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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】調節可能な幅を有するカバー
(51)【国際特許分類】
   E04H 5/06 20060101AFI20221006BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E04H5/06
E06B9/02 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506580
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-03-30
(86)【国際出願番号】 GB2020051682
(87)【国際公開番号】W WO2021019203
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】1910947.9
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520262294
【氏名又は名称】オックスフォード セーフティ コンポーネンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・アレクサンダー・ブラック
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・デイヴィッド・ブラック
(57)【要約】
表面に画定されている開口部を覆うためのカバー(10)であって、該開口部は第1の縁部と第2の縁部との間に画定されており、開口部の長さよりも短い開口部幅をそれらの間に画定しており、該カバーはカバー幅(W)を有し、カバー幅が開口部幅に平行である場合、使用中に開口部の第1の縁部および第2の縁部において支持されるように構成されており、該カバー幅は第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節可能であり、カバーは、使用中、カバー幅を第2のカバー幅で維持するように構成されている、カバー(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画定されている開口部を覆うためのカバーであって、前記開口部は、第1の縁部と第2の縁部との間に画定されており、かつ前記開口部の長さよりも短い開口部幅を前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に画定しており、
前記カバーは、カバー幅を有し、前記カバー幅が前記開口部幅に平行である場合、使用中に前記開口部の前記第1の縁部および前記第2の縁部において支持されるように構成されており、
前記カバー幅は、第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節可能であり、
前記カバーは、使用中、前記カバー幅を前記第2のカバー幅で維持するように構成されている、カバー。
【請求項2】
前記カバーは、前記カバー幅が前記第2のカバー幅にある場合、保持機構の作動後、前記カバー幅の前記第1のカバー幅への調節を実質的に永続的に防止するように構成されている、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
複数の平行部材を含み、複数の前記平行部材の各々は前記開口部の前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に設けられるように配置されており、前記カバーの長さが調節可能であるように、複数の前記平行部材の各々は複数の前記平行部材の隣接する平行部材に延長可能に接続されるように配置されている、請求項1または2に記載のカバー。
【請求項4】
複数の前記平行部材の各々は、前記平行部材内に摺動可能に受容されて、前記カバー幅を前記第1のカバー幅から前記第2のカバー幅まで調節するように構成されている少なくとも1つの伸縮式伸長アームを備える、請求項3に記載のカバー。
【請求項5】
複数の前記平行部材および複数の前記平行部材の各々のための少なくとも1つの前記伸縮式伸長アームのうち、複数の前記平行部材のみが、前記カバー幅を前記第2のカバー幅で保持するための保持締め具を受容する開口部を複数の前記平行部材に画定している、請求項4に記載のカバー。
【請求項6】
複数の前記平行部材の各々は2つの伸縮式伸長アームを含み、2つの前記伸縮式伸長アームの各々が、それぞれの前記平行部材の第1の端部および第2の端部の各々から延出している、請求項4または5に記載のカバー。
【請求項7】
複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも1つと共に移動可能な延長止め具をさらに含み、
前記延長止め具は、前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも1つを越えて、複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも他の1つが延長するのを実質的に防止するように構成されている、請求項4から6のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項8】
