ヒーター胴体部110の下部に装着されるヒーター支持部120と、前記ヒーター胴体部110と電気的に連結されるバイポーラ機能選択部130とを含むことができる。ここで、バイポーラ機能選択部130は、静電チャックヒーター100と一体に形成されるか又は前記静電チャックヒーター100と独立して形成されてよい。
【0030】
ヒーター胴体部110は、予め定められた形状を有する板状構造物で形成されてよい。例えば、前記ヒーター胴体部110は、円形の板状構造物で形成されてよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0031】
ヒーター胴体部110の上部には、ウェハのような熱処理対象体が安定して実装され得るように所定の段差で陥没した構造を有するポケット領域(又は、キャビティ領域)111が形成されてよい。前記ポケット領域に該当するヒーター胴体部110の上面は、優れた平坦度を有するように形成されてよい。これは、チャンバー内に設置された熱処理対象体が片方に傾かずに水平に配置するためである。
【0032】
ヒーター胴体部110は、熱伝導性に優れたセラミック材質で形成された複数のセラミック板(図示せず)から構成され、前記複数のセラミック板に対して圧縮焼結工程を行って成形することができる。ここで、前記セラミック材質は、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AIN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、B、BN、SiO、SiC、YAG、ムライト(Mullite)、AIFのいずれか一つの物質であってよく、さらに好ましくは、窒化アルミニウム(AIN)であってよい。
【0033】
ヒーター胴体部110は,内部電極112、該内部電極112を取り囲む外部電極113、前記電極112,113の下の外部電極連結部材114、該外部電極連結部材114の下の発熱体115、及び第1~第3ロッド連結部材116~118を含むことができる。
【0034】
内部電極112は、ヒーター胴体部110の上部中央に配置され、円形のプレート状に形成されてよい。内部電極112は、外部電極113の内側に配置されてよい。
【0035】
内部電極112は、メッシュタイプ(mesh type)、シートタイプ(sheet type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよく、さらに好ましくは、メッシュタイプで形成されてよい。また、内部電極112は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AIN)又はこれらの合金から形成されてよく、さらに好ましくは、モリブデン(Mo)から形成されてよい。
【0036】
内部電極112の厚さは、0.1~0.5mmであってよく、さらに好ましくは、0.2mmであってよい。また、内部電極112の直径は、280~290mmであってよく、さらに好ましくは、285mmであってよい。
【0037】
このような内部電極112は、RF(Radio Frequency)接地機能及び静電チャック(Electrostatic Chuck)機能のいずれか一機能を選択的に行うことができる。ここで、RF接地機能は、ウェハの沈着工程時に、チャンバー内部のプラズマによってヒーター胴体部110に帯電された電流を外部接地に放電させる機能であり、静電チャック機能は、電気場(electric field)を用いてウェハなどのような熱処理対象体をヒーター胴体部110の上面に密着させる機能である。
【0038】
外部電極113は、ヒーター胴体部110の上部周縁に配置され、円形のリング(ring)状に形成されてよい。前記外部電極113は、内部電極112と同一の平面上に形成されてよい。また、前記外部電極113は、内部電極112と一定の距離だけ離隔した状態で前記内部電極112を取り囲むように形成されてよい。
【0039】
外部電極113は、メッシュタイプ(mesh type)、シートタイプ(sheet type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよく、さらに好ましくは、メッシュタイプで形成されてよい。また、外部電極113は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AIN)又はこれらの合金から形成されてよく、さらに好ましくは、モリブデン(Mo)から形成されてよい。
