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特表2022-543721弁消音器及びこの弁消音器を有する電子膨張弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】弁消音器及びこの弁消音器を有する電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 47/02 20060101AFI20221006BHJP
   F25B 41/34 20210101ALI20221006BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20221006BHJP
【FI】
F16K47/02 D
F25B41/34
F25B41/40 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021551755
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2020103498
(87)【国際公開番号】W WO2021027512
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201910754647.6
(32)【優先日】2019-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】馮 晶
【テーマコード(参考)】
3H066
【Fターム(参考)】
3H066AA01
3H066BA32
3H066EA34
(57)【要約】
弁消音器(14)及びこの弁消音器(14)を有する電子膨張弁(100)であって、弁消音器(14)は、互いに平行且つ間隔を空けて設置される複数枚の消音パネル(141)を含み、それぞれの消音パネル(141)には複数のガイド孔(142)が開設されており、隣接する2枚の消音パネル(141)の間に混流チャンバ(143)が形成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行且つ間隔を空けて設置される複数枚の消音パネルを含み、それぞれの前記消音パネルには複数のガイド孔が開設されており、隣接する2枚の前記消音パネルの間に混流チャンバが形成されている、弁消音器。
【請求項2】
前記弁消音器は、支持体を更に含み、前記消音パネルは前記支持体に設置される、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項3】
前記支持体は、積層して設置されてガイド通路を形成する複数の支持リングを含み、隣接する2つの前記支持リングの間毎に1つの前記消音パネルが設置されている、請求項2に記載の弁消音器。
【請求項4】
前記ガイド孔は、消音パネルの中心線を軸線として、何れも時計回り方向に傾いて設置され、又は反時計回り方向に傾いて設置される、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項5】
複数の前記ガイド孔は、前記消音パネルの中心点を中心として環状に均一に分布されており、且つそれぞれの前記ガイド孔は何れも前記消音パネルの中心軸線を軸心として螺旋状に設置されている、請求項2に記載の弁消音器。
【請求項6】
前記複数枚の消音パネル上のガイド孔の孔径が層毎に徐々に減少する、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項7】
前記消音パネル上のガイド孔の断面積が徐々に減少する、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項8】
前記ガイド孔の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、扇形のいずれか1つ又は複数の組み合わせである、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項9】
前記消音パネルの軸方向に沿って、隣接する前記消音パネル上のガイド孔の軸線は互いに千鳥状に設置されている、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項10】
隣接する前記消音パネル上のガイド孔の形状は異なるように設置される、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項11】
前記ガイド孔の孔径範囲は0.15mm~2mmである、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項12】
前記ガイド孔は、互いに連通される第1の孔及び第2の孔を含み、前記第1の孔の断面は前記第1の孔の軸線に沿って且つ前記第2の孔に接近する方向に徐々に減少し、前記第2の孔の断面は前記第2の孔の軸線に沿って且つ前記第1の孔に接近する方向に徐々に減少する、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項13】
前記消音パネルには支持部が設置されており、前記支持部の一端は隣接する前記消音パネルに当接されており、前記支持部と前記消音パネルとは一体成形で設置される、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の弁消音器を含む、電子膨張弁。