前記開口部の前記第1の縁部および前記第2の縁部における前記カバーの少なくとも一部分の移動を促進するための移動手段をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項9】
車両検査ピットを覆うための、請求項1から8のいずれか一項に記載のカバー。
【請求項10】
第1の縁部と第2の縁部との間に画定されており、かつ前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に所定の開口部幅を画定する開口部を覆う方法であって、
前記開口部に、請求項1から9のいずれか一項に記載のカバーを設けるステップと、
前記カバーのカバー幅を第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節するステップであって、前記カバーが前記開口部を覆うことが可能なように、前記第2のカバー幅は前記所定の開口部幅に相当する、調節するステップと、
使用中、前記カバー幅を前記第2のカバー幅で維持するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記カバーは、請求項4または請求項4に直接もしくは間接的に従属する場合の請求項5から9のいずれか一項に記載のカバーであり、前記方法は、
延長止め具を複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも1つに取り付けるステップであって、前記延長止め具は、前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも1つと共に移動可能であり、前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも1つを越えて、複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも他の1つが延長するのを実質的に防止するように構成されている、取り付けるステップと、
複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも他の1つを延長させて、前記延長止め具に当接させるステップと、
前記伸縮式伸長アームを複数の前記平行部材に対して固定するステップと、
前記延長止め具を前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも1つから除去するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
表面に画定されている開口部用のカバーを形成するための部品キットであって、前記開口部は、第1の縁部と第2の縁部との間に画定されており、かつ前記開口部の長さよりも短い所定の開口部幅を前記第1の縁部と前記第2の縁部との間に画定しており、前記部品キットは、
請求項1から9のいずれか一項に記載のカバーと、
前記カバーと係合して、前記カバー幅を前記第2のカバー幅で維持する1つまたは複数の保持締め具と、
を含む、部品キット。
【請求項13】
前記カバーは、請求項4または請求項4に直接もしくは間接的に従属する場合の請求項5から9のいずれか一項に記載のカバーであり、複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも1つと共に移動可能である延長止め具をさらに含み、前記延長止め具は、前記伸縮式伸長アームの前記少なくとも1つを越えて、複数の前記平行部材の前記伸縮式伸長アームの少なくとも他の1つが延長するのを実質的に防止するように構成されている、請求項12に記載の部品キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開口部、詳細には床の開口部を覆うためのカバーに関する。また、本開示は、開口部を覆う方法およびカバーを形成するための部品キットに関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を覆うためのカバーが知られている。ガレージ検査ピット用に、出願人の特許文献1は1つの適切なカバーを開示している。通常、カバーは所定のガレージ検査ピット用に製造され、現場で所定の位置に設置される。カバーは、平面配置において横方向に間隔を空けられている平行配列状の長手方向部材から形成されており、2つのパンタグラフ装置が該長手方向部材の各々に枢動可能に接続されており、カバー長さが変えられることを可能にする。ガレージ検査ピットへのアクセスが、カバーを縮小させることにより、またはカバーを完全に除去することにより実現され得る。ガレージ検査ピットへのアクセスは、カバーを開口部上に設けることにより、かつ/またはカバーを縮小状態位置から伸張させて開口部を覆うことにより、少なくとも部分的に防止され得る。
【0003】
これに関連して、本発明は改善されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許出願公開第2472798号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、表面に画定されている開口部を覆うためのカバーが提供される。該開口部は第1の縁部と第2の縁部との間に画定されている。該第1の縁部および該第2の縁部はそれらの間に、開口部の長さよりも短い開口部幅を画定している。カバーはカバー幅を有し、カバー幅が開口部幅に平行な場合、使用中に開口部の第1の縁部および第2の縁部において支持されるように構成されている。カバー幅は第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節可能である。カバーは、使用中、カバー幅を第2のカバー幅で維持するように構成されている。