【0040】
外部電極113の厚さは、0.1~0.5mmであってよく、さらに好ましくは0.2mmであってよい。また、外部電極113の内径/外径は、280/320mm~300/320mmであってよく、さらに好ましくは290/320mmであってよい。
【0041】
このような外部電極113は、RF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一機能を選択的に行うことができる。同様に、RF接地機能は、ウェハの沈着工程時に、チャンバー内部のプラズマによってヒーター胴体部110に帯電された電流を外部接地に放電させる機能であり、静電チャック機能は、電気場を用いてウェハなどのような熱処理対象体をヒーター胴体部110の上面に密着させる機能である。
【0042】
一方、外部電極113は、内部電極112と同一の平面上に内部電極112と一定の距離だけ離隔して形成されるので、ヒーター胴体部110の中央部分に形成されている第2ロッド(rod)122と直接連結されにくいという問題がある。このような問題を解決するために、外部電極連結部材114がヒーター胴体部110に埋め立てられてよい。
【0043】
外部電極連結部材114は、電極層と発熱体層との間に配置され、外部電極113と第2ロッド122とを電気的に連結する機能を果たす。すなわち、前記外部電極連結部材114によって、ヒーター胴体部110の中央部分に位置する第2ロッド122と、前記ヒーター胴体部110の周縁部分に位置する外部電極113とが電気的に連結され得る。これにより、ヒーター胴体部110に埋め立てられた内部電極112、外部電極113及び発熱体115の第1~第3ロッド121~123がヒーター支持部120の中央部分に一緒に位置し得る。
【0044】
外部電極連結部材114は、ヒーター胴体部110の電極層と発熱体層との間に水平方向に延長形成されてよい。また、外部電極連結部材114は、内部電極112及び外部電極113の下面から一定の距離だけ離隔して当該電極112,113と平行に配置されてよい。前記外部電極連結部材114は、狭い幅の長いプレート状に形成されてよい。前記外部電極連結部材114の両端は、上方に垂直に折曲形成されてよい。これは、外部電極連結部材114の両端が外部電極113の下面と接触するためである。
【0045】
外部電極連結部材114は、メッシュタイプ(mesh type)、シートタイプ(sheet type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよく、さらに好ましくは、シートタイプで形成されてよい。また、外部電極連結部材114は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)、窒化アルミニウム(AIN)又はこれらの合金から形成されてよく、さらに好ましくは、モリブデン(Mo)から形成されてよい。
【0046】
発熱体115は、ヒーター胴体部110の下部中央に配置され、熱処理対象体の形状に対応する形状で形成されてよい。前記発熱体115は、外部電極連結部材114の下に内部及び外部電極112,113から一定の距離だけ離隔して配置されてよい。
【0047】
発熱体115は、熱処理対象体の位置に対応するヒーター胴体部110に埋め立てられてよい。また、発熱体115は、熱処理対象体を全体的に均一に加熱するために位置によって加熱温度を均一に制御できるとともに、熱処理対象体に熱が伝達される距離がほぼ全ての位置で一定に維持されるように、前記熱処理対象体と平行にヒーター胴体部110に埋め立てられてよい。
【0048】
発熱体115は、発熱線(又は、抵抗線)による板状コイル状又は平らなプレート状に形成されてよい。また、発熱体115は、精密な温度制御のために、多層構造で形成されてよい。
【0049】
発熱体115は、半導体製造工程において、円滑な蒸着工程及びエッチング工程を行うために、ヒーター胴体部110の上部面に位置する熱処理対象体を一定の温度に加熱する機能を果たす。
【0050】
第1ロッド連結部材116は、内部電極112の中央下部面に配置され、前記内部電極112と第1ロッド121とを電気的に連結する機能を果たす。第2ロッド連結部材117は、外部電極連結部材114の中央下部面に配置され、外部電極113と第2ロッド122とを電気的に連結する機能を果たす。第3ロッド連結部材118は、発熱体115の中央下部面に配置され、前記発熱体115と第3ロッド123とを電気的に連結する機能を果たす。