【請求項15】
供給口及び排出口を有する弁体と、
前記供給口に取り付けられる供給管と、
前記排出口に取り付けられる排出管と、
前記供給口、排出口、供給管、及び排出管の任意の一箇所又は複数の箇所に設置される弁消音器とを更に含む、請求項14に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願は、2019年8月15日に出願された、出願番号が第201910754647.6号であり、発明の名称が「弁消音器及びこの弁消音器を有する電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は、弁の分野に関し、特に弁消音器及びこの弁消音器を有する電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 弁は管路システムに取り付けられて、遮断、流量の調節等の機能を果たし、主に空調システム、暖房システム、給排水システム等の分野に適用される。
【0004】
[004] 従来の弁において、弁を流れる流体が気液混合流体の場合、流体が急に収縮する弁口を流れるときに速度が大幅に上昇するため、大きな騒音が発生して使用者の快適性に影響を及ぼし、特に流体中に大きな気泡が存在する場合、更に間欠的に大きな騒音が発生しやすい。
【発明の概要】
【0005】
[005] 本出願で提供される様々な実施例によれば、弁消音器が提供される。
【0006】
[006] この弁消音器は、互いに平行且つ間隔を空けて設置される複数枚の消音パネルを含み、それぞれの消音パネルには複数のガイド孔が開設されており、隣接する2枚の消音パネルの間に混流チャンバが形成されている。
【0007】
[007] 上記の弁消音器は、複数枚の消音パネルを設置し、隣接する消音パネルの間に混流チャンバを形成することで、流体が消音パネルを流れるとき、大きな気泡が分解されてから流体が混流チャンバに入り、混流チャンバ内で混流して攪拌され、更に気泡を分散させることで、流体中の気泡が十分に微細化され、弁を流れるときに流体から発生する騒音が低減される。
【0008】
[008] 一実施形態では、消音器は、支持体を更に含み、弁消音パネルは支持体に設置される。このように、支持体で弁消音パネルを支持し、支持体に弁消音パネルを取り付けることにより、消音器の取り付け及び取り外しを容易にする。
【0009】
[009] 一実施形態では、支持体は、積層して設置されてガイド通路を形成する複数の支持リングを含み、隣接する2つの支持リングの間毎に1つの消音パネルが設置されている。このように、複数の支持リングを設置すると、様々な適用シーンに応じて支持リングの数を増減することができ、これによって消音器の高さを柔軟に調整し、消音器の構造多様性を高め、これによって消音器の適用シーンを広げ、消音器の拡張の利便性を高めることができる。
【0010】
[010] 一実施形態では、ガイド孔は、消音パネルの中心線を軸線として、何れも時計回り方向に傾いて設置され、又は反時計回り方向に傾いて設置される。このように設置することで、流体が消音パネルを通過した後に螺旋を生じさせ、大きな気泡を微細化する効果を高める。
【0011】
[011] 一実施形態では、複数のガイド孔は、消音パネルの中心点を中心として環状に均一に分布されており、且つそれぞれのガイド孔は何れも消音パネルの中心軸線を軸心として螺旋状に設置されている。このように、ガイド孔を螺旋状構造に設置することで、消音パネルを流れる流体の螺旋効果を高める。
【0012】
[012] 一実施形態では、消音器の一端から他端にかけて、複数枚の消音パネル上のガイド孔の孔径が層毎に徐々に減少する。このように、流体の流動方向に沿って、層毎に徐々にガイド孔を減少させると、気泡を段階的に微細化でき、気泡の微細化効果がより良好になる。
【0013】
[013] 一実施形態では、消音器の一端から他端にかけて、消音パネル上のガイド孔の断面積が徐々に減少する。このように、流体の流動方向に沿って、ガイド孔を徐々に縮小する収縮口構造に設置すると、流体に対する消音パネルのブロックを減少させ、流体の運動エネルギーの損失を低減することができる。
【0014】
[014] 一実施形態では、ガイド孔の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、扇形のいずれか1つ又は複数の組み合わせである。このように、異なる孔形を設定すると、互いに組み合わされて、気泡に対して異なる形の分割を行い、消音パネルの大きな気泡を除去する効果を高めることができる。
【0015】
[015] 一実施形態では、消音パネルの軸方向に沿って、隣接する2枚の消音パネル上のガイド孔の軸線は千鳥状に設置されている。このように、混流チャンバに流入した気液混合流体を、必ず混流チャンバ内で混合してから再流出させて、混流チャンバの混流効果を高める。
【0016】
[016] 一実施形態では、隣接する消音パネル上のガイド孔の形状は異なるように設置される。このように、流体を上の層の消音パネル上のガイド孔から流出させ、更に次の層の異なる形状のガイド孔を流せると、更に流体を乱して、気泡を分散できる。
【0017】
[017] 一実施形態では、ガイド孔の孔径範囲は0.15mm~2mmである。
【0018】
