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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ライトフィールドプロジェクタ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/26 20200101AFI20221006BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20221006BHJP
   G02B 13/00 20060101ALN20221006BHJP
【FI】
G02B30/26
G03B21/00 D
G02B13/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502282
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 CA2020051117
(87)【国際公開番号】W WO2021026663
(87)【国際公開日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】62/886,521
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521093576
【氏名又は名称】アヴァロン ホログラフィックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】ペッカム ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】ウェバー ダニエル
【テーマコード(参考)】
2H087
2H199
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087LA25
2H087PA02
2H087PA04
2H087PA05
2H087PA06
2H087PA08
2H087PA17
2H087PA19
2H087PB02
2H087PB04
2H087PB06
2H087PB07
2H087PB08
2H087PB10
2H087QA01
2H087QA03
2H087QA13
2H087QA14
2H087QA21
2H087QA33
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA45
2H087UA01
2H199BA07
2H199BA13
2H199BA17
2H199BA62
2H199BB02
2H199BB05
2H199BB24
2H199BB30
2H199BB52
2H199BB59
2H199BB62
2K203FA04
2K203FA24
2K203FA25
2K203FA32
2K203FA44
2K203FA54
2K203GA25
2K203HA62
2K203HA92
2K203MA40
(57)【要約】
ライトフィールド 出力 ライトフィールドプロジェクタ装置。プロジェクタは、光線を出力して、投影画像を形成するように構成された投影光学系と、投影画像の光線をコリメートして、第2の投影画像を形成するように構成されたコリメート光学系とを備えるプロジェクタベースを有し、第2の投影画像は、ライトフィールド画像を生成するために表示光学系へと向けられる。ライトフィールドプロジェクタ装置を、個別に使用することができ、あるいは直接投影ライトフィールドディスプレイを形成するように配置することができる1つ以上の他のプロジェクタと組み合わせて使用することができる。ライトフィールドプロジェクタ装置の配置は、個別の表示光学系または共有の表示光学系を有することができる。プロジェクタ装置は、鮮明でピクセル化されていないように見える画像をもたらす高いピクセル密度を提供するように設計される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)を備える光源、
前記光源から光を受光し、前記光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、
前記照明光学系から光を受光し、前記光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、
拡大光学系と
を備える投影光学系、および
前記拡大光学系から受光する前記ピクセルアレイからの光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系
を備える、ライトフィールドプロジェクタ装置。
【請求項2】
前記コリメート光学系から前記コリメートされた投影画像を受け取り、前記画像を表示するように配置された表示光学系
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示光学系は、少なくとも1つのレンズ、レンズレット、メタサーフェース、またはこれらの組み合わせを備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記表示光学系は、少なくとも1つの他のライトフィールドプロジェクタ装置と共有される、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記コリメート光学系は、1つ以上の拡散面、コリメートレンズレット、フレームレスコリメートレンズレット平凸レンズ、凸レンズ、および両凸レンズを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記光源は、2つ以上の発光ダイオードを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
複数の光源を備え、前記照明光学系は、前記複数の光源の各々から光を受光し、単一の光線経路を形成するように導く、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記光源は、少なくとも1つの赤色LED、少なくとも1つの緑色LED、および少なくとも1つの青色LEDを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
2つ以上の光源をさらに備え、前記光源のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの異なる色の2つ以上のLEDを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
プロジェクタハウジングをさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記プロジェクタ装置を出る前記光線経路の調整のための調整機構をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記光線経路における前記コリメート光学系の下流のディフューザをさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
アレイに配置され、各々が
発光ダイオード(LED)を備える光源、
前記光源から光を受光し、前記光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、
前記照明光学系から光を受光し、前記光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、
拡大光学系と
を備える投影光学系、および
前記拡大光学系から受光する光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系
を備えている複数のライトフィールドプロジェクタ装置、ならびに
前記複数のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの少なくとも1つのライトフィールドプロジェクタ装置の前記コリメート光学系から前記コリメートされた投影画像を受け取り、前記画像を表示するように配置された表示光学系
を備える、ライトフィールド画像表示装置。
【請求項14】
前記表示光学系は、前記ライトフィールド画像表示装置内の前記ライトフィールドプロジェクタ装置のうちの2つ以上によって共有される、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記複数のライトフィールドプロジェクタ装置を所定の場所に保持するためのハウジングをさらに備える、請求項13または14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数のプロジェクタ装置の各々を出る前記光線経路の調整のための複数の調整機構をさらに備える、請求項13~15のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項17】
複数のライトフィールドプロジェクタ装置でタイル状のライトフィールド画像を生成するための方法であって、
LED光源で光を生成し、
前記光源からの前記光を単一の光線経路へと導き、
前記光をピクセルアレイへとピクセル化し、
前記ピクセルアレイを拡大し、
前記ピクセルアレイをコリメートして、コリメートされた投影画像を生成すること、および
前記コリメートされた投影画像を表示して、ライトフィールド画像をもたらすこと
によって、複数のライトフィールドプロジェクタ装置においてライトフィールド画像を生成するステップ、ならびに
前記複数のライトフィールドプロジェクタから生成された前記ライトフィールド画像をタイル状に並べ、タイル状のライトフィールド画像をもたらすステップ
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数のライトフィールドプロジェクタの各々における前記ピクセルアレイの拡大が、均一なタイル状のライトフィールド画像をもたらすための前記複数のライトフィールドプロジェクタからの前記ライトフィールド画像の重なりを達成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コリメートされた投影画像を前記画像を表示する前に拡散させることをさらに含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記コリメートされた投影画像を前記拡散させることは、角度点広がり関数を与えることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記点広がり関数は、前記ライトフィールドプロジェクタ装置の1つ以上のパラメータによって特徴付けられる半値全幅(FWHM)を有するガウス関数によって表される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの1つ以上のライトフィールドプロジェクタ装置の前記光線経路を調整機構を使用して調整することをさらに含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ディスプレイの前記空間解像度および被写界深度を定めるために前記ピクセルピッチおよびホーゲルピッチを調整することをさらに含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記表示光学系の前記焦点距離を調整することをさらに含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年8月14日に出願された米国特許出願第62/886,521号の優先権を主張し、その内容は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ライトフィールド表示技術に関し、より具体的には、ライトフィールドプロジェクタ装置に関する。本開示は、とくには、ライトフィールドプロジェクタ装置であって、個別に、またはこの装置のアレイにおいて、角度分解能が高くかつ視野の広いマルチビューディスプレイを形成するライトフィールドプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ライトフィールドディスプレイは、複数のビューを提供し、ユーザが各々の眼で別々のビューを受け取ることを可能にする。この種類の現状のディスプレイは、興味深い視覚体験を提供するが、魅力的なライトフィールドディスプレイは、高いピクセル密度、ビュー間の小さい角度分離、および大きな視野角を必要とする。独立した知覚可能なビューを隣接するビューから維持しつつ、ユーザにとってビューイングゾーン間の遷移が滑らかであることが望ましい。3次元ディスプレイによって、観察者は、観察中の画像についてより広い視点を得ることができる。一部の3次元ディスプレイは、偏光を使用し、観察者は専用の眼鏡を着用する必要がある。他の3次元ディスプレイは、直接投影を使用し、一次元で或る程度の視差を提供する画像を生成する。
【0004】
プロジェクタベースのライトフィールドディスプレイは、一般に、1つ以上のプロジェクタからなり、一般に、ライトフィールドを生成するために一連の光学系を必要とする。高精細なライトフィールドディスプレイを実現するためのピクセル数を達成するために、多数の光学系との組み合わせにおいてプロジェクタの数を増やす必要があり、結果として、システムが大型になり、高価になることが多い。
【0005】