【0006】
したがって、様々な幅の開口部における設置に適している可能性があるアクセスパネル(access panel)と呼ばれることもあるカバーが提供されている。従来、カバーは特定の開口部の大きさに応じて受注生産されていた。カバーは、開口部が、車両検査ピットと呼ばれることもあるガレージ検査ピットのためのものである場合に特に役立つことが理解されよう。カバーは開口部を完全に覆うためのものであってもよい。カバーは開口部を部分的に覆うためのものであってもよい。
【0007】
カバーは、カバー幅が第2のカバー幅にある場合、保持機構の作動後、第1のカバー幅へのカバー幅の調節を実質的に永続的に防止するように構成され得る。したがって、開口部内でのカバーの設置後、カバーの幅は変更されることが不可能である。これは、カバーの幅が誤って短縮されてカバーが開口部から落ちることがないことを確実にする。したがって、カバーの安全性が改善される。保持機構の作動が、保持開口部を通した保持締め具の挿入およびカバー内への貫通であってもよく、カバーの幅方向の伸張または縮小を実質的に防止する。
【0008】
カバーは、複数の平行部材を含んでいてもよく、各々は開口部の第1の縁部と第2の縁部との間に設けられるように配置されている。該複数の平行部材の各々は、複数の平行部材の隣接する平行部材に伸長可能に接続されるように配置され得る。したがって、カバーの長さは調節可能である。平行部材は、長手方向と呼ばれることもある縦方向に伸長可能に接続され得る。したがって、カバーは特に効率的な方法で長さが変化でき、製造および動作が比較的容易である。
【0009】
複数の平行部材は、鋏機構と呼ばれることもあるパンタグラフリンク機構により接続されてもよく、平行部材の各々は、リンク機構の「X」と呼ばれることもある、リンク機構の交差点で接続され得る。
【0010】
複数の平行部材の各々は、平行部材内に摺動可能に受容されて、カバー幅を第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節するように構成されている少なくとも1つの伸縮式伸長アームを備えてもよい。したがって、該カバーは幅が特に効率的な方法で変化でき、製造および設置中の動作が比較的容易である。
【0011】
複数の平行部材および該複数の平行部材の各々のための少なくとも1つの伸縮式伸長アームに関して、いくつかの実施形態では、複数の平行部材のみが、カバー幅を第2のカバー幅で保持するための保持締め具を受容する開口部をその中に画定している。換言すれば、開口部がそこに設けられていないので、保持締め具は伸縮式伸長アームを通って貫通するためにはセルフタッピングタイプである必要があるであろう。有利には、これにより、幅の連続体が選択され得ることが保証され、開口部へのカバーの考えられる最高の適合が達成可能であることが保証される。換言すれば、カバーの幅は限られた別々の複数の可能な選択肢から選択されない。保持締め具はセルフタッピンねじであってもよい。カバーは保持締め具を含み得る。
【0012】
複数の平行部材の各々は2つの伸縮式伸長アームを含んでいてもよく、2つの伸縮式伸長アームの各々がそれぞれの平行部材の第1の端部および第2の端部の各々から延出している。したがって、複数の平行部材は開口部内で実質的に中心に配置されたままであり得、平行部材からの任意の荷重を開口部の縁部へ伝達するのに使用される伸縮式伸長アームの長さは短縮され得る。
【0013】
カバーは、複数の平行部材の伸縮式伸長アームの少なくとも1つと共に移動可能な伸長止め具をさらに含み得る。該伸長止め具は、該少なくとも1つの伸縮式伸長アームを越えて、複数の平行部材の少なくとも他の1つの伸縮式伸長アームが伸長するのを実質的に防止するように構成されている。したがって、開口部内でのカバーの設置中、伸長止め具は、伸縮式伸長アームの全てが実質的に同一の伸長にあることをより容易に確実にすることができる。
【0014】
カバーは、開口部の第1の縁部および第2の縁部におけるカバーの少なくとも一部分の移動を促進するための移動手段をさらに含み得る。該移動手段は、比較的低摩擦のスキッド、例えばプラスチックスキッド、などのスキッドであってもよい。代替的には、移動手段は、開口部の縁部に対するカバーの容易な移動を確実にするために、車輪、または実質的に任意の他の構成要素もしくは表面処理であってもよい。
【0015】
カバーは車両検査ピットを覆うためのものであり得る。該車両検査ピットはガレージ検査ピットと呼ばれることもある。
【0016】
本開示は、第1の縁部と第2の縁部との間に画定されている開口部を覆う方法に及ぶ。該第1の縁部および該第2の縁部はそれらの間に所定の開口部幅を画定している。本方法は、上述されている通り、開口部にカバーを設けるステップと、カバーのカバー幅を第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節するステップであって、カバーが開口部を覆うことができるように、該第2のカバー幅は所定の開口部幅に相当する、調節するステップと、使用中、カバー幅を第2のカバー幅で維持するステップと、を含む。第2のカバー幅は第1のカバー幅よりも広くてもよい。本方法は、使用中、カバー幅を第2のカバー幅で実質的に永続的に維持するステップを含み得る。
