(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(54)【発明の名称】侵徹体、侵徹体の使用及び発射体
(51)【国際特許分類】
F42B 12/06 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
F42B12/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507759
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2020066881
(87)【国際公開番号】W WO2021028101
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】102019121984.1
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509334642
【氏名又は名称】ラインメタル ヴァッフェ ムニシオーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Rheinmetall Waffe Munition GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルク、マーティン
(57)【要約】
本発明は、尾部アセンブリ(3)を備えた発射体(1)のための侵徹体(10)に関し、ここで、侵徹体(10)は、装甲ターゲット、特に反応装甲を備えた戦車を攻撃するために、終末弾道的に作用する少なくとも1つの外殻体(11)を含む。外殻体(11)の縦軸(L)に直交する外殻体(11)の断面は中空断面である。外殻体(11)の中空断面は、面積(A)を有し、中空断面の面積慣性モーメントは、少なくとも等しい面積の中実断面に比べて増加するため、外殻体(11)は、増加した面積慣性モーメントのために増加した曲げ剛性を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射体(1)のための尾部アセンブリ(3)を有する侵徹体(10)であって、前記侵徹体(10)は、装甲ターゲット、特に反応装甲を有する戦車の攻撃のために終末弾道的に作用する外殻体(11)を有し、前記外殻体(11)は、前記外殻体(11)の縦軸(L)に対して垂直な断面が中空断面であることを特徴とする侵徹体(10)。
【請求項2】
前記外殻体(11)の中空断面は面積(A)を有し、前記中空断面の面積慣性モーメントは、同等及び/又はそれ以上の面積の中実断面に比べて増加し、したがって前記外殻体(11)は、増加した面積慣性モーメントのために増加した曲げ剛性を有することを特徴とする請求項1に記載の侵徹体(10)。
【請求項3】
前記外殻体(11)の面積慣性モーメントは20,000mm
4以上であり、好ましくは40,000 mm
4以上、さらに好ましくは60,000 mm
4以上、特に80,000mm
4以上であって、且つ弾性率が300,000n/mm
2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の侵徹体(10)。
【請求項4】
前記中空断面が前記外殻体(11)の長さの少なくとも70%にわたって延びていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項5】
前記侵徹体(10)は、前記外殻体(11)の内部に配置され、終末弾道的に作用するコア(13)を有し、前記コア(13)は、前記外殻体(11)よりも低い密度を有することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項6】
前記侵徹体(10)の質量は7kg未満、好ましくは6kg未満であって、前記侵徹体(10)の質量を前記コア(13)の質量を介して調整することができる請求項5に記載の侵徹体(10)。
【請求項7】
前記侵徹体(10)の重心の、その長手方向軸線(L)に対する位置は、前記外殻体(11)内の前記コア(13)の質量及び位置を介して調整可能であることを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項8】
前記外殻体(11)の曲げ剛性は、少なくとも25%、好ましくは50%、さらに好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも90%増加することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項9】
前記外殻体(11)の中空断面が環状、台形、又は多角形であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項10】
前記コア(13)は高強度材料、特にタングステン重焼結金属材料又は高強度鋼からなることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項11】
前記外殻体(11)及び前記コア(13)は、ターゲットとの衝撃に際して断片化効果を有しないか、又は無視できる程度の断片化効果しか有しないように作られていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項12】
前記コア(13)が70,000 N/mm
2以上、好ましくは170,000 N/mm
2以上、さらに好ましくは200,000 N/mm
2以上、特に300,000 N/mm