Chungらの米国特許出願公開第2018/101018号明細書が、スクリーンと、格子ピクセルアレイと、画像生成器とを含むライトフィールドディスプレイを記載している。このシステムは、出力ライトフィールド画像を表示するために格子ピクセルアレイを必要とし、したがって、かなりの電力を必要とする大型のディスプレイとなる。
【0006】
Pasoliniの米国特許第9383591号明細書が、光ビームを生成するための光源と、光ビームを表示面に向けるためのミラー機構と、投影画像の安定化のための補償信号を生成および減算するためにミラー機構のための駆動信号を供給するための駆動回路とを有するピコプロジェクタ装置を記載している。この記載のピコプロジェクタ装置は、装置の動きを補償するためにジャイロスコープを使用する。この装置は、投影画像を生成することができるが、ライトフィールドを生成するために追加の光学コンポーネントおよび処理を必要とすると考えられる。
【0007】
全視差ライトフィールドディスプレイを提供することができるライトフィールドプロジェクタが、依然として必要とされている。
【0008】
この背景情報は、本発明に関連する可能性があると出願人が考える既知の情報を形成する目的で提示されている。前述の情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成すると認めることは、必ずしも意図されておらず、そのように解釈されてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/101018号明細書
【特許文献2】米国特許第9383591号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、発光ダイオードと、プロジェクタ本体と、発光ダイオードによって生成された複数の光線によってライトフィールドを生じさせるように構成された複数の光学系とを有するライトフィールドディスプレイを提供することである。本発明の別の目的は、角度分解能が高くかつ視野の広いマルチビューライトフィールドディスプレイを提供するように構成されたライトフィールドプロジェクタ装置のアレイを提供することである。
【0011】
一態様において、発光ダイオード(LED)を備える光源;光源から光を受光し、光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、照明光学系から光を受光し、光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、拡大光学系とを備える投影光学系;および拡大光学系から受光するピクセルアレイからの光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系;を備えるライトフィールドプロジェクタ装置が提供される。
【0012】
一実施形態において、装置は、コリメート光学系からコリメートされた投影画像を受け取り、画像を表示するように配置された表示光学系をさらに備える。
【0013】
別の実施形態において、表示光学系は、少なくとも1つのレンズ、レンズレット、メタサーフェース、またはこれらの組み合わせを備える。
【0014】
一実施形態において、表示光学系は、少なくとも1つの他のライトフィールドプロジェクタ装置と共有される。
【0015】
一実施形態において、コリメート光学系は、1つ以上の拡散面、コリメートレンズレット、フレームレスコリメートレンズレット平凸レンズ、凸レンズ、および両凸レンズを備える。
【0016】
一実施形態において、光源は、2つ以上の発光ダイオードを備える。
【0017】
一実施形態において、装置は、複数の光源を備え、照明光学系は、複数の光源の各々から光を受光し、単一の光線経路を形成するように導く。
【0018】
一実施形態において光源は、少なくとも1つの赤色LED、少なくとも1つの緑色LED、および少なくとも1つの青色LEDを備える。
【0019】
一実施形態において、装置は、2つ以上の光源をさらに備え、光源のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つの異なる色の2つ以上のLEDを備える。
【0020】
一実施形態において、装置は、プロジェクタハウジングをさらに備える。
【0021】
一実施形態において、装置は、プロジェクタ装置を出る光線経路の調整のための調整機構をさらに備える。
【0022】
一実施形態において、装置は、光線経路におけるコリメート光学系の下流のディフューザをさらに備える。
【0023】
別の態様においては、ライトフィールド画像表示装置が提供され、複数のライトフィールドプロジェクタ装置は、アレイに配置され、各々が、発光ダイオード(LED)を備える光源;光源から光を受光し、光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、照明光学系から光を受光し、光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、拡大光学系とを備える投影光学系;および拡大光学系から受光する光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系;を備えている複数のライトフィールドプロジェクタ装置、ならびに複数のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの少なくとも1つのライトフィールドプロジェクタ装置のコリメート光学系からコリメートされた投影画像を受け取り、画像を表示するように配置された表示光学系を備える。
【0024】
一実施形態において、表示光学系は、ライトフィールド画像表示装置内のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの2つ以上によって共有される。
【0025】
別の実施形態において、表示装置は、複数のライトフィールドプロジェクタ装置を所定の場所に保持するためのハウジングをさらに備える。
【0026】
別の実施形態において、表示装置は、複数のプロジェクタ装置の各々を出る光線経路の調整のための複数の調整機構をさらに備える。
【0027】
別の態様においては、複数のライトフィールドプロジェクタ装置でタイル状のライトフィールド画像を生成するための方法であって、LED光源で光を生成し、光源からの光を単一の光線経路へと導き、光をピクセルアレイへとピクセル化し、ピクセルアレイを拡大し、ピクセルアレイをコリメートして、コリメートされた投影画像を生成すること、およびコリメートされた投影画像を表示して、ライトフィールド画像をもたらすことによって、複数のライトフィールドプロジェクタ装置においてライトフィールド画像を生成するステップ、ならびに複数のライトフィールドプロジェクタから生成されたライトフィールド画像をタイル状に並べ、タイル状のライトフィールド画像をもたらすステップを含む。
【0028】
一実施形態において、複数のライトフィールドプロジェクタの各々におけるピクセルアレイの拡大が、均一なタイル状のライトフィールド画像をもたらすための複数のライトフィールドプロジェクタからのライトフィールド画像の重なりを達成する。
【0029】
別の実施形態において、本方法は、コリメートされた投影画像を表示する前に拡散させることをさらに含む。
【0030】
別の実施形態において、コリメートされた投影画像を拡散させることは、角度点広がり関数を与えることを含む。
【0031】
別の実施形態において、点広がり関数は、ライトフィールドプロジェクタ装置の1つ以上のパラメータによって特徴付けられる半値全幅(FWHM)を有するガウス関数によって表される。
【0032】
別の実施形態において、本方法は、複数のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの1つ以上のライトフィールドプロジェクタ装置の光線経路を調整機構を使用して調整することをさらに含む。
【0033】
別の実施形態において、本方法は、ディスプレイの空間解像度および被写界深度を定めるためにピクセルピッチおよびホーゲルピッチを調整することをさらに含む。
【0034】
別の実施形態において、本方法は、表示光学系の焦点距離を調整することをさらに含む。
【0035】
別の態様においては、光源;光源から光を受光し、光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、照明光学系から光を受光し、光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、拡大光学系とを備える投影光学系;および拡大光学系から受光するピクセルアレイからの光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系;を備えるライトフィールドプロジェクタ装置が提供される。
【0036】
一実施形態において、光源は、赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【0037】
別の実施形態において、装置は、複数の光源を備え、複数の光源が一緒に赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【0038】
別の態様においては、ライトフィールド画像表示装置が提供され、このライトフィールド画像表示装置は、アレイに配置され、各々が、光源;光源から光を受光し、光を単一の光線経路へと導くための少なくとも1つのレンズを備える照明光学系と、照明光学系から光を受光し、光をピクセルアレイに変換するためのピクセル形成装置と、拡大光学系とを備える投影光学系;および拡大光学系から受光する光をコリメートし、コリメートされた投影画像を生成するためのコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系;を備えている複数のライトフィールドプロジェクタ装置、ならびに複数のライトフィールドプロジェクタ装置のうちの少なくとも1つのライトフィールドプロジェクタ装置のコリメート光学系からコリメートされた投影画像を受け取り、画像を表示するように配置された表示光学系を備える。
【0039】
一実施形態において、光源は、赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【0040】
別の実施形態において、装置は、複数の光源を備え、複数の光源が一緒に赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【0041】
別の態様においては、複数のライトフィールドプロジェクタ装置でタイル状のライトフィールド画像を生成するための方法であって、LED光源で光を生成し、光源からの光を単一の光線経路へと導き、光をピクセルアレイへとピクセル化し、ピクセルアレイを拡大し、ピクセルアレイをコリメートして、コリメートされた投影画像を生成すること、およびコリメートされた投影画像を表示して、ライトフィールド画像をもたらすことによって、複数のライトフィールドプロジェクタ装置においてライトフィールド画像を生成するステップ、ならびに複数のライトフィールドプロジェクタから生成されたライトフィールド画像をタイル状に並べ、タイル状のライトフィールド画像をもたらすステップを含む。
【0042】
一実施形態において、光源は、赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【0043】
別の実施形態においては、複数の光源が一緒に赤色、青色、および緑色の光を放つ。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明のこれらの特徴および他の特徴が、添付の図面を参照する以下の詳細な説明において、さらに明らかになるであろう。
【0045】
図1】本開示の一実施形態によるライトフィールドプロジェクタ装置の等角図を示している。
【0046】
図2】投影光学系配置およびコリメート光学系の構成を示している。
【0047】
図3】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0048】
図4】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0049】
図5】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0050】
図6】投影光学系配置およびコリメート光学系の構成を示している。
【0051】
図7】投影光学系配置および別のコリメート光学系の別の構成を示している。
【0052】
図8】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0053】
図9】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0054】
図10】投影光学系配置およびコリメート光学系の構成を示している。
【0055】
図11】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0056】
図12】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0057】
図13】投影光学系配置および別のコリメート光学系の構成を示している。
【0058】