【0051】
ヒーター支持部120は、ヒーター胴体部110の下部に装着され、前記ヒーター胴体部110を支持する役割を担う。これにより、前記ヒーター支持部120は、ヒーター胴体部110と結合してT字形状を有する静電チャックヒーター100を構成する。
【0052】
ヒーター支持部120は、中空の円筒状の管(tube)で形成されてよい。これは、ヒーター支持部120を通じてヒーター胴体部110の内部電極112、外部電極113及び発熱体115に連結される複数のロッド121~123を設置するためである。
【0053】
ヒーター支持部120は、ヒーター胴体部110と同一のセラミック材質で形成されてよい。例えば、前記ヒーター支持部120は、Al、Y、Al/Y、ZrO、AlC(Autoclaved lightweight concrete)、TiN、AIN、TiC、MgO、CaO、CeO、TiO、B、BN、SiO、SiC、YAG、ムライト、AIFのいずれか一つの物質で形成されてよく、さらに好ましくは、窒化アルミニウム(AIN)で形成されてよい。
【0054】
第1ロッド121は、ヒーター支持部120の内部に設置され、第1ロッド連結部材116とバイポーラ機能選択部130とを連結することができる。これにより、バイポーラ機能選択部130は第1ロッド121を通じて内部電極112と電気的に連結され得る。
【0055】
第2ロッド122は、ヒーター支持部120の内部に設置され、第2ロッド連結部材117とバイポーラ機能選択部130とを連結することができる。これにより、バイポーラ機能選択部130は第2ロッド122を通じて外部電極113と電気的に連結され得る。
【0056】
第3ロッド123は、ヒーター支持部120の内部に設置され、第3ロッド連結部材118と外部電源装置(図示せず)とを連結することができる。これにより、外部電源装置は第3ロッド123を通じて発熱体115と電気的に連結され得る。
【0057】
第1~第3ロッド121~123は、電気伝導性に優れた金属物質から形成されてよい。例えば、前記第1~第3ロッド121~123は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、金(Au)、ニオビウム(Nb)、チタニウム(Ti)又はこれらの合金から形成されてよく、さらに好ましくは、ニッケル(Ni)から形成されてよい。
【0058】
バイポーラ機能選択部130は、第1及び第2ロッド121,122を通じて内部電極112及び外部電極113と電気的に連結され、半導体工程モードに応じて、前記内部電極112及び外部電極113の機能を適応的に選択することができる。すなわち、バイポーラ機能選択部130は、半導体工程モードに応じて、内部電極112及び外部電極113がRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一機能を果たすように該当の該電極112,113の機能を選択することができる。
【0059】
例えば、図4に示すように、バイポーラ機能選択部130は、半導体工程システム(図示せず)の制御命令に応じて、内部電極112の機能を選択する内部電極機能選択部410と、外部電極113の機能を選択する外部電極機能選択部420とから構成されてよい。
【0060】
内部電極機能選択部410は、第1ロッド121を通じて内部電極112と電気的に連結され、第1キャパシタ(C1)411、第1スイッチ(S1)412及び第1DC電源(V1)413を含むことができる。ここで、第1キャパシタ411は、第1ノード(N1)を基準として第1スイッチ412及び第1DC電源413と並列に連結されてよい。第1スイッチ412及び第1DC電源413は、第1ノードと接地との間に直列に連結されてよい。そして、第1DC電源413は、予め定められた正のDC電圧を提供することができる。
【0061】
半導体工程システムの制御信号に応じて第1スイッチ412がターンオフ状態として動作すると、静電チャックヒーター100の内部電極112は第1キャパシタ411と連結される。高周波(RF)動作モードで第1キャパシタ411がショート(short)状態として動作するので、内部電極112は外部接地と連結されてRF接地機能を果たすことになる。
【0062】
