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特表2022-543806胆嚢のアブレーションおよび脱機能化のためのシステム、デバイス、ならびに方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-14
(54)【発明の名称】胆嚢のアブレーションおよび脱機能化のためのシステム、デバイス、ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A61B18/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506913
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 US2020045436
(87)【国際公開番号】W WO2021026467
(87)【国際公開日】2021-02-11
(31)【優先権主張番号】62/884,001
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522046092
【氏名又は名称】イクテロ メディカル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ノジョミ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターズ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ベッソフ,コヴィ
(72)【発明者】
【氏名】リバ,エリック
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ09
4C160MM32
4C160NN01
(57)【要約】
組織位置をアブレーションするためのカテーテルデバイス、システム、および方法が、本明細書に提供される。本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法には、アブレーション媒体(例えば、冷凍アブレーション媒体)を体腔に送達し、かつ体腔からアブレーション媒体を排出する内側および外側シャフトを備えるカテーテルシステムを含むアブレーションシステムが含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、アブレーション手技の間に、体腔内の圧力、温度、または他の状態を監視および調整することに関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の体腔内で使い捨て可能なノズルを含むシャフトを備え、前記シャフトが、
前記ノズルと流体連通するアブレーション媒体送達管腔であって、前記アブレーション媒体送達管腔が、前記ノズルにアブレーション媒体を送達するように構成され、前記ノズルは、アブレーション媒体が前記体腔内の組織に接触しアブレーションするように、前記体腔全体にわたって前記アブレーション媒体を分配するように構成されている、アブレーション媒体送達管腔と、
前記ノズルが前記体腔内に配設されるときに、前記体腔内に終端する遠位側開口部を有する第1の圧力管腔であって、前記第1の圧力管腔は、第1の圧力センサが前記体腔の管腔内圧力を測定することができるように、前記シャフトに近接して配設された前記第1の圧力センサを前記体腔に結合するように構成されている、第1の圧力管腔と、
前記体腔から前記アブレーション媒体の一部を排出するように構成された排出管腔内に終端する遠位側開口部を有する第2の圧力管腔であって、前記第2の圧力管腔は、第2の圧力センサが前記排出管腔内の圧力を測定することができるように、前記シャフトに近接して配設された前記第2の圧力センサを前記排出管腔に結合するように構成されている、第2の圧力管腔と、を画定する、装置。
【請求項2】
前記シャフトが、内側シャフトであり、前記装置が、
前記排出管腔を画定する外側シャフト、
前記排出管腔内で使い捨て可能な前記内側シャフトをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外側シャフトが、開口部を通って前記体腔内に配置されるように構成され、前記装置が、
前記外側シャフトの遠位部分の周りに配設された拡張可能構造体であって、前記拡張可能構造体が、前記体腔内で拡張状態に移行するように構成され、前記拡張状態の前記拡張可能構造体が、前記外側シャフトの近位側移動を防止するように、前記体腔への前記開口部の直径よりも大きい外径を有する、拡張可能構造体をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
温度センサを含む遠位端部を含むプローブであって、前記プローブの前記遠位端部は、前記温度センサが前記体腔を裏打ちする組織に接触して配置されて前記組織の温度を測定することができるように、前記体腔内で使い捨て可能である、プローブをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記シャフトが、内側シャフトであり、前記プローブが、外側シャフトによって画定された管腔を通って前記体腔に挿入可能であり、前記プローブの前記遠位端部は、前記プローブの前記遠位端部が前記外側シャフトの遠位側に延在するときに、前記シャフトの長手方向軸から離れ、かつ前記体腔を裏打ちする前記組織に向かって偏向するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ノズルが、前記アブレーション媒体送達管腔と流体連通している複数の開窓を含み、前記複数の開窓は、前記ノズルが前記体腔全体にわたって前記アブレーション媒体を分配するよう構成されるように、前記ノズルの周縁部の周りに、かつ前記ノズルの軸長に沿って分配されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アブレーション媒体が、冷凍アブレーション媒体であり、前記ノズルが、前記冷凍アブレーション媒体を誘導して液体からガスに変化させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記体腔が、胆嚢管腔であり、前記装置が、前記シャフトの遠位端部に配設され、かつ前記対象の胆嚢管を閉塞するように構成された胆嚢管閉塞器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
排出管腔を画定する外側シャフトであって、前記外側シャフトが、対象の体腔内で使い捨て可能な遠位部分を有し、前記排出管腔が、前記体腔からアブレーション媒体を排出するように構成されている、外側シャフト、
前記アブレーション媒体が前記体腔内の組織に接触しアブレーションするように、前記体腔全体にわたって前記アブレーション媒体を分配するように構成されたノズルを含む内側シャフトであって、前記内側シャフトは、前記排出管腔内で使い捨て可能であり、前記ノズルが前記外側シャフトの遠位端部の遠位側に配設されるように、前記排出管腔から外側に延在するように構成されている、内側シャフトを備え、前記内側シャフトが、
前記ノズルと流体連通するアブレーション媒体送達管腔であって、前記アブレーション媒体送達管腔は、前記ノズルが前記体腔全体にわたって前記アブレーション媒体を分布することができるように、前記アブレーション媒体を前記ノズルに送達するように構成されている、アブレーション媒体送達管腔と、
前記ノズルが前記外側シャフトの前記遠位端部の遠位側に配設されるときに、前記体腔内に終端する遠位側開口部を有するセンサ管腔であって、前記センサ管腔は、センサが前記体腔に関連する特性を測定することができるように、前記センサを前記体腔に結合するように構成されている、センサ管腔と、を画定する、装置。
【請求項10】
前記排出管腔は、前記体腔の管腔内圧力が所定の閾値を超えることに応答して、前記体腔から前記アブレーション媒体を排出するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記アブレーション媒体送達管腔および前記排出管腔が、前記体腔の管腔内圧力を所定の範囲内に維持するように集合的に構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記所定の範囲が、約50mmHg未満である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記アブレーション媒体が、冷凍アブレーション媒体であり、前記ノズルが、前記冷凍アブレーション媒体を誘導して液体から気体に変化させるように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記アブレーション媒体送達管腔内に配設された弁をさらに備え、前記弁が、開放状態と閉鎖状態との間を移行するように構成され、前記弁が、前記開放状態においては、前記アブレーション媒体が前記ノズルに送達されるのを可能にするように構成され、前記閉鎖状態においては、前記アブレーション媒体が前記ノズルに送達されるのを防止するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記体腔に関連する前記特性が、前記体腔の管腔内圧力、または前記体腔内の温度である、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
対象の体腔内で使い捨て可能な遠位端部を有するシャフトであって、前記シャフトが、(1)アブレーション媒体を前記体腔内に送達するように構成されたアブレーション媒体送達管腔、および(2)前記シャフトの前記遠位端部が前記体腔内に配設されるときに、前記体腔内に終端する遠位側開口部を有する圧力管腔を画定する、シャフトと、
前記圧力管腔を介して前記体腔に結合された圧力センサであって、前記圧力センサが、前記体腔の管腔内圧力を測定するように構成されている、圧力センサと、
前記アブレーション媒体送達管腔内に配設された弁であって、前記弁は、前記アブレーション媒体が前記体腔内に送達されるのを可能にするための開放状態と、前記アブレーション媒体が前記体腔内に送達されるのを防止するための閉鎖状態との間を移行するように構成されている、弁と、
前記圧力センサおよび前記弁に動作可能に結合された制御ユニットであって、前記制御ユニットが、前記圧力センサによって測定された前記管腔内圧力に基づいて、前記弁を制御するように構成されている、制御ユニットと、を備える、装置。
【請求項17】
前記制御ユニットは、前記管腔内圧力が所定の閾値よりも大きいことに応答して、前記弁を制御して前記閉鎖状態に移行するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記圧力管腔が、第1の圧力管腔であり、前記圧力センサが、第1の圧力センサであり、前記装置が、
前記体腔から前記アブレーション媒体を排出するように構成された排出管腔を画定する外側シャフトであって、内側シャフトが、前記排出管腔内で使い捨て可能であり、前記内側シャフトは、前記シャフトの前記遠位端部が前記体腔内に配設されるときに、前記排出管腔内に終端する遠位側開口部を有する第2の圧力管腔をさらに画定する、外側シャフトと、
前記第2の圧力管腔を介して前記排出管腔に結合された第2の圧力センサであって、前記第2の圧力センサが、前記排出管腔内の圧力を測定するように構成されている、第2の圧力センサと、をさらに備える、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記制御ユニットが、前記第2の圧力センサに動作可能にさらに結合され、前記制御ユニットが、
前記体腔の前記管腔内圧力が所定の量だけ前記排出管腔内の前記圧力よりも大きいことに応答して、前記弁を制御して前記閉鎖状態に移行するようにさらに構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記制御ユニットが、前記体腔の前記管腔内圧力に基づいて、前記アブレーション媒体の送達速度、または前記アブレーション媒体の速度もしくは排出のうちの少なくとも1つを制御するようにさらに構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記制御ユニットが、前記体腔を裏打ちする組織の温度を測定するように構成されている温度センサに動作可能に結合され、
前記制御ユニットは、前記組織が前記組織の前記温度に基づいてアブレーションされたかどうかを判定するようにさらに構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記制御ユニットは、前記組織がアブレーションされたと判定することに応答して、前記弁を制御して前記閉鎖状態に移行するようにさらに構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
対象の胆嚢管腔内に配設された遠位端部を有する第1のシャフトの送達管腔内にアブレーション流体を受容することと、
前記第1のシャフトの前記送達管腔を介して、前記アブレーション流体を前記第1のシャフトの前記遠位端部に輸送することと、
前記アブレーション流体が前記胆嚢管腔内の組織に接触しアブレーションするアブレーションガスに転移するように、前記第1のシャフトの前記遠位端部から前記アブレーション流体を供給することと、
第2のシャフトの排出管腔を介して、前記胆嚢管腔から前記アブレーションガスの少なくとも一部を排出することと、
前記第1のシャフトの圧力管腔に動作可能に結合された圧力センサを介して前記胆嚢管腔の管腔内圧力を測定することであって、前記圧力管腔は、前記第1のシャフトの前記遠位端部が前記胆嚢管腔内に配設されるときに、前記胆嚢管腔内に終端する遠位側開口部を有する、測定することと、
前記胆嚢管腔の前記管腔内圧力に基づいて、前記第1のシャフトの前記遠位端部への前記アブレーション流体の送達を制御することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記圧力センサが、第1の圧力センサであり、前記圧力管腔が、第1の圧力管腔であり、前記方法が、
前記第1のシャフトの第2の圧力管腔に動作可能に結合された第2の圧力センサを介して前記排出管腔の圧力を測定することであって、前記圧力管腔は、前記第1のシャフトの前記遠位端部が前記胆嚢管腔内に配設されるときに、前記排出管腔内に終端する遠位側開口部を有する、測定することと、
前記胆嚢管腔の前記管腔内圧力、および前記排出管腔の前記圧力に基づいて、前記第1のシャフトの前記遠位端部への前記アブレーション流体の送達を制御することと、をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アブレーション流体の前記送達を制御することは、前記管腔内圧力が閾値よりも大きいことに応答して、前記第1のシャフトの前記遠位端部への、前記アブレーション流体のさらなる送達を防止するように、弁を閉鎖状態に移行させることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記アブレーション流体の前記送達を制御することは、前記管腔内圧力が所定の量だけ前記排出管腔の前記圧力と異なることに応答して、前記第1のシャフトの前記遠位端部への、前記アブレーション流体のさらなる送達を防止するように、弁を閉鎖状態に移行させることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
温度センサを介して、体腔内の温度を測定することをさらに含み、
前記アブレーション流体の前記送達が、前記胆嚢管腔の前記管腔内圧力および前記温度に基づいて制御される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年8月7日に出願された「Cryogen Supply Valve and Pressure Relief Control for Cryoablation Devices」と題する米国仮出願第62/884,001号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