図14A】コリメートレンズアレイの正面図である。
【0059】
図14B図14Aのコリメートレンズアレイの2×4のグリッドの拡大図である。
【0060】
図14C図14Aのコリメートレンズアレイの側面図である。
【0061】
図14D図14Aのコリメートレンズアレイにおける単一レンズの等角図である。
【0062】
図15A】工学的ディフューザの図である。
【0063】
図15B】レーザエッチングによる工学的ディフューザの拡大図である。
【0064】
図15C】ディフューザレンズアレイの拡大図である。
【0065】
図16A】表示光学系表示レンズの図である。
【0066】
図16B】メタサーフェースを備える別の表示光学系の図である。
【0067】
図16C】別の表示光学系の図である。
【0068】
図17】ライトフィールドプロジェクタ装置の一実施形態の単一ピクセルのサンプル光線経路を示している。
【0069】
図18】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルのサンプル光線経路を示している。
【0070】
図19】ライトフィールドプロジェクタ装置の一実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0071】
図20】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0072】
図21】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0073】
図22】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0074】
図23】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0075】
図24】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0076】
図25】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0077】
図26】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0078】
図27】ライトフィールドプロジェクタ装置の別の実施形態の単一ピクセルおよび光学系コンポーネントのサンプル光線経路を示している。
【0079】
図28】工学的ディフューザアレイ内のピクセルの点広がり関数の図である。
【0080】
図29】ライトプロジェクタ装置のアレイからなるシステムの等角図を示している。
【0081】
図30】ライトプロジェクタ装置のアレイからなるシステムの分解図を示している。
【0082】
図31】3×4の表示ユニットおよびライトフィールドプロジェクタアレイを含むライトフィールドプロジェクタ装置の別の構成を示している。
【0083】
図32】ライトフィールドディスプレイを生成するための表示ユニットのアレイおよびすべての光学系を含むライトフィールドプロジェクタ装置の別の構成を示している。システムをタイル状に並べ/積み重ねて、より大きなディスプレイを生成することができる。
【0084】
図33】ライトフィールドプロジェクタ装置のブロック図を示している。
【0085】
図34A】ライトフィールドプロジェクタを介したLED光源からの投影画像を示している。
【0086】
図34B】アクティブ画像、オーバーラップ領域、および補正バッファのためのプロジェクタフレーム内のピクセルの割り当てを示している。
【発明を実施するための形態】
【0087】
現在の直接投影ライトフィールドディスプレイの設計を改善するために、本開示は、ピクセルサイズを最小化し、組み立て、位置合わせ、および表示視野パラメータを最適化すべくライトフィールドディスプレイを生成するようにとくに設計されたプロジェクタを説明する。
【0088】
本開示の一実施形態において、光学素子の設計を活用して本体の前方の全開口を満たすライトフィールド投影レンズ設計が提供される。ライトフィールド投影レンズによって生成される画像は、以降の光学アーキテクチャによるライトフィールの生成を依然として可能にしつつ、プロジェクタ画像が縁部で重なり合うことを可能にするための小さな発散を有する。
【0089】
ライトフィールドディスプレイを提供することができるライトフィールドプロジェクタ装置が、本明細書において説明される。本発明のライトフィールドプロジェクタ装置を、マルチビュー、裸眼立体視、かつ高角度分解能のライトフィールドディスプレイに使用することができる。さらに、ライトフィールドディスプレイは、水平視差および垂直視差の両方で見ることが可能であり得る。
【0090】
動作において、ライトフィールドプロジェクタ装置は、1つ以上の光源から光を受光し、照明光学装置を使用して光をピクセル形成装置へと導く。ピクセル形成装置は、照明光学素子からもたらされる光を複数のピクセルに変換する。ピクセル形成装置へともたらされる光は、照明光学系内の1つ以上の発光ダイオード(LED)から由来し、ピクセル形成装置によってピクセルアレイに変換される。次いで、ピクセル形成装置からの光は、ピクセル形成装置からもたらされる画像を拡大するように機能する一連の投影光学コンポーネントまたは投影光学素子を通って進む。次いで、投影光学系からの光はコリメートされる。コリメート光学系は、高いピクセル密度を有する小さな画像を形成し、光をコリメートし、発散が最小限、わずか、または皆無な光線を生成する。表示レンズは、発散入射光がわずか、または皆無である場合に最適に機能し、したがってコリメート光学系は、実質的にコリメートされた光を表示光学系内の表示レンズへともたらす。
【0091】
従来からのプロジェクタは、一般に、典型的な投影画像サイズおよび部屋サイズまたは投影スクリーンまでの距離を想定して、例えばおおむね約1ピクセル/mm2の粗いピクセル密度を有する大きな画像を作成するように構成される。本発明のプロジェクタは、10,000ピクセル/mm2程度のはるかに高いピクセル密度を提供する。本システムにおける投影光学素子は、複数の投影装置によって生成される画像によって生じるタイル効果を克服するために低倍率で設計されるが、ピクセル密度と干渉するような著しい倍率はない。ライトフィールドディスプレイを形成するために、複数のプロジェクタ装置からのライトフィールド画像装置出力をタイル状に並べて、全ライトフィールド画像を生成する必要がある。2つの投影画像の間にライトフィールド画像の切れ目が存在する場合、これは、各々の光装置からの出力の間に光が投影されない暗い継ぎ目またはインターフェースを生じさせ、各々の投影装置からの出力の間にピケを有するピケ-フェンス状効果を生じさせる可能性がある。本明細書に記載のプロジェクタ装置は、ピクセル形成装置によって形成された画像を拡大することによってタイリング問題を克服する。したがって、ピクセル形成装置からの画像を拡大することによって、表示光学系レンズの出力における画像は、少なくともプロジェクタ自体の物理的寸法と同じ大きさであり、プロジェクタ装置のアレイによって生成されたライトフィールド画像間の重なりを保証する。投影光学系は、タイリング効果を克服するために充分であるが、ピクセル密度を犠牲にするには充分でないように光を拡大する。したがって、ライトフィールドディスプレイに必要とされる高いピクセル密度が達成される。人間の目は、良好な視力および最適な観察条件を仮定しても、ほぼ35ミクロンまでのピクセルサイズしか解像することができない。表示レンズなしで、本明細書に記載のプロジェクタによって達成されるピクセル密度は、人間の目によって解像可能なピクセル密度よりも10ミクロン程度高くなる。したがって、本発明のプロジェクタ装置によって生成された画像は、滑らかであり、鮮明であり、ピクセル化されていないように見える。
【0092】
一般に、当技術分野で知られているライトフィールドディスプレイには、きわめて高輝度のプロジェクタが必要である。本明細書に記載のライトフィールドプロジェクタ装置の1つの利点は、プロジェクタ自体の輝度要件が低減されることである。本明細書に記載のプロジェクタの輝度要件の低減は、光の角度分布を制御するライトフィールドプロジェクタ装置の光学系の能力の設計、および光ビームへの点広がり関数の適用によって達成される。光の角度分布を制御する能力および適用される点広がり関数は、損失が最小限な効率的な光出力を保証する。輝度要件の低減は、内部冷却要件のない小型LEDの使用を可能にし、装置の全体的な設置面積を小さくすることができる。本明細書に記載の設計の2つ以上のライトフィールドプロジェクタが互いに組み合わせて使用される場合、より狭い充てん密度も達成することができる。個々のプロジェクタ装置のサイズおよび重量の減少は、直接投影ライトフィールドディスプレイのための電力要件の低減ももたらすことができる。
【0093】
空間および時間における光に基づく観察者ベースの関数、またはプレノプティック関数の概念が、視覚システムによって知覚される視覚刺激を記述するために開発された。プレノプティック照明関数またはプレノプティック関数は、任意の時点の任意の観察角度における任意の可能な観察位置からのシーンの画像を表現するためにコンピュータビジョンおよびコンピュータグラフィックスにおいて使用される理想化された関数である。プレノプティック関数が依存する基本変数は、光の観察位置の3D座標(x、y、z)、および角度()によって表されるこの観察位置に光が近付く方向を含む。これが、光の波長および観察の時間と共に、プレノプティック関数をもたらす。
【0094】
プレノプティック関数の代替として、或る点および所与の方向における3D空間内の光線に沿った放射輝度を使用し、ライトフィールドによって表すことができる。ライトフィールドの定義は、プレノプティック関数の定義と同等であり得る。ライトフィールドを、5D関数として、すべての点を通ってすべての可能な方向に流れる放射輝度として説明することができる。静的なライトフィールドの場合、ライトフィールドをスカラー関数として表すことができ、

ここで、(x、y、z)は、位置の関数としての放射輝度を表し、光の進行方向は、(θ、φ)によって特徴付けられる。
【0095】
3D現実世界の物体の観察者は、無限のビュー、または連続的に分布したライトフィールドの対象である。これを実際に再現するために、本開示は、連続的に分布したライトフィールドを、ライトフィールドを近似するために有限数のビューまたは複数のビューへとサブサンプリングすることができるライトフィールドプロジェクタ表示装置を説明する。ライトフィールドプロジェクタ装置の出力は、人間の目の角度分解能を満たし、あるいは超える角度分解能を有する有限数のビューに基づく連続的に分布したライトフィールドの3D表現であるライトフィールド画像である。ライトフィールドを、空間内のすべての点を通ってすべての方向に流れる光の量を記述するベクトル関数と考えることもできる。
【0096】
プロジェクタアレイに基づくディスプレイは、少なくとも、多数の高密度に配向されたプロジェクタを正確に位置合わせして小さな空間に組み込む必要があるがために、設計に関して困難を引き起こす可能性がある。光のコリメーションおよび拡散のための複数の光学系と組み合わせたプロジェクタベース内の光学コンポーネントの本明細書に記載される配向は、より小さなピクセルサイズ、最小のプロジェクタ設置面積、より大きなディスプレイへの完全にスケーラブルな設計、公差制約の軽減、および複数の光学系のライトフィールドディスプレイ設計からの色収差の低減を達成することができる。
【0097】
ライトフィールドディスプレイの1つ以上のパラメータは、ホーゲルピッチ、ピクセルピッチ、および焦点距離のうちの1つ以上を含む。ピクセルという用語は、赤色、緑色、および青色のサブピクセルの組を指す。ピクセルピッチは、1つのピクセルの中心から次のピクセルの中心までの距離と定義される。本明細書において使用されるとき、ピクセルアレイは、ホーゲル内のピクセルのアレイを指す。ホーゲルは、方向制御を有する従来のピクセルのクラスタであるホログラフィックピクセルの代替用語である。ホーゲルのアレイが、ライトフィールドを生成することができる。したがって、ホーゲルピッチは、1つのホーゲルの中心から隣接するホーゲルの中心までの距離と定義される。レンズの角度視野は、その焦点距離によって定義される。一般に、焦点距離が短くなると、視野は広くなる。焦点距離がレンズの後主面から測定されることに注意すべきである。レンズの後主面は、画像化レンズの機械的背面に位置することはまれである。このため、システムの近似および機械的設計は、一般に、コンピュータシミュレーションを使用して計算される。
【0098】
本発明の種々の特徴が、以下の詳細な説明を図面の例示と共に検討することで、明らかになるであろう。本明細書に開示されるライトフィールドプロジェクタ装置および構造の設計パラメータ、設計方法、構成、および使用が、本明細書に記載されて特許請求される本発明の範囲を限定することを意図しない実施形態を表す種々の例を参照して説明される。本発明が関係する分野の当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく本開示の教示に従って実施することができる本明細書に開示されていない本発明の他の変形、例、および実施形態があり得ることを、理解できるであろう。
定義
【0099】
