(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】コーティング組成物用の殺生物性分散体
(51)【国際特許分類】
A01N 25/04 20060101AFI20221005BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20221005BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20221005BHJP
C09D 5/02 20060101ALI20221005BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20221005BHJP
A01N 59/20 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A01N25/04 102
C09D7/61
C09D201/00
C09D5/02
A01P3/00
A01N59/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507444
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 US2020044835
(87)【国際公開番号】W WO2021026121
(87)【国際公開日】2021-02-11
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン,バヴァニ
(72)【発明者】
【氏名】ファザーノ,デイヴィッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ライヴェングッド,ブライアン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ロコウスキー,ジョゼフ マーティン
【テーマコード(参考)】
4H011
4J038
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BB18
4H011BC18
4H011BC19
4H011DA15
4H011DH10
4J038BA021
4J038CG001
4J038DG001
4J038HA066
4J038HA166
4J038HA486
4J038KA06
4J038KA08
4J038MA10
4J038MA14
(57)【要約】
本開示のさまざまな例によれば、殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺生物性分散体であって、
前記殺生物性分散体に対して均一に分散された1つ以上の銅粒子成分;及び
分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物
を含み、
前記銅粒子成分が、前記殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%を構成する、
殺生物性分散体。
【請求項2】
前記1つ以上の銅粒子成分が、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む、実施形態1に記載の殺生物性分散体。
【請求項3】
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、前記殺生物性分散体の約20質量%~約65質量%を構成する、実施形態2に記載の殺生物性分散体。
【請求項4】
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスのサイズの中央値が約1μm~約15μmの範囲である、請求項2に記載の殺生物性分散体。
【請求項5】
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、SiO
2、Al
2O
3、CaO、MgO、P
2O
5、B
2O
3、K
2O、ZnO、Fe
2O
3、又はそれらの混合物を含む無機ガラスを独立して含む、請求項2に記載の殺生物性分散体。
【請求項6】
前記分散剤、前記増粘剤、又はそれらの混合物が、有機溶液又は水溶液を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体。
【請求項7】
前記分散剤、前記増粘剤、又はそれらの混合物が、セルロース、アクリル酸含有ポリマー、ウレタン、又はそれらの混合物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体。
【請求項8】
前記増粘剤を含み、該増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの混合物を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体。
【請求項9】
pH改質剤をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体。
【請求項10】
前記pH改質剤のpKaが約4.7~約14の範囲である、請求項9に記載の殺生物性分散体。
【請求項11】
コーティング組成物であって、
請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体;
1つ以上のエマルション・ポリマー;
第2のpH改質剤;及び
第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒
を含む、コーティング組成物。
【請求項12】
前記1つ以上のエマルション・ポリマーが、少なくとも15,000ダルトンの重量平均分子量を有する、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記コーティング組成物の粘度が、約70KU~約130KUの範囲である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記コーティング組成物のpHが約6~約9.5の範囲である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記コーティング組成物が、細菌、ウイルス、真菌、又はそれらの混合物から選択される微生物を死滅させるように構成される、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
前記コーティング組成物の対数減少が少なくとも約2である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
前記コーティング組成物のCIEL
*a
*b
*デルタE
*が約15未満である、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項18】
前記1つ以上の銅粒子成分と、前記分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物とを合わせて、分散体前駆体を形成するステップ;及び
前記分散体前駆体を混合して殺生物性分散体を形成するステップ
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体の製造方法。
【請求項19】
コーティング組成物の製造方法であって、該方法が、
請求項1から5のいずれか一項に記載の殺生物性分散体を、1つ以上のエマルション・ポリマー、第2のpH改質剤、及び第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒と合わせて、コーティング組成物前駆体を形成するステップ;及び
水性媒体中で前記コーティング組成物前駆体を混合して、前記コーティング組成物を形成するステップ
を含む、方法。
【請求項20】
請求項11に記載のコーティング組成物の乾燥生成物。
【請求項21】
前記乾燥生成物を少なくとも部分的に覆う二次コートをさらに含む、請求項20に記載の乾燥生成物。
【請求項22】
前記二次コートが実質的に多孔性であり、前記銅粒子成分から放出された銅が前記二次コートを通って外部環境に放出されることを可能にする、請求項21に記載の乾燥生成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容全体がここに参照することによって本願に援用される、2019年8月7日出願の米国仮特許出願第62/883,788号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本出願は、コーティング組成物のための殺生物性分散体に関する。
【背景技術】
【0003】
コーティング又は組成物、例えば塗料は、基材又は表面に施すか、あるいは容器に保管することができる。時間の経過とともに、コーティング又は組成物は、細菌、ウイルス、カビ(mildew、mold)、真菌、藻類などの多くの望ましくない夾雑物に晒される可能性がある。これらの夾雑物に晒されると、コーティング又は組成物は、視覚的に魅力がなくなったり、あるいは特定の目的に適さなくなったり、健康に害を及ぼすようになる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、コーティング又は組成物との接触による、望ましくない夾雑物の繁殖する能力を軽減することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のさまざまな例によれば、殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。
【0006】
本開示のさまざまな例によれば、コーティング組成物は、殺生物性分散体を含む。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。コーティングは、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機溶媒又は水性溶媒をさらに含む。
【0007】
本開示のさまざまな例によれば、殺生物性分散体の製造方法が記載される。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。該方法は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスと、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物とを合わせて、分散体前駆体を形成するステップを含む。該方法は、分散体前駆体を混合して殺生物性分散体を形成するステップをさらに含む。
【0008】
本開示のさまざまな例によれば、コーティング組成物の製造方法が記載される。コーティング組成物は殺生物性分散体を含む。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。コーティング組成物は、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機又は水性溶媒をさらに含む。該方法は、殺生物性分散体を、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機溶媒又は水性溶媒と合わせるステップを含む。
【0009】
本開示のさまざまな例によれば、乾燥生成物が記載される。乾燥生成物は、コーティング組成物の乾燥生成物である。コーティング組成物は殺生物性分散体を含む。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。コーティング組成物は、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機又は水性溶媒をさらに含む。
【0010】
本開示のさまざまな例によれば、アセンブリは、基材と、該基材上に分散されたコーティング組成物とを含む。コーティング組成物は殺生物性分散体を含む。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。コーティング組成物は、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機又は水性溶媒をさらに含む。
【0011】
本開示のさまざまな例によれば、アセンブリの製造方法は、基材の少なくとも一部にコーティング組成物を施すことを含む。コーティング組成物は殺生物性分散体を含む。殺生物性分散体は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む。殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物をさらに含む。銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。コーティング組成物は、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機又は水性溶媒をさらに含む。該方法は、殺生物性分散体を、1つ以上のエマルション・ポリマー、pH改質剤、及び有機溶媒又は水性溶媒と合わせるステップを含む。該方法は、その上の組成物を乾燥させるステップをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これより、開示された主題の特定の例を詳細に参照する。開示された主題は、列挙された特許請求の範囲と併せて説明されるが、例示された主題は、特許請求の範囲を開示された主題に限定することを意図していないことが理解されよう。