心臓病学、腫瘍学、一般外科学、胃腸病学、皮膚病学、およびインターベンショナルラジオロジーで使用されるような医療用アブレーション技術は、局部の組織標的に焦点を合わせており、かなりのアブレーション深度制御を提供するが、身体内の大きな高表面積(HSA)組織アブレーション標的の場合には、効果的でなく、または実用的でない場合がある。クライオアブレーション(cryoablation)技術は、汎用的な冷凍剤(cryogen)スプレーを活用して、HSA組織アブレーションのためのプラットフォームを提供するが、胆嚢などの閉鎖された管腔内にエネルギーを安全かつ効果的に送達することに関連して、いくつか欠点がある。例えば、アブレーション手技中の氷の堆積、または他の合併症は、傷害、および/または効果のないアブレーションにつながる可能性がある。したがって、既存のアブレーションシステムの欠点に対処するためのシステム、デバイス、および方法を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、胆嚢のアブレーションおよび脱機能化のためのデバイスおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、装置は、対象の体腔内で使い捨て可能なノズルを含むシャフトを含み、そのシャフトは、ノズルと流体連通するアブレーション媒体送達管腔であって、そのアブレーション媒体送達管腔は、ノズルにアブレーション媒体を送達するように構成され、そのノズルは、アブレーション媒体が体腔内の組織に接触しアブレーションするように、体腔全体にわたってアブレーション媒体を分配するように構成されている、アブレーション媒体送達管腔と、ノズルが体腔内に配設されるときに、体腔内に終端する遠位側開口部を有する第1の圧力管腔であって、その第1の圧力管腔は、第1の圧力センサが体腔の管腔内圧力を測定することができるように、シャフトに近接して配設されたその第1の圧力センサを体腔に結合するように構成されている、第1の圧力管腔と、体腔からアブレーション媒体の一部を排出するように構成された排出管腔内に終端する遠位側開口部を有する第2の圧力管腔であって、その第2の圧力管腔は、第2の圧力センサが排出管腔内の圧力を測定することができるように、シャフトに近接して配設されたその第2の圧力センサを排出管腔に結合するように構成されている、第2の圧力管腔と、を画定する。
【0004】
いくつかの実施形態では、装置は、排出管腔を画定する外側シャフトであって、その外側シャフトは、対象の体腔内で使い捨て可能な遠位部分を有し、その排出管腔は、体腔からアブレーション媒体を排出するように構成されている、外側シャフトと、アブレーション媒体が体腔内の組織に接触しアブレーションするように、体腔全体にわたってアブレーション媒体を分配するように構成されたノズルを含む内側シャフトであって、その内側シャフトは、排出管腔内で使い捨て可能であり、ノズルが外側シャフトの遠位端部の遠位側に配設されるように、排出管腔から外側に延在するように構成され、その内側シャフトは、ノズルと流体連通するアブレーション媒体送達管腔であって、そのアブレーション媒体送達管腔は、ノズルが体腔全体にわたってアブレーション媒体を分配することができるように、アブレーション媒体をノズルに送達するように構成されている、アブレーション媒体送達管腔を画定する、内側シャフトと、ノズルが外側シャフトの遠位端部の遠位側に配設されるときに、体腔内に終端する遠位側開口部を有するセンサ管腔であって、そのセンサ管腔は、センサが体腔に関連する特性を測定することができるように、センサを体腔に結合するように構成されている、センサ管腔と、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、装置は、対象の体腔内で使い捨て可能な遠位端部を有するシャフトであって、そのシャフトは、(1)アブレーション媒体を体腔内に送達するように構成されたアブレーション媒体送達管腔、および(2)シャフトの遠位端部が体腔内に配設されるときに、体腔内で終端する遠位側開口部を有する圧力管腔を画定する、シャフトと、その圧力管腔を介して体腔に結合された圧力センサであって、その圧力センサは、体腔の管腔内圧力を測定するように構成されている、圧力センサと、アブレーション媒体送達管腔内に配設された弁であって、その弁は、アブレーション媒体が体腔内に送達されるのを可能にする開放状態と、アブレーション媒体が体腔内に送達されるのを防止する閉鎖状態との間を移行するように構成されている、弁と、その圧力センサおよびその弁に動作可能に結合された制御ユニットであって、その制御ユニットは、圧力センサによって測定された管腔内圧力に基づいて、弁を制御するように構成されている、制御ユニットと、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の胆嚢管腔内に配設された遠位端部を有する第1のシャフトの送達管腔内にアブレーション流体を受容することと、その第1のシャフトの送達管腔を介してアブレーション流体を第1のシャフトの遠位端部に輸送することと、そのアブレーション流体が胆嚢管腔内の組織に接触しアブレーションするアブレーションガスに転移するように、第1のシャフトの遠位端部からアブレーション流体を供給することと、第2のシャフトの排出管腔を介して胆嚢管腔からアブレーションガスの少なくとも一部を排出することと、第1のシャフトの圧力管腔に動作可能に結合された圧力センサを介して胆嚢管腔の管腔内圧力を測定することであって、圧力管腔は、その第1のシャフトの遠位端部が胆嚢管腔内に配設されるときに、胆嚢管腔内に終端する遠位側開口部を有する、測定することと、その胆嚢管腔の管腔内圧力に基づいて、第1のシャフトの遠位端部へのアブレーション流体の送達を制御することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態によるアブレーションシステムの概略図である。
図2】一実施形態による、カテーテルシステムの外側シャフトの概略図である。
図3】一実施形態による、カテーテルシステムの内側シャフトの概略図である。
図4】一実施形態による、カテーテルシステムの概略図である。
図5】一実施形態による、アブレーションシステムの制御ユニットの概略図である。
図6】一実施形態による、冷凍剤送達中に管腔内圧力を監視および/または制御するための制御装置を含む、クライオアブレーションデバイスとして実装されるアブレーションシステムの説明図である。
図7】一実施形態による、アブレーションおよび管腔内圧力制御のための方法のフローチャートである。
図8】一実施形態による、アブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)を使用する際の温度制御のための方法のフローチャートである。
図9】一実施形態による、アブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)を使用する際の圧力制御のための方法のフローチャートである。
図10A-10C】一実施形態による、アブレーションシステムの様々な経皮的かつ内視鏡的なアクセスのアプローチの説明図である
図11A-11D】様々な実施形態による、圧力センサを有するアブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)の説明図である。
図12A-12D】様々な実施形態による、複数の圧力センサを有するアブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)の説明図である。
図13】一実施形態による、アブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)のための圧力制御の概略図である。
図14】一実施形態による、開窓ノズルを有する内側シャフトの説明図である。
図15】一実施形態による、温度測定プローブを含むアブレーションシステムの説明図である。
図16】一実施形態による、温度測定プローブを含むアブレーションシステムの説明図である。
図17】一実施形態による、アブレーション媒体供給弁を有する内側シャフトの説明図である。
図18】一実施形態による、アブレーション媒体供給弁を有する内側シャフトの説明図である。
図19】一実施形態による、アブレーション媒体供給弁を有する内側シャフトの説明図である。
図20】一実施形態による、異なる条件下での圧力動作パラメータを示す。
図21A-21B】アブレーションシステム(例えば、クライオアブレーションデバイス)の管腔サイズおよび流量に基づいた、クライオアブレーションデバイスの動作圧力データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、例えば、胆嚢管腔などの体腔をアブレーションするためのアブレーションシステム、デバイス、および方法に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、組織アブレーションのためのクライオアブレーションデバイスに関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、関心領域(例えば、胆嚢管腔を裏打ちする組織)にアブレーション媒体(例えば、冷凍アブレーション(cryogenic ablation)媒体)を安全に、効果的に、かつ均一に分散するように設計されている、例えば、カテーテルベースのクライオアブレーションデバイスのためのアブレーション媒体解放弁に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、センサデータ、例えば、圧力および/または温度データに基づいて、アブレーションシステムの動作を制御することに関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、センサを含み、かつ/または(例えば、1つ以上のプローブのうちの)センサと一緒に使用して、体腔(例えば、胆嚢管腔)の特性もしくは状態、および/もしくは体腔内に送達されるアブレーション媒体を追跡することができる。クライオアブレーションデバイスを含むアブレーションシステムの適切な構成要素の例が、2019年2月7日に出願された「GALLBLADDER DEFUNCITONALIZATION DEVICES AND METHODS」と題する国際特許出願第PCT/US2019/017112号に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。
【0009】
胆石は、米国人の間で最も一般的な胃腸病のうちの1つである。胆石は、胆汁、すなわち肝臓によって分泌されて胆嚢に貯蔵される流体が過飽和状態になるときに形成される。それらは、多くの人々にとって問題を生じさせないが、胆石は、時には、胆嚢管、すなわち、胆嚢の出口を遮断して胆嚢が空になるのを妨げることがある。場合によっては、この障害物により、痛み、炎症、および感染症が引き起こされる。それ以外には元気な患者では、胆石症は、胆嚢の外科手術除去によって治療される。しかしながら、外科手術治療に関連するリスクは、特定の患者集団においてかなり高い。例えば、高齢者医療保険制度の患者の5人のうちの1人が、有害事象を患っていることが示されている。これらの患者に対する非外科手術治療の選択肢は限られていて、疾患の根本原因に対処することなく、急性症状を緩和すること重点を置いている。場合によっては、この疾患は、再発する可能性があり、結果として、さらなる臨床リスク、および多額の費用につながる。現在、高リスクの患者の胆嚢疾患に対する長期的な解決策はない。
【0010】
図10A図10Cに示してあるように、胆嚢2は、胃腸系の中では小さい中空の臓器である。胆道系の盲端突起である胆嚢2は、30ミリリットル(mL)~50mLの貯蔵容量を有する西洋梨形の臓器である。胆嚢は、通常、その横幅が、2~3センチメートル(cm)であり、軸方向の長さが、7~10cmである。胆嚢は、通常、3つの部分、すなわち、底部、本体、および首部に分かれている。首部には、ハルトマン嚢として知られる粘膜のひだが含まれ、胆石が詰まって胆嚢炎を引き起こす一般的な位置である。図10A図10Cに示すように、胆嚢2は、胆嚢管14に通じており、右肝管および左肝管に二股分岐する総肝管18によって肝臓8に接続する。胆嚢2は、総胆管16によって小腸10に接続される。
【0011】
組織学的には、胆嚢は、漿膜(最外層)、筋層、固有層、および最内粘膜層を含む4つの層を有する。胆嚢の粘膜層は、胆嚢壁の最内層であり、胆汁を濃縮する。漿膜は、内臓腹膜に由来しており、胆嚢の前方底部、本体、および首部を覆っている。漿膜の内側では、単一の筋層が、固有層を包み込んでいる。胆嚢の内腔を裏打ちする粘膜は、複数のイオンチャネルの作用を介してムチンを分泌して胆汁を脱水させる、柱状の上皮細胞からなる。場合によっては、粘膜の突起(ロキタンスキー-アショフ結節として知られる)が、胆嚢壁のより深い層内に延在する。
【0012】
胆嚢は、肝臓によって生成された胆汁を貯蔵および濃縮し、貯蔵された胆汁を小腸に解放し、そこで、胆汁は、食物中の脂肪の消化を助ける。胆汁は、肝臓内の肝細胞によって作られ、その後、肝内胆管中に合体する肝臓小導管に分泌される。これらの管は、集束して右肝管および左肝管を形成し、次いで、総胆管に結合する。総胆管は、十二指腸壁内のファーター膨大部のすぐ近くにある膵管に接合する。肝細胞によって生成された胆汁は、胆管系を通って十二指腸管腔内に流れ、消化を助ける。
【0013】
十二指腸管腔への流れは、オッディ括約筋によってファーター膨大部のレベルで調整される。食物が与えられていない状態の間、消化のための胆汁が必要でない場合、括約筋は閉鎖され、その結果、胆嚢に胆汁が送られ、貯蔵されることになる。貯蔵中、胆汁は、過飽和状態になり、胆石および沈殿物(非常に小さい胆石)を形成する病巣をもたらす。胆石の大部分は、「褐色石」であり、主にコレステロールからなる(通常、>80%)。これらの石は、壊れやすく、すぐに砕ける。少数の石は、圧倒的にビリルビン(「黒色石」、<20%コレステロール)であり、多くの場合、はるかに硬い。混合石には、様々な量のビリルビンおよびコレステロールが含まれる。
【0014】
胆嚢の管腔内に残っている可動性の胆石は、様々な病状を引き起こす可能性がある。場合によっては、胆石は、胆嚢の首部で詰まるようになり、胆嚢管を閉塞する。詰まった胆石は、胆嚢膨張および断続的な右上部四半分の不快感(圧力勾配の増加に対して中身を空にしようとする臓器の壁内の筋肉のけいれんからのもののようである)、症候性胆石症として知られる状態を引き起こす。場合によっては、胆石は、胆嚢出口でより恒久的に詰まるようになり、結果として、炎症および感染症を引き起こす。これは、胆嚢炎として知られる状態であり、全身感染に進行する可能性があるため、緊急の治療処置を必要とする。
【0015】
あるいは、または組み合わせて、胆石または沈殿物が、胆嚢管を通過し、総胆管内で詰まるようになり、胆汁の流れが遮断されると、上行性胆管炎として知られる、生命に危険の及ぶ可能性がある状態を引き起こす。いくつかの実施形態では、その残がいは、膵管および総胆管の合流点で詰まるようになり、膵臓分泌物の淀みを引き起こし、膵臓炎(膵臓の炎症)をもたらす。
【0016】
胆石症では、胆嚢内の胆汁の過飽和が、胆石の形成につながる。場合によっては、詰まった胆石により、胆嚢の炎症、痛み、および感染症が引き起こされる。胆嚢が炎症を起こすと、胆嚢の粘膜層は、より隆起するようになる。場合によっては、胆石症は、超音波または他の撮像方法によって診断される。本明細書で提案されるのは、医療費、および患者の罹病率を削減するために、症候性胆石を有する患者内において、低侵襲性の方法で良性胆嚢疾患を確実に治療するように構成された方法およびデバイスである。
【0017】
腹腔鏡による胆嚢摘出術は、胆石症のための治療法であり、普通に行われる一般的な外科手技である。腹腔鏡による胆嚢摘出術の間、小さな切開部が腹部内に作られ、カメラおよび小型の器具を用いて胆嚢の除去を容易にする。この手技は、それ以外には元気な患者には安全であり、多くの場合、入院を必要としない。合併症のない場合には、患者は、2週間以内に仕事に復帰する場合が多い。
【0018】
多くの患者集団では、腹腔鏡による胆嚢摘出術に関連する外科的リスクは、かなり高い。場合によっては、これらの集団は、重症患者、慢性疾患および以前の外科手術からの腹腔内の瘢痕化を有する患者、ならびに医学的併存疾患の発病率がより高い傾向にある高齢患者を含む。そのような集団の1つとして、高齢者医療保険制度の集団があり、これには、米国において毎年約200,000人の腹腔鏡による胆嚢摘出術が含まれる。これらの外科手術の21パーセントが、入院期間の延長、および再入院、ならびに他の周術期の合併症を含む、有害事象をもたらす。これらの合併症に関連する直接的な費用に加えて、多くの高齢患者が、健康レベルのベースラインに戻らないというリスクにあり、追加の医療費をもたらす。
【0019】
胆石症を治療するための非外科的選択肢がある。これらには、抗生物質の投与、もしくは胆嚢内容物を排水するための胆嚢造瘻術管の配置、またはその2つの組み合わせが含まれる。しかしながら、非外科的選択肢は、長期的な解決策を提供しない。これらの選択肢は、効果的だが一時的な措置であり、それらは、疾患の原因を治療しない。経皮的な胆嚢造瘻術中に、胆嚢造瘻術管が、胸郭を通って胆嚢に配置される。経皮的な胆嚢造瘻術は、インターベンショナルラジオロジー(IR)一式で、または患者のベッドわきで行うことができるが、胆石症の確実な治療を提供しない。多くの場合、非外科的選択肢は、再発および追加の入院費用をもたらす。
【0020】