2以上の弾性率を有することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項13】
コア(13)が外殻体(11)を曲げにくくする効果を有することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の侵徹体(10)。
【請求項14】
反応装甲を有する装甲ターゲット、特に反応装甲を有する戦車を攻撃するための請求項1~13のいずれか1項に記載の侵徹体(10)の使用。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載の侵徹体(10)を有することを特徴とする、装弾筒と尾部アセンブリ(3)を備える発射体(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尾部アセンブリを有する発射体(projectile)用の侵徹体(penetrator)に関する。前記侵徹体は、少なくとも1つの外殻体(outer body)を含み、前記外殻体の縦軸に垂直な前記外殻体の断面は、中空断面である。
【0002】
加えて、本発明は、反応装甲モジュールを有する装甲ターゲットを攻撃するためのそのような侵徹体の使用に関する。
【0003】
さらに、本発明は、装弾筒(sabot)及び尾部アセンブリを備えた発射体に関し、発射体は、そのような侵徹体を含む。
【背景技術】
【0004】
侵徹体は、運動エネルギを通じてその効果を達成する縮射口径(sub-caliper)運動エネルギ発射体である。このような発射体は、通常、大口径の銃を備えた戦車や大砲によって、標的に直接に発射される。
【0005】
ロシアの戦車の現代の目標システム(防護システム)は、重い主ターゲットと反応性被覆モジュール(ERA-爆発性反応性装甲)で構成されている。これらの反応装甲モジュールは、一般に、ある角度に設定された複数の鋼板から成り、侵徹体の衝撃時に高エネルギ中間層(爆発性皮膜)の助けを借りて加速される。このプロセスでは、装甲モジュールのプレートが侵徹体と相互作用する。
【0006】
従来の侵徹体は、中実侵徹体として一体に設計されることが多く、均質な本体を有する。このような侵徹体は、例えば、DE 199 48 710 A1及びDE 40 28 409 A1から知られている。
【0007】
これらの既知の侵徹体は、半無限不活性ターゲットに対して最適化されている。この文脈における半無限ターゲットは、垂直な表面から一方向に「無限に」延びるターゲットである。実際には、これらは、衝突する侵徹体への自由表面による影響がない程度に十分な幅及び深さの装甲板である。中実侵徹体における最適化は、以前のものよりも長く、細く、且つ長さと直径の比を高くすることをその内容とする。しかしながら、このことは、曲げ剛性の減少と関連しており、従って、これらの侵徹体は、装甲モジュールとの衝撃で曲がり、且つ装甲モジュールによって飛行経路から逸れる。メインターゲットを貫通することは最早不可能である。
【0008】
加えて、侵徹体は、外殻体の縦軸に垂直な中空断面を有する外殻体を有することが知られている。このような侵徹体は、例えば、文献DE 197 00 349 C1から公知であり、終末弾道効果を有さず、外殻体の膨張媒体として機能するコアを有する。これらの侵徹体は高い断片化効果を達成する役目を果たす。この手段により、例えば、建物の壁や衝壁内において突破口を開いたり、軽装甲車両や非装甲車両の軟らかいターゲットを効果的に攻撃したりすることができる。しかし、このような侵徹体は、現代の戦車の装甲に対しては限定的な効果しか有しない。
【0009】
例えば、DE 39 32 952 A1から明らかなように、既に、既知の侵徹体を補強する試みが、発射体の外部に安定化ストリップを適用することによってなされている。発射体の空力特性に関して不利であることが証明されているものの、この目的のために、発射体のほぼ全長に亘って尾部アセンブリが設けられた。
【0010】
侵徹体の開発における1つの問題は、目標においてできるだけ小さな表面に作用する可能な限り高い運動エネルギと、同時に装甲モジュールによるたわみを回避できるようにする高い曲げ剛性との間の目標の矛盾である。一般に、侵徹体の曲げ剛性を大きくする場合は、侵徹体の直径を大きくする必要がある。しかしながら、このことは、より高い重量をもたらし、従って、侵徹体の最高速度の低下をもたらし、(K.E.=1/2*m*v2)の理由から衝撃時の運動エネルギがより小さくなるという結果をもたらす。しかしながら、侵徹体の速度が低下すると、主ターゲットにおける侵徹体の有効性も同時に低下する。
【0011】
既知の侵徹体の欠点は、それらが反応装甲モジュールを有する装甲ターゲットを貫通させるのに適していないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】DE 199 48 710 A1
【特許文献2】DE 40 28 409 A1
【特許文献3】DE 197 00 349 C1
【特許文献4】DE 39 32 952 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、反応装甲モジュール付きの装甲を有する装甲ターゲットに対してさえも貫通力を改善した侵徹体を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。有利な実施形態及び改良は、従属クレームの主題である。
【0015】
