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特表2022-543790広帯域タッチ検知のための技術及び関連するシステム、方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】広帯域タッチ検知のための技術及び関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G06F3/041 512
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506589
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 US2020070198
(87)【国際公開番号】W WO2021026547
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/882,393
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519318188
【氏名又は名称】アトメル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビニエ、アンネシュ
(57)【要約】
タッチ検知方法、並びに関連する方法及びシステムが説明されている。タッチ検知方法のいくつかの実施形態では、駆動信号のエネルギーは、割り当てられたエネルギーがタッチ検知方法を実装するタッチ検知システムの適用のための電磁放射要件を満たすように、RFサブキャリアの周波数の間に割り当てられる。スペクトル整形駆動信号を生成する際に使用するためのスペクトル整形時間領域デジタル波形を判定する方法も説明される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ検知方法であって、
サブキャリアの特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号を生成するステップと、
前記駆動信号をタッチセンサに提供するステップと、
前記タッチセンサの被検知信号を受信するステップと、
前記被検知信号のエネルギーを観察するステップと、
前記被検知信号の観察されたエネルギーが前記駆動信号のエネルギーとは異なることを観察することに応答して、前記タッチセンサでタッチを検出するステップと、を含む、タッチ検知方法。
【請求項2】
特定の周波数にわたって割り当てられている前記駆動信号の前記エネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号を生成するステップは、
スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成するステップと、
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、前記駆動信号を生成するステップと、を含む、請求項1に記載のタッチ検知方法。
【請求項3】
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、前記駆動信号を生成するステップは、
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号の同位相及び直交位相成分を混合するステップを含む、請求項2に記載のタッチ検知方法。
【請求項4】
前記被検知信号の前記観察されたエネルギーに応答して、前記タッチセンサのチャネル静電容量を観察するステップを更に含む、請求項1に記載のタッチ検知方法。
【請求項5】
前記タッチセンサの前記チャネル静電容量の変化を観察することに応答して、前記タッチセンサでタッチを検出するステップを更に含む、請求項4に記載のタッチ検知方法。
【請求項6】
特定の周波数にわたって割り当てられている前記駆動信号の前記エネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号を生成するステップは、前記タッチセンサが、複数の周波数でスペクトル特性を呈するように選択されたスペクトル整形駆動信号を生成するステップを含み、前記スペクトル特性が、許容可能なスペクトル特性の指標内にある、請求項1に記載のタッチ検知方法。
【請求項7】
タッチ検知システムであって、
タッチセンサと、
タッチコントローラであって、
サブキャリアの特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号を生成し、
前記駆動信号を前記タッチセンサに提供し、
前記タッチセンサから受信された被検知信号のエネルギーを観察し、
前記被検知信号の観察されたエネルギーが前記駆動信号のエネルギーとは異なることを観察することに応答して、前記タッチセンサでタッチを検出するように構成された、タッチコントローラと、を備える、タッチ検知システム。
【請求項8】
特定の周波数にわたって割り当てられている前記駆動信号の前記エネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号の前記生成は、
スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成することと、
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、前記駆動信号を生成することと、を含む、請求項7に記載のタッチ検知システム。
【請求項9】
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答した前記駆動信号の前記生成は、
前記スペクトル整形連続時間領域アナログ信号の同位相及び直交位相成分を混合することを含む、請求項8に記載のタッチ検知システム。
【請求項10】
前記タッチコントローラは、
前記被検知信号の前記観察されたエネルギーに応答して、前記タッチセンサのチャネル静電容量を観察するように更に構成される、請求項7に記載のタッチ検知システム。
【請求項11】
特定の周波数にわたって割り当てられている前記駆動信号の前記エネルギーによって特徴付けられた前記駆動信号の前記生成は、
前記タッチセンサが、複数の周波数でスペクトル特性を呈するように選択されたスペクトル整形駆動信号を生成することであって、前記スペクトル特性が、許容可能なスペクトル特性の指標内にある、生成することを含む、請求項7に記載のタッチ検知システム。
【請求項12】
スペクトル整形波形を判定する方法であって、
許容可能な電磁放射の指標を受信するステップと、
許容可能な電磁放射の前記指標に応答して、無線周波数サブキャリアを選択するステップと、
前記選択された無線周波数サブキャリアに応答して、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成及び記憶するステップと、を含む、方法。
【請求項13】
前記無線周波数サブキャリアを使用して直交振幅変調を実行するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記無線周波数サブキャリアの各々について、指定された振幅及び指定された周波数を選択するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
許容可能な電磁放射の前記指標に応答して、前記無線周波数サブキャリアを選択するステップは、
試験周波数及び試験振幅を選択するステップと、
前記無線周波数サブキャリアに応答して、試験駆動信号の試験時間領域デジタル波形を生成するステップであって、各無線周波数サブキャリアが、それぞれ選択された試験周波数及び試験振幅によって指定された周波数及び振幅を有する、生成するステップと、
前記試験駆動信号を生成するステップと、
前記生成された試験駆動信号をタッチセンサに提供するステップと、
前記タッチセンサの観察された電磁放射が許容可能な電磁放射内にあることを検出することに応答して、前記試験駆動信号の前記試験時間領域デジタル波形を記憶するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記試験時間領域デジタル波形に応答して、前記試験駆動信号の時系列を生成するステップと、