【0013】
本開示のさまざまな例は、殺生物性分散体に関する。殺生物性分散体は、コーティング組成物に組み込むことができる添加剤として使用して、コーティング組成物に殺生物活性を加えることができる。本明細書に記載される殺生物性分散体は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物中に均一に分散された1つ以上の銅粒子成分を含みうる。例えば、銅粒子成分には、銅粒子含有無機ガラス、銅粒子含有銅酸化物、銅粒子含有銅金属、又はそれらの組合せが含まれうる。銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスのサイズの中央値は、約1μm~約15μm、約3μm~約8μm、約4μm~約6μmの範囲、約1μm、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は約15μmより少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。サイズの中央値は、個々の銅粒子含有無機ガラスの主寸法を分析することによって決定することができる。個々に基づいた主寸法は、個々の銅粒子含有無機ガラスの直径、幅、又は長さの測定値でありうる。
【0014】
銅粒子成分は、殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%、約10質量%~約87質量%、約42質量%~約85質量%の範囲、約3質量%、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、又は約88質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多く、存在しうる。
【0015】
銅粒子含有無機ガラスを含む実施形態では、個々の銅粒子含有無機ガラス成分の無機ガラス部分は、SiO2、Al2O3、CaO、MgO、P2O5、B2O3、K2O、ZnO、Fe2O3、それらのナノ粒子、又はそれらの混合物などの任意の適切な材料を含みうる。銅粒子含有無機ガラスの銅は、任意の適切な量で、個々の銅粒子含有無機ガラス中に存在しうる。例えば、銅は、個々の銅粒子含有無機ガラスの約5質量%~約80質量%、約10質量%~約70質量%、約25質量%~約35質量%、約40質量%~約60質量%、約45質量%~約55質量%の範囲、約5質量%、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は約80質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多く存在しうる。各銅粒子含有無機ガラスにおいて、銅部分は、Cu金属、Cu+、Cu2+、又はCu+とCu2+との組合せを独立して含みうる。銅は、錯体化されていなくてもよく、あるいは配位子を結合させて錯体を形成することもできる。銅粒子含有無機ガラスは殺生物剤として有効であるが、潜在的な欠点は、銅が配位子を付着させる多くの機会を提供し、最終的に組み込まれるコーティング組成物の色を変化させうる錯体をもたらすことである。しかしながら、銅が錯化され、それによってコーティング組成物の色が標準から変化する程度を制限するために、銅粒子含有無機ガラスをさまざまな追加の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0016】
例えば、殺生物性分散体が組み込まれているコーティング組成物では、約15未満、約14未満、約13未満、約12未満、約11未満、約10未満、約9未満、約8未満、約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、約3未満、約2未満、約1未満の、約1~約15、約2~約13、約5~約10、約3~約8、約4~約7、約5~約6の範囲にある、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は約25より少ない、それらに等しい、又はそれらより多い、観察された色と標準との間の(例えば、同じ構成成分であるが、異なる量の銅含有ガラスを含まない、又は含む、分散体又はコーティング)CIEL*a*b*デルタE*を達成することが可能である。理解されているように、CIEL*a*b*カラースケールは色を決定するためのスケールである。この試験を使用して、標準の色と観察された色との色の違い(例えば、デルタE*)を測定することができる。このようにして、コーティングの所望の色がその中の成分によって変化する程度を測定することができる。
【0017】
動作中、殺生物性分散体に由来する銅がコーティング組成物内へと放出され、組成物中の微生物などの望ましくない生物学的夾雑物と相互作用させ、死滅させることができる。銅によって死滅させることができる微生物の例には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、メチシリン耐性(Methicillin Resistant)、大腸菌(E. coli)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、並びにそれらの混合物が含まれる。銅によって死滅させることができるウイルスの例には、インフルエンザH1N1、アデノウイルス5、及びノロウイルスが含まれる。銅によって死滅させることができる真菌の例にはカンジダ・アウリス(Candida auris)が含まれる。殺生物性コーティングとしての分散体又はコーティング組成物の効率は、コーティング組成物の対数減少の関数として測定することができる。コーティング組成物の対数減少値は、それがさらされる生物体を死滅させる能力に関連しうるが、銅含有無機ガラスが保管中に(例えば、限定はしないが、タンク、缶、バケツ、ドラム、瓶、又はチューブなどの容器内で)コーティング組成物の防腐剤として機能することも可能である。
【0018】
さまざまな例によれば、殺生物性分散体又はそれが組み込まれているコーティングの対数減少は、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、約1~約10、約3~約7、約4~約6の範囲、若しくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は約10より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。対数減少値は、微生物による攻撃に対する容器内のエマルション塗料の耐性についてのASTM D2574-16(2016)の標準試験方法に準拠して測定することができる。本明細書に記載される銅成分含有無機ガラスを使用することの利点の一例は、銅が、対応するコーティング組成物に含まれる多くの有機殺生物性化合物よりも腐食性が低く、毒性が少ないことである。
【0019】
殺生物性分散体において、個々の銅粒子成分は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物で分散され、これは、担体液体に少なくとも部分的に溶解する。適切な分散剤には、銅成分の均一な分布を促進することができるものが含まれる。例えば、適切な分散剤又は増粘剤は、かなりの量の銅含有ガラス粒子が堆積物として懸濁液から沈降する可能性を軽減するのに役立ちうる。堆積を防ぐのに役立つ分散剤又は増粘剤の能力は、例えば、ASTM D5590又はASTM D2574などの試験によって決定することができる。したがって、殺生物性分散体は安定した分散体と見なされる。さまざまな例によれば、殺生物性分散体、又は該分散体が組み込まれるコーティング組成物は、約1日~約365日、約5日~約90日の範囲、約1日、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、又は約365日より短い、それらに等しい、又はそれらより長い期間、銅粒子成分の堆積物を含まない可能性がある。限定はしないが、適切な有機分散剤の例には、アクリル酸含有コポリマー、ウレタン、カルボキシレート含有オリゴマー、アミン含有オリゴマー、ホスフェート含有オリゴマー、スルホネート含有オリゴマー、無水物含有オリゴマー、又はそれらの混合物が含まれうる。使用することができる適切な増粘剤の例には、セルロースが含まれる。セルロースの例には、疎水的に修飾されたセルロースが含まれうる。より具体的には、非限定的ではあるが、適切なセルロースの例には、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの混合物が含まれうる。幾つかの例では、分散剤は、水だけでなく、本明細書に記載される構成成分のいずれかを含みうる。例えば、分散剤は、水に分散される、カルボキシレート含有オリゴマー、アミン含有オリゴマー、ホスフェート含有オリゴマー、スルホネート含有オリゴマー、無水物含有オリゴマー、又はそれらの混合物を含みうる。
【0020】
本明細書に述べられているように、殺生物性分散体は、銅粒子成分を効果的に送達するためにコーティング組成物に添加することができる個々の成分でありうる。さまざまな例によれば、銅粒子成分を殺生物性分散体の一部としてコーティング組成物に添加することの非限定的な利点は、銅粒子成分のみをコーティング組成物に直接混合することと比較して、コーティング組成物中の銅粒子成分の分布を改善することができることである。例えば、コーティング組成物自体が特に厚いか、又は粘性である場合、銅粒子成分の直接添加は、混合してコーティング組成物にするのにかなりの労力を要する可能性がある。これは、銅粒子成分が、コーティング組成物への分散を必要とする凝集体として添加されうるためでありうる。対照的に、銅粒子成分が効果的に事前分散されている場合、殺生物性分散体の成分であることにより、コーティング組成物中の銅粒子成分をより容易に又はより迅速に分散させることができる。これは、銅含有ガラス粒子がコーティング組成物と接触する際にすでに分散しているためでありうる。加えて、幾つかの例によれば、銅粒子成分を事前に分散された混合物として含めることにより、銅粒子成分がコーティング組成物により迅速に分散されることにつながりうる。
【0021】
幾つかの例では、殺生物性分散体は、銅粒子成分と、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物とだけを含みうる。しかしながら、さらなる例では、殺生物性分散体は、追加の成分を含んでいてもよい。これらの追加の成分は、殺生物性分散体に特定の望ましい特性を伝えるために選択された成分でありうる。幾つかの例では、殺生物性分散体に添加される追加の成分は、殺生物性分散体が混合されるコーティング組成物中にも存在する成分でありうる。適切な追加の成分の例には、共溶媒、pH改質剤、界面活性剤、消泡剤又は脱泡剤、レオロジー顔料、安定剤、レオロジー改質剤、又はそれらの混合物が含まれうる。適切な共溶媒の例には、本明細書に記載される水性溶媒又は有機溶媒のいずれかが含まれてよく、さらに、イソプロパノール、キシレン、酢酸ブチル、又はそれらの混合物が含まれうる。
【0022】
幾つかの実施形態では、殺生物性分散体は、樹脂又は結合剤(例えば、塗料又はコーティング組成物に用いられる従来の樹脂又は結合剤)を含まないか、又は実質的に含まない。例えば、殺生物性分散体は、樹脂又は結合剤を5質量%未満、1質量%未満、0.5質量%未満、又は0.1質量%未満含む。このような樹脂又は結合剤の例には、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂(例えば、アクリルエステル)、エポキシ樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸(PMMA)、アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、それらのコポリマー、又はそれらの組合せのうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
pH改質剤を使用して、殺生物性分散体のpHを約6~約9.5、約7.5~約9、約7.5~約8.5の範囲、約6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、又は約9.5より少なく、それらに等しく、又はそれらより多く維持することができる。pHをこの範囲に維持することは、銅イオンと、殺生物性分散体又はコーティング組成物中の他の材料との反応性に影響を与えるのに役立ちうる。最終的には、これはコーティング組成物全体の色に影響を与えうる。さらには、殺生物性分散体又はコーティング組成物のpHは、殺生物性分散体又はコーティング組成物の貯蔵寿命及び粘度に影響を与えうる。