外科的合併症のリスクの高い胆嚢炎の患者の場合、その治療は、抗生物質と組み合わせた、(経皮的に挿入された胆嚢造瘻術管を介した)胆嚢の経皮的な減圧である。この治療は、患者が進行中の感染症(敗血症)の全身作用から回復し、ベースラインの健康状態に戻るのを可能にする一時的な措置を提供する(一般的に、「医療従事者によるクーリングオフ」と呼ばれる)。胆嚢瘻造術管は、患者が回復するまで所定の位置に残される。配置後約6~8週間で、X線透視検査下での管を通じたX線不透過性造影剤の注入による胆管造影法を実行して、胆嚢管が開出(開放)しているかどうかを判定する。胆嚢瘻造術管は、胆嚢管が開出していれば、取り外される。この治療は、胆石症の再発率を下げるため、時限的な胆嚢摘出術である。胆嚢管と総胆管との間に連通がない場合、胆嚢摘出術が行われるか、またはその後の胆管造影法で開通性が実証されるまで、その管は、所定の位置に残される。高リスクの患者に利用可能な決定的な治療は存在せず、患者は、疾患の再発のリスクに置かれ、関連する臨床リスクおよび医療費にさらされる。
【0021】
アブレーション技術は、他の疾患を治療するために使用されている。例えば、アブレーションは、食道化生および子宮内膜増殖症の治療に使用されている。しかしながら、アブレーション技術は、胆石症の治療にはすぐに利用可能ではない。アブレーション技術は、神経などの小さな標的領域に適用されることが多く、通常、拡散領域、または組織もしくは臓器への適用には使用されない。本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、胆嚢をアブレーションおよび脱機能化することに関するものであり、特に、胆嚢を安全かつ効率的にアブレーションするように設計されている。
【0022】
図1は、一実施形態による例示的なアブレーションシステム100の概略図である。このアブレーションシステム100は、制御ユニット110、カテーテルシステム150、およびアブレーション媒体供給120を含む。制御ユニット110は、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。
【0023】
制御ユニット110は、アブレーション媒体の供給を提供するアブレーション媒体供給120に動作可能に結合することができる。例えば、制御ユニット110は、アブレーション媒体の体腔(例えば、胆嚢管腔)への送達を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体は、冷凍アブレーション媒体である。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、液体である。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、ガスである。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、本明細書に開示されたシステムおよびデバイスを使用して送達されるときに、液体からガスへの相転移を受ける。いくつかの実施形態では、クライオアブレーションは、液体亜酸化窒素、二酸化炭素、およびアルゴンなどのアブレーション媒体からの、液体からガスへの相変化による冷媒特性を介して達成される。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、亜酸化窒素、窒素、二酸化炭素、またはアルゴンのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、第1の状態(例えば、液体)から第2の状態(例えば、ガス)に転移し、転移中に冷凍媒体の元の体積の約600倍まで増加し得る。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、アブレーション媒体の温度、圧力などのうちの1つ以上を制御することができる。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体が本明細書に開示されたシステムおよびデバイスとともに使用される場合、冷凍アブレーション媒体などのアブレーション媒体は、摂氏約-120度~摂氏約0度の範囲であり、それらの温度間のすべての値および部分範囲を含む。
【0024】
制御ユニット110は、真空源140(例えば、真空または吸引ポンプ、吸引器など)に任意選択的に結合することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、真空源140を制御して、真空を、カテーテルシステム150のチャネルまたは管腔に適用することができ、例えば、体腔(例えば、胆嚢管腔)内からアブレーション媒体を除去または排出することができる。例えば、制御ユニット110は、真空源140を作動させて、カテーテルシステム150の管腔内に陰圧を加え、体腔に送達された冷凍アブレーション媒体などのアブレーション媒体の一部を排出することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、アブレーションシステム100は、真空源140を含まず、アブレーション媒体は、体腔の内部と、外部環境との間の圧力差によって駆動される受動排出を介して、体腔から排出され得る。例えば、冷凍アブレーション媒体などのアブレーション媒体が体腔に送達されたときに、アブレーション媒体は、体腔の外部の環境(例えば、外気)に対して体腔内の圧力を高めることができ、その圧力差は、例えば、カテーテルシステム150によって画定された管腔を介して、体腔から外にアブレーション媒体の一部の排出を駆動することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、温度センサ)を含むか、またはそれに動作可能に結合することができ、また1つ以上のセンサによって収集されたデータに基づいて、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素を動作させるか、または制御することができる。例えば、制御ユニット110は、圧力センサに結合することができ、また圧力センサからの測定値に基づいて、(例えば、アブレーション媒体供給120からの)アブレーション媒体の送達、および(例えば、真空源140を使用した)アブレーション媒体の排出を制御して、体腔内の圧力を所定の圧力範囲内に維持することができる。別の言い方をすれば、制御ユニット110は、体腔の通気を制御するように構成することができ、その結果、管腔内の圧力が所定の圧力範囲内に維持される。いくつかの実施形態では、所定の圧力範囲は、50mmHg未満であり、または100mmHg未満である。いくつかの実施形態では、所定の圧力範囲は、約0mmHg~約40mmHg、または約30mmHg~約40mmHgである。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、1つ以上の弁に動作可能に結合することができ、制御システム110は、それらの弁を制御して、アブレーション媒体の送達もしくは排出を可能にし、かつ/または終了させることができる。そのような制御機構のさらなる詳細が、図11図13および図17図19を参照して説明される。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110、および/またはアブレーションシステム100の他の構成要素は、1つ以上の追加の計算デバイス190に任意選択的に結合することができる。計算デバイス190は、特定の機能を走らせ、かつ/または実行するように構成された任意の適切な処理デバイスとすることができる。1つ以上の計算デバイス190は、例えば、コンピュータ、ラップトップ、ポータブルデバイス、モバイルデバイス、またはプロセッサ、メモリ、および/もしくは入力/出力デバイスを含む他の適切な計算デバイスを含むことができる。例えば、制御ユニット110は、ワークステーションなどのリモート計算デバイスに結合することができ、ユーザ(例えば、医師、管理者等)は、そのリモート計算デバイスを介して、アブレーションシステム100の1つ以上の動作パラメータを制御することができる。制御ユニット110および1つ以上の計算デバイス190は、例えば、ネットワークを介して、1つ以上の他の計算デバイス190にデータを送信し、かつ/またはデータを受信するように構成することができる。例えば、制御ユニット110は、リモートデバイス(例えば、ディスプレイ、モバイルデバイス)にアラートおよび/または他の情報を送信することができ、その結果、リモートデバイスは、ユーザ(例えば、医師)にその情報を提示することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、患者情報、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素の稼働状況などのデータを送信することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、カテーテルシステム150の近位端部に取り付けられている手持ち式デバイスに一体化することができる。この手持ち式デバイスは、アブレーションシステム100の操作者がアブレーションシステム100の動作を制御してアブレーション手技を実行することができる、オンまたはそれ以上の入力および/もしくは出力デバイス(例えば、ボタン、スイッチ、キーボード、タッチスクリーン、ディスプレイなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット110は、カテーテルシステム150から遠く離れていてもよく、遠隔地の操作者は、アブレーションシステム100の1つ以上の構成要素を制御して、アブレーション手技を実行することができる。
【0028】
カテーテルシステム150は、体腔(例えば、胆嚢管腔)に経皮的に挿入されて、解剖学的構造の部分(例えば、胆嚢)を、その解剖学的構造の外科的除去を必要とせずに、瘢痕化および脱機能化することができる。カテーテルシステム150は、インターベンショナルラジオロジー(IR)一式で、および局部麻酔を用いて使用することができ、高リスクの外科患者の全身麻酔に関連するリスクを排除する。デバイスの配置は、既存のIRの作業の流れを活用し、既存のデバイスと同様の方法で展開することができる。例えば、胆嚢管腔内への配置の場合、そのような配置は、胆嚢造瘻術管または経皮的な胆嚢排水管と同様とすることができる。
【0029】
図2図4は、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルシステム250の部分の概略図を提供する。カテーテルシステム250は、構造的および/または機能的にカテーテルシステム150と同様であり得る。例えば、カテーテルシステム250は、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)に結合することができ、かつ/またはアブレーション媒体供給(例えば、アブレーション媒体供給220)からアブレーション媒体を受容するように構成することができる。このカテーテルシステム250は、外側シャフト260および内側シャフト270を含むことができる。内側シャフト270はまた、第1のシャフトと呼ぶことができ、外側シャフト260は、第2のシャフトと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト260および内側シャフト270は、例えば、アブレーション手技を実行するために一緒に使用される別個の構成要素とすることができる。例えば、外側シャフト260は、アクセスシースまたは導入器として実装することができ、内側シャフト270は、導入器の管腔に挿入可能であるカテーテルとして実装することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフト260および内側シャフト270は、単一のカテーテルデバイス、例えば、2つの同心状シャフトを有するデバイスに一体化することができる。
【0030】
図2は、外側シャフト260の詳細図を提供する。外側シャフト260は、例えば、アクセスシースとすることができる。外側シャフト260は、管腔262を画定することができる。管腔262は、例えば、内側シャフト270を含む1つ以上の器具を受容するように構成することができる。外側シャフト260は、体腔BL(例えば、胆嚢管腔)へのアクセスを提供するように構成することができる。例えば、外側シャフト260の遠位端部は、図4に概略的に示してあるように、体腔BL内に位置決めすることができる。体腔BLの内側に位置決めされると、外側シャフト260は、例えば、管腔262を介して、体腔BLへの1つ以上の器具の送達を可能にすることができる。例えば、図4に示してあるように、内側シャフト270は、外側シャフト260の管腔262内に挿入されて、体腔BL内に誘導され得、その結果、内側シャフト270の遠位端部は、体腔BLの内側に位置決めされる。
【0031】
いくつかの実施形態では、管腔262は、体腔BL内から流体(例えば、液体またはガス)および/または残がい(例えば、胆石またはその破片、組織など)を排出または排水するように構成することができる。例えば、管腔262は、体腔BLに送達されたアブレーション媒体(例えば、冷凍アブレーション媒体)が体腔BLから排出されるのを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、管腔262は、真空源240に動作可能に結合することができ、その真空源を作動させて、管腔262内に陰圧を加えて、体腔BL内から流体を排出することができる。あるいは、管腔262は、流体が体腔BLを出ていくための受動排出通路として機能することができる。例えば、アブレーション媒体が体腔BLに送達されて、圧力がシャフト260の外部に対して体腔BL内で高まると、そのような圧力は、管腔262を介して、体腔BLから外にアブレーション媒体の一部を受動的に追い出すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、1つ以上の追加の管腔、例えば、構造的および/または機能的に管腔262と同様であり得る管腔264を画定することができる。例えば、管腔264はまた、体腔BLへのアクセスを提供するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、管腔262は、内側シャフト270を受容するように構成することができ、管腔264は、異なる外科手術および/または監視デバイス(例えば、プローブ、第2のアブレーションデバイスなど)を受容するように構成することができる。いくつかの実施形態では、管腔262、264のうちの1つ以上は、センサ(例えば、圧力センサ)に流体結合されて、体腔BLおよび/または身体の他の部分の圧力測定を可能にすることができる。例えば、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)に一体化されたセンサが、管腔262、264のうちの1つ以上と流体連通し、外側シャフト260および/または体腔BL内の環境の測定(例えば、圧力測定)を行うことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、センサ263を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、センサ263は、体腔BL内に配設されるように構成されている外側シャフト260の遠位部分に位置することができる。あるいは、センサ263は、例えば、管腔(例えば、管腔262、264)内、外側シャフト260の近位端部などを含む、外側シャフト260に沿った異なる位置に配設することができる。センサ263は、体腔BL内の環境、または外側シャフト260の内部および/もしくは周辺の他の環境に関する情報を取り込むように構成することができる。例えば、センサは、体腔BLに送達されるアブレーション媒体の特性(例えば、圧力、温度)、体腔BLの特性(例えば、圧力、温度)、または体腔BL内の流体などを測定するように構成することができる。センサ263は、例えば、圧力センサ(例えば、圧力トランスデューサ、ストレインゲージトランスデューサ、ダイアフラム変位センサ、光ファイバ圧力センサ、固体センサ)、温度センサ、光センサ、ガスセンサなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ263は、例えば、外側シャフト260に結合され、かつ/またはその外側シャフト内に配設されているワイヤなどの有線接続を介して、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)および/または他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)に結合することができる。いくつかの実施形態では、センサ263は、例えば、体腔BLの1つ以上の測定された特性を示すデータを、制御ユニットおよび/または別の計算デバイスに無線で送信するように構成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、外側シャフト260は、例えば、体腔BL内で展開されて、未展開状態から展開または拡張状態に移行することができる拡張可能な部材または構造体266を含む。拡張可能構造体266は、取り外れを防止し、かつ/または外側シャフト260と体腔BLとの間に封止材を作成するように構成することができる。使用中、外側シャフト260は、例えば、ガイドワイヤに沿って、外側シャフト260の遠位端部が開口部を通って体腔BL内に位置決めされるまで、前進することができる。次いで、拡張可能構造体266は、図2の矢印290によって概略的に示されているように、展開され(例えば、拡張され、膨張され)得る。展開されると(例えば、それが展開状態にあると)、拡張可能構造体は、外側シャフト260が配置された開口部の直径よりも大きい直径を有することができ、したがって、外側シャフト260を体腔BL内に保持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能構造体266は、膨張可能バルーン、形状記憶構造体(例えば、展開可能なニチノール構造体)などを含む。いくつかの実施形態では、その展開状態にある拡張可能構造体266は、外側シャフト260の外径よりも約1.5倍~約3倍大きい外径を有することができる。例えば、封止材などの適切な拡張可能構造体266のさらなる詳細については、国際特許出願第PCT/US2019/017112号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