[018] 一実施形態では、ガイド孔は、互いに連通される第1の孔及び第2の孔を含み、第1の孔の断面は第1の孔の軸線に沿って且つ第2の孔に接近する方向に徐々に減少し、第2の孔の断面は第2の孔の軸線に沿って且つ第2の孔に接近する方向に徐々に減少する。このように、弁消音器が双方向弁に取り付けられる場合、流体が流動するときの抵抗を減少させる。
【0019】
[019] 一実施形態では、消音パネルには支持部が設置されており、支持部の一端は隣接する消音パネルに当接されており、支持部と消音パネルとは一体成形で設置される。
【0020】
[020] 本出願は、上述のいずれか1つの弁消音器を含む電子膨張弁を更に提供する。
【0021】
[021] 一実施形態では、電子膨張弁は、供給口及び排出口を有する弁体と、供給口に取り付けられる供給管と、排出口に取り付けられる排出管と、供給口、排出口、供給管、排出管の任意の一箇所又は複数の箇所に設置される弁消音器とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
[022] ここで開示されるそれらの発明の実施例及び/又は例示をより分かりやすく説明するために、1つ又は複数の図面を参照することができる。図面を説明するための追加の詳細や例示は、開示された発明、現在説明されている実施例及び/又は例示、並びに現在理解されているこれらの発明の最適な態様のいずれかの範囲を制限するものと考えられるべきではない。
【0023】
図1】[023]本出願で提供される弁消音器の断面図である。
図2】[024]本出願で提供される弁消音器の支持体の一実施形態の断面図である。
図3】[025]本出願で提供される弁消音器の支持体の他の実施形態の断面図である。
図4】[026]本出願で提供される弁消音器の支持リングの斜視図である。
図5】[027]本出願で提供される弁消音器の消音パネルの斜視図である。
図6】[028]本出願で提供される弁消音器のガイド孔の一実施形態の構造概略図である。
図7】[029]本出願で提供される弁消音器のガイド孔の他の実施形態の構造概略図である。
図8】[030]本出願で提供される電子膨張弁の断面図である。
図9】[031]図8のA箇所の部分拡大図である。
図10】[032]本出願で提供される電子膨張弁の断面図である。
図11】[033]図10のB部分の部分拡大図である。
【0024】
[034] 図面の符号の意味は以下の通りである。
100 電子膨張弁、11 弁体、111 供給口、112 排出口、12 供給管、13 排出管、14 弁消音器、141 消音パネル、1411 支持部、142 ガイド孔、1421 第1の孔、1422 第2の孔、143 混流チャンバ、144 支持体、145 支持リング、146 ガイド通路、1451 外リング、1452 内リング。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[035] 本出願の理解を容易にするために、以下では、本出願についてより全面的に説明する。ただし、本出願は多くの様々な形式で実現することができ、本文で説明する実施例に限定されるものではない。むしろ、本考案の開示内容に対する理解を徹底的且つ完全にするために、これらの実施例を提供する。
【0026】
[036] なお、要素が他の要素に「固定される」とされる場合、他の要素の上に直接置かれていてもよく、又は間に置かれている要素が存在してもよい。要素が他の要素に「接続される」とみなされる場合、他の要素に直接接続されていてもよく、又は間に接続されている要素が同時に存在してもよい。
【0027】
[037] 特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本出願に属する技術分野の当業者が一般的に理解している意味と同じである。本出願の明細書で使用される本文の用語は単に具体的な実施例を説明するためのものであり、本出願を制限するものではない。
【0028】
[038] 図1に示すように、本出願は、弁に取り付けられ、流体が弁を流れるときに発生する騒音を低減させるための弁消音器14を提供する。本実施例では、弁消音器14は、空調冷却システムにおける電子膨張弁内に取り付けられるが、他の実施例では、弁消音器14を熱膨張弁等の弁内に取り付けて消音することも可能である。
【0029】
[039] 弁消音器14は、互いに平行且つ間隔を空けて設置される複数枚の消音パネル141を含み、それぞれの消音パネル141には複数のガイド孔142が開設されており、隣接する2枚の消音パネル141の間に混流チャンバ143が形成されている。
【0030】
[040] なお、弁が空調冷却システムに取り付けられる場合、空調冷却システム内の流体流量の制御に用いられ、弁を流れる冷媒は、気液二相の混合状態にあることが多く、管路中の流体内に大きさが均一でない気泡が存在することになり、気泡が絞りを行う弁口を流れるときに流通面積が急に縮小するため、直径の大きい気泡が破裂して大きな騒音を生じさせ、且つ騒音が不連続であるため、使用者の機器を使用する快適性に影響を及ぼす。本実施例では、弁口に互いに平行且つ間隔を空けた複数枚の消音パネル141を設置して、大きな気泡を微細化することで、流体が弁口を流れるときに発生する騒音を低減させる。
【0031】
[041] 具体的に、弁消音器14は、複数枚の消音パネル141を設置し、隣接する2枚の消音パネル141の間に混流チャンバ143を形成することで、流体が消音パネル141を流れるとき、大きな気泡が消音パネル141上のガイド孔142を通過するときに小さな気泡に分解されてから流体が混流チャンバ143に入り、混流チャンバ143内で混流して攪拌され、更に気泡を分散させることで、流体中の気泡が十分に微細化され、電子膨張弁100を流れるときに流体から発生する騒音が低減される。