本発明によれば、尾部アセンブリを備えた発射体用の侵徹体が提供され、ここで、前記侵徹体は、装甲ターゲット、特に反応装甲を備えた戦車を攻撃するための終末弾道方式で作用する少なくとも1つの外殻体を含む。外殻体の縦軸に垂直な外殻体の断面は中空断面である。
【0016】
このことにより、侵徹体の重量を、生産されている侵徹体(a production penetrator)と比較して増加させる必要なしに、侵徹体の外殻体が、同じ外殻体断面積の中実の外殻体を有する、出願人のDM53又はDM63のような生産されている侵徹体と比較して、増加した曲げ剛性を有するという結果が達成される。
【0017】
本発明の意味する「装甲ターゲットを攻撃すること」は、主ターゲットの破壊を提供する。
【0018】
本発明の意味内で「終末弾道的に作用する」とは、終末弾道的に作用する要素によって、ターゲットを破壊するのに適した弾道効果が達成されることを意味する。
【0019】
本発明による侵徹体の外殻体の面積慣性モーメントは、侵徹体の重量を増加させることなく、かつ主ターゲットに導入される運動エネルギを減少させることなく、従来の侵徹体と比較して増加する。
【0020】
本発明によれば、侵徹体の設計において同じ重量を同時に維持しながら面積慣性モーメントを増加させることにより、上述した目標の矛盾に対する解決策を達成することができ、これにより、特にプレターゲット構造に対する曲げ(bending vis-a-vis pre-target)に対して耐性を有し、かつ主ターゲットに対しても有効な侵徹体を作ることが可能となる。
【0021】
更に、本発明によれば、反応装甲モジュールを有する装甲ターゲットを攻撃するために、このような侵徹体、又は後述するような改良された侵徹体の使用が創出される。
【0022】
更に、本発明によれば、装弾筒及び尾部アセンブリを備えた発射体が作成され、ここで、発射体は、以下に説明するように、そのような侵徹体又は改良された侵徹体を含む。
【0023】
好ましくは、外殻体の中空断面は、面積Aを有し、中空断面の面積慣性モーメントは、少なくとも等しい面積の中実断面に比べて増加し、その結果、外殻体は、増加した面積慣性モーメントのために増加した曲げ剛性を有する。
【0024】
加えて、侵徹体の面積慣性モーメントを、生産されている侵徹体と比較して、同じ重量又はより少ない重量で少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、更に好ましくは40%、特に60%、更には90%増加させるようにすることができる。面積慣性モーメントを増加させると、曲げ剛性も増加する。
【0025】
侵徹体の有利な改善において、外殻体は、20,000mm4を超え、好ましくは40,000mm4を超え、さらに好ましくは60,000mm4を超え、特に80,000mm4を超える面積慣性モーメントと、300,000 N/mm2を超える弾性率と、を有し得る。
【0026】
このことにより、外殻体の曲げ剛性が、侵徹体が主ターゲットを貫通するために、接近する反応装甲モジュールに関して曲げに対して十分に鈍感であるほど十分に高いという結果が達成される。
【0027】
侵徹体の有利な改良において、外殻体の長さの少なくとも70%にわたって中空断面が延びるように設けることができる。
【0028】
このことにより、侵徹体の重量が生産されている侵徹体に比べて増加しないという結果が達成される。
【0029】
侵徹体の改良として、侵徹体が、外殻体内に配置され、終末弾道方式で作用するコアを有し、コアが外殻体よりも低い密度を有するようにすることができる。
【0030】
また、コアの密度に対する外殻体の密度の比は2.7未満であることが好ましい。
【0031】
コア及び外殻体は、終末弾道方式で作用するために互いにインターロック及び/又は摩擦及び/又は一体式に接合される。
【0032】
侵徹体の有利な実施形態において、侵徹体の質量は7kg未満、好ましくは6kg未満であり、侵徹体の質量は、コアの質量を通して調整できるようにすることができる。
【0033】
これにより、特定のコアの選定により、外殻体付き侵徹体の重量調整が可能となり、外殻体が量産品として生産可能となるという結果が達成される。
【0034】
侵徹体の改良として、侵徹体の縦軸との関係における重心の位置を、コアの質量及び位置を介して調整することができるようにすることが提供される。
【0035】
外殻体の曲げ剛性は、少なくとも25%、好ましくは50%、さらに好ましくは少なくとも75%、特に少なくとも90%増加させることができ、ここで、この増加は、既存の生産されている侵徹体に対する増加である。
【0036】
さらに、外殻体の中空断面を環状、台形、又は多角形の設計とすることができる。
【0037】
侵徹体の実施形態において、コアは、高強度材料、特にタングステン、重金属焼結材料又は高強度鋼で作ることができる。
【0038】
侵徹体の一実施形態において、外殻体は、タングステン重金属から製造することができる。
【0039】
タングステン重金属は、例えば、ASTM B777-07材料規格に定義されている。
【0040】
侵徹体の改良において、外殻体及びコアが、ターゲットとの衝撃に際して断片化効果を有しないか、又は無視できる程度の断片化効果しか有しないようにすることができる。
【0041】
このようにして、主ターゲットにおける良好な貫通効果が達成され、プレターゲット構造におけるフラグメンテーションが回避される。
【0042】
さらに、コアが、70,000 N/mm2以上、好ましくは170,000 N/mm2以上、さらに好ましくは200,000 N/mm2以上、特に300,000 N/mm2以上の弾性率を有するようにすることができる。
【0043】