【0024】
一又は複数のpH改質剤は、約4.7~約14、約5~約9.5、約6~約9.5、約7~約9.5の範囲、約4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.5、9.6、9.7,9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、又は約14より少ない、それらに等しい、又はそれらより多い、pKaを独立して有しうる。pH改質剤は、殺生物性分散体中に、該殺生物性分散体の約0.1質量%~約5質量%の範囲、約0.5質量%~約2質量%、約1質量%~約1.5質量%、約0.1質量%、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は約5質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多く存在しうる。
【0025】
緩衝液の適切なpH改質剤の特定の非限定的な例には、第1族の水酸化物;第2族の水酸化物;及び、有機アミンの群から選択されるものが含まれる。適切なpH改質剤のさらに特定の非限定的な例には、金属水酸化物、水酸化アンモニウム、及びアミンから選択されるものが含まれ、ここで、アミンは式NH2Rのアミンであり、RはH、OR’、又は-R’-OHからなる群より選択され、R’は-H、アルカン、及びアルキレンからなる群より選択される。適切なpH改質剤の特定のさらなる非限定的な例には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、アンモニア、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-ブチルアミノエタノール、N-メチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、トリエタノールアミンが含まれる。適切なpH改質剤の特定のさらなる非限定的な例には、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つと、2-アミノ-2メチル-1-プロパノール及びアンモニアのうちの少なくとも1つとの混合物が含まれ、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つ、又はそれらの混合物は、pH改質剤混合物の主成分である。幾つかの例では、アンモニア又はアミンを含むpH改質剤を避けることが望ましい場合がある。これは、アンモニア及びアミンが銅との望ましくない反応に関与し、殺生物性分散体に望ましくない色を生成する可能性があるためである。
【0026】
消泡剤又は脱泡剤を使用して、殺生物性分散体が気泡の形成又は安定化を回避するのに役立てることができる。幾つかの例では、気泡は湿潤状態での銅の望ましくない酸化を引き起こしうるため、気泡は損傷を与える可能性がある。次に、殺生物性分散体からコーティング組成物に伝達される気泡は、最終的にコーティング組成物から形成される、結果として生じる膜に欠陥を引き起こす可能性がある。消泡剤又は脱泡剤には、ミネラルオイル、シリコーン、シロキサン、リン酸塩、脂肪アルコール、脂肪酸又はエステル、ポリエチレングリコール又はポリアクリレートが含まれうる。さらなる例によれば、消泡剤又は脱泡剤はシリコーンを含まない場合がある。シリコーンは銅成分含有無機ガラス中の銅の分布を不利に変える可能性があるため、消泡剤又は脱泡剤がシリコーンを含まないことは有益でありうる。消泡剤又は脱泡剤は、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%、約1質量%~約10質量%の範囲、約0.5質量%、1、5、10、15、20、25、30、35、又は約40質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。
【0027】
殺生物性分散体は、粘土成分などのレオロジー顔料、例えば、アタパルジャイト、ラポナイト、ベントナイト、又はそれらの混合物をさらに含みうる。レオロジー顔料の他の例は、ヒュームドシリカを含みうる。レオロジー顔料は、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%、約1質量%~約10質量%の範囲、約0.5質量%、1、5、10、15、20、25、30、35、又は約40質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。幾つかの例では、レオロジー顔料は、殺生物性分散体中のレオロジー改質剤又は増粘剤成分の一部でありうる。存在する場合、レオロジー改質剤は、コーティング組成物の約0.1質量%~約5質量%、約0.5質量%~約2質量%、約0.7質量%~約1.5質量%、約1質量%~約1.25質量%の範囲、約0.1質量%、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又は約5質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。適切なレオロジー改質剤の例には、本明細書に記載されるレオロジー顔料、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルカリ膨潤性エマルション、疎水的に修飾されたエトキシル化ウレタン、疎水的に修飾された類似体、それらの天然ガム又は合成ガム、若しくはそれらの混合物のいずれかを含む増粘剤が含まれる。
【0028】
本明細書に述べられているように、レオロジー改質剤は、殺生物性分散体の粘度を制御することができる。さまざまな例によれば、殺生物性分散体の粘度は、約70KU(クレブス単位)~約130KU、約75KU~約120KU、約80KU~約115KU、約90KU~約110KU、約95KU~約105KUの範囲、約70KU、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、又は約130KUより少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなるように制御することができる。粘度は、Brookfield KU-2粘度計などの適切な機器を使用して測定することができる。制御することができる殺生物性分散体の他のレオロジー特性には、貯蔵中の沈降及びシネレシスに対して耐性のある殺生物性分散体の能力が含まれうる。
【0029】
殺生物性分散体は安定剤をさらに含みうる。安定剤は、有機リン酸塩、リン酸アンモニウム、トリポリリン酸カリウム、又はそれらの混合物などの成分を含みうる。安定剤は、殺生物性分散体の約0.5質量%~約20質量%、約2質量%~約10質量%の範囲、約0.5質量%、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は約20質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。
【0030】
殺生物性分散体は、さまざまな方法に従って容易に調製することができる。例えば、本明細書に記載される成分のいずれかを組み合わせて、殺生物性分散体前駆体にすることができる。前駆体をしばらくの間混合し、殺生物性分散体を形成することができる。殺生物性分散体は、ほぼ室温(例えば、25℃)を含む任意の温度で混合することができる。殺生物性分散体が調製された後、それをコーティング組成物に組み込むことができる。
【0031】
ひとたび殺生物性分散体がコーティング組成物に組み込まれると、銅粒子成分(例えば、銅成分含有ガラス)の濃度は、コーティング組成物の約0.01質量%~約15質量%、約2質量%~約8質量%、約0.1質量%~約2質量%、約0.5質量%~約1質量%の範囲、約0.01質量%、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、10.2、10.4、10.6、10.8、11、11.2、11.4、11.6、11.8、12、12.2、12.4、12.6、12.8、13、13.2、13.4、13.6、13.8、14、14.2、14.4、14.6、14.8、又は約15質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。
【0032】
コーティング組成物の追加の成分は、共溶媒、分散剤、増粘剤、pH改質剤、界面活性剤、消泡剤又は脱泡剤、レオロジー顔料、安定剤、レオロジー改質剤、又はそれらの混合物などの殺生物性分散体に関して本明細書に記載される追加の成分のいずれかを含みうる。これらの追加の成分は、殺生物性分散体に関して本明細書に記載されているものと実質的に一致する濃度範囲でコーティング組成物中に存在することができる。幾つかの例では、コーティング組成物は、殺生物性分散体と混合される前に、殺生物性コーティングに見られる追加の成分のいずれか1つ又は追加の成分の混合物を含むことができる。これらの例では、コーティング組成物に見られる追加の成分のいずれかは、殺生物性分散体の追加の成分の「第2の」バージョンと見なすことができる。例えば、コーティング組成物は、第2の共溶媒、第2のpH改質剤、第2の界面活性剤、第2の消泡剤又は脱泡剤、第2のレオロジー顔料、第2の安定剤、第2のレオロジー改質剤、若しくはそれらの混合物を含みうる。存在する場合、第2の共溶媒、第2のpH改質剤、第2の界面活性剤、第2の消泡剤又は脱泡剤、第2のレオロジー顔料、第2の安定剤、若しくは第2のレオロジー改質剤は、殺生物性分散体の対応するものと同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。
【0033】
コーティング組成物は、1つ以上のエマルション・ポリマーとも呼ばれる、乳化重合によって形成又は生成されたラテックスポリマーを含むことができる。さまざまなさらなる例によれば、ポリマーはまた、溶液プロセスによって製造され、次いで反転又は水に分散されたものを含むことができる。ポリマーのさらなる例は、非水性分散体を含みうる。1つ以上のエマルション・ポリマーは、約-200mV~約200mV、約-175mV~約175mV、約-150mV~約150mV、約-125mV~約125mV、約-100mV~約100mV、約-75mV~約75mV、約-50mV~約50mV、約-40mV~約40mV、約-30mV~約30mV、約-25mV~約25mV、約-20mV~約20mV、約15mV~約15mV、約-9mV~約9mV、約-8mV~約8mV、約-7mV~約7mV、約-6mV~約6mV、約-5mV~約5mV、約-4mV~約4mV、約-3mV~約3mV、約-2mV~約2mV、約-1mV~約1mVの範囲、約-200mV、-190、-185、-180、-175、-170、-165、-160、-155、-150、-145、-140、-135、-130、-125、-120、-115、-110、-105、-100、-95、-90、-85、-80、-75、-70、-65、-60、-55、-50、-45、-40、-35、-30、-29、-28、-27、-26、-25、-24、-23、-22、-21、-20、-19、-18、-17、-16、-15、-14、-13、-12、-11、-10、-9、-8、-7、-6、-5、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、又は約200mVより少ない、それらに等しい、又はそれらより多い酸化還元電位を独立して有しうる。1つ以上のエマルション・ポリマーの酸化還元電位の制御は、銅粒子成分の安定性を高め、変色を最小限に抑えるのに役立ちうる。コーティング組成物が1つ以上のエマルション・ポリマーを含む例では、ポリマーは、少なくとも約15,000ダルトン、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも約100,000ダルトン、少なくとも約500,000ダルトン、少なくとも約1,000,000ダルトン、約25,000ダルトン~約10,000,000ダルトン、約60,000ダルトン~約2,000,000ダルトン、約100,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの範囲、約15,000ダルトン、25,000、50,000、75,000、100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、225,000、250,000、275,000、300,000、325,000、350,000、375,000、400,000、425,000、450,000、475,000、500,000、1,000,000、2,000,000、3,000,000、4,000,000、5,000,000、6,000,000、7,000,000、8,000,000、9,000,000、又は約10,000,000ダルトンより少ない、それらに等しい、又はそれらより多い、重量平均分子量を独立して有しうる。
