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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】便利な電気ドライヤー
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
A45D20/12 K
A45D20/12 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507382
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 CN2019101935
(87)【国際公開番号】W WO2021026956
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/100166
(32)【優先日】2019-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521038430
【氏名又は名称】肇慶市衡藝実業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】李 曼麗
(57)【要約】
携帯式電気ドライヤーであって、ドライヤー本体(10)と、これに連結された保持部材(20)とを含み、保持部材(20)は、ハンドルとスタンドとの間で可逆的に迅速に移行するように構成されている。電気ドライヤーの手持ちと非手持ちの操作モードの間の切り替えを便利に実現でき、電気ドライヤーの使用をより柔軟で便利にする。更に、保持部材(20)は、簡単な構造を採用することによって、送風角度、方向及び高さの迅速かつ柔軟な調整を可能にする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライヤー本体と、これに連結された保持部材とを含む電気ドライヤーであって、保持部材は、自身の形状変化によってハンドルとスタンドとの間で可逆的に移行するように構成されている電気ドライヤー。
【請求項2】
保持部材は、ドライヤー本体に連結される連結端と、他方の自由端とを有し、自由端は、スタンドとして使用されるときの支持面を増大させるために拡大可能に変形可能に構成されている請求項1に記載の電気ドライヤー。
【請求項3】
保持部材は、その自由端の周りに少なくとも1つのフラップを含み、前記フラップが外側に開かないときにハンドルとして機能し、前記フラップが外側に開いているときにスタンドとして機能する請求項2に記載の電気ドライヤー。
【請求項4】
前記フラップの遠位端にそれぞれ摩擦パッドが設けられている請求項3に記載の電気ドライヤー。
【請求項5】
保持部材は、その縦方向に伸縮可能である請求項1に記載の電気ドライヤー。
【請求項6】
保持部材は、ドライヤー本体に可動に連結されている請求項1に記載の電気ドライヤー。
【請求項7】
保持部材は、ドライヤー本体に分離可能に連結されている請求項6に記載の電気ドライヤー。
【請求項8】
保持部材は、磁性アダプターを介してドライヤー本体に連結されている請求項7に記載の電気ドライヤー。
【請求項9】
アダプターは、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられた鉄球と、鉄球を磁気的に受け入れるために、ドライヤー本体及び保持部材の他方に設けられ、環状磁石を含む受け座とから構成されている請求項8に記載の電気ドライヤー。
【請求項10】
保持部材は、ドライヤー本体に分離不能に連結されている請求項6に記載の電気ドライヤー。
【請求項11】
保持部材は、ヒンジを介してドライヤー本体に枢着されている請求項10に記載の電気ドライヤー。
【請求項12】
ヒンジは、保持部材に設けられた回動可能な軸に固定されている請求項11に記載の電気ドライヤー。
【請求項13】
保持部材は、摩擦ボール機構を介してドライヤー本体に連結されている請求項10に記載の電気ドライヤー。
【請求項14】
摩擦ボール機構は、受け座と、回動ボールと、摩擦パッドとを含み、回動ボールは、その周りの摩擦パッドを介して、受け座にタイトにフィットし且つ分離不能に収納される請求項13に記載の電気ドライヤー。
【請求項15】
受け座は、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられ、回動ボールは、リンクを介してドライヤー本体及び保持部材の他方に連結される請求項14に記載の電気ドライヤー。