2つの管腔(例えば、管腔262、264)が図2に示されているが、外側シャフト260は、単一の管腔、および/または3つ以上の管腔を含む、任意の数の管腔を含むことができることが理解され得る。外側シャフト260はまた、本明細書に記載されている実施形態による追加のセンサ、拡張可能構造体などを含むこともできる。
【0036】
図3は、内側シャフト270のより詳細な図を提供する。内側シャフト270は、例えば、アブレーション送達デバイスまたはアブレーションカテーテルとすることができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、クライオアブレーションデバイスの一部を形成し、冷凍アブレーション媒体を体腔BLに送達するように構成することができる。内側シャフト270は、体腔BL内の細胞を殺すことができるアブレーションエネルギーまたはアブレーション媒体を提供するように構成することができる。例えば、内側シャフト270は、胆嚢管腔の粘膜層内の細胞を殺し、胆嚢管を裏打ちする細胞を殺し、またはそれらの任意の組み合わせを行うことができるアブレーションエネルギーまたはアブレーション媒体を提供するように構成することができる。アブレーションエネルギーまたは媒体は、例えば、化学薬品(例えば、抗生物質、液体硬化剤、テトラデシル硫酸ナトリウム、酢酸、エタノール、高張塩化ナトリウム、尿素)、冷凍アブレーション媒体(例えば、冷凍の液体またはガス)、熱焼灼、電気焼灼などを含むことができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、複数のタイプのアブレーションエネルギーまたは媒体を送達するように構成することができる。内側シャフト270は、空間的に拡散するアブレーションを提供するように構成することができる。別の言い方をすれば、内側シャフト270は、体腔BLの広い領域を焼灼するアブレーションを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、胆嚢粘膜を脱機能化するために、胆嚢管のアブレーションもしくは硬化を行うための、またはそれらの任意の組み合わせのための、アブレーションを送達するように構成することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、熱アブレーション、クライオアブレーション、化学アブレーション、またはそれらの任意の組み合わせを送達するように構成することができる。いくつかの実施形態では、クライオアブレーションは、液体窒素などの低温流体を胆嚢壁に送達することを伴う。いくつかの実施形態では、クライオアブレーションは、亜酸化窒素または二酸化炭素などの、相変化により低温を誘発するアブレーション媒体を胆嚢壁に送達することを伴う。いくつかの実施形態では、熱アブレーションは、例えば、熱水または蒸気などの高温流体を胆嚢壁に送達することを伴う。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体は、液状の形態、ガス状の形態、エアロゾルの形態、ゲル状の形態、またはこれらの任意の組み合わせで送達される。
【0038】
内側シャフト270は、管腔272を画定することができる。この管腔272は、例えば、アブレーション媒体供給220から、体腔BL内で使い捨て可能なノズル274に、アブレーション媒体を送達するように構成することができる。このノズル274は、アブレーション媒体を体腔BL内に解放するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ノズル274は、体腔BL全体にわたってアブレーション媒体を分配するための複数の開口部または開窓を含むことができる。いくつかの実施形態では、管腔272およびノズル274は、液体状態の冷凍アブレーション媒体を体腔BL内に輸送するように構成することができる。管腔272およびノズル274は、アブレーション媒体がノズル274の開口部を出るまで、媒体が液体からガスへの転移を受けないように、冷凍アブレーション媒体に設定された圧力量を維持する寸法で構成することができる。別の言い方をすれば、管腔272およびノズル274は、液体状態の冷凍アブレーション媒体をノズル274の開口部まで輸送するように構成することができ、その時点で、体腔BLへの冷凍アブレーション媒体の解放により、その冷凍アブレーション媒体は、液体状態からガス状態に変化することになる。いくつかの実施形態では、内側シャフト270の管腔272の直径は、それらの間のすべての値および部分範囲を含めて、約0.001インチ~約0.1インチであり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、弁278を任意選択的に含むことができる。この弁278は、体腔BLへのアブレーション媒体の送達を制御するように構成することができる。例えば、弁278は、ノズル274へのアブレーション媒体の供給をオンまたはオフにするように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)は、弁278の開閉を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械的アクチュエータ(例えば、上述したように、手持ち式デバイスに結合された)を使用して、弁278を開閉することができる。いくつかの実施形態では、弁278は、体腔BL内の圧力が所定の閾値よりも大きいことに応答して、(例えば、自動的に、および/または制御ユニットによる制御を介して)閉鎖するように構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ(例えば、内側シャフト260または外側シャフト270に配設されたセンサ、および/または制御ユニット110に結合されたセンサ)を使用して、体腔BL内の圧力を測定し、弁278を制御して開閉することができる。いくつかの実施形態では、弁278は、例えば、遮断物または閉塞物が排出経路に沿って形成されたことを示す、体腔BLと排出管腔(例えば、管腔262)との間の圧力差に応答して、閉鎖するように構成することができる。例えば、複数のセンサは、カテーテルシステム250および/または体腔BLに関連する様々な圧力を測定するように構成することができ、制御ユニット(例えば、制御ユニット110)は、予期しない閉塞物が体腔BLの内外への任意の流体流路を隔離したときに、そのような圧力測定がいつ決定するかを分析するように構成することができる。
【0040】
上述したように、いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、クライオアブレーションデバイスであるか、またはその一部を形成し、冷凍アブレーション媒体を体腔BL内に送達するように構成することができる。クライオアブレーションデバイスは、特定の冷凍アブレーション媒体(例えば、液体亜酸化窒素)の相変化特性を活用して、標的組織界面で冷凍アブレーション温度を誘発することができる。そのような冷凍アブレーション媒体が液体からガスに転移するとき、それらの体積は膨張し、体腔BL内の圧力を増加させ得る。したがって、本明細書に開示されたシステムおよびデバイスを設計する際の1つの重要な考慮事項は、アブレーション手技中の体腔BL内の管腔内圧力を監視および制御することにある。例えば、本明細書に開示されたシステムおよびデバイスは、管腔内圧力が所定の閾値を超えて増加しないこと、および/または所定の範囲内に留まることを確実にするように構成することができる。管腔内圧力が増加する場合(例えば、所定の閾値を超える圧力、または所定の速度を超える急激な圧力変化)では、本明細書に開示されたシステムおよびデバイスは、体腔BL内から空気、ガス状クライオアブレーション媒体、および/または他の流体を排出して管腔内圧力を下げるように構成することができる。このような場合は、カテーテルシステム250内(例えば、内側シャフト270の管腔272内)の任意の冷凍アブレーション媒体に対して確実にし、かつ/またはカテーテルシステム250への供給管路が、カテーテルシステム250(例えば、ノズル274)を出て、体腔BL内に入らないようにして、さらに圧力増加を加えることが重要であり得る。したがって、圧力増加イベント(例えば、所定の閾値を超える圧力、または所定の速度を超える急激な圧力変化)を検出することに応答して、体腔BL内に送達される冷凍アブレーション媒体の残留量を最小化または低減することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、弁278を使用して、体腔270内に送達される冷凍アブレーション媒体の残留量を低減することができる。弁278は、ノズル274にまたはその付近に位置決めすることができ、その結果、弁278は、閉鎖時に、管腔272、および/またはノズル274につながる他の通路内の残留または余分なアブレーション媒体が体腔BL内に送達されるのを防止する。
【0041】
弁278は、任意の範囲の適切な機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、弁は、その静止状態で閉鎖することができるが、アブレーション媒体が体腔BL内に送達されるのを可能にするように開放することができる。あるいは、弁278は、その静止状態で開放することができるが、追加のアブレーション媒体が体腔BL内に送達されるのを防止するために閉鎖することができる。いくつかの実施形態では、弁278は、ばね機構を使用して、付勢されて閉鎖および/または開放することができる。弁278は、任意の適切な幾何形状を有することができ、その幾何形状には、例えば、立方体、円錐、円筒、三角形柱、円環、らせん、卵形、またはアブレーション媒体の流れを妨げるのに十分な構造体を有する他の三次元体が含まれる。いくつかの実施形態では、弁278は、内側シャフト270内(例えば、管腔272内)に画定された弁座に対して着座することができる。いくつかの実施形態では、弁278は、手動で、または制御デバイス(例えば、制御デバイス110)を介して作動することができ、駆動ワイヤもしくはロッド、空気圧もしくは液圧、電磁力、および/またはモータを用いて開閉する。例示的な弁設計のさらなる詳細については、図17図19を参照して説明される。
【0042】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、センサ273を任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、センサ273は、体腔BL内に配設されるように構成されている内側シャフト270の遠位部分に位置することができる。あるいは、センサ273は、内側シャフト270に沿った異なる位置に配設することができ、その異なる位置は、例えば、内側シャフト270の近位端部における管腔(例えば、管腔272、276)内などを含む。センサ273は、体腔BL内の環境についての情報を取り込むように構成することができる。例えば、センサ273は、体腔BLに送達されるアブレーション媒体の特性(例えば、圧力、温度)、体腔BLの特性(例えば、圧力、温度)、または体腔BL内の流体などを測定するように構成することができる。センサ273は、例えば、圧力センサ(例えば、圧力トランスデューサ、ストレインゲージトランスデューサ、ダイアフラム変位センサ、光ファイバ圧力センサ、固体センサ)、温度センサ、光センサ、ガスセンサなどを含むことができる。センサ273は、有線または無線接続を介して、データ(例えば、センサ測定値)を制御ユニット(例えば、制御ユニット110)および/または他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)に伝達することが可能であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、内側シャフト270は、1つ以上の追加の管腔276を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態では、管腔276は、体腔BL、および/またはカテーテルシステム250の他の部分からの圧力情報または他の状態(例えば、温度)を中継するための通路として構成することができる。例えば、第1の管腔276は、体腔BL内に延在または開放するように構成することができ、圧力センサ211(例えば、制御ユニット110などの制御ユニットに配設されるか、または動作可能に結合されたセンサ)を使用して、体腔BL内の圧力(すなわち、管腔内圧力)を測定することができる。別の例として、温度センサを使用して、管腔276を介して体腔内の温度を測定することができる。第2の管腔(図示せず)は、排出管腔(例えば、管腔262)内に延在または開放するように構成することができ、圧力センサを使用して、排出管腔内の圧力を測定することができる。いくつかの実施形態では、管腔276は、ガイドワイヤおよび/または1つ以上の追加の器具(例えば、温度センサプローブ、圧力センサプローブ、または他のセンサプローブ)を受容するように構成することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム250は、閉塞器279を任意選択的に含むことができる。閉塞器279は、体腔BLから近傍の解剖学的構造への開口部または管腔出口LOを閉塞または閉鎖するように構成することができる。例えば、体腔BLが胆嚢管腔である場合に、閉塞器279は、胆嚢管を閉塞するように構成することができる。閉塞器279は、内側シャフト270に結合され得、かつ/またはその内側シャフトから取り外し可能であり得る。動作中、閉塞器279は、内側シャフト270の遠位端部に結合することができる。内側シャフト270は、例えば、外側シャフト260への挿入を介して、体腔BL内に誘導することができる。内側シャフト270を操作して、閉塞器279を、体腔BLからの開口部(例えば、胆嚢管などの出口管腔)に位置決めすることができる。次いで、閉塞器279は、内側シャフト270から切り離すか、または取り出すことができ、閉塞器279を開口部に配置するのを可能にする。その後、閉塞器279は、例えば、閉塞器279の体積拡張、雄ねじ、摩擦嵌合、接着、または他の好適な固定機構を介して、所定の位置に固定することができる。例えば、プラグなどの好適な閉塞器のさらなる詳細については、国際特許出願第PCT/US2019/017112号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
図3には、2つの管腔(例えば、管腔272、276)が示してあるが、内側シャフト270は、単一の管腔、および/または3つ以上の管腔を含む、任意の数の管腔を含むことが理解され得る。内側シャフト270はまた、本明細書に記載されている実施形態による追加のセンサ、弁、ノズルなどを含むこともできる。
【0046】
図4は、体腔BL内に位置決めされた内側シャフト270および外側シャフト260の詳細図を提供する。内側シャフト270は、外側シャフト260の管腔262内に配設することができる。内側シャフト270の外面と、管腔262の内面との間の間隔は、体腔BLからガスおよび/または他の流体(例えば、体腔BLからアブレーション媒体)を除去するための排出管腔または通路を画定することができる。閉塞器279は、内側シャフト270がそのように位置決めされた状態で、管腔出口LO(例えば、胆嚢管)内に配設することができる。また、図4に示すように、プローブ280もあり、これは、外側シャフト260の管腔264内に任意選択的に位置決めすることができる。プローブ280は、体腔の特性、および/または体腔BL内に送達されるアブレーション媒体を測定するために使用されるセンサプローブであり得る。