【0017】
上述されている通り、カバーが複数の平行部材と少なくとも1つの伸縮式伸長アームとを含む場合、本方法は、複数の平行部材の伸縮式伸長アームの少なくとも1つに伸長止め具を取り付けるステップであって、該伸長止め具は伸縮式伸長アームの少なくとも1つと共に移動可能であり、該少なくとも1つの伸縮式伸長アームを越えて、複数の平行部材の少なくとも他の1つの伸縮式伸長アームが伸長するのを実質的に防止するように構成されている、取り付けるステップと、複数の平行部材の伸縮式伸長アームの少なくとも他の1つを伸長させて、伸長止め具に当接させるステップと、複数の平行部材に対して伸縮式伸長アームを固定するステップと、をさらに含み得る。本方法は、伸長止め具を伸縮式伸長アームの少なくとも1つから除去するステップをさらに含み得る。したがって、カバーは開口部内に容易に設置され得る。
【0018】
本開示は、表面に画定されている開口部用のカバーを形成するための部品キットに及び、該開口部は第1の縁部と第2の縁部との間に画定されている。該第1の縁部および該第2の縁部はそれらの間に、開口部の長さよりも短い所定の開口部幅を画定している。該部品キットは、上述されているカバーと、カバーと係合してカバー幅を第2のカバー幅で維持する1つまたは複数の保持締め具と、を含む。
【0019】
部品キットは、複数の平行部材の伸縮式伸長アームの少なくとも1つと共に移動可能な伸長止め具をさらに含んでいてもよく、該伸長止め具は、該少なくとも1つの伸縮式伸長アームを越えて、少なくとも他の1つの複数の平行部材の伸縮式伸長アームが伸長するのを実質的に防止するように構成されている。
【0020】
表面は地面であってもよい。カバーの最大幅が5メートル未満であってもよい。カバーの最大幅が2メートル未満であってもよい。カバーの最小幅が50センチメートル超であってもよい。カバーの最大長が10メートル未満であってもよい。カバーの最小長が10センチメートル超であってもよい。カバーの最小長が1メートル未満であってもよい。
【0021】
本発明の実施形態が、添付図面を参照して、以下にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本明細書において開示されているカバーの図である。
図2図1に示されているカバーの部分の図である。
図3】カバーの設置中に使用される、図1および図2に示されているカバーの特徴の図である。
図4】開口部を覆うために使用中の、図1から図3に示されているカバーの図である。
図5】本明細書において開示されているカバーの例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本明細書において開示されているカバーの図である。該カバー10は、表面に画定されている開口部を覆うためのものである。通常、開口部は実質的に水平の開口部である。カバーは、一般に、人、および/または車両、および/またはメンテナンス機器の重量を支持するのに十分な強度を有する。このように、(人または機器がその中に落ちる可能性があると考えられる)表面の開口部の存在により示される安全上の危機は低減されるか、またはさらには完全に打ち消される。場合によっては、表面の開口部を越えた空間へのアクセスが必要とされることが理解されよう。カバー10は、該空間へのアクセスを可能にするために除去され得る。いくつかの例では、カバー10は部分的に圧縮されて、開口部からカバー10を完全に除去することなく、カバー10を開口部の部分から除去することができる。カバー10の使用は、以下に、図4を参照してさらに説明される。図1では、カバー10を上方から見ており、カバー10は、カバー10の反対側で開口部を覆うのに使用されている。
【0024】
カバー10はカバー幅Wおよびカバー長さLを画定している。カバー10は、カバー長さLが実質的に最小である折り畳み形態と、カバー長さLが実質的に最大である伸張形態と、の間で長さ方向に調節可能である。必要に応じて、現在説明されているカバー10は、折り畳み形態と伸張形態との間の実質的に任意の位置に設けられ得る。図1では、カバー10は、折り畳み形態と伸張形態との間の位置に示されている。したがって、カバー10は、開口部のいくつかの異なる部分を覆うために、長さを調節することができる。また、本開示のカバー10は第1のカバー幅と第2のカバー幅との間で幅が調節可能である。このようにして、(以下にさらに説明されるように)、同じカバー10は、第1の幅の開口部内に、または第1の幅と異なる第2の幅の開口部で設置することができることが理解されよう。
【0025】
本明細書において開示されている特定のカバー10は、複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iを含む。複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iは各々、複数の平行部材20の隣接する平行部材20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iに伸長可能に接続されるように配置され、カバー10の長さの調節を可能にする。本例では、複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iは、第1のパンタグラフリンク機構30および第2のパンタグラフリンク機構32の形の伸長ユニット30、32により、伸長可能に接続される。該パンタグラフリンク機構30、32は各々、複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iの各々に、枢動可能に繋がれている。このようにして、パンタグラフリンク機構30、32は、カバー10の長さの調節の間、複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iが等間隔で平行のままであることを確実にすることが分かる。