前記試験駆動信号の前記時系列において、もしあれば、スパイクを観察するステップと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記観察されたスパイクのうちの1つ以上がタッチセンサのダイナミックレンジの外側にあると観察することに応答して、前記無線周波数サブキャリア間の新しい位相関係を選択するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記スペクトル整形時間領域デジタル波形に応答して、ビットストリームを生成するステップと、
前記ビットストリームをタッチコントローラで記憶するステップと、を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、「An OFDM-BASED APPROACH To WIDEBAND TOUCH SENSING」に対する、2019年8月2日に出願された米国仮特許出願第62/882,393号の出願日の利益を主張し、その全内容及び開示は、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
開示された実施形態は、一般に、タッチ検知及び容量性タッチ検知のためのコントローラに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なタッチインターフェースシステムは、タッチインターフェースシステムの接触検知面に近接している、又は接触検知面と物理的に接触している物体に応答するタッチセンサ(例えば、制限するものではないが、静電容量センサ及び/又は抵抗センサ)を組み込むことができる。かかる応答は、タッチインターフェースシステムに対する物体の場所を含む、接触に関する情報を推測するために捕捉され、解釈され得る。
【0004】
ラップトップコンピュータ及びタブレットのキーボードを含むパーソナルコンピュータと共に使用されるタッチパッドは、多くの場合、タッチインターフェースシステムを組み込むか、又はタッチインターフェースシステムと連携して動作する。ディスプレイは、多くの場合、ユーザがグラフィカルユーザインターフェース(GUI)及び/又はコンピュータアプリケーションと対話することを可能にするために、タッチインターフェースシステムの素子(典型的には少なくともタッチセンサ)を組み込むタッチスクリーンを含む。タッチディスプレイを組み込むデバイスの例としては、ポータブルメディアプレイヤー、テレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、及びスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスが数例として挙げられる。更に、自動車、アプライアンス(例えば、オーブン、冷蔵庫、又は洗濯機)セキュリティシステム、現金自動預払機(ATM)、住宅環境制御システム、及び産業機器の制御パネルは、ボタン、スライダ、ホイール、及び他のタッチ素子を有効にするなどのために、タッチインターフェースシステムをディスプレイ及びハウジングに結合することができる。
【0005】
本開示の様々な実施形態の目的及び利点は、添付図面と併せて、詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、スペクトル整形駆動信号を生成するためのプロセスである。
図2】開示された実施形態による、スペクトル整形駆動信号を生成するために使用され得る、信号を変調し、構成要素周波数を選択するための波形を選択するためのプロセスである。
図3】1つ以上の実施形態による、スペクトル整形時間領域波形を表す符号化デジタル信号を生成するためのプロセスを示す機能ブロック図である。
図4】1つ以上の開示された実施形態による、スペクトル整形駆動信号を含む駆動信号を使用するように構成されているタッチ検知システムのブロック図である。
図5図3の送信経路の実施形態の機能ブロック図である。
図6】スペクトル整形連続時間アナログ信号を受信するための受信経路の実施形態の機能ブロック図である。
図7】いくつかの実施形態において、回路を使用して、本明細書で説明される様々な機能、動作、行為、アルゴリズム、方法及び/又はプロセスを実装し得る回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る具体的な例示的実施形態を示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が利用され得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0008】
本明細書に提示する図は、いかなる特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることをも意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は他のいかなる特性においても同一であることを意味するものではない。
【0009】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態の代表例を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0010】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、かかる用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0011】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実現する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0012】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、本明細書を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、及び記号は、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表され得る。いくつかの図面は、提示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示し得る。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有し得、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実現され得ると理解されたい。
【0013】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対するいかなる言及も、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しないと理解されたい。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用される。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含み得る。同様に、時には、単数形で言及される要素もまた、要素の1つ以上の例を含み得る。
【0014】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、又は更には少なくとも99%満たされ得る。
【0015】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実装され得るか、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械でもあってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPと、一つのマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成と、の組み合わせとして実装され得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータと見なされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0016】