【0032】
[042] 図2に示すように、支持体144の一実施形態では、弁消音器14は、支持体144を更に含み、複数枚の消音パネル141は互いに間隔を空けて且つ平行に支持体144に設置されていることが好ましい。消音パネル141を支持するように支持体144を設置することで、弁消音器14が一体になり、これによって、弁消音器14の取り付け及び取り外しを容易にすることが理解できる。
【0033】
[043] 消音パネル141の取り付け及び取り外しの利便性を高めるために、消音パネル141を支持体144に固定させてから支持体144を弁、又は弁に接続される管路に取り付けるが、このように設置することで、消音パネル141のメンテナンスと交換の過程を簡略化することができ、高い実用性を有することが理解できる。
【0034】
[044] 更に、図3に示すように、支持体144の他の実施形態では、支持体144は、積層して間隔を空けて設置されてガイド通路146を形成する複数の支持リング145を含み、2つの支持リング145の間毎に1枚の消音パネル141が設置されている。
【0035】
[045] 図3及び図4に示すように、支持リング145は、内リング1452と外リング1451とを含み、且つ、隣接する後側の支持リング145の内リング1452が前側の支持リング145の外リング1451内に挿通されることにより、複数の支持リング145を接続させ、且つ、消音パネル141は隣接する2つの支持リング145の内リング1452の間毎に設置されることにより、更に複数枚の消音パネル141の接続を実現する。
【0036】
[046] 複数の支持リング145が支持体144を構成することにより、支持リング145の数を実際の取り付けニーズ及び空間ニーズに応じて増減することができ、これは弁消音器14の構造の可変性を高めるだけでなく、弁消音器14の適応シーンも広げることが理解できる。
【0037】
[047] 他の実施形態では、図10に示すように、消音パネル141には支持部1411が設置されており、支持部1411の一端は消音パネル141に接続され、他端は隣接する消音パネル141に当接されることにより、隣接する2枚の消音パネル141の間に一定の距離を保つようにして、混流チャンバ143を形成する。
【0038】
[048] 支持部1411は、環状を呈しており、且つ、消音パネル141の縁に位置して消音パネル141と一体式構造に設置されることが好ましい。
【0039】
[049] なお、複数枚の消音パネル141は間隔を空けて設置されており、隣接する消音パネル141の間の間隔の範囲は1mm~5mmであり、例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm又は1mm~5mmの間の任意の数値である。
【0040】
[050] 複数のガイド孔142は、消音パネル141の中心線を軸線として、何れも時計回り方向に傾いて設置され、又は反時計回り方向に傾いて設置されることが好ましい。
【0041】
[051] 流体が一層の消音パネル141パネルを流れた後に混流チャンバ143に入り、混流チャンバ143内で時計回り又は反時計回り方向の回転が生じ、後続の流体が混流チャンバ143に流入すると、流体中の大きな気泡を十分に微細化することができることが理解できる。
【0042】
[052] 一実施形態として、図5に示すように、複数のガイド孔142は、消音パネル141の中心点を中心として環状に均一に分布されており、且つそれぞれのガイド孔142は何れも消音パネル141の中心軸線を軸心として螺旋状に設置されていることが好ましい。
【0043】
[053] ガイド孔142を螺旋状構造に設置することで、消音パネル141を流れる流体の回転効果を高めることができ、これによって混流チャンバ143内の攪拌効果を高めることが理解できる。
【0044】
[054] 弁消音器14の一端から他端にかけて、且つ流体の流動方向に沿って、複数枚の消音パネル141上のガイド孔142の孔径が層毎に徐々に減少することが好ましい。
【0045】
[055] なお、弁消音器14の一端から他端に沿う消音パネル141上のガイド孔142を層毎に徐々に減少させると、消音パネル141が気泡を段階的に微細化する作用を呈し、これによって、流体が消音パネル141を流れるときに激しすぎる大きな気泡の微細化による大きな騒音を回避することができ、気泡の微細化効果を確保すると共に、大きな騒音の発生も回避する。
【0046】
[056] 図6を参照して、一実施形態では、流体の流動方向に沿って、弁消音器14の一端から他端にかけて、消音パネル141上のガイド孔142の断面積が徐々に減少することが好ましい。
【0047】
[057] ガイド孔142を徐々に縮小する収縮口構造に設置すると、流体に対する消音パネル141のブロックを減少できることが理解できる。
【0048】
[058] 図7を参照して、他の実施形態では、ガイド孔142は、両側がフレア形状に設置でき、即ち、ガイド孔142は、第1の孔1421と第2の孔1422とを含み、第1の孔1421と第2の孔1422とは連通されており、第1の孔1421の断面は第1の孔1421の軸線に沿って且つ第2の孔1422に接近する方向に徐々に減少し、第2の孔1422の断面は第2の孔1422の軸線に沿って且つ第1の孔1421に接近する方向に徐々に減少することにより、流体が逆方向に流動するときに、流体に対するブロック作用を減少させ、弁消音器14を双方向弁に適応させて、弁消音器14の適用シーンを広げることができる。