【0047】
外側シャフト260、内側シャフト270、および/またはプローブ280は、それぞれが、例えば、ガイドワイヤに沿って体腔BLに誘導されるのを可能にする可撓性および/または半可撓性材料で形成することができる。その材料は、医療グレードの生体適合材料とすることができる。
【0048】
図5は、いくつかの実施形態による、例示的な制御ユニット310の概略図である。制御ユニット310は、図1を参照して説明されたように、制御ユニット110と構造的かつ/または機能的に同様であり得る。例えば、制御ユニット310は、アブレーションシステムおよび/またはカテーテルシステム(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250)の1つ以上の構成要素を制御するように構成することができる。制御ユニット310は、プロセッサ312、メモリ314、および入力/出力インターフェース319を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット310は、例えば、カテーテルシステムの近位端部に結合されている手持ち式デバイス内に含めることによって、カテーテルシステムに結合することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット310は、例えば、リモート計算デバイスまたはシステム上にリモートで位置することができ、この制御ユニットを使用して、カテーテルシステムの動作をリモートで制御することができる。
【0049】
制御ユニット310のプロセッサ312は、カテーテルシステムの1つ以上の構成要素を展開すること(例えば、シャフトを前進または後退させること、拡張可能構造体を展開すること、弁を開閉すること)、アブレーション媒体を体腔内に送達すること、カテーテルシステムを伴うアブレーション手技に関連するセンサデータを分析すること、体腔内の温度および/または圧力を制御することなどに関連する機能を走らせ、かつ/または実行するように構成された任意の適切な処理デバイスとすることができる。プロセッサ312は、モジュール、機能、および/またはプロセスを実行するように構成することができる。プロセッサ312は、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または同様のものとすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ312は、例えば、集積回路などの回路の一部である。いくつかの実施形態では、アブレーションシステムの1つ以上の他の構成要素は、例えば、1つ以上のセンサを含む回路に一体化することができる。
【0050】
入力/出力インターフェース319は、制御ユニット310を1つ以上の外部計算デバイスに接続するためのユーザインターフェースおよび/または通信インターフェースを含むことができる。ユーザインターフェースは、入力を受信し、他のデバイス、および/またはデバイスを操作するユーザ、例えば、カテーテルシステムを操作するユーザに出力を送信するように構成されている1つ以上の構成要素を含むことができる。例えば、ユーザインターフェースは、ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイ、タッチスクリーンなど)、音響デバイス(例えば、スピーカーまたはアラーム)、ならびに入力を受信し、かつ/または出力をユーザに生成するように構成された1つ以上の追加の入力/出力デバイスを含むことができる。通信インターフェースは、例えば、1つ以上のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想ネットワーク、電気通信ネットワーク)を介して、他の計算デバイス(例えば、計算デバイス190)と通信するための1つ以上の無線および/または有線インターフェースを含むことができる。
【0051】
メモリ314は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)などとすることができる。いくつかの実施形態では、メモリ314は、命令を記憶し、命令は、プロセッサ312に、カテーテルシステムの1つ以上の構成要素を展開すること(例えば、シャフトを前進または後退させること、拡張可能構造体を展開すること、弁を開閉すること)、アブレーション媒体を体腔内に送達すること、カテーテルシステムを伴うアブレーション手技に関連するセンサデータを分析すること、体腔内の温度および/または圧力を制御することなど、に関連するモジュール、プロセス、および/または機能を実行させる。本明細書に記載されているような方法は、例えば、メモリ314、または制御ユニット310に動作可能に結合されたメモリ上などの、制御ユニット310の電子的な格納場所に記憶されたコードを実行可能であるマシン(例えば、コンピュータプロセッサ)を経由して実施することができる。いくつかの実施形態では、マシン実行可能またはマシン読み取り可能なコードは、ソフトウェアの形態で提供される。動作中、コードは、プロセッサ312によって実行することができる。場合によっては、コードは、メモリ314から取り出されて、プロセッサ312によってアクセスおよび/または実行される。
【0052】
図5に示してあるように、メモリ314は、命令を記憶し、命令は、プロセッサ312にモジュール、プロセス、および/または機能を実行させ、それらは、排出制御315、アブレーション媒体供給制御316、および/または任意選択的にセンサ制御317として示されている。排出制御315、アブレーション媒体供給制御316、および/またはセンサ制御317は、ハードウェア構成要素に結び付いている1つ以上のプログラムおよび/またはアプリケーションとして実装することができる。例えば、排出制御315、アブレーション媒体供給制御316、および/またはセンサ制御317は、アブレーションシステムおよび/またはカテーテルシステム(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250)の1つ以上の構成要素によって実施することができる。いくつかの実施形態では、排出制御315を実行するプロセッサ312は、弁の開放、および/または真空源の作動を制御して、体腔からガスまたは他の流体(例えば、アブレーション媒体)を排出させることができる。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体供給制御316を実行するプロセッサ312は、弁の開放、および/またはアブレーション供給源の動作を制御して、カテーテルシステムを介してアブレーション媒体を体腔内に送達させることができる。いくつかの実施形態では、センサ制御317を実行するプロセッサ312は、1つ以上のセンサからデータを受信、処理、および/もしくは分析し、かつ/またはそのようなデータを使用して、アブレーションシステムもしくはカテーテルシステムの1つ以上の他の構成要素の動作を制御することができる。
【0053】
図6は、アブレーション手技中に管腔内圧力を監視および制御するための制御回路およびロジックを含む、例示的なアブレーションシステム400を示す。このアブレーションシステム400は、アブレーションシステム100など、本明細書に記載されている他のアブレーションシステムと構造的かつ/または機能的に類似し得、カテーテルシステム(例えば、カテーテルシステム250と構造的かつ/または機能的に類似する)および制御ユニット(例えば、制御ユニット310と構造的かつ/または機能的に類似する)を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ(例えば、センサ211、263、273と構造的かつ/または機能的に類似するセンサ411、463、473)は、体腔BLの1つ以上の特性(例えば、圧力または温度)を断続的または継続的に測定し、図6に示してあるようなフィードバックループを実装するプロセッサ412(例えば、プロセッサ312と構造的かつ/または機能的に類似する)に測定値を中継する。より具体的には、図6は、アブレーション手技中に管腔内圧力の上昇を制御するためのフィードバックループを有するアブレーションシステム400を示す。一実施形態では、アブレーションシステム400は、冷凍アブレーション媒体を胆嚢管腔内に送達するクライオアブレーションデバイスとすることができる。このアブレーションシステム400は、アブレーション供給媒体420、弁478、管腔462、472をそれぞれ画定する外側シャフトおよび内側シャフト、拡張可能構造体466、およびノズル474を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ411、463、473は、体腔BLに関連する1つ以上の特性(例えば、圧力、温度)を断続的または継続的に測定し、そして測定値をプロセッサ412に中継する。
【0054】
圧力の上昇または増加が検出された場合(例えば、圧力が閾値を超えるか、または所定のパーセンテージもしくは量が変化した場合)、ユーザインターフェースは、例えば、出力デバイス419を介して、音響的、視覚的、および/または触覚的応答でユーザにアラートを出すことができる。あるいは、いくつかの実施形態では、ユーザは、通知を受けないが、プロセッサ412は、弁478を制御して、体腔へのアブレーション媒体の送達を終了させる。いくつかの実施形態では、圧力上昇イベントの場合、プロセッサ412は、そのイベントを検出し、弁478と直接インターフェース接続(例えば、制御)して、所定の期間(例えば、すべてを引っくるめて、約0~10秒の応答時間)内に閉鎖し、その結果、体腔BLへのアブレーション媒体の流れは、終了する。少なくとも1つの実施形態では、アブレーション媒体供給420のより近く、またはその場所に配設された1つ以上の追加の弁(図示せず)を使用して、アブレーション媒体供給420から(例えば、カテーテルシステムの)管腔472へのアブレーション媒体の流れを、二次的な制御措置として止めることができる。
【0055】
少なくとも1つの実施形態では、外側シャフトと内側シャフトとの間の管腔462内の空間は、標的管腔内のガス容積のための排出経路を提供する。少なくとも1つの実施形態では、図1図5に関して上述したように、1つ以上の能動的および/または受動的排出機構を適用して、例えば、アブレーション媒体を含むガスおよび/または他の流体を体腔BLから除去することができる。
【0056】
少なくとも1つの実施形態では、内側シャフトおよび/または外側シャフトは、アブレーション手技の間、静止状態に保持することができる。別の実施形態では、内側シャフトおよび/または外側シャフトの少なくとも一部は、動的であり、体腔内の二次元平面内および/または三次元体積内で動き回ることができる。
【0057】
図7図9は、一実施形態による、アブレーション、ならびにアブレーション手技中の圧力および/または温度を管理するための例示的な方法500を示す。いくつかの実施形態では、アブレーション手技は、クライオアブレーションデバイスを含むアブレーションシステム(例えば、アブレーションシステム100)を使用して実施されるクライオアブレーション手技とすることができる。いくつかの実施形態では、アブレーション手技は、胆嚢内で実行されて、胆嚢を脱機能化する。この方法500は、502において、アブレーションシステムのカテーテルシステム(例えば、カテーテルシステム150、250)の外側シャフト(例えば、外側シャフト260)を体腔(例えば、胆嚢管腔)に前進させることを任意選択的に含む。いくつかの実施形態では、超音波撮像を使用して、体腔を視覚化することができる。いくつかの実施形態では、標準的な針およびガイドワイヤを使用して、例えば、セルディンガー法を使用して、経肝的アプローチを介して体腔にアクセすることができる。標的の体腔が胆嚢である場合、針を介した胆汁の視覚的戻り、および体腔内でのガイドワイヤのねじれのX線透視検査による確認は、体腔内のガイドワイヤの適切な配置を検証するのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、次第に大きくなる一連の拡張器は、ガイドワイヤに沿って前進して、その管を体腔内で拡張することができる。管を拡張した後、外側シャフトは、ガイドワイヤに沿って体腔内に前進することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムの外側シャフトは、別個の管状構造体、例えば、アクセスシースまたは導入器とすることができ、それは、内側シャフトを体腔内に配置する前に、最初に体腔内に配置される。あるいは、いくつかの実施形態では、外側シャフトおよび内側シャフトは、体腔内に同時に配置することができる。いくつかの実施形態では、外側シャフトの配置は、経皮的な排水管配置技術と同様とすることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、胆嚢管腔内に配置することができる。カテーテルシステムを用いて胆嚢にアクセすることは、経皮的なアプローチを介して達成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムのアクセスシースまたは外側シャフト760は、図10Aに見られるように、超音波誘導装置を使用する経肝的で経皮的なアプローチを介して胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、カテーテルデバイスのアクセスシース760は、図10Bに見られるように、超音波誘導装置を使用する肝下的で経皮的なアプローチを介して胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、経皮的なアプローチは、胆嚢造瘻術排水管を配置するために使用される方法と同様である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアクセスシース760は、図10Cに示すように、内視鏡下で胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、アクセスシース760は、図10Cに示すように、胆嚢の内腔を小腸の管腔に接続する経壁ストーマを作成することによって、本来の解剖学的構造を利用して胆嚢2にアクセスする。いくつかの実施形態では、経皮的なアクセスは、中空口径針を使用して達成され、それによって、ガイドワイヤがその針を通して配置されて、管を所望のアクセス位置(例えば、胆嚢管、胆嚢、またはそれらの組み合わせ)に作成する。いくつかの実施形態では、アクセスシース760および内側シャフトまたはアブレーションカテーテルは、同心状の管腔で構成されて、ガイドワイヤが通過するのを可能にする。いくつかの実施形態では、アクセスシース760およびアブレーションカテーテルは、非同心状の管腔で構成されて、ガイドワイヤが通過するのを可能にする。
【0059】
カテーテルシステムの外側シャフトの遠位端部を体腔内に位置決めした後に、504において、方法500は、拡張可能構造体を展開することを任意選択的に含むことができる。体腔内で拡張可能構造体を展開することにより、外側シャフト(例えば、アクセスカテーテル、導入器)がアブレーション手技中に体腔内に留まるか、または保持されることを確実にすることができる。
【0060】
506において、方法500は、カテーテルシステムの内側シャフト(例えば、内側シャフト270)を体腔内に前進させることを含むことができる。内側シャフトは、その内側シャフトのノズル(例えば、ノズル274)が外側シャフトの遠位端部の遠位側にある体腔内に配設されるまで前進することができる。内側シャフトは、外側シャフトによって画定された管腔内に内側シャフトを挿入し、その内側シャフトの遠位部分が外側シャフトの遠位側に配設されるまで、その管腔を通って内側シャフトを前進させることによって、体腔内に前進することができる。内側シャフトの遠位部分は、アブレーション媒体を体腔内に送達することができる1つ以上の開口部(例えば、開窓)を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法500は、例えば、内側シャフトおよび/または外側シャフトを介して、体腔内の任意の内容物を洗浄および排水するための生理的食塩水の展開を任意選択的に含むことができる。例えば、生理的食塩水などの流体は、第1の管腔(例えば、内側シャフト270によって画定された管腔272)を介して胆嚢に送達することができ、かつ/または体腔内の内容物(例えば、胆嚢内容物)は、第2の管腔(例えば、外側シャフト260によって画定された管腔262)を介して体腔から排出することができる。
【0061】