また、実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得ることを留意されたい。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別のシーケンスで、並行して、又は実質的に同時に実行され得る。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、及び/又はサブプログラムに対応し得るが、それらに限定されない。更に、本明細書に開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読メディア上の1つ以上の命令又はコードとして記憶され得るか、又は送信され得る。コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディア及び、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意のメディアなどの通信メディアの両方を含む。
【0017】
本開示で説明される実施形態の目的として理解されるように、静電容量センサは、静電容量センサの接触検知領域との物体(限定されないが、指又はスタイラスなど)の接触、又は静電容量センサの接触検知領域に対する物体の近接に応答し得る。本開示では、「接触」及び「タッチ」は、接触検知領域(例えば、限定されないが、電極、又は、電極若しくは電極の群を被覆する1つ以上のオーバーレイ)との物体の物理的接触及び物理的に接触せずに接触検知領域に近接する物体の存在の両方を包含することを意味している。静電容量センサとの実際の物理的接触は必ずしも必要とされない。
【0018】
例として、物体が静電容量センサに接触するときに、接触場所にある又は接触場所の付近にある静電容量センサ内で静電容量の変化が生じ得る。アナログ取得フロントエンドは、特定の閾値を満たす場合、接触を検出し得る。「荷電後転送(Charge-then-transfer)」は、静電容量変化を検出するために一部のタッチ取得フロントエンドにおいて実装される技術の非限定的な実施例であり、それにより、検知コンデンサは、静電容量における変化に応答して荷電(例えば、より速く、又は遅く荷電)され、複数の転送サイクルにわたって電荷が積分コンデンサに転送される。このような荷電転送に関連付けられた電荷の量は、アナログデジタル変換器(ADC)によってデジタル信号に変換され得、デジタルコントローラは、それらのデジタル信号(典型的には、「デルタカウント」又は単に「デルタ」と称される)を処理して、測定値を判定する、及び/又は物体がセンサに接触したかどうかを検出し得る。
【0019】
自己静電容量センサ(本明細書では、「自己キャップ型センサ」とも称される)は、グラウンドに対する静電容量の変化に応答する静電容量電界センサである。これらは、典型的には、タッチに対して独立して反応する行及び列のアレイでレイアウトされる。非限定的な実施例によって、自己キャップ型センサは、浮動端子を有する共通の集積CMOS(すなわち、相補型金属酸化膜半導体)プッシュプルドライバ回路を使用した繰り返し荷電後転送サイクルを採用する回路を含み得る。
【0020】
相互静電容量センサは、2つの電極(駆動電極及び検知電極)間の静電容量の変化を検出/変化に応答する静電容量電界センサである。駆動電極及び検知電極の対は、駆動線と検知線との各交点にコンデンサ(キャパシタ)を形成する。自己静電容量及び相互静電容量技法は、同じタッチインターフェースシステムで使用され得、互いに相補的であり得る。例えば、自己静電容量は、相互静電容量を使用して検出されたタッチを確認するために使用され得る。
【0021】
実施例として、タッチセンサは、例えば、タッチパッド又はディスプレイスクリーンの二次元(2-D)接触検知面のための2-D配置に重ねられ得、関連するアプライアンス又はデバイスとのユーザ相互作用を容易にし得る。絶縁保護層(例えば、限定するものではないが、樹脂、ガラス、及び/又はプラスチック)は、タッチセンサを被覆するために使用され得、本明細書では「オーバーレイ」と称され得る。「タッチディスプレイ」は、非限定的な実施例として、ディスプレイ上の透明媒体に実装された2-Dタッチセンサを組み込み、時には、タッチセンサの前のガラスなどの追加の透明媒体を有するディスプレイ(液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜トランジスタ(TFT)LCD、又は発光ダイオード(LED)ディスプレイ)である。
【0022】
電荷転送技法を採用する相互静電容量センサのマトリクスセンサアプローチを使用するタッチセンサの実施例を使用すると、駆動電極は、基板の一方の側の行に延在し得、検知電極は、基板の他方の側の列に延在し得、N×Mノードの「マトリクス」アレイを画定するようにする。各ノードは、駆動電極の導電線と検知電極の導電線との交点に対応する。駆動電極は、所与の行内のノードの全てを同時に駆動し、検知電極は、所与の列内のノードの全てを検知する。駆動電極と検知電極との静電容量結合(相互静電容量)、又は検知電極とグラウンドとの結合(自己静電容量)は、ノード位置で、タッチイベントを示す静電容量変化に応答して、別個に測定され得、又は両方とも測定され得る。例えば、駆動信号が行2の駆動電極に印加され、列3の検知電極がアクティブである場合、ノード位置は、行2、列3である。ノードは、駆動電極及び検知電極の異なる組み合わせを順次行うことによって走査され得る。あるモードでは、駆動電極は、検知電極が全て連続的に監視されている間に順次駆動され得る。別のモードでは、各検知電極が順次サンプリングされ得る。
【0023】
自己静電容量センサのマトリクスセンサアプローチを使用するタッチセンサの実施例を使用して、電極は、N×Mノードの「マトリクス」アレイを画定するために行及び列に延在し得る。マトリクスセンサは、各ノードの電極を用いて構築され得、各電極は個々にアドレス可能であるか、又は各行及び列はアドレス指定可能な電極であり得、各ノードは、固有の行/列の対に対応する。駆動信号(すなわち、交流(A/C)刺激)は、センサの電極に繰り返し提供される。物体がセンサに接触するときに、物体と電極との間の結合は、電極に引き込まれる電流を変化させ(すなわち、物体が電気的に接地されるか、電気的に浮遊するかに応じて、非限定的な実施例として、増加又は減少させ)、これは、見かけのセンサ静電容量を増加させ、センサ静電容量のこの増加が検出され得る。例えば、駆動信号が電極行2及び電極列3に印加されている間に静電容量の増加が検出された場合、タッチの場所は行2、列3であり得る。補間技法を使用して、ノード間の場所を特定することができる。ノードは、電極の行及び列の組み合わせを通じて配列決定することによって順次走査され得る。
【0024】
上述の駆動信号(すなわち、A/C刺激)は、電磁放射(EME)の1つの原因である。静電容量は、典型的に、駆動信号と同期して測定される。したがって、測定のサンプリングレートとEMEの放射の周波数との間には直接関係がある。
【0025】
非限定的な例として、マイクロコントローラ、デジタル論理回路、及び構成可能な状態機械は、限定されないが、駆動電極を制御する、検知電極を監視する、タッチセンサ上の(例えば、限定されないが、チャネル静電容量及び/又は絶対チャネル静電容量の測定された変化から検出される)容量性効果を分析する、より一般にタッチを処理及び報告するなどを行う、本明細書で説明された取得回路及びタッチコントローラの機能を実行するように構成され得る。マイクロコントローラを含む集積回路(IC)パッケージは、ホストと通信するための入力ピン及び出力ピン、並びに、様々な実施形態に関連して、本明細書に記載されるものを含む、技術及び動作を実行するファームウェアを提供し得る。
【0026】
いくつかの実施形態は、一般に、タッチセンサに駆動信号を提供するためのシステム及び方法に関する。特に、駆動信号が生成され得、それによりタッチ検知刺激(すなわち、A/C信号)の総エネルギーが複数の周波数にわたって割り当てられる。一実施形態では、スペクトル整形を実行して、複数の指定された周波数に割り当てられた総エネルギーによって特徴付けられる駆動信号を生成し得る。
【0027】
いくつかの実施形態は、一般に、非限定的な例として、アプリケーション特有の要件に応答して、駆動信号のスペクトル整形を実行するためのシステム及び方法に関する。非限定的な例として、標的アプリケーション特有の要件は、ノイズ耐性の要件及び/又は電磁放射に対する制限であり得る。本明細書で使用される場合、「スペクトル特性」は、ノイズ、電磁放射、又はエネルギーのうちの1つ以上を意味する。「許容可能なスペクトル特性」は、指定された制限又は要件内のスペクトル特性である。