【0026】
複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iの各々は、少なくとも1つの伸縮式伸長アーム、本例では第1の伸縮式伸長アーム22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22iおよび第2の伸縮式伸長アーム24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i、を備える。説明を簡単にするために、複数の平行部材20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20iの中で、第2の平行部材20bはさらに後述されるが、該記載および該説明は、必要に応じて参照番号に関連のある変更を有するその他の平行部材のいずれかに等しく適用されることが理解されよう。
【0027】
第2の平行部材20b用の第1の伸縮式伸長アーム22bは、該第2平行部材20b内に伸縮自在に受容される。換言すれば、第2の平行部材20bは、その中に第1の伸縮式伸長アーム22bを受容するのに十分な大きさの開いた第1の端部を画定している。同様に、第2の平行部材20b用の第2の伸縮式伸長アーム24bは、第2の平行部材20b内に、その中に受容される第1の伸縮式伸長アーム22bに対して第2の平行部材20bの反対側端部で、伸縮自在に受容される。換言すれば、第2の平行部材20bは、第2の伸縮式伸長アーム24bをその中に受容するのに十分な大きさの、開いた第1の端部の反対側にある、開いた第2の端部をさらに画定する。以下に図2を参照してさらに説明される通り、第2の平行部材20bは、各々が第2の平行部材20bに画定され、伸縮式伸長アーム22b、24bと係合して、第2の平行部材20bに対するそのさらなる伸縮移動を実質的に防止するために、保持締め具をその中に受容するように配置された、第1の保持開口部および第2の保持開口部の形の保持機構の部分も画定する。このようにして、カバー10の幅を設置中に固定することができる。
【0028】
カバー10は、開口部を覆う時、カバー10の長さおよび長手方向の位置決めの偶発的な調節を減少させるかまたはさらには実質的に防止する係止機構40をさらに含む。本例では、該係止機構40は第1の平行部材20aおよび第9の平行部材20iの両側に設けられており、その第1の伸縮式伸長アーム22a、22iおよび第2の伸縮式伸長アーム24a、24iに取り付けられている。係止機構40の機能は、以下に、図2を参照してさらに説明される。
【0029】
図2は、図1に示されているカバー10の部分の図である。詳細には、図2は、そこから伸縮自在に延出している第1の伸縮式伸長アーム22aを有する第1の平行部材20aを示す。図2では、第1の平行部材20aは側面方向から見られている。第1の平行部材20aは上述されている通りであり、図2に示されているよりもさらに延在することが理解されよう。第1の平行部材20aは、カバー10の残りの構成要素においてより多くの詳細を示すことができる切取り表現である。カバー10は、第1の縁部110と第2の縁部(図示せず)との間に画定されている開口部Oを覆って、所定の位置に示されている。図に示す通り、通常、開口部の第1の縁部110は、第1の側壁112と、リップ領域114と、第2の側壁116と、を備える。第1の側壁112および第2の側壁116は各々実質的に垂直であり、実質的に水平であるように配置されているリップ領域114により接続されている。開口部Oは地面120内に最終的に画定される。本例では、第1の側壁112内に画定されている複数の位置決め開口部118が存在する。他の例では、位置決め開口部118が、リップ領域114内などのどこかに設けられてもよいか、またはさらには全く設けられなくてもよいことが理解されよう。
【0030】
上述されている通り、第1の平行部材20aから延出している第1の伸縮式伸長アーム22aは係止機構40を備える。該係止機構40は、ばね44などの付勢機構44により外向きに付勢されているスライドボルト42を含む。該スライドボルト42の先端部46が、開口部Oの第1の側壁112にある位置決め開口部118内に受容可能であるように配置されている。本例では、係止機構40は、付勢機構44の復元作用に対抗してスライドボルト42を格納するために、先端部46の反対側の、スライドボルト42の端部に設けられているハンドル48をさらに含む。位置決め開口部118がリップ領域内に設けられている場合、係止機構40は、代わりに、リップ領域にある位置決め開口部内へ延びるように配置されているピンを含んでいてもよいことが理解されよう。換言すれば、水平開口部Oのために、ピンは、伸縮式伸長アーム22の下面から下方に延在する垂直ピンであってもよい。
【0031】