【請求項16】
保持部材は、電気ドライヤー全体が非使用時に単一の連続的な筒状の外形を有するように、ドライヤー本体に対して引っ込むことができる請求項6に記載の電気ドライヤー。
【請求項17】
保持部材は、ドライヤー本体に分離不能に連結され、ドライヤー本体の少なくとも一部は、欠損した筒状断面を有し、保持部材がドライヤー本体に対して完全に引っ込むと、保持部材の断面と前記ドライヤー本体の少なくとも一部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、略完全な筒状断面を形成する請求項16に記載の電気ドライヤー。
【請求項18】
ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収納部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部は、完全な筒状断面を有し、後筒収容部は、前筒作動部に対して欠損した筒状断面を有し、保持部材が完全に収縮して後筒収容部に対して引っ込むと、保持部材の断面と後筒収容部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、前筒作動部と一致する略完全な筒状断面を形成する請求項17に記載の電気ドライヤー。
【請求項19】
保持部材は、ドライヤー本体に分離可能に連結され、ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収容部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部と後筒収納部とは、略連続して一致する筒状断面形状を有し、後筒収納部は、分離された保持部材を収納するためにも用いられる請求項16に記載の電気ドライヤー。
【請求項20】
後筒収容部は、前筒作動部に取り外し可能に連結されている請求項19に記載の電気ドライヤー。
【請求項21】
前記単一の筒形の外形は、円筒状である請求項16に記載の電気ドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年8月12日に中国受理局に提出された出願番号が「PCT/CN2019/100166」で、発明の名称が「便利な電気ドライヤー」であるPCT国際出願の優先権を要求する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、特に髪を乾かすのに適した電気ドライヤーに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、髪を乾かすための電気ドライヤーの市販品の多くは、手で乾かす動作を必要とし、長髪を乾かす動作を行うなど多くの場合には非常に不便であり、疲労しやすい。
【0004】
CN104783472Aには、強磁吸着式の自動首振りドライヤーが開示されている。CN203087949Uには、回転式電気ドライヤーが開示されている。CN208581919Uには、スイング機能を有する電気ドライヤースタンドが開示されている。CN104621944Aは、吸盤式の安全なドライヤーが開示されている。上記ドライヤーは、分離又は一体化された改造スタンドを提供することにより、ハンドフリー動作や送風方向等の調整を可能としているが、その構造が複雑であり、使用や携帯に不便であり、特に、手持ち/ハンドフリー動作モードを便利に切り替える問題を、いつでもどこでも実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、手持ち/ハンドフリー動作モードの切り替えを便利に実現することができる電気ドライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、電気ドライヤーを提供し、ドライヤー本体と、これに連結された保持部材又は保持機構とを含み、保持部材は、自身の形状変化によってハンドルとスタンドとの間で可逆的に迅速に移行するように構成されている。この迅速に移行するという思想により、電気ドライヤーの手持ち/ハンドフリー動作モードの切り替えを便利に実現できるようにする。
【0007】
本発明において、「保持部材自体の形状変化」とは、保持部材自体の外形の変化を意味し、単にドライヤー本体に対する位置変化、例えば枢動位置の変化であって、保持部材の構造や外形が実質的に変化していない場合は含まれない。