【0028】
一実施形態では、無線周波数(RF)信号が、各々異なる指定された周波数(すなわち、構成要素周波数)に対応するように生成される。RF信号の各々は、指定された振幅を有する符号化されたデジタル信号に応答して生成される。一実施形態では、構成要素周波数は、構成要素周波数及び/又は所与の構成要素周波数に対するアプリケーション特有の要件に少なくとも部分的に基づいて事前に選択され得る。非限定的な例として、RF信号の構成要素周波数のうちの1つ以上は、それらの構成要素周波数が他の利用可能な周波数と比較して最大のEME制限に関連付けられているため、選択され得る。代替的又は追加的に、それらの構成要素周波数が利用可能な周波数のうちで最低ノイズ耐性要件(すなわち、最も制限的でないノイズ耐性要件)を有するため、RF信号の構成要素周波数のうちの1つ以上が選択され得る。一実施形態では、RF信号は、デジタル変調スキームを使用して生成され得る。デジタル変調スキームの非限定的な例としては、直交振幅変調(QAM)又は位相シフトキーイングを含む。
【0029】
図1は、1つ以上の実施形態による、複数の周波数間で駆動信号のエネルギーを割り当てるように構成されている、スペクトル整形などのタッチセンサのスペクトル整形駆動信号を使用するタッチ検知プロセス100を示す。本明細書で考察されるように、特定の周波数に割り当てられたエネルギーは、所与の周波数について、起因するEMEが許容可能なEME内にあるように選択され得る。特に、所与のタッチ検知動作では、特定の周波数に割り当てられたエネルギーの量は同じであってもよく、又は異なっていてもよい。非限定的な例として、異なる周波数が異なる許容可能なEMEを有し得るため、割り当てられるエネルギーの量は異なり得る。
【0030】
プロセス100は、少なくとも2つの構成プロセス、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成するための動作102、104、及び106を含む第1のプロセス、及びタッチセンサにおけるタッチを検出するためにタッチ検知動作を実行するための動作108、110、112、114、116、及び118を含む第2のプロセスを含むと理解されよう。2つの構成プロセスの両方が実行される必要はなく、本開示の範囲を超えることなく、第1のプロセスは、第2のプロセスなしで、又は第2のプロセスが部分的になしで実行され得、第2のプロセスは、第1のプロセスなしで実行され得る。例えば、動作102、104、106、及び118は、動作108、110、112、114、及び116を必要とせずに実行され得る。
【0031】
動作102において、プロセス100は、許容可能なEMEの指標を受信する。様々な実施形態では、許容可能なEMEは、ある数の指定された周波数に対して許容可能なEMEを含み得る。非限定的な例として、指定された周波数は、個々の周波数及び/又は周波数帯域のうちの1つ以上を含み得る。
【0032】
動作104において、プロセス100は、許容可能なEMEの指標に基づいて、RFサブキャリアのセットを選択する。そのようなRFサブキャリアの各々は、指定された周波数及び指定された振幅を有する。RFサブキャリアの選択は、RFサブキャリアの周波数及び振幅を選択することを伴い得る。いくつかの実施形態では、選択された周波数間の位相関係も選択され得る(すなわち、指定された位相関係が選択され得る)。指定された位相関係は、各RFサブキャリアのエネルギーの少なくとも一部が他のRFサブキャリアと位相がずれているように、ある程度、それぞれのサブキャリアの位相の直交度である(例として、完全に直交するRFサブキャリアは、90度の位相シフトを有する)。
【0033】
動作106において、プロセス100は、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成する。いくつかの実施形態では、プロセス100は、選択されたRFサブキャリアのセットを使用して静的振幅直交振幅変調を実行することによって、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成する。いくつかの実施形態では、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成することは、RFサブキャリアのセットの合計に対して逆高速フーリエ変換(IFFT)を実行することを含む。特に、スペクトル整形時間領域デジタル波形は、同位相波形(波形のI成分とも称される)及び直交位相波形(波形のQ成分とも称される)を含み得る。好ましくは、動作106はデジタル的に実行される。
【0034】
動作108において、プロセス100は、スペクトル整形時間領域デジタル波形に応答して、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成する。いくつかの実施形態では、「連続」アナログ信号は、スペクトル整形時間領域デジタル波形を繰り返し適用することによって生成され得る。いくつかの実施形態では、スペクトル整形時間領域デジタル波形は、デジタル-アナログ変換器(DAC)に適用されるときに、DACにアナログ信号、すなわちスペクトル整形時間領域デジタル波形に対応するスペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成させるビットのストリーム(すなわち、ビットストリーム)として表される。
【0035】
動作110において、プロセス100は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して駆動信号を生成する。プロセス100は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号の同位相及び直交成分を混合することによって駆動信号を生成する。特に、駆動信号は、サブキャリアの指定された周波数にわたって割り当てられる駆動信号のエネルギーによって特徴付けられる。
【0036】
動作112において、プロセス100は、動作110において生成された駆動信号(すなわち、サブキャリアの指定された周波数にわたって割り当てられた駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号)をタッチセンサに、より具体的には、タッチセンサの送信機ラインに提供する。
【0037】
動作114において、プロセス100は、タッチセンサの被検知信号のエネルギーを観察する。いくつかの実施形態では、被検知信号は、動作110で生成された駆動信号をタッチセンサに提供しながら、タッチセンサの受信機ラインを介して受信され得る。特に、いくつかの周波数間で割り当てられたそのエネルギーによって特徴付けられた駆動信号に応答して受信された被検知信号は、サブキャリアの周波数間で割り当てられたエネルギーによっても特徴付けることができる。1つ以上の実施形態では、タッチセンサの被検知信号のエネルギーを観察することは、図6に示すように、IQ復調、並列化、逆高速フーリエ変換(IFFT)及び/又は高速フーリエ変換(FFT)復号、及び振幅再構成のうちの1つ以上を含み得る。
【0038】
動作116において、プロセス100は、被検知信号の観察されたエネルギーに応答して、タッチセンサのチャネル静電容量を観察する。1つ以上の実施形態では、被検知信号の観察されたエネルギーレベルに応答して、タッチセンサのチャネル静電容量を観察することは、図6に示すように、センサ静電容量推定値に到達するために振幅値の加重合計を実行することを含み得る。
【0039】
動作118において、プロセス100は、被検知信号のエネルギーが駆動信号のエネルギーとは異なることを観察することに応答して、タッチセンサでのタッチを検出する。企図されるタッチ検知システムの非限定的な例として、差は、物体がタッチセンサと接触することによって引き起こされるチャネル静電容量の増加に起因する駆動信号の減衰によるものであり得る。
【0040】
本明細書で考察されるように、指定された周波数及び振幅において許容可能なサブキャリアが選択され(例えば、図1の動作104)、スペクトル整形時間領域デジタル波形が生成され得るようにする(例えば、図1の動作106)。
【0041】