図2に示されている通り、本構成では、第1の平行部材20aからの第1の伸縮式伸長アーム22aの伸長が保持機構50の作動により固定されている。本例における該保持機構50は、第1の平行部材20aに画定されている第1の保持開口部54を通る保持締め具52の挿入により作動される。該保持締め具52は、第1の伸縮式伸長アーム22a内を貫通し、それにより第1の平行部材20aに対して第1の伸縮式伸長アーム22aを固定するように配置されているセルフタッピンねじの形にすることができる。第1の伸縮式伸長アーム22aが第1の平行部材20a内に延在していることを伝えるために、破線表示が図2に使用されている。したがって、図2に示されているカバー10の構成は、カバーが開口部O内に既に設置されている場合である。
【0032】
第1の伸縮式伸長アーム22aの下面には、例えばスキッド部材60の形の移動手段60が設けられており、開口部に対するカバー10の容易な移動、および詳細にはリップ領域114に長手方向に沿った第1の伸縮式伸長アーム22aの容易な移動を促進する。該スキッド部材60は、開口部Oの周囲でのカバー10の容易な操作を可能にするように構成されている低摩擦材料、例えばプラスチック材料、により設けられてもよい。
【0033】
複数の平行部材の他の平行部材、および第1の平行部材20aの他方の端部は、実質的に、第1の平行部材20aに関連して前述されている通りであってもよいが、カバー10の最外縁部(本例では第1の平行部材20aおよび第9の平行部材20i)にない平行部材には、通常、係止機構40が設けられないことが理解されよう。
【0034】
図3は、カバーの設置中に使用されている、図1および図2に示されているカバーの、特徴の図である。換言すれば、図3は、図2を参照して上述されている、開口部O内での設置より前のカバー10を示す。該カバー10は折り畳み形態で設けられており、カバー長さLは実質的に最小である。伸長止め具部材70に接続されている任意の伸縮式伸長アーム22a、22iの少なくとも1つを越える、第1の伸縮式伸長アーム22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22iのいずれかの伸長を実質的に防止する伸長止め具部材70が設けられている。理解されるように、図3は、図2の場合と同様に、カバー10の一部分のみを示し、第2の伸縮式伸長アーム24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i用のさらなる伸長止め具部材(図示せず)を備えて、実質的に同様の設備がカバー10の他方の端部に設けられ得る。本例では、伸長止め具部材70は、第1の伸縮式伸長アームの少なくとも1つ(本例では2つ)に固定されているLブラケットの形である。本例では、伸長止め具部材70は、第1の平行部材20aおよび第9の平行部材20iの第1の伸縮式伸長アーム22a、22iに固定されている。伸長止め具部材70を提供するLブラケットの垂直部分が、第1の伸縮式伸長アーム22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22iのいずれも伸長止め具部材70を越えて延びることができないことを確実にする。有利には、これにより、複数の平行部材20からの第1の伸縮式伸長アーム22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22iの伸長の長さが均一に設定されることが容易になる。伸縮式伸長アームが適正な伸長位置にあると、図2を参照して実質的に上述されている通り、例えば、保持開口部54内を通る保持締め具を使用して、保持機構の作動により、伸長位置は維持され得る。保持機構が作動された後、伸長止め具部材70はカバー10から除去され得る。伸長止め具部材70が伸縮式伸長アームの2つ以上に固定された例では、伸長止め具部材70の除去により、その後、開口部Oの大体を覆うためにカバー長さLが必要に応じて変更されることが可能になり得る。伸長止め具部材70のLブラケット設計のさらなる利点は、カバーが開口部内に配置されており、かつ保持機構の作動により伸縮式伸長アームを所定の位置に固定する前に伸長止め具部材70が伸張して開口部の縁部に当接した場合、その後のカバー10からの伸長止め具部材70の除去時に、適切な公差が伸縮式伸長アームの縁部と開口部Oの縁部との間に残っており、開口部内でのカバー10の円滑な移動を確実にするであろうことである。
【0035】
図4は、使用中に開口部を覆うための、図1から図3までに示されているカバーの図である。各々は図1から図3までを参照して上述されているカバーと実質的に同一である、第1のカバー10aおよび第2のカバー10bが、第1の縁部110と第2の縁部120との間に画定されている開口部Oを部分的に覆って、所定の位置に示されている。該第1の縁部110および該第2の縁部120はそれらの間に開口部幅Wを画定している。また、開口部は、開口部幅Wよりも長い開口部長さLを画定している。通常、長さが幅に対して直角であることが理解されよう。図に示す通り、カバー幅Wが開口部幅Wに平行である場合、カバー10a、10bは各々、使用中、開口部の第1の縁部110および第2の縁部120で支持されるように構成されている。上述されている通り、使用中にカバー10a、10bがカバー幅Wを第2のカバー幅で維持するように構成されるように、カバー幅Wは、開口部内でのカバー10a、10bの設置中、第1のカバー幅から第2のカバー幅まで調節可能である。図4に示されている装置では、開口部Oの完全な覆いが、第1のカバー10aと第2のカバー10bのどちらかまたは両方の長さ方向の伸長により達成され得ることが理解されよう。上述されている通り、開口部Oの一方の端部へのアクセスが、カバー10a、10bの一方もしくは両方の除去により、または代わりに縦方向の開口部Oの反対側端部へのカバー10a、10bの移動のどちらかにより、かつカバー10a、10bのそれらの折り畳み形態への縮小により、実現され得る。上述されている通り、カバー10a、10bの位置および縦方向の伸長は係止機構40の使用により維持され得る。