さらに、コアは、外殻体が曲げに対してより抵抗する効果を有し得る。
【0044】
これにより、コアが同様に侵徹体に作用して、曲げに対してより抵抗するという結果が達成される。その結果、侵徹体の曲げ剛性は、外殻体の曲げ剛性を増加させることと、耐屈曲性コアを形成することの両方によって増加する。
【0045】
コアの密度は、好ましくは少なくとも7.80g/cm3である。
【0046】
上記の値は、当業者にとって単に推奨される値であり、発明の主題はこれらの値に限定されるものではない。
【0047】
本発明のさらなる詳細及び利点は、図に基づいて説明される以下の例示的実施形態から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】従来技術による生産されている侵徹体の概略断面図である。
【
図2】
図1による生産されている侵徹体のI-I線に沿った概略断面図である。
【
図3】第1の例示的な実施形態に従った本発明による侵徹体の外殻体の概略断面図である。
【
図4】II-II線に沿った
図3による外殻体の中空断面の模式的断面図である。
【
図5】第2の例示的な実施形態による、本発明による侵徹体の外殻体及びコアの概略断面図である。
【
図6】
図5による侵徹体のIII-III線に沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、従来技術による、生産されている侵徹体、すなわち、侵徹体10の概略断面図を示す。侵徹体10は、中実状の設計とされている。
【0050】
図2は、
図1による侵徹体10の線I-Iに沿った概略断面図を示す。断面表示から明らかなように、侵徹体10は空洞を有さず、代わりに1つの中実片として設計される。
【0051】
図3は、第1の例示的な実施形態に従った、本発明による侵徹体10の外殻体13の概略断面図を示す。
【0052】
侵徹体10は、尾部アセンブリ3を有する発射体1のために設計される。このような発射体1を
図3に示す。侵徹体10は、装甲ターゲット、特に反応装甲を備えた戦車を攻撃するための末端弾道方式で作用する少なくとも1つの外殻体11を有する。
【0053】
外殻体11の縦軸Lに直交する外殻体11の断面は中空断面である。
【0054】
外殻体11のこの断面は、
図4のII - II線に沿って示されている。
【0055】
外殻体11の中空断面は、面積Aを有し、中空断面の面積慣性モーメントは、少なくとも等しい領域の中実断面に比べて増加する。従って、外殻体11は、増加した面積慣性モーメントのために、増加した曲げ剛性を有する。
【0056】
図4によれば、外殻体11の中空断面は、設計上環状である。ただし、台形又は多角形の中空断面も可能である。
【0057】
本発明による侵徹体の外殻体の曲げ剛性は、本質的に、2つのパラメータ、すなわち、面積慣性モーメント及び弾性係数に依存する。
【0058】
この目的のために、侵徹体1の外殻体11は、20,000 mm4以上、好ましくは40,000 mm4以上、さらに好ましくは60,000 mm4以上、特に80,000mm4以上の面積慣性モーメントを有し、弾性係数は300,000N/mm2より大きい。
【0059】
侵徹体1の外殻体11の材料としては、タングステン重金属が好ましく用いられる。
【0060】
好ましくは、中空断面は、侵徹体1の外殻体11の長さの少なくとも70%にわたって延在する。
図4によれば、中空断面は、外殻体11の円筒状又はほぼ円筒状の領域の全体にわたって配置されている。
【0061】
図5は、本発明の第2の実施形態による侵徹体1の外殻体11及びコア13の概略断面図を示す。第2の実施形態は、第1の実施形態に基づいており、侵徹体1の外殻体11の内部にコア13が配置されている点で、これと異なる。
図6は、
図5による侵徹体1のIII - III線に沿った断面模式図を示す。
【0062】
侵徹体10は、外殻体11に配置され、終末弾道的に作用するコア13を有する。このコア13は、外殻体11を曲げにくくする効果がある。
【0063】
外殻体11とコアとの両方が、終末弾道方式で互いに作用するために、それらは、インターロック及び/又は摩擦及び/又は一体の方式で互いに接合される。
【0064】
このコア13は、例えば高強度材料、特にタングステン重金属焼結材や高強度鋼から作られる。
【0065】
外殻体11の密度はコア13の密度よりも高い。また、コア13の密度に対する外殻体11の密度の比は2.7未満であることが好ましい。
【0066】
コア13は、外殻体11よりも密度が低い。
【0067】
さらに、コア13は、70,000 N/mm2以上、好ましくは170,000 N/mm2以上、好ましくは200,000 N/mm2以上、特に300,000 N/mm2以上の弾性率を有する。
【0068】
図5によれば、コア13は、外殻体11内のキャビティ12の長さの一部のみにわたって延在している。侵徹体10の重心位置は、その長手軸線Lとの関係で、コア13を外殻体11の内部に位置決めすることによって調整することができる。これは、一方では外殻体11内のコア13の位置に起因して、他方ではその質量に起因して発生する。
【0069】
ただし、コア13が外殻体11のキャビティ12全体を埋めることも可能である。
【0070】
侵徹体10の質量は7kg未満、好ましくは6kg未満である。侵徹体10の質量は、コア13の質量を通して調整することができ、外殻体11を適応させる必要はない。
【符号の説明】
【0071】
1 発射体
3 尾部アセンブリ
10 侵徹体
11 外殻体
12 キャビティ
13 コア
A 中空断面
【国際調査報告】