【0008】
本発明の具体的な実施形態によれば、保持部材は、ドライヤー本体に連結される連結端と、他方の自由端(非連結端)とを有する。保持部材の自由端は、スタンドとして使用されるときの支持面を増大させるために迅速に拡大可能に変形可能に構成されている。保持部材は、その自由端を拡大可能に変形可能にすることにより、初期のハンドルから固定スタンドへの迅速な切り替えや移行が可能となり、ハンドフリー送風動作への切り替えが便利になる。
【0009】
本発明の1つの実施例によれば、保持部材は、その自由端の周りに少なくとも1つ(好ましくは2~4つ、例えば3つ)のフラップを含み、前記フラップが外側に開かないときにハンドルとして機能し、前記フラップが外側に開いている(開傘)ときにスタンドとして機能する。このような保持部材は、構造が簡単であり、送風モードの切り替えや移行を非常に便利に実現することができる。
【0010】
例えば保持部材の自由端に固定座又は固定ディスクを迅速に連結(例えば、差込み)し、更には、拡張可能な支持ディスクや支持リブなどを自由端から外方にポップアップさせたり引き出したりするなど、他の変形方式を採用することも可能であるが、本発明のこのような「開傘式」の変形又は改造方式を採用することは、構造の一体化及び使用の便利さにおいて明らかにより有利である。また、本発明のこのような「開傘式」の実施例では、フラップの遠位端(拡張可能な端)を保持部材の自由端に配置し、そこから外側に0~90°開く(「正開き」モード)ようにしてもよいし、フラップの近位端(連結固定端)を保持部材の自由端に配置し、フラップの遠位端を保持部材の自由端に向かって90~180°外側に開いたり反転する(「逆開き」モード)ようにしてもよい。「逆開き」モードの構造に対して、「正開き」モードの構造の方は、より簡単であり、動作も便利に行われる。一方、「逆開き」モードの構造は、保持部材の長さを(約フラップの長さの範囲内で)伸長又は増加させて、送風の高さを調節することができる。
【0011】
また、ドライヤー本体に中空ハンドルを一体に形成し、これに本発明の保持部材を引き出し可能又はポップアップ可能に収納してもよい。保持部材を中空ハンドルに収納することにより、保持部材のハンドルへの移行が可能となり、中空ハンドルから保持部材を引き出してその自由端を拡大して変形させることにより、ハンドルから固定スタンドへの移行が可能となる。
【0012】
本発明の更に好ましい実施例によれば、スタンドとして使用するために外側に開いたときに、前記フラップの遠位端は、保持部材の自由端と実質的に同じ支持面上にあってもよい。この構造は、より強固な支持を可能にする。
【0013】
また、保持部材の自由端に吸盤や摩擦パッドを設けてもよい。前記フラップの遠位端には、摩擦パッドがそれぞれ設けられていてもよい。これにより、支持安定性をより向上させることができる。
【0014】
本発明の更に好ましい実施例によれば、保持部材は、その縦方向に伸縮可能である。例えば、保持部材は、伸縮可能なスリーブ又は多段アンテナ式構造として構成される。この構造は、送風高さの便利な調節を実現できる。伸縮可能なスリーブは、伸縮長さを調節して任意の長さ位置に留まって固定できるように設計されていてもよいし、異なる長さの設定位置に留まって固定できるように、段付の位置決め式スリーブに設計されていてもよい。
【0015】
本発明の電気ドライヤーによれば、保持部材は、ドライヤー本体に可動に連結されていることが好ましい。可動式連結方式は、送風角度及び送風方向の調節を容易にする。ここで、ドライヤー本体は、保持部材に対して、筐体と、筐体内に位置する各部品と、筐体に設けられて静止している各種アタッチメント等とを含んで構成される。
【0016】
上述の可動式連結方式は、分離可能な連結であってもよいし、分離不能な連結であってもよい。
【0017】
分離不能な可動式連結の一実施例によれば、保持部材は、ヒンジを介してドライヤー本体に枢着されてもよい。枢動連結方式により、保持部材をスタンドとして機能する際に送風角度を便利に調整することができるだけでなく、ドライヤー本体に対して保持部材を折り畳みこんで持ち運びやすくし、又は保持部材をドライヤー本体の適所に収容して保管しやすくする。ヒンジは、任意に枢動して現在の枢動位置に留まって固定することができるように、枢動角度を任意に位置決め可能なヒンジを採用してもよいし、異なる設定角度に枢動して位置決めすることができるような段付の位置決め式ヒンジを採用してもよい。