【0034】
さまざまな例によれば、エマルション・ポリマーは、重合性リン含有モノマー、アセトアセトキシ官能性アクリレート、アセトアセトキシ官能性メタクリレート、アセトアセトキシ-エチルメタクリレート、又はそれらの混合物を含みうるモノマーに由来する1つ以上の繰り返し単位を含みうる。適切な重合性リン含有モノマーの例には、式I、式II、又はそれらの混合物に従う構造を有するものが含まれる:
【0035】
【0036】
式I又は式IIのいずれかにおいて、R1、R2、R3、R4、及びR5は、-H、-OH、及び置換又は非置換の(C1~C20)ヒドロカルビルから独立して選択することができ、少なくとも1つの不飽和の重合性基を独立して含みうる。さらなる例では、R1、R2、R3、R4、及びR5は、-H、-OH、置換又は非置換の(C1~C20)アルキル、置換又は非置換の(C1~C20)アルケニル、置換又は非置換の(C1~C20)アルキニル、置換又は非置換の(C1~C20)アルコキシ、置換又は非置換の(C1~C20)アシル、置換又は非置換の(C1~C20)シクロアルキル、置換又は非置換の(C1~C20)アリール、及びそれらの混合物から独立して選択される。重合性リン含有モノマーの具体例には、ビニルホスホン酸モノマー、アリルホスホン酸モノマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンホスホン酸モノマー、α-ホスホノスチレンモノマー、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンホスホン酸モノマー、1,2-エチレン性不飽和(ヒドロキシ)ホスフィニルアルキル(メタ)アクリレートモノマー、(ヒドロキシ)ホスフィニルメチルメタクリレート、二水素ホスフェートモノマー(例えば、2-ホスホエチル(メタ)アクリレート、2-ホスホプロピル(メタ)アクリレート、3-ホスホプロピル(メタ)アクリレート、及び3-ホスホ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択されるモノマー)、又はそれらの混合物が含まれうる。
【0037】
アセトアセトキシ-エチルメタクリレートモノマーは、エマルション・ポリマーの繰り返し単位でありうる。リン酸アクリレートモノマー及びアセトアセトキシ-エチルメタクリレートは、銅イオンを除去し、さらに銅イオンと反応して、銅成分含有無機ガラスから銅イオンをゆっくりと制御放出することができることから、ポリマー組成物中の有用なモノマーでありうる。さらには、アセトアセトキシ-エチルメタクリレートによる銅の捕捉は、ある特定の条件下で銅を放出可能にするアセトアセトキシ-エチルメタクリレート構造のペンダント性質に起因して、色の生成を減じるのに役立ちうる。
【0038】
コーティング組成物はさまざまな開始剤を含みうる。開始剤は水溶性であってよく、例えば、過硫酸ナトリウム(Na2S2O8)及び過硫酸カリウム(K2S2O8);過酸化水素及びtert-ブチルヒドロペルオキシド(t-BHP)などの過酸化物;並びに、アゾ化合物、例えば、米国デラウェア州ウィルミントン所在のChemours Companyから入手可能な、VAZO(商標)開始剤という商品名の下で入手可能なものなどを含みうる。コーティング組成物は、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、及びエチレンジアミン四酢酸第二鉄などの活性剤をさらに含むことができる。
【0039】
幾つかの例によれば、本明細書に記載されるコーティング組成物は、キレート剤を含まなくてもよい。キレート剤は、コーティング組成物の成分を結合するように機能することができ、これは、成分を溶液中に保持するか、又はある特定の成分が望ましくない反応に関与するのを防ぐのに役立てることができる。しかしながら、キレート剤は銅と結合する又は錯体を形成することも可能であることから、銅が殺生物剤として不適切になる。キレート剤が含まれている場合、銅粒子成分の銅と錯体を形成しないか、又は銅が殺生物剤として機能できない程度に反応しない、ある特定のキレート剤を慎重に選択することが重要になりうる。特定の用途に応じて使用できるかどうかにかかわらず、適切なキレート剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。
【0040】
さまざまな例によれば、コーティング組成物は、顔料、着色剤、又は増量剤を含みうる、1つ以上の顔料を含むことができる。着色剤は、例えばコーティング組成物が塗料組成物である場合、コーティング組成物にその色を与えることができる。存在する場合、顔料、増量剤、又は着色剤のいずれかは、独立して、コーティング組成物の約0.1質量%~約30質量%、約0.2質量%~約10質量%、約0.5質量%~約7質量%、約0.6質量%~約5質量%、約0.7質量%~約1質量%の範囲、約0.1質量%、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、又は30質量%より少なく、それらに等しく、又はそれらより多くなりうる。コーティング組成物に含めることができる多くの適切な顔料、着色剤、又は増量剤が存在する。例えば、適切な増量剤には、レオロジー顔料、タルク、アルミニウム三水和物、硫酸バリウム、霞石閃長岩、CaCO3、シリカ、平坦化剤、酸化亜鉛、又はそれらの混合物が含まれる。顔料の一例はTiO2を含みうる。幾つかの例によれば、マンガンは銅と反応可能であり、したがって銅を殺生物剤として不十分なものにしうることから、コーティング組成物は、マンガンを含む着色剤を含まないことが望ましい場合がある。さまざまな例によれば、レオロジー顔料は、コーティング組成物において追加の所望の特性をさらに促進することができる顔料として機能しうる。例えば、レオロジー顔料は、粘土のグレードであるアタパルジャイトなどの粘土を含んでおり、コーティング組成物の粘度を高めることができるレオロジー改質剤として使用することができる。幾つかの例によれば、粘土は、含水フィロケイ酸アルミニウム、及び幾つかの例では、鉄、マグネシウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの混合物を含みうる。
【0041】
本明細書に記載されるコーティング組成物は、任意の適切な方法に従って形成することができる。例えば、本明細書に記載されるコーティング組成物は、殺生物性分散体とともに、本明細書に記載される成分の任意の組合せ又は部分組合せを組み合わせて、コーティング組成物前駆体を形成することによって形成することができる。次に、コーティング組成物前駆体を、水性媒体中で低剪断又は高剪断で混合して、コーティング組成物を形成することができる。さらなる例では、殺生物性分散体を除き、コーティング組成物のすべての成分は、粉末混合物として存在しうる。粉末混合物を混合し、次に水又は有機溶媒を添加して成分を分散させ、液体コーティング組成物を形成することができる。
【0042】
コーティング組成物を乾燥させて、乾燥生成物を形成することができる。乾燥生成物は、任意の所望の厚さを有する膜又は層でありうる。乾燥は、コーティング組成物を周囲条件に単に曝露することによって達成することができる。幾つかの例では、乾燥生成物又は半乾燥生成物でさえ、二次的な硬化後手順に晒すことが望ましい場合がある。さまざまな例によれば、乾燥手順又は二次的な硬化後手順は、コーティング組成物を熱、湿度の低下、若しくは空気流又は太陽放射の増加に晒すことによって達成又は支援することができる。
【0043】
最終的な乾燥生成物では、銅成分含有無機ガラスが乾燥生成物に対して不均一に分布していることが望ましい場合がある。例えば、乾燥生成物の表面に近接して配置された銅成分含有無機ガラスの大部分を有することが望ましい場合がある。例えば、乾燥生成物では、銅粒子成分の50質量%超は、乾燥生成物の表面によって画成される平面と、乾燥生成物の中心を通って延びる実質的に平行な平面との間に見出されうる。例えば、銅粒子成分の約50質量%~約100質量%(又は約55質量%~約95質量%、約60質量%~約90質量%、約65質量%~約85質量%、約70質量%~約80質量%、約55質量%、60、65、70、75、80、85、90、95、又は約100質量%より少ない、それらに等しい、又はそれらより多い量)が、乾燥生成物の表面に近接して配置されうる。銅粒子成分の大部分を乾燥生成物の表面に近接して配置することは、乾燥生成物が曝露される微生物に対する銅のアクセスを増加させるためには望ましい場合がある。
【0044】
幾つかの例によれば、乾燥生成物は、該乾燥生成物を実質的に覆う材料の二次コートをさらに含むことができる。コートは、シーラント材料の二次コート又は底部プライマーコートでありうる。幾つかの例によれば、乾燥生成物を覆うコートは、銅粒子成分から放出された銅がコートを通って外部環境へと放出可能にするために、実質的に多孔性でありうる。さらなる例では、乾燥生成物は、表面又は別の製品に施されるトップコートでありうる。幾つかの例では、乾燥生成物がトップコートである場合、コーティング組成物は、それがコーティングされる製品の表面に、噴霧コーティング、ブラッシング、ローラコーティング、カーテンコーティングされる、又はそれらの組合せを行うことができる。
【0045】
乾燥生成物を形成するコーティング組成物は、基材に施すことができる。例えば、コーティング組成物が塗料である場合、コーティング組成物は、木材、プラスチック、金属、セラミック、石、セメント、乾式壁を含む基材に塗布することができる。幾つかの例では、プライマー材料を基材に施すことができ、コーティング組成物をその上に施すことができる。幾つかの例では、コーティング組成物は、以前にコーティングされた、又は風雨にさらされた表面に施すことができる。
【実施例】
【0046】
実施例
本開示のさまざまな例は、例示として提供される以下の実施例を参照することによってよりよく理解することができる。本開示は、本明細書に与えられる実施例に限定されない。
【0047】
実施例1:銅含有ガラスと疎水的に修飾されたセルロースとを含む殺生物性分散体の安定性。
【0048】
米国ニューヨーク州コーニング所在のCorning Incorporatedから入手可能なGuardiant(商標)という商品名の下で入手可能な銅含有ガラスと、米国ケンタッキー州コビントン所在のAshland Specialty Chemical Companyから入手可能なNatrosol plus 330 PA(商標)という商品名の下で入手可能な疎水的に修飾されたセルロースとを含む殺生物性分散体の安定性を、各成分の質量パーセントを変化させることによって研究した。結果を下記表1に示す。表1において、「Y」は安定した懸濁液(例えば、堆積がない)を示し、「N」は不安定な懸濁液(例えば、堆積が存在する)を示し、「N/A」は混合物を試験しなかったことを示している。
【0049】
【0050】
実施例2:Natrosol plus 330 PA(商標)及びGuardiant(商標)を含む組成物の最小殺菌濃度の決定
殺生物性分散体の最小殺菌濃度を決定するために、Guardiant(商標)を含む1gの組成物を得た。試料1は、10質量%のGuardiant(商標)と脱イオン水を含み、試料2は、10質量%のGuardiant(商標)と1.5質量%のNatrosol plus 330 PA(商標)を含んでいた。試料3は、10質量%のGuardiant(商標)と1質量%のNatrosol plus 330 PA(商標)(50%に希釈)を含んでいた。試料4は、10質量%のGuardiant(商標)と1質量%のNatrosol plus 330 PA(商標)を含んでいた。試料5は、Guardiant(商標)は含まないが、1.5質量%のNatrosol plus 330 PA(商標)を含んでいた。
【0051】
各1gの試料について、10本のマイクロ遠心チューブを追加のブランクチューブとともに準備した。900μLのTryptic Soyブロスを各チューブに追加した(1000μLのブロスを含んだブランクを除く)。10本のマイクロ遠心チューブのうちの1本をボルテックス撹拌し、100μLのブロスを取り出し、第2のチューブに加えた。残りのマイクロ遠心チューブ(ブランクを除く)についてこれを繰り返し、段階希釈した。50μLの緑膿菌を各マイクロ遠心チューブ(ブランクを含む)に加えた。マイクロ遠心チューブを37℃で24時間インキュベートした後、各チューブの内容物100μLを取り出し、プレーティングした。プレートを37℃で24時間インキュベートした後、プレートのコロニーを観察した。結果を表2に示す。表2において、「-」は細菌の回復がないことを示し、「+」は微量汚染(<10コロニー)を示し、「++」は軽い汚染(<100コロニー)を示し、「+++」は重度の汚染(継続的なスミア又は増殖)を示している。
【0052】
【0053】
実施例3:銅含有ガラスとセルロースとを含む殺生物性分散体の安定性。
【0054】