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0100】
「・・・を備える(comprising)」という用語と組み合わせて本明細書において使用される場合の「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味することができるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つよりも多い」という意味とも矛盾しない。
【0101】
本明細書において使用されるとき、用語「・・・を備える(comprising)」、「・・・を有する(having)」、「・・・を含む(including)」、および「・・・を含有する(containing)」、ならびにこれらの文法的変形は、包括的またはオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素および/または方法ステップを排除しない。「・・・から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、組成物、装置、物品、システム、使用、または方法に関連して本明細書において使用される場合、追加の要素および/または方法ステップが存在してもよいが、それらの追加が、列挙された組成物、装置、物品、システム、方法、または使用の機能の様相に実質的に影響を及ぼさないことを意味する。「・・・からなる(consisting of)」という用語は、組成物、装置、物品、システム、使用、または方法に関連して本明細書において使用される場合、追加の要素および/または方法ステップの存在を除外する。特定の要素および/またはステップを含むものとして本明細書に記載される組成物、装置、物品、システム、使用、または方法は、特定の実施形態において、これらの要素および/またはステップから本質的になること、および他の実施形態において、これらの要素および/またはステップからなることが、それらの実施形態が具体的に言及されているか否かにかかわらず可能である。
【0102】
本明細書において使用されるとき、「約」という用語は、所与の値からのおおむね+/-10%の変動を指す。そのような変動が、具体的に言及されているか否かにかかわらず、本明細書で提示されるあらゆる所与の値に常に含まれることを理解されたい。
【0103】
本明細書における範囲の記載は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲および範囲内に入る個々の値の両方を、範囲を示すために使用される数字と同じ場所の値に伝えることを意図している。
【0104】
例えば「・・・など(such as)」、「例示的な実施形態(exemplary embodiment)」、「例示の実施形態(illustrative embodiment)」、および「例えば(for example)」などのあらゆる例または例示的な表現の使用は、本発明に関連する態様、実施形態、変形形態、要素、または特徴を例示し、あるいは指すことを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0105】
本明細書において使用されるとき、「接続」および「接続され」という用語は、本開示の要素または特徴間のあらゆる直接的または間接的な物理的関連を指す。したがって、これらの用語を、例えば互いに部分的または完全に含まれ、取り付けられ、結合し、配置され、接合され、連絡し、あるいは動作可能に関連付けられた要素または特徴を指し、接続されていると記載された要素または特徴の間に他の要素または特徴が介在してもよいと理解することができる。
【0106】
本明細書において使用されるとき、「ピクセル」という用語は、ディスプレイを生成するために使用される空間的に別々の発光機構を指す。
【0107】
本明細書において使用されるとき、「サブピクセル」という用語は、光学マイクロキャビティ内に収容された発光素子を有する構造を指す。光学マイクロキャビティは、光を実質的にコリメートし、操作し、あるいは調整するために複数の反射面に動作可能に関連付けられる。反射面の少なくとも1つは、光をマイクロキャビティの外へと伝播させるために光学マイクロキャビティに接続された光伝播反射面である。本開示は、個別にアドレス可能な赤色、緑色、および青色(RGB)のサブピクセルを提供する。ここで説明されるようなサブピクセルサイズは、ナノスケールから数ミクロンの範囲であり、当該技術分野で以前に知られているピクセルサイズよりも著しく小さい。
【0108】
本明細書において使用されるとき、基本レベルにおける「ライトフィールド」という用語は、閉塞なく空間内の点を通ってあらゆる方向に流れる光の量を記述する関数を指す。したがって、ライトフィールドは、自由空間における光の位置および方向の関数としての放射輝度を表す。ライトフィールドを、さまざまなレンダリング処理によって合成的に生成することができ、あるいはライトフィールドカメラまたはライトフィールドカメラのアレイから取り込むことができる。
【0109】
本明細書において使用されるとき、「ライトフィールドディスプレイ」という用語は、入力される有限数のライトフィールド放射輝度サンプルからライトフィールドを再現する装置である。放射輝度サンプルは、同じ色のLEDに由来する赤、緑、および青(RGB)の色成分を含む。ライトフィールドディスプレイにおける再現に関して、ライトフィールドを、4次元空間から単一のRGB色へのマッピングとして理解することもできる。4つの次元は、ディスプレイの垂直および水平の次元と、ライトフィールドの指向性成分を記述する2つの次元とを含む。ライトフィールドは、関数として定義される。

【0110】
ライトフィールドにおける固定点, について、が「要素画像」と呼ばれる2次元(2D)画像を表す。要素画像は、固定の, 位置からのライトフィールドの指向性画像である。複数の要素画像が並べて連結されるとき、得られる画像を「全体画像」と呼ぶ。全体画像を、ライトフィールドディスプレイに必要な全ライトフィールドと理解することができる。
【0111】
本明細書において使用されるとき、頭字語「FWHM」は、「半値全幅(Full-Width at Half Maximum)」を指し、これは、従属変数がその最大値の半分に等しくなる独立変数の2つの極値の間の差によって与えられる関数の広がりの表現である。
【0112】
本明細書において使用されるとき、「ホーゲル」という用語は、方向制御を有する従来のピクセルのクラスタであるホログラフィックピクセルの代替用語である。ホーゲルのアレイがライトフィールドを生成することができる。ピクセルが2次元ディスプレイの空間解像度を表すとき、ホログラフィックピクセルまたはホーゲルは、3次元ディスプレイの空間解像度を表す。
【0113】
本明細書において使用されるとき、「ホーゲルピッチ」という用語は、1つのホーゲルの中心から隣接するホーゲルの中心までの距離を指す。
【0114】
本明細書において使用されるとき、「光学ミラー」という用語は、或る波長範囲の入射光に関して、反射光が元の光の詳細な物理的特性の多くまたは大部分を維持するように光を反射する物体を指す。これを鏡面反射と呼ぶこともできる。正確に平行に位置合わせされ、互いに対向する2つ以上のミラーは、無限ミラー効果と呼ばれる反射の無限の回帰を与えることができる。
【0115】
本明細書において使用されるとき、「ピクセルピッチ」という用語は、1つのピクセルの中心から次のピクセルの中心までの距離を指す。
【0116】
本明細書において使用されるとき、「ピクセルアレイ」という用語は、随意によりホーゲルの中にあるピクセルのアレイを指す。
【0117】
本明細書において使用されるとき、「波長」という用語は、光または音などの進行エネルギーの繰り返しパターンである波の2つの同一のピーク(高い点)またはトラフ(低い点)の間の距離の尺度である。
【0118】
本明細書において使用されるとき、「シミュレーション」という用語は、物体または物理現象のコンピュータモデルを指す。シミュレーションを、研究の目的に使用することができ、あるいは製造仕様を開発および改良するために使用することができる。限定はしないが、有限差分時間領域(FDTD)、光線追跡、有限要素解析(FEA)、および有限要素法(FEM)など、さまざまなシミュレーション方法を使用することができる。
【0119】
本明細書に開示される組成物、装置、物品、方法、および使用の任意の実施形態を、当業者であれば、そのままで、あるいは本発明の範囲から逸脱することがないような変種または同等物を製作することによって、実施することができると考えられる。
設計方法
【0120】
ライトフィールドディスプレイは、ディスプレイの空間および/または方向分解能を高めるために、達成可能な最小のピクセルサイズを必要とする。直接投影ライトフィールドディスプレイにおいて使用されるライトフィールドプロジェクタの場合、ピクセルサイズは、プロジェクタ焦点距離におけるアクティブエリアの投影画像サイズによって決定され、単一のプロジェクタの総空間は、画像寸法と同じでなければならない。ピクセルがピクセルの存在する空間全体を埋める場合、ピクセル間の間隔、またはピクセルピッチは、ピクセルサイズに等しい。ピクセルピッチおよびホーゲルピッチのパラメータは、ディスプレイの空間解像度および被写界深度を決定するため、観察者体験を定める。ホーゲルピッチが小さいほど、ライトフィールドディスプレイの空間解像度が高くなる。ホーゲル内のピクセルの数が多いほど、ディスプレイの被写界深度は深くなる。ピクセルの密度を高めることで、設計者に、例えばホーゲルピッチを大きくすることによって被写界深度を深くし、空間解像度を低くするなど、用途に基づいて異なるライトフィールドディスプレイの設計を達成する可能性がもたらされる。
【0121】
小さなピクセルサイズを達成するために、単一のプロジェクタが占める空間を最小化することができる。プロジェクタ設置面積を最小化する1つの方法は、図34Bに示されるように、プロジェクタアレイ内のプロジェクタ本体が、隣接するプロジェクタ間に最小限の空間を残しつつシャーシに直接取り付けられる直接取り付け方式である。その場合、プロジェクタ設置面積は、プロジェクタにおいて使用される表示装置の寸法に可能な限り近くなる。プロジェクタを直接取り付けると、ディスプレイ内のプロジェクタの位置合わせを調整する機械的な方法がなくなり、各々のプロジェクタのアクティブエリアの外側に追加の数の補正ピクセル94が許容されるようなデジタルプロジェクタ補正方法が必要になる。これらの補正ピクセル94は、ディスプレイ装置のx次元およびy次元の両方においてプロジェクタフレームをオフセットすることで、6自由度における位置ずれを補正することを可能にする。
【0122】
補正に必要なピクセル数は、プロジェクタアレイシステムの機械的設計に直接関係し、可能な限り小さい公差でプロジェクタを取り付けると、必要な補正ピクセル94の数が最小になる。デジタル補正の一例は、単一のプロジェクタフレーム内のピクセルを、ライトフィールド画像、オーバーラップピクセル92、および補正バッファに分割する。補正バッファは、プロジェクタアレイの所定の公差およびピクセル内の最大の位置ずれに基づいて決定される。例えば、プロジェクタ画像のフル解像度が2048×1080である場合、プロジェクタライトフィールド画像24が1944×1000の解像度を有し、20ピクセルが隣接するプロジェクタと重なるように、プロジェクタ画像内のピクセルを分割することができる。オーバーラップピクセル92は、タイル状ディスプレイのブレンドのための強度関数が適用された隣接するプロジェクタとの重複データを表示する。ライトフィールドフレームおよびオーバーラップピクセル92の解像度は、1984×1040ピクセルであり、歪曲および色収差などの光学補正による画像サイズの増加も考慮しなければならない。この1984×1040の解像度画像は、x方向の64ピクセルおよびy方向の40ピクセルに相当するプロジェクタごとの位置ずれの補正を可能にするために、2048×1080の内側で表示装置の中心からオフセットされる。この例において、最大プロジェクタ設置面積は、ライトフィールドディスプレイにおける等価ピクセルサイズを乗算したライトフィールドプロジェクタ解像度として計算される。
【0123】
プロジェクタおよびディスプレイの較正手順の概要を示す。ディスプレイの指定された白色点に関連する較正ファイルが、ディスプレイの色範囲の全体にわたってプロジェクタ出力を特徴付けることによって、各々のプロジェクタについて最初に生成される。各々のプロジェクタの較正は、LED電圧、電流、および混合比を変更することで、ディスプレイ全体の色の均一性を達成しつつ、各々の色ステップの強度が指定された許容値の範囲内にあることも保証する。プロジェクタ較正を、光度計、色彩計、またはデジタル一眼レフカメラ(DSLR)などの較正済みの画像化装置を使用し、プロジェクタをディスプレイに組み込んだ状態で実行することができ、あるいは組み込み前の個々のディスプレイを使用して実行することができる。この段階において、歪み、反り、または他のプロジェクタベースの量の光学補正を適用することができる。
【0124】
次のステップにおいて、表示光学系を、強度不均一性を補正することができるようにディスプレイシステムに組み込まなければならない。レンズの数および光学素子の光学的品質に応じて、このステップは必要とされない場合がある。
【0125】