【0018】
ヒンジは、更に、保持部材に設けられた回動可能な軸に固定されていてもよい。このような構造は、送風角度と送風方向の調節とを両立させることができる。回動可能な軸は、回転されて現在の任意の位置に留まって固定されてもよく、又は異なる設定方位に段階的に固定されてもよい。
【0019】
分離可能な可動式連結の一実施例によれば、保持部材は、磁性アダプターを介してドライヤー本体に連結される。この場合、アダプターは、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられた鉄球と、鉄球を磁気的に受け入れるために、ドライヤー本体及び保持部材の他方に設けられ、環状磁石を含む受け座とから構成されていることが好ましい。このような可動式連結方式は、構造がより簡単で、保持部材をスタンドとして使用した場合に送風角度と送風方向を調整できるだけでなく、保持部材とドライヤー本体との迅速な分離を非常に便利にし、携帯や保管がより便利になる。
【0020】
もちろん、磁性アダプターは、上述した鉄球と環状磁石との特定の組み合わせ構造に限定されるものではなく、例えば、強磁性体と磁石との組み合わせ、磁石と磁石との組み合わせ等、任意の適切な磁性アダプト連結方式が可能である。
【0021】
分離不能な可動式連結の別の実施例によれば、保持部材は、変形自在なケーブル(可撓性ケーブル)を介してドライヤー本体に連結されてもよい。このような構造によっても、送風角度、送風方向及び送風高さの多重調節を実現することができる。
【0022】
分離不能な可動式連結の更に別の実施例によれば、保持部材は、摩擦ボール機構を介してドライヤー本体に連結される。摩擦ボール機構は、受け座と、回動ボールと、摩擦パッドとを含み、回動ボールは、その周りの摩擦パッドを介して、受け座にタイトにフィットし且つ分離不能に収納される(摩擦力に抗した外力によって任意の方向に回動することができ、かつ外力が解除されたときに現在の位置に留まることができる)。この場合、受け座は、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられ、摩擦ボールは、リンクを介してドライヤー本体及び保持部材の他方に連結される。
【0023】
保持部材がドライヤー本体に可動に連結されている場合には、保持部材は、電気ドライヤー全体が非使用時に円筒状、楕円筒状、紡錘筒状、矩形筒状等の単一の連続な筒状の外形を有するように、ドライヤー本体に対して引っ込むことができる。
【0024】
保持部材がドライヤー本体に分離不能に連結されている場合、ドライヤー本体の少なくとも一部は、欠損した筒状断面を有し、保持部材がドライヤー本体に対して完全に引っ込む(初期最小容積状態に収縮する)と、保持部材の断面と前記ドライヤー本体の少なくとも一部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、略完全な筒状断面を形成する。
【0025】
また、ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収納部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部は、完全な筒状断面を有し、後筒収容部は、前筒作動部に対して欠損した筒状断面を有し、保持部材が完全に収縮して後筒収容部に対して引っ込むと、保持部材の断面と後筒収容部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、前筒作動部と一致する略完全な筒状断面を形成する。
【0026】
保持部材がドライヤー本体に分離可能に連結されている場合、ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収容部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部と後筒収納部とは、略連続して一致する筒状断面形状を有し、後筒収納部は、分離された保持部材を収納するためにも用いられる。また、後筒収納部は、前筒作動部に取り外し可能又は分離可能に連結されてもよく、それにより、後筒収納部を取り外すことにより、使用時の電気ドライヤーの軽量化を図ることができる。
【0027】
上記の単一の筒状構造により、本発明の電気ドライヤーは、保管時などの非使用状態において非常に簡潔で綺麗に見え、占有スペースを最小化するとともに、電源コードの乱れによる煩わしさを解消することができる。