一方、半導体工程システムの制御信号に応じて第1スイッチ412がターンオン状態として動作すると、静電チャックヒーター100の内部電極112は第1DC電源413と連結される。これにより、内部電極112は、第1DC電源413から印加された正のDC電圧に基づいて静電チャック機能を果たす。
【0063】
外部電極機能選択部420は、第2ロッド122を通じて外部電極113と電気的に連結され、第2キャパシタ(C2)421、第2スイッチ(S2)422及び第2DC電源(V2)423を含むことができる。ここで、第2キャパシタ421は、第2ノード(N2)を基準として第2スイッチ422及び第2DC電源423と並列に連結されてよい。第2スイッチ422及び第2DC電源423は、第2ノードと接地との間に直列に連結されてよい。そして、第2DC電源423は、予め定められた負のDC電圧を提供することができる。
【0064】
半導体工程システムの制御信号に応じて第2スイッチ422がターンオフ状態として動作すると、静電チャックヒーター100の外部電極113は第2キャパシタ421と連結される。高周波(RF)動作モードで第2キャパシタ421がショート(short)状態として動作するので、外部電極113は外部接地と連結されてRF接地機能を果たすことになる。
【0065】
一方、半導体工程システムの制御信号に応じて第2スイッチ422がターンオン状態として動作すると、静電チャックヒーター100の外部電極113は第2DC電源423と連結される。これにより、外部電極113は、第2DC電源423から印加された負のDC電圧に基づいて静電チャック機能を果たす。
【0066】
【表1】
【0067】
前記表1に示すように、バイポーラ機能選択部130は、スイッチ1及び2のスイチングモードに応じて、内部電極及び外部電極がRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一機能として動作するように、当該電極の機能を適応的に選択することができる。
【0068】
例えば、プラズマを使用する半導体工程モード(第1半導体工程モード)において、バイポーラ機能選択部130は、内部電極112及び外部電極113の少なくとも一つがRF接地機能を果たすように、当該電極112,113の機能を選択することができる。一方、プラズマを使用しない半導体工程モード(第2半導体工程モード)において、バイポーラ機能選択部130は、互いに異なる極性を有するDC電圧を内部電極112及び外部電極113に印加し、これらの電極がいずれも静電チャック機能を果たすように当該電極112,113の機能を選択することができる。
【0069】
本実施例に係る静電チャックヒーター100によれば、ウェハなどのような熱処理対象体を、沈着均一性(Deposition Uniformity)の良好な部分(例えば、ウェハの中央部)と良好でない部分(例えば、ウェハの周縁部分)とに区別し、前記沈着均一性の良好な部分に、RF接地機能を有する電極が形成されるようにし、前記沈着均一性が良好でない部分に、静電チャック機能を有する電極が形成されるようにすることで、ウェハなどのような帯電された熱処理対象体がヒーター胴体部の上部面に固定可能になる効果がある。その結果、ウェハなどのような熱処理対象体とヒーター胴体部との接触面が増加しながら熱伝導度が向上し、これにより、当該熱処理対象体の温度均一性(Temperature Uniformity)及び沈着均一性が向上する効果がある。
【0070】
以上、前述したように、本発明の一実施例に係る静電チャックヒーターは、半導体工程モードに応じてRF接地機能及び静電チャック機能のいずれか一つを選択的に行い得る内部電極及び外部電極を備えることにより、ヒーター胴体部の上部面に配置されたウェハなどのような熱処理対象体の温度均一性及び沈着均一性を向上させることができる。
【0071】
図5は、従来の技術によるセラミックヒーターと本実施例に係る静電チャックヒーターの周縁温度を測定したグラフである。
【0072】
図5に示すように、本発明の効果を実験するために、T/Cウェハを用いて、ヒーターの周縁において8つの地点の温度を測定して比較した。各ヒーターの温度は約550℃に設定した。従来の技術によるセラミックヒーターの接地電極は、直径320mmのメッシュタイプ(24MESH)の電極を用いた。また、本実施例に係る静電チャックヒーターの内部電極(すなわち、接地電極)は、直径285mmのメッシュタイプ(24MESH)の電極を用い、外部電極(すなわち、静電チャック電極)は、内径/外径が290/320mmであるリング状のメッシュタイプ(24MESH)の電極を用いて実験した。