ライトフィールドプロジェクタ装置をディスプレイに組み込んだ状態で、ディスプレイの特性評価および補正の前に、プロジェクタのデジタルオフセットを決定および設定することができる。ライトフィールドプロジェクタフレームが、各々のプロジェクタにおいて照明され、デジタルオフセットを、DSLRを使用した反復プロセスによって自動的に決定することができる。各々のプロジェクタが、独立した値一式を必要とする。オフセット値が決定されると、隣接するプロジェクタとのオーバーラップに割り当てられたプロジェクタ内の追加のピクセルが照明される。デフォルトの係数セットが各々のプロジェクタに割り当てられ、外側エッジのプロジェクタについては係数が異なる。次いで、係数は、必要なブレンドを達成するために、自動化された手順にて更新される。
【0126】
最後のステップは、プロジェクタピクセルからライトフィールドピクセルへのピクセル対ピクセルの対応を測定するために使用されるライトフィールドディスプレイ較正である。
【0127】
図1は、ライトフィールドプロジェクタ装置の等角図を示している。すべての光学コンポーネントを、プロジェクタハウジング60、あるいはコンポーネントを固定する任意の他のハウジングまたは構造内に収容することができる。投影光学系内の一組のLEDによって生成されたライトフィールド画像が、ライトフィールド投影レンズを備えるコリメート光学系18を介して投影される。図示のライトフィールドプロジェクタ装置は、ライトフィールドプロジェクタ装置および光源を駆動電子機器に接続するためのライトフィールドプロジェクタフレックスケーブルとも呼ばれるフレキシブルプリント回路(FPC)62をさらに含む。ライトフィールドプロジェクタ本体は、プロジェクタ装置の光学コンポーネントを収容して固定する役割を果たす。代案のプロジェクタ本体の構成は、光学コンポーネントを所定の位置に固定または保持することができる1つ以上の単一の表面または構造を備えることができる。
【0128】
図2が、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に収容される投影光学系14およびコリメート光学系18の構成を示している。この構成において、3つの発光ダイオード(LED)10a、10b、10cからなる組から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LED10aは、緑色の光を放ち、LED10bは、赤色の光を放ち、LED10cは、青色の光を放つ。各々のLEDは、単一のLEDであってよく、あるいはアレイまたは他の構成に配置された同じ色の複数のLEDであってもよい。図示の投影光学系14は、照明光学系108内に、平凸レンズ64a、64b、64cの組と、2つのダイクロイックミラー66a、66bの組と、マイクロレンズアレイ68と、メニスカスレンズ70と、第1の両凸レンズ72aとを有している。LED10a、10b、10cの各々にそれぞれ1つずつ、それぞれのLEDからの光を導く3つの平凸レンズ64a、64b、64cが存在する。次いで、3つのLED10a、10b、10cから由来する3つの個別の光線経路が、2つのダイクロイックミラー66a、66bの組を通って導かれ、合流し、単一の光線経路を形成する。ダイクロイックミラー66aは、LED10aからの緑色光の透過、およびLED10bから伝わる赤色光の反射を可能にする。同様に、ダイクロイックミラー66bは、LED10aおよび10bからの緑色および赤色光の透過、ならびにLED10cから伝わる青色光の反射を可能にする。これにより、赤色、緑色、および青色光が合流し、光の単一の光線経路を形成する。次いで、光の単一の光線経路は、マイクロレンズアレイ68を通ってメニスカスレンズ70へと進み、その後に第1の両凸レンズ72aを通って折り返しプリズム74へと進む。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、シリコン上液晶(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または他の表示装置であってよい。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を再び通過し、第2の両凸レンズ72bおよび投影ダブレット78a、78bの組を備える拡大光学系110へと進む。両凸レンズを、例えば、Zeonex(登録商標)E48R、ガラス、環状オレフィンポリマー(COP)、PMMA、ポリスチレン、アイソプラスト、光学ポリエステル、アクリル、ポリエーテルイミド(PEI)、または他の適切な材料で形成することができる。投影ダブレット78a、78bは、表示装置から小さな画像を受け取り、それを拡大することによって、投影画像を生成するように機能する。ダブレットは、一般に、画像を拡大することによる悪影響を最小限に抑えるために使用される。投影ダブレット78a、78bは、特性、すなわち材料および曲率が異なる2つのレンズを備えることができる。レンズダブレットは、光学収差を最小限に抑えるために使用される。次いで、光線経路は、この実施形態においては平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における平凸レンズ80の機能は、投影光学系14からもたらされる光をコリメートすることである。
【0129】
図3が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図2に示したとおりの投影光学系14の配置を有し、コリメート光学系18は両凸レンズ72からなる光学系の組を示している。投影光学系14およびコリメート光学系18は、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に収容される。この構成において、緑色LED10a、赤色LED10b、および青色LED10cから放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。図示の投影光学系14は、LED10a、10b、10cの各々にそれぞれ1つずつ、それぞれのLEDからの光を導く3つの平凸レンズ64a、64b、64cの組を有する。次いで、3つのLED10a、10b、10cから由来する3つの個別の光線経路が、2つのダイクロイックミラー66a、66bの組を通って導かれ、合流し、単一の光線経路を形成する。ダイクロイックミラー66aは、LED10aからの緑色光の透過、およびLED10bから伝わる赤色光の反射を可能にする。同様に、ダイクロイックミラー66bは、LED10aおよび10bからの緑色および赤色光の透過、ならびにLED10cから伝わる青色光の反射を可能にする。これにより、赤色、緑色、および青色光が合流し、光の単一の光線経路を形成する。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、および折り返しプリズム74を順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、シリコン上液晶(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または他の表示装置であってよい。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を再び通過して、第2の両凸レンズ72bへと進み、投影ダブレット78aおよび78bの組へと通過する。次いで、光線経路は、この実施形態においてはもう1つの両凸レンズ72cを備えるコリメート光学系18へと続く。
【0130】
図4が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図2に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、両凸レンズ72および平凸レンズ80で構成されている。投影光学系14およびコリメート光学系18は、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に収容される。図示のように、緑色LED10a、赤色LED10b、および青色LED10cから放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。図示の投影光学系14は、LED10a、10b、10cの各々にそれぞれ1つずつ、それぞれのLEDからの光を導く3つの平凸レンズ64a、64b、64cの組を有する。次いで、3つのLED10a、10b、10cから由来する3つの個別の光線経路が、ダイクロイックミラー66a、66bの組を通って導かれ、合流し、単一の光線経路を形成する。ダイクロイックミラー66aは、LED10aからの緑色光の透過、およびLED10bから伝わる赤色光の反射を可能にする。同様に、ダイクロイックミラー66bは、LED10aおよび10bからの緑色および赤色光の透過、ならびにLED10cから伝わる青色光の反射を可能にする。これにより、赤色、緑色、および青色光が合流し、光の単一の光線経路を形成する。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、および折り返しプリズム74を順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、シリコン上液晶(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または他の表示装置であってよい。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を再び通過して、第2の両凸レンズ72bへと進み、投影ダブレット78aおよび78bの組へと通過する。次いで、光線経路は、この実施形態においては第3の両凸レンズ72cおよび光線経路に沿った後続の平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。
【0131】
図5が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図2に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、2つ以上の光学コンポーネントで構成されている。投影光学系14およびコリメート光学系18は、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に収容される。この実施形態において、緑色LED10a、赤色LED10b、および青色LED10cから放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。図示の投影光学系14は、LED10a、10b、10cの各々にそれぞれ1つずつ、それぞれのLEDからの光を導く3つの平凸レンズ64a、64b、64cの組を有する。次いで、3つのLED10a、10b、10cから由来する3つの個別の光線経路が、ダイクロイックミラー66a、66bの組を通って導かれ、合流し、単一の光線経路を形成する。ダイクロイックミラー66aは、LED10aからの緑色光の透過、およびLED10bから伝わる赤色光の反射を可能にする。同様に、ダイクロイックミラー66bは、LED10aおよび10bからの緑色および赤色光の透過、ならびにLED10cから伝わる青色光の反射を可能にする。これにより、赤色、緑色、および青色光が合流し、光の単一の光線経路を形成する。次いで、光は、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、第1の両凸レンズ72a、および折り返しプリズム74を順に通過する。折り返しプリズム74を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられる。ピクセル形成装置76は、例えば、シリコン上液晶(LCOS)パネル、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または他の表示装置であってよい。次いで、光線経路は、折り返しプリズム74を再び通過して、第2の両凸レンズ72bへと進み、投影ダブレット78aおよび78bの組へと通過する。次いで、光線経路は、この実施形態においては1つ以上のコリメート光学コンポーネント102を備えるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における1つ以上のコリメート光学コンポーネント102は、入射光をコリメートするように機能し、これらに限られるわけではないが、光学ディフューザならびに両凸レンズおよび平面レンズなどの1つ以上の異なるレンズ種のレンズなどの1つ以上のコンポーネントを含むことができる。
【0132】