Guardiant(商標)と米国ケンタッキー州コビントン所在のAshland Specialty Chemical Companyから入手可能なNatrosol 250 MHR(商標)という商品名の下で入手可能なセルロースとを含む殺生物性分散体の安定性を、各成分の質量パーセントを変化させることによって研究した。結果を下記表3に示す。表3において、「Y」は安定した懸濁液(例えば、堆積がない)を示し、「N」は不安定な懸濁液(例えば、堆積が存在する)を示し、「N/A」は混合物を試験しなかったことを示している。
【0055】
【0056】
実施例4:銅含有ガラスとアクリル酸とを含む殺生物性分散体の安定性。
【0057】
Guardiant(商標)と米国ミシガン州ミッドランドヒルズ所在のDow Chemicalから入手可能なAcrysol ASE-60(商標)という商品名の下で入手可能なアルカリ可溶性エマルションとを含む殺生物性分散体の安定性を、各成分の質量パーセントを変化させることによって研究した。緩衝液を加えて、pHを約3~約6の範囲の所望の値にした。結果を下記表4に示す。表4において、「Y」は安定した懸濁液(例えば、堆積がない)を示し、「N」は不安定な懸濁液(例えば、堆積が存在する)を示している。
【0058】
【0059】
実施例5:Acrysol ASE-60(商標)及びGuardiant(商標)を含む組成物の最小殺菌濃度の決定
最小の殺菌性を決定するために、試料を調製した。試料は、20質量%のGuardiant(商標)及びAcrysol ASE-60(商標)を含んでいた。試料には、追加のブランクチューブとともに10本のマイクロ遠心チューブを準備した。500μLの1:500 DI水:Tryptic Soyブロスを各チューブ(500μLのブロスを含んだブランクを除く)に追加した。10本のマイクロ遠心チューブのうちの1本をボルテックス撹拌し、100μLのブロスを取り出し、第2のチューブに加えた。残りのマイクロ遠心チューブ(ブランクを除く)についてこれを繰り返し、段階希釈した。50μLの緑膿菌を各マイクロ遠心チューブ(ブランクを含む)に加えた。マイクロ遠心チューブを37℃で24時間インキュベートした後、各チューブの内容物100μLを取り出し、プレーティングした。プレートを37℃で24時間インキュベートした後、プレートのコロニーを観察した。結果を表5に示す。表5において、「-」は細菌の回復がないことを示し、「+」は微量汚染(<10コロニー)を示し、「++」は軽い汚染(<100コロニー)を示し、「+++」は重度の汚染(継続的なスミア又は増殖)を示している。
【0060】
【0061】
用いられている用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、示され記載された特徴又はその一部の同等物を除外する用語及び表現の使用には意図は存在しないが、本開示の実施例の範囲内でさまざまな修正が可能であることが認識される。したがって、本開示は特定の実施例及び任意選択的な特徴によって具体的に開示されているが、当業者は、本明細書に開示される概念の修正及び変形を用いることができ、そのような修正及び変形は、本開示の実施例の範囲内であると見なされるものと理解されたい。
【0062】
追加の実施例。
【0063】
以下に例示的な実施例が提供されているが、その番号付けは、重要性のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
【0064】
実施例1は、殺生物性分散体を提供し、該殺生物性分散体は、
銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラス;及び
分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物
を含み、
銅含有無機ガラスは、殺生物性分散体に対して均一に分散され、かつ殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%の範囲である。
【0065】
実施例2は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが殺生物性分散体の約42質量%~約85質量%の範囲である、実施例1に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0066】
実施例3は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、殺生物性分散体の約10質量%~約22質量%の範囲である、実施例2に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0067】
実施例4は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスのサイズの中央値が、約1μm~約15μmの範囲である、実施例1~3のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0068】
実施例5は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスのサイズの中央値が、約3μm~約8μmの範囲である、実施例1~4のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0069】
実施例6は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、SiO2、Al2O3、CaO、MgO、P2O5、B2O3、K2O、ZnO、Fe2O3、又はそれらの混合物を含む無機ガラスを独立して含む、実施例1~5のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0070】
実施例7は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、SiO2ナノ粒子、アルミナナノ粒子、又はそれらの混合物を含む無機ガラスを独立して含む、実施例1~6のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0071】
実施例8は、銅が、独立して、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスの約25質量%~約40質量%の範囲である、実施例1~7のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0072】
実施例9は、銅が、独立して、Cu金属、Cu+、Cu2+、又はCu+とCu2+との組合せである、実施例1~8のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0073】
実施例10は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物が、有機溶液又は水溶液を含む、実施例1~9のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0074】
実施例11は、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物が、セルロース、アクリル酸含有ポリマー、ウレタン、又はそれらの混合物を含む、実施例1~10のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0075】
実施例12は、増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの混合物を含む、実施例1~11のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0076】
実施例13は、pH改質剤をさらに含む、実施例1~12のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0077】
実施例14は、pH改質剤のpKaが約4.7~約14の範囲である、実施例13に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0078】
実施例15は、pH改質剤のpKaが約7~約9の範囲である、実施例13又は14に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0079】
実施例16は、pH改質剤が、殺生物性分散体の約0.01質量%~約5質量%の範囲である、実施例13~15のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0080】
実施例17は、pH改質剤が、殺生物性分散体の約0.1質量%~約1.3質量%の範囲である、実施例13~16のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0081】
実施例18は、pH改質剤が、第I族の水酸化物;第II族の水酸化物;及び、有機アミンからなる群より選択される、実施例13~17のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0082】
実施例19は、pH改質剤が、金属水酸化物、水酸化アンモニウム、及びアミンから選択され、アミンが式NH2Rのアミンであり、RがH、OR’、又は-R’-OHからなる群より選択され、R’がH、アルカン、及びアルキレンからなる群より選択される、実施例13~18のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0083】
実施例20は、pH改質剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、2-アミノ-2メチル-1-プロパノール、アンモニア、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-ブチルアミノエタノール、N-メチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、トリエタノールアミン、又はそれらの混合物を含む、実施例13~19のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0084】
実施例21は、pH改質剤が、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つと、2-アミノ-2メチル-1-プロパノール及びアンモニウムのうちの少なくとも1つとの混合物を含み、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つ、又はそれらの混合物が、pH改質剤混合物の主成分である、実施例13~20のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0085】
実施例22は、殺生物性分散体が溶媒をさらに含む、実施例1~21のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0086】
実施例23は、溶媒が水性溶媒又は有機溶媒である、実施例22に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0087】
実施例24は、有機溶媒が、イソプロパノール、キシレン、酢酸ブチル、又はそれらの混合物を含む、実施例23に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0088】
実施例25は、界面活性剤をさらに含む、実施例1~24のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0089】
実施例26は、界面活性剤が、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%の範囲である、実施例25に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0090】
実施例27は、界面活性剤が、殺生物性分散体の約1質量%~約10質量%の範囲である、実施例25又は26に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0091】
実施例28は、消泡剤又は脱泡剤をさらに含む、実施例1~27のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0092】
実施例29は、消泡剤又は脱泡剤が、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%の範囲である、実施例28に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0093】
実施例30は、消泡剤又は脱泡剤が、殺生物性分散体の約1質量%~約10質量%の範囲である、実施例28又は29のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0094】