いくつかの実施形態は、一般に、スペクトル整形時間領域デジタル波形のためのRFサブキャリアを選択するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、RFサブキャリアのそれぞれの振幅、位相、及び周波数を選択することに関する。一実施形態では、要件(すなわち、許容可能なEMEを説明する)は、非限定的な例として、タッチセンサ又はタッチセンサを含むタッチ検知システムと、プロセス100を介してタッチセンサのスペクトル整形駆動信号を生成するように構成されているタッチコントローラとの1つ以上の標的アプリケーションのために受信される。上記のように、そのような要件は、非限定的な例として、EME限界又はノイズ耐性要件であり得る。試験周波数、試験振幅、及び試験位相が選択される。一実施形態では、所与の試験周波数が他の試験周波数に直交するように、試験周波数が選択される。
【0042】
RFサブキャリアは、サブキャリアコードの相互相関が本質的にゼロである場合、すなわち、2つのRFサブキャリアが、構成的及び破壊的干渉がないことを含め、互いに干渉しない(又は干渉しないであろう)場合に、別のRFサブキャリに直交する。非限定的な実施例として、直交信号、及びRFサブキャリアの特性は、より具体的には、2つの信号のドット積がゼロであることである。完全な直交性が望ましいことがあるが、実用的又は必要ではないことがあるため、場合によっては、設計者は必要に応じて適切な直交性を選択し得る。
【0043】
IFFTを使用して、試験RFサブキャリアの合計を表す時間領域デジタル波形(同位相及び直交成分を有する)を生成し得る。試験周波数、試験振幅、及び試験位相は、時間領域デジタル波形に対応する連続時間領域アナログ駆動信号の時系列を実行し、スパイク及び/又はEMEを観察することによってチェックされ得る。非限定的な例として、試験周波数におけるRFサブキャリア間の位相関係が付加的であるため(すなわち、振幅は建設的に追加されるため)、スパイクが観察され得る。一実施形態では、試験周波数及び試験振幅のうちの1つ以上は、少なくとも部分的に、QAM及び位相シフトキーイングのうちの1つ以上を使用して変調されたそれぞれのRF信号を表すためのコンステレーションマップを使用して選択され得る。
【0044】
図2は、スペクトル整形RF信号(例えば、スペクトル整形駆動信号)のスペクトル整形時間領域デジタル波形を生成するために使用され得る構成要素RF試験周波数のための構成要素の周波数及び振幅を選択するためのプロセス200の実施形態を示す。
【0045】
動作202において、プロセス200は、利用可能な周波数ごとに許容可能なEMEの指標を受信する。いくつかの実施形態では、許容可能なEMEは、EME要件として説明され得、各利用可能な周波数について説明され得る。
【0046】
動作204において、プロセス200は、利用可能な周波数から試験周波数を選択し、試験振幅を選択する。図2に示す特定の非限定的な例のプロセスにおいて、選択された試験周波数間に位相関係があり、試験周波数の各々は、他の試験周波数の全てに直交する。
【0047】
動作206において、プロセス200はRFサブキャリアを割り当てる。各RFサブキャリアは、選択された試験周波数及び試験振幅の試験周波数及び試験振幅によって指定された周波数及び振幅を有する。
【0048】
動作208において、プロセス200は、RFサブキャリアの合計である試験時間領域デジタル波形を生成する。いくつかの実施形態では、試験時間領域デジタル波形は、RFサブキャリアのそれぞれの試験周波数、試験振幅、及び/又は位相関係(以下で考察される)を使用してIFFTを実行することによって、デジタル領域において生成され得る。
【0049】
任意選択的な動作210において、プロセス200は、試験時間領域デジタル波形に応答する試験駆動信号の時系列を生成する。
【0050】
場合によっては、RFサブキャリアの試験周波数の位相関係は、スパイク(すなわち、非限定的な例として、タッチセンサのダイナミックレンジの外側の振幅)をもたらし得る。任意選択的な動作212において、プロセス200は、試験駆動信号の時系列において、もしあれば、スパイクを観察する。任意選択的な動作214において、プロセス200は、全ての観察されたスパイクがタッチセンサのダイナミックレンジ内にあるかどうかを判定する。1つ以上の観察されたスパイクがタッチセンサのダイナミックレンジ内にないと判定された場合、動作214では、プロセス200は、センサのダイナミックレンジの外側の観察されたスパイクと関連付けられた特定のRFサブキャリアの試験周波数間の新しい位相関係を選択し、動作206にループバックする。
【0051】
観察されたスパイクがタッチセンサのダイナミックレンジ内にあると判定された場合、任意選択的な動作218では、プロセス200は、試験駆動信号を生成し、タッチセンサに提供し、試験駆動信号がタッチセンサに提供されている間に、タッチセンサによって呈されるスペクトル特性(例えば、限定されないが、EMEノイズ)を観察する。
【0052】
動作220において、プロセス200は、観察されたスペクトル特性(例えば、限定されないが、EMEノイズ)をタッチセンサの許容可能なスペクトル特性と比較する。
【0053】
動作222において、プロセス200は、観察されたスペクトル特性が許容可能なスペクトル特性内にあるかどうかを判定する。プロセス200が、観察されたスペクトル特性が許容可能なスペクトル特性内にないと判定した場合、動作224において、プロセス200は、試験周波数及び試験振幅の新しい周波数及び/又は振幅を選択し、RFサブキャリアを割り当て、動作208にループバックする。プロセス200が、観察されたスペクトル特性が許容可能なスペクトル特性内にあると判定した場合、動作226において、プロセス200は、動作208の時間領域デジタル波形を記憶し、代替的に、又は追加的に、RFサブキャリアのための構成要素周波数、振幅、及び/又は位相関係を記憶する。プロセス200に従って判定された時間領域デジタル波形は、スペクトル整形時間領域デジタル波形の非限定的な例である。記憶された時間領域波形は、直交振幅変調信号に対応する。
【0054】
本明細書で考察されるように、低い相互相関を有する(したがって低い干渉性を有する)プロセス200の少なくとも一部を使用して、試験周波数が選択され得る。別の言い方をすれば、試験周波数間、究極的にはセンサの駆動信号を生成するために選択されるRFサブキャリアのそれぞれの周波数間での直交性の程度を最適化するように波形が選択され得る(すなわち、これらは、動作226で記憶される)。
【0055】
図3は、スペクトル整形時間領域デジタル波形に関する情報がデジタル信号上で符号化されている、符号化されたデジタル信号(図3によって示される特定の非限定的な例ではビットストリーム)を生成するための機能ブロック300を示す機能ブロック図である。
【0056】
機能ブロック300への入力は、所望のスペクトル整形時間領域デジタル波形に対応する位相関係310、振幅312、及び構成要素周波数308である。本明細書で考察されるように、所望のスペクトル整形時間領域デジタル波形は、駆動信号を生成するために選択された試験波形又は波形であり得る。
【0057】
図3に示される実施形態では、機能ブロック300は、以下に更に説明されるいくつかの機能ブロック、すなわち、コンステレーションマッパー302、IFFT変換器304、及びシリアライザ306を含む。コンステレーションマッパー302は、位相関係310、振幅312、及び構成要素周波数308を受信し、それに応答して、コンステレーションマップ314を生成及び提供する。当業者に知られているコンステレーションマップを生成するための任意の好適な技術は、コンステレーションマッパー302によって実行され得る。IFFT変換器304は、コンステレーションマップ314を受信し、それに応答して、コンステレーションマップ314に応答するスペクトル整形時間領域デジタル波形316を生成する。IFFT変換器304の出力は、実数又は「同位相」部分(I成分として示される)及び虚数又は「直交」部分(Q成分として示される)を含む。典型的には、IFFT変換器304の出力は、並列化されたデータであろう。シリアライザ306は、並列化されたデータを受信し、応答して、スペクトル整形時間領域デジタル波形318(言い換えれば、「シリアル化されたスペクトル整形時間領域デジタル波形318」)を表すビットストリームを生成する。
【0058】
様々な実施形態では、時間領域デジタル波形318は、デジタル-アナログ変換器(DAC)に繰り返し入力される場合、DACに時間領域デジタル波形318に対応する連続時間領域アナログ信号を生成させる、符号化されたビットストリーム(すなわち、1及び0の特定のシーケンス)であり得る。