図6が、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に組み込まれて収容される投影光学系14およびコリメート光学系18の別の構成を示している。この構成においては、LEDパッケージ100内の光源から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LEDパッケージ100を、投影光学系14へと向けられる複数の光線を生成する1つ以上のLEDで構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、好ましくは、LEDパッケージ100から放たれた光が比較的集中し、小さな直径であるように、アレイまたは密集した構成に配置される。さらに、LEDパッケージ100は、システム設計に応じて、1つ以上の色のLEDを備えることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、緑色、赤色、および青色の各々が1つずつ、少なくとも3つのLEDを備える。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光を受光する照明光学系108からなる。第1に、光は、LEDパッケージ100から照明光学系108へと受光される。照明光学系は、平凸レンズ64と、第1の両凸レンズ72aと、後続の1対のメニスカスレンズ70a、70bとを備える。次いで、光線経路は、単一のプリズム82を通って導かれる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74、および好ましくはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)であるピクセル形成装置76へと向けられ、その後に再び折り返しプリズム74を通過する。光線経路は、第2の両凸レンズ72bと後続の投影ダブレット78a、78bの組とを有する拡大光学系110を通って続く。次いで、光線経路は、この実施形態においては平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。平凸レンズ80の機能は、光ビームをコリメートすることである。
【0133】
図7が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図6に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、両凸レンズ72で構成されている。この構成においては、LEDパッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光が向けられる平凸レンズ64で構成されている。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aへと向けられ、1対のメニスカスレンズ70a、70bが続き、その後に単一のプリズム82を通って導かれる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74およびピクセル形成装置76へと導かれ、次いで折り返しプリズム74を再び通過し、第2の両凸レンズ72bを通り、その後に投影ダブレット78a、78bの組が続く。次いで、光線経路は、この実施形態においては両凸レンズ72であるコリメート光学系18へと続く。両凸レンズ72の機能は、光ビームをコリメートすることである。
【0134】
図8が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図6に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、両凸レンズ72および平凸レンズ80で構成されている。この構成においては、LEDパッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光が向けられる平凸レンズ64で構成されている。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aへと向けられ、1対のメニスカスレンズ70a、70bが続き、その後に単一のプリズム82を通って導かれる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74およびピクセル形成装置76へと導かれ、次いで折り返しプリズム74を再び通過し、第2の両凸レンズ72bを通り、その後に投影ダブレット78a、78bの組が続く。次いで、光線経路は、この実施形態においては第3の両凸レンズ72cおよび光線経路に沿った後続の平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における両凸レンズ72cおよび平凸レンズ80の組み合わせの機能は、光ビームをコリメートすることである。
【0135】
図9が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図6に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、2つ以上の光学コンポーネントで構成されている。この構成においては、LEDパッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。投影光学系14は、LEDパッケージ100からの光が向けられる平凸レンズ64で構成されている。次いで、光線経路は、第1の両凸レンズ72aへと向けられ、1対のメニスカスレンズ70a、70bが続き、その後に単一のプリズム82を通って導かれる。次いで、プリズム82を通る光線経路は、折り返しプリズム74およびピクセル形成装置76へと導かれ、次いで折り返しプリズム74を再び通過し、第2の両凸レンズ72bを通り、その後に投影ダブレット78a、78bの組が続く。次いで、光線経路は、この実施形態においては1つ以上のコリメート光学コンポーネントを備えるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における1つ以上のコリメート光学コンポーネント102は、入射光をコリメートするように機能し、これらに限られるわけではないが、光学ディフューザならびに両凸レンズおよび平面レンズなどの1つ以上の異なるレンズ種のレンズなどの1つ以上のコンポーネントを含むことができる。
【0136】
図10が、図1に示したようなライトフィールドプロジェクタ本体に組み込まれる投影光学系14およびコリメート光学系18の構成を示している。この構成において、発光ダイオード(LED)10または発光ダイオード(LED)パッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LEDパッケージ100を、投影光学系14へと向けられる複数の光線を生成する1つ以上のLEDで構成することができる。LEDパッケージ100が複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、好ましくは、LEDパッケージ100から放たれた光が比較的集中し、小さな直径であるように、アレイまたは密集した構成に配置される。さらに、LEDパッケージ100は、システム設計に応じて、1つ以上の色のLEDを備えることができる。好ましくは、LEDパッケージ100は、少なくとも2つのLEDを備える。LED10からの光は、自身の平凸レンズ64aを通って導かれ、LEDパッケージ100から発せられた光は、平凸レンズ64bへと向けられる。次いで、2つの個別の光線経路は、光を合流させて単一の光線経路を形成するダイクロイックミラー66aで始まる照明光学系108に向けられる。LED10は、ダイクロイックミラー66aを透過する単色であってよく、LEDパッケージ100は、単一の光線経路を形成するようにダイクロイックミラー66aによって反射させられる任意の他の色を含むことができる。LEDパッケージ100が青色および赤色の光を放ち、LED10が緑色LEDである1つの例示的な事例において、ダイクロイックミラー66aは、LED10からの緑色の光の透過、およびLEDパッケージ100から伝わる赤色および青色の光の反射を可能にする。光線経路は、照明光学系108において、マイクロレンズアレイ68をメニスカスレンズ70へと通過し、ダイクロイックミラー66bへと続く。ダイクロイックミラー66bは、LED 10およびLEDパッケージ100からの緑色、赤色、および青色の光を反射する。光は、両凸レンズ72および単一のプリズム82を通るように向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、その後に単一のプリズム82を再び通過し、投影ダブレット78の組へと向けられる。光は、両凸レンズ72および単一のプリズム82を通るように向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、その後に単一のプリズム82を再び通過し、投影ダブレット78a、78bの組を備える拡大光学系110を通過する。次いで、光線経路は、この実施形態においては平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における平凸レンズ80の機能は、投影光学系14からもたらされる光をコリメートすることである。
【0137】
図11が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図10に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、両凸レンズ72bで構成されている。この構成において、発光ダイオード(LED)10および発光ダイオード(LED)パッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LED10およびLEDパッケージ100の後で、光線経路は、順にダイクロイックミラー66a、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、および第2のダイクロイックミラー66bへと続く。光は、両凸レンズ72および単一のプリズム82を通るように向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、その後に単一のプリズム82を再び通過し、投影ダブレット78a、78bの組へと向けられる。次いで、光線経路は、この実施形態においては第2の両凸レンズ72bを備えるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18は、投影光学系14から到来する光をコリメートする。
【0138】
図12が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図10に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、両凸レンズ72bおよび平凸レンズ80で構成されている。この構成において、発光ダイオード(LED)10および発光ダイオード(LED)パッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LED10およびLEDパッケージ100の後で、光線経路は、順にダイクロイックミラー66a、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、および第2のダイクロイックミラー66bへと続く。光は、両凸レンズ72aおよび単一のプリズム82を通るように向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、その後に単一のプリズム82を再び通過し、投影ダブレット78a、78bの組へと向けられる。次いで、光線経路は、この実施形態においては第2の両凸レンズ72bおよび光線経路に沿った後続の平凸レンズ80であるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18は、投影光学系14から到来する光をコリメートする。
【0139】
図13が、光線経路をコリメート光学系18へと導く図10に示したとおりの投影光学系14の配置を示しており、コリメート光学系18は、2つ以上の光学コンポーネントで構成されている。この構成において、発光ダイオード(LED)10および発光ダイオード(LED)パッケージ100から放たれた光が、投影光学系14へと向けられる。LED10およびLEDパッケージ100の後で、光線経路は、順にダイクロイックミラー66a、マイクロレンズアレイ68、メニスカスレンズ70、および第2のダイクロイックミラー66bへと続く。光は、両凸レンズ72および単一のプリズム82を通るように向け直される。プリズム82を通る光線経路は、ピクセル形成装置76に向けられ、その後に単一のプリズム82を再び通過し、投影ダブレット78a、78bの組へと向けられる。次いで、光線経路は、この実施形態においては1つ以上のコリメート光学コンポーネント102を備えるコリメート光学系18へと続く。コリメート光学系18における1つ以上のコリメート光学コンポーネント102は、入射光をコリメートするように機能し、これらに限られるわけではないが、光学ディフューザならびに両凸レンズおよび平面レンズなどの1つ以上の異なるレンズ種のレンズなどの1つ以上のコンポーネントを含むことができる。コリメート光学系18は、投影光学系14から到来する光をコリメートする。
【0140】