507において、方法500は、体腔の近くの出口(例えば、胆嚢管)を閉塞することを任意選択的に含むことができる。例えば、閉塞器(例えば、閉塞器279)は、出口管腔に位置決めされ、そして展開(例えば、放出、拡張など)されて、出口管腔を閉塞することができる。508において、方法500は、供給管腔弁(例えば、弁278)を開放することを任意選択的に含むことができる。例えば、図3を参照して上で論じたように、弁は、アブレーション媒体送達通路に沿って(例えば、内側シャフトによって画定された管腔272に沿って)位置決めされて、アブレーション媒体の送達を制御することができる。弁がその開放状態にあることにより、アブレーション媒体が弁を通って体腔内に流れるのを可能にし、これに対して、弁がその閉鎖状態にあることにより、体腔へのアブレーション媒体の流れを遮断することができる。いくつかの実施形態では、弁は、自然に閉鎖した状態にあり得、したがって、方法500は、アブレーション媒体が体腔内に送達され得るように、弁を開放することを含むことができる。いくつかの実施形態では、弁は、自然に開放した状態にあり得、したがって、508は、省略することができる。
【0062】
510において、方法500は、アブレーション媒体を体腔に送達することを含むことができる。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体(例えば、亜酸化窒素)または任意の他の適切なアブレーション媒体のカートリッジ(例えば、アブレーション媒体供給源120、220)は、アブレーションデバイスのハンドル(例えば、手持ち式デバイス)内に装填することができる。冷凍アブレーション媒体を使用する場合には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11回以上の凍結融解サイクルが、510において、胆嚢に送達されて、胆嚢粘膜の完全な低体温死を確実にすることができる。アブレーション媒体を送達する間、方法500は、図8および図9を参照してさらに以下で説明されるように、圧力および/または温度の監視に関連するイベントおよび/またはステップを含むことができる。例えば、制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)は、圧力、温度、および/または他の状態を監視して、アブレーション媒体の安全な送達を確実にすることができる。アブレーション媒体を送達した後に、方法500は、514において、体腔からカテーテルシステム(例えば、内側シャフトおよび外側シャフト)を取り外すことを任意選択的に含むことができる。
【0063】
図8は、図7を参照して説明されたアブレーション手技などのアブレーション手技中に実行される温度監視プロトコルに関連するイベントおよびステップを示す。520において、アブレーションシステムの制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)、または別の計算デバイスは、温度センサからデータを受信し、そして、522において、アブレーションの状況を判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションの状況は、温度センサから受信したデータによって、判定することができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、内側シャフトまたは外側シャフトのうちの1つに一体化することができる(例えば、センサ263、273として)。他の実施形態では、温度センサは、体腔内に延在する管腔(例えば、管腔276)に動作可能に結合することができ、センサはそれを使用して、少年の管腔に関連する温度を測定することができる。さらに他の実施形態では、温度センサは、例えば、別個の管腔(例えば、管腔264)、および/または内側シャフトを収容する同じ管腔(例えば、管腔262)を介して、体腔内に別個の挿入可能なプローブ(例えば、プローブ280)に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、組織の温度を測定することができるように、体腔内の組織内に移植または挿入することができる。
【0064】
526において、方法500は、情報を生成してユーザに提示することを任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザに提示される情報は、制御ユニット110および/もしくは310などの計算デバイス、またはアブレーションシステムとネットワーク通信する他の計算デバイス(例えば、タブレット、スマートフォン、または他の任意の適切な通信デバイス)を介して提示することができる。いくつかの実施形態では、527において、異なる位置での組織の温度を評価するために、温度センサは、新しい位置に任意選択的に移動することができる。例えば、温度センサは、第1の位置にある組織から後退し、第2の位置に移動し、そして第2の位置にある組織内に挿入することができる。ステップ528において、方法500は、少なくとも、温度センサによって収集された温度測定値に基づいて、アブレーションが完了したかどうかを判定することを含むことができる。アブレーションが完了した場合(528:はい)、アブレーション媒体の供給は、529において終了し、その後、方法500は、514に続くことができる。アブレーションが完了していない場合(528:いいえ)、この方法は、520~527を繰り返すことによって、アブレーションの温度および状況を監視し続けることができる。
【0065】
図9は、図7を参照して説明されたアブレーション手技などのアブレーション手技中に実行される圧力制御プロトコルに関連するイベントおよびステップを示す。530において、制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310)または別の計算デバイスは、1つ以上の圧力センサから圧力データを受信することができる。いくつかの実施形態では、第1の圧力読み取り値が、(例えば、管腔内圧力を測定する)体腔内からのものとすることができ、一方、第2の圧力読み取り値が、(例えば、排出管腔(例えば、管腔262)内の圧力を測定する)外側シャフト内からのものとすることができる。他の実施形態では、多かれ少なかれ、圧力の読み取り値は、530において受信することができる。532において、複数の圧力の読み取り値または測定値が取得された場合、第1の圧力測定値は、第2の圧力測定値と比較することができる。例えば、体腔内の管腔内圧力に関連する圧力測定値は、排出管腔内の圧力に関連する圧力測定値と比較することができる。それらの圧力が同じか、または実質的に同様である(例えば、異なる圧力の読み取り値が互いに所定の量またはパーセンテージを超えて異ならない)場合(532:いいえ)、方法500は、533に続くことができ、そこでは、圧力測定値(例えば、体腔内の管腔内圧力)のうちの少なくとも1つは、その圧力読み取り値が所望の圧力パラメータ内(例えば、望ましい圧力範囲内)にあるかどうかを判定するために評価される。圧力読み取り値が実質的に互いに異なる(例えば、異なる圧力読み取り値が互いに所定の量またはパーセンテージを超えて異なるか、または公称動作圧力からあるパーセンテージ(例えば、30%)の増減を有する)(532:はい)場合、または1つ以上の圧力読み取り値が1つ以上の所望の圧力パラメータ内に存在しない(533:いいえ)場合、534において、情報(例えば、アラート)が、ユーザに任意選択的に提示され得、そして、535において、アブレーション媒体の供給は、調節または終了することができる。ユーザに提示される情報は、デバイスのアブレーション送達および/または動作でエラーが起きたことをユーザに示すことができる。例えば、体腔内の管腔内圧力と、排出管腔内の圧力との間の実質的な差(例えば、所定の量またはパーセンテージを超える差)(管腔内圧力が排出管腔圧力よりも大きいなど)は、体腔と排出管腔との間のある地点で遮断が生じたことを示すことができる。冷凍送達システムを用いると、そのようなことは、氷または他の固形内容物が排出管腔の一部を遮断する場合に起こり得る。そのような遮断により、体腔内の圧力上昇が引き起こされ得、患者に傷害をもたらし得る。したがって、そのような場合には、制御ユニットまたは他の計算デバイスは、遮断物が除去されるまで(例えば、加熱コイルを介して)、体腔へのアブレーション媒体の供給を終了することができる。いくつかの実施形態では、圧力測定値が特定の圧力パラメータ(例えば、所定の閾値または範囲)外にある場合、536において、制御ユニットは、1つ以上の弁および/または真空源(例えば、真空源130)を制御し、体腔からアブレーション媒体を排出して、体腔内の圧力上昇を低減することができる。537において、アブレーションが完了した場合(537:はい)、方法500は、次に進んで、539において、アブレーション媒体の供給を終了し、その後、方法500は、514に続くことができる。アブレーションが完了していない場合(537:いいえ)、制御ユニットは、圧力測定値の監視を継続し、圧力制御プロトコルを繰り返すことができる。
【0066】
514において、カテーテルシステム(例えば、導入器およびアブレーションカテーテル)は、体腔から取り外すことができる。アブレーションシステムを取り外した後のある期間(例えば、数週間)の間、身体の慢性的な炎症性反応により、アブレーションされた胆嚢組織が瘢痕化される可能性があり、管腔の退縮、および胆嚢管の閉塞がもたらされる。胆嚢への胆汁の流れを止めることができるが、その血液の供給は、損なわれないままで、結果として、不活性な臓器が得られる。
【0067】
いくつかの実施形態では、上述したように、本明細書に記載されているアブレーション手技は、冷凍アブレーション媒体を使用する。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、液体である。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、ガスである。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体は、本明細書に開示されたカテーテルデバイスおよびノズルを使用して送達されるときに、液体からガスへの相転移を受ける。いくつかの実施形態では、クライオアブレーションは、液体亜酸化窒素、二酸化炭素、およびアルゴンなどのアブレーション媒体からの、液体からガスへの相変化による冷媒特性を介して達成される。いくつかの実施形態では、冷凍アブレーション媒体の相変化は、圧力の急激な低下によって引き起こされる。
【0068】
図11A図11Dは、クライオアブレーションデバイス1100として実装されたアブレーションシステムの説明図である。クライオアブレーションデバイス1100は、胆嚢空洞をアブレーションまたは脱機能化するように構成することができる。クライオアブレーションデバイス1100は、本明細書に記載されている他のアブレーションシステム、およびその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310など)と構造的かつ/または機能的に類似する構成要素を含むことができる。図11Aは、クライオアブレーションデバイス1100の側面断面図を示し、一方、図11B図11Dは、クライオアブレーションデバイス1100の内側シャフトおよび外側シャフトの管腔の様々な構成の断面図を示す。クライオアブレーションデバイス1100は、制御ユニット1110、外側シャフト1160、内側シャフト1170、および感圧管腔1176を含む。制御ユニット1110は、プロセッサ1112、圧力センサ1115、入力/出力インターフェース1119、および電磁弁1121を含む。いくつかの実施形態では、拡張可能構造体1179が、アブレーション媒体の展開中に胆嚢空洞内に内側シャフト1170を保持することができる。制御ユニット1110は、アブレーション媒体供給1120に流体結合されている。いくつかの実施形態では、アブレーション媒体は、アブレーション媒体供給から電磁弁1121を通過して、内側シャフト1170に流れることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、感圧管腔1176は、胆嚢空洞内に配設されているオリフィスOで終端することができ、一方、圧力センサ1115は、胆嚢空洞の外側に位置している。言い替えると、感圧管腔1176は、胆嚢空洞の内部を圧力センサ1115に流体結合することができる。圧力センサ1115は、制御ユニット1110に配設され、かつ/または制御ユニット1110に動作可能に結合され得る。このような構成では、圧力センサ1115は、胆嚢空洞の外側に位置決めされながら、胆嚢空洞の内側の圧力を測定することができる。
【0070】
感圧管腔1176は、いくつかの異なる配置のうちの1つに従って、カテーテルシステムの内側シャフト1170または外側シャフト1160の周りに配設することができる。例えば、一実施形態では、感圧管腔1176は、図11Bに示されているように、内側シャフト1170に取り付けることができる。あるいは、感圧管腔1176’を、図11Cに示されているように、内側シャフト1170内に配設または画定することができる。さらに別の代替案として、感圧管腔1176’’を、図11Dに示されているように、外側シャフト1160の外側に配設することができる。追加の代替案として、感圧管腔が、内側シャフトまたは外側シャフトの壁内に一体化されて、内側シャフトおよび外側シャフトの両方などに結合することができる。圧力は、胆嚢空洞から外側シャフト1160を通過する通気経路Pを介して、クライオアブレーションデバイス1100の外側へ解放することができる。感圧管腔はまた、圧力管腔またはセンサ管腔と呼ばれることもある。
【0071】
図11A図11Dでは明確に特定されないが、クライオアブレーションデバイス1100は、アブレーション媒体の送達、および/または胆嚢空洞からのアブレーション媒体の排出のための、外側シャフト1160および内側シャフト1170によって画定された管腔を含む。例えば、本明細書に記載されている他のカテーテルシステムと同様に、内側シャフト1170は、例えば、1つ以上のノズル開口部を介して、胆嚢空洞への冷凍アブレーション媒体の送達のための管腔(例えば、管腔272)を画定することができる。外側シャフト1160は、胆嚢空洞から冷凍アブレーション媒体を排出するための管腔(例えば、管腔262)を画定することができる。
【0072】
本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、安全な動作条件を確実にしながら、胆嚢空洞から冷凍剤ガスを安全に排気するための受動排出チャネルおよび冷凍剤制御システムを実装する。冷凍剤送達中、冷凍アブレーション媒体(例えば、亜酸化窒素)は、拡張し、そして外側シャフト1160の内面と、内側シャフト1170の外面との間の環状空間を通って外部環境(例えば、大気)に排出される。排出チャネル内の抵抗により、胆嚢空洞が広がり、管腔内の組織が冷凍アブレーション媒体にさらされるのを容易にすることができる。電磁弁1121は、例えば、アブレーション媒体供給1120から、胆嚢管腔への、アブレーション媒体の送達を制御または調整するように構成することができる。例えば、制御ユニット1110は、電磁弁1121を制御して、アブレーション媒体を胆嚢管腔内に送達することができる開放状態から、アブレーション媒体が胆嚢管腔内に送達されるのを防止することができる閉鎖状態に移行させることができる。本明細書では電磁弁が例示的な弁として提供されているが、機械的作動弁、磁気的作動弁などを含む他のタイプの弁を使用して、胆嚢管腔へのアブレーション媒体の送達を制御することができることが理解され得る。制御ユニット1110、圧力センサ1115、および電磁弁1121は、胆嚢空洞内の安全な動作圧力を維持するための閉鎖ループ圧力フィードバックシステムを生成することができる。特に、所定の最大閾値よりも大きい、胆嚢空洞内の圧力を検出することに応答して、制御ユニット1110は、電磁弁1121を制御して、胆嚢空洞へのアブレーション媒体の供給を終了し、かつ/または外側シャフト1160を介して、胆嚢空洞から外部環境にアブレーション媒体を排出することができる。さらにまたはあるいは、所定の最小閾値未満である胆嚢空洞内の圧力を検出することに応答して、制御ユニット1110は、アブレーション媒体供給1120および/または電磁弁1121を制御し、追加のアブレーション媒体を胆嚢空洞に提供して、クライオアブレーションのために胆嚢を十分に広げることができる。
【0073】