【0059】
様々な実施形態では、時間領域デジタル波形318は、本明細書で考察されるように、タッチコントローラ402を含むタッチコントローラによってスペクトル整形駆動信号を生成するために記憶及び使用され得る。
【0060】
図4は、1つ以上の実施形態に従って生成されたスペクトル整形駆動信号を含む、駆動信号を実装するように構成されているタッチ検知システム400を示すブロック図である。図4に示される例示的なタッチ検知システム400は、タッチコントローラ402がタッチセンサ404と電気的に通信することができるように、タッチセンサ404に動作可能に結合されたタッチコントローラ402を含む。タッチコントローラ402は、タッチセンサ404の1つ以上のセンサ線(例えば、駆動線、図示せず)に駆動信号412を提供し、1つ以上のセンサ線(例えば、検知線、図示せず)上のセンサ静電容量を示す被検知信号414を観察するように構成され得る。タッチコントローラ402は、本明細書で考察されるように、1つ以上の実施形態によるスペクトル整形駆動信号を生成するように構成されている送信経路406(図4のTx406)を含む。タッチコントローラは、本明細書で考察されるように、1つ以上の実施形態による被検知信号414を受信するための受信経路408(図4のRx408)も含む。
【0061】
特に、Rx408及びTx406における信号は、タッチセンサ404によって導入される位相ラグにより、互いに対して非同期であり得る。言い換えれば、開示された実施形態では、Rx408及びTx406は、必ずしもタッチセンサ404によって導入された位相ラグを補償するために同期される必要はない。
【0062】
タッチコントローラ402は、図3のスペクトル整形時間領域デジタル波形318などのスペクトル整形駆動信号を生成するためのスペクトル整形時間領域デジタル波形を記憶するように構成され得る。駆動信号412を生成するために、タッチプロセッサ410は、駆動制御信号416をTx406に提供するように構成され得る。より具体的には、駆動制御信号416は、タッチコントローラ402に記憶され、タッチプロセッサ410によって使用されるスペクトル整形時間領域デジタル波形であり得る。更により具体的には、スペクトル整形時間領域デジタル波形は、各々タッチコントローラ402に記憶されたI成分及びQ成分を含み得る。制御信号416は、連続波形を生成するために必要に応じて繰り返されるスペクトル整形時間領域デジタル波形を含むビットストリームであり得る。
【0063】
送信経路Tx406は、例えば、図5を参照して考察されるように、駆動制御信号416に応答して駆動信号412を生成するように構成され得る。駆動信号412は、駆動制御信号416がタッチコントローラ402に記憶されたスペクトル整形時間領域デジタル波形であることに応答してスペクトル整形される。
【0064】
図5は、スペクトル整形駆動信号を生成するための送信経路500の実施形態を示す機能ブロック図である。いくつかの実施形態では、図4の送信経路406(Tx406)は、図5の送信経路500として構成され得る。いくつかの実施形態では、送信経路500は、タッチ検知動作を実行するための駆動信号を生成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、送信経路500は、図2を参照して考察される試験駆動信号などの試験駆動信号を生成するために使用され得る。
【0065】
図5に示すように、送信経路500への入力は、この特定の例では、コンピュータ可読メモリ512に記憶された、スペクトル整形時間領域デジタル波形506のI及びQ成分である。スペクトル整形時間領域デジタル波形506は、図3を参照して説明したように、例えばIFFT変換器304及びシリアライザ306によって、IFFT及びシリアル化を実行することによって生成されたシリアル化されたスペクトル整形時間領域デジタル波形に対応し得る。
【0066】
デジタル-アナログ変換(DAC)ブロック502は、シリアル化されたスペクトル整形時間領域デジタル波形506(より具体的には、そのI及びQ成分)を受信し、それに応答して、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号510のI及びQ成分を生成する。信号合計ブロック504は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号510のI及びQ成分を受信し、それに応答して、スペクトル整形駆動信号508を生成する。より具体的には、信号合計ブロック504において、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号510のI及びQ成分が混合されて、IQ変調された出力波形を生成する。
【0067】
任意選択的に、このベースバンド信号の追加のRF変調(すなわち、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号508)は、必要に応じて実行され得る。
【0068】
図6は、1つ以上の実施形態による、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を受信するための受信経路600を示す機能ブロック図である。非限定的な例として、受信経路600の受信されたスペクトル整形連続時間領域アナログ信号は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号508(図5)、より具体的には、それを含む被検知信号であり得る。いくつかの実施形態では、タッチコントローラ402のためのRx408などのタッチコントローラの受信経路は、受信経路600として構成され得る。
【0069】
IQ復調及びADCブロック610は、I及びQ成分を含むアナログ被検知信号を受信し、被検知信号に対してアナログ-デジタル変換及びIQ復調を実行することによって、I及びQ情報を含むデジタル信号を生成する。
【0070】
並列化ブロック608は、デジタルI及びQ成分及び直交キャリアのセットを定義し、FFT復号ブロック606によって期待されるIFFT/FFTシーケンスの長さに応答して、並列化されたデジタルデータ(I及びQ)を生成する。並列化ブロック608は、FFT復号ブロック606の、並列化されたデジタルデータのI及びQ成分をそれぞれI及びQ入力に提供する。
【0071】
FFT復号ブロック606は、そのI及びQ入力で受信された並列化されたデジタルデータのそれぞれのI及びQ成分に応答して、より具体的には、FFTを並列化されたデジタルデータに適用することによって、コンステレーションマップを生成する。
【0072】
振幅再構成ブロック604は、FFT復号ブロック606によってコンステレーションマップ出力の振幅値を生成する。一実施形態では、振幅値は、駆動信号を生成するために使用される1つ以上の構成要素RF信号の減衰の量又は程度を示し得る。
【0073】
加重合計ブロック602は、振幅値に応答してセンサ静電容量推定値を出力する。一実施形態では、タッチプロセッサ(図4のタッチプロセッサ410など)は、例えば、センサ静電容量推定値がタッチを検出するための指定された閾値を超えることを観察することによって、センサ静電容量推定値に応答してタッチを検出するように構成され得る。
【0074】
図7は、回路700のブロック図であり、いくつかの実施形態において、回路700を使用して、本明細書に開示される様々な機能、動作、行為、プロセス、及び/又は方法を実装し得る。回路700は、1つ以上のデータ記憶デバイス(本明細書では「記憶装置704」と称されることがある)に動作可能に結合された1つ以上のプロセッサ702(本明細書では「プロセッサ702」と称されることもある)を含む。記憶装置704は、それに記憶された機械実行可能コード706を含み、プロセッサ702は論理回路708を含む。機械実行可能コード706は、論理回路708によって実装(例えば、実行)され得る機能要素を記述する情報を含む。
【0075】
論理回路708は、機械実行可能コード706によって記述される機能要素を実装(例えば、実行)するように適合されている。回路700は、機械実行可能コード706によって記述される機能要素を実行するときに、本明細書に開示される機能要素を実行するように構成されている専用ハードウェアとして見なされるべきである。いくつかの実施形態では、プロセッサ702は、機械実行可能コード706によって記述される機能要素を、順次に、同時に(例えば、1つ以上の異なるハードウェアプラットフォーム上で)、又は1つ以上の並列処理ストリームにおいて、実行するように構成され得る。