【0073】
前記実験の結果、従来の技術によるセラミックヒーターの温度範囲は約7.5℃であり、本実施例に係る静電チャックヒーターの温度範囲は約2.7℃であった。すなわち、本実施例に係る静電チャックヒーターは、従来の技術によるセラミックヒーターに比べて、ヒーターの周縁の温度変化範囲が略36%程度に大きく減ることが確認できた。したがって、本実施例に係る静電チャックヒーターは、従来の技術によるセラミックヒーターに比べて、ウェハ(WAFER)などのような熱処理対象体の温度均一性を大きく向上させる効果があり、これにより、当該熱処理対象体の沈着均一性を大きく向上させる効果がある。
【0074】
図6は、本実施例に係る静電チャックヒーターの内部電極及び外部電極の機能及びサイズによる、ウェハ周縁の温度変化範囲を測定した結果である。
【0075】
図6に示すように、本実験において、内部電極はRF接地機能を担い、外部電極は静電チャック機能及びRF接地機能を選択的に担うように設定した。また、内部電極は、メッシュタイプ(24MESH)を有し、直径が275mm、280mm及び285mmのものを用いて実験した。外部電極は、リング状のメッシュタイプ(24MESH)を有し、内径/外径が280/320mm、285/320mm及び290/320mmのものを使用した。
【0076】
前記実験の結果、内部電極の直径が285mmであり、外部電極の内径/外径が290/320mmであるとき、ウェハの周縁の温度変化範囲が最小幅を有することが確認できる。また、外部電極がRF接地機能を担うときよりも、静電チャック機能を担うときに、ウェハ周縁の温度変化範囲が小さいことが確認できる。したがって、内部及び外部電極に設定された機能と当該電極の直径が、静電チャックヒーターの性能であるウェハの沈着均一性(Deposition Uniformity)及び温度均一性(Temperature Uniformity)と密接な関連があることが確認できる。
【0077】
【0078】
図7は、図3の静電チャックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するためのフローチャートであり、図8は、図3の静電チャックヒーターを構成するヒーター胴体部の製造方法を説明するために参照される図である。
【0079】
図7及び図8を参照すると、本発明の一実施例に係る静電チャックヒーター100を構成するヒーター胴体部の全体的な形状に対応する成形モールド(又は、収納モールド)710と、前記成形モールド710に充填されたセラミック粉末に圧力を印加する加圧モールド720を備えることができる(S710)。
【0080】
第1セラミック粉末を成形モールド710に充填して第1セラミック粉末層810を形成することができる(S720)。内部電極(図示せず)、外部電極(図示せず)及び外部電極連結部材(図示せず)などが埋め立てられたセラミック成形体820を予め加工し、成形モールド710内の第1セラミック粉末層810の上部に積層することができる(S730)。このとき、前記セラミック成形体820は、所定の圧力で加圧されて形状を保持できる成形体の形態で提供されてよい。
【0081】
その後、第2セラミック粉末を成形モールド710内のセラミック成形体820の上部に充填して第2セラミック粉末層830を形成することができる(S740)。また、螺旋状又はメッシュ状の板状構造を有する発熱体840を予め加工し、第2セラミック粉末層830の上部に積層することができる(S750)。
【0082】
次に、第3セラミック粉末を成形モールド710内の発熱体840の上部に充填して第3セラミック粉末層850を形成することができる(S760)。前記第1~第3セラミック粉末は、窒化アルミニウム(AIN)粉末を含むことができ、選択的に約0.1~10%程度、さらに好ましくは約1~5%程度の酸化アルミニウム粉末を含むことができる。
【0083】
第1セラミック粉末層810、セラミック成形体820、第2セラミック粉末層830、発熱体840及び第3セラミック粉末層850を順次に積層した後、加圧モールド720を用いて所定圧力で加圧すると同時に高温の熱を提供することによって前記セラミック粉末層を焼結し、ヒーター胴体部800を成形することができる(S770)。例えば、前記ヒーター胴体部800は、約0.01~0.3ton/cm程度の圧力と約1600~1950℃程度の温度で圧縮焼結されてよい。
【0084】