図12A図12Dは、一実施形態による、複数の圧力センサを有するクライオアブレーションデバイス1200として実装されたアブレーションシステムの説明図である。クライオアブレーションデバイス1200は、胆嚢空洞をアブレーションまたは脱機能化するように構成することができる。クライオアブレーションデバイス1200は、本明細書に記載されている他のアブレーションシステムおよびその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、クライオアブレーションデバイス1100など)と構造的かつ/または機能的に類似する構成要素を含むことができる。例えば、クライオアブレーションデバイス1200は、圧力センサ1215a、1215bを有する制御ユニット1210、外側シャフト1260、内側シャフト1270、感圧管腔1276aおよび1276bを含む。いくつかの実施形態では、クライオアブレーションデバイス1200は、アブレーション媒体の展開中に胆嚢空洞内に内側シャフト1270を保持する拡張可能構造体1279を含むことができる。感圧管腔1276aは、胆嚢空洞内に展開されたオリフィスO1を含む。したがって、感圧管腔1276aは、胆嚢空洞への圧力センサ1215aに流体結合する。感圧管腔1262bは、胆嚢空洞の外側、例えば、排出管腔または空間内に展開されたオリフィスO2を含む。したがって、感圧管腔1276bは、圧力センサ1215bを、排出管腔、またはカテーテルシステムの他の部分に流体結合する。オリフィスO1およびO2の配置によって、圧力は、胆嚢空洞の内側および外側の両方で測定することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、冗長圧力センサが、クライオアブレーション治療中の排出圧力を監視するか、または問題を検出するのに役立つことができる。第1の圧力センサ(例えば、圧力センサ1215a)は、胆嚢からの管腔内圧力を中継することができ、一方、第2の圧力センサ(例えば、圧力センサ1215b)は、外側シャフト1260内の排出チャネルまたは管腔からの圧力を中継することができる。圧力センサ1215a、1215bの読み取り値または測定値に基づいて、制御ユニット1210は、デバイス動作のエラーを監視および検出し、その後、治療を停止する(例えば、アブレーション媒体の送達を終了する)ことができる。
【0075】
例えば、排出チャネル内で遮断が起きたとき、感圧管腔1276aからの圧力は、感圧管腔1276bからの圧力よりも大きい可能性がある。これは、冷凍アブレーション媒体により、排出チャネルに沿ったある箇所で(例えば、シャフト1260の遠位端部において、またはその近くで)氷が形成されて、排出チャネルを通る流れを遮断したことを示し得る。この圧力差を検出することに応答して、制御ユニット1210は、胆嚢空洞内の圧力がその圧力を解放または排出する能力がなくても増大しないように、治療を停止する(例えば、胆嚢空洞へのアブレーション媒体の供給を終了する)ように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット1210は、1つ以上の加熱コイルをさらに作動させて、その遮断を引き起こした氷を解かし、排出チャネルを再び開放して、アブレーション媒体の排出を可能にすることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、感圧管腔1276a、1276bは、図12Bに示すように、内側シャフト1270に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、図12Cに示すように、感圧管腔1276a’、1276b’を、内側シャフト1270の内側に配設することができる。いくつかの実施形態では、図12Dに示すように、感圧管腔1276a’’、1276b’’を、外側シャフト1260の外側に配設することができる。いくつかの実施形態では、感圧管腔1276aは、内側シャフト1270に対して、感圧管腔1276bとは異なる位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、感圧管腔1276a、1276bは、さらに他の配列で配置することができ、例えば、内側シャフトまたは外側シャフトの壁などに一体化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、感圧管腔1276aは、内側シャフト1270の壁内に一体化することができ、感圧管腔1276bは、外側シャフト1260の壁内に一体化することができる。あるいは、感圧管腔1276a、1276bの両方を、内側シャフト1270の本体内に一体化することができ、かつ/またはその本体によって画定することができる。圧力は、胆嚢空洞から外側シャフト1260を通過する通気経路Pを介して、クライオアブレーションデバイス1200の外側に解放することができる。
【0077】
図に示してはいないが、制御ユニット1210は、本明細書に記載されている他の制御ユニット(例えば、制御ユニット110、310、1110)と同じ構成要素を含むことができ、各々が実質的に同じ構造および/または機能を有する。例えば、制御ユニット1210は、胆嚢空洞内へのアブレーション媒体の送達を制御または調整するための弁(例えば、電磁弁)を含むことができる。
【0078】
図13は、カテーテルを通って胆嚢管腔に液体アブレーション媒体(例えば、冷凍アブレーション媒体)を送達するのを容易にする制御ユニット1310を有するアブレーションシステム1300の説明図である。アブレーションシステム1300は、本明細書に記載されている他のアブレーションシステムおよびその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、カテーテルシステム250、制御ユニット310、クライオアブレーションデバイス1100、1200)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。制御ユニット1310は、アブレーション媒体の流れ、および排出抵抗を活用して、胆嚢管腔を所定の圧力または圧力範囲まで通気させる。その圧力において、アブレーションシステム1300は、例えば、圧力がアブレーション接触/効能を改善するために胆嚢組織をさらすことによって、アブレーション治療を効果的に送達するように構成することができる。胆嚢が胆汁吸引後につぶれる可能性があり、それにより、治療を組織に送達する能力が低下するため、アブレーション中に胆嚢を広げることは、重要である。さらに、胆嚢の上皮層は、粘膜のひだを含み、その粘膜のひだは、アブレーション中に組織を覆い隠して、冷却の効率を低下させ、または付随的な損傷のリスクをもたらす可能性がある。図13に示してあるように、制御ユニット1310は、例えば、温度および圧力などの胆嚢管腔の特性を監視し、冷凍剤の流れを制御することによって、圧力を調整するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット1310はまた、図9を参照して説明されたようなユーザアラートを提供することもできる。場合によっては、胆嚢管腔の通気圧力は、ほぼ0~10mmHgとすることができ、アブレーションシステム1300は、通気圧力よりも大きいが30mmHg未満である動作圧力を有するように構成することができる。通気圧力よりも大きい動作圧力を有することによって、アブレーションデバイス1300は、アブレーション手技のために胆嚢管腔を広げることができる。
【0079】
図14は、管腔1472、および開窓ノズル1474を備える内側シャフト1470の一例を示す。いくつかの実施形態では、内側シャフト1470は、近位端部1471aおよび遠位端部1471bを含むことができる。いくつかの実施形態では、管腔1472は、冷凍液体アブレーション媒体1422を液体状態に保つのに十分小さく、図14に示すように、冷凍液体アブレーション媒体1422は、複数の開窓1475を介して内側シャフト1470から出るときに、(例えば、管腔1472の内側と、胆嚢の内側との間の圧力降下に起因して)冷凍ガスアブレーション媒体1424に転移する(すなわち、液体からガスへの相転移)。いくつかの実施形態では、冷凍ガスアブレーション媒体1424は、複数の開窓1475を介して開窓ノズル1474から出ていき、冷凍ガスアブレーション媒体1424が組織と接触すると、胆嚢管腔の外面をアブレーションする。
【0080】
図15図16は、本開示の様々な実施形態による、組織の表面温度、および/または組織内の温度を測定するために使用することができる温度測定プローブの例を示す。
【0081】
クライオアブレーションは、2つの機構を通じて組織を破壊する。第1に、クライオアブレーションは、標的組織部位で低温を生成し、その低温により、細胞内の氷晶形成、およびその後の細胞死を誘発する。第2に、クライオアブレーションは、再潅流損傷を引き起こし、その再潅流損傷は、周囲の細胞アポトーシスに応答して、細胞死シグナル伝達なだれ現象の活性化によって引き起こされ、これは、細胞致死性の強化に役立ち、クライオアブレーション手技の重要な部分である。
【0082】
組織破壊を温度の関数として見る場合、センサを使用して、冷凍剤源での温度、および/またはその組織全体にわたる温度勾配を測定することができる。両方の温度測定は、組織、およびアブレーションの状況または有効性を評価するために重要である。したがって、手技中の組織内の熱勾配に関する情報を提供する温度測定システムは、アブレーション性能を評価する際に、特に有用である。
【0083】
図15は、アブレーションシステム1500の一例を示す。このアブレーションシステム1500は、本明細書に記載されている他のアブレーションシステムおよびその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、1300、カテーテルシステム250、制御ユニット310、クライオアブレーションデバイス1100、1200)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。図15に図示してあるように、プローブ1580(例えば、温度測定プローブ)は、体腔(例えば、胆嚢管腔)内の組織の表面温度を測定するために、アブレーションシステム1500と一緒に使用することができる。いくつかの実施形態では、このプローブ1580は、アブレーションシステム1500のカテーテルシステムのシャフト1560(例えば、外側シャフト)内に配設することができる。いくつかの実施形態では、プローブ1580は、規格準拠の「S」字形ばね式アームに取り付けられた温度センサ1586を備える。いくつかの実施形態では、ばね式アームは、シャフト1560の長手方向軸から半径方向にまたは横方向にプローブ1580の遠位部分に延在し、例えば、温度センサ1586と、体腔内の組織表面との間の接触を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、温度センサ1586は、熱電対、サーミスタ、もしくは赤外線熱センサ、および/または任意の他のタイプの適切な温度測定センサを含むことができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、プローブ1580のS字形ばね式アームは、カテーテルシステムのシャフト1560の送達管腔(例えば、管腔262、264)を通して挿入することができ、その送達管腔において、プローブ1580のS字形ばね式アームの最大半径または横方向の拡がりは、送達管腔の半径に一致する。プローブ1580のS字形ばね式アームの遠位端部がシャフト1560の管腔から出るとき、それは、(例えば、ばね付勢によって)拡張状態に移行することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、S字形ばね式アーム1580は、鋼、ステンレス鋼、ばね鋼、ニチノール、ポリマー、またはその元の確認に戻るのを可能にするのに十分な弾性材料およびひずみ支持性を有する複合材から作製することができる。プローブ1580は、拡張構造体に移行するようにばね付勢されるものとして説明されているが、他の機構を使用して、プローブ1580の遠位部分を体腔の組織表面に向かって付勢または延在させることができることが理解され得る。例えば、機械的機構(例えば、引張りワイヤ)、電気的機構、形状記憶材料などを使用して、プローブ1580の所望の形状および/または拡張を生成することができる。
【0086】
温度センサ1586は、温度を監視および/または分析するために、温度データを(例えば、制御ユニット110、310などの制御ユニットの)プロセッサに提供するように構成することができる。図8を参照して上述したように、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、そのような温度データを使用して、体腔のアブレーションの状況を追跡することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、温度センサ1586は、体腔の組織内に貫通する(例えば、突き刺す)ように構成することができる。例えば、プローブ1580は、針または他の適切な構造体の中で終端することができ、温度センサは、その針に取り付けられ、かつ/またはその針に一体化することができる。温度センサ1586は、組織内に配設されることによって、体腔内に配設されたアブレーション媒体の極端な温度による影響が少ない組織の温度測定値を取得するように構成することができる。
【0088】
図16は、アブレーションシステム1600の一例を示す。このアブレーションシステム1600は、本明細書に記載されている他のアブレーションシステムおよびその構成要素(例えば、アブレーションシステム100、1300、1500、カテーテルシステム250、制御ユニット310、クライオアブレーションデバイス1100、1200)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。アブレーションシステム1600は、いくつかの実施形態によるプローブ1680(例えば、温度測定プローブ)を含むことができる。図16に示すように、アブレーションデバイス1600は、外側シャフト1660および内側シャフト1670を含む。プローブ1680は、ばね式アームおよび温度センサ1686を含む。内側シャフト1670は、外側シャフト1660内に配設され、かつその外側シャフトによって取り囲まれた標的領域上に冷凍剤1626を均一に分散するように構成された冷凍剤スプレーノズル1674を含む。様々な実施形態によれば、プローブ1680は、アブレーション手技中に冷凍剤スプレーノズル1674が冷凍剤1626を分散するときに、標的領域の温度を測定することができる。温度センサ1686を含むプローブ1680の遠位端部は、体腔BL内に配設されて、クライオアブレーション治療を送達することができる。プローブ1680は、上述したように、プローブ280、1580と機能的および/または構造的に類似し得る。
【0089】
アブレーションシステム1500と同様に、温度センサ1686は、温度を監視および/または分析するために、プロセッサ(例えば、制御ユニット110、310などのような制御ユニットの)に温度データを提供するように構成することができる。図8を参照して上述したように、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、そのような温度データを使用して、体腔のアブレーションの状況を追跡することができる。
【0090】
図17図19は、様々な実施形態による、冷凍剤を標的領域に提供するための冷凍剤供給弁を有するアブレーションカテーテルシステムの内側シャフトの説明図を示す。特に、図17図19は、冷凍剤カテーテルの遠位端部上に位置する冷凍剤供給管腔弁機構の例を示す。いくつかの実施形態では、遠位弁機構は、冷凍剤供給管腔、およびその機構の遠位側への冷凍剤の流れを妨げるための作動球からなる。図17は、一実施形態による、カテーテルシステムの内側シャフト1770の説明図である。内側シャフト1770は、本明細書に記載されているような他の内側シャフト(例えば、内側シャフト270など)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。内側シャフト1770は、管腔1772、および弁球1778bに取り付けられた弁ケーブル1778aを含む。球1778bは、弁インターフェースの遠位側に位置し、合致する合わせ面1777に対して着座したときに、管腔1772を機械的に封止する。いくつかの実施形態では、弁の幾何形状は、球、立方体、円錐、円柱、三角柱、円環、らせん、卵形、または冷凍剤の流れを妨げるのに十分な構造体を有する他の任意の3D本体とすることができる。
【0091】