図14Aが、コリメート光学系においてコリメートレンズアレイとして機能するコリメートレンズアレイの正面図である。この例において、コリメートレンズアレイ26は、ほぼ長方形であり、図14Dに拡大図が示されているレンズレットとも呼ばれる複数のコリメートレンズレット32を有する。コリメートレンズアレイ26は、複数の小型レンズまたはコリメートレンズレット32が接着される基板を用いて構成され、基板に固定された単一部品を形成することができる。接着を、例えば、特定の屈折率を有する光学的に透明な接着剤、または光学的に透明なテープを使用して行うことができる。基板を、例えば、環状オレフィンコポリマー(COC)、ガラス、環状オレフィンポリマー(COP)、PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン、イソプラスト、Zeonex(登録商標)E48R、光学ポリエステル、アクリル、ポリエーテルイミド(PEI)、または他の適切な材料から製作することができる。コリメートレンズアレイ26は、1つ以上のコリメートレンズレット32を投影光学系の上流の対応するLEDに整列するように配置して備え、したがって、各々のコリメートレンズレット32が、そのLEDから光を受光する。コリメートレンズアレイ26は、片面または両面において反射防止コーティングでコーティングされてよい。図14Bの例において、コリメートレンズレット32は、2つの平凸レンズと、基板34とを備える。凸レンズを、例えば、Zeonex(登録商標)E48R、ガラス、環状オレフィンポリマー(COP)、PMMA、ポリスチレン、アイソプラスト、光学ポリエステル、アクリル、ポリエーテルイミド(PEI)、または他の適切な材料で形成することができる。2つの平凸レンズおよび基板34を、コリメートレンズレット32として働くことができる単一の非球面両凸レンズを形成するように配置することができる。
【0141】
図14Bが、図14Aに示したコリメートレンズアレイの2×4のグリッドの拡大図である。
【0142】
図14Cが、図14Aのコリメートレンズアレイの側面図である。
【0143】
図14Dが、図14Aに示したコリメートレンズアレイ内の単一のコリメートレンズレット32の拡大等角図である。
【0144】
図15Aは、随意により光線経路に沿ってコリメート光学系の下流のプロジェクタ装置内にあってよい工学的ディフューザ36の図である。工学的ディフューザ36は、光線を散乱させるように機能するレーザエッチングによる工学的ディフューザ36を備える。いくつかの例において、工学的ディフューザ36は、単一のディフューザレンズレットまたは図15Cに示されるようなディフューザレンズレットアレイである。本開示の一実施態様において、工学的ディフューザ36は、3.5度の円角度を有し、コーティングを必要としない。
【0145】
図15Bが、図15Aからの切断Aとして拡大されたレーザエッチングによる工学的ディフューザの拡大図である。これは、レーザエッチングによる工学的ディフューザの分子配列を表すための図である。
【0146】
図15Cは、工学的ディフューザ36の一実施形態であるディフューザレンズレットアレイ38の拡大図である。ディフューザレンズレットアレイは、レーザエッチングによる工学的拡散面とは対照的に、複数の拡散レンズレットで構成される代替の拡散コンポーネントである。
【0147】
図16Aが、単一の表示レンズとして示される表示光学系22を示している。表示レンズは、ホーゲルのアレイで構成され、コリメート光学系18からのコリメートされた光線を、ディスプレイの視野によって記述される角度範囲にわたる光線の分布へと、それらの集合体によってライトフィールド画像が形成されるように向け直すように機能する。
【0148】
図16Bが、メタサーフェースまたはメタマテリアルとしての代案の表示光学系22を示している。表示レンズは、レンズの周期的アレイ、メタサーフェース、または上記の説明を満たす任意の種類の光導波路であってよい。
【0149】
図16Cが、コリメート光学系18からのコリメートされた光線を、ディスプレイの視野によって記述される角度範囲にわたる光線の分布へと、それらの集合体によってライトフィールド画像が形成されるように向け直すように機能する工学的表面としてのさらなる代案の表示光学系22を示している。
【0150】
図17は、ライトフィールドプロジェクタ装置内のLED10またはLEDパッケージから放たれる光の光線経路を示している。図示のように、光線12は、好ましくは発光ダイオード(LED)10(複数のLEDであってもよく、随意によりLEDパッケージ内にあってよい)である光源から、投影光学系14を通って放たれる。投影光学系14は、すでに説明したようなさまざまな配置の光学プロジェクタコンポーネントを含むことができる。次いで、光は、投影光学系14から出力され、コリメート光学系18へと進む第1の投影画像16を形成し、コリメート光学系18が、光線をコリメートおよび拡散させて、第2の投影画像20を形成する。ピクセルピッチは、第2の投影画像20における隣接ピクセル間の間隔を表す。ピクセルピッチは、画像がピクセル形成装置を出た後に、拡大光学系の拡大効果によってサイズが大きくなる。焦点距離は、コリメート光学系18と表示光学系22との間の距離である。コリメート光学系18は、光をコリメートし、例えばコリメートアレイ、コリメート可能な1つ以上のレンズ構造または光学コンポーネントを備えることができる。次いで、第2の投影画像20は、この場合には表示レンズである表示光学系22へと進む。表示レンズは、例えば、レンズレットのアレイまたはメタサーフェースから形成されてよく、空間ピクセルを指向性ビューに変換する。表示光学系22における表示レンズの出力は、ライトフィールド画像24を形成する。ホーゲルが、ピクセルの空間位置を指向性または充分に制御された指向性光線に変換する。ホーゲルの一例は、レンズである。ライトフィールド画像24は、ホーゲルのアレイを含む。
【0151】
さらに、ライトフィールドプロジェクタ装置は、投影画像または光線経路の方向の調整のための調整機構も含むことができる。調整は、機械的公差、光学収差、または公称からの光線経路の逸脱を引き起こす他の誤差によってもたらされる誤差を補償することができる。一例において、調整機構は、設計公差の範囲内で6次のすべてにおけるプロジェクタの微調整を可能にするための運動学的調整機構であってよい。とくには、プロジェクタ本体は、すべてのデカルト方向、すなわちx、y、およびz、ならびに角度方向、すなわちヨー、ピッチ、およびロールにおいて調整可能であってよい。ライトフィールドプロジェクタ装置は、物理的な公差で特定の自由度を設定することができ、装置の位置合わせのために表示装置の周囲の追加のピクセルを使用するデジタル調整機構を含むことができる。運動学的調整機構およびデジタル調整機構の両方を組み合わせて使用することも可能である。内部光学コンポーネントの一部であり得る他の特徴として、これらに限られるわけではないが、静的虹彩、工学的ディフューザ、コリメーションレンズまたはコリメーション装置、光学レンズ、回折格子、ファイバ光学コンポーネント、レーザ光学コンポーネント、のうちの1つ以上が挙げられ、これらのうちの1つ以上を、ライトフィールドプロジェクタ装置の設計に組み込むことができる。コリメーションレンズは、例えば、ライトフィールドプロジェクタ装置の本体の前面のレンズ開口を満たすために、光学素子の両凸設計を活用することができるフレームレスコリメーションレンズ設計であってよい。レンズ開口は、光の通過に必要な孔または開口部として定義されてよい。さらに、ライトフィールドプロジェクタ装置は、プリント回路基板(PCB)、1つ以上のメモリ、およびハウジングなどの1つ以上の従来からのプロジェクタコンポーネントも備えることができる。さらに、プロジェクタは、光のさらなる操作、拡散、および/またはコリメーションのための追加の内部光学コンポーネントも含むことができる。
【0152】
図18は、ライトフィールドプロジェクタ装置における単一ピクセルの光線経路を示している。光線12が、発光ダイオード(LED)10から投影光学系14を介して放たれる。投影光学系14は、さまざまな配置の光学プロジェクタコンポーネントを含むことができる。投影光学系14は、コリメート光学系18へと進む第1の投影画像16を形成するように光線を放つ。コリメート光学系18は、光線をコリメートおよび拡散し、第2の投影画像20を形成する。コリメート光学系は、光線のコリメートのためのコリメートレンズアレイ26と、光線の拡散のためのディフューザ36とを含む。第2の投影画像20は、表示レンズである表示光学系22へと進む。表示レンズの出力は、ライトフィールド画像24を形成する。
【0153】
コリメートレンズアレイ26は、1つ以上のレンズ、レンズレット、光学ミラー、またはコリメート光学素子を含むことができる。コリメートレンズアレイ26は、投影光学系14から放たれた光の発散を低減する。コリメートレンズアレイ26は、投影光学系14から投射距離に位置する。一例において、投射距離は、プロジェクタ画像の各々のピクセルのサイズが隣接するピクセルに比例して増加し、ピクセルに重なり合いが生じないような距離である。投影光学系14は、投影光学系14とコリメートレンズアレイ26との間の距離により、コリメートレンズアレイ26内の単一のレンズレットと同じサイズの投影画像が生じるように配置される。
【0154】
コリメートレンズアレイ26を出たコリメートされた光ビーム30は、ディフューザ36へと進む。いくつかの例において、ディフューザ36は、工学的ディフューザアレイ、あるいは拡散に好適であってよい1つ以上のレンズ、光学ミラー、または光学材料を含むことができる。ディフューザ36は、コリメートレンズアレイ26と表示光学系22との間に位置し、ディフューザ36は、コリメートレンズアレイ26から光を受光する。コリメートレンズアレイ26およびディフューザ36は、単一の一体部品または別個の部品であってよい。表示光学系22を、ディフューザ36から第2の投影画像20を受け取るように配置することができる。したがって、コリメートレンズアレイ26からの光は、一例においては工学的ディフューザアレイであるディフューザ36へと進む。投影光学系14からの第1の投影画像16を形成する出力光線は、画像の投影サイズを維持するようにコリメートされる。
【0155】
ディフューザ36において、各ピクセルの発散は、因数

によって増加し、
ここで、Cは、サンプリングされた波面を適切に再現するために選択される定数であり、は、フィルファクタである。一例において、Cの値は約2である。このような場合、フィルファクタは約0.9であり、したがってスポットサイズは、ピクセル間隔に、

のように関連し、
ここで、は、レンズピッチを角度サンプルの数で割ったものである。
【0156】
したがって、ディフューザ36は、画像内の各ピクセルに点広がり関数を与える。次いで、ディフューザ36からの点広がり関数を有するピクセルは、表示レンズを構成する表示光学系22の背面に入射する。光がディフューザ36に入射してディフューザ36を通過するとき、光は、ガウス関数として近似される点広がり関数に従って拡散する。ディフューザ36は、所望の広がり関数を達成し、隣接するピクセルからの光の投影からの浸出を防止するために使用される角度ディフューザまたは工学的拡散アレイを含むことができる。一例において、投影光学系14は、プロジェクタの投射比によって定められる距離において20mm×10mmのサイズを有する画像を生成し、投射比は、スクリーン幅に対するレンズからスクリーン(投射)までの距離の比である。次いで、この画像をコリメートレンズアレイ26に投影し、例えばディフューザスクリーンまたは工学的ディフューザアレイであるディフューザ36に向かって投影される正確なサイズ(20mm×10mm)のパケット画像をもたらすことができる。次いで、ディフューザ36は、小さな定義された点広がり関数を生成することができる。所望の点広がり関数を使用して、解像度の偏り誤差またはピケットフェンス効果を低減し、より良好な視覚体験のために光を分散させるように、ピクセル間の適切な重なりが達成される。解像度の偏り誤差は、スペクトル内のサンプル間で欠落情報を参照する。解像度の偏り誤差の低減は、滑らかな視覚ゾーンの遷移を可能にする。この場合のディフューザ36は、例えば設計された発散が5度の円形FWHMを有する場合、光学系を通るビームも5度の強度プロファイルを有するように、きわめて特定の角度出力に設計される。この出力は、メタサーフェース、屈折率分布型レンズ材料、または上述のようなプレノプティックサンプリング関数に従って各ピクセルからの光を分布させるための任意の他の光学構造であってよい表示光学系22の表示レンズに向けられた光である。
【0157】
マルチ装置またはマルチプロジェクタの構成においては、各々の装置またはプロジェクタの各々の投影光学系14を、コリメート光学系18を出る光が表示光学系22に垂直に入射するように位置合わせすることができる。したがって、各々の投影光学系14は、プロジェクタ装置内で光線を配向させるための位置合わせハードウェアおよび精密制御機構を備えることができる。必要な許容誤差に応じて、プロジェクタまたは投影光学系14の位置合わせに対するいくつかの手法が存在する。一例においては、1回限りの大まかな位置合わせを提供するために、例えばねじアジャスタを備えた機械的マウントなどの1つ以上の調整要素を設けることができる。別の例においては、例えばナノ~マイクロスケールの電子的調整のための1つ以上の圧電トランスデューサを設けることができる。これらは、潜在的に、フィードバックを利用する能動較正方式にも有用であり得る。他の調整要素は、上述の圧電トランスデューサなど、運動学的マウントおよび/またはデジタル制御調整要素を含むことができる。必要とされる調整の最大量は、各々の投影光学系14によって照明されるレンズレットの寸法によって決定される。
【0158】