以下、上述したヒーター胴体部800を構成する要素のうち、RF接地機能及び静電チャック機能を選択的に行い得るセラミック成形体820の製造方法について詳細に説明する。
【0085】
図9は、本発明の一実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
【0086】
図9を参照すると、セラミック成形体900の全体的な形状に対応する成形モールド(図示せず)を備えることができる。該成形モールド(図示せず)にセラミック粉末を充填した後、該セラミック粉末を予め定められた温度及び圧力で焼結してセラミックプレート910を形成することができる。また、前記セラミックプレート910の上部を加工し、第1ロッド連結部材930が埋設され得る第1溝、内部電極950が埋設され得る第2溝、外部電極960が埋設され得る第3溝を形成することができる。なお、前記セラミックプレート910の周縁部分を加工し、外部電極連結部材920が埋設され得る貫通孔を形成することができる。
【0087】
次に、複数の溝が加工されたセラミックプレート910に、外部電極連結部材920を挿入することができる。このとき、前記外部電極連結部材920は外部電極960と電気的に連結され得るように両端が地面に水平な方向に折り曲がり、セラミックプレート910と並んで形成されてよい。
【0088】
外部電極連結部材920の設置が完了すると、第1ロッド連結部材930を、セラミックプレート910の上部に形成された第1溝に挿入することができる。また、第2ロッド連結部材940を外部電極連結部材920の下部面に付着することができる。
【0089】
第1及び第2ロッド連結部材930,940の設置が完了すると、内部電極950を、セラミックプレート910の上部に形成された第2溝に挿入することができ、外部電極960を、セラミックプレート910の上部に形成された第3溝に挿入することができる。これにより、前記内部電極950は第1ロッド連結部材930と電気的に連結され得、前記外部電極960は外部電極連結部材920を通じて第2ロッド連結部材940と電気的に連結され得る。
【0090】
このような外部電極連結部材920、内部電極950及び外部電極960は、シートタイプ(sheet type)、メッシュタイプ(mesh type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよい。また、外部電極連結部材920、内部電極950及び外部電極960は、電気伝導性に優れたモリブデン(Mo)から形成されてよい。また、外部電極連結部材920は、「コ」字状に加工された薄くて長い板状に形成されてよく、内部電極950は円形の板状に形成されてよく、外部電極960はリング(ring)状に形成されてよい。
【0091】
ところが、上述したセラミック成形体の製造方法では、外部電極960と接触する外部電極連結部材920の折曲部の整列(align)不良のため、前記外部電極960と外部電極連結部材920との間に電気がよく通らない問題が発生し得る。しかも、セラミックプレート910の貫通孔に粉末が完全に充填されない可能性があり、これにより、RF接地機能の不良、静電チャック機能の不良及び製品クラック(crack)の問題などが発生し得る。以下、このような問題を解決できるさらに他のセラミック成形体の製造方法について説明する。
【0092】
図10A図10Eは、本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法を説明する図である。
【0093】
図10Aを参照すると、セラミック成形体1000の全体的な形状に対応する成形モールド1010を備えることができる。前記成形モールド1010にセラミック粉末1020を一定の高さまで充填してセラミック粉末層を形成することができる。このとき、前記セラミック粉末1020は、窒化アルミニウム(AIN)から形成されてよく、必ずしもこれに制限されない。
【0094】
次に、セラミック粉末層1020の上部に、予め定められた形状の溝を形成するためのジグ(jig)1030を備えることができる。前記ジグ1030を成形モールド1010の方向に移動し、前記成形モールド1010に充填されたセラミック粉末層1020の上部に第1溝1021を形成することができる。
【0095】