図18は、一実施形態による、カテーテルシステムの内側シャフト1870の説明図である。内側シャフト1870は、本明細書に記載されているような他の内側シャフト(例えば、内側シャフト270、1770など)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。内側シャフト1870は、管腔1872、弁球1878bに取り付けられた弁ケーブル1878a、および戻しばね1896を含む。図18はまた、内側シャフト1870を出ていく冷凍剤1826も示している。いくつかの実施形態では、弁の幾何形状は、戻しばね1896か、または索張力システムのいずれかを用いて、通常は閉鎖状態に保持され得る。いずれにしても、機械的に反対の力を使用して、弁球1878bと、合致する合わせ面1877との間に適切な封止を作り出し、それによって、流体の流れを妨げ、かつ管腔1872を封止する。いくつかの実施形態では、弁の幾何形状は、手動かまたはロボット制御のいずれかで、駆動ワイヤ/ロッド、空気圧/液圧、電磁力、およびまたはモータを用いて作動させて、戻し機構の必要性の有無にかかわらず、弁を開閉することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、弁の幾何形状は、合致する合わせ面の近位側に位置し、冷凍剤供給管路の圧力(例えば、アブレーション媒体送達管腔の圧力、例えば、内側シャフト270の管腔272内の圧力)を活用して、通常は閉鎖状態のままにすることができる。いくつかの実施形態では、駆動力を加えて、弁の幾何形状と、合致する合わせ面との間の封止を壊すことができ、それによって、冷凍剤の流れを可能にする。例えば、図19は、一実施形態による、カテーテルシステムの内側シャフト1970の説明図である。この内側シャフト1970は、本明細書に記載されているような他の内側シャフト(例えば、内側シャフト270、1770、1870など)と構造的かつ/または機能的に類似し得る。内側シャフト1970は、弁1978の上流の上流部分1971a、および弁1978の下流の下流部分1971b、合致する合わせ面1977、およびノズル1974(ノズル1974の位置は、矢印によって示されている)を含む。図19はまた、内側シャフト内の冷凍剤1926および弁1978の下流も示している。
【0093】
いくつかの実施形態では、弁1978の遠位側にある冷凍剤供給管路容積1971b(例えば、アブレーション媒体送達管腔の容積、例えば、内側シャフト270の管腔272の容積)は、図3に示される弁278を参照して上述した容積などの残留容積の圧力上昇を最小限に抑えるのに十分小さい。いくつかの実施形態では、弁の遠位側にある冷凍剤供給管路の距離dは、約0~10センチメートル(cm)、または含まれる任意の範囲である。いくつかの実施形態では、弁1978は、弁本体、および冷凍剤1926の流れを容易にするオリフィスを開放/閉鎖する回転弁幾何形状からなり得る。
【0094】
図20は、胆嚢穿孔、内視鏡的逆行性胆道膵管撮影法(ERCP)、および急性胆嚢炎の閾値と比較した、本明細書に記載されている実施形態によるクライオアブレーションデバイスの動作圧力データを示すチャート2000である。図20のプロットからわかるように、本明細書に記載されている実施形態によるクライオアブレーションデバイスは、前述の状態を引き起こす圧力よりも低い圧力で動作する。
【0095】
図21A図21Bは、アブレーションデバイス(例えば、本明細書に記載されているアブレーションデバイスのいずれかなど)内の背圧を、排出管腔サイズ、およびアブレーション媒体送達の流量(例えば、冷凍剤流量)の関数として示すグラフである。グラフ2100は、異なる流量が与えられた場合の排出管腔サイズの関数としての圧力を示しており、ライン2102は、毎分20標準リットル(SLPM)の流量に対応し、ライン2104は、15SLPMの流量に対応し、ライン2106は、10SLPMの流量に対応し、そしてライン2108は、5SLPMの流量に対応する。グラフ2110は、異なる排出管腔サイズが与えられた場合の流量の関数としての圧力を示しており、ライン2112は、10フレンチ(Fr)の排出管腔サイズに対応し、ライン2114は、12Frの排出管腔サイズに対応し、ライン2116は、14Frの排出管腔サイズに対応し、そしてライン2118は、16Frの排出管腔サイズに対応する。排出管腔についてのこれらのフレンチサイズは、円形の断面積に基づいており、したがって、10Frの排出管腔サイズは、ほぼ8.7mmの断面積に対応し、12Frの排出管腔サイズは、ほぼ12.6mmの断面積に対応する、等々である。管腔サイズが10~16Frにわたる場合、動作圧力は、5~20SLPMで排出する場合には、ほぼ大気圧~約55mmHgゲージの範囲になり得る。このデータに基づくと、ノズルを有する6Frのアブレーションカテーテル(例えば、内側シャフト270)を想定すると、約20mmHg未満の背圧を達成するためには、最小排出管腔サイズは、約12Frであり、最大流量は、約20SLPMである。この6Frのアブレーションカテーテルは、2mmの外径、およびほぼ3.1mmの断面積を有することができる。アブレーションカテーテルの外径、および導入器(例えば、外側シャフト260)の内径は、環状の排出空間のサイズを決定する。したがって、6Frのアブレーションカテーテルおよび12Fr排出管腔サイズ(または導入器の内径)の場合、環状の排出断面積は、約9.4mmである。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているシステム、デバイス、および方法は、少なくとも9mmの断面積を有する、環状の排出空間を提供する。
【0096】
デバイスの安全性を考慮する際の主な問題のうちの1つは、胆嚢または他の標的アブレーション領域内で吹き付けられる液体亜酸化窒素アブレーション媒体の相変化に関連する管腔内圧力の上昇を制御することである。より具体的には、圧力上昇イベントが検出された場合、圧力が上昇し続けず、適切に排出されることを確実にする安全な方法が存在する必要がある。圧力上昇イベントが起きている状況において、「制御されていない供給管路」の総容積、または供給管路の流れを遮断する可能性のある、任意の機械的弁を超えている供給管路のセグメントに応じて、大量のガスを送達し続ける可能性があるとういう事実のために、送達管腔内に残っている液体亜酸化窒素が、大きな懸念事項となる。したがって、圧力を監視し、そしてそれに応じてデバイスを調節することによって、供給管路の圧力の懸念を最小限に抑えることが、有益となり得る。
【0097】
本開示の様々な実施形態によれば、クライオアブレーションデバイスは、クライオアブレーションデバイスの冷凍剤送達管腔内の冷凍剤の流れを制御するように構成することができる。例えば、クライオアブレーションデバイスは、冷凍剤送達管腔(例えば、内側シャフトまたはアブレーションカテーテル270の管腔272)内の領域を開閉するために使用することができる弁機構または他のタイプのデバイスを含むことができ、それによって、冷凍剤の流れが弁機構の遠位端部を経て標的アブレーション領域(例えば、胆嚢)内を通過するのを制限または可能にする。様々な実施形態によれば、クライオアブレーションデバイスは、胆嚢管腔または他の標的管腔内の圧力を監視するように構成されている計算デバイスとデータ通信することができる。以下に考察されるように、圧力は、制御弁および/または他の構成要素を介して、冷凍剤の流れを制御することによって解放することができる。様々な実施形態によれば、クライオアブレーションデバイスは、計算デバイスとデータ通信する1つ以上の圧力センサを備えることができる。この圧力センサは、胆嚢管腔内または他の標的管腔内の圧力を測定するように構成されている。
【0098】
本開示は、以下の実施例のうちのいずれか1つおよび最大すべてを含むことができることが理解されるであろう。
【0099】
実施例1:クライオアブレーションカテーテルであって、冷凍剤を組織領域に送達するための冷凍剤送達管腔を備えるカテーテル本体と、冷凍剤送達管腔の遠位端部分に配設された弁機構であって、その弁機構は、冷凍剤の流れを制御するように構成されている、弁機構と、を備える、クライオアブレーションカテーテル。
【0100】
実施例2:その冷凍剤は、亜酸化窒素を含む、実施例1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0101】
実施例3:冷凍剤送達管腔の遠位端部に位置決めされたノズルをさらに備え、弁機構が、冷凍剤送達管腔の遠位端部からノズル内に冷凍剤が流れるのを可能にする開放構成にあるときに、そのノズルは、冷凍剤を組織領域上に均一に分散するように構成されている、実施例1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0102】
実施例4:その弁機構は、閉鎖構成時に、冷凍剤が少なくとも1つの冷凍剤送達管腔の遠位端部を出て、組織領域上に分散されるのを防止するように、冷凍剤の流れを妨げることと、開放構成時に、冷凍剤が冷凍剤送達管腔の遠位端部を通って流れ、組織領域上に分散されるのを可能にすることと、を行うように構成されている、実施例1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0103】
実施例5:その弁機構は、冷凍剤送達管腔の合致する合わせ面に係合するようなサイズおよび形状に設計され、それによって封止を引き起こす弁構成要素を備える、実施例1に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0104】
実施例6:その弁機構は、弁構成要素に結合された駆動機構をさらに備え、その駆動機構は、弁構成要素に対して反対の力を生成して、冷凍剤送達管腔の合致する合わせ面に対して弁構成要素の移動を引き起こすように構成されている、実施例5に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0105】
実施例7:その駆動機構は、駆動ワイヤ、駆動ロッド、空気圧システム、液圧システム、電磁力システム、またはモータのうちの少なくとも1つを備える、実施例6に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0106】
実施例8:その弁機構は、弁構成要素に結合された位置決め構成要素をさらに備え、その位置決め構成要素は、弁機構の通常の構成が冷凍剤の流れを妨げるための閉鎖構成にあるように、冷凍剤送達管腔の合わせ面に対して弁構成要素を位置決めするように構成されている、実施例5または6のうちのいずれか1つに記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0107】
実施例9:その位置決め構成要素は、ばね戻し機構または索張力システムを備える、実施例8に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0108】
実施例10:その弁構成要素は、冷凍剤送達管腔の合わせ面の近位側に位置決めされている、実施例5~9のうちのいずれか1つに記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0109】
実施例11:冷凍剤に関連する圧力は、弁構成要素を、冷凍剤送達管腔の合わせ面の近位側に対して静止させる、実施例10に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0110】
実施例12:冷凍剤送達管腔の合致する合わせ面は、冷凍剤送達管腔の第1の部分と、冷凍剤送達管腔の第2のセグメントとの間に位置決めされ、その第2のセグメントは、合わせ面の遠位側にある、実施例5~11のうちのいずれか1つに記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0111】
実施例13:冷凍剤送達管腔の第2のセグメントの容積は、冷凍剤に関連する残留容積の圧力上昇を最小限に抑えるようにサイズ設計されている、実施例12に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0112】
実施例14:第2のセグメントの長さは、約0~10センチメートルである、実施例13に記載のクライオアブレーションカテーテル。
【0113】
実施例15:方法であって、クライオアブレーションデバイスのカテーテルを介して体腔内の組織領域上に冷凍剤を分散することであって、その冷凍剤は、カテーテルの送達管腔を介して送達される、分散することと、体腔内に配設された圧力センサを介して、体腔内の圧力を測定することと、計算デバイスを介して、その圧力が事前定義された閾値を超えたかどうかを判定することと、その圧力が事前定義された閾値を超えたと判定することに応答して、体腔内の圧力を下げることと、を含む、方法。
【0114】
実施例16:システムであって、管腔内の組織領域に冷凍剤を均一に分散するように構成されたクライオアブレーションカテーテルと、クライオアブレーションカテーテル内に配設された圧力センサであって、その圧力センサは、管腔内の圧力を測定するように構成されている、圧力センサと、その圧力センサとデータ通信するプロセッサと、を備え、そのプロセッサは、圧力センサから圧力データを取得することと、管腔に関連する圧力が事前定義された圧力閾値以内にあるかどうかを判定することと、その圧力が事前定義された圧力閾値の外側にあると判定することに応答して、管腔内の圧力の低減を開始することと、を行うように構成されている、システム。
【0115】
本開示の上述の実施形態は、本開示の原理を明確に理解するために記載された実施態様の単に可能性のある例にすぎないことを強調するべきである。本開示の趣旨および原理から実質的に逸脱することなく、上述の実施形態に対して、多くの変形および修正を行うことができる。そのようなすべての修正および変形は、本開示の範囲内の本明細書に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0116】
また、様々な概念を、1つ以上の方法として具現化することができ、その一例が提供されている。その方法の一部として行われる動作は、任意の好適な方法で順序付けされ得る。したがって、図示された実施形態で連続した動作として示される場合でも、動作が図示されたものとは異なる順番で実行され、いくつかの動作を同時に実行することを含み得る実施形態が構築され得る。
【0117】
本明細書で使用される場合、用語「約」および/または「およそ」は、数値および/または範囲とともに使用される場合、概して、列挙された数値および/または範囲に近いそれらの数値および/または範囲を指す。場合によっては、「約」および「およそ」という用語は、列挙された値の±10%以内を意味し得る。例えば、場合によっては、「約100[単位]」は、100の±10%以内(例えば、90~110)を意味し得る。「約」および「およそ」という用語は、互換的に使用することができる。
【0118】
本明細書に記載されているいくつかの実施形態は、様々なコンピュータに実装された動作を実行するための命令またはコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体と呼ばれることもある)を備えるコンピュータストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一時的な伝播信号(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上で情報を搬送する伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体およびコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムと呼ばれることもある)は、特定の1つ以上の目的のために設計および構成されたものとすることができる。非一時的コンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィックデバイスなどの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどの、プログラムコードを記憶および実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載された他の実施形態は、例えば、本明細書に開示された命令および/またはコンピュータコードを含み得るコンピュータプログラム製品に関する。
【0119】
本明細書に記載されているシステム、デバイス、および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって実行することができる。ハードウェアモジュールには、例えば、汎用プロセッサ(またはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)が含まれ得る。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)で表現することができ、それらには、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、Visual Basic(登録商標)、ならびに/または他のオブジェクト指向型、手続型、もしくは他のプログラミング言語および開発ツールが含まれる。コンピュータコードの例は、これらに限定されるものではないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、およびインタープリタを使用するコンピュータによって実行される高レベル命令を含むファイルを含む。コンピュータコードの追加の例は、これらに限定されるものではないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図12D
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図21A
図21B
【国際調査報告】