【0049】
[059] ガイド孔142の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、扇形のいずれか1つ又は複数の組み合わせであることが好ましい。
【0050】
[060] なお、一層の消音パネル141には、多重形状のガイド孔142を有してもよく、隣接するものの間の消音パネル141のガイド孔142は、異なる形状に設置されてもよい。
【0051】
[061] 異なる孔形の気泡に対する分割効果は異なり、同一の消音パネル141に異なる形状のガイド孔142を設置すると、混流チャンバ143内に入る流体の状態を多様化させることができ、これによって混流チャンバ143内に入る流体の混流効果を高める一方、複数層の消音パネル141のガイド孔142を異なる形状に設置すると、異なる層の消音パネル141を互いに組み合わせて、気泡に対して異なる形の分割を行い、消音パネル141の大きな気泡を除去する効果を高めることができることが理解できる。
【0052】
[062] 具体的には、一例として、第1層の消音パネル141上のガイド孔142の断面を円形に設置し、第2層の消音パネル141上のガイド孔142の断面を四角形に設置し、第3層の消音パネル141上のガイド孔142の断面を扇形に設置することができる。
【0053】
[063] 図1及び図2に示すように、隣接する2枚の消音パネル141上のガイド孔142の軸線は互いに千鳥状に設置されていることが好ましい。
【0054】
[064] 隣接する2枚の消音パネル141上のガイド孔142を千鳥状に設置すると、混流チャンバ143に流入した気液混合流体を混合させた後に次の層の消音パネル141のガイド孔142内に入ることで、混流チャンバ143の混流効果を高めることができ、隣接する2枚の消音パネル141の間隔が小さすぎるため、流体が十分に混流されずに、直接2層の消音パネル141を流れることによって、大きな気泡に対する微細化効果を低下させてしまうことを回避することが理解できる。
【0055】
[065] なお、ガイド孔142の孔径の大きさは0.15mm~2mmであってもよく、例えば、0.15mm、0.16mm、1mm、1.2mm、1.5mm、1.8mm、2mm、又は他の0.15mm~2mmの間の数値であり、空調冷却システム内のフィルタの孔径よりも大きくすることで、弁消音器14が管路内の濾過装置を通過可能な不純物によって塞がれることを回避できる。
【0056】
[066] また、本出願は、弁体11、供給管12、及び排出管13を含み、弁体11は供給口111及び排出口112を有し、供給管12は供給口111に接続され、排出管13は排出口112に接続される電子膨張弁100を更に提供する。
【0057】
[067] 電子膨張弁100は、供給口111及び/又は排出口112及び/又は供給管12及び/又は排出管13に設置される上記の弁消音器14を更に含む。
【0058】
[068] 具体的には、図8及び図10に示す電子膨張弁において、弁消音器14は、弁体11の供給口111に、或いは排出口112に、或いは供給管12に、或いは排出管13に、或いは上記のいずれか2つの位置、或いは3つの位置を組み合わせた位置、或いは上記の4つの位置に同時に設置されてもよい。
【0059】
[069] 好ましくは、電子膨張弁100は、流体が供給管12から排出管13に流れてもよく、排出管13から供給管12に流れてもよい双方向絞り弁であってもよい。なお、流体が供給管12から排出管13に流れる場合、供給管12或いは弁体11の供給口111に弁消音器14を設置すると、良好な消音効果を発揮でき、流体が排出管13から供給管12に流れる場合、排出管13或いは弁体11の排出口112に弁消音器14を設置すると、良好な消音効果を発揮できる。よって、電子膨張弁100が双方向絞りを必要とする場合、弁体11の供給口111或いは供給管12に1つの弁消音器14を設置し、弁体11の排出口112或いは排出管13内にも1つの弁消音器14を設置することで、流体が異なる流向を有する場合にも消音の機能を果たせることができる。
【0060】
[070] 以上に述べた実施例の各技術の特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上述の実施例における各技術の特徴のあらゆる可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術の特徴の組み合わせに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲と考えるべきである。
【0061】
[071] 以上に述べた実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示すものであり、その説明は比較的に具体的且つ詳細であるが、これにより本出願の特許請求の範囲を制限するものと理解されてはならない。なお、当業者にとっては、本出願の思想を逸脱しない限り、いくつかの変形や改良が可能であり、これらは全て本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】