図10Bを参照すると、セラミック粉末層1020の上部に形成された第1溝1021に、棒状の第1外部電極1060aを挿入することができる。第1外部電極1060aの挿入が完了すると、前記第1外部電極1060aを十分に覆うようにセラミック粉末を成形モールド1010にさらに充填することができる。前記成形モールド1010に充填されたセラミック粉末層を、予め定められた温度及び圧力で焼結してセラミックプレート1020を形成することができる。その後、前記セラミックプレート1020を成形モールド1010から分離することができる。
【0096】
図10Cを参照すると、第1外部電極1060aが外部に露出されるように、セラミックプレート1020の両面を加工することができる。なお、前記セラミックプレート1020の上部を加工して、第1ロッド連結部材1040が埋設され得る第2溝1022と、内部電極1050が埋設され得る第3溝1023と、第2外部電極1060bが埋設され得る第4溝1024を形成することができる。
【0097】
その後、第1ロッド連結部材1040を、セラミックプレート1020の上部に形成された第2溝1022に挿入することができる。前記第1ロッド連結部材1040の挿入が完了すると、内部電極1050を、セラミックプレート1020の上部に形成された第3溝1023に挿入することができる。これにより、前記内部電極1050は、第1ロッド連結部材1040と電気的に連結され得る。
【0098】
内部電極1050の挿入が完了すると、第2外部電極1060bを、セラミックプレート1020の上部に形成された第4溝1024に挿入することができる。このとき、前記第2外部電極1060bは第1外部電極1060aと結合して一つの外部電極1060を形成することができる。これにより、第2外部電極1060bは、第1外部電極1060aと電気的に連結され得る。
【0099】
図10D及び図10Eを参照すると、スクリーンプリンタ(screen printer)(図示せず)を用いて、セラミックプレート1020の下部面に外部電極連結部材1030を付着させることができる。このとき、前記外部電極連結部材1030は、セラミックプレート1020の下部面に露出された第1外部電極1060aの間に一直線状に配置され得る。これにより、前記外部電極連結部材1030は、第1外部電極1060a及び第2外部電極1060bと電気的に連結され得る。
【0100】
一方、本実施例では、セラミックプレート1020の下部面に付着した外部電極連結部材1030が1本のライン(line)を形成することを例示しているが、必ずしもこれに制限されない。例えば、図11に示すように、セラミックプレート1020の下部面に付着した外部電極連結部材1030は、2ライン又は4ラインで形成されてもよい。その他にも、前記外部電極連結部材1030は様々なデザインで形成されてよい。
【0101】
その後、外部電極連結部材1030の下部面の中央地点に第2ロッド連結部材1070を付着させることができる。これにより、前記第2ロッド連結部材1070は、外部電極連結部材1030を通じて第1及び第2外部電極1060a,1060bと電気的に連結され得る。
【0102】
このような外部電極連結部材1030、内部電極1050及び外部電極1060は、シートタイプ(sheet type)、メッシュタイプ(mesh type)及びペーストタイプ(paste type)のいずれか一つで形成されてよい。また、外部電極連結部材1030、内部電極1050及び外部電極1060は、電気伝導性に優れたモリブデン(Mo)から形成されてよい。また、外部電極連結部材1030は、一直線の長い帯状に形成されてよく、内部電極1050は円形の板状に形成されてよく、外部電極1060はリング(ring)状に形成されてよい。
【0103】
以上、上述したように、本発明の他の実施例に係るセラミック成形体の製造方法は、外部電極連結部材をセラミックプレートの貫通孔に挿入する必要がなく、外部電極連結部材の両端を地面に水平な方向に折り曲げる必要もないので、上述した図9のセラミック成形体の製造方法に比べて製品の信頼性及び作業の便宜性を向上させることができる。
【0104】
一方、以上では本発明の具体的な実施例に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で、様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施例に制限されず、後述する特許請求の範囲及びそれと均等なものによって定められるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
【国際調査報告】