【0028】
また、本発明の電気ドライヤーは、電源コード又は保持部材が後筒収納部の空洞に収納された後、少なくとも後筒収納部の後端を覆うカバーを更に含んでもよい。
【0029】
本発明の好ましい実施例によれば、保持部材は、ドライヤー本体の側面に連結されてもよい。側面連結又は側方連結方式により、保持部材をドライヤー本体の重心で左右に連結することができ、取り扱いを容易にすることができる。もちろん、保持部材の連結位置は、ドライヤー本体の縦方向における吹出口と反対側の他端付近など、他の位置に設けてもよい。
【0030】
他の変形として、保持部材の自由端は、様な状況での電気ドライヤーの柔軟な固定及び使用を容易にするために、磁石を取り付けてもよいし、クリップとして設計してもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の電気ドライヤーによれば、保持部材を、手持ちモード用のハンドルと、ハンドフリーモード用のスタンドとに容易に切り替えることができ、使い勝手が向上する。また、保持部材は、簡単な構造を採用して送風角度、方向、高さの迅速かつ柔軟な調整を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例1に係る電気ドライヤーを示す。
図2】本発明の実施例1に係る電気ドライヤーを示す。
図3】本発明の実施例1に係る電気ドライヤーを示す。
図4】本発明の実施例2に係る電気ドライヤーを示す。
図5】本発明の実施例2に係る電気ドライヤーを示す。
図6】本発明の実施例2に係る電気ドライヤーを示す。
図7】本発明の実施例3に係る電気ドライヤーを示す。
図8】本発明の実施例3に係る電気ドライヤーを示す。
図9】本発明の実施例3に係る電気ドライヤーの摩擦ボール機構の部分拡大概略図である。
図10】本発明の実施例4に係る電気ドライヤーを示す。
図11】本発明の実施例4に係る電気ドライヤーを示す。
図12】本発明の実施例4に係る電気ドライヤーを示す。
図13】本発明の実施例5に係る電気ドライヤーを示す。
図14】本発明の実施例6に係る電気ドライヤーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。当業者には理解されるように、以下の例示的な実施例は、単に説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0034】
図1図3は、本発明の実施例1に係る電気ドライヤーを示す。この電気ドライヤーは、全体として、ドライヤー本体10と、これに連結された保持部材20とを含む。ドライヤー本体10には、スイッチ11、外部電源コード12、吹出口13、吸気口14、加熱素子、モータ(具体的には図示せず)等が設けられている。
【0035】
図1は、実施例1に係る電気ドライヤーの手持ち状態概略図を示し、図示されている保持部材20は、手による把持操作を容易にするために棒状に収束又は折り畳まれている。
【0036】
図2は、実施例1に係る電気ドライヤーのハンドフリー状態概略図を示し、図示されている保持部材20は、ハンドフリーの送風動作のために、テーブルに固定するための固定スタンドとして展開又は拡開されている。
【0037】
図3は、実施例1に係る電気ドライヤーのハンドフリー状態概略図を示し、図2と同様に、保持部材20を展開又は拡開させて固定スタンドとし、更にその縦方向に沿って伸長させて送風位置を高くする。
【0038】
保持部材20は、図1図3に示すように、ドライヤー本体10の側面にヒンジ21を介して鉛直面(図示紙面)内で枢動可能に連結されている。ヒンジ21は、任意に手動で枢動して現在の枢動位置に留まって固定することができるように、枢動角度を任意に位置決め可能なヒンジを採用してもよいし、異なる設定角度に手動で枢動して位置決めすることができるような段付の位置決め式ヒンジを採用してもよい。保持部材20は、ステム22と、ステムの上端(連結端)に設けられたヒンジベース23と、ステムの下部に設けられた3つの拡張可能なフラップ24とを含む。フラップ24の遠位端は、支持脚形状に形成され、近位端は、ステム22に連結されている。フラップ24が開いているとき、その遠位端は、適切なテーブル面上でのしっかりとした支持を容易にするために、ステム22の下端と実質的に面一であってもよい。テーブル面上の安定した支持のために、フラップ24の遠位端に摩擦パッド240を設けてもよく、図2及び図3に示すように、ステム22の下端に吸盤又は摩擦パッド220を設けてもよい。上記枢動連結方式により、送風角度(送風方向とステム22とのなす角度)を便利に調整することができる。また、ヒンジベース23は、送風方向の調整を便利にするために、ステム22に対して回転可能に取り付けられている。ヒンジベース23のステム22に対する回転は、手動で行って現在の任意の位置に留まって固定してもよいし、異なる設定方位に段階的に固定してもよい。