【0076】
プロセッサ702の論理回路708によって実装されるとき、機械実行可能コード706は、本明細書に開示される実施形態の動作を実行するようにプロセッサ702を適合させるように構成されている。例えば、機械実行可能コード706は、図1のプロセス100、図2のプロセス200、図5の送信経路500、及び図6の受信経路600の少なくとも一部分又は全体を実行するようにプロセッサ702を適合させるように構成され得る。別の例として、機械実行可能コード706は、図3の機能ブロック300、図4のタッチコントローラ402、Tx経路406、Rx経路408及び/又はタッチプロセッサ410について考察される動作の少なくとも一部分若しくは全体を実行するようにプロセッサ702を適合させるように構成され得る。
【0077】
プロセッサ702は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、他のプログラマブルデバイス、又は本明細書に開示される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを含み得る。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータと見なされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0078】
汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサ702は、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であってもよいことに留意する。プロセッサ702はまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成の組み合わせなど、コンピューティングデバイスの組み合わせとして実装され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、記憶装置704は、揮発性データ記憶装置(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性データ記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)など)を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサ702及び記憶装置704は、単一のデバイス(例えば、半導体デバイス製品、システムオンチップ(SOC)など)に実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ702及び記憶装置704は、別個のデバイスに実装され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード706は、コンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェアコード、ファームウェアコード)を含み得る。非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置704によって記憶され、プロセッサ702によって直接アクセスされ、少なくとも論理回路708を使用してプロセッサ702によって実行され得る。また、非限定的な実施例として、コンピュータ可読命令は、記憶装置704に記憶され、実行のためにメモリデバイス(図示せず)に転送され、少なくとも論理回路708を使用してプロセッサ702によって実行され得る。したがって、いくつかの実施形態では、論理回路708は、電気的に構成可能な論理回路708を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、機械実行可能コード706は、論理回路708内に実装されるハードウェア(例えば、回路)を記述し、機能要素を実行し得る。このハードウェアは、ローレベルトランジスタレイアウトからハイレベル記述言語までの様々な抽象化レベルのいずれかで記述され得る。高レベルの抽象化では、米国電気電子学会(IEEE)によって採用されるハードウェア記述言語(HDL)などのハードウェア記述言語(HDL)が使用され得るが、これに限定されない。非限定的な実施例として、Verilog(商標)、System Verilog(商標)又は超大規模集積(VLSI)ハードウェア記述言語(VHDL(商標))が使用され得る。
【0082】
HDL記述は、所望に応じて、多数の他の抽象化レベルのうちのいずれかにおける記述に変換され得る。非限定的な実施例として、高レベル記述を、レジスタ転送言語(RTL)、ゲートレベル(GL)記述、レイアウトレベル記述、又はマスクレベル記述などの論理レベル記述に変換することができる。非限定的な実施例として、論理回路708のハードウェア論理回路(例えば、これらに限定されないが、ゲート、フリップフロップ、レジスタ)によって実行されるマイクロ動作は、RTLに記述され、次いで合成ツールによってGL記述に変換され得、GL記述は、配置及びルーティングツールによってレイアウトレベル記述に変換され得、このレイアウトレベル記述は、プログラマブル論理デバイス、別個ゲート若しくはトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせの集積回路の物理的レイアウトに対応する。したがって、いくつかの実施形態では、機械実行可能コード706は、HDL、RTL、GL記述、マスクレベル記述、他のハードウェア記述、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0083】
機械実行可能コード706が(任意の抽象化レベルにおける)ハードウェア記述を含む実施形態では、システム(図示しないが、記憶装置704を含む)は、機械実行可能コード706によって記述されるハードウェア記述を実装するように構成され得る。非限定的な実施例として、プロセッサ702は、プログラマブル論理デバイス(例えば、FPGA又はPLC)を含み得、論理回路708は、ハードウェア記述に対応する回路を論理回路708に実装するように電気的に制御され得る。また、非限定的な実施例として、論理回路708は、機械実行可能コード706のハードウェア記述に従って製造システム(図示しないが、記憶装置704を含む)によって製造されたハードワイヤード論理を含み得る。
【0084】
機械実行可能コード706がコンピュータ可読命令又はハードウェア記述を含むかどうかにかかわらず、論理回路708は、機械実行可能コード706の機能要素を実装するときに、機械実行可能コード706によって記述された機能要素を実行するように適合される。ハードウェア記述は機能要素を直接記述しなくともよいが、ハードウェア記述は、ハードウェア記述によって記述されたハードウェア要素が実行することができる機能要素を間接的に記述することに留意されたい。
【0085】
本開示において、「典型的な」、「従来の」、又は「既知の」とされるものの特徴評価は、先行技術で開示されていること、又は考察された態様が先行技術で認識されていることを必ずしも意味しない。関連分野において、広く知られているか、十分理解されているか、又は日常的に使用されていることを必ずしも意味しない。
【0086】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、一般に「非限定的な(open)」という用語として意図される(例えば、「含んでいる(including)」という用語は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」などと解釈されるべきである)。