実施例31は、粘土、シリカ、又はそれらの混合物をさらに含む、実施例1~30のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0095】
実施例32は、粘土が、アタパルジャイト、ラポナイト、ベントナイト、又はそれらの混合物を含み、シリカがヒュームドシリカを含む、実施例31に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0096】
実施例33は、粘土、シリカ、又はそれらの混合物が、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%の範囲である、実施例31又は32に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0097】
実施例34は、粘土が、殺生物性分散体の約1質量%~約10質量%の範囲である、実施例31~33のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0098】
実施例35は、安定剤をさらに含む、実施例1~34のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0099】
実施例36は、安定剤が、有機リン酸塩、リン酸アンモニウム、トリポリリン酸カリウム、又はそれらの混合物を含む、実施例35に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0100】
実施例37は、消泡剤又は脱泡剤が、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%の範囲である、実施例35又は36に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0101】
実施例38は、消泡剤又は脱泡剤が、殺生物性分散体の約1質量%~約10質量%の範囲である、実施例35~37のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0102】
実施例39は、レオロジー改質剤をさらに含む、実施例1~38のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0103】
実施例40は、レオロジー改質剤が、殺生物性分散体の約0.5質量%~約40質量%の範囲である、実施例39に記載の殺生物性分散体を提供する。
【0104】
実施例41は、レオロジー改質剤が、殺生物性分散体の約1質量%~約10質量%の範囲である、実施例39又は40のいずれかに記載の殺生物性分散体を提供する。
【0105】
実施例42は、コーティング組成物を提供し、該コーティング組成物は、
実施例1~41のいずれかに記載の殺生物性分散体;
1つ以上のエマルション・ポリマー;
第2のpH改質剤;及び
第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒
を含む。
【0106】
実施例43は、1つ以上のエマルション・ポリマーが、少なくとも15,000ダルトンの重量平均分子量を有する、実施例42に記載のコーティング組成物を提供する。
【0107】
実施例44は、1つ以上のエマルション・ポリマーが、少なくとも1,000,000ダルトンの重量平均分子量を有する、実施例42又は43に記載のコーティング組成物を提供する。
【0108】
実施例45は、1つ以上のエマルション・ポリマーが、約15,000ダルトン~約5,000,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する、実施例42~44のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0109】
実施例46は、1つ以上のエマルション・ポリマーが、約100,000ダルトン~約1,000,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する、実施例42~45のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0110】
実施例47は、1つ以上のエマルション・ポリマーが、重合性リン含有モノマー、アセトアセトキシ官能性アクリレート、アセトアセトキシ官能性メタクリレート、アセトアセトキシ-エチルメタクリレート、又はそれらの混合物に由来する繰り返し単位を含む、実施例42~46のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0111】
実施例48は、重合性リン含有モノマーが、式I、式II、又はそれらの混合物に従う構造を含む、実施例47に記載のコーティング組成物を提供する:
【0112】
【0113】
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、-H、-OH、及び少なくとも1つの不飽和を含む置換又は非置換の(C1~C20)ヒドロカルビルから独立して選択され、R1、R2、R3、R4、及びR5は重合性基である]。
【0114】
実施例49は、R1、R2、R3、R4、及びR5が、-H、-OH、置換又は非置換の(C1~C20)アルキル、置換又は非置換の(C1~C20)アルケニル、置換又は非置換の(C1~C20)アルキニル、置換又は非置換の(C1~C20)アルコキシ、置換又は非置換の(C1~C20)アシル、置換又は非置換の(C1~C20)シクロアルキル、置換又は非置換の(C1~C20)アリール、及びそれらの混合物から独立して選択される、実施例48に記載のコーティング組成物を提供する。
【0115】
実施例50は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、コーティング組成物の約0.5質量%~約25質量%の範囲である、実施例42~49のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0116】
実施例51は、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、コーティング組成物の約1質量%~約5質量%の範囲である、実施例50に記載のコーティング組成物を提供する。
【0117】
実施例52は、殺生物性分散体の第2のpH改質剤が、実施例42~51のいずれかに記載のコーティング組成物と同じpH改質剤である、実施例50又は51のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0118】
実施例53は、第2のpH改質剤のpKaが約4.7~約14の範囲である、実施例42~52のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0119】
実施例54は、第2のpH改質剤のpKaが約7~約9の範囲である、実施例42~53のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0120】
実施例55は、第2のpH改質剤が、コーティング組成物の約0.1質量%~約5質量%の範囲である、実施例42~54のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0121】
実施例56は、第2のpH改質剤が、コーティング組成物の約0.1質量%~約1.3質量%の範囲である、実施例42~55のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0122】
実施例57は、第2のpH改質剤が、第I族の水酸化物;第II族の水酸化物;及び、有機アミンからなる群より選択される、実施例42~56のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0123】
実施例58は、第2のpH改質剤が、金属水酸化物、水酸化アンモニウム、及びアミンから選択され、該アミンが式NH2R’’のアミンであり、R’’がH、OR’’’、又は-R’’’-OHからなる群より選択され、R’’’がH、アルカン、及びアルキレンからなる群より選択される、実施例42~57のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0124】
実施例59は、第2のpH改質剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、2-アミノ-2メチル-1-プロパノール、アンモニア、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-ブチルアミノエタノール、N-メチルエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N-ブチルジエタノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、トリエタノールアミン、又はそれらの混合物を含む、実施例42~58のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0125】
実施例60は、第2のpH改質剤が、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つと、2-アミノ-2メチル-1-プロパノール及びアンモニウムのうちの少なくとも1つとの混合物を含み、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つ、又はそれらの混合物がpH改質剤混合物の主成分である、実施例42~59のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0126】
実施例61は、少なくとも1つの着色剤をさらに含む、実施例42~60のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0127】
実施例62は、着色剤が、コーティング組成物の約0.1質量%~約22質量%の範囲である、実施例61に記載のコーティング組成物を提供する。
【0128】
実施例63は、着色剤が、コーティング組成物の約1質量%~約5質量%の範囲である、実施例61又は62に記載のコーティング組成物を提供する。
【0129】
実施例64は、少なくとも1つの増量剤をさらに含む、実施例42~63のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0130】
実施例65は、増量剤が、コーティング組成物の約0.1質量%~約15質量%の範囲である、実施例64に記載のコーティング組成物を提供する。
【0131】
実施例66は、増量剤が、コーティング組成物の約1質量%~約5質量%の範囲である、実施例64又は65に記載のコーティング組成物を提供する。
【0132】
実施例67は、顔料又は増量剤が、粘土、タルク、TiO2、アルミニウム三水和物、霞石閃長岩、CaCO3、シリカ、平坦化剤、硫酸バリウム、酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含む、実施例42~66のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0133】
実施例68は、少なくとも1つの顔料をさらに含む、実施例42~67のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0134】
実施例69は、顔料が、コーティング組成物の約0.1質量%~約30質量%の範囲である、実施例68に記載のコーティング組成物を提供する。
【0135】
実施例70は、顔料が、コーティング組成物の約1質量%~約5質量%の範囲である、実施例68又は69に記載のコーティング組成物を提供する。
【0136】
実施例71は、顔料がTiO2である、実施例68~70のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0137】
実施例72は、第2の消泡剤又は脱泡剤をさらに含む、実施例42~71のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0138】
実施例73は、第2の消泡剤又は脱泡剤がシリコーンを含まない、実施例72に記載のコーティング組成物を提供する。
【0139】
実施例74は、第2の消泡剤又は脱泡剤が、実施例72又は73のいずれかに記載の消泡剤又は脱泡剤と同じである、実施例31~71のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0140】
実施例75は、第2のレオロジー改質剤をさらに含む、実施例42~74のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0141】
実施例76は、第2のレオロジー改質剤が、コーティング組成物の約0.1質量%~約5質量%の範囲である、実施例75に記載のコーティング組成物を提供する。