【0039】
図1図3に示す「開傘式」の実施例では、フラップ24の遠位端又は拡張可能な端を保持部材20の自由端(ステム22の下端)に配置し、そこから外側に0~90°開く(「正開き」モード)ようにする。一方、フラップ24の近位端又は連結固定端を保持部材20の自由端に配置し、フラップ24の遠位端を保持部材20の自由端に向かって90~180°外側に開いたり反転する(「逆開き」モード)ようにしてもよい。「逆開き」モードの構造に対して、「正開き」モードの構造の方は、より簡単であり、操作も便利に行われる。一方、「逆開きモード」の構造は、保持部材の長さを(約フラップの長さの範囲内で)伸長又は増加させて、後述する伸縮可能なスリーブを設けることなく、送風の高さを便利に調節することができる。
【0040】
図3から明らかなように、ステム22のシャフト部は、ステム22を伸縮させて送風高さを調整するために、多段(例えば2~5段)の伸縮可能なスリーブ25によって形成されている。伸縮可能なスリーブ25は、伸縮長さを手動で調節して任意の長さ位置に留まって固定できるように設計されていてもよいし、異なる長さの設定位置に留まって固定できるように、段付の位置決め式スリーブに設計されていてもよい。
【0041】
図4図6は、本発明の実施例2に係る電気ドライヤーを示し、実施例1における回動可能なヒンジベース構造に代えて、磁性アダプターを介して保持部材20がドライヤー本体に連結されているという点で異なるが、図1図3の実施例と全体的に類似し、図4の保持部材が断面で示され、同一部材には同一符号を付している。図4から明らかなように、磁性アダプターは、ドライヤー本体10に設けられた受け座16と、保持部材20の上端に設けられた鉄球26とを含み、受け座16には環状磁石17が設けられている。保持部材20は、鉄球26と受け座16内の磁石17との吸着嵌合により、ドライヤー本体10に対して任意に回動可能かつ迅速に取り外し可能に連結されている。
【0042】
図7図8は、本発明の実施例3に係る電気ドライヤーを示し、保持部材20とドライヤー本体10との可動連結方式が異なるほか、その構成が上記実施例2と異なっている。図7は、保持部材20がドライヤー本体10に対して突出した状態を示し、保持部材20が摩擦ボール機構を用いてドライヤー本体10に連結されていることが分かる。また、図8に示すように、引っ込んだ状態において、ドライヤー本体10は、保持部材20と一体的に連続な円筒状に形成されている。
【0043】
図9から明らかなように、摩擦ボール機構は、ドライヤー本体10に設けられた受け座16aと、保持部材20の上端に設けられた金属製の回動ボール26aとを含む。回動ボール26aと保持部材20とは、ねじ構造によって連結されていてもよい。受け座16aには摩擦パッド17aも設けられている。保持部材20は、回動ボール26aと受け座16a内の摩擦パッド17aとのタイトなフィットにより、摩擦力に抗した外力により任意の方向に回動可能であり、外力が解除されたときに現在位置に留まる。受け座16aと回動ボール26aとは、回動ボール26aが受け座16a内で回動することができ、受け座16aから離脱することができない寸法になっている。
【0044】
図8に示すドライヤー本体10は、前筒作動部101と後筒収納部102とが直線状に配置され、前筒作動部101は、送風動作機能を実行するものであり、その後端には図示しない吸気口(図示せず)が形成されている。後筒収納部には、前筒作動部101に電力を供給する電源コード12を収納するための吸気空洞103が形成されている。吸気空洞103は、前筒作動部101の吸気口に連通している。前筒作動部101は、完全な筒状断面を有し、後筒収納部102は、前筒作動部101に対して欠損した筒状断面(扇面)を有する。保持部材20が完全に収縮して後筒収納部102に対して引っ込むと、保持部材20の断面と後筒収容部102の筒状断面とは、形状上、相補的であり、前筒作動部101と一致する完全な筒状断面(円形断面)を形成している。