【0087】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が意図される場合、このような意図は請求項に明示的に記載されることになり、このような記載がない場合には、このような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求項は、請求項の記載を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかし、このような語句の使用は、たとえ同じ請求項が導入語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項記載の導入が、そのような導入された請求項記載を含む任意の特定の請求項を、そのような記載のうちの1つのみを含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)。請求項記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0088】
加えて、導入された請求項記載の特定の数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、このような記載が少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載」の明白な記載は、少なくとも2つの記載又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、このような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0089】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、明細書、請求項、又は図面のいずれかにおいて、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を意図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0090】
本開示の1つ以上の非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
実施形態1:サブキャリアの特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号を生成するステップと、駆動信号をタッチセンサに提供するステップと、タッチセンサの被検知信号を受信するステップと、被検知信号のエネルギーを観察するステップと、被検知信号の観察されたエネルギーが駆動信号のエネルギーとは異なることを観察することに応答して、タッチセンサでタッチを検出するステップと、を含む、タッチ検知方法。
【0091】
実施形態2:特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号を生成するステップは、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成するステップと、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、駆動信号を生成するステップと、を含む、実施形態1に記載のタッチ検知方法。
【0092】
実施形態3:スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、駆動信号を生成するステップは、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号の同位相及び直交位相成分を混合するステップと、を含む、実施形態1及び2に記載のタッチ検知方法。
【0093】
実施形態4:被検知信号の観察されたエネルギーに応答して、タッチセンサのチャネル静電容量を観察するステップを更に含む、実施形態1~3に記載のタッチ検知方法。
【0094】
実施形態5:タッチセンサのチャネル静電容量の変化を観察することに応答して、タッチセンサでタッチを検出するステップを更に含む、実施形態1~4に記載のタッチ検知方法。
【0095】
実施形態6:特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号を生成することは、タッチセンサが、複数の周波数でスペクトル特性を呈するように選択されたスペクトル整形駆動信号を生成するステップを含み、スペクトル特性が、許容可能なスペクトル特性の指標内にある、実施形態1~5に記載のタッチ検知方法。
【0096】
実施形態7:タッチ検知システムであって、タッチセンサと、タッチコントローラであって、サブキャリアの特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号を生成し、駆動信号をタッチセンサに提供し、タッチセンサから受信された被検知信号のエネルギーを観察し、被検知信号の観察されたエネルギーが駆動信号のエネルギーとは異なることを観察することに応答して、タッチセンサでタッチを検出するように構成された、タッチコントローラと、を備える、タッチ検知システム。
【0097】
実施形態8:特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号の生成は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号を生成することと、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答して、駆動信号を生成することと、を含む、実施形態7に記載のタッチ検知システム。
【0098】
実施形態9:スペクトル整形連続時間領域アナログ信号に応答した駆動信号の生成は、スペクトル整形連続時間領域アナログ信号の同位相及び直交位相成分を混合することを含む、実施形態7及び8に記載のタッチ検知システム。
【0099】
実施形態10:タッチコントローラは、被検知信号の観察されたエネルギーに応答して、タッチセンサのチャネル静電容量を観察するように更に構成される、実施形態7~9に記載のタッチ検知システム。
【0100】
実施形態11:特定の周波数にわたって割り当てられている駆動信号のエネルギーによって特徴付けられた駆動信号の生成は、タッチセンサが、複数の周波数でスペクトル特性を呈するように選択されたスペクトル整形駆動信号を生成することであって、スペクトル特性が、許容可能なスペクトル特性の指標内にある、実施形態7~10に記載のタッチ検知システム。
【0101】
実施形態12:スペクトル整形波形を判定する方法であって、許容可能な電磁放射の指標を受信するステップと、許容可能な電磁放射の指標に応答して、無線周波数サブキャリアを選択するステップと、選択された無線周波数サブキャリアに応答して、スペクトル整形時間領域デジタル波形を生成及び記憶するステップと、を含む、方法。
【0102】
実施形態13:無線周波数サブキャリアを使用して直交振幅変調を実行するステップを更に含む、実施形態12に記載の方法。
【0103】
実施形態14:無線周波数サブキャリアの各々について、指定された振幅及び指定された周波数を選択するステップを更に含む、実施形態12及び13に記載の方法。
【0104】
実施形態15:許容可能な電磁放射の指標に応答して、無線周波数サブキャリアを選択するステップは、試験周波数及び試験振幅を選択するステップと、無線周波数サブキャリアに応答して、試験駆動信号の試験時間領域デジタル波形を生成するステップであって、各無線周波数サブキャリアが、それぞれ選択された試験周波数及び試験振幅によって指定された周波数及び振幅を有する、生成するステップと、試験駆動信号を生成するステップと、生成された試験駆動信号をタッチセンサに提供するステップと、タッチセンサの観察された電磁放射が許容可能な電磁放射内にあることを検出することに応答して、試験駆動信号の試験時間領域デジタル波形を記憶するステップと、を含む、実施形態12~14に記載の方法。
【0105】
実施形態16:試験時間領域デジタル波形に応答して、試験駆動信号の時系列を生成するステップと、試験駆動信号の時系列において、もしあれば、スパイクを観察するステップと、を更に含む、実施形態12~15に記載の方法。
【0106】
実施形態17:観察されたスパイクのうちの1つ以上がタッチセンサのダイナミックレンジの外側にあると観察することに応答して、無線周波数サブキャリア間の新しい位相関係を選択するステップを更に含む、実施形態12~16に記載の方法。
【0107】
実施形態18:スペクトル整形時間領域デジタル波形に応答して、ビットストリームを生成するステップと、ビットストリームをタッチコントローラで記憶するステップと、を更に含む、実施形態12~17に記載の方法。
【0108】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】