【0142】
実施例77は、第2のレオロジー改質剤が、コーティング組成物の約1質量%~約4質量%の範囲である、実施例75又は76に記載のコーティング組成物を提供する。
【0143】
実施例78は、第2のレオロジー改質剤が、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、疎水的に修飾されたアルカリ膨潤性エマルション、疎水的に修飾されたエトキシル化ウレタン、それらの疎水的に修飾された類似体、それらの天然ガム又は合成ガム、若しくはそれらの混合物を含む増粘剤である、実施例75~77のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0144】
実施例79は、コーティング組成物の粘度が約70KU~約130KUの範囲である、実施例42~78のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0145】
実施例80は、コーティング組成物の粘度が約80KU~約115KUの範囲である、実施例42~79のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0146】
実施例81は、コーティング組成物のpHが約6~約9.5の範囲である、実施例42~80のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0147】
実施例82は、コーティング組成物のpHが約7.5~約9の範囲である、実施例42~81のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0148】
実施例83は、コーティング組成物が、塗料、エラストマーコーティング、コーキング、シーラント、床磨き剤、布地処理、二次コーティング、又はプライマーである、実施例42~82のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0149】
実施例84は、コーティング組成物が、黄色ブドウ球菌、エンテロバクター・アエロゲネス、緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、大腸菌、及びそれらの混合物から選択される微生物を死滅させるように構成される、実施例42~83のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0150】
実施例85は、コーティング組成物の対数減少が少なくとも約2である、実施例42~84のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0151】
実施例86は、コーティング組成物の対数減少が少なくとも3である、実施例42~85のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0152】
実施例87は、コーティング組成物のCIEL*a*b*デルタE*が約30未満である、実施例42~86のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0153】
実施例88は、コーティング組成物のCIEL*a*b*デルタE*が約6未満である、実施例42~87のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0154】
実施例89は、コーティング組成物が、銅含有ガラスの堆積物を含まない、実施例42~88のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0155】
実施例90は、コーティング組成物が、約1日~約365日の範囲の期間、銅含有ガラスの堆積物を含まない、実施例42~89のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0156】
実施例91は、コーティング組成物が、約5日~約90日の範囲の期間、銅含有ガラスの堆積物を含まない、実施例42~90のいずれかに記載のコーティング組成物を提供する。
【0157】
実施例92は、実施例1~91のいずれかに記載の殺生物性分散体の製造方法を提供し、該方法は、
銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスと、分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物とを合わせて、分散体前駆体を形成するステップ;及び
分散体前駆体を混合して殺生物性分散体を形成するステップ
を含む。
【0158】
実施例93は、実施例42~92のいずれかに記載のコーティング組成物の製造方法を提供し、該方法は、
実施例1~41のいずれかに記載の殺生物性分散体を、1つ以上のエマルション・ポリマー、第2のpH改質剤、及び第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒と合わせるステップ
を含む。
【0159】
実施例94は、実施例42~93のいずれかに記載のコーティング組成物の乾燥生成物を提供する。
【0160】
実施例95は、乾燥生成物を少なくとも部分的に覆う二次コートをさらに含む、実施例94に記載の乾燥生成物を提供する。
【0161】
実施例96は、二次コートが多孔性である、実施例95に記載の乾燥生成物を提供する。
【0162】
実施例97は、アセンブリを提供し、該アセンブリは、
基材;及び
実施例42~93のいずれかに記載のコーティング組成物又は実施例94又は95に記載の乾燥生成物
を含む。
【0163】
実施例98は、基材が、木材、プラスチック、金属、セラミック、石、セメント、乾式壁、ファイバボード、塗料、又はそれらの混合物を含む、実施例97に記載のアセンブリを提供する。
【0164】
実施例99は、実施例97又は98に記載のアセンブリの製造方法を提供し、該方法は、
基材の少なくとも一部にコーティング組成物を施すステップ;及び
その上の組成物を乾燥させるステップ
を含む。
【0165】
実施例100は、コーティング組成物が、ブラシ、噴霧コーティング、ローラコーティング、カーテンコーティング、又はそれらの組合せによって基材に施される、実施例99に記載の方法を提供する。
【0166】
本明細書全体を通して、範囲形式で表現された値は、範囲の限定として明示的に列挙された数値のみを含むのではなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される個々の数値又は部分範囲をすべて含むように、柔軟に解釈されるべきであるものと理解されたい。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、指定された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、特に明記しない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に明記しない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0167】
この文書では、「a」、「an」、又は「the」という用語は、文脈が明確に別のことを指示しない限り、一又は複数を含むために用いられる。「又は」という用語は、特に明記されていない限り、非排他的な「又は」を指すために用いられる。「A及びBのうちの少なくとも1つ」という表現は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で用いられ、他に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定ではないものと理解されたい。セクションの見出しの使用は、文書の読み取りを支援することを目的としており、限定として解釈されるべきではない;セクションの見出しに関連する情報は、その特定のセクションの内外で生じうる。
【0168】
本明細書に記載される方法では、時間的順序又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく、任意の順序で行為を実行することができる。さらには、明示的な特許請求の範囲の文言に個別に実行することが明記されていない限り、指定された行為を同時に実行することができる。例えば、Xを行う特許請求された行為と、Yを行う特許請求された行為は、単一の操作内で同時に実施することができ、結果のプロセスは、特許請求されたプロセスの文字通りの範囲内に含まれる。
【0169】
本明細書で用いられる「約」という用語は、値又は範囲のある程度の変動性、例えば、記載された値又は記載された範囲の限界値の10%以内、5%以内、又は1%以内を考慮に入れることができ、正確に記載された値又は範囲を含む。
【0170】
本明細書で用いられる「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%以上、又は100%のように、大部分若しくはほとんどを指す。
【0171】
本明細書で定義される分子又は有機基と関連して本明細書で用いられる「置換」という用語は、そこに含まれる1つ以上の水素原子が1つ以上の非水素原子で置き換えられた状態を指す。本明細書で用いられる「官能基」又は「置換基」という用語は、分子又は有機基へと置換することができる、又は置換される基を指す。置換基又は官能基の例には、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI);ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸を含むカルボキシル基、カルボキシレート、及びカルボキシレートエステルなどの基における酸素原子;チオール基、硫化アルキル及び硫化アリール基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、及びスルホンアミド基などの基における硫黄原子;アミン、ヒドロキシアミン、ニトリル、ニトロ基、N-オキシド、ヒドラジド、アジド、及びエナミンなどの基における窒素原子;並びに、他のさまざまな基におけるヘテロ原子が含まれるが、これらに限定されない。置換炭素(又は他の)原子に結合することができる置換基の非限定的な例は、F、Cl、Br、I、OR、OC(O)N(R)2、CN、NO、NO2、ONO2、アジド、CF3、OCF3、R、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)2、SR、SOR、SO2R、SO2N(R)2、SO3R、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CH2C(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)2、OC(O)N(R)2、C(S)N(R)2、(CH2)0-2N(R)C(O)R、(CH2)0-2N(R)N(R)2、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)2、N(R)SO2R、N(R)SO2N(R)2、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)2、N(R)C(S)N(R)2、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)2、C(O)N(OR)R、及びC(=NOR)Rを含み、ここで、Rは、水素又は炭素をベースとした部分であってよく;例えば、Rは、水素、(C1~C100)ヒドロカルビル、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであってよく;あるいは、窒素原子又は隣接する窒素原子に結合した2つのR基が一又は複数の窒素原子と一緒にヘテロシクリルを形成してもよい。
【0172】
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、1~40個の炭素原子、1~約20個の炭素原子、1~12個の炭素、若しくは、幾つかの例では1~8個の炭素原子を有する、直鎖及び分岐のアルキル基及びシクロアルキル基を指す。直鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、及びn-オクチル基などの1~8個の炭素原子を有するものが含まれる。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、及び2,2-ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で用いられる場合、「アルキル」という用語は、n-アアルキル、イソアルキル、及びアンテイソアルキル基、並びに他の分枝鎖形態のアルキルを包含する。代表的な置換アルキル基は、本明細書に記載される基のいずれか、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、及びハロゲン基で1回以上置換されうる。