【0036】
図5は、本明細書において開示されているカバーの例の図である。該カバー210は、形状および機能に関して、任意の後述の差異を除いて、上述されているカバーと実質的に同様である。カバー210は、図1から図4までに示されている9個の平行部材の代わりに、10個の平行部材を含む。また、図5のカバー210の平行部材は、伸縮式伸長アームの各々のための2つの保持開口部を含む。保持締め具が保持開口部の両方を通って伸縮式伸長アームと係合された場合、これは、設置されると、カバー210の安定性を向上させる。その中での伸縮式伸長アームの伸縮移動を容易にするために、伸縮式伸長アームの横断面の外側範囲が平行部材の横断面の内側範囲よりも小さくなければならないことが理解されよう。通常、2つの保持締め具を使用して平行部材に対して伸縮式伸長アームを固定しないと、伸縮式伸長アームの僅かな移動が依然として起こる可能性があり、それによりカバー210の安定性、または少なくとも見かけの安定性が低下すると考えられる。さらなる利点は、2つの保持締め具の使用により保持締め具の一つが万が一に故障した場合に冗長性を提供することである。
【0037】
上述されているカバー10は、表面の開口部を覆うためのカバーを提供するために、必要に応じて、任意の適切な材料からかつ任意の適切な長さ、幅、または他の大きさで形成され得ることが理解されよう。少なくともいくつかの例では、カバー10は人、またはさらには、車両などのより重い荷重をその上で支持することができることが重要であろう。
【0038】
本発明は、車両検査ピットと呼ばれることもあるガレージ検査ピットの開口部を覆うためのカバーを
説明したが、該カバーは、任意の他のタイプの開口部、例えば開口部の幅が設計または製作公差により様々な開口部間で変化し得る開口部、を覆うのにも使用され得ることが理解されよう。
【0039】
本明細書の本文および特許請求の範囲を通じて、「comprise(含む)」および「contain(含有する)」という語およびそれらの変化形は、「~を含むがそれらに限定されない」を意味し、それらは他の構成要素、整数、またはステップを除外することを意図していない(除外しない)。本明細書の本文および特許請求の範囲を通じて、単数形は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を包含する。詳細には、不定冠詞が使用されている場合、本明細書は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単数ばかりでなく複数も考慮していると理解されるべきである。
【0040】
本発明の特定の態様、実施形態、または例と共に記載されている特徴、整数、特性、または群は、それらと互換性がない場合を除き、本明細書に記載されている任意の他の態様、実施形態、または例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示されている特徴の全て(いかなる添付の特許請求の範囲、要約書、および図面も含む)、および/またはそのように開示されている任意の方法またはプロセスのステップの全てが、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互排他的な組合せを除いて、いかなる組合せでも組合せられ得る。本発明は任意の上述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(いかなる添付の特許請求の範囲、要約書、および図面も含む)において開示されている特徴の任意の新規の1つ、もしくは任意の新規の組合せに、またはそのように開示されている任意の方法もしくはプロセスのステップの任意の新規の1つ、もしくは任意の新規の組合せに及ぶ。
【符号の説明】
【0041】
10、210 カバー
10a 第1のカバー、カバー
10b 第2のカバー、カバー
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i 平行部材
20a 平行部材、第1の平行部材
20b 平行部材、第2の平行部材
20i 平行部材、第9の平行部材
22a、22b、22c、22d、22e、22f、22g、22h、22i 第1の伸縮式伸長アーム
24a、24b、24c、24d、24e、24f、24g、24h、24i 第2の伸縮式伸長アーム
30 伸長ユニット、第1のパンタグラフリンク機構
32 伸長ユニット、第2のパンタグラフリンク機構
40 係止機構
42 スライドボルト
44 付勢機構、ばね
46 先端部
48 ハンドル
50 保持機構
52 保持締め具
54 第1の保持開口部、保持開口部
60 移動手段、スキッド部材
70 伸長止め具部材
110 第1の縁部
112 第1の側壁
114 リップ領域
116 第2の側壁
118 位置決め開口部
120 地面、第2の縁部
カバー長さ
開口部長さ
O 開口部
カバー幅
開口部幅
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】