【0045】
図8には、電源コード12が後筒収納部102の空洞103に収納された後、後筒収納部102の後端を覆うカバー18も示されている。もちろん、カバー18は、電気ドライヤーの後端を完全に覆うように設計されてもよい。
【0046】
図10図12は、本発明の実施例4に係る電気ドライヤーを示し、保持部材20とドライヤー本体10との連結が分離可能な連結であり、図4図6に示す実施例2の磁気アダプター連結方式を採用している。また、電気ドライヤー全体の外形は、1つの完全な円筒であり、保持部材20は、ドライヤー本体10から分離された後、電源コードのようにドライヤー本体10の空洞103内に収容され、カバー18によって覆われる(図11及び図12)。
【0047】
図13は、本発明の実施例5に係る電気ドライヤーを示し、前筒作動部101と後筒収納部102とが一体成形ではなく、ねじや係合等の分離可能又は取り外し可能な連結手段によって連結するという点を除き、上記実施例4と同様の構成を有する。この構造の利点は、後筒収納部102を取り外して使用時に電気式ドライヤーの軽量化を図ることができることである。
【0048】
図14は、本発明の実施例6に係る電気式ドライヤーを示し、上記実施例3、4と同様の構成を有するが、後筒収納部102をなくした点(電気式ドライヤー全体を短くした点)と、保持部材20をドライヤー本体10に対して前方へ吹出口13に向けて反転することができ、電気ドライヤー全体を単一の連続な筒状外形に形成することができるという点で、異なる。
【0049】
当業者には理解されるように、上述の各実施例の特徴は、例えば、実施例1、2の電気ドライヤーには、実施例3、4、5又は6の単一の筒状構成が採用されるように、互いに組み合わせることもできる。
【0050】
(付記)
(付記1)
ドライヤー本体と、これに連結された保持部材とを含む電気ドライヤーであって、保持部材は、自身の形状変化によってハンドルとスタンドとの間で可逆的に移行するように構成されている電気ドライヤー。
【0051】
(付記2)
保持部材は、ドライヤー本体に連結される連結端と、他方の自由端とを有し、自由端は、スタンドとして使用されるときの支持面を増大させるために拡大可能に変形可能に構成されている付記1に記載の電気ドライヤー。
【0052】
(付記3)
保持部材は、その自由端の周りに少なくとも1つのフラップを含み、前記フラップが外側に開かないときにハンドルとして機能し、前記フラップが外側に開いているときにスタンドとして機能する付記2に記載の電気ドライヤー。
【0053】
(付記4)
前記フラップの遠位端にそれぞれ摩擦パッドが設けられている付記3に記載の電気ドライヤー。
【0054】
(付記5)
保持部材は、その縦方向に伸縮可能である付記1に記載の電気ドライヤー。
【0055】
(付記6)
保持部材は、ドライヤー本体に可動に連結されている付記1に記載の電気ドライヤー。
【0056】
(付記7)
保持部材は、ドライヤー本体に分離可能に連結されている付記6に記載の電気ドライヤー。
【0057】
(付記8)
保持部材は、磁性アダプターを介してドライヤー本体に連結されている付記7に記載の電気ドライヤー。
【0058】
(付記9)
アダプターは、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられた鉄球と、鉄球を磁気的に受け入れるために、ドライヤー本体及び保持部材の他方に設けられ、環状磁石を含む受け座とから構成されている付記8に記載の電気ドライヤー。
【0059】
(付記10)
保持部材は、ドライヤー本体に分離不能に連結されている付記6に記載の電気ドライヤー。
【0060】
(付記11)
保持部材は、ヒンジを介してドライヤー本体に枢着されている付記10に記載の電気ドライヤー。
【0061】
(付記12)
ヒンジは、保持部材に設けられた回動可能な軸に固定されている付記11に記載の電気ドライヤー。
【0062】
(付記13)
保持部材は、摩擦ボール機構を介してドライヤー本体に連結されている付記10に記載の電気ドライヤー。
【0063】
(付記14)
摩擦ボール機構は、受け座と、回動ボールと、摩擦パッドとを含み、回動ボールは、その周りの摩擦パッドを介して、受け座にタイトにフィットし且つ分離不能に収納される付記13に記載の電気ドライヤー。
【0064】
(付記15)