【0173】
本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合が2つの炭素原子の間に存在することを除き、本明細書で定義される直鎖及び分枝鎖並びに環状のアルキル基を指す。したがって、アルケニル基は、2~40個の炭素原子、又は2~約20個の炭素原子、又は2~12個の炭素原子、若しくは、幾つかの例では2~8個の炭素原子を有する。例には、とりわけ、ビニル、-CH=CH(CH3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=CH2、-C(CH3)=CH(CH3)、-C(CH2CH3)=CH2、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、及びヘキサジエニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0174】
本明細書で用いられる「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合が2つの炭素原子の間に存在することを除き、直鎖及び分岐鎖のアルキル基を指す。したがって、アルキニル基は、2~40個の炭素原子、2~約20個の炭素原子、又は2~12個の炭素原子、若しくは、幾つかの例では2~8個の炭素原子を有する。例には、とりわけ、-C≡CH、-C≡C(CH3)、-C≡C(CH2CH3)、-CH2C≡CH、-CH2C≡C(CH3)、及び-CH2C≡C(CH2CH3)が含まれるが、これらに限定されない。
【0175】
本明細書で用いられる「アシル」という用語は、その基がカルボニル炭素原子を介して結合している、カルボニル部分を含む基を指す。カルボニル炭素原子は、水素に結合して「ホルミル」基を形成するか、又は別の炭素原子に結合し、これは、アルキル、アリール、アラルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル基などの一部でありうる。アシル基は、カルボニル基に結合した、0~約12個、0~約20個、又は0~約40個の追加の炭素原子を含みうる。アシル基は、本明細書の意味の範囲内で二重結合又は三重結合を含みうる。アクリロイル基は、アシル基の一例である。アシル基はまた、本明細書の意味の範囲内でヘテロ原子を含みうる。ニコチノイル基(ピリジル-3-カルボニル)は、本明細書の意味の範囲内にあるアシル基の一例である。他の例には、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル、ピリジルアセチル、シンナモイル、及びアクリロイル基などが含まれる。カルボニル炭素原子に結合している炭素原子を含む基がハロゲンを含む場合、その基は「ハロアシル」基と呼ばれる。例として、トリフルオロアセチル基がある。
【0176】
本明細書で用いられる「シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチル基などであるがこれらに限定されない、環状アルキル基を指す。幾つかの例では、シクロアルキル基は、3から約8~12個の環員を有することができるが、他の例では、環炭素原子の数は3から4、5、6、又は7の範囲である。シクロアルキル基には、限定はしないが、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、及びカレニル基などの多環式シクロアルキル基、並びに、限定はしないがデカリニルなどの縮合環がさらに含まれる。シクロアルキル基には、本明細書で定義される直鎖又は分枝鎖アルキル基で置換されている環も含まれる。代表的な置換シクロアルキル基は、例えば、限定はしないが、例えばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、及びハロゲン基で置換することができる、2,2-、2,3-、2,4-、2,5-、又は2,6-二置換シクロヘキシル基、若しくは、一置換、二置換、又は三置換のノルボルニル又はシクロヘプチル基など、1回又は複数回置換されうる。「シクロアルケニル」という用語は、単独で又は組み合わせて、環状アルケニル基を意味する。
【0177】
本明細書で用いられる「アリール」という用語は、環中にヘテロ原子を含まない、環状芳香族炭化水素基を指す。したがって、アリール基には、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニル、及びナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの例では、アリール基は、基の環部分に約6~約14個の炭素を含む。アリール基は、本明細書で定義されるように、非置換であっても、置換されていてもよい。代表的な置換アリール基は、限定はしないが、フェニル環の2位、3位、4位、5位、又は6位のいずれか1つ以上で置換されたフェニル基、又はその2~8位のいずれか1つ以上で置換されたナフチル基など、1回又は複数回置換することができる。
【0178】
本明細書で用いられる「アルコキシ」という用語は、本明細書で定義されるように、シクロアルキル基を含めたアルキル基に結合した酸素原子を指す。線状アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。分岐アルコキシの例には、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。環状アルコキシの例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。アルコキシ基は、酸素原子に結合した約1~約12個、約1~約20個、又は約1~約40個の炭素原子を含むことができ、さらに二重結合又は三重結合を含むことができ、ヘテロ原子を含むこともできる。例えば、アリルオキシ基又はメトキシエトキシ基もまた、構造の2つの隣接する原子がこれらの基で置換されている文脈でのメチレンジオキシ基のように、本明細書の意味の範囲内のアルコキシ基である。
【0179】
本明細書で用いられる場合、「ヒドロカルビル」という用語は、直鎖、分岐、又は環状炭化水素に由来する官能基を指し、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、アシル、又はそれらの任意の組合せでありうる。ヒドロカルビル基は、(Ca~Cb)ヒドロカルビルとして示すことができ、ここで、a及びbは整数であり、aからbの数の炭素原子のいずれかを有することを意味する。例えば、(C1~C4)ヒドロカルビルは、ヒドロカルビル基がメチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)、又はブチル(C4)でありうることを意味し、(C0~Cb)ヒドロカルビルは、ある特定の例ではヒドロカルビル基が存在しないことを意味する。
【0180】
本明細書で用いられる「重量平均分子量」という用語は、ΣMi
2ni/ΣMiniに等しいMwを指し、ここで、niは、分子量Miの分子の数である。さまざまな例において、重量平均分子量は、光散乱、小角中性子散乱、X線散乱、ゲル浸透クロマトグラフィー、及び沈降速度を使用して決定することができる。
【0181】
本明細書に記載されるポリマーは、任意の適切な方法で終端させることができる。幾つかの例では、ポリマーは、適切な重合開始剤、-H、-OH、-O-、置換又は非置換の-NH-、及び-S-、並びに、ポリ(置換又は非置換(C1~C20)ヒドロカルビルオキシ)及びポリ(置換又は非置換(C1~C20)ヒドロカルビルアミノ)から独立して選択される0、1つ、2つ、又は3つの基で中断された置換又は非置換(C1~C20)ヒドロカルビル(例えば、(C1~C10)アルキル又は(C6~C20)アリール)から独立して選択される末端基で終端させることができる。
【0182】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0183】
実施形態1
殺生物性分散体であって、
前記殺生物性分散体に対して均一に分散された1つ以上の銅粒子成分;及び
分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物
を含み、
前記銅粒子成分が、前記殺生物性分散体の約3質量%~約88質量%を構成する、殺生物性分散体。
【0184】
実施形態2
前記1つ以上の銅粒子成分が、銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスを含む、実施形態1に記載の殺生物性分散体。
【0185】
実施形態3
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、前記殺生物性分散体の約20質量%~約65質量%を構成する、実施形態2に記載の殺生物性分散体。
【0186】
実施形態4
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスのサイズの中央値が約1μm~約15μmの範囲である、実施形態2又は3に記載の殺生物性分散体。
【0187】
実施形態5
前記銅粒子を含有する1つ以上の無機ガラスが、SiO2、Al2O3、CaO、MgO、P2O5、B2O3、K2O、ZnO、Fe2O3、又はそれらの混合物を独立して含む無機ガラスを含む、実施形態2から4のいずれかに記載の殺生物性分散体。
【0188】
実施形態6
前記分散剤、前記増粘剤、又はそれらの混合物が、有機溶液又は水溶液を含む、実施形態1から5のいずれかに記載の殺生物性分散体。
【0189】
実施形態7
前記分散剤、前記増粘剤、又はそれらの混合物が、セルロース、アクリル酸含有ポリマー、ウレタン、又はそれらの混合物を含む、実施形態1から6のいずれかに記載の殺生物性分散体。
【0190】
実施形態8
前記増粘剤を含み、該増粘剤が、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はそれらの混合物を含む、実施形態1から7のいずれかに記載の殺生物性分散体。
【0191】
実施形態9
pH改質剤をさらに含む、実施形態1から8のいずれかに記載の殺生物性分散体。
【0192】
実施形態10
前記pH改質剤のpKaが約4.7~約14の範囲である、実施形態9に記載の殺生物性分散体。
【0193】
実施形態11
コーティング組成物であって、
実施形態1から10のいずれかに記載の殺生物性分散体;
1つ以上のエマルション・ポリマー;
第2のpH改質剤;及び
第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒
を含む、コーティング組成物。
【0194】
実施形態12
前記1つ以上のエマルション・ポリマーが、少なくとも15,000ダルトンの重量平均分子量を有する、実施形態11に記載のコーティング組成物。
【0195】
実施形態13
前記コーティング組成物の粘度が約70KU~約130KUの範囲である、実施形態11又は12に記載のコーティング組成物。
【0196】
実施形態14
前記コーティング組成物のpHが約6~約9.5の範囲である、実施形態11から13のいずれかに記載のコーティング組成物。
【0197】
実施形態15
前記コーティング組成物が、細菌、ウイルス、真菌、又はそれらの混合物から選択される微生物を死滅させるように構成される、実施形態11から14のいずれかに記載のコーティング組成物。
【0198】
実施形態16
前記コーティング組成物の対数減少が少なくとも約2である、実施形態11から15のいずれかに記載のコーティング組成物。
【0199】
実施形態17
前記コーティング組成物のCIEL*a*b*デルタE*が約15未満である、実施形態11から16のいずれかに記載のコーティング組成物。
【0200】
実施形態18
前記1つ以上の銅粒子成分と、前記分散剤、増粘剤、又はそれらの混合物とを合わせて、分散体前駆体を形成するステップ;及び
前記分散体前駆体を混合して殺生物性分散体を形成するステップ
を含む、実施形態1から10のいずれかに記載の殺生物性分散体の製造方法。
【0201】
実施形態19
コーティング組成物の製造方法であって、該方法が、
実施形態1から10のいずれかに記載の殺生物性分散体を、1つ以上のエマルション・ポリマー、第2のpH改質剤、及び第2の有機溶媒又は第2の水性溶媒と合わせて、コーティング組成物前駆体を形成するステップ;並びに
水性媒体中で前記コーティング組成物前駆体を混合して、前記コーティング組成物を形成するステップ
を含む、方法。
【0202】
実施形態20
実施形態11から17のいずれかに記載のコーティング組成物の乾燥生成物。
【0203】
実施形態21
前記乾燥生成物を少なくとも部分的に覆う二次コートをさらに含む、実施形態20に記載の乾燥生成物。
【0204】
実施形態22
前記二次コートが実質的に多孔性であり、前記銅粒子成分から放出された銅が前記二次コートを通って外部環境に放出されることを可能にする、実施形態21に記載の乾燥生成物。
【国際調査報告】