図19は、投影光学系14の光学素子が図2図5に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の光線経路図を示している。3つのLED10a、10b、10cの組からの出力光線12は、投影光学系14を通り、コリメート光学系18へと進む第1の投影画像16を形成する。図示のコリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する単一のレンズである。コリメート光学系18は、ライトフィールド投影レンズで構成されてよい。
【0159】
図20は、投影光学系14の光学素子が図2図5に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る3つのLED10a、10b、10cの組からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ここではコリメートレンズアレイ26およびディフューザ36として示されている2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する。
【0160】
図21は、投影光学系14の光学素子が図2図5に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置のさらなる代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る3つのLED10a、10b、10cの組からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。この配置において、コリメート光学系18は、コリメートされた光ビーム30を拡散アレイまたは工学的ディフューザ36へと出力する複数のコリメートレンズレット32を備えるコリメートレンズアレイからなり、拡散アレイまたは工学的ディフューザ36は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力するための光学系または他の光学コンポーネントであってよい。
【0161】
図22が、投影光学系14の光学素子が図6図9に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の光線経路図を示している。投影光学系14を通る単一のLED10からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する単一のレンズである。コリメート光学系18は、ライトフィールド投影レンズで構成されてよい。
【0162】
図23が、投影光学系14の光学素子が図6図9に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る単一のLED10からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ここではコリメートレンズアレイ26およびディフューザ36として示されている2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する。
【0163】
図24が、投影光学系14の光学素子が図6図9に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置のさらなる代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る単一のLED10からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。この配置において、コリメート光学系18は、コリメートされた光ビーム30を拡散アレイまたは工学的ディフューザ36へと出力するコリメートレンズレット32を備えるコリメートレンズアレイからなり、拡散アレイまたは工学的ディフューザ36は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力するための光学系または他の光学コンポーネントであってよい。
【0164】
図25が、投影光学系14の光学素子が図10図13に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の光線経路図を示している。投影光学系14を通る発光ダイオード(LED)10aおよび発光ダイオード(LED)パッケージ100からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ライトフィールド投影レンズなどの単一のレンズである。次いで、コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する。
【0165】
図26が、投影光学系14の光学素子が図10図13に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置の代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る発光ダイオード(LED)10および発光ダイオード(LED)パッケージ100からの出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影し、コリメート光学系18は、ここではコリメートレンズアレイ26およびディフューザ36として示されている2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。次いで、コリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する。
【0166】
図27が、投影光学系14の光学素子が図10図13に示したような配置である本開示によるライトフィールドプロジェクタ装置のさらなる代案の光線経路図を示している。投影光学系14を通る発光ダイオード(LED)10および発光ダイオード(LED)パッケージ100による出力光線12は、コリメート光学系18へと第1の投影画像16を投影する。図示のコリメート光学系18は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力する2つ以上のレンズまたは光学コンポーネントを有する。この配置において、コリメート光学系18は、コリメートされた光ビーム30を拡散アレイまたは工学的ディフューザ36へと出力するコリメートレンズレット32を備えるコリメートレンズアレイからなり、拡散アレイまたは工学的ディフューザ36は、ライトフィールド画像24を出力する表示光学系22へと向けられる第2の投影画像20を出力するための光学系または他の光学コンポーネントであってよい。
【0167】
図28が、ディフューザ内のレンズレットについて本開示の一実施形態による公称の点拡がり関数を示している。一例において、点拡がり関数40は、2つの指向性ピクセルの間の角度の2倍のFWHMを有し得る。ピクセルの角度広がりのグラフ表示が、ディフューザの関数としての方位角42および極角44に対する光線の強度46に関して示されている。本明細書に記載のプロジェクタ装置においては、指定された投射比によって特徴付けられる投影光学系から光が放たれ、プロジェクタ画像の各ピクセルのサイズが隣接ピクセルに比例して増加し、ピクセルの重なりは生じない。続いて、コリメートレンズアレイにおいて、投影光学系の出力が、画像の投影サイズが維持されるようにコリメートされる。次いで、コリメートされたビームは、ディフューザに入射し、ビームの幅は両方の光学系においてほぼ等しい。最後に、ディフューザからの点広がり関数40を有するピクセルは、表示レンズを構成する表示光学系の背面に入射する。表示光学系とコリメート光学系との間の距離により、画像ごとのピクセルの出力幅を微調整することができる。
【0168】
図29が、本明細書に記載のようなライトフィールドプロジェクタ装置のアレイを備えるライトフィールド画像表示装置の等角図を示している。図示のシステムは、サイドレール54を有するライトフィールド画像表示装置ハウジング内に固定された複数のライトフィールドプロジェクタ装置を有する。システムは、好ましくは、プリント制御基板(PCB)アーキテクチャ56によって制御される。表示光学系22とも呼ばれる表示レンズが、ライトフィールド画像を出力し、表示レンズマウント48によってライトフィールド投影システムに固定される。
【0169】
図30は、ライトフィールドプロジェクタ装置のアレイを有するライトフィールド画像表示装置またはシステムの分解図を示している。システムは、PCBアーキテクチャ56を含む。電源および冷却システムが、システムを冷却するためのファンマウントも有するサイドレール54によって収容される。PCBアレイ52が給電され、プロジェクタマウント58によってライトフィールドプロジェクタアレイ50に接続される。表示光学系22とも呼ばれる表示レンズが、ライトフィールド画像を出力し、表示レンズマウント48によってライトフィールド投影システムに固定される。この図示の例において、ライトフィールド画像表示装置は、18行12列のライトフィールドプロジェクタ装置を有し、合計216個のライトフィールドプロジェクタ装置がアレイ内にある。他のアレイサイズも可能であり、任意のサイズのアレイが可能である。本発明のライトフィールド画像表示装置またはシステムの一動作構成において、表示光学系22は、高さ187mm、幅228mmであり、これはほぼ小型タブレットのサイズである。
【0170】
図31は、単一のプロジェクタ本体内に3×4のプロジェクタ装置を複数備えるプロジェクタアレイを有しているライトフィールドプロジェクタ装置の代案の構成を示している。
【0171】
図32は、ライトフィールドディスプレイを生成するための表示装置のアレイおよびすべての光学系を含むライトフィールドプロジェクタ装置の代案の構成を示している。システムをタイル状に並べ/積み重ねて、より大きなライトフィールドディスプレイを生成することができる。
【0172】
図33が、本開示のブロック図を示している。バックプレーン84が、入力デバイスからの映像および制御データをライトフィールド投影装置96に送信する。表示パネルコントローラ86が、表示パネル90のための映像入力を生成する一方で、フレームシーケンシャル駆動方式で光源10に電力を供給するためにイネーブル信号を光源ドライバ88に送信する。光源LED10からの光が、投影装置内の表示パネル90に入射し、表示光学系22上に投影画像をもたらす。
【0173】
図34Aおよび図34Bが、アクティブ画像、オーバーラップ領域、および補正バッファのためのプロジェクタフレーム内のピクセルの割り当てを示している。いくつかの実施形態において、プロジェクタは、図34Aに示されるように、プロジェクタの前縁を包み込むカスタム設計によるエッジレスライトフィールド投影(LFP)レンズ98を含む。図34Aは、第2の投影画像20を出力するためのコリメート光学系18として機能するLFPレンズを通るLED光源10からの第1の投影画像16を示している。このエッジレス設計は、プロジェクタの位置合わせおよびレンズアレイの組み立て公差に起因するライトフィールドディスプレイのタイル配置アーチファクトを除去する。各々のプロジェクタの投影ライトフィールド画像24のサイズは、システムにおけるプロジェクタのタイル配置の表示アーチファクトの除去を可能にし、ライトフィールドディスプレイのデジタル補正を可能にする。以下の図は、LFPレンズ98を通る光線経路を示し、ライトフィールドディスプレイにおける各々のプロジェクタのピクセルの使用を示している。図34Bが、補正ピクセル94およびライトフィールド画像ピクセルに注目して、オーバーラップピクセル92の割り当てを示している。オーバーラップピクセル92および補正ピクセル94の側面図が、図34Aにさらに示されている。
【0174】
本明細書において参照されるすべての特許、特許出願、刊行物の開示は、あたかもそのような個々の特許、特許出願、刊行物、およびデータベースのエントリの各々が、参照によって援用されると具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、その全体が参照によって本明細書に具体的に組み込まれる。本発明を特定の具体的な実施形態を参照して説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それらのさまざまな変更が当業者には明らかであろう。当業者に明らかであるようなすべてのそのような変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれるように意図される。
【0175】
いくつかの実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。例えば、上述したステップのいくつかは、順序に関して独立であってよく、したがって、記載された順序とは異なる順序で実行可能である。他の実施態様も、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14A
図14B
図14C
図14D
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
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図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
【国際調査報告】