受け座は、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられ、回動ボールは、リンクを介してドライヤー本体及び保持部材の他方に連結される付記14に記載の電気ドライヤー。
【0065】
(付記16)
保持部材は、電気ドライヤー全体が非使用時に単一の連続的な筒状の外形を有するように、ドライヤー本体に対して引っ込むことができる付記6に記載の電気ドライヤー。
【0066】
(付記17)
保持部材は、ドライヤー本体に分離不能に連結され、ドライヤー本体の少なくとも一部は、欠損した筒状断面を有し、保持部材がドライヤー本体に対して完全に引っ込むと、保持部材の断面と前記ドライヤー本体の少なくとも一部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、略完全な筒状断面を形成する付記16に記載の電気ドライヤー。
【0067】
(付記18)
ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収納部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部は、完全な筒状断面を有し、後筒収容部は、前筒作動部に対して欠損した筒状断面を有し、保持部材が完全に収縮して後筒収容部に対して引っ込むと、保持部材の断面と後筒収容部の筒状断面とは、形状上、相補的であり、前筒作動部と一致する略完全な筒状断面を形成する付記17に記載の電気ドライヤー。
【0068】
(付記19)
保持部材は、ドライヤー本体に分離可能に連結され、ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収容部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部と後筒収納部とは、略連続して一致する筒状断面形状を有し、後筒収納部は、分離された保持部材を収納するためにも用いられる付記16に記載の電気ドライヤー。
【0069】
(付記20)
後筒収容部は、前筒作動部に取り外し可能に連結されている付記19に記載の電気ドライヤー。
【0070】
(付記21)
前記単一の筒形の外形は、円筒状である付記16に記載の電気ドライヤー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-02-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライヤー本体と、これに連結された保持部材とを含む電気ドライヤーであって、保持部材は、自身の形状変化によってハンドルとスタンドとの間で可逆的に移行するように構成され
保持部材は、磁性アダプターを介してドライヤー本体に分離可能に連結され、
ドライヤー本体は、直線状に配置された前筒作動部と後筒収納部とを有し、送風動作機能を実行するための前筒作動部の後端には、吸気口が形成され、後筒収納部には、前筒作動部に電力を供給する電源コードを収納するための吸気空洞が形成され、吸気空洞は、前筒作動部の吸気口に連通し、前筒作動部と後筒収納部とは、略連続して一致する筒状断面形状を有し、後筒収納部は、分離された保持部材を収納するためにも用いられる電気ドライヤー。
【請求項2】
保持部材は、ドライヤー本体に連結される連結端と、他方の自由端とを有し、自由端は、スタンドとして使用されるときの支持面を増大させるために拡大可能に変形可能に構成されている請求項1に記載の電気ドライヤー。
【請求項3】
保持部材は、その自由端の周りに少なくとも1つのフラップを含み、前記フラップが外側に開かないときにハンドルとして機能し、前記フラップが外側に開いているときにスタンドとして機能する請求項2に記載の電気ドライヤー。
【請求項4】
前記フラップの遠位端にそれぞれ摩擦パッドが設けられている請求項3に記載の電気ドライヤー。
【請求項5】
保持部材は、その縦方向に伸縮可能である請求項1に記載の電気ドライヤー。
【請求項6】
アダプターは、ドライヤー本体及び保持部材の一方に設けられた鉄球と、鉄球を磁気的に受け入れるために、ドライヤー本体及び保持部材の他方に設けられ、環状磁石を含む受け座とから構成されている請求項に記載の電気ドライヤー。
【請求項7】
後筒収容部は、前筒作動部に取り外し可能に連結されている請求項に記載の電気ドライヤー。
【請求項8】
電気ドライヤー全体が単一の連続的な筒状の外形を有し、筒形の外形は、円筒状である請求項に記載の電気ドライヤー。
【国際調査報告】